JP6848308B2 - 梱包体 - Google Patents

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本発明は、梱包体に関する。
製品等の梱包物を梱包する梱包体に関して、以下の特許文献1に記載の技術が従来公知である。
特許文献1としての特開平10−287371号公報には、梱包箱用台座付きパッドにおいて、緩衝体(4)の嵌合部(41)を、台座(3)の嵌めこみ孔(31)に嵌めこむことで、緩衝体(4)がずれないようにする技術が記載されている。
特開平10−287371号公報(「0008」〜「0009」、図1)
本発明は、梱包体が割れても分離しないようにすることを技術的課題とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の梱包体は、
梱包物を支持する支持部であって、離間して配置された一組の部位と、前記一組の部位どうしを接続する部位と、を有する前記支持部と、
前記一組の部位のそれぞれに両端が接続され、前記接続する部位の延びる方向に沿って延び、且つ、前記接続する部位に対して間隔をあけて配置され、前記一組の部位どうしを結ぶ方向に交差する方向に湾曲して形成され、前記一組の部位どうしの間隔よりも延べの長さが長く形成された湾曲部と、
を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の梱包体において、
前記梱包物に対して隙間をあけて配置された前記湾曲部、
を備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、梱包体が割れても分離しないようにすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、湾曲部が梱包物に対して隙間をあけて配置されない場合に比べて、湾曲部の割れを低減できる。
図1は実施例1の梱包体を使用して画像形成装置を梱包する場合の説明図である。 図2は実施例1の梱包体の説明図であり、図2Aが斜視図、図2Bが図2Aの矢印IIB方向から見た図である。 図3は実施例1の梱包体の説明図であり、図3Aは平面図、図3Bは図3Aの矢印IIIB方向から見た図、図3Cは図3Bの矢印IIIC方向から見た図、図3Dは図3Bの矢印IIID方向から見た図である。 図4は実施例1の梱包体の説明図であり、図4Aは図3DのIVA−IVA線断面図、図4Bは図3DのIVB−IVB線断面図、図4Cは図2BのIVC部分の拡大図、図4Dは図2BのIVD部分の拡大図である。 図5は実施例1の作用説明図であり、図5Aは図4Bに対応する図、図5Bは図4Bにおいて角支持部が割れる力を受けた場合の説明図である。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例としての実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
図1は実施例1の梱包体を使用して画像形成装置を梱包する場合の説明図である。
図1において、本発明の実施例1の梱包体の一例としての下緩衝体1は、梱包物の一例としての画像形成装置Uを梱包する。画像形成装置Uは、底部を下緩衝体1で支持され、上部に上緩衝体2が装着される。そして、緩衝体1,2が装着された画像形成装置Uは、箱体の一例としてのダンボール箱3に収容される。
図2は実施例1の梱包体の説明図であり、図2Aが斜視図、図2Bが図2Aの矢印IIB方向から見た図である。
図3は実施例1の梱包体の説明図であり、図3Aは平面図、図3Bは図3Aの矢印IIIB方向から見た図、図3Cは図3Bの矢印IIIC方向から見た図、図3Dは図3Bの矢印IIID方向から見た図である。
図4は実施例1の梱包体の説明図であり、図4Aは図3DのIVA−IVA線断面図、図4Bは図3DのIVB−IVB線断面図、図4Cは図2BのIVC部分の拡大図、図4Dは図2BのIVD部分の拡大図である。
図2、図3において、下緩衝体1は、第1の支持部の一例としての底支持部11を有する。底支持部11は、画像形成装置Uの底の縁に沿うように四角枠状に形成されている。したがって、底支持部11は、前後方向に延びる左右一対の縦底部11aと、左右方向に延びる前後一対の横底部11bとを有する。
縦底部11aどうしの間には、前後方向に延びる縦湾曲部12が配置されている。縦湾曲部12は、横底部11bどうしの間を接続している。縦湾曲部12は、上下方向に湾曲して形成されている。したがって、縦湾曲部12の延べ長さは、横底部11bどうしの間隔よりも長く構成されている。実施例1の縦湾曲部12の上下方向の厚みは、縦底部11aの厚さよりも薄く形成されている。また、縦湾曲部12は、画像形成装置Uに下緩衝体1が装着される場合、画像形成装置Uの底面に対して隙間をあけて配置されるように構成されている。すなわち、縦湾曲部12は、画像形成装置Uに接触せず、画像形成装置Uの荷重を受けないように構成されている。
図3、図4において、底支持部11には、第2の支持部の一例としての角支持部16が支持されている。実施例1の角支持部16は、落下時等に応力集中が発生しやすく、荷重のかかりやすい底支持部11の四隅に対応して配置されている。また、実施例1の角支持部16は、水平方向に沿う底支持部11の外端から重力方向に延びている。
図3、図4において、右前の角支持部16aと、左前の角支持部16bの後部には、接続部17が配置されている。図4B、図4Cにおいて、接続部17は、底支持部11に接続される第1の接続部17aと、角支持部16a,16bの後端に接続される第2の接続部17bとを有する。実施例1では、第1の接続部17aと角支持部16a,16bとの間、および、第2の接続部17bと底支持部11との間には、隙間18が形成されている。
実施例1の接続部17の厚さは、角支持部16a,16bおよび底支持部11の厚さよりも薄く形成されている。図4Bにおいて、実施例1の接続部17は、底支持部11と角支持部16a,16bとの境界部分21の曲率半径R1に比べて、第1の接続部17aと第2の接続部17bとの境界部分22の曲率半径R2の方が、大きく形成されている。すなわち、R2>R1に設定されている。
実施例1の接続部17は、画像形成装置Uに下緩衝体1が装着される場合、画像形成装置Uの側面に対して隙間をあけて配置されるように構成されている。すなわち、接続部17は、画像形成装置Uに接触せず、画像形成装置Uの荷重を受けないように構成されている。
図2、図3、図4Dにおいて、右前の角支持部16aと左前の角支持部16bとの間には、左右方向に延びる横湾曲部26が配置されている。実施例1の横湾曲部26は、右前の角支持部16aと左前の角支持部16bとを接続している。よって、横湾曲部26は、横底部11bに並行して配置され、且つ、横底部11bに対して間隔をあけて配置されている。実施例1の横湾曲部26は、前後方向に湾曲して形成されている。したがって、横湾曲部26の延べ長さは、角支持部16a,16bの間隔よりも長く構成されている。実施例1の横湾曲部26の前後方向の厚みは、角支持部16a,16bの厚さよりも薄く形成されている。また、横湾曲部26は、画像形成装置Uに下緩衝体1が装着される場合、画像形成装置Uの前面に対して隙間をあけて配置されるように構成されている。すなわち、横湾曲部26は、画像形成装置Uに接触せず、画像形成装置Uの荷重を受けないように構成されている。
また、横湾曲部26の下端と、前側の横底部11bとの間には、第2の縦湾曲部27が配置されている。第2の縦湾曲部27は、縦湾曲部12と同様に、縦底部11aに間隔をあけて並行して配置され、上下方向に湾曲している。また、第2の縦湾曲部27は、縦湾曲部12と同様に、縦底部11aよりも厚さが薄く、画像形成装置Uの荷重を受けないように構成されている。
なお、実施例1の下緩衝体1は、一例として、EPS(Expanded PolyStyrene:発泡ポリスチレン)樹脂で構成されている。また、接続部17や湾曲部12,26,27は、幅が30〜50mmで、EPSの発泡率が40倍で肉厚8〜10mm、EPS50倍で10〜12mm、EPS60倍で12〜15mm程度が好ましいことが、本発明者の実験で確認されている。
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の下緩衝体1が使用された段ボール箱3では、画像形成装置Uが収容された状態で、倉庫で保管されたり、出荷され、設置先で梱包が解かれる。倉庫内での段ボール箱3の移動や出荷時の輸送時に、製品が誤って落下することがある。このとき、緩衝体1,2は、圧縮されるまたは引っ張られることで、衝撃のピークを下げ、梱包物である画像形成装置Uを保護する。ここで、緩衝体1,2として、広く使用されているEPS材は延性が乏しく引っ張られると割れやすい。特許文献1に記載の技術のように、包装材として使用した場合、落下により製品を受け止める緩衝部分が割れて分離することがある。緩衝部分が分離して位置が移動すると、2回目の落下あるいは分離した部分を含む落下が起きた場合製品を守ることができない。また、顧客が製品を返送する必要が生じた場合、開梱時に緩衝材が分離して段ボール箱内で動いていると、正しい位置に戻して梱包することが困難である問題もある。
そのため、従来は、包材が分離しないように、肉厚を厚くして強度を上げて分離を防いでいる。しかしながら、近年の費用削減の要求を満足するためには、材料使用料を減らす必要があり、肉厚を厚くすることでの強度確保は困難になってきている問題もある。
これに対して、実施例1では、例えば、落下等で、下緩衝体1が割れて、底支持部11と角支持部16とが分離しても、別個に設けられた接続部17は割れにくい。したがって、底支持部11と角支持部16は接続部17で接続された状態で保持される。よって、底支持部11と角支持部16とが分離しても、位置が変動することが防止され、2回目の落下でも画像形成装置Uを保護することが可能である。また、実施例1の接続部17は、各支持部11,16よりも厚さが薄く構成されており、接続部17を各支持部11,16と同じ厚さで構成したり、各支持部11,16を厚肉化する場合に比べて、材料の使用量が減る。よって、製造費用も低減される。
特に、実施例1の接続部17は、各支持部11,16との間に隙間18が形成されており、各支持部11,16の割れが隙間18で遮られる。よって、支持部11,16の割れが接続部17に伝播することが防止され、接続部17の割れが低減される。
また、実施例1の接続部17は、画像形成装置Uの荷重を受けていない。したがって、接続部17が荷重を受ける場合に比べて、落下等の発生時も接続部17に荷重がかかりにくく、接続部17自体が割れることが低減される。
図5は実施例1の作用説明図であり、図5Aは図4Bに対応する図、図5Bは図4Bにおいて角支持部が割れる力を受けた場合の説明図である。
さらに、実施例1では、底支持部11と角支持部16との境界部分21の曲率半径R1に比べて、第1の接続部17aと第2の接続部17bとの境界部分22の曲率半径R2の方が、大きく形成されている。また、接続部17が各支持部11,16よりも外側に形成されている。したがって、図5Bに示すように、底支持部11と角支持部16との境界部分21に割れる程度の変形が発生しても、第1の接続部17aと第2の接続部17bとの境界部分22の変形は相対的に小さい。したがって、第1の接続部17aと第2の接続部17bとの境界部分22が割れずに残ることが期待できる。よって、底支持部11と角支持部16との境界部分21で割れても、各支持部11,16の位置が変動することが抑制される。
また、倉庫で積み上げた場合や落下時、輸送時の振動等によっては、縦底部11aが前後方向に引っ張られて前後方向の中央部辺りで破断することがある。同様に、横底部11bが左右方向に引っ張られて、左右方向の途中で破断する場合もある。これに対して、実施例1では、縦底部11aに並行して縦湾曲部12,27が設けられている。したがって、縦底部11aが破断しても、延べ長さの長い縦湾曲部12,27が延びるように変形し、破断部分の両側が分離したり、位置の変動を抑制することが期待される。同様に、横底部11bが破断しても、横湾曲部26で分離や位置の変動の抑制が期待される。また、実施例1では、各湾曲部12,26,27は薄肉に形成されており、接続部17の場合と同様に、材料の使用量や費用が削減される。
また、実施例1の湾曲部12,26,27は、接続部17と同様に、縦底部11aや横底部11bに対して、間隔をあけて配置されている。したがって、縦底部11aや横底部11bの割れが湾曲部12,26,27に伝播することが防止される。
さらに、実施例1の湾曲部12,26,27は、接続部17と同様に、画像形成装置Uの荷重を受けない。したがって、落下等時に湾曲部12,26,27に荷重がかかりにくく、湾曲部12,26,27が割れることが低減される。
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H04)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、梱包物の一例としての画像形成装置Uを例示したが、これに限定されない。例えば、トナーカートリッジや交換ユニット、オプションユニット、あるいは、パーソナルコンピュータやモニター、テレビ等、梱包体を使用して倉庫で保管したり、輸送可能な任意の梱包物に適用可能である。
(H02)前記実施例において、接続部17の位置や、湾曲部12,26,27の位置は、例示した位置に限定されず、設計や仕様、梱包体の形状等に応じて任意に変更可能である。同様に、接続部17や湾曲部12,26,27の数も、増やしたり減らしたりすることが可能である。同様に、縦底部11aや横底部11bの大きさや位置、形状、数も、梱包体の形状や重さ等に応じて、任意に変更可能である。
(H03)前記実施例において、例示した数値や材料に限定されず、設計や仕様等に応じて適宜変更可能である。
(H04)前記実施例において、上緩衝体2も下緩衝体1と同様に、接続部17や湾曲部12,26,27を有する構成とすることも可能である。
1…梱包体、
11…第1の支持部、
11,16…支持部、
12,26,27…湾曲部、
16…第2の支持部、
17…接続部、
17a…第1の接続部、
17b…第2の接続部、
18…隙間、
21…第1の支持部と第2の支持部と境界部、
22…第1の接続部と第2の接続部との境界部、
R1…境界部21の曲率半径、
R2…境界部22の曲率半径、
U…梱包物。

Claims (2)

  1. 梱包物を支持する支持部であって、離間して配置された一組の部位と、前記一組の部位どうしを接続する部位と、を有する前記支持部と、
    前記一組の部位のそれぞれに両端が接続され、前記接続する部位の延びる方向に沿って延び、且つ、前記接続する部位に対して間隔をあけて配置され、前記一組の部位どうしを結ぶ方向に交差する方向に湾曲して形成され、前記一組の部位どうしの間隔よりも延べの長さが長く形成された湾曲部と、
    を備えたことを特徴とする梱包体。
  2. 前記梱包物に対して隙間をあけて配置された前記湾曲部、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の梱包体。
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