JP6829965B2 - 塔状建物 - Google Patents

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Description

本発明は、塔状建物に関する。
特許文献1には、風車などの塔状構造体の外周面に、螺旋状にPC鋼線を配置し、軸方向と周方向の両方にプレストレスを加える技術が開示されている。
ここで、細長い塔状建物は、地震時に揺れやすく、耐震性能の向上が望まれている。
特開2011-99299号公報
本発明は、上記事実を鑑み、塔状建物の耐震性能の向上が目的である。
第一態様は、軸力が伝達される骨格部材が外周部に螺旋状に配置された塔状建物である。
第一態様の塔状建物では、軸力が伝達される骨格部材を外周部に螺旋状に配置することで、剛性が向上し、耐震性能が向上する。
第二態様は、前記骨格部材は、互いに逆方向に巻かれた二重螺旋部材とされ、前記二重螺旋部材は三以上設けられると共に前記二重螺旋部材同士が接合された交点間に梁が架設されている第一態様に記載の塔状建物である。
第二態様の塔状建物では、外周部に二重螺旋部材を三以上設けて交点を接合することで、外周部に斜材を設ける必要がなくなり、外周部の設計の自由度が向上する。また、二重螺旋部材同士が接合された交点間に梁を架設することにより、面外方向の変形が効果的に抑制され、耐震性能が向上する。
第三態様は、前記外周部が双曲面構造とされた第一態様に記載の塔状建物である。
第三態様の塔状建物では、外周部を双曲面構造とすることで、軸剛性が向上し、耐震性能が向上する。
本発明によれば、塔状建物の耐震性能を向上することができる。
第一実施形態の塔状建物の概略構造を示す斜視図である。 (A)は二重螺旋部材の斜視図であり、(B)は三つの二重螺旋部材で構成された骨格部材の斜視図であり、(C)は(B)の部分拡大図である。 第二実施形態の塔状建物の概略構造を示す斜視図である。 (A)は一葉双曲面を説明する斜視図であり、(B)は一葉双曲面螺旋を説明する斜視図である。 図3の第二実施形態の塔状建物の概略構成図の部分拡大図である。 第三実施形態の塔状建物の概略構造を示す斜視図である。 トラス螺旋部材の、(A)は斜視図であり、(B)は上方から見た図である。 双曲面マリオンの斜視図である。 対螺旋部材の斜視図である。 第四実施形態の塔状建物の概略構造を模式的に示す斜視図である。 (A)は上から見た場合の四本の第一螺旋部材を模式的に示す平面図であり、(B)は上から見た場合の四本の第二螺旋部材を模式的に示す平面図であり、(C)は四本の第一螺旋部材及び第二螺旋部材を模式的に示す平面図である。 連続するテンションリングを説明するための模式図である。 第五実施形態の塔状建物の外形構造を模式的に示す斜視図である。 基準トラスの斜視図である。 基準トラスを三つ積層した状態の斜視図である。 伝統的な天秤構造を説明するための図15の部分拡大図である。 (A)は跳出部が無い場合のモーメントを説明する説明図であり、(B)は跳出部が形成された場合のモーメントを説明する説明図である。 第六実施形態の塔状建物の概略構造を模式的に示す斜視図である。 第一螺旋状柱と第二螺旋状柱とが引張材で連結される状態を模式的に示す部分拡大斜視図である。
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態の塔状建物について説明する。
[構造]
図1に示すように、第一実施形態の塔状建物100は、全体形状が円錐形状のタワーとされている。また、本実施形態の塔状建物100は、心柱を有していないが、心柱を有していてもよい。
塔状建物100は、外周部102に設けられた軸力を伝達する骨格部材120と梁130とを有している。骨格部材120は、軸力を伝達する三つの二重螺旋部材110A、110B、110Cで構成されている。
図2(A)に示すように、骨格部材120を構成する二重螺旋部材110Aは、互いに逆方向に巻かれ、交点111Aで接合された螺旋部材112Aで構成されている。
図2(B)に示すように、同様に二重螺旋部材110Bは、互いに逆方向に巻かれ、交点111Bで接合された螺旋部材112Bで構成され、二重螺旋部材110Cは、互いに逆方向に巻かれ、交点111Cで接合された螺旋部材112Cで構成されている。
これら三つの二重螺旋部材110A、二重螺旋部材110B及び二重螺旋部材110Cは、120°の角度を持って配置され、交点113で接合されている。
図2(C)に示すように、二重螺旋部材110A、二重螺旋部材110B、及び二重螺旋部材110Cが接合された骨格部材120は、擬似的に仮想の四面体115が積み上げられた構造とっている。
図1に示すように、二重螺旋部材110A、二重螺旋部材110B、及び二重螺旋部材110Cが接合された交点113間に梁130が架設されている。梁130は平面視で三角形を形成している。この三角形の梁130に図示していないスラブを支持してもよい。
また、本実施形態の塔状建物200の外周面は、骨格部材120に固定された図示していない外壁材やガラス等で構成されている。
[作用及び効果]
軸力が伝達される三つの二重螺旋部材110A、110B,110C(骨格部材120)を外周部102に設けることで、外周部102の剛性が向上し、塔状建物100の耐震性能が向上する。
また、外周部102に三つの二重螺旋部材110A、110B,110Cを設けて接合し、交点113間を三角形状の梁130で接合することで、鉛直方向及び面外方向の剛性が向上する。よって、自重による下層部のはらみだしや鉛直方向の変位、また地震時の水平方向の変位等が抑制される。また、外周部102に斜材やマリオン等を設ける必要がなくなり、外周部102の設計の自由度が向上する。
また、例えば、仮に二重螺旋部材110A一つのみで構成されていた場合、構造が非対称であるため、倒れが生じ易く、ばねのような構造になるため、鉛直方向の変位の制御が難しい。しかし、本実施形態では、骨格部材120は、二重螺旋部材110A、二重螺旋部材110B、及び二重螺旋部材110Cが接合され、擬似的に仮想の四面体115が積み上げられた構造になっているので、構造的に安定している。
[その他]
三つの二重螺旋部材110A、二重螺旋部材110B、及び二重螺旋部材110Cで骨格部材120が構成されていたが、これに限定されない。四つ以上の二重螺旋部材110を設けた構造であってもよい。なお、二重螺旋部材110の数は、三の倍数であるほうが、より安定した構造となるので、好適である。
また、本実施形態では、塔状建物100は、全体形状が円錐形状であったが、これに限定されない。例えば、全体形状が円錐台形状であってもよいし、円柱形状であってもよい。
<第二実施形態>
本発明の第二実施形態の塔状建物について説明する。
[構造]
図3に示すように、第一実施形態の塔状建物200は、全体形状が円錐形状のタワーとされている。また、本実施形態の塔状建物200は、心柱を有していないが、心柱を有していてもよい。
図3及び図5に示すように、塔状建物200は、外周部202に配置された軸力を伝達する螺旋状部材210と、外周部202に格子状に配置された双曲面を構成する斜材220と、を有している。なお、斜材220同士と、斜材220及び螺旋状部材210と、は、それぞれ交点において接合されている。
別の観点から説明すると、本実施形態の塔状建物200の外周部202は、図4(A)に示す一葉双曲面255を、図4(B)に示す上下にずれて螺旋状に変形した一葉双曲面螺旋250で構成されている。なお、「一葉双曲面螺旋」とは、数学的に定義されている用語ではなく、説明を判り易くするために用いた用語である。
斜材220同士の交点(接合部)222に作用する合力は、径方向外側に向かって働いており、その交点222に接合された螺旋状部材210には、斜材220を拘束する力として軸力が作用している。
また、本実施形態の塔状建物200の外周面は、螺旋状部材210及び斜材220に固定された外壁材(図示略)やガラス230(図5参照)等で構成されている。本実施形態では、ガラス230は強化ガラスであり、DPG工法で施工されている。なお、DPG工法とは、強化ガラスに開けた皿穴部を通して皿ボルトで支持する工法である。
[作用及び効果]
軸力が伝達される螺旋状部材210を外周部202に設けることで、外周部202の剛性が向上し、塔状建物200の耐震性能が向上する。また、螺旋状部材210は、地震や風を受けた際の水平抵抗要素として機能する。
また、外周部202を斜材220によって双曲面構造とすることで、軸剛性が向上し、耐震性能が更に向上する。
また、図5に示すように、外周面を双曲面で構成すると、斜材220の交点22で構成される四つの交点222A、222B、222C、222Dが略同一平面になる。具体的は、最も高い交点222Aと、最も低い交点222Cと、を塔状建物200の頂点を含む鉛直面に、四点222A、222B、222C、222Dを投影したときに、投影された点が略直線状に収まる。そして、この四点222A、222B、222C、222Dで構成される略平面をガラス230を嵌める面としたとき、DPG工法で施工する際の施工誤差以内で収めることができる。
[その他]
本実施形態では、塔状建物200は、全体形状が円錐形状であったが、これに限定されない。例えば、全体形状が円錐台形状であってもよいし、円柱形状であってもよい。
また、ガラス230はDPG工法以外で固定されていてもよい。
<第三実施形態>
本発明の第三実施形態の塔状建物について説明する。
[構造]
図6に示すように、第三実施形態の塔状建物300は、全体形状が円錐台形状のタワーとされている。また、本実施形態の塔状建物300は、心柱を有していないが、心柱を有していてもよい。
塔状建物300は、図7に示すフィーレンディールトラス構造のトラス螺旋部材310と、図8に示す双曲面を構成する双曲面マリオン320と、図9に示す対螺旋部材330と、を有している。また、図6に示すように塔状建物300の頂部は上側リング350で構成され、底部が下側リング360で構成されている。
図6に示すように、トラス螺旋部材310、双曲面マリオン320、及び対螺旋部材330は、外周部302に配置されると共に交点で接合されている。また、トラス螺旋部材310、双曲面マリオン320、及び対螺旋部材330のそれぞれの上端部及び下端部は上側リング350及び下側リング360に接合されている。
図7に示すトラス螺旋部材310は、二本の平行に配置された螺旋状の弦材312A、312Bと、これら弦材312Aと弦材312Bとを連結する斜材314と、で構成されている。
図8に示す双曲面マリオン320は、上下方向に対して斜めに配置された複数のマリオン322で構成されている。
図9に示す対螺旋部材330は、互いに逆方向に螺旋状に巻かれた螺旋部材332及び螺旋部材334で構成されている。
なお、図7に示すトラス螺旋部材310を構成する弦材312A、312Bの下端部の下側リング360との接合部313A、313B及び図9に示す対螺旋部材330を構成する螺旋部材332、334の下端部と下側リング360との接合部333、335は、図6に示すように、一箇所に集中しないように(偏らないように)分散されている。
また、実施形態の塔状建物300の外周面は、トラス螺旋部材310、双曲面マリオン320及び対螺旋部材330に固定された図示していないガラス等の外装材で構成されている。
[作用及び効果]
軸力が伝達されるトラス螺旋部材310及び対螺旋部材330を外周部302に設けることで、外周部302の剛性が向上し、塔状建物300の耐震性能が向上する。
また、双曲面マリオン320によって外周部302を双曲面構造とすることで、軸剛性が向上し、塔状建物300の耐震性能が更に向上する。
トラス螺旋部材310は、トラス構造であるので鉛直剛性が高く、ガラス等の外装材を支持することに好適である。また、トラス構造であるので、一本の螺旋部材で同じ剛性を得る場合よりも細い弦材312A、312Bで構成できるので、軽量化される。
捩じられた構造の双曲面マリオン320は、塔状建物300の風応答を低減し、靭性を高めている(粘り強さをだしている)。また、ガラス等の外装材の面外変形を拘束している。
対螺旋部材330は、互いに逆巻きの螺旋部材332と螺旋部材334とを接合した構造であるので、螺旋状に閉じた面336(図9参照)が構成され、座屈剛性が向上する。また、双曲面マリオン320の各マリオン322は、対螺旋部材330を構成する螺旋部材332、334に接合されることで、拘束されると共に接合部位間S(図6参照)が座屈長さとなるので、面外曲げ剛性が高くなる。
上側リング350は、TMD(チューンド・マス・ダンパー)のように機能し、また水平方向及び鉛直方向の応答低減効果を有する。よって、上側リング350を設けることで全方位に対して効果的に制振する。
[その他]
本実施形態では、トラス螺旋部材310は、フィーレンディールトラス構造であったが、これに限定されない。三角形で構成されたトラス構造であってもよい。
また、本実施形態では、トラス螺旋部材310及び対螺旋部材330、はそれぞれ一つ設けられていたが、これに限定されない。トラス螺旋部材310又は対螺旋部材330は、それぞれ複数設けられていてもよい。
また、本実施形態では、塔状建物300は、全体形状が円錐台形状であったが、これに限定されない。例えば、全体形状が円錐形状(この場合、上側リングはない構造となる)であってもよいし、円柱形状であってもよい。
<第四実施形態>
本発明の第四実施形態の塔状建物について説明する。
[構造]
図10に示すように、第四実施形態の塔状建物400は、全体形状が円錐台形状のタワーとされている。また、本実施形態の塔状建物400は、心柱を有していないが、心柱を有していてもよい。
塔状建物400は、外周部402に配置され、互いに逆向きに螺旋状に巻かれ、軸力が伝達される第一螺旋部材410及び第二螺旋部材420を有している。なお、図では第二螺旋部材420は、第一螺旋部材410と区別し易いように鎖線で図示している。
図11に示すように、本実施形態の塔状建物400では、第一螺旋部材410及び第二螺旋部材420共に各四本(第一螺旋部材410A,410B、410C,410D及び第二螺旋部材420A,420B、420C、420D)で構成されている。しかし、判り易くするため図11以外は、第一螺旋部材410及び第二螺旋部材420は各一本で図示している。なお、第一螺旋部材410及び第二螺旋部材420は、3本以下であってもよいし、5本以上であってもよい。
図10に示すように、第一螺旋部材410及び第二螺旋部材420は、単体の自然状態では、第一螺旋部材410の方が第二螺旋部材420よりも長い。そして、これらの第一螺旋部材410の下端部412及び第二螺旋部材420の下端部422を基礎部430に固定し、第一螺旋部材410は縮めて、第二螺旋部材420は伸ばして、上端部414及び上端部424を接合し、また交点部415を接合することで、一体化している。
このように接合して一体化することで、第一螺旋部材410は圧縮バネとなり、第二螺旋部材420は引張バネとなる。
また、図12に示すように、接合された交点部415と交点部415との間は、連続するテンションリング432を構成している。そして、水平力V1が作用した場合には、テンションリング材に圧縮力S1と引張力S2が作用し、トラス機構を形成する。
[作用及び効果]
軸力が伝達される第一螺旋部材410及び第二螺旋部材420を外周部402に設けることで、外周部402の剛性が向上し、塔状建物400の耐震性能が向上する。
第一螺旋部材410及び第二螺旋部材420のばね弾性性能が鉛直力を負担するため、第一螺旋部材410及び第二螺旋部材420の断面を小さくすることができる。
第一螺旋部材410には圧縮力が作用し、第二螺旋部材420には引張力が作用しているので、曲げモーメントにより発生する偶力(圧縮・引張)に対して、圧縮側となる縮めた第一螺旋部材(圧縮バネ)410が抵抗し、引張側となる伸ばした第二螺旋部材(引張バネ)420が抵抗する。また、弾性変形の範囲内での曲げであれば、残留変形が残らない。
また、接合された交点部415と交点部415との間は、交互に引張と圧縮とがかかった連続するテンションリング432は、軸剛性によって擬似的な平行弦トラス構造として成立する。よって、せん断力を効果的に基礎部430まで伝達するので、水平力に対してしなやかに変形して抵抗する。
なお、図11の構成をモデルとして解析した結果、風荷重に対して変形角が1/100程度に収まるように第一螺旋部材410及び第二螺旋部材420を設定することが可能であり、応力についても鋼材の基準強度以下に収まることが確認された。
[その他]
本実施形態では、塔状建物400は、全体形状が円錐形状であったが、これに限定されない。例えば、全体形状が円錐台形状であってもよいし、円柱形状であってもよい。
<第五実施形態>
本発明の第五実施形態の塔状建物について説明する。
[構造]
図13に示すように、第五実施形態の塔状建物500は、三角柱の外周面502Aが螺旋状に捩じられた形状のタワーとされている。また、本実施形態の塔状建物500は、心柱を有していないが、心柱を有していてもよい。
図15に示すように、塔状建物500の外周部502(図13参照)に配置される軸力を伝達する骨格部材510は、三角形状の基準トラス520(図14も参照)を角度を振りながら上方へ積層して接合した構造となっている。この骨格部材510に螺旋状に捻られた外周面502A(図13参照)を構成するガラス等の外板部材を設けている。
図14及び図15に示すように、基準トラス520は、細長い板材522を一端部522Aには他の板材522の他端部522Bを上に配置し、他端部522Bには他の板材522の一端部522Aを下に配置した構造となっている。また、他端部522Bには、一端部522Aに接触する支点515から長さL跳ね出した跳出部522Cが形成されている(図16も参照)。
別の観点から説明すると、図14の基準トラス520で構成された図15の骨格部材510は、基準トラス520のトラス先端(板材522の端部(一端部520A及び他端部520B))の軌跡が螺旋状となる構造である。
また、基準トラス520は、支点515から跳ね出した跳出部522Cが形成されており、伝統木造で採用されている天秤構造の概念が取り入れられている。なお、天秤構造については後述する。
[作用及び効果]
軸力が伝達される骨格部材510は、基準トラス520を上方に角度を振りながら積み上げることで、外周部502に基準トラス520のトラス先端(板材522の端部(一端部520A及び他端部520B))の軌跡が螺旋状となる構造である。このように、軸力が伝達される螺旋状の骨格部材を外周部502に配置することで、剛性が向上し、耐震性能が向上する。
また、骨格部材510は、基準トラス520を、角度を振りながら上方へ積層するという構築方法であるため、骨格部材510の構築において高度な技術は不要又は殆ど不要であり、積層するという簡単な施工手順で螺旋形状のタワーを構築することができる。
また、伝統木造で採用されている天秤構造の概念を取り入れることで、基準トラス520を構成している板材522の一端部522A及び他端部522Bに固定度が確保され、板材522の断面を小さくすることができる。
ここで、伝統木造で採用されている天秤構造について説明する。
天秤構造は、本来支点における左右の曲げモーメントを等しくしてバランスをとるものを指している。しかし、このことは別の観点から説明すると「本来生じない支点に曲げモーメントを生じさせることができている」とも言える。
図16及び図17(B)に示すように、本実施形態の伝統木造で採用されている天秤構造が適用された基準トラス520では、板材522の他端部522Bに支点515から長さL跳ね出す跳出部522Cを形成することで、板材522の他端部522Bの支点515に曲げモーメントM1=P2×Lが生じる。これにより、板材522の中央部517に作用する曲げモーメントM2が、跳出部522Cを形成しない場合よりも小さくなる。
つまり、図17(A)は跳出部522Cが形成されていない場合の支点515の曲げモーメントM3は0(ゼロ)であり、中央部517の曲げモーメントM2は、前述の曲げモーメントM4よりも小さくなる。よって、跳出部522Cを形成することで、板材522に発生する最大応力P1が、形成しない場合の最大応力M4よりも小さくなり、この結果、板材522の断面積を小さくすることができる。
[その他]
本実施形態の塔状建物500は、基準トラス520が三角形状であるが、これに限定されない、三角形以外の多角形(例えば、四角形や五角形)でもよい。また、これに合わせ塔状建物は、平面形が三角形以外の多角形で、その多角形柱の外周面が螺旋状に捩じられた形状であればよい。また、例えば、基準トラスの平面形状が上方に向かって小さくなり、全体形状が頂上に向かって先細になる形状であってもよい。
なお、本実施形態では、外装材の重量等で固定度を生じさせている。しかし、外装材以外、例えば、テンション材等を別途設けて固定度を生じさせてもよい。
<第六実施形態>
本発明の第六実施形態の塔状建物について説明する。
[構造]
図18に示すように、第六実施形態の塔状建物600は、全体形状が円柱形状のタワーとされている。また、本実施形態の塔状建物600は、心柱を有していないが、心柱を有していてもよい。
塔状建物600は、軸力が伝達される第一螺旋状柱610及び第二螺旋状柱620が180°回転され、二重螺旋状に外周部602に配置されている。なお、図では第二螺旋状柱620は、第一螺旋状柱610と区別し易いように鎖線で図示している。
これら第一螺旋状柱610及び第二螺旋状柱620に図示していないガラス等の外装材が設けられている。
また、これら第一螺旋状柱610及び第二螺旋状柱620は、鉛直方向に圧縮力されている。圧縮する方法は、どのような方法であってもよい。なお、図示していない外装材及び自重で圧縮力がかかる。
図19に示すように、第一螺旋状柱610と第二螺旋状柱620とは、引張材630で連結されることで、一体化されている。図17の矢印Kは引張方向を表している。また、図18では図が煩雑になるので、引張材630の図示を省略している。
[作用及び効果]
軸力が伝達される第一螺旋状柱610及び第二螺旋状柱620を外周部602に設けることで、外周部602の剛性が向上し、塔状建物600の耐震性能が向上する。
第一螺旋状柱610及び第二螺旋状柱620は、鉛直方向に圧縮されていると共に、互いに引っ張り合う引張材630で繋がれている。よって、二つの第一螺旋状柱610及び第二螺旋状柱620は一体化され、安定した構造体(骨格部材)となる。
より詳しく説明すると、第一螺旋状柱610及び第二螺旋状柱620は、ばね形状であるため、それぞれ単独では座屈に弱く不安定である。そこで第一螺旋状柱610及び第二螺旋状柱620を180°回転し二重螺旋状に配置し、お互いがお互いを引っ張るように引張材630で繋ぐことで、互いに拘束されることで、安定した構造体(骨格部材)となる。
また、引張材630で繋ぐ際、第一螺旋状柱610及び第二螺旋状柱620に予め圧縮力をかけることで、バネが元に戻ろうとする力と引張材630とが吊りあい、バネ形状特有の上下方向の不安定な動きが拘束される。つまり、第一螺旋状柱610及び第二螺旋状柱620が有するバネ的な性質を利用しながら、安定した構造体(骨格部材)を生み出すことができる。
第一螺旋状柱610及び第二螺旋状柱620が持つバネ形状の性質をそのまま生かすことができるため、間柱やブレース等の鉛直材を付加する必要がなく、意匠的にも螺旋形状をそのまま表現した建物の構築が可能となる。
[その他]
本実施形態では、塔状建物600は、全体形状が円柱形状であったが、これに限定されない。例えば、全体形状が円錐形状や円錐台形状であってもよい。
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
上記実施形態の塔状建物の外周部に配置された軸力を伝達する骨格部材は、鉄骨製であるが、コンクリートや木でもよい。また、必要に応じてプレストレスを加えてもよい。
また、上記実施形態の骨格部材には、外装材が設けられているが、外装材がない、或いは一部のみ外装材を設けてもよい。
本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
100 塔状建物
102 外周部
110A 二重螺旋部材(骨格部材の一例)
110B 二重螺旋部材(骨格部材の一例)
110C 二重螺旋部材(骨格部材の一例)
130 梁
200 塔状建物
202 外周部
210 螺旋状部材(骨格部材の一例)
300 塔状建物
302 外周部
310 トラス螺旋部材(骨格部材の一例)
330 対螺旋部材(骨格部材の一例)
400 塔状建物
402 外周部
410 第一螺旋部材(骨格部材の一例)
420 第二螺旋部材(骨格部材の一例)
500 塔状建物
502 外周部
510 骨格部材(骨格部材の一例)
600 塔状建物
602 外周部
610 第一螺旋状柱(骨格部材の一例)
620 第二螺旋状柱(骨格部材の一例)

Claims (4)

  1. 軸力が伝達される骨格部材が外周部に螺旋状に配置され、
    前記骨格部材は、互いに逆方向に巻かれた対を成す螺旋部材を有している、
    塔状建物。
  2. 前記対を成す螺旋部材は、三以上設けられると共に、前記対を成す螺旋部材同士が接合された交点間に梁が架設されている請求項1に記載の塔状建物。
  3. 前記外周部が双曲面構造とされた請求項1に記載の塔状建物。
  4. 前記骨格部材は、フィーレンディールトラス構造のトラス螺旋部材を有している、
    請求項1又は請求項3に記載の塔状建物。
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