JP6829047B2 - 無端ベルト - Google Patents

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Description

本発明は、無端ベルトに関する。
従来、電子写真方式の複写機、プリンター、印刷機等の電子写真機器が知られている。これらの電子写真機器には、例えば、中間転写ベルト、定着ベルト、搬送ベルト等の無端ベルトが組み込まれている。この種の無端ベルトは、筒状の基層を有している。基層には、導電性を付与する目的で、導電剤が添加される。導電剤としては、カーボンブラック等の電子導電剤や第四級アンモニウム塩等のイオン導電剤が公知である。
なお、先行する特許文献1には、熱可塑樹脂に対し、2種類の粒子径の異なるカーボンブラック(CB)を併用し、樹脂内の電子導電性を安定化させることを目的とする転写材の搬送に用いるエンドレスベルトが開示されている。
また、先行する特許文献2には、少なくともビニリデンジフロライドの構造を有する熱可塑性樹脂および導電性フィラーを含み、かつ、ワックス材料およびイオン導電性材料からなる導電性重合体材料からなる群から選ばれた材料を平滑表面に含有する中間転写ベルトが開示されている。
特許4764052号公報 特開2016−126063号公報
しかしながら、従来技術は、以下の点で課題がある。すなわち、電子写真機器に用いられる無端ベルトは、張力が掛かった状態で回転したり、他部材と干渉したりする等、高荷重の外力を受ける。そのため、無端ベルトの基層には、上記のような外力に耐えうる強度が求められ、一般的に、硬いポリマー材料が使用されることが多い。しかし、硬いポリマー材料中では、イオンの移動が起こり難いため、イオン導電剤を使用することが困難であり、通常、電子導電剤が添加される。ところが、硬いポリマー材料に電子導電剤を添加してなる基層では、長期にわたって負荷される外力による変形によって、電子導電剤からなる電子導電経路の破壊やポリマーの微視的な破壊等が生じる。その結果、当該破壊部位で電気特性が変化し、電子写真機器の長期使用時に画像不具合が生じやすくなる。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、長期にわたって基層の電気特性を安定化させることが可能な無端ベルトを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、電子写真機器用の無端ベルトであって、
筒状の基層を有しており、
上記基層は、基層ポリマーとイオン導電性重合体と電子導電性フィラーとを含むとともに、基層外周面側に上記イオン導電性重合体が偏在しており、
上記イオン導電性重合体は、カチオン部位とアニオン部位とを備える有機化合物で変性された変性モノマーまたは変性オリゴマーに由来する重合単位を有しており
上記基層内部には、上記電子導電性フィラーが連続化した電子導電経路が形成されている、無端ベルトにある。
上記無端ベルトは、上記構成を有している。そのため、上記無端ベルトは、基層ポリマーの材質に関わらず、イオン導電性重合体によって基層外周面側の硬度を基層内部よりも小さくすることができる。また、上記無端ベルトは、硬度の小さい基層外周面側では、イオン導電性重合体によるイオン導電を発現させることができる。そのため、上記無端ベルトは、長期にわたって外力がかかった状態で使用された場合でも、基層外周面側の表面抵抗を安定化させることができる。それ故、上記無端ベルトは、長期にわたって基層の電気特性を安定化させることが可能となる。したがって、上記無端ベルトを電子写真機器に組み込むことにより、外力によるベルト変形に起因する画像不具合を抑制しやすい電子写真機器を得ることが可能となる。
実施例1の無端ベルトを模式的に示した説明図である。 図1のII−II断面図である。 図2のII−II断面図の一部を拡大して模式的に示した説明図である。
上記無端ベルト(シームレスベルト)は、電子写真機器に用いられる。電子写真機器としては、具体的には、帯電像を用いる電子写真方式の複写機、プリンター、ファクシミリ、複合機、オンデマンド印刷機等の画像形成装置を例示することができる。
上記無端ベルトは、具体的には、例えば、中間転写ベルトとして用いることができる。なお、中間転写ベルトは、潜像担持体に担持されたトナー像をベルト表面に一次転写させた後、このトナー像をベルト表面から紙等の印字媒体へ二次転写させるために、画像形成装置に組み込まれる無端ベルトである。この場合には、長期にわたって基層の電気特性を安定化させることができるため、トナーの転写性が変わり難く、耐久時でもトナー転写不良による画像不具合が生じ難い中間転写ベルトが得られる。
上記無端ベルトは、具体的には、例えば、定着ベルトとして用いることもできる。なお、定着ベルトは、転写材(紙)に転写されたトナーを加熱により溶融固着させて画像を形成するために用いられる無端ベルトである。この場合には、長期にわたって基層の電気特性を安定化させることができるため、耐久時でもトナー溶融固着時の定着不良による画像不具合が生じ難い定着ベルトが得られる。
上記無端ベルトは、具体的には、例えば、搬送ベルトとして用いることもできる。なお、搬送ベルトは、ベルト上に紙を直接設置、搬送し、各色感光ドラムより直接紙にトナーを転写させるために用いられる無端ベルトである。この場合には、長期にわたって基層の電気特性を安定化させることができるため、耐久時でもトナー転写不良による画像不具合が生じ難い搬送ベルトが得られる。
上記無端ベルトは、筒状の形状を備える基層を有している。基層は、基層ポリマーとイオン導電性重合体とを含んでいる。基層ポリマーは、基層を形づくるポリマーである。基層ポリマーとしては、例えば、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、アクリル樹脂などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。基層ポリマーとしては、好ましくは、ポリアミドイミドまたはポリイミドであるとよい。この構成によれば、基層の高弾性率化により基層硬度が高まり、高荷重の外力に耐えうるベルト強度を確保しやすい上、イオン導電性重合体による基層の電気特性の安定化を図ることが可能な無端ベルトが得られる。
イオン導電性重合体は、カチオン部位とアニオン部位とを備える有機化合物で変性された変性モノマーまたは変性オリゴマーに由来する重合単位(以下、これを「第1重合単位」ということがある。)を有する重合体である。
イオン導電性重合体において、カチオン部位としては、具体的には、例えば、第四級アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピリダジニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、チアゾリウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジウムカチオン、トリアゾリウムカチオン、ピリダジニウムカチオン、スルホニウムカチオンなどを例示することができる。また、アニオン部位としては、具体的には、例えば、塩素アニオン、過塩素酸アニオン、硫酸アニオン、重炭素アニオン、臭素アニオン、チオシアン酸アニオン、ビス(フルオロアルカンスルホニル)イミドアニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、テトラフルオロホウ酸アニオン、ヘキサフルオロリン酸アニオンなどを例示することができる。なお、上述した各カチオン部位と各アニオン部位とは任意に組み合わせることができる。また、イオン導電性重合体は、1または2以上の有機化合物によって変性されていてもよい。
イオン導電性重合体において、有機化合物は、第四級アンモニウム塩であるとよい。なお、第四級アンモニウム塩は、第四級アンモニウムカチオンからなるカチオン部位を備えている。この構成によれば、第四級アンモニウム塩は水素部分のアルキル等への変性が容易であるなどの理由により、基層ポリマーとの相溶性を変化させ、基層外周面へのイオン導電性重合体の配向性を調節しやすい利点がある。第四級アンモニウムカチオンとしては、より具体的には、例えば、下記式1にて示されるカチオンなどを例示することができる。
Figure 0006829047
但し、上記式1において、R1は、H、または、CH、Xは、NH、または、O、または、OR’NHCOO(R’は炭素数1〜10のアルキル基、アラルキル基、または、アリール基)、R2は、炭素数1〜10のアルキル基、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基等)、または、アリール基(例えば、フェニル基等)、R3、R4、R5は、いずれも、炭素数1〜10のアルキル基、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基等)、または、アリール基(例えば、フェニル基等)である。
イオン導電性重合体において、変性モノマー、変性オリゴマーは、アクリル基、メタクリル基などの官能基を1種または2種以上有している構成とすることができる。この構成によれば、イオン導電性重合体によって基層外周面側の硬度を基層内部よりも小さくしやすくなる。そのため、この構成によれば、イオン導電性重合体によるイオン導電を発現させやすくなり、基層外周面側の表面抵抗の安定化を図りやすくなる。また、この構成によれば、変性モノマー、変性オリゴマーが重合時の反応性に富むため、イオン導電性重合体を合成する際の重合自由度が向上する。なお、イオン導電性重合体は、重合時の反応性が良好であるなどの観点から、好ましくは、変性モノマーを好適に用いることができる。
イオン導電性重合体は、分子内にシリコーン基およびフッ素含有基の少なくとも1つを有する構成とすることができる。この構成によれば、基層ポリマーとの相溶性の調整をしやすくなるため、基層外周面側にイオン導電性重合体を偏在させやすい。また、イオン導電性重合体がシリコーン基を有する場合には、基層外周面を低摩擦化することができるので、基層外周面の滑り性を向上させることが可能になる。また、イオン導電性重合体がフッ素含有基を有する場合には、基層外周面のトナー離れ性を向上させることができるので、基層外周面の耐トナー付着性を向上させることが可能になる。
シリコーン基は、具体的には、例えば、ジメチルシロキサン単位の繰り返しから構成されるポリジメチルシロキサン骨格を含むことができる。この構成によれば、比較的簡易な分子構造のポリジメチルシロキサン骨格にてシリコーン基の分子量を大きくすることができるので、基層外周面の滑り性を向上させやすくなる。
フッ素含有基は、フッ素原子を含有する基をいい、−Fを含む。フッ素含有基は、具体的には、例えば、フルオロアルキル基、フルオロアルキルアルキレンオキシド基、フルオロアルケニル基、−Fなどから構成することができる。フッ素含有基としては、耐トナー付着性等の観点から、フルオロアルキル基を好適に用いることができる。フルオロアルキル基は、アルキル基の全ての水素原子がフッ素化されていてもよいし、一部にフッ素化されていない箇所を含んでいてもよい。前者は、全フッ素化であり、後者は、部分フッ素化である。特に好ましくは、フルオロアルキル基は、パーフルオロアルキル基であるとよい。パーフルオロアルキル基は構造的な安定性が高いので、トナーを寄せ付けたままとし難く、基層外周面の耐トナー付着性を向上させやすいからである。フルオロアルキル基としては、具体的には、例えば、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、トリフルオロブチル、ペンタフルオロプロピル、パーフルオロブチル、パーフルオロヘキシル、パーフルオロオクチル、パーフルオロデシル、パーフルオロ−3−メチルブチル、パーフルオロ−5−メチルヘキシル、パーフルオロ−7−メチルオクチル、オクタフルオロペンチル、ドデカフルオロヘプチル、ヘキサデカフルオロノニルなどを例示することができる。
なお、変性モノマー、変性オリゴマーは、有機化合物で変性される前のモノマー、オリゴマーが上述した各種の官能基を有していてもよいし、有機化合物が上述した各種の官能基を有していてもよい。
有機化合物で変性される前のモノマー、オリゴマーとしては、具体的には、例えば、アルキル基を有する(メタ)アクリレートなどを例示することができる。アルキル基を有する(メタ)アクリレートは、1種または2種以上のアルキル基を有することができる。この構成によれば、アルキル基を選択することで、イオン導電性重合体の分子量を調整しやすくなる。また、基層ポリマーとイオン導電性重合体との相溶性を調節しやすくなり、基層の製造時にイオン導電性重合体が基層外周面側に偏在した構成を得やすくなる。アルキル基としては、具体的には、例えば、樹脂同士の重合反応性などの観点から、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などを例示することができる。これらのうち、アルキル基としては、樹脂の分子運動性などの観点から、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が好ましい。なお、上記にいう(メタ)アクリレートは、アクリレート、メタクリレートの両方を包含する意味である。
イオン導電性重合体は、上述した第1重合単位による単独重合体であってもよいし、上述した第1重合単位以外にも、1または2以上の他の重合単位を分子内に含む共重合体であってもよい。後者の場合には、第1重合単位の構成に関わらず、他の重合単位によってイオン導電性重合体の分子量の調節、基層ポリマーとの相溶性の調節、基層外周面の滑り性や耐トナー付着性の調節などを実施しやすくなる。そのため、後者の場合には、上述した作用効果を確実なものとしつつ、基層の機能性向上等を図ることが可能となる。
他の重合単位としては、具体的には、例えば、以下の第2重合単位、第3重合単位などを例示することができる。これら重合単位は、必要に応じて第1重合単位と任意に組み合わせることができる。
第2重合単位は、具体的には、上述したシリコーン基を有する(メタ)アクリレートに由来する重合単位とすることができる。シリコーン基を有する(メタ)アクリレートは、1種または2種以上のシリコーン基を有することができる。この構成によれば、第1重合単位がシリコーン基を含まない場合でも、基層外周面の滑り性を確保しやすくなる。
第3重合単位は、具体的には、上述したフッ素含有基を有する(メタ)アクリレートに由来する重合単位とすることができる。フッ素含有基を有する(メタ)アクリレートは、1種または2種以上のフッ素含有基を有することができる。この構成によれば、第1重合単位がフッ素含有基を含まない場合でも、基層外周面における耐トナー付着性を確保しやすくなる。
イオン導電性重合体は、より具体的には、上述した第1重合単位と第2重合単位とを含む共重合体、第1重合単位と第3重合単位とを含む共重合体、第1重合単位と第2重合単位と第3重合単位とを含む共重合体などより構成することができる。
イオン導電性重合体は、第1重合単位におけるカチオン部位またはアニオン部位がイオンとなって移動することにより、イオン導電性を発現することができる。イオン導電性重合体は、アニオン部位がイオンとなって移動するカチオン性、カチオン部位がイオンとなって移動するアニオン性のいずれであってもよい。イオン導電性重合体がカチオン性である場合には、負に荷電されたトナーが電子写真機器で用いられる際に、トナーの荷電を低下させ難い。一方、イオン導電性重合体がアニオン性である場合には、正に荷電されたトナーが電子写真機器で用いられる際に、トナーの荷電を低下させ難い。上市されている電子写真機器では、負に荷電されたトナーが用いられることが多い。そのため、イオン導電性重合体がカチオン性である場合には、より幅広い電子写真機器に適用可能な無端ベルトが得られる。
イオン導電性重合体は、基層外周面側に偏在している。なお、上記にいう偏在とは、基層厚み方向中心部よりも、基層外周面側にイオン導電性重合体が相対的に多く存在する状態をいう。したがって、基層は、基層外周面側にイオン導電性重合体を含むイオン導電領域を有している。このイオン導電領域よりも内方は、基層ポリマーを主体とする基層本体部とすることができる。なお、基層本体部は、製造時に基層外周面側に偏在しなかったイオン導電性重合体を含んでいてもよい。基層は、具体的には、基層外周面側において基層外周面から基層内部に向かってイオン導電性重合体の存在割合が減少する傾斜構造を有することができる。また、基層は、他にも、イオン導電性重合体が基層外周面側に層状に存在していてもよい。基層が上記傾斜構造を有する場合には、イオン伝導性重合体の層を積層して基層を構成する場合に比べ、基層外周面側に偏在するイオン導電性重合体と基層ポリマーとの接着性に優れるなどの利点がある。なお、イオン導電性重合体が基層外周面側に偏在している状態は、例えば、基層外周面に対して垂直な断面をミクロトームなどにより薄切片化し、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いた観察とEDX(エネルギー分散型X線分光法)による元素分析を行うことや、垂直な断面についてTOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法)による分析等を実施することにより確認することができる。
基層は、基層ポリマー100質量部に対してイオン導電性重合体を0.05質量部以上5質量部以下含むことができる。この構成によれば、少量のイオン伝導性重合体で、基層外周面近傍のイオン伝導性を確保して電気特性の安定化を図ることができる。また、この構成によれば、イオン伝導性重合体の含有量が少量であるので、無端ベルトの低コスト化にも有利である。
イオン導電性重合体は、基層への添加による効果を確実なものとするなどの観点から、基層ポリマー100質量部に対して、好ましくは、0.1質量部以上、より好ましくは、0.2質量部以上とすることができる。イオン導電性重合体は、基材外周面への過度なブリードを抑制しやすくなり、相手部材を汚染しにくい、無端ベルトの低コスト化などの観点から、基層ポリマー100質量部に対して、好ましくは、5質量部以下、より好ましくは、3質量部以下、さらに好ましくは、3質量部未満、さらにより好ましくは、2.5質量部以下、さらにより一層好ましくは、2質量部以下、最も好ましくは、1.5質量部以下とすることができる。
基層は、さらに、導電性フィラーを含む構成とすることができる。この場合には、基層内部の導電性を確保することができる。また、基層の補強などの利点もある。なお、導電性フィラーは、基層内部の導電化を確実なものとするなどの観点から、上述した基層本体部に含まれることが好ましい。
上記導電性フィラーは具体的には、電子導電性フィラーである。この構成によれば、電子導電性フィラーが連続化(パーコレーション)した電子導電経路を基層内部に形成することができ、基層内部の導電化を図ることができる。そして、この場合、長期にわたって負荷される外力によって基層が変形し、微視的に電子導電経路が破壊された際でも、基層外周面側に偏在するイオン導電性重合体によるイオン導電性の発現によって導電性の安定化を図ることができる。基層外周面側に偏在するイオン導電性重合体と導電性フィラーとが導通状態とされている場合には、上記効果をより確実なものとすることができる。
電子導電性フィラーとしては、具体的には、例えば、炭素系フィラー、導電性の金属酸化物、金属ナノ粒子などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。炭素系フィラーとしては、具体的には、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、グラファイトなどを例示することができる。導電性の金属酸化物としては、例えば、チタン酸バリウム、c−TiO、c−ZnO、c−SnO(c−は導電性を意味する。)などを例示することができる。電子導電性フィラーとしては、電子導電性、基層ポリマーへの分散制御の容易性、コスト等の観点から、炭素系フィラーが好適である。これらは1種または2種以上併用することができる。
基層は、他にも、必要に応じて、難燃剤、架橋剤、レベリング剤、充填剤、酸化防止剤などの各種添加剤を1種または2種以上含むことができる。
上記無端ベルトは、基層外周面にて測定されるマルテンス硬度比A/Bが1未満である構成とすることができる。上記マルテンス硬度比A/Bは、以下のようにして測定される。
微小硬度計(フィッシャー・インストルメンツ社製、「FISCHERSCOPE H100C」、ビッカース圧子使用)を用い、25℃で、基層外周面に100mNの荷重を10秒でかけ、その後、10秒のクリープを行い除荷する。その際の荷重値10mN、100mNの時点における変位と荷重との関係より、各々の時点でのマルテンス硬度(N/mm)を算出する。上記10mNの荷重値におけるマルテンス硬度をA、上記100mNの荷重値におけるマルテンス硬度をBとし、マルテンス硬度比A/Bを算出する。なお、マルテンス硬度Aは、主に基層外周面の近傍(イオン導電領域)における硬度を示す物性値、マルテンス硬度Bは、主に基層内部(基層本体部)における硬度を示す物性値である。
上記構成によれば、基層外周面側に、基層本体部よりも硬度の小さいイオン導電領域が存在することが確実なものとなる。そのため、上記構成によれば、硬度の小さい基層外周面側でのイオン導電性重合体によるイオン導電を確実なものとすることができる。
マルテンス硬度比A/Bは、基層の電気特性の安定化等の観点から、好ましくは、0.9以下、より好ましくは、0.8以下、さらにより好ましくは、0.7以下とすることができる。なお、マルテンス硬度比A/Bは、好ましくは、基層外周面の摩耗耐久性等の観点から、好ましくは、0.4以上とすることができる。
上記無端ベルトは、基層単層より構成することができる。上記無端ベルトは、他にも、基層の外周にゴム弾性層、発熱層、表層などが必要に応じて単独または組み合わせて積層された構成を有していてもよい。
なお、上述した各構成は、上述した各作用効果等を得るなどのために必要に応じて任意に組み合わせることができる。
以下、実施例の無端ベルトについて、図面を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
図1〜図3に示されるように、本例の無端ベルト1は、電子写真機器に用いられる。本例では、無端ベルト1は、電子写真方式の画像形成装置に中間転写ベルトとして組み込まれて使用される。
無端ベルト1は、筒状の基層10を有している。基層10は、基層ポリマー101とイオン導電性重合体102とを含むとともに、基層外周面側にイオン導電性重合体102が偏在している。イオン導電性重合体102は、カチオン部位とアニオン部位とを備える有機化合物で変性された変性モノマーまたは変性オリゴマーに由来する重合単位を有している。なお、図2では、基層10の詳細な構成が省略されている。また、図3では、基層10に導電性フィラー103が含まれる例が示されている。
以下、異なる構成を有する無端ベルトの試料を複数作製し、評価を行った。その実験例について説明する。
(実験例)
<基層ポリマー>
基層形成用塗液に用いる基層ポリマー含有液として、以下のものを準備した。
・ポリアミドイミド(PAI)含有液
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(東京化成工業社製、試薬)、トリジンジイソシアネート(TODI)(東京化成工業社製、試薬)、トリメリット酸無水物(無水トリメリット酸、TMA)(東京化成工業社製、試薬)を準備した。次いで、撹拌機、窒素導入管、温度計、冷却管を備えた反応容器に、質量比で、MDI:TODI:TMA=7:68:55の比率で、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に固形分26%となるように仕込み、窒素気流下、撹拌しながら1時間かけて160℃まで昇温し、そのまま160℃で約10時間反応させた後反応を停止した。これにより、PAI含有液(固形分26質量%)を調製した。
・ポリカーボネート(PC)含有液
ポリカーボネート(PC)(三菱ガス化学社製、「ユーピロンS3000」)をNMPにて固形分15%となるように希釈し、塗料化した。これにより、PC含有液を調製した。
・ポリエーテルサルフォン(PES)含有液
ポリエーテルサルフォン(PES)(住友化学社製、「スミカエクセルPES 4100G」)をNMPにて固形分が15質量%となるように希釈し、塗料化した。これにより、PES含有液を調製した。
・ポリイミド(PI)含有液
ポリイミドワニス(宇部興産社製、「ユピアAT」)をそのままPI含有液とした。なお、PI含有液は、溶剤がNMPであり、固形分が18質量%である。
・ポリアリレート(PAR)含有液
ポリアリレート(PAR)(ユニチカ社製、「Uポリマー U100」)をNMPにて固形分が15質量%となるように希釈し、塗料化した。これにより、PAR含有液を調製した。
・アクリル樹脂含有液
アクリル樹脂ワニス(根上工業社製、「パラクロン プレコート200」)をそのままアクリル樹脂含有液とした。なお、アクリル樹脂含有液は、溶剤がメチルイソブチルケトン(MIBK)であり、固形分が20質量%である。
<イオン導電性重合体>
各イオン導電性重合体を以下のようにして準備した。
・イオン導電性重合体A〜C
イオン導電性重合体A〜Cを合成するための材料として、以下のものを準備した。
・・メタクリル酸ブチル(東京化成工業社製)
・・第四級アンモニウム塩((3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロライド)(東京化成工業社製)
・・アクリレート変性シリコーンオイル(信越化学工業社製、「X−22−174DX」)
・・2−パーフルオロヘキシルエチルアクリレート(ダイキン化成販売社製、「R−1620」)
・・ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート(和光純薬工業社製、「VE−73」)
100mLの反応フラスコを用い、以下の表1に示される所定の配合割合にて、上記の各材料と、全体固形分が55%となる量の合成用溶媒(MEK)とを仕込み、撹拌しながら5分間窒素によるバブリングを行った後、内液の温度80℃にて7時間重合させた。次いで、表1に示される所定量の最終希釈用溶媒(MEK)を加えることにより、固形分で30%の各イオン導電性重合体A〜Cをそれぞれ含有する各溶液A〜Cを得た。
得られたイオン導電性重合体A〜Cは、いずれも、第四級アンモニウム塩で変性された変性モノマー(変性前モノマーはメタクリル酸ブチル)に由来する第1重合単位を有している。また、イオン導電性重合体Aは、フッ素含有基を有する(メタ)アクリレートに由来する第2重合単位を有することで、分子内にフッ素含有基を有している。また、イオン導電性重合体Bは、シリコーン基を有する(メタ)アクリレートに由来する第3重合単位を有することで、分子内にシリコーン基を有している。また、イオン導電性重合体Cは、分子内にシリコーン基およびフッ素含有基のいずれも有していない。また、イオン導電性重合体A〜Cは、いずれも、カチオン性である。
Figure 0006829047
・イオン導電性重合体D(三菱化学社製、「サフトマーST2000H」)
イオン導電性重合体Dは、カチオン性のアクリル樹脂である。
・イオン導電性重合体E(三菱化学社製、「サフトマーST1000」)
イオン導電性重合体Eは、両性のアクリル樹脂である。
<導電性フィラー>
導電性フィラーとして、以下のものを準備した。
・カーボンブラック(昭和キャボット社製、「シュブラックN220」)
<その他>
比較のため、以下の添加物を準備した。
・メタクリル酸ブチル(東京化成工業社製)
・第四級アンモニウム塩((3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロライド)(東京化成工業社製)
<基層形成用塗液の調製>
表2に示されるように、上記にて準備した所定の基層ポリマー含有液に、必要に応じて導電性フィラーを所定質量部配合し、常温(25℃)で羽根撹拌にて混合した後、ボールミルを用いて分散させた。なお、分散時の固形分は、基層ポリマー含有液における初期固形分になるよう調製した。その後、各分散液に、表2に示される所定のイオン導電性重合体を所定質量部配合し、羽根撹拌にて混合した。以上により、試料1〜試料13の無端ベルトの作製に用いる各基層形成用塗液を調製した。
また、試料1〜試料13の無端ベルトの作製に用いる各基層形成用塗液の調製において、イオン導電性重合体を配合しなかった点以外は同様にして、試料1Cに用いる基層形成用塗液を調製した。
また、試料1〜試料13の無端ベルトの作製に用いる各基層形成用塗液の調製において、イオン導電性重合体に代えて第四級アンモニウム塩を配合した点以外は同様にして、試料2Cに用いる基層形成用塗液を調製した。
また、試料1〜試料13の無端ベルトの作製に用いる各基層形成用塗液の調製において、イオン導電性重合体に代えてアクリル樹脂および第四級アンモニウム塩を配合した点以外は同様にして、試料3Cに用いる基層形成用塗液を調製した。
また、試料1〜試料13の無端ベルトの作製に用いる各基層形成用塗液の調製において、イオン導電性重合体に代えて第四級アンモニウム塩を配合した点、導電性フィラーを配合しなかった点以外は同様にして、試料4Cに用いる基層形成用塗液を調製した。
また、試料1〜試料13の無端ベルトの作製に用いる各基層形成用塗液の調製において、イオン導電性重合体を配合しなかった点、導電性フィラーを配合しなかった点以外は同様にして、試料5Cに用いる基層形成用塗液を調製した。
<無端ベルトの作製>
上記調製した基層形成用塗液を、円筒状金型の外周面にスプレーコート法により塗工した後、基層形成用塗液に含まる基層ポリマーの種類に応じた所定の加熱処理を行うことにより、筒状の基層を形成した。
基層ポリマーがポリアミドイミド(PAI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルサルフォン(PES)、および、ポリアリレート(PAR)の場合には、上記加熱処理は、常温(25℃)〜250℃まで2時間かけて昇温させ、250℃で1時間保持するという条件にて実施した。基層ポリマーがポリイミド(PI)の場合には、上記加熱処理は、常温(25℃)〜350℃まで2時間かけて昇温させ、350℃で1時間保持するという条件にて実施した。基層ポリマーがアクリル樹脂の場合には、上記加熱処理は、常温(25℃)〜150℃まで2時間かけて昇温させ、150℃で1時間保持するという条件にて実施した。
以上により、基層単層(厚み80μm)より構成される試料1〜試料13、試料1C〜試料5Cの無端ベルトを作製した。
得られた試料1〜試料13、試料2C〜4Cの無端ベルトにおける基層外周面に対して垂直な断面について、TEM観察、EDX、および、断面からTOF−SIMSによる分析を実施した。その結果、試料1〜試料13では、基層外周面側にイオン導電性重合体が偏在していることが確認された。これは、基層形成用塗液中に添加したイオン導電性重合体が、加熱処理時における基層形成用塗液の乾燥時に自然に基層外周面側へ出てきたためである。一方、試料2C〜試料4Cでは、添加されたイオン導電剤(第四級アンモニウム塩)が基層全体に均一に分散していた。また、試料3Cでは、添加されたアクリル樹脂が基層全体に分散していた。
<マルテンス硬度比A/B>
上述した測定方法に従い、各無端ベルトについて基層外周面におけるマルテンス硬度比A/Bを測定した。
<基層外周面側における表面抵抗の測定>
JIS−K6911に準拠し、電気抵抗率計(測定レンジ10〜1013Ω)(三菱化学アナリテック社製、「ハイレスタ−UP」)を用いて、各無端ベルトに印加電圧500Vを印加したときの基層外周面の表面抵抗率(Ω/□)を測定した。
<基層外周面側における初期表面残留電位および耐久表面残留電位の測定>
直径20mmの金属ロールに切り出した無端ベルトを貼り付け、23℃×53%RHの環境下、回転数10rpmで周方向に回転させた状態で、コロトロンを用い(直流電源使用)、コロトロンの芯部とベルト表面との距離を10mmとして100μA(定電流)のコロナ電流を印加してベルト表面を帯電させた。次いで、当該帯電位置から回転方向に90度回転した位置において表面電位計のプローブとベルト表面との距離を1mmとしてベルト表面の表面電位を金属ロール軸方向の中央部にて1点測定した。これを、ベルト表面の表面残留電位とした。これらの測定を初期および後述の耐久画像評価後で実施した。その際の表面残留電位の値が、300V未満をA、300V以上450V未満をB、450V以上をCとした。なお、初期表面残留電位が「AまたはB」、かつ、耐久表面残留電位が「AまたはB」であったときに、長期にわたって基層の電気特性を安定化させることができていると判断した。それ以外のときに、長期にわたって基層の電気特性を安定化させることができていないと判断した。なお、基層外周面側における表面抵抗の測定以外に本評価を実施したのは、基層外周面側へのイオン導電性重合体の偏在による基層外周面部分の抵抗低下の効果を確認するためである。
<耐久画像評価>
各無端ベルトを、電子写真方式の市販のマルチファンクションプリンタ(富士ゼロックス社製、「DocuCentre−IV C2260」)の中間転写ベルトとして組み込み、23.5℃×52%RHの環境下にて、カラー画像を1万枚印刷後に3日間放置するという工程を合計5万枚まで繰り返した。上記5万枚の印刷後、画像に、画像抜け、スジ(白、黒)等の画像不具合が見られなかった場合を「A」、画像不具合が見られた場合を「C」とした。
以下、各無端ベルト試料の詳細な構成と評価結果を表2、表3にまとめて示す。
Figure 0006829047
Figure 0006829047
表1〜表3によれば、以下のことがわかる。試料5Cの無端ベルトは、基層の表面抵抗が高く、基層外周面において電荷の制御をすることが困難である。そのため、試料5Cの無端ベルトは、電子写真機器用の無端ベルトとして不適である。
試料1Cの無端ベルトは、電子導電性のカーボンブラックを含有している。しかし、試料1Cは、耐久時に基層の電気特性を安定化させることができず、耐久画像評価で画像不具合が生じた。これは、長期にわたって負荷される外力による変形によってカーボンブラックによる電子導電経路の破壊やポリマーの微視的な破壊等が生じたことが原因であると考えられる。
試料4Cの無端ベルトは、イオン導電剤として第四級アンモニウム塩を含有している。しかし、試料4Cは、耐久時に基層の電気特性を安定化させることができず、耐久画像評価で画像不具合が生じた。これは、用いた基層ポリマーの弾性率が2000MPa以上と硬いため、基層ポリマー中に分散している第四級アンモニウム塩によるイオンが基層中で移動し難かったためである。
また、試料2C、試料3Cの無端ベルトは、基層中に電子導電性のカーボンブラックとイオン導電性の第四級アンモニウム塩とを含有している。しかしながら、このような構成を採用しても、耐久時に基層の電気特性を安定化させることができす、耐久画像評価で画像不具合が生じた。
これらに対し、試料1〜試料13の無端ベルトでは、基層は、基層ポリマーとイオン導電性重合体とを含むとともに、基層外周面側にイオン導電性重合体が偏在している。そして、イオン導電性重合体は、カチオン部位とアニオン部位とを備える有機化合物で変性された変性モノマーに由来する重合単位を有している。
そのため、試料1〜試料13の無端ベルトは、基層ポリマーの材質に関わらず、イオン導電性重合体によって基層外周面側の硬度を基層内部よりも小さくすることができる。また、上記無端ベルトは、硬度の小さい基層外周面側では、イオン導電性重合体によるイオン導電を発現させることができる。そのため、上記無端ベルトは、長期にわたって外力がかかった状態で使用された場合でも、基層外周面側の表面抵抗を安定化させることができた。それ故、上記無端ベルトは、長期にわたって基層の電気特性を安定化させることができることが確認できた。また、上記無端ベルトを電子写真機器に組み込むことにより、外力によるベルト変形に起因する画像不具合を抑制しやすい電子写真機器を得ることができることも確認できた。
以上、本発明の実施例、実験例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例、実験例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記実験例では、イオン導電性重合体が特定の変性モノマーに由来する重合単位を有している例が示されているが、イオン導電性重合体は、特定の変性オリゴマーに由来する重合単位を有していてもよい。
1 無端ベルト
10 基層
101 基層ポリマー
102 イオン導電性重合体

Claims (7)

  1. 電子写真機器用の無端ベルトであって、
    筒状の基層を有しており、
    上記基層は、基層ポリマーとイオン導電性重合体と電子導電性フィラーとを含むとともに、基層外周面側に上記イオン導電性重合体が偏在しており、
    上記イオン導電性重合体は、カチオン部位とアニオン部位とを備える有機化合物で変性された変性モノマーまたは変性オリゴマーに由来する重合単位を有しており
    上記基層内部には、上記電子導電性フィラーが連続化した電子導電経路が形成されている、無端ベルト。
  2. 上記基層ポリマーは、ポリアミドイミドである、請求項1に記載の無端ベルト。
  3. 上記変性モノマー、上記変性オリゴマーは、アクリル基およびメタクリル基の少なくとも1つを有している、請求項1または2に記載の無端ベルト。
  4. 上記基層は、上記基層ポリマー100質量部に対して上記イオン導電性重合体を0.05質量部以上5質量部以下含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の無端ベルト。
  5. 上記イオン導電性重合体は、カチオン性である、請求項1〜のいずれか1項に記載の無端ベルト。
  6. 上記有機化合物は、第四級アンモニウム塩である、請求項1〜のいずれか1項に記載の無端ベルト。
  7. 上記イオン導電性重合体は、分子内にシリコーン基およびフッ素含有基の少なくとも1つを有している、請求項1〜のいずれか1項に記載の無端ベルト。
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