JP6867646B2 - 補償光学システムおよび補償光学方法 - Google Patents

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Description

本発明は補償光学システムおよび補償光学方法に関し、例えば、大気揺らぎによる光の波面乱れを補償する補償光学システムおよび補償光学方法に好適に利用できるものである。
光が大気を伝搬する際、大気の揺らぎによって、光の波面が乱れる場合がある。天体観測においては、このような現象が原因で、望遠鏡が本来有する解像力が十分に発揮されず、観測される画像がぼやけてしまう場合が往々にしてある。
このような問題を解決するために、補償光学と呼ばれる技術が開発されている。これは、大気を伝搬する光の波面を波面センサで測定し、この測定の結果に基づいて調整される可変形鏡を用いて波面を補正する技術である。
補償光学技術の適用例として、国立天文台すばる望遠鏡のレーザーガイドスター補償光学装置が知られている。
従来は、天体などの、ほとんど移動しない目標の観測が、補償光学技術の主な適用先であった。しかし、近年では、移動体との光空間通信や、宇宙デブリの除去作業などの、移動する物体に対する大気中からのレーザー光照射が必要となるアプリケーションが提案されており、また研究されている。
レーザー光が大気中を伝搬する際、大気の揺らぎによってレーザー光の波面が乱れる。その結果、レーザー光が曲がったり、拡散したりする場合がある。このような現象を防止するためには、レーザー光の波面を予め補正してから目標に向けて照射することが有効となる。また、目標が移動することに起因する問題もある。
以上に関連して、特許文献1(特開2016−42550号公報)には、レーザ照射装置に係る記載が開示されている。このレーザ照射装置は、移動体にレーザ光を照射する。このレーザ照射装置は、第1の可変形鏡と、第2の可変形鏡と、レーザ照射部とを備える。ここで、第1の可変形鏡は、移動体と、レーザ照射装置との間の距離の変化に基づいた焦点位置の補正を行う。第2の可変形鏡は、大気の揺らぎに基づいた補正を行う。レーザ照射部は、第1の可変形鏡と、第2の可変形鏡とを介して、移動体にレーザ光を照射する。
特開2016−42550号公報
高速に移動する目標にレーザー光を照射する場合でも大気揺らぎに由来する波面乱れを光学的に補償出来る補償光学システムを提供する。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
以下に、(発明を実施するための形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
一実施形態による補償光学システム(1)は、光源(2)と、駆動光学系(3)と、波面センサ(7)と、演算装置(93)と、制御装置(9)とを具備する。光源(2)は、レーザー光(22)を生成する。駆動光学系(3)は、光源(2)からレーザー光(22)を入射し、所定の目標(10)に向けて出射する。波面センサ(7)は、目標(10)から届く参照光(101)の波面(70)を観測し、観測の結果を示す波面観測情報信号(71)を生成する。演算装置(93)は、波面観測情報信号(71)を受信し、波面の乱れを近似するZernike多項式を算出する。制御装置(9)は、Zernike多項式として算出される複数のZernike係数に応じて複数の制御信号(90)を生成する。複数の制御信号(90)は、第1制御信号と、第2制御信号と、第3制御信号とを含む。第1制御信号は、複数のZernike係数のうち、波面の乱れの傾き成分を示す第1次Zernike係数に応じて生成される。第2制御信号は、複数のZernike係数のうち、前記波面の乱れのフォーカスシフト成分を示す第2次Zernike係数に応じて生成される。第3制御信号は、複数のZernike係数のうち、前記波面の乱れの第3次成分を示す第3次Zernike係数に応じて生成される。駆動光学系(3)は、第1制御信号で駆動する第1駆動鏡(31)と、第2制御信号で駆動する第2駆動鏡(32)と、第3制御信号で駆動する第3駆動鏡(33)とを具備する。
一実施形態による補償光学方法は、レーザー光を生成することと、レーザー光を所定の目標に向けて出射することと、目標から届く参照光の波面を観測することと、観測の結果を示す波面観測情報信号を生成することと、波面観測情報信号から、波面の乱れを近似するZernike多項式を算出することと、Zernike多項式として算出される複数のZernike係数に応じて複数の制御信号を生成することとを具備する。複数の制御信号を生成することは、複数のZernike係数のうち、波面の乱れの傾き成分を示す第1次Zernike係数に応じて第1制御信号を生成することと、複数のZernike係数のうち、波面の乱れのフォーカスシフト成分を示す第2次Zernike係数に応じて第2制御信号を生成することと、複数のZernike係数のうち、波面の乱れの第3次成分を示す第3次Zernike係数に応じて第3制御信号を生成することとを具備する。出射することは、第1制御信号で駆動する第1駆動鏡でレーザー光を反射することと、第2制御信号で駆動する第2駆動鏡でレーザー光を反射することと、第3制御信号で駆動する第3駆動鏡でレーザー光を反射することとを具備する。
前記一実施の形態によれば、高速に移動する目標にレーザー光を照射する場合でも大気揺らぎに由来する波面乱れを光学的に補償することが出来る。
図1Aは、一実施形態による補償光学システムの一構成例を示す図である。 図1Bは、一実施形態による制御装置の一構成例を示すブロック回路図である。 図2は、一実施形態による補償光学方法の一構成例を示すフローチャートである。 図3Aは、一実施形態による補償光学システムの一構成例を示す図である。 図3Bは、一実施形態による制御装置の一構成例を示すブロック回路図である。 図4は、一実施形態による補償光学方法の一構成例を示すフローチャートである。 図5は、一実施形態による補償光学システムの一構成例を示す図である。
添付図面を参照して、本発明による補償光学システムおよび補償光学方法を実施するための形態を以下に説明する。
本発明のより良い理解のために、まず、従来技術について説明する。特許文献1(特開2016−42550号公報)では、移動体へのレーザー照射を行う際に、可変形鏡を用いることで、照射するレーザー光の波面補正を行っている。さらに、別の可変形鏡を用いて、目標との距離の変化に基づいた焦点補正を行うことによって、波面補正および焦点補正の両立を提案している。
しかしながら、目標の移動速度が高速化した場合に要求される、高速補正、高分解能および大補正量を同時に実現することや、目標の位置の高精度追尾および補償光学の両立などについて、特許文献1は有効な解決手段を提示していない。
(第1実施形態)
図1Aを参照して、一実施形態による補償光学システム1について説明する。図1Aは、一実施形態による補償光学システム1の一構成例を示す図である。
図1Aの補償光学システム1の構成要素について説明する。補償光学システム1は、光源2と、駆動光学系3と、対物光学系4と、ハーフミラー5と、波面センサ7と、制御装置9とを備える。駆動光学系3は、第1駆動鏡31と、第2駆動鏡32と、第3駆動鏡33とを備える。第1駆動鏡31は、第1反射面310と、図示しない第1駆動装置とを備える。第2駆動鏡32は、第2反射面320と、図示しない第2駆動装置とを備える。第3駆動鏡33は、第3反射面330と、図示しない第3駆動装置とを備える。
図1Aの構成要素の接続関係について説明する。第1駆動鏡31において、第1駆動装置は、第1反射面310に、第1反射面310の方向を調整出来るように接続されている。第2駆動鏡32において、第2駆動装置は、第2反射面320に、第2反射面320の曲面形状を調整できるように接続されている。第3駆動鏡33において、第3駆動装置は、第3反射面330に、第3反射面330の曲面形状を調整できるように接続されている。
図1Aの構成要素の光学的な接続関係について説明する。光源2と、第3駆動鏡33と、第2駆動鏡32と、第1駆動鏡31と、対物光学系4とは、この順番に、光学的に接続されている。ここで、光源2から出射されたレーザー光22が、駆動光学系3を介して目標10に向かう光路において、第2駆動鏡32は第3駆動鏡33より後段に配置されており、第1駆動鏡31は第2駆動鏡32より後段に配置されている。
言い換えれば、光源2から出射されるレーザー光22は、駆動光学系3に入射すると、まず、第3駆動鏡33の第3反射面330で反射する。第3反射面330で反射したレーザー光22は、次に、第2駆動鏡32の第2反射面320で反射する。第2反射面320で反射したレーザー光22は、次に、第1駆動鏡31の第1反射面310で反射する。第1反射面310で反射したレーザー光22は、次に、ハーフミラー5を透過し、対物光学系4を介して出射され、大気中を伝搬し、目標10に照射される。
また、対物光学系4と、ハーフミラー5と、波面センサ7の受光部とは、この順番に、光学的に接続されている。
言い換えれば、目標10から届く参照光101は、まず、大気中を伝搬し、対物光学系4を通った後、ハーフミラー5で反射する。ハーフミラー5で反射した参照光101は、次に、波面センサ7の受光部に入射される。
図1Aの構成要素の電気的な接続関係について説明する。波面センサ7と、制御装置9と、駆動光学系3とは、電気的に接続されている。
より具体的には、波面センサ7の出力部と、制御装置9の入力部とは、電気的に接続されている。すなわち、波面センサ7が生成する波面観測情報信号71は、波面センサ7と、制御装置9との間で、電気的に送受信される。また、制御装置9が生成する制御信号90は、制御装置9と、第1駆動装置、第2駆動装置および第3駆動装置との間で、電気的に送受信される。
図1Bを参照して、一実施形態による補償光学システム1について説明する。図1Bは、一実施形態による制御装置9の一構成例を示すブロック回路図である。
図1Bの制御装置9の構成要素について説明する。制御装置9は、バス91と、入力装置92と、演算装置93と、記憶装置94と、出力装置95と、外部記憶装置96とを備える。
図1Bの構成要素の接続関係について説明する。バス91は、入力装置92、演算装置93、記憶装置94、出力装置95および外部記憶装置96のそれぞれと、電気的に接続さている。言い換えれば、入力装置92、演算装置93、記憶装置94、出力装置95および外部記憶装置96は、バス91を介して電気信号を相互に送受信する。
外部記憶装置96は、着脱可能な記録媒体961に対してデータの読み書きを行う。入力装置92は、波面センサ7に、波面観測情報信号71を受信できるように接続されていることが好ましい。出力装置95は、駆動光学系3に、制御信号90を送信できるように接続されていることが好ましい。
図2を参照して、一実施形態による補償光学システム1の動作、すなわち一実施形態による光学的補償方法について説明する。図2は、一実施形態による光学的補償方法の一構成例を示すフローチャートである。
図2のフローチャートは、第0ステップS100乃至第4ステップS104の、合計5のステップを含む。図2のフローチャートは、第0ステップS100から開始する。第0ステップS100の次には、第1ステップS101が実行される。
第1ステップS101において、補償光学システム1が目標10に対してレーザー光22を照射する。より具体的には、まず、光源2がレーザー光22を生成する。ここで、生成されたレーザー光22の波面21は、駆動光学系3に入射される前の時点においては、例えば、球面や平面などの、目標10に到達した際に集束しやすい形状を有していることが好ましい。次に、生成されたレーザー光22が、駆動光学系3および対物光学系4を介して目標10に到達するように、駆動光学系3および対物光学系4の位置および方向は予め適宜に設定されていることが好ましい。この初期的な設定は、あくまでもレーザー光22が目標10に到達することを目的としており、本実施形態の目的である補償光学を行う必要はまだ無い。第1ステップS101の次には、第2ステップS102が実行される。
第2ステップS102において、目標10から届く参照光101の波面を、波面センサ7が観測する。ここで、観測される波面を、波面21と区別するために観測波面70と呼ぶ。観測波面70は、対物光学系4と、目標10との間に存在する大気の揺らぎの影響を受けて乱れている。
なお、参照光101は、目標10から補償光学システム1に届く光を意味する。参照光101は、補償光学システム1の光源2で生成されたレーザー光22が目標10で反射して補償光学システム1に戻る反射光であっても良いし、他の光源で生成された任意の光が目標10で反射して補償光学システム1に届く反射光であっても良いし、目標10自身から出射されて補償光学システム1に届く任意の光であっても良い。
波面センサ7は、例えば、シャックハルトマン型の波面センサであっても良い。シャックハルトマン型の波面センサは、外部から入射する光を、平面状に配置された複数のレンズを介して受光して、複数のレンズで結像する複数の像を1つの撮像センサなどで撮影する。シャックハルトマン型の波面センサは、撮影された複数の像の配置を検出することで、入射光の波面の観測結果を表す電気信号を生成することが出来る。波面センサ7は、観測波面70を観測し、この観測の結果を示す波面観測情報信号71を生成する。波面センサ7は、生成した波面観測情報信号71を、制御装置9に向けて送信する。第2ステップS102の次には、第3ステップS103が実行される。
第3ステップS103において、制御装置9が、受信した波面観測情報信号71に基づいて、駆動光学系3を制御するための制御信号90を生成する。
制御装置9は、図1Bに示したとおり、プログラムとして記憶装置94に格納された各種の指示を演算装置93が実行する計算機であっても良い。この場合、制御装置9は、Zernike多項式算出プログラム941を実行してZernike多項式を算出する演算装置として動作する一方で、制御信号生成プログラム942を実行して制御信号を生成する制御装置としても動作する。
制御装置9がZernike多項式を算出する動作について説明する。記憶装置94には、予めZernike多項式算出プログラム941が格納されていることが好ましい。このZernike多項式算出プログラム941は、例えば、予め記録媒体961に格納されていて、外部記憶装置96によって読み出されて、バス91を介して記憶装置94に書き込まれたものであっても良い。
演算装置93は、記憶装置94からZernike多項式算出プログラム941を読み出して実行する。Zernike多項式算出プログラム941を実行する演算装置93は、入力装置92およびバス91を介して、波面観測情報信号71を受信する。受信された波面観測情報信号71は、記憶装置94に格納されても良い。
演算装置93は、受信した波面観測情報信号71が表す観測波面70の乱れを近似するZernike多項式を算出する。この近似は、例えば、最小二乗法を利用して算出されても良い。
Zernike多項式は、波面乱れを、それぞれに独立した成分に分解し、それぞれの成分を互いに直交する項として表現する式である。ここで、それぞれの項は、それぞれに次数が設定されている2つの変数と、係数との積として表現される。このような係数を、以降、「Zernike係数」と呼ぶ。Zernike多項式を算出することは、Zernike多項式に含まれる複数の項または複数のZernike係数を算出することに等しい。
制御装置9が制御信号90を生成する動作について説明する。記憶装置94には、予め制御信号生成プログラム942が格納されていることが好ましい。この制御信号生成プログラム942は、例えば、記録媒体961に格納されていて、外部記憶装置96によって読み出され、バス91を介して記憶装置94に書き込まれたものであっても良い。
演算装置93は、記憶装置94から制御信号生成プログラム942を読み出して実行する。制御信号生成プログラム942を実行する演算装置93は、記憶装置94に格納されている各Zernike係数を読み出して、読み出した各Zernike係数に応じた制御信号90を生成する。このように生成される複数の制御信号90の全てまたは一部を総称して単に制御信号90とも呼ぶ。
より具体的には、制御装置9は、制御信号90として、第1次Zernike係数に対応する第1制御信号と、第2次Zernike係数に対応する第2制御信号と、第3次Zernike係数に対応する第3制御信号とを生成する。
第1次Zernike係数および第1制御信号について説明する。第1次Zernike係数は、実際には2つの成分を含む。これら2つの成分のうち、第1成分は、第1方向における傾き成分であり、第2成分は、第2方向における傾き成分である。ここで、第1方向は、光軸方向に対して直交している。また、第2方向は、光軸方向に対して直交し、かつ、第1方向に対しても直交している。
第1制御信号は、これら2つの傾き成分に応じて生成される。すなわち、第1制御信号で駆動する第1駆動鏡31によって、観測波面70の乱れのうち、第1方向および第2方向の傾き成分が補正されるように、第1制御信号は生成される。したがって、第1制御信号は、実際には2つの制御信号を含んでいても良い。
第1駆動鏡31は、その表面が平らで変形しない第1反射面310と、この第1反射面310を傾ける第1駆動装置とを備える。第1駆動装置は、第1反射面310を第1方向に傾ける第1サーボモータと、第1反射面310を第2方向に傾ける第2サーボモータとを備えていても良い。第1駆動装置は、第1制御信号に応じて、第1反射面310が観測波面70の乱れのうち傾き成分を補正する方向に、第1反射面310を傾ける。第1駆動鏡31は、例えば、このように動作するチップチルト鏡であっても良い。
第2次Zernike係数および第2制御信号について説明する。第2次Zernike係数は、実際には3つの成分を含む。これら3つの成分のうち、第1成分は、第1方向および第2方向における第1非点収差成分であり、第2成分は、フォーカスシフトの成分であり、第3成分は、第3方向および第4方向における第2非点収差成分である。ここで、第3方向は、光軸方向に対して直交しており、かつ、第1方向および第2方向に対して45度で交差している。第4方向は、光軸方向に対して直交しており、かつ、第3方向に対しても直交している。
第2制御信号は、フォーカスシフトの成分に応じて生成される。すなわち、第2制御信号で駆動する第2駆動鏡32によって、観測波面70の乱れのうち、フォーカスシフトの成分が補正されるように、第2制御信号は生成される。
第2駆動鏡32は、例えば、バイモルフ型可変形鏡であっても良い。バイモルフ型可変形鏡は、その反射面の曲面形状が複数の圧電素子の伸縮によって変形するように構成されている。ここで、複数の圧電素子は、印加される電圧に応じて伸縮する方向に平行な平面に平行に並べて配置されている。ただし、複数の圧電素子のうち、一部は反射面の表面側に配置されており、残りは反射面の裏面側に配置されている。バイモルフ型可変形鏡は、反射面の表面側および裏面側で、圧電素子の伸縮が逆になるように電圧を印加することで、自身を含む光学系の焦点距離を調整することが可能である。このようにして、第2駆動鏡32は、自身を含む駆動光学系3全体としての焦点距離、さらにはこの駆動光学系3を含む補償光学システム1全体としての焦点距離を、制御することが可能である。
なお、第2次Zernike係数のうち、第1非点収差成分および第2非点収差成分については、フォーカスシフトの成分と合わせて、第2駆動鏡32で補正しても良い。この場合は、第2制御信号は、フォーカスシフトの成分に加えて、第1非点収差成分および第2非点収差の成分にも応じて生成される。もしくは、第1非点収差成分および第2非点収差の成分については、後述する第3駆動鏡33で補正しても良い。
第3次Zernike係数および第3制御信号について説明する。第3次Zernike係数は、実際には4つの成分を含む。これら4つの成分には、第1方向における3次のコマ収差の成分や、第2方向における3次のコマ収差の成分などが含まれる。
第3制御信号は、第3次Zernike係数の各成分に応じて生成される。すなわち、第3制御信号で駆動する第3駆動鏡33によって、観測波面70の乱れのうち、第3次Zernike係数に対応する成分が補正されるように、第3制御信号は生成される。
第3駆動鏡33は、例えば、フェースシート型可変形鏡であっても良い。フェースシート型可変鏡は、その反射面の曲面形状が複数の圧電素子によって変形するように構成されている。ここで、複数の圧電素子は、印加される電圧に応じて伸縮する方向に直交する平面の方向に並べて配置されている。
なお、第1非点収差成分および第2非点収差の成分を、第3駆動鏡33で補正する場合は、第3制御信号を、第3次Zernike係数の各成分に加えて、第2次Zernike係数のうち第1非点収差成分および第2非点収差成分にも応じて生成される。
第3ステップS103の次には、第4ステップS104が実行される。
第4ステップS104において、第1駆動鏡31、第2駆動鏡32および第3駆動鏡33が、それぞれ、第1制御信号、第2制御信号および第3制御信号で駆動する。
すなわち、第1駆動鏡31の第1駆動装置が第1制御信号で駆動し、観測波面70の乱れのうち、第1次Zernike係数が示す傾き成分を補正するように、第1駆動鏡31の第1反射面310の方向を調整する。
同様に、第2駆動鏡32の第2駆動装置が第2制御信号で駆動し、観測波面70の乱れのうち、第2次Zernike係数が示すフォーカスシフト成分を補正するように、第2駆動鏡32の第2反射面320の曲面形状を調整し、駆動光学系3の焦点距離を調整する。
同様に、第3駆動鏡33の第3駆動装置が第3制御信号で駆動し、観測波面70の乱れのうち、第3次Zernike係数が示す第3次成分を補正するように、第3駆動鏡33の第3反射面330の曲面形状を調整する。
その結果、駆動光学系3から目標10に向けて出射されるレーザー光22の波面は、観測波面70に対して共役の関係を有する形状を有することになる。この波面を、区別のために共役波面30と呼ぶ。ここで、共役の関係とは、2つの波面を組み合わせることで、球面または平面の波面が合成されることを意味する。したがって、共役波面30を有するレーザー光22が、対物光学系4および大気を介して目標10に到達する際、大気の揺らぎの影響を受けることで、光源2から出射された際に有していた球面または平面の波面21を有する理想的な状態で集束することになる。
言い換えれば、レーザー光22が有する球面または平面の波面21が目標10に到達する際に、大気の揺らぎによって観測波面70に変化する場合に、この観測波面70と共役の関係にある共役波面30を駆動光学系3で生成することによって、この共役波面30を有するレーザー光22に、目標10に到達する際に球面または平面の波面21を持たせることが可能となる。
本実施形態による補償光学システム1は、以上のような動作を行うことによって、大気の揺らぎによるレーザー光22の波面乱れを補償することが出来る。
なお、大気の揺らぎ具合は時間で変動するので、第4ステップS104が完了した後も、第2ステップS102〜第4ステップS104を繰り返し実行することが好ましい。その意味では、第4ステップS104の次に、図2のフローチャートを第2ステップS102から再度実行しても良い。
また、参照光101を得るために照射されるレーザー光22は、本来の目的を達成するためのレーザー光22とは、強度などの観点から異なる場合がある。その意味では、第4ステップS104の次に、レーザー光22の生成条件を変更した上で、図2のフローチャートを第1ステップS101から再度実行しても良い。
(第2実施形態)
上述したように、大気の揺らぎ具合は時間で変動する。その一方で、駆動鏡の駆動速度には物理的な限界がある。したがって、大気の揺らぎ具合の変化が速過ぎて、各駆動鏡の駆動が、特に第3駆動鏡33の駆動が、間に合わない場合が考えられる。これは、Zernike多項式は、高次の項ほど、対応する波面乱れを補正するために可変形鏡の反射面が取るべき曲面形状が複雑になるからである。言い換えれば、各駆動鏡の反射面に求められる分解能や、駆動装置への負荷などが増加し、結果的に補正の精度が低下してしまうからである。
一般的に、Zernike多項式は、低次の項ほど、対応する波面乱れに影響する割合が大きい。したがって、第1次Zernike係数に応じて制御される第1駆動鏡31と、第2次Zernike係数に応じて制御される第2駆動鏡32とについては、駆動光学系3による補正量を最大化する観点から、第3次Zernike係数に応じて制御される第3駆動鏡33よりも優先的に駆動することが好ましい。なお、同様の理由から、より低次のZernike係数に応じて制御される駆動鏡ほど、光源2から目標10に向かう光路においてはより後段に配置されていることが好ましい。
そこで、本実施形態では、大気揺らぎ具合の変化速度の大きさに応じて第3駆動鏡33の駆動量を減らすように、第1実施形態による第3制御信号の生成方法に変更を加える。具体的には、Zernike多項式として算出する第3次以降のZernike係数のうち、実際に算出するZernike係数の総数を、参照光101の照度の変化速度に応じて増減する。これは、大気の揺らぎ具合の変化速度と、この大気を通過する参照光101の照度の変化速度との間に、十分に有意な相関関係が認められるからである。ここで、光の照度は、観測側から見たその光の強度と同様の意味を有する。
図3Aを参照して、一実施形態による補償光学システム1について説明する。図3Aは、一実施形態による補償光学システム1の一構成例を示す図である。
図3Aの補償光学システム1は、図1Aの補償光学システム1に、ハーフミラー6および照度センサ8を追加したものである。図3Aの補償光学システム1の構成のうち、主に図1Aと異なる部分について説明する。
ハーフミラー6および照度センサ8の、他の構成要素に対する光学的な接続関係について説明する。ハーフミラー6は、ハーフミラー5と、波面センサ7との間に配置されている。すなわち、ハーフミラー5で反射された参照光101のうち、一部の参照光101はハーフミラー6で反射して照度センサ8に入射し、残りの参照光101はハーフミラー6を透過して波面センサ7に入射する。
照度センサ8の、他の構成要素に対する電気的な接続関係について説明する。照度センサ8の出力は、制御装置9の入力に接続されている。より具体的には、照度センサ8が生成する照度観測情報信号81は、照度センサ8および制御装置9の間で、電気的に送受信される。ここで、照度観測情報信号81は、照度センサ8に入射する参照光101の照度を照度センサ8が観測した結果を示す信号である。
図3Aのその他の構成については、図1Aの場合と同様であるので、さらなる詳細な説明を省略する。
図3Bを参照して、一実施形態による制御装置9の構成について説明する。図3Bは、一実施形態による制御装置9の一構成例を示すブロック回路図である。
図3Bの制御装置9は、図1Bの制御装置9に、閾値テーブル943を追加したものである。閾値テーブル943は、記憶装置94に格納されている。この閾値テーブル943は、例えば、予め記録媒体961に格納されていて、外部記憶装置96によって読み出されて、バス91を介して記憶装置94に書き込まれたものであっても良い。
閾値テーブル943は、所定の閾値を示すデータを備えている。この閾値は、後述するように、参照光101の強度の変化速度と、第3駆動鏡33の第3駆動装置の駆動速度とを、Zernike多項式の項の総数の観点から比較するために用いる閾値である。閾値テーブル943は、このような閾値を複数含んでいても良い。
図4を参照して、一実施形態による補償光学システム1の動作、すなわち一実施形態による光学的補償方法について説明する。図4は、一実施形態による光学的補償方法の一構成例を示すフローチャートである。図4のフローチャートは、第0ステップS200乃至第8ステップS208の合計9のステップを備える。図4のフローチャートは、第0ステップS200で開始する。第0ステップS200の次には、第1ステップS201が実行される。
第1ステップS201において、補償光学システム1が目標10に対してレーザー光22を照射する。図4の第1ステップS201は、図2の第1ステップS101と同様であるので、さらなる詳細な説明を省略する。第1ステップS201の次には、第2ステップS202が実行される。
第2ステップS202において、目標10から届く参照光101の観測波面70を、波面センサ7が観測する。図4の第2ステップS202は、図2の第2ステップS102と同様であるので、さらなる詳細な説明を省略する。第2ステップS202の次には、第3ステップS203が実行される。
第3ステップS203において、制御装置9が、受信した波面観測情報信号71に基づいて、駆動光学系3を制御するための制御信号90を生成する。図4の第3ステップS203は、図2の第3ステップS103とほぼ同様であるが、以下の点で異なる。すなわち、後述するように、制御装置9は照度観測情報信号81と、閾値テーブル943の閾値との間で比較を行い、この比較の結果に応じて、制御装置9がZernike多項式算出プログラム941を実行して算出するZernike係数の総数を増減する。その結果、第3次以降のZernike係数に基づいて生成される第3制御信号の内容も変化する。第3ステップS203の次には、第4ステップS204が実行される。
第4ステップS204において、第1駆動鏡31、第2駆動鏡32および第3駆動鏡33が、それぞれ、第1制御信号、第2制御信号および第3制御信号で駆動する。図4の第4ステップS204は、図2の第4ステップS104と同様であるので、さらなる詳細な説明を省略する。第4ステップS204の次には、第5ステップS205が実行される。
第5ステップS205において、照度センサ8が、参照光101の強度を観測する。より具体的には、照度センサ8が、参照光101の照度の変化速度を観測し、この観測結果を示す照度観測情報信号81を生成する。生成された照度観測情報信号81は、制御装置9に向けて送信される。第5ステップS205の次には、第6ステップS206が実行される。
第6ステップS206において、制御装置9が、参照光101の強度の変化速度と、記憶装置94に格納されている閾値との間で比較を行う。ここで、制御装置9は、参照光101の強度の変化速度を、照度センサ8から受信した照度観測情報信号81から読み出す。また、制御装置9は、比較対象となる閾値を、記憶装置94に格納されている閾値テーブル943から読み出す。
閾値テーブル943の閾値は、第3駆動鏡33の第3駆動装置の駆動速度に基づいて予め算出されていることが好ましい。すなわち、参照光101の強度の変化速度がどのような範囲に収まっていれば、Zernike多項式の幾つの項に応じて生成した第3制御信号に応じて第3駆動装置が駆動できるのか、その組み合わせの羅列を、実測や理論計算などにより予め用意しておき、これらの組み合わせを表す閾値を予め記憶装置94に格納しておくことが好ましい。したがって、参照光101の強度の変化速度との比較対象として、閾値テーブル943には複数の閾値が用意されていることが好ましい。
比較の結果、参照光101の強度の変化速度が閾値以上である場合(YES)は、第6ステップS206の次に、第7ステップS207が実行される。反対の場合(NO)は、第6ステップS206の次に、第8ステップS208が実行される。
第7ステップS207において、制御装置9が、複数のZernike係数のうち、補正する項の数を減らす。ただし、駆動光学系3に求められる必要最低限の補正能力を鑑みて、補正する項の数は所定の下限を越えないように制御されることが好ましい。例えば、第1駆動鏡31を駆動する第1制御信号と、第2駆動鏡32を駆動する第2制御信号とは最低でも生成されるように、補正する項の数には所定の下限値が用意されることが好ましい。第7ステップS207の次には、図4のフローチャートが第2ステップS202から再度実行される。なお、第1ステップS201で参照光101を得るために照射されたレーザー光22が、本来の目的を達成するためのレーザー光22と異なる場合には、第7ステップS207の次に、光源2がレーザー光22を生成する条件を変更した上で、図4のフローチャートを第1ステップS201から再度実行しても良い。
第8ステップS208において、制御装置9が、複数のZernike係数のうち、補正する項の数を増やす。ただし、演算装置93の演算能力の上限を鑑みて、補正する項の数は所定の上限を超えないように制御されることが好ましい。第8ステップS208の次には、図4のフローチャートが第2ステップS202から再度実行される。なお、第1ステップS201で参照光101を得るために照射されたレーザー光22が、本来の目的を達成するためのレーザー光22と異なる場合には、第8ステップS208の次に、光源2がレーザー光22を生成する条件を変更した上で、図4のフローチャートを第1ステップS201から再度実行しても良い。
本実施形態による補償光学システム1は、以上のように動作することで、駆動鏡の負荷を低減し、補正速度を向上させ、補正効果を最大化することが出来る。
(第3実施形態)
Zernike多項式は、高次の項ほど、対応する波面乱れ成分が複雑であり、この波面乱れ成分を補正する可変形鏡の曲面形状も複雑である。したがって、第1実施形態および第2実施形態の第3駆動鏡33のように、一枚の可変形鏡で複数の高次項を合成した波面乱れ成分を補正しようとすると、この合成した波面乱れ成分を補正するための曲面形状はさらに複雑になり、第3駆動装置の負荷が大きくなる。
そこで、本実施形態では、観測波面70の乱れのうち、第3次以降の複数のZernike係数にそれぞれ対応する複数の乱れ成分を、第3以降の複数の高次駆動鏡33〜3Nでそれぞれ補正する。言い換えれば、本実施形態では、駆動鏡の総数を3より大きくする。
図5を参照して、一実施形態による補償光学システム1の構成について説明する。図5は、一実施形態による補償光学システム1の一構成例を示す図である。
図5の補償光学システム1は、図1Aの補償光学システム1に、第4駆動鏡34、第5駆動鏡35および第N駆動鏡3Nを追加したものである。ここで、Nは任意の整数であって、第5駆動鏡35および第N駆動鏡3Nの間には図示を省略された駆動鏡がさらにあっても良い。
第4駆動鏡34乃至第N駆動鏡3Nは、第3駆動鏡33と同様に構成されており、それぞれの駆動鏡が反射面および駆動装置を備える。すなわち、第4駆動鏡34は、第4反射面340および図示しない駆動装置を備え、第5駆動鏡35は、第5反射面350および図示しない駆動装置を備え、第N駆動鏡3Nは、第N反射面3N0および図示しない駆動装置を備える。
本実施形態による補償光学システム1の動作は、図2に示した第1実施形態の場合と、駆動鏡、制御信号90および算出されるZernike係数の総数が増加した点で異なるが、その他については同様であるので、さらなる詳細な説明を省略する。
本実施形態によれば、複数の高次Zernike係数に一対一対応する複数の駆動鏡を用意することで、それぞれの駆動鏡がその反射面の曲面形状を調整するための負荷を低減することが出来る。その結果、補正速度が向上する。
以上、発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。また、前記実施の形態に説明したそれぞれの特徴は、技術的に矛盾しない範囲で自由に組み合わせることが可能である。
1 補償光学システム
10 目標
101 参照光
2 光源
21 波面
22 レーザー光
3 駆動光学系
30 共役波面
31 駆動鏡
310 反射面
32 駆動鏡
320 反射面
33 駆動鏡
330 反射面
34 駆動鏡
340 反射面
35 駆動鏡
350 反射面
3N 駆動鏡
3N0 反射面
4 対物光学系
5 ハーフミラー
6 ハーフミラー
7 波面センサ
70 観測波面
71 波面観測情報信号
8 照度センサ
81 照度観測情報信号
9 制御装置
90 制御信号
91 バス
92 入力装置
93 演算装置
94 記憶装置
941 Zernike多項式算出プログラム
942 制御信号生成プログラム
943 閾値テーブル
95 出力装置
96 外部記憶装置
961 記録媒体

Claims (7)

  1. レーザー光を生成する光源と、
    前記光源から前記レーザー光を入射し、所定の目標に向けて出射する駆動光学系と、
    前記目標から届く参照光の波面を観測し、前記波面の観測結果を示す波面観測情報信号を生成する波面センサと、
    前記波面観測情報信号から、前記波面の乱れを近似するZernike多項式を算出する演算装置と、
    前記Zernike多項式として算出される複数のZernike係数に応じて複数の制御信号を生成する制御装置と
    を具備し、
    前記複数の制御信号は、
    前記複数のZernike係数のうち、前記波面の乱れの傾き成分を示す第1次Zernike係数に応じて生成される第1制御信号と、
    前記複数のZernike係数のうち、前記波面の乱れのフォーカスシフト成分を示す第2次Zernike係数に応じて生成される第2制御信号と、
    前記複数のZernike係数のうち、前記波面の乱れの第3次成分を示す第3次Zernike係数に応じて生成される第3制御信号と
    を含み、
    前記駆動光学系は、
    前記第1制御信号で駆動する第1駆動鏡と、
    前記第2制御信号で駆動する第2駆動鏡と、
    前記第3制御信号で駆動する第3駆動鏡と
    を具備し、
    前記光源から前記駆動光学系を介して前記目標に向かう光路において、前記第1駆動鏡は前記第2駆動鏡よりも後段に配置されており、前記第2駆動鏡は前記第3駆動鏡よりも後段に配置されている
    補償光学システム。
  2. 請求項1に記載の補償光学システムにおいて、
    前記第3制御信号は、前記Zernike多項式として算出され、前記波面の乱れの第4次以降の成分を示す第4次以降のZernike係数にさらに応じて生成される
    補償光学システム。
  3. 請求項1または2に記載の補償光学システムにおいて、
    前記第1駆動鏡は、平らな第1反射面を有し、前記第1制御信号に応じて前記第1反射面の方向を調整可能に駆動し、
    前記第2駆動鏡は、可変形の第2反射面を有し、前記第2制御信号に応じて前記第2反射面の曲面形状を調整することで前記駆動光学系の焦点距離を調整するように駆動し、
    前記第3駆動鏡は、可変形の第3反射面を有し、前記第3制御信号に応じて前記第3反射面の曲面形状を調整するように駆動する
    補償光学システム。
  4. 請求項1に記載の補償光学システムにおいて、
    前記複数の制御信号は、
    前記Zernike多項式として算出され、前記波面の乱れの第4次以降の成分を示す第4次以降の複数のZernike係数に応じてそれぞれ生成される複数の高次制御信号
    をさらに含み、
    前記駆動光学系は、
    前記複数の高次制御信号にそれぞれ応じて駆動する複数の高次駆動鏡
    をさらに具備する
    補償光学システム。
  5. 請求項4に記載の補償光学システムにおいて、
    前記第1駆動鏡は、平らな第1反射面を有し、前記第1制御信号に応じて前記第1反射面の方向を調整可能に駆動し、
    前記第2駆動鏡は、可変形の第2反射面を有し、前記第2制御信号に応じて前記第2反射面の曲面形状を調整することで前記駆動光学系の焦点距離を調整するように駆動し、
    前記第3駆動鏡は、可変形の第3反射面を有し、前記第3制御信号に応じて前記第3反射面の曲面形状を調整するように駆動する
    前記複数の高次駆動鏡のそれぞれは、可変形の反射面を有し、前記複数の高次制御信号のそれぞれに応じて前記反射面の曲面形状を調整するように駆動する
    補償光学システム。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の補償光学システムにおいて、
    前記参照光の照度を観測し、前記照度の観測結果を示す照度観測情報信号を生成する照度センサと、
    複数の閾値を格納する記憶装置と
    をさらに具備し、
    前記演算装置は、前記照度観測情報信号が示す照度の変化速度と、前記複数の閾値とを比較し、前記複数のZernike係数のうち算出するZernike係数の総数を、前記比較の結果に応じて増減する
    補償光学システム。
  7. レーザー光を生成することと、
    前記レーザー光を所定の目標に向けて出射することと、
    前記目標から届く参照光の波面を観測することと、
    前記観測の結果を示す波面観測情報信号を生成することと、
    前記波面観測情報信号から、前記波面の乱れを近似するZernike多項式を算出することと、
    前記Zernike多項式として算出される複数のZernike係数に応じて複数の制御信号を生成することと
    を具備し、
    前記複数の制御信号を生成することは、
    前記複数のZernike係数のうち、前記波面の乱れの傾き成分を示す第1次Zernike係数に応じて第1制御信号を生成することと、
    前記複数のZernike係数のうち、前記波面の乱れのフォーカスシフト成分を示す第2次Zernike係数に応じて第2制御信号を生成することと、
    前記複数のZernike係数のうち、前記波面の乱れの第3次成分を示す第3次Zernike係数に応じて第3制御信号を生成することと
    を具備し、
    前記出射することは、
    前記第1制御信号で駆動する第1駆動鏡で前記レーザー光を反射することと、
    前記第2制御信号で駆動する第2駆動鏡で前記レーザー光を反射することと、
    前記第3制御信号で駆動する第3駆動鏡で前記レーザー光を反射することと
    を具備し、
    前記光源から前記駆動光学系を介して前記目標に向かう光路において、前記第1駆動鏡は前記第2駆動鏡よりも後段に配置されており、前記第2駆動鏡は前記第3駆動鏡よりも後段に配置されている
    補償光学方法。
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