JP6588856B2 - 人工芝積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、水捌け性の良い人工芝積層体に関する。
近年、人間の運動場やグラウンド、あるいはペットの運動場、またベランダや屋上などに人工芝が導入されている。これらの人工芝を敷設するにあたっては、安定した下地が必要となり、多くの場合、人工芝の下地用路盤として安定性や平滑性に優れたアスファルト・コンクリート舗装が採用されている。
しかしながら、アスファルトの上に直接人工芝を敷設した場合、グラウンド面の硬さが利用者に大きな衝撃ダメージを与える場合がある。また屋上等のアスファルト舗装は透水性が低い場合がある。
一方で、アスファルト舗装をせず、砕石を敷き込んだ路面を人工芝の下地とする施工方法もあるが、この方法においては、経年とともに平滑性が失われ、また水溜りなどが生じ、排水性が低下する。
このため、排水性を備えた人工芝下地への要請が高まっている。
これらを解決する方法として、人工芝の下に、樹皮の細片と砕石とを混合した混合物を敷いた方法(特許文献1)や、既設コートのリニューアル方法として、樹脂製の細い紐状素材や、やしの実等の植物繊維などを圧縮加工して形成した繊維状の透水性緩衝材の上に人工芝を敷設する方法(特許文献2)が提案されている。
特開2009−24460号公報 特開2001−336110号公報
しかしながら、人工芝の下に樹皮の細片や砕石を敷いた場合、雨等の水によって細片がながされてしまう。流れないように細片を大きくすると踏み心地が悪くなる。
また、繊維状の緩衝材を用いた場合、水捌け性を向上するには、空隙部を多くする必要があり、その場合、人工芝の上からの荷重によって空隙部は押し潰され、小さくなり、水捌け性は低下する。人工芝の上からの荷重に耐えられるようにするには、空隙部の少ない構造にする必要があるが、そうすると水捌け性が低下するという問題がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、水捌け性の良い人工芝積層体を提供することを目的とする。
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)基盤の上に設置される人工芝積層体であって、
設置対象の前記基盤の上に配置される織物と、
前記織物の上側に積層される透水性を有する人工芝と、
前記織物の内部に充填された状態で前記織物と前記人工芝とを接合し、前記人工芝積層体が前記基盤に設置された状態において前記基盤に接するシーリング部と、を備え、
前記織物は多重織またはハニカム織の織物であり、
前記シーリング部は、前記織物のタテ糸またはヨコ糸のどちらか一方に平行な方向に延びており、前記織物と前記人工芝を支持することを特徴とする人工芝積層体。
(2)前記シーリング部の延びる方向と平行の前記織物の糸のメッシュ数が、前記シーリング部の延びる方向と直交する方向の前記織物の糸のメッシュ数よりも小さいことを特徴とする(1)に記載の人工芝積層体。
(3)前記織物を構成するタテ糸のメッシュ数が5メッシュ以上50メッシュ以下、ヨコ糸のメッシュ数が3メッシュ以上30メッシュ以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の人工芝積層体。
(4)前記織物の厚さが、500μm以上5000μm以下であることを特徴とする(1)から(3)のいずれか一つに記載の人工芝積層体。
(5)前記織物の材質が、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエステルのいずれかであることを特徴とする(1)から(4)のいずれか一つに記載の人工芝積層体。
(6)前記織物を構成する糸径が300μm以上2000μm以下であることを特徴とする(1)から(5)のいずれか一つに記載の人工芝積層体。
(7)前記シーリング部は、前記織物の上面と下面の少なくともいずれかから突出していることを特徴とする(1)から(6)のいずれか一つに記載の人工芝積層体。
本発明によれば、水捌け性の良い人工芝積層体を提供することができる。
人工芝積層体の構造を示す断面模式図である。 実施例の試験に用いた装置の分解斜視図である。 実施例の試験に用いた装置の各層を積層した状態の模式図である。
以下に、本発明の実施形態の1つについて、図1を用いて詳細に説明する。
本実施形態の人工芝積層体1は、図1に示すように、敷設対象である基盤10の上に敷設される。本実施形態の人工芝積層体1は、たとえば、運動場や競技場やテニスコート、ペットの運動場、あるいは、ベランダ、屋上等に敷設される。人工芝積層体1は、人工芝2と、織物3と、シーリング部4とを備える。本実施形態の人工芝積層体1は、施工現場で敷設対象範囲の基盤10の上に織物3と人工芝2とを積層してシーリング剤によって固定してシーリング部4を形成し、基盤10に固定する現場施工型のものでもよいし、積層した状態の人工芝積層体1を敷設したい基盤10の上に配置して用いる可搬型のものでもよい。
人工芝積層体1を敷設する基盤10の形態は、特に限定されるものではないが、凹凸の少ない滑らかな面であるのが好ましい。基盤10の材質は限定されないが、例えば全天候型ハードコートやアスファルト面やコンクリート面などである。さらに、基盤10は、人工芝を敷設する範囲あるいは周辺に排水口(又は排水溝)を備え、排水口に向かって水が流れる程度に傾斜のある面であることが好ましい。建物の屋上やベランダなどは、雨水を排水しやすいよう排水口に向かって傾斜があり、本実施形態の人工芝積層体1を敷設するのには好ましい。
なお、排水口は上述のように人工芝積層体1を敷設する範囲内に配置されていてもよいし、敷設範囲の周辺の水が流れこむことが可能な位置に配置されていてもよい。また、穴として形成されてもよいし、水が流れる溝である排水溝として形成されてもよい。排水溝の場合も、人工芝積層体1の下あるいは敷設範囲周辺に形成されていればよい。また、人工芝積層体1の敷設範囲内や周囲における排水口(排水溝)の有無にかかわらず、敷設範囲の基盤10に水が流れる程度の勾配があれば、本実施形態の人工芝積層体1を敷設するのに適している。
人工芝2は、上方から降り注ぐ雨などの水を人工芝2の下方へ透水するものであれば、構造や材質等は特に限定されるものではない。人工芝2は、たとえば、基布と基布に固定される芝材(パイル糸)等で構成される。基布は透水性を有する構造であれば得に限定されない。「透水性」は、基布を浸透して水が透水するものでも良いし、人工芝2に水を下方の織物3側に排水する孔などが形成されていることで透水性が確保されてもよい。基布は例えば、パンチング加工により多数の貫通孔が形成されているシート状のものや、繊維状、布状、メッシュ状で、織物、網物、不織布などから構成される繊維構造体などが挙げられる。芝材の基布への固定方法は特に限定されず、起毛加工、植毛加工、編み込み、織り込みなど、いずれの方法でもよく、またこれらの組合せでもよい。
織物3は、後述するシーリング部4とともに、人工芝を通過した水が人工芝の下で基盤10の傾斜によって流れて、最終的に排水口に向かって流れて排水されるための水路を構成するためのものである。織物3はその水路を確保出来るものが好ましく、人工芝2から透過した水が基盤10の上の織物3の内部を流れることができるような断面構造を有するものが良い。さらに、人工芝積層体1は人や動物が乗るものであり、上からの荷重に耐えられる構造、材質を有するものが好ましい。このような条件を満たす織物3として、立体的な構造を有し、断面において水が流れることができる空間が存在し、かつ、織物3の上から荷重がかかってもその空間が潰れにくい構造を有する織物が好ましく、具体的には、多重織の織物、ハニカム織りの織物が良い。多重織やハニカム織に限ったことではないが織物は、ヨコ糸を張った状態(織物の厚み方向の変化はほとんど無い)でタテ糸をヨコ糸の上側、下側を通すものであり、通常タテ糸がヨコ糸よりも密になるため、タテ糸を疎にするよりも、ヨコ糸を疎にすることが水路を確保しやすくなる。また、製織の生産効率も良い。なお、本明細書においては、織物の織機において、予め張力をかけて多数本張っておく方の糸をヨコ糸とし、ヨコ糸の間を通す糸をタテ糸として説明する。
さらに、織物3は、基盤10の上を水が流れやすくするために、水の流れ方向に対して平行な糸は、水の流れ方向に対して垂直方向の糸よりも、メッシュ数が小さいほうが好ましい。メッシュ数は、25.4mm(1インチ)1辺の網目の数を示す。メッシュ数が小さいということは、メッシュ(織物)断面で見ると、糸が疎の状態であり、水が流れやすく(水路の断面積が大きく)なるということである。
なお、水の流れる方向は、主に人工芝積層体1が配置される基盤10の傾斜によって決まる。たとえば、人工芝積層体1が長方形の範囲に敷設され、その長方形の一辺に沿って敷設範囲の外側に排水溝が形成され、排水溝が形成される辺に向かって水が流れることが可能な傾斜が形成されている場合には、水の流れる方向は主にその排水溝が形成される方向(基盤10の傾斜方向)となる。また、排水口が1か所あるいは複数箇所形成され、その排水溝に向かって傾斜がつけられている場合には、位置によって傾斜の方向が異なり、水の流れる方向も異なる。
本実施形態の人工芝積層体1を配置する場合や施工する場合には、以上のような水の流れる方向を考慮して、水の流れる方向に、織物3のメッシュ数の小さい糸の方向を合わせて配置することで、水の流れやすい方向に沿って水路が形成され、より水捌けが良好となる。
織物3を構成する糸のメッシュ数(1インチ当たりの網目の数)としては、多重織及びハニカム織の場合、タテ糸を5メッシュ以上50メッシュ以下、ヨコ糸を3メッシュ以上30メッシュ以下とすることが好ましい。織物3においてタテ糸とヨコ糸で疎密を作る場合には、上記範囲において、タテとヨコでメッシュ数を変えて、メッシュ数の少ない方の糸の方向に沿って水が流れるように織物3が配置されればよい。
メッシュ数が好ましい範囲内の場合、当該範囲の最小値以上であれば、人工芝の上からの荷重に対して、より確実に耐えることができ、織物が潰れて水路が潰されてしまうことをより確実に防ぐことができる。当該範囲の最大値以下であれば、糸が密になりすぎてしまうことを抑制でき、十分に水路の断面積を確保することができる。したがって、当該範囲内であれば、人工芝の上からの荷重に、より確実に耐えることができ、かつ、水路をより確実に確保できる。そのため、水が流れやすくなり、より良好な水捌け性能が得られる。
織物3は、より水を流れやすくするために、厚さが500μm以上5000μm以下であることが好ましい。厚さが当該範囲内であると、水路を確実に確保でき、より良好な水捌け性能が得られる。5000μmを超えると、上からの荷重に耐えることが難しい場合があり、上からの荷重に耐え厚みを維持するために、糸径を大きくするか、メッシュ数を大きくする必要が生じる可能性がある。
織物3の材質は、紡糸・製織し易く、上からの耐荷重性が高く、施工・製造がしやすい材質が好ましい。また、後述するシーリング部4のシーリング剤との密着性が高く、織物の開口部(糸と糸の隙間)をシーリング剤が通りやすい材質のものが好ましい。具体的には、織物3の材質はポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエステルがよい。
織物3を構成する糸の糸径は、300μm以上、2000μm以下であることが好ましい。300μm以上であれば十分に荷重に耐えることができ、メッシュ数を必要以上に大きくする必要がない。メッシュ数が必要以上に大きくなると水捌け性が低下する。また、2000μm以下であると、水路を確保するためにメッシュ数を必要以上に小さくする必要がない。メッシュ数が小さくなりすぎると、織物としての耐荷重性が低下して織物が潰れてしまい、水捌け性が低下する場合がある。したがって、織物3の糸径が300μm以上2000μm以下であれば、上方からの荷重に対してより確実に耐えることができるとともに、水路を確保するためにより適正なメッシュ数を設定でき、良好な水捌け性が得られる。
シーリング部4は、織物3の内部にシーリング剤を充填して形成される。シーリング部4は、織物3の開口部(糸と糸の隙間)を通って内部に充填された状態で硬化(固化)することで、人工芝2と織物3とが固定される。さらに、織物3をシーリング剤が通って基盤10に接し、その状態で固まることで、人工芝積層体1を基盤10に固定することができる。シーリング部4を構成するシーリング剤は、織物3を通じて、人工芝2(と基盤10と)を固定可能であれば、特に限定されるものではなく、耐水性があるのが好ましい。シーリング部4に用いられるシーリング剤としては、例えば、ウレタン系、シリコン系のシーリング剤を挙げることができる。
さらに本実施形態におけるシーリング部4は、織物3とともに、人工芝2を通ってきた水を排水するために水路を構成するためのものである。すなわち、水が流れる方向に沿って織物3の内部に充填された状態で形成されるシーリング部4が、織物3を内部で支持し、人工芝2を下から支持することで、水が流れる空間である水路が確保される。人工芝積層体1の上面から荷重がかかっても、シーリング部4によって支持されるため、水路として機能する空間が維持される。また、シーリング部4によって水が流れやすい方向に水がガイドされる。このようなシーリング部4の機能により、良好な水捌け性が得られる。
シーリング部4は、シーリング剤が織物3のタテ糸、またはヨコ糸のどちらか一方の糸に平行に塗布されて形成される。シーリング部4は、上記いずれか一方の糸に平行に、複数ライン形成されればよい。そして、シーリング部4が形成される方向を、基盤10上の水が流れる方向に沿うように、人工芝積層体1が基盤10に配置されればよい。例えば、長方形の敷設面の一辺付近に排水溝が形成され、その排水溝に向けて基盤10が傾斜している場合には、その排水溝の方向にシーリング部4が延びるように配置する、あるいは施工によりシーリング部4を形成する。シーリング部4の延びる方向は、人工芝積層体1が無い状態で水が流れる方向(基盤10の傾斜している方向)に完全に平行である必要はないが、基盤10の傾斜方向や排水口の位置等の関係に基づく、水を流したい(水が流れやすい)方向側に向いていることが水捌け性の面で好ましい。
シーリング部4が延びる方向に平行な糸は、上述のように、その方向に水捌けがよくなるように、その方向に直交する糸よりも疎であることが好ましい。たとえば、タテ糸の方向に平行にシーリング部4を形成した場合には、タテ糸のメッシュ数の方がヨコ糸のメッシュ数よりも少ないことが好ましい。これにより、シーリング剤4によって水路としての空間が確保されるとともに、織物3内もその水路の方向に水が流れやすくなるので、より水捌けが良好となる。
シーリング部4の高さは、織物3の厚さ以上であることが好ましい。具体的には、織物3の上面と下面の少なくともいずれかからシーリング部4が突出する高さであることが好ましい。織物3の上面と下面の両方からそれぞれ突出する高さであることがより好ましい。織物3の厚さ以上の高さになるようにシーリング部4を形成するには、織物3の上面側や下面側からシーリング剤が飛び出るような量のシーリング剤を織物3に対して塗布・充填すればよい。織物3の内部は水を流すため、空隙部が存在するが、シーリング部4の内部は水が流れるような空隙部はなく、上からの耐荷重性が織物3よりも高くなる。そのため、シーリング部4の高さを織物3の厚さよりも高くすることで、荷重がかかっても水路となる空間がさらに確実に維持され、より水が流れやすくなる。上面と下面の両方からシーリング部4が突出する高さとすれば、より確実に空間が確保され、荷重がかかっても水路がより確実に維持される。
シーリング部4を複数ライン形成する場合の間隔は、25cm以上から100cm以下とすることが好ましい。25cm以上であれば、水が流れる空間である水路が十分に確保され、100cm以下であれば耐荷重性も十分に確保できる。25cm未満の場合、シーリング部4間を水が流れにくくなる可能性があり、100cmを超えると、耐荷重性が低下し、水路が潰されて水が流れ難くなる場合がある。
本実施形態の人工芝積層体1の施工方法は、当業者が適宜選択することができ、特に限定されるものではない。例えば、基盤10である舗装されたコンクリートなどの地盤に織物3を敷き、その上からシーリング部4を塗布する。水を流す(水が流れやすい)方向に沿ってタテ糸とヨコ糸のいずれかに平行にシーリング部4を形成するように塗布する。また、その際、タテ糸とヨコ糸で疎密がある織物3である場合には、水を流す方向に疎の糸の方向を合わせて織物3を配置し、シーリング部4を形成する。塗布したシーリング剤は織物3の開口部(糸と糸の隙間)を通り、基盤10に到達する。シーリング部4の上端の位置が織物3の表面の位置よりも高くなるように、織物3の厚さよりもシーリング剤を厚く塗布しておけば、その織物3の上に人工芝2を敷くと、シーリング剤が硬化することで、織物3と人工芝2とが接着固定され、基盤10に人工芝積層体1が固定される。すなわち、織物3の開口部(糸と糸の隙間)を通じてシーリング剤3が基盤10に達して基盤10に固定されるとともに人工芝2も織物3に固定される。なお、シーリング剤を織物3の厚さよりも厚く塗布しなくても、例えば上から荷重をかけて織物3内に充填されたシーリング剤と人工芝2とを接触させて固定してもよい。
持ち運び可能なマット状の人工芝積層体1の製造方法も同様である。すなわち、例えば、織物3に対してシーリング剤をタテ糸とヨコ糸のいずれかの方向に平行に塗布する。その際、織物3の下面と上面の少なくともいずれかからシーリング剤が飛び出る程度の量を塗布するとよい。その状態で織物3の上面に人工芝2を配置し、シーリング剤を硬化させることで、人工芝2と織物3が接着固定されシーリング部4が形成された人工芝積層体1が得られる。なお、シーリング剤が接着しにくい材質の物の上に織物3を置いて人工芝積層体1を作製し、その後シーリング剤が硬化した後に人工芝積層体1を剥がせば可搬型の人工芝積層体1が得られる。また、シーリング剤が接着しにくい材質のフィルムやシートの上で作製し、基盤10に設置する前にフィルム等を剥がして用いてもよい。可搬型の場合には、基盤10の上にそのまま載せるだけでもよいし、必要に応じて動かないように接着剤や固定器具等で基盤10に固定してもよい。
シーリング剤の塗布方向(可搬型の場合は配置する際のシーリング部4の方向)は基盤10の排水口に向かって水が流れる方向に塗布されていれば、人工芝2を通って水は排水口へ流れやすくなる。
本実施形態の人工芝積層体1は、多重織あるいはハニカム織りの織物を用いることで、シーリング剤のない部分についても、織物が上からの荷重を受け止めて水が流れる空間が確保される。これにより、水が流れる水路を確保できるため、水捌け性が維持される。一方、本実施形態の織物3の替わりに発泡体、成形体など開口部を持たないものを用いた場合では、例えば、発泡体や成形体の上面と下面にシーリング剤を塗布する必要が生じるため、塗布工程が2回必要になる。織物3を用いることで、開口部を通じて人工芝2(と基盤10と)を一度で固定するため、シーリング剤の塗布工程が1回で済む。したがって、本実施形態によれば、簡単に施工できる非常に施工性に優れた人工芝積層体1を提供できる。また、発泡体や成形体は水が流れる隙間が無いため水捌け性も無い。
本実施形態の人工芝積層体1において、人工芝2や、織物3には任意の機能を付与するための成分を機能性材料として含んでもよい。当該機能性材料としては、艶消剤としての二酸化チタン、滑剤としてのステアリン酸カルシウムや、シリカやアルミナなどの微粒子、抗酸化剤としてヒンダートフェノール誘導体、さらには顔料などの着色剤、安定剤、分散剤等の添加材料の他、紫外線遮蔽剤、近赤外線遮蔽剤、抗菌剤、防黴剤、帯電防止剤、難燃剤、耐候剤および各種触媒などの機能性材料がある。なお、この機能性材料は、人工芝2や、織物3を構成する原材料の中に予め含まれるようにしてもよいし、人工芝2や織物3の製造後に外表面に付着させてもよい。
以上のようにして得られた本実施形態に係る人工芝積層体は、屋外、屋内問わず用いることができるが、雨に曝される屋外に特に有効である。用途としては、運動場、家などのベランダ、屋上、あるいはペット用の運動場、遊び場など、様々な用途に用いることが可能である。
本実施形態によれば、織物3のタテ糸とヨコ糸のいずれかに平行に形成されるシーリング部4と、多重織やハニカム織の織物とによって、人工芝2と基盤10との間に、水が流れる水路が確保され、良好な水捌け性能が得られる。人工芝2の荷重がかかっても、シーリング部4によって支持され、水路が維持される。また、シーリング部4が無い部分についても、多重織やハニカム織によって完全に水路が潰れずに水路が維持されるので、確実に水捌け性が維持される。
また、織物3のシーリング部4が形成される方向に平行な一方の糸を、それに直交する他方の糸よりも疎にすることで、水路内の水が流れる空間がさらに広くなり、より迅速に水が排水され、さらに良好な水捌け性能が得られる。
なお、本実施形態では基盤10の傾斜している方向や排水口の位置などによって決まる水の流れる方向にシーリング部4の延びる方向やタテ糸とヨコ糸のいずれか一方の方向を合わせるとしたが、特定の方向に水の流れをガイドしたい場合には、その特定の方向にシーリング部4やいずれか一方の糸の方向を合わせてもよい。
次に実施例を示して、本実施形態の人工芝積層体についてより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
図2、図3に示すような装置を用いて人工芝積層体1の水捌け性について試験を行った。図2は試験に用いた装置の分解斜視図である。図3は人工芝積層体1を支持体5に載せた状態の模式図である。基盤10として、アクリル板(40cm×80cm)を用いた。基盤10の上に基盤10と同じ大きさの織物3を設置し、シーリング剤によってシーリング部4を形成した。シーリング部4は織物の端から20cm間隔で、高さ10mmで形成した。次に、基盤10と同じ大きさの透水性を有する人工芝2(ポリプロピレン製、厚さ7mm)を積層し、人工芝積層体1を得た。支持体5に人工芝積層体1を載せて、支持体5の傾斜角度を変えることで基盤10に傾斜を設けることができる。支持体5の一端には基盤10の上を流れる水を受けるための受け材6が取り付けられている。受け材6によって集められた水の量を測ることで、基盤10の上を流れる水の量を測定できる。
実施例の支持体5は断面形状がL字型の2本のフレームで構成される。支持体5の底面部で基盤10を下方から支持し、垂直壁で人工芝積層体1の両側を挟むことで、人工芝積層体1を支持する。図2、図3では、長方形の人工芝積層体1の対向する辺のうち、長い方の両辺が支持体5に支持された形態を示す。受け材6は、上方が開放した細長い箱状のものであり、基盤10の表面を流れる水がその開放している部分から流れ込んで貯留される。受け材6は、人工芝積層体1の支持体5が配置されていない辺のうち、傾斜によって水が流れる方向の一辺に沿って端から端までの範囲に配置され、流れ込んだ水を漏れなく集める。
(実施例1)
織物3に、PET(ポリエチレンテレフタレート)製の多重織の織物を用いた。タテ糸(図2の短手方向)の繊維径は500μmで、メッシュ数を40メッシュとした。ヨコ糸(図2の長手方向)の繊維径は600μmでメッシュ数を14メッシュとした。織物3の厚みは、厚さ計((株)プロテック製、MG−4型)で測定した結果、5000μmであった。シーリング部4はヨコ糸方向に形成した。支持体5を長手方向において受け材6が配置された方向に傾けて傾斜角度を1度(1°)とし、人工芝積層体1と基盤10の積層体に傾斜を設けた。傾斜を設けることで、図2の図面手前側の受け材6に水が流れる(水の流れはヨコ糸方向)ようにした。
(実施例2)
実施例2は、実施例1の織物3において、タテ糸のメッシュ数を減らし、ヨコ糸の繊維径を大きくしてメッシュ数を減らしたものである。具体的には実施例1において、タテ糸のメッシュ数を20メッシュとし、ヨコ糸の繊維径を800μmでメッシュ数を10メッシュとした以外は、実施例1と同様の構成とし、支持体5を長手方向に傾けて傾斜角度1度とし、人工芝積層体1と基盤10の積層体に傾斜を設けた。
(実施例3)
実施例3は、実施例2において、支持体5と受け材6の配置位置及び、シーリング部4を形成する方向を90°回転させたものである。具体的には、シーリング部4をタテ糸方向(図2の短手方向)に20cm間隔で形成した。そして、支持体5を基盤10の短手方向に沿って両側に設けて、受け材6の長さを基盤10の長手方向に合わせたものに換えて長手方向に平行な一辺に配置した。支持体5を人工芝積層体1の短手方向において受け材6を配置した方向に傾けて傾斜角度を1度とし、人工芝積層体1と基盤10の積層体に傾斜を設けた。この傾斜により水は短手方向(タテ糸方向)に流れるようにした。織物3は実施例2と同じであり、タテ糸とヨコ糸の配置方向も実施例2と同じである。
(実施例4)
実施例2の織物3において、ヨコ糸の繊維径を500μmでメッシュ数を20メッシュとした以外は、実施例2と同様の構成とし、支持体5を長手方向に傾けて傾斜角度1度とし、人工芝積層体1と基盤10の積層体に傾斜を設けた。
(比較例1)
実施例1において、織物3を含まない人工芝2とシーリング部4で構成される人工芝積層体1とした。つまり基盤10の長手方向に実施例1と同様にシーリング剤を塗布してその上に人工芝を直接のせて、シーリング剤を硬化させることで、織物3が無い状態でシーリング部4の上に人工芝2が積層された人工芝積層体を作製した。実施例1と同じく、長手方向における受け材6が配置される側に水が流れるように、傾斜角度1度で傾斜させた。
実施例1から3と比較例1において傾斜を設けた高さの高い側において、人工芝の上に水を流した。このとき、人工芝の上を水が流れないようにゆっくりした速度で水を供給した。いずれの実施例、比較例についても、同じ流量で水の供給を開始し、人工芝表面に水が溢れて人工芝上を水が流れそうになったら水量を減らし、水が人工芝2と基盤10の間を流れるようにして測定を行った。人工芝2と基盤10の間の空間を通って流れてきた水は受け材6に集められ、集められた水の水量を測定した。結果を表1に示す。水量は受け材6に各時間までに貯留された水の総量である。
Figure 0006588856
比較例1においては、水が受け材6まで流れてこなかった。織物3がないため人工芝2の自重により、水路が確保できず水が流れなかった。実施例1から3は水の流れてくる速度に差はあるものの、織物3により水路が確保されているため、水が受け材6まで流れることを確認した。
1 人工芝積層体
2 人工芝
3 織物
4 シーリング部
10 基盤

Claims (7)

  1. 基盤の上に設置される人工芝積層体であって、
    設置対象の前記基盤の上に配置される織物と、
    前記織物の上側に積層される透水性を有する人工芝と、
    前記織物の内部に充填された状態で前記織物と前記人工芝とを接合し、前記人工芝積層体が前記基盤に設置された状態において前記基盤に接するシーリング部と、を備え、
    前記織物は多重織またはハニカム織の織物であり、
    前記シーリング部は、前記織物のタテ糸またはヨコ糸のどちらか一方に平行な方向に延びており、前記織物と前記人工芝を支持することを特徴とする人工芝積層体。
  2. 前記シーリング部の延びる方向と平行の前記織物の糸のメッシュ数が、前記シーリング部の延びる方向と直交する方向の前記織物の糸のメッシュ数よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の人工芝積層体。
  3. 前記織物を構成するタテ糸のメッシュ数が5メッシュ以上50メッシュ以下、ヨコ糸のメッシュ数が3メッシュ以上30メッシュ以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の人工芝積層体。
  4. 前記織物の厚さが、500μm以上5000μm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の人工芝積層体。
  5. 前記織物の材質が、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエステルのいずれかであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の人工芝積層体。
  6. 前記織物を構成する糸径が300μm以上2000μm以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の人工芝積層体。
  7. 前記シーリング部は、前記織物の上面と下面の少なくともいずれかから突出していることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の人工芝積層体。
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