JP6840338B2 - イミン化合物製造用触媒及びイミン化合物の製造方法 - Google Patents

イミン化合物製造用触媒及びイミン化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6840338B2
JP6840338B2 JP2016235218A JP2016235218A JP6840338B2 JP 6840338 B2 JP6840338 B2 JP 6840338B2 JP 2016235218 A JP2016235218 A JP 2016235218A JP 2016235218 A JP2016235218 A JP 2016235218A JP 6840338 B2 JP6840338 B2 JP 6840338B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
catalyst
compound
imine compound
hydroxyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016235218A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017104861A (ja
Inventor
昭弥 小川
昭弥 小川
昭宏 野元
昭宏 野元
陸男 植嶌
陸男 植嶌
邦昌 圓井
邦昌 圓井
米原 宏司
宏司 米原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
University Public Corporation Osaka
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
University Public Corporation Osaka
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd, University Public Corporation Osaka filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Publication of JP2017104861A publication Critical patent/JP2017104861A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6840338B2 publication Critical patent/JP6840338B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

本発明は、イミン化合物製造用触媒及びイミン化合物の製造方法に関する。より詳しくは、医薬、色素、染料等の原料や中間体等に有用なイミン化合物の製造用触媒及びイミン化合物の製造方法に関する。
イミン化合物は、炭素−窒素二重結合を持つ化合物であり、医薬、色素、染料等の原料や中間体等として有用な化合物である。イミン化合物の製造方法としては、種々の方法が開示され、例えば、特許文献1には、アミン化合物を酸素の存在下、触媒を使用してイミン化合物とする方法であり、前記触媒が少なくとも1種のバナジウム錯体であり、前記バナジウム錯体を構成する配位子が、水酸基、カルボキシル基、チオール基、アミノ基から選択される少なくとも1種を置換基として有する芳香族化合物又は複素芳香族化合物であることを特徴とするイミン化合物の製造方法が開示されている。また、非特許文献1には、触媒として硫酸銅を用い、アミン化合物を過酸化水素により酸化してイミン化合物を製造する方法が開示されている。更に、非特許文献2には、無触媒、無溶媒の下でアミン化合物を酸素酸化することによりイミン化合物を製造する方法が開示されている。
特開2008−303158号公報
K マルイ(K Marui)他3名「テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters)」(米国)、2015年、第56巻、p1200−1202 T B グェン(T B Nguyen)他2名「グリーン ケミストリー(Green Chemistry)」(英国)、2013年、第15巻、p2713−2717
上述のとおり、種々のイミン化合物の製造方法及び反応に用いられる触媒が開示されているが、特許文献1及び非特許文献1に開示されている触媒は、金属錯体であることから、生成物のイミン化合物における金属成分の残存の問題があった。また、非特許文献2に開示されている方法では、イミン化合物への選択率において充分ではなかった。したがって、イミン化合物への選択率に優れ、微量であっても金属成分が残存することが好ましくない医薬等の高機能精密有機化学品(高純度品)の分野においても好適に用いることができる触媒の開発が求められていた。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、金属成分の残存の問題がなく、従来の触媒よりもアミン化合物の酸化反応におけるイミン化合物への選択率を向上させることができるイミン化合物製造用触媒及びイミン化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、イミン化合物製造用触媒について種々検討したところ、特定の構造を有する芳香族化合物がアミン化合物を酸化してイミン化合物とする反応の触媒として機能することを見いだし、また、このような触媒を用いてイミン化合物の製造を行った場合、イミン化合物への選択率にも優れることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち第一の本発明は、アミン化合物を酸化してイミン化合物とする反応に用いられる触媒であって、上記触媒は、下記式(1);
Figure 0006840338
(式中、R〜Rは、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。但し、R〜Rのうち少なくとも1つは、水酸基含有基又はカルボキシル基含有基である。R〜Rのうちのただ1つが水酸基であって、R〜Rの残りがいずれもカルボキシル基でない場合、又は、R〜Rのうちのただ1つがカルボキシル基であって、R〜Rの残りがいずれも水酸基でない場合、R〜Rの残りの少なくとも1つは、炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子である。R〜Rのうち互いにオルト位に位置する一方がカルボキシル基であって、もう一方が水酸基である場合、R〜Rの残りの少なくとも1つは、有機基であり、かつ、R〜Rのうち芳香環の5位又は6位がメトキシ基である場合には、メトキシ基以外の3〜6位の少なくとも1つが水酸基含有基、炭素数1〜20のアルコキシ基又はハロゲン原子である。)で表される構造を有するイミン化合物製造用触媒である。
また、第二の本発明は、アミン化合物を酸化してイミン化合物とする反応に用いられる触媒であって、上記触媒は、構造中に芳香環と、水酸基及び/又はカルボキシル基とを有し、担体に担持されているイミン化合物製造用触媒である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
≪イミン化合物製造用触媒≫
<第一の本発明>
第一の本発明に係るイミン化合物製造用触媒(以下、第一の本発明に係る触媒ともいう)は、上記式(1)において、R〜Rのうち少なくとも1つは、水酸基含有基又はカルボキシル基含有基であって、
a)R〜Rのうちのただ1つが水酸基であって、R〜Rの残りがいずれもカルボキシル基でない場合、R〜Rの残りの少なくとも1つは、炭素数1〜20のアルコキシ基又はハロゲン原子である。
b)R〜Rのうちのただ1つがカルボキシル基であって、R〜Rの残りがいずれも水酸基でない場合、R〜Rの残りの少なくとも1つは、炭素数1〜20のアルコキシ基又はハロゲン原子である。
c)R〜Rのうち互いにオルト位に位置する一方がカルボキシル基であって、もう一方が水酸基である場合、R〜Rの残りの少なくとも1つは、有機基であり、かつ、R〜Rのうち芳香環の5位又は6位がメトキシ基である場合には、メトキシ基以外の3〜6位の少なくとも1つが水酸基含有基、炭素数1〜20のアルコキシ基又はハロゲン原子である。
本発明者らは、第一の本発明に係る触媒が、このような構造を有することにより、アミン化合物を酸化してイミン化合物とする反応の触媒として機能を発揮することができることを見いだした。
また、第一の本発明に係る触媒を用いることにより、上記反応におけるイミン化合物への選択率が非特許文献2に記載の系よりも優れるものとなる。この理由としては、上記反応において第一の本発明に係る触媒を用いることにより、原料の分解反応や目的生成物の触媒による逐次的分解反応が抑制されることが推定される。
第一の本発明に係る触媒は、金属成分の残存の問題がなく、医薬等の高機能精密有機化学品(高純度品)の製造に好適に用いることができ、また、得られるイミン化合物の選択率に優れることから、イミン化合物の精製工程における手間とコストを削減することができる。
上記式(1)における水酸基含有基は、水酸基を有する基であれば特に制限されず、水酸基のみ(ヒドロキシル基)であっても、例えば、炭素数1〜20のアルキル基における水素原子が水酸基に置換された基であってもよい。上記アルキル基の炭素数としては1〜10が好ましく、アルキル基としては、メチル基、エチル基が好ましい。
水酸基含有基としては、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基が好ましく、より好ましくはヒドロキシル基である。
また、上記式(1)におけるカルボキシル基含有基は、カルボキシル基を有する基であれば特に制限されず、カルボキシル基のみであっても、例えば、炭素数1〜20のアルキル基における水素原子がカルボキシル基に置換された基であってもよい。上記アルキル基としては水酸基含有基と同様である。
水酸基含有基としては、カルボキシル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基が好ましく、より好ましくはカルボキシル基である。
第一の本発明に係る触媒は、上記式(1)で表される構造を有する限り特に制限されないが、上記a)の場合、R〜Rの残りの少なくとも1つは、アルコキシ基であることが好ましい。
また、R〜Rの残りの少なくとも1つの炭素数1〜20のアルコキシ基又はハロゲン原子は、水酸基のオルト、パラ、メタ位のいずれであってもよいが、メタ位であることが好ましい。
上記アルコキシ基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは、1〜5である。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基が好ましく、より好ましくはメトキシ基である。
上記ハロゲン原子としては、周期表の第17族元素であれば特に制限されず、例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。上記ハロゲン原子としては、塩素が好ましい。
上記b)の場合、R〜Rの残りの少なくとも1つは、アルコキシ基であることが好ましい。
また、R〜Rの残りの少なくとも1つの炭素数1〜20のアルコキシ基又はハロゲン基は、カルボキシル基のオルト、パラ、メタ位のいずれであってもよいが、メタ位であることが好ましい。
アルコキシ基の好ましい例及びハロゲン原子の具体例及び好ましい例は、上述のとおりである。
上記c)の場合であって、c−1)R〜Rのうち芳香環の5位及び6位がいずれもメトキシ基でない場合には、R〜Rの残りの少なくとも1つが有機基であれば特に制限されない。上記有機基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基等が挙げられる。
アルコキシ基の炭素数は1〜10が好ましく、より好ましくは1〜5である。アルコキシ基として更に好ましくはメトキシ基、エトキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基である。
アルキル基の炭素数としては1〜10が好ましく、より好ましくは1〜5である。アルキル基として更に好ましくはメチル基、エチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
上記ハロゲン原子の具体例及び好ましい例は、上述のとおりである。
上記c)の場合であって、c−2)R〜Rのうち芳香環の5位又は6位がメトキシ基である場合には、R〜Rのうちメトキシ基以外の3〜6位の少なくとも1つは、炭素数1〜20のアルコキシ基であることが好ましい。アルコキシ基の好ましい例は、上述のとおりである。
上記c−2)の形態としては、R〜Rのうち芳香環の4位及び6位がメトキシ基であること、すなわちカルボキシル基に対してオルト位及びパラ位がメトキシ基であることが好ましい。
上記式(1)において、上記a)〜c)以外の場合には、R〜Rのうち少なくとも1つが、水酸基又はカルボキシル基であればよい。
a)〜c)以外の形態としては、例えば、R〜Rのうち2つ以上が水酸基であって、残りが水素原子、又は、カルボキシル基以外の有機基である形態;R〜Rのうち2つ以上がカルボキシル基であって、残りが水素原子、又は、水酸基以外の有機基である形態; 等が挙げられる。
第一の本発明に係る触媒としては、上記c)の形態が好ましい。より好ましくはc−1)の場合であって、R〜Rのうち4位及び/又は6位に位置するものが水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基である形態;c−2)の場合であって、R〜Rのうち4位及び6位に位置するものが炭素数1〜20のアルコキシ基である形態である。更に好ましくはc−1)の場合であって、R〜Rのうち4位に位置するものが水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基である形態;c−1)の場合であって、R〜Rのうち4位及び6位に位置するものが水酸基である形態;c−2)の場合であって、R〜Rのうち4位及び6位に位置するものが炭素数1〜20のアルコキシ基である形態である。特に好ましくはc−1)の場合であって、R〜Rのうち4位及び6位に位置するものが水酸基である形態;c−2)の場合であって、R〜Rのうち4位及び6位に位置するものが炭素数1〜20のアルコキシ基である形態である。
上記のような好ましい触媒をアミン化合物の酸化反応に用いることにより、イミン化合物の収率を高めることができ、また、反応時間を短縮することができる。さらに、酸化剤として酸素を用いた場合にも反応が充分に進行させることができる。
第一の本発明に係るイミン化合物製造用触媒として、具体的には例えば、4−メトキシサリチル酸、4−クロロサリチル酸、4,6−ジメトキシサリチル酸、4,6−ジヒドロキシサリチル酸、2−メトキシ安息香酸、サリチル酸メチル等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を使用することができる。これらの中でも好ましくは4−メトキシサリチル酸、4−クロロサリチル酸、4,6−ジメトキシサリチル酸、4,6−ジヒドロキシサリチル酸であり、より好ましくは4,6−ジメトキシサリチル酸、4,6−ジヒドロキシサリチル酸である。
<第二の本発明>
第二の本発明に係るイミン化合物製造用触媒(以下、第二の本発明に係る触媒ともいう)は、構造中に芳香環と、水酸基及び/又はカルボキシル基とを有し、担体に担持されている限り特に制限されない。
第二の本発明に係る触媒は、金属成分の残存の問題がなく、医薬等の高機能精密有機化学品(高純度品)の製造に好適に用いることができ、また、得られるイミン化合物の選択率に優れることから、イミン化合物の精製工程における手間とコストを削減することができる。さらに触媒が担体に担持されていることにより、上記酸化反応の反応時間を短縮することができ、また、触媒の再利用が容易となる。
第二の本発明に係る触媒は、構造中に少なくとも芳香環と、水酸基及び/又はカルボキシル基とを有している限り、その他の構造を有していてもよい。その他の構造としては、例えば、芳香環に結合する、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ヘテロ原子含有基、カルボン酸エステル基等の有機基が挙げられる。
また、第二の本発明に係る触媒は、水酸基を2つ以上有していても、カルボキシル基を2つ以上有していてもよい。
第二の本発明に係る触媒が構造中に水酸基を有する場合、構造中の水酸基の位置は、特に制限されず、水酸基が2価の炭化水素基を介して芳香環に結合していても、芳香環に直接結合していてもよい。
上記2価の炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基等の炭素数1〜20のアルキレン基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基であり、より好ましくはメチレン基である。
第二の本発明に係る触媒における水酸基は、芳香環に直接結合していることが好ましい。すなわち、フェノール性水酸基であることが好ましい。
第二の本発明に係る触媒は、担体に担持されたものであるが、担体として後述するシリカを用いる場合には、第二の本発明に係る触媒は水酸基を2つ以上有することが好ましい。水酸基を2つ以上有する触媒がシリカに担持されたものであると、反応系中への触媒の溶出が効果的に抑制されるため、触媒を繰り返し使用することができる。これは、ケイ素原子と触媒の水酸基とが結合することにより、触媒がシリカに強く固定されるためであると推定される。
第二の本発明に係る触媒が構造中にカルボキシル基を有する場合、構造中のカルボキシル基の位置は特に制限されず、カルボキシル基が2価の炭化水素基を介して芳香環に結合していても、芳香環に直接結合していてもよい。2価の炭化水素基の具体例及び好ましい例は、上述のとおりである。
第二の本発明に係る触媒におけるカルボキシル基は、芳香環に直接結合していることが好ましい。
第二の本発明に係る触媒は、構造中に、水酸基及びカルボキシル基を有することが好ましい。第二の本発明に係る触媒は、このような構造を有することにより、上記アミン化合物の酸化反応の触媒としての活性をより向上させることができる。
第二の本発明に係る触媒が水酸基及びカルボキシル基を有する場合、水酸基とカルボキシル基との位置は、特に制限されないが、互いにオルト位及び/又はパラ位に位置することが好ましい。
第二の本発明に係る触媒における芳香環としては、特に制限されないが、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等の炭素原子のみで構成される炭素数6〜14の芳香環;チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、インドール、カルバゾール等の炭素数4〜13の複素環が挙げられる。これらの中でも、炭素原子のみで構成される炭素数6〜10の芳香環、炭素数4〜9の硫黄原子又は窒素原子含有複素環が好ましい。より好ましくは、ベンゼン環である。
第二の本発明に係る触媒は、下記式(2);
Figure 0006840338
(式中、R〜R10は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。)で表される構造の化合物が担体に担持された構造を有することが好ましい。
上記式(2)のR〜R10における有機基は、特に制限されないが、例えば、水酸基、カルボキシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ヘテロ原子含有基、カルボン酸エステル基等が挙げられる。
上記ヘテロ原子含有基としては、例えば、ハロゲン原子、チオール基、アミノ基、アミド基等が挙げられる。ヘテロ原子含有基としては、ハロゲン原子が好ましい。
上記カルボン酸エステル基は、芳香環に直接又は2価の炭化水素を介して結合したカルボキシル基と炭素数1〜20のアルキルアルコールとがエステル結合した基である。
アルコキシ基、アルキル基の好ましい例及びハロゲン原子の具体例及び好ましい例は、上述のとおりである。
第二の本発明に係る触媒は、上記式(2)におけるRが上記有機基であることが好ましく、R及びR10が上記有機基であることがより好ましい。R及びR10が有機基である形態としては、特に制限されないが、R及びR10がともに炭素数1〜20のアルコキシ基である形態、R及びR10がともに水酸基である形態、R及びR10の一方が水酸基であって、もう一方が炭素数1〜20のアルコキシ基である形態等が挙げられる。更に好ましくはR及びR10がともに水酸基である形態、R及びR10がともに炭素数1〜20のアルコキシ基である形態である。
また、上記式(2)におけるR〜R10の少なくとも1つが水酸基であることが好ましい。これにより、触媒が2つ以上の水酸基を有することになり、上述したように、担体としてシリカを用いた場合に、触媒の反応系中への溶出が効果的に抑制されることになる。より好ましくはR〜R10の少なくとも2つが水酸基であることである。
第二の本発明に係る触媒として、具体的には例えば、フェノール;安息香酸;2−メトキシ安息香酸、4−メルカプト安息香酸、4−アミノ安息香酸等の安息香酸誘導体;2−ヒドロキシフェニル酢酸等のフェニル酢酸誘導体;サリチル酸;サリチル酸メチル、3−クロロサリチル酸、4−クロロサリチル酸、5−クロロサリチル酸、6−クロロサリチル酸、3−メトキシサリチル酸、4−メトキシサリチル酸、5−メトキシサリチル酸、6−メトキシサリチル酸、4,6−ジメトキシサリチル酸等のサリチル酸誘導体;1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンカルボン酸等のナフタレンカルボン酸誘導体;3−ヒドロキシピリジン−2−カルボン酸等のピリジンカルボン酸誘導体等が担体に担持された形態が挙げられる。これらの1種又は2種以上を使用することができる。
これらの中でも好ましくはフェノール;安息香酸;安息香酸誘導体;フェニル酢酸誘導体;サリチル酸;サリチル酸誘導体、より好ましくはサリチル酸、4−メトキシサリチル酸、4−クロロサリチル酸、4,6−ジメトキシサリチル酸、4,6−ジヒドロキシサリチル酸、更に好ましくは4,6−ジメトキシサリチル酸、4,6−ジヒドロキシサリチル酸が担体に担持された形態である。
第二の本発明に係る触媒は、担体に担持されている。該担体は、本発明の触媒を担持することができるものであれば特に制限されないが、例えばシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア等の金属酸化物、金属水酸化物、炭素粉末、ゼオライト等の不活性多孔質担持体、表面修飾シリカ等が挙げられる。これらの中でも、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアが好ましい。上記担体として、より好ましくはシリカである。上記のとおり、触媒が、構造中に水酸基を2つ以上有し、担体としてシリカを用いる場合には、触媒が担体により強く固定化されるため、触媒の溶出を抑制することができる。
上記担体の細孔容量としては、特に制限されないが、0.01〜5cc/gであることが好ましく、より好ましくは0.05〜2cc/gである。
上記担体に担持される触媒の割合(担持率)は、特に制限されないが、担体100質量%に対して、0.001〜20質量%である。好ましくは0.005〜15質量%であり、より好ましくは0.01〜10質量%である。担持率が上記好ましい範囲であれば、本発明の触媒活性がより向上する。
第二の本発明に係る触媒の表面積は、特に制限されないが、担体に担持される触媒の単位質量あたりの表面積は、0.01〜1000m/gであることが好ましい。より好ましくは0.05〜600m/gである。触媒の表面積が上記好ましい範囲であれば、本発明の触媒活性がより向上する。上記表面積は、BET測定により測定することができる。
第二の本発明に係る触媒は、一度反応に使用した後、洗浄することにより再利用してもよい。再利用をした場合であっても、イミン化合物を高い収率で得ることができ、ベンズアルデヒドオキシム等の副生成物の生成を充分に抑制することができる。このように、第二の本発明に係る触媒が、一度反応に使用した後、洗浄することにより再生されたものであることは、第二の本発明に係る触媒の好適な形態の1つである。再生後の触媒が高い活性を示すことの理由の1つとしては、1回目のアミン化合物の酸化反応中により反応性の高い触媒活性点が発現することが推定される。
上記触媒の洗浄に用いることができる洗浄剤としては特に制限されないが、触媒を溶解しない洗浄剤が好ましく、ヘキサン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。洗浄剤として好ましくは酢酸エチル、ジエチルエーテルである。
第二の本発明に係る触媒を再利用する際の再生回数は、特に制限されないが、好ましくは、1〜3回である。再生回数が1〜3回であれば、反応に使用する前の触媒と同等の触媒機能を発揮することができ、資源の有効活用をより充分に行うことができる。再生回数としてより好ましくは1回である。
≪イミン化合物の製造方法≫
本発明はまた、イミン化合物を製造する方法であって、上記製造方法は、触媒を用いてアミン化合物を酸化する工程を含み、上記触媒は、構造中に芳香環と、水酸基及び/又はカルボキシル基とを有し、上記酸化工程における触媒の使用量が、アミン化合物に対して、0.01〜20モル%であるイミン化合物の製造方法でもある。
本発明の製造方法では、金属成分の残存の問題がない触媒を使用して、イミン化合物を得ることができるため、得られたイミン化合物は、微量であっても金属成分の残存が好ましくない医薬等の分野においても好適に用いることができる。また、上記製造方法は、得られるイミン化合物の選択率に優れることから、イミン化合物の精製工程における手間とコストを削減することができる。
上記酸化工程で用いられる触媒は、構造中に芳香環と、水酸基及び/又はカルボキシル基とを有する限り特に制限されない。上記触媒として好ましくは、構造中に、水酸基及びカルボキシル基を有するものであり、より好ましくは上記式(2)で表される構造を有するものであり、更に好ましくは第一及び第二の本発明に係る触媒である。
上記酸化工程における触媒の使用量は、アミン化合物に対して、0.01〜20モル%である。好ましくは0.05〜15モル%であり、より好ましくは0.1〜10モル%であり、更に好ましくは0.2〜8モル%である。触媒の使用量が上記好ましい範囲であれば、アミン化合物の酸化反応がより充分に進むこととなる。
本発明において用いられるアミン化合物は、アミノ基を少なくとも1つ有する限り特に制限されないが、芳香族アミン化合物であることが好ましい。
上記芳香族アミン化合物の芳香環の具体例及び好ましい例は、第二の本発明に係る触媒における芳香環と同様である。上記芳香環は、アミノ基以外の置換基を有していてもよい。上記置換基としては、特に制限されないが、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基等が挙げられる。上記芳香環における上記置換基の位置は特に制限されない。アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子の具体例及び好ましい例は、第二の本発明の触媒において述べたとおりである。
上記アミン化合物として具体的には、ベンジルアミン;2−メトキシベンジルアミン、3−メトキシベンジルアミン、4−メトキシベンジルアミン、2−メチルベンジルアミン、3−メチルベンジルアミン、4−メチルベンジルアミン、2−tert−ブチルベンジルアミン、3−tert−ブチルベンジルアミン、4−tert−ブチルベンジルアミン、o−クロロベンジルアミン、m−クロロベンジルアミン、p−クロロベンジルアミン、p−トリフルオロメチルベンジルアミン等のベンジルアミン誘導体;1,2−フェニレンジアミン;5−メチル−1,2−フェニレンジアミン、6−メチル−1,2−フェニレンジアミン、5−ブロモ−1,2−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン誘導体、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン等の炭素数1〜20のアルキルアミン;アニリン;2−ヒドロキシアニリン(2−アミノフェノール)、2−メルカプトアニリン(2−アミノベンゼンチオール)、2−メトキシアニリン、3−メトキシアニリン、4−メトキシアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、2−tert−ブチルアニリン、3−tert−ブチルアニリン、4−tert−ブチルアニリン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、p−トリフルオロメチルアニリン等のアニリン誘導体等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の酸化反応において、上記2−ヒドロキシアニリンや2−メルカプトアニリン等のヒドロキシル基やチオール基等の置換基を有するアニリン誘導体を用いた場合には、オキサゾールやチアゾール等の生成物を得ることができる。
上記アミン化合物としては、ベンジルアミン、2−メトキシベンジルアミン、3−メトキシベンジルアミン、4−メトキシベンジルアミン、2−メチルベンジルアミン、4−メチルベンジルアミン、4−tert−ブチルベンジルアミン、4−トリフルオロメチルベンジルアミン、フェニレンジアミン、5−メチル−1,2−フェニレンジアミン、6−メチル−1,2−フェニレンジアミン、5−ブロモ−1,2−フェニレンジアミン;ヘキシルアミン等の炭素数5〜10のアルキルアミン;アニリン、2−ヒドロキシアニリン、2−メルカプトアニリンが好ましい。
上記アミン化合物としてベンジルアミン又はベンジルアミン誘導体を用いることにより、下記式(3)で表される反応によりイミン化合物を生成することができる。
Figure 0006840338
(式中、Xは、同一又は異なって、水素原子、又は、アミノ基以外の置換基を表す。)
本発明の酸化反応におけるアミン化合物として、2種以上のアミン化合物を用いる場合の好ましい化合物の組合せとしては、ベンジルアミン又はベンジルアミン誘導体と、1,2−フェニレンジアミン、フェニレンジアミン誘導体、炭素数5〜10のアルキルアミン、アニリン、又は、アニリン誘導体との組み合わせである。
上記アミン化合物としてベンジルアミン又はベンジルアミン誘導体と、1,2−フェニレンジアミン又はフェニレンジアミン誘導体とを用いることにより、下記式(4)で表される反応によりイミダゾール化合物を生成することができる。
このように、アミン化合物を選択することで、イミダゾール化合物等の環状イミン化合物を得ることができる。すなわち、本発明におけるイミン化合物には、イミダゾール化合物等の環状イミン化合物も含まれる。
Figure 0006840338
(式中、Xは、同一又は異なって、水素原子、又は、アミノ基以外の置換基を表す。)
上記アミン化合物としてベンジルアミン又はベンジルアミン誘導体と、1,2−フェニレンジアミン又はフェニレンジアミン誘導体とを用いてイミダゾール化合物を製造する場合には、1,2−フェニレンジアミン及びフェニレンジアミン誘導体の合計の使用量は、ベンジルアミン及びベンジルアミン誘導体の合計100モル%に対して、10〜200モル%である。より好ましくは20〜100モル%である。
上記アミン化合物としてベンジルアミン又はベンジルアミン誘導体と、ヒドロキシル基又はチオール基を有するアニリン誘導体とを用いることにより、下記式(5)で表される反応によりオキサゾールやチアゾール等の化合物を生成することができる。
Figure 0006840338
(式中、Xは、同一又は異なって、水素原子、又は、アミノ基以外の置換基を表す。Yはヒドロキシル基又はチオール基を表す。Yは酸素原子又は硫黄原子を表す。ただし、Yがヒドロキシル基の場合、Yは酸素原子を表し、Yがチオール基の場合、Yは硫黄原子を表す。)
上記アミン化合物としてベンジルアミン又はベンジルアミン誘導体と、アニリン誘導体とを用いてオキサゾール又はチアゾールを製造する場合には、アニリン誘導体の使用量は、ベンジルアミン及びベンジルアミン誘導体の合計100モル%に対して、10〜200モル%である。より好ましくは20〜100モル%である。
上記酸化反応における反応溶液中のアミン化合物の濃度は、0.01〜100mol/Lであることが好ましい。より好ましくは0.1〜10mol/Lである。
上記酸化工程における酸化剤としては、上記触媒を用いてアミン化合物を酸化することができる限り特に制限されないが、例えば、酸素、過酸化水素、過酢酸やt−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物等が挙げられる。好ましくは酸素である。酸素を用いることにより、酸化反応を簡便に行うことができる。
上記酸化工程において酸素を用いる場合には、反応容器内に酸素が含まれていればよく、酸化反応が進行する限り反応容器内の酸素濃度は特に制限されないが、反応容器内を酸素ガスで置換することが好ましい。反応容器内の圧力は、特に制限されず、常圧であっても加圧であってもよいが、安全性及び操作の簡便性等の観点から、常圧下で反応を行うことが好ましい。
上記酸化工程に用いる溶媒としては、特に制限されないが、トルエン、キシレン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトンなどのような非プロトン性極性溶媒が好ましい。より好ましくはトルエン、キシレンである。
上記酸化工程における酸化反応温度は、反応が進行する限り特に制限されないが、0〜150℃が好ましい。より好ましくは10〜90℃である。
上記酸化工程におけるアミン化合物として、ヒドロキシル基やチオール基等のヘテロ原子を含む置換基を有するアニリン誘導体を用いる場合には、酸化反応温度は70〜110℃であることが好ましい。このような温度で反応させることにより得られるオキサゾールやチアゾール等の生成物の収率を向上させることができる。
上記酸化反応の反応時間は、特に制限されないが、0.5〜72時間が好ましい。より好ましくは1〜48時間であり、更に好ましくは1〜36時間である。
上記酸化工程で用いられる触媒は、一度使用した触媒を再生して使用することもできる。再生方法は、特に制限されないが、触媒が担体に担持されていない場合、溶媒抽出による分離により行うことができる。また、触媒が担体に担持されている場合には、濾過により行うことができる。
本発明のイミン化合物の製造方法は、上記酸化工程を含む限り特に制限されず、その他の工程を含んでいてもよい。
その他の工程としては、例えば精製工程、乾燥工程等が挙げられる。
本発明のイミン化合物製造用触媒は、上述の構成よりなり、金属成分の残存の問題がなく、また、従来の触媒よりもアミン化合物の酸化反応におけるイミン化合物への選択率を向上させることができるため、医薬等の高機能精密有機化学品(高純度品)の製造に好適に用いることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「モル%」を意味するものとする。
<イミン化合物の収率の測定>
以下の条件の下で反応を行い、特に断りのない限り、H−NMRを用いてイミン化合物の収率及び選択率を測定した。表中のN.D.は未検出を意味する。
<実施例1>
トルエン(1.5mL)に基質としてのベンジルアミン(3.0mmol)及び触媒としてのサリチル酸をベンジルアミンに対して5mol%添加し、反応容器内を酸素(0.1MPa)に置換して、90℃にて24時間反応を行った。得られたイミン化合物(N−ベンジリデンベンジルアミン)の収率は80%、選択率は96%であった。
<実施例2〜18及び比較例1〜4>
触媒及び/又は反応時間を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にしてベンジルアミンの酸化反応を行った。得られたイミン化合物の収率及び選択率を表1に示した。
Figure 0006840338
<実施例19〜32及び比較例5>
触媒として4,6−ジヒドロキシサリチル酸を表2に示す割合で担体(富士シリシア化学株式会社製 CARiACT Q−10C(細孔容量約1.0cc/g)又はQ−50(細孔容量0.6cc/g))に担持させたものに変更し、反応時間を表2のとおりに変更した(実施例21〜23、25、26、29〜31は、触媒の再生回数及び触媒再生の際の洗浄剤についても表2のとおりに変更し、実施例32は、触媒量についても表2のとおりに変更した)以外は、実施例1と同様にしてベンジルアミンの酸化反応を行った。得られたイミン化合物及び副生成物としてのベンズアルデヒドオキシムの収率及び選択率を表2に示した。比較例5は、触媒を担持させていない担体のみを用いて実施例27と同様にしてベンジルアミンの酸化反応を行った。
Figure 0006840338
<実施例33〜40>
アミン化合物を表3に示す化合物に変更した以外は、実施例16と同様にしてベンジルアミンの酸化反応を行った。ただし、実施例40は、反応時間を8時間とした。得られたイミン化合物のH−NMR収率及び単離収率を表3に示した。
Figure 0006840338
<実施例41>
ベンジルアミン(4.5mmol)と1,2−フェニレンジアミン(3.0mmol)とをそれぞれトルエン(1.0mL)に加え、触媒としての4,6−ジメトキシサリチル酸をフェニレンジアミンンに対して10mol%添加し、反応容器内を酸素(0.1MPa)に置換して、70℃にて24時間反応を行った。添加した1,2−フェニレンジアミンに対する得られたイミン化合物(2−フェニルベンゾイミダゾール)の収率、ベンジルアミン及び1,2−フェニレンジアミンの回収率並びに生成化合物の選択率を表4に示した。
<実施例42〜45及び比較例6>
触媒の種類、触媒の添加量及び反応時間を表4に示すとおりに変更した以外は、実施例41と同様にして酸化反応を行った。添加した1,2−フェニレンジアミンに対する得られたイミン化合物の収率、ベンジルアミン及び1,2−フェニレンジアミンの回収率並びに生成化合物の選択率を表4に示した。上記イミン化合物の選択率は、原料の1,2−フェニレンジアミンに基づき算出した。
Figure 0006840338
<実施例46>
反応温度を110℃に変更した以外は、実施例41と同様にして酸化反応を行った。添加した1,2−フェニレンジアミンに対する得られたイミン化合物(2−フェニルベンゾイミダゾール)の収率を表5に示した。
<実施例47〜49>
アミン化合物のうちベンジルアミンを表5に示すベンジルアミン誘導体に変更した以外は、実施例42と同様にして酸化反応を行った。添加した1,2−フェニレンジアミンに対する得られたイミン化合物(2−フェニルベンゾイミダゾール誘導体)の収率を表5に示した。
Figure 0006840338
<実施例50〜52>
アミン化合物のうち1,2−フェニレンジアミンを表6に示すフェニレンジアミン誘導体に変更した以外は、実施例42と同様にして酸化反応を行った。添加したフェニレンジアミン誘導体に対する得られたイミン化合物(2−フェニルベンゾイミダゾール誘導体)の収率を表6に示した。
Figure 0006840338
<実施例53>
トルエン(1.5mL)に基質としてのベンジルアミン(0.5mmol)、ヘキシルアミン(2.5mmol)及び触媒としての4,6−ジヒドロキシサリチル酸(0.15mmol)を添加し、反応容器内を酸素(0.1MPa)に置換して、90℃にて2時間反応を行った。得られたイミン化合物(N−ベンジリデンヘキシルアミン及びN−ベンジリデンベンジルアミン)の収率はそれぞれ86%、19%であった。
<実施例54、55>
アミン化合物の種類及び/又は添加量並びに反応時間を表7に示すとおりに変更した以外は、実施例53と同様にして酸化反応を行った。添加したベンジルアミンに対する得られたイミン化合物の収率、ベンジルアミンの回収率を表7に示した。
Figure 0006840338
<実施例56>
トルエン(1.5mL)に基質としてのベンジルアミン(4.5mmol)、2−ヒドロキシアニリン(3.0mmol)を加え、触媒として4,6−ジヒドロキシサリチル酸を2−ヒドロキシアニリンに対して10mol%添加し、反応容器内を酸素(0.1MPa)に置換して、70℃にて24時間反応を行った。得られたイミン化合物(2−フェニルベンゾオキサゾール、N−ベンジリデン−2−ヒドロキシアニリン及びN−ベンジリデンベンジルアミン)の収率はそれぞれ3%、38%及び15%であった。
<実施例57>
2−ヒドロキシアニリンを2−メルカプトアニリンに変更し、反応温度を110℃に変更した以外は、実施例56と同様にして酸化反応を行った。添加したベンジルアミンに対する得られたイミン化合物の収率を表8に示した。
Figure 0006840338

Claims (3)

  1. アミン化合物を酸化してイミン化合物とする反応に用いられる、金属を含まない触媒であって、
    該触媒は、2−ヒドロキシフェニル酢酸及び/又は下記式(1);
    Figure 0006840338
    (式中、R〜Rは、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。但し、R〜Rのうち少なくとも1つは水酸基含有基であり、R 〜R の残りの少なくとも1つはカルボキシル基含有基である。R〜Rのうちのただ1つが水酸基であって、R〜Rの残りがいずれもカルボキシル基でない場合、又は、R〜Rのうちのただ1つがカルボキシル基であって、R〜Rの残りがいずれも水酸基でない場合、R〜Rの残りの少なくとも1つは、炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子である。R〜Rのうち互いにオルト位に位置する一方がカルボキシル基であって、もう一方が水酸基である場合、R〜Rの残りの少なくとも1つは、有機基であり、かつ、R〜Rのうち芳香環の5位又は6位がメトキシ基である場合には、メトキシ基以外の3〜6位の少なくとも1つが水酸基含有基、炭素数1〜20のアルコキシ基又はハロゲン原子である。)で表される構造を有する化合物であることを特徴とするイミン化合物製造用触媒。
  2. アミン化合物を酸化してイミン化合物とする反応に用いられる金属を含まない触媒であって、
    該触媒は、構造中に芳香環と、水酸基及びカルボキシル基とを有し、担体に担持されていることを特徴とするイミン化合物製造用触媒。
  3. イミン化合物を製造する方法であって、
    該製造方法は、金属を含まない触媒を用いてアミン化合物を酸化する工程を含み、
    該触媒は、構造中に芳香環と、水酸基及びカルボキシル基とを有し、
    該酸化工程における触媒の使用量が、アミン化合物に対して、0.01〜20モル%であることを特徴とするイミン化合物の製造方法。
JP2016235218A 2015-12-07 2016-12-02 イミン化合物製造用触媒及びイミン化合物の製造方法 Active JP6840338B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015238762 2015-12-07
JP2015238762 2015-12-07

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017104861A JP2017104861A (ja) 2017-06-15
JP6840338B2 true JP6840338B2 (ja) 2021-03-10

Family

ID=59058312

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016235218A Active JP6840338B2 (ja) 2015-12-07 2016-12-02 イミン化合物製造用触媒及びイミン化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6840338B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017104861A (ja) 2017-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wei et al. Catalyst-free direct arylsulfonylation of N-arylacrylamides with sulfinic acids: a convenient and efficient route to sulfonated oxindoles
KR101502919B1 (ko) 산화올레핀 촉매용 담체
Huang et al. Visible light-mediated arylalkylation of allylic alcohols through concomitant 1, 2-aryl migration
Wang et al. Synthesis of 2H‐Indazolo [2, 1‐b] Phthalazine‐1, 6, 11 (13H)‐Trione Derivatives Using Wet Cyanuric Chloride under Solvent‐Free Condition
Sodhi et al. A comparative study of different metal acetylacetonates covalently anchored onto amine functionalized silica: a study of the oxidation of aldehydes and alcohols to corresponding acids in water
RU2012150427A (ru) Способ окисления алкилароматических соединений
TW201522321A (zh) 用於製備烷基呋喃類之方法
Liu et al. Postsynthetic modification of IRMOF‐3 with a copper iminopyridine complex as heterogeneous catalyst for the synthesis of 2‐aminobenzothiazoles
TW201527288A (zh) 製造烷基呋喃之方法
KR101067069B1 (ko) 트리플루오로아세트산을 이용한 페난트리딘 유도체의 제조방법
CN102442973A (zh) 催化氧化伯醇闭环合成苯并咪唑和苯并噻唑化合物的方法
Xie et al. Cu (OAc) 2/Pyrimidines‐Catalyzed Cross‐coupling Reactions of Aryl Iodides and Activated Aryl Bromides with Alkynes under Aerobic, Solvent‐free and Palladium‐free Conditions
JP6765482B2 (ja) 5,5−ジブロモ−5−フェニル吉草酸メチルエステル
CN109678648B (zh) 一种合成含有联苯结构的稠环类化合物的方法
JP6840338B2 (ja) イミン化合物製造用触媒及びイミン化合物の製造方法
Sun et al. A facile protocol for the synthesis of mono-N-methyl anilines via formimidate intermediates
CN102382058A (zh) 一种n-芳基-氮杂环类化合物的制备方法
JP4590607B2 (ja) 光学活性1,2−ジアミン化合物の製造方法及び光学活性ニオブ触媒
JPH09124580A (ja) 芳香族またはヘテロ芳香族ニトリルの製造方法、該方法のための担体付き触媒および該触媒の製造方法
JP2016516803A (ja) アンチモン及び鉄を含む触媒を用いたニトリルの製造方法
JP2016216360A (ja) 2−シアノピリジンの製造方法
CN104803835B (zh) 一种制备苯甲醛及其衍生物的方法
Gogoi et al. Tetrabutylammonium tribromide impregnated MCM-48 as a heterogeneous catalyst for selective oxidation of sulfides
JPWO2013081034A1 (ja) ハロゲン化触媒及びその製造方法
CN110256307B (zh) 一种合成亚砜类化合物的方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20161209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20161209

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20190920

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200825

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210119

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6840338

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250