以下、図1〜図10を用いて、本発明の実施形態を説明する。以下の説明では、表示装置の一例として、表示パネル61を含む複合機100を例に挙げて説明する。複合機100は、画像形成装置でもある。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
(複合機100の構成)
まず、図1を用いて、実施形態に係る複合機100の概要を説明する。図1は実施形態に係る複合機100の一例を示す図である。
複合機100は、制御部1を含む。制御部1はCPU11、画像処理部2を含む。また、複合機100は記憶部3を含む。制御部1は複合機100の各部を制御する。CPU11は制御に関する演算、処理を行う。画像処理部2は、画像データに関する処理を行う。記憶部3はROM31、ストレージ4のような不揮発性の記憶装置を含む。ストレージ4は、例えば、HDDである。また、記憶部3はRAM32(画像メモリーに相当)を含む。記憶部3は制御用プログラムや各種データを記憶する。制御部1は、記憶部3に記憶されたプログラム、データに基づき処理を行う。
複合機100は原稿搬送部5aと画像読取部5bを含む。原稿搬送部5aは、セットされた原稿を1枚ずつ自動的に搬送する。制御部1は、読み取り位置(搬送読取用コンタクトガラス)に向けて原稿を原稿搬送部5aに搬送させる。画像読取部5bは載置読取用コンタクトガラスにセットされた原稿を読み取ることもできる。制御部1は、搬送原稿、又は、セット原稿を画像読取部5bに読み取らせる。画像読取部5bは、読み取った原稿の画像データを生成する。
複合機100は操作パネル6を含む。操作パネル6は、表示パネル61(表示部に相当)、タッチパネル62、ハードキー63を含む。制御部1は、ジョブの設定画面を表示パネル61に表示させる。また、制御部1は、操作用画像を表示パネル61に表示させる。タッチパネル62、ハードキー63は、使用者の操作を受け付ける。使用者は表示パネル61(タッチパネル62)を操作する。これにより、ジョブに関する各種設定を行うことができる。例えば、印刷ジョブに関する設定やジョブ実行開始指示を行うことができる。
図1、図2に示すように、複合機100は印刷部7を含む。印刷部7は、給紙部7a、用紙搬送部7b、画像形成部7c、定着部7dを含む。給紙部7aは用紙を収容する。制御部1は、用紙の供給を給紙部7aに行わせる。また、制御部1は用紙を用紙搬送部7bに搬送させる。制御部1は、画像データに基づくトナー像を画像形成部7cに形成させる。制御部1は、形成されたトナー像の用紙への転写を画像形成部7cに行わせる。制御部1は、用紙に転写されたトナー像の定着を定着部7dに行わせる。制御部1は、定着後の用紙を用紙搬送部7bに排出させる。その結果、印刷済の用紙は機外に排出される。
また、複合機100は通信部12を含む。通信部12はコンピューター200と通信する。通信部12はコネクタ、通信用回路、通信用メモリーを含む。通信部12はコンピューター200から印刷用データを受信する。制御部1は受信した文書データ8に基づき印刷部7に印刷させる(プリントジョブ)。
(画像データの処理の流れ)
次に、図2を用いて、実施形態に係る複合機100での画像データの処理の流れの一例を説明する。図2は、実施形態に係る複合機100での画像データの処理の流れの一例を示す図である。
画像データに基づき、ジョブが行われる。複合機100では、例えば、印刷ジョブを実行することができる。印刷ジョブは、ストレージ4に記憶された画像データを用いて実行される。以下、印刷ジョブに用いられ、ジョブの基本となる画像データを基本画像データi0と称する。制御部1は基本画像データi0をストレージ4に記憶させる。ストレージ4には、基本画像データi0を不揮発的に記憶させるための領域(保存用領域)が設けられる。制御部1は、保存用領域に基本画像データi0を記憶させる。例えば、基本画像データi0はページごとに記憶される。
基本画像データi0を取得する部分として、通信部12、ラスタライズ処理部2a(ラスターイメージプロセッサ)、画像読取部5bが設けられる。通信部12、ラスタライズ処理部2a、画像読取部5bは、基本画像データi0を取得する取得部として機能する。
通信部12、ラスタライズ処理部2aは、コンピューター200から送信された印刷用データに基づき、基本画像データi0を生成する。コンピューター200は印刷用データを生成する。印刷用データはページ記述言語で記述されたデータを含む。コンピューター200は、通信部12に向けて、印刷用データを送信する。通信部12が受信した印刷用データは、ラスタライズ処理部2aに入力される。例えば、ラスタライズ処理部2aは、制御部1内に設けられる回路である。ラスタライズ処理部2aは、印刷用データ(ページ記述言語の記述)を解析する。解析結果に基づき、ラスタライズ処理部2aは、ページごとに画像データ(基本画像データi0)を生成する。制御部1は、ラスタライズ処理部2aが生成した基本画像データi0をストレージ4に不揮発的に記憶させる。
画像読取部5bは、原稿を読み取り、原稿の画像データを基本画像データi0として生成する。制御部1は、画像読取部5bが生成した基本画像データi0をストレージ4に不揮発的に記憶させる。
複合機100では、不揮発的に記憶させた基本画像データi0に基づき、ジョブを実行することができる。例えば、不揮発的に記憶させた基本画像データi0に基づき、印刷ジョブや送信ジョブを行うことができる。ジョブのとき、制御部1は、ジョブに用いる基本画像データi0を1ページずつストレージ4から読み出す。制御部1は、基本画像データi0をRAM32に記憶させる。RAM32は画像データを記憶する。RAM32の記憶領域の一部が画像データの一時記憶用の領域に割り当てられる。
画像処理部2は、RAM32に記憶された基本画像データi0を処理する。画像処理部2は、例えば、ハーフトーン処理のような画像処理を行う。印刷ジョブのとき、画像処理部2は、基本画像データi0に基づき、印刷用画像データを生成する。画像処理部2は、印刷用画像データを印刷部7(画像形成部7c)に送信する。印刷用画像データに基づき、制御部1は、トナー像を画像形成部7cに形成させる。送信ジョブのとき、画像処理部2は、基本画像データi0に基づき、送信用画像データを生成する。制御部1は、設定された宛先に向けて、送信用画像データを通信部12に送信させる。
(第1画像データi1と第2画像データi2に基づく画像の表示)
次に、図3、図4を用いて、実施形態に係る複合機100での第1画像データi1と第2画像データi2に基づく画像の表示の一例を説明する。図3は、実施形態に係る第1画像データi1に基づき表示される画像の一例を示す図である。図4は、実施形態に係る第2画像データi2に基づき表示される画像の一例を示す図である。
画像処理部2は、第1画像データi1を生成できる。第1画像データi1の解像度、画素数は予め定められる。第1画像データi1は、表示用の画像データである。画像処理部2は、基本画像データi0又は基本画像データi0に基づく中間画像データiaから第1画像データi1を生成する。中間画像データiaの詳細は後述する。
複合機100では、第1画像データi1は、文書プレビュー画像64を表示するための画像データである。文書プレビュー画像64は基本画像データi0の内容を示す図である。1つの第1画像データi1は1ページの基本画像データi0と対応する。制御部1は、生成された第1画像データi1に基づき、文書プレビュー画像64を表示パネル61に表示させる。図3は文書プレビュー画像64の一例を示す。タッチパネル62は文書プレビュー画像64を表示させるための操作を受け付けたとき、第1画像データi1に基づき、制御部1は、文書プレビュー画像64を表示パネル61に表示させる。
また、画像処理部2は、第2画像データi2を生成できる。第2画像データi2の解像度、画素数も予め定められる。第2画像データi2も表示用の画像データである。画像処理部2は、基本画像データi0又は基本画像データi0に基づく中間画像データiaから第2画像データi2を生成する。
複合機100では、第2画像データi2は、サムネイル画像65を表示するための画像データである。1つの第2画像データi2は1ページの基本画像データi0と対応する。制御部1は、生成された第2画像データi2に基づき、サムネイル画像65を表示パネル61に表示させる。サムネイル画像65は基本画像データi0の内容を示す。しかし、サムネイル画像65は、文書プレビュー画像64よりも小さい画像である。文書プレビュー画像64よりも小さい。文書プレビュー画像64の方が内容の詳細確認には適している。
図4は、第2画像データi2に基づき表示されるサムネイル画像65の一例を示す。タッチパネル62がサムネイル画像65の表示を指示する操作を受け付けたとき、第2画像データi2に基づき、制御部1は、サムネイル画像65を表示パネル61に表示させる。
制御部1は、複数のサムネイル画像65を表示パネル61内に表示させ得る。言い換えると、複数枚のサムネイル画像65を同時に表示できるように、1枚のサムネイル画像65のサイズが設定される。例えば、タッチパネル62が複数の基本画像データi0を格納するフォルダーを選択する操作を受け付けたとき、制御部1は、選択フォルダーに格納される各基本画像データi0のサムネイル画像65を表示パネル61に表示させる。また、タッチパネル62が複数のサムネイル画像65のうち、1つを選択する操作を受け付けたとき、制御部1は、選択されたサムネイル画像65に対応する基本画像データi0の文書プレビュー画像64を表示パネル61に表示させる。
第1画像データi1を生成したとき、制御部1は、生成した第1画像データi1をストレージ4に記憶させる。制御部1は、第1画像データi1と対応する基本画像データi0を関連付ける。第2画像データi2を生成したとき、制御部1は、生成した第2画像データi2をストレージ4に記憶させる。制御部1は、第2画像データi2と対応する基本画像データi0と関連付ける。そのため、1ページの基本画像データi0、第1画像データi1、及び、第2画像データi2の組み合わせがストレージ4に記憶されることがある。
(第1画像データi1と第2画像データi2の生成手順)
次に、図5、図6を用いて、実施形態に係る第1画像データi1と第2画像データi2の生成手順の一例を説明する。図5は、実施形態に係る第1手順の流れの一例を示すフローチャートである。図6は、実施形態に係る第2手順の流れの一例を示すフローチャートである。
保存された基本画像データi0の中には、第1画像データi1と第2画像データi2が未生成(未記憶)のものがある。このような基本画像データi0については、文書プレビュー画像64又はサムネイル画像65を表示するとき、表示用の画像データを生成する必要がある。ここで、サムネイル画像65の表示後、文書プレビュー画像64を表示することがある。また、文書プレビュー画像64の表示後、サムネイル画像65を表示させることもある。そこで、第1画像データi1と第2画像データi2を生成する必要があるとき、制御部1は、第1画像データi1と第2画像データi2の両方を生成する。なお、第1画像データi1と第2画像データi2のうち、一方のみを生成するようにしてもよい。
第1画像データi1が生成済(記憶済)の基本画像データi0の文書プレビュー画像64を表示するとき、制御部1は、生成済の第1画像データi1に基づき、文書プレビュー画像64を表示パネル61に表示させてもよい。第2画像データi2が生成済(記憶済)の基本画像データi0のサムネイル画像65を表示するとき、制御部1は、生成済の第2画像データi2に基づき、サムネイル画像65を表示パネル61に表示させてもよい。
そして、複合機100では、第1画像データi1と第2画像データi2の両方を生成するときの手順が複数用意される。例えば、第1手順と第2手順が用意される。3つ以上の手順が用意されてもよい。
第1手順は、以下の手順を含む。
(1)基本画像データi0の読出処理。
(2)読み出した基本画像データi0に基づき、画像処理部2が中間画像データiaを生成する。
(3)生成した中間画像データiaに基づき、画像処理部2が第1画像データi1を生成する。
(4)生成した中間画像データiaに基づき、画像処理部2が第2画像データi2を生成する。
このように、第1手順では、中間画像データiaがいったん生成される。中間画像データiaに基づき、第1画像データi1と第2画像データi2が生成される。
第2手順は、以下の手順を含む。
(1)基本画像データi0の読出処理。
(2)読み出した基本画像データi0に基づき、画像処理部2が第1画像データi1を生成する。
(3)読み出した基本画像データi0に基づき、画像処理部2が第2画像データi2を生成する。
第2手順は、基本画像データi0から直接的に第1画像データi1と第2画像データi2が生成される。
以下、図5を用いて、第1手順の流れの一例を説明する。図5のスタートは、第1画像データi1と第2画像データi2の生成を開始する時点である。
まず、制御部1は、ストレージ4からRAM32への基本画像データi0の読み出しを開始する(ステップ♯11)。第1画像データi1と第2画像データi2を生成しようとする基本画像データi0が読み出される。以下、ストレージ4からRAM32(画像メモリー)に基本画像データi0又は中間画像データiaを読み出す処理を読出処理と称する。次に、最終バンドまで、1バンドずつ基本画像データi0の読出処理が行われる。
画像処理部2は、1バンド単位で画像処理を行う。画像データは、予め定められたライン数ごとに短冊状に分割される(例えば、数十〜数百ライン)。分割された1つの短冊が1バンド分の画像データである。
次に、制御部1は、読み出された基本画像データi0に基づき、中間画像データiaの生成を画像処理部2に開始させる(ステップ♯12)。ステップ♯12の後、画像処理部2は、1バンドずつ基本画像データi0を処理する。画像処理部2は、ページの最初から最後まで、中間画像データiaの一部の生成を繰り返す。基本画像データi0の読出処理と基本画像データi0の画像処理(中間画像データiaの生成)は、並行して実行される。生成された中間画像データiaの一部は、順番にRAM32に出力される。制御部1は、生成された中間画像データiaの一部を順番にストレージ4に書き込ませる。中間画像データiaの書込処理も、読出、画像処理と並行して実行される。
中間画像データiaは基本画像データi0を縮小した画像データである。中間画像データiaのサイズ、画素数は予め定められる。中間画像データiaは基本画像データi0の画素を間引きした画像データである。例えば、基本画像データi0が600dpiの場合、中間画像データiaは、100〜数百dpiとされる。また、中間画像データiaの画素数、サイズと第1画像データi1の画素数、サイズは同じである。中間画像データiaの画素数は第1画像データi1の画素数よりも大きくてもよい。なお、中間画像データiaの画素数は、第2画像データi2の画素数よりも大きい。
画像処理部2は、第1画像処理モジュール21、第2画像処理モジュール22、第3画像処理モジュール23を含む(図3参照)。中間画像データia、第1画像データi1、又は、第2画像データi2を生成するとき、各画像処理モジュールが画像処理を行う。1バンド分の画像データを各画像処理モジュールが順番に処理する。例えば、第1画像処理モジュール21が最初に画像処理を行う。第2画像処理モジュール22は、第1画像処理モジュール21が処理した画像データを処理する。第3画像処理モジュール23は、第2画像処理モジュール22が処理した画像データを処理する。各画像処理モジュールが行う画像処理の内容はそれぞれ異なる。例えば、ある画像処理モジュールは、画像データの縮小を行う。また、ある画像処理モジュールは、色調整(画素値変換)の処理を行う。また、ある画像処理モジュールは、画像データのサイズ調整を行う。全ての画像処理モジュールが処理した画像データが中間画像データia、第1画像データi1、又は、第2画像データi2として、画像処理部2から出力される。
本例では、中間画像データia、第1画像データi1、第2画像データi2の生成に利用する画像処理モジュールが3つである例を説明する。しかし、これらの画像データの生成に利用する画像処理モジュールは、1又は2つでもよいし、4つ以上でもよい。
中間画像データiaの生成の完了後、制御部1は生成した中間画像データiaのストレージ4への記憶を完了させる(ステップ♯13)。制御部1は使用した基本画像データi0と生成した中間画像データiaを関連付ける。以下、中間画像データia、第1画像データi1及び第2画像データi2のストレージ4への書き込み(記憶、保存)を書込処理と称する。
中間画像データiaの書込処理完了後、制御部1は、中間画像データiaの読出処理を開始させる(ステップ♯14)。処理対象の基本画像データi0に対応する中間画像データiaがRAM32に読み出される。ステップ♯14の後、最終バンドまで、1バンドずつ中間画像データiaの読出処理が行われる。次に、制御部1は、読み出された中間画像データiaに基づき、第1画像データi1の生成を画像処理部2に開始させる(ステップ♯15)。ステップ♯15の後、画像処理部2は、1バンドずつ中間画像データiaを処理する。中間画像データiaの読出処理と第1画像データi1の生成処理は、並行して実行される。画像処理部2は、ページの最初から最後まで、第1画像データi1の一部の生成を繰り返す。生成された第1画像データi1の一部は、順番にRAM32に出力される。制御部1は、生成された第1画像データi1の一部を順番にストレージ4に書き込ませる。第1画像データi1の書込処理も、読出、画像処理と並行して実行される。
1ページ分の第1画像データi1の生成完了後、制御部1は、生成した第1画像データi1の書込処理を完了させる(ステップ♯16)。制御部1は、使用した基本画像データi0と生成した第1画像データi1を関連付ける。第1画像データi1の書込処理完了後、制御部1は、第2画像データi2の生成のための処理を開始する。まず、制御部1は、中間画像データiaの読出処理を開始させる(ステップ♯17)。処理対象の基本画像データi0に対応する中間画像データiaがRAM32に読み出される。ステップ♯17の後、最終バンドまで、1バンドずつ中間画像データiaの読出処理が行われる。次に、制御部1は、RAM32に読み出された中間画像データiaに基づき、第2画像データi2の生成を画像処理部2に開始させる(ステップ♯18)。画像処理部2は、1バンドずつ中間画像データiaを処理する。中間画像データiaの読出処理と第2画像データi2の生成処理は、並行して実行される。画像処理部2は、ページの最初から最後まで、第2画像データi2の一部の生成を繰り返す。生成された第2画像データi2の一部は、順番にRAM32に出力される。制御部1は、生成された第2画像データi2の一部を順番にストレージ4に書き込ませる。第2画像データi2の書込処理も、読出、画像処理と並行して実行される。
1ページ分の第2画像データi2の生成完了後、制御部1は、生成した第2画像データi2の書込処理を完了させる(ステップ♯19)。制御部1は、使用した基本画像データi0と生成した第2画像データi2を関連付ける。第1画像データi1と第2画像データi2の生成処理が完了する(エンド)。制御部1は、生成した第1画像データi1に基づき、文書プレビュー画像64を表示パネル61に表示させる。また、制御部1は、生成した第2画像データi2に基づき、サムネイル画像65を表示パネル61に表示させる。
次に、図6を用いて、第2手順の流れの一例を説明する。図6のスタートは、第2手順で第1画像データi1と第2画像データi2の生成を開始する時点である。
まず、制御部1は基本画像データi0の読出処理を開始する(ステップ♯21)。第1画像データi1と第2画像データi2を生成しようとする基本画像データi0が読み出される。ステップ♯21の後、最終バンドまで、1バンドずつ基本画像データi0の読出処理が行われる。次に、制御部1は、読み出された基本画像データi0に基づき、第1画像データi1の生成を画像処理部2に開始させる(ステップ♯22)。ステップ♯22の後、基本画像データi0はバンド単位で読出処理がなされる。また、バンド単位で基本画像データi0が処理される。基本画像データi0の読出処理と基本画像データi0の画像処理(第1画像データi1の生成)も並行して実行される。画像処理部2は、ページの最初から最後まで、第1画像データi1の一部の生成を繰り返す。生成された第1画像データi1の一部は、順番にRAM32に出力される。制御部1は、生成された第1画像データi1の一部を順番にストレージ4に書き込ませる。第1画像データi1の書込処理も、読出、画像処理と並行して実行される。
1ページ分の第1画像データi1の生成完了後、制御部1は、生成した第1画像データi1の書込処理を完了させる(ステップ♯23)。制御部1は、生成した第1画像データi1と使用した基本画像データi0と関連付ける。第1画像データi1の書込処理が完了したとき、制御部1は、基本画像データi0の読出処理を開始させる(ステップ♯24)。処理対象の基本画像データi0がRAM32に読み出される。ステップ♯24の後、最終バンドまで、1バンドずつ基本画像データi0の読出処理が行われる。制御部1は、読み出された基本画像データi0に基づき、第2画像データi2の生成を画像処理部2に開始させる(ステップ♯25)。基本画像データi0の読出処理と第2画像データi2の生成処理は、並行して実行される。ステップ♯25の後、画像処理部2は、1バンドずつ基本画像データi0を処理する。画像処理部2は、ページの最初から最後まで、第2画像データi2の一部の生成を繰り返す。生成された第2画像データi2の一部は、順番にRAM32に出力される。制御部1は、生成された第2画像データi2の一部を順番にストレージ4に書き込ませる。第2画像データi2の書込処理も、読出、画像処理と並行して実行される。
1ページ分の第2画像データi2の生成完了後、制御部1は、生成した第2画像データi2の書込処理を完了させる(ステップ♯26)。制御部1は、生成した第2画像データi2と使用した基本画像データi0と関連付ける。そして、第1画像データi1と第2画像データi2の生成処理が完了する(エンド)。
(生成手順の自動選択)
次に、図7、図8を用いて、実施形態に係る複合機100での生成手順の自動選択の一例を説明する。図7は、実施形態に係る計算用数値データicの一例を示す図である。図8は、実施形態に係る複合機100での生成手順の自動選択の流れの一例を示すフローチャートである。
複合機100では、第1画像データi1と第2画像データi2の生成手順が複数用意される。第2手順のフローチャート(図6)のステップ数は、第1手順のフローチャート(図5)のステップ数よりも少ない。そのため、一見、生成時間は第2手順の方が短いように見える。しかし、画素数(サイズ)が大きい基本画像データi0の読み出しが複数回行われる。また、画素数が大きい基本画像データi0を複数回画像処理する必要がある。
一方、第1手順では、基本画像データi0の読み出しは1回である。以後、基本画像データi0よりも画素数が少ない中間画像データiaが読み出される。通常、中間画像データiaの読み出し時間は、基本画像データi0の読み出し時間よりも短くなる。また、中間画像データiaに基づき第1画像データi1と第2画像データi2を生成する場合、基本画像データi0を利用する場合に比べ、処理するバンド数は少ない。
第1手順と第2手順のうち、どちらが第1画像データi1と第2画像データi2を早く生成できるかは、システム構成(性能)による。第1画像データi1と第2画像データi2の生成速度は、ストレージ4の読み書き速度、画像処理部2(各画像処理モジュール)の処理速度と関係がある。
そこで、制御部1は、第1手順と第2手順のうち、どちらが第1画像データi1と第2画像データi2を早く生成できるかを判定する。判定に基づき、制御部1は、第1手順と第2手順のうち、採用する手順を選択する。手順を選択するとき、制御部1は、第1手順で第1画像データi1及び第2画像データi2を生成するときの所要時間の予測値である第1予測時間を求める。また、制御部1は、第2手順で第1画像データi1及び第2画像データi2を生成するときの所要時間の予測値である第2予測時間を求める。なお、第1予測時間と第2予測時間は、実際の処理時間と必ず一致するわけではない。
ここで、第1予測時間と第2予測時間の算出に用いる計算用数値の一例を図7に示す。計算用数値として、基本バンド数A、中間バンド数B、第1モジュール処理時間C、第2モジュール処理時間D、第3モジュール処理時間E、基本読出時間F、中間読出時間G、中間書込時間H、第1書込時間J、第2書込時間Kが予め定められる。記憶部3(ストレージ4)は、これらの計算用数値を定義した計算用数値データicを記憶する。
計算用数値データicはストレージ4に予め記憶される。ストレージ4はデフォルトの計算用数値データicを記憶する。さらに、使用者は、操作パネル6(タッチパネル62及びハードキー63)を操作して、基本バンド数A、中間バンド数B、第1モジュール処理時間C、第2モジュール処理時間D、第3モジュール処理時間E、基本読出時間F、中間読出時間G、中間書込時間H、第1書込時間J、第2書込時間Kを設定できる。操作パネル6は、各計算用数値の設定を受け付ける。1又は複数の計算用数値の設定がなされたとき、記憶部3は設定された計算用数値を記憶する。制御部1は、計算用数値データic内の値を設定された値に更新させる。
基本画像データi0に関する計算用数値は、基本バンド数Aと基本読出時間Fである。基本バンド数Aは、基本画像データi0のバンド数の基準値を示す。基本読出時間Fは、1バンド分の基本画像データi0の読出処理に要する時間の基準を示す。
中間画像データiaに関する計算用数値は、中間バンド数B、中間読出時間G、中間書込時間Hである。中間バンド数Bは、中間画像データiaのバンド数の基準値を示す。なお、中間バンド数Bは基本バンド数Aよりも小さい。中間読出時間Gは、1バンド分の中間画像データiaの読出処理に要する時間の基準を示す。中間書込時間Hは、中間画像データiaの書込処理に要する時間の基準を示す。
画像処理モジュールに関する計算用数値として、モジュール処理時間が定められる。モジュール処理時間は、画像処理モジュールが1バンドの画像データの処理を開始してから終了するまでに要する時間の基準値を示す。具体的に、第1モジュール処理時間C、第2モジュール処理時間D、第3モジュール処理時間Eが定められる。第1モジュール処理時間Cは、第1画像処理モジュール21が1バンドの画像データの処理を開始してから終了するまでに要する時間の基準値を示す。第2モジュール処理時間Dは、第2画像処理モジュール22が1バンドの画像データの処理を開始してから終了するまでに要する時間の基準値を示す。第3モジュール処理時間Eは、第3画像処理モジュール23が1バンドの画像データの処理を開始してから終了するまでに要する時間の基準値を示す。各画像処理モジュールの回路規模、実行する画像処理の個数などにより、各画像処理モジュールのモジュール処理時間は異なる。
第1画像データi1と第2画像データi2に関する計算用数値として、第1書込時間Jと第2書込時間Kが定められる。第1書込時間Jは、第1画像データi1の書込処理に要する時間の基準を示す。第2書込時間Kは、第2画像データi2の書込処理に要する時間の基準を示す。
以下、図8を用いて、生成手順の自動選択の流れを説明する。図8のスタートは、生成手順の自動選択を実行する時点である。例えば、操作パネル6で実行が指示されたとき、制御部1は、図8のフローチャートを実行する。また、何れか1つ又は複数の計算用数値が設定、変更されたとき、制御部1は、図8のフローチャートを実行してもよい。
まず、制御部1は、第1モジュール処理時間C、第2モジュール処理時間D、第3モジュール処理時間Eのうち、最も長い時間(最長処理時間L)を認識する(ステップ♯31)。図7に示すように、最長処理時間Lを計算用数値データicに含めても良い。続いて、制御部1は、第1予測時間を求めるため、第1予測値と、第2予測値と、第3予測値とを求める(ステップ♯32、ステップ♯33、ステップ♯34)。
第1予測値は、第1手順のうち、基本画像データi0の読出処理の開始後、読み出した基本画像データi0から中間画像データiaを生成し、生成した中間画像データiaの書込処理を完了するまでの時間の予測値である。
基本読出時間Fよりも最長処理時間Lの方が長い場合、処理時間が最も長い画像処理モジュールが1バンド分のデータを処理する間に、少なくとも1バンドの基本画像データi0を読み出すことができる。つまり、画像処理部2は、基本画像データi0の読み出しを待つこと無く画像処理を連続的に行うことができる。この場合、最長処理時間Lを基準に第1予測値を定める。そこで、L>Fのとき、以下の(式1)に基づき、第1予測値を求める。
(式1)
第1予測値=F+((A−1)×L)+C+D+E+H
式1における「F」は、基本画像データi0の最初のバンドの読み出しに要する時間を示す。最初のバンドの読み出し後、読み出しと画像処理は並行的に実行される。全バンドの画像処理が終わる前に、基本画像データi0の読み出しが終わる。「((A−1)×L)」は、読み出しと画像処理が並行して行われる時間の長さを示す。「C+D+E」は、基本画像データi0の読み出し後、基本画像データi0の全体の画像処理が完了するまでの時間を示す。Hは、生成した中間画像データiaの最後のバンドの書込処理に要する時間を示す。
基本読出時間Fが最長処理時間L以上の場合、1バンドの基本画像データi0を読み出す間に、各画像処理モジュールは1バンド分のデータを処理できる。つまり、画像処理部2は、1バンドの基本画像データi0の読み出しを待つ。1バンドの読み出し完了後、画像処理部2は、次のバンドの画像処理を開始する。この場合、基本読出時間Fを基準に第1予測値を定める。そこで、L≦Fのとき、以下の(式2)に基づき、第1予測値を求める。
(式2)
第1予測値=(F×A)+C+D+E+H
式2における「F×A」は、基本画像データi0の全ての読み出しに要する時間である。「F×A」のうち、一部の区間は、基本画像データi0の読み出しと画像処理が並行して行われる。最初のバンドの読み出し後、読み出しと画像処理は並行的に実行される。「C+D+E」は、基本画像データi0の最後のバンドの画像処理に要する時間(並行処理されない時間)を示す。Hは、生成した中間画像データiaの最後のバンドの書込処理に要する時間を示す。
第2予測値は、第1手順のうち、中間画像データiaの読出処理を開始してから、読み出した中間画像データiaから第1画像データi1を生成した後、生成した第1画像データi1の書込処理を完了するまでの時間の予測値である。
中間読出時間Gよりも最長処理時間Lの方が長い場合、画像処理モジュールが1バンド分のデータを処理する間に、少なくとも1バンドの中間画像データiaを読み出すことができる。つまり、画像処理部2は、中間画像データiaの読み出しを待つこと無く画像処理を連続的に行うことができる。この場合、最長処理時間Lを基準に第2予測値を定める。そこで、L>Gのとき、以下の(式3)に基づき、第2予測値を求める。
(式3)
第2予測値=G+((B−1)×L)+C+D+E+J
式3における「G」は、中間画像データiaの最初のバンドの読み出しに要する時間を示す。最初のバンドの読み出し後、読み出しと画像処理は並行的に実行される。全バンドの画像処理が終わる前に、中間画像データiaの読み出しが終わる。「((B−1)×L)」は、読み出しと画像処理が並行して行われる時間の長さを示す。「C+D+E」は、中間画像データiaの最後のバンドの画像処理に要する時間(並行処理されない時間)を示す。Jは、生成した第1画像データi1の最後のバンドの書込処理に要する時間を示す。
中間読出時間Gが最長処理時間L以上の場合、1バンドの中間画像データiaを読み出す間に、各画像処理モジュールは1バンド分のデータを処理できる。つまり、画像処理部2は、1バンドの中間画像データiaの読み出しを待つ。この場合、中間読出時間Gを基準に第2予測値を定める。そこで、L≦Gのとき、以下の(式4)に基づき、第2予測値を求める。
(式4)
第2予測値=(G×B)+C+D+E+J
式4における「G×B」は、全ての中間画像データiaの読み出しに要する時間である。「G×B」の期間のうち、一部の区間は、中間画像データiaの読み出しと画像処理が並行して行われる。最初のバンドの読み出し後、読み出しと画像処理は並行的に実行される。「C+D+E」は、最後のバンドの画像処理に要する時間を示す。Jは、生成した第1画像データi1の最後のバンドの書込処理に要する時間を示す。
第3予測値は、第1手順のうち、中間画像データiaの読出処理を開始してから、読み出した中間画像データiaから第2画像データi2を生成した後、生成した第2画像データi2の書込処理を完了するまでの時間の予測値である。
中間読出時間Gよりも最長処理時間Lの方が長い場合、(式3)と同様に、最長処理時間Lを基準に第3予測値を定める。そこで、L>Gのとき、以下の(式5)に基づき、第2予測値を求める。
(式5)
第3予測値=G+((B−1)×L)+C+D+E+K
式5における「G」は、中間画像データiaの最初のバンドの読み出しに要する時間を示す。最初のバンドの読み出し後、読み出しと画像処理は並行的に実行される。全バンドの画像処理が終わる前に、中間画像データiaの読み出しが終わる。「((B−1)×L)」は、読み出しと画像処理が並行して行われる時間の長さを示す。「C+D+E」は、中間画像データiaの最後のバンドの画像処理に要する時間(並行処理されない時間)を示す。Kは生成した第2画像データi2の最後のバンドの書込処理に要する時間を示す。
中間読出時間Gが最長処理時間L以上の場合、(式4)と同様に、中間読出時間Gを基準に第2予測値を定める。そこで、L≦Gのとき、以下の(式6)に基づき、第3予測値を求める。
(式6)
第3予測値=(G×B)+C+D+E+K
式6における「G×B」は、全ての中間画像データiaの読み出しに要する時間である。「G×B」の期間のうち、一部の区間は、中間画像データiaの読み出しと画像処理が並行して行われる。最初のバンドの読み出し後、読み出しと画像処理は並行的に実行される。「C+D+E」は、中間画像データiaの最後のバンドの画像処理に要する時間を示す。Kは、生成した第2画像データi2の最後のバンドの書込処理に要する時間を示す。
続いて、制御部1は、第1予測時間を求める(ステップ♯35)。制御部1は、第1予測値と、第2予測値と、第3予測値を加算して第1予測時間を求める。そして、制御部1は、第2予測時間を求めるため、第4予測値と、第5予測値を求める(ステップ♯36、ステップ♯37)。
第4予測値は、第2手順のうち、基本画像データi0の読出処理の開始後、読み出した基本画像データi0から第1画像データi1を生成し、生成した第1画像データi1の書込処理を完了するまでの時間の予測値である。
基本読出時間Fよりも最長処理時間Lの方が長い場合、(式1)と同様に、最長処理時間Lを基準に第4予測値を定める。そこで、L>Fのとき、以下の(式7)に基づき、第4予測値を求める。
(式7)
第4予測値=F+((A−1)×L)+C+D+E+J
式7における「F」は、基本画像データi0の最初のバンドの読み出しに要する時間を示す。最初のバンドの読み出し後、読み出しと画像処理は並行的に実行される。全バンドの画像処理が終わる前に、基本画像データi0の読み出しが終わる。「((A−1)×L)」は、読み出しと画像処理が並行して行われる時間の長さを示す。「C+D+E」は、基本画像データi0の最後のバンドの画像処理に要する時間(並行処理されない時間)を示す。Jは生成した第1画像データi1の最後のバンドの書込処理に要する時間を示す。
基本読出時間Fが最長処理時間L以上の場合、(式2)と同様に、基本読出時間Fを基準に第4予測値を定める。そこで、L≦Fのとき、以下の(式8)に基づき、第4予測値を求める。
(式8)
第4予測値=(F×A)+C+D+E+J
式8における「F×A」は、全ての基本画像データi0の読み出しに要する時間である。「F×A」の期間のうち、一部の区間は、基本画像データi0の読み出しと画像処理が並行して行われる。最初のバンドの読み出し後、読み出しと画像処理は並行的に実行される。「C+D+E」は、最後のバンドの画像処理に要する時間を示す。Jは、生成した第1画像データi1の最後のバンドの書込処理に要する時間を示す。
第5予測値は、第2手順のうち、基本画像データi0の読出処理の開始後、読み出した基本画像データi0から第2画像データi2を生成し、生成した第2画像データi2の書込処理を完了するまでの時間の予測値である。
基本読出時間Fよりも最長処理時間Lの方が長い場合、(式1)と同様に、最長処理時間Lを基準に第5予測値を定める。そこで、L>Fのとき、以下の(式9)に基づき、第5予測値を求める。
(式9)
第5予測値=F+((A−1)×L)+C+D+E+K
式9における「F」は、基本画像データi0の最初のバンドの読み出しに要する時間を示す。最初のバンドの読み出し後、読み出しと画像処理は並行的に実行される。全バンドの画像処理が終わる前に、基本画像データi0の読み出しが終わる。「((A−1)×L)」は、読み出しと画像処理が並行して行われる時間の長さを示す。「C+D+E」は、基本画像データi0の最後のバンドの画像処理に要する時間(並行処理されない時間)を示す。Kは生成した第2画像データi2の最後のバンドの書込処理に要する時間を示す。
基本読出時間Fが最長処理時間L以上の場合、(式2)と同様に、基本読出時間Fを基準に第5予測値を定める。そこで、L≦Fのとき、以下の(式10)に基づき、第5予測値を求める。
(式10)
第5予測値=(F×A)+C+D+E+K
式10における「F×A」は、全ての基本画像データi0の読み出しに要する時間である。「F×A」の期間のうち、一部の区間は、基本画像データi0の読み出しと画像処理が並行して行われる。最初のバンドの読み出し後、読み出しと画像処理は並行的に実行される。「C+D+E」は、最後のバンドの画像処理に要する時間を示す。Kは、生成した第2画像データi2の最後のバンドの書込処理に要する時間を示す。
そして、制御部1は、第2予測時間を求める(ステップ♯38)。制御部1は、第1予測値と、第4予測値と、第5予測値を加算して第1予測時間を求める。続いて、制御部1は、求めた第1予測時間が求めた第2予測時間以上であるか否かを確認する(ステップ♯39)。
第1予測時間が第2予測時間未満のとき(ステップ♯39のNo)、制御部1は、第1手順を選択する(ステップ♯310→エンド)。以後、制御部1は、第1手順で第1画像データi1と第2画像データi2を生成させる。一方、第1予測時間が第2予測時間以上のとき(ステップ♯39のYes)、制御部1は、第2手順を選択する(ステップ♯311→エンド)。以後、制御部1は第2手順で第1画像データi1及び第2画像データi2を生成させる。
(実測に基づく計算用数値の設定)
次に、図9に基づき、実施形態に係る計算用数値の設定の一例を説明する。図9は、実施形態に係る計算用数値の設定の流れの一例を示す図である。
ストレージ4の実際の読み書き速度は、複合機100ごとに個体差がでる場合がある。そこで、複合機100では、各計算用数値を実測することができる。例えば、制御部1のCPU11が時間を測る。各計算用数値を実測したとき、制御部1は、実測した結果に基づき、各計算用数値を定める。つまり、制御部1は、計算用数値データic内の各数値を記憶部3に更新させる。
計算用数値の実測のため、記憶部3(ストレージ4)は、標準画像データibを記憶する。標準画像データibの画素数は、中間画像データiaの画素数、第1画像データi1の画素数及び第2画像データi2の画素数よりも多い。標準画像データibは、予め定められた標準原稿を再現するための画像データである。例えば、標準原稿は、文字、図形を含む原稿である。標準画像データibを用いて、印刷テストが行われることがある。複合機100のメンテナンスの担当者は、印刷テストの結果を見る。担当者は印刷テストの結果をみて、問題、異常を判定する。
図9のスタートは、制御部1が各計算用数値の設定を開始する時点である。例えば、操作パネル6が各計算用数値の設定開始指示を受け付けた時点である。
制御部1は、ストレージ4から標準画像データibをRAM32に読み出させる(ステップ♯41)。読出処理のとき、制御部1は第1実測時間を測る(ステップ♯42)。第1実測時間は、1バンド分の標準画像データibの読出処理に要する時間である。制御部1は、各バンドについて読み出し開始から終了までの時間を測る。そして、制御部1は、第1実測時間に基づき基本読出時間Fを設定する(ステップ♯43)。例えば、制御部1は、各バンドの第1実測時間の平均値を基本読出時間Fを設定する。制御部1は、第1実測時間のうち、最長値を基本読出時間Fを設定してもよい。
制御部1は、読み出した標準画像データibから中間画像データiaを画像処理部2に生成させる(ステップ♯44)。以下、標準画像データibに基づく中間画像データiaを中間標準データと称する。そして、制御部1は、第2実測時間を測る(ステップ♯45)。第2実測時間は、1バンド分の中間標準データの書込処理に要する時間である。例えば、制御部1は、1バンドずつ、中間標準データをストレージ4に書き込ませる。制御部1は、バンドの書込開始から終了までの時間を測る。そして、制御部1は、第2実測時間に基づき中間書込時間Hを設定する(ステップ♯46)。例えば、制御部1は、各バンドの第2実測時間の平均値を中間書込時間Hと設定する。制御部1は、第2実測時間のうち、最長値を中間書込時間Hと設定してもよい。
制御部1は、ストレージ4から中間標準データをRAM32に読み出させる(ステップ♯47)。読出処理のとき、制御部1は第3実測時間を測る(ステップ♯48)。第3実測時間は、1バンド分の中間標準データの読出処理に要する時間である。制御部1は、各バンドについて読み出し開始から終了までの時間を測る。そして、制御部1は、第3実測時間に基づき中間読出時間Gを設定する(ステップ♯49)。例えば、制御部1は、各バンドの第3実測時間の平均値を中間読出時間Gを設定する。制御部1は、第3実測時間のうち、最長値を中間読出時間Gを設定してもよい。
制御部1は、読み出した中間標準データから第1画像データi1を画像処理部2に生成させる(ステップ♯410)。以下、標準画像データibに基づく第1画像データi1を第1標準データと称する。そして、制御部1は、第4実測時間を測る(ステップ♯411)。第4実測時間は、1バンド分の第1標準データの書込処理に要する時間である。例えば、制御部1は、1バンドずつ、第1標準データをストレージ4に書き込ませる。制御部1は、バンドの書込開始から終了までの時間を測る。そして、制御部1は、第4実測時間に基づき第1書込時間Jを設定する(ステップ♯412)。例えば、制御部1は、各バンドの第4実測時間の平均値を第1書込時間Jに設定する。制御部1は、第4実測時間のうち、最長値を第1読出時間を設定してもよい。
次に、制御部1は、第2画像データi2を画像処理部2に生成させる(ステップ♯413)。制御部1は、標準画像データibまたは中間標準データから第2画像データi2を生成する。この場合、制御部1は、ストレージ4からRAM32に標準画像データibまたは中間標準データを読み出させる。以下、標準画像データibに基づく第2画像データi2を第2標準データと称する。
そして、制御部1は、第5実測時間を測る(ステップ♯414)。第5実測時間は、1バンド分の第2標準データの書込処理に要する時間である。例えば、制御部1は、1バンドずつ、第2標準データをストレージ4に書き込ませる。制御部1は、バンドの書込開始から終了までの時間を測る。そして、制御部1は、第5実測時間に基づき第2書込時間Kを設定する(ステップ♯415)。例えば、制御部1は、各バンドの第5実測時間の平均値を第2書込時間Kに設定する。制御部1は、第5実測時間のうち、最長値を第2読出時間を設定してもよい。基本読出時間F、中間書込時間H、中間読出時間G、第1読出時間、第2読出時間の設定時、制御部1は、計算用数値データicを更新させる。そして、本フローは終了する(エンド)。
(目標値V1に基づく生成手順の選択)
次に、図10を用いて、実施形態に係る目標値V1に基づく生成手順の選択の一例を説明する。図10は、実施形態に係る目標値V1に基づく生成手順の選択の一例を示すフローチャートである。
複合機100では、基本画像データi0の保存ページ数の目標値V1が予め定められる。目標値V1は、例えば、ストレージ4に記憶される(図2参照)。ストレージ4に記憶できる基本画像データi0のページ数は目標値V1を超えることが望ましい。なお、サイズ(容量)が大きい基本画像データi0が多いとき、目標値V1以上のページをストレージ4に保存できない場合がある。
複合機100はストレージ4を含む。制御部1は基本画像データi0をストレージ4に記憶させる。中間画像データiaが生成されたとき、制御部1は中間画像データiaをストレージ4に記憶させる。第1画像データi1が生成されたとき、制御部1は第1画像データi1をストレージ4に記憶させる。第2画像データi2が生成されたとき、制御部1は第2画像データi2をストレージ4に記憶させる。
第1手順のとき、中間画像データiaが生成される。第2手順では中間画像データiaは生成されない。つまり、第2手順では中間画像データiaを記憶させるための領域(容量)が不要である。そのため、第2手順の方が第1手順よりもストレージ4に記憶できる基本画像データi0のページ数が多くなる。
そこで、制御部1は、基本画像データi0の保存ページ数が目標値V1を超えるように生成手順を選択する。例えば、図10のスタートは、操作パネル6が目標値V1に基づく生成手順の選択処理の開始指示を受け付けた時点である。図10のスタートは、制御部1が目標値V1に基づく生成手順の選択処理の開始を認識した時点である。
まず、制御部1は、標準画像データib、中間標準データ、第1標準データ、第2標準データを用意する(ステップ♯51)。中間標準データ、第1標準データ、第2標準データがまだ生成されていないとき、制御部1は、ストレージ4、RAM32、画像処理部2に中間標準データ、第1標準データ、第2標準データを生成させる。
そして、制御部1は合計値を求める(ステップ♯52)。制御部1は、標準画像データibの容量と、標準中間データの容量と、第1標準画像データibの容量と、第2標準画像データibの容量の総和を求める。次に、制御部1は除算値を求める(ステップ♯53)。制御部1は、ストレージ4の保存用領域の容量を合計値で除して除算値を得る。
制御部1は、除算値が目標値V1以下であるか否かを確認する(ステップ♯54)。目標値V1は、機種、ストレージ4のサイズに応じて予め定められる。除算値が目標値V1以下のとき(ステップ♯54のYes)、ストレージ4の保存ページ数を増やすべきである。そこで、制御部1は、生成手順として、第2手順を選択する(ステップ♯55→エンド)。第2手順を選択した後、制御部1は、第1手順で第1画像データi1及び第2画像データi2を生成しない。制御部1は、第2手順で第1画像データi1及び第2画像データi2を生成する。除算値が目標値V1を超えているとき(ステップ♯54のNo)、保存ページ数は十分と認められる。この場合、生成手順の設定、変更を行うことなく、本フローは終了する(エンド)。
このようにして、実施形態に係る表示装置(複合機100)は、取得部(通信部12、ラスタライズ処理部2a、画像読取部5b)、記憶部3、画像処理部2、制御部1を含む。取得部は、基本画像データi0を取得する。記憶部3は画像メモリー(RAM32)とストレージ4を含む。画像処理部2は、基本画像データi0に基づき複数種類の画像データを生成する。制御部1は、複数種類の画像データの生成時、ストレージ4のデータを画像メモリーに読み出す読出処理をストレージ4と画像メモリーに行わせる。制御部1は、生成された画像データをストレージ4に書き込む書込処理をストレージ4に行わせる。制御部1は、複数種類の画像データを生成するための複数の生成手順ごとに、複数種類の画像データを生成するときの所要時間の予測値である予測時間を求める。制御部1は、求めた複数の予測時間のうち、最も時間が短い予測時間に対応する生成手順を選択する。制御部1は、選択した生成手順で複数種類の画像データを生成させる。これにより、表示装置のシステム構成、性能に応じて、生成手順を自動的に切り替えることができる。生成速度が速い生成手順が自動的に選択される。
また、表示装置は画像を表示する表示部(表示パネル61)を含む。画像処理部2は、基本画像データi0から中間画像データiaを生成し、基本画像データi0又は中間画像データiaから第1画像データi1と第2画像データi2を生成する。中間画像データiaは、基本画像データi0を縮小した画像データである。制御部1は、生成した中間画像データiaと第1画像データi1と第2画像データi2をストレージ4に記憶させる。制御部1は、第1画像データi1及び第2画像データi2に基づく画像を表示部に表示させる。制御部1は、第1手順で第1画像データi1及び第2画像データi2を生成するときの予測時間である第1予測時間を求める。制御部1は、第2手順で第1画像データi1及び第2画像データi2を生成するときの予測時間である第2予測時間を求める。第1予測時間が第2予測時間未満のとき、制御部1は、第1手順で第1画像データi1及び第2画像データi2を生成させる。第1予測時間が第2予測時間以上のとき、制御部1は、第2手順で第1画像データi1及び第2画像データi2を生成させる。第1手順は、基本画像データi0の読出処理を行い、読み出した基本画像データi0に基づき中間画像データiaを画像処理部2に生成させ、生成した中間画像データiaから第1画像データi1を画像処理部2に生成させ、生成した中間画像データiaから第2画像データi2を画像処理部2に生成させる手順である。第2手順は、基本画像データi0の読出処理を行い、読み出した基本画像データi0から第1画像データi1を画像処理部2に生成させ、読み出した基本画像データi0から第2画像データi2を画像処理部2に生成させる手順である。
これにより、表示装置のシステム構成、性能に応じて、第1画像データi1と第2画像データi2の生成手順を自動的に切り替えることができる。生成速度が速い生成手順が自動的に選択される。第1画像データi1又は第2画像データi2に基づく画像の表示を速やかに開始することができる。また、中間画像データiaを生成してから第1画像データi1と第2画像データi2を生成する手順と、基本画像データi0から直接第1画像データi1と第2画像データi2を直接生成する手順を比較することができる。
また、制御部1は第1予測値と、第2予測値と、第3予測値とを求める。制御部1は第1予測値と、第2予測値と、第3予測値を加算して第1予測時間を求める。第1予測値は、基本画像データi0の読出処理の開始後、読み出した基本画像データi0から中間画像データiaを生成し、生成した中間画像データiaの書込処理を完了するまでの時間の予測値である。第2予測値は、中間画像データiaの読出処理を開始してから、読み出した中間画像データiaから第1画像データi1を生成した後、生成した第1画像データi1の書込処理を完了するまでの時間の予測値である。第3予測値は、中間画像データiaの読出処理を開始してから、読み出した中間画像データiaから第2画像データi2を生成した後、生成した第2画像データi2の書込処理を完了するまでの時間の予測値である。これにより、第1手順での各処理を考慮して、第1予測時間を求めることができる。第1手順と第2手順のうち、より速く第1画像データi1と第2画像データi2を生成できる手順を正確に判定することができる。
また、記憶部3は、基本読出時間F、中間読出時間G、中間書込時間H、第1書込時間J、第2書込時間Kを記憶する。基本読出時間Fは、1バンド分の基本画像データi0の読出処理に要する時間の基準を示す。中間読出時間Gは、1バンド分の中間画像データiaの読出処理に要する時間の基準を示す。中間書込時間Hは、1バンド分の中間画像データiaの書込処理に要する時間の基準を示す。第1書込時間Jは、1バンド分の第1画像データi1の書込処理に要する時間の基準を示す。第2書込時間Kは、1バンド分の第2画像データi2の書込処理に要する時間の基準を示す。制御部1は、基本読出時間Fと中間書込時間Hを用いて第1予測値を求める。制御部1は、中間読出時間Gと第1書込時間Jを用いて第2予測値を求める。制御部1は、中間読出時間Gと第2書込時間Kを用いて第3予測値を求める。これにより、1バンド単位のデータの読み書きの時間に基づき、第1予測値と第2予測値と第3予測値を求めることができる。第1手順と第2手順のうち、より速く第1画像データi1と第2画像データi2を生成できる手順を正確に判定することができる。
また、ストレージ4は、標準画像データibを記憶する。制御部1は、1バンド分の標準画像データibの読出処理に要する第1実測時間を測り、第1実測時間を基本読出時間Fに設定する。制御部1は、標準画像データibに基づく中間画像データiaの書込処理に要する第2実測時間を測り、第2実測時間を中間書込時間Hに設定する。制御部1は、1バンド分の標準画像データibに基づく中間画像データiaの読出処理に要する第3実測時間を測り、第3実測時間を中間読出時間Gに設定する。制御部1は、1バンド分の標準画像データibに基づく第1画像データi1の書込処理に要する第4実測時間を測り、第4実測時間を第1書込時間Jに設定する。制御部1は、1バンド分の標準画像データibに基づく第2画像データi2の書込処理に要する第5実測時間を測り、第5実測時間を第2書込時間Kに設定する。ストレージ4の読み書きの実測時間に基づき、第1予測時間を求めるための時間を設定することができる。複数の手順のうち、より速く第1画像データi1と第2画像データi2を生成できる手順を正確に判定することができる。
また、画像処理部2は、画像処理モジュールを含み、画像処理モジュールを用いて中間画像データia、第1画像データi1、第2画像データi2を生成する。記憶部3は、基本バンド数A、中間バンド数B、及び、モジュール処理時間を記憶する。基本バンド数Aは、基本画像データi0のバンド数の基準を示す。中間バンド数Bは、中間画像データiaのバンド数の基準を示す。モジュール処理時間は、画像処理モジュールが1バンドの画像データの処理を開始してから終了するまでに要する時間の基準を示す。制御部1は、基本バンド数A、中間バンド数B、モジュール処理時間を用いて第1予測値、第2予測値、第3予測値を求める。これにより、複数の基準値を設定することにより第1予測時間を求めることができる。複数の手順のうち、より速く第1画像データi1と第2画像データi2を生成できる手順を正確に判定することができる。
また、制御部1は、第4予測値と、第5予測値を求める。制御部1は、第4予測値と第5予測値を加算して第2予測時間を求める。第4予測値は、基本画像データi0の読出処理の開始後、読み出した基本画像データi0から第1画像データi1を生成し、生成した第1画像データi1の書込処理を完了するまでの時間の予測値である。第5予測値は、基本画像データi0の読出処理の開始後、読み出した基本画像データi0から第2画像データi2を生成し、生成した第2画像データi2の書込処理を完了するまでの時間の予測値である。第2手順での各処理を考慮し、第1手順と第2手順のうち、より速く第1画像データi1と第2画像データi2を生成できる手順を正確に判定することができる。
また、制御部1は、基本読出時間Fと第1書込時間Jを用いて第4予測値を求める。制御部1は、基本読出時間Fと第2書込時間Kを用いて第5予測値を求める。これにより、1バンド単位のデータの読み書きの時間に基づき、第4予測値と第5予測値を求めることができる。第1手順と第2手順のうち、より速く第1画像データi1と第2画像データi2を生成できる手順を正確に判定することができる。
制御部1は、1バンド分の標準画像データibの読出処理に要する第1実測時間を測り、第1実測時間を基本読出時間Fに設定する。制御部1は、1バンド分の標準画像データibに基づく第1画像データi1の書込処理に要する第4実測時間を測り、第4実測時間を第1書込時間Jに設定する。制御部1は、1バンド分の標準画像データibに基づく第2画像データi2の書込処理に要する第5実測時間を測り、第5実測時間を第2書込時間Kに設定する。これにより、ストレージ4の読み書きの実測時間に基づき、第2予測時間を求めるための時間を設定することができる。複数の手順のうち、より速く第1画像データi1と第2画像データi2を生成できる手順を正確に判定することができる。
画像処理部2は、画像処理モジュールを用いて第1画像データi1、第2画像データi2を生成する。記憶部3は、基本バンド数A、及び、モジュール処理時間を記憶する。制御部1は、基本バンド数A及びモジュール処理時間を用いて第4予測値及び第5予測値を求める。複数の基準値を設定することにより、第2予測時間を求めることができる。複数の手順のうち、より速く第1画像データi1と第2画像データi2を生成できる手順を正確に判定することができる。
また、制御部1は、標準画像データibの容量と、標準画像データibから生成した中間画像データiaの容量と、標準画像データibに基づく第1画像データi1の容量と、標準画像データibに基づく第2画像データi2の容量の合計値を求める。ストレージ4に設けられた保存用領域の容量を合計値で除して得られる除算値が予め定められた目標値V1以下のとき、制御部1は、第1手順で第1画像データi1及び第2画像データi2を生成しない。制御部1は、第2手順で第1画像データi1及び第2画像データi2を生成する。これにより、ストレージ4に記憶するページ数が目標値V1未満になるとき、中間画像データiaを生成しないようにすることができる。従って、ストレージ4に記憶できる画像データのページ数を増やすことができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。