JP6845067B2 - 内燃機関制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃焼室の圧力に基づいて内燃機関を制御する内燃機関制御装置に関する。
内燃機関では、点火後、燃焼室の圧力(筒内圧)が上昇する。この場合、早すぎる着火による過早燃焼によって筒内圧が急激に上昇すればノッキングが発生するおそれがある。一方、緩慢な燃焼であれば失火が発生するおそれがある。そのため、ノッキング又は失火等の内燃機関の異常の発生を検知(判定)し、その検知結果に基づいて内燃機関を適切に制御することにより、正常な燃焼状態にする必要がある。
例えば、特許文献1には、燃焼室の筒内圧及び容積が急激に変化する所定の回転角度範囲において、筒内圧センサが検出した筒内圧に応じた筒内圧信号に対するサンプリング間隔を短くすることで、内燃機関の制御に有効なデータを正確に演算すると共に、演算処理の負荷を軽減することが開示されている。
特開2000−170589号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、内燃機関の異常が発生しない場合でも、上記の回転角度範囲ではサンプリング間隔が必ず短くなるので、処理負担が無駄に発生しており、改善の余地がある。
そこで、本発明は、内燃機関の異常の発生に対する判定精度を維持しつつ、内燃機関の制御に対する処理負担をさらに軽減することが可能となる内燃機関制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関制御装置(10)は、内燃機関(12)の燃焼室(14)内の圧力(Pi)を検出する圧力センサ(16)と、前記圧力センサ(16)が検出した前記圧力(Pi)に応じた圧力信号をサンプリングするサンプリング部(34)と、サンプリングされた前記圧力信号に基づいて前記内燃機関(12)を制御する制御部(26)とを有しており、以下の特徴を有する。
第1の特徴;前記内燃機関制御装置(10)は、回転角度センサ(20)及びサンプリング間隔変更部(36)をさらに有する。前記回転角度センサ(20)は、前記内燃機関(12)の回転角度(CA)を検出する。前記サンプリング間隔変更部(36)は、前記圧力(Pi)及び前記回転角度(CA)に基づいて該回転角度(CA)に対する前記圧力(Pi)の圧力変化率(DP)を算出し、所定の回転角度範囲において、算出した前記圧力変化率(DP)が所定の圧力変化率範囲を外れる場合には、前記サンプリング部(34)での前記圧力信号に対するサンプリング間隔を短くする。この場合、前記圧力変化率範囲は、前記内燃機関(12)の上死点での圧力変化率(DP)の正常値に基づく許容上限値(AH)と許容下限値(AL)との間の範囲である。
第2の特徴;前記回転角度範囲は、前記内燃機関(12)の点火後の回転角度(CA)の範囲である。
第3の特徴;前記回転角度範囲は、前記上死点での回転角度(CA)を含む範囲である。
の特徴;前記サンプリング間隔変更部(36)は、前記圧力変化率(DP)が前記圧力変化率範囲を外れる場合には、10°以下のサンプリング間隔に変更する。
の特徴;前記内燃機関制御装置(10)は、前記内燃機関(12)の温度(Tw)を検出する温度センサ(22)をさらに有する。この場合、前記サンプリング間隔変更部(36)は、前記温度(Tw)が所定の温度閾値(Twth)を超える場合には、前記サンプリング間隔を短くする。
の特徴;前記内燃機関制御装置(10)は、前記内燃機関(12)のスロットル開度(TH)を検出するスロットル開度センサ(24)をさらに有する。この場合、前記サンプリング間隔変更部(36)は、前記スロットル開度(TH)が所定のスロットル開度閾値(THth)を超える場合には、前記サンプリング間隔を短くする。
の特徴;前記圧力センサ(16)は、前記燃焼室(14)において、前記内燃機関(12)のカム室(44)から離間し、且つ、点火プラグ(40)に近接する位置に配置されている。
本発明の第1の特徴によれば、圧力変化率が圧力変化率範囲を外れる異常時にのみサンプリング間隔が短くなるので、制御部の処理負担を軽減することができる。また、ノッキング及び失火等の内燃機関の異常が発生する際には、圧力変化率が圧力変化率範囲を外れる可能性があるので、サンプリング間隔を短くして圧力信号を細かくサンプリングすることにより、制御部での内燃機関の異常に対する判定精度を高めることができる。従って、第1の特徴では、特許文献1の技術と比較して、内燃機関の異常に対する判定精度を維持しつつ、内燃機関の制御に対する処理負担をさらに軽減することが可能となる。
本発明の第2の特徴によれば、回転角度範囲が点火後に限定されるので、内燃機関の異常に対する判定精度が向上する。
また、上死点近傍の回転角度では、ノッキング又は失火等の内燃機関の異常の発生に伴い、圧力変化率が圧力変化率範囲から外れやすい。そこで、本発明の第3の特徴では、上死点の回転角度を含むように回転角度範囲を設定することで、内燃機関の異常に対する判定精度を高めることができる。
本発明の第の特徴によれば、10°以下のサンプリング間隔に変更することで、内燃機関の異常に対して十分な判定精度を確保することができる。
本発明の第の特徴によれば、内燃機関の温度に基づいてサンプリング間隔を短くすることにより、内燃機関の異常に対する判定精度を向上させることができる。
本発明の第の特徴によれば、スロットル開度に基づいてサンプリング間隔を短くすることにより、内燃機関の異常に対する判定精度を向上させることができる。
本発明の第の特徴によれば、圧力センサが検出する圧力に対するノイズの影響を少なくすることができる。
本実施形態に係る内燃機関制御装置のブロック図である。 燃焼室での指圧センサの取り付け位置を図示した説明図である。 図1の内燃機関制御装置の動作を説明するフローチャートである。 図4Aは、クランク角に対する筒内圧の変化を示すグラフであり、図4Bは、クランク角に対する筒内圧上昇率の変化を示すグラフである。
本発明に係る内燃機関制御装置について、好適な実施形態を掲げ、添付の図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
[内燃機関制御装置10の構成]
図1は、本実施形態に係る内燃機関制御装置10のブロック図である。図2は、内燃機関制御装置10により制御される内燃機関12の燃焼室14における指圧センサ(圧力センサ)16の取り付け位置を平面視で図示した説明図である。
内燃機関制御装置10は、指圧センサ16、負圧センサ18、回転角度センサ20、温度センサ22、スロットル開度センサ24及びECU(Engine Control Unit)26を有する。
指圧センサ16は、内燃機関12の燃焼室14内の筒内圧(圧力)Piを逐次検出し、検出した筒内圧Piに応じた筒内圧信号(圧力信号)を逐次出力する。負圧センサ18は、内燃機関12の図示しない吸気管の負圧を逐次検出し、検出した負圧に応じた負圧信号をECU(制御部)26に逐次出力する。回転角度センサ20は、内燃機関12のクランクシャフトの回転角度(クランク角)CAを、所定角度間隔で検出し、検出したクランク角CAに応じたクランク信号(回転角度信号)をECU26に逐次出力する。温度センサ22は、内燃機関12の温度Tw(例えば、冷却水の水温又は潤滑油の油温)を逐次検出し、検出した温度Twに応じた温度信号をECU26に逐次出力する。スロットル開度センサ24は、吸気管の途中に配設された図示しないスロットル弁のスロットル開度THを逐次検出し、検出したスロットル開度THに応じたスロットル開度信号をECU26に逐次出力する。
ECU26は、CPU(Central Processing Unit)28を含み構成され、ROM(Read Only Memory)30に格納されたプログラムをCPU28が読み出して実行することにより、指圧センサ16、負圧センサ18、回転角度センサ20、温度センサ22及びスロットル開度センサ24から入力される各種の信号に基づいて、内燃機関12を制御する。
具体的に、ECU26は、CPU28、ROM30、RAM(Random Access Memory)32、サンプリング部34及びサンプリング間隔変更部36を有する。
サンプリング部34は、指圧センサ16から逐次入力される筒内圧信号を所定のサンプリング間隔(筒内圧信号をサンプリングするためのクランク角CAの間隔)でサンプリングし、サンプリング後の筒内圧信号(筒内圧Pi)をCPU28に出力する。サンプリング間隔変更部36は、指圧センサ16から逐次入力される筒内圧信号(筒内圧Pi)と、回転角度センサ20から逐次入力されるクランク信号とに基づいて、クランク角CAに対する筒内圧Piの変化率(筒内圧上昇率、圧力変化率)DPを算出し、算出した筒内圧上昇率DPに基づいてサンプリング間隔を変更する。また、サンプリング間隔変更部36は、温度センサ22から逐次入力される温度信号(温度Tw)又はスロットル開度センサ24から逐次入力される開度信号(スロットル開度TH)に応じて、サンプリング間隔を変更可能である。サンプリング間隔の具体的な変更方法については、後述する。
ECU26(のCPU28)には、内燃機関12の燃焼室14に燃料を供給するインジェクタ38と、燃焼室14内で点火を行う点火プラグ40と、排気管から吸気管に排気ガスを還流させる排気ガス還流装置42とが接続されている。CPU28は、負圧センサ18から逐次入力される負圧信号、回転角度センサ20から逐次入力されるクランク信号、及び、サンプリング部34から入力されるサンプリング後の筒内圧信号に基づいて、内燃機関12の平均有効圧及びポンピングロス等を演算する。
この場合、CPU28は、入力されるクランク信号及び筒内圧信号に基づいて筒内圧上昇率DPを算出し、算出した筒内圧上昇率DPに基づいてノッキング又は失火の発生を判定し、この判定結果も含めて、燃料供給開始のタイミング及び燃料供給量と、点火時期と、排気ガス還流量とを制御する。なお、内燃機関12が複数気筒の場合、指圧センサ16、インジェクタ38及び点火プラグ40は、気筒毎に設けられる。
また、ROM30には、CPU28の演算結果に対応するインジェクタ38、点火プラグ40及び排気ガス還流装置42の制御量のマップ等が記憶されている。CPU28は、これらのマップを参照して、インジェクタ38、点火プラグ40及び排気ガス還流装置42の制御量を決定する。また、CPU28は、演算結果等をRAM32に記憶する。
図2に示すように、指圧センサ16は、燃焼室14において、内燃機関12のカム室44から離間し、且つ、点火プラグ40に近接する位置に配置されている。すなわち、図2中、内燃機関12の左方にカム室44が設けられ、燃焼室14の中心位置46を挟んで紙面の上下に吸気バルブ48及び排気バルブ50が配設されている場合に、指圧センサ16は、燃焼室14内でノッキングが発生するポイント52に対して反対側の扇状の領域54内に取り付けられる。この領域54は、燃焼室14内において、中心位置46を挟んで、ノッキングのポイント52とは反対側の領域であって、且つ、点火プラグ40、中心位置46及び排気バルブ50に囲まれた領域である。
[内燃機関制御装置10の動作]
次に、内燃機関制御装置10の動作について、図3〜図4Bを参照しながら説明する。なお、この動作説明では、必要に応じて、図1及び図2も参照しながら説明する。
ここでは、サンプリング部34による筒内圧信号のサンプリング動作と、サンプリング間隔変更部36によるサンプリング間隔の変更動作とについて説明する。なお、CPU28の動作については、特許文献1におけるCPUの動作と概ね同様であるため、その詳細な動作説明は省略する。
図3は、サンプリング部34及びサンプリング間隔変更部36の動作を説明するフローチャートである。また、図4Aは、クランク角CAと筒内圧Piとの関係を示すグラフであり、図4Bは、クランク角CAと筒内圧上昇率DPとの関係を示すグラフである。
図3の動作説明に先立ち、クランク角CAと筒内圧Piとの関係、及び、クランク角CAと筒内圧上昇率DPとの関係について説明する。
点火プラグ40(図1及び図2参照)による燃焼室14内の点火は、通常、圧縮上死点(圧縮TDC、CA=0°)の手前のクランク角CA(例えば、CA=−10°)で行われる。この場合、筒内圧Piは、点火後、クランク角CAの変化に伴って上昇する。
ここで、最適な点火条件であるMBT(Minimum advance for the Best Torque)の場合、図4Aに実線で示すように、筒内圧Piは、点火後に上昇し、圧縮TDCの経過後に最大となり、その後、減少する略放物線の特性となる。
一方、過早燃焼の場合、破線で示すように、点火後、クランク角CAの変化に伴って筒内圧Piは急激に上昇する。この結果、過早燃焼では、ノッキングが発生するおそれがある。また、緩慢な燃焼の場合、一点鎖線で示すように、クランク角CAの変化に伴って筒内圧Piが緩やかに上昇する。これにより、緩慢な燃焼では、失火が発生するおそれがある。
さらに、クランク角CAに対する筒内圧Piの変化率である筒内圧上昇率DPは、図4Bに示すように、圧縮TDC近傍のクランク角CAの範囲内で、クランク角CAの変化に伴って正負の値に変動する。この場合、実線で示すMBTでの筒内圧上昇率DPは、点火後に上昇し、圧縮TDCの経過後、正の最大値となる。その後、筒内圧上昇率DPは減少し、負の最大値となった後、DP=0に収束する。
一方、過早燃焼の場合、破線で示すように、クランク角CAの変化に対して筒内圧上昇率DPは、正負の値に急激に変動する。また、緩慢な燃焼の場合、一点鎖線で示すように、筒内圧上昇率DPは、クランク角CAの変化に対して、正負の値の変動幅が小さい。
なお、図4Bは、一例として、10°毎のサンプリング間隔でサンプリング部34が筒内圧信号をサンプリングしたときの筒内圧上昇率DPの変化を示している。この場合、筒内圧上昇率DPは、今回サンプリングした筒内圧信号の示す筒内圧Piと、前回サンプリングした筒内圧信号の示す筒内圧Piとの差分を、サンプリング間隔(10°)で割ったものである(DP={(今回の筒内圧Pi)−(前回の筒内圧Pi)}/10°)。
従って、CPU28は、点火後の圧縮TDC近傍のクランク角CAの領域において、筒内圧Piの実測値、及び、筒内圧上昇率DPの演算値と、正常値(MBTでの値)とを比較することにより、正常な燃焼状態であるか、あるいは、ノッキング又は失火等の内燃機関12の異常が発生しているか否かを判定することが可能となる。
具体的に、図4Bに示すように、例えば、圧縮TDCのクランク角CA=0°では、MBT、過早燃焼及び緩慢な燃焼の間で、筒内圧上昇率DPの値が顕著に異なってくる。そこで、CA=0°における筒内圧上昇率DPの正常値の範囲(圧力変化率範囲)を許容上限値AHと許容下限値ALとの間の範囲とし、筒内圧上昇率DPが圧力変化率範囲内にあれば、内燃機関12の燃焼状態が正常と判定し、一方で、圧力変化率範囲から外れていれば、内燃機関12の燃焼状態が異常と判定することができる。従って、CPU28は、このような判定結果に基づき、内燃機関12を適切に制御し、正常な燃焼状態にすることができる。
そのためには、内燃機関12の異常が発生すると予想される圧縮TDC近傍の所定のクランク角CAの範囲内において、サンプリング部34のサンプリング間隔を短くし、内燃機関12の異常に対する判定処理の精度を向上させる必要がある。このようなサンプリング間隔の変更処理は、サンプリング間隔変更部36が行う。
図3のフローチャートは、このような観点に基づくサンプリング部34及びサンプリング間隔変更部36の動作を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、サンプリング間隔変更部36で設定されるサンプリング間隔毎に実行される。
先ず、ステップS1において、サンプリング部34は、現在設定されているサンプリング間隔で、指圧センサ16から入力された筒内圧信号をサンプリングする。例えば、30°のサンプリング間隔であれば、サンプリング部34は、30°毎のクランク角CAで、指圧センサ16から筒内圧信号を読み込む(取り込む)。サンプリング部34は、サンプリングした筒内圧信号をCPU28に出力する。一方、サンプリング間隔変更部36は、筒内圧信号に加え、回転角度センサ20からのクランク信号、温度センサ22からの温度信号、及び、スロットル開度センサ24からのスロットル開度信号を取り込む。
次のステップS2において、サンプリング間隔変更部36は、クランク信号の示すクランク角CAが、圧縮TDCでのクランク角(CA=0°)を含む所定のクランク角CAの範囲内、例えば、−30°≦CA≦+30°の範囲内にあるか否かを判定する。すなわち、−30°〜+30°の範囲内では、点火が行われ、さらに、ノッキング又は失火等の内燃機関12の異常が発生すると予想されるからである。
ステップS2において、クランク角CAが−30°〜+30°の範囲外である場合(CA<−30°又はCA>+30°、ステップS2:NO)、サンプリング間隔変更部36は、次のステップS3において、次回のサンプリング処理までのサンプリング間隔を30°に決定し、現在のサンプリング間隔を、決定したサンプリング間隔に変更した後、今回の処理を終了する。これにより、現在のクランク角CAから+30°経過したタイミングで、次回のサンプリング処理(ステップS1)が実行される。
一方、ステップS2において、クランク角CAが−30°〜+30°の範囲内にある場合(−30°≦CA≦+30°、ステップS2:YES)、サンプリング間隔変更部36は、次のステップS4において、温度信号の示す内燃機関12の温度Twが所定の温度閾値Twthを超えているか否か、又は、スロットル開度信号の示すスロットル開度THが所定のスロットル開度閾値THthを超えているか否か、を判定する。すなわち、温度Tw又はスロットル開度THによって点火条件が異なり、筒内圧Pi及び筒内圧上昇率DPが変化するためである。具体的に、温度Twが高温であるか、又は、スロットル開度THが大きい場合には、内燃機関12が高負荷状態にあり、ノッキング又は失火が発生する可能性がある。
ここで、温度Twが温度閾値Twth以下である場合(Tw≦Twth)、及び、スロットル開度THがスロットル開度閾値THth以下である場合(TH≦THth)(ステップS4:NO)、サンプリング間隔変更部36は、現在の温度Tw又はスロットル開度THでは、内燃機関12の異常が発生するおそれはないと判断し、次のステップS5において、次回のサンプリング処理までのサンプリング間隔を10°に決定して、現在のサンプリング間隔を、決定したサンプリング間隔に変更する。
次のステップS6において、サンプリング間隔変更部36は、筒内圧上昇率DPが所定の圧力変化率範囲を外れているか否か、すなわち、DP>AH、又は、DP<ALであるか否かを判定する。
この場合、DP>AHでなく、且つ、DP<ALではない場合(AL≦DP≦AH、ステップS6:NO)、サンプリング間隔変更部36は、内燃機関12が正常な燃焼状態にあると判定し、ステップS5で決定したサンプリング間隔を確定させ、今回の処理を終了する。これにより、現在のクランク角CAから+10°経過したタイミングで、次回のサンプリング処理(ステップS1)が実行される。
一方、ステップS4で肯定的な判定結果であった場合(Tw>Twth又はTH>THth、ステップS4:YES)、又は、ステップS6で肯定的な判定結果であった場合(DP>AH又はDP<AL)、サンプリング間隔変更部36は、ノッキング又は失火等の内燃機関12の異常が発生する可能性があると判断し、次のステップS7において、次回のサンプリング処理までのサンプリング間隔を1°に決定し、現在のサンプリング間隔を、決定したサンプリング間隔に変更した後、今回の処理を終了する。これにより、現在のクランク角CAから+1°経過したタイミングで、次回のサンプリング処理(ステップS1)が実行される。
このような図3の処理をサンプリング間隔毎に繰り返し実行することにより、 図4A及び図4Bに示すCA<−30°及び+30°<CAの範囲では、30°の比較的長いサンプリング間隔でサンプリング部34が筒内圧信号に対するサンプリング処理を行う。また、−30°≦CA≦+30°の範囲内において、正常な燃焼状態では、比較的短い10°のサンプリング間隔でサンプリング部34が筒内圧信号に対するサンプリング処理を行う。さらに、−30°≦CA≦+30°の範囲内において、点火後又は圧縮TDC後であって、ノッキング又は失火等の内燃機関12の異常が発生するおそれがある場合には、一層短い1°のサンプリング間隔でサンプリング部34が筒内圧信号に対するサンプリング処理を行う。
前述のように、サンプリング部34は、サンプリングした筒内圧信号をCPU28に出力する。従って、CPU28は、逐次入力されたサンプリング後の筒内圧信号等に基づき、ノッキング又は失火等の内燃機関12の異常に対する判定処理を精度良く行うことができる。特に、内燃機関12の異常が発生するおそれがある場合には、CPU28は、1°のサンプリング間隔でサンプリングされた高分解能の筒内圧信号に基づき、内燃機関12の異常の有無を判定し、その判定結果を用いて内燃機関12を精度良く制御することが可能となる。
[内燃機関制御装置10の効果]
以上説明したように、本実施形態に係る内燃機関制御装置10によれば、筒内圧上昇率DPが所定の圧力変化率範囲(図4Bに示すAL≦DP≦AHの範囲)を外れる異常時にのみ、サンプリング間隔変更部36によって、サンプリング部34での筒内圧信号に対するサンプリング間隔が短くなる(10°→1°)。これにより、CPU28を含むECU26における、サンプリング後の筒内圧信号に基づく判定処理、及び、内燃機関12の制御に対する処理負担を軽減することができる。
また、ノッキング及び失火等の内燃機関12の異常が発生する際には、筒内圧上昇率DPがAH〜ALの圧力変化率範囲を外れる可能性がある。このような場合には、サンプリング間隔を短くしてサンプリング部34で筒内圧信号を細かくサンプリングすることにより、CPU28における内燃機関12の異常に対する判定精度を高めることができる。従って、内燃機関制御装置10では、特許文献1の技術と比較して、内燃機関12の異常に対する判定精度を維持しつつ、内燃機関12の制御に対する処理負担をさらに軽減することが可能となる。
また、サンプリング間隔を短くするクランク角CAの範囲を、点火後に限定することにより、内燃機関12の異常に対する判定精度を向上させることができる。
さらに、圧縮TDC近傍のクランク角CAでは、ノッキング又は失火等の内燃機関12の異常の発生に伴い、筒内圧上昇率DPが圧力変化率範囲から外れやすい。そこで、圧縮TDCでのクランク角CA=0°を含むように、サンプリング間隔を短くするためのクランク角CAの範囲を設定することで、内燃機関12の異常に対する判定精度を一層高めることができる。
また、サンプリング間隔変更部36は、クランク角CAに基づいて内燃機関12の回転数を算出し、算出した回転数に応じて圧力変化率範囲(AL〜AH)を調整してもよい。すなわち、筒内圧上昇率DPは、内燃機関12の回転数や負荷状態によって変化するので、回転数に応じて適切な圧力変化率範囲に設定することで、内燃機関12の異常に対する判定精度を一層向上させることができる。このような調整を可能とするため、サンプリング間隔変更部36は、回転数及び負荷状態と圧力変化率範囲との関係を示すテーブル又はマップを有し、このテーブル又はマップを参照して、回転数及び負荷状態に応じた適切な圧力変化率範囲(許容上限値AH、許容下限値AL)を設定すればよい。
さらに、10°以下、例えば1°のサンプリング間隔に変更することにより、内燃機関12の異常に対して十分な判定精度を確保することができる。
さらにまた、Tw>Twth、又は、TH>THthの場合に、サンプリング間隔を短くすることにより、内燃機関12の異常に対する判定精度を向上させることができる。
また、指圧センサ16は、燃焼室14において、内燃機関12のカム室44から離間し、且つ、点火プラグ40に近接する位置に配置されているので、指圧センサ16が検出する筒内圧Piに対するノイズの影響を少なくすることができる。すなわち、ノッキングは、外気による温度低下の影響が小さいカム室44側(点火プラグ40の点火に起因する圧力が遅れて伝搬する箇所)のポイント52で発生する確率が高い。この場合、ポイント52からのノッキングにより伝搬される圧力は、ポイント52から離れるほど大きくなり、ノイズの影響を受けにくくなる。従って、ポイント52から離れた点火プラグ40近傍の位置に指圧センサ16を配置すれば、筒内圧Piを好適に検出することができる。
なお、上記の説明では、燃焼室14に指圧センサ16を配設した場合について説明した。内燃機関制御装置10では、筒内圧Piを検出できればよいので、指圧センサ16に代えて、筒内圧センサを燃焼室14に配置してもよい。この場合でも、上記の各効果が容易に得られる。
以上、本発明について好適な実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記の実施形態の記載範囲に限定されることはない。上記の実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることは、当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も、本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。また、特許請求の範囲に記載された括弧書きの符号は、本発明の理解の容易化のために添付図面中の符号に倣って付したものであり、本発明がその符号をつけた要素に限定されて解釈されるものではない。
10…内燃機関制御装置 12…内燃機関
14…燃焼室 16…指圧センサ
18…負圧センサ 20…回転角度センサ
22…温度センサ 24…スロットル開度センサ
26…ECU 28…CPU
30…ROM 32…RAM
34…サンプリング部 36…サンプリング間隔変更部
38…インジェクタ 40…点火プラグ
42…排気ガス還流装置 44…カム室
46…中心位置 48…吸気バルブ
50…排気バルブ 52…ポイント
54…領域

Claims (7)

  1. 内燃機関(12)の燃焼室(14)内の圧力(Pi)を検出する圧力センサ(16)と、前記圧力センサ(16)が検出した前記圧力(Pi)に応じた圧力信号をサンプリングするサンプリング部(34)と、サンプリングされた前記圧力信号に基づいて前記内燃機関(12)を制御する制御部(26)とを有する内燃機関制御装置(10)において、
    前記内燃機関(12)の回転角度(CA)を検出する回転角度センサ(20)と、
    前記圧力(Pi)及び前記回転角度(CA)に基づいて該回転角度(CA)に対する前記圧力(Pi)の圧力変化率(DP)を算出し、所定の回転角度範囲において、算出した前記圧力変化率(DP)が所定の圧力変化率範囲を外れる場合には、前記サンプリング部(34)での前記圧力信号に対するサンプリング間隔を短くするサンプリング間隔変更部(36)と、
    をさらに有し、
    前記圧力変化率範囲は、前記内燃機関(12)の上死点での圧力変化率(DP)の正常値に基づく許容上限値(AH)と許容下限値(AL)との間の範囲であることを特徴とする内燃機関制御装置(10)。
  2. 請求項1記載の内燃機関制御装置(10)において、
    前記回転角度範囲は、前記内燃機関(12)の点火後の回転角度(CA)の範囲であることを特徴とする内燃機関制御装置(10)。
  3. 請求項1又は2記載の内燃機関制御装置(10)において、
    前記回転角度範囲は、前記上死点での回転角度(CA)を含む範囲であることを特徴とする内燃機関制御装置(10)。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の内燃機関制御装置(10)において、
    前記サンプリング間隔変更部(36)は、前記圧力変化率(DP)が前記圧力変化率範囲を外れる場合には、10°以下のサンプリング間隔に変更することを特徴とする内燃機関制御装置(10)。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の内燃機関制御装置(10)において、
    前記内燃機関(12)の温度(Tw)を検出する温度センサ(22)をさらに有し、
    前記サンプリング間隔変更部(36)は、前記温度(Tw)が所定の温度閾値(Twth)を超える場合には、前記サンプリング間隔を短くすることを特徴とする内燃機関制御装置(10)。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の内燃機関制御装置(10)において、
    前記内燃機関(12)のスロットル開度(TH)を検出するスロットル開度センサ(24)をさらに有し、
    前記サンプリング間隔変更部(36)は、前記スロットル開度(TH)が所定のスロットル開度閾値(THth)を超える場合には、前記サンプリング間隔を短くすることを特徴とする内燃機関制御装置(10)。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の内燃機関制御装置(10)において、
    前記圧力センサ(16)は、前記燃焼室(14)において、前記内燃機関(12)のカム室(44)から離間し、且つ、点火プラグ(40)に近接する位置に配置されていることを特徴とする内燃機関制御装置(10)。
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