JP6835412B2 - ソナー装置、応答装置、識別システム、識別方法、応答方法及びプログラム - Google Patents

ソナー装置、応答装置、識別システム、識別方法、応答方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、ソナー装置、応答装置、識別システム、識別方法、応答方法及びプログラムに関する。
水中の物体を検出する技術としてソナーが知られている。ソナーには、アクティブソナーとパッシブソナーがある。アクティブソナーは、物体を検出しようとする主体が音を発信し、それに対する反射音を検出することにより物体を検出する技術である。パッシブソナーは、物体が発する音波を検出し、検出した音波に基づいて物体を検出する技術である。
例えば、特許文献1には、第1送波器から周波数が時間とともに上昇する第1信号を放射し、第2送波器から周波数が時間とともに下降する第2信号の2種類の信号を放射するソナーの目標物識別装置について記載されている。特許文献1の目標物識別装置は、受信装置による受信信号に対し、第1信号と第2信号をレプリカとする相関処理を行い、第1信号との相関出力が大きい場合は目標物が第1送波器側に存在し、第2信号との相関出力が大きい場合は目標物が第2送波器側に存在すると識別する。
また、航空機などの分野では、レーダを利用した物体の識別装置(IFF:identification friend or foe)が提供されている。IFFを用いると、検出した物体が敵か味方かを識別することができる。
特開2002−350538号公報
水中ではレーダが利用できないため、ソナーが利用されることが多い。一般的なソナーの場合、レーダによる識別と比較して、物体の存在を検出することができても、その物体の属性を識別することが難しい場合がある。物体の属性とは、その物体がどの国や組織に所属するかを示す情報や、敵味方を識別するための手掛かりとなる情報などである。
そこでこの発明は、上述の課題を解決するソナー装置、応答装置、識別システム、識別方法、応答方法及びプログラムを提供することを目的としている。
本発明の第1の態様によれば、ソナー装置は、自装置が出力した探信音に対する物体からの反射音以外の識別信号音を取得し、前記識別信号音が、識別対象物体ごとに付された所定の識別番号のうち妥当な前記識別番号に対応するか否かを解析し、その解析結果に基づいて、前記識別信号音を出力した前記物体を識別する質問応答情報処理部、を備える。
本発明の第2の態様によれば、応答装置は、ソナー装置が出力する探信音を取得し、前記探信音に対して自装置の識別番号と、自装置の現在の絶対位置と、現在の絶対時刻と、前記識別番号と前記絶対位置と前記絶対時刻と識別信号との関係を定めたテーブルと、に基づいて、自装置の前記識別番号に対応する前記識別信号を算出し、当該識別信号に対応する識別信号音を生成する応答情報処理部前記識別信号音を出力する出力部と、を備える。
本発明の第3の態様によれば、識別システムは、上記のソナー装置と、上記の応答装置と、を備える。
本発明の第4の態様によれば、識別方法は、ソナー装置が、自装置が出力した探信音に対する物体からの反射音以外の識別信号音または自装置が出力した質問信号音に対する応答信号音を取得し、前記識別信号音または前記応答信号音が、識別対象物体ごとに付された所定の識別番号のうち妥当な前記識別番号に対応するか否かを解析し、その解析結果に基づいて、前記識別信号音または前記応答信号音を出力した前記物体を識別するステップを有する。
本発明の第5の態様によれば、応答方法は、ソナー装置が出力する探信音を取得し、前記探信音に対して自装置の識別番号と、自装置の現在の絶対位置と、現在の絶対時刻と、前記識別番号と前記絶対位置と前記絶対時刻と識別信号との関係を定めたテーブルと、に基づいて、自装置の前記識別番号に対応する前記識別信号を算出し、当該識別信号に対応する識別信号音を生成するステップを有する。
本発明の第6の態様によれば、プログラムは、ソナー装置のコンピュータを、前記ソナー装置が出力した探信音に対する物体からの反射音以外の識別信号音または前記ソナー装置が出力した質問信号音に対する応答信号音を取得し、前記識別信号音または前記応答信号音にが、識別対象物体ごとに付された所定の識別番号のうち妥当な前記識別番号に対応するか否かを解析し、その解析結果に基づいて、前記識別信号音または前記応答信号音を出力した前記物体を識別する手段、として機能させる。

本発明のソナー装置によれば、検出した物体の属性を識別することができる。
本発明の第一実施形態による識別システムの概要を示す図である。 本発明の第一実施形態によるアクティブソナーの最小構成を示す図である。 本発明の第一実施形態による応答装置の最小構成を示す図である。 本発明の第一実施形態による識別システムの最小構成を示す図である。 本発明の第一実施形態による識別システムの具体的な構成例を示す図である。 本発明の第一実施形態による識別処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の第一実施形態による相関度の算出処理を説明する図である。 本発明の第一実施形態による暗号方式の一例を示す図である。 本発明の第二実施形態による識別システムの概要を示す図である。 本発明の第二実施形態による識別システムの具体的な構成例を示す図である。 本発明の第二実施形態による識別処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の第二実施形態による暗号方式の一例を示す図である。 本発明の第三実施形態による識別システムの具体的な構成例を示す図である。 本発明の第三実施形態による周波数分析処理の一例を示す図である。 本発明の第三実施形態による識別処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の第四実施形態による識別システムの具体的な構成例を示す図である。 本発明の第四実施形態による識別処理の一例を示すフローチャートである。
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態による水中での物体の属性の識別を可能とする識別システムを、図1〜図8を参照して説明する。
図1は、本発明の第一実施形態による識別システムの概要を示す図である。識別システム(後述する識別システム100)は、少なくとも1台のアクティブソナー(後述するアクティブソナー20)と、応答装置16とを含む。図1に示す船舶用ソナー5、投下式ソナー7、水中航走体用ソナー8、吊下式ソナー10、海底設置ソナー12、海中設置ソナー13は、アクティブソナー20の一例である。船舶用ソナー5は、海面1を航行する船舶4が備えるアクティブソナーである。船舶用ソナー5は、探信音14を送信し、識別信号音17を受信する。投下式ソナー7は、浮上部7Aと水中部7Bから構成されるアクティブソナーである。航空機6は、投下式ソナー7を海上の所望の位置に投下する。浮上部7Aは海面1上に浮揚する。水中部7Bは、浮上部7Aとワイヤやロープ等により接続されている。水中部7Bは、浮上部7Aにより吊るされ海中を浮遊する。水中部7Bは、探信音14を送信し、識別信号音17を受信する。水中航走体用ソナー8は、例えば、小型水中航走体11が備えるアクティブソナーである。水中航走体用ソナー8は、探信音14を送信し、識別信号音17を受信する。吊下式ソナー10は、例えば、ヘリコプター9により吊下され海中を浮遊する。吊下式ソナー10は、探信音14を送信し、識別信号音17を受信する。海底設置ソナー12は、海底2に設置されたアクティブソナーである。海底設置ソナー12は、探信音14を送信し、識別信号音17を受信する。海中設置ソナー13は、一端が海底2に固定されたワイヤ等によって海中に係留されたアクティブソナーである。海中設置ソナー13は、探信音14を送信し、識別信号音17を受信する。
水中航走体3は、応答装置16を備える。応答装置16は、各種アクティブソナー20(船舶用ソナー5、投下式ソナー7、水中航走体用ソナー8、吊下式ソナー10、海底設置ソナー12、海中設置ソナー13)の何れかが出力した探信音14を受信すると、識別信号音17を生成し、出力する。アクティブソナー20は、識別信号音17を受信すると、識別信号音17を解析し、水中航走体3の属性を識別する。
次に、第一実施形態におけるアクティブソナー20、応答装置16、識別システム100の最小構成について説明する。
図2は、本発明の第一実施形態によるアクティブソナーの最小構成を示す図である。
アクティブソナー20は、少なくとも質問応答情報処理部201を備えている。質問応答情報処理部201は、自装置(アクティブソナー20)が出力した探信音に対する識別信号音17を取得し、識別信号音に含まれる識別信号に基づいて、識別信号音を出力した物体を識別する。
図3は、本発明の第一実施形態による応答装置の最小構成を示す図である。
応答装置16は、少なくとも応答情報処理部161を備えている。応答情報処理部161は、アクティブソナー20が出力する探信音を取得し、探信音に対して自装置に関する識別情報(例えば、応答装置16を備える水中航走体3の識別番号や水中航走体3に関する絶対時刻および絶対位置)を含む識別信号音を生成する。
図4は、本発明の第一実施形態による識別システムの最小構成を示す図である。
識別システム100は、アクティブソナー20と応答装置16とを含む。アクティブソナー20は、少なくとも質問応答情報処理部201を備えている。応答装置16は、少なくとも応答情報処理部161を備えている。アクティブソナー20は、探信音14を送信する。応答装置16の応答情報処理部161は、その探信音に対して自装置に関する識別情報を含む識別信号音17を生成する。応答装置16は、識別信号音17を送信する。アクティブソナー20の質問応答情報処理部201は、識別信号音17に含まれる識別情報に基づいて、応答装置16を識別する。
図5は、本発明の第一実施形態による識別システムの具体的な構成例を示す図である。
なお、図1〜図4と同じ機能部には同じ符号を付して説明する。識別システム100は、アクティブソナー20と応答装置16とを含む。
アクティブソナー20は、質問応答情報処理部201と、送信信号生成処理部202と、D/A変換部203と、送信系BPF(band-pass filter:バンドパスフィルタ)部204と、電力増幅部205と、電歪振動子206と、信号増幅部207と、受信系BPF部208と、A/D変換部209と、FM−UP相関処理部210と、FM−DOWN相関処理部211とを備える。
質問応答情報処理部201は、水中航走体3の検出に用いる探信音14を生成するための送信パラメータの出力や、応答装置16から受信した識別信号音17の解析などを行う。具体的には、質問応答情報処理部201は、探信音14の送信パラメータとして、探信音14の送信レベル、送信周波数、送信パルス幅、周波数変調特性、送信タイミングを送信信号生成処理部202に指示する。周波数変調特性については、後に図7を用いて説明する。また、質問応答情報処理部201は、FM−UP相関度とFM−DOWN相関度とに基づいて、識別信号音17の検出および識別信号音17を送信した応答装置16を備える水中航走体3の属性の識別を行う。
送信信号生成処理部202は、質問応答情報処理部201が指示した送信パラメータに基づき、探信音14の波形データを生成する。送信信号生成処理部202は、生成した波形データを、D/A変換部203へ出力する。
D/A変換部203は、送信信号生成処理部202から取得した波形データをD/A変換し、アナログ電気信号を送信系BPF部204へ出力する。
送信系BPF部204は、D/A変換部203から取得したアナログ電気信号の不要な高周波成分及び低周波成分を減衰させて、滑らかなアナログ電気信号を電力増幅部205へ出力する。
電力増幅部205は、パワーアンプである。電力増幅部205は、送信系BPF部204から取得したアナログ電気信号の電力を増幅する。電力増幅部205は、増幅後のアナログ電気信号を電歪振動子206へ出力する。
電歪振動子206は、電力増幅部205から取得したアナログ電気信号を音波に変換する。電歪振動子206は、変換後の音波を探信音14として水中に送信する。また、電歪振動子206は、応答装置16が出力した識別信号音17を含む水中の音波をアナログ電気信号に変換する。電歪振動子206は、変換後のアナログ電気信号を信号増幅部207へ出力する。
信号増幅部207は、プリアンプである。信号増幅部207は、電歪振動子206から取得した微弱なアナログ電気信号を増幅する。信号増幅部207は、増幅後のアナログ電気信号を受信系BPF部208へ出力する。
受信系BPF部208は、信号増幅部207から取得したアナログ電気信号に対し、識別信号音17の周波数以外の周波数帯域の成分を減衰させて、ナイキスト周波数成分を除去する。受信系BPF部208は、通過帯域制限後のアナログ電気信号をA/D変換部209へ出力する。
A/D変換部209は、受信系BPF部208から取得したアナログ電気信号をデジタル波形データへ変換する。A/D変換部209は、変換後のデジタル波形データを、FM−UP相関処理部210及びFM−DOWN相関処理部211へ出力する。
FM−UP相関処理部210は、A/D変換部209から取得したデジタル波形データに所定のFM−UP相関データを乗算し、FM−UP相関度を算出する。FM−UP相関処理部210は、図7に示すFM−UP周波数変調信号43を検出するためにFM−UP相関度を算出する。FM−UP相関処理部210は、FM−UP相関度を質問応答情報処理部201へ出力する。
FM−DOWN相関処理部211は、A/D変換部209から取得したデジタル波形データに所定のFM−DOWN相関データを乗算し、FM−DOWN相関度を算出する。FM−DOWN相関処理部211は、図7に示すFM−DOWN周波数変調信号44を検出するためにFM−DOWN相関度を算出する。FM−DOWN相関処理部211は、FM−DOWN相関度を質問応答情報処理部201へ出力する。
応答装置16は、応答情報処理部161と、送信信号生成処理部162と、D/A変換部163と、送信系BPF部164と、電力増幅部165と、電歪振動子166と、信号増幅部167と、受信系BPF部168と、A/D変換部169と、周波数分析処理部172とを備える。
応答情報処理部161は、アクティブソナー20が送信した探信音14の検出や、探信音14に対する識別信号音17の生成などを行う。具体的には、応答情報処理部161は、後述するFM−UP相関度とFM−DOWN相関度とに基づいて、探信音14の解析を行う。また、応答情報処理部161は、識別信号音17の送信パラメータとして、識別信号音17の送信レベル、送信周波数、送信パルス幅、周波数変調特性、送信タイミング、時刻情報及び位置情報等を送信信号生成処理部162に指示する。このとき、応答情報処理部161は、周波数変調特性として、図7に示すFM−UP周波数変調信号43とFM−DOWN周波数変調信号44のパルスの組み合わせによる暗号を指示する。
送信信号生成処理部162は、応答情報処理部161が指示した送信パラメータに基づいて、識別信号音17の波形データを生成する。送信信号生成処理部162は、生成した波形データを、D/A変換部163へ出力する。
D/A変換部163は、送信信号生成処理部162から取得した送信波形データをD/A変換し、アナログ電気信号を送信系BPF部164へ出力する。
送信系BPF部164は、D/A変換部163から取得したアナログ電気信号の不要な高周波成分及び低周波成分を減衰させて、滑らかなアナログ電気信号を電力増幅部165へ出力する。
電力増幅部165は、パワーアンプである。電力増幅部165は、送信系BPF部164から取得したアナログ電気信号の電力を増幅する。電力増幅部165は、増幅後のアナログ電気信号を電歪振動子166へ出力する。
電歪振動子166は、電力増幅部165から取得したアナログ電気信号を音波に変換する。電歪振動子166は、変換後の音波を識別信号音17として水中に送信する。また、電歪振動子166は、アクティブソナー20が出力した探信音14を含む水中の音波をアナログ電気信号に変換する。電歪振動子166は、変換後のアナログ電気信号を信号増幅部167へ出力する。
信号増幅部167は、プリアンプである。信号増幅部167は、電歪振動子166から取得した微弱なアナログ電気信号を増幅する。信号増幅部167は、増幅後のアナログ電気信号を受信系BPF部168へ出力する。
受信系BPF部168は、信号増幅部167から取得したアナログ電気信号に対し、探信音14の周波数以外の周波数帯域の成分を減衰させて、ナイキスト周波数成分を除去する。受信系BPF部168は、通過帯域制限後のアナログ電気信号をA/D変換部169へ出力する。
A/D変換部169は、受信系BPF部168から取得したアナログ電気信号をデジタル波形データへ変換する。A/D変換部169は、変換後のデジタル波形データを、周波数分析処理部172へ出力する。
周波数分析処理部172は、A/D変換部169から取得したデジタル波形データに対し高速フーリエ変換等の周波数分析処理を行い、周波数分析結果を応答情報処理部161へ出力する。
次に第一実施形態のアクティブソナー20による応答装置16を備える水中航走体3を識別する処理について図6〜図8を用いて説明する。
図6は、本発明の第一実施形態による識別処理の一例を示すフローチャートである。
図7は、本発明の第一実施形態による相関度の算出処理を説明する図である。
まず、アクティブソナー20が、探信音14を生成する(ステップS11)。具体的には、質問応答情報処理部201が、探信音14の送信レベル、送信周波数、送信パルス幅、周波数変調特性、送信タイミングを含む送信パラメータを送信信号生成処理部202に出力する。探信音14は、水中航走体3の検出に適する送信レベル、送信周波数、送信パルス幅及び周波数変調特性を考慮して生成された水中音波である。
次に送信信号生成処理部202は、送信パラメータに基づいて、探信音14の波形データを生成する。送信信号生成処理部202は、生成した波形データを、送信パラメータに含まれる送信タイミングでD/A変換部203へ出力する。D/A変換部203は、波形データをアナログ電気信号に変換し、送信系BPF部204へ出力する。送信系BPF部204は、アナログ電気信号の高周波成分及び低周波成分を除去して電力増幅部205へ出力する。電力増幅部205は、アナログ電気信号を増幅し、電歪振動子206へ出力する。
次にアクティブソナー20が、探信音14を送信する(ステップS12)。具体的には、電歪振動子206が、アナログ電気信号を音波(探信音14)に変換し、探信音14を水中に送信する。
応答装置16は、水中に送信された探信音14を受信する(ステップS13)。電歪振動子166は、探信音14をアナログ電気信号に変換し、信号増幅部167へ出力する。
次に応答装置16は、探信音14を解析する(ステップS14)。具体的には、信号増幅部167は、取得したアナログ電気信号を増幅し、受信系BPF部168へ出力する。受信系BPF部168は、アナログ電気信号から探信音14の周波数帯域(低周波側45〜高周波側46)を抽出する。受信系BPF部168は、抽出したアナログ電気信号をA/D変換部169へ出力する。A/D変換部169は、アナログ電気信号をデジタル波形データへ変換し、周波数分析処理部172へ出力する。
周波数分析処理部172は、A/D変換部169から取得したデジタル波形データに対し、高速フーリエ変換等の周波数分析処理を行い、周波数分析結果を応答情報処理部161へ出力する。
応答情報処理部161は、周波数分析処理部172から取得した周波数分析結果について、予め登録されたアクティブソナー20が送信する探信音14の特徴と一致する場合、検出した音波が探信音14であると判定する。
次に応答装置16は、識別信号音17を生成する(ステップS15)。具体的には、応答装置16において識別信号音17の送信制御情報が送信ONに設定されていて、応答情報処理部161が、探信音14であると判定した場合、応答情報処理部161は、識別信号音17の送信パラメータとして、送信レベル、送信周波数、送信パルス幅、周波数変調特性、送信タイミングを送信信号生成処理部162へ指示する。このとき、応答情報処理部161は、周波数変調特性として、図7に示すFM−UP周波数変調信号43とFM−DOWN周波数変調信号44のパルスの組み合わせによる暗号を指示する。
例えば、FM−UP周波数変調信号43による周波数変調を指示したパルスは情報の「1」、FM−DOWN周波数変調信号44による周波数変調を指示したパルスは情報の「0」と定義すると、16個の送信パルスの組み合わせにより16bitの情報を識別信号音17として送信することができる。16bitの情報は、65536通りの組み合わせがある。この「0」と「1」の情報の組み合わせについて、予めアクティブソナー20の質問応答情報処理部201と応答装置16の応答情報処理部161でルールを決めておくことにより、質問応答情報処理部201は、識別信号音17を認識することができる。
次に16bitの情報の組み合わせの暗号について、図8を参照して説明する。
図8は、本発明の第一実施形態による暗号方式の一例を示す図である。
図8に絶対時刻(世界標準時)、絶対位置(水中航走体3の現在位置の緯度及び経度)および水中航走体3の識別番号の3つの絶対値の組み合わせにより16bitの暗号化された情報を定める暗号テーブルの一例を示す。例えば、この暗号テーブルの1行目は、絶対時刻(「2017年12月31日23時59分」)、絶対位置(「緯度−90.0deg、経度0.0deg」)、水中航走体3の識別番号(「001」)に対して、これらの値を所定の暗号化ロジックで組み合わせることによって得られる16桁の値(16進数で「A50B」)が識別信号であることを示している。質問応答情報処理部201は、識別信号音17が示す16個のパルス信号に対応する16個の「1」または「0」の数字の並びと、図8に例示する暗号テーブル(または暗号化ロジック)に基づいて、識別信号音17を構成する絶対時刻、絶対位置、水中航走体3の識別番号を算出する。質問応答情報処理部201は、応答装置16を備える水中航走体3の識別番号が算出できると、水中航走体3が所属する国などを把握したり、水中航走体3が敵か味方かを判別したりできる。
また、一般にアクティブソナー20は、識別信号音17の到来方位を検出することができるが、複数の水中航走体3が存在し、複数の水中航走体3から識別信号音17が送信された場合、水中航走体3と識別信号音17との対応関係が判別できなくなる可能性がある。そこで、識別信号音17の送信タイミングを、探信音14の検出から予め規定された一定時間内というルールを設ける。アクティブソナー20の質問応答情報処理部201は、識別信号音17の検出タイミングを水中航走体3までの距離に関係する情報として検出する。例えば水中における音波の伝搬速度を1500m/秒、識別信号音17の送信タイミングを探信音14の検出から1.0±0.1秒と規定する。この場合、探信音14の送信から2秒で識別信号音17を検出したとすると、アクティブソナー20の質問応答情報処理部201は、識別信号音17の検出タイミングから750m手前に、その識別信号音17を送信した水中航走体3が存在することを特定することができる。
次に送信信号生成処理部162は、質問応答情報処理部201から取得した送信パラメータに基づいて、識別信号音17の波形データを生成する。識別信号音17の波形データは、上記のように、例えば、16個の「1」または「0」の値の並びで構成された暗号化データである。送信信号生成処理部162は、暗号化された波形データを、送信パラメータに含まれる送信タイミングでD/A変換部163へ出力する。D/A変換部163は、波形データをアナログ電気信号に変換し、送信系BPF部164へ出力する。送信系BPF部164は、アナログ電気信号の不要な高周波成分及び低周波成分を除去して電力増幅部165へ出力する。電力増幅部165は、アナログ電気信号を増幅し、電歪振動子166へ出力する。
次に応答装置16が、識別信号音17を送信する(ステップS16)。具体的には、電歪振動子166が、アナログ電気信号を音波(識別信号音17)に変換し、識別信号音17を水中に送信する。
アクティブソナー20は、水中に送信された識別信号音17を受信する(ステップS17)。具体的には、電歪振動子206は、識別信号音17をアナログ電気信号に変換し、信号増幅部207へ出力する。
次にアクティブソナー20は、識別信号音17を解析する(ステップS18)。具体的には、信号増幅部207は、取得したアナログ電気信号を増幅し、受信系BPF部208へ出力する。受信系BPF部208は、アナログ電気信号から識別信号音17の周波数帯域(例えば、低周波側45〜高周波側46)を抽出する。受信系BPF部208は、抽出したアナログ電気信号をA/D変換部209へ出力する。A/D変換部209は、アナログ電気信号をデジタル波形データへ変換し、FM−UP相関処理部210及びFM−DOWN相関処理部211へ出力する。
FM−UP相関処理部210は、A/D変換部209から取得したデジタル波形データに対し、FM−UP周波数変調信号43を検出するために、予め設定されたFM−UP相関データを乗算し、FM−UP相関度を算出する。つまり、FM−UP相関処理部210は、FM−UP相関データと識別信号音17に基づく波形データの相互相関を計算し、相関振幅および相関位相を算出する。ここで、FM−UP相関処理部210は、A/D変換部209から取得した1つのデジタル波形データ入力周期51の時間分の波形データに対し、パルス幅52に相当する波形データ数について、1サンプル目から順番に所定のFM−UP相関データを乗算し、FM−UP相関度を算出する。このとき、第1パルス47のパルス幅52と相関演算時間幅53,54等とデジタル波形データ入力周期51とを同じ時間に設定する。こうすることにより、デジタル波形データ入力周期51で、相関処理開始時の相関演算時間幅53に示す1サンプル目から順に1サンプルずつ時間をずらしながら相関処理終了時の相関演算時間幅54まで、パルス幅52に相当する時間分のデジタル波形データに対してFM−UP相関処理を行うと、必ず第1パルスのパルス幅のみに対応するFM−UP相関度を得られるので、第1パルスのFM−UP相関度と、第2パルス以降の各パルスのFM−UP相関度を分離することができる。同様にFM−UP相関処理部210は、第2パルスのFM−UP相関度〜第16パルスのFM−UP相関度までをそれぞれ分離して算出する。FM−UP相関処理部210は、第1パルス〜第16パルスの各々について算出したFM−UP相関度を質問応答情報処理部201へ出力する。
FM−DOWN相関処理部211は、A/D変換部209から取得したデジタル波形データに対し、FM−DOWN周波数変調信号44を検出するために、予め設定されたFM−DOWN相関データを乗算し、FM−DOWN相関度を算出する。ここで、FM−DOWN相関処理部211は、A/D変換部209から取得した1つのデジタル波形データ入力周期51の時間に相当する波形データに対し、パルス幅52に相当する波形データ数について、1サンプル目から順番に所定のFM−DOWN相関データを乗算し、FM−DOWN相関度を算出する。第1パルス47のパルス幅52と相関演算時間幅53,54等とデジタル波形データ入力周期51とを同じ時間に設定する。こうすることにより、デジタル波形データ入力周期51で相関処理開始時の相関演算時間幅53に示す1サンプル目から順に1サンプルずつ時間をずらしながら相関処理終了時の相関演算時間幅54までパルス幅52に相当する時間分のデジタル波形データに対してFM−DOWN相関処理を行うと、必ず第1パルスのパルス幅のみに対応するFM−DOWN相関度を得られる。これにより、第1パルスのFM−DOWN相関度と、第2パルス以降の各パルスのFM−DOWN相関度を分離することができる。同様にFM−DOWN相関処理部171は、第2パルスのFM−DOWN相関度〜第16パルスのFM−DOWN相関度までをそれぞれ分離して算出する。FM−DOWN相関処理部211は、第1パルス〜第16パルスの各々について算出したFM−DOWN相関度を質問応答情報処理部201へ出力する。
質問応答情報処理部201は、FM−UP相関処理部210およびFM−DOWN相関処理部211から取得した16個ずつの相関度を所定の閾値を比較する。質問応答情報処理部201は、各パルスのFM−UP相関度またはFM−DOWN相関度が所定の閾値以上であれば、検出した音波が識別信号音17であると判定する。
識別信号音17であると判定した場合、質問応答情報処理部201は、FM−UP相関度とFM−DOWN相関度の何れが閾値以上であるかによって、受信したデータの各パルス信号に対し「0」または「1」に割り当てる。また、質問応答情報処理部201は、検出した音を識別信号音17であると判定すると、識別信号音17に含まれる情報の組み合わせ(割り当てた「0」と「1」の組み合わせ)について、例えば図8に例示した暗号テーブルを参照し、絶対時刻、絶対位置及び識別番号の絶対値の組み合わせにより定義された識別信号の暗号に一致する場合は妥当な識別信号音と判定する。次に質問応答情報処理部201は、妥当な識別信号音17と判定した場合、その識別信号音17を送信した水中航走体3について、属性の判定を行う。例えば、暗号テーブルに基づいて算出した識別番号が妥当な場合、質問応答情報処理部201は、水中航走体3は味方であると判定する。
識別信号音17について、暗号テーブルに基づいて算出した識別番号が妥当な番号ではない場合(例えば、暗号テーブルに記載がある識別番号であるが、現在、この場所に存在するはずがないことが分かっている場合など)、質問応答情報処理部201は、水中航走体3は味方ではないと判定する。
一般的にアクティブソナーの分野では、水中音波が海水の密度分布の影響を受けて直進しないこと、アクティブソナーが使用する音波の周波数が低いため海中雑音の影響を受けやすく水中における音波による信号通信の信頼性が低いことなどの理由から、対象物の識別を行うことができないことが多い。これに対し、本実施形態では、応答装置16が、アクティブソナー20が送信する探信音14の周波数変調の方法(時間の経過とともに周波数を高くする、周波数を低下させる)を利用して、1ビットの情報(0か1)を割りあてた1つのパルス信号を、時間的に連続して送信する。これにより応答装置16は、暗号化された識別情報を含む識別信号音17を送信する。また、アクティブソナー20では、周波数変調された情報を確実に読み取るため、受信した識別信号音17に対してA/D変換した1サンプルのデジタル波形データ毎に2種類の相関処理(FM−UP相関処理、FM−DOWN相関処理)を行い、高精度に周波数変調された信号を復元し、暗号を復号する処理を行う。これにより、アクティブソナー20は水中航走体3の敵味方や、識別番号を識別することができる。
<第二実施形態>
以下、本発明の第二実施形態による識別システムについて、図9〜図12を参照して説明する。第二実施形態に係る識別システム100aのうち、第一実施形態に係る識別システム100と同じ構成には同じ符号を付し、それらの説明を省略する。
図9は、本発明の第二実施形態による識別システムの概要を示す図である。
図9に示す船舶用ソナー5a、投下式ソナー7a、水中航走体用ソナー8a、吊下式ソナー10a、海底設置ソナー12a、海中設置ソナー13aは、アクティブソナー20aの一例である。また、水中航走体3は、応答装置16aを備える。第二実施形態に係るアクティブソナー20aは、第一実施形態の質問情報を含んだ探信音である質問信号音18を送信する。また、応答装置16aは、質問信号音18の質問情報に対する回答情報を含む応答信号音19を送信する。アクティブソナー20aは、応答信号音19を受信すると、応答信号音19を解析し、水中航走体3の属性を識別する。質問信号音18は、水中航走体3に対して識別情報の提供を要求する信号であり、アクティブソナー20aは、水中航走体3からの応答の有無及び応答信号音19の内容により、水中航走体3を識別する。例えば、水中航走体3から応答がなかったり、応答信号音19の内容が質問信号音18に対応したものでなかったりすれば、アクティブソナー20aは、その水中航走体3が関係のない国や組織に属すると識別する。
図10は、発明の第二実施形態による識別システムの具体的な構成例を示す図である。
図示するように識別システム100aは、アクティブソナー20aと応答装置16aとを含む。
アクティブソナー20aは、質問応答情報処理部201aと、送信信号生成処理部202と、D/A変換部203と、送信系BPF部204と、電力増幅部205と、電歪振動子206と、信号増幅部207と、受信系BPF部208と、A/D変換部209と、FM−UP相関処理部210と、FM−DOWN相関処理部211とを備える。
質問応答情報処理部201aは、水中航走体を識別するための質問信号音18を生成するための送信パラメータの出力や、応答装置16aから受信した応答信号音19の解析などを行う。具体的には、質問応答情報処理部201aは、質問信号音18の送信パラメータとして、質問信号音18の送信レベル、送信周波数、送信パルス幅、周波数変調特性、送信タイミング、絶対時刻及び識別番号を送信信号生成処理部202に指示する。質問応答情報処理部201aは、周波数変調特性として、FM−UP周波数変調信号43またはFM−DOWN周波数変調信号44によるパルスの組み合わせを指示する。質問情報の内容は、例えば、FM−UPを情報「0」、FM−DOWNを情報「1」としたときの「0」と「1」の組み合わせによって構成される値によって規定される。なお、質問信号音18は、図12に示す暗号テーブルによって暗号化されている。また、質問応答情報処理部201aは、FM−UP相関度とFM−DOWN相関度とに基づいて、応答信号音19の解析および応答信号音19に含まれる水中航走体3の属性の認識を行う。
応答装置16aは、応答情報処理部161と、送信信号生成処理部162と、D/A変換部163と、送信系BPF部164と、電力増幅部165と、電歪振動子166と、信号増幅部167と、受信系BPF部168と、A/D変換部169と、FM−UP相関処理部170と、FM−DOWN相関処理部171とを備える。
応答情報処理部161aは、アクティブソナー20aが送信した質問信号音18の解析や、質問信号音18に対する応答信号音19の生成などを行う。具体的には、応答情報処理部161aは、FM−UP相関度とFM−DOWN相関度とに基づいて、質問信号音18の解析を行う。また、応答情報処理部161aは、応答信号音19の送信パラメータとして、応答信号音19の送信レベル、送信周波数、送信パルス幅、周波数変調特性、送信タイミングを送信信号生成処理部162に指示する。このとき、応答情報処理部161aは、周波数変調特性として、図7に示すFM−UP周波数変調信号43とFM−DOWN周波数変調信号44のパルスの組み合わせによる暗号を指示する。
FM−UP相関処理部170は、A/D変換部169から取得したデジタル波形データにFM−UP相関データを乗算し、FM−UP相関度を算出する。FM−UP相関処理部170は、図7に示すFM−UP周波数変調信号43を検出するためにFM−UP相関度を算出する。FM−UP相関度の算出は、第一実施形態において説明したFM−UP相関処理部210が、A/D変換部209から取得したデジタル波形データに対してFM−UP相関度を算出する処理と同様である。FM−UP相関処理部170は、FM−UP相関度を応答情報処理部161aへ出力する。
FM−DOWN相関処理部171は、A/D変換部169から取得したデジタル波形データにFM−DOWN相関データを乗算し、FM−DOWN相関度を算出する。FM−UP相関度の算出は、第一実施形態において説明したFM−DOWN相関処理部211が、A/D変換部209から取得したデジタル波形データに対してFM−DOWN相関度を算出する処理と同様である。FM−DOWN相関処理部171は、図7に示すFM−DOWN周波数変調信号44を検出するためにFM−DOWN相関度を算出する。FM−DOWN相関処理部171は、FM−DOWN相関度を応答情報処理部161aへ出力する。
次に第二実施形態における水中航走体3の属性の識別処理について説明する。図11は、本発明の第二実施形態による識別処理の一例を示すフローチャートである。 図12は、本発明の第二実施形態による暗号方式の一例を示す図である。第一実施形態のフローチャート(図6)と同様の処理については説明を省略する。
まず、アクティブソナー20aが、質問信号音18を生成する(ステップS21)。具体的には、質問応答情報処理部201aが、質問信号音18の送信レベル、送信周波数、送信パルス幅、周波数変調特性、送信タイミングを含む送信パラメータを送信信号生成処理部202に出力する。質問応答情報処理部201aは、例えば、現在の絶対時刻と図12示す暗号テーブルに基づいて、16個のパルス信号を決定し、各パルス信号に応じて周波数変調特性を設定する。例えば、現在の絶対時刻が2017年12月31日23時59分であるとすると、質問応答情報処理部201aは、図12の暗号テーブルを参照し、質問信号「A50B(16進数)」を算出する。質問応答情報処理部201aは、A50Bを構成する16個の「0」、「1」の組み合わせに応じて、FM−UP周波数変調信号43とFM−DOWN周波数変調信号44による周波数変調の組み合わせを指示する。
送信信号生成処理部202は、送信パラメータに基づいて、質問信号音18の波形データを生成する。送信信号生成処理部202は、生成した波形データを、送信パラメータに含まれる送信タイミングでD/A変換部203へ出力する。D/A変換部203は、波形データをアナログ電気信号に変換し、送信系BPF部204へ出力する。送信系BPF部204は、アナログ電気信号の高周波成分及び低周波成分を除去して電力増幅部205へ出力する。電力増幅部205は、アナログ電気信号を増幅し、電歪振動子206へ出力する。次にアクティブソナー20aが、質問信号音18を送信する(ステップS22)。応答装置16aは、質問信号音18を受信する(ステップS23)。
次に応答装置16aは、質問信号音18を解析する(ステップS24)。具体的には、電歪振動子166が出力した質問信号音18の成分を含むアナログ電気信号を信号増幅部167が増幅し、受信系BPF部168へ出力する。受信系BPF部168は、アナログ電気信号から質問信号音18の周波数帯域(例えば、低周波側45〜高周波側46)を抽出する。受信系BPF部168は、抽出したアナログ電気信号をA/D変換部169へ出力する。A/D変換部169は、アナログ電気信号をデジタル波形データへ変換し、FM−UP相関処理部170及びFM−DOWN相関処理部171へ出力する。
FM−UP相関処理部170は、A/D変換部169から取得したデジタル波形データに対し、所定のFM−UP相関データを乗算し、FM−UP相関度を算出する。FM−UP相関処理部170は、第1パルス〜第16パルスの各々について算出したFM−UP相関度を応答情報処理部161aへ出力する。
FM−DOWN相関処理部171は、A/D変換部169から取得したデジタル波形データに対し、所定のFM−DOWN相関データを乗算し、FM−DOWN相関度を算出する。FM−DOWN相関処理部171は、第1パルス〜第16パルスの各々について算出したFM−DOWN相関度を応答情報処理部161aへ出力する。
応答情報処理部161aは、FM−UP相関処理部170およびFM−DOWN相関処理部171から取得した16個ずつの相関度を所定の閾値を比較する。応答情報処理部161aは、各パルス信号のFM−UP相関度またはFM−DOWN相関度が所定の閾値以上であれば、検出した音波が質問信号音18であると判定する。質問信号音18であると判定すると、応答情報処理部161aは、質問信号音18を構成する「0」と「1」の並びが図12に示す絶対時刻(世界標準時刻)に対応した暗号であるか判定する。これにより、質問信号音18を送信したアクティブソナー20aが味方のものかどうかを確認する。
次に応答装置16aは、応答信号音19を生成する(ステップS25)。予め設定された応答信号音19の送信制御情報が送信ONに設定されていて、質問信号音18の「0」と「1」の組み合わせが暗号テーブルに存在した場合、応答情報処理部161aは、応答信号音19の送信パラメータとして、送信レベル、送信周波数、送信パルス幅、周波数変調特性、送信タイミング、絶対時刻及び識別番号を送信信号生成処理部162へ指示する。このとき、応答情報処理部161aは、周波数変調特性として、図7に示すFM−UP周波数変調信号43とFM−DOWN周波数変調信号44の組み合わせによる暗号を指示する。例えば、現在の絶対時刻が2017年12月31日23時59分で、水中航走体3の識別番号が「001」ならば、応答情報処理部161aは、応答信号音の値に「883D」を設定する。例えば、FM−UP周波数変調信号43による周波数変調のパルスは情報「1」、FM−DOWN周波数変調信号44による周波数変調のパルスは情報「0」と規定した場合、応答情報処理部161aは、「883D」に相当するFM−UP周波数変調信号43とFM−DOWN周波数変調信号44の組み合わせを周波数変調特性として送信信号生成処理部162へ指示する。なお、図12に示す暗号テーブルは、予めアクティブソナー20aの質問応答情報処理部201aと応答装置16aの応答情報処理部161aの間で共有されており、応答装置16aが、質問信号音18の16bitの暗号に対応する応答信号音19の16bitの暗号を送信することにより、アクティブソナー20aの質問応答情報処理部201aは応答信号音19を解析し、その内容を把握することができる。また、第一実施形態と同様、応答信号音19の送信タイミングには、質問信号音18の検出から予め規定された一定時間内というルールを設けてもよい。
次に送信信号生成処理部162は、送信パラメータに基づいて、応答信号音19の暗号化された波形データを生成する。送信信号生成処理部162は、波形データを、送信パラメータに含まれる送信タイミングでD/A変換部163へ出力する。D/A変換部163は、波形データをアナログ電気信号に変換し、送信系BPF部164へ出力する。送信系BPF部164は、アナログ電気信号の不要な高周波成分及び低周波成分を除去して電力増幅部165へ出力する。電力増幅部165は、アナログ電気信号を増幅し、電歪振動子166へ出力する。
次に応答装置16aが、応答信号音19を送信する(ステップS26)。アクティブソナー20aは、応答信号音19を受信する(ステップS27)。次にアクティブソナー20aは、応答信号音19を解析する(ステップS28)。具体的には、信号増幅部207は、取得したアナログ電気信号を増幅し、受信系BPF部208へ出力する。受信系BPF部208は、アナログ電気信号から応答信号音19の周波数帯域を抽出する。受信系BPF部208は、抽出したアナログ電気信号をA/D変換部209へ出力する。A/D変換部209は、アナログ電気信号をデジタル波形データへ変換し、FM−UP相関処理部210及びFM−DOWN相関処理部211へ出力する。
FM−UP相関処理部210は、A/D変換部209から取得したデジタル波形データに対し、所定のFM−UP相関データを乗算し、FM−UP相関度を算出する。FM−UP相関処理部210は、第1パルス〜第16パルスの各々について算出したFM−UP相関度を質問応答情報処理部201aへ出力する。
FM−DOWN相関処理部211は、A/D変換部209から取得したデジタル波形データに対し、所定のFM−DOWN相関データを乗算し、FM−DOWN相関度を算出する。FM−DOWN相関処理部211は、第1パルス〜第16パルスの各々について算出したFM−DOWN相関度を質問応答情報処理部201aへ出力する。
質問応答情報処理部201aは、FM−UP相関処理部210およびFM−DOWN相関処理部211から取得した16個ずつの相関度を所定の閾値を比較する。質問応答情報処理部201aは、各パルスのFM−UP相関度またはFM−DOWN相関度が所定の閾値以上であれば、検出した音波が応答信号音19であると判定する。また、質問応答情報処理部201は、検出した音波を応答信号音19であると判定すると、応答信号音19に含まれる情報の組み合わせについて、例えば図12に例示した暗号テーブルを参照し、絶対時刻及び識別番号の絶対値の組み合わせにより定義された応答信号の暗号に一致する場合は妥当な応答信号音19と判定する。次に質問応答情報処理部201aは、正しい応答信号音19と判定した場合、その応答信号音19を送信した水中航走体3について、属性の判定を行う。例えば、暗号テーブルに基づいて算出した識別番号の水中航走体3が当該時刻に当該海域に存在する可能性がある場合、質問応答情報処理部201aは、水中航走体3は味方であると判定する。妥当な応答信号音19と判定できない場合や、暗号テーブルに基づいて算出した識別番号が妥当な番号ではない場合、質問応答情報処理部201aは、水中航走体3は味方ではないと判定する。あるいは、例えば、質問信号音18を送信してから所定時間が経過しても応答信号音19を受信できない場合(水中航走体3が応答しない場合)、質問応答情報処理部201aは、水中航走体3は味方ではないと判定する。
本実施形態によれば、アクティブソナー20から水中の雑音に影響されにくい周波数変調により暗号化された質問信号音18を送信し、水中航走体3(応答装置16)が暗号化された質問信号に対応する応答信号音19を送信する。これにより、アクティブソナー20は水中航走体3の敵味方や、水中航走体3の識別番号を識別することができる。
なお、上記実施形態では、アクティブソナー20aが質問信号音18を最初に送信する場合を例に説明を行ったが、アクティブソナー20aが、まず、探信音14を送信し、それに対する反射波を検出した時に質問信号音18を送信するようにしてもよい。あるいは、アクティブソナー20aが、まず、探信音14を送信し、それに対する識別信号音17を検出し、識別信号音17が、水中航走体3が味方であることを示している場合、確認のために質問信号音18を送信するようにしてもよい。
<第三実施形態>
以下、本発明の第三実施形態による識別システムについて、図13〜図15を参照して説明する。第三実施形態に係る識別システム100bのうち、第一実施形態に係る識別システム100と同じ構成には同じ符号を付し、それらの説明を省略する。第一実施形態ではFM−UP周波数変調信号43またはFM−DOWN周波数変調信号44を用いた周波数変調により「0」または「1」の情報を送信したが、第三実施形態では、周波数の高低により「0」または「1」の情報を送信する。
図13は、本発明の第三実施形態による識別システムの具体的な構成例を示す図である。図示するように識別システム100bは、アクティブソナー20bと応答装置16bとを含む。
アクティブソナー20bは、質問応答情報処理部201に代えて、質問応答情報処理部201bを備える。アクティブソナー20bは、FM−UP相関処理部210およびFM−DOWN相関処理部211に代えて、周波数分析処理部212を備える。他の構成は、第一実施形態と同様である。
質問応答情報処理部201bは、探信音14bを生成するための送信パラメータの出力や、応答装置16bから受信した識別信号音17b応答信号音19の解析などを行う。具体的には、質問応答情報処理部201bは、探信音14bの送信パラメータとして、探信音14bの送信レベル、送信周波数、送信パルス幅、周波数変調特性、送信タイミングを送信信号生成処理部202に指示する。本実施形態では、質問応答情報処理部201bは、周波数変調特性として、高周波信号または低周波信号によるパルスの組み合わせを指示する。周波数変調特性については、後に図15を用いて説明する。また、質問応答情報処理部201bは、周波数分析処理部212による周波数分析の結果に基づいて、識別信号音17の検出および識別信号音17に含まれる水中航走体3の属性の識別を行う。
周波数分析処理部212は、高速フーリエ変換等により周波数分析を行う。ここで、周波数分析処理部212の処理について、図14を用いて説明する。
図14は、本発明の第三実施形態による周波数分析処理の一例を示す図である。
図14の左下に低周波信号57の一例を示す。図14の右下に高周波信号58の一例を示す。第三実施形態の探信音14bは、水中航走体の検出に適する送信レベル、送信周波数、送信パルス幅及び周波数変調特性を考慮して生成された水中音波である。第三実施形態の識別信号音17bは、図7で例示したFM−UP周波数変調信号43やFM−DOWN周波数変調信号44のように周波数が変化する音波ではなく、図14の低周波信号57や高周波信号58のように周波数が一定のパルス音波によって構成される。周波数が一定の音波に対しては、一般に相関処理よりも高速フーリエ変換のような周波数分析処理の方が高い検出精度が得られる。周波数分析処理部212は、A/D変換部209から取得したデジタル波形データに対し、高速フーリエ変換等を行い、デジタル波形データに低周波信号57と高周波信号58の何れの周波数成分が含まれているのかを分析する。ここで、A/D変換部169から取得した1つのデジタル波形データ入力周期51とパルス幅52とを同じ長さの時間に設定する。周波数分析処理の時間幅59は、パルス幅52の2倍の時間に設定する。これにより、1回の高速フーリエ変換において複数のパルス信号が混入することなく、必ず一つのパルス信号に対する周波数分析処理を行うことができる。なお、低周波信号57および高周波信号58は、例えば、水中の雑音に影響されにくい周波数帯である。
周波数分析処理部212は、デジタル波形データ入力周期51ごとに周波数分析処理を1回実行する。第三実施形態では、第一実施形態の相関処理のように1サンプルずつデータをずらしながら周波数分析処理を行うのではなく、デジタル波形データ入力周期51ごとに周波数分析処理を行う。周波数分析処理を行うと、入力したデジタル波形データに含まれる周波数成分のレベル値(大きさ)の情報が得られる。周波数分析処理部212は、周波数成分ごとのレベル値の情報を質問応答情報処理部201bへ出力する。
応答装置16bは、応答情報処理部161に代えて、応答情報処理部161bを備える。他の構成は、第一実施形態と同様である。
応答情報処理部161bは、アクティブソナー20bが送信した探信音14bの解析や、探信音14bに対する識別信号音17bの生成などを行う。具体的には、応答情報処理部161bは、周波数分析処理部172による周波数分析処理の結果に基づいて、探信音14bの解析を行う。また、応答情報処理部161bは、識別信号音17bの送信パラメータとして、識別信号音17bの送信レベル、送信周波数、送信パルス幅、周波数変調特性、送信タイミング、時刻情報及び位置情報等を送信信号生成処理部162に指示する。このとき、応答情報処理部161bは、周波数変調特性として、図14に示す低周波信号57および高周波信号58の組み合わせによる周波数変調を指示する。低周波信号57および高周波信号58の組み合わせ方は、第一実施形態と同様に図8に例示する暗号テーブルから算出される「0」と「1」の組み合わせに基づく。
周波数分析処理部172は、高速フーリエ変換等により周波数分析を行う。周波数分析処理部172による周波数分析処理は、図14を用いて説明した周波数分析処理部212による処理と同様である。
次に第三実施形態による水中航走体3の識別処理について図15を用いて説明する。第一実施形態と同様の処理については説明を省略する。
図15は、本発明の第三実施形態による識別処理の一例を示すフローチャートである。
まず、アクティブソナー20が、探信音14bを生成する(ステップS11´)。第三実施形態では、質問応答情報処理部201bが、探信音14bの送信パラメータを送信信号生成処理部202に指示する。送信信号生成処理部202は、送信パラメータに基づいて、探信音14bの波形データを生成し、D/A変換部203へ出力する。D/A変換部203は、波形データをアナログ電気信号に変換し、送信系BPF部204へ出力する。送信系BPF部204は、アナログ電気信号から、不要な高周波成分及び低周波成分を除去して電力増幅部205へ出力する。電力増幅部205は、アナログ電気信号を増幅し、電歪振動子206へ出力する。次に電歪振動子206が、探信音14bを送信する(ステップS12)。
次に応答装置16bは、水中に送信された探信音14bを受信する(ステップS13)。次に応答装置16は、探信音14bを解析する(ステップS14´)。電歪振動子166が出力した質問信号音18bの成分を含むアナログ電気信号を信号増幅部167が増幅し、受信系BPF部168へ出力する。受信系BPF部168は、アナログ電気信号から探信音14bの周波数帯域を抽出する。受信系BPF部168は、抽出したアナログ電気信号をA/D変換部169へ出力する。A/D変換部169は、アナログ電気信号をデジタル波形データへ変換し、周波数分析処理部172へ出力する。
周波数分析処理部172は、図14で説明した要領で高速フーリエ変換等により、入力したデジタル波形データに含まれる周波数成分のレベル値を算出する。周波数分析処理部172は、算出したレベル値の情報を応答情報処理部161bへ出力する。
応答情報処理部161bは、周波数分析処理部172から取得した周波数成分を予め登録されたアクティブソナー20が送信する探信音14bの周波数の特徴と比較し、特定の周波数成分のレベル値が閾値以上であれば検出した音波が探信音14bであると判定する。
例えば、応答情報処理部161bでは、周波数分析処理部172から入力した周波数毎のレベル値について、アクティブソナー20b及び水中航走体3の最大速度から推定される探信音14bのドップラー周波数偏移幅を想定してもよい。例えば、図示しない水中航走体用ソナー8b(水中航走体用ソナー8bはアクティブソナー20bの一例である)を搭載した小型水中航走体11の最大速度が50kt、水中航走体3の最大速度が40ktの場合、それらの相対速度は最大90ktである。90ktは、時速166.68km、秒速46.3mに相当する。水中での音速を秒速1500mとすると、ドップラー周波数偏移幅は46.3÷1500=3.09%となる。従って、応答情報処理部161bは、予め定められた探信音14bの周波数に対し、±3.09%以内の周波数成分は探信音14bとして扱ってもよい。応答情報処理部161bは、予め定められた探信音14bの周波数のレベル値が、所定の閾値以上の場合、検出した音波が探信音14bであると判定する。
次に応答装置16bは、識別信号音17bを生成する(ステップS15´)。具体的には、応答装置16bにおいて識別信号音17bの送信制御情報が送信ONに設定されていて、応答情報処理部161bが、探信音14bであると判定した場合、応答情報処理部161bは、識別信号音17の送信パラメータとして、送信レベル、送信周波数、送信パルス幅、周波数変調特性、送信タイミング、絶対時刻、絶対位置及び識別番号を送信信号生成処理部162へ指示する。このとき、応答情報処理部161bは、周波数変調特性として、図14に示す低周波信号57、高周波信号58による変調と、変調後のパルス信号の組み合わせによる暗号を指示する。例えば、低周波信号57を指示したパルスは情報の「1」、高周波信号58を指示したパルスは情報の「0」と定義する。応答情報処理部161は、図8に例示した暗号化テーブルに基づいて16個の送信パルスの組み合わせを決定する。また、第一実施形態と同様に識別信号音17bの送信タイミングについて、探信音14bの検出から予め規定された一定時間内というルールを設けてもよい。
次に送信信号生成処理部162は、送信パラメータに基づいて、識別信号音17の波形データを生成し、D/A変換部163へ出力する。D/A変換部163は、波形データをアナログ電気信号に変換し、送信系BPF部164へ出力する。送信系BPF部164は、アナログ電気信号の不要な高周波成分及び低周波成分を除去して電力増幅部165へ出力する。電力増幅部165は、アナログ電気信号を増幅し、電歪振動子166へ出力する。次に電歪振動子166が、識別信号音17bを送信する(ステップS16)。
次にアクティブソナー20bは、水中に送信された識別信号音17bを受信する(ステップS17)。次にアクティブソナー20bは、識別信号音17bを解析する(ステップS18´)。具体的には、電歪振動子206が出力した識別信号音17bの成分を含むアナログ電気信号を信号増幅部207が増幅し、受信系BPF部208へ出力する。受信系BPF部208は、アナログ電気信号から識別信号音17の周波数帯域(例えば、低周波信号57〜高周波信号58)を抽出する。受信系BPF部208は、抽出したアナログ電気信号をA/D変換部209へ出力する。A/D変換部209は、アナログ電気信号をデジタル波形データへ変換し、周波数分析処理部212へ出力する。
周波数分析処理部212は、A/D変換部209から取得したデジタル波形データに対し、高速フーリエ変換等の周波数分析処理を行い、入力したデジタル波形データに含まれる低周波信号57の周波数成分のレベル値、高周波信号58の周波数成分のレベル値を算出する。周波数分析処理部212は、算出したレベル値の情報を質問応答情報処理部201bへ出力する。
質問応答情報処理部201bは、周波数分析処理部212から取得したレベル値を所定の閾値を比較する。質問応答情報処理部201は、各パルスの高周波信号58または低周波信号57に相当する周波数のレベル値が所定の閾値以上であれば、検出した音波が識別信号音17bであると判定する。例えば、質問応答情報処理部201bでは、周波数分析処理部212から入力した周波数毎のレベル値について、アクティブソナー20b及び水中航走体3の最大速度から推定される識別信号音17bのドップラー周波数偏移幅を想定してもよい。例えば、図示しない水中航走体用ソナー8b(水中航走体用ソナー8bはアクティブソナー20bの一例である)を搭載した小型水中航走体11の最大速度が50kt、水中航走体3の最大速度が40ktの場合、その相対速度は最大90ktである。90ktは、時速166.68kmであり、秒速46.3mに相当する。水中での音速を秒速1500mとすると、ドップラー周波数偏移幅は46.3÷1500=3.09%となる。従って、質問応答情報処理部201bは、予め定められた識別信号音17bの周波数に対し、±3.09%以内の周波数成分を識別信号音17bとして扱ってもよい。質問応答情報処理部201bは、予め定められた識別信号音17bの周波数のレベル値が、所定の閾値以上の場合、検出した音波が識別信号音17bであると判定する。
また、質問応答情報処理部201bは、検出した音波が識別信号音17bであると判定すると、識別信号音17bに含まれる情報の組み合わせについて、例えば図8に例示した暗号テーブルを参照し、絶対時刻、絶対位置及び識別番号の絶対値の組み合わせにより定義された識別信号の暗号に一致する場合は妥当な識別信号音17bと判定する。妥当な識別信号音17bと判定した場合、質問応答情報処理部201は、その識別信号音17bを送信した水中航走体3について、属性の判定を行う。例えば、暗号テーブルに基づいて算出した識別番号の水中航走体3が当該時刻に当該海域に存在する可能性がある場合、質問応答情報処理部201bは、水中航走体3は味方であると判定する。妥当な識別信号音17bと判定できない場合や、暗号テーブルに基づいて算出した識別番号が妥当な番号ではない場合、質問応答情報処理部201bは、水中航走体3が味方ではないと判定する。
本実施形態によれば、周波数が一定の音波に対する周波数分析処理により、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第四実施形態>
以下、本発明の第三実施形態による識別システムについて、図16〜図17を参照して説明する。第四実施形態に係る識別システム100cのうち、第二実施形態に係る識別システム100a、第三実施形態に係る識別システム100bと同じ構成には同じ符号を付し、それらの説明を省略する。第二実施形態ではFM−UP周波数変調信号43またはFM−DOWN周波数変調信号44を用いた周波数変調により「0」または「1」の情報を送信したが、第四実施形態では、周波数の高低により「0」または「1」の情報を送信する。
図16は、本発明の第四実施形態による識別システムの具体的な構成例を示す図である。図示するように識別システム100cは、アクティブソナー20cと応答装置16cとを含む。
アクティブソナー20cは、質問応答情報処理部201aに代えて、質問応答情報処理部201cを備える。アクティブソナー20cは、FM−UP相関処理部210およびFM−DOWN相関処理部211に代えて、周波数分析処理部212を備える。他の構成は、第二実施形態と同様である。
質問応答情報処理部201cは、質問信号音18cを生成するための送信パラメータの出力や、応答装置16cから受信した応答信号音19cの解析などを行う。具体的には、質問応答情報処理部201cは、質問信号音18cの送信パラメータとして、質問信号音18cの送信レベル、送信周波数、送信パルス幅、周波数変調特性、送信タイミング、絶対時刻及び識別番号を送信信号生成処理部202に指示する。質問応答情報処理部201cは、周波数変調特性として、高周波信号58または低周波信号57によるパルスの組み合わせを送信信号生成処理部202に指示する。質問情報の内容は、例えば、高周波信号58を情報「0」、低周波信号57を情報「1」としたときの「0」と「1」の組み合わせによって表される。なお、質問信号音18cは、図12に例示する暗号テーブルによって暗号化されている。また、質問応答情報処理部201cは、周波数分析処理部212による周波数分析の結果に基づいて、応答信号音19cの検出および応答信号音19cに含まれる水中航走体3の属性の識別を行う。
周波数分析処理部212は、高速フーリエ変換等により周波数分析を行う。周波数分析処理部212による周波数分析処理は、第三実施形態と同様である。
応答装置16cは、応答情報処理部161に代えて、応答情報処理部161cを備える。応答装置16cは、FM−UP相関処理部170およびFM−DOWN相関処理部171に代えて、周波数分析処理部172を備える。他の構成は第二実施形態と同様である。
応答情報処理部161cは、アクティブソナー20cが送信した質問信号音18cの解析や、質問信号音18cに対する応答信号音19cの生成などを行う。具体的には、応答情報処理部161cは、周波数分析処理部172による周波数分析処理の結果に基づいて、質問信号音18cの解析を行う。また、応答情報処理部161cは、応答信号音19cの送信パラメータとして、応答信号音19cの送信レベル、送信周波数、送信パルス幅、周波数変調特性、送信タイミング、絶対時刻及び識別番号を送信信号生成処理部162に指示する。このとき、応答情報処理部161cは、周波数変調特性として、図14に示す低周波信号57および高周波信号58の組み合わせによって応答信号音19cの暗号化された内容を指示する。
周波数分析処理部172は、高速フーリエ変換等により周波数分析を行う。周波数分析処理部172による周波数分析処理は、第三実施形態と同様である。
次に第四実施形態による水中航走体3の識別処理について図17を用いて説明する。第二実施形態、第三実施形態と同様の処理については説明を省略する。
図17は、本発明の第四実施形態による識別処理の一例を示すフローチャートである。
まず、アクティブソナー20cが、質問信号音18cを生成する(ステップS21´)。第四実施形態では、質問応答情報処理部201cが、例えば、現在の絶対時刻と図12示す暗号テーブルに基づく質問信号を表す各パルス信号の「0」と「1」を決定する。質問応答情報処理部201cは、各パルス信号が低周波信号57または高周波信号58で構成された質問信号音18cを生成するための送信パラメータを送信信号生成処理部202に指示する。送信信号生成処理部202は、送信パラメータに基づいて、質問信号音18cの波形データを生成し、D/A変換部203へ出力する。D/A変換部203は、波形データをアナログ電気信号に変換し、送信系BPF部204へ出力する。送信系BPF部204は、アナログ電気信号の不要な高周波成分及び低周波成分を除去して電力増幅部205へ出力する。電力増幅部205は、アナログ電気信号を増幅し、電歪振動子206へ出力する。次に電歪振動子206が、質問信号音18cを送信する(ステップS22)。
応答装置16cは、質問信号音18cを受信する(ステップS23)。次に応答装置16cは、質問信号音18cを解析する(ステップS24´)。第四実施形態では、A/D変換部169は、アナログ電気信号をデジタル波形データへ変換し、そのデジタル波形データを周波数分析処理部172へ出力する。周波数分析処理部172は、周波数帯ごとのレベル値を分析し、分析結果を応答情報処理部161cに出力する。応答情報処理部161cは、低周波信号57のレベル値、高周波信号58のレベル値を所定の閾値と比較して、レベル値が閾値以上であれば検出した音波が質問信号音18cであると判定する。第三実施形態と同様、応答情報処理部161cは、ドップラー周波数偏移幅を想定して、質問信号音18cであると判定する周波数に幅を設けてもよい。
質問信号音18であると判定すると、応答情報処理部161cは、質問信号音18を構成する「0」と「1」の並びが図12に示す絶対時刻(世界標準時刻)に対応した質問信号を表す暗号であるか判定する。これにより、質問信号音18cを送信したアクティブソナー20cが味方のものかどうかを確認する。
次に応答装置16cは、応答信号音19cを生成する(ステップS25´)。応答情報処理部161cは、現在の絶対時刻、自装置の識別番号、図12に示す暗号テーブルに基づいて応答信号音19cを構成する「0」、「1」の並びを決定する。応答情報処理部161cは、決定した並びに応じた低周波信号57と高周波信号58の組み合わせを周波数変調特性として、送信信号生成処理部162へ指示する。他の処理は第二実施形態と同様である。次に応答装置16aが、応答信号音19cを送信する(ステップS26)。アクティブソナー20cは、応答信号音19cを受信する(ステップS27)。次に応答装置16cは、応答信号音19cを解析する(ステップS28´)。第四実施形態では、A/D変換部209は、アナログ電気信号をデジタル波形データへ変換し、そのデジタル波形データを周波数分析処理部212へ出力する。周波数分析処理部212は、周波数帯ごとのレベル値を分析し、分析結果を質問応答情報処理部201cに出力する。
質問応答情報処理部201cは、周波数分析処理部212から取得した例えば16個のパルス信号ごとのレベル値を、高周波用の閾値および低周波用の閾値と比較する。質問応答情報処理部201cは、各パルス信号のレベル値が何れかの閾値以上であれば、検出した音波が応答信号音19cであると判定する。第三実施形態と同様、質問応答情報処理部201cは、ドップラー周波数偏移幅を想定して、質問信号音18cであると判定する周波数に幅を設けてもよい。
また、質問応答情報処理部201cは、検出した音波を応答信号音19cであると判定すると、応答信号音19cに含まれる情報の組み合わせについて、例えば図12に例示した暗号テーブルを参照し、絶対時刻及び識別番号の絶対値の組み合わせにより定義された応答信号の暗号に一致する場合は妥当な応答信号音19cと判定する。次に質問応答情報処理部201cは、妥当な応答信号音19cと判定した場合、その応答信号音19cを送信した水中航走体3について、属性の判定を行う。例えば、暗号テーブルに基づいて算出した識別番号の水中航走体3が当該時刻に当該海域に存在する可能性がある場合、質問応答情報処理部201cは、水中航走体3は味方であると判定する。妥当な応答信号音19と判定できない場合や、暗号テーブルに基づいて算出した識別番号が妥当な番号ではない場合、質問応答情報処理部201cは、水中航走体3は味方ではないと判定する。あるいは、例えば、質問信号音18cを送信してから所定時間が経過しても応答信号音19を受信できない場合(水中航走体3が応答しない場合)、質問応答情報処理部201cは、水中航走体3は味方ではないと判定する。
本実施形態によれば、周波数が一定の音波に対する周波数分析処理により、第二実施形態と同様の効果を得ることができる。
一般に水密容器内にアクティブソナー以外の識別装置(IFF)を搭載する空間を確保することが難しい場合が多い。第一実施形態〜第四実施形態によれば、アクティブソナー20〜20cの送信信号処理及び受信信号処理のソフトウェアに識別用の機能を付加することにより、水密容器内に新たなハードウェアを追加することなく識別機能を実現することができる。また、海中雑音から識別信号音17,17b、質問信号音18,18c及び応答信号音19,19cを正確に検出するため、探信音14に使用される周波数変調を応用した暗号化データを送受信する。これにより、識別信号音17等の秘匿性を確保し、検出精度を向上することができる。
また、一般に水中におけるデータ通信が難しいのは水中音波が海水の密度分布の影響を受けるため直進せず、音波伝搬のマルチパスによる位相重畳や音波伝搬範囲外のシャドウゾーンがあるためである。識別システム100〜100cが使用される場面では、水中航走体3が音波伝搬範囲外のシャドウゾーンに存在する場合は探信音14が届かないので、識別信号音17、質問信号音18及び応答信号音19等を送信する必要が無い。また、音波伝搬のマルチパスによる位相重畳による信号波形の劣化を防止するために、第一実施形態〜第四実施形態では、短パルスの周波数変調信号により識別信号音17、質問信号音18及び応答信号音19等を送信する。これにより、音波の到達時間差により生じる位相重畳の影響を低減するとともに、信号検出能力が高い相関処理を行うことができる。
上述のアクティブソナー20,20a,20b,20cと、応答装置16,16a,16b,16cは内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
自装置が出力した探信音に対する識別信号音を取得し、前記識別信号音に含まれる識別信号に基づいて、前記識別信号音を出力した物体を識別する質問応答情報処理部、
を備えるソナー装置。
(付記2)
自装置が出力した質問信号音に対する応答信号音を取得し、前記応答信号音に含まれる応答信号に基づいて、前記応答信号音を出力した物体を識別する質問応答情報処理部、
を備えるソナー装置。
(付記3)
前記質問信号音は、一つまたは複数のパルス信号により構成され、前記パルス信号の各々は、時間の経過とともに次第に周波数が高くなる信号と、時間の経過とともに次第に周波数が低くなる信号のうちの一つを有する、付記2に記載のソナー装置。
(付記4)
前記質問信号音は、一つまたは複数のパルス信号により構成され、前記パルス信号の各々は、予め定められた複数の周波数帯のうちの一つを有する、付記2に記載のソナー装置。
(付記5)
ソナー装置が出力する探信音を取得し、前記探信音に対して自装置に関する絶対時刻および絶対位置に基づく識別信号を含む識別信号音を生成する応答情報処理部、を備える応答装置。
(付記6)
ソナー装置が出力する質問信号音を取得し、前記質問信号音に含まれる質問情報に対する応答信号を含む応答信号音を生成する応答情報処理部、を備える応答装置。
(付記7)
前記識別信号音は、一つまたは複数のパルス信号により構成され、前記パルス信号の各々は、時間の経過とともに次第に周波数が高くなる信号と、時間の経過とともに次第に周波数が低くなる信号のうちの一つを有する、付記5記載の応答装置。
(付記8)
前記識別信号音は、一つまたは複数のパルス信号により構成され、前記パルス信号の各々は、予め定められた複数の周波数帯のうちの一つを有する、付記5記載の応答装置。
(付記9)
前記応答信号音は、一つまたは複数のパルス信号により構成され、前記パルス信号の各々は、時間の経過とともに次第に周波数が高くなる信号と、時間の経過とともに次第に周波数が低くなる信号のうちの一つを有する、付記6記載の応答装置。
(付記10)
前記応答信号音は、一つまたは複数のパルス信号により構成され、前記パルス信号の各々は、予め定められた複数の周波数帯のうちの一つを有する、付記6記載の応答装置。
(付記11)
付記1に記載のソナー装置と、付記5に記載の応答装置と、を備える識別システム。
(付記12)
付記2に記載のソナー装置と、付記6に記載の応答装置と、を備える識別システム。
(付記13)
前記識別信号音は、一つまたは複数のパルス信号により構成され、前記パルス信号の各々は、時間の経過とともに次第に周波数が高くなる信号と、時間の経過とともに次第に周波数が低くなる信号のうちの一つによって変調される、付記11に記載の識別システム。
(付記14)
前記質問信号音および前記応答信号音は、一つまたは複数のパルス信号により構成され、前記パルス信号の各々は、時間の経過とともに次第に周波数が高くなる信号と、時間の経過とともに次第に周波数が低くなる信号のうちの一つによって変調される、付記12に記載の識別システム。
(付記15)
前記識別信号音は、一つまたは複数のパルス信号により構成され、前記パルス信号の各々は、予め定められた複数の周波数帯のうちの一つを有する、付記11に記載の識別システム。
(付記16)
前記質問信号音および前記応答信号音は、一つまたは複数のパルス信号により構成され、前記パルス信号の各々は、予め定められた複数の周波数帯のうちの一つを有する、付記12に記載の識別システム。
(付記17)
ソナー装置が、自装置が出力した探信音に対する識別信号音を取得し、前記識別信号音に含まれる識別信号に基づいて、前記識別信号音を出力した物体を識別する、識別方法。
(付記18)
ソナー装置が、自装置が出力した質問信号音に対する応答信号音を取得し、前記応答信号音に含まれる応答信号に基づいて、前記応答信号音を出力した物体を識別する、識別方法。
(付記19)
ソナー装置が出力する探信音を取得し、前記探信音に対して自装置に関する識別信号を含む識別信号音を生成する、応答装置による応答方法。
(付記20)
ソナー装置が出力する質問信号音を取得し、前記質問信号音に含まれる質問情報に対する応答信号を生成し、前記応答信号を含む応答信号音を生成する、応答装置による応答方法。
(付記21)
ソナー装置のコンピュータを、自装置が出力した探信音に対する識別信号音を取得し、前記識別信号音に含まれる識別信号に基づいて、前記識別信号音を出力した物体を識別する手段、として機能させるためのプログラム。
(付記22)
ソナー装置のコンピュータを、自装置が出力した質問信号音に対する応答信号音を取得し、前記応答信号音に含まれる応答信号に基づいて、前記応答信号音を出力した物体を識別する手段、として機能させるためのプログラム。
(付記23)
応答装置のコンピュータを、ソナー装置が出力する探信音を取得し、前記探信音に対して自装置に関する識別信号を含む識別信号音を生成する手段、として機能させるためのプログラム。
(付記24)
応答装置のコンピュータを、ソナー装置が出力する質問信号音を取得し、前記質問信号音に含まれる質問情報に対する応答信号を生成し、前記応答信号を含む応答信号音を生成する手段、として機能させるためのプログラム。
100・・・識別システム
1・・・海面
2・・・海底
3・・・水中航走体
4・・・船舶
5・・・船舶用ソナー
6・・・航空機
7・・・投下式ソナー
7A・・・浮上部
7B・・・水中部
8・・・水中航走体用ソナー
8・・・水中航走体用ソナー
9・・・ヘリコプター
10・・・吊下式ソナー
11・・・小型水中航走体
12・・・海底設置ソナー
13・・・海中設置ソナー
14・・・探信音
16・・・応答装置
161・・・応答情報処理部
162・・・送信信号生成処理部
163・・・D/A変換部
164・・・送信系BPF部
165・・・電力増幅部
166・・・電歪振動子
167・・・信号増幅部
168・・・受信系BPF部
169・・・A/D変換部
170・・・FM−UP相関処理部
171・・・FM−DOWN相関処理部
172・・・周波数分析処理部
17・・・識別信号音
18・・・質問信号音
19・・・応答信号音
20・・・アクティブソナー
201・・・質問応答情報処理部
202・・・送信信号生成処理部
203・・・D/A変換部
204・・・送信系BPF部
205・・・電力増幅部
206・・・電歪振動子
207・・・信号増幅部
208・・・受信系BPF部
209・・・A/D変換部
210・・・FM−UP相関処理部
211・・・FM−DOWN相関処理部
212・・・周波数分析処理部

Claims (11)

  1. 自装置が出力した探信音に対する物体からの反射音以外の識別信号音を取得し、前記識別信号音が、識別対象物体ごとに付された所定の識別番号のうち妥当な前記識別番号に対応するか否かを解析し、その解析結果に基づいて、前記識別信号音を出力した前記物体を識別する質問応答情報処理部、
    を備えるソナー装置。
  2. 現在の絶対時刻と、絶対時刻と質問信号の関係を定めたテーブルと、に基づいて算出した前記質問信号に対応する質問信号音であって、自装置が出力した前記質問信号音に対する応答信号音を取得し、前記応答信号音が、識別対象物体ごとに付された所定の識別番号のうち妥当な前記識別番号に対応するか否かを解析し、その解析結果に基づいて、前記応答信号音を出力した物体を識別する質問応答情報処理部、
    を備えるソナー装置。
  3. ソナー装置が出力する探信音を取得し、前記探信音に対して自装置の識別番号と、自装置の現在の絶対位置と、現在の絶対時刻と、前記識別番号と前記絶対位置と前記絶対時刻と識別信号との関係を定めたテーブルと、に基づいて、自装置の前記識別番号に対応する前記識別信号を算出し、当該識別信号に対応する識別信号音を生成する応答情報処理部
    前記識別信号音を出力する出力部と、
    を備える応答装置。
  4. ソナー装置が出力する質問信号音を取得し、前記質問信号音に含まれる質問情報に対して、自装置の識別番号と、現在の絶対時刻と、前記識別番号と前記絶対時刻と応答信号との関係を定めたテーブルと、に基づいて、自装置の識別番号に対応する前記応答信号を算出し、当該応答信号に対応する応答信号音を生成する応答情報処理部
    前記応答信号音を出力する出力部と、
    を備える応答装置。
  5. 前記識別信号音は、一つまたは複数のパルス信号により構成され、前記パルス信号の各々は、時間の経過とともに次第に周波数が高くなる信号と、時間の経過とともに次第に周波数が低くなる信号のうちの一つによって変調される、
    請求項3に記載の応答装置。
  6. 前記識別信号音は、一つまたは複数のパルス信号により構成され、前記パルス信号の各々は、予め定められた複数の周波数帯のうちの一つを有する、
    請求項3に記載の応答装置。
  7. 請求項1に記載のソナー装置と、
    請求項3に記載の応答装置と、
    を備える識別システム。
  8. 請求項2に記載のソナー装置と、
    請求項4に記載の応答装置と、
    を備える識別システム。
  9. ソナー装置が、自装置が出力した探信音に対する物体からの反射音以外の識別信号音または自装置が出力した質問信号音に対する応答信号音を取得し、前記識別信号音または前記応答信号音が、識別対象物体ごとに付された所定の識別番号のうち妥当な前記識別番号に対応するか否かを解析し、その解析結果に基づいて、前記識別信号音または前記応答信号音を出力した前記物体を識別する、
    識別方法。
  10. ソナー装置が出力する探信音を取得し、前記探信音に対して自装置の識別番号と、自装置の現在の絶対位置と、現在の絶対時刻と、前記識別番号と前記絶対位置と前記絶対時刻と識別信号との関係を定めたテーブルと、に基づいて、自装置の前記識別番号に対応する前記識別信号を算出し、当該識別信号に対応する識別信号音を生成する、
    応答方法。
  11. ソナー装置のコンピュータを、
    前記ソナー装置が出力した探信音に対する物体からの反射音以外の識別信号音または前記ソナー装置が出力した質問信号音に対する応答信号音を取得し、前記識別信号音または前記応答信号音が、識別対象物体ごとに付された所定の識別番号のうち妥当な前記識別番号に対応するか否かを解析し、その解析結果に基づいて、前記識別信号音または前記応答信号音を出力した前記物体を識別する手段、
    として機能させるためのプログラム。
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