JP6835495B2 - 係留索及び木造建築物 - Google Patents

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本発明は、係留索及び木造建築物に関するものである。
従来から、建物ユニットが水平方向及び上下方向に複数隣接配置されて構成された建築物が知られている。例えば、建物ユニットとして、床梁が四方枠状に配置された床と、床の四隅からそれぞれ立設された柱と、天井梁が四方枠状に配置され四隅がそれぞれ柱に支持された天井と、を備えたものが提案されている(下記特許文献1参照)。
特開2014−181525号公報
ところで、建物ユニットが木材等で構成されたような軽量な場合には、地震時に建物ユニットが浮き上がってしまうという問題点がある。特に、大地震時には鉛直変位が大きくなるとともに、建築物全体で大きな水平変位が生じてしまい、建築物が転倒する虞がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、建物ユニットが軽量な場合でも、建物ユニットの浮き上がりを抑制可能な係留索及び木造建築物を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る係留索は、基礎部の上部に上下方向に複数層の建物ユニットが設置された建築物において、前記建物ユニットに形成された上下方向を向く貫通孔内に配置された係留索であって、上下に積層される複数層の前記建物ユニット同士を連結し、地震時に引張軸力を負担するワイヤーと、前記上下方向を軸線方向として筒状に形成され、前記上下方向に隣接配置され、内部に前記ワイヤーが配置された複数の筒状部材と、を備え、隣接配置された前記筒状部材同士の連結部において、前記筒状部材が互いに当接離反するように構成されていることを特徴とする。
このように構成された係留索では、上下に積層される複数層の建物ユニット同士を連結するワイヤーが、地震時に引張軸力を負担する。よって、建物ユニットが軽量な場合には、地震時に建物ユニットに鉛直変位が生じるが、ワイヤーの引張軸力により建物ユニット同士が互いに引き戻され、建物ユニットの浮き上がりが抑制される。
また、隣接配置された筒状部材は互いに連結される連結部において互いに当接離反するように構成されているため、地震時に建築物が水平変位する際には、建築物の水平変位に応じて、隣接配置された筒状部材は柔軟に変形することができる。
また、本発明に係る係留索は、下端が前記基礎部に連結されていることが好ましい。
このように構成された係留索では、基礎部と建物ユニットとを連結する係留索が地震時に引張軸力を負担するため、建物ユニットが軽量な場合には、地震時に建物ユニットに鉛直変位が生じるが、ワイヤーの引張軸力により建物ユニットが基礎部側に引き戻されることになり、建物ユニットの浮き上がりを抑制することができる。
また、本発明に係る係留索では、前記連結部は、前記筒状部材同士が嵌合されて構成されていてもよい。
このように構成された係留索では、連結部は複数の筒状部材同士が嵌合されて構成されている。よって、連結部の構成を簡易にしつつ、地震時には嵌合具合を自ずと調整して、筒状部材同士が容易に当接離反することができる。
また、本発明に係る係留索は、前記貫通孔と前記係留索の外周面との間には、隙間が形成されていてもよい。
このように構成された係留索では、貫通孔と係留索の外周面との間には隙間が形成されているため、小規模地震時には、係留索は当該隙間内で変形するため建物ユニットに干渉することがなく、建物ユニット及び係留索の損傷等を抑制することができる。また、大規模地震時には、係留索が当該隙間内で大きく変形して建物ユニットに接触することで、係留索は建物ユニットから反発力を受けて元の位置に戻る。
また、本発明に係る木造建築物は、基礎部と、該基礎部の上部に上下方向に複数層設置され、木造で構成された建物ユニットと、上記のいずれか一に記載の係留索と、を備えることを特徴とする。
このように構成された木造建築物では、建物ユニットが軽量な木造の場合でも、地震時に建物ユニットに鉛直変位が生じ、ワイヤーの引張軸力により建物ユニットは基礎部側に引き戻されるため、建物ユニットの浮き上がりが抑制される。
また、本発明に係る木造建築物は、前記基礎部と最下層の前記建物ユニットとの間の空間部、及び上下方向に隣り合う前記建物ユニットの間の空間部に設置される支承装置を、備え、該支承装置は、前記空間部の上側に位置する前記建物ユニットに設置される木製の上部支持体と、前記空間部の下側に位置する前記基礎部または前記建物ユニットに設置される木製の下部支持体と、前記上部支持体と前記下部支持体との間に配置される木製の束柱と、を備え、地震時に、前記束柱が水平方向を軸線として回転して、前記束柱の上端部及び下端部がそれぞれ前記上部支持体及び前記下部支持体にめり込み可能に構成されていることが好ましい。
このように構成された木造建築物では、地震時に、束柱が水平方向を軸線として回転して、束柱の上端部及び下端部がそれぞれ上部支持体及び下部支持体にめり込む。つまり、水平力を受けると束柱が回転して層間変位を生じ、支持する鉛直力に応じた復元力で戻る。よって、上部支持体及び下部支持体と縁が切られた束柱が滑らかに回転変形するため、建物ユニットが軽量な場合でも、建物ユニットに伝達される振動を低減させることができる。
本発明に係る留索及び木造建築物によれば、建物ユニットが軽量な場合でも、建物ユニットの浮き上がりを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る木造建築物の縦断面図である。 (a)本発明の一実施形態に係る木造建築物の支承装置の構成を示す模式的な立面図であり、(b)地震時の支承装置の動きを示す模式的な立面図である。 本発明の一実施形態に係る木造建築物の支承装置の構成を示す模式的な平断面図である。 本発明の一実施形態に係る木造建築物の係留索の構成を示す(a)模式的な縦断面図であり、(b)模式的な平断面図である。 本発明の一実施形態に係る木造建築物の係留索の機能を説明するための図であり、(a)平常時の木造建築物を示す模式図であり、(b)小変形時の木造建築物を示す模式図であり、(c)大変形時の木造建築物を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る木造建築物の支承装置及び係留索の機能を説明するためのグラフである。 本発明の一実施形態の解析例に係る木造建築物において、(a)5層(13階)下側における支承装置の配置を示す平面図であり、(b)5層(13階)の平面図である。 本発明の一実施形態の解析例に係る木造建築物において、(a)最大応答加速度を示すグラフであり、(b)最大応答層間変位を示すグラフである。
本発明の一実施形態に係る木造建築物について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る木造建築物の縦断面図である。
木造積層建物は、例えばオフィス、教育施設、複合施設等の用途で用いられる高層の木造建築物を対象としている。図1に示すように、木造積層建物1は、基礎部11に設置され、上下方向Yに配置された複数の木造ユニット(建物ユニット)2と、ロッキング支承(支承装置)3と、係留索4と、を備える。
本実施形態では、木造積層建物1は、5層の木造ユニット2A、2B、…2Eが積層されている。なお、本実施の形態では、各木造ユニット2A〜2Eは、それぞれ同形状で、上方から見た平面視で正方形状をなしている。
木造ユニット2は、板状の天版22、底版23及び側壁24により構成されている。木造ユニット2の内部には、内部空間を上下に仕切る中間床25が上下方向に離間して2枚設けられている。これにより、各木造ユニット2内では、上下方向に3層分の空間が形成されている。
基礎部11と最下層の木造ユニット2Eとの間、及び上下方向に隣接する木造ユニット2の間には、空間部Sが形成されている。各空間部Sには、複数の木製のロッキング支承3が配置されている。
図2は、(a)ロッキング支承3の構成を示す模式的な立面図であり、(b)地震時のロッキング支承3の動きを示す模式的な立面図である。図3は、ロッキング支承3の構成を示す模式的な平断面図である。
図2(a)及び図3に示すように、ロッキング支承3は、上部木キャピタル(上部支持体)31と、下部木キャピタル(下部支持体)32と、木束柱(束柱)33と、を有している。
上部木キャピタル31は、空間部Sの上側に配置される木造ユニット2(図1参照。以下同じ。)に設置されている。上部木キャピタル31は、繊維方向が水平方向に沿うように配置されている。上部キャピタルの外縁部には、下方に向かって突出する上部規制部31aが設けられている。
本実施形態では、上部木キャピタル31は、平面視において円状に形成され、上部規制部31aは環状に形成されている。上部木キャピタル31は、上側の木造ユニット2に螺子や釘等(不図示)により固定されている。
下部木キャピタル32は、空間部Sの下側に配置される木造ユニット2(または空間部Sの下側に配置される基礎部11)に設置されている。下部木キャピタル32は、繊維方向が水平方向に沿うように配置されている。下部キャピタルの外縁部には、上方に向かって突出する下部規制部32aが設けられている。
本実施形態では、下部木キャピタル32は、平面視において円状に形成され、下部規制部32aは環状に形成されている。下部木キャピタル32は、下側の木造ユニット2には螺子や釘等(不図示)により固定され、基礎部11にはボルト等(不図示)で固定されている。
木束柱33は、上部木キャピタル31と下部木キャピタル32との間に、水平方向を軸線として回転可能に配置されている。木束柱33は、楔芯材34と、積層材35と、結束バンド38と、を有している。本実施形態では、木束柱33は円柱状に形成され、平常時において軸線方向を上下方向として配置されている。
楔芯材34は、上方から見た平面視において木束柱33の中心に配置されている。積層材35は、楔芯材34の外周側に配置されている。本実施形態では、上方から見た平面視において、楔芯材34の外周には、扇形状に形成された積層ブロック36が12個周方向に並列配置されて、円形をなしている。積層ブロック36は、周方向に沿う積層板37が径方向に複数積層されて構成されている。積層ブロック36の繊維方向は、上下方向に沿うように形成されている。楔芯材34の周りに複数の積層ブロック36が配置され、これら積層ブロック36の外周を結束バンド38が締め付けている。
積層ブロック36を周方向に複数配置して、これら積層ブロック36の外周を結束バンド38で締め付けた状態で、積層ブロック36の上方から見た平面視における中心側に楔芯材34を嵌め込むことで、接着剤だけに依存せず一体性の高い高強度の木束柱33が形成される。
図2(b)に示すように、地震時には、ロッキング支承3の木束柱33は水平方向を軸線として回転して、木束柱33の上端部33Tは上部木キャピタル31の下面にめり込むととともに、木束柱33の下端部33Bは下部木キャピタル32の上面にめり込む。その後、木束柱33は、支持する鉛直力に応じた復元力で元の位置に戻る動きをする。
図1に示すように、木造ユニット2の底版23、天版22及び中間床25(最上層の木造ユニット2Aの場合は底版23のみ)には、上下方向に貫通する貫通孔2bが、互いに連通して形成されている。換言すると、最上層の木造ユニット2Aから最下層の木造ユニット2Eまで上下方向に貫通する貫通孔2bが形成されている。貫通孔2bには係留索4が、挿通されている。
図4は、係留索4の構成を示す(a)模式的な縦断面図であり、(b)模式的な平断面図である。図4(a)は、木造ユニット2の底版23を貫通する係留索4の断面図である。
図1に示すように、係留索4は、底版23、天版22及び中間床25等の貫通孔2bの内面と隙間T(図4参照)を有して配置されている。換言すると、係留索4の径は、貫通孔2bの径よりも十分に小さい。
図4に示すように、係留索4は、上下方向の軸線方向とする筒状に形成された筒状体41と、筒状体41の内部に配置されて複数のワイヤー47と、を有している。
筒状体41は、上下方向を軸線方向とする筒状に形成された複数の筒状部材42が上下方向に隣接配置されて構成されている。
筒状部材42の上端部には、上方から見た平面視において環状に形成され、下方に一段下がった環状段部43が形成されている。筒状部材42の下端部には、下方から見た平面視において環状に形成され、下方に突出する環状突起44が形成されている。
下側の筒状部材42の上端部に形成された環状段部43に、上側の筒状部材42の下端部に形成された環状突起44が嵌め込まれて、筒状部材42同士を連結する連結部45が構成されている。筒状部材42同士は、連結部45において互いに当接離反するように構成されている。
図1に示すように、ワイヤー47は、上端部が最上層の木造ユニット2Aに連結され、下端部が基礎部11に連結されている。ワイヤー47は、地震時には、引張軸力を負担する。
本実施形態では、ワイヤー47として、複数の鋼素線等の素線(不図示)を撚り合わせて構成されたストランド(小縄)が、繊維心(不図示)を中心に複数巻き付けられたワイヤーロープが採用されている。引張強度が高いとともに、耐衝撃性にも優れている。
図5は、係留索4の機能を説明するための図であり、(a)平常時の木造積層建物1を示す模式図であり、(b)小変形時の木造積層建物1を示す模式図であり、(c)大変形時の木造積層建物1を示す模式図である。
図5(b)に示すように、小変形時には、ロッキング支承3(図1参照)の回転により鉛直変位が生じ、木造ユニット2間で水平変位が生じる。また、係留索4による引張軸力が傾斜復元力を負荷する。
図5(c)に示すように、大変形時には、鉛直変位が大きくなるとともに、木造積層建物1全体で水平変位が生じる。また、係留索4による引張軸力が木造積層建物1全体の転倒を抑制する。
図6は、ロッキング支承3及び係留索4の機能を説明するためのグラフであり、横軸に変形、縦軸に復元力を示している。
図6に示すように、ロッキング支承3単体では変形が所定の範囲を超えると復元力が低下するが、ロッキング支承3と係留索4とを組み合わせることで、大変形時でもロッキング支承3の復元力が確保され、変形性能の優れたシステムを提供することができる。
このように構成された木造積層建物1では、基礎部11と最上層の木造ユニット2Aとを連結するワイヤー47が、地震時に引張軸力を負担する。よって、軽量な木造ユニット2には、地震時に鉛直変位が生じるが、ワイヤー47の引張軸力により木造ユニット2は基礎部11側に引き戻されるため、木造ユニット2の浮き上がりが抑制される。
また、隣接配置された筒状部材42は互いに連結される連結部45において、互いに当接離反するように構成されているため、地震時に木造積層建物1が水平変位する際には、木造積層建物1の水平変位に応じて、隣接配置された筒状部材42は柔軟に変形することができる。
また、連結部45は複数の筒状部材42同士が嵌合されて構成されている。よって、連結部45の構成を簡易にしつつ、地震時には嵌合具合を自ずと調整して、筒状部材42同士が容易に当接離反することができる。
また、貫通孔2bと係留索4の外周面との間には隙間Tが形成されているため、小規模地震時には、係留索4は当該隙間T内で変形するため木造ユニット2に干渉することがなく、木造ユニット2への損傷等を抑制することができる。また、大規模地震時には、係留索4が当該隙間T内で大きく変形して木造ユニット2に接触することで、係留索4は木造ユニット2から反発力を受けて元の位置に戻ろうとする。相互の力のやりとりが生じることにより、木造ユニット2間の過大な変形を抑制するフェールセーフとしても機能する。
また、地震時に、木束柱33が回転して、木束柱33の上端部33T及び下端部33Bがそれぞれ上部木キャピタル31及び下部木キャピタル32にめり込む。つまり、水平力を受けると木束柱33が回転して層間変位を生じ、支持する鉛直力に応じた復元力で戻る。よって、上部木キャピタル31及び下部木キャピタル32と縁が切られた木束柱33が滑らかに回転変形するため、軽量な木造ユニット2でも、木造ユニット2に伝達される振動を低減させることができる。
(解析例)
次に、上記のロッキング支承3及び係留索4を設置した建物において、解析を行った。本解析モデルの条件は、図1及び図7に示す通りであり、以下の通りである。建物平面形状は36×36m、建物は3層高さ14mの木造ユニット2を5段積層した15階建て80mである。延べ床面積は、19,440m、建物総重量185,000kNである。木造ユニット2間の上下方向の隙間Tは2mである。基礎部11と木造ユニット2Eとの間には1500φのロッキング支承3が93箇所に設置され、木造ユニット2Eと木造ユニット2Dとの間には1500φのロッキング支承3が77箇所に設置され、木造ユニット2Dと木造ユニット2Cとの間には1500φのロッキング支承3が57箇所に設置され、木造ユニット2Cと木造ユニット2Bとの間には1000φのロッキング支承3が40箇所に設置され、木造ユニット2Bと木造ユニット2Aとの間には800φのロッキング支承3が40箇所に設置されている。最下層の軸力は約2,000kN/1台、σc=1.2N/mmである。
上記のように、ロッキング支承3及び係留索4を設置した構成をモデル1とし、ロッキング支承3のみを設置した構成をモデル2とし、モデル1と同じ初期剛性を有する弾性変形モデルをモデル3として、解析を行った。
図8(a)は最大応答加速度を示すグラフであり、(b)は最大応答層間変位を示すグラフである。
図8(a)に示すように、モデル1はモデル3に比べて、上層で応答が低減されている。また、図8(b)に示すように、モデル2は係留索4が無いため5層で偏位過大となるが、モデル1では係留索4の効果が認められている。
ただし、上記の計算は一例であり、ロッキング支承3のプロポーションや台数の組み合わせにより、木造ユニット2間の過大な変形を抑制するフェールセーフのための仕組みとして、係留索を計画することも可能である。
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記に示す実施形態では、ロッキング支承3は、上部木キャピタル31、下部木キャピタル32及び木束柱33が、上方から見た平面視において円形(木束柱33は円柱状)に形成されている。木束柱33が円柱状に形成されていることで、地震時にはあらゆる方向に傾斜可能であり、効果的に復元力を発揮しやすいが、本発明はこれに限られない。上部木キャピタル31、下部木キャピタル32及び木束柱33が、上方から見た平面視において矩形や多角形に形成されていてもよく、上部木キャピタル31及び下部木キャピタル32が上方から見た平面視において矩形(または多角形)に形成されていて、木束柱33が円柱状に形成されていてもよい。
また、係留索を接続する方法も重量や剛性バランスに合わせて自由に設計することができる。つまり、本実施形態では、基礎から最上層までを連続して係留索4によって連結しているが、これに限定されることはなく、基礎から中間層の区間のみを係留索で連結する構造や、中間層から最上層の区間のみを係留索で連結する構造、あるいは中間層の所定の2層間のみを係留索で連結する構成であってもよい。さらには、本実施形態のような基礎から最上層までの係留索4に加え、中間層から基礎(最上層)の係留索を組み合わせた形成とすることも可能である。
また、係留索4として、本実施形態では鋼素線を撚り合わせたストランドワイヤーとしているが、これに限定されることはなく、並行ストランドワイヤーやナイロン等の高強度素材のものを採用することが可能である。
1…木造積層建物(木造建築物)
2…木造ユニット(建物ユニット)
2b…貫通孔
3…ロッキング支承(支承装置)
4…係留索
11…基礎部
31…上部木キャピタル(上部支持体)
32…下部木キャピタル(下部支持体)
33…木束柱(束柱)
31a…上部規制部
32a…下部規制部
34…楔芯材
35…積層材
36…積層ブロック
37…積層板
38…結束バンド
41…筒状体
42…筒状部材
43…環状段部
44…環状突起
45…連結部
47…ワイヤー
S…空間部
T…隙間

Claims (5)

  1. 基礎部の上部に上下方向に複数層の建物ユニットが設置された建築物において、前記建物ユニットに形成された上下方向を向く貫通孔内に配置された係留索であって、
    上下に積層される複数層の前記建物ユニット同士を連結し、地震時に引張軸力を負担するワイヤーと、
    前記上下方向を軸線方向として筒状に形成され、前記上下方向に隣接配置され、内部に前記ワイヤーが配置された複数の筒状部材と、を備え、
    隣接配置された前記筒状部材同士の連結部において、前記筒状部材が互いに当接離反するように構成されていることを特徴とする係留索。
  2. 下端が前記基礎部に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の係留索。
  3. 前記連結部は、前記筒状部材同士が嵌合されて構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の係留索。
  4. 前記貫通孔と前記係留索の外周面との間には、隙間が形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の係留索。
  5. 基礎部と、
    該基礎部の上部に上下方向に複数層設置され、木造で構成された建物ユニットと、
    請求項1からのいずれか一項に記載の係留索と、を備えることを特徴とする木造建築物。
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