JP6831837B2 - ポリリン酸カリウムカルシウムの水性分散液、流動性液体肥料の製造方法、及び肥料としてのピロリン酸二カリウムカルシウムの使用方法。 - Google Patents

ポリリン酸カリウムカルシウムの水性分散液、流動性液体肥料の製造方法、及び肥料としてのピロリン酸二カリウムカルシウムの使用方法。 Download PDF

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Description

本発明の実施形態はポリリン酸カリウムカルシウムの安定な水性分散液に関するものである。その他の実施形態はポリリン酸カリウムカルシウムの安定な水性分散液の製造方法に関するものである。さらに他の実施形態は液体肥料としてのポリリン酸カリウムカルシウムの安定な分散液の使用に関するものである。
本出願は参照により本願に組み込まれる、2015年10月8日に出願された米国仮出願番号第62/238,889号の利益を主張するものである。
2価金属リン酸塩は肥料として提案されてきた。そのような化合物は有利には多重栄養剤を提供し、緩慢で制御された放出特性を示す。現在まで2価金属リン酸塩は固体物質として生産されてきたものであり、従って植物栄養剤としてのそれらの使用方法は例えばペレット形態である固体での適用に制限されてきた。例えば、米国特許第5,374,294号は制御される徐放型カリウム2価金属リン酸塩組成物を教示する。そのような組成物は濃い水酸化カリウム、2価金属酸化物粉末及び濃いリン酸を共に反応させることにより製造される。前記反応により、乾いていない、微粒子型水不溶性カリウム2価金属リン酸塩が得られる。
米国特許第5374294号明細書
本発明の一つ以上の実施形態は、水と、水に分散されたポリリン酸カリウムカルシウムとを含有する水性分散液を提供する。
他の実施形態は流動性液体肥料の製造方法を提供し、前記方法はポリリン酸カリウムの溶液を提供する工程と、水溶性カルシウム塩をピロリン酸テトラカリウムの水溶液に導入して水性分散液形態の流動性液体肥料を形成する工程とを含む。
本発明のさらに他の実施形態は肥料としてのピロリン酸二カリウムカルシウムの使用方法を提供するが、前記方法はポリリン酸カリウムカルシウムの水性分散液を提供する工程と、前記ポリリン酸カリウムカルシウムの水性分散液を植物に適用する工程とを含む。
発明の詳細な説明
本発明の実施形態は、少なくとも部分的にはポリリン酸カリウムカルシウム(例えば、ピロリン酸二カリウムカルシウム)の安定な水性分散液の発見に基づく。前記水性分散液は特別にまずポリリン酸カリウムの水溶液を調製した後、水溶性カルシウム塩を前記溶液に導入することによって水性分散液を形成する工程で製造される。よって、ポリリン酸カリウムカルシウムは水にかなり不溶性であるが、本発明の実施形態の実施によって安定な流動性水性分散液が提供されることが予想に反して発見された。安定な水性分散液は、液体肥料として栄養剤を植物に提供する新規な方法を有利に提供する。
[水性分散液の製造方法]
上述のように、ポリリン酸カリウムカルシウムの水性分散液は(i)ポリリン酸カリウムの水溶液を提供する工程と、(ii)水溶性カルシウム塩を前記水溶液に導入することによって水性分散液を形成する工程とを含む方法で製造される。前記及び他の実施形態にあっては、農薬(例えば、植物栄養剤化合物、植物成長調節剤及び/又は有益微生物)を前記水性分散液に添加してもよい。
[ピロリン酸テトラカリウム溶液の製造]
一つ以上の実施形態で、ポリリン酸カリウムはピロリン酸テトラカリウムである。一つ以上の実施形態で、ピロリン酸テトラカリウムの水溶液はピロリン酸テトラカリウムを単に水に溶解させることにより製造される。有利には、ピロリン酸テトラカリウムは水に容易に溶解する。他の実施形態で、好ましいポリリン酸カリウム、例えばピロリン酸テトラカリウムはインシチュで形成される。要するに、水の中で形成されて水溶液となる。例えば、ピロリン酸二カリウムを水酸化カリウムと共に水に添加して所望の水溶液としてもよい。あるいは、純ピロリン酸を適当量の水酸化カリウムと組み合わせて所望の水溶液としてもよい。
一つ以上の実施形態で、水溶液中のピロリン酸テトラカリウムの濃度は、水に対するピロリン酸テトラカリウムの重量部を基準として表すことができる。一つ以上の実施形態で、ピロリン酸テトラカリウム溶液は水100重量部に対して少なくとも10重量部以上、他の実施形態では少なくとも50以上、さらに他の実施形態では少なくとも100重量部以上、さらに他の実施形態では少なくとも150重量部以上、さらに他の実施形態では少なくとも200重量部以上のピロリン酸テトラカリウムを含有する。これら及び他の実施形態で、ピロリン酸テトラカリウム溶液を水100重量部に対して1000重量部以下、他の実施形態で500重量部以下、さらに他の実施形態で350重量部以下、さらに他の実施形態では300重量部以下、さらに他の実施形態では250重量部以下の重量部でピロリン酸テトラカリウムを含有する。一つ以上の実施形態で、ピロリン酸テトラカリウム溶液は水100重量部に対して約10重量部乃至約1000重量部、他の実施形態では約150重量部乃至約300重量部、他の実施形態では約200重量部乃至約250重量部でピロリン酸テトラカリウムを含有する。
一つ以上の実施形態において、ピロリン酸テトラカリウム溶液の製造は標準条件で実施しても良い。例えば、ある実施形態では、溶液は常温で製造することができる。一つ以上の実施形態において、ピロリン酸テトラカリウムの溶液は150℃未満、他の実施形態で125℃未満、他の実施形態で100℃未満、他の実施形態で80℃未満、他の実施形態で60℃未満、及び他の実施形態で40℃未満の温度で製造されることができる。前記及び他の実施形態において、ピロリン酸テトラカリウムの溶液は、20℃より高い、他の実施形態で30℃より高い、他の実施形態で40℃より高い、他の実施形態で50℃より高い、他の実施形態で60℃より高い温度で製造することができる。ある実施形態では、製造の間のピロリン酸テトラカリウム溶液の温度を、狭い温度変量範囲で維持してもよく、例えば、前記温度は+/−15℃、他の実施形態で+/−10℃、他の実施形態で+/−5℃、及び他の実施形態で+/−3℃以内で維持することができる。
一つ以上の実施形態において、ピロリン酸テトラカリウム溶液の製造は大気圧で実施してもよい。他の実施形態で、前記溶液は真空下、例えば0.5気圧未満、または他の実施形態で例えば0.25気圧未満で製造してもよい。さらに他の実施形態において、前記溶液は加圧下で製造してもよい。一つ以上の実施形態で、前記溶液は一般的なエマルジョン化技法及び設備を利用して製造してもよい。
[水溶性カルシウム塩の導入]
前述のように、水溶性カルシウム塩はポリリン酸カリウム(例えば、ピロリン酸テトラカリウム)の水溶液に添加される。また、特定の理論に係わることなく、ポリリン酸カリウム及び水溶性カルシウム塩は、反応または相互作用してピロリン酸二カリウムカルシウムを提供するものと思われるが、これは分子式CaKで示すことができる。しかしながら、本発明の実施形態は、前記の構造にも、生産されるピロリン酸カリウムカルシウムの純度にも制限されない。当業者にとって、本発明において宣言された割合及び反応条件を最適化することにより、少しずつ組成が異なるポリリン酸カリウムカルシウムが提供されることは自明である。例えば、そのような形態の一つは分子毎に異なる濃度のCaKの単量体種及びCa10(Pの重合体種のコロイドの水性分散液の混合物であり得る。それにもかかわらず、“ピロリン酸二カリウムカルシウム”との用語は前記反応生成物を表すものとして使用される。
一つ以上の実施形態において、ピロリン酸テトラカリウムの水性混合物に導入される水溶性カルシウム塩(例えば、酢酸カルシウム)の量は水溶性カルシウム塩に含まれるカルシウムのモル数ピロリン酸テトラカリウムに含まれるリンのモル数(即ち、Caのモル数対Pのモルに対するモル比を基準に表すことができる。一つ以上の実施形態で、水溶性カルシウム塩に含まれるカルシウムのモル数対ピロリン酸テトラカリウムに含まれるリンのモル数のモル比は1:0.5以上、他の実施形態で1:1以上、他の実施形態で1:2以上、他の実施形態で1:3以上、及び他の実施形態で1:3.5以上であり得る。一つ以上の実施形態で、水溶性カルシウム塩に含まれるカルシウムのモル数対ピロリン酸テトラカリウムのうちのリンのモル数のモル比は1:10以下、他の実施形態で1:7以下、他の実施形態で1:6以下、他の実施形態で1:5以下、及び他の実施形態で1:4.5以下であってもよい。一つ以上の実施形態で、水溶性カルシウム塩に含まれるカルシウムのモル数対ピロリン酸テトラカリウムに含まれるリンのモル数のモル比は約1:1乃至約1:7、他の実施形態で約1:2乃至約1:6、他の実施形態で約1:3乃至約1:5、及び他の実施形態で約1:3.5乃至約1:4.5であってもよい。
一つ以上の実施形態において、ピロリン酸テトラカリウムの水性混合物に導入される水溶性カルシウム塩(例えば、酢酸カルシウム)の量は水溶性カルシウム塩に含まれるカリウムのモル数に対するピロリン酸テトラカリウムに含まれるリンのモル数(即ち、Caのモル数対Pのモル水)のモル比を基準に表すことができる。一つ以上の実施形態で、水溶性カルシウム塩に含まれるカルシウムのモル数対ピロリン酸テトラカリウムに含まれるリンのモル数のモル比は1:0.5以上、他の実施形態で1:1以上、他の実施形態で1:2以上、他の実施形態で1:3以上、及び他の実施形態で1:3.5以上であり得る。一つ以上の実施形態で、水溶性カルシウム塩に含まれるカルシウムのモル数対ピロリン酸テトラカリウムのうちのリンのモル数のモル比は1:10以下、他の実施形態で1:7以下、他の実施形態で1:6以下、他の実施形態で1:5以下、及び他の実施形態で1:4.5以下であってもよい。一つ以上の実施形態で、水溶性カルシウム塩に含まれるカルシウムのモル数対ピロリン酸テトラカリウムに含まれるリンのモル数のモル比は約1:1乃至約1:7、他の実施形態で約1:2乃至約1:6、他の実施形態で約1:3乃至約1:5、及び他の実施形態で約1:3.5乃至約1:4.5であってもよい。
一つ以上の実施形態において、ピロリン酸二カリウムカルシウムの製造(即ち、水溶性カルシウム塩の添加及び後続反応の工程)は、標準条件下で行うことができる。これは水溶性カルシウム塩が導入される時のポリリン酸カリウム水溶液の温度を含むことができる。これはまた水溶性カルシウム塩の添加後の混合物及び/又は反応生成物が振盪される時の温度を含んでもよい。例えば、特定の実施形態では、ピロリン酸二カリウムカルシウムは常温で製造してもよい。一つ以上の実施形態において、ピロリン酸二カリウムカルシウムの製造は150℃未満、他の実施形態で125℃未満、他の実施形態で100℃未満、他の実施形態で80℃未満、他の実施形態で60℃未満、及び他の実施形態で40℃未満の温度で行ってもよい。これらまたは他の実施形態において、ピロリン酸二カリウムカルシウムの製造は20℃超過、他の実施形態で30℃超過、他の実施形態で40℃超過、他の実施形態で50℃超過、及び他の実施形態で60℃超過の温度で行ってもよい。特定の実施形態では、反応混合物の温度は狭い温度変動範囲、例えば、前記温度は+/−15℃、他の実施形態で+/−10℃、他の実施形態で+/−5℃、及び他の実施形態で+/−3℃以内に維持されてもよい。
一つ以上の実施形態では、ピロリン酸二カリウムカルシウムの製造は常圧で行うことができる。他の実施形態では、ピロリン酸二カリウムカルシウムの製造は真空下、例えば0.5気圧未満で、または他の実施形態では例えば0.25気圧未満で行うことができる。さらに他の実施形態では、混合物の製造は加圧下で行うことができる。
一つ以上の実施形態において、ピロリン酸二カリウムカルシウムの製造は、従来の混合手段及び設備を利用して行うことができる。一つ以上の実施形態において、ポリリン酸カリウム水溶液は、振盪しながら水溶性カルシウム塩を導入することにより行うことができる。これは例えば、ローター−ステーター混合器(rotor−stator mixer)、ホモジナイザー(homogenizer)、コロイドミル(colloid mill)、または超高剪断混合器(ultra−high shear mixer)によって提供されることができる高剪断混合または高強度混合を含むことができる。同様に、結果として提供される混合物及び/又は反応生成物は、従来の混合手段を利用して混合することができる。一つ以上の実施形態において、結果として得られる混合物及び/又は、反応生成物は、振盪することにより所望する粒子の大きさにすることができる。前記混合は、水溶性カルシウム塩の導入に後続するが、高剪断混合を含むことができ、これはローター−ステーター混合器、ホモジナイザー、コロイド性ミル、または超高剪断混合器によって提供されてもよい。一つ以上の実施形態では、結果として得られる混合物及び/又は反応生成物はエマルジョン化に適用される。一つ以上の実施形態では、エマルジョン化はピロリン酸テトラカリウムの溶液を製造するために採用される。前記及び他の実施形態では、エマルジョン化は水溶性カルシウム塩の導入の間に行われる。一つ以上の実施形態では、エマルジョン化は水溶性カルシウム塩の導入後に行われる。最終的には反応物の特性及び反応物の相対的な量によって、得られる粒子の大きさが決まるが、当業者は混合強度、特に結果物として提供される混合物及び/又は反応生成物に提供される混合強度が任意の与えられた混合温度で所望する粒子の大きさを提供するために必要であり得る特別な水準の振盪に必要な時間に反比例するという事実を理解するはずである。
一つ以上の実施形態では、カルシウムピロリン酸塩の水性分散液のpHは所望するpHに調整してもよい。これは例えば、有機酸の添加によって行うことができる。有用な有機酸は氷酢酸、酢酸溶液(例えば、90%溶液)、ギ酸、マレイン酸、コハク酸、プロピオン酸、クエン酸、またはこれらの酸の二つ以上の組合せを含む。pHの調整は他の任意の農薬を添加する前にまたは後に行うことができる。
ピロリン酸二カリウムカルシウムの形成後、及び必要に応じて分散液のpH調整後、他の成分を前記水性分散液に添加してもよい。これら以外の成分として、当技術分野における従来の成分及び/又は補助成分を含むことができる。例えば、これに制限されないが、商品名Glokill 77またはEmulcidで入手可能なヘキサヒドロ1,3,5トリス(2−ヒドロキシエチル)−シムトリアジンといった一つ以上の殺生物剤を含んでもよい。これら及び他の実施形態では、一つ以上の消泡剤を導入してもよい。有用な消泡剤には、これに制限されないが、商品名Gensil 2030、Silfax及びZiameterで入手可能なポリジメチルシロキサンが含まれる。当業者は必要に応じて適切量の他の成分及び/又は補助成分を容易に決定することができる。
[選択的農薬の添加]
前記提示されたように、一つ以上の農薬が前記水性分散液に添加されることができる。例えば、植物栄養剤化合物、植物成長調節剤、植物有益微生物、土壌コンディショナー及び/又は生物刺激剤を前記水性分散液に添加してもよい。水性分散液に添加されるこれらの化学物質の量は、数多くの要因、例えば、これに制限されないが、作物のタイプ、成長の段階または土壌のタイプ及び土壌の公知の栄養状態を基準に変化させてもよい。
一つ以上の実施形態では、有用な植物栄養剤化合物は窒素供給源を含む。放出制御窒素供給源を含む窒素代替剤の例には、尿素、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、尿素硝酸アンモニウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム及び、植物、動物または魚類基材供給源、例えばタンパク質加水分解物、魚類加水分解物、魚類エマルジョンまたはトウモロコシ胚芽液から誘導された有機窒素が含まれる。
他の実施形態では、植物栄養剤化合物は巨大、2次または植物微量栄養素の供給源を含むことができる。
カリウム−含有植物微量栄養素の例としては、これに制限されるものではないが、チオ硫酸カリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸カリウムマグネシウムが含まれる。
含リン植物微量栄養素の例としては、これに制限されるものではないが、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、リン酸カルシウム、ピロリン酸テトラカリウム、アンモニウムポリホスフェート、三リン酸ナトリウム、リン酸及び亜リン酸が含まれる。
含硫植物微量栄養素の例としては、これに制限されるものではないが、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、チオ硫酸カルシウム、チオ硫酸マグネシウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム、硫酸カリウム及び硫酸モノカリウムが含まれる。
さらに別の植物微量栄養素の例としては、これに制限されるものではないが、硫酸鉄、硫酸マグネシウム、硫酸銅、硫酸亜鉛、ホウ酸、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸アンモニウム、塩化第二鉄、塩化亜鉛、硝酸亜鉛だけではなくこれらのキレート化物(即ち、これらのキレート化された形態)が含まれる。
植物成長改質剤または調節剤の例としては、これに制限されるものではないが、合成形態または海藻類または海藻類抽出物のような天然誘導形態のオーキシン及びサイトカイニンが含まれる。
植物有益微生物の例としては、これに制限されるものではないが、バシラス属(Bacillus spp)、パエノバシラス属(Paenobacillus spp)、ブレビバチルス属(Brevibacillus spp)、メタリジウム属(Metarhizium spp)、トリコデルマ属(Trichoderma spp)、グロムス属(Glomus spp)、小胞状樹枝状体菌根(Vesicular Arbuscular Mycorrhizae)、リゾビウム属(Rhizobium spp)、ブラディリゾビウム属(Bradyrhizobium)、ペシロマイセス属(Paecilomyces spp)及びビューベリア属(Beauveria spp)が含まれる。
土壌コンディショナー及び/又は植物生物刺激剤の例としては、これに制限されるものではないが、腐植酸及びフルボ酸が含まれ、これらは液体カリウム腐植酸塩(Supa Humus 26、Agrichem)、液体カリウムフルボ酸塩(Supa Fulvic 6、Agrichem)、粉末/フレークまたは結晶質カリウム腐植酸塩及び粉末/フレークまたは結晶質カリウムフルボ酸塩の形態であってもよい。前記腐植酸及びフルボ酸は、泥炭(peat)、レナーダイト(leonardite)またはブラウンコート(brown coat)から誘導されてもよい。腐植酸及びフルボ酸に追加して、リグノスルホン酸アンモニウム、リグノスルホン酸カリウム及びリグノスルホン酸ナトリウム、例えばこれに制限されるものではないが、Marasperse AG及びBorregro HA−1粉末(Borregaard Lignotech社)がまた有用であり得る。
[仕上がり処理方法及び過程]
一つ以上の実施形態では、ピロリン酸二カリウムカルシウムの水性分散液を貯蔵、輸送及び/又は使用する前に一つ以上の仕上がり処理過程を適用してもよい。例えば、一つ以上の実施形態では、加工処理の滓または合成過程の間に原料から放出された原料不純物の除去のために、前記水性分散液をろ過してもよい。ここには、当業者がさらに粒子の大きさをさらに小さくするためにさらに微細なろ過物質を選択することもできるが、メッシュまたはフェルト織物の100ミクロンから1ミクロンまでのフィルターバックを通過するろ過が含まれることができる。
[水性分散液の特徴]
前記に示されたように、本願に記載された方法はピロリン酸二カリウムカルシウムの水性分散液を提供するものと思われる。前記分散液は一つ以上の有利な特徴を特徴とすることができる。
一つ以上の実施形態で、ピロリン酸二カリウムカルシウムの水性分散液は6.0以上、他の実施形態で7.0以上、他の実施形態で8.0以上、他の実施形態で8.5以上、他の実施形態で8.7以上のpHを有することを特徴とする。これらまたは他の実施形態では、ピロリン酸二カリウムカルシウムの分散液は14以下、他の実施形態で12以下、他の実施形態で10以下、他の実施形態で9.5以下、他の実施形態で9.0以下のpHを有することを特徴とする。一つ以上の実施形態では、ピロリン酸二カリウムカルシウムの水性分散液は、約6.0乃至約14、他の実施形態で約7.0乃至約12、他の実施形態で約8.0乃至約10、他の実施形態で約8.5乃至約9.5のpHを有することを特徴とする。標的pHの選択は、剤形物の最終適用先及び/又は組成物に添加される任意の農薬の選択に左右される。
一つ以上の実施形態では、ピロリン酸二カリウムカルシウムの水性分散液は、有利な粒子の大きさを有することを特徴とする。一つ以上の実施形態で、分散液内の粒子は定量的に水性分散液内に分散されている粒子の90%以上、他の実施形態で95%以上、他の実施形態で99%以上が1ミクロン未満の粒子の大きさを有することを特徴とすることができる。一つ以上の実施形態では、分散されている粒子の90%以上、他の実施形態で95%以上、他の実施形態で99%以上が、0.1ミクロン乃至0.5ミクロン、または0.2ミクロン乃至0.4ミクロンの平均粒子の大きさを有することを特徴とする。一つ以上の実施形態では、本発明の水性分散液は分散液がコロイド性分散液であることを特徴とするが、当業者はそのような分散液の分散された粒子の平均粒子の大きさが1.0ミクロン未満、一般的に約0.1ミクロン乃至約1.0ミクロンの範囲であることが理解できるはずである。前記及び他の実施形態では、分散液内の粒子は定量的に20μm以下、他の実施形態で10μm未満、他の実施形態で5μm未満、他の実施形態で3μm未満、他の実施形態で1μm未満のD50(即ち、粒子の50%が特定された長さ以下の直径を有する)有することを特徴とすることができる。前記及び他の実施形態で、分散液内の粒子は定量的に50μm以下、他の実施形態で25μm未満、他の実施形態で12μm未満、他の実施形態で5μm未満、他の実施形態で3μm未満、他の実施形態で1μm未満のD90(即ち、粒子の90%が特定された長さ以下の直径を有する)を有することを特徴とすることができる。
一つ以上の実施形態では、ピロリン酸二カリウムカルシウムの粒子は板状型またはシート状の形態を有することを特徴とすることができる。そのような板状型粒子は1未満、他の実施形態で0.5未満、他の実施形態で0.3未満、他の実施形態で1.5未満、他の実施形態で1.0未満のミクロンである一つ以上の寸法を有することを特徴とすることができる。他の粒子形態をさらに使用することができる。一つ以上の実施形態では、針型または正方形といったこれらの他の形態は、1:6超過、他の実施形態で1:4超過、他の実施形態で1:3超過、他の実施形態で1:2.5超過の、粒子総表面に対する接触表面積(即ち、植物の葉のような基板に接触する粒子の表面)を有することができる。
一つ以上の実施形態で、ピロリン酸二カリウムカルシウムの水性分散液は900以上、他の実施形態で1,000以上、他の実施形態で1,200以上、他の実施形態で1,500cps以上のブロックフィールド粘度(25℃及び50rpmでBrookfield RVT、スピンドル#3を利用して測定)を有すること特徴とする。これらまたは他の実施形態で、ピロリン酸二カリウムカルシウムの水性分散液は5,000未満、他の実施形態で3,000未満、他の実施形態で2,700未満、他の実施形態で2,500cps未満のブルックフィールド粘度を有することを特徴とする。一つ以上の実施形態では、ピロリン酸二カリウムカルシウムの水性分散液は約900乃至約5,000、他の実施形態で約1,000乃至約3000、他の実施形態で約1,200乃至約2,700、他の実施形態で約1,500乃至約2,500cpsのブルックフィールド粘度を有することを特徴とする。
一つ以上の実施形態では、本発明によって製造される分散液は懸濁された固体及びまた溶解された固体の混合物を含有する。固体含量は植物栄養剤化合物または植物成長調節剤の添加によって変化してもよい。一つ以上の実施形態では、固体の総含量は40%w/w乃至60%w/w、または他の実施形態で45%w/w乃至55%w/wで変化する。一つ以上の実施形態では、懸濁したサブ−ミクロン(sub−micron)固体の含量は、約15%w/w乃至25%w/w、または他の実施形態では約18%w/w乃至22%w/wで変化してもよい。
一つ以上の実施形態では、ピロリン酸二カリウムカルシウムの水性分散液はCIPAC法によって定めることができる有利な貯蔵寿命を特徴とする:加熱によるMT 46 加速貯蔵試験またはAPVMA、Dec 2005、農業用化学製品の貯蔵安定性データ生成のためのガイドライン(Guidelines for Generation of Storage Stability Data of Agricultural Chemical Products)。一つ以上の実施形態では、貯蔵寿命は12ヶ月以上であり得、他の実施形態では18ヶ月以上であり得、他の実施形態では24ヶ月以上であり得る。
一つ以上の実施形態では、本発明によって製造されるピロリン酸二カリウムカルシウムの水性分散液は、有利なゼータポテンシャルを有することを特徴とすることができるが、これは微量式電気泳動法及び/又は電気泳動光散乱で決定することができる。一つ以上の実施形態で、ゼータポテンシャルはpHが7+/−1のとき+30ミリボルトより高く、他の実施形態では+35ミリボルトより高く、他の実施形態では+40ミリボルトより高く、他の実施形態で+45ミリボルトより高い。他の実施形態では、pHが約6.0乃至約14、他の実施形態で約7.0乃至約12、他の実施形態で約8.0乃至約10、他の実施形態で約8.5乃至約9.5のとき、ゼータポテンシャルは−30ミリボルト未満、他の実施形態で−35ミリボルト未満、他の実施形態で−40ミリボルト超過、他の実施形態で−45ミリボルト未満である。
一つ以上の実施形態では、本発明によって製造されるピロリン酸二カリウムカルシウムの水性分散液は約1.3乃至約1.9、他の実施形態で約1.4乃至約1.8、他の実施形態で約1.4乃至約1.7の屈折率を有することを特徴とすることができる。
[液体肥料としての用途]
前記提示されたように、本発明によって製造されるピロリン酸二カリウムカルシウムの水性分散液は有利には液体肥料として使用することができる。これらの液体肥料は有利には葉面施用の手段によって液状水和剤液として植物体に直接適用されることができる。他の実施形態では、そのような液体肥料はこれに制限されるものではないが砂、土砂及び粘土のような土壌に適用することができる。さらに他の実施形態では、そのような液体肥料は水耕栽培、栄養フィルム技術(nutrient film techniques)、及びココピト(coco peat)、コイア(coir)、及びロックウールのような媒質を使用する滴下施肥/灌漑システムのような無土壌栽培システムに使用される栄養液に直接添加することができる。さらに他の実施形態では、本発明の分散液は固体肥料顆粒及びプリル(prill)、例えばこれに制限されないがリン酸二アンモニウム、一リン酸アンモニウム、第一リン酸カリウム、及び尿素をコーティング及び/又は含浸するために利用することができる。他の実施形態では、本発明の分散液はそれらの製造の間に他の肥料に分散されることができ;例えば尿素溶融物(例えば、150℃における尿素溶岩(urea lava))に分散された後冷却されることができる。有利には、本発明の分散液を製品肥料の製造と組合せる時及び/又は分散液を表面肥料として製品肥料に添加する時広範囲なローディングが可能である。
一つ以上の実施形態では、前記のようなピロリン酸二カリウムカルシウムの水性分散液はかなり濃縮されていてもよく、これにより輸送及び貯蔵が容易になる、これらの水性分散液は農場で使用する前に希釈されることができる。例えば、当業者はピロリン酸二カリウムカルシウム及び/又は補充肥料、例えば窒素供給源に対する所望する使用割合によって希釈された組成物を製造及び使用することができる。
本発明の一つ以上の実施形態で製造される分散液は有利には水溶液に含まれる他の農薬と相溶性である。例えば、ピロリン酸二カリウムカルシウムの水性分散液は、ピロリン酸二カリウムカルシウムの分散液及び補充化学物質(例えば、リン酸二アンモニウム)の溶解度を維持しながらも例えば、リン酸二アンモニウム、一リン酸アンモニウム及び尿素の濃縮された(飽和されたことを含む)溶液と組み合わせることができる。さらに、これらの相互的液体肥料システムはキレートを使用しなくても製造することができる。さらに、そのような液体肥料システムは、不溶性ピロリン酸二カリウムカルシウムの農薬濃縮液との相互的ブレンドを含むが、有利には1日以上、他の実施形態で3日以上、他の実施形態で1週以上の延長された期間の間に安定である。
ピロリン酸二カリウムカルシウムの水性分散液、またはその希釈された組成物は多様な方法を用いて植物に適用することができる。一つ以上の実施形態では、噴射技法が使用される。他の実施形態では、本発明によって製造される液体肥料は土壌を通じて植物に適用することができる。公知の技法としては、周辺土壌を水性分散液で飽和させたりまたは灌注させたりすることが挙げられる。具体的な適用方法としては、スプレーブーム(spray boom)、ハンドスプレーヤー(hands prayer)、低容量アプリケーター(low volume applicator)、高容量及び低容量フィールド−塔載機器(high and low volume field−mounted equipment)、空中噴霧器(aerial sprayer)、制御液滴アプリケーター(controlled droplet applicator)、CDA機器及び/又はこれらの組合せを用いることができる。
本発明の液体肥料は、有利には多様な農作物に適用することができる。また、本発明によって製造されたピロリン酸二カリウムカルシウムは様々な農業上の利点を有する。例えば、本発明によって製造されるピロリン酸二カリウムカルシウムは土壌に含まれる栄養素(例えば、カリウム、カルシウム及びリン)の移動及び位置移動を強化するものと思われる。また、ピロリン酸二カリウムカルシウムは、植物が栄養素をより長期間利用できるようにすることに寄与し、化学物及び土壌停滞から栄養素を保護するものと思われる。
本発明の実施を実証するために、下記の実施例を作成して試験を行った。しかしながら、本発明の範囲は実施例によって限定されるものではない。請求の範囲が本発明の定義を提供する。
(実施例1)
2リットルのポリプロピレン目盛りビーカーに320gの水及び575gのピロリン酸テトラカリウムを添加してピロリン酸テトラカリウム溶液(TKPP溶液)を形成した。40cmの長さの、4個の刃を有する5cmステンレス綱ヘラがあるIKA Rw20nベンチ−トップオーバーヘッドミキサーを用いて1700rpmでビーカーを撹拌した。pHは12.1であることに留意した。
1リットルポリプロピレン目盛りビーカーに340gの水及び125gの無水酢酸カルシウム(最小純度98.0%)を添加して酢酸カルシウムの溶液を調製した。固体が完全に溶解するまで第2ビーカーを撹拌して、無色透明溶液を調製した。pHは9.2であることに留意した。
溶解した酢酸カルシウムを2分間かけてTKPP溶液が入ったビーカーに加えてピロリン酸カリウムカルシウムの不溶性粒子を生成した。酢酸カルシウム添加終了時の混合物の温度は48℃であった。1700rpmで60分間混合を続け、30gの氷酢酸を1分にわたって徐々に添加した。さらに6時間、1700rpmで混合を続け、50gの水和されたガムベースを混合物に添加した後、0.5gの消泡剤を添加した。1700rpmで1時間混合を続けた。次いで、水を加えて1リットルの混合物を調製した。
Figure 0006831837
Figure 0006831837
本実施例で使用した成分は、表にまとめたとおりである。物理的及び化学的試験を行い、結果も表に提供する。DMA35 密度計を用いて25℃での比重を測定し、pHは25℃で決定し、粘度は#3スピンドルがあるBrookfield RVT粘度計を用いてして25℃で決定し、粒子の大きさはMalvern Mastersizer 2000を利用し決定し、元素含量は誘導結合プラズマ発光分光分析装置を用いてして決定し、不溶性成分は重量法(Gravimetric method)(試料の希釈、固体の定着及び以後固体の乾燥を随伴)を用いて決定した。
本実施例は、分散液が他の有益な特性のなかでも特に有利な粘度及び粒子の大きさを有するという本発明の有利な点の少なくとも一部を示す。
(実施例2)
試薬の量を減らし(10%ずつ)、任意の農薬を含ませたことを除いては実施例1で説明したものと同一の一般的な工程によって分散液を調製した。今回の場合、89gのSupa Zinc(Agrichem LTD)を添加した。Supa Zincは亜鉛EDTAの二カリウム塩として存在する5.9%w/wの亜鉛を含む。本実施例に使用した成分は表にまとめたとおりである。物理的及び化学的試験も同様に実施し、結果は表に示したとおりである。
本実施例は他の肥料成分が組成物に容易に混和されることを説明する。また、組成はピロリン酸カリウムカルシウムの量を減らすことによって改質されて0.3%w/wの亜鉛を含むようになった。本実施例は、また適切なモル比を維持しながら基本成分の量を変更して有利な分散液が得られることを説明する。
(実施例3)
チオ硫酸カルシウムを酢酸カルシウムの代わりに使用した点を除いては、実施例1で説明したものと同一の一般的な工程によって分散液を調製した。本実施例に使用された成分は表にまとめたとおりである。物理的及び化学的試験を同様に実施し、結果を表に示した。
本実施例は、酢酸カルシウムを他の水溶性カルシウム塩に替えても類似の結果が得られることを実証する。
(実施例4)
カルシウム対リンの比率を1:4.2から1:2.2に減らした点を除いては実施例1で説明したものと同一の一般的な工程によって分散液を調製した。本実施例に使用された成分は表に示したとおりである。物理的及び化学的試験を同様に実施し、結果を表に示した。
本実施例は、リン対カルシウムの比率を根拠に粒子の大きさを変更できることを実証する。即ち、リンに比べてカルシウムの量が増加すると、その結果、粒子が大きくなる。
(実施例5)
酢酸カルシウム及びチオ硫酸カルシウムを可溶性カルシウム塩として使用したという点を除いては実施例1で説明したものと同一の一般的な工程によりして分散液を調製した。本実施例に使用した成分は表にまとめたとおりである。物理的及び化学的試験を同様に実施し、結果を表に示した。
本実施例は、異なる水溶性カルシウム塩の混合物を使用しうることを実証しており、これにより有利には剤形物のうちの栄養素ミックス及び/又は剤形物の最終価格を最適化することができる。
(実施例6)
酢酸カルシウムを同モル量の酢酸マグネシウム四水和物に代替したことを除いて、実施例1に提示されたものと同一の一般的な過程を利用して分散液を製造した。本実施例に使用された成分は表にまとめたとおりである。物理的及び化学的試験を同様に実施し、結果を表に示した。
水溶性カルシウム塩の代わりに水溶性マグネシウム塩を用いると非常に低い粘度及び相当の粗質の分散液が得られる。このような特徴は、本組成物が不十分な貯蔵寿命を有するので意図する目的に有用ではないことを示唆する。従って、本実施例はカチオンとしてカルシウムを使用することが、特にそれが最終混合物及び有利な粒子の大きさの提供のための自己安定化粘度を生成することと関連があるので、カチオンとしてカルシウムを採用することの長所を実証する。
(実施例7)
リン対カルシウムの比率を実施例1と同一に維持しながらピロリン酸テトラカリウムをトリポリリン酸カリウムに代替した点を除いて、実施例1で説明したものと同一の一般的な工程によって分散液を調製した。本実施例に採用された成分は表にまとめたとおりである。物理的及び化学的試験を同様に実施し、結果を表に示した。
カルシウム対リンのモル比を実施例1と同様にしたにもかかわらず、ピロリン酸塩の代わりにトリポリリン酸塩を用いた結果、非常に高い粘度が得られた。結果として得られた混合物は流動性がある液体ではなく半固体ペーストであった。このような特徴は本組成物が意図する目的に有用ではないことを示唆する。従って、本実施例はポリリン酸カリウムカルシウムの流動性水性分散液で微細な大きさの粒子を生成するためにピロリン酸塩を使用する利点を実証する。
(実施例8)
酢酸カルシウムを同モル量の硫酸マンガン一水和物に代替した点を除いて、実施例1で説明したものと同一の一般的な工程によって分散液を調製した。本実施例で使用した成分は表にまとめたとおりである。物理的及び化学的試験を同様に実施し、結果を表に示した。
金属カチオン対リンのモル比を実施例1と同様に維持したにもかかわらず、カルシウム塩の代わりに水溶性マンガン塩を使用したため非常に低い粘度及び不十分な粒子の大きさとなった。ニート混合物は濡れた固形物または固体層と、その上に位置する澄んだ液体層に迅速に分離した。このような特徴は、本組成物が不十分な貯蔵寿命を有するので、意図する目的に有用ではないことを示唆する。従って、本実施例は、特にカチオンとしてカルシウムを採用することが最終混合物及び有利な粒子の大きさの提供のための自己安定化粘度の生成と関連しているので、カチオンとしてカルシウムを使用することの長所を実証する。
(実施例9)
酢酸カルシウムを同モル量の硝酸カルシウム四水和物に代替したことを除いて、実施例1に説明したものと同一の一般的な工程によって分散液を調製した。本実施例に採用された成分は表にまとめたとおりである。物理的及び化学的試験を同様に実施し、結果を表に示した。
前記実施例3のように、本実施例は他の水溶性カルシウム塩が酢酸カルシウムを代替することができることを実証する。しかしながら、意図する用途に製品を最終的に使用する際に影響を及ぼす一部差異点が観察された。例えば、発生した粘度は剤形物の貯蔵安定化に適し、粒子の大きさはカルシウムアセテートを使用した場合よりも僅かに粗質であった。さらに、10℃未満の温度で硝酸カリウム結晶が形成されるので、分散液は完全な低温安定性を有していなかった。これは使用される硝酸カルシウムについては、酢酸カルシウム(実施例1)及びチオ硫酸カルシウム(実施例3)に必要とされるよりさらに希釈されたバージョンが必要であることを示唆する。
本発明の範囲及び思想から外れない多様な修正及び変更を行うことは、当業者にとって自明なことである。本発明は本願において説明された具体的な実施形態に特に限定されない。

Claims (21)

  1. i.水と、
    ii.前記水に分散されたポリリン酸カリウムカルシウムと、
    を含有する水性分散液であって、
    前記分散液内の90%以上の粒子が、1ミクロン未満の粒子の大きさを有し、前記分散液は1ミクロン未満の懸濁した粒子を15%w/w乃至25%w/w含む水性分散液
  2. 前記ポリリン酸カリウムカルシウムが、ピロリン酸二カリウムカルシウムである請求項1に記載の水性分散液。
  3. 植物栄養剤化合物、植物成長調節剤、または植物有益微生物をさらに含有し、
    前記分散液が、CIPAC法で決定される下記の貯蔵寿命:
    加熱によるMT 46 加速貯蔵試験で12ヶ月以上
    を有する請求項1に記載の水性分散液。
  4. 前記分散液が、1500乃至3000cpsのブロックフィールド粘度(Brookfield RVT、スピンドル#3、25℃、20rpm)を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の水性分散液。
  5. 前記分散液が、8.0乃至9.5のpHを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の水性分散液。
  6. 前記分散液が、40%乃至60%の総固体含量及び18%乃至22%の懸濁された固体含量を有すること特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の水性分散液。
  7. 前記ピロリン酸二カリウムカルシウムが、水に不溶性である請求項1乃至のいずれか一項に記載の水性分散液。
  8. 前記分散液が、分散液のうち粒子の90%以上が0.2乃至0.4ミクロンの平均粒子の大きさを有する粒子の大きさの分布を特徴とし、
    前記分散液が、6.0以上のpHを有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の水性分散液。
  9. i.ポリリン酸カリウムの溶液を提供する工程と、
    ii.水溶性カルシウム塩をポリリン酸カリウムの水溶液に導入して、水性分散液形態の流動性液体肥料を形成する工程と、
    を含む、流動性液体肥料の製造方法。
  10. 前記水溶性カルシウム塩が前記ポリリン酸カリウムと反応してポリリン酸カリウムカルシウムが形成され、前記ポリリン酸カリウムカルシウムが、ピロリン酸二カリウムカルシウムを含む請求項に記載の製造方法。
  11. 植物栄養剤化合物または植物成長調節剤を導入する工程をさらに含む請求項または10に記載の製造方法。
  12. 前記ポリリン酸カリウムがピロリン酸テトラカリウムであり、前記ピロリン酸テトラカリウムの溶液が、水100重量部当り200乃至250重量部のピロリン酸テトラカリウムを含有する請求項乃至11のいずれか一項に記載の製造方法。
  13. 前記水溶性カルシウム塩をポリリン酸カリウムの溶液に導入する工程が、水溶性カルシウム塩に含まれるカルシウムのモル数対ポリリン酸カリウムに含まれるリンのモル数のモル比が1:3乃至1:5である混合物を提供する請求項乃至12のいずれか一項に記載の製造方法。
  14. 水溶性カルシウム塩をポリリン酸カリウムの溶液に導入する前記工程が、水溶性カルシウム塩に含まれるカルシウムのモル数対ポリリン酸カリウムに含まれるリンのモル数のモル比が1:1乃至1:7である混合物を提供する請求項乃至13のいずれか一項に記載の製造方法。
  15. 水溶性カルシウム塩が、酢酸カルシウム、チオ硫酸カルシウム、カルシウムホルメート、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、及びこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される請求項乃至14のいずれか一項に記載の製造方法。
  16. 水溶性カルシウム塩が、酢酸カルシウム又はチオ硫酸カルシウムである請求項乃至15のいずれか一項に記載の製造方法。
  17. 水溶性カルシウム塩が、チオ硫酸カルシウムである請求項乃至16のいずれか一項に記載の製造方法。
  18. i.分散液内の90%以上の粒子が、1ミクロン未満の粒子の大きさを有し、1ミクロン未満の懸濁した粒子を15%w/w乃至25%w/w含む、ポリリン酸カリウムカルシウムの水性分散液を提供する工程と、
    ii.ポリリン酸カリウムカルシウムの水性分散液を植物に適用する工程と、
    を含む肥料としてのポリリン酸カリウムカルシウムの使用方法。
  19. ポリリン酸カリウムカルシウムがピロリン酸二カリウムカルシウムである請求項18に記載の使用方法。
  20. 前記適用する工程が、噴射、周辺土壌灌注、又は葉面施用を含む請求項18または19に記載の使用方法。
  21. 前記流動性液体肥料が、水と、前記水に分散されたポリリン酸カリウムカルシウムとを含有する水性分散液であって、前記分散液内の90%以上の粒子が、1ミクロン未満の粒子の大きさを有し、前記分散液は1ミクロン未満の懸濁した粒子を15%w/w乃至25%w/w含む水性分散液である請求項9記載の製造方法。
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