JP6846890B2 - 飲料物の調理方法、及び、飲料物の提供方法 - Google Patents

飲料物の調理方法、及び、飲料物の提供方法 Download PDF

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Description

本発明は、模様を付ける飲料物の調理方法、及び、飲料物の提供方法に関する。
近年、カフェラテやカプチーノなどといったムース状のミルクの上に、模様を描いたりするラテアートが流行している。このラテアートは、バリスタといった職人がミルクをスチームして、コーヒーやエスプレッソの上に流し、道具を使う等してミルクの上に模様を作る手法である。
しかし、このラテアートをするのは、相当な訓練が必要であって、誰もが上手くできるわけではない。このようなことから、特許文献1のように、容易にラテアートをすることができる発明もされている。
特許文献1の発明では、プリンターやレーザー機を使って模様を描くようにしている。即ち、飲料の上に、薄く成形したマシュマロ・ウエハース・最中の皮のような食品(水溶性食品浮遊物)を載せ、この水溶性食品浮遊物の表面に、食品着色料を用いてプリンターで模様などを印刷することを提案している。これにより、熟練者でなくても、容易に模様を付けることができるし、模様を付けた水溶性食品浮遊物は食べることもできるとしている。
特開2016−67328号公報
ところで、特許文献1のように水溶性食品浮遊物を載せた飲料物では、そもそも味や食感が変化してしまう。このため、ラテアートを行うことを優先させ、飲料物を飲みたいという本来の注文者の要求を満たさず、主客転倒となってしまう。
そこで、発明者は、水溶性食品浮遊物をのせず、飲料物のミルクの上に直接、プリンターで模様を印刷することを考えたが、ミルクがムース状であって上手く印刷することができなかった。
そこで、ムース状のミルクではなく、生クリームやホイップクリームを撹拌して硬めにしたクリーム状物を飲料の上にのせ、その上に印刷してみた。この場合、印刷はある程度は上手くいき、模様をクリーム状物の上に施すことができた。しかし、その印刷した模様は直ぐに溶けて模様の形が分からない程になってしまった。
本発明は、このような事態を解決するものであり、クリーム状物の上にプリンターで模様を精度よく印刷でき、かつ、相当の時間、その印刷した模様を維持することができる飲料物の調理方法、および飲料物の提供方法を提供することを目的とする。
上記課題は、本発明によれば、開口部を有する容器内の飲料の上方にクリーム状物を配置し、前記クリーム状物の上に模様を施すようにした飲料物の調理方法であって、前記クリーム状物を角が立つ硬さとなる程に攪拌してホイップ状にするホイッピング工程と、前記飲料、及び、前記容器に入れてから5分経過しても前記飲料の液面に全体的に残る量の氷を、前記容器に入れる飲料注入工程と、直前まで冷却しておいた前記クリーム状物を、前記開口部を略覆うように充填するクリーム充填工程と、前記充填した前記クリーム状物を前記容器の略縁の位置で平坦にする均し工程と、前記クリーム状物の上に食品着色料をプリンターで吐出することにより、アニメーション又は漫画のキャラクターからなる前記模様を印刷する印刷工程と、を有し、前記クリーム充填工程において、前記クリーム状物は、相対的に、前記容器の内面付近に比べて中央部付近の方が少ない量である飲料物の調理方法により解決される。
本発明の構成に係る飲料物の調理方法でよれば、開口部を有する容器内の飲料の上方にクリーム状物を配置し、そのクリーム状物の上に模様を施すようにしているため、飲料物の注文者などを楽しませることができる。ここにいう「クリーム状物」とは飲食用のクリームであり、例えば生クリームやホイップクリームである。
この点、クリーム状物を角が立つ硬さとなる程に攪拌してホイップ状にするホイッピング工程を有する。即ち、クリーム状物は攪拌している泡立て器で持ち上げられると、暫く立った状態となる。そうすると、クリーム状物はカフェラテのような柔らかいムース状ではなく、所要の硬さを有する。従って、模様を印刷する印刷工程において、クリーム状物の上に食品着色料をプリンターで吐出して模様を付けることができる。
また、クリーム状物を容器の開口部を略覆うように充填するクリーム充填工程を有するため、プリンターで印刷する際、滑る氷の上でのクリーム状物の動きを防止して、プリンターから吐出する食品着色量をクリーム状物の上に精度よく付けることができる。
さらに、充填したクリーム状物を容器の略縁の位置で平坦にする均し工程を有するため、縁をガイドにしながらヘラでクリーム状物の上面を平坦に均し易く、この点でも食品着色量をクリーム状物の上に精度よく付けることができる。
ここで、模様をプリンターで精度よく印刷できたとしても、模様は水分に触れて直ぐに滲んで、視認に耐えられない輪郭になってしまう恐れがあるが、本発明では、飲料を容器に入れる飲料注入工程において、氷も容器に入れている。従って、クリーム状物は氷によって冷却され、直ぐに水分と分離してしまうことを可及的に防止して、食品着色料の滲みを抑えることができる。しかも、氷は容器に入れてから5分経過しても飲料の液面に全体的に残る量であるため、少なくとも5分間はクリーム状物を下面から満遍なく冷却できる(上記「全体的に」とは、氷が充満していても、氷同士の接触により液面が見える状態を許容するものである)。この点、容器に氷を入れてから注文者に飲料物を提供するまでは、クリーム状物を充填したり、プリンターで印刷したりすることから3分前後かかる為、注文者は2分前後は滲みの少ない視認に耐え得る模様を楽しむことができる。
特に、本発明の模様はアニメーション又は漫画のキャラクターからなっている。このキャラクターは写真と違って輪郭が太く明確であると共に特徴化されているため、多少の滲みがあってもキャラクターを容易に認識して、模様を楽しむことができる。
しかも、クリーム状物は容器に充填する直前まで冷却しているので、容器に入れて直ぐに水分が発生することもなく、この点でも、食品着色料が直ぐに滲んでしまうことを有効に防止している。
また、前記クリーム充填工程において、前記クリーム状物は、相対的に、前記容器の内面付近に比べて中央部付近の方が少ない量である。そうすると、容器の内面付近にあるクリーム状物は、その粘着性をもって容器内面に付着しており、そして、中央部付近にあるクリーム状物の量は少ないので、容器を傾けた際、中央部のクリーム状物が傾けた下方に向かって流れてくる恐れを有効に防止できる。従って、クリーム状物の移動を抑えて模様の変形を防止することができるし、飲み易さも損なわれることがない。
より好ましくは、クリーム状物の底面(飲料側の面)は上方に向かって凸となるように湾曲するのがよく、これにより、容器を傾けた際のクリーム状物の移動をより効果的に抑えることができる。
上記課題は、本発明によれば、開口部を有する容器内の飲料の上方にクリーム状物を配置し、前記クリーム状物の上に模様を施すようにした飲料物の調理方法であって、前記クリーム状物を角が立つ硬さとなる程に攪拌してホイップ状にするホイッピング工程と、前記飲料、及び、前記容器に入れてから5分経過しても前記飲料の液面に全体的に残る量の氷を、前記容器に入れる飲料注入工程と、直前まで冷却しておいた前記クリーム状物を、前記開口部を略覆うように充填するクリーム充填工程と、前記充填した前記クリーム状物を前記容器の略縁の位置で平坦にする均し工程と、前記クリーム状物の上に食品着色料をプリンターで吐出することにより、アニメーション又は漫画のキャラクターからなる前記模様を印刷する印刷工程と、を有し、前記容器は、前記開口部付近の内面に凹凸部が形成されている飲料物の調理方法により解決される。
本発明の構成に係る飲料物の調理方法でよれば、開口部を有する容器内の飲料の上方にクリーム状物を配置し、そのクリーム状物の上に模様を施すようにしているため、飲料物の注文者などを楽しませることができる。ここにいう「クリーム状物」とは飲食用のクリームであり、例えば生クリームやホイップクリームである。
この点、クリーム状物を角が立つ硬さとなる程に攪拌してホイップ状にするホイッピング工程を有する。即ち、クリーム状物は攪拌している泡立て器で持ち上げられると、暫く立った状態となる。そうすると、クリーム状物はカフェラテのような柔らかいムース状ではなく、所要の硬さを有する。従って、模様を印刷する印刷工程において、クリーム状物の上に食品着色料をプリンターで吐出して模様を付けることができる。
また、クリーム状物を容器の開口部を略覆うように充填するクリーム充填工程を有するため、プリンターで印刷する際、滑る氷の上でのクリーム状物の動きを防止して、プリンターから吐出する食品着色量をクリーム状物の上に精度よく付けることができる。
さらに、充填したクリーム状物を容器の略縁の位置で平坦にする均し工程を有するため、縁をガイドにしながらヘラでクリーム状物の上面を平坦に均し易く、この点でも食品着色量をクリーム状物の上に精度よく付けることができる。
ここで、模様をプリンターで精度よく印刷できたとしても、模様は水分に触れて直ぐに滲んで、視認に耐えられない輪郭になってしまう恐れがあるが、本発明では、飲料を容器に入れる飲料注入工程において、氷も容器に入れている。従って、クリーム状物は氷によって冷却され、直ぐに水分と分離してしまうことを可及的に防止して、食品着色料の滲みを抑えることができる。しかも、氷は容器に入れてから5分経過しても飲料の液面に全体的に残る量であるため、少なくとも5分間はクリーム状物を下面から満遍なく冷却できる(上記「全体的に」とは、氷が充満していても、氷同士の接触により液面が見える状態を許容するものである)。この点、容器に氷を入れてから注文者に飲料物を提供するまでは、クリーム状物を充填したり、プリンターで印刷したりすることから3分前後かかる為、注文者は2分前後は滲みの少ない視認に耐え得る模様を楽しむことができる。
特に、本発明の模様はアニメーション又は漫画のキャラクターからなっている。このキャラクターは写真と違って輪郭が太く明確であると共に特徴化されているため、多少の滲みがあってもキャラクターを容易に認識して、模様を楽しむことができる。
しかも、クリーム状物は容器に充填する直前まで冷却しているので、容器に入れて直ぐに水分が発生することもなく、この点でも、食品着色料が直ぐに滲んでしまうことを有効に防止している。
また、前記容器は、前記開口部付近の内面に凹凸部が形成されている。
従って、凹凸部で開口部付近の内面の表面積が増え、また、該凸となる部分が容器の内面に付着したクリーム状物の移動を抑える規制手段となり、これにより、容器を傾けた際のクリーム状物の移動をより確実に防止することができる。なお、凹凸部は内面を粗面にすることで形成された微小な凹凸であっても構わない。
また、好ましくは、前記クリーム充填工程において、前記クリーム状物は、相対的に、前記容器の内面付近に比べて中央部付近の方が少ない量であることを特徴とする。
そうすると、容器の内面付近にあるクリーム状物は、その粘着性をもって容器内面に付着しており、そして、中央部付近にあるクリーム状物の量は少ないので、容器を傾けた際、中央部のクリーム状物が傾けた下方に向かって流れてくる恐れを有効に防止できる。従って、クリーム状物の移動を抑えて模様の変形を防止することができるし、飲み易さも損なわれることがない。
より好ましくは、クリーム状物の底面(飲料側の面)は上方に向かって凸となるように湾曲するのがよく、これにより、容器を傾けた際のクリーム状物の移動をより効果的に抑えることができる。
また、好ましくは、前記クリーム状物は、乳蛋白及び/又は脱脂粉乳が含有した植物油脂からなるホイップクリームであることを特徴とする。
このようなホイップクリームは生クリームに比べて白いため、模様の輪郭をより際立たせることができる。従って、輪郭を容易に認識して、模様を楽しむことができる。

また、好ましくは、前記クリーム状物には、トレハロース及び/又はゼラチンが添加されていることを特徴とする。
これらトレハロースやゼラチンには高い保水力があるため、これをクリーム状物に添加した場合、クリーム状物の水分の分離を抑制でき、従って、水分に触れることで生じる食品着色料の滲みを抑制できる。
以上、本発明によれば、クリーム状物の上にプリンターで模様を精度よく印刷でき、かつ、相当の時間、その印刷した模様を維持することができる飲料物の調理方法、および飲料物の提供方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る飲料物の調理方法により完成した飲料物の概略斜視図。 図1の概略A−A断面図。 図1の飲料物を斜めに傾けた際の断面図。 図1の飲料物の調理に用いられる撹拌装置の概略図。 図1の飲料物の調理に用いられるプリンターの概略図。 図1の飲料物の調理に用いられるシステムの特徴的な構成を示す概略ブロック構成図。 図6のシステムにおいて、容器位置選択手段で印刷する容器の位置(載置部の位置)を選択している際の表示部の画面例。 図6のシステムにおいて、キャラクター選択手段でキャラクターを選択している際の表示部の画面例。 図6のシステムにおいて、飲料選択手段で飲料を選択している際の表示部の画面例。 図6のシステムにおいて、容器の位置、キャラクター、及び飲料を選択し終えた表示部の画面例。 本発明の実施形態に係る飲料物の調理方法のフロー図。 図11の調理方法に準じて調理をした飲料物について、印刷した直後の模様の様子を写した写真。 図11の調理方法に準じて調理をした飲料物について、印刷した10分後の模様の様子を写した写真。 図11の調理方法に準じて調理をした飲料物について、印刷した20分後の模様の様子を写した写真。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
また、以下で説明する図において、同一の符号を付した箇所は同様の構成である。
〔本発明の実施形態〕
本発明の実施形態に係る飲料物の調理方法を説明する前に、該調理方法を利用して完成した飲料物を主に図1及び図2を用いて説明する。
図1は、外食・中食産業において注文者の注文により調理される(作られる)飲料物10の概略斜視図、図2は図1の概略A−A断面図である。なお、図2の一点鎖線で囲った図は、容器20の開口部22付近の内面20Cの拡大図である。
これらの図に示すように、飲料物10は、容器20と、容器20内に収容された飲料30及び氷19と、飲料30及び氷19の上方に配置されたクリーム状物40と、クリーム状物40の上に施された模様50とを有している。なお、ここにいう飲料物10とは、注文者に提供される容器20が付いた状態の飲料30のことをいい、内容物である単なる飲料30と区分けてしている。
以下、容器20、飲料30、氷19、クリーム状物40、模様50について説明する。
〔容器について〕
容器20は、底部20Aと周側面部20Bを有する、所謂コップ、グラス、カップなどであり、上側に、飲料30やクリーム状物40を注入したり、ストロー(不図示)を差し入れしたりするための開口部22を有している(図の開口部22は、クリーム状物40により塞がっている)。なお、飲料30はストローで飲んでも、又は開口部22の縁21に口を付けて飲んでも勿論構わない。
図の容器20は、外気温の影響を受け難くするため、周側面部20Bが円筒状とされており、表面積を小さくしている。
ここで、この容器30については、開口部22付近の内面20Cに凹凸部27が形成されている。凹凸部27はクリーム状物40との付着性を強めるためのものである。この凹凸部27は、図のように内面20Cの周方向に沿って形成された凹部又は凸部、或いはエンボスパターンであるのが好ましく、更には、深さが略1mmにも満たない微細な凹凸であるのが好ましい(この凹凸部27については後で説明する)。
〔飲料について〕
飲料30は容器20に注入される際、少なくとも常温であって、好ましくは概ね5℃以下に冷却されているのがよい。この飲料30は、低温であっても美味しく、かつ、後述するクリーム状物40との相性がよいものがよく、このように飲料30としては、例えばアイスコーヒー、アイスカフェオレ、メロンソーダ、アイスカフェ・モカ、アイスミルクティー,アイス抹茶ラテ、コーラ等のアイスドリンクがある。
〔氷について〕
氷19は、容器20に入れてから少なくとも5分経過しても飲料30の液面に全体的に残る量としている。これにより、氷19は、クリーム状物40の下面を全体的に万遍なく冷却し続け、クリーム状物40が水分と分離することで生じる模様50の破壊を防止することができる。氷19の残量時間を少なくとも5分間としたのは、容器30に氷19を入れてから、注文者に飲料物10を提供するまでに凡そ3分前後はかかるためで、該提供してから1分程度で模様が視認に耐えられないように滲んでしまうことを避けるためである。なお、氷19の量は気温に対応して決めればよく、暑い日は多めに寒い日は少なめに入れれば良いが、好ましくは、略25℃以上30℃未満の温度である場合、5分経過しても飲料30の液面に全体的に残る量とされるのが好ましい。25℃は夏日であって、アイスドリンクが飲みたくなる温度であり、30℃を超えると真夏日の屋外の温度となり、氷の早い融解を防止するのが困難だからである。
この点、氷19は、例えば球状にして表面積を小さくすることで外気温の影響を小さくし、これにより溶け難くする方法もあるが、単に溶け難くい状態にすると、その分、クリーム状物40を効果的に冷却できなくなる。そうすると、氷は長時間残っても、その割にはクリーム状物40の分離を防止できない恐れがある。氷19は、好ましくは10分間(出来れば20分間以上)、クリーム状物40を下から万遍なく3〜5℃付近の範囲内で冷却し続けられるのがよい。このため、氷はアイスピックで割ったような不均一の表面にしてクリーム状物40を冷却し易くし、かつ、長時間(好ましくは10分間、より好ましくは20分間)所要の状態で存在するように空気を可及的に入れず、その上で量を決めるのが好ましい。
〔クリーム状物について〕
クリーム状物40は、一般的にクリームと呼ばれる食用クリームであり、乳脂肪のみを原料とした生クリームだけではなくホイップクリーム等も含まれる。
本実施形態のクリーム状物40はホイップクリームであり、乳脂肪に植物性油脂を加え、さらに乳化剤と安定剤を添加したものである。ホイップクリームは、生クリームに比べて白く、このため模様の輪郭をクッキリと見せることができる。また、ホイップクリームは、乳化剤や安定剤が添加されているので分離し難く、その上に模様30を施す上では好ましい(この点については後で説明する)。
このようなクリーム状物40については、例えば泡立て器で持ち上げた際、角が立つ硬さとなる程に攪拌してホイップ状とされている。即ち、当初、液体であったクリームの素(ホイップクリームの材料も含む)は、撹拌することで脂肪球が壊され、そこから出てきた脂肪が空気を包み込むようにして結合し、無数の微小な泡状とされることで、角が立つくらいの硬さとなる。このクリーム状物40の硬さは、少なくとも、後述するプリンターで模様50を印刷した際に、略変形しない程度の硬さである。
このような硬さを有するクリーム状物40は、氷で冷却しながら手で撹拌しても構わないが、本実施形態では、図4に示す撹拌装置42を利用している。撹拌装置42には、例えば株式会社愛工舎製作所のホイップオート(商標)を利用できる。
具体的には、撹拌装置42は、ケーシング25の内側にクリーム状物40の材料を入れる収容容器43を有する。また、ケーシング25の内側には、収容容器43内でクリーム状物40を撹拌させるための撹拌子45を回転させるモータ等の撹拌手段46が設けられている。撹拌子45と撹拌手段46は回転軸44で連結され、回転軸44の回転により撹拌子6が回転してクリーム状物40を撹拌するようになっている。
収容容器43内でホイップ状にされたクリーム状物40は、収容容器43に連通した排出管47を介して先端が先細りになったノズル48から放出することができる。
なお、ケーシング25の上部には、収容容器43の開口を塞ぐ蓋32が設けられている。蓋32は図示しないヒンジで回動可能とされており、開閉可能である。
また、ケーシング25の内側であって、収容容器43の直ぐ外側には冷却手段49が設けられている。冷却手段49は冷媒管であり、図示しない冷凍機と接続され、冷凍機で冷却された冷媒が冷却手段49内を通ることで、収容容器43を冷却するようにしている。
さらに、収容容器43の周辺には、クリーム状物40の温度を検出する公知の温度センサ33が設けられている。この温度センサ33の信号は図示しないマイコン等の制御手段に送られ、この制御手段により、冷凍機(不図示)と撹拌手段46が制御されている。このようにして、撹拌装置42は、撹拌している間、収容容器43の温度を5℃前後に制御している。また、撹拌し終えてホイップ状となったクリーム状物40は収容容器43内で所要の温度に保持されている。保持温度は、例えばホイップクリームの場合、概ね3〜5℃である。
なお、ケーシング25の外壁には、電源スイッチ26及び実行ボタン28が設けられている。実行ボタン28は、これを押すと排出管47が開き、離すと排出管47が閉じるようになっており、クリーム状物40をノズル48から放出するか否かを決めるボタンとなる。
図1及び図2に戻ってクリーム状物40を説明する。
上述のようにして角が立つ硬さとされたホイップ状のクリーム状物40は、開口部22の水平方向全体に充満させて、開口部22を完全に覆っている。
また、クリーム状物40の上面40Cは、高さ方向について、容器20の略縁21の位置にあって、上面40Cは略平坦とされている。なお、本実施形態のクリーム状物40の上面40Cは、好ましい形態として、縁21ギリギリに配置されているが、本発明はこれに限られるものではなく、上面40Cは縁21から少し内側に配置されてもよい。
そして、クリーム状物40は、相対的に、容器20の内面付近40Aに比べて、水平方向の中央部付近40Bの方が少ない量である。
即ち、クリーム状物40は、開口部22付近の容器内面20Cに多量に付着する高さH1を有し、中央部40Bに向かうに従ってその高さが除々に低くなり、中央部40Bの高さH2が最も低くなっている。これにより、クリーム状物40の底面40C(飲料30側の面)は上方に向かって凸となるように湾曲し(ドーム状のように窪み)、図3に示すように、容器20を傾けても、量の少ない中央部40Bが傾けた下方に向かって流れてくる恐れを有効に防止できる。また、内面付近40Aは容器20の内面20Cに所定の粘着性をもって付着しており、特に、本実施形態の場合、上述したように内面20Cに凹凸部27が形成されているので、傾けた下方に向かって流れてくる恐れを有効に防止している。本実施形態の凹凸部27は上述したように微細な凹凸であるため、飲料30が飲まれることで氷19が下側に移動しても、その移動に追随してクリーム状物40も下側に移動し、氷19のクリーム状物40への冷却を十分に行うことができる。
なお、クリーム状物40は内面付近40Aの高さH1が2〜3cm、中央部40Bの高さH2が1〜2cmである。また、このように中央部40Bの高さを相対的に低くすることで、氷19の冷却温を模様50が施される上面領域に伝達し易くすることもできる。
ところで、このようなクリーム状物40には、水分保持力が高いトレハロース及び/又はゼラチンを添加するとより好ましい。これにより、クリーム状物の水分の分離を抑制でき、上述した角が立つような硬さを容易に形成し、それを維持して所謂クリームの分離を有効に防止することができる。
なお、水分保持性のある食品添加物にグリセリンもあるが、トレハロースはグリセリンよりも熱に対する安定性が高い。従って、氷が溶けてきてクリーム状物40の温度が上昇してきた場合、トレハロースの方が水分を保持し易く、これにより、模様の滲みを有効に防止することができる。
〔模様について〕
模様50は、クリーム状物40の上面40Cに施されるものであり、本発明ではプリンターを使って、食品着色料をクリーム状物40の上面40Cに印刷することで形成されている。
図5は、このプリンターを説明するための概略斜視図である。
図5のプリンター60は、インクジェット式プリンターを例示しており、これには例えば株式会社マスターマインド製のMMP−F13(商標)などの公知のものを利用できる。
即ち、プリンター60は、筐体61内に取り付けられたガイドレール62に支持されているキャリッジ63を有している。キャリッジ63は、ガイドレール62に移動可能に支持されると共に、ガイドレール62の長手方向Yに沿って往復走行するようになっている。キャリッジ63の上部63Aには食品着色料を収容するインク充填部(不図示)が、キャリッジ63の下部には液体噴射ヘッド64が、それぞれ設けられており、インク充填部から液体噴射ヘッド64に食品着色料が供給される。そして、液体噴射ヘッド64は複数の吐出口(不図示)を有し、圧電素子を励振させることで食品着色料15を吐出させている。
また、この液体噴射ヘッド64の移動方向Yと直交する方向Xに沿って、回転運動を直線運動に変換可能なボールネジ65が設けられている。ボールネジ65には、ナットを介してトレイ66が接続されており、ボールネジ65の回転によって、トレイ66は液体噴射ヘッド64の直下に搬送可能とされている。
そして、プリンター60はコンピューター等からなる制御部70と接続され、この制御部70の指示に従って、液体噴射ヘッド64及びトレイ66の動きが制御されている。また、制御部70には複数種類の模様の画像データが格納されており、これにより、液体噴射ヘッド64は、注文者が指定した模様をクリーム状物40の上に吐出することができる。なお、図の制御部70は、信号ケーブルでプリンター60と接続されているが、プリンター60に内蔵されたものであっても構わない。
さらに、本実施形態のプリンター60は、公知のプリンターにはない以下の特徴を有している。
即ち、トレイ66には、既に説明した容器20をセットするための載置部67が形成されている。載置部67は、クリーム状物40上の適正な位置に模様を印刷するための位置規制手段であり、容器20を所定の位置に置く目印であっても構わないが、図の場合は、容器20の周側面部20Bの外径より僅かに大きな内径を有し、容器20を入れた際に係合な凹部とされている。これにより、トレイ66が移動した際、容器20の底に液体が付着して滑り易くなっていても、トレイ66の適正な位置からずれることを防止できる。
また、この凹部からなる載置部67の深さD1は、容器20内の凡そ氷の位置(好ましくは、凡そ飲料の液面)とされている。これにより、トレイ66の移動により氷が揺れたとしても、その氷の揺れによる容器20の揺れを有効に防止し、より精密な模様印刷が可能となる。
本実施形態の載置部67は複数あり、この複数の載置部67の位置データは制御部70内に格納され、これにより一度に複数の印刷が可能となっている。図5の載置部67は、X方向に2カ所、Y方向に2カ所、計4カ所に形成されているが、本発明の載置部67の数はこれに限られない。但し、載置部67の数が余り多いと、最初にセットした飲料物と最後にセットした飲料物との間に時間的な隔たりが生じ、最初にセットした飲料物のクリーム状物40が早く分離するなどの悪影響を与える恐れがある。このため、載置部67の数は4カ所以下であるのが好ましい。また、載置部67に向けて扇風機の風や冷房風を当てたり、或いは、プリンター60にペルチェ素子等の冷却手段(不図示)を設けたりすることで、上記時間的な隔たりがあっても、クリーム状物40に与える悪影響を防止することができる。
さらに、各載置部67には、その場所を特定するための目印68が設けられている。本実施形態の目印68は飲料物の注文順に対応できるように、図の場合、1番からの正の整数順となっている。これにより、例えば、1番は最初に注文された飲料物であることが分かり、完成した飲料物の提供順の誤認混同を有効に防止できる。なお、目印68は数字に限られず、アルファベット順、又はあいうえお順などであっても構わない。
ところで、上述した制御部70には表示部38が接続されており、この表示部38には、プリンター60の複数の載置部67及び目印68の配置に対応した画面が表示される。そして、調理者(飲料物を作る者であり、その補助者も含む。以下、同じ。)が載置部67に容器20をセットする際、表示部38には、調理者が容器20を置くべき載置部67の位置と、その位置に応じた模様と飲料に関する情報が表示されるようになっている。これら「載置部67の位置・模様・飲料」の情報は調理者が選択して特定する情報である(この選択方法などについては後で詳細に説明する)。図5の表示部38はプリンター60と別体になっているが、本発明はこれに限られず、プリンター60の筐体61に配設されても構わない。
このようなプリンター60に使われる食品着色料(キャリッジ63に入れられる食品着色料)15は可食性であり、食用の着色料に食品衛生法で許可されている添加物が添加されている。例えば、本実施形態の食品着色料15は4色であるが、淡黒色であれば、水、食用赤色102号、食用青色1号、食用黄色4号が混合されており、これらに、グリセリン、プロピレングリコール、及び消泡剤が添加されている。グリセリンは甘味料・保存料・保湿剤・増粘安定剤等の用途から利用され、プロピレングリコールは保湿剤・乳化剤・品質改善剤等の用途から利用される。消泡剤は泡の発生を防止したり日持ちをよくしたりするために利用され、例えば、大豆油やパーム油など植物系油脂と炭酸カルシウムなどを混ぜた脂系の消泡剤、グリセリンと食用油脂で作られる乳化剤の役目をするグリセリン脂肪酸エステル、珪素が主な成分のシリコーン樹脂である。尚、他の色も同様に添加物が添加されている。
これら添加物の添加量の一例を説明すると、グリセリンが15重量%、プロピレングリコールが15重量%、消泡剤はグリセリン脂肪酸エステルであり、0.1重量%未満とされるのが好ましい。グリセリン脂肪酸エステルについては、好ましくは0.05重量%以下、より好ましくは略添加されないのがよい。即ち、上述したように、クリーム状物40は、脂肪が空気を包み込むように結合して微小な泡状となることで、角が立つ程度の硬さとなるが(この硬さがないと印刷が上手くいかないし、クリーム状物が分離して水分が発生する)、消泡剤はこの微小な泡を破壊して、クリーム状物40の硬さを阻害する要因となり、また、泡を壊してクリーム状物40側に水分を生じさせ、この水分が食品着色料の滲みの原因になる恐れがある。そこで、可及的に消泡剤を添加しない食品着色料とするのがよい。
食品着色料15を使ってプリンター60で印刷した模様は、図1に示すように、アニメーション又は漫画のキャラクターからなっている。アニメーション又は漫画のキャラクターは、写真などと違って輪郭が太く、くっきりとし、しかも特徴的な部分をデフォルメして描かれている。従って、クリーム状物40が時間の経過と共に緩んできて水分が発生し、そのことで食品着色料が少々滲んできたとしても、キャラクターが判別不可能になることを有効に防止できる。
[特徴的なブロック構成]
次に、飲料物の調理に用いられるシステムについて、主に図6を用いて、図7〜図10を適宜参照しながら説明する。
図6は、図1の飲料物10の調理に用いられるシステムの特徴的な構成を示す概略ブロック構成図である。図7は図6の容器位置選択手段73で印刷する容器の位置(印刷位置)を選択している際の表示部38の画面例、図8は図6のキャラクター選択手段74でキャラクターを選択している際の表示部38の画面例、図9は図6の飲料選択手段75で飲料を選択している際の表示部38の画面例、図10は図6のシステムで容器の位置とキャラクターの種類と飲料の種類を選択し終えた表示部38の画面例である。
上述したように、プリンター60には制御部70が接続されている。
制御部70は全体的な制御及び処理を行う部分であり、CPUやマイクロプロセッサ等のプロセッサ(処理装置)、ROM(読み出し専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、不揮発性メモリ、そしてクロックを有する。クロックは、現在時刻の取得や所定の処理実行のタイミングを計っている。
この制御部70は処理装置である制御本体72を有し、この制御本体72にプリンター60、表示部38及び入力部39が接続されている。表示部38は、制御部70の指示に従って各種の情報を表示するディスプレイ等である。操作部39は、この場合はキーボード又はマウスである。
そして、制御本体72は後述する各プログラム73〜76を読み込むと共に、各プログラム73〜76に基づいて記憶部77に格納された各種データを読み出すなどし、所定の処理実行を行うようになっている。
記憶部77には、「容器の位置」「飲料の種類」「キャラクターの種類」という3種類の情報(データ)が格納されている。「容器の位置」は、図5で説明した複数の載置部67の夫々に対応した位置情報であり、その位置情報に基づいてプリンター60は印刷位置を特定している。「飲料の種類」は、予め決められた複数の注文可能な飲料の種類(例えばアイスコーヒー、アイスカフェオレ、メロンソーダ、アイスカフェ・モカ、アイスミルクティー,アイス抹茶ラテ等のアイスドリンクの種類)の情報である。「キャラクターの種類」は、予め決められた注文可能な複数の模様情報(本実施形態の場合は複数のキャラクターの画像データ)であり、その模様情報に基づいてプリンター60は模様を印刷するようになっている。なお、模様情報の数は10種類以上である。
各プログラム73〜76には、容器位置選択手段73、キャラクター選択手段74、飲料選択手段75、情報生成手段76がある。
容器位置選択手段73は、プリンター60が印刷すべきトレイの載置部67(図5参照。以下、同じ。)の位置について、表示部38を見ながら選択するためのプログラムである。この容器位置選択手段73では、記憶部77に格納されている複数の載置部(容器の位置)67に関する情報を表示部38に表示するように指示し、そして、この表示部38に表示された複数の載置部67のいずれか一つが選択されると、その選択された載置部67に関するデータを記憶部77から抽出して情報生成手段76に送り、情報生成手段76ではこのデータを一時保存するようにしている。
本実施形態の場合、電源を入れて制御部70を立ち上げると、容器位置選択手段73が起動して、図5に示す複数の載置部67及びこれに隣接した目印68に対応した画面が表示される。図7の場合、該載置部及び目印と同様の配列をした仮想載置部81が位置選択枠80に表示される。そして、図7の位置選択枠80の中の複数の仮想載置部81の中から任意のものを図6の操作部39で選択すると(例えば図7に示すようにマウスでクリックすると)、その選択した仮想載置部81が編集枠82に表示される。これにより、これから操作しようとする載置部の位置を確定することができる。
図6のキャラクター選択手段74は、上述の容器位置選択手段73で載置部の位置が確定された飲料物について、プリンター60が印刷しようとするキャラクターを、表示部38を見ながら選択するためのプログラムである。このキャラクター選択手段74では、記憶部77に格納されている複数のキャラクターに関する情報を表示部38に表示するように指示し、図7に示されるように、キャラクター選択枠83に複数のキャラクターが表示される。そして、図8に示すように、キャラクター選択枠83の中から任意のものを選択するように図6の操作部39で操作すると(例えば図8に示すようにマウスでクリックしながらドラッグアンドドロップすると)、選択されたキャラクターに関するデータを記憶部77から抽出して情報生成手段76に送り、情報生成手段76ではこのデータが一時保存される。また、図8に示すように、現在操作を行っている仮想載置部の位置81に、選択したキャラクターが表示される。
図6の飲料選択手段75は、上述の容器位置選択手段73及びキャラクター選択手段74で確定させた載置部の位置及びキャラクターを印刷する飲料物について、その飲料の種類を表示部38を見ながら選択するためのプログラムである。具体的には、飲料選択手段75では、記憶部77に格納されている複数の飲料に関する情報を表示部38に表示するように指示し、これにより、図8のキャラクター選択枠83が図9の飲料選択枠84に切り替えられる。飲料選択枠84には予め定められた複数の飲料が表示される。そして、図9に示す飲料選択枠84の中から任意のものを選択するように図6の操作部39で操作すると(例えば図9に示すようにマウスでクリックしながらドラッグアンドドロップすると)、選択された飲料に関するデータを記憶部77から抽出して情報生成手段76に送り、情報生成手段76ではこのデータが一時保存される。また、図9に示すように、現在操作を行っている仮想載置部の位置81に選択した飲料が表示される。
図6の情報生成手段76は、上記3つのプログラム73〜75で選択された「載置部の位置(即ち、印刷位置であり、図5の各載置部67の位置に対応)」「キャラクターの種類」「飲料の種類」という3種類の情報を互いに紐づけし、これを印刷情報および表示情報として、プリンター60と表示部38に送信するためのプログラムである。
即ち、情報生成手段76は、載置部の位置毎に選択されたキャラクター及び飲料の種類を紐付けし、この紐づけられた3種類の情報をプリンタードライバー36に送信し、プリンタードライバー36はそのデータに基づいてプリンター60を駆動させるようになっている。
また、情報生成手段76は、上記紐づけられた3種類の情報を、図5の各載置部67及び各目印68に対応して表示部38に表示するようにデータ送信し、これにより、表示部38は、例えば図10に示す位置選択枠80内のように、上記紐づけられた3種類の情報をあたかもトレイを見ているように表示する。従って、調理者は、図10の表示部38の画面を確認しながら、容器をその画面に対応した目印がある図5の載置部67にセットすることができ、注文間違えを防止することができる。即ち、キャラクター及び飲料の種類が多く、イベント会場のように注文が同時期に集まることを想定すると、注文間違えが起こる恐れが高くなるため、これに対応している。
〔飲料物の調理方法〕
次に、飲料物の調理方法例について、主に図11を用いて説明する。
図11は、本実施形態に係る飲料物の調理方法のフロー図である。
この図に示すように、本実施形態の飲料物の調理方法では、下準備として、図4で説明した撹拌装置42を用いて所定の硬さを有するクリーム状物を作り(図11のステップ1−1:ホイッピング工程)、また、飲料と氷も予め作っておく(図11のステップ1−2,1−3)。
この際、ホイッピング工程では、クリーム状物を角が立つ硬さとなる程に攪拌して、冷却保存しておく。冷却保存の温度はホイップクリームの場合、好ましくは概ね3〜5℃である。
そして、注文の受け付け後、調理者は、容器に飲料や氷を入れる前に、図6に示す制御部70や表示部38等を用いて、プリンター60で適正にキャラクターの模様を印刷するためのデータを生成する(図11のステップ2)。このように、飲料物を作る前にデータを生成するのは、データを生成している間もクリーム状物を冷却しておくためである。
具体的には、上述した図6の各プログラム73〜75に基づいて、プリンターのトレイの載置部の位置毎に、印刷するキャラクターと注入する飲料を選択する。そうすると、図6の情報生成手段76が、載置部の位置毎に紐づけられたキャラクター及び飲料のデータをプリンター60に送信すると共に、その紐づけられたデータを表示部38にも送信する。これにより、例えば図10に示すように、トレイの載置部及び目印の配置に対応した表示部38の画面に、選択したキャラクターと飲料の情報が表示される。従って、調理者は表示部38の画面内の目印(図1〜4番の番号)を確認しながら載置部67に飲料物を正しくセットすることができ、これにより注文間違えを防止できる。なお、注文が溜まっていない場合は、注文毎に一つずつデータを生成すればよいが、注文が溜まってきた場合は、複数の飲料物に対応したデータを一度に生成し、後で複数の飲料物に対して一度で印刷を行うのが効率的である。
次いで、飲料及び氷をコップ等の容器に入れる(図11のステップ3:飲料注入工程)。この飲料注入工程で容器に入れる氷は、容器に入れてから5分経過しても飲料の液面に全体的に残る量とする。この氷の量は外気温を考慮して決めればよく、相対的に暑い日は氷を多く、寒い日は少なく入れるようにすればよいが、氷の量は多すぎて問題があるわけではなく、このため、氷の体積を飲料の体積と同様となるように多く入れてもよい。本実施形態の場合、氷は20分経過しても飲料の液面に全体的に残る量としており、クリーム状物を下から満遍なく冷却し続けている。
なお、氷と飲料の投入順序はどちらが先であっても構わない。
次いで、飲料及び氷(ほとんど氷)の上にクリーム状物を充填する(図11のステップ4:クリーム充填工程)。このクリーム充填工程でクリーム状物を充填するまでは、クリーム状物は直前まで冷却しておく。本実施形態では図4の冷却保持機能を有する撹拌装置42で直前まで冷却しているが、このような撹拌装置42がない場合、例えばホイップクリームでは冷蔵庫などで概ね3〜5℃に冷却しておけばよい。
そして、このクリーム充填工程では、クリーム状物を容器の開口部を略覆うように充填する。後述の印刷工程の際、クリーム状物が氷の上で水平方向に動く事態を防止するためである。
さらに、クリーム充填工程では、クリーム状物を最初に容器の内面付近に充填する。この際、例えば図4の撹拌装置42のノズル48からの充填時間を長めにする。その後、除々に中央部付近に充填するようにし、この際、ノズル48からの充填時間を中央部に向かうに従って相対的に短めにしていく。これにより、図2に示すように、相対的に、容器内面付近40Bに比べて中央部付近40Aの方が少ない量のクリーム状物とすることができる。
次いで、充填したクリーム状物を容器の略縁の位置で平坦にする(図11のステップ5:均し工程)。クリーム状物の上面を略縁の位置にするのは、図5の液体噴射ヘッド64からの距離を長くし過ぎないためであり、また、容器の縁の上を滑らせるようにヘラを使って、クリーム状物の上面を精度よく平坦にし易いからである。なお、クリーム状物の上面を平坦(水平)にするのは印刷精度を上げるためである。
この均し工程でクリーム状物の上面を平坦にするためのヘラは、使用する直前までは冷蔵庫などで5℃以下に冷却しておくのが好ましい。
次いで、クリーム状物の上に食品着色料をプリンターで吐出することにより、アニメーション又は漫画のキャラクターからなる模様を印刷する(図11のステップ6:印刷工程)。
具体的には、先ず、クリーム状物を充填した容器を、図5に示すトレイ66の目印を有する所要の載置部67の上にセットする(図11のステップ6a)。この際、調理者は、例えば図10に示す「複数の載置部の位置の夫々に紐づけられたキャラクター・飲料に関する情報」が表示されている表示部38を確認しながらセットするのが好ましい。例えば、飲料としてアイスコーヒーを入れ、キャラクターとしてロボットの模様の注文を受けている場合は、図10の1番の印がある位置に対応した図5の1番の目印68がある載置部67に容器をセットする。
そして、セッティングが終えたら、図10に示す表示部38のコマンドツールバーの「印刷」のボタン85をクリックする(図11のステップ6b)。そうすると、複数の載置部の位置の夫々に紐付けられたキャラクター・飲料に関するデータを既に生成している図6の制御部70がプリンタードライバー36に該データを送信してプリンター60が駆動する(図11のステップ6c)。即ち、図5のボールネジ65の回転によりトレイ66が液体噴射ヘッド64の直下に搬送され、液体噴射ヘッド64から食品着色料が吐出して模様が付き、飲料物が完成する(図11のステップ7)。
なお、調理者等の被注文者が飲料物を注文者に渡す際、例えば図10の表示部38を見て、「1番目でお待ちのロボットのアイスコーヒーをご注文のお客様」と呼びかければ、そこには3つの情報が含まれているので、複数の注文者が待っていたとしても、注文者側も注文した飲料物を間違えることが防止できる。
図12〜図14は、図11に示す調理方法に準じて実験した結果の写真であり、図12は印刷した直後の模様の様子、図13は印刷して10分後の模様の様子、図14は印刷して20分後の模様の様子を写している。
なお、これらの図の実験に用いた食品着色料には、グリセリン、プロピレングリコール、及び通常より量を少なくした消泡剤(グリセリン脂肪酸エステル)が添加されている。また、氷は20分経過しても飲料液面の概ねを覆っている量としている。また、25℃の室内で実験を行った。また、クリーム状物はホイップクリームであり、容器に入れる直前まで冷蔵庫で保管しておいた。また、実験では、クリーム状物の模様が施された中央部付近の高さ(厚み)は約1.5cmとした。
図12に示されるように、流動性のある飲料及び滑る氷の上のクリーム状物の上であっても、印刷は問題なく行うことができた。しかも、図13に示すように10分経過しても、模様の輪郭は判別できる範囲である。特に模様はアニメーション又は漫画のキャラクターであるため、そのキャラクターを特定し易い。なお、図14に示すように20分を経過しても、詳細な輪郭部分はかなり滲んでいるものの、キャラクターは特定できる状態である。
なお、食品着色料には水分保持力のあるグリセリンが添加されているが、グリセリンは水に溶け易い性質があり、温度が上がる程、その水溶性は高くなる。従って、氷がクリーム状物(本実施形態ではホイップクリーム)を十分に冷却している間は、グリセリンの水分保持力で食品着色料の滲みを有効に防止しているが、クリーム状物の温度が高くなるに従って水分が生じ、このためグリセリンが溶け、その結果、食品着色料が滲んでくると想定される。
従って、模様の滲みを防止するためには、クリーム状物の温度上昇を防止するのが有用であり、そのため、例えば、ペルチェ素子を用いたコースター状の冷却手段の上に飲食物を置いて、飲食物を提供するようにしてもよい。また、容器にダンボール等の断熱材を巻いたり、或いは、取っ手のある容器にしたりして、手の温度が容器に伝わり難くしてもよい。
ところで本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、上述の実施形態の個別の構成は、必要により省略したり、説明しない他の構成と組み合わせたりしてもよい。
例えば、本実施形態では、飲料の種類と模様の種類とを注文者の注文により自由に組み合わせられる態様としているが、本発明はこれに限られず、例えば、アイスコーヒーであればドラえもんの顔、クリームソーダであればおそ松くんの顔というように、飲料の種類毎に模様を決めても構わない。
また、本実施形態では、好ましい形態として、図10に示すように載置部の位置毎に模様の種類だけではなく飲料の種類も紐づけて、表示部38に表示しているが、飲料の種類は必ず表示しなくてもよい。
また、本実施形態のクリーム状物の上に施される模様は全てアニメーション又は漫画のキャラクターであるが、一部に該キャラクター以外の模様があっても構わない。キャラクター以外の模様の場合、輪郭が太く、かつ、特徴的な形状をしているものが好ましい。
10・・・飲料物、19・・・氷、20・・・容器、30・・・飲料、40・・・クリーム状物、50・・・模様、60・・・プリンター、66・・・トレイ、67・・・載置部

Claims (5)

  1. 開口部を有する容器内の飲料の上方にクリーム状物を配置し、前記クリーム状物の上に模様を施すようにした飲料物の調理方法であって、
    前記クリーム状物を角が立つ硬さとなる程に攪拌してホイップ状にするホイッピング工程と、
    前記飲料、及び、前記容器に入れてから5分経過しても前記飲料の液面に全体的に残る量の氷を、前記容器に入れる飲料注入工程と、
    直前まで冷却しておいた前記クリーム状物を、前記開口部を略覆うように充填するクリーム充填工程と、
    前記充填した前記クリーム状物を前記容器の略縁の位置で平坦にする均し工程と、
    前記クリーム状物の上に食品着色料をプリンターで吐出することにより、アニメーション又は漫画のキャラクターからなる前記模様を印刷する印刷工程と、
    を有し、
    前記クリーム充填工程において、前記クリーム状物は、相対的に、前記容器の内面付近に比べて中央部付近の方が少ない量であることを特徴とする飲料物の調理方法。
  2. 開口部を有する容器内の飲料の上方にクリーム状物を配置し、前記クリーム状物の上に模様を施すようにした飲料物の調理方法であって、
    前記クリーム状物を角が立つ硬さとなる程に攪拌してホイップ状にするホイッピング工程と、
    前記飲料、及び、前記容器に入れてから5分経過しても前記飲料の液面に全体的に残る量の氷を、前記容器に入れる飲料注入工程と、
    直前まで冷却しておいた前記クリーム状物を、前記開口部を略覆うように充填するクリーム充填工程と、
    前記充填した前記クリーム状物を前記容器の略縁の位置で平坦にする均し工程と、
    前記クリーム状物の上に食品着色料をプリンターで吐出することにより、アニメーション又は漫画のキャラクターからなる前記模様を印刷する印刷工程と、
    を有し、
    前記容器は、前記開口部付近の内面に凹凸部が形成されていることを特徴とする飲料物の調理方法。
  3. 前記クリーム充填工程において、前記クリーム状物は、相対的に、前記容器の内面付近に比べて中央部付近の方が少ない量であることを特徴とする請求項2に記載の飲料物の調理方法。
  4. 前記クリーム状物は、乳蛋白及び/又は脱脂粉乳が含有した植物油脂からなるホイップクリームであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の飲料物の調理方法。
  5. 前記クリーム状物には、トレハロース及び/又はゼラチンが添加されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の飲料物の調理方法。
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