JP6845366B1 - 血液バッグシステム、及びクランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】1つのクランプによって2つのチューブの流路を効率的に閉塞すると共に、チューブの流路の誤った開放を防止することができる血液バッグシステム、及びクランプを提供する。【解決手段】血液バッグシステム10は、第2チューブ36及び第3チューブ38に亘って取り付けられる1つのクランプ100を備える。クランプ100の本体102に設けられた第1挿通孔110は、第1閉塞部114の第1開放部112に連なる箇所以外が本体102により閉じられている。この本体102は、第1状態から第2状態へと変形可能である。第1状態は、第2挿通孔120の第2閉塞部124へと移動した第3チューブ38を第2閉塞部124に拘束する。第2状態は、第2閉塞部124から第2開放部122以外の位置で第3チューブ38の第3流路38aを再開放する位置へと第3チューブ38を移動可能にする。【選択図】図3

Description

本発明は、複数のチューブと、チューブの流路を開閉するためのクランプと、を有する血液バッグシステム、及びクランプに関する。
特許文献1には、血液を収容するための第1バッグ(親バッグ)と、第1バッグ内の血液を遠心分離して得られた血液成分を収容するための第2バッグ(子バッグ)と、添加溶液を収容した第3バッグ(薬液バッグ)とを備える血液バッグシステムが開示されている。血液バッグシステムは、第1バッグに接続される第1チューブと、第2バッグに接続される第2チューブと、第3バッグに接続される第3チューブとを有し、第1〜第3チューブは、分岐部(Y型コネクタ)によって互いに連結されている。
血液バッグシステムは、医療従事者等のユーザにより遠心分離移送装置にセットされることで、血液を遠心分離して血液成分を生成し、また第1〜第3バッグ間において血液成分を含む液体を移送する遠心分離システムを構成する。遠心分離システムは、第1バッグから第2バッグへの血液成分の移送後に、ユーザにより第1のクランプによって第2チューブの流路が閉塞され、第2のクランプによって第3チューブの流路が閉塞される。この状態で、ユーザは、遠心分離移送装置から血液バッグシステムを取り外して懸架台に懸架し、さらに第2のクランプを第3チューブから外すことで、第3バッグから第1バッグに添加溶液を移送する。
特開2016−106012号公報
ところで、血液バッグシステムは、第1のクランプと第2のクランプが別部品であることで、ユーザは、第2チューブの流路及び第3チューブの流路をそれぞれ閉塞する作業に手間取り易い。また、ユーザは、第2のクランプを外す作業において、誤って第1のクランプを外すおそれがある。すなわち、開放するチューブを間違えるおそれがある。
本発明は、上記の課題に鑑みたものであり、1つのクランプによって2つのチューブの流路を効率的に閉塞すると共に、チューブの流路の誤った開放を防止することができる血液バッグシステム、及びクランプを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の第1の態様は、血液を収容するための第1バッグと、前記第1バッグ内の血液を遠心分離して得られた血液成分を収容するための第2バッグと、添加溶液が収容された第3バッグと、前記第1バッグに接続される第1チューブと、前記第2バッグに接続される第2チューブと、
前記第3バッグに接続される第3チューブと、を備え、分岐部を介して前記第1チューブ、前記第2チューブ及び前記第3チューブを連結した血液バッグシステムであって、前記第2チューブ及び前記第3チューブに亘って取り付けられる1つのクランプを備え、前記クランプは、本体と、前記本体を貫通し、前記第2チューブが配置される第1挿通孔と、前記本体を貫通し、前記第3チューブが配置される第2挿通孔と、を有し、前記第1挿通孔は、前記第2チューブの流路を開放状態とする第1開放部と、前記第1開放部に連なり前記第2チューブの流路を閉塞状態とする第1閉塞部と、を有し、前記第1閉塞部の前記第1開放部に連なる箇所以外が前記本体により閉じられており、前記第2挿通孔は、前記第3チューブの流路を開放状態とする第2開放部と、前記第2開放部に連なり前記第3チューブの流路を閉塞状態とする第2閉塞部と、を有し、前記本体は、第1状態から第2状態へと形態が変化可能であり、前記第1状態は、前記第2開放部から前記第2閉塞部へと移動した前記第3チューブを前記第2閉塞部に拘束する状態であり、前記第2状態は、前記第2閉塞部から、前記第2開放部以外の位置で前記第3チューブの流路を再開放する位置へと、前記第3チューブを移動可能にする状態である。
また前記の目的を達成するために、本発明の第2の態様は、2つのチューブに亘って取り付けられるクランプであって、本体と、前記本体を貫通し、前記2つのチューブのうち一方のチューブが配置される第1挿通孔と、前記本体を貫通し、前記2つのチューブのうち他方のチューブが配置される第2挿通孔と、を有し、前記第1挿通孔は、前記一方のチューブの流路を開放状態とする第1開放部と、前記第1開放部に連なり前記一方のチューブの流路を閉塞状態とする第1閉塞部と、を有し、前記第1閉塞部の前記第1開放部に連なる箇所以外が前記本体により閉じられており、前記第2挿通孔は、前記他方のチューブの流路を開放状態とする第2開放部と、前記第2開放部に連なり前記他方のチューブの流路を閉塞状態とする第2閉塞部と、を有し、前記本体は、第1状態から第2状態へと形状が変化可能であり、前記第1状態は、前記第2開放部から前記第2閉塞部へと移動した前記他方のチューブを前記第2閉塞部に拘束する状態であり、前記第2状態は、前記第2閉塞部から、前記第2開放部以外の位置で前記他方のチューブの流路を再開放する位置へと、前記他方のチューブを移動可能にする状態である。
上記の血液バッグシステム、及びクランプは、1つのクランプによって2つのチューブの流路を効率的に閉塞すると共に、チューブの流路の誤った開放を防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る血液バッグシステム及び遠心分離システムの全体構成を示す説明図である。 遠心分離移送装置の単位セットエリアを示す平面図である。 血液バッグシステムのクランプを遠心分離移送装置のホルダにセットした状態を示す斜視図である。 図4Aは、クランプの第1状態を示す斜視図である。図4Bは、図4Aのクランプの第2状態を示す斜視図である。 図5Aは、図4AのVA−VA線断面図である。図5Bは、クランプの片部を拡大して示す正面図である。図5Cは、図5BのVC−VC線断面図である。 遠心分離システムの遠心分離時の作業フローを示すフローチャートである。 図7Aは、第2実施形態に係るクランプの第1状態を示す斜視図である。図7Bは、図7Aのクランプの第2状態を示す斜視図である。 図8Aは、第2実施形態に係るクランプの他の構成例を示す正面図である。図8Bは、第2実施形態に係るクランプのさらに別の構成例を示す正面図である。 第3実施形態に係るクランプを示す斜視図である。 第4実施形態に係るクランプを示す斜視図である。 図11Aは、第5実施形態に係るクランプの第2状態を示す斜視図である。図11Bは、図11AのXIB−XIB線断面図である。図11Cは、図11AのXIC−XIC線断面図である。 第6実施形態に係るクランプの第2状態を示す斜視図である。 図13Aは、第7実施形態に係るクランプの第1状態を示す正面図である。図13Bは、第7実施形態に係るクランプの第2状態を示す正面図である。 第8実施形態に係るクランプの正面図である。
以下、本発明について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係る血液バッグシステム10は、医療従事者等のユーザにより、図1に示すように遠心分離移送装置12にセットされる。遠心分離移送装置12は、血液バッグシステム10の血液を遠心分離して複数種類の血液成分を生成し、生成した血液成分を適宜のバッグ20に移送して保存する。以下では、血液バッグシステム10と遠心分離移送装置12とを含む構成を遠心分離システム14という。
血液バッグシステム10は、遠心分離前の採血に使用される図示しない前処理部と、遠心分離により血液成分を生成して個別に保存する分離処理部16と、前処理部と分離処理部16とを接続する中継チューブ18とを有する。分離処理部16は、遠心分離前に、前処理部に繋がる中継チューブ18が切断されて図1中に示される状態となり、遠心分離移送装置12にセットされる。
血液バッグシステム10の前処理部は、供血者から全血を採取し、また全血から白血球等の血液成分を除去する。このため前処理部は、図示しない採血針、採血バッグ、初流血バッグ、フィルタ(例えば、白血球除去フィルタ)等を有し、複数のチューブ30により各部材を接続することで構成される。具体的には、前処理部は、採血針を通して採取したドナーの全血のうち最初の血液を初流血バッグに貯留し、その後に残りの血液を採血バッグに貯留する。さらに前処理部は、採血バッグに貯留された全血をフィルタに通すことで、フィルタにおいて白血球を除去する。そして白血球除去後の血液は、中継チューブ18を介してフィルタに接続された分離処理部16に移送される。
血液バッグシステム10の分離処理部16は、複数のバッグ20(血液バッグ22、PPPバッグ24及び薬液バッグ26)を有し、複数のチューブ30により各バッグ20を接続することで構成される。
血液バッグ22は、血液バッグシステム10の製品提供状態で、前処理部と繋がる中継チューブ18に直接接続されている。血液バッグ22は、採血時においてフィルタを経由することで白血球が除去された血液を貯留する第1貯留空間22aを有する第1バッグである。この血液バッグ22は、遠心分離移送装置12にセットされ、遠心分離移送装置12の動作により遠心力が付与される。これにより血液バッグ22の除去血液は、比重の異なる乏血小板血漿(platelet poor plasma:PPP)、濃厚赤血球(red blood cells:RBC)等の血液成分に遠心分離される。そして、血液バッグ22は、遠心分離後に遠心分離移送装置12の動作下に、PPPが移送されることで、残留したRBCのみを貯留する。
PPPバッグ24は、血液バッグ22からPPPが供給されることで、このPPPを第2貯留空間24aに保存する第2バッグ(血漿バッグ)である。一方、薬液バッグ26は、MAP液、SAGM液、OPTISOL等の赤血球保存液(以下、添加溶液という)を第3貯留空間26aに予め収容している第3バッグである。
また、分離処理部16は、遠心分離移送装置12にセットされる前に、中継チューブ18が所定間隔毎にシールされてセグメントチューブ28が形成される。
分離処理部16の複数のチューブ30は、分岐コネクタ32(Y型コネクタ:分岐部)を介して複数に分岐している。詳細には、複数のチューブ30は、血液バッグ22と分岐コネクタ32を接続する第1チューブ34、PPPバッグ24と分岐コネクタ32を接続する第2チューブ36、及び薬液バッグ26と分岐コネクタ32を接続する第3チューブ38を含む。第1チューブ34は第1流路34aを有し、第2チューブ36は第2流路36aを有し、第3チューブ38は第3流路38aを有する。
また、分岐コネクタ32は、第1チューブ34が接続される第1ポート32a、第2チューブ36が接続される第2ポート32b、及び第3チューブ38が接続される第3ポート32cを有し、第1〜第3ポート32a〜32cが一体成形されている。第1〜第3ポート32a〜32cは、図示しない内部流路により互いに連通しており、これにより第1〜第3チューブ34、36、38の各流路を互いに連通している。
第1チューブ34の血液バッグ22側の端部には、破断可能であり、ユーザによる破断操作に伴い内部流路が開通する封止部材40が設けられている。同様に、第3チューブ38の薬液バッグ26側の端部には、破断可能な封止部材42が設けられている。封止部材40、42は、破断操作が行われるまで第1流路34a及び第3流路38aの各々を遮断し、血液バッグ22内の血液や薬液バッグ26内の添加溶液を他のバッグ20に移送することを防止する。
また、血液バッグシステム10は、分岐コネクタ32の近傍位置の第2チューブ36及び第3チューブ38に亘って取り付けられる1つのクランプ100を備える。クランプ100は、第2チューブ36の第2流路36aと第3チューブ38の第3流路38aを開放状態から閉塞状態に切り換え可能に構成される。このクランプ100の具体的な構成については後に詳述する。
一方、血液バッグシステム10の分離処理部16がセットされる遠心分離移送装置12は、箱状の基体44と、基体44の上面を開閉可能な蓋46と、基体44に設けられる遠心ドラム48とを備える。また、遠心分離移送装置12の基体44には、遠心ドラム48を回転させる図示しないモータ、遠心分離移送装置12の動作を制御する制御部50、及びユーザが確認及び操作を行うための操作表示部52が設けられている。
遠心ドラム48は、分離処理部16をセット可能な単位セットエリア54を複数(6つ)有する。1つの単位セットエリア54は、その高さがバッグ20の長手方向長さよりも長く、また遠心ドラム48の回転中心に対し60°の範囲に設定されている。つまり、6つの単位セットエリア54は、周方向に沿って隙間なく並ぶことで、環状の構造部である遠心ドラム48を構成する。
図2に示すように、単位セットエリア54は、血液バッグ22を収容する血液バッグポケット56と、PPPバッグ24を収容するPPPバッグポケット58と、薬液バッグ26を収容する薬液バッグポケット60と、を遠心ドラム48の径方向外側位置に備える。
血液バッグポケット56は、単位セットエリア54の周方向中央部に設けられ、PPPバッグポケット58や薬液バッグポケット60よりも大きな容積を有する。PPPバッグポケット58と薬液バッグポケット60は、血液バッグポケット56よりも径方向外側において周方向に並んで設けられる。
また、単位セットエリア54の上面54aは、血液バッグシステム10の複数のチューブ30を配置し保持するように構成されている。上面54aにおいて血液バッグポケット56よりも径方向内側の中央領域54a1には、第1チューブ34及びセグメントチューブ28の一部分が配置される。また中央領域54a1には、血液バッグポケット56の開口を開閉する蓋体62が設けられている。さらに蓋体62に閉塞される第1チューブ34の配置位置には、封止部材40を破断する破断部64の一部、及び第1チューブ34を流動する血液の状態を検出するセンサ66が設けられている。
上面54aの左領域54a2には、中央領域54a1を通った第1チューブ34の一部分、分岐コネクタ32、第2チューブ36及び第3チューブ38の一部分が配置される。この左領域54a2には、分岐コネクタ32を保持するホルダ150、第2チューブ36の第2流路36aを開閉するPPP用クランプ70、及び第3チューブ38の第3流路38aを開閉する薬液用クランプ72が設けられている。
上面54aの右領域54a3には、セグメントチューブ28の複数の密閉チューブ28a(図1参照)を収容するセグメントポケット74が設けられている。
さらに、単位セットエリア54のPPPバッグポケット58や薬液バッグポケット60よりも径方向外側には、上面54aよりも上方に突出するチューブ保持部76が設けられている。チューブ保持部76は、第2チューブ36を配置させるガイド溝部79を有する。
また、単位セットエリア54は、遠心分離後の血液バッグ22を押圧するスライダ82を血液バッグポケット56の径方向内側に備える。スライダ82は、制御部50(図1参照)の制御下に、遠心ドラム48の径方向に沿って進退する。
上記の単位セットエリア54では、ユーザにより、除去血液を貯留した血液バッグ22が血液バッグポケット56に、空のPPPバッグ24がPPPバッグポケット58に、薬液を貯留した薬液バッグ26が薬液バッグポケット60にそれぞれ収容される。そして、単位セットエリア54は、遠心ドラム48の回転により血液バッグ22の除去血液を遠心分離し、遠心分離後にスライダ82を進出して血液バッグ22を押圧する。これにより、血液バッグ22内で遠心分離により生じたPPPがPPPバッグ24に移送され、PPPの移送後は血液バッグ22にRBCが残留する。PPPの移送後に、血液バッグシステム10は、ユーザにより遠心分離移送装置12から取り出される。
次に、本実施形態に係る血液バッグシステム10のクランプ100について、図3を参照して説明する。
クランプ100は、上記したように、血液バッグシステム10の第2チューブ36及び第3チューブ38に亘って取り付けられ、第2流路36a及び第3流路38aを開放状態から閉塞状態に切り換え可能に構成される。さらに、このクランプ100は、遠心分離移送装置12から取り出した後にユーザにより変形操作されることで、閉塞状態の第3チューブ38の第3流路38aを開放するように構成される。
具体的には、クランプ100は、樹脂材料又は金属材料によって構成される板状の本体102を備える。そして、クランプ100は、本体102を貫通し第2チューブ36が配置される第1挿通孔110、及び本体102を貫通し第3チューブ38が配置される第2挿通孔120を有する。
本体102は、チューブ30よりも高い剛性(大きな弾性率、硬質性)を有するように構成される。この本体102は、正面視で長方形を呈する平板状のベース104と、このベース104の長手方向(水平方向:矢印A方向)の一端側に設けられたフランジ部106と、を有する。ベース104及びフランジ部106は、同じ材料により一体成形される。
ベース104は、血液バッグシステム10の使用時に、第2チューブ36や第3チューブ38に直接接触して第2流路36aや第3流路38aの開放及び閉塞を切り換える部分を構成する。第1挿通孔110及び第2挿通孔120は、ベース104の平板面を構成する第1面105aと第2面105bとの間を厚み方向に貫通している。
ベース104は、第2チューブ36の外周面及び第3チューブ38の外周面に対して面接触可能な縁部を構成するために、適宜の厚みを有する。ベース104の厚みは、特に限定されないが、例えば0.5mm〜2mm程度に設定される。
本体102においてフランジ部106が設けられた長手方向一端以外は、ベース104の第1面105a、第2面105bが連続する外周部となっている。以下、本体102の長手方向に沿った一対の長辺のうちホルダ150へのセット時に上側に位置する長辺を上辺102aといい、ホルダ150へのセット時に下側に位置する長辺を下辺102bという。またベース104においてフランジ部106と反対側の端部である長手方向他端に位置する短辺を側辺102cという。
フランジ部106は、ベース104の厚み方向両側に一対設けられ、厚み方向に沿って短く突出し、短手方向(上下方向:矢印B方向)に延在している。フランジ部106は、作業者がクランプ100を押す際に指を当てやすくする。
図3及び図4Aに示すように、ベース104が内側に有する縁部によって、第1挿通孔110及び第2挿通孔120が形成される。第1挿通孔110及び第2挿通孔120の各々は、本体102の短手方向中央に並設される。第1挿通孔110、及び第2挿通孔120は、共に本体102の長手方向に沿って延在する。すなわち、第1挿通孔110及び第2挿通孔120は、互いに一列に並び、同一方向に延在している。
第1挿通孔110は、第2チューブ36の第2流路36aを開放状態とする第1開放部112と、第1開放部112に連なり第2チューブ36の第2流路36aを閉塞状態とする第1閉塞部114と、を含む。なお、第1挿通孔110は、本体102の外部から第2チューブ36を第1開放部112に導入可能なチューブ導入部116(図4Aの点線参照)を備えていてもよい。
第1開放部112は、本体102の長手方向中央付近に設けられる。第1開放部112は、本体102の第1円弧縁部112eにより略正円形状の空間に形成され、第2チューブ36の外径以上の直径を有する。例えば、第1開放部112の直径は、第2チューブ36の外径の1.0〜1.5倍程度に設定される。
第1閉塞部114は、第1開放部112から本体102のフランジ部106に向かって延在している。第1閉塞部114は、第2チューブ36の外径よりも狭い幅でベース104の長手方向に延在する一対の第1直線縁部114eによって横長空間に形成されている。一対の第1直線縁部114eは、第2チューブ36が第1閉塞部114に移動した際に、第2チューブ36の外周面を内方に押すことで第2チューブ36の第2流路36aを閉塞する。第2チューブ36が第1開放部112から第1閉塞部114に挿入しやすくなるように、第1挿通孔110は、第1開放部112から第1閉塞部114の奥側に向かって一対の第1直線縁部114eの幅がテーパ状に近接し合う構成でもよい。
第1閉塞部114の長手方向一端側は、フランジ部106付近まで延在し、半円状の第1閉塞縁部114cにより閉じられている。すなわち、第1閉塞部114において第1開放部112に連なる箇所以外は、本体102により囲われている。従って、第1挿通孔110は、第1閉塞部114から本体102の外部に、第2チューブ36が直接離脱することがないように構成される。
また、第1閉塞部114は、一対の第1直線縁部114eから相互に近づく方向に突出する一対の第1突起118を備える。一対の第1突起118は、第1開放部112の近傍位置に設けられている。一対の第1突起118は、直角三角形に形成され、第1開放部112から第1閉塞部114への第2チューブ36の移動を許容する一方で、第1閉塞部114から第1開放部112への第2チューブ36の移動を抑止する。なお、第1突起118は、一対の第1直線縁部114eのいずれか一方のみに設けられるだけでもよい。また第1突起118は、第1開放部112と第1閉塞部114の境界部に設けられてもよい。
一方、第2挿通孔120は、第3チューブ38の第3流路38aを開放状態とする第2開放部122と、第2開放部122に連なり第3チューブ38の第3流路38aを閉塞状態とする第2閉塞部124と、を含む。
第2開放部122は、本体102の側辺102c付近に設けられている。第1開放部112の中心部と第2開放部122の中心部の間隔は、本体102の長手方向長さの1/2の寸法に設定されている。第2開放部122は、本体102の第2円弧縁部122eにより略正円形状の空間に形成されており、第3チューブ38の外径以上の直径を有する。例えば、第2開放部122の直径は、第3チューブ38の外径の1.0〜1.5倍程度に設定される。
第2閉塞部124は、第2開放部122から本体102の長手方向中央に向かって延在している。第2閉塞部124は、第3チューブ38の外径よりも狭い幅でベース104の長手方向に延在する一対の第2直線縁部124eと、長手方向一端側の半円状の第2閉塞縁部124cとによって横長空間に形成されている。本実施形態において一対の第2直線縁部124eの幅は、一対の第1直線縁部114eの幅と同一である。一対の第2直線縁部124eは、第3チューブ38が第2閉塞部124に移動した際に、第3チューブ38の外周面を内方に押すことで第3チューブ38の第3流路38aを閉塞する。第3チューブ38が第2開放部122から第2閉塞部124に挿入しやすくなるように、第2挿通孔120は、第2開放部122から第2閉塞部124の奥側に向かって一対の第2直線縁部124eの幅がテーパ状に近接し合う構成でもよい。また、第2閉塞部124は、第1閉塞部114と同様に、一対の第2直線縁部124eから相互に近づく方向に突出する一対の第2突起128を備える。一対の第2突起128は、第2開放部122の近傍位置、又は第2開放部122と第2閉塞部124の境界部に設けられる。
そして、本体102は、第1状態から第2状態へと形態が変化するとで、第3チューブ38の第3流路38aを開放する。第1状態は、第2開放部122から第2閉塞部124へと移動した第3チューブ38を第2閉塞部124に拘束する状態である。第2状態は、第2閉塞部124から、第2開放部122以外の位置で第3チューブ38の第3流路38aを再開放する位置へと、第3チューブ38を移動可能にする状態である。
本体102の変形を行うために、ベース104は、ベース104の大半を構成する基部130(第1部位)と、基部130に対して相対移動する片部140(第2部位)と、を含んで構成される。またベース104は、基部130と片部140との境界部分に、一対のスリット108(第1スリット108a、第2スリット108b)を有すると共に、基部130と片部140とを連結するヒンジ部109を有する。
第1状態において、基部130と片部140は互いに面一に並んでいる。第1状態から第2状態への移行において、図4Bに示すように、ヒンジ部109を基点として、基部130と相対的に片部140が本体102の厚み方向に沿って回動する。この際ヒンジ部109は塑性変形又は弾性変形する。これにより第2状態において、基部130と片部140とが互いに非板状(非面一の形態)を呈し、第2閉塞部124と下辺102bとの間に当該第2閉塞部124に連なる空間である連通路126が形成される。
図3、図4A及び図4Bに示すように、基部130は、正面視でベース104の長方形状に略一致し、その内側に第1挿通孔110全体と、第2挿通孔120の一部分を除いた大部分と、を規定している。片部140は、第2挿通孔120の少なくとも一部を規定する。本実施形態に係る片部140は、ベース104の略長手方向中央領域且つ短手方向中央から下辺102bの範囲に設けられ、正面視で台形状に形成されている。
詳細には、片部140は、第2閉塞部124の第2直線縁部124eを構成する上底141と、本体102の下辺102bとを構成する下底142とを有し、下底142のほうが上底141よりも長く形成されている。上底141の長さは、例えば第3チューブ38の外径と同程度に設定されるとよい。
また片部140の一対の脚(対辺)のうち本体102の長手方向中央側の第1脚143は、上底141の一端から下底142の一端に向かって傾斜して延在し、延在端がヒンジ部109に達している。第1脚143は、同様に傾斜する基部130の対向辺との間に第1スリット108aを形成する。片部140の第2脚144は、上底141の他端と下底142の他端の間を第2閉塞部124の延在方向と直交する矢印B方向に延在している。第2脚144は、同様に矢印B方向に延在する基部130の対向辺との間に第2スリット108bを形成する。
第1スリット108aは、ベース104の第1面105aと第2面105bの間を厚み方向に貫通している第1分離ラインである。また、第1スリット108aは、図5Aに示すように本体102の厚み方向且つ短手方向に沿った断面視で、第1面105aの端部が高い一方で、第2面105b側の端部が低く形成されている。つまり、第1スリット108aの厚み方向の切り込みは、第1面105aから第2面105bに向かうに連れて徐々に低くなるように、厚み方向と直交する本体102の面方向に対して傾斜している。このように形成された第1スリット108aは、変形において、片部140の第1面105a側への開きを誘導して、逆に片部140の第2面105b側への開きを規制する。
また図4Aに戻り、第2スリット108bは、ベース104の第1面105aと第2面105bの間を厚み方向に貫通している第2分離ラインである。第2スリット108bは、第1スリット108aと異なり、本体102の厚み方向に対して平行に延在している。
なお、本実施形態に係るクランプ100は、基部130と片部140との境界に第1スリット108a、第2スリット108bを備えるが、本体102の変形時に基部130と片部140が分離できれば、基部130と片部140とは境界で連なっていてもよい。例えば基部130と片部140の境界は、ベース104の厚みよりも薄い肉部、ミシン目、弱い接着力の接着剤等により構成され、ユーザの変形操作により破断される脆弱部(不図示)が設けられてもよい。すなわち第1及び第2分離ラインは、スリット108又は脆弱部により構成される。第1分離及び第2分離ラインは、スリット108の延在方向の一部を脆弱部により連結してもよい。脆弱部は、第1スリット108a、第2スリット108bのうち両方を代替してもよく、いずれか一方を代替してもよい。
また図5B及び図5Cに示すように、クランプ100は、第1面105aへの片部140の不用意な倒れを防止するために、第2スリット108bに係止機構132を備えてもよい。例えば、係止機構132は、基部130から突出する基部側フック133と、片部140から突出する片部側フック145とが引っ掛かり合う構成を採り得る。この場合、基部側フック133は、ベース104の第1面105a側の厚み方向略半分に形成され、片部側フック145は、ベース104の第2面105b側の厚み方向略半分に形成される。これにより片部140の第1面105a側への倒れ方向において、片部側フック145が基部側フック133に引っ掛かる。基部側フック133と片部側フック145は、本体102を変形させるユーザからの操作力がかかることで係止を解除して、片部140を移動可能とする。
また、基部130と片部140を連結するヒンジ部109は、片部140の下底142と第1脚143が近接する角部に位置する。ヒンジ部109は、薄肉に形成されることで、ヒンジ部109全体を捩じるように塑性変形可能又は弾性変形可能に構成される。ヒンジ部109は、片部140が約90°回転した程度において、切れることがないように構成される。或いは、クランプ100は、本体102の変形によりヒンジ部109が切れることで、基部130と片部140が互いに分離してもよい。
図4Bに示すように、片部140が変形した第2状態では、第2閉塞部124と下辺102bとの間に連通路126が形成される。すなわち、連通路126は、本体102の正面視で、スリット108を含む片部140の形状に一致する。連通路126は、第2閉塞部124に連通しており、第2閉塞部124に位置する第3チューブ38を当該連通路126に移動可能とする。連通路126に移動した第3チューブ38は、第3流路38aが開放される。
連通路126は、本体102の下辺102b側から本体102の外側に連通している。このため、第3チューブ38は、連通路126を通って本体102の外側に離脱することができる。クランプ100は、第3チューブ38が離脱しても、第1挿通孔110において第2チューブ36の挿通を維持しているので血液バッグシステム10から外れることがない。
以上のクランプ100は、遠心分離移送装置12に対する血液バッグシステム10のセット時に、第1状態を呈しており、分岐コネクタ32と共にホルダ150に固定される。図3に示すように、ホルダ150は、分岐コネクタ32を保持するコネクタ保持部152と、クランプ100をスライド可能に保持するクランプ保持部154とを有する。
コネクタ保持部152は、円柱状に形成され、上端部から所定深さ切り欠いたY字状の保持用溝152aを有し、分岐コネクタ32を外嵌合可能に構成されている。クランプ保持部154は、コネクタ保持部152の下部から延在する台板158と、台板158の突出端において起立した保持板160と、保持板160に対向した対向壁161とを有する。クランプ保持部154は、一対の壁部(保持板160及び対向壁161)に挟まれた配置空間162により、クランプ100を水平方向(矢印A方向)にスライド可能に支持する。
以上のクランプ100は、その製造において、バッグ20やチューブ30とは別に、射出成形等により第1状態の本体102を形成する。そして、血液バッグシステム10の製造工程において、バッグ20やチューブ30をそれぞれ接続する際に、第2チューブ36及び第3チューブ38を本体102に挿通し、その後に第2チューブ36及び第3チューブ38を分岐コネクタ32に固着する。これにより、クランプ100を有する血液バッグシステム10が形成される。
第1実施形態に係る血液バッグシステム10及び遠心分離システム14は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下その動作について説明する。
血液バッグシステム10は、ユーザにより、図6に示すように採血ステップ(ステップS1)、白血球除去ステップ(ステップS2)、装置セットステップ(ステップS3)、遠心分離ステップ(ステップS4)、移送ステップ(ステップS5)、クランプ閉塞ステップ(ステップS6)、装置取り出しステップ(ステップS7)、懸架ステップ(ステップS8)、添加溶液注入ステップ(ステップS9)、シール分離ステップ(ステップS10)からなる作業フローが順に実施される。
採血ステップにおいて、ユーザは、図示しない前処理部の採血針を用いて供血者の全血を採取し採血バッグに貯留する。白血球除去ステップにおいて、ユーザは、採血バッグから血液バッグ22に全血を移動し、この際に全血がフィルタを通過することで、全血から白血球を除いた除去血液が血液バッグ22に貯留される。
ユーザは、除去血液を遠心分離するために、装置セットステップにおいて、血液バッグシステム10の分離処理部16を前処理部から切り離して遠心分離移送装置12にセットする。図2に示すように、ユーザは、血液バッグ22を単位セットエリア54の血液バッグポケット56に収容し、また単位セットエリア54の上面54aの所定の経路に沿って第1〜第3チューブ34、36、38をセットする。第1チューブ34は、中央領域54a1の所定の経路に取り回された後、左領域54a2に向かうように配置される。さらに、ユーザは、左領域54a2において第1〜第3チューブ34、36、38を取り回すと共に、分岐コネクタ32及びクランプ100をホルダ150に保持する。第2チューブ36は、分岐コネクタ32から左領域54a2を遠心方向外側に延在し、PPP用クランプ70を通るように配置される。さらに第2チューブ36は、薬液バッグポケット60の径方向外側でチューブ保持部76のガイド溝部79に収容される。第3チューブ38も、分岐コネクタ32から左領域54a2を遠心方向外側に延在し、薬液用クランプ72を通るように配置される。そして、ユーザは、第2チューブ36に繋がるPPPバッグ24をPPPバッグポケット58に収容すると共に、第3チューブ38に繋がる薬液バッグ26を薬液バッグポケット60に収容する。これにより遠心分離移送装置12への血液バッグシステム10のセットが完了する。
またセット時に、クランプ100は、基部130と片部140が互いに面一に並んだ第1状態となっている。ユーザは、第1開放部112に第2チューブ36を配置し、第2開放部122に第3チューブ38を配置した状態で、クランプ100を分岐コネクタ32の近傍位置に移動する。そして図3に示すように、ユーザは、ホルダ150のコネクタ保持部152に分岐コネクタ32を装着し、これと同時にホルダ150の保持板160と対向壁161の間の配置空間162に、クランプ100を挿入する。従って装置セットステップ後、クランプ100は、第2チューブ36の第2流路36a及び第3チューブ38の第3流路38aを開放した状態で単位セットエリア54上に待機している。
その後、遠心分離ステップにおいて、遠心分離移送装置12は、制御部50の制御下に遠心ドラム48を回転させることで、血液バッグ22の除去血液を、比重が異なるPPP、RBC等の血液成分に遠心分離する。遠心分離時に、第2チューブ36及び第3チューブ38は、PPP用クランプ70及び薬液用クランプ72(共に図2参照)により閉塞されており、血液成分の流動が抑制される。
また移送ステップにおいて、遠心分離移送装置12は、PPP用クランプ70のみを開放して、スライダ82により血液バッグ22を押圧する。これにより、血液バッグ22のPPPが、第1チューブ34、分岐コネクタ32、第2チューブ36を順に流動してPPPバッグ24に流入する。
移送ステップの後、ユーザは、クランプ100により第2チューブ36及び第3チューブ38を閉塞するクランプ閉塞ステップを行う(図3も参照)。この際ユーザは、各単位セットエリア54の上面54aにアクセスして、ホルダ150に対してクランプ100を長手方向他端側にスライドさせる。このスライド時に、第2チューブ36は、保持板160に接触することで、クランプ100と共にスライドしない。また第3チューブ38は、分岐コネクタ32を介して第2チューブ36に連なっていることで、保持板160上に固定されて、やはりクランプ100と共にスライドしない。
よってスライド時に、第2チューブ36に対して第1挿通孔110が相対移動し、第2チューブ36は、一対の第1突起118を乗り越えて第1閉塞部114に移行する。これにより第1閉塞部114が第2チューブ36の第2流路36aを閉塞する。同様にスライド時に、第3チューブ38に対して第2挿通孔120が相対移動し、第3チューブ38は、一対の第2突起128を乗り越えて第2閉塞部124に移行する。これにより第2閉塞部124が第3チューブ38の第3流路38aを閉塞する。
次に装置取り出しステップにおいて、遠心分離移送装置12は、スライダ82を後退させ、また薬液用クランプ72(図2参照)を開放することで、血液バッグシステム10を遠心分離移送装置12から離脱可能とし、ユーザは、血液バッグシステム10を取り出す。そしてユーザは、懸架ステップにおいて、薬液バッグ26を図示しないスタンドに吊り下げ、さらに薬液バッグ26よりも重力方向下側に血液バッグ22を配置する。
添加溶液注入ステップにおいて、ユーザは、第3チューブ38を開放させると共に、封止部材42を破断することで、薬液バッグ26の添加溶液を血液バッグ22に供給する。この際、ユーザは、クランプ100の変形(第1状態から第2状態への移行)により、第2閉塞部124から第3チューブ38を移動させる。具体的には図4A及び図4Bに示すように、ユーザは、第3チューブ38を片部140の上底141に押し付ける。これにより、片部140は、基部130に対して本体102の面方向に直交する方向に押し広げるように変形して連通路126を形成する。
この際、片部140は、上記した第1スリット108aの形状(図5A参照)により第1面105aに向かう方向への変形が誘導される。ユーザは、上記の押し広げの操作(第3チューブ38を一方向に移動させる操作)に伴って第3チューブ38が連通路126に直ちに移動する。特に、片部140は、第2閉塞部124の延在方向に対して異なる方向に存在している。このためユーザが離脱時に第3チューブ38にかける力の方向に対して、第2チューブ36は殆ど影響を受けない。結果的に、クランプ100は、第1閉塞部114から第1開放部112に第2チューブ36が移動することを抑止しつつ、第3チューブ38を移動させることができる。そして、連通路126において、第3チューブ38の第3流路38aが開放する。
またユーザは、連通路126の下辺102b側の開放部分から第3チューブ38を離脱させる。この際、クランプ100のヒンジ部109は、基部130と片部140との連結を継続して、片部140を基部130から分離したゴミとしない。
添加溶液注入ステップ後のシール分離ステップにおいて、ユーザは、第1チューブ34の適宜の位置をシール及び切断する。これにより、血液バッグ22は、添加溶液を含むRBCが貯留された状態で血液バッグシステム10から分離する。同様に、ユーザは、第2チューブ36においてクランプ100よりもPPPバッグ24側をシール及び切断する。これによりPPPバッグ24は、PPPが貯留された状態で血液バッグシステム10から分離する。残された血液バッグシステム10は、クランプ100を含めて適宜廃棄される。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されず、発明の要旨に沿って種々の改変が可能である。例えば、クランプ100は、第1挿通孔110にチューブ導入部116を備えると共に、片部140が第1状態と第2状態とで弾性復元可能な構成とすることで、先にバッグ20やチューブ30を接続した血液バッグシステム10にクランプ100を後付けしてもよい。
また例えば、クランプ100は、第1状態において基部130の面方向に沿って面一に並んでいる片部140の変形を補助するため、片部140に図示しない取手を備えていてもよい。この場合、取手は、上底141付近の第1面105aから突出していることが好ましい。
〔第2実施形態〕
次に図7A及び図7Bを参照して、第2実施形態に係るクランプ200について説明する。クランプ200の本体202は、第1状態から第2状態への移行において、基部204(第1部位)に対して片部206(第2部位)が本体202の面方向に沿って変形する点で、上記のクランプ100と異なる。なお、以降の説明において、上記の実施形態と同じ構成又は同じ機能を有する要素には、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
具体的には、本体202は、長方形状に形成され、短手方向両側に上辺202a及び下辺202bを有すると共に、長手方向一端側にフランジ部106を有し、長手方向他端側に側辺202cを有する。クランプ200の片部206は、クランプ100の片部140と同様に台形状を呈し、また基部204と片部206の境界には一対のスリット208(第1スリット208a、第2スリット208b)及びヒンジ部209が設けられる。ただし、第1スリット208aは、厚み方向に対して傾斜しておらず、また第2スリット208bは、第2閉塞部124から若干離れた下位置で三角形状に形成されている。なお、このクランプ200でも、第1分離ライン(第1スリット208a)又は第2分離ライン(第2スリット208b)に脆弱部を適用してよい。
片部206は、上底206a、下底206b、第1脚206c、第2脚206dを有する。上底206aは、第3チューブ38の直径よりも短く形成されている。また、第1脚206cは、上底206aの端部からヒンジ部209までの間矢印B方向に対して傾斜している一方で、第2脚206dは、上底206a及び下底206bに直交する矢印B方向に沿って延在している。
基部204において片部206の第2脚206dに対向する対向辺204aは、第2閉塞部124(上部)寄りが片部206に近接する近接辺204a1となっている。近接辺204a1は、矢印B方向に沿って直線状に延在している。また近接辺204a1よりも下側の対向辺204aは、下辺202bに向かって片部206から徐々に離間する傾斜辺204a2となっている。すなわち、第2スリット208bは、近接辺204a1と第2脚206dが近接している上側部分と、傾斜辺204a2と第2脚206dが下辺202bに向かって徐々に離間する下側部分とを有する。
このように形成されたクランプ200は、第1状態において基部204の近接辺204a1と片部206の第2脚206dが引っ掛かり合って、基部204に対する片部206の変位を維持する。また上底206aの長さが第3チューブ38の直径よりも短いことで、第1状態において第2閉塞部124は第3チューブ38を良好に押し潰して、第3流路38aを閉塞することができる。
第1状態から第2状態への移行時には、ユーザが第3チューブ38を下方向に押し出すことで、基部204の近接辺204a1に対して片部206の引っ掛かりが外れて、片部206がヒンジ部209を基点に回動する。片部206は、本体202の厚み方向に直交する平面に沿って変形する。これにより第2状態では、第1状態の片部206の位置に連通路210が形成される。
なお、クランプ200は、基部204に対する片部206の不用意な回動を防止するために、近接辺204a1、傾斜辺204a2及び第2脚206dの形状以外に、係止機構212を備えてもよい。例えば係止機構212は、図7A中の点線で示すように、傾斜辺204a2から突出する基部側フック213と、基部側フック213の上側で第2脚206dから突出する片部側フック214と、で構成され得る。またクランプ200も、クランプ100と同様に、第1状態の片部206を引き出すための取手を備えた構成でもよい。
さらに、片部206を本体202の平面に沿って回動させる構成は、上記のようにヒンジ部209を下辺202bに設けることに限定されない。図8Aに示すように、クランプ200Aは、第2閉塞部124から上辺202a及び下辺202bに向かう第1スリット208a、第2スリット208bを備えると共に、第1スリット208aの延在端である上辺202aにヒンジ部209を有してもよい。この場合、片部206は、第2開放部122及び第2閉塞部124を有する本体202の略半分の矩形状に形成される。
クランプ200Aは、第1状態において下辺202b側が基部204に近接していることで、第2閉塞部124から第3チューブ38を移動不能とする。第1状態から第2状態の移行において、片部206がヒンジ部209を基点に回動することで、第1状態の片部206の箇所に、第2閉塞部124から第3チューブ38が移動可能な連通路210(本体202の外部)が形成される。
また図8Bに示すように、クランプ200Bは、第2開放部122から側辺202cに向かう第1スリット208a、第2閉塞部124から下辺202bに向かう第2スリット208bを備え、第1スリット208aの延在端である側辺202cにヒンジ部209を有する構成でもよい。片部206は、短手方向中央から下辺202bまでの範囲且つ略長手方向中央から側辺202cまでの範囲からなる矩形状に形成される。
この場合でも、クランプ200Bは、第1状態において下辺202b側が基部204に近接し、第2閉塞部124からの第3チューブ38の移動を不能とする。第1状態から第2状態の移行において、片部206がヒンジ部209を基点に回動することで、第1状態の片部206の箇所に、第2閉塞部124から第3チューブ38が移動可能な連通路210(本体202の外部)が形成される。
〔第3実施形態〕
次に図9を参照して、第3実施形態に係るクランプ300について説明する。クランプ300の本体302は、第1状態から第2状態への移行において、第2開放部122と第2閉塞部124を含む部分が本体102の厚み方向に変形する点で、上記のクランプ100、200と異なる。
具体的には、本体302は、長方形状に形成され、短手方向両側に上辺302a及び下辺302bを有すると共に、長手方向一端側にフランジ部106を有し、長手方向他端側に側辺302cを有する。この本体302において、片部306(第2部位)は、本体302の短手方向中央と上辺302aの間且つ長手方向他端側に設けられ、基部304(第1部位)は片部306以外の箇所を構成する。基部304と片部306の境界には、スリット308及びヒンジ部309が設けられる。
片部306は、上辺302aの一部を構成する上側辺部306aと、第2開放部122の第2円弧縁部122e及び第2閉塞部124の第2直線縁部124eの一部を構成する下側辺部306bと、を有する。上側辺部306aと下側辺部306bの各長手方向一端の間には、矢印B方向に沿って延在する第1横側辺部306cが設けられる。上側辺部306aと下側辺部306bの各長手方向他端の間には、側辺302cの一部を構成し矢印B方向に沿って延在する第2横側辺部306dが設けられる。
スリット308は、片部306の第1横側辺部306cと、この第1横側辺部306cに対向する基部304の対向辺304aとの間に形成される。なお、スリット308には、基部304に対する片部306の不用意な倒れを防止するために、係止機構312が設けられてもよい。例えば、係止機構312は、図9中に示すように、対向辺304aの厚み方向半分から突出する基部側フック313と、基部側フック313の反対側の厚み方向半分から突出する片部側フック314と、で構成され得る。分離ライン(スリット308)には、脆弱部が適用されてもよい。
ヒンジ部309は、第2開放部122と側辺302cとの間を矢印A方向に延在する。ヒンジ部309は、本体302を薄肉にして構成され、片部306が倒れる側において基部304と片部306とを連結している。ヒンジ部309は、基部304と片部306が面一に並ぶ第1状態の形態を維持可能な強度に構成される。
以上のように形成されたクランプ300は、第1状態では、基部304と片部306とが面一に並ぶことで、第2挿通孔120から第3チューブ38を離脱不能に閉塞している。従ってクランプ300は、第2開放部122から第2閉塞部124に向かって第3チューブ38を移動することができる。
本体302の変形(第1状態から第2状態への移行)時に、ヒンジ部309を基点に基部304に対して片部306が回動する。片部306は、本体302の厚み方向に変形する。これにより第2状態では、第1状態の片部306の位置に連通路310が形成される。
連通路310は、第2閉塞部124における第2開放部122寄りに形成される。このためユーザは、第1挿通孔110と第2挿通孔120の各形状を見誤ることなく、第2挿通孔120を認識することができる。その結果、ユーザは、第2閉塞部124から連通路310に第3チューブ38を容易に移動して第3流路38aを開放し、さらに本体302から第3チューブ38を離脱させることができる。
〔第4実施形態〕
次に図10を参照して、第4実施形態に係るクランプ400について説明する。クランプ400の本体402は、第1状態から第2状態への移行において、第2開放部122と第2閉塞部124を含む上下方向の2部分が本体402の面方向と直交する方向に変形する点で、上記のクランプ100、200、300と異なる。
具体的には、本体402は、長方形状に形成され、短手方向両側に上辺402a及び下辺402bを有すると共に、長手方向一端側にフランジ部106を有し、長手方向他端側に側辺402cを有する。この本体402において、基部404は、本体402の長手方向中央から長手方向一端側に亘って設けられる。2つの片部406(第2部位)は、本体402の長手方向他端側に設けられ、本体402の短手方向中央と上辺402aの間の第1分割片407aと、本体402の短手方向中央と下辺402bの間の第2分割片407bとで構成される。
第1分割片407aと第2分割片407bの境界には、スリット408が設けられる。第1分割片407aと第2分割片407bの境界(分離ライン)には脆弱部が適用されてもよい。また、基部404(第1部位)と片部406の境界には、ヒンジ部409(第1分割片407aを連結する第1ヒンジ部409a、第2分割片407bを連結する第2ヒンジ部409b)が設けられる。
以上のように形成されたクランプ400も、第1状態では、基部404と片部406とが面一に並ぶことで、第2閉塞部124の第3チューブ38を拘束している。本体402の変形(第1状態から第2状態への移行)時に、例えば、第1ヒンジ部409aを基点に第1分割片407aが本体402の厚み方向に回動する。これにより第2状態では、第1状態の片部406の位置に連通路410が形成される。
連通路410は、第2閉塞部124における第2開放部122寄りに形成され、且つスリット408を介して本体402の外部に連通している。しかも第1分割片407aに対して第2分割片407bが分離しているため、ユーザは、第2閉塞部124から連通路410に第3チューブ38を容易に移動して第3流路38aを開放し、さらに本体402から第3チューブ38を離脱させることができる。
〔第5実施形態〕
次に図11A〜図11Cを参照して、第5実施形態に係るクランプ500について説明する。クランプ500の本体502は、第1挿通孔110を有する第1体504(第1部位)と、第2挿通孔120を有する第2体506(第2部位)とを分離可能に構成した点で、上記のクランプ100、200、300、400と異なる。この場合、本体502は、第1状態において第1体504と第2体506が互いに連続して一体化した形態を呈し、第2状態において、第1体504と第2体506が分離した形態を呈する。
具体的には、第1体504は、本体502の長手方向一端寄りの略半分を構成し、第1挿通孔110を内側に有する第1ベース504aと、第1ベース504aから突出する突出片504bと、を備える。第2体506は、本体502の長手方向他端寄りの略半分を構成し、第2挿通孔120を内側に有する第2ベース506aを備え、この第2ベース506aは、第1体504の突出片504bが挿入されることで突出片504bを嵌合保持する。
突出片504bは、第1体504の第1面505a側に設けられ、適宜の厚みを持つように構成される。突出片504bは、厚み方向に沿った断面視で(図11B参照)、第1面505aから厚み方向に広がる台形に形成される。一方、第2ベース506aは、第2体506の第1面507a側に嵌合用溝508を有する。嵌合用溝508は、厚み方向に沿った断面視で(図11C参照)、突出片504bと同形状に形成される。これにより、突出片504bと第2ベース506aが適宜の摩擦力で嵌合し、また突出片504bの面方向の抜けが防止される。
第2体506は、第2挿通孔120として、第2開放部122及び第2閉塞部124を有し、さらに、第2閉塞部124における第2開放部122の反対側の端部に連通する再開放部510を有する。再開放部510は、第3チューブ38の第3流路38aを開放可能な直径を有する略正円形状の空間(第2体506により閉じられた空間)に形成されている。そして、再開放部510は、第2体506の厚み方向に沿って嵌合用溝508に重なるように設けられる。再開放部510は、嵌合用溝508に対して全体が重なる構成ではなく、嵌合用溝508に対して一部が重ならない構成でもよい。これによりユーザは、第1状態でも再開放部510がある箇所(第2挿通孔120)を容易に認識することができる。
以上のように形成されたクランプ500は、第1状態において、第1体504の突出片504bが第2体506の嵌合用溝508に挿入され嵌合されることで、第1体504と第2体506が面一に並ぶ板状の本体502を形成している。この第1状態では、再開放部510が突出片504bに閉じられているため、第3チューブ38は第2開放部122から第2閉塞部124まで移動可能であり、第2閉塞部124に拘束されて第3流路38aが閉塞される。
本体502の変形(第1状態から第2状態への移行)時に、ユーザは、第1体504と第2体506を相互に離間する方向(矢印A方向)にスライドさせ、第1体504と第2体506を分離する。この際、突出片504bが嵌合用溝508から抜けることで、再開放部510が第2体506の厚み方向に露出される。これにより第3チューブ38が第2閉塞部124から再開放部510に移動可能となり、再開放部510において第3流路38aが開放する。
そして、第3チューブ38は、再開放部510への移動後に第2体506から抜けない。すなわち第3チューブ38の第3流路38aの開放後において、クランプ500は、第2チューブ36への第1体504の装着が継続し、第3チューブ38への第2体506の装着が継続する。これにより血液バッグシステム10と一体的にクランプ500が廃棄される。
なお、クランプ500の構成も上記に限定されず、種々の形状を採ることが可能であり、例えば、突出片504b及び嵌合用溝508は、第1体504、第2体506の両面に一対で(複数)設けられてもよい。また、クランプ500は、第1体504、第2体506を係止する係止機構512を有してもよい。例えば係止機構512は、図11A中の二点鎖線で示すように突出片504bの突出端から突出するフック513と、第2体506の嵌合用溝508から凹む凹部514とで構成し得る。
〔第6実施形態〕
次に図12を参照して、第6実施形態に係るクランプ600について説明する。クランプ600の本体602は、第1挿通孔110を有する第1体604(第1部位)と、第2挿通孔120を有する第2体606(第2部位)とを分離可能に構成し、且つ第3チューブ38を離脱可能とした点で、上記のクランプ100、200、300、400、500と異なる。すなわち本体602も、第1状態において第1体604と第2体606が互いに連続して一体化した形態を呈する。そして第2状態において、第1体604と第2体606が分離した形態において、第2閉塞部124から第3チューブ38を離脱させる連通路610が形成される。
連通路610は、第2閉塞部124における第2開放部122の反対側の端部に連通する直線状の通路に形成されている。連通路610の幅は、第2閉塞部124の幅に一致している。連通路610は、第1状態において、第1体604のベース604aから突出する突出片604bに覆われる。また第2体606には、突出片604bが挿入されて嵌合される嵌合用溝608が形成されている。
さらに、クランプ600は、第1状態において、第1体604と第2体606を係止する係止機構612を有する。この係止機構612は、第1体604及び第2体606のうち一方に備えた一対の嵌合突起613と、第1体604及び第2体606の他方に備えた一対の嵌合凹部614とで構成される。
以上のように形成されたクランプ600は、第1状態において連通路610が突出片604bに閉じられているため、第3チューブ38は第2開放部122から第2閉塞部124まで移動して第3流路38aが閉塞される。そして本体602の変形(第1状態から第2状態への移行)時に、ユーザが第1体604と第2体606を分離することで、突出片604bが嵌合用溝608から抜けて連通路610が露出される。これにより、第3チューブ38が第2閉塞部124から連通路610を通して、第2体606から離脱可能となり、離脱によって第3流路38aが開放する。第3チューブ38から外れた第2体606は、ユーザにより適宜廃棄される。
〔第7実施形態〕
次に図13A及び図13Bを参照して、第7実施形態に係るクランプ700について説明する。クランプ700の本体702は、クランプ600と同様に、第1挿通孔110を有する第1体704(第1部位)と、第2挿通孔120を有する第2体706(第2部位)とを分離可能に構成し、且つ第3チューブ38を離脱可能としている。ただし、クランプ700は、第1体704と第2体706の分離時に、第1体704により第3チューブ38を引き出し可能に構成される。
具体的には、第1体704は、第1挿通孔110を有する第1ベース704aと、第1ベース704aから突出する一対の把持片704bとを有する。一対の把持片704bは、その間に第2閉塞部124を構成する第2閉塞縁部124cを有し、また根元部分が第1ベース704aに対して揺動自在に連結されている。一対の把持片704bは、第2状態において相互の突出端同士が積極的に開くように形状付けされていてもよい。さらに、第1体704は、第1開放部112に連通する切り欠き704cを有する。切り欠き704cは、第1挿通孔110に第2チューブ36を導入可能なチューブ導入部116(図4A参照)を構成する。
一方、第2体706は、第2開放部122及び第2閉塞部124の一部を内側に有し、且つ第1体704の切り欠き704cに対応する箇所に突出部706aを有する。第2体706において第2閉塞部124の長手方向一端側には、一対の把持片704bが挿入して一対の把持片704bと共に第2閉塞部124を構成するための一対の段差706bが設けられている。
また、クランプ700は、一対の嵌合凹部713を第1体704に備える一方で、一対の嵌合突起714を第2体706に備える。一対の嵌合凹部713及び一対の嵌合突起714は、第1状態で第1体704及び第2体706を係止する係止機構712を構成する。
以上のように形成されたクランプ700は、第1状態において、第1体704と第2体706が連結し、面一に連続する本体702を呈している。この場合、第1体704の一対の把持片704bは、第2体706の段差706bに配置され、直線状又はテーパ状の空間からなる第2閉塞部124を形成する。従って、第2開放部122に位置する第3チューブ38は、第2閉塞部124に向かって円滑に移動することができる。そして第3チューブ38は、クランプ700のスライド時(クランプ閉塞ステップ)に、一対の把持片704bに挟まれる位置まで移動する。
本体702の変形(第1状態から第2状態への移行)時に、ユーザは、第1体704と第2体706を相互に離間する方向(矢印A方向)にスライドさせ、第1体704と第2体706を分離する。この際、一対の把持片704bが一対の段差706bから抜ける動作が行われ、一対の把持片704bに挟まれた第3チューブ38が第2体706から引き出される。すなわち、第1体704と第2体706との間に連通路710が形成される。第3チューブ38は、この連通路710(本体702の外部)に移動することで、第3流路38aが開放する。
〔第8実施形態〕
次に図14を参照して、第8実施形態に係るクランプ800について説明する。クランプ800は、第1挿通孔110と第2挿通孔120を本体802の短手方向(矢印B方向)に延在させた点で、上記のクランプ100、200、300、400、500、600、700と異なる。なお、第2挿通孔120は、第1挿通孔110との識別性を持たせるために、第2閉塞部124に湾曲通路125を有している。湾曲通路125は、第2閉塞部124の下側(第2開放部122側)の延在方向(矢印A方向)に対して90°湾曲して、端部に達している。
また本体802は、第1挿通孔110及び第2挿通孔120を構成する基部804(第1部位)と、第2閉塞部124の端部に設けられる片部806(第2部位)とで構成される。基部804と片部806の境界には、スリット808及びヒンジ部809が設けられている。スリット808は、湾曲通路125に連通すると共に、湾曲通路125の端部の接線方向(矢印A方向)に直交する矢印B方向に沿って延在している。なお、基部804と片部806の境界には脆弱部を適用してもよい。また、ヒンジ部809は、スリット808の延在端部から矢印A方向に延在している。
上記のように形成されたクランプ800は、第1状態において、基部804と片部806が面一に並んだ平板状の状態を呈し、第2閉塞部124の端部が片部806により閉塞されている。このクランプ800は、遠心分離移送装置12のホルダ150にセットされ、クランプ閉塞ステップ(図6参照)において、ユーザにより下方向(矢印B方向)にスライド操作がなされる。これにより、第2チューブ36が第1開放部112から第1閉塞部114に移動すると共に、第3チューブ38が第2開放部122から第2閉塞部124に移動する。
またクランプ800は、添加溶液注入ステップにおいて、ユーザにより本体802が変形される。すなわち第1状態から第2状態の移行において、ヒンジ部809を基点に片部806が本体802の厚み方向に回動することで、第2閉塞部124に連通し第3チューブ38が移動可能な連通路810が形成される。第3チューブ38は、連通路810に移動することで本体802から離脱して、第3流路38aが開放する。
なお、クランプ800も、図14中に示すように、第1状態において基部804と片部806を係止する係止機構812を備えた構成とすることが好ましい。
上記の実施形態から把握し得る技術的思想及び効果について以下に記載する。
本発明の第1の態様は、血液を収容するための第1バッグ(血液バッグ22)と、前記第1バッグ内の血液を遠心分離して得られた血液成分を収容するための第2バッグ(PPPバッグ24)と、添加溶液が収容された第3バッグ(薬液バッグ26)と、前記第1バッグに接続される第1チューブ34と、前記第2バッグに接続される第2チューブ36と、前記第3バッグに接続される第3チューブ38と、を備え、分岐部(分岐コネクタ32)を介して前記第1チューブ、前記第2チューブ及び前記第3チューブを連結した血液バッグシステム10であって、前記第2チューブ及び前記第3チューブに亘って取り付けられる1つのクランプ100、200、300、400、500、600、700、800を備え、前記クランプは、本体102、202、302、402、502、602、702、802と、前記本体を貫通し、前記第2チューブが配置される第1挿通孔110と、前記本体を貫通し、前記第3チューブが配置される第2挿通孔120と、を有し、前記第1挿通孔は、前記第2チューブの流路(第2流路36a)を開放状態とする第1開放部112と、前記第1開放部に連なり前記第2チューブの流路を閉塞状態とする第1閉塞部114と、を有し、前記第1閉塞部の前記第1開放部に連なる箇所以外が前記本体により閉じられており、前記第2挿通孔は、前記第3チューブの流路(第3流路38a)を開放状態とする第2開放部122と、前記第2開放部に連なり前記第3チューブの流路を閉塞状態とする第2閉塞部124と、を有し、前記本体は、第1状態から第2状態へと形態が変化可能であり、前記第1状態は、前記第2開放部から前記第2閉塞部へと移動した前記第3チューブを前記第2閉塞部に拘束する状態であり、前記第2状態は、前記第2閉塞部から、前記第2開放部以外の位置で前記第3チューブの流路を再開放する位置へと、前記第3チューブを移動可能にする状態である。
上記によれば、血液バッグシステム10は、1つの前記クランプによって2つのチューブ30の流路を効率的に閉塞することができる。また前記第1挿通孔は、前記第1閉塞部から前記第2チューブが離脱しない。これに対し、前記第2挿通孔は、前記本体の変形に基づき前記第2開放部以外の位置で前記第3チューブの流路を再開放する位置へと、前記第3チューブを移動可能にする状態となる。従って、血液バッグシステム10は、ユーザによる前記2つのチューブの誤認が回避され、前記チューブの流路の誤った開放を防止することができる。その結果、血液バッグシステム10は、遠心分離後のシステムの取り扱いミスを減らし、血液製剤を精度よく得ることができる。
また、前記本体は、前記第1挿通孔を規定する第1部位(基部130、204、304、404、804、第1体504、604、704)と、前記第1部位に対して相対変位可能であり前記第2挿通孔の少なくとも一部を規定する第2部位(片部140、206、306、406、806、第2体506、606、706)と、を有し、前記第2部位が前記第1部位に対して相対変位することにより、前記本体が前記第1状態から前記第2状態へと変化する。このように血液バッグシステム10は、第1部位に対する第2部位の相対変位によって第1状態から第2状態へ移行することで、前記第3チューブの流路をより簡単に開放することができる。
また、前記本体は、前記第1部位と前記第2部位とを連結するヒンジ部109、209、309、409、809を有し、前記第2部位が前記ヒンジ部を基点に前記第1部位に対して回動することにより、前記本体が前記第1状態から前記第2状態へと変化し、前記本体は、前記第1状態から前記第2状態へと変化する際に、前記第3チューブを前記第2閉塞部から離脱させ前記本体の外部へと移動させることを許容する連通路126、210、310、410、810を形成する。このように前記ヒンジ部を基点に前記第2部位が回動することで、血液バッグシステム10は、前記第1部位と前記第2部位の連結を良好に維持することができ、作業時のゴミの発生を防止することができる。
また、前記本体は、板状に形成されており、前記第2部位は、前記第1部位に対して前記ヒンジ部を基点に前記本体の厚み方向に回動可能である。このように前記第2部位が前記本体の厚み方向に回動する構成であれば、大きな作業スペースをとることがない。そしてユーザは前記第2部位をスムーズに変形することができる。
また、前記本体は、板状に形成されており、前記第2部位は、前記第1部位に対して前記ヒンジ部を基点に、前記本体の厚み方向に直交する平面に沿って回動可能である。このように前記第2部位が前記本体の平面に沿って回動する構成であっても、ユーザは第2部位をスムーズに変形することができる。
また、前記第2部位は、前記第2閉塞部を形成する縁部(第2直線縁部124e)の一部を構成する内端(上底141、206a)を有し、前記本体は、スリット(第1スリット108a、208a)又は破断可能な脆弱部からなり、一端において前記第2部位の前記内端に隣接し、他端において前記ヒンジ部に隣接する第1分離ラインと、スリット(第2スリット108b、208b)又は破断可能な脆弱部からなり、一端において前記第2部位の前記内端に隣接する第2分離ラインと、を有する。これにより、ユーザは、前記第1及び第2分離ラインに沿って前記第2部位を容易に変位させることができる。
また、前記第1分離ライン及び前記第2分離ラインはともに前記スリットからなり、前記第1分離ラインの前記一端は、前記縁部に連なり、前記第2分離ラインの前記一端は、前記縁部に連なり、前記第2分離ラインの前記他端は、前記本体の外辺に連なる。これにより、前記第2部位は、前記ヒンジ部以外が前記第1部位に対して分離していることになり、ユーザは、前記第2部の変位操作を容易に行うことができる。
また、前記第1閉塞部及び前記第2閉塞部は、前記第1開放部及び前記第2開放部から互いに同一方向に延在しており、前記連通路は、前記第2閉塞部の延在方向に対して異なる方向に形成される。これにより、ユーザが前記第2部位を変位して前記第3チューブを移動する作業において、前記第2チューブが前記第1開放部に移動することを抑制することができる。
また、前記第2部位は、前記第1部位に対して分離可能に構成され、前記第2部位が前記第1部位から分離することにより、前記本体が前記第1状態から前記第2状態へと変化する。これにより、ユーザは、前記第1状態から第2状態への移行操作をより一層簡単に行うことができる。
また、前記第2挿通孔は、前記第2開放部と異なる箇所で前記第2閉塞部と連なる部分であって前記第3チューブの流路を再開放させる再開放部510を有し、前記第1部位は、前記本体の前記第1状態において前記第3チューブが前記第2閉塞部から前記再開放部へと移動することを規制する突出片504bを有し、前記第2部位が前記第1部位から分離する際に、前記突出片による前記第3チューブに対する規制が解除されることで、前記再開放部への前記第3チューブの移動が許容される。これにより、ユーザは、前記第1部位と前記第2部位の分離後に、前記第3チューブを前記再開放部に簡単に移動することができる。
また、前記第2部位が前記第1部位から分離する際に、前記第2部位は、前記第3チューブを前記第2閉塞部から離脱させ前記本体の外部へと移動させることを許容する連通路610、710を形成する。これにより、ユーザは、前記第1部位と前記第2部位の分離後に、前記連通路を介して前記第3チューブを前記本体から容易に離脱させることができる。
また、前記本体は、前記第1状態において、前記第1部位と前記第2部位の境界に、前記第1部位と前記第2部位との間を係止する係止機構132、212、312、512、612、712、812を有する。これにより、前記クランプは、ユーザが前記本体の変形操作を行うまでの間は、第1状態を良好に維持することができる。
また本発明の第2の態様は、2つのチューブ30に亘って取り付けられるクランプ100、200、300、400、500、600、700、800であって、本体102、202、302、402、502、602、702、802と、前記本体を貫通し、前記2つのチューブのうち一方のチューブ(第2チューブ36)が配置される第1挿通孔110と、前記本体を貫通し、前記2つのチューブのうち他方のチューブ(第3チューブ38)が配置される第2挿通孔120と、を有し、前記第1挿通孔は、前記一方のチューブの流路を開放状態とする第1開放部112と、前記第1開放部に連なり前記一方のチューブの流路を閉塞状態とする第1閉塞部114と、を有し、前記第1閉塞部の前記第1開放部に連なる箇所以外が前記本体により閉じられており、前記第2挿通孔は、前記他方のチューブの流路を開放状態とする第2開放部122と、前記第2開放部に連なり前記他方のチューブの流路を閉塞状態とする第2閉塞部124と、を有し、前記本体は、第1状態から第2状態へと形態が変化可能であり、前記第1状態は、前記第2開放部から前記第2閉塞部へと移動した前記他方のチューブを前記第2閉塞部に拘束する状態であり、前記第2状態は、前記第2閉塞部から、前記第2開放部以外の位置で前記他方のチューブの流路を再開放する位置へと、前記他方のチューブを移動可能にする状態である。これにより、クランプ100、200、300、400、500、600、700、800は、2つのチューブ30の流路を効率的に閉塞すると共に、チューブ30の流路の誤った開放を防止することができる。
10…血液バッグシステム 14…遠心分離システム
22…血液バッグ 24…PPPバッグ
26…薬液バッグ 30…チューブ
32…分岐コネクタ 34…第1チューブ
36…第2チューブ 38…第3チューブ
100、200、200A、200B、300、400、500、600、700、800…クランプ
102、202、302、402、502、602、702、802…本体
108、208、308、408、808…スリット
109、209、309、409、809…ヒンジ部
110…第1挿通孔 112…第1開放部
114…第1閉塞部 120…第2挿通孔
122…第2開放部 124…第2閉塞部
126、210、310、410、610、710、810…連通路
130、204、304、404、804…基部
132、212、312、512、612、712、812…係止機構
140、206、306、406、806…片部
504、604、704…第1体 506、606、706…第2体
510…再開放部

Claims (13)

  1. 血液を収容するための第1バッグと、
    前記第1バッグ内の血液を遠心分離して得られた血液成分を収容するための第2バッグと、
    添加溶液が収容された第3バッグと、
    前記第1バッグに接続される第1チューブと、
    前記第2バッグに接続される第2チューブと、
    前記第3バッグに接続される第3チューブと、を備え、
    分岐部を介して前記第1チューブ、前記第2チューブ及び前記第3チューブを連結した血液バッグシステムであって、
    前記第2チューブ及び前記第3チューブに亘って取り付けられる1つのクランプを備え、
    前記クランプは、
    本体と、
    前記本体を貫通し、前記第2チューブが配置される第1挿通孔と、
    前記本体を貫通し、前記第3チューブが配置される第2挿通孔と、を有し、
    前記第1挿通孔は、前記第2チューブの流路を開放状態とする第1開放部と、前記第1開放部に連なり前記第2チューブの流路を閉塞状態とする第1閉塞部と、を有し、前記第1閉塞部の前記第1開放部に連なる箇所以外が前記本体により閉じられており、
    前記第2挿通孔は、前記第3チューブの流路を開放状態とする第2開放部と、前記第2開放部に連なり前記第3チューブの流路を閉塞状態とする第2閉塞部と、を有し、
    前記本体は、第1状態から第2状態へと形態が変化可能であり、
    前記第1状態は、前記第2開放部から前記第2閉塞部へと移動した前記第3チューブを前記第2閉塞部に拘束する状態であり、
    前記第2状態は、前記第2閉塞部から、前記第2開放部以外の位置で前記第3チューブの流路を再開放する位置へと、前記第3チューブを移動可能にする状態である
    血液バッグシステム。
  2. 請求項1記載の血液バッグシステムにおいて、
    前記本体は、前記第1挿通孔を規定する第1部位と、前記第1部位に対して相対変位可能であり前記第2挿通孔の少なくとも一部を規定する第2部位と、を有し、
    前記第2部位が前記第1部位に対して相対変位することにより、前記本体が前記第1状態から前記第2状態へと変化する
    血液バッグシステム。
  3. 請求項2記載の血液バッグシステムにおいて、
    前記本体は、前記第1部位と前記第2部位とを連結するヒンジ部を有し、
    前記第2部位が前記ヒンジ部を基点に前記第1部位に対して回動することにより、前記本体が前記第1状態から前記第2状態へと変化し、
    前記本体は、前記第1状態から前記第2状態へと変化する際に、前記第3チューブを前記第2閉塞部から離脱させ前記本体の外部へと移動させることを許容する連通路を形成する
    血液バッグシステム。
  4. 請求項3記載の血液バッグシステムにおいて、
    前記本体は、板状に形成されており、
    前記第2部位は、前記第1部位に対して前記ヒンジ部を基点に前記本体の厚み方向に回動可能である
    血液バッグシステム。
  5. 請求項3記載の血液バッグシステムにおいて、
    前記本体は、板状に形成されており、
    前記第2部位は、前記第1部位に対して前記ヒンジ部を基点に、前記本体の厚み方向に直交する平面に沿って回動可能である
    血液バッグシステム。
  6. 請求項4又は5記載の血液バッグシステムにおいて、
    前記第2部位は、前記第2閉塞部を形成する縁部の一部を構成する内端を有し、
    前記本体は、
    スリット又は破断可能な脆弱部からなり、一端において前記第2部位の前記内端に隣接し、他端において前記ヒンジ部に隣接する第1分離ラインと、
    スリット又は破断可能な脆弱部からなり、一端において前記第2部位の前記内端に隣接する第2分離ラインと、を有する
    血液バッグシステム。
  7. 請求項6記載の血液バッグシステムにおいて、
    前記第1分離ライン及び前記第2分離ラインはともに前記スリットからなり、
    前記第1分離ラインの前記一端は、前記縁部に連なり、
    前記第2分離ラインの前記一端は、前記縁部に連なり、
    前記第2分離ラインの前記他端は、前記本体の外辺に連なる
    血液バッグシステム。
  8. 請求項3〜7のいずれか1項に記載の血液バッグシステムにおいて、
    前記第1閉塞部及び前記第2閉塞部は、前記第1開放部及び前記第2開放部から互いに同一方向に延在しており、
    前記連通路は、前記第2閉塞部の延在方向に対して異なる方向に形成される
    血液バッグシステム。
  9. 請求項2記載の血液バッグシステムにおいて、
    前記第2部位は、前記第1部位に対して分離可能に構成され、
    前記第2部位が前記第1部位から分離することにより、前記本体が前記第1状態から前記第2状態へと変化する
    血液バッグシステム。
  10. 請求項9記載の血液バッグシステムにおいて、
    前記第2挿通孔は、前記第2開放部と異なる箇所で前記第2閉塞部と連なる部分であって前記第3チューブの流路を再開放させる再開放部を有し、
    前記第1部位は、前記本体の前記第1状態において前記第3チューブが前記第2閉塞部から前記再開放部へと移動することを規制する突出片を有し、
    前記第2部位が前記第1部位から分離する際に、前記突出片による前記第3チューブに対する規制が解除されることで、前記再開放部への前記第3チューブの移動が許容される
    血液バッグシステム。
  11. 請求項9記載の血液バッグシステムにおいて、
    前記第2部位が前記第1部位から分離する際に、前記第2部位は、前記第3チューブを前記第2閉塞部から離脱させ前記本体の外部へと移動させることを許容する連通路を形成する
    血液バッグシステム。
  12. 請求項2〜11のいずれか1項に記載の血液バッグシステムにおいて、
    前記本体は、前記第1状態において、前記第1部位と前記第2部位の境界に、前記第1部位と前記第2部位との間を係止する係止機構を有する
    血液バッグシステム。
  13. 2つのチューブに亘って取り付けられるクランプであって、
    本体と、
    前記本体を貫通し、前記2つのチューブのうち一方のチューブが配置される第1挿通孔と、
    前記本体を貫通し、前記2つのチューブのうち他方のチューブが配置される第2挿通孔と、を有し、
    前記第1挿通孔は、前記一方のチューブの流路を開放状態とする第1開放部と、前記第1開放部に連なり前記一方のチューブの流路を閉塞状態とする第1閉塞部と、を有し、前記第1閉塞部の前記第1開放部に連なる箇所以外が前記本体により閉じられており、
    前記第2挿通孔は、前記他方のチューブの流路を開放状態とする第2開放部と、前記第2開放部に連なり前記他方のチューブの流路を閉塞状態とする第2閉塞部と、を有し、
    前記本体は、第1状態から第2状態へと形状が変化可能であり、
    前記第1状態は、前記第2開放部から前記第2閉塞部へと移動した前記他方のチューブを前記第2閉塞部に拘束する状態であり、
    前記第2状態は、前記第2閉塞部から、前記第2開放部以外の位置で前記他方のチューブの流路を再開放する位置へと、前記他方のチューブを移動可能にする状態である
    クランプ。
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