JP6830967B2 - 組成物、フィルム、積層構造体、発光装置、及びディスプレイ - Google Patents

組成物、フィルム、積層構造体、発光装置、及びディスプレイ Download PDF

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Description

本発明は、組成物、フィルム、積層構造体、発光装置、及びディスプレイに関する。
本願は、2016年12月22日に、日本に出願された特願2016−250171号に基づき、優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、半導体材料の発光特性に対する関心が高まっている。
例えば、室温条件下で、紫外から赤色のスペクトル領域の範囲で、強い発光強度を有する組成物が報告されている(非特許文献1)。
M.Era, A.Shimizu and M.Nagano, Rep.Prog.Polym.Phys.Jpn., 42,473-474(1999)
しかしながら、上記非特許文献1に記載された組成物を発光材料として用いる場合、さらなる量子収率の向上が求められる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、半導体微粒子を含む量子収率が高い組成物、フィルム、積層構造体、発光装置、及びディスプレイを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、以下の本発明に至った。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[9]の発明を包含する。
[1](1)及び(2)を含み、さらに(3)、及び(4)の少なくとも一方を含み、発光性を有する組成物。
(1)半導体微粒子
(2)ハロゲン化炭化水素化合物
(3)溶媒
(4)重合性化合物、及び重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種
[2]前記(1)が、A、B、及びXを構成成分とするペロブスカイト化合物の微粒子である前記[1]に記載の組成物。
Aは、ペロブスカイト型結晶構造において、Bを中心とする6面体の各頂点に位置する成分であって、1価の陽イオンである。
Xは、ペロブスカイト型結晶構造において、Bを中心とする8面体の各頂点に位置する成分を表し、ハロゲン化物イオン及びチオシアン酸イオンからなる群より選ばれる1種以上の陰イオンである。
Bは、ペロブスカイト型結晶構造においてAを頂点に配置する6面体及びXを頂点に配置する8面体の中心に位置する成分であって、金属イオンである。
[3]さらに、(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む前記[1]又は[2]に記載の組成物。
[4](1)、(2)、及び(4’)を含む組成物であって、(1)、(2)及び(4’)の合計含有量が前記組成物の総質量に対して90質量%以上である組成物。
(1)半導体微粒子
(2)ハロゲン化炭化水素化合物
(4’)重合体
[5]さらに、(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む前記[4]に記載の組成物。
[6]前記[4]又は[5]に記載の組成物からなるフィルム。
[7]複数の層を有し、少なくとも一層が、前記[4]又は「5」に記載の組成物からなる層である、積層構造体。
[8]前記[7]に記載の積層構造体を備える発光装置。
[9]前記[7]に記載の積層構造体を備えるディスプレイ。
本発明によれば、半導体微粒子を含む量子収率が高い組成物、フィルム、積層構造体、発光装置、及びディスプレイを提供することができる。
本発明に係る積層構造体の一実施形態を示す断面図である。 本発明に係るディスプレイの一実施形態を示す断面図である。 実施例において取得された、本発明に係る組成物の量子収率の結果を示すグラフである。
以下、実施形態を示して本発明を詳細に説明する。
<組成物>
本発明の組成物は、発光性を有する。「発光性」とは、光を発する性質を指す。発光性は、電子の励起により発光する性質であることが好ましく、励起光による電子の励起により発光する性質であることがより好ましい。励起光の波長は、例えば、200nm〜800nmであってもよく、250nm〜700nmであってもよく、300nm〜600nmであってもよい。
本発明の組成物は、(1)及び(2)を含み、さらに(3)、及び(4)の少なくとも一方を含む。
(1)半導体微粒子
(2)ハロゲン化炭化水素化合物
(3)溶媒
(4)重合性化合物、及び重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種
前記組成物は、さらに、(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
また、前記組成物は、上述の(1)〜(5)以外のその他の成分を有していてもよい。
その他の成分としては、例えば、若干の不純物、並びに半導体微粒子を構成する元素成分からなるアモルファス構造を有する化合物、重合開始剤が挙げられる。
その他の成分の含有量は、組成物の総質量に対して10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明者らが鋭意検討した結果、
(1)半導体微粒子、(2)ハロゲン化炭化水素化合物、(3)溶媒、並びに(4)重合性化合物、及び重合体からなる群から選ばれる1種以上、の内で(1)と(2)を含み、さらに(3)又は(4)の少なくとも一方を含む組成物において、量子収率を向上させることができることを見出した。
このことは、(2)の有機化合物により、(1)の半導体微粒子の表面の欠陥にトラップされた電子が失活してしまうことが防止され、電子が励起されることにより、量子収率が向上するものと考えられる。
本実施形態の組成物において、(1)及び(2)、さらに(3)、及び(4)の少なくとも一方の合計含有量が前記組成物の総質量に対して90質量%以上であってもよく、95質量%以上であってもよく、99質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。
本発明の組成物は、(1)、(2)、及び(4’)を含み、(1)、(2)及び(4’)の合計含有量が前記組成物の総質量に対して90質量%以上である組成物であってもよい。
(1)半導体微粒子
(2)ハロゲン化炭化水素化合物
(4’)重合体
本実施形態の組成物において、(1)、(2)及び(4’)の合計含有量は、前記組成物の総質量に対して95質量%以上であってもよく、99質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。
本組成物は、さらに、(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。(1)、(2)、(4’)、及び(5)以外の成分としては、上述のその他の成分と同様の成分が挙げられる。
(1)、(2)、並びに(3)及び(4)のいずれか一方又は両方を含む本実施形態の組成物において、組成物の総質量に対する(1)の含有量は、特に限定されるものではないが、半導体微粒子を凝縮させにくくする観点、及び濃度消光を防ぐ観点から、50質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましく、また、良好な量子収率を得る観点から、0.0001質量%以上であることが好ましく、0.0005質量%以上であることがより好ましく、0.001質量%以上であることがさらに好ましい。
上記の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
組成物の総質量に対する(1)の含有量は、通常、0.0001〜50質量%である。
組成物の総質量に対する(1)の含有量は、0.0001〜1質量%であることが好ましく、0.0005〜1質量%であることがより好ましく、0.001〜0.1質量%であることがさらに好ましい。
(1)の配合に係る範囲が上記範囲内である組成物は、(1)の半導体微粒子の凝集が生じ難く、発光性も良好に発揮される点で好ましい。
本明細書において、組成物の総質量に対する、(1)の半導体微粒子の含有量は、例えば、誘導結合プラズマ質量分析計(以下、ICP−MSともいう)、及びイオンクロマトグラフによって測定することができる。
(1)、(2)、並びに(3)及び(4)のいずれか一方又は両方を含む本実施形態の組成物において、組成物の総質量に対する(1)及び(2)の合計含有量は、特に限定されるものではないが、半導体微粒子を凝縮させにくくする観点、及び濃度消光を防ぐ観点から、60質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下であることがさらに好ましく、0.2質量%以下であることが特に好まく、また、良好な量子収率を得る観点から、0.0002質量%以上であることが好ましく、0.002質量%以上であることがより好ましく、0.005質量%以上であることがさらに好ましい。
上記の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
組成物の総質量に対する(1)及び(2)の合計含有量は、通常0.0002〜60質量%である。
組成物の総質量に対する(1)及び(2)の合計含有量は、0.001〜10質量%であることが好ましく、0.002〜2質量%であることがより好ましく、0.005〜0.2質量%であることがさらに好ましい。
(1)及び(2)の配合比に係る範囲が上記範囲内である組成物は、(1)の半導体微粒子の凝集が生じ難く、発光性も良好に発揮される点で好ましい。
(1)、(2)、及び(4’)を含む本実施形態の組成物において、組成物の総容積に対する(1)の含有量は、特に限定されるものではないが、半導体微粒子を凝縮させにくくする観点、及び濃度消光を防ぐ観点から、100g/L以下であることが好ましく、10g/L以下であることがより好ましく、5g/L以下であることがさらに好ましく、また、良好な量子収率を得る観点から、0.01g/L以上であることが好ましく、0.1g/L以上であることがより好ましく、0.5g/L以上であることがさらに好ましい。
上記の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
組成物の総容積に対する(1)の含有量は、0.01〜100g/Lであることが好ましく、0.1〜10g/Lであることがより好ましく、0.5〜5g/Lであることがさらに好ましい。
(1)の配合に係る範囲が上記範囲内である組成物は、発光性が良好に発揮される点で好ましい。
本明細書において、組成物の総容積に対する、(1)の含有量は、例えば、ICP−MS、及びイオンクロマトグラフによって測定することができる。
組成物がフィルム形状の場合、組成物の総容積は、前記フィルムを縦1cm×横1cmに切断し、マイクロメータ等で厚さを測定し、算出することができる。
組成物が液体の場合、組成物の総容積は、メスシリンダーを用いて測定することができる。
組成物が粉末の場合、組成物の総容積は、JIS R 93−1−2−3:1999に準拠し、重装かさ比重を測定し、測定に用いた組成物の重量を前記重装かさ比重で除すことにより算出することができる。
(1)、(2)、及び(4’)を含む本実施形態の組成物において、組成物の総容積に対する(1)及び(2)の合計含有量は、特に限定されるものではないが、半導体微粒子を凝縮させにくくする観点、及び濃度消光を防ぐ観点から、1000g/L以下であることが好ましく、500g/L以下であることがより好ましく、300g/L以下であることがさらに好ましく、また、良好な量子収率を得る観点から、0.02g/L以上であることが好ましく、0.2g/L以上であることがより好ましく、0.6g/L以上であることがさらに好ましい。
上記の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
組成物の総容積に対する(1)及び(2)の合計含有量は、0.02〜1000g/Lであることが好ましく、0.2〜500g/Lであることがより好ましく、0.6〜300g/Lであることがさらに好ましい。
(1)及び(2)の配合比に係る範囲が上記範囲内である組成物は、発光性が良好に発揮される点で好ましい。
以下、本発明における組成物について実施形態を示して説明する。
(1)半導体微粒子
本発明に係る組成物は(1)半導体微粒子を含み、(1)半導体微粒子は分散していることが好ましい。分散媒としては、(3)溶媒、(4)重合性化合物、及び重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種、及び(4’)重合体が挙げられる。
本明細書において「分散している」とは、半導体微粒子が分散媒中に浮遊あるいは懸濁している状態のことをいう。
半導体微粒子としては、例えば、II族−VI族化合物半導体の結晶の微粒子、II族−V族化合物半導体の結晶の微粒子、III族−V族化合物半導体の結晶の微粒子、III族−IV族化合物半導体の結晶の微粒子、III族−VI族化合物半導体の結晶の微粒子、IV族−VI族化合物半導体の結晶の微粒子、遷移金属−p−ブロック化合物半導体の結晶の微粒子、及びペロブスカイト化合物の微粒子等が挙げられる。
半導体微粒子は、良好な量子収率を得る観点から、カドミウムを含む半導体の結晶の微粒子、インジウムを含む半導体の結晶の微粒子、及びペロブスカイト化合物の微粒子が好ましく、粒径制御がそれほど厳しく求められずに半値幅の狭い発光ピークが得られ易い点から、ペロブスカイト化合物の微粒子がより好ましい。
これらの半導体微粒子の少なくとも一部は、(2)ハロゲン化炭化水素化合物で被覆されていてもよい。
組成物に含まれる、半導体微粒子の平均粒径は、特に限定されるものではないが、良好に結晶構造を維持させる観点から、平均粒径が1nm以上であることが好ましく、2nm以上であることがより好ましく、3nm以上であることがさらに好ましく、また、本発明に係る半導体微粒子を沈降させにくくする観点から、平均粒径が10μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましく、500nm以下であることがさらに好ましい。
上記の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
組成物に含まれる、半導体微粒子の平均粒径は、特に限定されるものではないが、半導体微粒子を沈降させにくくする観点、及び良好に結晶構造を維持させる観点から、平均粒径が1nm以上10μm以下であることが好ましく、2nm以上1μm以下であることがより好ましく、3nm以上500nm以下であることがさらに好ましい。
本明細書において、組成物に含まれる半導体微粒子の平均粒径は、例えば透過型電子顕微鏡(以下、TEMともいう。)、走査型電子顕微鏡(以下、SEMともいう。)により測定することができる。具体的には、TEM、又はSEMにより、前記組成物中に含まれる20個の半導体微粒子の最大フェレー径を観察し、それらの平均値である平均最大フェレー径を計算することにより、前記平均粒径を求めることができる。本明細書において「最大フェレー径」とは、TEM又はSEM画像上において、半導体微粒子を挟む2本の平行な直線の最大距離を意味する。
組成物に含まれる、半導体微粒子の粒度分布は、特に限定されるものではないが、良好に結晶構造を維持させる観点から、メディアン径(D50)が3nm以上であることが好ましく、4nm以上であることがより好ましく、5nm以上であることがさらに好ましく、また、本発明に係る半導体微粒子を沈降させにくくする観点から、メディアン径(D50)が5μm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることがさらに好ましい。
本実施形態の別の側面としては、組成物に含まれる、半導体微粒子の粒度分布においてメディアン径(D50)が3nm〜5μmであることが好ましく、4nm〜500nmであることがより好ましく、5nm〜100nmであることがさらに好ましい。
本明細書において、組成物に含まれる、半導体微粒子の粒度分布は、例えばTEM、SEMにより測定することができる。具体的には、TEM、又はSEMにより、前記組成物中に含まれる、20個の半導体微粒子の最大フェレー径を観察し、それらの分布から、前記メディアン径(D50)を求めることができる。
(II族−VI族化合物半導体の結晶の微粒子)
II族−VI族化合物半導体は、周期表の2族又は12族の元素と、16族の元素とを含む。
なお、本明細書において「周期表」とは、長周期型周期表を意味する。
二元系のII族−VI族化合物半導体では、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、又はHgTe等が挙げられる。
周期表の2族から選ばれる元素(第1元素)と、周期表の16族から選ばれる元素(第2元素)とを含む、二元系のII族−VI族化合物半導体としては、例えば、MgS、MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS、BaSe、又はBaTeが挙げられる。
周期表の2族から選ばれる元素(第1元素)と、周期表の16族から選ばれる元素(第2元素)とを含むII族−VI族化合物半導体は、周期表の2族から選ばれる元素(第1元素)1種類と、周期表の16族から選ばれる元素(第2元素)2種類とを含む、三元系のII族−VI族化合物半導体であってもよいし、周期表の2族から選ばれる元素(第1元素)2種類と、周期表の16族から選ばれる元素(第2元素)1種類とを含む、三元系のII族−VI族化合物半導体であってもよいし、周期表の2族から選ばれる元素(第1元素)2種類と、周期表の16族から選ばれる元素(第2元素)2種類とを含む、四元系のII族−VI族化合物半導体であってもよい。
周期表の12族から選ばれる元素(第1元素)と、周期表の16族から選ばれる元素(第2元素)とを含む、二元系のII族−VI族化合物半導体としては、例えば、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、又はHgTeが挙げられる。
周期表の12族から選ばれる元素(第1元素)と、周期表の16族から選ばれる元素(第2元素)とを含むII族−VI族化合物半導体は、周期表の12族から選ばれる元素(第1元素)1種類と、周期表の16族から選ばれる元素(第2元素)2種類とを含む、三元系のII族−VI族化合物半導体であってもよいし、周期表の12族から選ばれる元素(第1元素)2種類と、周期表の16族から選ばれる元素(第2元素)1種類とを含む、三元系のII族−VI族化合物半導体であってもよいし、周期表の12族から選ばれる元素(第1元素)2種類と、周期表の16族から選ばれる元素(第2元素)2種類とを含む、四元系のII族−VI族化合物半導体であってもよい。
II族−VI族化合物半導体は、周期表の2族、12族、及び16族の以外の元素をドープ元素として含んでいてもよい。
(II族−V族化合物半導体の結晶の微粒子)
II族−V族化合物半導体は、周期表の12族の元素と、15族の元素とを含む。
周期表の12族から選ばれる元素(第1元素)と、周期表の15族から選ばれる元素(第2元素)とを含む、二元系のII族−V族化合物半導体としては、例えば、Zn、ZnAs、Cd、CdAs、Cd、又はZnが挙げられる。
周期表の12族から選ばれる元素(第1元素)と、周期表の15族から選ばれる元素(第2元素)とを含むII族−V族化合物半導体は、周期表の12族から選ばれる元素(第1元素)1種類と、周期表の15族から選ばれる元素(第2元素)2種類とを含む、三元系のII族−V族化合物半導体であってもよいし、周期表の12族から選ばれる元素(第1元素)2種類と、周期表の15族から選ばれる元素(第2元素)1種類とを含む、三元系のII族−V族化合物半導体であってもよいし、周期表の12族から選ばれる元素(第1元素)2種類と、周期表の15族から選ばれる元素(第2元素)2種類とを含む、四元系のII族−V族化合物半導体であってもよい。
II族−V族化合物半導体は、周期表の12族、及び15族の以外の元素をドープ元素として含んでいてもよい。
(III族−V族化合物半導体の結晶の微粒子)
III族−V族化合物半導体は、周期表の13族から選ばれる元素と、15族から選ばれる元素とを含む。周期表の13族から選ばれる元素(第1元素)と、周期表の15族から選ばれる元素(第2元素)とを含む二元系のIII族−V族化合物半導体としては、例えば、BP、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、又はBNが挙げられる。
周期表の13族から選ばれる元素(第1元素)と、周期表の15族から選ばれる元素(第2元素)とを含むIII族−V族化合物半導体は、周期表の13族から選ばれる元素(第1元素)1種類と、周期表の15族から選ばれる元素(第2元素)2種類とを含む、三元系のIII族−V族化合物半導体であってもよいし、周期表の13族から選ばれる元素(第1元素)2種類と、周期表の15族から選ばれる元素(第2元素)1種類とを含む、三元系のIII族−V族化合物半導体であってもよいし、周期表の13族から選ばれる元素(第1元素)2種類と、周期表の15族から選ばれる元素(第2元素)2種類とを含む、四元系のIII族−V族化合物半導体であってもよい。
III族−V族化合物半導体は、周期表の13族、及び15族の以外の元素をドープ元素として含んでいてもよい。
(III族−IV族化合物半導体の結晶の微粒子)
III族−IV族化合物半導体は、周期表の13族から選ばれる元素と、14族から選ばれる元素とを含む。周期表の13族から選ばれる元素(第1元素)と、周期表の14族から選ばれる元素(第2元素)とを含む2元系のIII族−IV族化合物半導体としては、例えば、B、Al、Gaが挙げられる。
周期表の13族から選ばれる元素(第1元素)と、周期表の14族から選ばれる元素(第2元素)とを含むIII族−IV族化合物半導体は、周期表の13族から選ばれる元素(第1元素)1種類と、周期表の14族から選ばれる元素(第2元素)2種類とを含む、三元系のIII族−IV族化合物半導体であってもよいし、周期表の13族から選ばれる元素(第1元素)2種類と、周期表の14族から選ばれる元素(第2元素)1種類とを含む、三元系のIII族−IV族化合物半導体であってもよいし、周期表の13族から選ばれる元素(第1元素)2種類と、周期表の14族から選ばれる元素(第2元素)2種類とを含む、四元系のIII族−IV族化合物半導体であってもよい。
III族−IV族化合物半導体は、周期表の13族、及び14族の以外の元素をドープ元素として含んでいてもよい。
(III族−VI族化合物半導体の結晶の微粒子)
III族−VI族化合物半導体は、周期表の13族から選ばれる元素と、16族から選ばれる元素とを含む。
周期表の13族から選ばれる元素(第1元素)と、周期表の16族から選ばれる元素(第2元素)とを含む2元系のIII族−VI族化合物半導体としては、例えば、Al、AlSe、AlTe、Ga、GaSe、GaTe、GaTe、In、InSe、InTe、又はInTeが挙げられる。
周期表の13族から選ばれる元素(第1元素)と、周期表の16族から選ばれる元素(第2元素)とを含むIII族−VI族化合物半導体は、周期表の13族から選ばれる元素(第1元素)1種類と、周期表の16族から選ばれる元素(第2元素)2種類とを含む、三元系のIII族−VI族化合物半導体であってもよいし、周期表の13族から選ばれる元素(第1元素)2種類と、周期表の16族から選ばれる元素(第2元素)1種類とを含む、三元系のIII族−VI族化合物半導体であってもよいし、周期表の13族から選ばれる元素(第1元素)2種類と、周期表の16族から選ばれる元素(第2元素)2種類とを含む、四元系のIII族−VI族化合物半導体であってもよい。
III族−VI族化合物半導体は、周期表の13族、及び16族の以外の元素をドープ元素として含んでいてもよい。
(IV族−VI族化合物半導体の結晶の微粒子)
IV族−VI族化合物半導体は、周期表の14族から選ばれる元素と、16族から選ばれる元素とを含む。周期表の14族から選ばれる元素(第1元素)と、周期表の16族から選ばれる元素(第2元素)とを含む2元系のIV族−VI族化合物半導体としては、例えば、PbS、PbSe、PbTe、SnS、SnSe、又はSnTeが挙げられる。
周期表の14族から選ばれる元素(第1元素)と、周期表の16族から選ばれる元素(第2元素)とを含むIV族−VI族化合物半導体は、周期表の14族から選ばれる元素(第1元素)1種類と、周期表の16族から選ばれる元素(第2元素)2種類とを含む、三元系のIV族−VI族化合物半導体であってもよいし、周期表の14族から選ばれる元素(第1元素)2種類と、周期表の16族から選ばれる元素(第2元素)1種類とを含む、三元系のIV族−VI族化合物半導体であってもよいし、周期表の14族から選ばれる元素(第1元素)2種類と、周期表の16族から選ばれる元素(第2元素)2種類とを含む、四元系のIV族−VI族化合物半導体であってもよい。
IV族−VI族化合物半導体は、周期表の14族、及び16族の以外の元素をドープ元素として含んでいてもよい。
(遷移金属−p−ブロック化合物半導体の結晶の微粒子)
遷移金属−p−ブロック化合物半導体は、遷移金属元素から選ばれる元素と、p−ブロック元素から選ばれる元素とを含む。
周期表の遷移金属元素から選ばれる元素(第1元素)と、周期表のp−ブロック元素から選ばれる元素(第2元素)と含む2元系の遷移金属−p−ブロック化合物半導体としては、例えば、NiS、CrSが挙げられる。
周期表の遷移金属元素から選ばれる元素(第1元素)と、周期表のp−ブロック元素から選ばれる元素(第2元素)とを含む遷移金属−p−ブロック化合物半導体は、周期表の遷移金属元素から選ばれる元素(第1元素)1種類と、p−ブロック元素から選ばれる元素(第2元素)2種類とを含む、三元系の遷移金属−p−ブロック化合物半導体であってもよいし、周期表の遷移金属元素から選ばれる元素(第1元素)2種類と、周期表のp−ブロック元素から選ばれる元素(第2元素)1種類とを含む、三元系の遷移金属−p−ブロック化合物半導体であってもよいし、周期表の遷移金属元素から選ばれる元素(第1元素)2種類と、周期表のp−ブロック元素から選ばれる元素(第2元素)2種類とを含む、四元系の遷移金属−p−ブロック化合物半導体であってもよい。
遷移金属−p−ブロック化合物半導体は、周期表の遷移金属元素、及びp−ブロック元素以外の元素をドープ元素として含んでいてもよい。
上述の三元系や四元系の半導体の具体例としては、ZnCdS、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、ZnCdSSe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAs、CuInS、又はInAlPAs等が挙げられる。
(ペロブスカイト化合物)
半導体微粒子の一例としてペロブスカイト化合物の微粒子が挙げられる。
ペロブスカイト化合物は、A、B、及びXを構成成分とする、ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物である。
本発明において、Aは、前記ペロブスカイト型結晶構造においてBを中心とする6面体の各頂点に位置する成分であって、1価の陽イオンである。
Xは、前記ペロブスカイト型結晶構造においてBを中心とする8面体の各頂点に位置する成分を表し、ハロゲン化物イオン及びチオシアン酸イオンからなる群より選ばれる1種以上の陰イオンである。
Bは、前記ペロブスカイト型結晶構造においてAを頂点に配置する6面体及びXを頂点に配置する8面体の中心に位置する成分であって、金属イオンである。
A、B、及びXを構成成分とするペロブスカイト化合物としては、特に限定されず、3次元構造、2次元構造、疑似2次元構造のいずれの構造を有する化合物であってもよい。
3次元構造の場合、ペロブスカイト化合物の組成式は、ABX(3+δ)で表される。
2次元構造の場合、ペロブスカイト化合物の組成式は、ABX(4+δ)で表される。
ここで、前記δは、Bの電荷バランスに応じて適宜変更が可能な数であり、−0.7以上0.7以下である。
例えば、Aが1価の陽イオン、Bが2価の陽イオン、Xが1価の陰イオンである場合、前記化合物が中性(電荷が0)となるようにδを選択することができる。
上記3次元構造の場合、Bを中心とし、頂点をXとする、BXで表される頂点共有八面体の三次元ネットワークを有する。
上記2次元構造の場合、Bを中心とし、頂点をXとする、BXで表される八面対が同一平面の4つの頂点のXを共有することにより、2次元的に連なったBXからなる層とAからなる層が交互に積層された構造を形成する。
本明細書において、ペロブスカイト型結晶構造は、X線回折パターンにより確認することができる。
前記3次元構造のペロブスカイト型結晶構造を有する化合物の場合、X線回折パターンにおいて、通常、2θ=12〜18°の位置に(hkl)=(001)に由来するピーク、又は2θ=18〜25°の位置に(hkl)=(100)に由来するピークが確認される。2θ=13〜16°の位置に、(hkl)=(001)に由来するピークが、又は2θ=20〜23°の位置に、(hkl)=(100)に由来するピークが確認されることがより好ましい。
前記2次元構造のペロブスカイト型結晶構造を有する化合物の場合、X線回折パターンにおいて、通常、2θ=1〜10°の位置に、(hkl)=(002)由来のピークが確認され、2θ=2〜8°の位置に、(hkl)=(002)由来のピークが確認されることがより好ましい。
ペロブスカイト化合物は、下記一般式(1)で表されるペロブスカイト化合物であることが好ましい。
ABX(3+δ) (−0.7≦δ≦0.7) …(1)
[一般式(1)中、Aは1価の陽イオン、Bは金属イオン、Xはハロゲン化物イオン及びチオシアン酸イオンからなる群より選ばれる1種以上の陰イオンである。]
〔A〕
本発明に係わるペロブスカイト化合物中、Aは前記ペロブスカイト型結晶構造においてBを中心とする6面体の各頂点に位置する成分であって、1価の陽イオンである。1価の陽イオンとしては、セシウムイオン、有機アンモニウムイオン、又はアミジニウムイオンが挙げられる。ペロブスカイト化合物において、Aがセシウムイオン、炭素原子数が3以下の有機アンモニウムイオン、又は炭素原子数が3以下のアミジニウムイオンである場合、一般的にペロブスカイト化合物は、ABX(3+δ)で表される3次元構造を有する。
化合物中、Aはセシウムイオン、又は有機アンモニウムイオンが好ましい。
Aの有機アンモニウムイオンとして具体的には、下記一般式(A3)で表される陽イオンが挙げられる。
Figure 0006830967
一般式(A3)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基としてアミノ基を有していてもよいアルキル基、又は置換基としてアミノ基を有していてもよいシクロアルキル基を表す。但し、R〜Rの全てが水素原子となることはない。
〜Rで表されるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよく、置換基としてアミノ基を有していてもよい。
〜Rで表されるアルキル基の炭素原子数は、通常1〜20であり、1〜4であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。
〜Rで表されるシクロアルキル基は、置換基としてアルキル基を有していてもよく、アミノ基を有していてもよい。
〜Rで表されるシクロアルキル基の炭素原子数は、通常3〜30であり、3〜11であることが好ましく、3〜8であることがより好ましい。炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含む。
〜Rで表される基としては、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
一般式(A3)に含まれ得るアルキル基及びシクロアルキル基の数を少なくすること、並びにアルキル基及びシクロアルキル基の炭素原子数を小さくすることにより、発光強度が高い3次元構造のペロブスカイト型結晶構造を有する化合物を得ることができる。
アルキル基又はシクロアルキル基の炭素原子数が4以上の場合、2次元、及び/又は擬似二次元(quasi―2D)のペロブスカイト型の結晶構造を一部あるいは全体に有する化合物を得ることができる。2次元のペロブスカイト型結晶構造が無限大に積層すると3次元のペロブスカイト型結晶構造と同等になる(参考文献:P.P.Boixら、J.Phys.Chem.Lett.2015,6,898−907など)。
〜Rで表されるアルキル基及びシクロアルキル基に含まれる炭素原子数の合計数は1〜4であることが好ましく、R〜Rのうちの1つが炭素原子数1〜3のアルキル基であり、R〜Rのうちの3つが水素原子であることがより好ましい。
〜Rのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基が例示できる。
〜Rのシクロアルキル基としては、R〜Rのアルキル基で例示した炭素原子数3以上のアルキル基が環を形成したものが挙げられ、一例として、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基等を例示できる。
Aで表される有機アンモニウムイオンとしては、CHNH (メチルアンモニウムイオンともいう。)、CNH (エチルアンモニウムイオンともいう。) 又はCNH (プロピルアンモニウムイオンともいう。)であることが好ましく、CHNH 又はCNH であることより好ましく、CHNH であることがさらに好ましい。
Aで表されるアミジニウムイオンとしては、例えば、下記一般式(A4)で表されるアミジニウムイオンが挙げられる。
(R1011N=CH−NR1213・・・(A4)
一般式(A4)中、R10〜R13は、それぞれ独立に、水素原子、置換基としてアミノ基を有していてもよいアルキル基、又は置換基としてアミノ基を有していてもよいシクロアルキル基を表す。
10〜R13で表されるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよく、置換基としてアミノ基を有していてもよい。
10〜R13で表されるアルキル基の炭素原子数は、通常1〜20であり、1〜4であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。
10〜R13で表されるシクロアルキル基は、置換基としてアルキル基を有していてもよく、アミノ基を有していてもよい。
10〜R13で表されるシクロアルキル基の炭素原子数は、通常3〜30であり、3〜11であることが好ましく、3〜8であることがより好ましい。炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含む。
10〜R13のアルキル基の具体例としては、R〜Rにおいて例示したアルキル基が挙げられる。
10〜R13のシクロアルキル基の具体例としては、R〜Rにおいて例示したシクロアルキル基が挙げられる。
10〜R13で表される基としては、水素原子又はアルキル基が好ましい。
一般式(A4)に含まれる、アルキル基及びシクロアルキル基の数を少なくすること、並びにアルキル基及びシクロアルキル基の炭素原子数を小さくすることにより、発光強度が高い3次元構造のペロブスカイト化合物を得ることができる。
アルキル基又はシクロアルキル基の炭素原子数が4以上の場合、2次元、及び/又は擬似二次元(quasi―2D)のペロブスカイト型結晶構造を一部あるいは全体に有する化合物を得ることができる。また、R10〜R13で表されるアルキル基及びシクロアルキル基に含まれる炭素原子数の合計数は1〜4であることが好ましく、R10が炭素原子数1〜3のアルキル基であり、R11〜R13が水素原子であることがより好ましい。
〔B〕
ペロブスカイト化合物において、Bは、ペロブスカイト型結晶構造においてAを頂点に配置する6面体及びXを頂点に配置する8面体の中心に位置する成分であって、金属イオンを表す。B成分の金属イオンは1価の金属イオン、2価の金属イオン、及び3価の金属イオンからなる群より選ばれる1種類以上からなるイオンであってよい。Bは2価の金属イオンを含むことが好ましく、鉛、又はスズからなる群より選ばれる1種類以上の金属イオンを含むことがより好ましい。
〔X〕
Xは、ハロゲン化物イオン及びチオシアン酸イオンからなる群より選ばれる1種以上の陰イオンを表す。Xは、塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオン、ヨウ化物イオン及びチオシアン酸イオンからなる群より選ばれる1種以上の陰イオンであってよい。
Xは、所望の発光波長に応じて適宜選択することができるが、例えば、Xは臭化物イオンを含むことができる。
Xが2種以上のハロゲン化物イオンである場合、前記ハロゲン化物イオンの含有比率は、発光波長により適宜選ぶことができ、例えば、臭化物イオンと塩化物イオンとの組み合わせ、又は、臭化物イオンとヨウ化物イオンとの組み合わせとすることができる。
ペロブスカイト化合物であって、ABX(3+δ)で表される、3次元構造のペロブスカイト型の結晶構造を有する化合物の具体例としては、CHNHPbBr、CHNHPbCl、CHNHPbI、CHNHPbBr(3−y)(0<y<3)、CHNHPbBr(3−y)Cl(0<y<3)、(HN=CH−NH) PbBr、(HN=CH−NH) PbCl、(HN=CH−NH) PbI、CHNHPb(1−a)CaBr(3+δ)(0<a≦0.7,0≦δ≦0.7)、CHNHPb(1−a)SrBr(3+δ)(0<a≦0.7,0≦δ≦0.7)、CHNHPb(1−a)LaBr(3+δ)(0<a≦0.7,0≦δ≦0.7)、CHNHPb(1−a)BaBr(3+δ)(0<a≦0.7,0≦δ≦0.7)、CHNHPb(1−a)DyBr(3+δ)(0<a≦0.7,0≦δ≦0.7)、CHNHPb(1−a)NaBr(3+δ)(0<a≦0.7,−0.7≦δ≦0)、CHNHPb(1−a)LiBr(3+δ)(0<a≦0.7,−0.7≦δ≦0)、CsPb(1−a)NaBr(3+δ)(0<a≦0.7,−0.7≦δ≦0)、CsPb(1−a)LiBr(3+δ)(0<a≦0.7,−0.7≦δ≦0)、CHNHPb(1−a)NaBr(3+δ−y)(0<a≦0.7,−0.7≦δ≦0, 0<y<3)、CHNHPb(1−a)LiBr(3+δ−y)(0<a≦0.7,−0.7≦δ≦0, 0<y<3)、CHNHPb(1−a)NaBr(3+δ−y)Cl(0<a≦0.7,−0.7≦δ≦0, 0<y<3)、CHNHPb(1−a)LiBr(3+δ−y)Cl(0<a≦0.7,−0.7≦δ≦0, 0<y<3)、(HN=CH−NH) Pb(1−a)NaBr(3+δ)(0<a≦0.7,−0.7≦δ≦0)、(HN=CH−NH) Pb(1−a)LiBr(3+δ)(0<a≦0.7,−0.7≦δ≦0)、(HN=CH−NH)Pb(1−a)NaBr(3+δ−y)(0<a≦0.7,−0.7≦δ≦0, 0<y<3)、(HN=CH−NH)Pb(1−a)NaBr(3+δ−y)Cl(0<a≦0.7,−0.7≦δ≦0, 0<y<3)、CsPbBr、CsPbCl、CsPbI、CsPbBr(3−y)(0<y<3)、CsPbBr(3−y)Cl(0<y<3)、CHNHPbBr(3−y)Cl(0<y<3)、CHNHPb(1−a)ZnBr(3+δ)(0<a≦0.7,0≦δ≦0.7)、CHNHPb(1−a)AlBr(3+δ)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7)、CHNHPb(1−a)CoBr(3+δ)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7)、CHNHPb(1−a)MnBr(3+δ)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7)、CHNHPb(1−a)MgBr(3+δ)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7)、CsPb(1−a)ZnBr(3+δ)(0<a≦0.7,0≦δ≦0.7)、CsPb(1−a)AlBr(3+δ)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7)、CsPb(1−a)CoBr(3+δ)(0<a≦0.7,0≦δ≦0.7)、CsPb(1−a)MnBr(3+δ)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7)、CsPb(1−a)MgBr(3+δ)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7)、CHNHPb(1−a)ZnBr(3+δ−y)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7、0<y<3)、CHNHPb(1−a)AlBr(3+δ−y)(0<a≦0.7,0≦δ≦0.7,0<y<3)、CHNHPb(1−a)CoBr(3+δ−y)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7、0<y<3)、CHNHPb(1−a)MnBr(3+δ−y)(0<a≦0.7,0≦δ≦0.7,0<y<3)、CHNHPb(1−a)MgBr(3+δ−y)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7、0<y<3)、CHNHPb(1−a)ZnBr(3+δ−y)Cl(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7、0<y<3)、CHNHPb(1−a)AlBr(3+δ−y)Cl(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7、0<y<3)、CHNHPb(1−a)CoBr(3+δ−y)Cl(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7、0<y<3)、CHNHPb(1−a)MnBr(3+δ−y)Cl(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7、0<y<3)、CHNHPb(1−a)MgBr(3+δ−y)Cl(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7、0<y<3)、(HN=CH−NH)ZnBr(3+δ)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7)、(HN=CH−NH)MgBr(3+δ)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7)、(HN=CH−NH)Pb(1−a)ZnBr(3+δ−y)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7、0<y<3)、(HN=CH−NH)Pb(1−a)ZnBr(3+δ−y)Cl(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7、0<y<3)等が好ましいものとして挙げられる。
ペロブスカイト化合物であって、ABX(4+δ)で表される、2次元構造のペロブスカイト型の結晶構造を有する化合物の具体例としては、(CNH)PbBr、(CNH)PbCl、 (CNH)PbI、(C15NH)PbBr、(C15NH)PbCl、(C15NH)PbI、(CNH)Pb(1−a)LiBr(0<a≦0.7)、(CNH)Pb(1−a)NaBr(0<a≦0.7)、(CNH)Pb(1−a)RbBr(0<a≦0.7)、(C15NH)Pb(1−a)NaBr(0<a≦0.7)、(C15NH)Pb(1−a)LiBr(0<a≦0.7)、(C15NH)Pb(1−a)RbBr(0<a≦0.7)、(CNH)Pb(1−a)NaBr(4−y)(0<a≦0.7、0<y<4)、(CNH)Pb(1−a)LiBr(4−y)(0<a≦0.7、0<y<4)、(CNH)Pb(1−a)RbBr(4−y)(0<a≦0.7、0<y<4)、(CNH)Pb(1−a)NaBr(4−y)Cl(0<a≦0.7、0<y<4)、(CNH)Pb(1−a)LiBr(4−y)Cl(0<a≦0.7、0<y<4)、(CNH)Pb(1−a)RbBr(4−y)Cl(0<a≦0.7、0<y<4)、(CNH)PbBr、(C15NH)PbBr、(CNH)PbBr(4-y)Cl(0<y<4)、(CNH)PbBr(4-y)(0<y<4)、(CNH)Pb(1−a)ZnBr(4+δ)(0<a≦0.7)、(CNH)Pb(1−a)MgBr(4+δ)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7)(CNH)Pb(1−a)CoBr(4+δ)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7)、(CNH)Pb(1−a)MnBr(4+δ)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7)、(C15NH)Pb(1−a)ZnBr(4+δ)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7)、(C15NH)Pb(1−a)MgBr(4+δ)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7)、(C15NH)Pb(1−a)CoBr(4+δ)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7)、(C15NH)Pb(1−a)MnBr(4+δ)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7)、(CNH)Pb(1−a)ZnBr(4+δ-y)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7、0<y<4)、(CNH)Pb(1−a)MgBr(4+δ-y)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7、0<y<4)、(CNH)Pb(1−a)CoBr(4+δ-y)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7、0<y<4)、(CNH)Pb(1−a)MnBr(4+δ-y)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7、0<y<4)、(CNH)Pb(1−a)ZnBr(4+δ-y)Cl(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7、0<y<4)、(CNH)Pb(1−a)MgBr(4+δ-y)Cl(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7、0≦δ≦0.7、0<y<4)、(CNH)Pb(1−a)CoBr(4+δ-y)Cl(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7、0<y<4)、(CNH)Pb(1−a)MnBr(4+δ-y)Cl(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7、0<y<4)等が好ましいものとして挙げられる。
≪発光スペクトル≫
ペロブスカイト化合物は、可視光波長領域に蛍光を発することができる発光体であり、Xが臭化物イオンの場合は、通常480nm以上、好ましくは500nm以上、より好ましくは520nm以上、また、通常700nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲の範囲に強度の極大ピークがある蛍光を発することができる。
上記の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
本発明の別の側面としては、ペロブスカイト化合物中のXが臭化物イオンの場合、発する蛍光のピークは、通常480〜700nmであり、500〜600nmであることが好ましく、520〜580nmであることがより好ましい。
Xがヨウ化物イオンの場合は、通常520nm以上、好ましくは530nm以上、より好ましくは540nm以上、また、通常800nm以下、好ましくは750nm以下、より好ましくは730nm以下の波長範囲の範囲に強度の極大ピークがある蛍光を発することができる。
上記の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
本発明の別の側面としては、ペロブスカイト化合物中のXがヨウ化物イオンの場合、発する蛍光のピークは、通常520〜800nmであり、530〜750nmであることが好ましく、540〜730nmであることがより好ましい。
Xが塩化物イオンの場合は、通常300nm以上、好ましくは310nm以上、より好ましくは330nm以上、また、通常600nm以下、好ましくは580nm以下、より好ましくは550nm以下の波長範囲の範囲に強度の極大ピークがある蛍光を発することができる。
上記の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
本発明の別の側面としては、ペロブスカイト化合物中のXが塩化物イオンの場合、発する蛍光のピークは、通常300〜600nmであり、310〜580nmであることが好ましく、330〜550nmであることがより好ましい。
(2)ハロゲン化炭化水素化合物
ハロゲン化炭化水素化合物は、下記一般式(A5−1)〜(A5−3)のいずれかで表されるハロゲン化炭化水素基を有する化合物であってもよい。
Figure 0006830967
一般式(A5−1)〜(A5−3)中、C−Yはハロゲン化炭化水素基、Cは炭素原子を表し、R14〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、又は一価の有機基を表す。有機基としては、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいシクロアルキル基などの炭化水素基が好ましい。
14〜R16がアルキル基である場合、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、置換基として、アルコキシシリル基を有していてもよく、ハロゲノ基を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数は、通常1〜20であり、5〜20であることが好ましく、8〜20であることがより好ましい。前記炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含む。
14〜R16がシクロアルキル基である場合、シクロアルキル基は、置換基として、アルコキシシリル基を有していてもよく、ハロゲノ基を有していてもよく、アルキル基を有していてもよい。シクロアルキル基の炭素原子数は、通常3〜30であり、3〜20であることが好ましく、3〜11であることがより好ましい。前記炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含む。
前記アルキル基及びシクロアルキル基は、置換基を有さない方が好ましい。
これらの中でもR14〜R16は、水素原子又はアルキル基であることが好ましく、R14〜R16のうちの少なくとも1つが、前記アルキル基であることがより好ましい。(A5−1)において、R14〜R16のうちの1つが炭素原子数1〜20のアルキル基であり、R14〜R16のうちの2つが水素原子であることがさらに好ましい。
14〜R16のアルキル基の具体例としては、R〜Rにおいて例示したアルキル基が挙げられる。
14〜R16のシクロアルキル基の具体例としては、R〜Rにおいて例示したシクロアルキル基が挙げられる。
一般式(A5−1)〜(A5−3)中、Yはハロゲンの元素を表す。Yで表されるハロゲンの元素としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、臭素原子が好ましい。
一般式(A5−1)〜(A5−3)で表されるハロゲン化炭化水素化合物の一部又は全部は、本発明に係る半導体微粒子の表面に吸着していてもよく、組成物中で分散していてもよい。
一般式(A5−1)〜(A5−3)で表されるハロゲン化アルキル基を有する有機化合物はフッ化アルキル、塩化アルキル、臭化アルキル、ヨウ化アルキル、などが挙げられ、1-ブロモオクタデカン、1-ブロモペンタデカン、1-ブロモテトラデカン、1-ブロモウンデカン、1-ブロモヘキサデカン、1-クロロヘキサデカン、1-クロロオクタデカン、1-シクロペンタン、1-クロロテトラデカン、1-フルオロオクタデカン、1-フルオロペンタデカン、1-フルオロテトラデカン、1-フルオロウンデカン、1-フルオロヘキサデカン、1-ヨードオクタデカン、1-ヨードペンタデカン、1-ヨードテトラデカン、1-ヨードウンデカン、1-ヨードヘキサデカン、が好ましく、1-ブロモヘキサデカン、1-フルオロヘキサデカン、1-ヨードヘキサデカン、1-クロロヘキサデカン、がより好ましい。
本発明の別の側面は、(2)ハロゲン化炭化水素化合物であり、かつ―NH で表される基及び―COOで表される基以外のイオン性基を有する有機化合物、メルカプト基を有する化合物、又はアミノ基、アルコキシ基、及びケイ素原子を有する有機化合物は除外することができる。
(3)溶媒
溶媒は、半導体微粒子を分散させることができる媒体であれば特に限定されないが、半導体微粒子を溶解し難いものが好ましい。
本明細書において「溶媒」とは、1気圧、25℃において液体状態をとる物質のことをいう(但し、重合性化合物、及び重合体を除く)。
溶媒としては、例えば、メチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテート等のエステル;γ−ブチロラクトン、アセトン、ジメチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン;ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等のエーテル;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、メトキシプロパノール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール等のアルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル;N‐メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド基を有する有機溶媒;アセトニトリル、イソブチロニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル等のニトリル基を有する有機溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭化水素基を有する有機溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化した炭化水素基を有する有機溶媒;n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素基を有する有機溶媒;ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
これらの中でもメチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテート等のエステル;γ−ブチロラクトン、アセトン、ジメチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン;ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等のエーテル、アセトニトリル、イソブチロニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル等のニトリル基を有する有機溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート基を有する有機溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化した炭化水素基を有する有機溶媒;n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素基を有する有機溶媒は、極性が低く、半導体微粒子を溶解し難いと考えられるため好ましく、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化した炭化水素基を有する有機溶媒;n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系有機溶媒がより好ましい。
(4)重合性化合物、及び重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種
本発明に係る組成物に含まれる重合性化合物は、特に限定されるものではないが、前記組成物を製造する温度において、半導体微粒子の重合性化合物に対する溶解度が低いものが好ましい。
本明細書において「重合性化合物」とは、重合性基を有する単量体の化合物を意味する。
例えば、室温、常圧下において製造する場合、前記重合性化合物としては、特に制限は無いが、例えば、スチレン、メタクリル酸メチル、等の公知の重合性化合物が挙げられる。なかでも、重合性化合物としては、アクリル系樹脂の単量体成分である、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルのいずれか一方又は両方が好ましい。
本発明に係る組成物に含まれる重合体は、特に限定されるものではないが、前記組成物を製造する温度において、前記半導体微粒子の重合体に対する溶解度が低いものが好ましい。
例えば、室温、常圧下において製造する場合、前記重合体としては、特に制限は無いが、例えば、ポリスチレン、メタクリル樹脂、等の公知の重合体が挙げられる。なかでも、重合体としては、アクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂は、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルのいずれか一方又は両方に由来する構成単位を含む。
(4)の重合性化合物、及び重合体の構成単位のうち、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル及びそれらに由来する構成単位は、モル%で表した場合、全構成単位に対して10%以上であってもよく、30%以上であってもよく、50%以上であってもよく、80%以上であってもよく、100%であってもよい。
(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種
本発明に係る組成物は、アンモニア、アミン、及びカルボン酸並びに、前記化合物がとり得る形態として、これらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
すなわち、本発明に係る組成物は、アンモニア、アミン、カルボン酸、アンモニアの塩、アミンの塩、カルボン酸の塩、アンモニアのイオン、アミンのイオン、及びカルボン酸のイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンは、通常、キャッピング配位子として作用する。キャッピング配位子とは、半導体化合物の表面に吸着して、半導体化合物を組成物中に安定して分散させる作用を有する化合物である。アンモニア又はアミンの、イオン若しくは塩(アンモニウム塩等)としては、後述する一般式(A1)で表されるアンモニウムカチオンと、それを含むアンモニウム塩が挙げられる。カルボン酸のイオン又は塩(カルボン酸塩等)としては、後述する一般式(A2)で表されるカルボキシレートアニオンと、それを含むカルボン酸塩が挙げられる。本発明に係る組成物は、アンモニウム塩等、及びカルボン酸塩等のいずれか一方を含んでいてもよく、両方を含んでいてもよい。
アンモニウム塩としては、一般式(A1)で表されるアンモニウムカチオンを含むアンモニウム塩が挙げられる。
Figure 0006830967
一般式(A1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、有機基を表す。有機基である場合、R〜Rは、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、不飽和炭化水素基などの炭化水素基が好ましい。
〜Rで表されるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
〜Rで表されるアルキル基の炭素原子数は、通常1〜20であり、5〜20であることが好ましく、8〜20であることがより好ましい。
〜Rで表されるシクロアルキル基は、置換基としてアルキル基を有していてもよい。炭素原子数は、通常3〜30であり、3〜20であることが好ましく、3〜11であることがより好ましい。炭素原子数は置換基の炭素原子数を含む。
〜Rの不飽和炭化水素基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
〜Rの不飽和炭化水素基の炭素原子数は、通常2〜20であり、5〜20であることが好ましく、8〜20であることがより好ましい。
〜Rは、水素原子、アルキル基、又は不飽和炭化水素基であることが好ましい。不飽和炭化水素基としては、アルケニル基が好ましい。R〜Rのうちの1つが炭素原子数8〜20のアルケニル基であり、R〜Rのうちの3つが水素原子であることがより好ましい。
〜Rのアルキル基の具体例としては、R〜Rにおいて例示したアルキル基が挙げられる。
〜Rのシクロアルキル基の具体例としては、R〜Rにおいて例示したシクロアルキル基が挙げられる。
〜Rのアルケニル基としては、R〜Rにおいて例示した前記直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基において、いずれか一つの炭素原子間の単結合(C−C)が、二重結合(C=C)に置換されたものが例示でき、二重結合の位置は限定されない。
このようなアルケニル基の好ましいものとしては、例えば、エテニル基、プロペニル基、3−ブテニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、2−ノネニル基、2−ドデセニル基、9−オクタデセニル基が挙げられる。
カウンターアニオンとしては、特に制限は無いがBr、Cl、I、Fのハロゲン化物イオンや、カルボキシレートイオンなどが好ましい例として挙げられる。
一般式(A1)で表されるアンモニウムカチオンと、カウンターアニオンとを有するアンモニウム塩としては、n−オクチルアンモニウム塩、オレイルアンモニウム塩が好ましい例として挙げられる。
カルボン酸塩としては、下記一般式(A2)で表されるカルボキシレートアニオンを含むカルボン酸塩が挙げられる。
―CO -・・・(A2)
一般式(A2)中、Rは、一価の有機基を表す。有機基としては炭化水素基が好ましく、中でもアルキル基、シクロアルキル基、不飽和炭化水素基が好ましいものとして挙げられる。
で表されるアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。Rで表されるアルキル基の炭素原子数は、通常1〜20であり、5〜20であることが好ましく、8〜20であることがより好ましい。
で表されるシクロアルキル基は、置換基としてアルキル基を有していてもよい。炭素原子数は、通常3〜30であり、3〜20であることが好ましく、3〜11であることがより好ましい。炭素原子数は置換基の炭素原子数を含む。
の不飽和炭化水素基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
の不飽和炭化水素基の炭素原子数は、通常2〜20であり、5〜20であることが好ましく、8〜20であることがより好ましい。
はアルキル基又は不飽和炭化水素基であることが好ましい。不飽和炭化水素基としては、アルケニル基が好ましい。
のアルキル基の具体例としては、R〜Rにおいて例示したアルキル基が挙げられる。
のシクロアルキル基の具体例としては、R〜Rにおいて例示したシクロアルキル基が挙げられる。
のアルケニル基の具体例としては、R〜Rにおいて例示したアルケニル基が挙げられる。
一般式(A2)で表されるカルボキシレートアニオンは、オレイン酸アニオンが好ましい。一般式(A2)で表されるカルボキシレートアニオンのカウンターカチオンとしては、特に制限は無いが、プロトン、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、アンモニウムカチオンなどが好ましい例として挙げられる。
<各成分の配合比について>
本実施形態の組成物は、(1)及び(2)を含み、さらに(3)、及び(4)の少なくとも一方を含む。
(1)半導体微粒子
(2)ハロゲン化炭化水素化合物
(3)溶媒
(4)重合性化合物、及び重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種
本実施形態の組成物は、(1)、(2)、及び(4’)を含む。
(1)半導体微粒子
(2)ハロゲン化炭化水素化合物
(4’)重合体
本実施形態の組成物において、(1)と(2)との配合比は、(2)の有機化合物による量子収率の向上の作用が発揮される程度であればよく、(1)及び(2)の種類等に応じて、適宜定めることができる。
本実施形態の組成物において、(1)半導体微粒子がペロブスカイト化合物の微粒子である場合、ペロブスカイト化合物のBの金属イオンと、(2)の有機化合物とのモル比[(2)/B]は、0.001〜1000であってもよく、0.01〜700であってもよく、0.1〜500であってもよい。
本実施形態の組成物において、(1)半導体微粒子がペロブスカイト化合物の微粒子であって、(2)の有機化合物が、一般式(A5−1)〜(A5−3)で表されるハロゲン化炭化水素化合物である場合、ペロブスカイト化合物のBの金属イオンと、(A5−1)〜(A5−3)の有機化合物とのモル比[(A5)/B]は、1〜1000であってもよく、10〜700であってもよく、100〜500であってもよい。
(1)と(2)との配合比に係る範囲が上記範囲内である組成物は、(2)の有機化合物による量子収率の向上の作用が、特に良好に発揮される点で好ましい。
本実施形態の組成物において、(1)と、(3)及び(4)のいずれか一方又は両方との配合比は、(1)の半導体微粒子による発光作用が良好に発揮される程度であればよく、(1)〜(4)の種類等に応じて、適宜定めることができる。
(1)、(2)、並びに(3)及び(4)のいずれか一方又は両方を含む本実施形態の組成物において、(1)と、(3)及び(4)のいずれか一方又は両方との質量比[(1)/(3)及び(4)のいずれか一方又は両方]は、0.00001〜10であってもよく、0.0001〜1であってもよく、0.0005〜0.1であってもよい。
(1)と、(3)及び(4)のいずれか一方又は両方との配合比に係る範囲が上記範囲内である組成物は、(1)の半導体微粒子の凝集が生じ難く、発光性も良好に発揮される点で好ましい。
(1)、(2)、及び(4’)を含む本実施形態の組成物において、(1)と、(4’)との配合比は、(1)の半導体微粒子による発光作用が良好に発揮される程度であればよく、(1)及び(4’)の種類等に応じて、適宜定めることができる。
本実施形態の組成物において、(1)と、(4’)との質量比[(1)/(4’)]は、0.00001〜10であってもよく、0.0001〜1であってもよく、0.0005〜0.1であってもよい。
(1)と(4’)との配合比に係る範囲が上記範囲内である組成物は、発光性が良好に発揮される点で好ましい。
<組成物の製造方法>
以下、本発明における組成物の製造方法に関し、実施形態を示して説明する。本実施形態の組成物の製造方法によれば、本発明に係る実施形態の組成物を製造可能である。なお、本発明の組成物は、以下の実施形態の組成物の製造方法によって製造されるものに限定されるものではない。
<(1)半導体微粒子の製造方法>
(II族−VI族化合物半導体の結晶の微粒子、II族−V族化合物半導体の結晶の微粒子、III族−V族化合物半導体の結晶の微粒子、III族−IV族化合物半導体の結晶の微粒子、III族−VI族化合物半導体の結晶の微粒子、IV族−VI族化合物半導体の結晶の微粒子、及び遷移金属−p−ブロック化合物半導体の結晶の微粒子の製造方法)
半導体微粒子の製造方法としては、半導体微粒子を構成する元素の単体又はその化合物と脂溶性溶媒とを混合した混合液を加熱する方法が挙げられる。
半導体微粒子を構成する元素の単体又はその化合物の例としては、特に制限は無いが、金属、酸化物、酢酸塩、有機金属化合物、ハロゲン化物、硝酸塩等が挙げられる。
脂溶性溶媒としては、例えば炭素原子数4〜20の炭化水素基を有する含窒素化合物、炭素原子数4〜20の炭化水素基を有する含酸素化合物などが挙げられる。炭素原子数4〜20の炭化水素基としては、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などの飽和脂肪族炭化水素基;オレイル基などの不飽和脂肪族炭化水素基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの脂環式炭化水素基;フェニル基、ベンジル基、ナフチル基、ナフチルメチル基などの芳香族炭化水素基などが挙げられ、このうち飽和脂肪族炭化水素基や不飽和脂肪族炭化水素基が好ましい。含窒素化合物としてはアミン類やアミド類が挙げられ、含酸素化合物としては脂肪酸類などが挙げられる。このような脂溶性溶媒のうち、炭素原子数4〜20の炭化水素基を有する含窒素化合物が好ましく、例えばn−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミンなどのアルキルアミンや、オレイルアミンなどのアルケニルアミンが好ましい。こうした脂溶性溶媒は、粒子表面に結合可能であり、その結合の様式は、例えば共有結合、イオン結合、配位結合、水素結合、ファンデルワールス結合等の化学結合が挙げられる。
混合液の加熱温度は、使用する単体や化合物の種類によって適宜設定すればよいが、例えば、130〜300℃の範囲で設定することが好ましく、240〜300℃の範囲で設定することがより好ましい。加熱温度が上記下限値以上であると結晶構造が単一化しやすいため好ましい。また、加熱時間も、使用する単体や化合物の種類、加熱温度によって適宜設定すればよいが、通常は数秒間〜数時間の範囲で設定するのが好ましく、1〜60分間の範囲で設定するのがより好ましい。
本発明の半導体微粒子の製法において、加熱後の混合液を冷却したあと上澄み液と沈殿に分離し、前記分離した半導体微粒子(沈殿物)を有機溶媒(例えばクロロホルム、トルエン、ヘキサン、n−ブタノールなど)に入れて半導体微粒子を含む溶液としてもよい。あるいは、加熱後の混合液を冷却したあと上澄み液と沈殿に分離し、前記分離した上澄み液にナノ粒子が不溶又は難溶な溶媒(例えばメタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリルなど)を添加して沈殿物を発生させ、前記沈殿物を集めて前述の有機溶媒に入れて半導体微粒子を含む溶液としてもよい。
(ペロブスカイト化合物の結晶の微粒子の製造方法)
本発明に係るペロブスカイト化合物の半導体微粒子は、既知文献(Nano Lett. 2015, 15, 3692−3696、ACSNano,2015,9,4533−4542)を参考に、以下に述べる方法によって製造することができる。
<ペロブスカイト化合物の結晶の微粒子の製造方法の第1実施形態>
例えば、本発明に係るペロブスカイト化合物の半導体微粒子の製造方法としては、B成分、X成分、及びA成分を溶媒に溶解させ溶液を得る工程と、得られた溶液と、半導体微粒子の溶媒に対する溶解度が溶液を得る工程で用いた溶媒よりも低い溶媒とを混合する工程とを含む製造方法が挙げられる。
より具体的には、B成分及びX成分を含む化合物と、A成分又はA成分及びX成分を含む化合物とを溶媒に溶解させ、溶液を得る工程と、得られた溶液と、半導体微粒子の溶媒に対する溶解度が、溶液を得る工程で用いた溶媒よりも低い溶媒とを混合する工程とを含む製造方法が挙げられる。
また、B成分及びX成分を含む化合物と、A成分又はA成分及びX成分を含む化合物とを高温の溶媒に添加して溶解させ、溶液を得る工程と、得られた溶液を冷却する工程とを含む製造方法が挙げられる。
以下、B成分及びX成分を含む化合物と、A成分又はA成分及びX成分を含む化合物とを溶媒に溶解させ、溶液を得る工程と、得られた溶液と、半導体微粒子の溶媒に対する溶解度が、溶液を得る工程で用いた溶媒よりも低い溶媒とを混合する工程とを含む製造方法について説明する。
なお、溶解度とは、混合する工程を行う温度における溶解度を意味する。
前記製造方法は、半導体微粒子を安定して分散できる観点から、キャッピング配位子を加える工程を含んでいることが好ましい。キャッピング配位子は、前述の混合する工程の前に添加する事が好ましく、A成分、B成分、及びX成分を溶解させた溶液にキャッピング配位子を添加してもよいし、半導体微粒子の溶媒に対する溶解度が、溶液を得る工程で用いた溶媒よりも低い溶媒に添加してもよく、A成分、B成分、及びX成分を溶解させた溶液、及び半導体微粒子の溶媒に対する溶解度が、溶液を得る工程で用いた溶媒よりも低い溶媒の両方に添加してもよい。
前記製造方法は、前述の混合する工程のあと、遠心分離、ろ過などの手法により粗大粒子を除去する工程を含んでいることが好ましい。前記除去する工程によって除去する粗大粒子のサイズは、好ましくは10μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは500nm以上である。
前述の、溶液と、半導体微粒子の溶媒に対する溶解度が、溶液を得る工程で用いた溶媒よりも低い溶媒とを混合する工程は、(I)溶液を、半導体微粒子の溶媒に対する溶解度が溶液を得る工程で用いた溶媒よりも低い溶媒に滴下する工程であってもよく、(II)溶液に、半導体微粒子の溶媒に対する溶解度が溶液を得る工程で用いた溶媒よりも低い溶媒を滴下する工程であってもよいが、分散性を高める観点から(I)であることが好ましい。
滴下する際には攪拌を行う事が分散性を高める観点から好ましい。
溶液と、半導体微粒子の溶媒に対する溶解度が、溶液を得る工程で用いた溶媒よりも低い溶媒とを混合する工程において、温度には特に制限は無いが、ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物の析出し易さを確保する観点から、−20〜40℃の範囲であることが好ましく、−5〜30℃の範囲であることがより好ましい。
前記製造方法で用いる半導体微粒子の溶媒に対する溶解度の異なる2種類の溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、メトキシプロパノール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル;N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド基を有する有機溶媒;ジメチルスルホキシド、メチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテート等のエステル;γ−ブチロラクトン、N‐メチル−2−ピロリドン、アセトン、ジメチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン;ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等のエーテル;アセトニトリル、イソブチロニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル等のニトリル基を有する有機溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート基を有する有機溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化した炭化水素基を有する有機溶媒;n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素基を有する有機溶媒からなる群より選ばれる2種の溶媒が挙げられる。
前記製造方法に含まれる、溶液を得る工程で用いる溶媒としては、半導体微粒子の溶媒に対する溶解度が高い溶媒が好ましく、例えば、室温(10℃〜30℃)で前記工程をおこなう場合、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、メトキシプロパノール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル;N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド基を有する有機溶媒;ジメチルスルホキシドが挙げられる。
前記製造方法に含まれる、混合する工程で用いる溶媒としては、半導体微粒子の溶媒に対する溶解度が低い溶媒が好ましく、例えば、室温(10℃〜30℃)で前記工程をおこなう場合、メチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテート等のエステル;γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、アセトン、ジメチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン;ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等のエーテル;アセトニトリル、イソブチロニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル等のニトリル基を有する有機溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート基を有する有機溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化した炭化水素基を有する有機溶媒;n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素基を有する有機溶媒が挙げられる。
溶解度の異なる2種類の溶媒において、溶解度の差は100μg/溶媒100g〜90g/溶媒100gであることが好ましく、1mg/溶媒100g〜90g/溶媒100gであることがより好ましい。溶解度の差を100μg/溶媒100g〜90g/溶媒100gにする観点から、例えば、室温(10℃〜30℃)で混合する工程をおこなう場合、溶液を得る工程で用いる溶媒が、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド基を有する有機溶媒やジメチルスルホキシドであり、混合する工程で用いる溶媒が塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化した炭化水素基を有する有機溶媒;n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素基を有する有機溶媒であることが好ましい。
半導体微粒子を含む分散液から、半導体微粒子を取り出す場合は、固液分離を行うことで半導体微粒子のみを回収する事ができる。
前述の固液分離方法は、ろ過などの方法や、溶媒の蒸発を利用した方法などが挙げられる。
<ペロブスカイト化合物の結晶の微粒子の製造方法の第2実施形態>
以下、B成分、X成分及びA成分を高温の溶媒に添加して溶解させ溶液を得る工程と、得られた溶液を冷却する工程とを含む製造方法について説明する。
より具体的には、B成分及びX成分を含む化合物と、A成分又はA成分及びX成分を含む化合物とを高温の溶媒に添加して溶解させ溶液を得る工程と、得られた溶液を冷却する工程とを含む製造方法が挙げられる。
前記製造方法では、温度の差による溶解度の差によって本発明に係る半導体微粒子を析出させ、本発明に係る半導体微粒子を製造することができる。
前記製造方法は、半導体微粒子を安定して分散できる観点から、キャッピング配位子を加える工程を含んでいることが好ましい。
前記製造方法は、冷却する工程のあと、遠心分離、ろ過などの手法により粗大粒子を除去する工程を含んでいていることが好ましい。上記除去工程によって除去する粗大粒子のサイズは、好ましくは10μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは500nm以上である。
ここで、高温の溶媒とは、B成分及びX成分を含む化合物と、A成分又はA成分及びX成分を含む化合物とが、溶解する温度の溶媒であればよく、例えば、60〜600℃の溶媒であることが好ましく、80〜400℃の溶媒であることがより好ましい。
冷却する温度としては、−20〜50℃であることが好ましく、−10〜30℃であることがより好ましい。
冷却速度としては、0.1〜1500℃/分であることが好ましく、10℃〜150℃/分であることがより好ましい。
前記製造方法に用いる溶媒としては、B成分及びX成分を含む化合物と、A成分又はA成分及びX成分を含む化合物とを溶解しうる溶媒であれば、特に限定されるものではないが、例えば、メチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテート等のエステル;γ−ブチロラクトン、N‐メチル−2−ピロリドン、アセトン、ジメチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン;ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等のエーテル;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、メトキシプロパノール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール等のアルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル;N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド基を有する有機溶媒;アセトニトリル、イソブチロニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル等のニトリル基を有する有機溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート基を有する有機溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化した炭化水素基を有する有機溶媒;n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素基を有する有機溶媒;ジメチルスルホキシド、1−オクタデセンが挙げられる。
半導体微粒子を含む分散液から、半導体微粒子を取り出す方法としては、固液分離を行うことで半導体微粒子のみを回収する方法が挙げられる。
前述の固液分離方法は、ろ過などの方法や、溶媒の蒸発を利用した方法などが挙げられる。
<(1)、(2)及び(3)を含む組成物の製造方法>
例えば、(1)半導体微粒子、(2)ハロゲン化炭化水素化合物、及び(3)溶媒を含む組成物の製造方法としては、
(a) (1)半導体微粒子、(2)ハロゲン化炭化水素化合物、及び(3)溶媒を混合する工程を含む製造方法が挙げられる。
前記工程(a)は、例えば、
(a1) (1)半導体微粒子と(3)溶媒とを混合した後に、(2)ハロゲン化炭化水素化合物を混合する工程でもよいし、
(a2) (1)半導体微粒子と(2)ハロゲン化炭化水素化合物とを混合した後に、(3)溶媒を混合する工程でもよい。
半導体微粒子の分散性を向上させる観点から、工程(a)は、工程(a1)であることが好ましい。
混合する際には攪拌を行う事が分散性を高める観点から好ましい。
(1)半導体微粒子、(2)ハロゲン化炭化水素化合物、(3)溶媒を混合する工程において、温度には特に制限は無いが、均一に混合する観点から、0〜100℃の範囲であることが好ましく、10〜80℃の範囲であることがより好ましい。
<(1)、(2)、(3)、及び(5)を含む組成物の製造方法>
例えば、(1)半導体微粒子、(2)ハロゲン化炭化水素化合物、(3)溶媒、及び(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種、を含む組成物の製造方法としては、
(a’)(1)半導体微粒子、(2)ハロゲン化炭化水素化合物、(3)溶媒、並びに(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を混合する工程を含む製造方法が挙げられる。
前記工程(a’)は、例えば、
(a’1) (1)半導体微粒子を(3)溶媒と混合した後に、(2)ハロゲン化炭化水素化合物と、(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を混合してもよいし、
(a’2) (5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種、を含む(1)半導体微粒子を(3)溶媒と混合した後に、(2)ハロゲン化炭化水素化合物と混合してもよい。
工程(a’)は、半導体微粒子の分散性を高める観点から、(a’2)であることが好ましい。
(a’2)において、(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種、を含む(1)半導体微粒子は、(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を、上述の半導体微粒子の製造方法に含まれるいずれかの工程で添加することによって製造してもよいし、得られた(1)半導体微粒子と、(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種とを混合することによって製造してもよい。半導体微粒子の分散性を高める観点からは、半導体微粒子の製造方法に含まれるいずれかの工程で添加することによって製造することが好ましい。これにより、例えば、(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む(1)半導体微粒子が、(3)溶媒に分散している分散体と、(2)ハロゲン化炭化水素化合物との混合物として、本発明に係る組成物を得ることができる。
混合する際には攪拌を行う事が分散性を高める観点から好ましい。
(1)半導体微粒子、(2)ハロゲン化炭化水素化合物、(3)溶媒、及び(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を混合する工程において、温度には特に制限は無いが、均一に混合する観点から、0〜100℃の範囲であることが好ましく、10〜80℃の範囲であることがより好ましい。
<(1)、(2)及び(4)を含む組成物の製造方法>
(1)、(2)及び(4)を含む組成物の製造方法としては、(1)半導体微粒子、(2)ハロゲン化炭化水素化合物、及び(4)重合性化合物、及び重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を混合する方法が挙げられる。
(1)半導体微粒子、(2)ハロゲン化炭化水素化合物、及び(4)重合性化合物、及び重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を混合する工程は、攪拌しながら行うことが(1)半導体微粒子の分散性を高める観点から好ましい。
(1)半導体微粒子、(2)ハロゲン化炭化水素化合物、及び(4)重合性化合物、及び重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を混合する工程において、温度には特に制限は無いが、均一に混合する観点から、0〜100℃の範囲であることが好ましく、10〜80℃の範囲であることがより好ましい。
(1)半導体微粒子、(2)ハロゲン化炭化水素化合物、及び(4)重合性化合物、及び重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む組成物の製造方法は、例えば、
(b) (4)重合性化合物、及び重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種に(1)半導体微粒子を分散させ、分散体を得る工程と、得られた分散体と(2)ハロゲン化炭化水素化合物とを混合する工程とを含む製造方法であってもよく、
(c) (4)重合性化合物、及び重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種に(2)ハロゲン化炭化水素化合物を分散させ、分散体を得る工程と、得られた分散体と、(1)半導体微粒子とを混合する工程とを含む製造方法であってもよく、
(d) (4)重合性化合物、及び重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種に(1)半導体微粒子及び(2)ハロゲン化炭化水素化合物の混合物を分散させる工程を含む製造方法であってもよい。
(b)〜(d)の製造方法の中では、半導体微粒子の分散性を高める観点から(b)の製造方法であることが好ましい。前記方法により、本発明に係る組成物を、(1)半導体微粒子が(4)重合性化合物、及び重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種に分散している分散体と、(2)ハロゲン化炭化水素化合物との混合物として得ることができる。
(b)〜(d)の製造方法に含まれる各分散体を得る工程においては、(4)を、(1)及び/又は(2)に滴下してもよいし、(1)及び/又は(2)を(4)に滴下してよい。
分散性を高める観点からは、(1)及び/又は(2)を(4)に滴下することが好ましい。
(b)〜(d)の製造方法に含まれる各混合する工程においては、(1)又は(2)を分散体に滴下してもよいし、分散体を(1)又は(2)に滴下してもよい。
分散性を高める観点からは、(1)又は(2)を分散体に滴下することが好ましい。
(4)の有機化合物として、重合体を採用する場合、重合体は、溶媒に溶解している重合体であってもよい。
上述の重合体が溶解している溶媒は、樹脂(重合体)を溶解しうる溶媒であれば特に限定されないが、上述の本発明に係る半導体微粒子を溶解し難いものが好ましい。
上述の樹脂が溶解している溶媒としては、例えば、メチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテート等のエステル;γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、アセトン、ジメチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン;ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等のエーテル;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、メトキシプロパノール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール等のアルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル;N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド基を有する有機溶媒;アセトニトリル、イソブチロニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル等のニトリル基を有する有機溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート基を有する有機溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化した炭化水素基を有する有機溶媒;n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素基を有する有機溶媒;ジメチルスルホキシドが挙げられる。
中でもメチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテート等のエステル類;γ−ブチロラクトン、アセトン、ジメチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン;ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等のエーテル、アセトニトリル、イソブチロニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル等のニトリル基を有する有機溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系有機溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化した炭化水素基を有する有機溶媒;n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素基を有する有機溶媒は極性が低く、本発明に係るペロブスカイト化合物を溶解し難いと考えられるため好ましく、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化した炭化水素基を有する有機溶媒;n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素基を有する有機溶媒がより好ましい。
<(1)、(2)、(4)及び(5)を含む組成物の製造方法>
(1)半導体微粒子、(2)ハロゲン化炭化水素化合物、(4)重合性化合物、及び重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種、及び(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む組成物の製造方法は、
(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を添加する以外は、上述の、(1)、及び(2)を含み、さらに(4)を含む組成物の製造方法と同様の方法とすることができる。
(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種は、
上述の(1)半導体微粒子の製造方法に含まれるいずれかの工程で添加してもよく、上述の(1)、及び(2)を含み、さらに(4)を含む組成物の製造方法に含まれるいずれかの工程で添加してもよい。
(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種は、半導体微粒子の分散性を高める観点からは、(1)半導体微粒子の製造方法に含まれるいずれかの工程で添加することが好ましい。これにより、例えば、(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む(1)半導体微粒子が、(4)重合性化合物、及び重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種に分散している分散体と、(2)ハロゲン化炭化水素化合物との混合物として、本発明に係る組成物を得ることができる。
<(1)、(2)、及び(4’)を含み、(1)、(2)及び(4’)の合計が90質量%以上である組成物の製造方法>
(1)、(2)、及び(4’)を含み、(1)、(2)及び(4’)の合計が90質量%以上である組成物の製造方法としては、例えば、
(1)半導体微粒子と、(2)ハロゲン化炭化水素化合物と、重合性化合物とを混合する工程と、
重合性化合物を重合させる工程と、を含む製造方法、及び、
(1)半導体微粒子と、(2)ハロゲン化炭化水素化合物と、溶媒に溶解している重合体とを混合する工程と、
溶媒を除去する工程と、を含む製造方法
が挙げられる。
前記製造方法に含まれる、混合する工程には、既に説明した、(1)、(2)、及び(4)を含む組成物の製造方法と同様の混合方法を用いることができる。
前記製造方法は、例えば、
(b1) 重合性化合物に、(1)半導体微粒子を分散させ、分散体を得る工程と、得られた分散体と(2)ハロゲン化炭化水素化合物とを混合する工程と、重合性化合物を重合させる工程と、を含む製造方法であってもよく、
(b2) 溶媒に溶解している重合体に、(1)半導体微粒子を分散させ、分散体を得る工程と、得られた分散体と(2)ハロゲン化炭化水素化合物とを混合する工程と、溶媒を除去する工程と、を含む製造方法であってもよく、
(c1) 重合性化合物に、(2)ハロゲン化炭化水素化合物を分散させ、分散体を得る工程と、得られた分散体と、(1)半導体微粒子とを混合する工程と、重合性化合物を重合させる工程と、を含む製造方法であってもよく、
(c2) 溶媒に溶解している重合体に、(2)ハロゲン化炭化水素化合物を分散させ、分散体を得る工程と、得られた分散体と、(1)半導体微粒子とを混合する工程と、溶媒を除去する工程と、を含む製造方法であってもよく、
(d1) 重合性化合物に、(1)半導体微粒子及び(2)ハロゲン化炭化水素化合物の混合物を分散させる工程と、重合性化合物を重合させる工程と、を含む製造方法であってもよい。
(d2) 溶媒に溶解している重合体に、(1)半導体微粒子及び(2)ハロゲン化炭化水素化合物の混合物を分散させる工程と、溶媒を除去する工程と、を含む製造方法であってもよい。
前記製造方法に含まれる、溶媒を除去する工程は、室温で静置し、自然乾燥させる工程であってもよいし、真空乾燥機を用いた減圧乾燥や加熱によって溶媒を蒸発させる工程であってもよい。
例えば、0〜300℃で、1分間〜7日間乾燥させることで、溶媒を除去することができる。
前記製造方法に含まれる、重合性化合物を重合させる工程は、ラジカル重合などの公知の重合反応を適宜用いることでおこなうことができる。
例えばラジカル重合の場合は、(1)半導体微粒子と、(2)ハロゲン化炭化水素化合物と、重合性化合物との混合物に、ラジカル重合開始剤を添加し、ラジカルを発生させることで重合反応が進行させることができる。
ラジカル重合開始剤は特に限定されるものではないが、光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、bis(2,4,6-trimethylbenzoyl)-phenylphosphineoxide等が挙げられる。
<(1)、(2)、(5)、及び(4’)を含み、(1)、(2)、(4’)及び(5)の合計が90質量%以上である組成物の製造方法>
(1)、(2)、(5)、及び(4’)を含み、(1)、(2)、(4’)及び(5)の合計が90質量%以上である組成物の製造方法は、例えば、(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を添加する以外は、既に説明した、(1)、(2)、及び(4’)を含み、(1)、(2)及び(4’)の合計が90質量%以上である組成物の製造方法と同様の方法とすることができる。
(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種は、
上述の(1)半導体微粒子の製造方法に含まれるいずれかの工程で添加してもよく、上述の(1)半導体微粒子と、(2)ハロゲン化炭化水素化合物と、重合性化合物とを混合する工程で添加してもよく、
上述の(1)半導体微粒子と、(2)ハロゲン化炭化水素化合物と、溶媒に溶解している重合体とを混合する工程で添加してもよい。
(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種は、半導体微粒子の分散性を高める観点から(1)半導体微粒子の製造方法に含まれるいずれかの工程で添加することが好ましい。
≪半導体微粒子の測定≫
本発明に係る組成物に含まれる半導体微粒子の量は、ICP−MS(例えば、ELAN DRCII、パーキンエルマー製)、及びイオンクロマトグラフを用いて測定する。
半導体微粒子をN,N−ジメチルホルムアミド等の良溶媒を用いて溶解した後に測定を行う。
≪量子収率の測定≫
本発明に係る半導体微粒子を含む組成物の量子収率は、絶対PL量子収率測定装置(例えば、浜松ホトニクス製、商品名C9920−02)を用いて、励起光450nm、室温、大気下で測定する。
(1)半導体微粒子及び(2)ハロゲン化炭化水素化合物を含み、さらに(3)溶媒、を含む組成物においては、組成物に含まれる半導体微粒子の濃度が200ppm(μg/g)となるように混合比を調整し、測定する。
(1)半導体微粒子及び(2)ハロゲン化炭化水素化合物を含み、さらに(4)重合性化合物、及び重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む組成物においては、組成物に含まれる半導体微粒子の濃度が1000μg/mLとなるように混合比を調整し、測定する。(4)を(4’)に代えた場合も同様である。
本実施形態の組成物は、上記の測定方法により測定された量子収率が、32%以上であってもよく、40%以上であってもよく、50%以上であってもよい。
本実施形態の組成物は、上記の測定方法により測定された量子収率が、100%以下であってもよく、95%以下であってもよく、90%以下であってもよく、80%以下であってもよく、70%以下であってもよく、65%以下であってもよい。
上記の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
本発明の一つの側面としては、本実施形態の組成物は、上記測定方法により測定された量子収率が、32%以上100%以下であることが好ましく、40%以上100%以下であることがより好ましく、50%以上100%以下であることがさらに好ましい。
本発明の別の側面としては、本実施形態の組成物は、上記測定方法により測定された量子収率が、32%以上95%以下であることが好ましく、40%以上90%以下であることがより好ましく、40%以上80%以下であることがさらに好ましい。また、前記量子収率は、50%以上70%以下であってもよいし、50%以上65%以下であってもよい。
<フィルム>
本発明に係るフィルムは、(1)、(2)、及び(4’)を含み、(1)、(2)、及び(4’)の合計含有量が組成物の総質量に対して90質量%以上である組成物からなるフィルムである。
(1)半導体微粒子
(2)ハロゲン化炭化水素化合物
(4’)重合体
フィルム形状は特に限定されるものではなく、シート状、バー状等の形状であることができる。本明細書において「バー状の形状」とは、例えば、異方性を有する形状を意味する。異方性を有する形状としては、各辺の長さが異なる板状の形状が例示される。
フィルムの厚みは、0.01μm〜1000mmであってもよく、0.1μm〜10mmであってもよく、1μm〜1mmであってもよい。
本明細書において前記フィルムの厚みは、マイクロメータにより任意の3点において測定し、その平均値を算出することにより得ることができる。
フィルムは、単層であってもよく、複層であってもよい。複層の場合、各層は同一の種類の実施形態の組成物が用いられていてもよく、互いに異なる種類の実施形態の組成物が用いられていてもよい。
フィルムの製造方法としては、例えば、後述の積層構造体の製造方法の(i)〜(iV)の製造方法により、基板上に形成されたフィルムを得ることができる。
<積層構造体>
本発明に係る積層構造体は、
複数の層を有し、少なくとも一層が、
(1)、(2)、及び(4’)を含み、(1)、(2)及び(4’)の合計含有量が組成物の総質量に対して90質量%以上である組成物からなる層である積層構造体である。
(1)半導体微粒子
(2)ハロゲン化炭化水素化合物
(4’)重合体
(1)、(2)、及び(4’)を含む組成物は、さらに、(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
積層構造体が有する複数の層のうち、(1)、(2)、及び(4’)を含み、(1)、(2)及び(4’)の合計含有量が組成物の総質量に対して90質量%以上である組成物からなる層以外の層としては、基板、バリア層、光散乱層等の任意の層が挙げられる。
積層される組成物の形状は特に限定されるものではなく、シート状、バー状等の任意の形状であることができる。積層される組成物は、本実施形態のフィルムであってもよい。
(基板)
本発明に係る積層構造体が有していてもよい層としては、特に制限は無いが、基板が挙げられる。
基板は特に限定されず、フィルムであってもよく、発光時に光を取り出す観点から、透明なものが好ましい。基板としては、例えばポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックや、ガラスなどの公知の材料を用いることができる。
例えば、積層構造体において、(1)、(2)、及び(4)を含み、(1)、(2)及び(4’)の合計含有量が組成物の総質量に対して90質量%以上である組成物からなる層は、基板上に設けていてもよい。前記層は、本実施形態のフィルムであってもよい。
図1は、本実施形態の積層構造体の構成を模式的に示す断面図である。第1の積層構造体1aは、第1の基板20及び第2の基板21の間に、本実施形態のフィルム10が設けられている。フィルム10は、封止層22によって封止されている。
本発明の一つの側面は、第1の基板20と、第2の基板21と、第1の基板20と第2の基板21との間に位置する本実施形態に係るフィルム10と、封止層22と、を有する積層構造体であって、前記封止層が、前記フィルム10の前記第1の基板20、及び第2の基板21と接していない面上に配置されることを特徴とする積層構造体1aである。
(バリア層)
本発明に係る積層構造体が有していてもよい層としては、特に制限は無いが、バリア層が挙げられる。外気の水蒸気、及び大気中の空気から前述の組成物を保護するため、バリア層を含んでいても良い。
バリア層は、特に制限は無いが、発光した光を取り出すと言う観点から透明なバリア層が好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリマー、ガラス膜などの公知のバリア層を適用する事ができる。
(光散乱層)
本発明に係る積層構造体が有していてもよい層としては、特に制限は無いが、光散乱層が挙げられる。入射した光を効率的に吸収される観点から、光散乱層を含んでいてもよい。
光散乱層は、特に制限は無いが、発光した光を取り出すという観点から透明な光散乱層が好ましく、例えば、シリカ粒子などの光散乱粒子や、増幅拡散フィルムなどの公知の光散乱層を適用する事ができる。
<積層構造体の製造方法>
積層構造体の製造方法としては、例えば、
(i) (1)半導体微粒子、(2)ハロゲン化炭化水素化合物、並びに(3)溶媒を混合する工程と、
得られた組成物を基板に塗工する工程と、
溶媒を除去する工程とを含む積層構造体の製造方法、
(ii) (1)半導体微粒子、(2)ハロゲン化炭化水素化合物、並びに溶媒に溶解している重合体を混合する工程と、
得られた組成物を基板上に塗工する工程と、
溶媒を除去する工程とを含む積層構造体の製造方法、
(iii) (1)、(2)、及び(4’)を含み、(1)、(2)及び(4’)の合計が90質量%以上である組成物を、基板に張り合わせる工程を含む積層構造体の製造方法、
(1)半導体微粒子
(2)ハロゲン化炭化水素化合物
(4’)重合体
(iv) (1)半導体微粒子、(2)ハロゲン化炭化水素化合物、並びに、重合性化合物、及び(4’)重合体を混合する工程と、
得られた組成物を基板上に塗工する工程と、
重合性化合物を重合させる工程と、を含む製造方法が挙げられる。
(i)の製造方法に含まれる、混合する工程、及び、溶媒を除去する工程、
(ii)の製造方法に含まれる、混合する工程、及び、溶媒を除去する工程、
(iv)の製造方法に含まれる、混合する工程、並びに、重合性化合物を重合させる工程は、
それぞれ、既に説明した、(1)、(2)、及び(4’)を含み、(1)、(2)及び(4’)の合計が90質量%以上である組成物の製造方法
に含まれる工程と同様の工程とすることができる。
(i)、(ii)、及び(iv)の製造方法に含まれる、基板上に塗工する工程は、特に制限はないが、グラビア塗布法、バー塗布法、印刷法、スプレー法、スピンコーティング法、ディップ法、ダイコート法等の、公知の塗布方法を用いることができる。
(iii)の製造方法に含まれる、基板に張り合わせる工程では、任意の接着剤を用いる事ができる。
接着剤は、(1)半導体微粒子を溶解しない物であれば特に制限は無く、公知の接着剤を用いることができる。
積層構造体の製造方法は、(i)〜(iv)で得られた積層構造体に、さらに、任意のフィルムを張り合わせる工程を含む製造方法であってもよい。
張り合わせるフィルムとしては、例えば、反射フィルム、拡散フィルムが挙げられる。
フィルムを張り合わせる工程では任意の接着剤を用いる事ができる。
上述の接着剤は、(1)半導体微粒子を溶解しない物であれば特に制限は無く、公知の接着剤を用いることができる。
<発光装置>
本発明に係わる発光装置は、前述の組成物、又は前述の積層構造体と、光源とを合せることで得る事ができる。本発明に係わる発光装置は、光源から発光した光を、後段に設置した前述の組成物に照射する事で、前述の組成物を発光させ、光を取り出す装置である。前記発光装置における積層構造体は、反射フィルム、拡散フィルム、輝度強化部、プリズムシート、導光板、要素間の媒体材料層などの層を含んでいてもよい。
本発明の一つの側面は、プリズムシート50と、導光板60と、前記第一の積層構造体1aと、光源30と、がこの順に積層された発光装置2である。
(光源)
本発明に係わる発光装置を構成する光源は、特に制限は無いが、前述の組成物、又は積層構造体中の半導体微粒子を発光させるという観点から、600nm以下の発光波長を有する光源が好ましく、例えば、青色発光ダイオードなどの発光ダイオード(LED)、レーザー、ELなどの公知の光源を使用する事ができる。
(反射フィルム)
本発明に係わる発光装置は、特に制限は無いが、光源の光を前記組成物、又は前記積層構造体に向かって照射するための光反射部材を含むことができる。
反射フィルムは、特に制限は無いが、反射鏡、反射粒子のフィルム、反射金属フィルム、又は反射体等、任意の好適な公知材料を含み得る。
(拡散フィルム)
本発明に係わる発光装置は、特に制限は無いが、光源の光、又は前記組成物から発した光を拡散させるための、光散乱部材を含むことができる。拡散フィルムは、増幅拡散フィルム等の、前記技術分野で既知の任意の拡散フィルムを含んでもよい。
(輝度強化部)
本発明に係わる発光装置は、特に制限は無いが、光の一部分を、光が伝送された方向に向かって反射して戻す、輝度強化部を含むことができる。
(プリズムシート)
プリズムシートは、代表的には、基材部とプリズム部とを有する。なお、基材部は、隣接する部材に応じて省略してもよい。 プリズムシートは、任意の適切な接着層(例えば、接着剤層、粘着剤層:)を介して隣接する部材に貼り合わせられ得る。プリズムシートは、視認側とは反対側(背面側)に凸となる複数の単位プリズムが並列されて構成されている。プリズムシートの凸部を背面側に向けて配置することにより、プリズムシートを透過する光が集光されやすくなる。また、プリズムシートの凸部を背面側に向けて配置すれば、凸部を視認側に向けて配置する場合と比較して、プリズムシートに入射せずに反射する光が少なく、輝度の高いディスプレイを得ることができる。
(導光板)
導光板としては、任意の適切な導光板が用いられ得る。例えば、横方向からの光を厚さ方向に偏向可能となるよう、背面側にレンズパターンが形成された導光板、背面側及び/又は視認側にプリズム形状等が形成された導光板が用いられる。
(要素間の媒体材料層)
本発明に係わる発光装置は、特に制限は無いが、隣接する要素(層)間の光路上に1つ以上の媒体材料からなる層を含んでいてもよい。1つ以上の媒体には、真空、空気、ガス、光学材料、接着剤、光学接着剤、ガラス、ポリマー、固体、液体、ゲル、硬化材料、光学結合材料、屈折率整合又は屈折率不整合材料、屈折率勾配材料、クラッディング又は抗クラッディング材料、スペーサー、シリカゲル、輝度強化材料、散乱又は拡散材料、反射又は抗反射材料、波長選択性材料、波長選択性抗反射材料、色フィルター、又は前記技術分野で既知の他の好適な媒体、が含まれるが、これらに限定されない、任意の好適な材料が含まれてもよい。
本発明に係る発光装置の具体例としては、例えば、ELディスプレイや液晶ディスプレイ用の波長変換材料を備えたものが挙げられる。
具体的には、
(1)本発明の組成物をガラスチューブ等の中に入れて封止し、これを導光板の端面(側面)に沿うように、光源である青色発光ダイオードと導光板の間に配置して、青色光を緑色光や赤色光に変換するバックライト(オンエッジ方式のバックライト)、
(2)本発明に係る組成物をシート化し、これを2枚のバリアーフィルムで挟んで封止したフィルムを、導光板の上に設置して、導光板の端面(側面)に置かれた青色発光ダイオードから導光板を通して前記シートに照射される青色の光を緑色光や赤色光に変換するバックライト(表面実装方式のバックライト)、
(3)半導体微粒子を、樹脂等に分散させて青色発光ダイオードの発光部近傍に設置し、照射される青色の光を緑色光や赤色光に変換するバックライト(オンチップ方式のバックライト)、及び
(4)半導体微粒子を、レジスト中に分散させて、カラーフィルター上に設置し、光源から照射される青色の光を緑色光や赤色光に変換するバックライトが挙げられる。
また、本発明に係る発光装置の具体例としては、本発明の組成物を成形し、光源である青色発光ダイオードの後段に配置して、青色光を緑色光や赤色光に変換して白色光を発する照明が挙げられる。
<発光装置の製造方法>
例えば、前述の光源と、光源から後段の光路上に前述の組成物、又は積層構造体を設置する工程とを含む製造方法が挙げられる。
<ディスプレイ>
図2に示すように、本実施形態のディスプレイ3は、液晶パネル40と、前述の発光装置2とを視認側からこの順に備える。発光装置2は、第2の積層構造体1bと光源30とを備える。第2の積層構造体1bは、前述の第1の積層構造体1aが、プリズムシート50と、導光板60と、をさらに備えたものである。液晶パネルは、代表的には、液晶セルと、前記液晶セルの視認側に配置された視認側偏光板と、前記液晶セルの背面側に配置された背面側偏光板とを備える。ディスプレイは、任意の適切なその他の部材をさらに備えていてもよい。
本発明の一つの側面は、液晶パネル40と、プリズムシート50と、導光板60と、前記第一の積層構造体1aと、光源30と、がこの順に積層された液晶ディスプレイ3である。
<液晶パネル>
上記液晶パネルは、代表的には、液晶セルと、前記液晶セルの視認側に配置された視認側偏光板と、前記液晶セルの背面側に配置された背面側偏光板とを備える。視認側偏光板及び背面側偏光板は、それぞれの吸収軸が実質的に直交又は平行となるようにして配置され得る。
(液晶セル)
液晶セルは、一対の基板と、前記基板間に挟持された表示媒体としての液晶層とを有する。一般的な構成においては、一方の基板に、カラーフィルター及びブラックマトリクスが設けられており、他方の基板に、液晶の電気光学特性を制御するスイッチング素子と、このスイッチング素子にゲート信号を与える走査線及びソース信号を与える信号線と、画素電極及び対向電極とが設けられている。上記基板の間隔(セルギャップ)は、スペーサー等によって制御できる。上記基板の液晶層と接する側には、例えば、ポリイミドからなる配向膜等を設けることができる。
(偏光板)
偏光板は、代表的には、偏光子と、偏光子の両側に配置された保護層とを有する。偏光子は、代表的には吸収型偏光子である。
上記偏光子としては、任意の適切な偏光子が用いられる。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く、特に好ましい。
本発明に係る組成物組成物の用途としては、例えば、レーザーダイオード用の波長変換材料が挙げられる。
<LED>
本発明に係る組成物は、例えば、LEDの発光層の材料として用いることができる。
本発明に係る組成物を含むLEDとしては、例えば、本発明に係る組成物とZnSなどの導電性粒子を混合して膜状に積層し、片面にn型輸送層を積層し、もう片面をp型輸送層で積層した構造をしており、電流を流すことで、p型半導体の正孔と、n型半導体の電子が接合面の組成物に含まれる半導体微粒子中で電荷を打ち消すことで発光する方式が挙げられる。
<太陽電池>
本発明に係る組成物は、太陽電池の活性層に含まれる電子輸送性材料として利用することができる。
前記太陽電池としては、構成は特に限定されないが、例えば、フッ素ドープされた酸化スズ(FTO)基板、酸化チタン緻密層、多孔質酸化アルミニウム層、本発明に係る組成物を含む活性層、2,2’,7,7’−tetrakis−(N,N’−di−p−methoxyphenylamine)−9,9’−spirobifluorene(Spiro−OMeTAD)などのホール輸送層、及び、銀(Ag)電極をこの順で有する太陽電池が挙げられる。
酸化チタン緻密層は、電子輸送の機能、FTOのラフネスを抑える効果、及び、逆電子移動を抑制する機能を有する。
多孔質酸化アルミニウム層は、光吸収効率を向上させる機能を有する。
活性層に含まれる、本発明に係る組成物は、電荷分離及び電子輸送の役割を果たす。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(組成物の合成)
[実施例1]
炭酸セシウム0.814gと1−オクタデセンの溶媒40mLと、オレイン酸2.5mLを混合した。マグネチックスターラーで攪拌して、窒素を流しながら150℃で1時間加熱して炭酸セシウム溶液を調製した。
臭化鉛(PbBr)0.276gを1−オクタデセンの溶媒20mLと混合した。マグネチックスターラーで攪拌して窒素を流しながら120℃の温度で1時間加熱した後、オレイン酸2mL、オレイルアミン2mLを添加した。160℃の温度に昇温した後、上述の炭酸セシウム溶液を1.6mL添加した。添加後、反応容器を氷水に漬けることで、室温まで降温した。
次いで、分散液を10000rpm、5分間の遠心分離で沈殿を分離する事で、沈殿の半導体微粒子を得た。
前記半導体微粒子のX線回折パターンをX線回折測定装置(XRD、Cu Kα線、X’pert PRO MPD、スペクトリス社製)で測定した所、2θ=14°の位置に(hkl)=(001)由来のピークを有しており、3次元のペロブスカイト型結晶構造を有していることを確認した。
TEM(日本電子株式会社製、JEM−2200FS)で観察したペロブスカイト化合物の平均のフェレー径は11nmであった。
半導体微粒子をトルエン5mLに分散させた後、分散液50μLを分取して、トルエン5mLに再分散させることで、半導体微粒子及び溶媒を含む分散液を得た。ICP−MS、及びイオンクロマトグラフによって測定したペロブスカイト化合物の濃度は、200ppm(μg/g)であった。
次いで、上記の半導体微粒子が分散した分散液に、モル比が1-Bromohexadecane/Pb=147となるように混合して組成物を得た。
[実施例2]
1-Bromohexadecane/Pb=245とする以外は上記実施例1と同様の方法で組成物を得た。
[実施例3]
1-Bromohexadecane/Pb=489とする以外は上記実施例1と同様の方法で組成物を得た。
[比較例1]
炭酸セシウム0.814gと1−オクタデセンの溶媒40mLと、オレイン酸2.5mLを混合した。マグネチックスターラーで攪拌して、窒素を流しながら150℃で1時間加熱して炭酸セシウム溶液を調製した。
臭化鉛(PbBr)0.276gを1−オクタデセンの溶媒20mLと混合した。マグネチックスターラーで攪拌して窒素を流しながら120℃の温度で1時間加熱した後、オレイン酸2mL、オレイルアミン2mLを添加した。160℃の温度に昇温した後、上述の炭酸セシウム溶液を1.6mL添加した。添加後、反応容器を氷水に漬けることで、室温まで降温した。
次いで、分散液を10000rpm、5分間の遠心分離で沈殿を分離する事で、沈殿の半導体微粒子を得た。
前記半導体微粒子のX線回折パターンをX線回折測定装置(XRD、Cu Kα線、X’pert PRO MPD、スペクトリス社製)で測定した所、2θ=14°の位置に(hkl)=(001)由来のピークを有しており、3次元のペロブスカイト型結晶構造を有していることを確認した。
TEM(日本電子株式会社製、JEM−2200FS)で観察したペロブスカイト化合物の平均のフェレー径は11nmであった。
半導体微粒子をトルエン5mLに分散させた後、分散液50μLを分取して、トルエン5mLに再分散させることで、半導体微粒子及び溶媒を含む分散液を得た。ICP−MS、及びイオンクロマトグラフによって測定したペロブスカイト化合物の濃度は、200ppm(μg/g)であった。
(半導体微粒子の測定)
実施例及び比較例で得られた組成物における半導体微粒子の濃度は、それぞれ、再分散させることで得られた半導体微粒子及び溶媒を含む分散液に、N,N−ジメチルホルムアミドを添加することで半導体微粒子を溶解させた後、ICP−MS(ELAN DRCII、パーキンエルマー製)、及びイオンクロマトグラフを用いて測定した。
(量子収率測定)
実施例1〜3、及び比較例1で得られた組成物の量子収率を、絶対PL量子収率測定装置(浜松ホトニクス製、商品名C9920−02、励起光450nm、室温、大気下)を用いて測定した。
以下の表1に、実施例1〜3、比較例1の組成物の構成と、量子収率(%)を記載する。表1中、「ハロゲン化炭化水素化合物/Pb」は、ハロゲン化炭化水素化合物の量をPbの量で除したモル比を表す。
図3に、実施例1〜3の結果を示す。
Figure 0006830967
上記の結果から、本発明を適用した実施例1〜3に係る組成物は、本発明を適用しない比較例1の組成物と比して、優れた量子収率を有していることが確認できた。
(組成物)
[実施例4]
炭酸セシウム0.814gと1−オクタデセンの溶媒40mLと、オレイン酸2.5mLを混合した。マグネチックスターラーで攪拌して、窒素を流しながら150℃で1時間加熱して炭酸セシウム溶液を調製した。
臭化鉛(PbBr)0.276gを1−オクタデセンの溶媒20mLと混合した。マグネチックスターラーで攪拌して窒素を流しながら120℃の温度で1時間加熱した後、オレイン酸2mL、オレイルアミン2mLを添加した。160℃の温度に昇温した後、上述の炭酸セシウム溶液を1.6mL添加した。添加後、反応容器を氷水に漬けることで、室温まで降温した。
次いで、分散液を10000rpm、5分間の遠心分離で沈殿を分離する事で、沈殿の半導体微粒子を得た。
前記半導体微粒子のX線回折パターンをX線回折測定装置(XRD、Cu Kα線、X’pert PRO MPD、スペクトリス社製)で測定した所、2θ=14°の位置に(hkl)=(001)由来のピークを有しており、3次元のペロブスカイト型結晶構造を有していることを確認した。
TEM(日本電子株式会社製、JEM−2200FS)で観察したペロブスカイト化合物の平均のフェレー径は11nmであった。
半導体微粒子をトルエン5mLに分散させた後、分散液500μLを分取して、トルエン4.5mLに再分散させることで、半導体微粒子及び溶媒を含む分散液を得た。ICP−MS、及びイオンクロマトグラフによって測定したペロブスカイト化合物の濃度は、1500ppm(μg/g)であった。
次いで、メタクリル樹脂(PMMA、住友化学社製、スミペックス・メタクリル樹脂、MH、分子量約12万、比重1.2g/ml)が16.5質量%となるようにトルエンと混合した後、60℃、3時間加熱して、重合体が溶解した溶液を得た。上記の半導体微粒子及び溶媒を含む分散液0.15g、重合体が溶解した溶液0.913gとを混合した後、モル比が1-Bromohexadecane/Pb=48.9となるようにアルミ製のカップ(4.5φcm)中で混合した。
トルエンを自然乾燥で蒸発させることで、ペロブスカイト化合物の濃度が1000μg/mLの組成物を得た。組成物は1cm×1cmのサイズに切断した。
[実施例5]
1-Bromohexadecane/Pb=97.9とする以外は上記実施例4と同様の方法で組成物を得た。
[比較例2]
炭酸セシウム0.814gと1−オクタデセンの溶媒40mLと、オレイン酸2.5mLを混合した。マグネチックスターラーで攪拌して、窒素を流しながら150℃で1時間加熱して炭酸セシウム溶液を調製した。
臭化鉛(PbBr)0.276gを1−オクタデセンの溶媒20mLと混合した。マグネチックスターラーで攪拌して窒素を流しながら120℃の温度で1時間加熱した後、オレイン酸2mL、オレイルアミン2mLを添加した。160℃の温度に昇温した後、上述の炭酸セシウム溶液を1.6mL添加した。添加後、反応容器を氷水に漬けることで、室温まで降温した。
次いで、分散液を10000rpm、5分間の遠心分離で沈殿を分離する事で、沈殿の半導体微粒子を得た。
前記半導体微粒子のX線回折パターンをX線回折測定装置(XRD、Cu Kα線、X’pert PRO MPD、スペクトリス社製)で測定した所、2θ=14°の位置に(hkl)=(001)由来のピークを有しており、3次元のペロブスカイト型結晶構造を有していることを確認した。
TEM(日本電子株式会社製、JEM−2200FS)で観察したペロブスカイト化合物の平均のフェレー径は11nmであった。
半導体微粒子をトルエン5mLに分散させた後、分散液500μLを分取して、トルエン4.5mLに再分散させることで、半導体微粒子及び溶媒を含む分散液を得た。ICP−MS、及びイオンクロマトグラフによって測定したペロブスカイト化合物の濃度は、1000μg/mLであった。
次いで、メタクリル樹脂(PMMA、住友化学社製、スミペックス・メタクリル樹脂、MH、分子量約12万、比重1.2g/ml)が16.5質量%となるようにトルエンと混合した後、60℃、3時間加熱して、重合体が溶解した溶液を得た。
上記の半導体微粒子及び溶媒を含む分散液0.15g、及び重合体が溶解した溶液0.913gとをアルミ製のカップ(4.5φcm)中で混合した。
トルエンを自然乾燥で蒸発させ、ペロブスカイト化合物の濃度が1000μg/mLの組成物を得た。組成物は1cm×1cmのサイズに切断した。
(半導体微粒子の測定)
実施例及び比較例で得られた組成物における半導体微粒子の濃度は、それぞれ、再分散させることで得られた半導体微粒子及び溶媒を含む分散液に、N,N−ジメチルホルムアミドを添加することで半導体微粒子を溶解させた後、ICP−MS(ELAN DRCII、パーキンエルマー製)、及びイオンクロマトグラフを用いて測定した。
(量子収率測定)
実施例3,4、及び比較例2で得られた組成物の量子収率を、絶対PL量子収率測定装置(浜松ホトニクス製、商品名C9920−02、励起光450nm、室温、大気下)を用いて測定した。
以下の表2に、実施例3,4、比較例2の組成物の構成と、量子収率(%)を記載する。表2中、ハロゲン化アルキル基を有する有機化合物/Pbは、ハロゲン化炭化水素化合物の量をPbの量で除したモル比を表す。
Figure 0006830967
上記の結果から、本発明を適用した実施例4,5の組成物は、本発明を適用しない比較例2の組成物と比して、優れた量子収率を有していることが確認できた。
[参考例1]
実施例1〜5に記載の組成物を、ガラスチューブ等の中に入れて封止した後に、これを光源である青色発光ダイオードと導光板の間に配置することで、青色発光ダイオードの青色光を緑色光や赤色光に変換することができるバックライトを製造する。
[参考例2]
実施例1〜5に記載の組成物をシート化する事で樹脂組成物を得ることができ、これを2枚のバリアーフィルムで挟んで封止したフィルムを導光板の上に設置することで、導光板の端面(側面)に置かれた青色発光ダイオードから導光板を通して前記シートに照射される青色の光を緑色光や赤色光に変換することができるバックライトを製造する。
[参考例3]
実施例1〜5に記載の組成物を、青色発光ダイオードの発光部近傍に設置することで照射される青色の光を緑色光や赤色光に変換することができるバックライトを製造する。
[参考例4]
実施例1〜5に記載の組成物とレジストを混合した後に、溶媒を除去する事で波長変換材料を得ることができる。得られた波長変換材料を光源である青色発光ダイオードと導光板の間や、光源であるOLEDの後段に配置することで、光源の青色光を緑色光や赤色光に変換することができるバックライトを製造する。
[参考例5]
実施例1〜5に記載の組成物をZnSなどの導電性粒子を混合して成膜し、片面にn型輸送層を積層し、もう片面をp型輸送層で積層することでLEDを得る。電流を流すことによりp型半導体の正孔と、n型半導体の電子が接合面の半導体微粒子中で電荷を打ち消されることで発光させることができる。
[参考例6]
フッ素ドープされた酸化スズ(FTO)基板の表面上に、酸化チタン緻密層を積層させ、その上から多孔質酸化アルミニウム層を積層し、その上に実施例1〜5に記載の組成物を積層し、溶媒を除去した後にその上から2,2’,7,7’−tetrakis−(N,N’−di−p−methoxyphenylamine)−9,9’−spirobifluorene(Spiro−OMeTAD)などのホール輸送層を積層し、その上に銀(Ag)層を積層し、太陽電池を作製する。
[参考例7]
実施例1〜5に記載の組成物と樹脂を混合した後に、溶媒を除去して成形する事で本発明に係る組成物を含む樹脂組成物を得ることができ、これを青色発光ダイオードの後段に設置することで、青色発光ダイオードから前記樹脂成形体に照射される青色の光を緑色光や赤色光に変換して白色光を発するレーザーダイオード照明を製造する。
本発明によれば、量子収率が高い組成物、前記組成物からなるフィルム、前記組成物を含む積層構造体、及び前記組成物を用いたディスプレイを提供することが可能となる。
したがって、本発明の組成物、前記組成物からなるフィルム、前記組成物を含む積層構造体、及び前記組成物を用いたディスプレイは、発光用途において好適に使用することができる。
1a…第1の積層構造体、1b…第2の積層構造体、10…フィルム、20…第1の基板、21…第2の基板、22…封止層、2…発光装置、3…ディスプレイ、30…光源、40…液晶パネル、50…プリズムシート、60…導光板

Claims (9)

  1. (1)及び(2)を含み、さらに(3)、及び(4)の少なくとも一方を含み、発光性を有する組成物。
    (1)半導体微粒子
    (2)ハロゲン化炭化水素化合物
    前記ハロゲン化炭化水素化合物が有するハロゲン元素は、臭素原子である。
    (3)溶媒
    (4)重合性化合物、及び重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種
  2. 前記(1)が、A、B、及びXを構成成分とするペロブスカイト化合物の微粒子である請求項1に記載の組成物。
    Aは、ペロブスカイト型結晶構造において、Bを中心とする6面体の各頂点に位置する成分であって、1価の陽イオンである。
    Xは、ペロブスカイト型結晶構造において、Bを中心とする8面体の各頂点に位置する成分を表し、ハロゲン化物イオン及びチオシアン酸イオンからなる群より選ばれる1種以上の陰イオンである。
    Bは、ペロブスカイト型結晶構造においてAを頂点に配置する6面体及びXを頂点に配置する8面体の中心に位置する成分であって、金属イオンである。
  3. さらに、(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1又は2に記載の組成物。
  4. (1)、(2)、及び(4’)を含む組成物であって、(1)、(2)及び(4’)の合計含有量が前記組成物の総質量に対して90質量%以上である組成物。
    (1)半導体微粒子
    (2)ハロゲン化炭化水素化合物
    前記ハロゲン化炭化水素化合物が有するハロゲン元素は、臭素原子である。
    (4’)重合体
  5. さらに、(5)アンモニア、アミン、及びカルボン酸、並びにこれらの塩又はイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項4に記載の組成物。
  6. 請求項4又は5に記載の組成物からなるフィルム。
  7. 複数の層を有し、少なくとも一層が、請求項4又は5に記載の組成物からなる層である、積層構造体。
  8. 請求項7に記載の積層構造体を備える発光装置。
  9. 請求項7に記載の積層構造体を備えるディスプレイ。
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