JP6836184B2 - 厚膜導体形成用組成物および厚膜導体の製造方法 - Google Patents

厚膜導体形成用組成物および厚膜導体の製造方法 Download PDF

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本発明は、厚膜導体形成用組成物および厚膜導体の製造方法に関し、特に、チップ抵抗器、抵抗ネットワークおよびハイブリッドICなどを製造する際、セラミック基板上などに、厚膜導体を形成するために使用する厚膜導体形成用組成物、およびその厚膜導体の製造方法に関する。
チップ抵抗器、抵抗ネットワークおよびハイブリッドICなどは、一般的に厚膜技術を用いて製造されている。この製造方法について簡単に説明する。
先ず、アルミナ基板等のセラミック基板上にスクリーン印刷法等により、導体ペーストを所定の形状に塗布し、500℃〜900℃で焼成して得られる厚膜導体によって電極や配線を形成する。次いで、この厚膜導体に接続するように抵抗ペーストを同じくスクリーン印刷法等により所定の形状に塗布し、500℃〜900℃で焼成することによって抵抗体を形成する。
昨今の電子部品の小型化に伴って、厚膜導体や抵抗体のサイズも非常に小さく、細かくなってきている。このような非常に小さい電極間を接続するように抵抗体を形成する場合、抵抗体の抵抗値や抵抗温度係数が抵抗ペーストを製造する際に設計した値から大幅に外れる場合がある。これは、抵抗ペーストが接続する電極と相互作用をほとんど生じ無いという前提の元に抵抗値や抵抗温度係数が設計されている為である。実際には抵抗ペーストが焼成される際に電極材料と相互作用が生じる場合があるが、従来は抵抗ペースト全体の抵抗値や抵抗温度係数に対し、相互作用により生じる抵抗値や抵抗温度係数の変化量の割合が非常に小さく問題とならなかった。
しかしながら、近年の電子部品の小型化に伴い、抵抗ペーストと電極材料の相互作用による影響により、設計された抵抗値や抵抗温度係数が実現できない場合が増えてきた。
これは、電極間が小さくなり、形成される抵抗体も薄く小さくなり、抵抗値そのものの値が小さくなったため、電極が及ぼす相互作用により生じる変化量の割合が相対的に大きくなることにより、最終的に出現する抵抗値や抵抗温度係数が抵抗ペーストの設計値から大きくかい離するようになるためである。
この電極を形成する導体材料には、高い導電性が要求される。
このため、導体ペーストの主原料としては、導電率の高いAu、Ag、Cu、Pd、あるいはPtの粉末が用いられており、特に、大気中で焼成することができ、かつ比較的安価なAg粉末およびPd粉末が、広く用いられている。
また、形成される電極などの厚膜導体には下地のセラミック基板への高い密着力も求められるため、導体ペーストにはガラス粉末や金属酸化物などが添加されている。
このような厚膜導体がセラミック基板へ密着する機構は、次の3つが考えられている。第一にガラス粉末が軟化・溶融してセラミック基板中に染み込むアンカー効果、第二に金属酸化物がセラミック基板と高温反応して複合酸化物を形成するケミカルボンド、第三にアンカー効果とケミカルボンドの両方を持ち合わせたミックスボンド。
しかしながら、アンカー効果によるセラミック基板への密着力を上げるために導体ペーストに多量のガラス粉末を添加すると、導体材料の導電性が低下するだけでなく、はんだ濡れ性やめっき性を大幅に低下させてしまう。これに対し、ケミカルボンドによる密着力向上は、導電性、はんだ濡れ性、めっき性を低下させないため、非常に有効な手段である。
Ag、Pd、Au、Ptといった大気焼成可能な導電粉末を用いた導体ペーストでは、例えば特許文献1に示されるように、銅や銅酸化物がケミカルボンドを形成する添加剤として用いられている。
絶縁基板としてアルミナ基板を用いた場合は、以下のような反応式(1)、(2)によって強力なケミカルボンドが発現する。
Figure 0006836184
しかしながら、銅や銅酸化物は抵抗体の抵抗値や抵抗温度係数を変動させる成分でもあるため、電極材料に含まれる銅や銅酸化物が抵抗ペーストを焼成する際に抵抗体中に拡散し、抵抗ペーストの抵抗値や抵抗温度係数を変化させてしまう。電子部品が小型化し、電極間が小さくなると、電極材料に含まれる銅や銅酸化物が抵抗体に及ぼす影響がより大きくなり、従来問題視されていなかった事象が課題となりつつある。
すなわち、銅酸化物である、CuOで表される酸化第二銅、およびCuOで表される酸化第一銅は、抵抗体のガラスに容易に溶解する。また、銅も大気中で高温にさらされることにより、酸化物となり抵抗体のガラスに容易に溶解する。このように、基板への密着性を向上させるために厚膜導体に含有させている銅成分が、抵抗体のガラスへ溶解することによって、抵抗体の抵抗値や抵抗温度係数が変化するが、抵抗体のサイズが薄く小さくなった場合、その変化量の割合が大きくなり、抵抗ペーストを製造する際に設計した値からかい離してしまうため、小型化の進む電子部品で課題となっている。
特開平07−070362号公報
本発明は、上記事情に鑑み、セラミック基板との密着力が高く、かつ抵抗体の抵抗値や抵抗温度係数が、抵抗ペーストの組成から試算される設計値に近い値を示すことができる、抵抗体への影響の少ない電極を形成するための厚膜導体形成用組成物、および厚膜導体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の発明は、Au、Ag、Pd、Ptから選ばれる少なくとも1種類以上の導電粉末と、メタホウ酸銅粉末を含む酸化物粉末とを含有することを特徴とする厚膜導体形成用組成物である。
本発明の第2の発明は、第1の発明における導電粉末100質量部に対し、メタホウ酸銅粉末を0.05質量部以上、5質量部以下含有することを特徴とする厚膜導体形成用組成物である。
本発明の第3の発明は、第1及び第2の発明における酸化物粉末が、メタホウ酸銅粉末と、軟化点が400℃以上、800℃以下のガラス粉末とを含有することを特徴とする厚膜導体形成用組成物である。
本発明の第4の発明は、第3の発明における導電粉末100質量部に対し、前記メタホウ酸銅粉末を0.05質量部以上、5質量部以下と前記ガラス粉末を0.3質量部以上、5質量部以下からなる酸化物粉末を含有することを特徴とする厚膜導体形成用組成物である。
本発明の第の発明は、第3から第4の発明におけるガラス粉末の鉛含有量が、0.1質量%未満であることを特徴とする厚膜導体形成用組成物である。
本発明の第の発明は、第1から第の発明におけるメタホウ酸銅粉末の平均粒径が5μm以下であることを特徴とする厚膜導体形成用組成物である。
本発明の第の発明は、第1から第の発明における厚膜導体形成用組成物を含む導体ペーストを、セラミック基板に塗布した後、500℃以上、900℃未満の温度で焼成することを特徴とする厚膜導体の製造方法である。
本発明の第の発明は、セラミック基板上に、導電粉末と、メタホウ酸銅粉末を含む酸化物粉末とを含有する厚膜導体形成用組成物の焼成体である厚膜導体からなる電極、配線のいずれか或いは両者が密着し、電極間、配線間、及び電極と配線間を接続する抵抗体の1種以上を備えていることを特徴とする電子部品である。
本発明の厚膜導体形成用組成物を用いることにより、電子部品が小型化しても、セラミック基板との密着力が高く、かつ抵抗体の抵抗値や抵抗温度係数が、抵抗ペーストの組成から試算される設計値に近い値を示すことができる、抵抗体への影響の少ない電極を形成することが可能となる。
本発明者は、チップ抵抗器、抵抗ネットワークおよびハイブリッドICなどの電子部品に用いられるセラミック基板上に電極や配線となる厚膜導体を設け、その厚膜導体と接続する抵抗体を配置したチップ抵抗器、抵抗ネットワークおよびハイブリッドICなどの電子部品の開発において、その厚膜導体に銅成分が加わる、あるいは銅成分の量が増えると、電極から銅成分が抵抗体のガラス成分に溶け込んで一般的に抵抗体の抵抗値は減少するが抵抗温度係数は増加し、また電極から銅成分が抵抗体のガラス成分に溶け込んでも、抵抗体のサイズが大きい場合には、抵抗体全体からすればその影響は小さく問題とならなかったが、抵抗体のサイズが小さくなるに連れ、電極から溶け込む銅成分により変化する量の割合が相対的に多くなり、その影響度が大きくなって、抵抗値の減少、抵抗温度係数の増加が顕著になり、抵抗ペーストを製造する際に設計した値に近い抵抗値や抵抗温度係数を得ることが出来なくなる問題を見出していた。
そのような状況において、本発明の厚膜導体形成用組成物は、厚膜導体を構成する導電粉末と酸化物粉末を含む厚膜導体組成物を含有し、前記酸化物粉末がメタホウ酸銅粉末を含有することを特徴とし、上記電子部品の小型化、即ち抵抗体の小型化に伴い生じる問題を解消するものである。以下、各成分について詳細に説明する。
1.厚膜導体形成用組成物
厚膜導体形成用組成物は、電子部品を製造する際に厚膜導体を形成する組成物の混合物であり、導電粉末及び酸化物粉末を含んでいる。
[酸化物粉末]
(メタホウ酸銅粉末)
メタホウ酸銅粉末は、CuBの化学式で表される複合酸化物粉末である。メタホウ酸銅粉末を含有する導体ペーストをセラミック基板に印刷、焼成すると、形成される厚膜導体とセラミック基板との間に複合酸化物を形成しやすくなり、ケミカルボンドによる強固な密着力を有することができる。
一方、メタホウ酸銅はガラスへの溶解度が小さく、厚膜導体中に含有していても焼成時に抵抗ペーストのガラスに溶解する量は非常に少ない。
前述のように導体ペースト中に含まれる銅成分が抵抗体のガラスに溶け込むと抵抗体の抵抗値や抵抗温度係数が変動してしまうが、メタホウ酸銅は抵抗体のガラスへ溶解する量が非常に少ない為、抵抗体の抵抗値、抵抗温度係数の変動を低く抑えることが可能である。
そのメタホウ酸銅粉末の平均粒径は0.1μm以上、5μm以下であることが望ましい。5μmよりも大きいとセラミック基板と厚膜導体との間に形成される複合酸化物に寄与しない部分が多くなり、密着力が十分向上しなかったり、厚膜導体中にメタホウ酸銅粉末の大きな粒子が残存することにより、厚膜導体表面に突起が発生したりする場合があるので望ましくない。
メタホウ酸銅の粒径が3μm以下であるのがさらに望ましい。0.1μm未満だと、取り扱いが困難になる他、導体ペーストにした際に粘度が高くなり過ぎる場合があるので望ましくない。なお、本発明において、平均粒径とは、レーザ回折散乱法で求められる体積基準平均粒径(MV)を意味し、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置により測定することができる。後述するガラス粉末や導電粉末などについても同様である。
その厚膜組成物中の含有量は、導電粉末100質量部に対するメタホウ酸銅粉末の割合は0.05質量部以上、5質量部以下であることが望ましい。
0.05質量部より少ないと厚膜導体とセラミック基板との密着力が十分向上しない場合があり、5質量部より多いと厚膜導体の表面にメタホウ酸銅が露出して、厚膜導体表面のめっき性やはんだ濡れ性が低下する場合があるので望ましくない。
(ガラス粉末)
酸化物粉末として厚膜導体形成用組成物に、さらにガラス粉末を含有させることにより、厚膜導体とセラミック基板の間の密着力をより強固にすることができる。
使用するガラスの粒径、軟化点や組成、その含有量は導体ペーストの焼成温度や用途によって変えることができる。
ガラスの粒径は特に限定されないが、大き過ぎると焼成過程で十分に軟化せず、密着力が得られにくくなる場合があり、また、あまりにもガラス粉末を細かく粉砕しても効果に大きな差がないため経済的でない。以上のことから望ましいガラスの粒径は0.5μm以上、5μm以下である。
ガラス軟化点は、導体ペーストの焼成温度が500℃以上、900℃以下で行われることが多いため、400℃以上、800℃以下の範囲にするのが望ましい。
その含有量は、導電粉末100質量部に対し、0.3質量部以上、5質量部以下であることが望ましい。
このガラス粉末の含有量が少ないと、ガラス粉末の含有によるアンカー効果の発現が十分でなく、厚膜導体とセラミック基板との密着力をより向上させる観点からは、その含有量は0.3質量部以上が好ましい。また、5質量部を超える含有量では、厚膜導体表面のめっき性やはんだ濡れ性が低下する場合があるため、その含有量は5質量部以下が望ましい。
ガラス粉末の成分組成は、形成する厚膜導体の用途によって変えることができ、特に限定されない。
従来から用いられているホウケイ酸鉛系のガラスやホウケイ酸亜鉛系、ホウケイ酸カルシウム系、ホウケイ酸ビスマス系のガラスを用いることができる。
しかしながら、昨今の環境対応を考慮すると鉛を含有しない、或いは含有して0.1質量%未満に押さえた組成のガラス粉末を用いるのが望ましい。
[導電粉末]
本発明に用いる導電粉末は、特に限定されず、通常の厚膜導体の形成に用いられるものを用いることができる。
大気焼成が可能な導体ペーストとするためには、Au、Ag、Pd、Ptの粉末から選ばれる1種類、または2種類以上を組み合わせて使用することが望ましい。
さらに、導電粉末の平均粒径は特に限定されず、用いる電子部品の大きさによって選定すればよいが、電子部品の小型化により10μm以下とするのが望ましい。
また導電粉末の形状も特に限定されず、粒状またはフレーク状等の各種形状を用いることができる。
2.導体ペースト
厚膜導体の形成に用いられる導体ペーストは、上記1の厚膜導体形成用組成物と、それらを電極や配線などの厚膜導体形状にするための結合作用を提供する「有機ビヒクル」を含んでいる。
[有機ビヒクル]
有機ビヒクルは特に限定されず、従来と同様に、エチルセルロースまたはメタクリレート等の樹脂を、ターピネオールまたはブチルカルビトール等の溶剤に溶解したものを用いることができる。
なお、本発明では、導電粉末、メタホウ酸銅粉末、及びガラス粉末の厚膜導体形成用組成物、並びに有機ビヒクル以外にも、厚膜導体の密着強度や耐酸性、はんだ濡れ性等を向上させる目的で、従来から用いられる各種粉末、例えば、Bi、SiO、CuO、ZnO、TiO、ZrOまたはMnO等の酸化物粉末を添加することは、何ら差し支えない。
厚膜導体形成用組成物として、導電粉末に平均粒径1.5μmの粒状Ag粉末、および平均粒径0.1μmの粒状Pd粉末を用い、酸化物粉末に平均粒径2.0μmのメタホウ酸銅粉末、及び平均粒径3μmのBi:70wt%−SiO:10wt%−B:10wt%−Al:10wt%ガラス粉末を用いた。各材料を表1に示す配合で含有した無機粉末の合計100質量部に対し、30質量部のエチルセルロース樹脂をターピネオールに溶解した溶液を有機ビヒクルとして添加し3本ロールミルで混練することにより、導体ペーストを作製した。
その作製した導体ペーストを、96%アルミナ基板上にスクリーン印刷し、150℃で乾燥した。その乾燥した基板を、ピーク温度850℃で9分間、トータル30分間のベルト炉で焼成し、所定のパターンの実施例1〜実施例4に係る厚膜導体膜の供試材を作製し、下記に示す諸特性の評価を行った。
また、表1に示す配合以外は実施例と同様の条件で、比較例1〜比較例4に係る厚膜導体膜の供試材を作製し、実施例と同様の諸特性の評価を行った。
(厚膜導体の面積抵抗値とアルミナ基板との密着強度の測定)
厚膜導体の面積抵抗値は、幅0.5mm、長さ50mmの導体パターンの抵抗値をデジタルマルチメータにより測定して、得られた値を膜厚10μmとした場合の面積抵抗値に換算した(測定数は10個)。
絶縁基板との密着力の評価は、2.0mm×2.0mmのパターンの厚膜導体に以下の条件でNiめっきを施したものに、直径0.65mmのSnめっき銅線を、96.5質量%Sn−3質量%Ag−0.5質量%Cu組成の鉛フリー半田を用いて半田付けし、垂直方向に引っ張り、剥離させ、剥離時の引っ張り力を測定した(測定数は25個)。
Niめっき液は硫酸ニッケル280g/L、塩化ニッケル60g/L、ホウ酸40g/Lに調整したものを用いた。電流密度を5×10A/mとして、2分間めっきを行った。
(本発明の厚膜導体を電極にした場合の抵抗体の評価)
本発明によって得られる厚膜導体と組み合わせる抵抗体は、住友金属鉱山株式会社製の抵抗ペーストR−13Uを用いた。R−13Uは電極間1.0mm、抵抗体幅1.0mmとしたパターンで焼成後の膜厚を7μmとした場合に面積抵抗値が1KΩ±15%になる様に設計された抵抗ペーストである。
本発明に係る厚膜導体形成用組成物による導体ペーストを、電極間隔が1.0mmとなるようなパターンでアルミナ基板上に印刷焼成し、電極を形成し、電極との重なり部分が0.2mmで抵抗体幅が1.0mmとなるようなパターンで抵抗ペーストR−13Uを印刷、乾燥してピーク温度850℃で9分間、トータル30分間のベルト炉で焼成して、電極間1.0mm、抵抗体幅1.0mmとなる抵抗体を形成した。
電極間と抵抗体幅がそれぞれ0.3mmとなる以外は上記と同様の条件で厚膜電極と厚膜抵抗体を形成して、電極間1.0mm、抵抗体幅1.0mmの抵抗体と共に膜厚7μmに換算した面積抵抗値と抵抗温度係数を算出し、それぞれの値を比較した。
抵抗体の抵抗温度係数は、−55℃、25℃、125℃に15分保持してそれぞれの温度で抵抗値を測定して、25℃を基準として低温抵抗温度係数と高温抵抗温度係数を以下の式から算出した。なお、R(T=−55、25、125)は、各々−55℃、25℃、125℃における抵抗値(Ω)で、−80、100は測定点における温度差(℃)である。
Figure 0006836184
表1には、厚膜導体の膜厚10μmに換算した面積抵抗値とアルミナ基板との密着強度、抵抗体サイズが電極間1.0mm、抵抗体幅1.0mmの場合の抵抗ペーストR−13Uを焼成した抵抗体の膜厚7μmに換算した面積抵抗値、低温抵抗温度係数、高温抵抗温度係数と、抵抗体サイズが電極間0.3mm、抵抗体幅0.3mmの場合のR−13Uを焼成した抵抗体の膜厚7μmに換算した面積抵抗値、低温抵抗温度係数、高温抵抗温度係数を示した。
また、抵抗体サイズが電極間0.3mm、抵抗体幅0.3mmの面積抵抗値を抵抗体サイズが電極間1.0mm、抵抗体幅1.0mmの面積抵抗値で除した面積抵抗値の割合、及び、抵抗体サイズが電極間0.3mm、抵抗体幅0.3mmの抵抗温度係数を抵抗体サイズが電極間1.0mm、抵抗体幅1.0mmの抵抗温度係数で引いた抵抗温度係数の差を合わせて示した。
抵抗体サイズが変わっても、抵抗体の面積抵抗値や抵抗温度係数が変わらない方が望ましい。
比較例としては、メタホウ酸銅を含有しない厚膜導体形成用組成物とメタホウ酸銅の代わりに酸化第二銅を用いた厚膜導体形成用組成物を用いた。これらの厚膜導体形成用組成物を用いて形成した厚膜導体の特性と、この厚膜導体を電極にして抵抗ペーストR−13Uを焼成して形成した抵抗体の特性を実施例と同様に計測し、表1に示した。
Figure 0006836184
実施例はいずれもアルミナ基板との密着力が強く、抵抗体サイズが変わっても抵抗体特性の差が小さい。一方、比較例1と比較例3は、銅成分が入っておらず、抵抗体サイズによる抵抗体特性の差は小さいが、アルミナ基板との密着力がメタホウ酸銅(実施例1から4)や酸化第二銅(比較例2、4)と比べて30%〜40%程度と弱く、剥離などの問題を生じやすいことが分かる。
また、比較例2と比較例4は、酸化第二銅を含有させることにより、アルミナ基板との密着力を十分に大きくすることができたが、抵抗体サイズによる抵抗体特性の差が大きく、従来のサイズの大きな抵抗体では大きな問題はないものの、最近の小型化の進む電子部品に用いる抵抗体では、目標とする面積抵抗値や抵抗温度係数からのかい離が大きく狙った特性が得られ難いことが分かる。
以上、実施例、比較例から、本発明の厚膜導体形成用組成物によれば、アルミナ基板との密着力が強く、抵抗体サイズによる抵抗体特性の差を小さくする厚膜電極を形成することができる。

Claims (8)

  1. Au、Ag、Pd、Ptから選ばれる少なくとも1種類以上の導電粉末と、メタホウ酸銅粉末を含む酸化物粉末とを含有することを特徴とする厚膜導体形成用組成物。
  2. 前記導電粉末100質量部に対し、前記メタホウ酸銅粉末を0.05質量部以上、5質量部以下含有することを特徴とする請求項1に記載の厚膜導体形成用組成物。
  3. 前記酸化物粉末が、メタホウ酸銅粉末と、さらに軟化点が400℃以上、800℃以下のガラス粉末とを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の厚膜導体形成用組成物。
  4. 前記導電粉末100質量部に対し、0.05質量部以上、5質量部以下の前記メタホウ酸銅粉末と、0.3質量部以上、5質量部以下の前記ガラス粉末からなる酸化物粉末を含有することを特徴とする請求項に記載の厚膜導体形成用組成物。
  5. 前記ガラス粉末の鉛含有量が、0.1質量%未満であることを特徴とする請求項3又は4に記載の厚膜導体形成用組成物。
  6. 前記メタホウ酸銅粉末の平均粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の厚膜導体形成用組成物。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の厚膜導体形成用組成物を含む導体ペーストを、セラミック基板に塗布した後、500℃以上、900℃未満の温度で焼成することを特徴とする厚膜導体の製造方法。
  8. セラミック基板上に、
    導電粉末と、メタホウ酸銅粉末を含む酸化物粉末とを含有する厚膜導体形成用組成物の焼成体である厚膜導体からなる電極及び配線のいずれか或いは両者が密着し、
    前記電極間、前記配線間、及び前記電極と配線間を接続する抵抗体の1種以上を備えていることを特徴とする電子部品。
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