以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
[第1の実施形態]
<立体画像形成システムの構成>
以下、図1を参照して、第1の実施形態に係る立体画像形成システムとそれに設けられた印刷データ作成装置の構成につき説明する。図1は、第1の実施形態に係る立体画像形成システム1とそのシステムに設けられた印刷データ作成装置として機能するコンピュータ3の構成を示す概略図である。
第1の実施形態に係る立体画像形成システム1は、熱膨張性シートの所定の領域に立体画像を形成するシステムである。熱膨張性シートは、吸収した熱量に応じて膨張する膨張層を内部に有するシートである。
図1に示すように、本実施形態に係る立体画像形成システム1は、タッチパネルディスプレイ2、画像入力手段2A、インクジェットプリンタ2B、コンピュータ3、光照射ユニット4を備えている。
タッチパネルディスプレイ2は、液晶表示パネルにタッチパネルが張り合わされて構成され、コンピュータ3の操作に用いられる。
画像入力手段2Aは、メモリカード(ICカードを含む)リーダや、スキャナ装置、他の装置と通信可能な通信装置等によって構成されている。
画像入力手段2Aは、後記する使用画像データをコンピュータ3に入力するための装置である。画像入力手段2Aは、例えば、カード状記憶媒体やディスク状記憶媒体からデータを読み出すカードリーダやドライブ装置、印刷物の画像を光学的に読み取るスキャナ装置、他の装置と通信する通信装置等によって構成されている。ここで前記した「使用画像データ」とは、立体画像を熱膨張性シート7に形成する際に使用する画像データを意味している。印刷データ作成装置として機能するコンピュータ3は、使用画像データに基づいて濃淡画像の印刷データ(印刷画像データ)を作成する。
インクジェットプリンタ2Bは、電磁波熱変換層として、カーボンブラックによる濃淡画像を熱膨張性シート7の表面又は裏面に形成(印刷)する画像形成装置である。本実施形態では、インクジェットプリンタ2Bは、濃淡画像を熱膨張性シート7の裏面に形成するものとして説明する。
コンピュータ3は、演算手段31や記憶手段36を備え、画像入力手段2Aや、インクジェットプリンタ2B、光照射ユニット4を制御する。演算手段31は、CPU(Central Processing Unit)によって構成されている。記憶手段36は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等によって構成されている。
本実施形態では、コンピュータ3は、以下の3つの装置として機能する。
(1)濃淡画像の印刷データを作成する印刷データ作成装置。
(2)インクジェットプリンタ2Bを作動させて、濃淡画像を熱膨張性シート7に印刷させる印刷指令装置。
(3)光照射ユニット4を作動させて、立体画像を熱膨張性シート7に形成させるユニット指令装置。
コンピュータ3は、濃淡画像の印刷データを作成するための作成手段32を演算手段31内に有している。作成手段32は、画像入力手段2Aから使用画像データを入力画像データとして取得し、記憶手段36に予め記憶された濃度高さデータ37aと入力画像データとに基づいて、濃淡画像の印刷データを作成する。
記憶手段36には、制御プログラムPRや濃度高さデータ37a等が予め記憶されている。制御プログラムPRは、作成手段32の動作を規定するプログラムである。濃度高さデータ37aは、各線幅の濃度と膨張高さとの対応関係を表すデータである。
また、記憶手段36には、使用画像データである入力画像データ38や濃淡画像の印刷データ39が記憶される。
光照射ユニット4は、熱膨張性シート7を搬送しながら、熱膨張性シート7に可視光及び近赤外光を照射するユニットである。熱膨張性シート7は、吸収した熱量に応じて膨張する膨張層を内部に有する媒体である。熱膨張性シート7の裏面には、インクジェットプリンタ2Bにより、カーボンブラックによる濃淡画像が電磁波熱変換層として形成されている。光照射ユニット4で可視光及び近赤外光が熱膨張性シート7の濃淡画像が形成された部分に照射されると、その部分で近赤外光が熱に変換されて、熱が発生する。これに応じて、その部分の膨張層が膨張して盛り上がり、その結果、立体画像が形成される。
光照射ユニット4は、光照射制御回路41、冷却ファン42、温度センサ43、ランプヒータ44、反射板441、バーコードリーダ45、鏡451、モータ48、挿入ローラ51,52、排出ローラ53,54の各部を備える。
光照射制御回路41は、冷却ファン42、ランプヒータ44、挿入ローラ51,52、排出ローラ53,54の動作を制御する制御手段である。光照射制御回路41は、例えば不図示のCPUとメモリとを備え、コンピュータ3の指示に基づいて、光照射ユニット4を統括制御する。光照射制御回路41は、バーコードリーダ45と入口センサ46と出口センサ47とからの入力信号に基づいて、冷却ファン42を制御する。また、光照射制御回路41は、温度センサ43からの入力信号に基づいて、ランプヒータ44の点灯及び消灯を制御する。また、光照射制御回路41は、バーコードリーダ45と入口センサ46と出口センサ47とからの入力信号に基づいて、挿入ローラ51,52及び排出ローラ53,54を駆動するモータ48の回転を制御する。なお、光照射制御回路41は、任意のタイミングに応じて熱膨張性シート7の搬送速度を変更する機能を有している。
冷却ファン42は、反射板441を空気冷却する冷却手段である。温度センサ43は、後記する光加熱手段の周囲の温度として、反射板441の温度を計測する計測手段である。ランプヒータ44は、可視光及び近赤外光を発生する部材である。本実施形態では、ランプヒータ44がハロゲンランプによって構成されているものとして説明する。反射板441は、ランプヒータ44で発生した可視光及び近赤外光を反射する部材である。反射板441は、ランプヒータ44の背面を覆う形状になっており、ランプヒータ44の背面側に配置されている。反射板441の正面は、鏡面状になっており、光を反射する反射面として機能する。反射板441の背面には、温度センサ43が取り付けられている。ランプヒータ44と反射板441とは、可視光及び近赤外光を熱膨張性シート7に照射して、熱膨張性シート7の濃淡画像(電磁波熱変換層)が形成されている部分を近赤外光で加熱する光加熱手段として機能する。本実施形態では、光加熱手段(ランプヒータ44と反射板441)が搬送路6の上方に配置されているものとして説明する。ただし、光加熱手段(ランプヒータ44と反射板441)は、搬送路6の下方に配置することもできる。
バーコードリーダ45は、熱膨張性シート7の裏面の端部に印刷されたバーコードを読み取る装置である。鏡451は、熱膨張性シート7の裏面が上方向を向くように給紙部50内にセットされているときに、熱膨張性シート7のバーコードを反射して、バーコードリーダ45から読み取れるようにする。立体画像形成システム1は、バーコードリーダ45がバーコードを読み取ることにより、熱膨張性シート7の表面と裏面の向きを判別することができる。
モータ48は、挿入ローラ51,52、排出ローラ53,54の駆動源である。挿入ローラ51,52は、光加熱手段(ランプヒータ44と反射板441)よりも上流側に配置された搬送手段である。排出ローラ53,54は、光加熱手段(ランプヒータ44と反射板441)よりも下流側に配置された搬送手段である。
光照射ユニット4の内部には、一点鎖線で示す搬送路6が形成されている。搬送路6は、熱膨張性シート7が挿入される挿入部5から熱膨張性シート7が排出される排出部(不図示)に亘って形成されている。挿入部5の内側には、給紙部50が配置されている。光照射ユニット4は、搬送路6に沿って、給紙部50、入口センサ46、挿入ローラ51,52、下ガイド55、上ガイド56、排出ローラ53,54、出口センサ47を備える。
なお、本実施形態では、光照射ユニット4の「前端」及び「後端」は、搬送媒体である熱膨張性シート7の向きを基準にしている。図示例では、熱膨張性シート7が排出される側(つまり、搬送方向における下流側)が光照射ユニット4の前端側となり、熱膨張性シート7が挿入される側(つまり、搬送方向における上流側)が光照射ユニット4の後端側となっている。
給紙部50は、熱膨張性シート7を光加熱手段に供給する部位である。光照射ユニット4は、熱膨張性シート7が挿入部5から内部に挿入されて給紙部50にセットされ、タッチパネルディスプレイ2から光照射が指示されると、熱膨張性シート7の搬送と光照射とを開始する。この搬送は、給紙部50が備える不図示の搬送機構によって開始される。
入口センサ46は、熱膨張性シート7を検出する検出センサである。入口センサ46は、熱膨張性シート7の前端が挿入ローラ51,52の直前の位置に到達したことや、熱膨張性シート7の後端が挿入ローラ51,52の直前の位置を通過したことを検知する。
挿入ローラ51,52は、それぞれ搬送路6の左右に分かれて設けられ、熱膨張性シート7の端部を上下から挟み込んで搬送する。これら挿入ローラ51,52は、図示せぬ動力伝達機構を介してモータ48と接続されており、モータ48によって駆動される。
下ガイド55と上ガイド56とは、熱膨張性シート7の搬送をガイドするガイド部材である。本実施形態では、下ガイド55と上ガイド56とは、長尺な平板状の形状を呈しており、搬送路6の下と上とから熱膨張性シート7をガイドする。下ガイド55は、熱膨張性シート7の搬送の支障にならないように、前端部及び後端部が下方向に屈曲された形状になっている。下ガイド55は、好ましくは、頑丈な金属材で構成するとよい。また、上ガイド56は、熱膨張性シート7の搬送の支障にならないように、前端部及び後端部が上方向に屈曲された形状になっている。上ガイド56は、好ましくは、透明なガラスやプラスチック材等で構成するとよい。
排出ローラ53,54は、熱膨張性シート7を上下から挟み込んで搬送する。これら排出ローラ53,54も、図示せぬ動力伝達機構を介してモータ48と接続されており、モータ48によって駆動される。
出口センサ47は、入口センサ46と同様に、熱膨張性シート7を検出する検出センサである。出口センサ47は、熱膨張性シート7の前端が排出ローラ53,54の直後の位置に到達したことや、熱膨張性シート7の後端が排出ローラ53,54の直後の位置を通過したことを検知する。
<平面方向のサイズ変更時における立体画像の形状>
本実施形態に係る立体画像形成システム1は、平面方向のサイズ(所定の領域のサイズ)を変更して立体画像を形成する場合に、変更後立体画像の膨張高さを好適な高さにする構成になっている。以下、図2及び図3を参照して、立体画像形成システム1によって形成された立体画像の形状につき説明する。
図2及び図3は、それぞれ、立体画像形成システム1によって形成された立体画像の形状を示す図である。図2は、平面方向のサイズ縮小時における立体画像の形状を示している。図3は、平面方向のサイズ拡大時における立体画像の形状を示している。図2及び図3は、それぞれ、熱膨張性シート7に印刷された濃淡画像の上面視形状を上側に示し、濃淡画像に基づいて形成された立体画像の側断面形状を下側に示している。
図2は、図17に示す従来技術の例と同様に、グラフ図として形成された濃淡画像I1をサイズ変更前の画像とし、一辺のサイズを50%の大きさに縮小して形成された濃淡画像I1aをサイズ変更後の画像とする例を示している。したがって、図2に示す例では、サイズ変更前の濃淡画像I1における縦辺の長さがL1になっているのに対し、サイズ変更後の濃淡画像I1aにおける縦辺の長さがL1の半分のL1aになっている。
図3は、図18に示す従来技術の例と同様に、広さの異なる4つの領域It1〜It4を含む図柄として形成された濃淡画像I2をサイズ変更前の画像とし、一辺のサイズを200%の大きさに拡大して形成された濃淡画像I2bをサイズ変更後の画像とする例を示している。したがって、図3に示す例では、サイズ変更前の濃淡画像I2における縦辺の長さがL2になっているのに対し、サイズ変更後の濃淡画像I2bにおける縦辺の長さがL2の2倍のL2bになっている。
図2に示すように、立体画像形成システム1は、平面方向のサイズを縮小して立体画像を形成する場合に、図17に示す従来技術の例とは異なり、サイズ縮小後の立体画像の膨張高さがサイズ変更前の立体画像の膨張高さよりも低くならないようにする。これにより、立体画像形成システム1は、立体画像の平面方向のサイズ縮小時に、人が立体画像を触っても立体画像の形状を認識することが困難な膨張高さしかない立体画像が形成されることを抑制する。
そして、立体画像形成システム1は、好ましくは、サイズ変更前とサイズ変更後とで立体画像の膨張高さが略同様になるようにする。例えば、図2に示すメモリ線Itに注目した場合に、サイズ変更前の濃淡画像I1に基づいて形成された立体画像のメモリ線Itの形状は、線幅をW1とし、膨張高さをH1とする形状になっている。一方、サイズ変更後の濃淡画像I1aに基づいて形成された立体画像のメモリ線Itの形状は、線幅をW1aとし、膨張高さをサイズ変更前と同じH1とする形状になっている。サイズ変更後の線幅W1aは、サイズ変更前の線幅W1の半分になっている。
また、図3に示すように、立体画像形成システム1は、平面方向のサイズを拡大して立体画像を形成する場合に、図18に示す従来技術の例とは異なり、サイズ拡大後の立体画像の膨張高さがサイズ変更前の立体画像の膨張高さよりも高くならないようにする。これにより、立体画像形成システム1は、立体画像の平面方向のサイズ拡大時に、比較的広い面積の形成領域が過膨張(過剰に膨張)してしまうことを抑制し、過膨張の影響で立体画像を歪ませてしまうことを抑制する。
そして、立体画像形成システム1は、好ましくは、サイズ変更前とサイズ変更後とで立体画像の膨張高さが略同様になるようにする。例えば、図3に示す4つの領域It1〜It4のうち、比較的幅広な領域It4に注目した場合に、サイズ変更前の濃淡画像I2に基づいて形成された立体画像の領域It4の形状は、線幅をW2とし、膨張高さをH2とする形状になっている。一方、サイズ変更後の濃淡画像I2bに基づいて形成された立体画像の領域It4の形状は、線幅をW2bとし、膨張高さをサイズ変更前と同じH2とする形状になっている。サイズ変更後の線幅W2bは、サイズ変更前の線幅W2の2倍になっている。
<濃度高さデータの構成>
本実施形態では、図2や図3に示す立体画像を形成するために、立体画像形成システム1に設けられた印刷データ作成装置(コンピュータ3)の作成手段32(図1参照)は、立体画像の平面方向のサイズ変更に応じて、濃淡画像の濃度(階調)を変更する構成になっている。そして、作成手段32(図1参照)は、濃淡画像の濃度を変更する際に、記憶手段36に予め記憶された濃度高さデータ37aを用いる。
以下、図4及び図5を参照して、濃度高さデータ37aの構成につき説明する。図4は、濃度高さデータ37aの一例を示す図である。図4(a)は、濃度高さデータ37aを取得する際に用いるグラフデータHBの一例を示しており、図4(b)は、濃度高さデータ37aの構成例を示している。図5は、各線幅における濃淡画像の濃度と立体画像の膨張高さとの関係を示す図である。
図4(a)に示すグラフデータHBは、熱膨張性シート7に印刷される濃淡画像の濃度と、濃淡画像に基づいて形成される立体画像の膨張高さとの関係を示している。図4(a)に示す例では、グラフデータHBは、横軸を濃淡画像の濃度とし、縦軸を立体画像の膨張高さとしている。ただし、横軸と縦軸の関係は逆であってもよい。ここでは、「濃淡画像の濃度」とは、濃淡画像に含まれるカーボンブラックの濃度を意味している。
グラフデータHBは、線幅毎に濃度に対する膨張高さを規定する補正カーブ(図中の線F1〜F3参照)を含んでいる。例えば、図4(a)に示す例では、それぞれ、線幅を「1.0」mm、「0.5」mm、「2.0」mmとする3本の濃淡画像の線F1,F2,F3の濃度と、立体画像の膨張高さとの関係を示している。図4(b)に示す濃度高さデータ37aは、図4(a)に示すグラフデータHBを数値化したものである。
図5は、各線幅における濃淡画像の濃度と膨張高さとの関係を示している。図5に示すように、立体画像の膨張高さは、濃淡画像の線幅が同じであれば、濃淡画像の濃度が濃い(黒に近い)ほど高くなり、濃淡画像の濃度が薄い(白に近い)ほど高くなる。「K」の値が大きい濃淡画像ほど、濃度が濃い(黒に近い)ものとなっており、「K」の値が小さい濃淡画像ほど、濃度が薄い(白に近い)ものとなっている。
図5に示す例では、各濃淡画像が3つのグループR1〜R3に分類されている。グループR1は、各濃淡画像に基づいて形成される立体画像の膨張高さが立体画像に触れるだけで容易に認識することが可能な高さになっているグループである。ここでは、例えばグループR1の膨張高さが1.0mm以上になっているものとして説明する。グループR2は、各濃淡画像に基づいて形成される立体画像の膨張高さが注意して立体画像に触れれば立体画像の形状を認識することが可能な高さになっているグループである。ここでは、例えばグループR2の膨張高さが0.75mm以上で、かつ、1.0mm未満の範囲になっているものとして説明する。グループR3は、各濃淡画像に基づいて形成される立体画像の膨張高さが注意して立体画像に触っても立体画像の形状を認識することが困難な高さしかないグループである。ここでは、例えばグループR3の膨張高さが0.75mm未満になっているものとして説明する。
ここで、例えば、図4(a)に示す例において、濃淡画像の濃度を変えずに、濃淡画像の平面方向のサイズ変更を行った場合に、その濃淡画像に基づいて形成される立体画像の膨張高さは以下の例のように変化する。ここでは、点P1の濃淡画像を例にして説明する。点P1の濃淡画像は、線幅1.0mmの線F1において、濃度がK50になっている場合の濃淡画像を意味している。
(1)例えば、点P1を含む線幅1.0mmの線F1の濃淡画像に対し、濃淡画像の濃度を変えずに、K50のままで、濃淡画像の一辺のサイズを50%の大きさに縮小するものとする。その結果、濃淡画像の線種が、線幅1.0mmの線F1から線幅0.5mmの線F2に変化したものとする。この場合に、立体画像の膨張高さは、H1からそれよりも低いH1aとなる。
(2)例えば、点P1を含む線幅1.0mmの線F1の濃淡画像に対し、濃淡画像の濃度を変えずに、K50のままで、濃淡画像の一辺のサイズを200%の大きさに拡大するものとする。その結果、濃淡画像の線種が、線幅1.0mmの線F1から線幅2.0mmの線F3に変化したものとする。この場合に、立体画像の膨張高さは、H1からそれよりも高いH1bとなる。
印刷データ作成装置(コンピュータ3)の作成手段32(図1参照)は、このような立体画像の膨張高さの変化を抑制するために、以下のように濃淡画像の濃度を変更する。
(1)印刷データ作成装置(コンピュータ3)の作成手段32は、立体画像の平面方向のサイズ縮小に応じて、立体画像の基になる濃淡画像の濃度を濃くする。ここで、例えば、点P1を含む線幅1.0mmの線F1の濃淡画像に対し、濃淡画像の一辺のサイズが50%の大きさに縮小され、その結果、濃淡画像の線種が、線幅1.0mmの線F1から線幅0.5mmの線F2に変化したものとする。この場合に、印刷データ作成装置(コンピュータ3)の作成手段32は、濃淡画像の濃度を変更前の濃度K50よりも濃い濃度であるK60に変更する。これにより、立体画像形成システム1は、立体画像の平面方向のサイズ縮小に応じて、サイズ変更前とサイズ変更後とで、立体画像の膨張高さが略同様になるように、立体画像を形成することができる。
(2)印刷データ作成装置(コンピュータ3)の作成手段32は、立体画像の平面方向のサイズ拡大に応じて、立体画像の基になる濃淡画像の濃度を薄くする。ここで、例えば、点P1を含む線幅1.0mmの線F1の濃淡画像に対し、濃淡画像の一辺のサイズが200%の大きさに拡大され、その結果、濃淡画像の線種が、線幅1.0mmの線F1から線幅2.0mmの線F3に変化したものとする。この場合に、印刷データ作成装置(コンピュータ3)の作成手段32は、濃淡画像の濃度を変更前の濃度K50よりも薄い濃度であるK40に変更する。これにより、立体画像形成システム1は、立体画像の平面方向のサイズ拡大に応じて、サイズ変更前とサイズ変更後とで、立体画像の膨張高さが略同様になるように、立体画像を形成することができる。
図4(b)に示す濃度高さデータ37aは、前記した通り、図4(a)に示すグラフデータHBを数値化したものである。図4(b)に示す例では、濃度高さデータ37aは、濃度がK50になっている線幅1.0mmの線F1の濃淡画像に基づいて形成される立体画像の膨張高さがH1であることを示している。また、濃度高さデータ37aは、立体画像の膨張高さがH1となる線幅0.5mmの線F2の濃淡画像は、濃度がK60であることを示している。また、濃度高さデータ37aは、立体画像の膨張高さがH1となる線幅2.0mmの線F3の濃淡画像は、濃度がK40であることを示している。
濃度高さデータ37aは、各線幅の濃度と膨張高さとの対応関係が網羅的に規定された構成になっている。濃度高さデータ37aは、例えば図5に示すように、線幅毎に濃度の異なる濃淡画像を熱膨張性シートに印刷し、その熱膨張性シートを加熱して立体画像を形成し、形成された立体画像の各部位の膨張高さを測定することによって取得することができる。濃度高さデータ37aは、記憶手段36に予め記憶されている。印刷データ作成装置(コンピュータ3)の作成手段32は、立体画像の平面方向のサイズ変更を行う場合に、濃度高さデータ37aを参照することによって、変更サイズ(立体画像の縦横各辺の変更倍率)に応じて濃淡画像の濃度を好適な値に変更することができる。
なお、濃淡画像の濃度の変更は、例えば、インクの濃度の変更や、印刷濃度の変更、ドット密度の変更等によって実現される。
また、サイズ縮小時における濃淡画像の濃度の変更は、好ましくは、線幅が所定幅以下の細い部分に対して行われるようにするとよい。すなわち、印刷データ作成装置(コンピュータ3)の作成手段32は、好ましくは、サイズ縮小時において、線幅が所定幅以下の細い部分の濃度を変更前よりも濃くするとよい。
また、サイズ拡大時における濃淡画像の濃度の変更は、好ましくは、線幅が所定幅以上の太い部分に対して行われるようにするとよい。すなわち、印刷データ作成装置(コンピュータ3)の作成手段32は、好ましくは、サイズ拡大時において、線幅が所定幅以上の太い部分の濃度を変更前よりも薄くするとよい。
<立体画像形成システムの動作>
以下、図6を参照して、立体画像形成システム1の動作につき説明する。図6は、立体画像形成システム1の動作を示すフローチャートである。
ここでは、立体画像の形成に使用される使用画像データ(入力画像データ)がグラフ図を表すデータである場合を想定して説明する。グラフ図を表す使用画像データ(入力画像データ)は、画像に含まれる線の線幅や長さ等を表す線種データを含んでいる。本実施形態では、立体画像形成システム1は、線種データに基づいて、濃淡画像に含まれている各線の濃度を設定する。ただし、立体画像の形成に使用される使用画像データ(入力画像データ)が線種データを含まないデータであっても、立体画像形成システム1は、使用画像データ(入力画像データ)の内容を検証することにより、濃度を設定する線(領域を含む)を特定し、それらの濃度を設定するようにしてもよい。
図6に示すように、まず、ステップS110において、立体画像形成システム1のコンピュータ3は、画像入力手段2Aから使用画像データを入力画像データ38として取得し、記憶手段36に記憶する。
次に、ステップS120において、コンピュータ3は、例えば図7に示すサイズ受付画面D1をタッチパネルディスプレイ2に表示して、立体画像の平面方向のサイズ変更を受け付ける。図7は、サイズ受付画面D1の一例を示す図である。図7に示す例では、サイズ受付画面D1は、変更サイズ(立体画像の縦横各辺の変更倍率)を受け付けることが可能な構成になっている。
次に、ステップS130において、コンピュータ3は、ステップS120で受け付けられた変更サイズがいくつであるのかを判定する。
ステップS130の判定において、変更サイズが100%(等倍)であると判定された場合に、ステップS140において、コンピュータ3は、濃淡画像の濃度に対して、変更なしとして処理する。この場合に、コンピュータ3の作成手段32は、濃度高さデータ37a(図4(b)参照)を参照して、濃淡画像の濃度を標準サイズ(100%の大きさのサイズ)の濃度に設定する。例えば、図5に示す例では、濃度がK50になっている線幅1mmの濃淡画像に対して、コンピュータ3の作成手段32は、濃淡画像の濃度を標準サイズの濃度であるK50に設定する。
また、ステップS130の判定において、変更サイズが100%未満(縮小)であると判定された場合に、ステップS150において、コンピュータ3は、濃度高さデータ37a(図4(b)参照)を参照して、縮小倍率に合わせて濃淡画像の濃度を変更前の濃度よりも濃い濃度に設定する。例えば、図5に示す例では、濃度がK50になっている線幅1mmの濃淡画像に対して、コンピュータ3の作成手段32は、濃淡画像の濃度を、変更前の標準サイズの濃度であるK50よりも濃い濃度であるK60に設定する。
また、ステップS130の判定において、変更サイズが100%を超過している(拡大)であると判定された場合に、ステップS160において、コンピュータ3は、濃度高さデータ37a(図4(b)参照)を参照して、拡大倍率に合わせて濃淡画像の濃度を変更前の濃度よりも薄い濃度に設定する。例えば、図5に示す例では、濃度がK50になっている線幅1mmの濃淡画像に対して、コンピュータ3の作成手段32は、濃淡画像の濃度を、変更前の標準サイズの濃度であるK50よりも薄い濃度であるK40に設定する。
ステップS140,S150,S160のいずれかのステップの後、ステップS170において、コンピュータ3の作成手段32は、いずれかのステップで設定された濃淡画像の濃度と記憶手段36に記憶された入力画像データ38に基づいて、濃淡画像の印刷データ39を作成し、記憶手段36に記憶する。
次に、ステップS180において、コンピュータ3は、インクジェットプリンタ2Bを作動させて、記憶手段36に記憶された印刷データ39に基づいて、濃淡画像を熱膨張性シート7の裏面に印刷させる。
次に、ステップS190において、コンピュータ3は、光照射ユニット4を作動させて、熱膨張性シート7を加熱して、熱膨張性シート7の表面に立体画像を形成させる。これにより、一連の処理が終了する。
なお、ステップS170において作成される印刷データ39の構成は、以下のようになっている。ここでは、変更前の濃淡画像が例えば図2や図3に示す上側左図の画像のようになっているものとして説明する。また、変更前の立体画像が例えば図2や図3に示す下側左図のようになっているものとして説明する。
例えば、変更サイズが100%(等倍)である場合に、変更後の濃淡画像は変更前の濃淡画像(図2や図3に示す上側左図の画像)と同じになる。そのため、この場合の印刷データ39は、変更前の濃淡画像(図2や図3に示す上側左図の画像)の印刷データと同じ内容のものとなる。その印刷データ39に基づいてステップS190で形成される立体画像は、変更前の立体画像(図2や図3に示す下側左図の画像)と同じ形状のものとなる。
また、例えば、変更サイズが100%未満(縮小)である場合に、変更後の濃淡画像は図2に示す上側右図の画像のようになる。そのため、この場合の印刷データ39は、図2に示す上側右図の画像を表す内容のものとなる。その印刷データ39に基づいてステップS190で形成される立体画像は、図2に示す下側右図の画像のような形状のものとなる。
また、例えば、変更サイズが100%を超過している(拡大)である場合に、変更後の濃淡画像は図3に示す上側右図の画像のようになる。そのため、この場合の印刷データ39は、図3に示す上側右図の画像を表す内容のものとなる。その印刷データ39に基づいてステップS190で形成される立体画像は、図3に示す下側右図の画像のような形状のものとなる。
<立体画像形成システムの主な特徴>
係る構成において、立体画像形成システム1は、以下のような特徴を有している。
(1)立体画像形成システム1の印刷データ作成装置(コンピュータ3)は、作成手段32を有している。作成手段32は、立体画像の平面方向のサイズ変更に応じて、濃淡画像の濃度を変更する。例えば、作成手段32は、立体画像の平面方向のサイズ縮小に応じて、濃淡画像の濃度を変更前よりも濃くする。また、作成手段32は、立体画像の平面方向のサイズ拡大に応じて、濃淡画像の濃度を変更前よりも薄くする。
このような印刷データ作成装置(コンピュータ3)は、立体画像の平面方向のサイズ変更に応じて、変更後立体画像の膨張高さが好適な高さになるように、濃淡画像の印刷データを作成することができる。その結果、立体画像形成システム1は、立体画像の平面方向のサイズ変更に応じて、変更後立体画像の膨張高さを好適な高さにすることができる。これにより、立体画像形成システム1は、例えば、変更前と変更後とで立体画像の膨張高さを略同様にすることもできる。
このような立体画像形成システム1は、従来の立体画像形成システムと異なり、例えば、平面方向のサイズを縮小して立体画像を形成する場合に、人が立体画像を触っても立体画像の形状を認識することが困難な膨張高さしかない立体画像が形成されることを抑制することができる。
また、立体画像形成システム1は、従来の立体画像形成システムと異なり、例えば、平面方向のサイズを拡大して立体画像を形成する場合に、比較的広い面積の形成領域が過膨張(過剰に膨張)してしまうことを抑制することができ、その結果、過膨張の影響で立体画像を歪ませてしまうことを抑制することができる。
(2)作成手段は、好ましくは、立体画像の平面方向のサイズ縮小に応じて、濃淡画像のうち、線幅が所定幅以下の細い部分の濃度を変更前よりも濃くする構成にしてもよい。このような立体画像形成システム1は、立体画像の平面方向のサイズ縮小を行う場合に、立体画像の細い部分の膨張高さを好適な高さに変更することができる。
(3)作成手段は、好ましくは、立体画像の平面方向のサイズ拡大に応じて、濃淡画像のうち、線幅が所定幅以上の太い部分の濃度を変更前よりも薄くする構成にしてもよい。このような立体画像形成システム1は、立体画像の平面方向のサイズ拡大を行う場合に、立体画像の太い部分の膨張高さを好適な高さに変更することができる。
以上の通り、第1の実施形態に係る印刷データ作成装置(コンピュータ3)によれば、立体画像の平面方向のサイズ変更を行う場合に、変更後立体画像の膨張高さが好適な高さになるように、濃淡画像の印刷データを作成することができる。
また、第1の実施形態に係る立体画像形成システム1によれば、立体画像の平面方向のサイズ変更を行う場合に、変更後立体画像の膨張高さを好適な高さにすることができる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態に係る立体画像形成システム1は、立体画像の平面方向のサイズ変更を行う場合に、濃度高さデータ37a(図1及び図4(b)参照)に基づいて、濃淡画像の濃度を変更している。これに対し、第2の実施形態では、立体画像の平面方向のサイズ変更を行う場合に、後記する変更前後濃度データ37b(図8、並びに、図9(c)と図10(c)と図11(c)参照)に基づいて、濃淡画像の濃度を変更する立体画像形成システム1Aを提供する。
以下、図8を参照して、第2の実施形態に係る立体画像形成システム1Aとそれに設けられた印刷データ作成装置(コンピュータ3A)の構成につき説明する。図8は、第2の実施形態に係る立体画像形成システム1Aとそのシステムに設けられた印刷データ作成装置として機能するコンピュータ3Aの構成を示す概略図である。
図8に示すように、第2の実施形態に係る印刷データ作成装置(コンピュータ3A)は、第1の実施形態に係る印刷データ作成装置(コンピュータ3(図1参照))と比較すると、濃度高さデータ37aの代わりに、変更前後濃度データ37bが記憶手段36に予め記憶されている点で相違している。
変更前後濃度データ37bは、濃淡画像の変更前濃度と変更後濃度との対応関係を表すデータである。変更前後濃度データ37bは、例えば図5に示すように、線幅毎に濃度の異なる濃淡画像を熱膨張性シートに印刷し、その熱膨張性シートを加熱して立体画像を形成し、形成された立体画像の各部位の膨張高さを測定することによって取得することができる。
変更前後濃度データ37bは、図9〜図11に示す原理に基づいて取得される。以下、図9〜図11を参照して、変更前後濃度データ37bの取得原理につき説明する。図9〜図11は、それぞれ、変更前後濃度データ37bの一例を示す図である。
図9は、線幅W1の濃淡画像の線に対してサイズを100%の大きさに維持する場合の例(つまり、立体画像の平面方向のサイズ変更を行わない場合の例)を示している。図9(a)は、その場合において熱膨張性シート7に印刷されたハーフトーン画像Shw1を示している。ハーフトーン画像Shw1は、濃度が一方向に向かって薄くなるように、部位毎に濃度差が設けられた濃淡画像である。また、図9(b)は、変更前後濃度データ37bを取得する際に用いるグラフデータBAw1の一例を示している。また、図9(c)は、グラフデータBAw1に基づいて取得される変更前後濃度データ37bの構成例を示している。
図10は、線幅W1の濃淡画像の線に対してサイズを50%の大きさに縮小する場合の例(つまり、立体画像の一辺のサイズが50%の大きさになるように、立体画像の平面方向のサイズ縮小を行う場合の例)を示している。図10(a)は、その場合において熱膨張性シート7に印刷されたハーフトーン画像Shw1aを示している。ハーフトーン画像Shw1aは、濃度が一方向に向かって薄くなるように、部位毎に濃度差が設けられた濃淡画像である。また、図10(b)は、変更前後濃度データ37bを取得する際に用いるグラフデータBAw1aの一例を示している。また、図10(c)は、グラフデータBAw1aに基づいて取得される変更前後濃度データ37bの構成例を示している。
図11は、線幅W1の濃淡画像の線に対してサイズを200%の大きさに拡大する場合の例(つまり、立体画像の一辺のサイズが200%の大きさになるように、立体画像の平面方向のサイズ拡大を行う場合の例)を示している。また、図11(a)は、その場合において熱膨張性シート7に印刷されたハーフトーン画像Shw1bを示している。ハーフトーン画像Shw1bは、濃度が一方向に向かって薄くなるように、部位毎に濃度差が設けられた濃淡画像である。また、図11(b)は、変更前後濃度データ37bを取得する際に用いるグラフデータBAw1bの一例を示している。また、図11(c)は、グラフデータBAw1bに基づいて取得される変更前後濃度データ37bの構成例を示している。
図9(a)と図10(a)とに対比して示すように、立体画像の平面方向のサイズ縮小を行う場合のハーフトーン画像Shw1a(図10(a)参照)の濃度は、立体画像の平面方向のサイズ変更を行わない場合のハーフトーン画像Shw1(図9(a)参照)の濃度よりも濃くなっている。また、図9(a)と図11(a)とに対比して示すように、立体画像の平面方向のサイズ拡大を行う場合のハーフトーン画像Shw1b(図11(a)参照)の濃度は、立体画像の平面方向のサイズ変更を行わない場合のハーフトーン画像Shw1(図9(a)参照)の濃度よりも薄くなっている。
図9(b)、図10(b)、及び図11(b)に示すグラフデータBAw1,BAw1a,BAw1bは、熱膨張性シート7に印刷される濃淡画像のサイズ変更前の濃度とサイズ変更後の濃度との関係を示している。図9(b)、図10(b)、及び図11(b)に示す例では、横軸を濃淡画像のサイズ変更前の濃度(以下、「変更前濃度」と称する)Bfとし、縦軸を濃淡画像のサイズ変更後の濃度(以下、「変更後濃度」と称する)Afとしている。ただし、横軸と縦軸の関係は逆であってもよい。
グラフデータBAw1,BAw1a,BAw1bの横軸は、立体画像の平面方向のサイズ変更を行わない場合のハーフトーン画像Shw1(図9(a)参照)に対応付けられている。グラフデータBAw1(図9(b)参照)の縦軸は、立体画像の平面方向のサイズ変更を行わない場合のハーフトーン画像Shw1(図9(a)参照)に対応付けられている。グラフデータBAw1a(図10(b)参照)の縦軸は、立体画像の平面方向のサイズ縮小を行う場合のハーフトーン画像Shw1a(図10(a)参照)に対応付けられている。グラフデータBAw1b(図11(b)参照)の縦軸は、立体画像の平面方向のサイズ拡大を行う場合のハーフトーン画像Shw1b(図11(a)参照)に対応付けられている。
グラフデータBAw1,BAw1a,BAw1bは、濃淡画像の変更前濃度Bfに対する変更後濃度Afを規定する補正カーブ(図9(b)中の線Re1、図10(b)中の線Re2、図11(b)中の線Re3参照)を含んでいる。補正カーブの傾きは、線幅毎に異なっている。なお、図示例では、補正カーブ(線Re1,Re2,Re3参照)は、直線状に描かれているが、曲線状になる場合もある。
濃淡画像の変更前濃度Bfに対する変更後濃度Afは、補正カーブに基づいて定まる。例えば、図9(b)は、補正前濃度Bf1から縦方向に線を引き、補正カーブである線Re1と交差する箇所で横方向に線を引くことによって導かれた濃度Af1を補正後濃度として決定することを示している。同様に、図10(b)は、補正前濃度Bf2から導かれた濃度Af2を補正後濃度として決定することを示している。また、図11(b)は、補正前濃度Bf3から導かれた濃度Af3を補正後濃度として決定することを示している。
なお、図9(b)、図10(b)、及び図11(b)に示す基準線stは、立体画像の平面方向のサイズ変更を行わない場合のハーフトーン画像Shw1に基づいて、変更前濃度Bfと変更後濃度Afとが等しくなるように規定した場合の線である。図9(b)に示す線Re1は、変更後濃度Afが所望濃度(例えば濃度K75)以上に濃くなる変更前濃度Bfの領域に対して、変更後濃度Afが一律な濃さの濃度(濃度max)になるように、設定されている。つまり、線Re1は、所望濃度以上に濃くなる変更前濃度Bfの領域において、基準線stの値からずらされた値に設定されている。換言すると、印刷データ作成装置(コンピュータ3A)は、所望濃度(例えば濃度K75)以上に濃くなる部分を含む印刷データを作成しないように、変更後濃度Afを補正する。線Re2,3(図10(b)及び図11(b)参照)も、同様である。このような設定は、立体画像の過膨張を抑制するためになされている。
立体画像の平面方向のサイズ縮小を行う際に用いられる補正カーブの傾きは、立体画像の平面方向のサイズ変更を行わない場合の補正カーブの傾きよりも大きくなっている。例えば、線Re2(図10(b)参照)の傾きは、線Re1(図9(b)参照)の傾きよりも大きくなっている。また、立体画像の平面方向のサイズ縮小を行う際に用いられる補正カーブの傾きは、線幅が細い線分ほど、大きくなる。
また、立体画像のサイズ拡大を行う際に用いられる補正カーブの傾きは、立体画像の平面方向のサイズ変更を行わない場合の補正カーブの傾きよりも小さくなっている。例えば、線Re3(図11(b)参照)の傾きは、線Re1(図9(b)参照)の傾きよりも小さくなっている。また、立体画像の平面方向のサイズ拡大を行う際に用いられる補正カーブの傾きは、線幅が太い線分ほど、小さくなっている。
変更前後濃度データ37b(図9(b)、図10(b)、及び図11(b)参照)は、前記したグラフデータBAw1,BAw1a,BAw1bを数値化したものである。図9(b)に示す例では、変更前後濃度データ37bは、例えば、濃度K50の補正前濃度Bfに対して、補正後濃度Afとして、同じ濃度である濃度K50を対応付ける構成なっている。また、図10(b)に示す例では、変更前後濃度データ37bは、例えば、濃度K50の補正前濃度Bfに対して、補正後濃度Afとして、それよりも濃い濃度である濃度K60を対応付ける構成なっている。また、図11(b)に示す例では、変更前後濃度データ37bは、例えば、濃度K50の補正前濃度Bfに対して、補正後濃度Afとして、それよりも薄い濃度である濃度K40を対応付ける構成なっている。変更前後濃度データ37は、線幅毎に事前に複数用意されている。
本実施形態に係る立体画像形成システム1Aは、第1の実施形態に係る立体画像形成システム1と同様に動作する(図6参照)。ただし、第1の実施形態に係る立体画像形成システム1は、ステップS140,S150,S160において、濃度高さデータ37a(図4(b)参照)を参照して、濃淡画像の濃度を設定している。これに対し、本実施形態に係る立体画像形成システム1Aは、ステップS140,S150,S160において、変更前後濃度データ37b(図9(c)、図10(c)、及び図11(c)参照)を参照して、濃淡画像の濃度を設定する。
このような立体画像形成システム1Aは、第1の実施形態に係る立体画像形成システム1と同様に、変更後立体画像の膨張高さを好適な高さにすることができる。
以上の通り、本実施形態に係る印刷データ作成装置(コンピュータ3A)によれば、第1の実施形態に係る印刷データ作成装置(コンピュータ3)と同様に、立体画像の平面方向のサイズ変更を行う場合に、変更後立体画像の膨張高さが好適な高さになるように、濃淡画像の印刷データを作成することができる。
また、本実施形態に係る立体画像形成システム1Aによれば、第1の実施形態に係る立体画像形成システム1と同様に、立体画像の平面方向のサイズ変更を行う場合に、変更後立体画像の膨張高さを好適な高さにすることができる。
[第3の実施形態]
第1及び第2の実施形態に係る立体画像形成システム1,1Aは、立体画像の平面方向のサイズ変更を行う場合に、濃淡画像の濃度を変更している。これに対し、第3の実施形態では、立体画像の平面方向のサイズ変更を行う場合に、濃淡画像に含まれている線の線幅を変更する立体画像形成システム1Bを提供する。
以下、図12を参照して、第3の実施形態に係る立体画像形成システム1Bとそれに設けられた印刷データ作成装置(コンピュータ3B)の構成につき説明する。図12は、第3の実施形態に係る立体画像形成システム1Bとそのシステムに設けられた印刷データ作成装置として機能するコンピュータ3Bの構成を示す概略図である。
図12に示すように、第3の実施形態に係る印刷データ作成装置(コンピュータ3B)は、第1及び第2の実施形態に係る印刷データ作成装置(コンピュータ3,3A(図1参照))と比較すると、濃度高さデータ37aや変更前後濃度データ37bの代わりに、倍率高さデータ37cが記憶手段36に予め記憶されている点で相違している。
図13は、倍率高さデータ37cの一例を示す図である。倍率高さデータ37cは、使用画像データ(入力画像データ)に含まれるサイズ変更前の線の線幅及び濃度毎に、変更倍率と立体画像の膨張高さとの対応関係を表すデータである。倍率高さデータ37cは、以下のサイズ変更前の線を特定するために用いられる。
(1)平面方向のサイズが縮小された立体画像を形成した場合に、人が立体画像を触っても立体画像の形状を認識することが困難な膨張高さしかない細い線(点を含む)。
(2)平面方向のサイズが拡大された立体画像を形成した場合に、過膨張になってしまう線(領域を含む)。
図13中、グループNG1aは、人が立体画像を触っても立体画像の形状を認識することが困難な膨張高さしかない細い線(点を含む)のグループを表している。ここでは、膨張高さが0.75mm未満になっている線がグループNG1aに該当するものとして説明する。また、グループNG1bは、過膨張になってしまう線(領域を含む)のグループを表している。ここでは、膨張高さが2.0mmを超えている線がグループNG1bに該当するものとして説明する。ただし、図13に示す数値は例示に過ぎず、運用に応じて適宜変更されるものである。
<平面方向のサイズ変更時における立体画像の形状>
本実施形態に係る立体画像形成システム1Bは、平面方向のサイズを変更して立体画像を形成する場合に、濃淡画像に含まれている線(特に、サイズ縮小時に人が立体画像を触っても立体画像の形状を認識することが困難な膨張高さしかない細い線、サイズ拡大時に過膨張になってしまう線)の線幅を変更する構成になっている。以下、図14及び図15を参照して、立体画像形成システム1Bによって形成された立体画像の形状につき説明する。
図14及び図15は、それぞれ、立体画像形成システム1Bによって形成された立体画像の形状を示す図である。図14は、平面方向のサイズ縮小時における立体画像の形状を示している。図15は、平面方向のサイズ拡大時における立体画像の形状を示している。図14及び図15は、それぞれ、熱膨張性シート7に印刷された濃淡画像の上面視形状を上側に示し、濃淡画像に基づいて形成された立体画像の側断面形状を下側に示している。
図14は、図2に示す第1の実施形態の例と同様に、グラフ図として形成された濃淡画像I1をサイズ変更前の画像とし、一辺のサイズを50%の大きさに縮小して形成された濃淡画像I1aをサイズ変更後の画像とする例を示している。したがって、図14に示す例では、サイズ変更前の濃淡画像I1における縦辺の長さがL1になっているのに対し、サイズ変更後の濃淡画像I1aにおける縦辺の長さがL1の半分のL1aになっている。
図15は、図3に示す第1の実施形態の例と同様に、広さの異なる4つの領域It1〜It4を含む図柄として形成された濃淡画像I2をサイズ変更前の画像とし、一辺のサイズを200%の大きさに拡大して形成された濃淡画像I2bをサイズ変更後の画像とする例を示している。したがって、図15に示す例では、サイズ変更前の濃淡画像I2における縦辺の長さがL2になっているのに対し、サイズ変更後の濃淡画像I2bにおける縦辺の長さがL2の2倍のL2bになっている。
図14に示すように、立体画像形成システム1Bは、平面方向のサイズを縮小して立体画像を形成する場合に、図2に示す第1の実施形態の例と同様に、サイズ縮小後の立体画像の膨張高さがサイズ変更前の立体画像の膨張高さよりも低くならないようにする。そのために、立体画像形成システム1Bは、濃淡画像に含まれている線の線幅を変更する。これにより、立体画像形成システム1Bは、立体画像の平面方向のサイズ縮小時に、人が立体画像を触っても立体画像の形状を認識することが困難な膨張高さしかない立体画像が形成されることを抑制する。
そして、立体画像形成システム1Bは、好ましくは、サイズ変更前とサイズ変更後とで立体画像の膨張高さが略同様になるようにする。例えば、図14に示すメモリ線Itに注目した場合に、サイズ変更前の濃淡画像I1に基づいて形成された立体画像のメモリ線Itの形状は、線幅をW1とし、膨張高さをH1とする形状になっている。一方、サイズ変更後の濃淡画像I1aに基づいて形成された立体画像のメモリ線Itの形状は、線幅をサイズ変更前と同じW1とし、膨張高さをサイズ変更前と同じH1とする形状になっている。
また、図15に示すように、立体画像形成システム1Bは、平面方向のサイズを拡大して立体画像を形成する場合に、図3に示す第1の実施形態の例と同様に、サイズ拡大後の立体画像の膨張高さがサイズ変更前の立体画像の膨張高さよりも高くならないようにする。そのために、立体画像形成システム1Bは、濃淡画像に含まれている線の線幅を変更する。これにより、立体画像形成システム1Bは、立体画像の平面方向のサイズ拡大時に、比較的広い面積の形成領域が過膨張(過剰に膨張)してしまうことを抑制し、過膨張の影響で立体画像を歪ませてしまうことを抑制する。
そして、立体画像形成システム1Bは、好ましくは、サイズ変更前とサイズ変更後とで立体画像の膨張高さが略同様になるようにする。例えば、図15に示す4つの領域It1〜It4のうち、比較的幅広な領域It4に注目した場合に、サイズ変更前の濃淡画像I2に基づいて形成された立体画像の領域It4の形状は、線幅をW2とし、膨張高さをH2とする形状になっている。一方、サイズ変更後の濃淡画像I2bに基づいて形成された立体画像の領域It4の形状は、線幅をサイズ変更前と同じW2とし、膨張高さをサイズ変更前と同じH2とする形状になっている。
<立体画像形成システムの動作>
以下、図16を参照して、立体画像形成システム1Bの動作につき説明する。図16は、立体画像形成システム1Bの動作を示すフローチャートである。
ここでは、立体画像の形成に使用される使用画像データ(入力画像データ)がグラフ図を表すデータである場合を想定して説明する。グラフ図を表す使用画像データ(入力画像データ)は、画像に含まれる線の線幅や長さ等を表す線種データを含んでいる。本実施形態では、立体画像形成システム1Bは、線種データに基づいて、濃淡画像に含まれている各線の線幅を設定する。ただし、立体画像の形成に使用される使用画像データ(入力画像データ)が線種データを含まないデータであっても、立体画像形成システム1Bは、使用画像データ(入力画像データ)の内容を検証することにより、線幅を設定する線(領域を含む)を特定し、それらの線幅を設定するようにしてもよい。
図16に示すように、立体画像形成システム1Bの動作は、第1の実施形態に係る立体画像形成システム1の動作(図6参照)と比較した場合に、以下の点で相違している。
(1)ステップS140の処理の代わりに、ステップS145の処理を行う点。
(2)ステップS150の処理の代わりに、ステップS155,S157の処理を行う点。
(3)ステップS160の処理の代わりに、ステップS165,S167の処理を行う点。
例えば、ステップS130の判定において、変更サイズが100%(等倍)であると判定された場合に、ステップS145において、コンピュータ3は、濃淡画像に含まれる各線の線幅に対して、変更なしとして処理する。この場合に、コンピュータ3の作成手段32は、何もしない。
また、ステップS130の判定において、変更サイズが100%未満(縮小)であると判定された場合に、ステップS155において、コンピュータ3は、倍率高さデータ37cを参照して、縮小倍率に基づいて、線幅を変更すべき線があるか否かを判定する。このステップS155における線幅を変更すべき線とは、平面方向のサイズが縮小された立体画像を形成した場合に人が立体画像を触っても立体画像の形状を認識することが困難な膨張高さしかない細い線(点を含む)を意味している。図13に示す例では、グループNG1a内の線が該当する。つまり、ステップS155では、膨張高さが図13のグループNG1a内の高さとなる線があるか否かを判定する。
ステップS155の判定で線幅を変更すべき線があると判定された場合(“Yes”の場合)に、ステップS157において、コンピュータ3は、変更すべき線の線幅を太い幅に変更する。
例えば、図2に示す第1の実施形態の例では、サイズ変更後の濃淡画像I1aにおけるメモリ線Itの線幅がW1aに設定されている。サイズ変更後の線幅W1aは、サイズ変更前の線幅W1の半分になっている。これに対し、図14に示す本実施形態の例では、サイズ変更後の濃淡画像I1aにおけるメモリ線Itの線幅がサイズ変更前と同じW1に設定されている。その結果、図14に示すサイズ変更後の濃淡画像I1aにおけるメモリ線Itは、膨張高さが図13のグループNG1a内の高さにならない線になっている。つまり、図14に示すサイズ変更後の濃淡画像I1aにおけるメモリ線Itは、人が立体画像を触っても立体画像の形状を認識することが可能な線になっている。ただし、メモリ線It等の、サイズ変更後の濃淡画像における各線の線幅は、人が立体画像を触っても立体画像の形状を認識することが可能な線幅であれば、線幅W1に限らず、運用に応じて適宜変更することができる。
一方、ステップS155の判定で線幅を変更すべき線がないと判定された場合(“No”の場合)に、処理はステップS170に進む。
また、ステップS130の判定において、変更サイズが100%を超過している(拡大)であると判定された場合に、ステップS165において、コンピュータ3は、倍率高さデータ37cを参照して、拡大倍率に基づいて、線幅を変更すべき線があるか否かを判定する。このステップS165における線幅を変更すべき線とは、平面方向のサイズが拡大された立体画像を形成した場合に過膨張になってしまう線(領域を含む)を意味している。図13に示す例では、グループNG1b内の線が該当する。つまり、ステップS165では、膨張高さが図13のグループNG1b内の高さとなる線があるか否かを判定する。
ステップS165の判定で線幅を変更すべき線があると判定された場合(“Yes”の場合)に、ステップS167において、コンピュータ3は、変更すべき線の線幅を細い幅に変更する。
例えば、図3に示す第1の実施形態の例では、サイズ変更後の濃淡画像I2bにおける領域It4の線幅がW2bに設定されている。サイズ変更後の線幅W2bは、サイズ変更前の線幅W2の2倍になっている。これに対し、図15に示す本実施形態の例では、サイズ変更後の濃淡画像I2bにおける領域It4の線幅がサイズ変更前と同じW2に設定されている。その結果、図15に示すサイズ変更後の濃淡画像I2bにおける領域It4は、膨張高さが図13のグループNG1b内の高さにならない線になっている。つまり、図15に示すサイズ変更後の濃淡画像I2bにおける領域It4は、過膨張にならない線になっている。ただし、領域It4等の、サイズ変更後の濃淡画像における各領域の線幅は、過膨張にならない線幅であれば、線幅W2に限らず、運用に応じて適宜変更することができる。
一方、ステップS165の判定で線幅を変更すべき線がないと判定された場合(“No”の場合)に、処理はステップS170に進む。
このような立体画像形成システム1Bは、第1及び第2の実施形態に係る立体画像形成システム1,1Aと同様に、変更後立体画像の膨張高さを好適な高さにすることができる。
以上の通り、本実施形態に係る印刷データ作成装置(コンピュータ3B)によれば、第1及び第2の実施形態に係る印刷データ作成装置(コンピュータ3,3A)と同様に、変更後立体画像の膨張高さが好適な高さになるように、濃淡画像の印刷データを作成することができる。
また、本実施形態に係る立体画像形成システム1Bによれば、第1及び第2の実施形態に係る立体画像形成システム1,1Aと同様に、変更後立体画像の膨張高さを好適な高さにすることができる。
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
例えば、前記した実施形態は、本発明の要旨を分かり易く説明するために詳細に説明したものである。そのため、本発明は、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されるものではない。また、本発明は、ある構成要素に他の構成要素を追加したり、一部の構成要素を他の構成要素に変更したりすることができる。また、本発明は、一部の構成要素を削除することもできる。
例えば、前記した実施形態では、1台のコンピュータ3が、濃淡画像の印刷データを作成する印刷データ作成装置と、インクジェットプリンタ9を作動させる印刷指令装置と、光照射ユニット4を作動させるユニット指令装置とを兼用した構成になっている。しかしながら、コンピュータ3とは別体のコンピュータ(不図示)を用意し、その別体のコンピュータ(不図示)が印刷データ作成装置として機能するようにしてもよい。この場合に、その別体のコンピュータ(不図示)及びインクジェットプリンタ9は、コンピュータ3及び光照射ユニット4から離れた場所に設置することもできる。なお、濃淡画像の濃度は、サイズ変更の程度に基づいて変更(調節)しても良い。例えば、濃淡画像の濃度は、前記した実施形態のように、「拡大率・縮小率」に基づいて変更(調節)しても良い。又は、濃淡画像の濃度は、サイズの変化量や変化率等に基づいて変更(調節)しても良い。なお、前記した「サイズ変更の程度」は、「縮小率・拡大率」や、サイズの変化量等を意味している。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
[付記]
《請求項1》
熱膨張性シートの所定の領域を熱膨張させる際に用いる濃淡画像を前記所定の領域上に印刷するための印刷データを作成する作成手段を有し、
前記作成手段は、前記所定の領域のサイズ変更に応じて、前記濃淡画像の濃度が変更された印刷データを作成することを特徴とする印刷データ作成装置。
《請求項2》
前記作成手段は、前記サイズ変更後に前記所定の領域の幅が所定幅以下になる場合、前記濃淡画像の濃度が濃くなるように変更された印刷データを作成することを特徴とする請求項1に記載の印刷データ作成装置。
《請求項3》
前記作成手段は、前記サイズ変更後に前記所定の領域の幅が所定幅以上になる場合、前記濃淡画像の濃度が薄くなるように変更された印刷データを作成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷データ作成装置。
《請求項4》
前記作成手段は、前記所定の領域のサイズ変更の程度に基づいて、前記濃淡画像の濃度の程度が変更された印刷データを作成することを特徴とする請求項1に記載の印刷データ作成装置。
《請求項5》
熱膨張性シートの所定の領域を熱膨張させる際に用いる濃淡画像を前記所定の領域上に印刷するための印刷データを作成する印刷データ作成方法であって、
前記所定の領域のサイズ変更に応じて、前記濃淡画像の濃度が変更された印刷データを作成することを特徴とする印刷データ作成方法。
《請求項6》
コンピュータに熱膨張性シートの所定の領域を熱膨張させる際に用いる濃淡画像を前記所定の領域上に印刷するための印刷データを作成させる印刷データ作成プログラムであって、
前記所定の領域のサイズ変更に応じて、前記濃淡画像の濃度が変更された印刷データを作成するステップを含む印刷データ作成プログラム。
《請求項7》
熱膨張性シートの所定の領域を熱膨張させる際に用いる濃淡画像を前記所定の領域上に印刷するための印刷データを作成する作成手段を有し、
前記作成手段は、前記所定の領域のサイズ変更に応じて、前記濃淡画像の中に含まれている任意の線の線幅が変更された印刷データを作成することを特徴とする印刷データ作成装置。
《請求項8》
熱膨張性シートの所定の領域を熱膨張させる際に用いる濃淡画像を前記所定の領域上に印刷するための印刷データを作成する印刷データ作成方法であって、
前記所定の領域のサイズ変更に応じて、前記濃淡画像の中に含まれている任意の線の線幅が変更された印刷データを作成することを特徴とする印刷データ作成方法。
《請求項9》
コンピュータに熱膨張性シートの所定の領域を熱膨張させる際に用いる濃淡画像を前記所定の領域上に印刷するための印刷データを作成させる印刷データ作成プログラムであって、
前記所定の領域のサイズ変更に応じて、前記濃淡画像の中に含まれている任意の線の線幅が変更された印刷データを作成するステップを含む印刷データ作成プログラム。