JP2010085531A - 波長分散補償器 - Google Patents

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Abstract

【課題】分光素子の歩留まりを低下させることなく、分光素子の加工精度に起因する波長分散補償器の挿入損失およびその個体差を低減する。
【解決手段】波長分散補償器1は、分光素子としてのVIPA板14と、VIPA板で生成された所定波長の光束を反射してVIPA板14に戻す反射ミラーとしての自由曲面ミラー16と、を備える。VIPA板14の周囲には温度調整素子17a,17bが配置されている。制御部20は、温度調整素子17a,17bを個別に制御してVIPA板14に所定の温度分布を生じさせて波長分散補償器1の挿入損失を低減する。
【選択図】図1

Description

本発明は、波長分散による波形劣化の補償(分散補償)を行う波長分散補償器に関し、特に、複数の波長の合成である光信号を波長毎に分波する分光素子としてVIPA(Virtually Imaged Phased Array)板を用いた波長分散補償器に関する。
VIPA板を用いた波長分散補償器として、例えば特許文献1に記載のものがある。この波長分散補償器では、VIPA板全体の温度を最適に制御することで、周囲環境の温度変動に伴うVIPA板の透過波長特性の変化を抑制するようにしている。
特開2005−77969号公報
ところで、他の光学部品(装置)と同様に、波長分散補償器についてもその挿入損失はできるだけ小さいことが望まれる。分光素子としてVIPA板を用いた波長分散補償器の挿入損失を悪化させる原因の1つとしてVIPA板の加工誤差(部品バラツキ)がある。特に、VIPA板を用いた波長分散補償器はVIPA板の2つの反射面で入射光を多重反射させる構成となっていることから、VIPA板の2つの反射面の平行度が挿入損失に与える影響が大きく、現状では、VIPA板の加工誤差によって波長分散補償器の挿入損失に比較的大きな個体差が生じてしまっている。
このような挿入損失およびその個体差を低減するためには、VIPA板の加工精度を現状よりも厳しく規定することが考えられるが、現状でもかなり高い加工精度を有しており、これを更に厳しくすることは容易ではない。また、VIPA板の歩留りの低下を招くことにもなる。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、VIPA板のような分光素子を用いた波長分散補償器において、分光素子の歩留まりを低下させることなく、分光素子の加工精度に起因する波長分散補償器の挿入損失およびその個体差を低減することを目的とする。
上記目的のため、本発明はその一態様として波長分散補償器を提供する。この波長分散補償器は、互いに平行な2つの反射面を有し、入射した光が前記2つの反射面の間で多重反射すると共にその一部が前記2つの反射面のうち一方の反射面を透過し、この透過した光が干渉することによって波長毎に進行方向の異なる光束を生成する分光素子と、該分光素子で生成された各波長の光束を反射して前記分光素子に戻す反射ミラーと、を備える。そして、前記分光素子に温度分布を生じさせる温度分布生成装置を更に設け、この温度分布生成装置によって前記分光素子に所定の温度分布を生じさせて波長分散補償器の挿入損失を低減する。
上記波長分散補償器によると、温度分布生成装置が分光素子に所定の温度分布を生じさせて挿入損失を低減する。すなわち、分光素子に温度差(温度勾配)による熱膨張差によって分光素子の変形を調整し、分光素子の加工時の形状誤差(例えば、2つの反射面の平行度)を改善して挿入損失を低減する。このため、分光素子の加工精度をこれまで以上に厳しくすることなく(更に言えば、加工精度を緩和しても)、分光素子の加工精度に起因する波長分散補償器の挿入損失の悪化を抑制することができる。この結果、分光素子の歩留まりを向上できると共に、波長分散補償器の挿入損失およびその個体差を低減できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、全図を通じて同一の符号は同一または相当する構成要素を示すものとする。
図1は、本発明の一実施形態による波長分散補償器の構成を示している。
本実施形態による波長分散補償器は、分光素子としてVIPA板を用いた、いわゆるVIPA型波長分散補償器であり、VIPA板の温度状態と自由曲面ミラーの位置とを制御することによって最適な波長分散補償特性を実現する。
特に、本実施形態による波長分散補償器では、VIPA板に所定の温度分布(温度勾配、温度差)を生じさせてVIPA板の加工精度に起因する波長分散補償器の挿入損失を低減する。より詳しくは、VIPA板に所定の温度分布を生じさせてVIPA板の各位置での熱膨張量に差を持たせ、これにより、VIPA板の2つの反射面の平行度を改善し、VIPA板に前記所定の温度分布を生じさせる前よりも波長分散補償器の挿入損失を低減するようにしている。
図1に示すように、本実施形態による波長分散補償器1は、光サーキュレータ10と、光ファイバ11と、コリメートレンズ12と、ライン焦点レンズ13と、VIPA板14と、収束レンズ15と、自由曲面ミラー16と、VIPA板14を加熱または冷却する温度調整素子17a,17bと、温度センサ18a,18bと、自由曲面ミラー16の位置および温度調整素子17a,17bを制御する制御部20と、を備える。
光サーキュレータ10は、例えば3つポートを有し、第1ポート10aから第2ポート10bに向かう方向、第2ポート10bから第3ポート10cに向かう方向、および、第3ポート110cから第1ポート10aに向かう方向のそれぞれに光を伝達可能な一般的な光部品である。
ここでは、波長分散補償器1に波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing:WDM)光が入力されると、この入力されたWDM光が光サーキュレータ10の第1ポート10aに与えられ、第2ポート10bを経て光ファイバ11の一端に送られるようになっている。また、後述するように、WDM光が光ファイバ11の他端に戻されると、この戻されたWDM光が第2ポート10bを経て第3ポート10cから波長分散補償器1の出力光として出力されるようになっている。
光ファイバ11は、その一端が光サーキュレータ10の第2ポート10bに接続され、他端がコリメートレンズ12の近傍に配置されている。この光ファイバ11としては、例えばシングルモードファイバを用いることができるが、これに限るものではない。
コリメートレンズ12は、光ファイバ11の前記他端から出射されるWDM光(光ビーム)を平行光に変換してライン焦点レンズ13に供給する。
ライン焦点レンズ13は、コリメートレンズ12からの平行光を1つの線分の上に集光させるものであり、具体的には、シリンドリカルレンズや屈折率分布レンズなどを用いることが可能である。
VIPA板14は、薄板の両面に反射膜が形成された分光素子であり、互いに平行な2つの反射面を有する。より具体的には、VIPA板14は、平行に対向する一対の平面を備えたガラス板14aと、このガラス板14aの一方の平面(収束レンズ15側の面)に形成された反射多層膜(以下「第1反射膜」という)14bと、他方の平面(ライン焦点レンズ13側の面)に形成された反射多層膜(以下「第2反射膜」という)14cおよび照射窓14dとを有しており、ライン焦点レンズ13によって1つの線分の上に集光されたWDM光が照射窓14dに入射される。ここで、VIPA板14は、ライン焦点レンズ13から照射窓14dに入射される光の光軸が垂直入射となる状態から所定角度だけ傾斜させて設けられている。
第1反射膜14bは、照射窓14dから入射されるWDM光に対して100%よりも低い(好ましくは95〜98%程度)反射率を有し、ガラス板14aの一方の平面の全体にわたって形成されている。
第2反射膜14cは、照射窓14dから入射されるWDM光に対してほぼ100%の反射率を有し、ガラス板14aの他方の平面の所定領域に形成されている。ガラス板14aの他方の平面の第2反射膜14cが形成されていない部分が、WDM光に対して透明な照射窓14dとなっている。
照射窓14dを通ってVIPA板14に入射した光は、第1反射膜14bと第2反射膜14cとの間、すなわち、互いに平行な2つの反射面の間で多重反射する。その際、第1反射膜14bで反射する毎に数%の光が該第1反射膜14bを通過してVIPA板14の外に出射される。VIPA板14の外には反射毎に光が出射されるため、出射される光には互いに位相差が生じており、これらが相互に干渉することにより、所定の波長の光は所定の方向に向かう光束となる。このようにして、VIPA板14は、WDM光が入射されると、波長毎に進行方向の異なる光束を生成する。
収束レンズ15は、VIPA板14から出射された光、すなわち、波長毎に進行方向が異なる複数の光束をそれぞれ1点に集光する一般的なレンズである。
自由曲面ミラー(反射ミラー)16は、収束レンズ15で集光された光を所要の位置で反射し、収束レンズ15を介してVIPA板14に戻す。この自由曲面ミラー16は、例えば、反射面の表面形状が非球面の3次元構造となっており、その非球面ミラー上には設計基準となる中心軸L(図中のX軸方向に伸びる)が存在する。より具体的には、図中のY軸方向の曲率が中心軸Lに沿って変化する表面形状、例えば、中心軸Lに沿って凹面から平面へ、さらには凸面へと徐々に変化する3次元構造となっている。この自由曲面ミラー16は、図示しない移動ステージに取り付けられており、該移動ステージの走行軸と前記中心軸Lとが平行となるように配置されている。そして、自由曲面ミラー16は、制御部20からの制御信号によって移動ステージを介してX軸方向またはY軸方向に移動されて位置制御される。
温度調整素子17a,17bは、VIPA板14の周囲に配置されてVIPA板を所定の方向から加熱または冷却することができるものであり、例えばヒータ素子やペルチェ素子を用いることができる。
本実施形態では、VIPA板14の2つの反射面の間に、VIPA板14に入射した光が多重反射しながら進む方向(以下「多重反射方向」という)の勾配が生じており、一方の温度調整素子(第1温度調整素子)17aをVIPA板14の多重反射方向の一端面側(VIPA板14の上面側)に、他方の温度調整素子(第2温度調整素子)17bをVIPA板14の多重反射方向の他端面側(VIPA板14の底面側)に配置している。換言すれば、第1温度調整素子17aは、VIPA板14の上面側からVIPA板14を加熱または冷却し、第2温度調整素子17bは、VIPA板14の底面側からVIPA板14を加熱または冷却する。なお、第1温度調整素子17aおよび第2温度調整素子17bは、制御部20からの制御信号によって個別に制御される。
温度センサ18a,18bは、VIPA板14またはその近傍の2ヶ所の温度を検出する。本実施形態では、温度調整素子17a,17bの配置に対応して、第1温度センサ18aがVIPA板14の多重反射方向の一方側の所定位置またはその近傍の温度を検出し、第2温度センサ18bがVIPA板14の多重反射方向の他方側の所定位置またはその近傍の温度を検出する。ここで、第1温度センサ18aおよび第2温度センサ18bをVIPA板14の2つの反射面のいずれかの外側表面に取り付けるようにしてもよいが、VIPA板14に直接取り付けるのではなく、他の部材を介してVIPA板14の近傍、例えば、外側表面から所定量だけ離して配置するのが好ましい。VIPA板14の温度に対する第1温度センサ18a,第2温度センサ18bの影響を抑制するためである。
図2は、VIPA板14周辺の構成の一例を示している。
ここでは、VIPA板14がガラスブロック19の一面(VIPA保持面)19aに保持されている。第1温度調整素子17aは、ガラスブロック19の前記多重反射方向の一方の端面(ガラスブロック19の上面)に取り付けられ、第2温度調整素子17bは、ガラスブロック19の前記多重反射方向の他方の端面(ガラスブロック19の底面)に取り付けられている。また、第1温度センサ18aは、VIPA板14の一方の反射面(ガラスブロック19に保持される面の反対側の面)の前記多重反射方向の一端側に臨んで配置され、第2温度センサ18bは、VIPA板14の前記一方の反射面の前記多重反射方向の他端側に臨んで配置されている。なお、図2において破線で示すように、第1温度センサ18aをガラスブロック19のVIPA保持面19aの前記多重反射方向の一端側に、第2温度センサ18bをガラスブロック19のVIPA保持面19aの前記多重反射方向の他端側に取り付けるようにしてもよい。
図1に戻って、制御部20は、波長分散補償器1の運用開始時に、第1温度センサ18a,第2温度センサ18bの検出結果および記憶部21に記憶されたデータに基づいて、VIPA板14の温度状態と自由曲面ミラー16の位置とを制御する。ここで、記憶部21に記憶されるデータは、最適な波長分散補償を実現するために、VIPA板14の温度状態および自由曲面ミラー16の位置の最適化制御に必要となる各種データである。
各種データには、例えば、波長分散値と自由曲面ミラー16の位置とを対応させたデータ(位置データ)、中心波長とVIPA板14の温度とを対応させたデータ(透過波長特性データ)、VIPA板14の加工精度に起因する挿入損失を極小化するVIPA板14またはその近傍の2ヶ所の温度差(温度勾配)のデータ(温度差データ)が含まれる。
これらのデータは、波長分散補償器1の運用開始前(例えば、波長分散補償器1の製造時)に測定等により取得して事前に記憶部21に記憶させておく。
なお、温度差データについては、VIPA板14の2つの反射面の平行度が所定値以下となる前記2ヶ所の温度差としてもよい。この場合、波長分散補償器としてではなく、VIPA板14単体でのデータ取得が可能となる。また、測定等により取得したデータに代えて、所定の演算式を記憶しておき、VIPA板14の寸法(幅、高さ、厚さ)、VIPA板14(材料)の線膨張係数などの情報からVIPA板14の2つの反射面の平行度を所定値以下とする前記2ヶ所の温度差を算出するようにしてもよい。
さらに、波長分散補償器1は、波長分補償器1に入力されるWDM光の光強度を検出する第1フォトダイオード22aと、波長分散補償器1から出力されるWDM光の光強度を検出する第2フォトダイオード22bとを備えている。
制御部20は、波長分散補償器1の運用開始後に、第1、第2フォトダイオード22a,22bの検出結果に基づき波長分散補償器1の挿入損失を算出し、この算出した挿入損失を小さくするようにVIPA板14の温度状態を制御することもできる。
次に、本実施形態による波長分散補償器1において、制御部20によって実行される制御について説明する。
図3は、波長分散補償器1の運用開始時に実行される制御のフローチャートである。
ステップ11では、波長分散補償器1の運用時の設定条件が入力される。ここでは、運用時の中心波長と波長分散値とが入力されるものとする。
ステップ12では、第1、第2温度センサ18a,18bによってVIPA板14またはその近傍の2ヶ所の温度を検出し、その検出結果を入力する。
ステップ13では、第1、第2温度センサ18a,18bの検出結果および記憶部21に記憶されたデータに基づいて、VIPA板14またはその近傍の2ヶ所のそれぞれについて目標温度(第1、第2目標温度)を設定する。具体的には、第1、第2温度センサ18a,18bの検出結果に基づいて、VIPA板14の透過波長特性を略一定としつつ、VIPA板14またはその近傍の2ヶ所の温度差が可能な限り前記温度差データに近い値となるように第1目標温度および第2目標温度を設定する。この場合において、例えば、第1温度センサ18a(第2温度センサ18b)の検出結果をそのまま第1目標温度(第2目標温度)とし、これを基準に第2目標温度(第1目標温度)を設定してもよい。
このようにして第1、第2目標温度を設定することにより、VIPA板14の透過波長特性が変化して波長分散補償器1の透過帯域における挿入損失が悪化してしまうことを防止しながら、VIPA板14の加工精度に起因する挿入損失を低減することができる。
ステップ14では、ステップ10で入力された設定条件に基づき記憶部21に記憶されたデータを参照して自由曲面ミラー16の目標位置を設定する。この目標位置は、所望の波長分散値がWDM光の各波長について得られる自由曲面ミラー16の位置(最適位置)に相当する。
ステップ15では、第1目標温度に基づいて第1温度調整素子17aを制御し、第2目標温度に基づいて第2温度調整素子17bを制御し、目標位置に基づいて移動ステージを制御する。これにより、第1温度センサ18aで検出される温度が第1目標温度となるように第1温度調整素子17aが駆動され、第2温度センサ18bで検出される温度が第2目標温度となるように第2温度調整素子17bが駆動される。すなわち、第1、第2温度センサ18a,18bで検出される2ヶ所の温度差が所定値となるように、第1、第2温度調整素子17a,17bが制御される。また、自由曲面ミラー16は移動ステージによって目標位置(最適な位置)へと制御される。
上記制御によって、VIPA板14は、第1温度調整素子17a側の部分と、第2温度調整素子17b側の部分とが異なる温度に制御されることとなり、VIPA板14には所定の温度分布(温度勾配)が生じる。ここで、第1目標温度および第2目標温度は、VIPA板14の加工精度に起因する挿入損失を極小化する(換言すれば、VIPA板14の2つの反射面の平行度が所定値以下となる)温度差データに基づいて設定されており、温度分布(温度勾配)による熱膨張量の差によってVIPA板14の2つの反射面の平行度が改善される。
そして、第1温度センサ18aで検出される温度が第1目標温度になり、第2温度センサ18bで検出される温度が第2目標温度になり、自由曲面ミラー16が目標位置に移動すると、ステップ16に進んで入力されるWDM光の波長分散補償の実行を開始する。
なお、ステップ12〜ステップ15については、ステップ16において波長分散補償の実行を開始した後においても、所定時間毎に繰り返して行われるものとする。
図4、5は、波長分散補償器1の運用開始時に実行される制御(図3)に伴うVIPA板14の様子を説明するための図である。なお、図4、5は、いずれも図2に対応するものであるが、第1、第2温度センサ18a,18bについては省略している。
上記したように、本実施形態ではVIPA板14の2つの反射面の間に多重反射方向の勾配が存在しており、VIPA板14を保持するガラスブロック19の上面(多重反射方向の一端面)に第1温度調整素子17aが、ガラスブロック19の底面(多重反射方向の他端面)に第2温度調整素子17bが取り付けられている。
ここでは、前記勾配の存在によって、図4に示すように、ガラスブロック19のVIPA保持面19a(すなわち、VIPA板14の一方の反射面)を基準面としたときに、VIPA板14の他方の反射面が、ガラスブロック19の上面側から底面側へと向かって(図中、矢印で示す方向に)、前記基準面から徐々に離れていくものとする。
この場合、第2目標温度に対して第1目標温度が所定温度だけ高く設定されて、第1、第2温度調整素子17a,17bが駆動される。これにより、VIPA板14には、第1温度調整素子17a側(ガラスブロック19の上面側)の温度が高く、第2温度調整素子17b側(ガラスブロック19の底面側)の温度が低くなる温度分布(温度勾配)が生じる。
すると、図5に示すように、VIPA板14には前記温度分布(温度勾配)による熱膨張量差が生じて2つの反射面の平行度が改善される。
このように、本実施形態による波長分散補償器では、1VIPA板14に所定の温度分布(または温度勾配)を生じさせ、熱膨張量に差を持たせてVIPA板14の変形(量)を調整することにより、VIPA板14の2つの反射面の平行度を改善し、ひいては、波長分散補償器の挿入損失を低減している。また、この結果、波長分散補償器の挿入損失の個体差を低減することにもなる。
図6は、波長分散補償器1の運用開始後に実行される制御のフローチャートである。
本制御は、例えば、波長分散補償の実行(図3のステップ16参照)と共に開始され、所定時間毎に実行される。
ステップ21では、挿入損失に基づく温度調整素子の制御を実行するか否かを判断し、実行する場合にステップ22に進む。このステップ21は、例えば、波長分散補償器1が挿入損失に基づく温度調整素子の制御を実行するか否かを選択可能に構成されている場合に設けられものであり、当該制御を実行することが選択されている場合にステップ22に進む。なお、このステップ21は省略することもできる。
ステップ22では、第1、第2フォトダイオード22a,22bによって波長分散補償器1の入出力光の光強度を検出し、その検出結果を制御部20に入力して波長分散補償器1の挿入損失を算出する。
ステップ23では、算出した挿入損失が所定値を超えているか否かを判断する。この所定値は、例えば波長分散補償器1の許容挿入損失として予め設定されたものである。算出した挿入損失が所定値を超えていればステップ24に進み、所定値以下であれば本フローを終了する。ここで、算出した挿入損失がn回以上(例えば3回以上)連続して前記所定値を超えるような場合には、エラー表示等を行うようにしてもよい。
ステップ24では、目標温度を再設定(更新)する。目標温度の再設定(更新)は、第1目標温度および第2目標温度の少なくとも一方を再設定(更新)するものであり、例えば、次のようにして行う。
挿入損失が第1所定値を超えてしまった場合は、現在の第1目標温度および第2目標温度(による温度差)では、VIPA板14の2つの反射面の平行度を十分に改善できなくなったものと考えられる。そこで、例えば、第1目標温度または第2目標温度を予め定めた所定温度だけ上昇または低下させることにより、VIPA板14またはその近傍の2ヶ所の温度差を変更する。なお、ここでは第1目標温度または第2目標温度を所定温度だけ上昇または低下させているこが、VIPA板14またはその近傍の2ヶ所の温度差を変更すればよく、第1目標温度および第2目標温度を変更してもよい。
ここで、前回に目標温度の再設定を行ったにもかかわらず、今回算出した挿入損失が低減しないような場合には、前回とは異なる(逆方向の)目標温度の再設定を行うようにするのが好ましい。例えば、前回、温度差を大きくする方向に目標温度の再設定を行っていた場合には、今回は温度差を小さくする方向に目標温度の再設定を行う。
ステップ25では、再設定した目標温度に基づいて第1温度調整素子17aおよび第2温度調整素子17bを制御する。
以上説明した本実施形態による波長分散補償器1は、VIPA板14に所定の温度分布を生じさせ、熱膨張量に差を持たせてVIPA板14の変形(量)を調整することによりVIPA板14の2つの反射面の平行度を改善し、VIPA板14の加工精度に起因する波長分散補償器1の挿入損失を低減している。これにより、厳しい精度が要求されるVIPA板14の加工精度を緩和できると共に、波長分散補償器1の挿入損失、並びに、挿入損失の個体差を低減することができ、波長分散補償器の製造性が向上する。この結果、波長分散補償器および光通信システム全体としてのコストダウンが可能となる。
また、運用時には、上記制御に加えて、検出した挿入損失に基づいてVIPA板に生じさせる温度分布を調整するので、運用時における挿入損失の悪化を抑制できる。
なお、本実施形態による波長分散補償器では、分光素子としてのVIPA板14の上下(多重反射方向の両側)にそれぞれ温度調整素子および温度センサを配置して、VIPA板14に多重反射方向の温度分布(温度勾配)を生じさせているが、これに限るものではない。
さらに多くの温度調整素子や温度センサを配置して、VIPA板14の所定の温度分布を生じさせるように構成してもよい。例えば、図7に概略を示すように、VIPA板14の上下左右の四方に温度調整素子17a〜dおよび温度センサ18a〜18dを配置することができる。この場合、温度調整素子17a〜17b、温度センサ18a〜18dを適宜組み合わせて温度調整素子を個別に制御することにより、VIPA板14に様々な温度分布を生じさせることが可能となる。
また、VIPA板に所定の温度分布を生じさせることにより、VIPA板の2つの反射面の平行度を改善しているが、平行度を改善するものだけに限られない。
すなわち、VIPA板に生じさせた温度分布による熱膨張差でVIPA板の形状を変化させて、VIPA板加工時の形状誤差を改善することによって波長分散補償器の挿入損失を低減させるものであれば、本発明の範囲に含まれるものである。
ここで、以上説明した実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)互いに平行な2つの反射面を有し、入射した光が前記2つの反射面の間で多重反射すると共にその一部が一方の反射面を透過し、この透過した光が干渉することによって波長毎に進行方向の異なる光束を生成する分光素子と、
前記分光素子で生成された各波長の光束を反射して前記分光素子に戻す反射ミラーと、を備えた波長分散補償器において、
前記分光素子に温度分布を生じさせる温度分布生成装置を設け、
前記温度分布生成装置によって前記分光素子に所定の温度分布を生じさせて挿入損失を低減することを特徴とする波長分散補償器。
(付記2)付記1記載の波長分散補償器であって、
前記温度分布生成装置は、
前記分光素子の周囲に配置され、該分光素子を加熱または冷却することのできる複数の温度調整素子と、
前記分光素子またはその近傍の少なくとも2ヶ所の温度差を検出することのできる温度検出部と、
前記温度センサによって検出される前記少なくとも2ヶ所の温度差が所定値となるように前記複数の温度調整素子を個別に制御する制御部と、
を備えることを特徴とする波長分散補償器。
(付記3)付記2記載の波長分散補償器であって、
前記分光素子を保持する保持部材を備え、
前記複数の温度調整素子および前記温度検出部は、前記保持部材に取り付けられていることを特徴とする波長分散補償器。
(付記4)付記2または付記3記載の波長分散補償器であって、
前記分光素子またはその近傍の前記2ヶ所の温度差に関するデータを記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記分光素子またはその近傍の前記2ヶ所の温度差に関するデータを前記記憶部から読み出し、この読み出したデータに基づいて前記複数の温度調整素子を個別に制御することを特徴とする波長分散補償器。
(付記5)付記1〜4のいずれか1つに記載の波長分散補償器であって、
前記温度分布生成装置は、前記分光素子に入射した光が多重反射しながら進行する方向である多重反射方向の温度分布を生じさせることを特徴とする波長分散補償器。
(付記6)付記5記載の波長分散補償器であって、
前記温度分布生成装置は、
前記分光素子の前記多重反射方向の一方側に配置され、前記分光素子を加熱または冷却する第1温度調整素子と、
前記分光素子の前記多重反射方向の他方側に配置され、前記分光素子を加熱または冷却する第2温度調整素子と、
前記分光素子の前記多重反射方向の一方側に配置された第1温度センサと、
前記分光素子の前記多重反射方向の他方側に配置された第2温度センサと、
前記第1温度センサの検出値と前記第2温度センサの検出値との偏差が所定値となるように、前記第1温度調整素子および前記第2温度調整素子を個別に制御する制御部と、
を備えることを特徴とする波長分散補償器。
(付記7)付記2〜6のいずれか1つに記載の波長分散補償器であって、
該波長分散補償器の挿入損失を検出する挿入損失検出部を備え、
前記制御部は、前記挿入損失検出部よって検出された挿入損失が所定値以下となるように前記複数の温度調整素子を個別に制御することを特徴とする波長分散補償器。
(付記8)付記2〜7のいずれか1つに記載の波長分散補償器であって、
前記複数の温度調整素子は、ヒータ素子またはペルチェ素子であることを特徴とする波長分散補償器。
(付記9)互いに平行な2つの反射面を有し、入射した光が前記2つの反射面の間で多重反射すると共にその一部が前記2つの反射面のうち一方の反射面を透過し、この透過した光が干渉することによって波長毎に進行方向が異なる光束を生成する分光素子と、
前記分光素子で生成された各波長の光束を反射して前記分光素子に戻す反射ミラーと、
前記分光素子に温度分布を生じさせる温度分布生成装置と、を備えた波長分散補償器の制御方法であって、
前記波長分散補償器の運用開始時に、記憶部に記憶された前記分光素子またはその近傍の2ヶ所の温度差に関するデータを読み出し、
前記分光素子またはその近傍の前記2ヶ所の温度差を検出し、
前記読み出したデータと前記検出した温度差とに基づいて前記温度分布生成装置を制御することを特徴とする波長分散補償器の制御方法。
(付記10)付記9記載の波長分散補償器の制御方法であって、
前記分光素子に前記入射した光が多重反射しながら進む方向の温度分布を生じさせるように前記温度分布生成装置を制御することを特徴とする波長分散補償器の制御方法。
(付記11)付記9または10記載の波長分散補償器の制御方法であって、
前記波長分散補償器の運用開始後に、該波長分散補償器の挿入損失を検出し、検出した挿入損失が所定値以下となるように前記温度分布生成装置を制御することを特徴とする波長分散補償器の制御方法。
本発明の一実施形態による波長分散補償器の構成を示す図である。 VIPA板周辺の構成の一例を示す図である。 波長分散補償器の運用開始時の制御を示すフローチャートである。 波長分散補償器の運用開始時の制御に伴うVIPA板の様子を説明するための図である。 波長分散補償器の運用開始時の制御に伴うVIPA板の様子を説明するための図である。 波長分散補償器の運用時の制御を示すフローチャートである。 VIPA板周辺の構成の他の例を示す図である。
符号の説明
1…波長分散補償器、14…VIPA板(分光素子)、16…自由曲面ミラー(反射ミラー)、17a,17b…温度調整素子、18a,18b…温度センサ、20…制御部、21…記憶部

Claims (5)

  1. 互いに平行な2つの反射面を有し、入射した光が前記2つの反射面の間で多重反射すると共にその一部が前記2つの反射面のうち一方の反射面を透過し、この透過した光が干渉することによって波長毎に進行方向の異なる光束を生成する分光素子と、
    前記分光素子で生成された各波長の光束を反射して前記分光素子に戻す反射ミラーと、を備えた波長分散補償器において、
    前記分光素子に温度分布を生じさせる温度分布生成装置を設け、
    前記温度分布生成装置によって前記分光素子に所定の温度分布を生じさせて挿入損失を低減することを特徴とする波長分散補償器。
  2. 請求項1記載の波長分散補償器であって、
    前記温度分布生成装置は、
    前記分光素子の周囲に配置され、該分光素子を加熱または冷却することのできる複数の温度調整素子と、
    前記分光素子またはその近傍の少なくとも2ヶ所の温度差を検出することのできる温度検出部と、
    前記温度センサによって検出される前記少なくとも2ヶ所の温度差が所定値となるように前記複数の温度調整素子を個別に制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする波長分散補償器。
  3. 請求項2記載の波長分散補償器であって、
    前記分光素子またはその近傍の前記少なくとも2ヶ所の温度差に関するデータを記憶する記憶部を備え、
    前記制御部は、前記分光素子またはその近傍の前記少なくとも2ヶ所の温度差に関するデータを前記記憶部から読み出し、この読み出したデータに基づいて前記複数の温度調整素子を個別に制御することを特徴とする波長分散補償器。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の波長分散補償器であって、
    前記温度分布生成装置は、前記分光素子に入射した光が多重反射しながら進む方向である多重反射方向の温度分布を生じさせることを特徴とする波長分散補償器。
  5. 請求項4記載の波長分散補償器であって、
    前記温度分布生成装置は、
    前記分光素子の前記多重反射方向の一方側に配置され、前記分光素子を加熱または冷却する第1温度調整素子と、
    前記分光素子の前記多重反射方向の他方側に配置され、前記分光素子を加熱または冷却する第2温度調整素子と、
    前記分光素子の前記多重反射方向の一方側に配置された第1温度センサと、
    前記分光素子の前記多重反射方向の他方側に配置された第2温度センサと、
    前記第1温度センサの検出値と前記第2温度センサの検出値との偏差が所定値となるように、前記第1温度調整素子および前記第2温度調整素子を個別に制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする波長分散補償器。
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