JP6839998B2 - 環境放射線モニタリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、環境放射線モニタリング装置に関わり、特に、被測定放射線の波高スペクトルを演算して、線量または線量率の変動要因を診断する環境放射線モニタリング装置に関する。
原子力関連施設等では、放射性物質が放出される等の緊急事態を想定する必要がある。このため、原子力関連設備敷地内またはその周辺地域には、環境モニタリングポストあるいは可搬型ポスト等が設置されている。環境放射線モニタリング装置は、該緊急事態に放射性物質から放出される放射線の線量または線量率の上昇を監視する目的で設置されている。該環境放射線モニタリング装置は、放射線検出器で放射線を検出した電気信号を、放射線監視盤内の波形整形手段で加工している。加工された電気信号は、放射線の線量を算出する放射線量測定回路と放射線波高分布を算出する波高分析部に送られる(例えば、特許文献1から6を参照)。
放射線量測定回路と波高分析部の結果は、記録手段にて記録している。この時、気象条件等で放射線計測評価にふさわしくないデータも同時に記録される。例えば、人工核種の所持人が接近すると、データに表れる。このデータは、原子力施設の連続監視を行なううえでは、ふさわしくない。記録されたデータを、管理スペクトルのデータとして採用するか否かは、人間による判断により行われている。
例えば、特許文献1には、人体検知センサー、気象観測装置等、線量率が上昇する要因を検知する手段を導入している放射線モニタリングポストが提案されている。人間の判断によるデータ採否に換えて、該放射線モニタリングポストでは、要因が継続する期間の線量率データを無効にする等の手段を取り入れている
アンフォールディングは、逆問題演算の一種である。このアンフォールディングは、該波高分析部で得る放射線の波高スペクトルの分解能を向上させる目的で、一般に、利用されている。例えば、特許文献2には、予め測定対象である放射線のエネルギー範囲内で、放射線検出器の応答関数を一定のエネルギー間隔で算出する方法が開示されている。さらに、算出した応答関数を用いて、アンフォールディングを行い、検出器に入射した放射線のエネルギースペクトルを算出している。
また、特許文献3には、食品中放射能を分析する等の放射能分析装置において、該逆問題演算を適用する方法が開示されている。
特許第4086189号公報 特許第5039033号公報 特許第5832404号公報 特開2013−228252号公報 特開2009−175042号公報 特開2008−151539号公報
特許文献1に係わる放射線測定装置は、波高分析部を設けて、波高スペクトルを出力している。そのスペクトル形状、特にピーク形状を形成するエネルギーにより、天然に存在する放射性物質(放射線核種)をおおよそ判断することができる。該波高スペクトルは、一定の時間間隔で保存しておく。この保存された大量の波高スペクトルデータから、変動の有無を判断している。変動有りに該当するスペクトルを取得した時間帯の波高スペクトルと該線量率は、無効にする。
線量率が上昇変化した場合、波高スペクトルも変動する。波高スペクトルの変動の有無を自動判断することは難しく、人間の判断が必要になる。特許文献1によると該判断を自動化する手段として気象観測装置等を導入している。このため、導入コストが上昇する等の課題が生じている。該波高スペクトルは、一般に分解能が非常に低いが、波高スペクトル中のピークの周囲に複数の放射性物質(放射線核種)が存在しないで、単独にピークが存在する場合には、放射性物質(放射線核種)を特定できる。
ピークが重なり合い、もしくはピークの高さが低い場合は、ピークとして認識し難いため、線量率上昇の要因となっている放射性物質(放射線核種)を特定できない。波高スペクトルは、一般に分解能が非常に低く、線量率を上昇させる要因が管理対象ではない天然核種であった場合、管理スペクトルから除外する必要がある。波高スペクトルを無効にすると、該時間のデータは、欠測扱いとなり、連続的環境放射線モニタリング管理が十分に行えなくなる。
特許文献2に係わる放射線測定装置は、放射線検出器について予め算出した応答関数を用いて、アンフォールディングを行い、検出器に入射した放射線のエネルギースペクトルを算出している。係数を乗じることにより放射線の線量率を算出する。この技術は、該放射線の線量率の変動要因を診断または対処する方法を提案するものではないため、原子力関連設備の緊急時に事象判別の手段を提供できない。
特許文献3に係わる放射能分析装置は、放射線検出器について予め算出した応答関数を用いてアンフォールディングを行い、検出器に入射した放射線のエネルギースペクトルを算出している。そのあと、被測定対象物に含まれる放射能物質を特定する。この点では、特許文献2に係わる発明と類似性を有する。この放射能分析装置は、例えば食品中の放射性物質の定量することを目的としている。被測定対象の性状、形状、配置等を限定した計測を供するものであり、環境放射線モニタリング装置とは目的が異なる。
本発明は、前記の課題を念頭に置いて、なされたものである。すなわち、線量または線量率の変動要因を診断するのに適した環境放射線モニタリング装置を提供することを目的にしている。なお、本願に係わる環境放射線モニタリング装置は、放射線が入射すると電気パルス信号を出力する検出器と、検出器から出力された電気パルス信号を増幅するアナログ回路と、アナログ回路で増幅された電気パルス信号から波高を読み取って波高スペクトルを抽出する波高分析部と、アナログ回路で増幅された電気パルス信号または波高分析部で抽出された波高スペクトルを基に、検出器に入射した放射線の線量または線量率を算出する線量率演算部とを備えていることを基本とする。
本願に係わる環境放射線モニタリング装置は、放射線が入射すると電気パルス信号を出力する検出器と、検出器から出力された電気パルス信号を増幅するアナログ回路と、アナログ回路で増幅された電気パルス信号から波高を読み取って波高スペクトルを抽出する波高分析部と、アナログ回路で増幅された電気パルス信号または波高分析部で抽出された波高スペクトルを基に、検出器に入射した放射線の線量または線量率を算出する線量率演算部と、波高分析部で抽出された波高スペクトルに対して逆問題演算を実施し、検出器に入射した放射線のエネルギースペクトルを抽出する逆問題演算部とを、備えていて、
前記逆問題演算部は、放射性核種のエネルギーとその放出割合を記憶している核種分析データベースを保持しており、この核種分析データベースを利用して、前記検出器に入射した放射線核種の特定を行い、
前記逆問題演算部は、前記検出器に入射した放射線核種を特定すると、監視が不要な放射線核種のエネルギースペクトル成分を、抽出したエネルギースペクトルから削除し、この削除されたエネルギースペクトルに対して逆問題演算の逆演算を実施して、監視の不要な放射線核種が削除された波高スペクトルを取得することを特徴とする。
本願に係わる環境放射線モニタリング装置は、放射線が入射すると電気パルス信号を出力する検出器と、検出器から出力された電気パルス信号を増幅するアナログ回路と、アナログ回路で増幅された電気パルス信号から波高を読み取って波高スペクトルを抽出する波高分析部と、アナログ回路で増幅された電気パルス信号または波高分析部で抽出された波高スペクトルを基に、検出器に入射した放射線の線量または線量率を算出する線量率演算部と、波高分析部で抽出された波高スペクトルに対して逆問題演算を実施し、検出器に入射した放射線のエネルギースペクトルを抽出する逆問題演算部とを、備えていて、
前記逆問題演算部は、放射性核種のエネルギーとその放出割合を記憶している核種分析データベースを保持しており、この核種分析データベースを利用して、前記検出器に入射した放射線核種の特定を行い、
前記逆問題演算部は、前記検出器に入射した放射線核種を特定すると、監視が不要な放射線核種のエネルギースペクトル成分を、抽出したエネルギースペクトルから削除し、この削除されたエネルギースペクトルに対して逆問題演算の逆演算を実施して、監視の不要な放射線核種が削除された波高スペクトルを取得することを特徴とすることにより、計測する放射線の線量の変動とともに、該変動の要因となる放射性核種を同時に計測することができるので、線量の変動要因解析が可能となる。

環境放射線モニタリング装置を設置する局舎を表している図である。 環境放射線モニタリング装置を設置する局舎の構成例を表している図である。 実施の形態1に係わる本発明の環境放射線モニタリング装置の信号処理に関するブロック図である。 実施の形態1に係わる波高分析部の出力である波高スペクトルと、逆問題演算部の出力であるエネルギースペクトルとの関係を示す図である。 実施の形態1に係わる本発明の信号処理を備えた、別の線量率演算方式の環境放射線モニタリング装置の例を示すブロック図である。 実施の形態2に係わる逆問題演算部の内部ブロック図である。 実施の形態2に係わる放射性物質の同定の説明に関する図のうちセシウム-137の崩壊図である。 実施の形態2に係わる放射性物質の同定の説明に関する図のうちセシウム-134の崩壊図である。 実施の形態3を説明する波高スペクトルの概念図である。 実施の形態3を説明するエネルギースペクトルの概念図である。 実施の形態3を説明する波高スペクトル成分を表す概念図である。 実施の形態4に係わる波高分析部としてマルチチャンネルアナライザーを複数備える形態を示すブロック図である。 実施の形態4を説明するための通常の弁別段数の波高スペクトルの概念図である。 実施の形態4を説明するための弁別段数が2倍となった波高スペクトルの概念図である。 実施の形態5を説明する波高スペクトルの概念図である。 実施の形態5を説明するエネルギースペクトルの概念図である。 実施の形態6に係わる逆問題演算部の内部ブロック図である。 実施の形態6で説明する弁別が困難なピークをもつ波高スペクトルを示す図である。 実施の形態6で説明する弁別が困難なピークをもつ波高スペクトルに逆問題演算を適用したエネルギースペクトルを示す図である。 実施の形態6に係わる波高分析部の弁別段数を特定のエネルギーバンドに重点を置くことを説明する図である。 実施の形態6に係わる波高分析部の弁別段数を特定のエネルギーバンドに重点を置いた場合のエネルギースペクトルを説明する図である。
本発明の実施の形態に係る環境放射線モニタリング装置について、図を参照しながら以下に説明する。なお、各図において、同一または同様の構成部分については同じ符号を付しており、対応する各構成部のサイズや縮尺はそれぞれ独立している。例えば構成の一部を変更した断面図の間で、変更されていない同一構成部分を図示する際に、同一構成部分のサイズや縮尺が異なっている場合もある。また、環境放射線モニタリング装置の構成は、実際にはさらに複数の部材を備えているが、説明を簡単にするため、説明に必要な部分のみを記載し、他の部分については省略している。
実施の形態1.
実施の形態1に関して、図1から図5を参照して説明する。本発明の実施の形態に係る環境放射線モニタリング装置は、図1に示すとおり、局舎101と呼ばれる収納庫に設置されることが多い。局舎101では、検出器1を屋外に設置して、放射線計測を行なう。同図は、検出器1を局舎101の屋上に設置する場合について表しているが、地面に直接設置する場合も多い。局舎101の中に、信号処理ユニットが設置されている。
図2は、局舎101の内部を簡単に示している。局舎101の内部には、放射線計測盤102が設置されている。信号処理ユニット3は、放射線計測盤102の内部に設置されることが多い。信号処理ユニット3は、単独で設置しても差し支えない。検出器ケーブル2は、検出器1が出力した電気的パルスを信号処理ユニット3に伝送する。信号処理ユニット3の出力データは、テレメータ103等の装置に送信される。該出力データは、さらに局舎101の外部に伝送され、表示部9にて表示される。表示部9は、信号処理ユニット3の直後に配置し、局舎101の内部にて、信号処理ユニット3の出力データを表示できるようにしてもよい
図3は、本発明の実施の形態に係る環境放射線モニタリング装置100の主機能部のブロック図を示したものである。環境放射線モニタリング装置100は、検出器1、検出器ケーブル2、信号処理ユニット3、表示部9などから構成されている。検出器1と信号処理ユニット3は、検出器ケーブル2で接続されている。信号処理ユニット3は、アナログ回路4、波高分析部5、記録媒体6、線量率演算部7、逆問題演算部8などから構成されている。なお、同図は、環境放射線モニタリング装置の説明のために、構成を簡単に表したものである。
実際の環境放射線モニタリング装置の構成は、オプション装置が備わっていたり、一部が存在しなかったり、一部または全部が一体と成っている。また、同図は、記録媒体6により該出力データを蓄積する場合について述べている。本発明の実施の形態に係る環境放射線モニタリング装置100は、テレメータ103などの伝送部により、該出力データを外部に出力して、外部装置によりデータ集約管理するシステムに適用する場合にも応用できる。また、記録媒体6が無い場合、テレメータ103等により信号処理ユニット3の出力データを外部に出力するデータ量を限定する場合にも適用できる。
検出器1は、放射線の入射に対しセンサーが発光して、放射線の入射に対し、電気的パルスを出力する。検出器ケーブル2は、検出器1が出力した電気的パルスを信号処理ユニット3に伝送する。信号処理ユニット3は、検出器1により検出する放射線の計数、一定時間毎の計数割合である計数率、放射線のエネルギー付与や影響度の規模を表す線量、または一定時間毎の線量割合である線量率を算出する目的で設置されている。表示部9は、逆問題演算部が抽出した放射線のエネルギースペクトルと、線量率演算部で算出された線量または線量率を同時に表示する。
アナログ回路4は、検出器1が出力した電気的パルスに、増幅と整形を行う。波高分析
部5は、アナログ回路4から出力されたパルスの波高を計測して、その波高に応じたスペクトルとして出力する。記録媒体6は、信号処理ユニット3(波高分析部5、線量率演算部7および逆問題演算部8)で算出した結果を蓄積する媒体である。線量率演算部7は、波高分析部5から出力された波高スペクトルを計数して、計数および計数率並びに換算係数を用いて線量および線量率を演算する。逆問題演算部8は、本発明に係り、新たに設置している。逆問題演算部8の出力データも記録媒体6に出力される。
なお、検出器1は、検出器の他に、検出器を保護する等の手段を含めた機器として検出部と称してもよい。また、検出器1は、一般に無機シンチレータ式検出器を用いるが、検出器1の出力パルスの高さが放射線のエネルギーにおよそ比例したものであれば特定しない。また、以下の記述にある放射線とは、波高スペクトルおよび逆問題演算部8を適用するのに適切であるガンマ線またはX線と称することができる。
次に、環境放射線モニタリング装置100の動作について図を参照しながら説明する。検出器1より放射線に対して出力された電気パルス信号は、アナログ回路4で増幅されて、波高分析部5に入力される。波高分析部5で抽出された波高スペクトルのデータは、記録媒体6にて保存される。線量率演算部7には、波高分析部5から波高スペクトルのデータが入力される。線量率演算部7は、波高スペクトルのデータからスペクトル総数を計数して、計数および計数率を演算するとともに、G(E)関数という換算係数を用いて線量および線量率を算出する。算出された計数および計数率、並びに線量および線量率は、記録媒体6にて保存される。
線量率演算部7にて行なうG(E)関数演算について説明する。G(E)関数は、波高分析部5のチャンネルに応じて1つの計数をもっており、あるチャンネルの1カウントに対する線量率を表す係数である。当該チャンネルのカウント数に、当該G(E)関数を積算すると、線量率が得られる。波高分析部5は、アナログ回路4が出力するパルス波高に対して固定チャンネル数を所有している。
固定チャンネル数は、1000チャンネル程度から8000チャンネル程度にまでわたり、装置によりさまざまである。波高分析部5は、その固定チャンネル数と同数のG(E)関数を持っている。Giをi番目のチャンネルのG(E)関数、Niをi番目のチャンネルの計数率(単位時間当たりのカウント数)、Dを線量率とすると、3者の関係は、以下の式のように書ける。
D=Σi (Gi×Ni)
波高分析部5にて一定時間間隔毎にカウントを各チャンネルに蓄積し、線量率演算部7にて線量率を演算する線量率演算方式を、G(E)関数荷重演算方式と呼んでいる。例えば波高分析部5の出力は、図4に示す波高スペクトル11のように示される。このような出力を行う波高分析部5の主機能は、波高弁別の機能であり、一般にマルチチャンネルアナライザー(MCA)が担当する。
環境放射線モニタリング装置に適用されるマルチチャンネルアナライザーは、チャンネル数が1000チャンネル程度である。各チャンネルは、計測できる最大波高を1000分割して、入力される、パルス波高に対して割り当てている。マルチチャンネルアナライザーは、例えば、最大波高の半分の波高が入力されれば500チャンネル目に1カウント記録する。例えば、最大波高の10分の1の波高が入力されれば100チャンネル目に1カウント記録する。そのようにしてカウントを蓄積すると、結果的に図4に示す波高スペクトル11になる。
図5は、本実施の形態に係わる本発明の信号処理を備えた別の線量率演算方式の環境放
射線モニタリング装置の例を示すブロック図である。図3では線量率演算部7に入力するデータが波高分析部5から出力される波高スペクトルである場合について述べた。図5に示すブロック図の通り、アナログ回路4のアナログパルス(電気パルス信号)が線量率演算部7に直接入力される場合もある。伝統的な演算方式であるDBM(Discrimination Bias Modulation)方式が該当する。
DBM方式では、線量率演算部7にバイアス変調機能を設けてアナログパルスを弁別することにより、線量および線量率を算出することができる。この場合、同図に示すとおり、アナログ回路4から線量率演算部7に直接アナログパルスが入力される。DBM方式の場合は波高分析部5を用いなくても線量および線量率を演算することが可能である。DBM方式は、本発明の本質から外れることにより、詳細な説明を省略する。
以上を踏まえ、本発明に係り、新たに設置する逆問題演算部8について述べる。波高分析部5の出力は、逆問題演算部8に入力される。逆問題演算部8は、応答関数を保有しており、その応答関数を用いて波高スペクトルに対して逆問題演算を実施する。つまり、Mを波高スペクトル、Rを応答関数、Sを放射線の相互作用による影響が排除されたエネルギースペクトル12(図4を参照)として、下記の数式1が成立する。
応答関数Rは、一般に可換群を形成するので逆元が存在する。逆問題演算部8は、この数式1の逆変換となる下記の数式2を計算し、エネルギースペクトルSを抽出する。なお、R−1は応答関数Rの逆元となる。
M=R・S (数式1)
S=R−1・M (数式2)
ここで、Mで表す波高スペクトル11およびSで表すエネルギースペクトル12を、それぞれ、ベクトル表現として表す。つまり、チャンネル数に応じたカウント数をベクトル成分として表すと、応答関数Rおよび応答関数Rの逆元R−1は、それぞれ行列、逆行列と称することができる。この数式2を解くことにより、Mで表される波高スペクトル11から、放射線のエネルギー情報のみを含むSで表されるエネルギースペクトル12を抽出することができる。
つまり、エネルギースペクトル12では、検出器、周辺構造物等に起因する相互作用による影響、及び、放射線検出機構にかかわる統計的なバラつきによる影響が排除されている。数式2の計算により、放射線のエネルギー情報を正確に知ることができるので、検出された放射線を放出した放射性物質の同定の精度が向上する。そして、抽出されたエネルギースペクトル12は、記録媒体6に保存される。
波高スペクトル11では、放射性物質の存在はピークによりおおよその判断が可能であるが、明確にはわからない(図4を参照)。しかしエネルギースペクトル12により、エネルギーの特定、つまり放射性物質の特定が可能である。通常の観測では存在しない放射性物質によるエネルギーカウントが、異常時にエネルギースペクトル12の中に見つかると、当該放射性物質の出現により線量率演算部7で演算された線量および線量率が上昇した原因と捉えることが可能となる。
従来の技術では、線量および線量率の上昇が認められた場合に、気象による線量率上昇であれば気象観測装置の設置、あるいは、放射性物質を所持する人が近接したことが原因ならば、人体センサーおよび監視カメラの設置が効果的であった。このように、実施の形態1に係る環境放射線モニタリング装置100により、気象観測装置等の手段を設けなくても、線量率上昇の原因が特定できるという効果を得ることができる。
波高スペクトルは分解能が低くても、波高スペクトルを基に逆問題演算されて得られたエネルギースペクトルは分解能が非常に高い。このため、複数の放射性物質(放射線核種)が存在してもピークが重なり合うことはない。したがって、線量率上昇の要因となっている放射性物質(放射線核種)の特定が可能となる。
天然核種は、線量率を上昇させる要因となる。管理対象ではない天然核種が波高スペクトルに存在する場合であっても、該逆問題演算により得られるエネルギースペクトルに存在する該天然核種のピークは特定できる。該エネルギースペクトルに存在する該天然核種のピークのみを削除すれば、該時間のデータを欠測扱いとせずに連続的なモニタリング管理を可能となる。
また、本実施の形態による環境放射線モニタリング装置は、波高スペクトルを逆問題演算によりエネルギースペクトルに変換できる。環境放射線モニタリング装置の周辺に多く集まる天然に存在する放射性物質の種類はよく知られている。例えば降雨により線量率が上昇変化した場合、該放射性物質の検出により該線量率上昇は降雨によるものと判断できる。このため、気象観測装置による検出がなくても自動的に判断が可能となる。
本実施の形態による環境放射線モニタリング装置では、放射線の線量率はエネルギースペクトルから放射線フルエンスを求めて係数を乗じて得る方法を取っていない。G関数荷重演算方式は、波高スペクトルから直接線量率を演算することができる。このG関数荷重演算方式等の方法を用いることができるため、逆問題演算で得られるエネルギースペクトルは放射線の線量率の演算用途に限ることはしていない。該エネルギースペクトルを原子力関連設備の緊急時に事象判別の手段として適用することで、放射線の線量(率)の出力と同時に該線量率の変動要因を診断する環境放射線モニタリング装置とすることができる。
本願に係わる環境放射線モニタリング装置は、原子力関連設備敷地内またはその周辺地域において設置され、周辺環境の放射線を検出する検出器と、その検出器により出力された電気信号を整形するアナログ回路と、アナログ回路から出力されたパルスの波高を読み取ってパルス波高分布を抽出する波高分析部と、アナログ回路から出力されたパルスまたは波高分析部から出力されたパルス情報を基に得られる放射線の線量または線量率を算出する線量率演算手段を備えており、波高分析部が出力するパルス波高分布に対して逆問題演算を実施し、被測定放射線のエネルギースペクトルを抽出する逆問題演算部を波高分析部の後段に備えていて、放射線の線量または線量率とエネルギースペクトルを同時に出力して放射線の線量または線量率の変動要因を提供することを特徴とする。
上記した環境放射線モニタリング装置によれば、波高分析部を備える環境放射線モニタリング装置にさらに逆問題演算部を追加することにより、エネルギースペクトルを得ることができ、存在する放射性物質の種類を詳しく判明させ、さらに計測する放射線の線量の変動とともに、該変動の要因となる放射性物質の有無または増減を同時に計測することができるので、線量の変動要因解析が可能となる。
従って、本願に係わる環境放射線モニタリング装置は、放射線が入射すると電気パルス信号を出力する検出器と、検出器から出力された電気パルス信号を増幅するアナログ回路と、アナログ回路で増幅された電気パルス信号から波高を読み取って波高スペクトルを抽出する波高分析部と、アナログ回路で増幅された電気パルス信号または波高分析部で抽出された波高スペクトルを基に、検出器に入射した放射線の線量または線量率を算出する線量率演算部と、波高分析部で抽出された波高スペクトルに対して逆問題演算を実施し、検出器に入射した放射線のエネルギースペクトルを抽出する逆問題演算部とを、備えていることを特徴とする。
また、本願に係わる環境放射線モニタリング装置は、線量率演算部で算出された線量または線量率、波高分析部で抽出された波高スペクトル、および逆問題演算部で抽出されたエネルギースペクトルを格納する記憶媒体を、さらに備えていることを特徴とする。また、本願に係わる環境放射線モニタリング装置は、逆問題演算部で抽出された放射線のエネルギースペクトルと、線量率演算部で算出された線量または線量率を同時に表示する表示部とを、さらに備えていることを特徴とする。
実施の形態2.
実施の形態2に係わる環境放射線モニタリング装置について、図を、適宜、参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る環境放射線モニタリング装置100は、検出器1、検出器ケーブル2、信号処理ユニット3、表示部9などから構成されている(図3および図5を参照のこと)。検出器1と信号処理ユニット3は、検出器ケーブル2で接続されている。信号処理ユニット3は、アナログ回路4、波高分析部5、記録媒体6、線量率演算部7、逆問題演算部8などから構成されている。なお、同図は環境放射線モニタリング装置の説明のために簡単に表したものであり、実際の環境放射線モニタリング装置の構成は、オプション装置が備わっていたり、一部が存在しなかったり、一部または全部が一体と成っている。
検出器1は、放射線の入射に対しセンサーが発光して、放射線の入射に対し、電気的パルスを出力する。検出器ケーブル2は、検出器1が出力した電気的パルスを信号処理ユニット3に伝送する。信号処理ユニット3は、検出器1により検出する放射線の計数または一定時間毎の計数割合である計数率、放射線のエネルギー付与や影響度の規模を表す線量または一定時間毎の線量割合である線量率を算出する目的で設置される。表示部9は、逆問題演算部が抽出した放射線のエネルギースペクトルと、線量率演算部で算出された線量または線量率を表示する。
アナログ回路4は、検出器1が出力した電気的パルスに、増幅、整形を行う。波高分析部5は、アナログ回路4から出力されたパルスの波高を計測して、その波高に応じたスペクトルとして出力する。記録媒体6は、信号処理ユニット3で算出した結果を蓄積する媒体である。線量率演算部7は、波高分析部5から出力されたスペクトルを計数して計数および計数率並びに換算係数を用いて線量および線量率を演算する。逆問題演算部8は、本発明に係り、新たに設置している。逆問題演算部8の出力データも記録媒体6に出力される。
図6は、実施の形態2を説明するために、逆問題演算部8に新たな機能を追加し、その機能を示しているブロック図である。実施の形態2に係わる逆問題演算部8は、逆問題演算機能81と、核種定量演算機能82と、核種分析データベース83を備えている。逆問題演算機能81は、既述の逆問題演算部8の主機能である。核種分析データベース83は、放射性核種が放出する放射線のエネルギー、放出割合を含むデータを格納している。
核種定量演算機能82は、核種分析データベース83に格納された放射性核種に固有のデータを呼び出し、逆問題演算機能81から出力されたエネルギースペクトル12を基に放射性核種の同定を行う。放射性核種の同定は、抽出されたエネルギースペクトル12において、核種分析データベース83から呼び出したデータに対応するエネルギー領域の計数値を算出することにより行う。
核種分析データベース83は、例えば、図7に示すような、セシウム−137のデータを格納している。同図のデータは、単一のエネルギーのガンマ線が放出される場合を表している。放射性核種がセシウム−137である場合、放出される放射線のエネルギーは6
62keV、放出割合は85%、ということが、核種分析データベース83に格納されているデータから判別できる。例えば、抽出されたエネルギースペクトルのエネルギー弁別段の単位が10keVである場合、セシウム−137が放出するエネルギー662keVの放射線は、660keV以上670keV以下の領域に検出され、計数されることになる。
つまり、エネルギースペクトル12にて計数されたエネルギー領域のエネルギーの区間(660keV以上670keV以下)と、核種分析データベース83から呼び出したセシウム−137のエネルギーのデータ(662keV)とを比較することにより、放射線核種の同定を実施することができる。核種定量演算機能82で同定された放射線核種の情報は、記録媒体6に蓄積される。
前記の例であると、660keV以上670keV以下の10keVの区間に現れる放射性物質の放射線エネルギーは、1つとは限らない。つまり、エネルギースペクトルのエネルギー弁別段の単位が10keVである場合、複数の放射性物質が確認されるべき場面では、放射性物質が天然由来のものと人工核種が同じ10keV区間に現れて区別がつかない場合が考えられる。人工核種は、つまり原子力施設の異常時に放出される監視するべきものである。
図8は、Cs−134のデータを表している。通常、放射線元素は、このように、複数のエネルギーのガンマ線を放出する場合が多い。エネルギー605keVに該当する区間(600keV以上、610keV以下)に、例えば他の放射線核種の計数が混ざっていたとしても、エネルギー796keVに該当する区間(790keV以上、800keV以下)を計数することにより、Cs−134と同定することが可能となる。
本実施の形態による環境放射線モニタリング装置では、複数の放射性物質のそれぞれが複数のエネルギーの放射線を放出する場合を対象にしている。当該の放出割合は、核種分析データベース83に保存されている。N個の放射性物質の各量を変数とするN元一次連立方程式を組み立てれば、N種の放射性物質の量が一意的に求めることができる。前記エネルギースペクトルのエネルギー弁別段の単位が10keV等広い区画である場合でも、放射性物質の種類を特定することができる。本実施の形態に示す方法により、エネルギー弁別段の単位が細かくない場合であっても、線量率上昇の原因が特定できると同時に監視するべき放射性物質かどうか判定することも可能となる。
また、本実施の形態に係わる環境放射線モニタリング装置は、放射線を放出する物質から放射線を放出される際にはその放射線のエネルギーが物質毎に決まっているので、また、複数の放射線を放出する物質にはその複数のエネルギーの放射線の放出割合が物質毎に決まっているので、放射線のエネルギーとその放出割合を逆問題演算部で使用するために予めデータベースとして保持しており、逆問題演算部で算出する被測定放射線のエネルギースペクトルから被測定放射線を放出した物質を判別する精度を高めることを特徴とする。
上記した環境放射線モニタリング装置によれば、波高分析部を備える環境放射線モニタリング装置にさらに逆問題演算部を追加することにより、エネルギースペクトルを得ることができ、存在する放射性物質の種類を詳しく判明させ、さらに計測する放射線の線量の変動とともに、該変動の要因となる放射性物質の有無または増減を同時に計測することができるので、線量の変動要因解析が可能となる。
実施の形態3.
実施の形態3に係わる環境放射線モニタリング装置について、図を、適宜、参照しなが
ら説明する。本発明の実施の形態に係る環境放射線モニタリング装置100は、検出器1、検出器ケーブル2、信号処理ユニット3、表示部9などから構成されている(図3および図5を参照のこと)。検出器1と信号処理ユニット3は、検出器ケーブル2で接続されている。信号処理ユニット3は、アナログ回路4、波高分析部5、記録媒体6、線量率演算部7、逆問題演算部8などから構成されている。なお、同図は環境放射線モニタリング装置の説明のために簡単に表したものであり、実際の環境放射線モニタリング装置の構成は、オプション装置が備わっていたり、一部が存在しなかったり、一部または全部が一体と成っている。
検出器1は、放射線の入射に対しセンサーが発光して、放射線の入射に対し、電気的パルスを出力する。検出器ケーブル2は、検出器1が出力した電気的パルスを信号処理ユニット3に伝送する。信号処理ユニット3は、検出器1により検出する放射線の計数または一定時間毎の計数割合である計数率、放射線のエネルギー付与や影響度の規模を表す線量または一定時間毎の線量割合である線量率を算出する目的で設置される。表示部9は、逆問題演算部が抽出した放射線のエネルギースペクトルと、線量率演算部で算出された線量または線量率を表示する。
アナログ回路4は、検出器1が出力した電気的パルスに、増幅と整形を行う。波高分析部5は、アナログ回路4から出力されたパルスの波高を計測して、その波高に応じたスペクトルとして出力する。記録媒体6は、信号処理ユニット3で算出した結果を蓄積する媒体である。線量率演算部7は、波高分析部5から出力されたスペクトルを計数して計数および計数率並びに換算係数を用いて線量および線量率を演算する。逆問題演算部8は、本発明に係り、新たに設置している。逆問題演算部8の出力データも記録媒体6に出力される。
実施の形態3に係わる環境放射線モニタリング装置の特徴について、図9〜図11を用いて説明する。図9は、例えば2種類の放射性物質が存在する場合に波高分析部5が出力する波高スペクトル11を模式的に描いた図である。ここでは、波高スペクトルに、監視が必要な放射線核種A(E1)と、監視が不要な放射線核種B(E2)が含まれている場合を想定している。
図10は、図9に示す波高スペクトルを逆問題演算部8にてエネルギースペクトル12に変換したものを示している。エネルギースペクトル12のうち、放射線核種Aのスペクトル成分12aが監視対象である。エネルギースペクトル12のうち、放射線核種Bのスペクトル成分12bは、監視不要である。エネルギースペクトル12からスペクトル成分12bを消去して、前述の数式1によりエネルギースペクトル12から波高スペクトルを演算すると、放射線核種Bが出現する事象が起こらない場合の波高スペクトルを得ることができる。
環境放射線モニタリングでは、自然現象、人工核種の所持人の接近等により原子力施設の連続監視を行なううえで、ふさわしくないデータを残すことが生じる。監視全期間について同一の条件で観測する目的でモニタリングを行う場合等には、当該期間のデータを無効にするなどの対応を取る必要が生じている。本実施の形態の方法により、常時同一条件での観測データ記録を残すことが可能となる。
上記は不要なデータを削除する場合について述べたが、エネルギースペクトル12のスペクトル成分12bを削除する必要は必ずしもない。個別に数式1を用いて演算することが可能である。図11に示すように、個別の波高スペクトル11a、11bを得ることにより、従来技術でも得られる普段の波高スペクトル11の由来が明確になる効果を得る。ここで、波高スペクトル11aは、放射線核種Aのスペクトル成分12aに由来する。ま
た、波高スペクトル11bは、放射線核種Bのスペクトル成分12bに由来する。
本実施の形態に係わる環境放射線モニタリング装置は、監視には不要な放射性物質から放出される放射線に起因する線量または線量率の上昇を除去するため、逆問題演算部で算出する被測定放射線のエネルギースペクトルのうち、観測に不要な放射性物質の該スペクトル部分を削除したうえで逆問題演算部の逆演算を実行することにより、観測に不要な放射性物質の影響を含まないパルス波高分布を取得することで、天候状況等に左右されない条件にて連続的なパルス波高分布を提供することを特徴とする。
上記した環境放射線モニタリング装置によれば、波高分析部を備える環境放射線モニタリング装置にさらに逆問題演算部を追加することにより、エネルギースペクトルを得ることができ、存在する放射性物質の種類を詳しく判明させ、気象条件の変化等により増加する管理に不要な放射性物質を選別して、エネルギースペクトルから該不要物質を削除して、逆問題演算のさらに逆の演算(元に戻す演算)を行って波高スペクトルに戻すことにより、常に気象条件等の外部要因が一定である波高スペクトルを作成することができる。
実施の形態4.
実施の形態4に係わる環境放射線モニタリング装置について、図を、適宜、参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る環境放射線モニタリング装置100は、検出器1、検出器ケーブル2、信号処理ユニット3、表示部9などから構成されている(図3および図5を参照のこと)。検出器1と信号処理ユニット3は、検出器ケーブル2で接続されている。信号処理ユニット3は、アナログ回路4、波高分析部5、記録媒体6、線量率演算部7、逆問題演算部8などから構成されている。なお、同図は環境放射線モニタリング装置の説明のために簡単に表したものであり、実際の環境放射線モニタリング装置の構成は、オプション装置が備わっていたり、一部が存在しなかったり、一部または全部が一体と成っている。
検出器1は、放射線の入射に対しセンサーが発光して、放射線の入射に対し、電気的パルスを出力する。検出器ケーブル2は、検出器1が出力した電気的パルスを信号処理ユニット3に伝送する。信号処理ユニット3は、検出器1により検出する放射線の計数または一定時間毎の計数割合である計数率、放射線のエネルギー付与や影響度の規模を表す線量または一定時間毎の線量割合である線量率を算出する目的で設置される。表示部9は、逆問題演算部が抽出した放射線のエネルギースペクトルと、線量率演算部で算出された線量または線量率を表示する。
アナログ回路4は、検出器1が出力した電気的パルスに、増幅、整形を行う。波高分析部5は、アナログ回路4から出力されたパルスの波高を計測して、その波高に応じたスペクトルとして出力する。記録媒体6は、信号処理ユニット3で算出した結果を蓄積する媒体である。線量率演算部7は、波高分析部5から出力されたスペクトルを計数して計数および計数率並びに換算係数を用いて線量および線量率を演算する。逆問題演算部8は、本発明に係り、新たに設置している。逆問題演算部8の出力データも記録媒体6に出力される。
実施の形態4の特徴に関して、図12を用いて説明する。同図は、波高分析部5のマルチチャンネルアナライザーが2つで構成された例を示している。アナログ回路4が出力したパルス波形は、波高弁別器51に入力される。マルチチャンネルアナライザーA(第1のマルチチャンネルアナライザー)およびマルチチャンネルアナライザーB(第2のマルチチャンネルアナライザー)には、同じチャンネル数を割り当てる。例えば、アナログ回路4が出力する電気パルス信号が10ボルトを最大とする場合、半分の5ボルト以下のパルス波高を持つパルスをマルチチャンネルアナライザーA52に入力する。5ボルト以上
のパルス波高をもつパルスは、マルチチャンネルアナライザーB53に入力する。
それぞれのマルチチャンネルアナライザーAおよびマルチチャンネルアナライザーBから出力される波高スペクトルは、逆問題演算部8に入力される。マルチチャンネルアナライザーAおよびマルチチャンネルアナライザーBの各々は、実施の形態1から実施の形態3までの波高分析部5と同一のチャンネル数であるとする。比較のため、マルチチャンネルアナライザーが一つの場合を説明する。図13は、実施の形態1から実施の形態3までの波高分析部5の波高弁別段数(チャンネル数)を示している。
これに対し、本実施の形態による波高分析部5は、マルチチャンネルアナライザーを2つ用いることにより、図14に示すように波高弁別段数(チャンネル数)が2倍になる。このようにして波高分析機能で実現する分解能は2倍となる。エネルギー間隔を2分の1にできるので、より細かい波高分析を実現できる。さらに逆問題演算部8により、より細かいエネルギースペクトルを得ることができるので、放射性物質の弁別能力が向上する。
前記は、波高分析部5のマルチチャンネルアナライザーが2つの場合について述べたが、マルチチャンネルアナライザーは3つ以上であってもよい。より多くのチャンネル数を保有することができるので、より分解能に優れた波高分析部5および逆問題演算部8をもつ環境放射線モニタリング装置を得ることができる。たとえば、3つのマルチチャンネルアナライザーを設置した環境放射線モニタリング装置を得ることができる。ここでのアナログ回路4の仕様は、パルス波高が10ボルトを最大とする。この仕様の場合、前段の波高弁別器は3.3ボルト以下、3.3ボルトを越え6.6ボルト以下、6.6ボルトを越え10ボルト以下の3段に弁別することになる。
本実施の形態に係わる環境放射線モニタリング装置は、波高分析部に適用する波高分析機能として採用するマルチチャンネルアナライザーを2つまたは3つ以上を備えて、波高分析を実施するチャンネル数を増やして、逆問題演算により放射性物質を高分解能で調査できることを特徴とする。
上記した環境放射線モニタリング装置によれば、波高分析部を備える環境放射線モニタリング装置において、複数の波高分析部を備えることにより、波高分析部の個数がN個とすると、エネルギー弁別段数がN倍になるため、分析する波高が同じとすると、分解能は1/Nとなるので、高分解能で放射性物質の詳細な分析を可能とする効果を得る。
実施の形態5.
実施の形態5に係わる環境放射線モニタリング装置について、図を、適宜、参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る環境放射線モニタリング装置100は、検出器1、検出器ケーブル2、信号処理ユニット3、表示部9などから構成されている(図3および図5を参照のこと)。検出器1と信号処理ユニット3は、検出器ケーブル2で接続されている。信号処理ユニット3は、アナログ回路4、波高分析部5、記録媒体6、線量率演算部7、逆問題演算部8などから構成されている。なお、同図は環境放射線モニタリング装置の説明のために簡単に表したものであり、実際の環境放射線モニタリング装置の構成は、オプション装置が備わっていたり、一部が存在しなかったり、一部または全部が一体と成っている。
検出器1は、放射線の入射に対しセンサーが発光して、放射線の入射に対し、電気的パルスを出力する。検出器ケーブル2は、検出器1が出力した電気的パルスを信号処理ユニット3に伝送する。信号処理ユニット3は、検出器1により検出する放射線の計数または一定時間毎の計数割合である計数率、放射線のエネルギー付与や影響度の規模を表す線量または一定時間毎の線量割合である線量率を算出する目的で設置される。表示部9は、逆問題演算部が抽出した放射線のエネルギースペクトルと、線量率演算部で算出された線量または線量率を表示する。
アナログ回路4は、検出器1が出力した電気的パルスに、増幅、整形を行う。波高分析部5は、アナログ回路4から出力されたパルスの波高を計測して、その波高に応じたスペクトルとして出力する。記録媒体6は、信号処理ユニット3で算出した結果を蓄積する媒体である。線量率演算部7は、波高分析部5から出力されたスペクトルを計数して計数および計数率並びに換算係数を用いて線量および線量率を演算する。逆問題演算部8は、本発明に係り、新たに設置している。逆問題演算部8の出力データも記録媒体6に出力される。
実施の形態4では、マルチチャンネルアナライザーAおよびマルチチャンネルアナライザーBが同じチャンネル数である場合について説明した。このことにより、放射性物質の分解能が2倍となり、放射性物質の弁別能力が向上する効果があると述べた。マルチチャンネルアナライザーAおよびマルチチャンネルアナライザーBのチャンネル数は異なっていてもよい。実施の形態5では、分解能が向上する効果を得ながら、特定のエネルギーバンドについてのみ分解能を向上させることができる効果を得る。
図15は、実施の形態5を説明する波高スペクトルの概念図である。同図によれば、エネルギーE1にピークを持つ放射線を放出する放射性物質を監視したい場合に、エネルギーE1を含む監視対象のエネルギーバンドに係る波高帯について、チャンネル数の多いマルチチャンネルアナライザーAを当てている。特に注目しない、監視重要度の低い、エネルギーバンドについては、比較的チャンネル数の少ないマルチチャンネルアナライザーBを当てている。
図16は、実施の形態5を説明するエネルギースペクトルの概念図である。同図は、前図の波高スペクトルに対応する逆問題演算部8の出力であるエネルギースペクトルを示している。監視対象のエネルギーバンドに存在するE1のスペクトル成分12aは、エネルギーを特定しやすく現れている。注目しないエネルギーバンドに存在するE2のスペクトル成分12bは、エネルギー幅が広く、エネルギーを特定しにくいものとなっている。
このようにして、特定の放射性物質が放出する放射線のエネルギーに対応するエネルギーバンドが高分解能である波高分析部5を備える環境放射線モニタリング装置を得ることができる。なお、チャンネル数の総合計はできるだけ少ないほうが望ましい。波高分析部5の分析速度、特に逆問題演算部8の演算速度には能力の限界があるので、タイムリーな分析、演算を実現するために配慮するべき事項である。このことからも、限られたチャンネル総数の中で、特定のエネルギーバンドに対して、多くのチャンネルを当てる手段はより詳細な放射性物質の監視を実現するには有効となる。
なお、実施の形態4および実施の形態5では、波高弁別器51で行なう弁別をマルチチャンネルアナライザーの導入数に均等に弁別する場合について述べたが、波高を均一に分解する必要はない。例えば、実施の形態4と同様に同一のチャンネル数を備えるマルチチャンネルアナライザーであっても、波高弁別器51を任意の閾値に設定しても差し支えない。この手法を適用すれば、同一のチャンネル数を備えるマルチチャンネルアナライザーを用いても特定のエネルギーバンドを高分解能にすることができ、実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
本実施の形態に係わる環境放射線モニタリング装置は、波高分析部に適用する波高弁別機能として採用するマルチチャンネルアナライザーとして異なるチャンネル数を備えるマルチチャンネルアナライザーを2つ以上備えて、エネルギーバンドの監視重要度に応じて
各マルチチャンネルアナライザーを適合させることにより、監視重要度の高い特定のエネルギーバンドのみにチャンネル数を多くして該エネルギーバンドを高分解能にすることを特徴とする。
上記した環境放射線モニタリング装置によれば、波高分析部を備える環境放射線モニタリング装置において、複数のチャンネル数の異なる波高分析部を備えることにより、監視対象の放射性物質が存在するエネルギーバンドにチャンネル数の多い波高分析部を割り当てることにより、特定のエネルギーバンドを高分解能にすることができる効果を得る。
実施の形態6.
実施の形態6に係わる環境放射線モニタリング装置について、図を、適宜、参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る環境放射線モニタリング装置100は、検出器1、検出器ケーブル2、信号処理ユニット3、表示部9などから構成されている(図3および図5を参照のこと)。検出器1と信号処理ユニット3は、検出器ケーブル2で接続されている。信号処理ユニット3は、アナログ回路4、波高分析部5、記録媒体6、線量率演算部7、逆問題演算部8などから構成されている。なお、同図は環境放射線モニタリング装置の説明のために簡単に表したものであり、実際の環境放射線モニタリング装置の構成は、オプション装置が備わっていたり、一部が存在しなかったり、一部または全部が一体と成っている。
検出器1は、放射線の入射に対しセンサーが発光して、放射線の入射に対し、電気的パルスを出力する。検出器ケーブル2は、検出器1が出力した電気的パルスを信号処理ユニット3に伝送する。信号処理ユニット3は、検出器1により検出する放射線の計数または一定時間毎の計数割合である計数率、放射線のエネルギー付与や影響度の規模を表す線量または一定時間毎の線量割合である線量率を算出する目的で設置される。表示部9は、逆問題演算部が抽出した放射線のエネルギースペクトルと、線量率演算部で算出された線量または線量率を表示する。
アナログ回路4は、検出器1が出力した電気的パルスに、増幅、整形を行う。波高分析部5は、アナログ回路4から出力されたパルスの波高を計測して、その波高に応じたスペクトルとして出力する。記録媒体6は、信号処理ユニット3で算出した結果を蓄積する媒体である。線量率演算部7は、波高分析部5から出力されたスペクトルを計数して計数および計数率並びに換算係数を用いて線量および線量率を演算する。逆問題演算部8は、本発明に係り、新たに設置している。逆問題演算部8の出力データも記録媒体6に出力される。
実施の形態6の特徴を図17から図21を用いて説明する。実施の形態4および5では、波高分析部5としてマルチチャンネルアナライザーを複数設置する場合について述べた。高分解能を実現しつつも、逆問題演算部8の演算速度の向上のため、監視目的において不要な分解能を削減することも可能である。本実施の形態では、逆問題演算部8の演算対象である波高分析部5のチャンネル数を部分的に削減する。
実施の形態6では、監視したいエネルギーバンドにチャンネル数を増やして、該バンド以外のチャンネル数を相対的に削減して総チャンネル数を変えない方法を提供する。本実施の形態に係わる逆問題演算部8には、実施の形態6を説明するために、新たに機能を追加している。総チャンネル数を変えないため、波高分析部5のチャンネル数を増加させても演算処理速度は低下させない。
図17は、本実施の形態に係わる逆問題演算部8の機能を示すブロック図である。本実施の形態に係わる逆問題演算部8は、逆問題演算機能81と、核種定量演算機能82と、
核種分析データベース83と、指定チャンネル計数合算機能84とを備えている。逆問題演算機能81は、既述の逆問題演算部8の主機能である。
指定チャンネル計数合算機能84は、波高分析部5の出力である波高スペクトルのチャンネルのうち、相対的にチャンネル数を削減するエネルギーバンドに対してのみ削減加工する。指定チャンネル計数合算機能84を通過すると、指定されたエネルギーバンドについてのみ、隣り合ったチャンネルの計数を合算して、分解能を低くする。
指定チャンネル計数合算機能84が指定するチャンネルは、計数を合算するエネルギーバンドを指定するが、ソフトウェア設定等により予め手動にて設定することができる。または、指定チャンネル計数合算機能84に入力される波高スペクトルのうち、放射線検出が顕著なエネルギーバンドを自動で検知して、自動でチャンネル指定を行なうこともできる。
さらに、監視したいエネルギーバンドをおよそ200keVから600keVの範囲とする。前記のように指定チャンネル計数合算機能84により監視する必要のないエネルギー範囲の分解能を相対的に低くする方法を用いることにより、原子力施設等の異常を検知する目的で放射性ヨウ素を監視することができる。同目的で設置されるヨウ素モニタ等のようにプルームモニタとして、当環境放射線モニタリング装置を適用することが可能となる。これにより、プルームモニタを新たに設置する等のコストを削減することができる。あるいは、環境放射線モニタリング装置をプルーム監視目的で使用する効果を得ることができる。
核種分析データベース83は、放射性核種が放出する放射線のエネルギー、放出割合を含むデータを格納している。核種定量演算機能82は、核種分析データベース83に格納された放射性核種に固有のデータを呼び出し、逆問題演算機能81から出力されたエネルギースペクトル12を基に放射性核種の同定を行う。放射性核種の同定は、抽出されたエネルギースペクトル12における、核種分析データベース83から呼び出したデータに対応するエネルギー領域の計数値を算出することにより行う。
図18は、波高分析部5の出力である波高スペクトルに2種類の放射性物質が存在し、この2種類のエネルギーが近接する例について描出している。マルチチャンネルアナライザーが通常の分解能であると、エネルギーE1では、図19に示すように逆問題演算部8により、1つの放射性物質の存在として演算される。実施の形態4または実施の形態5に示すように、マルチチャンネルアナライザーを増設するか、あるいはチャンネル数の多いマルチチャンネルアナライザーを波高分析部5として採用することも可能であるが、チャンネル数を増やすと逆問題演算部8の演算処理速度は低下する。
本実施の形態に係わる環境放射線モニタリング装置では、指定チャンネル計数合算機能84で、エネルギーバンドを指定している。指定されたエネルギーバンドの逆問題演算機能81で、演算させるチャンネル数を削減する例について描出している。このようにして、逆問題演算機能81に入力するチャンネル数を演算の手前で削減しておいて、逆問題演算部8の演算速度が低下するのを防ぐ。この結果、波高スペクトルに対する分解能は図20に示すようになる。
結果的に監視したいエネルギーバンドの分解能は図21に示すように確保できる。このように、波高分析部5のチャンネル数を増加させても、逆問題演算部8の演算速度を低下させずに、リアルタイムで放射性物質の監視を維持できる環境放射線モニタリング装置を得る。すなわち、第1のマルチチャンネルアナライザーまたは第2のマルチチャンネルアナライザーでは、重要度がより高い放射線核種(監視したい放射性物質)を含むエネルギ
ーバンドに、重要度が低い放射線核種(監視の不要な放射性物質)を含むエネルギーバンドよりもエネルギー弁別段数が多く設定されている。
環境放射線モニタリング装置の監視する原子力関連施設に由来する放射性物質から放出される放射線は、比較的低エネルギーに分布する。天然由来の不要な放射性物質から放出される放射線は、比較的高エネルギーに分布するので、監視したい放射性物質または不要な放射性物質が存在するエネルギーバンドは予め決まっている場合が多い。本願に係わる環境放射線モニタリング装置は、特定のエネルギー範囲を手動、または自動で設定して、該エネルギー範囲に適用する逆問題演算のエネルギー弁別段数を多くして該エネルギー範囲にある放射性物質を詳細に調査することを特徴としている。
上記した環境放射線モニタリング装置によれば、波高分析部を備える環境放射線モニタリング装置にさらに逆問題演算部を追加することにより、エネルギースペクトルを得ることができる。手動または自動により決められた単一または複数のエネルギーバンドについて、エネルギーバンド毎に逆問題演算の対象とするチャンネル数を設定して逆問題演算を実施することにより、監視したい放射性物質の管理を詳細に行うことが可能となる。または、不要な放射性物質に掛かるエネルギーバンドの分解能を低くするので、演算時間の短縮に繋がる。
また、本願に係わる環境放射線モニタリング装置の逆問題演算部は、200keVから600keVの範囲に、最も多いエネルギー弁別段数が設定されている。特定のエネルギー範囲を200keVから600keVの範囲として、放射性ヨウ素を検出して原子力施設等の異常を検知するプルーム検知手段として使用できることを特徴としている。
上記した環境放射線モニタリング装置によれば、エネルギーバンドを400keV付近のエネルギーを含む200keVから600keVの範囲とすることにより、とりわけ原子力発電所の異常を監視する目的で設置されるプルーム検知モニタまたは放射性ヨウ素検知モニタとして利用することにより、放射性ヨウ素サンプリング式モニタの代替機器として取り扱うことでヨウ素モニタ導入コストを削減できる効果を得る。
以上の説明では、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、種々の処理変更を行うことが可能である。
1 検出器(検出部)、2 検出器ケーブル、3 信号処理ユニット、4 アナログ回路、5 波高分析部、6 記録媒体、7 線量率演算部、8 逆問題演算部、9 表示部、11 波高スペクトル、11a 波高スペクトル、11b 波高スペクトル、12 エネルギースペクトル、12a スペクトル成分、12b スペクトル成分、51 波高弁別器、81 逆問題演算機能、82 核種定量演算機能、83 核種分析データベース、84 指定チャンネル計数合算機能、100 環境放射線モニタリング装置、101 局舎、102 放射線計測盤、103 テレメータ、52 マルチチャンネルアナライザーA、53 マルチチャンネルアナライザーB

Claims (9)

  1. 放射線が入射すると電気パルス信号を出力する検出器と、
    前記検出器から出力された電気パルス信号を増幅するアナログ回路と、
    前記アナログ回路で増幅された電気パルス信号から波高を読み取って波高スペクトルを抽出する波高分析部と、
    前記アナログ回路で増幅された電気パルス信号または前記波高分析部で抽出された波高スペクトルを基に、前記検出器に入射した放射線の線量または線量率を算出する線量率演算部と、
    前記波高分析部で抽出された波高スペクトルに対して逆問題演算を実施し、前記検出器に入射した放射線のエネルギースペクトルを抽出する逆問題演算部とを、備えていて、
    前記逆問題演算部は、
    放射性核種のエネルギーとその放出割合を記憶している核種分析データベースを保持しており、この核種分析データベースを利用して、前記検出器に入射した放射線核種の特定を行い、
    前記逆問題演算部は、
    前記検出器に入射した放射線核種を特定すると、
    監視が不要な放射線核種のエネルギースペクトル成分を、抽出したエネルギースペクトルから削除し、
    この削除されたエネルギースペクトルに対して逆問題演算の逆演算を実施して、監視の不要な放射線核種が削除された波高スペクトルを取得することを特徴とする環境放射線モニタリング装置。
  2. 前記線量率演算部で算出された線量または線量率、前記波高分析部で抽出された波高スペクトル、および前記逆問題演算部で抽出されたエネルギースペクトルを格納する記憶媒体を、さらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の環境放射線モニタリング装置。
  3. 前記逆問題演算部で抽出された放射線のエネルギースペクトルと、前記線量率演算部で算出された線量または線量率を同時に表示する表示部とを、さらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の環境放射線モニタリング装置。
  4. 前記逆問題演算部は、
    抽出したエネルギースペクトルに対して、逆問題演算の逆演算を実施することにより、波高スペクトルを取得することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の環境放射線モニタリング装置。
  5. 前記波高分析部は、
    第1のマルチチャンネルアナライザーと第2のマルチチャンネルアナライザーを有していることを特徴とする請求項1に記載の環境放射線モニタリング装置。
  6. 前記第1のマルチチャンネルアナライザーと前記第2のマルチチャンネルアナライザーは、同じチャンネル数が設定されていることを特徴とする請求項5に記載の環境放射線モニタリング装置。
  7. 前記第1のマルチチャンネルアナライザーと前記第2のマルチチャンネルアナライザーは、監視の重要度に応じて異なるチャンネル数が設定されていることを特徴とする請求項5に記載の環境放射線モニタリング装置。
  8. 前記第1のマルチチャンネルアナライザーまたは前記第2のマルチチャンネルアナライザーでは、重要度がより高い放射線核種を含むエネルギーバンドに、重要度が低い放射線核種を含むエネルギーバンドよりもエネルギー弁別段数が多く設定されていることを特徴とする請求項5に記載の環境放射線モニタリング装置。
  9. 前記逆問題演算部は、200keVから600keVの範囲に、最も多いエネルギー弁別段数が設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の環境放射線モニタリング装置。
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