JP6846610B2 - 脂肪酸分解菌、それを含む脂肪酸分解菌製剤及びそれらを用いた脂肪酸の分解方法 - Google Patents

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本発明は、新規な脂肪酸分解菌、それを含む脂肪酸分解菌製剤及びそれらを用いた脂肪酸の分解方法に関する。
食用油脂を多用する食品工場、食肉加工場、飲食店等において、廃水に含まれる油脂が大量に下水に流入すると、固化して配管の閉塞を引き起こす。そこで、レストランやホテル、食堂、給食センターなどの全ての業務用厨房から排出される汚水を公共の下水に直接排水することは禁止されており、廃水中の油脂を堰き止めるグリーストラップ(阻集器)等で浄化してから排出することが法律で義務づけられている(水質汚濁防止法第14条の6、下水道法第12条等)。
飲食店や食肉加工場等のグリーストラップに堰き止められ、蓄積した油脂は、その機能を著しく低下させるだけでなく、悪臭や、害虫の発生など食品を扱う事業所にとっては深刻な問題を発生させる。また、過剰蓄積により下水に流出した油脂は配管の閉塞のみならず、流れ着いた先において腐敗や水質汚濁を引き起こしており、環境問題の観点からも問題となっている。
そこで、グリーストラップに蓄積された油脂を分解及び/又は除去するための種々の処理方法が提案されてきた。例えば、特許文献1には、グリーストラップ内に溜まった汚水中の油分を除去することができる油分乳化剤と、消臭剤と、バクテリア等及び酵素とを混合したことを特徴とするグリーストラップ内消臭洗浄剤が開示されている。
また、種々の微生物の働きにより油脂の分解を図る技術が知られている。例えば、特許文献2には、ロドトルラ・パシフィカ(Rhodotrula pacifica)等を含み、グリーストラップ内の温度変化にも対応可能な混合微生物が開示されている。また、特許文献3及び特許文献4には、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)菌を油脂分解菌として使用することが開示されている。
特許文献1記載のグリーストラップ内消臭洗浄剤中の油分乳化剤による油脂の可溶化は一時的なものであるため、やはり、油脂が下水道管内で凝集及び固化し、配管の閉塞を引き起こすおそれがある。また、グリーストラップ内の廃水のpHは酸性側に傾きがちであるが、特許文献2〜4記載のものを含め、これまで廃食用油の分解処理に用いられている微生物の多くは、酸性の使用環境下での油脂の分解能力が十分でない上に、現場の環境に適応することができずに増殖まで至らない。
そこで、酸性条件下で生育が可能であり、かつ高い油脂分解能を有する油脂分解菌として、バークホルデリア・エスピー(Burkholderia sp.) AcL3−1(受託番号FERM P−21952)及びバークホルデリア・エスピー(Burkholderia sp.) AcL13−2(受託番号FERM P−21953)が見出されている(特許文献5参照)。
特開平11−29792号公報 特開2008−142042号公報 特開2004−242553号公報 特開2002−125659号公報 特許第5790983号公報
微生物を用いた廃油脂の処理の根幹をなすのは、リパーゼに触媒されるトリグリセリドの加水分解反応である。これにより、脂肪酸とグリセリンが生成するが、生成物の1つである中鎖又は長鎖脂肪酸も、水への溶解度が低いため、油脂と同様の問題を引き起こす場合が多い。よって、廃水中の油脂を処理するには、分解産物である脂肪酸も同時に分解して水と二酸化炭素にする必要がある。
特許文献5記載の油脂分解菌を使用して油脂分解を行った場合、油脂濃度10g/L位までは、油脂をほぼ完全に水及び二酸化炭素に分解することが可能であることが分かっているが、さらに濃度が高くなると、徐々に脂肪酸が蓄積し、油脂の加水分解反応が停滞することが分かっている。一般的に、油脂の分解反応生成物である脂肪酸は、油脂の分解反応の化学平衡を逆反応側にシフトさせる上、微生物に対して殺菌効果を示すおそれがある。
油脂が蓄積したグリーストラップ等の実際の使用環境下では、処理対象は、必然的に高濃度の油脂である。したがって、高濃度の油脂を処理するには、油脂の分解産物である高濃度の脂肪酸も積極的に分解する必要がある。しかしながら、特許文献2〜5に記載の油脂分解能を有する微生物は、いずれも、脂肪酸濃度が高くなるにつれて脂肪酸分解能が低下する。
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、高濃度の脂肪酸の存在下でも、脂肪酸の分解が可能な脂肪酸分解菌、それを含む脂肪酸分解菌製剤及びそれらを用いた脂肪酸の分解方法を提供する。
前記目的に沿う本発明の第1の態様は、カンジダ・オルトプローシス(Candida orthopsilosis)属に属し、Candida orthopsilosis HFA40-c(受託番号 NITE P−02312)である脂肪酸分解菌を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様に係る脂肪酸分解菌の1又は複数を含む脂肪酸分解菌製剤を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様に係る脂肪酸分解菌又は本発明の第2の態様に係る脂肪酸分解菌製剤を用いて、油脂含有廃水に含まれ、又は油脂含有廃水から分離した固形状の脂肪酸を分解させる工程を有する脂肪酸の分解方法を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の第3の態様に係る脂肪酸の分解方法において、油脂分解剤を、前記脂肪酸分解菌又は前記脂肪酸分解菌製剤と併用することが好ましい。
本発明の脂肪酸分解菌は、高濃度の脂肪酸の存在下でも、脂肪酸の分解が可能であるため、既存の油脂分解剤と併用することにより、食品工場、食肉加工場、飲食店等の排水設備に備えられたグリーストラップ等に高濃度に蓄積された油脂及び脂肪酸を、水と二酸化炭素に分解できる。油脂分解剤として、油脂分解能を有する微生物を組み合わせて用いる場合には、本発明の脂肪酸分解菌が脂肪酸を分解するため、油脂分解能を有する微生物が、脂肪酸によるpHの低下や殺菌作用により失活することを回避することもできる。
オレイン酸分解試験の結果を示すガスクロマトグラムである。
続いて、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
本発明の第1の実施の形態に係る脂肪酸分解菌は、カンジダ・オルトプローシス(Candida orthopsilosis)属に属し、油脂含有培地及び脂肪酸含有培地で生育でき、該脂肪酸を分解できる。
脂肪酸分解菌の探索は、例えば次のようにして行われる。まず、グリーストラップ廃水や各地の土壌等を採取し、オレイン酸等の脂肪酸を含む最少培地に適量添加し培養する。最少培地中で油脂を炭素源として利用できる微生物がサンプル中に存在する場合は、菌体の増殖により、培養液が白濁する。白濁したサンプルについて植え継ぎを繰り返し、集積培養を行った後、培養液を脂肪酸含有寒天培地上に塗布し、脂肪酸分解菌を選抜する。その後、選抜した候補菌を栄養培地上で単離する。
上記方法によって単離される脂肪酸分解菌の分類、同定は、任意の公知の方法を用いて行うことができる。分類、同定方法の具体例としては、光学顕微鏡による微細形態の観察、DNA−DNAハイブリダイゼ−ションによるDNA類似度の判定等が挙げられるが、リボソームRNA及びリボソームDNAの部分塩基配列から分類、同定を行う方法が好ましく用いられる。リボソームRNA及びリボソームDNAの部分塩基配列の決定には、PCR法等の任意の公知の方法を用いることができる。PCR法を用いる場合、23S rRNA、18S rRNA、5.8S rRNA等のリボソームRNAを適宜選択して用いてもよいが、近年、酵母等の同定に広く用いられている、26S rDNA−D1/D2リボソームDNAの部分塩基配列を用いてもよい。プライマーとしては任意のものを適宜選択して用いることができる。また、部分塩基配列の相同性の決定には、BLAST等の任意の公知のソフトウェアを用いることができる。
このようにして、高濃度の脂肪酸存在下で脂肪酸を効率よく分解する数株の脂肪酸分解菌を取得した。上述の手順により得られる脂肪酸分解菌のうち、本実施の形態に係る脂肪酸分解菌として用いられるものは、カンジダ・オルトプローシス(Candida orthopsilosis)属に属するものである。増殖可能な初発pH範囲は、例えば、2.5〜10.0であり、高濃度の脂肪酸存在下においても、脂肪酸の殺菌作用を受けることなく増殖可能であり、油脂や脂肪酸を分解することができる。
これらの菌株の同定のために、26S rDNA−D1/D2の部分塩基配列を決定した結果、特に高い脂肪酸分解活性を示す菌株が、カンジダ・オルトプローシス(Candida orthopsilosis)属に属する新規微生物であることが判明し、Candida orthopsilosis HFA40-c(詳細については後述する。)と命名した。本菌株は、受託番号 NITE P−02312で、独立行政法人製品評価技術基盤機構に寄託されている。
本発明の脂肪酸分解菌を用いた油脂処理剤は、例えば、液体栄養培地に脂肪酸分解菌を適量添加し、25〜30℃で、1日間好気条件下で培養することで作製することができる。必要に応じて、他の微生物と混合培養してもよい。
本発明の第2の実施の形態に係る脂肪酸分解菌製剤は、本発明の第1の実施の形態に係る1又は複数の脂肪酸分解菌を含んでいる。製剤は、グリーストラップ及びそれに類似する浄化槽等に使用される微生物製剤と同様の任意の形態を取ることができる。油脂分解を促進させるために、脂肪酸分解菌製剤に、油脂の表面積を広げるための界面活性剤やリパーゼ活性を促進させるミネラル等を添加することも可能である。更に、脂肪酸分解菌製剤は、油脂分解剤を含んでいてもよい。油脂分解剤としては、リパーゼ等の酵素製剤、油脂分解能を有する微生物等が挙げられる。後者の好ましい例としては、バークホルデリア・エスピー(Burkholderia sp.) AcL3−1(受託番号FERM P−21952)及びバークホルデリア・エスピー(Burkholderia sp.) AcL13−2(受託番号FERM P−21953)等が挙げられる。これらの微生物は、酸性pH下でも高い脂質分解能を示すため、脂肪酸濃度が高い油脂含有廃水やグリーストラップ上で好適に用いることができ、脂肪酸分解菌と組み合わせることにより、脂肪酸の蓄積に伴う活性の低下を回避しつつ、油脂及び脂肪酸を効率よく分解除去することができる。
本発明の第3の実施の形態に係る油脂又は脂肪酸の分解方法は、本発明の第1の実施の形態に係る脂肪酸分解菌又は本発明の第2の実施の形態に係る脂肪酸分解菌製剤を用いて、油脂含有廃水、固形状の油脂又は脂肪酸を処理し、該廃水油脂含有廃水、固形状の油脂又は脂肪酸の油脂及び/又は脂肪酸を分解させる工程を有している。処理に際しては、グリーストラップ中に滞留している油脂含有排水に製剤を投入すればよく、増殖した脂肪酸分解菌により、油脂含有廃水中に含まれ、或いは、固体状又は液滴状の形態で浮遊している脂肪酸が分解される。上述の脂肪酸分解菌又は脂肪酸分解菌製剤を、油脂分解剤と併用してもよい。油脂分解剤については、上で説明した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
実施例1:高濃度オレイン酸を分解する微生物のスクリーニング
植物油脂と動物油脂の種類を問わず、油脂を構成する主な脂肪酸としてオレイン酸が挙げられる。そこで、高濃度オレイン酸を含む酸性条件下で生育可能で、オレイン酸の殺菌作用の影響を受けず、かつオレイン酸を効率的に分解する微生物のスクリーニングを行った。
まず、各地の土壌やグリーストラップ廃水をサンプリングし、各々下記に示す組成を有する培地1及び培地2に適宜添加し、28℃で3日間培養した。培養したサンプルのうち、白濁したものについて、培養液を3回植え継ぐ集積培養を行った。オレイン酸分解菌が集積された培養液を寒天培地上で単離し、オレイン酸分解試験に供した。
培地1の組成
リン酸二水素カリウム 0.6g
リン酸水素二カリウム 1.6g
硝酸アンモニウム 1.0g
硫酸マグネシウム七水和物 0.2g
硫酸亜鉛七水和物 0.01g
塩化鉄六水和物 0.01g
硫酸マンガン五水和物 0.01g
塩化カルシウム 0.01g
オレイン酸 50.0g
蒸留水 1L
培地2の組成
培地1に、下記濃度になるよう成分を添加した。
BD Difco 酵母エキス 1.0g
日本製薬ハイポリペプトン 0.5g
オレイン酸 50.0g
蒸留水 1L
オレイン酸分解試験
スクリーニング時に使用した培地を試験管に用意し、前培養した単離株を植菌した。28℃で3日間振盪した後、Bligh-Dyer法により油脂類の抽出を行った。抽出したサンプルを薄層クロマトグラフィーに供し、オレイン酸残量の少ないものを候補株とした。上記のような方法で候補株の選抜を繰り返した結果、福岡県内のツバキの木の下の土壌より、50g/Lのオレイン酸を効率的に分解する酵母1株を取得し、Candida orthopsilosis HFA40-c(以下、「HFA40-c株」と略称する場合がある。)と命名した。本菌株は、受託番号 NITE P−02312で、独立行政法人製品評価技術基盤機構に寄託済みである。
同定試験(簡易形態観察、生理性状試験)
HFA40-c株を寒天培地に植菌して、以下の条件で培養した。
培地:Difco YM Broth+寒天培地(YM agar)
培養温度:25℃
培養期間:1週間
培養後の簡易形態観察の結果を表1に示す。
Figure 0006846610
生理性状試験の結果を表2に示す。
記号の説明
「+」:陽性反応
「−」:陰性反応
「D」:試験開始後1週間以上の時間をかけて徐々に陽性反応が認められた
「L」:試験開始2週間以降に急速に陽性反応が認められた
Figure 0006846610
26S rDNA−D1/D2の塩基配列解析
抽出したHFA40-c株のDNAをPCRにより増幅させた。その後、サイクルシークエンス法により26S rDNA−D1/D2の塩基配列を決定した(下記参照)。得られた配列について国際塩基配列データベース(DDBJ/ENA(EMBL)/GenBank)に対するBLAST検索を行ったところ、子嚢菌系酵母の一種であるCandida orthopsilosisに高い相同性を示した。
26S rDNA−D1/D2の塩基配列は、下記のとおりであった。
AAACCAACAGGGATTGCCTTAGTAGCGGCGAGTGAAGCGGCAAAAGCTCAAATTTGAAATCTGGCACTTTCAGTGTCCGAGTTGTAATTTGAAGAAGGTATCTTTGGGTCTGGCTCTTGTCTATGTTTCTTGGAACAGAACGTCACAGAGGGTGAGAATCCCGTGCGATGAGATGTCCCAGACCTATGTAAAGTTCCTTCGAAGAGTCGAGTTGTTTGGGAATGCAGCTCTAAGTGGGTGGTAAATTCCATCTAAAGCTAAATATTGGCGAGAGACCGATAGCGAACAAGTACAGTGATGGAAAGATGAAAAGAACTTTGAAAAGAGAGTGAAAAAGTACGTGAAATTGTTGAAAGGGAAGGGCTTGAGATCAGACTTGGTATTTTGTATGTTACTCTCTCGGGGGTGGCCTCTACAGTTTACCGGGCCAGCATCAGTTTGGGCGGTAGGACAATTGCAAAGAAATGTGGCACTGCCTCGGTAGTGTGTTATAGTCTTTGTCGATACTGCCAGCCTAGACTGAGGACTGCGGCTTCGGCCTAGGATGTTGGCATAATGATCTTAAGTCGC
以上の簡易形態観察、生理性状試験及び26S rDNA−D1/D2の塩基配列解析の結果から、HFA40-c株はCandida orthopsilosisであると同定された。
実施例2:脂肪酸分解試験
YM液体培地にHFA40-c株と対象菌株2種(Candida orthopsilosis NBRC0585、Candida parapsilosis NBRC 1396、Candida lipolytica NBRC 1548)をそれぞれ植菌し、24時間振盪培養し、前培養液とした。オレイン酸分解試験用液体培地にオレイン酸50g/L添加し、前培養液を1%植菌することでオレイン酸分解試験を開始した。28℃で72時間振盪した後、Bligh-Dyer法により油脂類の抽出を行った。抽出したサンプルを、ガスクロマトグラフィーに供し、オレイン酸の残量を分析した。
YM液体培地組成
グルコース 10g
日本製薬ハイポリペプトン 5g
BD Difco酵母エキス 3g
麦芽エキス 3g
蒸留水 1L
pH 無調整
オレイン酸分解試験用液体培地
Difco酵母ニトロゲンベース(アミノ酸・硫酸アンモニウム不含)
BD Difco酵母エキス 5.0g
日本製薬ハイポリペプトン 2.5g
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート 5.0g
蒸留水 1L
ガスクロマトグラフィー条件
システム:GC/FID
カラム:InertCap FFAP 0.25mmI.D.×15m df=0.25μm
カラム温度:60℃(2分保持)−10℃/分−240℃(10分保持)
キャリアガス:He 100kPa
表3及び図1に、ガスクロマトグラフィーによる分析結果を示す。菌を添加していないものを100%としてオレイン酸の残存量を算出した。対照として使用した他のカンジダ属を用いた実験では、オレイン酸が残存したのに対して、HFA40-c株はオレイン酸を1%にまで減少させることができた。
Figure 0006846610
実施例3:増殖可能な初発pH範囲の確認
YM液体培地にHFA40-c株を植菌し、28℃で24時間培養し、前培養液とした。YM液体培地に塩酸及び水酸化ナトリウムを添加してpH2.5から11.0の培地を0.5区切りで作成し、試験管に各々分注した。前培養液を1%植菌して、28℃で24時間振盪培養した。その後、分光光度計で600nmの吸光度を測定し、各初発pHにおける増殖可能範囲と至適初発pHを見出した。
実験の結果、本菌株は初発pH2.5〜10.0の範囲で増殖可能で、至適初発pHは3.0〜8.5であった。
実施例4:増殖限界温度の確認
YM寒天培地にHFA40-c株を画線し、各温度で48時間培養した。コロニーが明らかに形成されたものを陽性とした。
その結果、40℃で陽性、42℃で陰性であった。つまり、YM寒天培地における増殖限界温度が40℃と42℃の間にあるということが明らかになった。
NITE P−02312

Claims (4)

  1. カンジダ・オルトプローシス(Candida orthopsilosis)に属し、Candida orthopsilosis HFA40-c(受託番号 NITE P−02312)である脂肪酸分解菌。
  2. 請求項記載の脂肪酸分解菌を含むことを特徴とする脂肪酸分解菌製剤。
  3. 請求項記載の脂肪酸分解菌又は請求項に記載の脂肪酸分解菌製剤を用いて、油脂含有廃水に含まれ、又は油脂含有廃水から分離した固形状の脂肪酸を分解させる工程を有することを特徴とする脂肪酸の分解方法。
  4. 油脂分解剤を、前記脂肪酸分解菌又は前記脂肪酸分解菌製剤と併用することを特徴とする請求項に記載の脂肪酸の分解方法。
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