JP6833118B1 - 加工条件決定支援装置 - Google Patents

加工条件決定支援装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6833118B1
JP6833118B1 JP2020530700A JP2020530700A JP6833118B1 JP 6833118 B1 JP6833118 B1 JP 6833118B1 JP 2020530700 A JP2020530700 A JP 2020530700A JP 2020530700 A JP2020530700 A JP 2020530700A JP 6833118 B1 JP6833118 B1 JP 6833118B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
machining
relationship
work
influence
surface roughness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020530700A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2020217614A1 (ja
Inventor
健太 ▲濱▼田
健太 ▲濱▼田
宮田 亮
宮田  亮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP6833118B1 publication Critical patent/JP6833118B1/ja
Publication of JPWO2020217614A1 publication Critical patent/JPWO2020217614A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23QDETAILS, COMPONENTS, OR ACCESSORIES FOR MACHINE TOOLS, e.g. ARRANGEMENTS FOR COPYING OR CONTROLLING; MACHINE TOOLS IN GENERAL CHARACTERISED BY THE CONSTRUCTION OF PARTICULAR DETAILS OR COMPONENTS; COMBINATIONS OR ASSOCIATIONS OF METAL-WORKING MACHINES, NOT DIRECTED TO A PARTICULAR RESULT
    • B23Q15/00Automatic control or regulation of feed movement, cutting velocity or position of tool or work
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B19/00Programme-control systems
    • G05B19/02Programme-control systems electric
    • G05B19/18Numerical control [NC], i.e. automatically operating machines, in particular machine tools, e.g. in a manufacturing environment, so as to execute positioning, movement or co-ordinated operations by means of programme data in numerical form
    • G05B19/406Numerical control [NC], i.e. automatically operating machines, in particular machine tools, e.g. in a manufacturing environment, so as to execute positioning, movement or co-ordinated operations by means of programme data in numerical form characterised by monitoring or safety
    • G05B19/4069Simulating machining process on screen

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Human Computer Interaction (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Numerical Control (AREA)
  • Automatic Control Of Machine Tools (AREA)

Abstract

加工条件決定支援装置(1)は、ワークの加工面の面粗さと、加工条件とをもとに、加工条件と加工面の面粗さとの関係である第1の関係を算出する面粗さ関数算出部(12)と、加工条件と切削加工が行われる際に発生する加工現象がワークの加工面に与える影響度との関係である第2の関係を算出する加工現象影響度算出部(13)とを有する。

Description

本発明は、工作機械を制御する数値制御装置の加工条件の決定を支援する加工条件決定支援装置に関する。
工作機械によって行われる切削加工では、目標の加工結果を得るために、加工条件である駆動軸の送り速度及び主軸の回転速度を調整する必要がある。駆動軸及び主軸は、工作機械の構成要素である。目標の加工結果の例は、図面において指示された寸法及び面粗さである。オペレータは、加工後にワークを計測し、計測の結果が図面の指示の通りであるか否か確認することで、目標の加工結果が得られたか否かを評価する。生産現場では、目標の加工結果が得られるまで試し加工が繰り返し行われ、加工条件が調整される。
オペレータは、加工条件を調整する作業において、目標の寸法及び面粗さが得られたか否かを評価するだけでなく、工具の摩耗及び欠損の進行の具合並びに加工時間を確認し、加工条件の良否を総合的に評価する。そのため、加工条件を調整する作業には比較的長時間を要し、オペレータが加工条件を効率的に調整することができるようになるまでには比較的長い習熟期間を要する。
特許文献1は、ワイヤ放電加工機において、加工者がワークの材質、厚さ、使用されるワイヤ電極の材質、ワイヤ径、目標の面粗さ、及び目標の加工精度を入力することで、加工条件と加工結果との関係があらかじめ記述された加工条件データベースをもとに、入力された加工結果に適した加工条件を抽出し、加工を行う技術を開示している。
特許文献2は、研削盤において、作業者がワークの材質、硬度及び目標の面粗さを入力することで、砥石の材質、粒度、硬度、ワークの材質、硬度、切り込み量、面粗さ、ドレス条件についての関係があらかじめ記述された加工条件データベースをもとに、入力されたワークの材質、硬度、及び目標の面粗さに適した砥石の候補及び切り込み量とドレス条件とを抽出する技術を開示している。
特許文献3は、切削加工において、加工結果に大きく影響する因子と加工条件との関係のみを加工条件データベースで記憶し、その他の因子による加工条件への影響をルール形式で記憶することで、多くの因子の影響を考慮して加工条件を決定する技術を開示している。
特許文献4は、3軸マシニングセンタによるボールエンドミル工具を用いた平面仕上げ加工において、入力された工具径及び目標の面粗さをもとに回転速度毎の工具の振れ量を測定し、工具の振れ量を考慮した平面仕上げ加工の理論面粗さ式を用いて、目標の面粗さを達成する送り速度を決定する技術を開示している。
特許文献5は、エンドミルによる切削加工において、エンドミルに生じる切削抵抗による工具の振動を考慮して、エンドミルに備わる刃先の位置を割り出し、刃先の位置をワークに転写させ、切り込み方向の加工面の面性状を算出する技術と、加工面の面性状から加工条件を決定する技術とを開示している。
特開昭61−131824号公報 特開2000−127040号公報 実公平7−45762号公報 特開2003−323204号公報 特許第5942423号公報
特許文献1及び2において開示されているように、一般的に、放電加工及び研削加工においては、入力された目標の加工結果をもとに、目標の加工結果を得るために適した加工条件が決定される。切削加工において、特許文献1及び2に開示されているように、入力された目標の加工結果をもとに目標の加工結果を得るために適した加工条件を決定することができれば、オペレータの習熟度に依存しない安定した加工が実現される。しかしながら、切削加工では、加工結果に影響する因子が多く、特許文献1及び2に開示されているように、加工条件と加工結果との関係をデータベースとして構築することは、記憶容量を多く必要とすることから物理的に困難である。
特許文献3において開示されている技術は、加工条件データベースの要素を加工結果に大きく影響する因子に限定することで、加工条件データベースの構築を容易にしている。しかしながら、任意の加工経路毎に加工条件と加工結果との関係をデータとして得ることは、計測時間を多く必要とすることから物理的に困難である。そのため、特許文献3において開示されている技術では、任意の加工経路に対して、目標の加工結果を得る加工条件を算出することができない。
特許文献4において開示されている技術は、3軸マシニングセンタによるボールエンドミル工具を用いた平面仕上げ加工に限定して送り速度と面粗さの関係とを幾何的に得られる理論面粗さ式で表現し、面粗さをもとに送り速度を算出する。しかしながら、特許文献4において開示されている技術では、理論面粗さ式は主軸の回転速度が送り速度に比べて十分に速いことを前提としており、送り速度が比較的速い場合、算出された値と実際の面粗さとが一致しない。そのため、特許文献4において開示されている技術では、目標の面粗さを得るための送り速度を算出することができない。
よって、切削加工では、加工条件と加工結果との関係をデータベースで表現すること、及び、加工面の面粗さを定式化することは困難であり、目標の面粗さを得るために適した加工条件を決定することができない。任意の加工経路において送り速度が比較的速い場合、加工面の面粗さを算出するには、工具に備わる切れ刃の軌跡までを考慮して加工面の面性状をシミュレーションする方法が有用である。
特許文献5において開示されている技術は、エンドミルに生じる切削抵抗による工具の振動を考慮したエンドミルの回転中の刃先の軌跡をもとに加工面の面性状を算出することで、加工条件と加工面の面性状との関係を表現している。しかしながら、加工条件を決定する際、比較的多くの加工条件で加工面の面性状を算出する必要があり、膨大な演算を必要とする。特許文献5において開示されている技術では、切削加工が行われる際に発生する加工現象のうち、切削抵抗による工具の振動しか考慮されておらず、切削加工が行われる際に発生するその他の加工現象が加工面に与える影響が考慮されていない。特許文献5において開示されている技術では、加工条件と加工面の面性状との関係が2次元のグラフで可視化されており、オペレータが適切な加工条件を比較的容易に決定することができない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、オペレータが切削加工における加工条件を適切に決定することを支援する加工条件決定支援装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、切削加工における加工条件の決定を支援する加工条件決定支援装置である。本発明は、工具が有する切れ刃の形状を表現する工具切れ刃形状データと、ワークの形状を表現するワーク形状データとを用いて、切れ刃又はワークが工作機械の主軸又は旋削主軸の回転速度で回転しながら、切れ刃が工作機械の駆動軸の送り速度で工具の移動経路に沿って移動してワークの一部を削り取る場合のワークの加工面の面粗さを算出する面粗さ取得部と、ワークの加工面の面粗さと、加工条件とをもとに、加工条件と加工面の面粗さとの関係である第1の関係を曲線で近似して算出する面粗さ関数算出部と、加工条件と切削加工が行われる際に発生する加工現象がワークの加工面に与える影響度との関係である第2の関係を算出する加工現象影響度算出部と、面粗さ関数算出部によって算出された第1の関係と加工現象影響度算出部によって算出された第2の関係とをもとに、加工条件と切削加工の結果との関係を示す情報と、第2の関係を示す情報とを表示する表示部とを有する。
本発明によれば、オペレータが切削加工における加工条件を適切に決定することを支援することができるという効果が得られる。
実施の形態1に係る加工条件決定支援装置の構成を示すブロック図 実施の形態1における工作機械の構成を示す図 実施の形態1における工作機械が行う切削加工の様子を二次元で示す図 実施の形態1に係る加工条件決定支援装置のハードウェアの構成を示す図 実施の形態1に係る加工条件決定支援装置の動作の手順を示すフローチャート 実施の形態1に係る加工条件決定支援装置が有する面粗さ取得部が行う加工面の面粗さの算出の方法を説明するための第1の図 実施の形態1に係る加工条件決定支援装置が有する面粗さ取得部が行う加工面の面粗さの算出の方法を説明するための第2の図 実施の形態1において、工作機械が有する駆動軸の一回転当たりの送り量と加工面の面粗さとの関係の例を示す図 実施の形態1において、工作機械が有する主軸の回転速度と共振による振動が加工面に与える影響度との関係の例を示す図 実施の形態1に係る加工条件決定支援装置が有する表示部が表示する第1の情報の例を示す図 実施の形態1に係る加工条件決定支援装置が有する表示部が表示する第2の情報の例を示す図 実施の形態2に係る加工条件決定支援装置の構成を示すブロック図 実施の形態2に係る加工条件決定支援装置の動作の手順を示すフローチャート 実施の形態2に係る加工条件決定支援装置が有する加工条件決定部が行う加工条件の決定を説明するための第1の図 実施の形態2に係る加工条件決定支援装置が有する加工条件決定部が行う加工条件の決定を説明するための第2の図 実施の形態1に係る加工条件決定支援装置が有する面粗さ取得部、面粗さ関数算出部及び加工現象影響度算出部の一部又は全部が処理回路によって実現される場合の処理回路を示す図 推論モデルを用いて加工条件と加工現象が加工面に与える影響度との第2の関係の算出を行う場合の加工現象影響度算出部の構成を示すブロック図 実施の形態3に係る機械学習装置の構成を示すブロック図 ニューラルネットワークの例を説明するための図
以下に、本発明の実施の形態にかかる加工条件決定支援装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る加工条件決定支援装置1の構成を示すブロック図である。加工条件決定支援装置1は、数値制御装置2によって制御される工作機械3が行う切削加工における加工条件の決定を支援する装置である。更に言うと、加工条件決定支援装置1は、オペレータが上記の切削加工における加工条件を決定する際のオペレータが行う決定を支援する装置である。図1には、数値制御装置2及び工作機械3も示されている。
切削加工は、工作機械3が有する駆動軸が動作することで、工作機械3が有する主軸に取り付けられた工具と工作機械3が有するテーブル又は旋削主軸に固定されたワークとが移動し、主軸又は旋削主軸が回転することで工具又はワークが回転し、工具がワークに接触することでワークの一部を削り取る加工である。工具は、切れ刃を有している。数値制御装置2は、数値制御プログラムに記述されている指令コードを解析し、工作機械3を制御するための指令を生成する。
加工条件決定支援装置1は、切れ刃又はワークが主軸又は旋削主軸の回転速度で回転しながら、切れ刃が駆動軸の送り速度で工具の移動経路に沿って移動してワークの一部を削り取る場合のワークの加工面の面粗さを取得する面粗さ取得部11を有する。面粗さ取得部11は、加工実験を行い、ワークの加工面の面粗さを計測する。面粗さ取得部11は、工具が有する切れ刃の形状を表現する工具切れ刃形状データ15aと、ワークの形状を表現するワーク形状データ15bとを用いて、切れ刃又はワークが主軸又は旋削主軸の回転速度で回転しながら、切れ刃が駆動軸の送り速度で工具の移動経路に沿って移動してワークの一部を削り取る場合のワークの加工面の面粗さを算出してもよい。工具切れ刃形状データ15aは、工具の種類、工具径、工具長、切れ刃の刃の数、切れ刃の配置角度及び切れ刃のねじれ角を特定して切れ刃の形状を決めるパラメータを含む。ワーク形状データ15bは、ワークの種類及び寸法を決めるパラメータを含む。
加工条件決定支援装置1は、駆動軸の送り速度と主軸又は旋削主軸の回転速度との比が異なる少なくとも二つの加工条件で面粗さ取得部11によって取得された少なくとも二つの加工面の面粗さをもとに、加工条件(駆動軸の送り速度と主軸又は旋削主軸の回転速度との比、駆動軸の一回転当たりの送り量、刃先速度、又はそれに類する情報)と加工面の面粗さとの関係である第1の関係を算出する面粗さ関数算出部12を更に有する。
加工条件決定支援装置1は、加工条件と切削加工が行われる際に発生する加工現象がワークの加工面に与える影響度との関係である第2の関係を算出する加工現象影響度算出部13を更に有する。例えば、加工現象影響度算出部13は、主軸又は旋削主軸の回転速度と共振による振動がワークの加工面に与える影響度との関係と、駆動軸の一回転当たりの送り量と外乱力による振動がワークの加工面に与える影響度との関係と、主軸又は旋削主軸の回転速度と工具の劣化がワークの加工面に与える影響度との関係とのうちの少なくともひとつの関係を含む第2の関係を算出する。
加工条件決定支援装置1は、上記の工具切れ刃形状データ15a及びワーク形状データ15bを含む加工データ15を記憶する第1記憶部14を更に有する。第1記憶部14の例は、半導体メモリである。加工データ15は、工具の移動経路を示す工具移動経路データ15cを更に含む。工具移動経路データ15cは、切削加工が行われる際のワークに対する工具の位置及び姿勢に関連するデータを含む。当該データは、数値制御プログラムに記述されている指令コードを解析することにより、又は、数値制御プログラムをもとに工作機械3を実際に動作させて工具の位置及び姿勢のデータをサンプリングすることにより得られる。
加工条件決定支援装置1は、工具の特性を示す工具特性データ17aと、ワークの特性を示すワーク特性データ17bと、工作機械3の特性を示す機械特性データ17cとを含む加工特性データ17を記憶する第2記憶部16を更に有する。第2記憶部16の例は、半導体メモリである。工具特性データ17aは、工具の物性、動剛性及び固有振動数のパラメータを含む。ワーク特性データ17bは、ワークの物性、動剛性及び固有振動数のパラメータを含む。機械特性データ17cは、工作機械3の動剛性及び固有振動数のパラメータを含む。
上記の動剛性及び固有振動数のパラメータは、例えばハンマリング試験を行うことによって得られる。工具及びワークのパラメータはオペレータによるセットアップに依存するため、オペレータは、セットアップの度に例えばハンマリング試験を行って工具及びワークのパラメータを測定する。工作機械3の動剛性及び固有振動数のパラメータは、工作機械3の立ち上げ時に測定されればよい。
加工条件決定支援装置1は、面粗さ関数算出部12によって算出された第1の関係と加工現象影響度算出部13によって算出された第2の関係とをもとに、加工条件と切削加工の結果との関係を示す情報と、第2の関係を示す情報とを表示する表示部18を更に有する。例えば、表示部18は、加工面の面粗さと、駆動軸の一回転当たりの送り量と、駆動軸の送り速度とを変数とする曲面を、加工現象がワークの加工面に与える影響度毎の複数の範囲に分割して表示する。表示部18の例は、液晶表示装置である。
図2は、実施の形態1における工作機械3の構成を示す図である。図2は、工作機械3の側面を模式的に示している。工作機械3は、ベース31と、ベース31に取り付けられているコラム32と、コラム32に取り付けられている主軸33と、ベース31に取り付けられているテーブル34とを有する。工作機械3は、図示されていない駆動軸を更に有する。
主軸33には、工具21が取り付けられる。テーブル34には、ワーク22が固定される。図2には、工具21及びワーク22も示されている。図2は、工具21が主軸33に取り付けられている状況と、ワーク22がテーブル34に固定されている状況とを示している。
駆動軸が動作することで、工具21とテーブル34に固定されたワーク22とが移動する。主軸33が回転することで、主軸33に取り付けられた工具21が回転する。回転した工具21をワーク22に接触させることで、ワーク22にせん断破壊を引き起こし、ワーク22の一部である不要部分を削り取る切削加工が行われる。
図3は、実施の形態1における工作機械3が行う切削加工の様子を二次元で示す図である。上述の通り、工具21は切れ刃21aを有する。工具21が回転すると、切れ刃21aが回転する。回転した切れ刃21aをワーク22に接触させることで、切削加工が行われる。切れ刃21aがワーク22に接触すると、複数の加工現象が引き起こされる。複数の加工現象は、ワーク22のせん断破壊と、主軸33の回転による工具21の振れと、切削抵抗による工具21及びワーク22の振動と、摩擦で生じる熱による切れ刃21aの摩耗及び欠損と、熱が工作機械3に伝搬することで生じる工作機械3の変形と、ワーク22に加わる応力により生じるひずみとの一部又は全部を含む。
切削加工が行われる際に発生する複数の加工現象の影響を受け、ワーク22に対する工具21の位置及び姿勢は、数値制御装置2によって生成される指令が示す位置及び姿勢からずれる。実施の形態では、複数の加工現象の影響を受けて生じる工具21の位置及び姿勢のずれは、「運動誤差」と定義される。運動誤差の影響を受けて切れ刃21aとワーク22との接触の状態が変化するため、切削加工で形成されるワーク22の加工面は変化する。
複数の加工現象の各々の発生の程度は、駆動軸の送り速度Fと主軸33の回転速度Sとで決定される加工条件と、工作機械3の特性と、工具21の形状及び物性と、ワーク22の形状及び物性とに依存する。適切な加工条件を設定することで、運動誤差がワーク22の加工面に与える悪影響を抑え、比較的良好な加工面を得ることができる。
図4は、実施の形態1に係る加工条件決定支援装置1のハードウェアの構成を示す図である。加工条件決定支援装置1は、演算処理を行うプロセッサである演算装置41と、演算装置41がワークエリアに用いるメモリ42と、プログラム及びデータを記憶する記憶装置43と、加工条件決定支援装置1の外部との通信を行う通信装置44と、オペレータからの入力を受け付ける入力装置45と、表示装置46とを有する。
演算装置41は、面粗さ取得部11、面粗さ関数算出部12及び加工現象影響度算出部13の機能を実現する装置である。演算装置41の例は、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、マイクロプロセッサ、又はDSP(Digital Signal Processor)である。メモリ42の例は、半導体メモリである。
記憶装置43は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク又はDVD(Digital Versatile Disk)等である。
面粗さ取得部11、面粗さ関数算出部12及び加工現象影響度算出部13の機能は、記憶装置43に記憶されるプログラムを実行する演算装置41によって実現される。記憶装置43は、面粗さ取得部11、面粗さ関数算出部12及び加工現象影響度算出部13によって実行されるステップが結果的に実行されることになるプログラムを記憶するための装置である。
記憶装置43に記憶されるプログラムは、面粗さ取得部11、面粗さ関数算出部12及び加工現象影響度算出部13が実行する手順又は方法を演算装置41に実行させるものである。すなわち、面粗さ取得部11、面粗さ関数算出部12及び加工現象影響度算出部13の機能は、演算装置41が記憶装置43に記憶されるプログラムを実行することにより実現される。
表示部18の一部の機能も、記憶装置43に記憶されるプログラムを実行する演算装置41によって実現される。記憶装置43は、表示部18の一部の機能を実現するためのプログラムを記憶するための装置でもある。つまり、記憶装置43は、表示部18が実行する手順又は方法の一部を演算装置41に実行させるプログラムも記憶する。
入力装置45の例は、キーボード、ポインティングデバイス及びマウスの一部又は全部である。表示装置46は、表示部18を実現する手段である。表示装置46の例は、液晶表示装置である。入力装置45と表示装置46とは一体化されていてもよい。具体的には、入力装置45と表示装置46とはタッチパネルによって実現されていてもよい。入力装置45及び表示装置46は、オペレータが加工データ15及び加工特性データ17を加工条件決定支援装置1に入力する際に用いられる。加工条件決定支援装置1に入力された加工データ15は第1記憶部14に記憶され、加工条件決定支援装置1に入力された加工特性データ17は第2記憶部16に記憶される。
図5は、実施の形態1に係る加工条件決定支援装置1の動作の手順を示すフローチャートである。面粗さ関数算出部12は、駆動軸の送り速度Fと主軸33の回転速度Sとの比が異なる少なくとも二つの加工条件で算出された少なくとも二つの加工面の面粗さRをもとに、駆動軸の送り速度Fと主軸33の回転速度Sとの比と加工面の面粗さRとの関係である第1の関係を曲線で近似した近似曲線を算出する(S1)。当該近似曲線は、「面粗さ近似曲線」と定義される。当該近似曲線は、例えば直線と折れ線とのうちの一方又は双方で近似されてもよい。特に近似の違いによる動作の違いはないため、以降でも、特に明記しない限り、曲線近似を例として説明する。
加工面の面粗さRは、加工データ15に含まれる工具切れ刃形状データ15a、ワーク形状データ15b及び工具移動経路データ15cと、駆動軸の送り速度Fと主軸33の回転速度Sとの比とをもとに、面粗さ取得部11によって算出される。
図6は、実施の形態1に係る加工条件決定支援装置1が有する面粗さ取得部11が行う加工面の面粗さRの算出の方法を説明するための第1の図である。図6は、エンドミルの側面に設けられた4枚刃の切れ刃21aを、径方向の切り込み量arでワーク22に切り込ませ、移動経路に沿って移動させた際の加工面が生成される様子を示している。
工具21が有する切れ刃21aが、主軸33の回転速度Sにしたがって回転しながら、駆動軸の送り速度Fにしたがって工具21の移動経路に沿って移動してワーク22を削り取ることで、加工面が生成される。面粗さ取得部11は、駆動軸の送り速度Fと主軸33の回転速度Sとの比をもとに、切れ刃21aの軌跡を算出し、切れ刃21aがワーク22と接触する領域をワーク22から差し引く演算を実行することで、加工面の面性状を算出する。
なお、加工面の面粗さRの算出の方法について、マシニングセンタにおけるエンドミル加工を例として説明したが、旋盤における旋削加工においても、工具21の運動をワーク22から見た相対的な工具21の運動に変換すれば、上記と同様に加工面の面性状を算出することができる。以降でも、特に明記しない限り、マシニングセンタにおけるエンドミル加工を例として説明する。
図7は、実施の形態1に係る加工条件決定支援装置1が有する面粗さ取得部11が行う加工面の面粗さRの算出の方法を説明するための第2の図である。面粗さ取得部11は、算出された加工面の面性状71を指定された領域で解析し、面性状71の凹凸の度合いを算出する。面性状71の凹凸の度合いは、統計指標である。統計指標には、最大値、最小値、平均値及び分散の一部又は全部が含まれる。
任意の曲線及び曲面が与えられた場合の統計指標を算出する方法は数値計算の分野で既に確立されており、面粗さ取得部11は既に確立されている従来技術を用いる。算出された統計指標の最大値と最小値との差はRzで表記される面粗さに対応し、平均値はRaで表記される面粗さに対応する。Rzは最大高さを意味し、Raは算術平均粗さを意味する。解析対象の領域は、面で指定されてもよい。その場合、算出された統計指標の最大値と最小値との差はSzで表記される面粗さに対応し、平均値はSaで表記される面粗さに対応する。Szは最大高さを意味し、Saは算術平均粗さを意味する。
図6及び図7は、エンドミルによる側面加工及び二次元の加工面の面性状71を算出する方法の例を説明するための図である。面粗さ取得部11は、工具21の形状と、工具21の移動経路と、駆動軸の送り速度Fと主軸33の回転速度Sとの比とにしたがって、工具21が有する切れ刃21aの三次元の位置を算出し、切れ刃21aとワーク22とが接触する領域をワーク22から差し引く演算を実行することで、任意の工具21及び任意の移動経路に対応する加工面の面性状71及び面粗さRを算出する。
ワーク22に複数の加工面が生成される場合、例えばワーク22の側面及び底面において加工面が生成される場合、面粗さ取得部11は、加工面毎に指定された解析対象の領域において面粗さRを算出する。
面粗さ取得部11によって取得される加工面の面粗さRは、駆動軸の送り速度Fと主軸33の回転速度Sとの比によって変化する。一般的に、駆動軸の送り速度Fを主軸33の回転速度Sで除算した駆動軸の一回転当たりの送り量k=F/Sが大きくなるにつれて、加工面の面粗さRは大きくなる。駆動軸の一回転当たりの最大の送り量kmaxと駆動軸の一回転当たりの最小の送り量kminとについて加工面の面粗さRを取得すれば、加工面の面粗さRの最大値Rmax及び最小値Rminが取得される。
工作機械3毎に、駆動軸の送り速度Fの最大値Fmax及び最小値Fminと、主軸33の回転速度Sの最大値Smax及び最小値Sminとは定まっている。駆動軸の一回転当たりの最大の送り量kmaxは、駆動軸の送り速度Fの最大値Fmaxを主軸33の回転速度Sの最小値Sminで除算することで得られる。駆動軸の一回転当たりの最小の送り量kminは、駆動軸の送り速度Fの最小値Fminを主軸33の回転速度Sの最大値Smaxで除算することで得られる。
駆動軸の送り速度Fの最大値Fmax、駆動軸の送り速度Fの最小値Fmin、主軸33の回転速度Sの最大値Smax及び主軸33の回転速度Sの最小値Sminは、工作機械3の仕様でなく、オペレータによって設定されてもよい。オペレータは、駆動軸の送り速度Fの最大値Fmax、駆動軸の送り速度Fの最小値Fmin、主軸33の回転速度Sの最大値Smax及び主軸33の回転速度Sの最小値Sminを、実際の加工で用いられる範囲内に設定することで、加工条件を調整する範囲を狭め、例えば面粗さ近似曲線を算出する際の面粗さ関数算出部12が行う演算の負荷を抑制することができる。
実際の加工では、運動誤差の影響を受け、工具21が有する切れ刃21aとワーク22との接触の状態が変化する。そのため、駆動軸の一回転当たりの送り量kが同じであっても、駆動軸の送り速度Fと主軸33の回転速度Sとの組み合わせ毎に、加工面の面粗さRは変化する。運動誤差の影響を除けば、面粗さ取得部11によって算出される加工面の面粗さRは、駆動軸の一回転当たりの送り量kを変数に持つ関数R=g(k)で表現することができる。
図8は、実施の形態1において、工作機械3が有する駆動軸の一回転当たりの送り量kと加工面の面粗さR=g(k)との関係の例を示す図である。加工面の面粗さRは、図8に示すように、駆動軸の送り速度Fと主軸33の回転速度Sとの比が異なる少なくとも二つの加工条件で面粗さ取得部11によって取得された少なくとも二つの加工面の面粗さRをもとに、駆動軸の一回転当たりの送り量kを変数とする曲線で近似される。面粗さ関数算出部12は、近似を行う場合、例えば最小二乗法を用いる。図8では、加工面の面粗さRは、駆動軸の一回転当たりの送り量kの二次関数で近似されているが、一次関数、又は、三次以上の高次の関数で近似されてもよい。
面粗さ関数算出部12は、面粗さ近似曲線の精度を向上させるために、3個以上の条件で取得された加工面の面粗さRと、面粗さ近似曲線をもとに得られる近似値とを比較し、比較結果があらかじめ決められた許容範囲に収まるまで近似を繰り返してもよい。ステップS1の動作が行われた後、加工条件決定支援装置1の動作はステップS2に移行する。
加工現象影響度算出部13は、加工特性データ17をもとに、駆動軸の送り速度Fと主軸33の回転速度Sとによって決定される加工条件と切削加工が行われる際に発生する加工現象がワーク22の加工面に与える影響度との関係である第2の関係を算出する(S2)。
切削加工が行われる際に発生する複数の加工現象のうちの加工面に与える影響度が相対的に大きい現象は、共振又は外乱力による振動、及び、外乱力又は熱による切れ刃21aの劣化である。
共振による振動について、加工現象影響度算出部13は、加工特性データ17に含まれる工具特性データ17a、ワーク特性データ17b及び機械特性データ17cに含まれる固有振動数と主軸33の回転速度Sとをもとに、又は、工具21が有する切れ刃21aの断続周波数をもとに、主軸33の回転速度Sと共振による振動が加工面に与える影響度との関係を算出する。
図9は、実施の形態1において、工作機械3が有する主軸33の回転速度Sと共振による振動が加工面に与える影響度との関係の例を示す図である。主軸33の回転速度Sを振動数に変換したときの振動数が固有振動数に比較的近い場合、共振による振動が加工面に与える影響度は比較的大きくなり、加工面の面性状は悪化する。つまり、図9に示すように、主軸33の回転速度Sと共振による振動が加工面に与える影響度との関係は、ある固有振動数をピークとするガウス関数で表現される。固有振動数が複数存在する場合、主軸33の回転速度Sと共振による振動が加工面に与える影響度との関係は、例えば、複数のガウス関数の和で表現される。
工具21が有する切れ刃21aの断続的な振動による共振について、主軸33の回転速度Sと共振による振動が加工面に与える影響度との関係も、ガウス関数で表現することができる。切れ刃21aの断続周波数は、主軸33の回転速度Sに切れ刃21aの刃の数を乗じたものを60秒で除算することで得られる。よって、切れ刃21aの断続的な振動に伴う共振による振動と共振による振動が加工面に与える影響度との関係も、切れ刃21aの断続周波数を主軸33の回転速度Sに変換することで、主軸33の回転速度Sと共振による振動が加工面に与える影響度との関係に帰着する。
外乱力による振動について、加工現象影響度算出部13は、加工特性データ17に含まれている工具特性データ17a、ワーク特性データ17b及び機械特性データ17cに含まれる動剛性と、駆動軸の一回転当たりの送り量kとをもとに、駆動軸の一回転当たりの送り量kと外乱力による振動が加工面に与える影響度との関係を算出する。
切削加工が行われる際、工具21とワーク22とが接触することで、工具21及びワーク22はいずれも切削抵抗の外乱力を受ける。切削抵抗に動剛性の逆数であるコンプライアンスを乗じることで、切削抵抗による工具21の変位、つまり振動の振幅を算出することができる。面粗さ取得部11が加工面の面粗さRを算出する際に切削体積を更に算出すると、駆動軸の一回転当たりの送り量kと切削抵抗との関係を得ることができる。最大振幅の値を1として正規化を行うことで、駆動軸の一回転当たりの送り量kと外乱力による振動が加工面に与える影響度との関係を算出することができる。
工具の劣化について、加工現象影響度算出部13は、加工特性データ17に含まれている工具特性データ17a及びワーク特性データ17bと主軸33の回転速度Sとをもとに、主軸33の回転速度Sと工具21の劣化が加工面に与える影響度との関係を算出する。摩耗型の工具の損傷による工具寿命と切削速度との間には、工具寿命方程式で表現される関係があることが知られている。工具特性データ17aとワーク特性データ17bとによって工具寿命方程式の定数が定まるため、加工現象影響度算出部13は切削速度と工具の寿命との関係を算出することができる。
工具寿命の短さが工具の劣化の程度を表すため、最小工具寿命の値を1として正規化を行うことで、切削速度と工具の劣化が加工面に与える影響度との関係を得ることができる。切削速度は、主軸33の回転速度Sに円周率π及び工具の径を乗じたものを1000で除算することで得られる。切削速度を主軸33の回転速度Sに変換することで、切削速度と工具の劣化が加工面に与える影響度との関係は、主軸33の回転速度Sと工具21の劣化が加工面に与える影響度との関係に帰着する。ステップS2の動作が行われた後、加工条件決定支援装置1の動作はステップS3に移行する。
表示部18は、面粗さ関数算出部12によって算出された面粗さ近似曲線と、加工現象影響度算出部13によって算出された加工現象が加工面に与える影響度とをもとに、加工条件と切削加工の結果である加工面の面粗さ及び加工時間との関係を示す情報と、加工現象が加工面に与える影響とを示す情報を表示する(S3)。
図10は、実施の形態1に係る加工条件決定支援装置1が有する表示部18が表示する第1の情報の例を示す図である。図10に示すように、加工面の面粗さRは、駆動軸の一回転当たりの送り量kと駆動軸の送り速度Fとの二つの変数で表される曲面で表示される。当該曲面は、「面粗さ近似曲面」と定義される。面粗さ関数算出部12によって算出された面粗さ近似曲線は、駆動軸の一回転当たりの送り量kにのみ依存する。つまり、駆動軸の送り速度Fの値に関わらず、駆動軸の一回転当たりの送り量kが同じ値であれば、同じ加工面の面粗さRが得られる。
駆動軸の送り速度F、主軸33の回転速度Sの最大値Smax、及び、主軸33の回転速度Sの最小値Sminは定まっているため、加工条件を調整することができる範囲は、面粗さ近似曲面の4個の頂点V0(Fmin、kmin=Fmin/Smax)、V1(Fmin、Fmin/Smin)、V2(Fmax、kmax=Fmax/Smin)及びV3(Fmax、Fmax/Smax)で囲まれる範囲に限定される。
工具21とワーク22との組み合わせに対応して切削加工に必要な切削速度が定まっているため、加工条件を調整することができる範囲は、切削速度以上の範囲に更に限定されてもよい。
総加工距離を駆動軸の送り速度Fで除算することで、加工時間Tを算出することができる。総加工距離は、数値制御プログラムに記述された指令コードを解析することで、工具移動経路データ15cと共に得られる。
図11は、実施の形態1に係る加工条件決定支援装置1が有する表示部18が表示する第2の情報の例を示す図である。図11に示すように、表示部18は、加工現象影響度算出部13によって算出された加工条件と加工現象が加工面に与える影響度との関係をもとに、面粗さ近似曲面を、加工現象が加工面に与える複数の影響度の各々に対応する範囲毎に濃淡を変えて区分して表示する。例えば、表示部18は、主軸33の回転速度Sと共振による振動が加工面に与える影響度との関係をもとに、ある固有振動数近くの主軸33の回転速度Sの範囲の曲面部分を濃く、ある固有振動数から離れた主軸33の回転速度Sの範囲の曲面部分を淡く表示する。これにより、オペレータは、共振による振動の影響を受けにくい加工条件の範囲を視認することができる。
表示部18は、複数の加工現象の各々について、面粗さ近似曲面を、加工現象が加工面に与える複数の影響度の各々に対応する範囲毎に濃淡を変えて区分して表示してもよい。表示部18は、面粗さ近似曲面を、複数の加工現象が加工面に与える影響度の複数の加重平均の各々に対応する範囲毎に濃淡を変えて区分して表示してもよい。加重平均を算出する際の重み付けパラメータは、あらかじめ設定されていてもよいし、オペレータによって設定されてもよい。
なお、表示部18は、面粗さ近似曲面を表示する際、濃淡を付けて区分して表示するのでなく、加工現象が加工面に与える複数の影響度の各々を、例えば複数の色を用いて区分して表示してもよい。
上述の通り、実施の形態1に係る加工条件決定支援装置1は、演算についての比較的少ない負荷で加工条件と加工結果との第1の関係を算出し、加工条件と切削加工が行われる際に発生する加工現象が加工面に与える影響度との第2の関係を算出する。加工条件決定支援装置1は、駆動軸の送り速度Fと主軸33の回転速度Sとによって決定される加工条件と切削加工の結果との関係を示す情報と、第2の関係を示す情報とを表示する。したがって、加工条件決定支援装置1は、加工条件と加工結果との関係と、加工現象が加工面に与える影響とをオペレータに視認させることができる。その結果、オペレータは、加工条件を比較的容易に決定することができる。すなわち、加工条件決定支援装置1は、オペレータが切削加工における加工条件を適切に決定することを支援することができる。
加工条件決定支援装置1は、加工面の面粗さと、駆動軸の一回転当たりの送り量と、駆動軸の送り速度とを変数とする曲面を、加工現象がワークの加工面に与える影響度毎の複数の範囲に分割して表示する。これにより、加工条件決定支援装置1は、加工条件と加工結果との関係と、加工現象が加工面に与える影響とをオペレータにより分かり易く視認させることができる。その結果、オペレータは、加工条件を比較的容易に決定することができる。
実施の形態2.
図12は、実施の形態2に係る加工条件決定支援装置1の構成を示すブロック図である。実施の形態2に係る加工条件決定支援装置1は、実施の形態1に係る加工条件決定支援装置1が有する面粗さ取得部11、面粗さ関数算出部12、加工現象影響度算出部13、第1記憶部14及び第2記憶部16を有する。実施の形態2に係る加工条件決定支援装置1は、実施の形態1に係る加工条件決定支援装置1が有する表示部18を有しない。実施の形態2に係る加工条件決定支援装置1は、実施の形態1に係る加工条件決定支援装置1が有しない加工結果受付部51及び加工条件決定部52を有する。実施の形態2では、実施の形態1との相違点を主に説明する。
加工結果受付部51は、オペレータが希望する加工結果である希望加工結果を示す情報を受け付ける。加工条件決定部52は、面粗さ関数算出部12によって算出された第1の関係と、加工現象影響度算出部13によって算出された第2の関係と、加工結果受付部51によって受け付けられた情報が示す希望加工結果とをもとに、希望加工結果を満たすと共に、加工現象がワークの加工面に与える影響度があらかじめ決められた許容値以下となる加工条件を決定する。
図13は、実施の形態2に係る加工条件決定支援装置1の動作の手順を示すフローチャートである。オペレータは、入力手段を用いて、オペレータが希望する加工結果である希望加工結果を示す情報を加工条件決定支援装置1に入力する。入力手段の例は、キーボード、ポインティングデバイス及びマウスの一部又は全部である。希望加工結果は、ワークが加工された場合のオペレータが希望するワークの加工面の面粗さと、オペレータが希望する加工時間との一方又は双方を含む。加工結果受付部51は、入力された希望加工結果を示す情報を受け付ける(S11)。ステップS11において、加工結果受付部51は、数値制御プログラムを解析することによって希望加工結果を示す情報を受け付けてもよい。
面粗さ関数算出部12は、実施の形態1の図5におけるステップS1の動作と同様に、駆動軸の送り速度Fと主軸33の回転速度Sとの比が異なる少なくとも二つの加工条件で取得された少なくとも二つの加工面の面粗さRをもとに、駆動軸の送り速度Fと主軸33の回転速度Sとの比と加工面の面粗さRとの関係である第1の関係を曲線で近似した面粗さ近似曲線を算出する(S12)。
加工現象影響度算出部13は、実施の形態1の図5におけるステップS2の動作と同様に加工特性データ17をもとに、駆動軸の送り速度Fと主軸33の回転速度Sとによって決定される加工条件と切削加工が行われる際に発生する加工現象がワークの加工面に与える影響度との関係である第2の関係を算出する(S13)。
加工条件決定部52は、面粗さ関数算出部12によって算出された面粗さ近似曲線と、加工現象影響度算出部13によって算出した加工条件と加工現象が加工面に与える影響度との関係と、加工結果受付部51によって受け付けられた情報が示す希望加工結果とをもとに、希望加工結果を満たすと共に、加工現象がワークの加工面に与える影響度があらかじめ決められた許容値以下となる加工条件を決定する(S14)。
図14は、実施の形態2に係る加工条件決定支援装置1が有する加工条件決定部52が行う加工条件の決定を説明するための第1の図である。図14に示すように、加工結果である加工面の面粗さR及び加工時間Tと、加工条件である駆動軸の送り速度F及び主軸33の回転速度Sとの関係は、駆動軸の一回転当たりの送り量kと駆動軸の送り速度Fとの二つの変数で表される曲面で表現される。
図15は、実施の形態2に係る加工条件決定支援装置1が有する加工条件決定部52が行う加工条件の決定を説明するための第2の図である。図15に示すように、加工条件決定部52は、加工結果受付部51によって受け付けられた情報が示す希望加工結果をもとに、オペレータが希望する加工結果を満たす加工条件の範囲を算出する。図15には、オペレータが希望する加工結果の例である「希望面粗さRreq」が記載されている。加工条件決定部52は、オペレータが希望する加工時間Tを満たすように加工条件の範囲を算出してもよい。加工条件決定部52は、算出された加工条件の範囲で、加工現象が加工面に与える影響度があらかじめ決められた許容値以下となる加工条件を決定する。
複数の加工条件の候補が決定される場合、加工条件決定部52は、例えば加工時間Tが最も短くなる加工条件を決定する。加工条件が決定されない場合、加工条件決定支援装置1は、希望加工結果を示す情報を加工条件決定支援装置1に再度入力することをオペレータに促す。
上述の通り、実施の形態2に係る加工条件決定支援装置1は、演算についての比較的少ない負荷で加工条件と加工結果との第1の関係を算出し、加工条件と切削加工が行われる際に発生する加工現象が加工面に与える影響度との第2の関係を算出する。加工条件決定支援装置1は、オペレータが希望する加工結果を満たすと共に、加工現象がワークの加工面に与える影響度があらかじめ決められた許容値以下となる加工条件を決定する。したがって、加工条件決定支援装置1は、オペレータに希望する加工結果を示す情報を入力させるだけで、オペレータが希望する加工結果を満たす加工条件を決定することができる。
図16は、実施の形態1に係る加工条件決定支援装置1が有する面粗さ取得部11、面粗さ関数算出部12及び加工現象影響度算出部13の一部又は全部が処理回路91によって実現される場合の処理回路91を示す図である。つまり、面粗さ取得部11、面粗さ関数算出部12及び加工現象影響度算出部13の一部又は全部は、処理回路91によって実現されてもよい。
処理回路91は、専用のハードウェアである。処理回路91は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものである。
面粗さ取得部11、面粗さ関数算出部12及び加工現象影響度算出部13の一部は、残部とは別個の専用のハードウェアであってもよい。
面粗さ取得部11、面粗さ関数算出部12及び加工現象影響度算出部13の複数の機能について、当該複数の機能の一部がソフトウェア又はファームウェアで実現され、当該複数の機能の残部が専用のハードウェアで実現されてもよい。このように、面粗さ取得部11、面粗さ関数算出部12及び加工現象影響度算出部13の複数の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって実現することができる。
実施の形態2に係る加工条件決定支援装置1が有する面粗さ取得部11、面粗さ関数算出部12、加工現象影響度算出部13、加工結果受付部51及び加工条件決定部52の一部又は全部の機能は、実施の形態1の演算装置41と同様の演算装置によって実現されてもよい。その場合、係る加工条件決定支援装置1は、当該演算装置と、面粗さ取得部11、面粗さ関数算出部12、加工現象影響度算出部13、加工結果受付部51及び加工条件決定部52によって実行されるステップの一部又は全部が結果的に実行されることになるプログラムを格納するための記憶装置とを有する。当該記憶装置は、実施の形態1の記憶装置43と同様の記憶装置である。
加工条件決定支援装置1が有する面粗さ取得部11、面粗さ関数算出部12、加工現象影響度算出部13、加工結果受付部51及び加工条件決定部52の一部又は全部は、上記の処理回路91と同等の機能を有する処理回路によって実現されてもよい。
実施の形態3.
加工条件決定支援装置1が有する加工現象影響度算出部13は、駆動軸の送り速度Fと主軸33の回転速度Sとによって決定される加工条件と切削加工が行われる際に発生する加工現象がワークの加工面に与える影響度との関係である第2の関係を算出するようにあらかじめ機械学習が行われた推論モデルを用いて、加工条件と加工現象が加工面に与える影響度との第2の関係を算出してもよい。
図17は、推論モデルを用いて加工条件と加工現象が加工面に与える影響度との第2の関係の算出を行う場合の加工現象影響度算出部13の構成を示すブロック図である。加工現象影響度算出部13は、推論部101を有する。推論部101は、加工条件が入力されることで切削加工が行われる際に発生する加工現象がワークの加工面に与える影響度を出力するよう機械学習を行った学習済みの推論器を持つ。具体的には、推論部101は、加工現象が加工面に与える影響度を出力するようにあらかじめ機械学習を行った推論モデルに加工条件、加工データ15及び加工特性データ17が入力されることで、加工現象が加工面に与える影響度を出力する。
実施の形態3では、加工現象影響度算出部13は、推論部101に加工条件が入力されることで加工条件と、切削加工が行われる際に発生する加工現象がワークの加工面に与える影響度との関係である第2の関係を算出する。
図18は、実施の形態3に係る機械学習装置200の構成を示すブロック図である。機械学習装置200は、推論モデルに対して学習を行う装置であって、加工条件と、切削加工が行われる際に発生する加工現象がワークの加工面に与える影響度との関係である第2の関係を学習する。機械学習装置200は、データ取得部201と、学習部202とを有する。
データ取得部201は、加工条件と、切削加工が行われる際に発生する加工現象がワークの加工面に与える影響度との組み合わせを取得する。具体的には、データ取得部201は、加工条件、加工データ15、加工特性データ17、及び加工現象が加工面に与える影響度の組み合わせを取得する。加工現象が加工面に与える影響度は、例えば、工作機械3にセンサが取り付けられて実加工が行われることによって取得される。共振又は外乱力による振動が加工面に与える影響度は、主軸33の回転速度Sと、力センサによって得られる切削抵抗と、加速度センサによって得られる振動とをもとに得られる。工具21の劣化が加工面に与える影響度は、実加工後の工具21の摩耗の進行具合を評価することで得られる。
学習部202は、加工条件と、切削加工が行われる際に発生する加工現象がワークの加工面に与える影響度との組み合わせをもとに作成されるデータセットにしたがって、加工条件と、切削加工が行われる際に発生する加工現象がワークの加工面に与える影響度との関係である第2の関係を学習する。具体的には、学習部202は、データ取得部201から出力される加工条件、加工データ15、加工特性データ17、及び加工現象が加工面に与える影響度の組み合わせをもとに作成されるデータセットをもとに、加工条件と加工現象が加工面に与える影響度との関係を学習する。データセットは、状態変数と判定データとが互いに関連付けられたデータである。
機械学習装置200は、加工条件決定支援装置1の加工条件、加工データ15、加工特性データ17を学習するために使用される。機械学習装置200は、加工条件決定支援装置1とは別個の装置であってもよい。その場合、機械学習装置200は、例えば通信ネットワークを介して加工条件決定支援装置1に接続される。機械学習装置200は、加工条件決定支援装置1に内蔵されてもよい。機械学習装置200は、クラウドサーバ上に存在してもよい。
学習部202は、例えば、ニューラルネットワークモデルにしたがって、いわゆる教師あり学習により、加工条件と加工現象が加工面に与える影響度との関係を学習する。教師あり学習とは、ある入力と結果(ラベル)のデータの組を大量に学習装置に与えることで、データセットにある特徴を学習し、入力から結果を推定するモデルをいう。
ニューラルネットワークは、複数のニューロンからなる入力層、複数のニューロンからなる中間層(隠れ層)、及び複数のニューロンからなる出力層で構成される。中間層は、1層であってもよいし、2層以上でもよい。図19は、ニューラルネットワークの例を説明するための図である。例えば、図19に示すような3層のニューラルネットワークでは、複数の入力が入力層(X1−X3)に入力されると、入力された値に重みW1(w11−w16)を掛けることによって得られる値が中間層(Y1−Y2)に入力される。中間層(Y1−Y2)に入力された値に重みW2(w21−w26)を掛けることによって得られる値が出力層(Z1−Z3)から出力される。出力結果は、重みW1と重みW2との値によって変わる。
例えば、ニューラルネットワークは、データ取得部201によって取得される加工条件、加工データ15、加工特性データ17、及び加工現象が加工面に与える影響度の組合せをもとに作成されるデータセットにしたがって、いわゆる教師あり学習により、加工条件と加工現象が加工面に与える影響度との関係を学習する。すなわち、ニューラルネットワークは、入力層に加工条件、加工データ15、加工特性データ17を入力して出力層から出力された結果が、加工現象が加工面に与える影響度に近づくように重みW1と重みW2とを調整することで学習する。
ニューラルネットワークは、いわゆる教師なし学習によって、加工条件と加工現象が加工面に与える影響度との関係を学習してもよい。教師なし学習とは、入力データのみを大量に機械学習装置200に与えることで、入力データがどのような分布をしているのかを学習し、対応する教師出力データを与えなくても、入力データに対して例えば圧縮、分類及び整形の一部又は全部を行う装置を学習する手法である。例えば、ニューラルネットワークは、データセットにある特徴を似た者どうしにクラスタリングすることができる。得られた結果を使って、何らかの基準を設けて当該結果を最適にするような出力の割り当てを行うことで、出力の予測を実現することができる。
教師なし学習と教師あり学習との中間的な問題設定として、半教師あり学習と呼ばれるものもある。半教師あり学習は、一部のみ入力と出力のデータの組が存在し、残部は入力のみのデータである場合の学習である。
学習部202は、複数の加工条件決定支援装置1に対して作成されるデータセットにしたがって、加工条件と加工現象が加工面に与える影響度との関係を学習してもよい。学習部202は、同一の現場で使用される複数の加工条件決定支援装置1からデータセットを取得してもよいし、異なる現場で独立して稼働する複数の工作機械から収集されるデータセットを利用して加工条件と加工現象が加工面に与える影響度との関係を学習してもよい。
データセットを収集する加工条件決定支援装置1が途中で対象に追加されてもよいし、加工条件決定支援装置1が対象から除去されてもよい。加工条件と加工現象が加工面に与える影響度との関係を学習した機械学習装置200は、機械学習装置200とは別の加工条件決定支援装置1に取り付けられて、当該別の加工条件決定支援装置1について加工条件と加工現象が加工面に与える影響度との関係を再学習して更新してもよい。
学習部202に用いられる学習アルゴリズムには、特徴量そのものの抽出を学習する深層学習(Deep Learning)を用いることができる。学習部202は、他の公知の方法、例えば遺伝的プログラミング、機能論理プログラミング、又はサポートベクターマシンなどにしたがって機械学習を実行してもよい。
上述の通り、実施の形態3に係る加工条件決定支援装置1は、演算についての比較的少ない負荷で加工条件と加工結果との第1の関係を算出する。加工条件決定支援装置1は、加工条件と切削加工が行われる際に発生する加工現象が加工面に与える影響度との関係を学習した推論モデルを用いて、加工条件と加工現象が加工面に与える影響度との第2の関係を算出する。加工条件決定支援装置1は、駆動軸の送り速度Fと主軸33の回転速度Sとによって決定される加工条件と切削加工の結果との関係を示す情報と、第2の関係を示す情報とを表示する。したがって、加工条件決定支援装置1は、加工条件と加工結果との関係と、加工現象が加工面に与える影響とをオペレータに視認させることができる。その結果、オペレータは、加工条件を比較的容易に決定することができる。すなわち、加工条件決定支援装置1は、オペレータが切削加工における加工条件を適切に決定することを支援することができる。
又は、実施の形態3に係る加工条件決定支援装置1は、演算についての比較的少ない負荷で加工条件と加工結果との第1の関係を算出する。加工条件決定支援装置1は、加工条件と切削加工が行われる際に発生する加工現象が加工面に与える影響度との関係を学習した推論モデルを用いて、加工条件と加工現象が加工面に与える影響度との第2の関係を算出する。加工条件決定支援装置1は、オペレータが希望する加工結果を満たすと共に、加工現象がワークの加工面に与える影響度があらかじめ決められた許容値以下となる加工条件を決定する。したがって、加工条件決定支援装置1は、オペレータに希望する加工結果を示す情報を入力させるだけで、オペレータが希望する加工結果を満たす加工条件を決定することができる。
実施の形態3における加工現象影響度算出部13の少なくとも一部の機能は、記憶装置に格納されるプログラムを実行する演算装置41によって実現されてもよい。当該記憶装置は、加工現象影響度算出部13によって実行されるステップの少なくとも一部のステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するための記憶装置であって、記憶装置43と同様の記憶装置である。当該演算装置は、演算装置41と同様の演算装置である。加工現象影響度算出部13の少なくとも一部の機能は、処理回路によって実現されてもよい。当該処理回路は、処理回路91と同様の処理回路である。
実施の形態3における加工現象影響度算出部13が有する推論部101の少なくとも一部の機能は、記憶装置に格納されるプログラムを実行する演算装置によって実現されてもよい。当該記憶装置は、推論部101によって実行されるステップの少なくとも一部のステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するための記憶装置であって、記憶装置43と同様の記憶装置である。当該演算装置は、演算装置41と同様の演算装置である。推論部101の少なくとも一部の機能は、処理回路によって実現されてもよい。当該処理回路は、処理回路91と同様の処理回路である。
実施の形態3に係る機械学習装置200が有するデータ取得部201及び学習部202の少なくとも一部の機能は、記憶装置に格納されるプログラムを実行する演算装置によって実現されてもよい。当該記憶装置は、データ取得部201及び学習部202によって実行されるステップの少なくとも一部のステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するための記憶装置であって、記憶装置43と同様の記憶装置である。当該演算装置は、演算装置41と同様の演算装置である。データ取得部201及び学習部202の少なくとも一部の機能は、処理回路によって実現されてもよい。当該処理回路は、処理回路91と同様の処理回路である。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略又は変更することも可能である。
1 加工条件決定支援装置、2 数値制御装置、3 工作機械、11 面粗さ取得部、12 面粗さ関数算出部、13 加工現象影響度算出部、14 第1記憶部、15 加工データ、15a 工具切れ刃形状データ、15b ワーク形状データ、15c 工具移動経路データ、16 第2記憶部、17 加工特性データ、17a 工具特性データ、17b ワーク特性データ、17c 機械特性データ、18 表示部、21 工具、21a 切れ刃、22 ワーク、31 ベース、32 コラム、33 主軸、34 テーブル、41 演算装置、42 メモリ、43 記憶装置、44 通信装置、45 入力装置、46 表示装置、51 加工結果受付部、52 加工条件決定部、91 処理回路、101 推論部、200 機械学習装置、201 データ取得部、202 学習部。

Claims (7)

  1. 切削加工における加工条件の決定を支援する加工条件決定支援装置であって、
    工具が有する切れ刃の形状を表現する工具切れ刃形状データと、ワークの形状を表現するワーク形状データとを用いて、前記切れ刃又は前記ワークが工作機械の主軸又は旋削主軸の回転速度で回転しながら、前記切れ刃が前記工作機械の駆動軸の送り速度で前記工具の移動経路に沿って移動して前記ワークの一部を削り取る場合の前記ワークの加工面の面粗さを算出する面粗さ取得部と、
    前記ワークの加工面の面粗さと、前記加工条件とをもとに、前記加工条件と前記加工面の面粗さとの関係である第1の関係を曲線で近似して算出する面粗さ関数算出部と、
    前記加工条件と、前記切削加工が行われる際に発生する加工現象が前記ワークの加工面に与える影響度との関係である第2の関係を算出する加工現象影響度算出部と、
    前記面粗さ関数算出部によって算出された前記第1の関係と前記加工現象影響度算出部によって算出された前記第2の関係とをもとに、前記加工条件と前記切削加工の結果との関係を示す情報と、前記第2の関係を示す情報とを表示する表示部と
    を備えることを特徴とする加工条件決定支援装置。
  2. 前記加工現象影響度算出部は、前記工作機械の主軸又は旋削主軸の回転速度と共振による振動が前記ワークの加工面に与える影響度との関係と、前記工作機械の駆動軸の一回転当たりの送り量と外乱力による振動が前記ワークの加工面に与える影響度との関係と、前記主軸又は前記旋削主軸の回転速度と前記工具の劣化が前記ワークの加工面に与える影響度との関係とのうちの少なくともひとつの関係を含む前記第2の関係を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の加工条件決定支援装置。
  3. 前記表示部は、前記加工面の面粗さと、前記工作機械の駆動軸の一回転当たりの送り量と、前記駆動軸の送り速度とを変数とする曲面を、前記加工現象が前記ワークの加工面に与える影響度毎の複数の範囲に分割して表示する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の加工条件決定支援装置。
  4. 切削加工における加工条件の決定を支援する加工条件決定支援装置であって、
    工具が有する切れ刃の形状を表現する工具切れ刃形状データと、ワークの形状を表現するワーク形状データとを用いて、前記切れ刃又は前記ワークが工作機械の主軸又は旋削主軸の回転速度で回転しながら、前記切れ刃が前記工作機械の駆動軸の送り速度で前記工具の移動経路に沿って移動して前記ワークの一部を削り取る場合の前記ワークの加工面の面粗さを算出する面粗さ取得部と、
    前記ワークの加工面の面粗さと、前記加工条件とをもとに、前記加工条件と前記加工面の面粗さとの関係である第1の関係を曲線で近似して算出する面粗さ関数算出部と、
    前記加工条件と、前記切削加工が行われる際に発生する加工現象が前記ワークの加工面に与える影響度との関係である第2の関係を算出する加工現象影響度算出部と、
    オペレータが希望する加工結果である希望加工結果を示す情報を受け付ける加工結果受付部と、
    前記面粗さ関数算出部によって算出された前記第1の関係と、前記加工現象影響度算出部によって算出された前記第2の関係と、前記加工結果受付部によって受け付けられた前記情報が示す前記希望加工結果とをもとに、前記希望加工結果を満たすと共に、前記加工現象が前記ワークの加工面に与える影響度があらかじめ決められた許容値以下となる加工条件を決定する加工条件決定部と
    を備えることを特徴とする加工条件決定支援装置。
  5. 前記加工現象影響度算出部は、前記工作機械の主軸又は旋削主軸の回転速度と共振による振動が前記ワークの加工面に与える影響度との関係と、前記工作機械の駆動軸の一回転当たりの送り量と外乱力による振動が前記ワークの加工面に与える影響度との関係と、前記主軸又は前記旋削主軸の回転速度と前記工具の劣化が前記ワークの加工面に与える影響度との関係とのうちの少なくともひとつの関係を含む前記第2の関係を算出する
    ことを特徴とする請求項4に記載の加工条件決定支援装置。
  6. 前記加工現象影響度算出部は、
    前記加工条件が入力されることで前記切削加工が行われる際に発生する加工現象が前記ワークの加工面に与える影響度を出力するよう機械学習を行った学習済みの推論器を持つ推論部を有し、
    前記推論部に前記加工条件が入力されることで前記加工条件と、前記切削加工が行われる際に発生する加工現象が前記ワークの加工面に与える影響度との関係である前記第2の関係を算出する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の加工条件決定支援装置。
  7. 切削加工における加工条件の決定を支援する加工条件決定支援装置であって、
    ワークの加工面の面粗さと、前記加工条件とをもとに、前記加工条件と前記加工面の面粗さとの関係である第1の関係を算出する面粗さ関数算出部と、
    前記加工条件と、前記切削加工が行われる際に発生する加工現象が前記ワークの加工面に与える影響度との関係である第2の関係を算出する加工現象影響度算出部と、
    前記面粗さ関数算出部によって算出された前記第1の関係と前記加工現象影響度算出部によって算出された前記第2の関係とをもとに、前記加工条件と前記切削加工の結果との関係を示す情報と、前記第2の関係を示す情報とを表示し、前記加工面の面粗さと、工作機械の駆動軸の一回転当たりの送り量と、前記駆動軸の送り速度とを変数とする曲面を、前記加工現象が前記ワークの加工面に与える影響度毎の複数の範囲に分割して表示する表示部と
    を備えることを特徴とする加工条件決定支援装置。
JP2020530700A 2019-04-26 2020-01-23 加工条件決定支援装置 Active JP6833118B1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2019/018084 WO2020217498A1 (ja) 2019-04-26 2019-04-26 加工条件決定支援装置及び加工条件決定装置
JPPCT/JP2019/018084 2019-04-26
PCT/JP2020/002365 WO2020217614A1 (ja) 2019-04-26 2020-01-23 加工条件決定支援装置及び機械学習装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6833118B1 true JP6833118B1 (ja) 2021-02-24
JPWO2020217614A1 JPWO2020217614A1 (ja) 2021-05-06

Family

ID=72940760

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020530700A Active JP6833118B1 (ja) 2019-04-26 2020-01-23 加工条件決定支援装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6833118B1 (ja)
CN (1) CN113711144B (ja)
WO (2) WO2020217498A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023012964A1 (ja) * 2021-08-05 2023-02-09 ファナック株式会社 機械学習装置、加工面品位を評価するシステム、及び機械学習用プログラム

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023218648A1 (ja) * 2022-05-13 2023-11-16 ファナック株式会社 工作機械の制御装置
WO2023223471A1 (ja) * 2022-05-18 2023-11-23 三菱電機株式会社 加工結果評価装置、加工結果評価方法、加工条件決定装置、および加工条件決定方法
WO2024029074A1 (ja) * 2022-08-05 2024-02-08 三菱電機株式会社 駆動条件決定装置および駆動条件決定方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58126039A (ja) * 1982-01-20 1983-07-27 Mitsubishi Electric Corp 数値制御加工機械の仕上面粗度設定方式
JP2003323204A (ja) * 2002-04-30 2003-11-14 Okuma Corp ボールエンドミル工具を用いた加工方法
JP2011039609A (ja) * 2009-08-06 2011-02-24 Okuma Corp 数値制御工作機械用の加工シミュレーション装置
JP2017030067A (ja) * 2015-07-30 2017-02-09 ファナック株式会社 加工時間測定機能とオンマシン測定機能を有する制御装置付き加工装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3869811B2 (ja) * 2003-02-27 2007-01-17 群馬県 切削加工における加工状態診断方法
JP4331097B2 (ja) * 2004-12-10 2009-09-16 株式会社東芝 表面粗さの計測方法および装置およびタービンの劣化診断方法
CN102681488B (zh) * 2012-05-24 2014-01-29 南京航空航天大学 一种铣削加工工件表面形貌的建模方法
CN102880771B (zh) * 2012-10-31 2014-12-03 贵州大学 高速切削加工中工件表面粗糙度的预测方法
JP2015074078A (ja) * 2013-10-11 2015-04-20 大同特殊鋼株式会社 切削条件設定方法及びそれを実行させるプログラム
JP2017154202A (ja) * 2016-03-01 2017-09-07 三菱電機株式会社 エンドミルによる加工方法および加工装置
CN106002490B (zh) * 2016-05-12 2017-12-26 西北工业大学 基于刀位轨迹和冗余剔除的铣削工件粗糙度监测方法
CN107414601B (zh) * 2017-08-09 2019-04-19 哈尔滨理工大学 内螺纹刀具磨损对加工表面粗糙度影响特性的检测方法
JP6599956B2 (ja) * 2017-10-23 2019-10-30 ファナック株式会社 工作機械の加工条件選定装置
CN107976956B (zh) * 2017-11-22 2020-04-03 沈阳机床股份有限公司 数控机床的多目标切削数据生成算法及切削参数优化方法
CN108549320B (zh) * 2018-03-28 2020-11-06 西北工业大学 一种基于粗糙度的钛合金铣削参数和刀具磨损控制方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58126039A (ja) * 1982-01-20 1983-07-27 Mitsubishi Electric Corp 数値制御加工機械の仕上面粗度設定方式
JP2003323204A (ja) * 2002-04-30 2003-11-14 Okuma Corp ボールエンドミル工具を用いた加工方法
JP2011039609A (ja) * 2009-08-06 2011-02-24 Okuma Corp 数値制御工作機械用の加工シミュレーション装置
JP2017030067A (ja) * 2015-07-30 2017-02-09 ファナック株式会社 加工時間測定機能とオンマシン測定機能を有する制御装置付き加工装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023012964A1 (ja) * 2021-08-05 2023-02-09 ファナック株式会社 機械学習装置、加工面品位を評価するシステム、及び機械学習用プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2020217614A1 (ja) 2021-05-06
WO2020217498A1 (ja) 2020-10-29
CN113711144A (zh) 2021-11-26
CN113711144B (zh) 2024-05-10
WO2020217614A1 (ja) 2020-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6833118B1 (ja) 加工条件決定支援装置
US20190025794A1 (en) Machine learning device, numerical control device, numerical control system, and machine learning method
JP4461256B2 (ja) 表面加工制御方法、及び表面加工制御プログラム
JP7383982B2 (ja) 工具寿命予測システム
Guzmán et al. Study of the geometrical inaccuracy on a SPIF two-slope pyramid by finite element simulations
JP6781242B2 (ja) 制御装置、機械学習装置及びシステム
JP6932352B2 (ja) プレスシステムおよびその制御方法
JP6719678B2 (ja) 数値制御装置
JP7101131B2 (ja) 数値制御システム
CN116522806A (zh) 抛光工艺参数优化方法、抛光系统、电子设备及存储介质
CN114509991B (zh) 考虑参数不确定的数控机床切削稳定性预测与优化方法
Denkena et al. Self-optimizing process planning for helical flute grinding
CN107491040B (zh) 具备使加工顺序最佳化的功能的程序生成装置
JP7433319B2 (ja) 材料の硬さを測定および計算するためのシステムおよび方法
EP3736648A1 (en) Method for autonomous optimization of a grinding process
KR20170124768A (ko) 공작 기계의 가공경로 보정방법
CN114616076A (zh) 磨削系统、校正量估计装置、计算机程序和磨削方法
JP6829271B2 (ja) 測定動作パラメータ調整装置、機械学習装置及びシステム
JP6687584B2 (ja) 加工プログラム解析装置およびこれを備えた工作機械、ならびに加工プログラム解析プログラムおよび加工プログラム解析方法
Marini et al. Three pass incremental sheet forming: A new strategy for the manufacture of brass musical instruments
Magomedov et al. Adjustment of Impact and Laser Systems when Engraving Materials with Indeterminate Characteristics
US10955819B2 (en) Control method for the movement of a tool and control device
Bhol et al. A Neuro-Genetic approach for multi-objective optimization of process variables in drilling
Maier Autonomous parameter selection of manufacturing processes with applications in grinding and turning
JP7332077B1 (ja) ロール研削機の異常振動予測方法、圧延ロールの研削方法、金属帯の圧延方法、ロール研削機の異常振動予測装置及びロール研削設備

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200604

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200604

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200604

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200915

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201021

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6833118

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250