JP6838214B2 - Electric booster - Google Patents
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- B60T13/00—Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator with power assistance or drive; Brake systems incorporating such transmitting means, e.g. air-pressure brake systems
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Description
本発明は、自動車等の車両のブレーキ装置に組み込まれ、電動モータを利用して、マスタシリンダにブレーキ液圧を発生させる電動倍力装置に関するものである。
The present invention relates to an electric booster that is incorporated in a brake device of a vehicle such as an automobile and uses an electric motor to generate a brake hydraulic pressure in a master cylinder.
従来の電動倍力装置として、例えば、特許文献1に記載されている電動倍力装置は、ブレーキペダルの操作に伴って移動する入力部材と、該入力部材に連結され、その先端部分がマスタシリンダのブレーキ液室内に配置される入力ピストンと、電動モータからの回転が伝達されて、マスタシリンダのピストンを押圧するボールネジ機構と、を備えて構成されている。そして、当該電動倍力装置では、入力部材の軸線と、ボールネジ機構の軸線とが同軸上に配置され、また、入力部材の軸方向と、電動モータの出力軸の軸方向とが平行に配置されている。
As a conventional electric booster, for example, the electric booster described in
また、特許文献2に記載されているブレーキ制御装置は、ブレーキペダルに接続された入力部材と、該入力部材と連結され、マスタシリンダに接続される出力部材と、電動モータの駆動力を出力部材に伝達する、ウォームギヤ機構及びボールネジ機構と、を備えて構成されている。そして、当該ブレーキ制御装置では、入力部材の軸線と、出力部材の軸線とが同軸上に配置され、また、電動モータの出力軸の軸方向と、出力部材の軸方向とが直交して配置されている。しかも、当該ブレーキ制御装置では、電動モータが、リザーバの位置に対して、マスタシリンダの周方向において90°相違した位置に配置されている。
Further, the brake control device described in
しかしながら、上述した特許文献1及び2に係る電動倍力装置(ブレーキ制御装置)では、電動倍力装置がマスタシリンダの軸方向及び径方向に沿って大型化して、車両への搭載性が低下する虞がある。さらに、上述した電動倍力装置では、ボールネジ機構の、詳しくはネジ軸内に入力部材を挿通するための貫通孔を設けるために、その貫通孔の加工コストが高く、またネジ軸の外径をサイズアップさせる必要もあり、大型化が避けられない。
However, in the electric booster (brake control device) according to
さらに、特許文献3に記載されている電動倍力装置では、遊星歯車機構のサンギヤにブレーキペダルを連結し、遊星歯車機構のリングギヤに電動モータを連結する。また、プラネタリキャリアに出力ロッドを連結し、出力ロッドをマスタシリンダのピストンに連結する。そして、ブレーキペダルを操作してサンギヤを回転させると、プラネタリピニオンが自転及び公転し、プラネタリキャリアが回転して出力ロッドを前進させ、ピストンを押圧してマスタシリンダに液圧を発生させており、サンギヤの回転に応じて電動モータを制御してリングギヤを回転させ、サンギヤに追従させることにより、プラネタリキャリアの回転に電動モータの回転サーボ力を付与する。
Further, in the electric booster described in
しかしながら、上述した特許文献3に係る電動倍力装置では、電動モータやコントローラ等の失陥時に、出力ロッドに対して必要なストロークを確保することができず、必要なブレーキ液圧を確保できない虞がある。
However, in the electric booster according to
上述したように、特許文献1〜3に係る電動倍力装置では、車両への搭載性や製造に係る問題が発生する虞がある。
As described above, in the electric booster according to
そして、本発明は、製造を容易にして、車両への搭載性を向上させる電動倍力装置を提供することを課題としてなされたものである。 An object of the present invention is to provide an electric booster that facilitates manufacturing and improves mountability on a vehicle.
上記課題を解決するために、本発明の第1の電動倍力装置は、入力軸部材の作動に応じて回転する入力部材と、該入力部材の回転に応じて駆動される電動モータと、前記入力部材の回転と前記電動モータからの回転とが、前記電動モータの回転方向または前記入力部材の回転方向に対向して配置される1つの受け部に伝達されて回転する出力部材と、該出力部材の回転が伝達されて、マスタシリンダのピストンを移動させる出力軸部材と、を備えることを特徴とするものである。 In order to solve the above problems, the first electric booster of the present invention includes an input member that rotates according to the operation of the input shaft member, an electric motor that is driven according to the rotation of the input member, and the above. An output member that rotates by transmitting the rotation of the input member and the rotation from the electric motor to one receiving portion arranged so as to face the rotation direction of the electric motor or the rotation direction of the input member, and the output. It is characterized by including an output shaft member for which the rotation of the member is transmitted to move the piston of the master cylinder.
また、本発明の第2の電動倍力装置は、入力軸部材の作動に応じて回転する入力部材と、該入力部材の回転に応じて駆動される電動モータと、該電動モータの回転が伝達されるアシスト部材と、前記入力部材の回転と前記アシスト部材の回転とを、前記アシスト部材の回転方向または前記入力部材の回転方向において面で受けて回転する出力部材と、該出力部材の回転が伝達されて、マスタシリンダのピストンを移動させる出力軸部材と、を備え、
前記アシスト部材は、前記入力部材の回転のみで前記出力部材が回転するときは、回転方向において前記入力部材及び出力部材から離れることを特徴とするものである。Further, in the second electric booster of the present invention, an input member that rotates according to the operation of the input shaft member, an electric motor that is driven according to the rotation of the input member, and the rotation of the electric motor are transmitted. The assist member, the output member that rotates by receiving the rotation of the input member and the rotation of the assist member on a surface in the rotation direction of the assist member or the rotation direction of the input member, and the rotation of the output member The output shaft member, which is transmitted and moves the piston of the master cylinder, is provided.
The assist member is characterized in that when the output member is rotated only by the rotation of the input member, the assist member is separated from the input member and the output member in the rotation direction.
さらに、本発明の第3の電動倍力装置は、入力軸部材の直動に伴って回転する入力部材と、前記入力軸部材の直動に応じて駆動される電動モータと、該電動モータの回転軸に連結されて、前記電動モータの駆動により前記電動モータ及び前記入力部材と同方向に回転するアシスト部材と、前記入力部材の回転及び前記アシスト部材の回転が共に伝達され、前記入力部材及び前記アシスト部材と同方向に回転する出力部材と、該出力部材の回転に伴って直動して、マスタシリンダのピストンを移動させる出力軸部材と、を備えることを特徴とするものである。 Further, the third electric booster of the present invention includes an input member that rotates with the linear motion of the input shaft member, an electric motor driven by the linear motion of the input shaft member, and the electric motor. An assist member connected to a rotating shaft and rotating in the same direction as the electric motor and the input member by driving the electric motor, and rotation of the input member and rotation of the assist member are both transmitted to the input member and the input member. It is characterized by including an output member that rotates in the same direction as the assist member, and an output shaft member that moves linearly with the rotation of the output member to move the piston of the master cylinder.
本発明に係る電動倍力装置では、製造を容易にして、車両への搭載性を向上させることができる。 The electric booster according to the present invention can be easily manufactured and can be mounted on a vehicle.
以下に、本実施形態に係る電動倍力装置1を、図1〜図6に基づいて詳しく説明する。図1に示すように、本実施形態に係る電動倍力装置1は、タンデム型のマスタシリンダ2を連結した構造を有している。以下の説明において、マスタシリンダ2側を前側として、ブレーキペダル40側を後側として説明する。なお、図3以外はブレーキペダル40の図示が省略されている。
Hereinafter, the
まず、マスタシリンダ2を図3に基づいて詳細に説明する。
マスタシリンダ2は、その後部が、本電動倍力装置1のギヤハウジング41の前壁部でその下部に設けられた第3開口部46に挿通されて連結される。当該マスタシリンダ2の上部には、マスタシリンダ2にブレーキ液を供給するリザーバ3が取り付けられている。マスタシリンダ2には、有底のシリンダボア4が形成されている。このシリンダボア4の開口部側にプライマリピストン7が配置される。プライマリピストン7の前部は、マスタシリンダ2のシリンダボア4内に配置される。プライマリピストン7の後部は、シリンダボア4からギヤハウジング41の第3開口部46を経由して該ギヤハウジング41内に延びている。First, the
The rear portion of the
プライマリピストン7の前部及び後部は、それぞれカップ状に形成され、全体として断面H字状に形成される。プライマリピストン7の軸方向略中央に設けられた中間壁10の後面に球状凹部11が形成される。該球状凹部11に、後述する電動倍力装置1の出力ロッド108の球状面110が当接される。シリンダボア4の底部側には、カップ状のセカンダリピストン8が配置されている。そして、マスタシリンダ2のシリンダボア4内には、プライマリピストン7とセカンダリピストン8との間にプライマリ室13が形成され、シリンダボア4の底部とセカンダリピストン8との間にセカンダリ室14が形成される。
The front portion and the rear portion of the primary piston 7 are each formed in a cup shape, and are formed in an H-shaped cross section as a whole. A
マスタシリンダ2のプライマリ室13及びセカンダリ室14は、それぞれ、マスタシリンダ2の2個の液圧ポート16、16(図1参照)から2系統のアクチュエーション管路(図示略)を介して液圧制御ユニット(図示略)に連通されている。該液圧制御ユニットは、4系統のファンデーション管路(図示略)を介して各車輪のホイールシリンダ(図示略)にそれぞれ連通されている。そして、マスタシリンダ2、または、液圧制御ユニットによって発生されるブレーキ液の液圧を各車輪のホイールシリンダに供給して制動力を発生させている。
The primary chamber 13 and the
マスタシリンダ2には、プライマリ室13及びセカンダリ室14をそれぞれリザーバ3に接続するためのリザーバポート18、19が設けられている。シリンダボア4の内周面には、シリンダボア4内をプライマリ室13及びセカンダリ室14に区画するために、プライマリピストン7及びセカンダリピストン8に当接する環状のピストンシール20、21、22、23が軸方向に沿って所定間隔を置いて配置されている。ピストンシール20、21は、軸方向に沿って一方のリザーバポート18(後側)を挟んで配置されている。プライマリピストン7が図3に示す非制動位置にあるとき、プライマリ室13は、プライマリピストン7の側壁に設けられたピストンポート25を介してリザーバポート18に連通する。そして、プライマリピストン7が非制動位置から前進してピストンポート25が一方のピストンシール21(前側)に達したとき、プライマリ室13がピストンシール21によってリザーバポート18から遮断されて液圧が発生する。
The
同様に、残りの2つのピストンシール22、23は、軸方向に沿って他方のリザーバポート19(前側)を挟んで配置されている。セカンダリピストン8が図3に示す非制動位置にあるとき、セカンダリ室14は、セカンダリピストン8の側壁に設けられたピストンポート26を介してリザーバポート19に連通している。そして、セカンダリピストン8が非制動位置から前進してピストンポート26が一方のピストンシール23(前側)に達したとき、セカンダリ室14がピストンシール23によってリザーバポート19から遮断されて液圧が発生する。
Similarly, the remaining two
プライマリピストン7とセカンダリピストン8との間には、圧縮コイルバネ28が介装されている。圧縮コイルバネ28により、プライマリピストン7とセカンダリピストン8とを互いに離間する方向に付勢する。圧縮コイルバネ28の内部には、一定範囲で伸縮自在の伸縮部材29が配置されている。該伸縮部材29は、プライマリピストン7の中間壁10に当接されるリテーナガイド30と、セカンダリピストン8に前端が当接され、該リテーナガイド30内を軸方向に移動可能なリテーナロッド31と、からなる。
A
シリンダボア4の底部とセカンダリピストン8との間には、圧縮コイルバネ71が介装されている。圧縮コイルバネ71により、シリンダボア4の底部とセカンダリピストン8とを互いに離間する方向に付勢する。圧縮コイルバネ71の内部にも、一定範囲で伸縮自在の伸縮部材72が配置されている。該伸縮部材72は、シリンダボア4の底部に前端が当接されるリテーナガイド73と、セカンダリピストン8に後端が当接され、該リテーナガイド73内を軸方向に移動可能なリテーナロッド74と、からなる。
A
次に、上述したマスタシリンダ2が連結される、本実施形態に係る電動倍力装置1を図1〜図6に基づいて詳細に説明する。
本実施形態に係る電動倍力装置1は、図3及び図4に示すように、ブレーキペダル40の操作に伴って軸方向に沿って移動する入力ロッド50と、該入力ロッド50に連結される入力ラック51と、該入力ラック51の直動に伴って回転する入力ピニオン55と、該入力ロッド50及び入力ラック51の直動に応じて駆動される電動モータ67と、入力ピニオン55の回転及び電動モータ67からの回転が伝達されて、同方向に回転する出力ピニオン83と、該出力ピニオン83の回転に伴って直動する出力ラック105と、該出力ラック105に連結され、マスタシリンダ2のプライマリピストン7を押圧する出力ロッド108と、入力ロッド50を含む入力ラック51、入力ピニオン55、出力ピニオン83及び出力ロッド108を含む出力ラック105等を収容するギヤハウジング41と、を備えている。Next, the
As shown in FIGS. 3 and 4, the
ギヤハウジング41内には、入力ピニオン55、入力ラック51、出力ピニオン83及び出力ラック105等の構成部材が収容されている。ギヤハウジング41の後面でその上部に後方に向かって円筒部42が一体的に突設されている。該円筒部42はギヤハウジング41内と連通している。ギヤハウジング41の上壁部には、その略全域に上下方向に貫通する略円形状の第1開口部43が形成される。該第1開口部43を通じて、電動モータ67からの回転軸69を含む入力ピニオン55及び出力ピニオン83等がギヤハウジング41内に収容される。ギヤハウジング41の上壁面でこの第1開口部43の周りに、電動モータ67を収容するモータハウジング71が連結される。ギヤハウジング41の前壁部でその上部には、前後方向に貫通する略円形状の第2開口部44(図5も参照)が形成される。該第2開口部44を通じて、入力ロッド50及び入力ラック51がギヤハウジング41内に収容される。カバー45により第2開口部44は閉塞される。
The
ギヤハウジング41の前壁部でその下部には、前後方向に貫通する第3開口部46が形成される。該第3開口部46を通じて、出力ロッド108及び出力ラック105がギヤハウジング41内に収容される。また、この第3開口部46を通じて、マスタシリンダ2のプライマリピストン7の後部がギヤハウジング41内に配置され、該第3開口部46にマスタシリンダ2の後部が挿入されてボルト固定される。ギヤハウジング41の内部でその底面には、後述する出力ピニオン83の出力ピニオン部85を、ニードルベアリング73Cを介して支持する支持ロッド48が上方に向かって突設されている。
A
図1及び図2も参照して、ギヤハウジング41の後面には、取付プレート112が複数の取付ボルト114(本実施形態では3本)により固定される。取付プレート112は略矩形状に形成される。取付プレート112には、その略中央部に略円形状の開口部113が貫通される。取付プレート112は、その開口部113にギヤハウジング41の円筒部42が挿通された状態で、ギヤハウジング41に固定される。取付プレート112の四隅には、複数のスタッドボルト115が貫通するように取り付けられている。そして、本電動倍力装置1は、ギヤハウジング41の円筒部42から延びる入力ロッド50を、車両のエンジンルームと車室との隔壁であるダッシュパネル(図示略)から車室内に突出させた状態で、エンジンルーム内に配置されて、複数のスタッドボルト115を用いてダッシュパネルに固定される。
With reference to FIGS. 1 and 2, a mounting
図3及び図4に示すように、入力ロッド50は、マスタシリンダ2の軸方向と同方向に延びる。入力ロッド50は、マスタシリンダ2とは別軸であって、マスタシリンダ2の上方に配置されている。入力ロッド50は、ギヤハウジング41の円筒部42内に挿通される。入力ロッド50は、ギヤハウジング41内に軸方向に沿って移動自在に支持される。入力ロッド50の後端部にはクレビス60が接続される。入力ロッド50は、クレビス60を介してブレーキペダル40に連結される。これにより、ブレーキペダル40が操作されることで、入力ロッド50は、軸方向に沿って直動するようになる。入力ロッド50には、該入力ロッド50を初期位置に向かって付勢する戻り圧縮コイルバネ(図示略)が連結されている。入力ロッド50の前端部がギヤハウジング41内に配置される。入力ロッド50の前端部には一体的に入力ラック51が連結される。
As shown in FIGS. 3 and 4, the
入力ラック51は、その後端部に入力ロッド50の前端部が一体的に連結された状態で、ギヤハウジング41の第2開口部44を通じて該ギヤハウジング41内に収容される。入力ラック51は、ギヤハウジング41内に入力ロッド50の軸方向に沿って移動自在に支持される。入力ラック51は、入力ロッド50の軸方向に沿って長いブロック状に形成される。入力ラック51は、入力ピニオン55側の一面が鉛直面に形成され、その反対側の他面が外方に突設される凸状彎曲面に形成される。図5も参照して、入力ラック51の一面に入力ピニオン55が噛み合うラックギヤ部52が入力ロッド50の軸方向に沿って形成される。入力ラック51を含む入力ロッド50が入力軸部材に相当する。入力ラック51の他面と対向するようにストロークセンサー54が配置されている。このストロークセンサー54により、入力ロッド50及び入力ラック51の移動距離を測定している。ストロークセンサー54はギヤハウジング41の壁部に取り付けられている。
The
入力ピニオン55は、入力ラック51のラックギヤ部52に噛み合っており、入力ロッド50及び入力ラック51の直動に伴って回転するものである。該入力ピニオン55が入力部材に相当する。入力ピニオン55は、ギヤハウジング41の第1開口部43を通じて、該ギヤハウジング41内に収容される。入力ピニオン55はギヤハウジング41内に回転自在に支持される。入力ピニオン55は円筒状に形成される。入力ピニオン55の軸方向と、入力ロッド50の軸方向とは直交している。入力ピニオン55は、入力ピニオン部57と、該入力ピニオン部57から下方に一体的に形成される入力結合部58と、を備えている。入力ピニオン部57が、入力ラック51のラックギヤ部52に噛み合っている。入力結合部58の外周面に相対回転不能に入力フランジ62が一体的に連結されている。
The
入力フランジ62は、入力ピニオン55の入力ピニオン部57よりも大径に形成される円環状の入力側フランジ部64と、該入力側フランジ部64の下端でその周方向の一部から下方に向かって垂設される入力側押圧部65と、を備えている。入力フランジ62は、その入力側フランジ部64の内周面が入力ピニオン55の入力結合部58の外周面に例えばスプライン結合されて、入力ピニオン55に対して相対回転不能に連結される。入力側フランジ部64の外径は、後述する出力ピニオン83の出力回転部84における外側円筒部88の内径に略一致する。
The
図6も参照して、入力側押圧部65は、所定厚みを有する円弧状に形成される。入力側押圧部65は、その外周面が入力側フランジ部64の外周面から連続する円弧状に形成されて、後述する出力ピニオン83の出力回転部84における外側円筒部88の内周面に当接するように形成される。入力側押圧部65は、その周方向の長さが、後述する出力ピニオン83の出力回転部84における受け部91と規制突起部92との間の周方向の距離よりも小さく形成される。入力側押圧部65は、その厚みが、後述する出力ピニオン83の出力回転部84における規制突起部92の突設量と略同じになるように形成される。入力側押圧部65の周方向両端面のうち、後述する出力ピニオン83の出力回転部84における受け部91側の端面が入力面66として作用する。
With reference to FIG. 6, the input
電動モータ67は、入力ロッド50及び入力ラック51の直動に伴って駆動されるものである。電動モータ67は、ギヤハウジング41の上方で、マスタシリンダ2の軸方向に沿って、リザーバ3と並んで配置されている。言い換えれば、電動モータ67は、リザーバ3の後方に位置している。電動モータ67は、天面部を有する円筒状のモータハウジング71内に収容されている。該モータハウジング71の下端面が、ギヤハウジング41の第1開口部43周りの上端面に連結される。電動モータ67の出力軸68には、ローラ減速機、いわゆる同軸減速機70が連結されている。該同軸減速機70から回転軸69が延設される。該回転軸69は、ギヤハウジング41の第1開口部43を通じて、該ギヤハウジング41内に配置される。回転軸69の軸方向は、マスタシリンダ2及び入力ロッド50の軸方向と直交している。回転軸69は、ギヤハウジング41内の入力ピニオン55内にニードルベアリング73Aを介して相対回転自在に挿通されている。回転軸69の外周面には、入力ピニオン55から下方の位置に相対回転不能にアシストフランジ75が連結されている。回転軸69の先端は、後述する出力ピニオン83の出力回転部84の内側円筒部87の内部にニードルベアリング73Bを介して相対回転自在に支持されている。
The
アシストフランジ75がアシスト部材に相当する。アシストフランジ75は、入力フランジ62の入力側フランジ部64よりも小径の円環状に形成されるアシスト側フランジ部78と、該アシスト側フランジ部78の下端でその周方向の一部から下方に向かって垂設されるアシスト側押圧部79と、を備えている。アシストフランジ75は、そのアシスト側フランジ部78の内周面が、回転軸69で入力ピニオン55から下方の外周面に例えばスプライン結合されて、回転軸69に対して相対回転不能に連結される。図6も参照して、アシスト側押圧部79は、所定厚みを有する円弧状に形成される。
The
アシスト側押圧部79は、その外周面がアシスト側フランジ部78の外周面から連続する円弧状に形成されて、入力フランジ62の入力側押圧部65の内周面に当接するように形成される。アシスト側押圧部79の内周面は、後述する出力ピニオン83の出力回転部84における内側円筒部87の外周面に当接する円弧状に形成される。アシスト側押圧部79は、その周方向両端面が入力フランジ62の入力側押圧部65の周方向両端面に一致する周方向長さに形成される。アシスト側押圧部79は、その厚みが、後述する出力ピニオン83の出力回転部84における、規制突起部92と内側円筒部87の外周面との間を通過できるように形成される。アシスト側押圧部79の周方向両端面のうち、後述する出力ピニオン83の出力回転部84における受け部91側の端面がアシスト面81として作用する。アシストフランジ75のアシスト側押圧部79のアシスト面81における面積は、入力フランジ62の入力側押圧部65の入力面66における面積よりも大きく設定される。
The assist
ギヤハウジング41内には、入力ピニオン55からの回転及び電動モータ67からの回転が伝達されて回転する出力ピニオン83が収容されている。該出力ピニオン83が出力部材に相当する。出力ピニオン83は、ギヤハウジング41の第2開口部44を通じて、該ギヤハウジング41内に配置される。出力ピニオン83は、ギヤハウジング41内に回転自在に支持される。出力ピニオン83は、ギヤハウジング41にボールベアリング86を介して回転自在に支持される有底複筒状の出力回転部84と、該出力回転部84の底面に一体的に同心状に連結される円筒状の出力ピニオン部85と、を備えている。
The
出力回転部84は出力ピニオン部85よりも大径に形成される。図6も参照して、出力回転部84は、内側円筒部87と、該内側円筒部87の外方に間隔を置いて同心状に配置される外側円筒部88と、内側円筒部87及び外側円筒部88の下端開口を塞ぐ円板状底部89と、を備えている。内側円筒部87と外側円筒部88との間に環状空間90が形成される。当該環状空間90を2つの室に区画する受け部91が、内側円筒部87と外側円筒部88との間に架設される。受け部91から図6において時計周り方向に所定範囲に離れた位置に規制突起部92が形成される。該規制突起部92は、外側円筒部88の内壁面から環状空間90に向かって突設される。受け部91において、規制突起部92側の面が受け面93として作用する。
The
出力回転部84において、規制突起部92の径方向に沿う先端部と、内側円筒部87の外周面との間には、アシストフランジ75のアシスト側押圧部79が通過できる程度の隙間が設けられている。出力ピニオン83の出力回転部84における、受け部91と規制突起部92との間に、入力フランジ62の入力側押圧部65とアシストフランジ75のアシスト側押圧部79とが径方向にて接触しつつ配置されている。入力フランジ62の入力側押圧部65が出力回転部84の外側円筒部88側に配置され、アシストフランジ75のアシスト側押圧部79が出力回転部84の内側円筒部87側に配置される。これら入力側押圧部65及びアシスト側押圧部79と、出力回転部84の受け部91との間にリアクションプレート98が配置される。詳しくは、出力回転部84における受け部91の受け面93略全域にリアクションプレート98が当接されるように配置される。
In the
このリアクションプレート98の規制突起部92側の面略全域に、入力フランジ62の入力側押圧部65の入力面66と、アシストフランジ75のアシスト側押圧部79のアシスト面81とがそれぞれ当接される。リアクションプレート98は、ゴム等の弾性体で構成される。当該リアクションプレート98は略矩形板状に形成される。リアクションプレート98は、内側円筒部87から外側円筒部88に向かってその厚みが次第に厚く形成される。なお、アシストフランジ75のアシスト側押圧部79のアシスト面81がリアクションプレート98に当接する面積は、入力フランジ62の入力側押圧部65の入力面66がリアクションプレート98に当接する面積よりも大きくなる。
The
なお、出力ピニオン83の出力回転部84において、受け部91と規制突起部92との間の周方向の距離は、入力ピニオン55の入力側押圧部65の周方向の長さに、リアクションプレート98の、入力側押圧部65が当接する部位の厚みを加えた長さより若干大きく構成される。そして、入力ピニオン55の入力側押圧部65の入力面66をリアクションプレート98に当接するように配置した際、規制突起部92と、入力側押圧部65の受け面93とは反対側の周方向端面との間にクリアランスSが設けられる。このクリアランスS相当分だけ、入力ピニオン55と出力ピニオン83とは互いの相対回転が許容される。言い換えれば、入力ピニオン55と出力ピニオン83とは、前記クリアランスSを超えるような相対回転は規制される。出力ピニオン83の出力回転部84の内側円筒部87内に、電動モータ67(出力軸68)からの回転が同軸減速機70を介して伝達される回転軸69の先端が、ニードルベアリング73Bを介して相対回転自在に支持されている。
In the
図3に示すように、出力回転部84の円板状底部89の底面には、略円形状の支持凹部100が凹設される。この支持凹部100内に出力ピニオン部85の上端が収容されて、出力ピニオン部85が、出力回転部84と同心状に一体的に連結される。出力ピニオン部85は、円筒状に形成される。出力ピニオン83の出力ピニオン部85と、入力ピニオン55の入力ピニオン部57とは略同じ外径である。出力ピニオン83の出力ピニオン部85と、入力ピニオン55の入力ピニオン部57とはその軸方向の長さも略同じである。当該出力ピニオン部85の下端内部には、ニードルベアリング73Cを介してギヤハウジング41内の底面から上方に向かって突設された支持ロッド48が挿入される。これにより、出力ピニオン83がギヤハウジング41に回転自在に支持される。そして、電動モータ67(出力軸68)からの回転が伝達される回転軸69、入力ピニオン55及び出力ピニオン83は、ギヤハウジング41内で同心状に配置される。
As shown in FIG. 3, a substantially
出力ピニオン83の出力ピニオン部85に出力ラック105が噛み合っている。出力ラック105は、ギヤハウジング41の第3開口部46を通じて、該ギヤハウジング41内に収容される。出力ラック105は、ギヤハウジング41内に出力ロッド108の軸方向に沿って移動自在に支持される。出力ラック105は、入力ラック50と同様に、後述する出力ロッド108の軸方向に沿って長いブロック状に形成される。出力ラック105は、出力ピニオン83側の一面が鉛直面に形成され、その反対側の他面が外方に突設される凸状彎曲面に形成される。出力ラック105の一面に出力ピニオン83が噛み合うラックギヤ部106が出力ロッド108の軸方向に沿って形成される。出力ラック105はギヤハウジング41内で、入力ラック51から間隔を置いて下方の位置に配置される。出力ラック105と入力ラック51とはその上下方向の長さが略同じである。出力ラック105と入力ラック51とはその前後方向の長さも略同じである。
The
出力ラック105の前端に出力ロッド108が一体的に連結される。出力ロッド108は、その後端部が出力ラック105の前端部に一体的に連結された状態で、ギヤハウジング41の第3開口部46を通じて該ギヤハウジング41内に収容される。出力ロッド108は、ギヤハウジング41内においてマスタシリンダ2に向かって延設される。出力ロッド108の軸方向は、入力ロッド50の軸方向と同じであり、互いに平行である。出力ロッド108は、入力ロッド50とは別軸に配置され、詳しくは入力ロッド50よりも下方でマスタシリンダ2と同軸上に配置される。出力ラック105を含む出力ロッド108が出力軸部材に相当する。出力ラック105を含む出力ロッド108と、入力ラック51を含む入力ロッド50とは、互いに平行に配置されている。また、出力ラック105を含む出力ロッド108と、入力ラック51を含む入力ロッド50とは、軸方向において一部が重なって配置されている。出力ロッド108の前端面は球状面110に形成されている。出力ロッド108の外周面にはスリーブ109が設けられている。出力ロッド108の前端の球状面110が、マスタシリンダ2のプライマリピストン7の中間壁10の後面に設けた球状凹部11に当接される。
The
コントローラ118は、図1及び図2に示すように、本電動倍力装置1に対して前後方向一側方に配置される。詳しくは、コントローラ118は、電動モータ67(モータハウジング71)及びギヤハウジング41の側方に配置されている。コントローラ118は、モータハウジング71の上端に、ブラケット120及びギヤハウジング41により連結されている。コントローラ118は、入力ロッド50及び入力ラック51の移動量を検出するストロークセンサー54、電動モータ67の出力軸68(回転軸69)の回転角度を検出する回転角検出手段(図示略)及び電動モータ67に供給する電流値を検出する電流センサ(図示略)等の各種センサからの検出信号に基づき、電動モータ67の駆動を制御する。そして、電動モータ67の駆動をコントローラ118により制御することにより、回転軸69及びアシストフランジ75を介して出力ピニオン83の出力ピニオン部85を回転させると共に出力ロッド108を推進させて、所望の倍力比をもって、マスタシリンダ2のプライマリ室13及びセカンダリ室14にブレーキ液圧を発生させることができる。
As shown in FIGS. 1 and 2, the
次に、本電動倍力装置1の通電時の作動について説明する。
ブレーキペダル40の非操作状態から、ブレーキペダル40が操作される、すなわち、ブレーキペダル40が踏み込まれると、入力ロッド50と共に入力ラック51が戻り圧縮コイルバネの付勢力に抗して前進する。これら入力ロッド50及び入力ラック51の前進に伴って入力ピニオン55の入力ピニオン部57が回転すると共に入力フランジ62の入力側押圧部65の入力面66がリアクションプレート98を入力ピニオン55の回転方向に沿って押圧する。また、ブレーキペダル40の操作に伴って入力ロッド50及び入力ラック51が前進すると、ストロークセンサー54により、入力ロッド50及び入力ラック51の移動量が検出されると共に、回転角検出手段により、電動モータ67の出力軸68(回転軸69)の回転角度が検出されて、それぞれ検出結果等に基づいて、コントローラ118により電動モータ67の駆動が制御される。Next, the operation of the
When the
そして、電動モータ67が駆動されて回転軸69が回転し始めると、その回転は、アシストフランジ75のアシスト側押圧部79に伝達されて、該アシスト側押圧部79のアシスト面81がリアクションプレート98を回転軸69の回転方向に沿って押圧する。この結果、ブレーキペダル40の操作に伴う入力フランジ62(入力側押圧部65の入力面66)からの推進力と、電動モータ67の駆動に伴うアシストフランジ75(アシスト側押圧部79のアシスト面81)からの推進力とが、リアクションプレート98を介して出力ピニオン83の出力回転部84における受け部91の受け面93に伝達されて、出力ピニオン83が入力フランジ62及びアシストフランジ75の回転方向に沿って回転する。その後、出力ピニオン83の回転に伴って、出力ラック105及び出力ロッド108が前進することで、出力ロッド108によってマスタシリンダ2のプライマリピストン7及びセカンダリピストン8を押圧して前進させる。なお、電動モータ67を駆動させると、回転軸69の回転方向と、アシストフランジ75(アシスト側押圧部79)の回転方向と、出力ピニオン83の回転方向とは同一となる。
Then, when the
これにより、マスタシリンダ2のプライマリ室13及びセカンダリ室14に液圧がそれぞれ発生して、これらプライマリ室13及びセカンダリ室14で発生したブレーキ液圧が、液圧制御ユニットを介して各車輪のホイールシリンダに供給され、摩擦制動による制動力が発生する。マスタシリンダ2における液圧発生時には、プライマリ室13及びセカンダリ室14の液圧を、リアクションプレート98を介して入力フランジ62の入力側押圧部65の入力面66によって受圧し、その液圧による反力に戻り圧縮コイルバネの付勢力を加えた反力が、入力ラック51及び入力ロッド50を介してブレーキペダル40に伝達されるようになる。
As a result, hydraulic pressure is generated in the primary chamber 13 and the
そして、マスタシリンダ2における液圧による、入力フランジ62の入力側押圧部65の入力面66の受圧面積と、アシストフランジ75のアシスト側押圧部79のアシスト面81の受圧面積との比、及び入力側押圧部65の入力面66の回転中心からの距離とアシスト側押圧部79のアシスト面81の回転中心からの距離との比が、倍力比(ブレーキペダル40の操作入力に対する液圧出力の比)となって、所望の制動力を発生させることができる。なお、本実施形態では、アシストフランジ75(アシスト側押圧部79)のアシスト面81の受圧面積が、入力フランジ62(入力側押圧部65)の入力面66の受圧面積よりも大きいので、ブレーキペダル40の操作入力に対する液圧出力の比が2倍より大きくなって、所望の制動力を発生させることができる。
Then, the ratio of the pressure receiving area of the
次に、ブレーキペダル40の操作を解除する、すなわちブレーキペダル40への踏み込みを解除すると、マスタシリンダ2(プライマリ室13及びセカンダリ室14)からの液圧による反力により出力ラック105が後退する共に出力ピニオン83が逆方向に回転しつつ入力フランジ62の入力側押圧部65が初期位置に向かって後退して、入力ピニオン55が逆回転することで、入力ラック51が後退して、戻り圧縮コイルバネの付勢力も付与されつつ入力ロッド50が初期位置まで後退する。これと同時に、ストローク検出装置7により、入力ロッド50及び入力ラック51の後退量が検出されると共に、回転角検出手段により、電動モータ67の出力軸68(回転軸69)の回転角度が検出されて、それぞれ検出結果に基づいて、コントローラ118により電動モータ67の駆動(逆回転)が制御され、その逆回転がアシストフランジ75に伝達されて、アシスト側押圧部79が初期位置に向かって後退するようになる。
Next, when the operation of the
ところで、万一、電動モータ67又はコントローラ118の失陥等により、アシストフランジ75が作動不能になった場合でも、ブレーキペダル40の操作により、入力ロッド50及び入力ラック51が前進すると共に、入力ピニオン55における入力フランジ62の入力側押圧部65の入力面66がリアクションプレート98を押圧する。そして、ブレーキペダル40の操作に伴う入力フランジ62からの推進力が、リアクションプレート98を介して出力ピニオン83の出力回転部84における受け部91の受け面93に伝達されて出力ピニオン83が回転することで、出力ロッド108によりマスタシリンダ2のプライマリピストン7及びセカンダリピストン8を押圧して前進させることができる。
By the way, even if the
このとき、アシストフランジ75のアシスト側押圧部79は、出力ピニオン83の出力回転部84における、規制突起部92と内側円筒部87の外周面との間を通過できる構成であるので、アシストフランジ75のアシスト側押圧部79が停止した状態で、入力ピニオン55の入力フランジ62の回転により出力ピニオン83の出力回転部84が回転したとしても、アシストフランジ75のアシスト側押圧部79が出力ピニオン83の出力回転部84の規制突起部92と干渉することはなく、出力ピニオン83は支障なく回転を継続でき、アシストフランジ75のアシスト側押圧部79は、回転方向において出力ピニオン83及び入力ピニオン55から次第に離れるようになる。そして、出力ピニオン83の回転に伴って出力ラック105及び出力ロッド108が前進することで、マスタシリンダ2のプライマリピストン7及びセカンダリピストン8が前進して、マスタシリンダ2に液圧を発生させることができ、制動作用を維持することができる。このように、本実施形態に係る電動倍力装置1では、電動モータ67またはコントローラ118の失陥時においても、出力ロッド108に対して必要なストロークを確保することができる。
At this time, the assist
また、本実施形態に係る電動倍力装置1では、出力ピニオン83の出力回転部84において規制突起部92を設けることで、入力ピニオン55と出力ピニオン83とにおける、クリアランスSを超える相対回転は規制されている。これにより、例えば、電動モータ67の駆動だけでマスタシリンダ2に液圧を発生させる場合には、電動モータ67(出力軸68)からの回転が伝達される回転軸69の回転による、アシストフランジ75のアシスト側押圧部79の回転だけがリアクションプレート98に伝達され、電動モータ67の駆動に伴うアシストフランジ75(アシスト側押圧部79のアシスト面81)からの推進力だけが、リアクションプレート98を介して出力ピニオン83の出力回転部84における受け部91の受け面93に伝達されて出力ピニオン83が回転する。
Further, in the
そしてこのとき、入力フランジ62の入力側押圧部65は、出力ピニオン83の出力回転部84における規制突起部92により押されるように出力ピニオン83と共に回転する、すなわち入力ピニオン55は出力ピニオン83に対してクリアランスSを超える相対回転が規制されているので、入力ピニオン55も出力ピニオン83に追従するように同方向に回転する。その結果、入力ロッド50及び入力ラック51が前進し、踏力をブレーキペダル40に付与しなくても、ブレーキペダル40が支点を中心に回動するようになる。
At this time, the input-side
一方、他の実施形態に係る電動倍力装置1では、出力ピニオン83の出力回転部84において規制突起部92を設けず、入力ピニオン55と出力ピニオン83とが相対回転可能に構成されている。これにより、例えば、電動モータ67の駆動だけでマスタシリンダ2に液圧を発生させる場合には、電動モータ67(出力軸68)からの回転が伝達される回転軸69の回転による、アシストフランジ75のアシスト側押圧部79の回転だけがリアクションプレート98に伝達されて、電動モータ67の駆動に伴うアシストフランジ75(アシスト側押圧部79のアシスト面81)からの推進力だけが、リアクションプレート98を介して出力ピニオン83の出力回転部84における受け部91の受け面93に伝達されて出力ピニオン83が回転する。そしてこのとき、入力ピニオン55と出力ピニオン83とは相対回転可能に構成されているので、出力ピニオン83の回転に伴って入力ピニオン55が共に回転することはなく、その結果、入力ロッド50、入力ラック51及びブレーキペダル40が動作することはない。
On the other hand, in the
以上説明したように、本実施形態に係る電動倍力装置1では、入力ロッド50及び入力ラック51の作動に応じて回転する入力ピニオン55と、該入力ピニオン55の回転に応じて駆動される電動モータ67と、入力ピニオン55の回転と電動モータ67からの回転とが、電動モータ67の回転方向または入力ピニオン55の回転方向に対向して配置される1つの受け部91に伝達されて回転する出力ピニオン83と、該出力ピニオン83の回転が伝達されて、マスタシリンダ2のプライマリ及びセカンダリピストンを移動させる出力ラック105及び出力ロッド108と、を備えている。
これにより、本電動倍力装置1において、マスタシリンダ2の軸方向及び径方向において小型化を実現することができ、車両への搭載性を向上させることができる。また、本電動倍力装置1においては、従来の電動倍力装置のようにボールネジ機構を採用していないので、構成部材の加工コストを抑え、製造を容易にすることができる。しかも、本電動倍力装置1では、電動モータ67又はコントローラ118の失陥等により、アシストフランジ75が作動不能になった場合でも、マスタシリンダ2に所望の液圧を発生させるべく必要な出力ロッド108の移動量を確保することができる。As described above, in the
As a result, in the
また、本実施形態に係る電動倍力装置1では、入力ロッド50及び入力ラック51と、出力ロッド108及び出力ラック105とは、軸方向で一部が重なって配置されているので、当該電動倍力装置1において、特に、マスタシリンダ2の軸方向に沿う全長を短縮することができる。
Further, in the
さらに、本実施形態に係る電動倍力装置1では、入力ロッド50及び入力ラック51と、出力ロッド108及び出力ラック105とは、略平行に配置されているので、当該電動倍力装置1において、特に、マスタシリンダ2の径方向に沿って小型化することができる。これにより、車両への搭載時そのレイアウトの自由度が向上する。
Further, in the
さらにまた、本実施形態に係る電動倍力装置1では、出力ピニオン83(出力回転部84)における受け部91の受け面93は、入力フランジ62の入力側押圧部65の入力面66と、アシストフランジ75のアシスト側押圧部79のアシスト面81とから同一方向の回転を受けるので、同一回転方向において、回転力の合成ができる。
Furthermore, in the
さらにまた、本実施形態に係る電動倍力装置1では、出力ピニオン83(出力回転部84)における受け部91の受け面93と、入力フランジ62の入力側押圧部65の入力面66及びアシストフランジ75のアシスト側押圧部79のアシスト面81との間に弾性体からなるリアクションプレート98が設けられているので、入力面66によりリアクションプレート98を押圧すると、ブレーキペダル40にリアクションプレート98の反力が付与できるためにペダルフィーリングが向上する。
Furthermore, in the
さらにまた、本実施形態に係る電動倍力装置1では、アシストフランジ75のアシスト側押圧部79のアシスト面81の、受け部91の受け面93に対する受圧面積は、入力フランジ62の入力側押圧部65の入力面66の、受け部91の受け面93に対する受圧面積より大きいので、ブレーキペダル40の操作入力に対する液圧出力の比(倍力比)が2倍より大きくなって、所望の制動力を発生させることができる。
Furthermore, in the
さらにまた、本実施形態に係る電動倍力装置1では、入力ピニオン55の回転軸は、電動モータ67(出力軸68)からの回転が伝達される回転軸69と同軸線上に配置されるので、当該電動倍力装置1を小型化することができる。
Furthermore, in the
さらにまた、本実施形態に係る電動倍力装置1では、入力ピニオン55は、電動モータ67の回転のみで出力ピニオン83が回転するときは、出力ピニオン83に追従して回転するように構成されている。この実施形態では、電動モータ67の回転のみによってマスタシリンダ2に液圧を発生させると、ブレーキペダル40に踏力を付与しなくても、ブレーキペダル40が支点を中心に回動するようになる。また、他の実施形態に係る電動倍力装置1では、入力ピニオン55は、電動モータ67からの回転のみで出力ピニオン83が回転するときは、出力ピニオン83に追従せずに停止したままとなるように構成されている。この他の実施形態では、電動モータ67の回転のみによってマスタシリンダ2に液圧を発生させると、ブレーキペダル40が支点を中心に回動することはなく、初期位置に留まった状態となる。
Furthermore, in the
さらにまた、本実施形態に係る電動倍力装置1では、電動モータ67(出力軸68)からの回転が伝達される回転軸69と、入力ロッド50(入力ラック51)及び出力ロッド108(出力ラック105)とは、直交するように配置され、電動モータ67は、マスタシリンダ2の軸方向に沿って、マスタシリンダ2に取り付けられたリザーバ3と並んで配置されている。これにより、当該電動倍力装置1において、特に、マスタシリンダ2の径方向に沿って小型化することができ、車両への搭載時そのレイアウトの自由度が向上する。
Furthermore, in the
以上説明した実施形態に基づく電動倍力装置1として、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
第1の態様では、入力軸部材50、51の作動に応じて回転する入力部材55と、該入力部材55の回転に応じて駆動される電動モータ67と、前記入力部材55の回転と前記電動モータ67からの回転とが、前記電動モータ67の回転方向または前記入力部材55の回転方向に対向して配置される1つの受け部91に伝達されて回転する出力部材83と、該出力部材83の回転が伝達されて、マスタシリンダ2のピストン7、8を移動させる出力軸部材105、108と、を備える。As the
In the first aspect, the
第2の態様では、入力軸部材50、51の作動に応じて回転する入力部材55と、該入力部材55の回転に応じて駆動される電動モータ67と、該電動モータ67の回転が伝達されるアシスト部材75と、前記入力部材55の回転と前記アシスト部材75の回転とを、前記アシスト部材75の回転方向または前記入力部材55の回転方向において面93で受けて回転する出力部材83と、該出力部材83の回転が伝達されて、マスタシリンダ2のピストン7、8を移動させる出力軸部材105、108と、を備え、前記アシスト部材75は、前記入力部材55の回転のみで前記出力部材83が回転するときは、回転方向において前記入力部材55及び出力部材83から離れる。
In the second aspect, the rotation of the
第3の態様では、入力軸部材50、51の直動に伴って回転する入力部材55と、前記入力軸部材50、51の直動に応じて駆動される電動モータ67と、該電動モータ67の回転軸69に連結されて、前記電動モータ67の駆動により前記電動モータ67及び前記入力部材55と同方向に回転するアシスト部材75と、前記入力部材55の回転及び前記アシスト部材75の回転が共に伝達され、前記入力部材55及び前記アシスト部材75と同方向に回転する出力部材83と、該出力部材83の回転に伴って直動して、マスタシリンダ2のピストン7、8を移動させる出力軸部材105、108と、を備える
In the third aspect, the
第4の態様は、第1乃至3いずれかの態様において、前記入力軸部材50、51と前記出力軸部材105、108とは、軸方向で一部が重なって配置される。
第5の態様は、第1乃至4いずれかの態様において、前記入力軸部材50、51と前記出力軸部材105、108とは、略平行に配置される。
第6の態様は、第1の態様において、前記受け部91は、前記入力部材55に設けられる入力面66と、前記電動モータ67からの回転が伝達されるアシスト面81とから同一方向の回転を受ける。In the fourth aspect, in any one of the first to third aspects, the
In the fifth aspect, in any one of the first to fourth aspects, the
In the sixth aspect, in the first aspect, the receiving
第7の態様は、第6の態様において、前記受け部91と、前記入力面66及び前記アシスト面81との間に弾性体98が設けられる。
第8の態様は、第6または第7の態様において、前記アシスト面81の前記受け部91に対する受圧面積は、前記入力面66の前記受け部91に対する受圧面積より大きい。
第9の態様は、第1乃至8いずれかの態様において、前記入力部材55の回転軸は、前記電動モータ67の回転軸69と同軸線上に配置される。In the seventh aspect, in the sixth aspect, the
In the eighth aspect, in the sixth or seventh aspect, the pressure receiving area of the
In the ninth aspect, in any one of the first to eighth aspects, the rotating shaft of the
第10の態様は、第2の態様において、前記入力部材55は、前記電動モータ67からの回転のみで前記出力部材83が回転するときは、前記出力部材83に追従して回転する。
第11の態様は、第2の態様において、前記入力部材55は、前記電動モータ67からの回転のみで前記出力部材83が回転するときは、前記出力部材83に追従しない。
第12の態様は、第1乃至第11いずれかの態様において、前記電動モータ67の回転軸69と、前記入力軸部材50、51及び前記出力軸部材105、108とは、直交するように配置され、前記電動モータ67は、前記マスタシリンダ2の軸方向に沿って、前記マスタシリンダ2に取り付けられたリザーバ3と並んで配置される。In the tenth aspect, in the second aspect, when the
In the eleventh aspect, in the second aspect, the
In the twelfth aspect, in any one of the first to eleventh aspects, the rotating
1 電動倍力装置,2 マスタシリンダ,3 リザーバ,7 プライマリピストン,8 セカンダリピストン,50 入力ロッド(入力軸部材),51 入力ラック(入力軸部材),55 入力ピニオン(入力部材),66 入力面,67 電動モータ,69 回転軸,75 アシストフランジ(アシスト部材),81 アシスト面,83 出力ピニオン(出力部材),91 受け部,93 受け面,98 リアクションプレート(弾性体)105 出力ラック(出力軸部材),108 出力ロッド(出力軸部材), 1 Electric booster, 2 Master cylinder, 3 Reservoir, 7 Primary piston, 8 Secondary piston, 50 Input rod (input shaft member), 51 Input rack (input shaft member), 55 Input pinion (input member), 66 Input surface , 67 Electric motor, 69 Rotating shaft, 75 Assist flange (assist member), 81 Assist surface, 83 Output pinion (output member), 91 Receiving part, 93 Receiving surface, 98 Reaction plate (elastic body) 105 Output rack (output shaft) Member), 108 output rod (output shaft member),
Claims (12)
該入力部材の回転に応じて駆動される電動モータと、
前記入力部材の回転と前記電動モータからの回転とが、前記電動モータの回転方向または前記入力部材の回転方向に対向して配置される1つの受け部に伝達されて回転する出力部材と、
該出力部材の回転が伝達されて、マスタシリンダのピストンを移動させる出力軸部材と、
を備えることを特徴とする電動倍力装置。An input member that rotates according to the operation of the input shaft member,
An electric motor driven according to the rotation of the input member and
An output member that rotates by transmitting the rotation of the input member and the rotation from the electric motor to one receiving portion arranged so as to face the rotation direction of the electric motor or the rotation direction of the input member.
The rotation of the output member is transmitted to the output shaft member that moves the piston of the master cylinder, and
An electric booster characterized by being equipped with.
該入力部材の回転に応じて駆動される電動モータと、
該電動モータの回転が伝達されるアシスト部材と、
前記入力部材の回転と前記アシスト部材の回転とを、前記アシスト部材の回転方向または前記入力部材の回転方向において面で受けて回転する出力部材と、
該出力部材の回転が伝達されて、マスタシリンダのピストンを移動させる出力軸部材と、
を備え、
前記アシスト部材は、
前記入力部材の回転のみで前記出力部材が回転するときは、回転方向において前記入力部材及び出力部材から離れることを特徴とする電動倍力装置。An input member that rotates according to the operation of the input shaft member,
An electric motor driven according to the rotation of the input member and
An assist member to which the rotation of the electric motor is transmitted, and
An output member that receives the rotation of the input member and the rotation of the assist member on a surface in the rotation direction of the assist member or the rotation direction of the input member and rotates.
The rotation of the output member is transmitted to the output shaft member that moves the piston of the master cylinder, and
With
The assist member is
An electric booster characterized in that when the output member rotates only by rotation of the input member, the output member is separated from the input member and the output member in the rotation direction.
前記入力軸部材の直動に応じて駆動される電動モータと、
該電動モータの回転軸に連結されて、前記電動モータの駆動により前記電動モータ及び前記入力部材と同方向に回転するアシスト部材と、
前記入力部材の回転及び前記アシスト部材の回転が共に伝達され、前記入力部材及び前記アシスト部材と同方向に回転する出力部材と、
該出力部材の回転に伴って直動して、マスタシリンダのピストンを移動させる出力軸部材と、
を備えることを特徴とする電動倍力装置。An input member that rotates with the linear motion of the input shaft member,
An electric motor driven in response to the linear motion of the input shaft member,
An assist member that is connected to the rotation shaft of the electric motor and rotates in the same direction as the electric motor and the input member by driving the electric motor.
The rotation of the input member and the rotation of the assist member are transmitted together, and the input member and the output member rotating in the same direction as the assist member
An output shaft member that moves linearly with the rotation of the output member to move the piston of the master cylinder.
An electric booster characterized by being equipped with.
前記入力軸部材と前記出力軸部材とは、軸方向で一部が重なって配置されることを特徴とする電動倍力装置。The electric booster according to any one of claims 1 to 3.
An electric booster characterized in that the input shaft member and the output shaft member are partially overlapped in the axial direction.
前記入力軸部材と前記出力軸部材とは、略平行に配置されることを特徴とする電動倍力装置。The electric booster according to any one of claims 1 to 4.
An electric booster characterized in that the input shaft member and the output shaft member are arranged substantially in parallel.
前記受け部は、
前記入力部材に設けられる入力面と、前記電動モータからの回転が伝達されるアシスト面とから同一方向の回転を受けることを特徴とする電動倍力装置。The electric booster according to claim 1.
The receiving part is
An electric booster characterized in that it receives rotation in the same direction from an input surface provided on the input member and an assist surface on which rotation from the electric motor is transmitted.
前記受け部と、前記入力面及び前記アシスト面との間に弾性体が設けられることを特徴とする電動倍力装置。The electric booster according to claim 6.
An electric booster characterized in that an elastic body is provided between the receiving portion and the input surface and the assist surface.
前記アシスト面の前記受け部に対する受圧面積は、前記入力面の前記受け部に対する受圧面積より大きいことを特徴とする電動倍力装置。The electric booster according to claim 6 or 7.
An electric booster characterized in that the pressure receiving area of the assist surface with respect to the receiving portion is larger than the pressure receiving area of the input surface with respect to the receiving portion.
前記入力部材の回転軸は、前記電動モータの回転軸と同軸線上に配置されることを特徴とする電動倍力装置。The electric booster according to any one of claims 1 to 8.
An electric booster characterized in that the rotating shaft of the input member is arranged on a coaxial line with the rotating shaft of the electric motor.
前記入力部材は、
前記電動モータからの回転のみで前記出力部材が回転するときは、前記出力部材に追従して回転することを特徴とする電動倍力装置。The electric booster according to claim 2.
The input member is
An electric booster characterized in that when the output member rotates only by rotation from the electric motor, the output member rotates following the output member.
前記入力部材は、
前記電動モータからの回転のみで前記出力部材が回転するときは、前記出力部材に追従しないことを特徴とする電動倍力装置。The electric booster according to claim 2.
The input member is
An electric booster characterized in that when the output member rotates only by rotation from the electric motor, it does not follow the output member.
前記電動モータの回転軸と、前記入力軸部材及び前記出力軸部材とは、直交するように配置され、
前記電動モータは、前記マスタシリンダの軸方向に沿って、前記マスタシリンダに取り付けられたリザーバと並んで配置されることを特徴とする電動倍力装置。The electric booster according to any one of claims 1 to 11.
The rotation shaft of the electric motor, the input shaft member, and the output shaft member are arranged so as to be orthogonal to each other.
An electric booster characterized in that the electric motor is arranged along the axial direction of the master cylinder along with a reservoir attached to the master cylinder.
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