JP6840336B2 - 人工芝部材敷設面の排水構造 - Google Patents

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Description

本発明は、人工芝部材敷設面の排水構造に関する。
野球、サッカーあるいはラグビーなど、各種のスポーツを行う屋外の運動場等では、その表面に雨水が長時間にわたって滞留しないように、通常、適宜の排水構造が設けられている。その一例が特許文献1に記載されており、そこでは、グラウンドに降った雨水は、グラウンドの全面に敷設された透水性の人工芝部材および透水性のアスファルト層を透過して、砕石層に埋設された暗渠内に流入し、該暗渠から排水されるようになっている。雨水の一部は側溝にも排水される。
また、グラウンド等に敷設するのに好適な人工芝部材も提案されており、例えば、特許文献2には、ポリプロピレン製の平織りの織布を用いた基布にポリエチレン製の芝葉状の多数のパイル糸を植設して芝葉を形成するとともに、基布の裏面全面にゴムラテックスなどのバッキング材を塗布して、パイル糸を固定するようにした人工芝部材が記載されている。
一方、地中に雨水貯留浸透槽を構築する場合や、雨水貯留浸透槽を造る場所の地盤が軟弱地盤の場合に、樹脂材料を構造材とする貯水空間形成部材を多段に積み上げ、その周囲を透水シートで覆うようにした、構造物としての雨水貯留浸透槽を形成することが行われており、その一例が、特許文献3、4等に記載されている。
特開2009−102913号公報 特開2009−293244号公報 特開2010−127052号公報 特開2009−24447号公報
特許文献1に記載の排水構造は、人工芝部材として透水性のものを用いており、雨水は人工芝部材の裏面側に透過しやすい。しかし、暗渠や側溝での雨水処理能力には自ずと限度があり、集中豪雨のように一時に大量の降雨がある場合、側溝で処理しきれなかった雨水や暗渠内に流入できなかった雨水は、運動場等の表面層上に長時間にわたって滞留した状態となりやすい。一方、人工芝部材として、特許文献2に記載のように、基布の裏面の全面にゴムラテックスなどのバッキング材を塗布してパイル糸を固定するようにした構造のものは、バッキング材が透水性の妨げとなることから、実際の使用に際しては、基布とバッキング材を貫通するようにして多数の透水孔を別途形成して、排水性の向上を図っているのが通常である。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、人工芝部材上に大量の降雨がある場合でも、その雨水を適切に排水処理することのできる人工芝部材敷設面の排水構造を提供することを第1の課題とする。また、その排水構造の排水機能を長期にわたり良好に維持できるようにした人工芝部材敷設面の排水構造を提供することを第2の課題とする。
本発明による人工芝部材敷設面の排水構造は、透水性を有する基布に芝葉状のパイル糸が植設された人工芝部材と該人工芝部材の下に埋設された樹脂材料を構造材とする雨水貯留浸透槽を備え、前記人工芝部材上の水は前記基布に浸み込んだ後に基布を透過して前記雨水貯留浸透槽へ流入するようになっていることを特徴とする。
本発明による上記人工芝部材敷設面の排水構造では、人工芝部材の上に降りそそぐ雨水は、透水性を有する基布に浸み込んだ後に基布を透過して、人工芝部材の下方において地盤中に埋設されている樹脂材料を構造材とする雨水貯留浸透槽内に流入する。流入した雨水は一時的に該雨水貯留浸透槽内に滞留しつつ、時間とともに周囲の地盤内に浸透していく。樹脂材料を構造材とする雨水貯留浸透槽としては、限定されないが、例えば前記した特許文献3、4に記載されるような雨水貯留浸透槽を好適に用いることができる。樹脂材料を構造材として用いることで、所要の強度を確保しながら、雨水貯留浸透槽として高い空隙率を確保することができ、雨水貯留浸透槽としての単位容積あたりの雨水貯水量を大きくすることができる。また、雨水貯留浸透槽それ自体が構造物であり、かつ構造材として樹脂材料を用いているので、任意の容積の雨水貯留浸透槽を地盤中に容易に埋設施工することもできる。
本発明による人工芝部材敷設面の排水構造の一態様では、前記パイル糸の複数本がほぼ直線状のパイル糸列として前記基布に植設されており、前記基布には前記パイル糸列の複数列が互いに平行に形成されており、前記基布の裏面における前記パイル糸列の各列に対応する箇所には基布の裏面に位置するパイル糸を基布に固定するためのバッキング材が線状に塗布されており、前記基布の裏面における前記線状に塗布されたバッキング材の領域以外の領域はバッキング材が塗布されていない領域となっていることを特徴とする。
この態様の人工芝部材敷設面の排水構造では、前記パイル糸を前記基布に固定するバッキング材が、基布の裏面における前記パイル糸列に対応する箇所に線状に塗布されていることから、パイル糸の安定した植設状態が得られる。それに加えて、基布の裏面における線状のバッキング材が塗布された領域以外の領域はバッキング材が塗布されていない領域となっていることから、この領域では高い透水性が確保される。そのために、基布の裏面全面にバッキング材を塗布した形態の人工芝部材でのように、透水のための貫通孔を基布に別途形成することなしに、所要の透水性を確保することができる。
従来の人工芝部材のように、貫通孔が形成されている場合には、その孔を通して人工芝部材表面に存在する土砂や砂礫等が、雨水貯留浸透槽内に流入しやすく、それにより、雨水貯留浸透槽の有効容積が次第に狭くなることから、雨水貯留浸透槽を定期的に清掃する等のメンテナンス作業が必要となっているが、本発明による人工芝部材敷設面の排水構造では、前記のように、雨水の雨水貯留浸透槽への流れ込みは、基布に浸み込んだ後に基布を透過しての流れ込みであり、基布が濾過材として機能することから、雨水貯留浸透槽内へ土砂や砂礫等が入り込むのを確実に阻止することができる。それにより、排水構造の長寿命化とメンテナンスフリー化が可能となる。
本発明による人工芝部材敷設面の排水構造の一態様では、前記基布の裏面における2列以上の前記線状に塗布されたバッキング材の間にもバッキング材が塗布されることで幅の広い帯状のバッキング材が2列以上形成されており、当該帯状のバッキング材と帯状のバッキング材の間にはバッキング材が塗着されていない領域が形成されていることを特徴とする。
一般的な人工芝部材では、隣り合うパイル糸列間における基布の幅の大きさは、一列のパイル糸列の幅よりも大きい。そのために、製造時に、パイル糸列を狙ってバッキング材を塗布するよりも、隣り合うパイル糸列の間にバッキング材を塗布して、上記の形態の人工芝部材構造とする方が、製造上でのバッキング材の位置ずれを防止しやすくなる利点がある。また、基布裏面を上方に向けた状態において、パイル糸列は基布裏面から上方へ突出するように形成されるのが普通であり、その際、突出するパイル糸列の上から液状のバッキング材を塗布するよりも、パイル糸列とパイル糸列の間に液状のバッキング材を塗布(流し込む)する方が、帯状のバッキング材を形成しやすくなる利点がある。さらに、製造上での利点に加えて、各パイル糸列の間にもバッキング材を塗布することで、基布とバッキング材との接触面積を広くとることができるようになり、基布とバッキング材との付着力を高めることが可能となる。それにより、人工芝部材として、より安定した強度を備えたものを得ることができる。
本発明による人工芝部材敷設面の排水構造の一態様では、前記人工芝部材は前記パイル糸間に粒状体が充填された充填層を備えることを特徴とする。この形態の人工芝部材ではパイル糸が倒伏し難くなり、長時間使用しても衝撃吸収性のばらつきが生じにくい人工芝生部材を備えた人工芝部材を敷設したグラウンド等を得ることができる。
本発明による人工芝部材敷設面の排水構造の一態様では、前記雨水貯留浸透槽の上方において複数枚の前記人工芝部材が敷設され、隣接する人工芝部材の各基布の端部と端部の間には各基布の下面を架け渡すようにして接合テープが貼り付けられていることを特徴とする。この態様では、隣接する人工芝部材の間に位置ずれによる隙間が生じるのを確実に阻止することができるので、人工芝部材を通して雨水貯留浸透槽内に土砂や砂礫が入り込むのを、さらに確実に阻止することができる。それにより、排水構造の寿命は一層長くなる。
本発明によれば、人工芝部材上に大量の降雨がある場合でも、その雨水を適切に排水処理することのできる人工芝部材敷設面の排水構造を得ることができる。また、排水構造の排水機能を長期にわたり良好に維持できる人工芝部材敷設面の排水構造を得ることができる。
本発明による人工芝部材敷設面の排水構造の一実施の形態を示す模式的断面図。 樹脂材料を構造材とする雨水貯留浸透槽の一例を説明するための図。 一般的な人工芝部材を説明するための図。 本発明による人工芝部材敷設面の排水構造で用いる人工芝部材の一例を示す側面図(図4(a))とそれを背面から見た斜視図(図4(b))。 本発明による人工芝部材敷設面の排水構造で用いる人工芝部材の他の例を示す側面図(図5(a))とそれを背面から見た斜視図(図5(b))。 本発明による人工芝部材敷設面の排水構造で用いる人工芝部材のさらに他の例を示す側面図(図6(a))とそれを背面から見た斜視図(図6(b))。 人工芝部材を雨水貯留浸透槽の上に敷設するときの一態様を説明する図。
以下、図面を参照して、本発明のいくつかの実施の形態を説明する。
図1は、本発明による人工芝部材敷設面の排水構造の一実施の形態を示す模式的断面図である。図示の排水構造50において、1は後記する人工芝部材であり、その所要枚数が、例えば運動場や公園などの地表面2に敷き詰められている。そして、該人工芝部材1の下の地盤3中に、樹脂材料を構造材とする雨水貯留浸透槽4が埋設されている。雨水貯留浸透槽4は、敷き詰められている人工芝部材1の全域にわたる下方部に埋設されていてもよく、図示のもののように、部分的に埋設されていてもよい。
この例において、地盤3の上面側は砕石5等による均平化処理が施され、その上に、必要に応じて透水性のアスファルト層(不図示)が設けられ、その上に、人工芝部材1が敷き詰められている。地盤3中に埋設された雨水貯留浸透槽4の上面に人工芝部材1を直接敷き詰めるようにしてもよいが、好ましくは、人工芝部材1の裏面と雨水貯留浸透槽4の間に、透水性を備えた適宜の緩衝層6が配置される。
図2は、前記した樹脂材料を構造材とする雨水貯留浸透槽4の一例を示している。図2において、40は、樹脂材料製(例えば、ポリプロピレン系樹脂製)の構造材である貯水空間形成部材であり、多数枚の縦方向構造体41が断面ハ字状にかつ山形をなすようにして連続した形状をなしている。貯水空間形成部材40は、全体としての上面と下面は実質的に平行をなしており、隣接する縦方向構造体41の上端縁同士は、長手方向に凹部42と凸部43を有する上端面44で接続し、下端縁同士は、上端面44に形成された凸部43の領域が入り込むことのできる開口を有する下端面45で連続している。同じ形態の貯水空間形成部材40が、図示のように、90度向きを変えながら多段に積み上げられることで雨水貯留浸透槽4とされ、該雨水貯留浸透槽4における各縦方向構造体41の間に存在する空間が、貯水のための空間46として利用される。また、図示の例において、雨水貯留浸透槽4を構成する多段に積み上げた貯水空間形成部材40における最上段の貯水空間形成部材40aの上面には蓋部材47が配置されており、雨水貯留浸透槽4の上面を平坦面にしている。
なお、上記構成の雨水貯留浸透槽4は前記特許文献3に記載されている。本発明において、樹脂材料を構造材とする雨水貯留浸透槽4はこれに限ることなく、例えば、前記特許文献4に記載される形態のものなど、従来知られた樹脂材料を構造材とする雨水貯留浸透槽を適宜選択して用いることができる。
施工に当たっては、最初に、前記雨水貯留浸透槽4を埋め込むための掘削を行う。掘削底面に対して砕石等による均平化処理を行った後、掘削部に不織布のような透水性シート7を配置し、その上に、前記した貯水空間形成部材40を多段に配置して雨水貯留浸透槽4を形成する。そして、その周囲を前記した透水性シート7で覆う。省略可能であるが、図2に示すように、最上位の貯水空間形成部材40aの上に前記した蓋部材47を配置する。貯水空間形成部材40の数と段数を変えることにより、所要の貯水容積を持つ樹脂材料を構造材とする雨水貯留浸透槽4を容易に形成することができる。次に、必要に応じて、埋設した雨水貯留浸透槽4の上面に、透水性の緩衝材を配置して緩衝層6を形成し、雨水貯留浸透槽4と緩衝層6の全体を前記した透水性シート7で囲い込む。その後で、少なくとも前記雨水貯留浸透槽4の上面を含む地表面2に、次に説明する人工芝部材1を敷き詰める。
図3〜図6を参照して、本発明による人工芝部材敷設面の排水構造50で用いる人工芝部材1について説明する。人工芝部材1は、基本的に、透水性を備えた基布10と、該基布10に植設された芝葉状のパイル糸20とで構成される。通常、図3(a)に示すように、前記パイル糸20はその一部21を基布10の裏面側に延出させた状態で、直線状に植設されている。その状態では、パイル糸20の基布10に対する固定状態は不安定であり、パイル糸20の基布表面側の部分を上方に向けて引っぱると、図3(b)に示すように、パイル糸20が基布10から抜け出すことが起こりうる。それを回避するために、人工芝部材では、一般に、パイル糸における基布の裏面側に延出している部分に適宜のバッキング材を塗布して、パイル糸の基布に対する固定化を図っている。
図4に示す人工芝部材1aでは、パイル糸20は、その一部21を基布10の裏面側に延出させた状態で、基布10に植設されている。そして、前記パイル糸20は、その複数本がほぼ直線状のパイル糸列22をなすようにして前記基布10に植設されており、前記パイル糸列22の複数列が互いに平行に前記基布10に植設されている。さらに、前記基布10の裏面における前記パイル糸列22の各列に対応する箇所には、前記パイル糸20を基布10に固定するためのバッキング材23が線状に塗布されている。結果として、図4(b)に示されるように、前記基布10の裏面における前記線状のバッキング材23が塗布された領域以外の領域24は、基布10がそのまま露出している「バッキング材23の塗布されていない領域24」となっている。当然に、この領域24には人為的な貫通孔は形成されていない。
図5は、本発明による人工芝部材敷設面の排水構造で用いる人工芝部材の他の形態を示している。この人工芝部材1bにおいて、基布10に対するパイル糸20の留め付け態様は、図4に示した人工芝部材1aと同じである。すなわち、パイル糸20は、その複数本がほぼ直線状のパイル糸列22をなすようにして基布10に植設されており、前記パイル糸列22の複数列が互いに平行に前記基布10に植設されている。
人工芝部材1bにおいては、バッキング材23が、線状にではなく、より幅の広い帯状のバッキング材25として塗布されている点で、人工芝部材1aと相違する。具体的には、図5(b)によく示されるように、バッキング材は、平行に走る2列のパイル糸列22、22と、当該2列のパイル糸列22、22の間の基布10の裏面を覆うようにして、基布10の裏面に、幅の広い帯状のバッキング材25として塗布されている。そして、隣接する当該帯状のバッキング材25、25の間には、バッキング材が塗着されていない領域24が形成されている。上記人工芝部材1aと同様に、この領域24および帯状のバッキング材25には人為的な貫通孔は形成されていない。
なお、図5に示した人工芝部材1bでは、隣接する2列のパイル糸列22、22とその間の基部10の領域を、連続した状態にバッキング材を塗布して帯状のバッキング材25を形成し、隣接する帯状のバッキング材25、25との間にバッキング材が塗着されていない領域24が形成されるようにしているが、3列あるいは3列以上のパイル糸列22・・と、それらパイル糸列22間に位置するバッキング材の裏面とに連続するようにバッキング材を塗布することで、帯状のバッキング材25を形成することもできる。当然に、この場合でも、隣接する帯状のバッキング材25、25との間に、バッキング材が塗着されていない基布10の領域24が存在することは必要である。
さらに、図示しないが、線状のバッキング材23と帯状のバッキング材25とを、混在させて基布10の裏面に形成することもできる。この場合でも、隣接するバッキング材の間には、バッキング材が塗着されていない基布10の領域24が存在することはやはり必要である。
図6は、本発明による人工芝部材敷設面の排水構造で用いる人工芝部材の他の形態を示している。この人工芝部材1cにおいても、基布10に対するパイル糸20の留め付け態様は、図4に示した人工芝部材1aと同じであり、前記パイル糸列22の複数列が互いに平行に前記基布10に植設されている。人工芝部材1cにおいては、図5で示した人工芝部材1bのように、帯状のバッキング材25がパイル糸列22の長手方向に連続してではなく、帯状のバッキング材25aと帯状のバッキング材25bとが、図6(b)によく示すように、パイル糸列22の長手方向に互い違いに形成されている点で、図5で示した人工芝部材1bと相違する。結果として、「バッキング材23の塗布されていない領域24」も、人工指示部材1cの全面において、互い違いに存在することとなる。
上記した人工芝部材1a〜1cにおいて、人工芝部材を構成するパイル糸20の材料に特に制限はなく、従来の人工芝部材で用いられているパイル糸の材料をすべて用いることができる。好ましくは、耐摩耗性に優れた合成樹脂であり、例として、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂を挙げることができる。また、基布10は、ホリプロピレン系樹脂やポリエステル系樹脂による織布が好ましい。バッキング材にも、従来の人工芝部材でバッキング材として用いられている材料をすべて用いることができる。好ましくは、ウレタン樹脂やスチレン・ブタジエンゴム(SBR)などを例示できる。
上記した人工芝部材1a〜1cを、地盤3中に埋設された樹脂材料を構造材とする雨水貯留浸透槽4の上に、直接または通水性を有する緩衝層6を介して、敷設することで、図1に基づき説明したように、本発明による人工芝部材敷設面の排水構造50が形成される。前記したように、本発明による人工芝部材敷設面の排水構造50では、人工芝部材1の上に降りそそぐ雨水は、基布10に浸み込んだ後、そこを透過して、基布10の下方に位置する雨水貯留浸透槽4内に流入する。流入した雨水は一時的に雨水貯留浸透槽4内に滞留しつつ、時間とともに、図1に矢印で示すように、周囲の地盤3内に浸透していく。
なお、人工芝部材1a〜1cの複数枚を、雨水貯留浸透槽4の上に直接または通水性を有する緩衝層6を介して敷設するときに、十分な注意力を働かさないと、隣接する人工芝部材1、1における基布10の端部と端部の間に、隙間が生じる恐れがある。このような隙間が生じると、その隙間を通して、雨水貯留浸透槽4内に土砂や砂礫が入り込んでしまう。図7は、それを回避することを目的とした人工芝部材1の敷設態様であり、ここでは、前記した人工芝部材1b同士の突合せ面、すなわち、隣接する各基布10、10の端部と端部の間に、各基布の下面を架け渡すようにして接合テープ30が貼り付けられている。このような接合テープ30を用いることで、基布10、10の隙間から土砂や砂礫が入り込むのを確実に阻止することが可能となる。人工芝部材が、上記した他の形態の人工芝部材であっても同様である。
本発明による人工芝部材敷設面の排水構造50では、樹脂材料を構造材とする雨水貯留浸透槽4を採用することで、所要の強度を確保しながら、雨水貯留浸透槽4として高い空隙率を確保することができ、雨水貯留浸透槽4としての単位容積あたりの雨水貯水量を大きくすることができる。また、雨水貯留浸透槽4それ自体が構造物であり、かつ構造材として樹脂材料を用いているので、任意の容積の雨水貯留浸透槽4を地盤中に容易に埋設施工することもできる。
さらに、上記した人工芝部材1a〜1cを採用することで、パイル糸20の基布10に対する安定した植設状態が得られることに加え、基布10にはバッキング材が塗布されていない領域24が形成されているために、この領域では高い透水性が確保される。そのために、人工芝部材1a〜1c上の雨水を迅速に雨水貯留浸透槽4内に流入させることが可能となり、人工芝部材敷設面の排水構造としての排水機能は大きく向上する。
また、上記した人工芝部材1a〜1cは、基布10に透水のための貫通孔を形成することを必要としないので、雨水貯留浸透槽4内に土砂や砂礫等が流入するのを確実に阻止することができ、雨水貯留浸透槽4を定期的に清掃する等のメンテナンス作業を省くことができる。さらに、パイル糸20をミシン等の機器を用いて基布10に縫い付ける(留め付ける)ときに形成される植設孔の位置において、バッキング材が塗布されることによって、この植設孔を閉鎖することが可能となり、この植設孔を通して人工芝部材1a〜1cの表面に存在する土砂や砂礫等が雨水貯留浸透槽4内に流入するのを、より確実に阻止することができるようになる。
図4に示した線状のバッキング材23を形成した人工芝部材1aを用いる場合には、他の形態の人工芝部材と比較して、より広い面積の「バッキング材が塗布されていない領域24」を設けることができるので、人工芝部材敷設面での排水機能は特に優れたものとなる。図5に示した帯状のバッキング材25を形成した人工芝部材1bを用いる場合には、前記したように、製造の容易さに加えて、バッキング材25の安定性をより高いものとすることができる。図6に示した帯状のバッキング材25aと25bとを交互に互い違いに配置した形状の人工芝部材1cを用いる場合には、「バッキング材が塗布されていない領域24」を敷設面にほぼ均等に配置することができるので、面方向において偏りのない排水機能を得ることができる。
人工芝部材敷設面の排水構造50において、使用する人工芝部材1は、人工芝部材1a〜1cから選択される1つの種類の人工芝部材であってもよく、それらから適宜選択したものを組み合わせて用いるようにしてもよい。
使用する人工芝部材1として、図示しないが、パイル糸20の間に粒状体が充填された充填層を備える人工芝部材を用いることもできる。このような人工芝部材は、例えば、前記した特開2009−293244号公報に記載されている。この形態の人工芝部材を用いると、パイル糸20が倒伏し難くなり、長時間使用しても衝撃吸収性のばらつきが生じ難い人工芝部材を敷設したグラウンド等を得ることができる。
本発明による人工芝部材敷設面の排水構造50において、図1に示したように、人工芝部材1の裏面と雨水貯留浸透槽4の上面との間に透水性の緩衝層6を設ける場合には、緩衝材として従来知られたものを適宜用いることができる。一例として、特開2004−232365号公報に記載される、ゴム等の軟質チップをポリアミド繊維入り結着剤で相互に結着してなる透水性の緩衝材、特開平5−247904号公報に記載される、加硫ゴム粉砕物および加硫ゴムスポンジ粉砕物のうちの少なくとも該加硫ゴムスポンジ粉砕物からなり、かつ該粉砕物を互いに接着させてなる透水性クッション材層と、該クッション材層の両表面のうちの少なくとも一方の面上に接着される透水性シート層と、からなることを特徴とする弾性舗装材などを挙げることができる。
50…本発明による人工芝部材敷設面の排水構造、
1(1a〜1c)…人工芝部材、
2…地表面、
3…地盤、
4…樹脂材料を構造材とする雨水貯留浸透槽、
5…砕石、
6…緩衝層、
7…透水性シート、
10…透水性を備えた基布、
20…芝葉状のパイル糸、
22…直線状のパイル糸列、
23…線状のバッキング材、
24…バッキング材の塗布されていない領域、
25、25a、25b…帯状のバッキング材、
40…樹脂材料製の構造材である貯水空間形成部材、
46…貯水のための空間。

Claims (5)

  1. 人工芝部材敷設面の排水構造であって、
    透水性を有する基布に芝葉状のパイル糸が植設された人工芝部材と該人工芝部材の下に透水性を備えた緩衝層を介して埋設された樹脂材料構造材である貯水空間形成部材を多段に積み上げた雨水貯留浸透槽と該雨水貯留浸透槽の周囲を覆う透水性シートとを備え、
    前記人工芝部材上の水は前記基布に浸み込んだ後に基布を透過し、前記緩衝層および前記透水性シートを介して前記雨水貯留浸透槽へ流入して滞留しつつ、前記透水性シートを介して周囲の地盤内に浸透するようになっている、ことを特徴とする人工芝部材敷設面の排水構造。
  2. 前記パイル糸の複数本がほぼ直線状のパイル糸列として前記基布に植設されており、
    前記基布には前記パイル糸列の複数列が互いに平行に形成されており、
    前記基布の裏面における前記パイル糸列の各列に対応する箇所には基布の裏面に位置するパイル糸を基布に固定するためのバッキング材が線状に塗布されており、
    前記基布の裏面における前記線状に塗布されたバッキング材の領域以外の領域はバッキング材が塗布されていない領域となっている、ことを特徴とする請求項1に記載の人工芝部材敷設面の排水構造。
  3. 前記基布の裏面における2列以上の前記線状に塗布されたバッキング材の間にもバッキング材が塗布されることで幅の広い帯状のバッキング材が2列以上形成されており、
    当該帯状のバッキング材と帯状のバッキング材の間にはバッキング材が塗着されていない領域が形成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の人工芝部材敷設面の排水構造。
  4. 前記人工芝部材は前記パイル糸間に粒状体が充填された充填層を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の人工芝部材敷設面の排水構造。
  5. 前記雨水貯留浸透槽の上方において複数枚の前記人工芝部材が敷設され、
    隣接する人工芝部材の各基布の端部と端部の間には各基布の下面を架け渡すようにして接合テープが貼り付けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の人工芝部材敷設面の排水構造。
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