JP6831910B2 - 補償光学装置、光学システム及び光波面補償方法 - Google Patents

補償光学装置、光学システム及び光波面補償方法 Download PDF

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Description

本発明は、補償光学装置、光学システム及び光波面補償方法に関する。
従来から大気揺らぎに起因する光波面の歪みに対して、光波面曲率補正手段を備える衛星搭載用光通信機器が知られている(例えば特許文献1参照)。
この光波面曲率補正手段は、光信号の波面曲率を補正する手段であり、光信号の強度と波面曲率との対応関係に基づいて補償光学ミラー(形状可変鏡)の鏡面を微小区間毎に変位させる。これによって、大気揺らぎによる影響を抑えることができる。また、波面モニタ用のセンサを用いて大気のゆらぎの影響を補償する機能を実現することもできる。
特開2000−68934号公報
しかし、特許文献1に記載の光波面曲率補正手段は、焦点制御ループの信号を利用して、波面の曲率のみを制御する方式である。一方、波面センサを用いれば、より高次の歪みを補正できるが、大気揺らぎが強い条件下においては補償性能が得られなくなってしまう。
上記課題を解決するため、補償光学装置は、大気伝搬した光を反射する反射面と、複数の駆動素子を有し該反射面の凹凸形状を変化させる駆動部と、を含む第1形状可変鏡と、前記第1形状可変鏡からの前記光を反射する反射面と、複数の駆動素子を有し該反射面の凹凸形状を変化させる駆動部と、を含む第2形状可変鏡と、前記第2形状可変鏡からの前記光を第1光路及び第2光路に分岐させる光路分岐部と、前記第1光路に設けられ、前記第1形状可変鏡が有する前記反射面及び前記駆動部に対応する反射面及び駆動部を含む第1副形状可変鏡と、前記第2光路に設けられ、前記第2形状可変鏡が有する前記反射面及び前記駆動部に対応する反射面及び駆動部を含む第2副形状可変鏡と、前記第1形状可変鏡及び前記第1副形状可変鏡からの前記光の光強度を検出する第1検出部と、前記第2形状可変鏡及び前記第2副形状可変鏡からの前記光の光強度を検出する第2検出部と、前記第1副形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させたときの前記第1検出部の検出値に基づき、前記第1形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新する第1最適化動作を実行する第1補償光学制御部と、前記第2副形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第2副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させたときの前記第2検出部の検出値に基づき、前記第2形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第2形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新する第2最適化動作を実行する第2補償光学制御部とを含む制御部と、を備える。
この構成によれば、最適化手法を用いた補償光学装置の制御速度を向上させることができ、大気揺らぎが強い条件下における揺らぎの変化に追従した高次の光波面の補償に最適化手法を適用することができ、高次の光波面の補償を精度良く行うことができる。
上記課題を解決するため、光波面補償方法は、大気伝搬した光を反射する反射面と、複数の駆動素子を有し該反射面の凹凸形状を変化させる駆動部と、を含む第1形状可変鏡と、前記第1形状可変鏡からの前記光を反射する反射面と、複数の駆動素子を有し該反射面の凹凸形状を変化させる駆動部と、を含む第2形状可変鏡と、前記第2形状可変鏡からの前記光を第1光路及び第2光路に分岐させる光路分岐部と、前記第1光路に設けられ、前記第1形状可変鏡が有する前記反射面及び前記駆動部に対応する反射面及び駆動部を含む第1副形状可変鏡と、前記第2光路に設けられ、前記第2形状可変鏡が有する前記反射面及び前記駆動部に対応する反射面及び駆動部を含む第2副形状可変鏡と、前記第1形状可変鏡及び前記第1副形状可変鏡からの前記光の光強度を検出する第1検出部と、前記第2形状可変鏡及び前記第2副形状可変鏡からの前記光の光強度を検出する第2検出部と、前記第1形状可変鏡及び前記第1副形状可変鏡のそれぞれの前記駆動部を制御する第1補償光学制御部と、前記第2形状可変鏡及び前記第2副形状可変鏡のそれぞれの前記駆動部を制御する第2補償光学制御部と、を備える補償光学装置の光波面補償方法であって、前記第1補償光学制御部が前記第1副形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させたときの前記第1検出部の検出値に基づき、前記第1形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新する第1最適化動作ステップと、前記第2補償光学制御部が前記第2副形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第2副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させたときの前記第2検出部の検出値に基づき、前記第2形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第2形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新する第2最適化動作ステップと、を有する。
この構成によれば、最適化手法を用いた補償光学装置の制御速度を向上させることができ、大気揺らぎが強い条件下における揺らぎの変化に追従した高次の光波面の補償に最適化手法を適用することができ、高次の光波面の補償を精度良く行うことができる。
本発明は、最適化手法を用いた補償光学装置の制御速度を向上させることができるという効果を奏する。
実施の形態1に係る補償光学装置を含む光学システムの構成例及びビーコンレーザ発振時におけるビーコンレーザの光路の構成例を示すブロック図である。 図1の光学システムの構成例及びメインレーザ発振時におけるメインレーザの光路の構成例を示すブロック図である。 図1の光学システムの補償光学装置の構成例を概略的に示す図である。 図1の光学システムの動作例を示すフローチャートである。 図1の光学システムの動作例を示すフローチャートである。 図1の光学システムの第1最適化動作の動作例を示すブロック図である。 図1の光学システムの最適化動作の動作例を示すタイムチャートである。 実施の形態2に係る補償光学装置を含む光学システムの構成例及びビーコンレーザ発振時におけるビーコンレーザの光路の構成例を示すブロック図である。 図8の光学システムの制御系統の構成例を概略的に示すブロック図である。 図8の光学システムの動作例を示すフローチャートである。 実施の形態3に係る補償光学装置を含む光学システムの動作例を示すフローチャートであり、第1最適化動作を示す図である。 図11の光学システムの動作例を示すフローチャートであり、第2最適化動作を示す図である。 実施の形態4に係る補償光学装置を含む光学システムの構成例、及びビーコンレーザの発振時におけるビーコンレーザの光路の構成例を示すブロック図である。 図13の光学システムの制御系統の構成例を概略的に示すブロック図である。 実施の形態5に係る補償光学装置を含む光学システムの構成例及びビーコンレーザ発振時におけるビーコンレーザの光路の構成例を示すブロック図である。 図15の光学システムの動作例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下では、全ての図を通じて、同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る補償光学装置1を含む光学システム100の構成例及びビーコンレーザ発振時におけるビーコンレーザの光路の構成例を示すブロック図である。
光学システム100は、レーザ発振器(後述するビーコンレーザ発振器7及び高出力レーザ発振器101)を含み、例えばレーザ光を大気中において長距離(例えば数km以上)に亘り、地上近傍を含む領域を伝搬し、照射対象物Aに照射する用途に用いられる。この用途においては、太陽日射によって地面が暖められると、そこからの対流が生じ、これが乱流となり、大気中において、温度分布の不均一が生じた状態、すなわち大気揺らぎが発生する。この温度分布の不均一は、この空間を伝搬する光の屈折率の不均一に対応し、光波面を歪ませ、集光度の劣化、レーザビーム到達位置の揺動等を発生させる。光学システム100は、これら集光度の劣化、レーザビーム到達位置の揺動等を補償するための補償光学装置1を備える。照射対象物Aとは、例えば飛行機等の高速で移動する飛翔物体である。
補償光学装置1は、例えば最適化手法を用いて大気揺らぎに起因する集光度の劣化、レーザビーム到達位置の揺動等を補償する装置である。最適化手法として、例えば確率的並列勾配降下法(Stochastic Parallel Gradient Descent, SPGD)を用いることができるが、これに限られるものではなく、これに代えて、例えば遺伝的アルゴリスムを用いてもよい。以下では、確率的並列勾配降下法を用いた構成について詳述する。
補償光学装置1は、拡大光学系2と、高速ステアリングミラー3と、第1形状可変鏡4と、第2形状可変鏡5と、波長分離鏡6と、ビーコンレーザ発振器7と、第1メトリックセンサ8と、第2メトリックセンサ9と、チルトセンサ10と、第1ビームスプリッタ11と、第2ビームスプリッタ12と、第3ビームスプリッタ13と、第1副形状可変鏡14と、第2副形状可変鏡15と、制御部20とを含む。
ビーコンレーザ発振器(BL)7は、レーザ光を発振する機器であり、照射対象物Aからの反射光を第1メトリックセンサ8、第2メトリックセンサ9及びチルトセンサ10で検知可能なレベルの出力のレーザ光、すなわちビーコンレーザを発振する。そして、ビーコンレーザ発振器7から発振されたレーザ光は、第1ビームスプリッタ11を通り、波長分離鏡6、第2形状可変鏡5、第1形状可変鏡4、高速ステアリングミラー3、拡大光学系2をこの順に経て、光学システム100の外部へ出射され、大気伝搬した光として照射対象物Aに至る。当該光路が、光学システム100(補償光学装置1)における往路側の光路を構成する。
また、照射対象物Aにおいて反射されたレーザ光は、大気伝搬した光として光学システム100に入射し、拡大光学系2、高速ステアリングミラー3、第1形状可変鏡4、第2形状可変鏡5、波長分離鏡6、第1ビームスプリッタ11、第2ビームスプリッタ12をこの順に経てチルトセンサ10へ至る。そして、このとき第2ビームスプリッタ12に至った光の一部は、第3ビームスプリッタ13、第1副形状可変鏡14をこの順に経て第1メトリックセンサ8へ至る。また、このとき第3ビームスプリッタ13に至った光の一部は、第2副形状可変鏡15を経て第2メトリックセンサ9へ至る。これら照射対象物Aから第1メトリックセンサ8、第2メトリックセンサ9及びチルトセンサ10に至るそれぞれの光路が、光学システム100(補償光学装置1)の復路側の光路を構成する。そして、往路側の光路のうち照射対象物Aと波長分離鏡6(第2形状可変鏡5)との間の区間の光路と、復路側の光路の同区間の光路は同一経路となっている。なお、レーザ光の光路における上記要素の順序は上記順序に限られるものではない。例えば、第1形状可変鏡4及び第2形状可変鏡5の順序を入れ替えてもよい。
拡大光学系(LBD)2は、出射するレーザ光のビーム径を所定の寸法に拡大する機能を備え、例えば図示しない非球面形状の反射ミラー等を含む。拡大光学系2は、例えば往路側の光路における補償光学装置1の内部区間の終端位置、すなわち復路側の光路の補償光学装置1の内部区間の始端位置に配設される。
高速ステアリングミラー(FSM)3は、波面のチップ−チルト成分の補正動作可能に構成され、チップ−チルト制御部33から受信した駆動信号に基づいて入射する光の反射方向を変更し、出射光の方向(レーザ光の照射方向)を制御する。これによって、高速ステアリングミラー3から出射する往路のレーザ光が大気揺らぎの影響を受けた後に、照射対象物Aの所定位置に照射される方向に調整される。
図3は、補償光学装置1の構成例を概略的に示す図である。
第1形状可変鏡(DM1)4は、図3に示すように、レーザ光を反射する反射面21と、反射面21の凹凸形状を変化させる駆動部22とを含む。第1形状可変鏡4は、反射面21の凹凸形状を変化させることによって、レーザ光の波面誤差を補償するように用いられる。また、第1形状可変鏡4は、ストローク幅が大きく駆動素子数が少ない一方で応答性能が低い、すなわち長ストローク低速の形状可変鏡であり、例えば主としてレーザ光のゼルニケ多項式における比較的低次の波面誤差の補償に適用することができるように構成されている。駆動部22は、複数の駆動素子23と第1形状可変鏡ドライバ24とを備える。そして、第1形状可変鏡ドライバ24は、後述する第1補償光学制御部31から受信した駆動信号に基づいて各駆動素子23を動作させる。第1形状可変鏡4の反射面21は、復路側の光路において、大気伝搬した光を反射する。また、第1形状可変鏡4の反射面21は、往路側の光路において、第2形状可変鏡5からのレーザ光を反射する。
第1副形状可変鏡(DM1s)14は、レーザ光を反射する反射面51と、反射面51の凹凸形状を変化させる駆動部52とを含み、第1形状可変鏡4と対をなす。反射面51は、第1形状可変鏡4が有する反射面21に対応する反射面である。駆動部52は、第1形状可変鏡4が有する駆動部22に対応する駆動部である。駆動部52は、複数の駆動素子53と第1副形状可変鏡ドライバ54とを備える。そして、第1副形状可変鏡ドライバ54は、後述する第1補償光学制御部31から受信した駆動信号に基づいて各駆動素子53を動作させる。第1副形状可変鏡14は、第1形状可変鏡4の補償動作に必要とされる性能を備え、好ましくは第1形状可変鏡4と同一に構成される。すなわち、第1副形状可変鏡14の各駆動素子53は、第1形状可変鏡4の複数の駆動素子23の何れか1と1対1の対応関係で対応づけられている。そして、第1副形状可変鏡14の反射面51の裏面に配設された各駆動素子53の位置は、対応づけられている第1形状可変鏡4の駆動素子23と互いに同じ位置に配置され、第1副形状可変鏡14における駆動素子53の分布と、第1形状可変鏡4における駆動素子23の分布は同一に構成されている。第1副形状可変鏡14は、復路側の光路において、後述する第1光路L1に設けられ、第2形状可変鏡5において反射され、第3ビームスプリッタ13を経由した光を反射する。
第2形状可変鏡(DM2)5は、レーザ光を反射する反射面26と、反射面26の凹凸形状を変化させる駆動部27とを含む。第2形状可変鏡5は、第1形状可変鏡4と同様に、反射面26の凹凸形状を変化させることによって、レーザ光の波面誤差を補償するように用いられる。また、第2形状可変鏡5は、ストローク幅が小さく駆動素子数が多い一方で応答性能が高い、すなわち短ストローク高速の形状可変鏡であり、例えば主としてレーザ光のゼルニケ多項式における比較的高次の波面誤差の補償に適用することができるように用いられる。駆動部27は、駆動素子28と第2形状可変鏡ドライバ29とを備える。そして、後述する第2補償光学制御部32から受信した駆動信号に基づいて各駆動素子28を動作させる。第2形状可変鏡5の反射面26は、復路側の光路において、第1形状可変鏡4からのレーザ光を反射する。また、第2形状可変鏡5の反射面26は、往路側の光路において、波長分離鏡6からのレーザ光、すなわち、ビーコンレーザ発振器7及び高出力レーザ発振器101において発振され、同一光路上に重畳されたレーザ光を反射する。
第2副形状可変鏡(DM2s)15は、レーザ光を反射する反射面56と、反射面56の凹凸形状を変化させる駆動部57とを含み、第2形状可変鏡5と対をなす。反射面56は、第2形状可変鏡5が有する反射面26に対応する反射面である。駆動部57は、第2形状可変鏡5が有する駆動部27に対応する駆動部である。駆動部57は、複数の駆動素子58と第2副形状可変鏡ドライバ59とを備える。そして、第2副形状可変鏡ドライバ59は、後述する第2補償光学制御部32から受信した駆動信号に基づいて各駆動素子58を動作させる。第2副形状可変鏡15は、第2形状可変鏡5の補償動作に必要とされる性能を備え、好ましくは第2形状可変鏡5と同一に構成される。すなわち、第2副形状可変鏡15の各駆動素子58は、第2形状可変鏡5の複数の駆動素子28の何れか1と1対1の対応関係で対応づけられている。そして、第2副形状可変鏡15の反射面56の裏面に配設された各駆動素子58の位置は、対応づけられている第2形状可変鏡5の駆動素子28と互いに同じ位置に配置され、第2副形状可変鏡15における駆動素子58の分布と、第2形状可変鏡5における駆動素子28の分布は同一に構成されている。第2副形状可変鏡15は、復路側の光路において、後述する第1光路L1とは異なる第2光路L2に設けられ、第2形状可変鏡5において反射され、第3ビームスプリッタ13を経由した光を反射する。
第1形状可変鏡4、第2形状可変鏡5、第1副形状可変鏡14及び第2副形状可変鏡15は、例えばスタックアレイタイプの形状可変鏡であり、表面に誘電体多層膜等の高反射コーティングが施されたミラー面を構成する薄いガラス基板の裏面に複数の駆動素子(ピエゾアクチュエータ)(駆動素子23、駆動素子28、駆動素子53、駆動素子58)を接着して構成される。複数の駆動素子は、反射面の裏面に並ぶように配設されている。駆動素子は、印加する電圧に応じて反射面の法線方向(すなわち面外方向)に伸縮動作する。そして、複数の駆動素子の伸縮動作の組合せを変化させることによって、反射面の形状を変化させることができる。したがって、形状可変鏡の駆動素子の数(チャネル数)が増加するに従って、製造コストは上昇するものの複雑な凹凸形状を形成することができ、ゼルニケ多項式におけるより高次の波面誤差の補償に適用することができる。したがって、駆動素子の数は、補償する波面誤差の次数範囲に応じて選択される。本実施の形態において、第1形状可変鏡4及び第1副形状可変鏡14の駆動素子の数は、例えば9個であり、第2形状可変鏡5及び第2副形状可変鏡15の駆動素子の数は、例えば37個である。
また、第2形状可変鏡5の駆動部27及び第2副形状可変鏡15の駆動部57の最大変位量(ストローク幅)は、第1形状可変鏡4の駆動部22及び第1副形状可変鏡14の駆動部52の最大変位量(ストローク幅)よりも小さく構成されている。例えば、第1形状可変鏡4及び第1副形状可変鏡14のストローク幅は、2μmであり、第2形状可変鏡5及び第2副形状可変鏡15のストローク幅は、80nmである。そして、単独の形状可変鏡は、ストローク幅が大きくなるに従って、ゼルニケ多項式におけるより低次の波面誤差の補償を行うことができるものの、応答性が低下する。形状可変鏡は、ストローク幅が小さくなるに従って、ゼルニケ多項式におけるより低次の波面誤差の補償を行うことが困難になる一方で、応答性が向上する。例えば、ストローク幅が大きい第1形状可変鏡4の反射面21及び第1副形状可変鏡14の反射面51の形状変更動作の応答周波数は10kHzであり、ストローク幅が小さい第2形状可変鏡5の反射面26及び第2副形状可変鏡15の反射面56の形状変更動作の応答周波数は50kHzである。このように、第1形状可変鏡4及び第1副形状可変鏡14は、長ストローク低速の低次の波面歪み補正用の形状可変鏡であり、第2形状可変鏡5及び第2副形状可変鏡15は短ストローク高速の高次の波面歪み補正用の形状可変鏡である。
本実施の形態において、第1形状可変鏡4、第2形状可変鏡5、第1副形状可変鏡14及び第2副形状可変鏡15はスタックアレイタイプの形状可変鏡としたがこれに限られるものではない。これに代えて、バイモルフタイプ,MEMSタイプの形状可変鏡としてもよい。
波長分離鏡(DCM)6は、図1に示すように、レーザ光の波長毎に反射する波長と透過する波長を選別する。すなわち、ビーコンレーザ発振器7により発振されたレーザ光(ビーコンレーザ)の波長と、高出力レーザ発振器101により発振されたレーザ光(メインレーザ)の波長は、異なる波長となるように選択する。それにより、例えばビーコンレーザを透過し、メインレーザを反射する波長分離鏡6とした場合、往路側において、ビーコンレーザとメインレーザを同軸に重畳させることができる。また、復路側においては、波長分離鏡6を透過する光を導光することで、メインレーザの戻り光(照射対象物Aにおいて反射されたメインレーザ)と分離したビーコンレーザの戻り光(照射対象物Aにおいて反射されたビーコンレーザ)を選択することができる。波長分離鏡6におけるビーコンレーザとメインレーザの各波長に対する透過と反射は、逆に構成することも可能である。
第1メトリックセンサ(MS1)(第1検出部)8は、復路側の光路において、第1形状可変鏡4及び第1副形状可変鏡14からのレーザ光の光強度を検出し、検出値を出力する。第1メトリックセンサ8は、復路側の光路において第3ビームスプリッタ13によって分岐された第1光路L1上に設けられている。第1メトリックセンサ8から出力された検出値は第1補償光学制御部31に入力される。
第2メトリックセンサ(MS2)(第2検出部)9は、復路側の光路において、第2形状可変鏡5及び第2副形状可変鏡15からのレーザ光の光強度を検出し、検出値を出力する。第2メトリックセンサ9は、復路側の光路において第3ビームスプリッタ13によって分岐された第1光路L1と異なる光路である第2光路L2上に設けられている。第2メトリックセンサ9から出力された検出値は第2補償光学制御部32に入力される。
第1メトリックセンサ8及び第2メトリックセンサ9は、それぞれ例えば集光レンズ41及び集光レンズ41の集光点に配置された適切な直径を有するピンホール42を通ったレーザ光の光強度を検知するセンサ本体43を含む。センサ本体43は、フォトダイオード等の高速光検出素子であり、所望の入射波面状態で検出値が最大となるように構成されている。これによって、メトリックセンサは、レーザ光の集光性の度合いを検知するように構成されている。なお、第1メトリックセンサ8及び第2メトリックセンサ9が検出する光は、ビーコンレーザ発振器7から発振された光に限られるものではない。
チルトセンサ(TS)10は、照射対象物Aにおいて反射したレーザ光が大気揺らぎの影響を受けて光学システム100に入射した時の光波面の傾き成分(チップ−チルト成分)に相当する集光位置の中心軸からのずれ量を検知し、これを出力する。チルトセンサ10から出力された検出値は、チップ−チルト制御部33に入力される。
制御部20は、例えばマイクロコントローラ、CPU、ASIC、FPGA等のプログラマブルロジックデバイス(PLD)などの演算器で構成される。制御部20は、集中制御する単独の制御器で構成されていてもよく、互いに協働して分散制御する複数の制御器で構成されてもよい。また、制御部20は、各種プログラム及びデータを記憶する記憶部(図示せず)を備えている。制御部20は、第1補償光学制御部31と、第2補償光学制御部32と、チップ−チルト制御部33とを含む。第1補償光学制御部31、第2補償光学制御部32及びチップ−チルト制御部33は、それぞれ記憶部に格納された所定の制御プログラムを制御部20が実行することにより実現される機能ブロックとして構成してもよい。
第1補償光学制御部(SPGD AO1)31は、第1メトリックセンサ8から受信した検出値に基づき第1形状可変鏡4の駆動部22及び第1副形状可変鏡14の駆動部52を制御する。すなわち、第1補償光学制御部31は第1形状可変鏡ドライバ24を介して複数の駆動素子23の動作を制御し、反射面21の凹凸形状を変化させる。また、第1補償光学制御部31は、第1副形状可変鏡ドライバ54を介して複数の駆動素子53の動作を制御し、反射面51の凹凸形状を変化させる(図3参照)。第1補償光学制御部31は、第1最適化動作を実行可能に構成されている(詳細は後述)。第1補償光学制御部31は、第1形状可変鏡4に対する制御信号、及び第1副形状可変鏡14に対する制御信号を出力する。
第2補償光学制御部(SPGD AO2)32は、第2メトリックセンサ9から受信した検出値に基づき第2形状可変鏡5の駆動部27及び第2副形状可変鏡15の駆動部57を制御する。すなわち、第2補償光学制御部32は第2形状可変鏡ドライバ29を介して複数の駆動素子28の動作を制御し、反射面26の凹凸形状を変化させる。また、第2補償光学制御部32は、第2副形状可変鏡ドライバ59を介して複数の駆動素子58の動作を制御し、反射面56の凹凸形状を変化させる(図3参照)。第2補償光学制御部32は、第2最適化動作を実行可能に構成されている(詳細は後述)。第2補償光学制御部32は、第2形状可変鏡5に対する制御信号、及び第2副形状可変鏡15に対する制御信号を出力する。
チップ−チルト制御部33は、チルトセンサ10から受信した検出値に基づき復路におけるレーザ光が大気揺らぎの影響を受けて光学システム100に入射した時の光波面の傾き成分(チップ−チルト成分)を算出する。そして、チルトセンサ10における光波面の傾き成分がゼロになるように、すなわち往路側が復路側と同じ傾き成分となるように高速ステアリングミラー3の動作を制御するための高速ステアリングミラー3に対する制御信号を出力する。
第1ビームスプリッタ11、第2ビームスプリッタ12及び第3ビームスプリッタ13は、入射する光を部分的に反射し、その余の光を透過することによって、レーザ光を異なる光路に分岐させたり、光路の異なる複数のレーザ光の光路を一つの光路に合流(重畳)させたりする。
第1ビームスプリッタ11は、復路側の光路において、波長分離鏡6から入射するレーザ光の一部を第2ビームスプリッタ12に向かって反射する。また、第1ビームスプリッタ11は、往路側の光路において、ビーコンレーザ発振器7から出射されたレーザ光を、波長分離鏡6から第1ビームスプリッタ11に入射する復路側の光路と同一の光路上に載せる(重畳させる)。
第2ビームスプリッタ12は、復路側の光路において、第1ビームスプリッタ11から入射するレーザ光を部分的に反射し、反射されたレーザ光を第3ビームスプリッタ13に向けて出射する。また、第2ビームスプリッタ12は、その余のレーザ光を透過し、透過したレーザ光は、チルトセンサ10に入射する。
第3ビームスプリッタ(光路分岐部)13は、復路側の光路において、第2形状可変鏡5からの光を第1光路L1及び第2光路L2に分岐させる。すなわち、第3ビームスプリッタ13は、復路側の光路において、第2ビームスプリッタ12から入射するレーザ光を部分的に反射し、反射されたレーザ光を第1副形状可変鏡14に向けて出射する。また、第3ビームスプリッタ13は、その余のレーザ光を透過し、透過したレーザ光を第2副形状可変鏡15に向けて出射する。これによって、第1副形状可変鏡14の反射面51の形状変化が第2メトリックセンサ9の検出値に影響することを防ぐことができ、また、第2副形状可変鏡15の反射面56の形状変化が第1メトリックセンサ8の検出値に影響することを防ぐことができる。
図2は、光学システム100の構成例及びメインレーザ発振時におけるメインレーザの光路の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、光学システム100は、高出力レーザ発振器101を含む。高出力レーザ発振器101は、レーザ光を発振する機器であり、高出力のレーザ光、すなわちメインレーザを発振する。メインレーザの波長は、ビーコンレーザの波長と異なるように構成される。そして、高出力レーザ発振器101から発振されたレーザ光は、波長分離鏡6、第2形状可変鏡5、第1形状可変鏡4、高速ステアリングミラー3、拡大光学系2をこの順に経て、光学システム100の外部へ出射され、大気伝搬し、照射対象物Aに至る。波長分離鏡6(第2形状可変鏡5)と照射対象物Aとの間の区間の光路は、同区間におけるビーコンレーザの光路と同一経路となっている。
[動作例]
次に、光学システム100の動作例を説明する。
(第1最適化動作の動作例)
図4は、光学システム100の第1最適化動作の動作例を示すフローチャートである。図6は、光学システム100の第1最適化動作の動作例を示すブロック図である。
まず、ビーコンレーザ発振器7がレーザ光を発振すると、発振されたレーザ光は、第1ビームスプリッタ11を通り、波長分離鏡6、第2形状可変鏡5、第1形状可変鏡4、高速ステアリングミラー3、拡大光学系2をこの順に経て、光学システム100の外部へ出射され、大気伝搬し、照射対象物Aに至る。そして、照射対象物Aにて反射されたレーザ光は、大気伝搬した光として光学システム100に入射し、拡大光学系2、高速ステアリングミラー3、第1形状可変鏡4、第2形状可変鏡5、波長分離鏡6、第1ビームスプリッタ11、第2ビームスプリッタ12、第3ビームスプリッタ13、第1副形状可変鏡14をこの順に経て第1メトリックセンサ8に至り、第1メトリックセンサ8によって、大気揺らぎの影響を受けた反射光の光強度が検知される。
そして、第1補償光学制御部31が以下の第1最適化動作を繰り返し実行する。その結果、大気揺らぎ条件に応じて決まる大気揺らぎ状態変化の周期T(図7参照)以内に、その最適化過程が収束する。その収束周期T1(図7参照)における繰返し回数は例えば15回と想定される。第1最適化動作は、第1副形状可変鏡14の駆動部52を制御して第1副形状可変鏡14の反射面51の凹凸形状を変化させたときの第1メトリックセンサ8の検出値に基づき、第1形状可変鏡4の駆動部22を制御して第1形状可変鏡4の反射面の凹凸形状を更新する動作である。
すなわち、第1最適化動作において、第1補償光学制御部31は、まず、第1副形状可変鏡14のチャネル数と同数の成分を有する乱数行列Rを発生させる(ステップS11)。
次に、第1補償光学制御部31は、以下の式(1)に従ってVを算出する。
=V+R・ΔV ・・・ (1)
但し、
は、第1最適化動作時におけるプラス方向への摂動時の第1副形状可変鏡の駆動素子への印加電圧行列
は、第1基準形状における第1副形状可変鏡への印加電圧行列
ΔVは、所定の摂動振幅に対応する所定の電圧
そして、第1補償光学制御部31は、第1副形状可変鏡14の各駆動素子53に、各駆動素子53に対応するVの要素に係る電圧を印加することにより、第1副形状可変鏡14の反射面51の凹凸形状を第1基準形状から第1形状に変化させ、第1副形状可変鏡14の反射面51をプラス方向に摂動させる(プラスディザを与える)(ステップS12)。上記式(1)に示すように、第1形状は、第1副形状可変鏡14の複数の駆動素子53に対して、第1最適化動作を実行する度にランダムに選択される第1形状変化量を第1基準形状に加算して規定される第1副形状可変鏡14の反射面51の形状である。第1形状変化量は、第1副形状可変鏡14の複数の駆動素子53のそれぞれについてランダムに選択される動作量によって規定される。このように形状変化量をランダムに選択することによって、第1最適化動作において局所最適に陥ることを効果的に防止することができる。なお、本実施の形態において、Rは1又は−1のうち1をランダムに選択した行列であり、ΔVは所定値である。
次に、第1補償光学制御部31は、第1形状可変鏡4、第2形状可変鏡5、反射面51を+(プラス)方向に摂動させた第1副形状可変鏡14をこの順に経て第1メトリックセンサ8に至った反射光の光強度Jを取得する(ステップS13)。
次に、第1補償光学制御部31は、以下の式(2)に従ってVを算出する。
=V−R・ΔV ・・・ (2)
但し、
は、第1最適化動作時におけるマイナス方向への摂動時の第1副形状可変鏡の駆動素子への印加電圧行列
そして、第1補償光学制御部31は、第1副形状可変鏡14の各駆動素子53に、各駆動素子53に対応するVの要素に係る電圧を印加することにより、第2形状に変化させ、第1副形状可変鏡14の反射面51をマイナス方向に摂動させる(マイナスディザを与える)(ステップS14)。上記式(2)に示すように、第2形状は、第1副形状可変鏡14の反射面51の凹凸形状が第1形状と第1基準形状に対して対称となる形状である。
次に、第1補償光学制御部31は、第1形状可変鏡4、第2形状可変鏡5、反射面51を−(マイナス)方向に摂動させた第1副形状可変鏡14をこの順に経て第1メトリックセンサ8に至った反射光の光強度Jを取得する(ステップS15)。
次に、第1補償光学制御部31は、以下の式(3)(4)に従って形状変化量Cを算出する(ステップS16)。
C=G・R・ΔJ・ΔV ・・・ (3)
ΔJ=J−J ・・・ (4)
但し、
Gはこの最適化制御におけるゲインであり、所定値である。
次に、第1補償光学制御部31は、第1形状可変鏡4の各駆動素子23に、各駆動素子23に対応する以下の式(5)のVn+1の要素に係る電圧を印加することにより、第1形状可変鏡4の反射面21の形状を更新する(ステップS17)。
n+1=V+C ・・・ (5)
但し、
は、n(nは1以上の整数)回目の第1最適化動作前の第1形状可変鏡への印加電圧行列
上記式(1)〜(5)に示すように、確率的並列勾配降下法を用いた最適化手法において、第1メトリックセンサ8の検出値が当該最適化手法における評価関数を構成する。上記ステップS11からステップS17が第1最適化動作を構成する。
このように、第1補償光学制御部31は、第1最適化動作において、第1副形状可変鏡14の反射面51の凹凸形状を第1形状及び第2形状のうち第1メトリックセンサ8が検出した光強度が強い一方の形状に向かって変化させ、第1形状可変鏡4の反射面21の凹凸形状を更新する。すなわち、光強度Jの値が光強度Jよりも大きい時はΔJの値は正となり、形状変化量Cの値は第1形状可変鏡4の反射面21の凹凸形状をn回目の第1最適化動作開始時の形状よりも第1形状側に変化させる値を示す。一方、光強度Jの値が光強度Jよりも小さい時はΔJの値は負となり、形状変化量Cの値は第1形状可変鏡4の反射面21の凹凸形状をn回目の第1最適化動作開始時の形状よりも第2形状側に変化させる値を示す。すなわち、第1補償光学制御部31は、光強度が強くなる方向に第1形状可変鏡4の反射面21の凹凸形状を変化させるように形状変化量Cを算出し、第1形状可変鏡4の反射面21の凹凸形状を更新する。
また、上記式(3)に示すように、形状変化量Cの値は、第1形状可変鏡4の反射面21の凹凸形状が収束形状に近づき、ΔJの値が小さくなるに従って小さくなるので、第1形状可変鏡4の反射面21の凹凸形状を適切に収束させることができる。
次に、第1補償光学制御部31は、第1最適化動作を終了すると判定するまで(ステップS18においてYesと判定するまで)、再びステップS11にかかる動作を実行する(ステップS18)。なお、ステップS18における判定を行わず、再びステップS11に係る動作を実行してもよい。大気揺らぎの影響によって集光度が劣化し、集光点でのビーム径が拡がると、集光点に設置されたピンホール等の微小開口を通過する光強度が弱くなる。第1補償光学制御部31は、最適化手法を用いてこのレーザ光の集光点における中心部の光強度を最大値に近づけるように第1形状可変鏡4の反射面21の凹凸形状を繰り返し更新する。
なお、第1補償光学制御部31は、ステップS16を実行するタイミングにおいて、第1副形状可変鏡14の初期化動作を実行してもよい。第1副形状可変鏡14の初期化動作は、第1副形状可変鏡14の反射面51を第1基準形状に変化させる動作であり、第1副形状可変鏡14の各駆動素子53に対応するVの要素に係る電圧を印加することにより、第1副形状可変鏡14の反射面51の凹凸形状を第2形状から第1基準形状に変化させる動作である。これによって、第1最適化動作前後の第1メトリックセンサ8の検出値に、第1副形状可変鏡14の形状変化が影響を与えることを防止することができる。
(第2最適化動作の動作例)
図5は、光学システム100の第2最適化動作の動作例を示すフローチャートである。
また、照射対象物Aにて反射されたレーザ光は、大気伝搬した光として光学システム100に入射し、拡大光学系2、高速ステアリングミラー3、第1形状可変鏡4、第2形状可変鏡5、波長分離鏡6、第1ビームスプリッタ11、第2ビームスプリッタ12、第3ビームスプリッタ13、第2副形状可変鏡15をこの順に経て第2メトリックセンサ9に至り、第2メトリックセンサ9によって、大気揺らぎの影響を受けた反射光の光強度が検知される。
そして、第1補償光学制御部31が第1最適化動作を繰り返し実行するのと並行して、第2補償光学制御部32が第2最適化動作を繰り返し実行する。その結果、大気揺らぎ条件に応じて決まる大気揺らぎ状態変化の周期T(図7参照)以内に、その最適化過程が収束する。その収束周期T1(図7参照)における繰返し回数は例えば75回と想定される。第2最適化動作は、第1最適化動作と同じタイミングで収束するように構成されている。第2最適化動作は、第2副形状可変鏡15の駆動部57を制御して第2副形状可変鏡15の反射面56の凹凸形状を変化させたときの第2メトリックセンサ9の検出値に基づき、第2形状可変鏡5の駆動部27を制御して第2形状可変鏡5の反射面26の凹凸形状を更新する動作である。
すなわち、第2最適化動作において、第2補償光学制御部32は、まず、第2副形状可変鏡15のチャネル数と同数の成分を有する乱数行列Rを発生させる(ステップS21)。
次に、第2補償光学制御部32は、Vを算出する。Vの算出は上記式(1)と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
そして、第2補償光学制御部32は、第2副形状可変鏡15の各駆動素子58に、各駆動素子58に対応するVの要素に係る電圧を印加することにより、第2副形状可変鏡15の反射面56の凹凸形状を所定の第2基準形状から第3形状に変化させ、第2副形状可変鏡15の反射面56をプラス方向に摂動させる(プラスディザを与える)(ステップS22)。第1最適化動作における第1形状と同様に、第3形状は、第2副形状可変鏡15の複数の駆動素子58に対して、第2最適化動作を実行する度にランダムに選択される第2形状変化量を基準形状に加算して規定される第2副形状可変鏡15の反射面56の形状である。第2形状変化量は、第2副形状可変鏡15の複数の駆動素子58のそれぞれについてランダムに選択される動作量によって規定される。
次に、第2補償光学制御部32は、第1形状可変鏡4、第2形状可変鏡5、反射面56を+(プラス)方向に摂動させた第2副形状可変鏡15をこの順に経て第2メトリックセンサ9に至った反射光の光強度Jを取得する(ステップS23)。
次に、第2補償光学制御部32は、Vを算出する。Vの算出は上記式(2)と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
そして、第2補償光学制御部32は、第2副形状可変鏡15の各駆動素子58に、各駆動素子58に対応するVの要素に係る電圧を印加することにより、第4形状に変化させ、第2副形状可変鏡15の反射面56をマイナス方向に摂動させる(マイナスディザを与える)(ステップS24)。第1形状と第2形状との関係と同様に、第4形状は、第2副形状可変鏡15の反射面56の凹凸形状が第3形状と第2基準形状に対して対称となる形状である。
次に、第2補償光学制御部32は、第1形状可変鏡4、第2形状可変鏡5、反射面56を−(マイナス)方向に摂動させた第2副形状可変鏡15をこの順に経て第2メトリックセンサ9に至った反射光の光強度Jを取得する(ステップS25)。
次に、第2補償光学制御部32は、形状変化量Cを算出する(ステップS26)。Vの算出は上記式(3)(4)と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
次に、第2補償光学制御部32は、第2形状可変鏡5の各駆動素子28に、Vn+1の要素に係る電圧を印加することにより、第2形状可変鏡5の反射面26の形状を更新する(ステップS27)。Vn+1の算出は上記式(5)と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
第1最適化動作と同様に、第2最適化動作において、第2メトリックセンサ9の検出値が当該最適化手法における評価関数を構成する。上記ステップS21からステップS27が第2最適化動作を構成する。
このように、第2補償光学制御部32は、第2最適化動作において、第2副形状可変鏡15の反射面56の凹凸形状を第3形状及び第4形状のうち第2メトリックセンサ9が検出した光強度が強い一方の形状に向かって変化させ、第2形状可変鏡5の反射面26の凹凸形状を更新する。
次に、第2補償光学制御部32は、第2最適化動作を終了すると判定するまで(ステップS28においてYesと判定するまで)、再びステップS11にかかる動作を実行する(ステップS28)。なお、ステップS28における判定を行わず、再びステップS11に係る動作を実行してもよい。
なお、第2補償光学制御部32は、ステップS26を実行するタイミングにおいて、第2副形状可変鏡15の初期化動作を実行してもよい。第2副形状可変鏡15の初期化動作は、第2副形状可変鏡15の反射面56を第2基準形状に変化させる動作であり、第2副形状可変鏡15の各駆動素子58に対応するVの要素に係る電圧を印加することにより、第2副形状可変鏡15の反射面56の凹凸形状を第4形状から第2基準形状に変化させる動作である。これによって、第2最適化動作前後の第2メトリックセンサ9の検出値に、第2副形状可変鏡15の形状変化が影響を与えることを防止することができる。
そして、第3ビームスプリッタ13によって光路が第1光路L1及び第2光路L2に分岐されているので、第1最適化動作の上記ステップS12及びステップS14における第1副形状可変鏡14の形状変化(摂動)が、第2最適化動作における第2メトリックセンサ9の検出値、すなわち最適化における評価関数に影響を与え、第2最適化動作に干渉することを防ぐことができる。同様に、第2最適化動作の上記ステップS22及びステップS24における第2副形状可変鏡15の形状変化(摂動)が、第1最適化動作における第1メトリックセンサ8の検出値、すなわち最適化における評価関数に影響を与え、第2最適化動作に干渉することを防ぐことができる。
図7は、光学システム100の最適化動作の動作例を示すタイムチャートである。
そして、図7に示すように、大気揺らぎの変化の周期T以内の時間帯T1で収束するように、第1補償光学制御部31は第1最適化動作を周期Taで繰り返し実行し、第2補償光学制御部32は第2最適化動作を周期Tbで繰り返し実行する。第1最適化動作の周期Taは、例えば0.3msであり、例えば15回程度で収束する。また、第2最適化動作の周期Tbは、例えば60μsであり、例えば75回程度で収束する。従って、この場合、第1最適化動作及び第2最適化動作は、4.5msで第1形状可変鏡4及び第2形状可変鏡5の反射面の凹凸形状を収束させるように構成されている。この構成において、大気補償制御バンド幅は270Hz程度が得られる。
以上に説明したように、補償光学装置1は、メトリックセンサ(第1メトリックセンサ8及び第2メトリックセンサ9)の検出値を評価関数として形状可変鏡の反射面の凹凸形状を繰り返し変化させる最適化手法を用いて補償を行うので、大気揺らぎが強い条件下等において、位相の渦巻き状成分が生じた場合であっても、これに対する補償を精度よく行うことができる。つまり、位相の渦巻き状成分が生じ、光波面に大きな段差状成分が生じることがあるが、この段差状成分を例えば波面形状を例えば入射ビーム断面を複数のサブアパーチャに分割して、その各サブアパーチャ内の集光位置を平均波面傾斜として、全体の波面形状を再生するシャック-ハルトマン型波面センサで正しく計測することは困難であり、これを元に補償制御すると、逆に集光度を劣化させてしまう。しかし、補償光学装置1は、最適化手法により、当該段差状成分が存在したとしても、最終的に集光度が高まる形状に形状可変鏡の反射面の凹凸形状を変化させる過程を採るので、大気揺らぎが強い条件下等においても、制御速度が大気揺らぎの速度に追従できれば、補償を精度よく行うことができる。
ところで、最適化手法を適用した補償光学装置は、波面センサを使用する補償光学装置と比較して、同じ速度の大気揺らぎに追従させる場合、圧倒的に高い制御速度を必要とするため、これまで大気揺らぎの強い条件下で実用に値する制御速度を確保し、十分な補償を行うことが困難であった。補償光学装置1は、最適化において、第1補償光学制御部31が第1形状可変鏡4を制御して光波面の補償を行い、これと同時に第2補償光学制御部32が第2形状可変鏡5を制御して行うように構成され、二つの制御ループが互いに独立して最適化を行うように構成されている。したがって、大気揺らぎの速度に追従できる制御速度を確保することができる。すなわち、大気揺らぎが強い条件下において用いられる補償光学装置に最適化手法を適用することができ、大気揺らぎが強い条件下における高次の光波面の補償を精度良く行うことができる。
更に、長ストローク低速の第1形状可変鏡4及び第1副形状可変鏡14を用いた第1補償光学制御部31による第1最適化においては、変化の遅い比較的低次の波面誤差の補償が中心に行われ、短ストローク高速の第2形状可変鏡5及び第2副形状可変鏡15を用いた第2補償光学制御部32による第2最適化においては、変化の早い比較的高次の波面誤差の補償を行われるので、波面誤差の補償における波面歪みの次数を効率的に分担することができ、制御速度をより向上させることができる。
また、第3ビームスプリッタ13によって光路が第1光路L1及び第2光路L2に分岐されているので、第1最適化動作の上記ステップS12及びステップS14における第1副形状可変鏡14の形状変化(摂動)が、第2最適化動作における第2メトリックセンサ9の検出値、すなわち最適化における評価関数に影響を与え、第2最適化動作に干渉することを防ぐことができる。同様に、第2最適化動作の上記ステップS22及びステップS24における第2副形状可変鏡15の形状変化(摂動)が、第1最適化動作における第1メトリックセンサ8の検出値、すなわち最適化における評価関数に影響を与え、第2最適化動作に干渉することを防ぐことができる。
そして、照射対象物Aと第2形状可変鏡5との間の往路側の光路と復路側の光路とは同一経路となるよう構成されているので、復路側で大気揺らぎの影響を補正する補償動作を実施することによって、往路側に対しても同様の補償を行うことができる。
<変形例>
なお、第1形状可変鏡4及び第1副形状可変鏡14を高速・短ストローク、第2形状可変鏡5及び第2副形状可変鏡15を低速・長ストロークとし、第1形状可変鏡4及び第1副形状可変鏡14に対して第2最適化動作を実行し、第2形状可変鏡5及び第2副形状可変鏡15に対して第1最適化動作を実行するようにしてもよい。
また、上記実施例においては、第1形状可変鏡4及び第1副形状可変鏡14を用いた第1補償光学制御部31による第1最適化動作、第2形状可変鏡5及び第2副形状可変鏡15を用いた第2補償光学制御部32による第2最適化動作の二つの最適化動作によって波面歪みの次数を分担させているがこれに限られるものではない。例えば、3以上の最適化動作によって波面歪みの次数を分担させてもよい。
(実施の形態2)
以下では実施の形態2に係る補償光学装置201を含む光学システム200の構成、動作について、実施の形態1との相違点を中心に述べる。
[構成]
図8は、実施の形態2に係る光学システム200の構成例、並びにビーコンレーザ及びメインレーザの発振時におけるビーコンレーザ及びメインレーザの光路の構成例を示すブロック図である。図9は、実施の形態2に係る光学システム200の制御系統の構成例を概略的に示すブロック図である。
実施の形態2の補償光学装置201は、図8及び図9に示すように、拡大光学系2と、高速ステアリングミラー3と、第1形状可変鏡4と、第2形状可変鏡5と、波長分離鏡6と、ビーコンレーザ発振器7と、高出力レーザ発振器101と、第1メトリックセンサ208Aと、メインレーザ用第1メトリックセンサ208Bと、第2メトリックセンサ209Aと、メインレーザ用第2メトリックセンサ209Bと、チルトセンサ10と、第1ビームスプリッタ11と、第2ビームスプリッタ12と、第3ビームスプリッタ213Aと、メインレーザ用第3ビームスプリッタ213Bと、第1副形状可変鏡214Aと、メインレーザ用第1副形状可変鏡214Bと、第2副形状可変鏡215Aと、メインレーザ用第2副形状可変鏡215Bと、第1光量調整装置223Aと、メインレーザ用第1光量調整装置223Bと、第2光量調整装置224Aと、メインレーザ用第2光量調整装置224Bと、第1補償光学制御部231及び第2補償光学制御部232を含む制御部220と、光量モニタ機能付き高出力レーザ反射ミラー211とを含む。なお、図8及び図9においては、実施の形態1のチルトセンサ10、第2ビームスプリッタ12、チップ−チルト制御部33を省略して図示しているが、実施の形態2においても実施の形態1と同様に補償光学装置1はこれらを備え、高速ステアリングミラー3を用いた波面のチップ−チルト成分の補正が行われる。
光学システム200は、復路側の光路において、波長分離鏡6を反射する光及び波長分離鏡6を透過する光をそれぞれ導光することで、メインレーザの戻り光及びビーコンレーザの戻り光(照射対象物Aにおいて反射されたレーザ光)を分離し、互いに異なる2つの光路に分岐させている。そして、波長分離鏡6を通ったビーコンレーザの戻り光は、第1ビームスプリッタ11、第1副形状可変鏡214A、第1光量調整装置223Aをこの順に通って、第1メトリックセンサ208Aに至る。また、このとき、第3ビームスプリッタ213Aに至った戻り光の一部は、第2副形状可変鏡215A、第2光量調整装置224Aをこの順に通って、第2メトリックセンサ209Aに至る。
また、波長分離鏡6を通ったメインレーザの戻り光は、ビーコンレーザの戻り光の光路と別の光路に導光され、光量モニタ機能付き高出力レーザ反射ミラー211を透過して、メインレーザ用第3ビームスプリッタ213B、メインレーザ用第1副形状可変鏡214B、メインレーザ用第1光量調整装置223Bをこの順に通って、メインレーザ用第1メトリックセンサ208Bに至る。また、このとき、メインレーザ用第3ビームスプリッタ213Bに至った戻り光の一部は、メインレーザ用第2副形状可変鏡215B、メインレーザ用第2光量調整装置224Bをこの順に通って、メインレーザ用第2メトリックセンサ209Bに至る。
光量モニタ機能付き高出力レーザ反射ミラー211は、メインレーザ波長に対して非常に高い透過性を持つ合成石英等の基板材料の表面に高反射コーティングを、裏面に反射防止コーティングを施すことによって構成する。復路側の光路において、波長分離鏡6から入射するメインレーザの戻り光が、光量モニタ機能付き高出力レーザ反射ミラー211を反射する際に、表面の高反射コーティングを透過する、わずかな光量をメインレーザ用第1メトリックセンサ208B、及びメインレーザ用第2メトリックセンサ209Bに入射するモニタ光として利用する。
第1副形状可変鏡214Aは、復路側のビーコンレーザの戻り光の光路において、後述する第1光路L201に設けられ、波長分離鏡6を経由した第1形状可変鏡4及び第2形状可変鏡5からのビーコンレーザの戻り光であって、第3ビームスプリッタ213Aを経由した光(第3ビームスプリッタ213Aによって反射された光)を反射する。
第2副形状可変鏡215Aは、復路側のビーコンレーザの戻り光の光路において、後述する第1光路L201とは異なる第2光路L202に設けられ、波長分離鏡6を経由した第1形状可変鏡4及び第2形状可変鏡5からのビーコンレーザの戻り光であって、第3ビームスプリッタ213Aを経由した光(第3ビームスプリッタ213Aを透過した光)を反射する。
メインレーザ用第1副形状可変鏡214Bは、復路側のメインレーザの戻り光の光路において、後述するメインレーザ第1光路HL201に設けられ、波長分離鏡6を経由した第1形状可変鏡4及び第2形状可変鏡5からのメインレーザの戻り光であって、メインレーザ用第3ビームスプリッタ213Bを経由した光(メインレーザ用第3ビームスプリッタ213Bによって反射された光)を反射する。
メインレーザ用第2副形状可変鏡215Bは、復路側のメインレーザの戻り光の光路において、後述するメインレーザ第1光路HL201とは異なるメインレーザ第2光路HL202に設けられ、波長分離鏡6を経由した第1形状可変鏡4及び第2形状可変鏡5からのメインレーザの戻り光であって、メインレーザ用第3ビームスプリッタ213Bを経由した光(メインレーザ用第3ビームスプリッタ213Bを透過した光)を反射する。
第1メトリックセンサ(MS1)(第1検出部)208Aは、第1副形状可変鏡214Aを経由したビーコンレーザの戻り光の光強度を検出し、検出値を出力する。第1メトリックセンサ208Aから出力された検出値は、第1補償光学制御部231に入力される。その他の第1メトリックセンサ208Aの構成は、上記実施の形態1の第1メトリックセンサ8と同様であるので、その説明を省略する。
第2メトリックセンサ(MS2)(第2検出部)209Aは、第2副形状可変鏡215Aを経由したビーコンレーザの戻り光の光強度を検出し、検出値を出力する。第2メトリックセンサ209Aから出力された検出値は、第2補償光学制御部232に入力される。その他の第2メトリックセンサ209Aの構成は、上記実施の形態1の第2メトリックセンサ9と同様であるので、その説明を省略する。
メインレーザ用第1メトリックセンサ(H-MS1)(第1高出力レーザ用検出部)208Bは、メインレーザ用第1副形状可変鏡214Bを経由したメインレーザの戻り光の光強度を検出し、検出値を出力する。メインレーザ用第1メトリックセンサ208Bから出力された検出値は、第1補償光学制御部231に入力される。その他のメインレーザ用第1メトリックセンサ208Bの構成は、第1メトリックセンサ208Aと同様であるので、その説明を省略する。
メインレーザ用第2メトリックセンサ(H-MS2)(第2高出力レーザ用検出部)209Bは、メインレーザ用第2副形状可変鏡215Bを経由したメインレーザの戻り光の光強度を検出し、検出値を出力する。メインレーザ用第2メトリックセンサ209Bから出力された検出値は、第2補償光学制御部232に入力される。その他のメインレーザ用第2メトリックセンサ209Bの構成は、上記実施の形態1の第2メトリックセンサ9と同様であるので、その説明を省略する。
第1光量調整装置(OAM1)223Aは、復路側のビーコンレーザの戻り光の光路において、第1副形状可変鏡214Aと第1メトリックセンサ208Aとの間に介在するよう設けられている。第1光量調整装置223Aは、第1光量調整装置223Aを通過し、第1メトリックセンサ208Aに入射するビーコンレーザの光量を調整する。
第2光量調整装置(OAM2)224Aは、復路側のビーコンレーザの戻り光の光路において、第2副形状可変鏡215Aと第2メトリックセンサ209Aとの間に介在するよう設けられている。第2光量調整装置224Aは、第2光量調整装置224Aを通過し、第2メトリックセンサ209Aに入射するビーコンレーザの光量を調整する。
メインレーザ用第1光量調整装置(H-OAM1)223B(高出力レーザ光量調整部)は、復路側のメインレーザの戻り光の光路において、メインレーザ用第1副形状可変鏡214Bとメインレーザ用第1メトリックセンサ208Bとの間に介在するよう設けられている。メインレーザ用第1光量調整装置223Bは、メインレーザ用第1光量調整装置223Bを通過し、メインレーザ用第1メトリックセンサ208Bに入射するメインレーザの光量を調整する。
メインレーザ用第2光量調整装置(H-OAM2)224Bは、復路側のメインレーザの戻り光の光路において、メインレーザ用第2副形状可変鏡215Bとメインレーザ用第2メトリックセンサ209Bとの間に介在するよう設けられている。メインレーザ用第2光量調整装置224Bは、メインレーザ用第2光量調整装置224Bを通過し、第2メトリックセンサ209Aに入射するメインレーザの光量を調整する。
第1光量調整装置223A、第2光量調整装置224A、メインレーザ用第1光量調整装置223B、及びメインレーザ用第2光量調整装置224Bは、何れも当該戻り光の波面状態を乱さない光量制御方法として、例えば、複数の反射率を持つ反射型のNDフィルターの挿入を外部制御駆動で切り替えるような調整機構である。
制御部220は、ビーコンレーザ発振器7及び高出力レーザ発振器101のレーザの発振を制御する。また、制御部220は、第1光量調整装置223Aを制御し、第1メトリックセンサ208Aから受信した検出値に基づいて、第1メトリックセンサ208Aに入射するビーコンレーザの戻り光の光強度が第1メトリックセンサ208Aのダイナミックレンジ(センサが識別可能な光量の最大値と最小値)に収まるように、通過する光量を調整する。同様に、制御部220は、メインレーザ用第1光量調整装置223B、第2光量調整装置224A、メインレーザ用第2光量調整装置224Bを制御し、対応するメトリックセンサから受信した検出値に基づいて、対応するメトリックセンサが検出したレーザ光の光強度がこのメトリックセンサのダイナミックレンジに収まるように、光量調整装置を通過し、メトリックセンサに入射するレーザ光の光量を調整する。
なお、実施の形態1においては光量調整装置を省略して図示しているが、本実施の形態と同様に実施の形態1においても、第1副形状可変鏡14と第1メトリックセンサ8との間、及び第2副形状可変鏡15と第2メトリックセンサ9との間に介在するように制御部20によって制御される光量調整装置を設けてもよい。
第1補償光学制御部231(第1制御部)は、第1メトリックセンサ208A及びメインレーザ用第1メトリックセンサ208Bの一方を選択し、選択したメトリックセンサから受信した検出値に基づき、第1形状可変鏡4の駆動部22(図3参照)、第1副形状可変鏡214Aの駆動部52、及びメインレーザ用第1副形状可変鏡214Bの駆動部52を制御する。
第2補償光学制御部232(第2制御部)は、第2メトリックセンサ209A及びメインレーザ用第2メトリックセンサ209Bの一方を選択し、選択したメトリックセンサから受信した検出値に基づき、第2形状可変鏡5の駆動部27(図3参照)、第2副形状可変鏡215Aの駆動部52、及びメインレーザ用第2副形状可変鏡215Bの駆動部52を制御する。その他の第1補償光学制御部231及び第2補償光学制御部232の構成は、第1補償光学制御部31及び第2補償光学制御部32と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
第3ビームスプリッタ213Aは、波長分離鏡6及び第1ビームスプリッタ11を経由した第1形状可変鏡4及び第2形状可変鏡5からのビーコンレーザの戻り光を第1光路L201及び第2光路L202に分岐させる。メインレーザ用第3ビームスプリッタ213Bは、波長分離鏡6及び光量モニタ機能付き高出力レーザ反射ミラー211を経由した第1形状可変鏡4及び第2形状可変鏡5からのメインレーザの戻り光をメインレーザ第1光路HL201及びメインレーザ第2光路HL202に分岐させる。
[動作例]
次に、光学システム200の動作例を説明する。
図10は、光学システム200の動作例を示すフローチャートである。
まず、制御部220は、ビーコンレーザ発振器7がレーザ光(ビーコンレーザ)を発振する(ステップS201)。そして、ビーコンレーザは、光学システム200の外部へ出射され、大気伝搬し、照射対象物Aに至る。その後、対象物Aにて反射されたビーコンレーザの戻り光は、大気伝搬した光として光学システム200に入射し、拡大光学系2、高速ステアリングミラー3、第1形状可変鏡4、第2形状可変鏡5、波長分離鏡6、第1ビームスプリッタ11、第3ビームスプリッタ213A、第1副形状可変鏡214A、第1光量調整装置223Aをこの順に経て第1メトリックセンサ208Aに至り、第1メトリックセンサ208Aによって、大気揺らぎの影響を受けた反射光の波面状態が検知され、その検出値を出力する。また、第3ビームスプリッタ213Aに至ったビーコンレーザの戻り光の一部は、第2副形状可変鏡215A、第2光量調整装置224Aをこの順に経て第2メトリックセンサ209Aに至り、第2メトリックセンサ209Aによって、大気揺らぎの影響を受けた反射光の波面状態が検知され、その検出値を出力する。
次に、制御部220は、第1光量調整装置223Aを制御して、第1メトリックセンサ208Aから出力された検出値に基づいて、第1メトリックセンサ208Aに入射するビーコンレーザの戻り光の光量が第1メトリックセンサ208Aのダイナミックレンジに収まるように、第1光量調整装置223Aを通過する光量を調整し、第1メトリックセンサ208Aに入射する光量を調整する。また、制御部220は、第2光量調整装置224Aを制御して、第2メトリックセンサ209Aから出力された検出値に基づいて、第2メトリックセンサ209Aに入射するビーコンレーザの戻り光の光量が第2メトリックセンサ209Aのダイナミックレンジに収まるように、第2光量調整装置224Aを通過する光量を調整し、第2メトリックセンサ209Aに入射する光量を調整する(ステップS202)。
そして、第1光量調整装置223A及び第2光量調整装置224Aを通過する光量の調整が終了すると、次に、第1補償光学制御部231は、第1メトリックセンサ208Aが検知したレーザ光の光強度を用いて第1最適化動作を繰り返し実行する(ステップS203)。
また、第1補償光学制御部231が第1最適化動作を繰り返し実行するのと並行して、第2補償光学制御部232が第2最適化動作を繰り返し実行する(ステップS204)。
これらの第1及び第2の最適化動作は、それぞれ光強度の評価に第1メトリックセンサ8及び第2メトリックセンサ9ではなく第1メトリックセンサ208A及び第2メトリックセンサ209Aを用いることを除き、上記実施の形態1の第1最適化動作(ステップS11〜ステップS18)及び第2最適化動作(ステップS21からステップS28)と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
次に、制御部220は、ビーコンレーザに加え、高出力レーザ発振器101がレーザ光(メインレーザ)を発振する(ステップS205)。メインレーザ及びビーコンレーザは、波長分離鏡6を通ることによって同一光路上に重畳され、光学システム200の外部へ出射される。そして、重畳されたメインレーザ及びビーコンレーザは、光学システム200の外部へ出射され、大気伝搬し、照射対象物Aに至る。その後、対象物Aにて反射されたメインレーザの戻り光は、大気伝搬した光として光学システム200に入射し、波長分離鏡6においてビーコンレーザの光路とは別の光路に導光され、光量モニタ機能付き高出力レーザ反射ミラー211、メインレーザ用第3ビームスプリッタ213B、メインレーザ用第1副形状可変鏡214B、メインレーザ用第1光量調整装置223Bをこの順に経てメインレーザ用第1メトリックセンサ208Bに至り、メインレーザ用第1メトリックセンサ208Bによって、大気揺らぎの影響を受けた反射光の波面状態が検知され、検出値を出力する。また、メインレーザ用第3ビームスプリッタ213Bに至ったメインレーザの戻り光の一部は、メインレーザ用第2副形状可変鏡215B、メインレーザ用第2光量調整装置224Bをこの順に経てメインレーザ用第2メトリックセンサ209Bに至り、メインレーザ用第2メトリックセンサ209Bによって、大気揺らぎの影響を受けた反射光の波面状態が検知され、その検出値を出力する。
次に、制御部220は、メインレーザ用第1メトリックセンサ208Bから出力された検出値に基づいて、メインレーザ用第1メトリックセンサ208Bに入射するメインレーザの戻り光の光量がメインレーザ用第1メトリックセンサ208Bのダイナミックレンジに収まるように、メインレーザ用第1光量調整装置223Bを通過する光量を調整し、メインレーザ用第1メトリックセンサ208Bに入射する光量を調整する(第1光量調整動作)。また、制御部220は、メインレーザ用第2メトリックセンサ209Bから出力された検出値に基づいて、メインレーザ用第2メトリックセンサ209Bに入射するメインレーザの戻り光の光量がメインレーザ用第2メトリックセンサ209Bのダイナミックレンジに収まるように、メインレーザ用第2光量調整装置224Bを通過する光量を調整し、メインレーザ用第2メトリックセンサ209Bに入射する光量を調整する(第2光量調整動作)(ステップS206)。
そして、制御部220がメインレーザ用第1光量調整装置223B及びメインレーザ用第2光量調整装置224Bを通過する光量を調整している間、第1補償光学制御部231は、引き続き第1メトリックセンサ208Aが検知したビーコンレーザの戻り光の光強度を用いて第1最適化動作を繰り返し実行し(ステップS207)、第2補償光学制御部232は、引き続き第2メトリックセンサ209Aが検知したビーコンレーザの戻り光の光強度を用いて第2最適化動作を繰り返し実行する(ステップS208)。ビーコンレーザとメインレーザとは同一光路上に重畳されているので、ビーコンレーザの戻り光の光強度を用いて光波面の補償を行うことによって、メインレーザの波面誤差の補償を行うことができる。
ところで、メインレーザの戻り光の光強度は、照射対象物Aとの距離や、照射対象物Aの表面反射率等によって変化するため、メインレーザの戻り光の光強度がメインレーザ用第1メトリックセンサ208B及びメインレーザ用第2メトリックセンサ209Bのダイナミックレンジに収まるように、制御部220がメインレーザ用第1光量調整装置223B及びメインレーザ用第2光量調整装置224Bを透過する光量をメインレーザの照射開始前に調整することは困難であり、メインレーザの照射開始時に、第1補償光学制御部231及び第2補償光学制御部232がメインレーザ用第1メトリックセンサ208B及びメインレーザ用第2メトリックセンサ209Bを用いて第1最適化動作及び第2最適化動作を実行することは困難であった。しかし、本実施の形態において、第1補償光学制御部231及び第2補償光学制御部232は、メインレーザの照射開始時において、引き続き第1メトリックセンサ208A及び第2メトリックセンサ209Aが検知したビーコンレーザの戻り光の光強度を用いて最適化動作を実行するので、メインレーザの照射開始時に大気揺らぎの影響によるメインレーザの波面誤差の補償を行うことができる。
そして、メインレーザ用第1光量調整装置223B及びメインレーザ用第2光量調整装置224Bを通過する光量の調整(第1光量調整動作及び第2光量調整動作)が完了すると、次に、制御部220の第1補償光学制御部231は、第1最適化動作において、第1副形状可変鏡214Aの駆動部52を制御して第1副形状可変鏡214Aの反射面51の凹凸形状を変化させたときの第1メトリックセンサ208Aによる検出値に基づき、第1形状可変鏡4の駆動部22を制御して第1形状可変鏡4の反射面21の凹凸形状を更新する動作を、メインレーザ用第1副形状可変鏡214Bの駆動部52を制御してメインレーザ用第1副形状可変鏡214Bの反射面51の凹凸形状を変化させたときのメインレーザ用第1メトリックセンサ208Bによる検出値に基づき、第1形状可変鏡4の駆動部22を制御して第1形状可変鏡4の反射面21の凹凸形状を更新する動作に切り替える切替処理(第1切替処理)を行い、第1最適化動作を繰り返し実行する(ステップS209)。また、制御部220の第2補償光学制御部232は、第2最適化動作において、第2副形状可変鏡215Aの駆動部57を制御して第2副形状可変鏡215Aの反射面56の凹凸形状を変化させたときの第2メトリックセンサ209Aによる検出値に基づき、第2形状可変鏡5の駆動部27を制御して第2形状可変鏡5の反射面26の凹凸形状を更新する動作を、メインレーザ用第2副形状可変鏡215Bの駆動部57を制御してメインレーザ用第2副形状可変鏡215Bの反射面56の凹凸形状を変化させたときのメインレーザ用第2メトリックセンサ209Bによる検出値に基づき、第2形状可変鏡5の駆動部27を制御して第2形状可変鏡5の反射面26の凹凸形状を更新する動作に切り替える切替処理(第2切替処理)を行い、第2最適化動作を繰り返し実行する(ステップS210)。
すなわち、これら切換処理後における第1及び第2の最適化動作は、上記実施の形態1においては光強度の評価に第1メトリックセンサ8及び第2メトリックセンサ9を用いていたところ、これに代えて、メインレーザ用第1メトリックセンサ208B及びメインレーザ用第2メトリックセンサ209Bを用いる。また、上記実施の形態1においては摂動に第1副形状可変鏡14及び第2副形状可変鏡15を用いていたところ、これに代えて、メインレーザ用第1副形状可変鏡214B及びメインレーザ用第2副形状可変鏡215Bを用いる。これ以外の動作については、上記実施の形態1の第1及び第2の最適化動作(ステップS11〜ステップS18、ステップS21〜ステップS28)と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
ところで、対象物Aにて反射されたメインレーザの戻り光の光波面の乱れ方と対象物Aにて反射されたビーコンレーザの戻り光の光波面の乱れ方とに共通性を持たせるためには、メインレーザをビーコンレーザに精度よく同一光路上に重畳させる必要があり、メインレーザの大気中の光路とビーコンレーザの大気中の光路との間のずれが大きくなるに従い、ビーコンレーザの光強度を用いたメインレーザに対する光波面の補償性能(ストレール比)が低下する。しかし、第1補償光学制御部231及び第2補償光学制御部232は、メインレーザ用第1光量調整装置223B及びメインレーザ用第2光量調整装置224Bを通過する光量の調整が終了し次第、メインレーザ用第1メトリックセンサ208B及びメインレーザ用第2メトリックセンサ209Bが検知したメインレーザの光強度を用いて第1及び第2の最適化動作を実行するので、メインレーザの補償精度を高めることができる。
(実施の形態3)
以下では実施の形態3の光学システムの動作について、実施の形態1との相違点を中心に述べる。
[動作例]
図11は、実施の形態3の光学システムの動作例を示すフローチャートであり、第1最適化動作を示す図である。
図11に示すように、本実施の形態の第1最適化動作において、光学システムの第1補償光学制御部31は、実施の形態1の動作例におけるステップS17の完了後、ステップS18の開始前に以下のステップS311、S312を実行する。
すなわち、ステップS17の完了後、第1補償光学制御部31は、第1メトリックセンサ8によって検知された光強度が所定の閾値Jth以下であるか否かを判定する(ステップS311)。所定の閾値Jthは、たとえば、以下の式(6)にしたがって算出される。
th=J・k ・・・ (6)
但し、
は、最適化動作開始時に第1メトリックセンサ8によって検知された光強度の値である。
は、所定の係数(例えば0.7)である。
そして、第1補償光学制御部31は、第1メトリックセンサ8によって検知された光強度が所定の閾値Jth以上であると判定すると(ステップS311においてNo)、実施の形態1の動作例におけるステップS18を実行する。一方、ステップS311において、第1補償光学制御部31は、第1メトリックセンサ8によって検知された光強度が所定の閾値Jth以下であると判定すると(ステップS311においてYes)、第1形状可変鏡4の初期化動作(第1初期化動作)を実行する(ステップS312)。第1形状可変鏡4の第1初期化動作は、第1形状可変鏡4の反射面26の凹凸形状を所定の初期形状(第1最適化動作開始時の形状)に更新する動作である。上述の通り、第1補償光学制御部31は、確率的並列勾配降下法を用いた最適化動作を繰り返し実行することによって、大気の揺らぎの変化に追従するように形状可変鏡の反射面の凹凸形状を変化させる。しかし、最適化動作においては、局所最適に陥る、すなわち、全体最適ではないが、ある局所的な範囲においては最適となる場合があり、局所最適に陥ると、大気の揺らぎの変化に追従するように形状可変鏡の反射面の凹凸形状を変化させることができず、集光度を劣化させてしまう場合がある。しかし、本実施の形態において、第1補償光学制御部31は、集光度がある程度以上劣化した場合、すなわち、第1メトリックセンサ8によって検知された光強度が所定の閾値Jth以下であると判定すると、第1形状可変鏡4の初期化動作を実行するので、局所最適に陥った状態から抜け出すことができ、集光度が劣化した状態が継続することを防止することができる。そして、光学システムの第1補償光学制御部31は、実施の形態1の動作例におけるステップS18を実行する。
図12は、実施の形態3の光学システムの動作例を示すフローチャートであり、第2最適化動作を示す図である。
また、図12に示すように、本実施の形態の第2最適化動作において、光学システムの第2補償光学制御部32は、本実施の形態の第1最適化動作と同様に、実施の形態1の動作例におけるステップS27の完了後、ステップS28の開始前に以下のステップS321、S322を実行する。ステップS321、S322は、それぞれ、上記ステップS311、ステップS312と同様の処理である。
(実施の形態4)
以下では実施の形態4に係る光学システム400の構成、動作について、実施の形態1との相違点を中心に述べる。
[構成]
図13は、実施の形態4に係る光学システム400の構成例、並びにビーコンレーザの発振時におけるビーコンレーザの光路の構成例を示すブロック図である。図14は、実施の形態4に係る光学システム400の制御系統の構成例を概略的に示すブロック図である。
図13及び図14に示すように、光学システム400は、補償光学装置401及び補償結果評価装置450を含む。
補償光学装置401は、第1補償光学制御部31及び第2補償光学制御部32に代えて第1補償光学制御部431及び第2補償光学制御部432が設けられている他は、上記実施の形態1と同様であるのでその詳細な説明を省略する。なお、図13及び図14においては、高出力レーザ発振器101、第2ビームスプリッタ12、チルトセンサ10、及びチップ−チルト制御部33の図示を省略しているが、上記実施の形態1と同様に構成されている。
第1補償光学制御部431は、第1メトリックセンサ8から受信した検出値に加え、後述する補償結果評価装置450の第1メトリックセンサ408から受信した検出値に基づき、補償光学装置401の第1形状可変鏡4の駆動部22(図3参照)及び第1副形状可変鏡14の駆動部52を制御する。その他の第1補償光学制御部431の構成は、第1補償光学制御部31と同様であるので、その説明を省略する。
第2補償光学制御部432は、第2メトリックセンサ9から受信した検出値に加え、後述する補償結果評価装置450の第2メトリックセンサ409から受信した検出値に基づき、補償光学装置401の第2形状可変鏡5の駆動部27及び第2副形状可変鏡15の駆動部57を制御する。その他の第2補償光学制御部432の構成は、第2補償光学制御部32と同様であるので、その説明を省略する。
補償結果評価装置450は、補償光学装置401のビーコンレーザ発振器7から発振され、光波面の補償が行われて出射された光であって、照射対象物Aにおいて反射された光を検知し、補償光学装置401による往路側の光路の大気揺らぎの補償の程度を評価する評価量を検出し、出力する装置である。補償結果評価装置450は、ビーコンレーザ発振器7及び高出力レーザ発振器101を含まない。また、第1メトリックセンサ8及び第2メトリックセンサ9に代えて、第1メトリックセンサ408及び第2メトリックセンサ409を備える。そして、補償の程度状態を評価する評価量とは、例えば、照射対象物A上におけるビーコンレーザのビーム径である。この場合、補償結果評価装置450の第1メトリックセンサ408及び第2メトリックセンサ409は、例えば、画像センサであってもよい。そして、この画像センサの画像出力を画像処理し、照射対象物A上におけるビーコンレーザのビーム径を算出する。そして、このビーム径を評価量Jとして出力する。第1メトリックセンサ408及び第2メトリックセンサ409から出力された評価量Jは、それぞれ補償結果評価装置450の第1補償光学制御部31及び第2補償光学制御部32に加え、補償光学装置401の第1補償光学制御部431及び第2補償光学制御部432にも入力される。その他の補償結果評価装置450の構成は、補償光学装置401と同様であるので、その説明を省略する。
[動作例]
次に、光学システム400の動作例を説明する。
まず、補償光学装置401のビーコンレーザ発振器7がレーザ光を発振すると、発振されたレーザ光は、光学システム400の外部へ出射され、大気伝搬し、照射対象物Aに至る。
そして、照射対象物Aにて反射されたレーザ光は、一部が大気伝搬した光として補償光学装置401に入射して補償光学装置401の第1メトリックセンサ8に至り、補償光学装置401の第1メトリックセンサ8によって、反射光の光強度が検知される。同時に、照射対象物Aにて反射されたレーザ光は、一部が大気伝搬した光として補償結果評価装置450に入射してその第1メトリックセンサ(評価用検出部)408に至り、この第1メトリックセンサ408によって、補償光学装置401による補償結果の評価量Jが検知される。
そして、補償結果評価装置450の第1メトリックセンサ408の評価量Jを評価関数として形状可変鏡(評価用形状可変鏡)の反射面の凹凸形状を繰り返し変化させる最適化手法を用いて、補償結果評価装置450の補償光学制御部(評価用制御部)31が第1最適化動作を実行する。この第1最適化動作は、評価量Jが改善するように、すなわち第1メトリックセンサ408が検出する評価量Jであるビーム径が最小になるように形状可変鏡の反射面の凹凸形状を変化させる動作(結像動作)である。結像動作は、上記実施の形態1の第1最適化動作と同様であるので、その詳細な説明を省略する。これによって、補償結果評価装置450は、補償光学装置401による補償結果の評価量Jから、照射対象物Aから補償結果評価装置450に至る復路側の光路の大気揺らぎによる光波面の乱れがもたらす補償結果の評価量の誤差を低減でき、復路側の光路の大気揺らぎによる光波面の乱れの影響を強く受けた場合においても、より確実に、補償結果評価装置450と光路の異なる補償光学装置401の往路側の補償結果の評価量を第1メトリックセンサ408に検知させることができる。
そして、上記補償結果評価装置450の第1最適化動作と並行して、補償光学装置401の第1補償光学制御部431が第1最適化動作を実行する。上記実施の形態1における第1最適化動作において、式(3)のゲインGは、所定値(定数)であった。これに対し、本実施の形態において、式(3)のゲインGは、補償結果評価装置450の第1メトリックセンサ408に基づいて算出される値であり、例えば以下の式(7)にしたがって算出される変数である。
G=−dJ/dt・k+kc ・・・ (7)
但し、
、kcは所定の係数である。
したがって、本実施の形態において、ゲインGは、補償結果評価装置450の第1メトリックセンサ408によって検知される評価量の変化量が望ましい方向に大きいときは、ゲインGは大きい値をとり、評価量の変化量が望ましくない方向に大きいときは、ゲインGは小さい値を取る。ここでは、評価量を照射対象物A上におけるビーコンレーザのビーム径とした場合、小さくなるのが望ましい方向であるので、式(7)の第一項はマイナス符号となる。また、評価量の変化がない場合は、補償が安定化したと判断して、上記実施の形態1の式(3)に示す固定のゲイン値G=kcをとる。このように、本実施の形態において、補償光学装置401の第1補償光学制御部431は、第1メトリックセンサ8による検出値に加えて、補償結果評価装置450の第1メトリックセンサ408の検出値を副次的な評価関数として用いて、第1形状可変鏡4の反射面21の凹凸形状を更新する。これによって、第1最適化動作の初期段階や、短時間に大きな大気揺らぎが発生したときは、第1形状可変鏡4の形状変化量を大きくすることができ、第1形状可変鏡4の反射面21の最適形状への収束を早めることができ、補償制御速度を向上させることができる。一方、第1形状可変鏡4の反射面21が最適形状に収束しつつある状態においては、第1形状可変鏡4の反射面21の形状変化量を小さくすることができ、最適形状を超えて反射面21を変化させ、逆に集光度を劣化させてしまうことを防止することができる。
また、補償光学装置401の第1メトリックセンサ8によって検知される復路側の光波面は、本来、照射対象物Aからの点光源として到来してくれば、大気揺らぎによる波面歪みのみを検知できるが、実際は、照射対象物Aの表面状態の異なる有限面積からの反射光の重ね合わせの波面となるため、それによって生じるスペックルパターンの影響が無視できなくなり、照射対象物Aにおける反射の影響を含まない往路側の光波面の乱れ方と、照射対象物Aにおける反射の影響を含む復路側の光波面の乱れ方とが大きく相違する場合がある。このような場合、補償光学装置401の第1メトリックセンサ8によって反射光を評価し、復路側の光路に対して波面歪みを補正する補償動作を実施しても、往路側の光路に対して大気揺らぎによる波面歪み影響をキャンセルするような補償を行えず、集光性を高めていくことができない場合があった。しかし、本実施の形態においては、照射対象物Aにおける反射状態の影響を軽減する目的で、往路側の光路の大気揺らぎによる光波面の乱れの影響を補正した結果の評価量を補償結果評価装置450の第1メトリックセンサ408が検知し、補償光学装置401がこれを副次的な評価関数として用いて第1最適化動作を行うので、より確実にレーザ光の集光性を高めていくことができる。
以上、第1最適化動作について述べたが、第2最適化動作も同様である。すなわち、上記動作例の第1形状可変鏡4、第1メトリックセンサ408、第1補償光学制御部431をそれぞれ第2形状可変鏡5、第2メトリックセンサ409、第2補償光学制御部432と読み替えることによって、第2最適化動作が説明される。
(実施の形態5)
以下では実施の形態5に係る補償光学装置501を含む光学システム500の構成、動作について、実施の形態1との相違点を中心に述べる。
[構成]
図15は、実施の形態5に係る光学システム500の構成例、及びビーコンレーザの発振時におけるビーコンレーザの光路の構成例を示すブロック図である。
図15に示すように、補償光学装置501は、拡大光学系2と、高速ステアリングミラー3と、第1形状可変鏡4と、第2形状可変鏡5と、波長分離鏡6と、ビーコンレーザ発振器7と、高出力レーザ発振器101と、第1メトリックセンサ8と、第2メトリックセンサ9と、チルトセンサ10と、波面センサ502と、制御部520と、第1ビームスプリッタ11と、第2ビームスプリッタ12と、第3ビームスプリッタ13と、第4ビームスプリッタ514とを含む。拡大光学系2、高速ステアリングミラー3、第1形状可変鏡4、第2形状可変鏡5、波長分離鏡6、ビーコンレーザ発振器7、高出力レーザ発振器101、第1メトリックセンサ8、第2メトリックセンサ9、チルトセンサ10、第1ビームスプリッタ11、第2ビームスプリッタ12、及び第3ビームスプリッタ13については、上記実施の形態1と同様に構成されるので、その詳細な説明を省略する。
波面センサ(WFS 波面形状検出部)502は、第1形状可変鏡4及び第2形状可変鏡5からのレーザ光の波面形状を検出し、検出値を出力するセンサである。波面センサ502は、例えば、上述のシャック-ハルトマン型波面センサである。
制御部520は、第1補償光学制御部31と、第2補償光学制御部32と、第3補償光学制御部533と、チップ−チルト制御部33とを含む。
第1補償光学制御部(SPGD AO1 第1制御部)31及び第2補償光学制御部(SPGD AO2第2制御部)32は、上記実施の形態1の第1補償光学制御部31及び第2補償光学制御部32と同様に構成され、それぞれ第1メトリックセンサ8及び第2メトリックセンサ9の検出値を評価関数として形状可変鏡の反射面の凹凸形状を繰り返し変化させる最適化手法を用いた補償を行う制御部である。また、チップ−チルト制御部33は、上記実施の形態1と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
第3補償光学制御部(WFR AO)533は、波面センサ502から受信した波面形状に基づき、第1形状可変鏡4の駆動部22を制御する。また、第3補償光学制御部533は、波面補正動作を実行可能に構成されている(詳細は後述)。第3補償光学制御部533は、第1形状可変鏡4に対する制御信号を出力する。その他の制御部520の構成は、上記実施の形態1の制御部20と同様であるのでその詳細な説明を省略する。
第4ビームスプリッタ514は、第1ビームスプリッタ11、第2ビームスプリッタ12、及び第3ビームスプリッタ13と同様に、入射する光を部分的に反射し、その余の光を透過することによって、レーザ光を異なる光路に分岐させたり、光路の異なる複数のレーザ光の光路を一つの光路に合流(重畳)させたりする。第4ビームスプリッタ514は、第2ビームスプリッタ12と第3ビームスプリッタ13との間の光路上に設けられ、復路側の光路において、第2ビームスプリッタ12から入射するレーザ光(ビーコンレーザの戻り光)を部分的に反射し、反射されたレーザ光は、波面センサ502に入射する。また、第4ビームスプリッタ514は、その余のレーザ光を透過し、透過したレーザ光は、第3ビームスプリッタ13に入射する。
すなわち、本実施の形態において、復路側の光路は、拡大光学系2、高速ステアリングミラー3、第1形状可変鏡4、第2形状可変鏡5、波長分離鏡6、第1ビームスプリッタ11をこの順に経て第2ビームスプリッタ12に至り、第2ビームスプリッタ12において、チルトセンサ10に向かう光路と、第4ビームスプリッタ514に向かう光路とに分岐する。更に、第4ビームスプリッタ514において、第3ビームスプリッタ13に向かう光路と、波面センサ502に向かう光路とに分岐する。
[動作例]
次に、光学システム500の動作例を説明する。図16は、光学システム500の動作例を示すフローチャートである。
まず、制御部520は、大気揺らぎの強度に応じて第1最適化動作及び第2最適化動作を含む最適化動作及び波面補正動作の何れの動作を行うか決定する(ステップS510)。例えば、制御部520は、第1メトリックセンサ8の計測値から算出できるRytov number(対数振幅分散)が0.2を上回る(Rytov numberが0.2以上)ような強い大気揺らぎ条件にあると判定すると(ステップS510においてYes)、第1最適化動作及び第2最適化動作を行う(ステップS520,S525)。本実施の形態における最適化動作は、上記実施の形態1の第1最適化動作及び第2最適化動作と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
また、制御部520は、Rytov numberが0.2を下回る(Rytov numberが0.2未満)ような弱い大気揺らぎ条件にあると判定すると(ステップS510においてNo)、波面補正動作を行う(ステップS530)。波面補正動作において、制御部520は、第2形状可変鏡5の反射面26の形状を所定の初期形状にする。この所定の初期形状とは、例えば平坦面である。同時に、制御部520の第3補償光学制御部533は、第1形状可変鏡4の駆動部22を制御して、波面センサ502が検出したレーザ光の波面形状に基づいて、当該波面歪みを補正するように第1形状可変鏡4の反射面21の凹凸形状を変化させる。
このように、本実施の形態において、光学システム500は、最適化手法を用いた第1最適化動作及び第2最適化動作と、光波面の形状を直接検出し、検出した光波面歪みを補正する波面補正動作の両方の動作を状況に応じて使い分けるように構成されている。これによって、大気揺らぎが弱く、光波面に大きな段差状成分が生じるおそれのないような条件下等においては波面補正動作により、大気揺らぎの影響による波面歪みを波面センサで計測して、それを直接、形状可変鏡にフィードバックして補正するので、処理速度に余裕を持たせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態において、第1補償光学制御部31は、第1形状変化量を第1基準形状に加算して規定される第1副形状可変鏡14の反射面51の形状が閾値以下のチップ−チルト成分を有するように、第1副形状可変鏡14の複数の駆動素子53のそれぞれについてランダムに選択される動作量を規制する。
すなわち、仮に、ステップS11において発生させた乱数行列Rに基づき、ステップS12及びステップS14においてプラスティザ及びマイナスティザを与えた場合において、第1副形状可変鏡14の反射面51が閾値以下のチップ−チルト成分を有するように、第1補償光学制御部31は乱数行列Rを発生させる。第1副形状可変鏡14の反射面51が閾値以下のチップ−チルト成分を有するか否かは、各駆動素子53が設けられている反射面51の各部位に、乱数行列Rの対応する要素に比例する力が反射面51の法線方向に作用したと仮定した場合における反射面51の平均傾斜を算出し、この算出した平均傾斜が閾値以下である場合に第1副形状可変鏡14の反射面51が閾値以下のチップ−チルト成分を有すると判定し、前記算出した平均傾斜が閾値を超える場合に第1副形状可変鏡14の反射面51が閾値を超えるチップ−チルト成分を有すると判定してもよい。そして、第1補償光学制御部31は、第1副形状可変鏡14の反射面51が閾値を超えるチップ−チルト成分を有すると判定した場合は、この乱数行列Rを破棄し、発生させた乱数行列Rに対応する反射面51の重心と反射面51の中心との距離が閾値以下になるまで、乱数行列Rを繰り返し発生させてもよい。
また、第1副形状可変鏡14の反射面51が閾値以下のチップ−チルト成分を有するか否かは、上記の判定方法に代えて、乱数行列Rの各成分を、反射面51に対応させる際の空間的な位置を考慮した、乱数行列Rの重心位置計算をした場合に、この重心と反射面51の中心との距離が閾値以下である場合に第1副形状可変鏡14の反射面51が閾値以下のチップ−チルト成分を有すると判定し、この重心と反射面51の中心との距離が閾値を超える場合に第1副形状可変鏡14の反射面51が閾値を超えるチップ−チルト成分を有すると判定してもよい。
同様に、第2補償光学制御部32は、第2形状変化量を第2基準形状に加算して規定される第2副形状可変鏡15の反射面56の形状が閾値以下のチップ−チルト成分を有するように、第1副形状可変鏡14の複数の駆動素子53のそれぞれについてランダムに選択される動作量を規制する。
なお、チップ−チルト成分の補償はチップ−チルト制御部33が高速ステアリングミラー3を制御することによって行われる。したがって、第1補償光学制御部31による第1最適化動作、及び第2補償光学制御部32による第2最適化動作が分担するゼルニケ多項式における2次以上の波面誤差の補償を効果的に行うことができ、制御速度をより向上させることができる。
(実施の形態7)
以下では実施の形態7に係る補償光学装置1を含む光学システム100の構成、動作について、実施の形態1との相違点を中心に述べる。
本実施の形態において、第1補償光学制御部31は、デフォーカス補正動作を所定の周期で実行する。デフォーカス補正動作は、第1最適化動作が所定回数実行される毎に実行される。また、このとき、デフォーカス補正動作は、複数回連続して実行されてもよい。
デフォーカス補正動作において、第1補償光学制御部31は、第1副形状可変鏡14の反射面51の形状を第1基準形状から反射面51の中央部がドーム状に膨らむ第5形状に変化させて第1メトリックセンサ8が検出した光強度を取得する。そして、第1補償光学制御部31は、第1副形状可変鏡14の反射面51の形状を第5形状と第1基準形状に対して対称となる第6形状に変化させて第1メトリックセンサ8が検出した光強度を取得する。そして、第1補償光学制御部31は、第5形状及び第6形状のうち第1メトリックセンサ8が検出した光強度が強い一方の形状に向かって第1形状可変鏡4の反射面の凹凸形状を変化させて第1形状可変鏡4の反射面21の凹凸形状を更新する。
第1補償光学制御部31は、第1副形状可変鏡14の反射面51の形状を第5形状とするときは、まず、ステップS11において乱数行列Rを発生させる代わりに、予め規定され、記憶部に格納されたRdを記憶部から呼び出す。行列Rdは、第1形状可変鏡4の反射面21の周縁に配置された駆動素子23に対応する行列Rの要素から中心に配置された駆動素子23に向かうに従って値が大きくなり、且つ、第1形状可変鏡4の反射面21の中心から同じ距離に配置された駆動素子23に対応する行列Rの要素同士は、同一又は略同一の値である行列である。具体的には、第1形状可変鏡4が例えば3行3列のマトリクス状に配置された9つの駆動素子23を有するとする。この場合、行列Rdは、3行3列の行列とし、各要素について、その行番号及び列番号が同じ駆動素子と対応づける。そうすると、Rdは、例えば以下の式(8)に示す値である。
Figure 0006831910

そして、ステップS12において、上記行列Rdに基づきVを算出し、第1補償光学制御部31が第1副形状可変鏡14の各駆動素子53に各駆動素子53に対応するVの要素に係る電圧を印加することにより、第1副形状可変鏡14の反射面51は、第1形状に代えて、外方に向ってドーム状に膨らむ第5形状を呈する。
そして、第1補償光学制御部31は、ステップS13を実行した後、ステップS14において、上記行列Rdに基づきVを算出し、第1補償光学制御部31が第1副形状可変鏡14の各駆動素子53に各駆動素子53に対応するVの要素に係る電圧を印加することにより、第1副形状可変鏡14の反射面51は、第2形状に代えて、内方に向ってドーム状に膨らむ第6形状を呈する。
そして、第1補償光学制御部31は、Rに代えてRdを用いてステップS14〜S17を実行することにより、ゼルニケ多項式における2次のデフォーカスの波面誤差の補償を行うことができる。その結果、比較的低次の波面誤差の補償を効果的に行うことができ、制御速度をより向上させることができる。
以上、実施の形態1〜7において述べた通り、補償光学装置は、大気伝搬した光を反射する反射面と、複数の駆動素子を有し該反射面の凹凸形状を変化させる駆動部と、を含む第1形状可変鏡と、前記第1形状可変鏡からの前記光を反射する反射面と、複数の駆動素子を有し該反射面の凹凸形状を変化させる駆動部と、を含む第2形状可変鏡と、前記第2形状可変鏡からの前記光を第1光路及び第2光路に分岐させる光路分岐部と、前記第1光路に設けられ、前記第1形状可変鏡が有する前記反射面及び前記駆動部に対応する反射面及び駆動部を含む第1副形状可変鏡と、前記第2光路に設けられ、前記第2形状可変鏡が有する前記反射面及び前記駆動部に対応する反射面及び駆動部を含む第2副形状可変鏡と、前記第1形状可変鏡及び前記第1副形状可変鏡からの前記光の光強度を検出する第1検出部と、前記第2形状可変鏡及び前記第2副形状可変鏡からの前記光の光強度を検出する第2検出部と、前記第1副形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させたときの前記第1検出部の検出値に基づき、前記第1形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新する第1最適化動作を実行する第1補償光学制御部と、前記第2副形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第2副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させたときの前記第2検出部の検出値に基づき、前記第2形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第2形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新する第2最適化動作を実行する第2補償光学制御部とを含む制御部と、を備える。
この構成によれば、最適化手法を用いた補償光学装置の制御速度を向上させることができ、大気揺らぎが強い条件下における揺らぎの変化に追従した高次の光波面の補償に最適化手法を適用することができ、高次の光波面の補償を精度良く行うことができる。
前記制御部は、前記第1最適化動作及び前記第2最適化動作を繰り返し実行してもよい。
この構成によれば、光波面の補償を適切に行うことができる。
前記制御部は、前記第1最適化動作において、前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新した後、前記第1検出部が検出した前記光の光強度が所定の閾値以下であるか否かを判定し、前記第1検出部が検出した前記光の光強度が所定の閾値以下であると判定すると、前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を所定の初期形状に更新する第1初期化動作を実行し、且つ、前記第2最適化動作において、前記第2形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新した後、前記第2検出部が検出した前記光の光強度が所定の閾値以下であるか否かを判定し、前記第2検出部が検出した前記光の光強度が所定の閾値以下であると判定すると、前記第2形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を所定の初期形状に更新する第2初期化動作を実行してもよい。
この構成によれば、局所最適に陥った状態から抜け出すことができ、集光度が劣化した状態が継続することを防止することができる。
前記第1形状可変鏡の複数の前記駆動素子及び前記第2形状可変鏡の複数の前記駆動素子の一方の最大変位量は、他方の最大変位量よりも小さくてもよい。
この構成によれば、光波面の補償における波面歪みの次数を効率的に分担することができる。
最大変位量の小さい形状可変鏡は、他方の形状可変鏡より駆動素子数が多くてもよい。
この構成によれば、光波面の補償における波面歪みの次数を更に効率的に分担することができる。
レーザ光を発振するレーザ発振器を更に備え、前記第1検出部及び前記第2検出部は、発振された前記レーザ光が、前記第2形状可変鏡及び前記第1形状可変鏡をこの順に経て外部の照射対象物へ出射され大気伝搬した光として照射対象物に至る往路側の光路と、前記照射対象物にて反射された前記レーザ光が、前記大気伝搬した光として入射し、前記第1形状可変鏡及び前記第2形状可変鏡をこの順に経る復路側の光路と、を通った前記レーザ光の光強度を検出し、前記往路側の光路及び前記復路側の光路の前記第2形状可変鏡と前記照射対象物との間の区間の光路は同一経路であってもよい。
この構成によれば、復路側で大気揺らぎの影響を補正する補償動作を実施し、往路側の光路を復路側の光路と正確に重ねることで、往路側に対しても同様の補償を行うことができる。
前記レーザ光よりも高出力の高出力レーザ光を発振する高出力レーザ発振器と、前記高出力レーザ発振器から発振され、前記往路側の光路と前記復路側の光路とを通った前記高出力レーザ光の光強度を検出する第1高出力レーザ用検出部と、前記高出力レーザ発振器から発振され、前記往路側の光路と前記復路側の光路とを通った前記高出力レーザ光の光強度を検出する第2高出力レーザ用検出部と、前記第1高出力レーザ用検出部に入射する前記高出力レーザ光の光量を調整する第1高出力レーザ光量調整部と、前記第2高出力レーザ用検出部に入射する前記高出力レーザ光の光量を調整する第2高出力レーザ光量調整部と、を更に備え、前記制御部は、前記第1高出力レーザ光量調整部及び前記第2高出力レーザ光量調整部を制御し、前記第1最適化動作の実行中に実行され、前記第1高出力レーザ用検出部が検出した前記高出力レーザ光の光強度が前記第1高出力レーザ用検出部のダイナミックレンジに収まるように前記第1高出力レーザ用検出部に入射する前記高出力レーザ光の光量を調整する第1光量調整動作と、前記第1光量調整動作の完了後に実行され、前記第1最適化動作において、前記第1副形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させたときの前記第1検出部による検出値に基づいて前記第1形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させる動作を、前記第1副形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させたときの前記第1高出力レーザ用検出部による検出値に基づいて前記第1形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させる動作に切り替える第1切替処理と、前記第2最適化動作の実行中に実行され、前記第2高出力レーザ用検出部が検出した前記高出力レーザ光の光強度が前記第2高出力レーザ用検出部のダイナミックレンジに収まるように前記第2高出力レーザ用検出部に入射する前記高出力レーザ光の光量を調整する第2光量調整動作と、前記第2光量調整動作の完了後に実行され、前記第2最適化動作において、前記第2副形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第2副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させたときの前記第2検出部による検出値に基づいて前記第2形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第2形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させる動作を、前記第2副形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第2副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させたときの前記第2高出力レーザ用検出部による検出値に基づいて前記第2形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第2形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させる動作に切り替える第2切替処理と、を実行可能に構成されていてもよい。
この構成によれば、高出力レーザの照射開始時に高出力レーザの波面誤差の補償を行うことができる。また、高出力レーザの補償精度を高めることができる。
前記第1形状可変鏡及び前記第2形状可変鏡からの前記光の波面形状を検出する波面形状検出部を更に備え、前記制御部は、前記波面形状検出部による検出値に基づいて前記第1形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させる波面補正動作を実行する第3補償光学制御部を更に備え、前記制御部は、大気揺らぎの強度が所定値以上であると判定すると前記第1最適化動作及び前記第2最適化動作を実行し、大気揺らぎの強度が所定値未満であると判定すると前記波面補正動作を実行してもよい。
この構成によれば、大気揺らぎが弱く、光波面に大きな段差状成分が生じるおそれのないような条件下等においては波面補正動作により光波面を補償するので、処理速度に余裕を持たせることができる。
前記第1最適化動作において前記第1補償光学制御部は、前記第1副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を所定の第1基準形状から第1形状に変化させて前記第1検出部が検出した光強度を取得し、前記第1副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を前記第1形状と前記第1基準形状に対して対称となる第2形状に変化させて前記第1検出部が検出した光強度を取得し、前記第1形状及び前記第2形状のうち前記第1検出部が検出した光強度が強い一方の形状に向かって前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させて前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新し、前記第2最適化動作において前記第2補償光学制御部は、前記第2副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を所定の第2基準形状から第3形状に変化させて前記第2検出部が検出した光強度を取得し、前記第2副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を前記第3形状と前記第2基準形状に対して対称となる第4形状に変化させて前記第2検出部が検出した光強度を取得し、前記第3形状及び前記第4形状のうち前記第2検出部が検出した光強度が強い一方の形状に向かって前記第2形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させて前記第2形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新してもよい。
この構成によれば、最適化手法を用いた光波面の補償を適切に行うことができる。
前記第1形状は、前記第1副形状可変鏡を構成する複数の前記駆動部に対して前記第1最適化動作を実行する度にランダムに選択される第1形状変化量を前記第1基準形状に加算して規定される形状であり、前記第3形状は、前記第2副形状可変鏡を構成する複数の前記駆動部に対して前記第2最適化動作を実行する度にランダムに選択される第2形状変化量を前記第2基準形状に加算して規定される形状であってもよい。
この構成によれば、最適化手法を用いた光波面の補償において局所最適に陥ることを効果的に防止することができる。
前記第1形状変化量は、前記第1副形状可変鏡の複数の前記駆動素子のそれぞれについて前記ランダムに選択される動作量によって規定され、前記第2形状変化量は、前記第2副形状可変鏡の複数の前記駆動素子のそれぞれについて前記ランダムに選択される動作量によって規定されてもよい。
この構成によれば、最適化動作を適切に構成することができる。
前記第1補償光学制御部は、前記第1形状変化量を前記第1基準形状に加算して規定される前記第1副形状可変鏡の前記反射面の形状が閾値以下のチップ−チルト成分を有するように、前記第1副形状可変鏡の複数の駆動素子のそれぞれについてランダムに選択される動作量を規制し、前記第2補償光学制御部は、前記第2形状変化量を前記第2基準形状に加算して規定される前記第2副形状可変鏡の前記反射面の形状が閾値以下のチップ−チルト成分を有するように、前記第2副形状可変鏡の複数の駆動素子のそれぞれについてランダムに選択される動作量を規制してもよい。
この構成によれば、制御速度をより向上させることができる。
前記第1補償光学制御部は、前記第1副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を前記第1基準形状から前記反射面がドーム状に膨らむ第5形状に変化させて前記第1検出部が検出した光強度を取得し、前記第1副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を前記第5形状と前記第1基準形状に対して対称となる第6形状に変化させて前記第1検出部が検出した光強度を取得し、前記第5形状及び前記第6形状のうち前記第1検出部が検出した光強度が強い一方の形状に向かって前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させて前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新する、デフォーカス補正動作を実行可能に構成され、前記第1補償光学制御部は、前記デフォーカス補正動作を所定の周期で実行してもよい。
この構成によれば、比較的低次の波面誤差の補償を効果的に行うことができ、制御速度をより向上させることができる。
また、光学システムは、補償光学装置と補償結果評価装置とを含む光学システムであって、前記補償結果評価装置は、反射面と複数の駆動素子を有し該反射面の凹凸形状を変化させる駆動部とを含む評価用形状可変鏡と、前記照射対象物にて反射され、前記大気伝搬した光として入射し、前記評価用形状可変鏡を経る光路を通った前記レーザ光の光強度を検出する評価用検出部と、前記評価用形状可変鏡の前記駆動部を制御する評価用制御部と、を備え、前記評価用制御部は、前記評価用検出部が検出する前記レーザ光の光強度が強くなるように前記評価用形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させる結像動作を実行可能に構成され、前記第1最適化動作は、前記第1副形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させたときの前記第1検出部による検出値に加えて前記評価用検出部が検出する検出値に基づいて、前記第1形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新する動作であってもよい。
この構成によれば、より迅速にレーザ光の集光性を高めていくことができる。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
L1 第1光路
L2 第2光路
1 補償光学装置
4 第1形状可変鏡
5 第2形状可変鏡
8 第1メトリックセンサ
9 第2メトリックセンサ
13 第3ビームスプリッタ
14 第1副形状可変鏡
15 第2副形状可変鏡
21 (第1形状可変鏡の)反射面
22 (第1形状可変鏡の)駆動部
23 (第1形状可変鏡の)駆動素子
26 (第2形状可変鏡の)反射面
27 (第2形状可変鏡の)駆動部
28 (第2形状可変鏡の)駆動素子
31 第1補償光学制御部
32 第2補償光学制御部
51 (第1副形状可変鏡の)反射面
52 (第1副形状可変鏡の)駆動部
53 (第1副形状可変鏡の)駆動素子
56 (第2副形状可変鏡の)反射面
57 (第2副形状可変鏡の)駆動部
58 (第2副形状可変鏡の)駆動素子
100 光学システム

Claims (14)

  1. 大気伝搬した光を反射する反射面と、複数の駆動素子を有し該反射面の凹凸形状を変化させる駆動部と、を含む第1形状可変鏡と、
    前記第1形状可変鏡からの前記光を反射する反射面と、複数の駆動素子を有し該反射面の凹凸形状を変化させる駆動部と、を含む第2形状可変鏡と、
    前記第2形状可変鏡からの前記光を第1光路及び第2光路に分岐させる光路分岐部と、
    前記第1光路に設けられ、前記第1形状可変鏡が有する前記反射面及び前記駆動部に対応する反射面及び駆動部を含む第1副形状可変鏡と、
    前記第2光路に設けられ、前記第2形状可変鏡が有する前記反射面及び前記駆動部に対応する反射面及び駆動部を含む第2副形状可変鏡と、
    前記第1形状可変鏡及び前記第1副形状可変鏡からの前記光の光強度を検出する第1検出部と、
    前記第2形状可変鏡及び前記第2副形状可変鏡からの前記光の光強度を検出する第2検出部と、
    前記第1副形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させたときの前記第1検出部の検出値に基づき、前記第1形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新する第1最適化動作を実行する第1補償光学制御部と、前記第2副形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第2副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させたときの前記第2検出部の検出値に基づき、前記第2形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第2形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新する第2最適化動作を実行する第2補償光学制御部とを含む制御部と、を備える、補償光学装置。
  2. 前記制御部は、前記第1最適化動作及び前記第2最適化動作を繰り返し実行する、請求項1に記載の補償光学装置。
  3. 前記制御部は、前記第1最適化動作において、前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新した後、前記第1検出部が検出した前記光の光強度が所定の閾値以下であるか否かを判定し、前記第1検出部が検出した前記光の光強度が所定の閾値以下であると判定すると、前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を所定の初期形状に更新する第1初期化動作を実行し、且つ、前記第2最適化動作において、前記第2形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新した後、前記第2検出部が検出した前記光の光強度が所定の閾値以下であるか否かを判定し、前記第2検出部が検出した前記光の光強度が所定の閾値以下であると判定すると、前記第2形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を所定の初期形状に更新する第2初期化動作を実行する、請求項2に記載の補償光学装置。
  4. 前記第1形状可変鏡の複数の前記駆動素子及び前記第2形状可変鏡の複数の前記駆動素子の一方の最大変位量は、他方の最大変位量よりも小さい、請求項1乃至3の何れか一に記載の補償光学装置。
  5. レーザ光を発振するレーザ発振器を更に備え、
    前記第1検出部及び前記第2検出部は、発振された前記レーザ光が、前記第2形状可変鏡及び前記第1形状可変鏡をこの順に経て外部の照射対象物へ出射され大気伝搬した光として照射対象物に至る往路側の光路と、前記照射対象物にて反射された前記レーザ光が、前記大気伝搬した光として入射し、前記第1形状可変鏡及び前記第2形状可変鏡をこの順に経る復路側の光路と、を通った前記レーザ光の光強度を検出し、
    前記往路側の光路及び前記復路側の光路の前記第2形状可変鏡と前記照射対象物との間の区間の光路は同一経路である、請求項1乃至4の何れか一に記載の補償光学装置。
  6. 前記レーザ光よりも高出力の高出力レーザ光を発振する高出力レーザ発振器と、
    前記高出力レーザ発振器から発振され、前記往路側の光路と前記復路側の光路とを通った前記高出力レーザ光の光強度を検出する第1高出力レーザ用検出部と、
    前記高出力レーザ発振器から発振され、前記往路側の光路と前記復路側の光路とを通った前記高出力レーザ光の光強度を検出する第2高出力レーザ用検出部と、
    前記第1高出力レーザ用検出部に入射する前記高出力レーザ光の光量を調整する第1高出力レーザ光量調整部と、
    前記第2高出力レーザ用検出部に入射する前記高出力レーザ光の光量を調整する第2高出力レーザ光量調整部と、を更に備え、
    前記制御部は、
    前記第1高出力レーザ光量調整部及び前記第2高出力レーザ光量調整部を制御し、
    前記第1最適化動作の実行中に実行され、前記第1高出力レーザ用検出部が検出した前記高出力レーザ光の光強度が前記第1高出力レーザ用検出部のダイナミックレンジに収まるように前記第1高出力レーザ用検出部に入射する前記高出力レーザ光の光量を調整する第1光量調整動作と、
    前記第1光量調整動作の完了後に実行され、前記第1最適化動作において、前記第1副形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させたときの前記第1検出部による検出値に基づいて前記第1形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させる動作を、前記第1副形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させたときの前記第1高出力レーザ用検出部による検出値に基づいて前記第1形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させる動作に切り替える第1切替処理と、
    前記第2最適化動作の実行中に実行され、前記第2高出力レーザ用検出部が検出した前記高出力レーザ光の光強度が前記第2高出力レーザ用検出部のダイナミックレンジに収まるように前記第2高出力レーザ用検出部に入射する前記高出力レーザ光の光量を調整する第2光量調整動作と、
    前記第2光量調整動作の完了後に実行され、前記第2最適化動作において、前記第2副形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第2副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させたときの前記第2検出部による検出値に基づいて前記第2形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第2形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させる動作を、前記第2副形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第2副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させたときの前記第2高出力レーザ用検出部による検出値に基づいて前記第2形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第2形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させる動作に切り替える第2切替処理と、
    を実行可能に構成されている、請求項5に記載の補償光学装置。
  7. 前記第1形状可変鏡及び前記第2形状可変鏡からの前記光の波面形状を検出する波面形状検出部を更に備え、
    前記制御部は、前記波面形状検出部による検出値に基づいて前記第1形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させる波面補正動作を実行する第3補償光学制御部を更に備え、
    前記制御部は、大気揺らぎの強度が所定値以上であると判定すると前記第1最適化動作及び前記第2最適化動作を実行し、大気揺らぎの強度が所定値未満であると判定すると前記波面補正動作を実行する、請求項1乃至5の何れか一に記載の補償光学装置。
  8. 前記第1最適化動作において前記第1補償光学制御部は、前記第1副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を所定の第1基準形状から第1形状に変化させて前記第1検出部が検出した光強度を取得し、前記第1副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を前記第1形状と前記第1基準形状に対して対称となる第2形状に変化させて前記第1検出部が検出した光強度を取得し、前記第1形状及び前記第2形状のうち前記第1検出部が検出した光強度が強い一方の形状に向かって前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させて前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新し、
    前記第2最適化動作において前記第2補償光学制御部は、前記第2副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を所定の第2基準形状から第3形状に変化させて前記第2検出部が検出した光強度を取得し、前記第2副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を前記第3形状と前記第2基準形状に対して対称となる第4形状に変化させて前記第2検出部が検出した光強度を取得し、前記第3形状及び前記第4形状のうち前記第2検出部が検出した光強度が強い一方の形状に向かって前記第2形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させて前記第2形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新する、請求項1乃至7の何れか1に記載の補償光学装置。
  9. 前記第1形状は、前記第1副形状可変鏡を構成する複数の前記駆動部に対して前記第1最適化動作を実行する度にランダムに選択される第1形状変化量を前記第1基準形状に加算して規定される形状であり、
    前記第3形状は、前記第2副形状可変鏡を構成する複数の前記駆動部に対して前記第2最適化動作を実行する度にランダムに選択される第2形状変化量を前記第2基準形状に加算して規定される形状である、請求項8に記載の補償光学装置。
  10. 前記第1形状変化量は、前記第1副形状可変鏡の複数の前記駆動素子のそれぞれについて前記ランダムに選択される動作量によって規定され、
    前記第2形状変化量は、前記第2副形状可変鏡の複数の前記駆動素子のそれぞれについて前記ランダムに選択される動作量によって規定される、請求項9に記載の補償光学装置。
  11. 前記第1補償光学制御部は、前記第1形状変化量を前記第1基準形状に加算して規定される前記第1副形状可変鏡の前記反射面の形状が閾値以下のチップ−チルト成分を有するように、前記第1副形状可変鏡の複数の前記駆動素子のそれぞれについてランダムに選択される動作量を規制し、
    前記第2補償光学制御部は、前記第2形状変化量を前記第2基準形状に加算して規定される前記第2副形状可変鏡の前記反射面の形状が閾値以下のチップ−チルト成分を有するように、前記第2副形状可変鏡の複数の前記駆動素子のそれぞれについてランダムに選択される動作量を規制する、請求項10に記載の補償光学装置。
  12. 前記第1補償光学制御部は、前記第1副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を前記第1基準形状から前記反射面がドーム状に膨らむ第5形状に変化させて前記第1検出部が検出した光強度を取得し、前記第1副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を前記第5形状と前記第1基準形状に対して対称となる第6形状に変化させて前記第1検出部が検出した光強度を取得し、前記第5形状及び前記第6形状のうち前記第1検出部が検出した光強度が強い一方の形状に向かって前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させて前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新する、デフォーカス補正動作を実行可能に構成され、
    前記第1補償光学制御部は、前記デフォーカス補正動作を所定の周期で実行する、請求項8乃至11の何れか1に記載の補償光学装置。
  13. 請求項5に記載の補償光学装置と補償結果評価装置とを含む光学システムであって、
    前記補償結果評価装置は、
    反射面と複数の駆動素子を有し該反射面の凹凸形状を変化させる駆動部とを含む評価用形状可変鏡と、
    前記照射対象物にて反射され、前記大気伝搬した光として入射し、前記評価用形状可変鏡を経る光路を通った前記レーザ光の光強度を検出する評価用検出部と、
    前記評価用形状可変鏡の前記駆動部を制御する評価用制御部と、を備え、
    前記評価用制御部は、前記評価用検出部が検出する前記レーザ光の光強度が強くなるように前記評価用形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させる結像動作を実行可能に構成され、
    前記第1最適化動作は、前記第1副形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させたときの前記第1検出部による検出値に加えて前記評価用検出部が検出する検出値に基づいて、前記第1形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新する動作である、光学システム。
  14. 大気伝搬した光を反射する反射面と、複数の駆動素子を有し該反射面の凹凸形状を変化させる駆動部と、を含む第1形状可変鏡と、
    前記第1形状可変鏡からの前記光を反射する反射面と、複数の駆動素子を有し該反射面の凹凸形状を変化させる駆動部と、を含む第2形状可変鏡と、
    前記第2形状可変鏡からの前記光を第1光路及び第2光路に分岐させる光路分岐部と、
    前記第1光路に設けられ、前記第1形状可変鏡が有する前記反射面及び前記駆動部に対応する反射面及び駆動部を含む第1副形状可変鏡と、
    前記第2光路に設けられ、前記第2形状可変鏡が有する前記反射面及び前記駆動部に対応する反射面及び駆動部を含む第2副形状可変鏡と、
    前記第1形状可変鏡及び前記第1副形状可変鏡からの前記光の光強度を検出する第1検出部と、
    前記第2形状可変鏡及び前記第2副形状可変鏡からの前記光の光強度を検出する第2検出部と、
    前記第1形状可変鏡及び前記第1副形状可変鏡のそれぞれの前記駆動部を制御する第1補償光学制御部と、
    前記第2形状可変鏡及び前記第2副形状可変鏡のそれぞれの前記駆動部を制御する第2補償光学制御部と、を備える補償光学装置の光波面補償方法であって、
    前記第1補償光学制御部が前記第1副形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させたときの前記第1検出部の検出値に基づき、前記第1形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第1形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新する第1最適化動作ステップと、
    前記第2補償光学制御部が前記第2副形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第2副形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を変化させたときの前記第2検出部の検出値に基づき、前記第2形状可変鏡の前記駆動部を制御して前記第2形状可変鏡の前記反射面の凹凸形状を更新する第2最適化動作ステップと、を有する、光波面補償方法。
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