以下、実施形態の病院情報システム500について、添付図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、病院情報システム500の概略の構成の一例を示した概略構成図である。
図1に示すように、病院情報システム500は、電子カルテオーダシステム1、医事会計システム4およびネットワークN1を備えている。電子カルテオーダシステム1は、電子カルテオーダサーバ2、電子カルテオーダ入力装置3およびネットワークN2を備えている。
なお、電子カルテオーダサーバ2は、単数であっても複数であってもよく、また、電子カルテオーダ入力装置3は、複数の診察室などのそれぞれに設けられる複数の端末によって構成される。また、ネットワークN2は、単数または複数の電子カルテオーダサーバ2と、複数の端末で構成される電子カルテオーダ入力装置3とを接続する。
電子カルテオーダサーバ2は、各種マスタや各種の情報を格納するデータベース20、算定情報取得機能21およびオーダ情報通知機能22を備えている。
データベース20は、指導項目マスタ201、指導算定マスタ202、指導オーダマスタ203、指導記載マスタ204、指導病名マスタ205、患者オーダ情報206、患者カルテ情報207および患者病名情報208などを格納している。データベース20は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びHDD(Hard Disk Drive)等を含む記憶装置によってデータベースとして構成されている。
最初に、指導項目マスタ201、指導算定マスタ202、指導オーダマスタ203、指導記載マスタ204および指導病名マスタ205について説明する。
指導項目マスタ201は、指導項目の名称(以下、これを指導項目名、または単に指導項目という。)、オーダコード、テンプレートコード、各種の情報等を指導項目コードで管理する。
図2は、電子カルテオーダサーバ2がデータベース20に格納している指導項目マスタ201の一例を示したマスタテーブルである。
図2に示すように、指導項目マスタ201は、指導項目コード、指導項目名、オーダコード、テンプレートコードおよび情報の欄を有している。また、指導項目コードには、「S001」、「S002」、「S003」などが記録されている。
指導項目コードの「S001」は、指導項目がインスリン自己注射指導に関するものであり、オーダコードには「O009」、テンプレートコードには「T002」、情報には、インスリン自己注射指導に関する情報、例えば、定義や注意書きなどの説明文が記録されている。なお、オーダコードは、インスリン自己注射指導に割り当てられた識別子であり、テンプレートコードは、インスリン自己注射指導に対応するテンプレートの識別子である。
ここで、オーダコードは、本明細書では、医師が患者や患者家族などに、例えば、薬の飲み方、日常生活の注意点、手当などの方法を説明する指導オーダのコードを意味するが、これらの指導を医事会計として算定する際は、この指導オーダを医事会計システム4に送信して、算定用オーダとしても使用する。
また、テンプレートコードは、本明細書では、医師が患者に指導する際、指導項目に対応する指導内容を明示したテンプレートのコードを意味するものである。テンプレートコードは、指導項目名ごとに割り当てることができ、例えば、1つの指導項目名について、複数のテンプレートを備えることにより、それぞれにテンプレートコードを割り当てて、医師の選択により、任意に所定のテンプレートを使用することができる。
指導項目コードの「S002」は、指導項目がギプス指導に関するものであり、オーダコードには「O001」、テンプレートコードは空欄、情報には、ギプス指導に関する情報、例えば、ギプス指導とは何か、が記録されている。
指導項目コードの「S003」は、指導項目が呼吸器指導に関するものであり、オーダコードには「O002」、テンプレートコードには「T001」、情報には、呼吸器指導に関する情報、例えば、留意点が記録されている。
次に、指導算定マスタ202は、指導項目コードと医事算定コードの対応を示したものであり、算定頻度が管理されている。
図3は、電子カルテオーダサーバ2がデータベース20に格納している指導算定マスタ202の一例を示したマスタテーブルである。
図3に示すように、指導算定マスタ202は、指導項目コード、医事算定コード、算定頻度の欄を有している。また、指導項目コードには、「S001」、「S002」、「S003」などが記録されている。
指導項目コードの「S001」には、医事算定コードの欄においてインスリン指導を示す「C101」が記録されており、算定頻度の欄には、毎回算定することを示す「毎回」が記録されている。なお、算定頻度は、文字列ではなく、コード化されて記録されていてもよい。
指導項目コードの「S002」には、医事算定コードの欄においてギプス指導を示す「C200」が記録されており、算定頻度の欄には、月に1度算定することを示す「月1回」が記録されている。
指導項目コードの「S003」には、医事算定コードの欄において呼吸指導を示す「C009」が記録されており、算定頻度の欄には、初診月を除き、月に1度算定することを示す「初診月を除く、月1回」が記録されている。
次に、指導オーダマスタ203は、指導項目コードとオーダコードの対応を示したものであり、指導頻度が管理されている。
図4は、電子カルテオーダサーバ2がデータベース20に格納している指導オーダマスタ203の一例を示したマスタテーブルである。
図4に示すように、指導オーダマスタ203は、指導項目コード、オーダコード、指導頻度の欄を有している。また、指導項目コードには、「S001」、「S002」、「S003」、「S004」などが記録されている。
指導項目コードの「S001」には、オーダコードの欄においてインスリン指導を示す「O009」が記載されており、指導頻度の欄には、月に1度指導することを示す「月1回」が記録されている。
指導項目コードの「S002」には、オーダコードの欄においてギプス指導を示す「O001」が記録されており、指導頻度の欄には、毎回指導することを示す「毎回」が記録されている。
指導項目コードの「S003」には、オーダコードの欄において呼吸器指導を示す「O002」が記録されており、指導頻度の欄には、週に1度指導することを示す「週1回」が記録されている。
指導項目コードの「S004」には、オーダコードの欄において「O010」が記載されており、指導頻度の欄には、毎回指導することを示す「毎回」が記録されている。
次に、指導記載マスタ204は、指導項目コードと、テンプレートコード、または指導実施を判定するためのキーワードとの対応を示したものであり、指導頻度が管理されている。
図5は、電子カルテオーダサーバ2がデータベース20に格納している指導記載マスタ204の一例を示したマスタテーブルである。
図5に示すように、指導記載マスタ204は、指導項目コード、テンプレートコード、キーワード、指導頻度の欄を有している。また、指導項目コードには、「S001」、「S002」、「S003」などが記録されている。ここで、指導項目コードが同一のものが記録されているが、これは、同一の指導項目に対応するものであって、複数の指導記載が可能であることを示している。例えば、ギプス指導でも、テンプレートを使用した指導や、カルテに文字を記録して直接書き込んで指導した場合などを想定している。さらに、テンプレートを使用してカルテを作成した場合には、所定の内容を指導したと判断できるため、キーワードの欄を空欄とすることもできる。
指導項目コードの「S001」には、テンプレートコードの欄においてインスリン指導のテンプレートを示す「T002」が記載されている。また、キーワードの欄には、「T002」のキーワードを示す「食事and指導」が記載され、指導頻度の欄には、月に1度指導することを示す「月1回」が記載されている。この場合、テンプレートコードが「T002」であるテンプレートを使用してカルテを作成した場合と、テンプレートを使用せず、直接書き込まれたカルテに「食事and指導」が記載されている場合に、患者に指導したと推定することができる。
指導項目コードの「S002」では、ギプス指導に関して、テンプレートコードを使用して患者に指導したことを推定するものと、患者への指導の際にテンプレートを使用せず、しかしカルテには所定のキーワードが記載されていることからそのキーワードによって患者に指導したことを推定するものとがある。
例えば、指導項目コードが「S002」であるギプス指導に関し、テンプレートコードの欄にテンプレートを示す「T003」が記載され、キーワードの欄は空欄となっており、指導頻度の欄には、週に1度指導することを示す「週1回」が記載されている項目がある。この項目では、指導項目名が「S002」により、ギプス指導に関するものであり、テンプレートコードの「T003」を使用した場合ではあるが、所定のキーワードは記載されておらず、「T003」のテンプレートに従った状態で、患者に指導したと推定することができる。
一方、テンプレートコードの欄が空欄になっており、キーワードの欄には、「清拭and伝え」か「荷重and計測」が記載されており、指導頻度の欄には、毎回指導することを示す「毎回」が記載されている項目がある。この項目では、指導項目名が「S002」により、ギプス指導に関するものであるが、ギプス指導に関するテンプレートは使用しておらず、カルテに「清拭と伝え」か「荷重と計測」が記載されている場合に、「ギプス指導」を指導したと推定することができる。
指導項目コードの「S003」には、テンプレートコードの欄において、呼吸器指導のテンプレートを示す「T001」が記載されており、また、キーワードの欄には、所定のキーワードを示す「運動方法」か「体位and説明」が記載され、指導頻度の欄には、毎週指導することを示す「毎週」が記載されている。この場合、テンプレートコードが「T001」であるテンプレートを使用してカルテを記載した場合と、テンプレートを使用せずに直接書き込まれたカルテに、「運動方法」か「体位and説明」が記載されている場合に、患者に指導したと推定することができる。
次に、指導病名マスタ205は、指導項目コードと病名コードまたは、指導項目コードと病名の対応を示したものであり、指導頻度が管理されている。
図6は、電子カルテオーダサーバ2がデータベース20に格納している指導病名マスタ205の一例を示したマスタテーブルである。
図6に示すように、指導病名マスタ205は、指導項目コード、病名コード、病名、指導頻度の欄を有している。また、指導項目コードには、「S001」、「S002」、「S003」などが記録されている。
指導項目コードの「S001」には、インスリン自己注射指導に関するものであり、病名コードが、「P001」、「P002」、「P003」が割り当てられている。例えば、病名コードの「P001」は、糖尿病合併妊娠という病名について、病名コードが割り当てられており、指導頻度の欄には、10日毎に指導することを示す「10日毎」が記載されている。病名コードの「P002」は、1型糖尿病という病名について、病名コードが割り当てられており、指導頻度の欄には、毎回指導することを示す「毎回」が記載されている。病名コードの「P003」は、糖尿病昏睡という病名について、病名コードが割り当てられており、指導頻度の欄には、週に1回指導することを示す「週1回」が記載されている。
指導項目コードの「S002」には、ギプス指導に関するものであって、例えば、「骨折」という病名について、「P680」の病名コードが割り当てられており、指導頻度の欄には、毎回指導することを示す「毎回」が記載されている。
指導項目コードの「S003」には、呼吸器指導に関するものであって、例えば、「気管支喘息」という病名について、「P111」の病名コードが割り当てられており、指導頻度の欄には、週に1回指導することを示す「週1回」が記載されている。
次に、患者オーダ情報206、患者カルテ情報207および患者病名情報208について説明する。
患者オーダ情報206は、患者への指導オーダの実施履歴情報(指導実績)について、患者単位で管理する情報管理テーブルである。
図7は、電子カルテオーダサーバ2がデータベース20に格納している患者オーダ情報206の一例を示した情報管理テーブルである。
図7に示すように、患者オーダ情報206は、患者ID、オーダコード、オーダ日時の欄を有している。ここで、患者オーダ情報206は、患者単位で管理することができるので、患者IDは不要ではあるが、他の患者IDに対する指導オーダも一覧し得るように複数の患者IDを管理してもよい。
患者オーダ情報206は、患者ID(Patient Identifier)として「1001」の患者について、過去の指導オーダの実績を示しており、例えば、オーダコードが「O010」の指導オーダを、2016年1月18日の10時00分に発行し、また、オーダコードが「O009」の指導オーダを、2016年2月15日の14時35分に発行し、そして、オーダコードが「O002」の指導オーダを、2016年4月12日の9時47分に発行したことを示している。
なお、患者オーダ情報206における指導オーダは、医師が患者に対して指導オーダを発行し、カルテ上において指導したと認定できるものを意味しており、医事会計に対する算定用オーダは含まないものとする。
また、オーダ日時では、指導オーダが発行された日時を取得するようになっているが、本実施形態は、日時に限定されるものではない。例えば、日付だけを取得するようにして、日付で判断してもよい。以下、本実施形態では、日付で処理する例を用いて説明するが、時間を含めた日時に関する情報で処理することもできる。
次に、患者カルテ情報207は、医師が患者への指導履歴として、例えば、テンプレートを使用して医師がカルテに記載したか、または、医師がカルテに文字を記録して、指導履歴を記載したかを示す情報管理テーブルである。
図8は、電子カルテオーダサーバ2がデータベース20に格納している患者カルテ情報207の一例を示した情報管理テーブルである。
図8に示すように、患者カルテ情報207は、患者ID、テンプレートコード、記載内容、記載日時の欄を有している。ここで、上記同様に、患者カルテ情報207は、患者単位で管理することができるので、患者IDは不要ではあるが、他の患者IDに対する記載内容も一覧し得るように複数の患者IDを表示させてもよい。
患者カルテ情報207は、患者IDとして「1001」の患者について、過去のカルテに記載された記載内容を示しており、例えば、テンプレートコードが「T002」のテンプレートを使用して、インスリン自己注射指導のため、2016年2月15日の14時35分に、低血糖症状の食事と指導を家族に伝達した旨が、カルテに記載されている。また、医師はテンプレートを使用せず、2016年3月10日の11時00分に、「荷重の測定と、患部の清拭方法を伝えた」旨が、カルテに記載されている。また、テンプレートコードが「T003」のテンプレートを使用して、ギプス指導のため、2016年4月12日の9時47分に、入浴時の注意事項を指導した旨が、カルテに記録されている。
患者カルテ情報207も患者オーダ情報206と同様に、記載日時では、カルテに記載された日時を取得するようになっているが、本実施形態は、日時に限定されるものではない。例えば、日付だけを取得するようにして、日付で判断してもよい。以下、本実施形態では、日付で処理する例を用いて説明するが、時間を含めた日時に関する情報で処理することもできる。
次に、患者病名情報208は、医師が患者を診療した際、患者の病名を診断した病名診断履歴を示す情報管理テーブルである。
図9は、電子カルテオーダサーバ2がデータベース20に格納している患者病名情報208の一例を示した情報管理テーブルである。
図9に示すように、患者病名情報208は、患者ID、病名コード、開始日、終了日の欄を有している。
患者病名情報208は、患者IDとして「1001」の患者について、診断された病名の履歴を示しており、例えば、病名コードが「P001」の糖尿病合併妊娠と診断され、2014年4月1日から治療を開始したが、2015年8月20日に、糖尿病合併妊娠の治療が終了したことを示している。また、患者IDが「1001」の患者は、病名コードが「P680」の骨折と2016年3月10に診断され、現在、治療中であることを示している。また、患者IDが「1001」の患者は、病名コードが「P111」の気管支喘息と2016年4月12に診断され、現在、治療中であることを示している。
電子カルテオーダサーバ2は、算定情報取得機能21と、オーダ情報通知機能22とを備えているが、これらの機能については、後述する。
次に、電子カルテオーダ入力装置3について説明する。
電子カルテオーダ入力装置3は、処理回路310、ネットワークインターフェース320、入力回路330、ディスプレイ340、記憶回路350およびデータベース30を備えている。
処理回路310は、プログラムをメモリ(記憶回路350)から読み出し、実行することにより、プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。具体的には、処理回路310(プロセッサ)は、読み出したプログラムを実行することによって、カルテオーダ入力機能31、指導項目判定機能32、指導項目表示機能33、指導結果入力機能34および指導オーダ発生機能35を実現する。
なお、指導項目判定機能32は、特許請求の範囲の取得部と判定部の具体例であり、指導項目表示機能33は、ディスプレイ340と協働し、特許請求の範囲の表示部の具体例である。
ここで、「プロセッサ」という文言は、例えば、専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)などの回路を意味する。
プロセッサは、メモリに保存された、もしくはプロセッサの回路内に直接組み込まれたプログラムを読み出し、実行することで各機能を実現する。プロセッサが複数設けられ場合、プログラムを記憶するメモリは、プロセッサごとに個別に設けられるものであっても構わないし、或いは、図1の記憶回路350が各プロセッサの機能に対応するプログラムを記憶するものであっても構わない。
電子カルテオーダ入力装置3のデータベース30は、テンプレートマスタ301、オーダマスタ302などを格納している。
テンプレートマスタ301は、医師がカルテを作成するためのテンプレートを、テンプレートの名称とその記載内容について、テンプレートコードで管理している。
図10は、電子カルテオーダ入力装置3がデータベース30に格納しているテンプレートマスタ301の一例を示したマスタテーブルである。
図10に示すように、テンプレートマスタ301は、テンプレートコード、テンプレート名称、内容の欄を有している。また、テンプレートコードには、「T001」、「T002」、「T003」などが記録されている。
テンプレートコードの「T001」は、医師が患者に対して、呼吸器指導を行うためのテンプレートであり、テンプレート名称は「呼吸指導」と記載され、このテンプレートの内容は、労作時、安静時、就寝時における呼吸指導に関する内容が記載されている。
テンプレートコードの「T002」は、医師が患者に対して、インスリン自己注射指導を行うためのテンプレートであり、テンプレート名称は「インスリン指導」と記載され、このテンプレートの内容は、食事、生活、低血糖に関する内容が記載されている。
追記
テンプレートコードの「T003」は、医師が患者に対して、ギプス指導を行うためのテンプレートであり、テンプレート名称は「ギプス指導」と記載され、このテンプレートの内容は、ギプスを着用しているときの食生活、入浴、スキンケアに関する内容が記載されている。
次に、オーダマスタ302は、医師が発行する指導オーダに該当するオーダコードと、オーダ名称と、医事算定するための医事算定コードとの関係を管理するマスタテーブルである。
図11は、電子カルテオーダ入力装置3がデータベース30に格納しているオーダマスタの一例を示したマスタテーブルである。
図11に示すように、オーダマスタ302は、オーダコード、オーダ名称、医事算定コードの欄を有している。
オーダコードの「O001」は、ギプス指導を示すものであり、医師がギプス指導について医事算定をオーダする場合には、「O001」というオーダコードが医師によって発行され、システムにより「C200」という医事算定コードに変換される。また、オーダコードの「O002」は、呼吸指導を示すものであり、医師が呼吸指導について医事算定をオーダする場合には、「O002」というオーダコードが医師によって発行され、システムにより「C009」という医事算定コードに変換される。
次に、入力回路330、ディスプレイ340、記憶回路350、内部バス360などについて説明する。
入力回路330は、医師の操作者によって操作が可能なポインティングデバイス(マウスなど)やキーボードなどの入力デバイスからの信号を入力する回路であり、ここでは入力デバイス自体も入力回路330に含まれるものとする。この場合、操作に従った入力信号が、入力回路330から処理回路310に送られる。
ディスプレイ340は、患者に対し指導する日か否かの判定結果を、操作者に対して表示する機能を備えている。ディスプレイ340は、図示しない画像合成回路、VRAM(Video Random Access Memory)、及び画面等を含んでいる。画像合成回路は、画像データに種々のパラメータの文字データ等を合成した合成データを生成する。VRAMは、合成データをディスプレイに展開する。ディスプレイ340は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)等によって構成される。
記憶回路350は、ROM、RAM及びHDD等を含む記憶装置により構成されている。記憶回路350は、IPL(Initial Program Loading)、BIOS(Basic Input/Output System)及びデータを記憶したり、処理回路310のワークメモリとして使用されたり、または、データを一時的に記憶する場合に用いられる。HDDは、電子カルテオーダ入力装置3にインストールされたプログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(Operating System)等も含まれる)やデータを記憶する記憶装置である。また、医師の操作に対するディスプレイ340への情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作を入力回路330によって行なうことができるGUI(Graphical User Interface)を、OSに提供することもできる。
内部バス360は、処理回路310によって電子カルテオーダ入力装置3が統括制御されるように、各構成要素に接続されている。
ネットワークインターフェース320は、通信規格に応じた通信制御を行ない、例えば、IEEE802.11シリーズに準拠した無線LAN(Local Area Network)、近距離無線通信又は電話回線等を通じて、電子カルテオーダ入力装置3を、ネットワークN2に接続する機能を有している。また、例えば、RS−232CやRS−422Aなどの通信規格や、USB(Universal Serial Bus)などの標準化された通信プロトコルも用いることができ、本実施形態では、有線接続であっても無線接続であっても適用できる。
次に、医事会計システム4について説明する。
医事会計システム4は、医師からの指導オーダを受け付けて、指導や診療行為について診療報酬として算定する機能を備えている。また、医事会計システム4は、データベース40を備えている。データベース40は、例えば、ROM、RAM及びHDD等を含む記憶装置によってデータベースとして構成される。
データベース40は、算定情報41を格納している。算定情報41は、患者IDごとに、以前、医事算定コードで算定した算定日を記録する。なお、この算定日には、医事算定コードごとに直近の算定日または最新の算定日のみが記録するものとし、同一の医事算定コードで算定される度に、前回の算定日は更新されるようになっている。
図12は、医事会計システム4がデータベース40に格納している算定情報41の一例を示した情報管理テーブルである。
図12に示すように、算定情報41は、患者ID、医事算定コード、前回算定日の欄を有している。算定情報41は、患者ごとの算定情報として、患者IDごとに設けられてもよく、また、複数の患者IDが1つの算定情報41に記録されていても良い。
算定情報41には、患者IDの欄に「1001」が記載されており、インスリン指導を示す医事算定コードの「C101」と、呼吸指導を示す医事算定コードの「C009」が、算定されたことを示している。算定情報41は、インスリン指導を示す医事算定コードの「C101」については、2016年2月15日に算定されており、また、呼吸指導を示す医事算定コードの「C009」については、2016年4月12日に算定されていることを示している。
病院情報システム500におけるネットワークN1およびネットワークN2は、接続されている各装置を相互に接続する機能を有している。例えば、電子カルテオーダシステム1は、ネットワークN1を介して、医事会計システム4と相互に接続することができる。また、電子カルテオーダサーバ2は、ネットワークN2を介して、電子カルテオーダ入力装置3と相互に接続することができる。
(指導漏れ防止処理)
図13は、第1の実施形態の病院情報システム500において、医師が患者を診察する際に、本日の診療において、その患者に指導すべき指導項目を通知する指導漏れ防止処理を示したフローチャートである。なお、図13において、Sに数字を付した符号は、フローチャートの各ステップを示している。
図13に示すように、医師が診察する患者の患者IDを電子カルテオーダ入力装置3に入力すると、電子カルテオーダ入力装置3は、例えば、算定情報判定処理、オーダ情報判定処理、カルテ記載判定処理または病名情報判定処理の少なくともいずれか1つを実行し、医師にその患者に対して指導すべき指導項目を表示するシステムである。
算定情報判定処理、オーダ情報判定処理、カルテ記載判定処理または病名情報判定処理は、電子カルテオーダ入力装置3の処理回路310における指導項目判定機能32として実行されるものであり、病院情報システム500は、例えば、算定情報判定処理、オーダ情報判定処理、カルテ記載判定処理または病名情報判定処理のうち、少なくともいずれか1つを実行すればよく、これらの4つの判定処理は、病院ごとに組み合わせて実行することができる。
電子カルテオーダ入力装置3は、指導項目判定機能32によって、例えば、カルテ記載判定処理を実行した場合は、医師が患者を診療した記録を示す患者カルテ情報から、患者に対して指導した指導項目と、患者に対して指導した日時を示す指導実績とを取得すると共に、指導項目に設定された指導頻度を取得し、取得した指導実績と、指導項目について設定された指導頻度とに基づいて、本日の診療において、指導項目について、患者に対し指導する日か否かを判定する。
まず、医師が電子カルテオーダ入力装置3の入力回路330を操作して、これから診察する患者の患者IDを入力する。電子カルテオーダ入力装置3は、患者IDの入力を受け付けて、患者IDを取得するとともに、自装置が有する現在の日付を本日の診療日として取得する(ステップS001)。
なお、病院情報システム500は、病院のシステムによっては、病院の診察受付機において患者が診察券を認証させることにより、病院情報システム500に患者IDと現在の日付を取得させ、その患者IDと現在の日時を患者IDと本日の診療日として、電子カルテオーダ入力装置3に提供するようにしてもよい。
電子カルテオーダ入力装置3は、患者IDと本日の診療日を取得すると、例えば、算定情報判定処理(ステップS101)、オーダ情報判定処理(ステップS201)、カルテ記載判定処理(ステップS301)または病名情報判定処理(ステップS401)を、少なくとも1つを、もしくは2つ以上を同時に、または順に実行する(ステップS003)。本実施形態では、算定情報判定処理、オーダ情報判定処理、カルテ記載判定処理または病名情報判定処理のすべてを実行することを想定し、各処理については、別途、詳述する。
電子カルテオーダ入力装置3は、算定情報判定処理、オーダ情報判定処理、カルテ記載判定処理または病名情報判定処理を実行して、その判定結果をディスプレイ340に表示する(ステップS005)。
このように、病院情報システム500は、算定情報判定処理、オーダ情報判定処理、カルテ記載判定処理または病名情報判定処理を実行し、その判定結果を操作者である医師に表示することができるので、診療や診察等に訪れた患者に指導や診療行為を行う医師に対し、その診療や診察時に必要な指導が欠落することを防止することができる。
図14は、ディスプレイ340に、カルテオーダ入力機能31によって表示された表示画面例F1を示した説明図である。
図14に示すように、ディスプレイ340は、カルテオーダ入力画面F1として、少なくとも、患者を患者IDによって識別する患者情報表示エリアF10と、患者のカルテやオーダの参照または記録を行うカルテオーダエリアF11とを表示する。
患者情報表示エリアF10は、患者IDが「1001」であって、女性、年齢は60歳であり、患者の氏名は「T」であることを示している。また、患者情報表示エリアF10には、過去の指導実績を参照するための指導実績画面を呼び出すための指導実績呼出ボタンF101が設けられている。
指導実績呼出ボタンF101は、本日の診療において、算定情報判定処理、オーダ情報判定処理、カルテ記載判定処理または病名情報判定処理のうち、何らかの指導が必要な場合に指導実績呼出ボタンF101の表示が変わり、医師に指導を誘導する。これにより、医師は、その判定結果を漏れなく知ることができるので、本日の診療において、必要な指導が欠落することのなく、指導項目を通知することができる。
図15は、ディスプレイ340に、指導項目表示機能33によって表示された表示画面例F2を示した説明図である。
図15に示すように、ディスプレイ340は、少なくとも、患者情報表示エリアF10と、表示期間欄F21と、本日の日付F3と、指導実績一覧エリアF20とを表示する。
患者情報表示エリアF10は、図14の患者情報表示エリアF10と同等の内容が表示されている。表示期間欄F21は、予め設定された期間を表示するものであり、例えば、1か月、3か月、6か月など操作者により設定が可能となっている。また、本日の日付F3は、ステップS001により、診療のために来院した患者の患者IDを認識した本日の日付を表示する。
指導実績一覧エリアF20は、本日の診療において、医師に指導すべき指導項目を表示するようになっており、例えば、指導項目F201の各項目の先頭に視覚的に区別できる表示形態により、医師に通知する。本実施形態の場合には、例えば、インスリン自己注射指導の項目にて「●」表示がされているため、本日の診療において、インスリン自己注射指導を実施すべきであること示している。また、ギプス指導の項目にも、「●」表示がされているため、本日の診療において、ギプス指導を実施すべきであること示している。
また、指導オーダが、2016年1月8日に発行された指導項目についても、「●」表示がされているため、本日の診療において、指導を実施すべきであることを示している。なお、「●」は、アイコンであっても良く、また、文字色や背景色など、指導すべき項目があることが識別できる表示であれば構わない。
以下、算定情報判定処理、オーダ情報判定処理、カルテ記載判定処理および病名情報判定処理により、何らかの指導が必要な場合には、指導項目F201の項目の先頭に「●」が表示される例について説明する。
なお、算定情報判定処理は、指導実績一覧エリアF20における医事算定F202の欄において判定結果を表示し、カルテ記載判定処理は、指導実績一覧エリアF20における指導記載F203の欄において判定結果を表示し、オーダ情報判定処理は、指導実績一覧エリアF20における指導オーダF204の欄において判定結果を表示し、病名情報判定処理は、指導実績一覧エリアF20における病名F205の欄において判定結果を表示する。また、判定結果の表示の一例として、該当する欄を強調表示や点滅させることにより、指導項目である旨を表示することができる。
(算定情報判定処理)
図16は、電子カルテオーダ入力装置3において、医師が患者を診察する際、算定情報41に基づいて、本日の診療においてその患者に指導すべき指導項目があるか否かを判定する算定情報判定処理を示したフローチャートである。なお、図16において、Sに数字を付した符号は、フローチャートの各ステップを示している。
図16に示すように、電子カルテオーダ入力装置3は、ネットワークN2を介して、電子カルテオーダサーバ2のデータベース20の指導算定マスタ202から、指導項目コード、医事算定コードおよび算定頻度を、全て読み込む(ステップS103)。
次に、電子カルテオーダ入力装置3は、ネットワークN1とネットワークN2とを介して、医事会計システム4のデータベース40の算定情報41から、患者IDの医事算定コードと、前回算定日を取得する(ステップS105)。
ここで、電子カルテオーダサーバ2の算定情報取得機能21は、電子カルテオーダ入力装置3から指示により、医事会計システム4からデータベース40の算定情報41を取得して、電子カルテオーダ入力装置3に送信する。
そして、電子カルテオーダ入力装置3は、患者IDの過去に算定した医事算定コードと指導算定マスタ202の医事算定コードの算定頻度により、本日の診療において、医事算定コードに対応する医事算定項目について、患者に対し算定する日か否かを判定する(ステップS107)。
換言すれば、電子カルテオーダ入力装置3は、指導項目判定機能32によって、患者への過去の診療行為に基づいた医事算定項目が記載された算定情報41から、医事算定項目を示す医事算定コードと、医事算定コードによって算定された算定日を取得すると共、指導算定マスタ202の医事算定コードに設定された算定頻度を取得する。
これにより、電子カルテオーダ入力装置3は、指導項目判定機能32によって、取得した算定頻度と、医事算定コードによって算定された算定日とに基づいて、本日の診療において、医事算定コードに対応する医事算定項目について、患者に対し算定する日か否かを判定することができる。
電子カルテオーダ入力装置3は、本日が指導すべき日に該当する場合には(ステップS107のYES)、要指導の決定を行う(ステップS109)。一方、本日が指導すべき日に該当しない場合には(ステップS107のNO)、電子カルテオーダ入力装置3は、指導不要と判定し(ステップS111)、全ての医事算定コードについて判定するまで、この処理を繰り返す(ステップS113)。
なお、算定情報判定処理、オーダ情報判定処理、カルテ記載判定処理および病名情報判定処理は、それぞれ判定を行うものとする。
図17は、算定情報判定処理において、要指導の日と判定するために用いるデータ間の関連を示したデータ関連図である。
図17に示すように、指導項目判定機能32は、例えば、算定情報41から、患者IDが「1001」の患者について、医事算定コードが「C101」の前回算定日の日付として、2016年2月15日を取得する。また、指導項目判定機能32は、指導算定マスタ202から、インスリン指導を示す「C101」の医事算定コードについて、「毎回」という算定頻度を取得する。
これにより、指導項目判定機能32は、インスリン指導を示す「C101」の医事算定コードについて、算定頻度は「毎回」であることから、本日は、患者に対し、要指導の日と決定する。
図18は、算定情報判定処理において、指導不要と判定するために用いるデータ間の関連を示したデータ関連図である。
図18に示すように、指導項目判定機能32は、例えば、算定情報41から、患者IDが「1001」の患者について、医事算定コードが「C009」の前回算定日の日付として、2016年4月12日を取得する。また、指導項目判定機能32は、指導算定マスタ202から、呼吸指導を示す「C009」の医事算定コードについて、「初診月を除き、月1回」という算定頻度を取得する。
これにより、指導項目判定機能32は、呼吸指導を示す「C009」の医事算定コードについて、算定頻度は「初診月を除き、月1回」であることから、2016年4月15日の本日は、患者に対し、指導不要と判定する。
電子カルテオーダ入力装置3は、ディスプレイ340の医事算定F202の項目(欄)において、算定情報41の全ての医事算定コードについて判定した後(ステップS113のYES)、算定情報判定処理を終了する。
次に、オーダ情報判定処理について説明する。
(オーダ情報判定処理)
図19は、電子カルテオーダ入力装置3において、医師が患者を診察する際、患者オーダ情報206に基づいて、本日の診療においてその患者に指導すべき指導項目があるか否かを判定するオーダ情報判定処理を示したフローチャートである。なお、図19において、Sに数字を付した符号は、フローチャートの各ステップを示している。
図19に示すように、電子カルテオーダ入力装置3は、ネットワークN2を介して、電子カルテオーダサーバ2のデータベース20の指導オーダマスタ203から、指導項目コード、オーダコードおよび指導頻度を、全て読み込む(ステップS203)。
次に、電子カルテオーダ入力装置3は、ネットワークN2を介して、電子カルテオーダサーバ2のデータベース20の患者オーダ情報206から、ステップS203で読み込んだ全オーダコードに対し、患者IDに対応する前回のオーダ日を取得する(ステップS205)
電子カルテオーダ入力装置3は、患者IDの前回の指導オーダのオーダコードと、指導オーダマスタ203の指導オーダのオーダコードの指導頻度により、本日の診療において、オーダコードに対応する指導オーダについて、患者に対し算定する日か否かを判定する(ステップS207)。
換言すれば、電子カルテオーダ入力装置3は、指導項目判定機能32によって、患者に対して指導を行った指導オーダの履歴を示す患者オーダ情報206から、患者に対し指導オーダに関連付けられたオーダコードと、オーダコードによって指導した指導実績とを取得すると共に、指導オーダマスタ203のオーダコードに設定された指導頻度を取得する。
これにより、電子カルテオーダ入力装置3は、指導項目判定機能32によって、オーダコードによって指導した指導実績と、オーダコードに設定された指導頻度とに基づいて、本日の診療において、指導オーダに対応する指導項目について、患者に対し指導する日か否かを判定することができる。
電子カルテオーダ入力装置3は、本日が指導すべき日に該当する場合には(ステップS207のYES)、要指導の決定を行う(ステップS209)。一方、本日が指導すべき日に該当しない場合には(ステップS207のNO)、電子カルテオーダ入力装置3は、指導不要と判定し(ステップS211)、全ての指導オーダについて判定するまで、この処理を繰り返す(ステップS213)。
図20は、オーダ情報判定処理において、要指導の日と判定するために用いるデータ間の関連を示したデータ関連図である。
図20に示すように、指導項目判定機能32は、例えば、患者オーダ情報206から、患者IDが「1001」の患者について、オーダコードの「O010」が発行された指導オーダの発行日の日付として、2016年1月8日を取得する。また、指導項目判定機能32は、指導オーダマスタ203から、「O010」のオーダコードについて、「毎回」指導オーダを発行する指導頻度を取得する。
これにより、指導項目判定機能32は、「O010」のオーダコードについて、指導頻度は「毎回」であることから、本日は、患者に対し、要指導の日と判定する。
図21は、オーダ情報判定処理において、要指導の日と判定するために用いる他のデータ間の関連を示したデータ関連図である。
図21に示すように、指導項目判定機能32は、例えば、患者オーダ情報206から、患者IDが「1001」の患者について、オーダコードの「O009」が発行された指導オーダの発行日の日付として、2016年2月15日を取得する。また、指導項目判定機能32は、指導オーダマスタ203から、「O009」のオーダコードについて、「月1回」という指導頻度を取得する。
これにより、指導項目判定機能32は、「O009」のオーダコードについて、指導頻度は「月1回」であることから、2016年4月15日の本日は、患者に対し、要指導の日と決定する。
図22は、オーダ情報判定処理において、指導不要と判定するために用いるデータ間の関連を示したデータ関連図である。
図22に示すように、指導項目判定機能32は、例えば、患者オーダ情報206から、患者IDが「1001」の患者について、オーダコードの「O002」が発行された指導オーダの発行日の日付として、2016年4月12日を取得する。また、指導項目判定機能32は、指導オーダマスタ203から、「O002」のオーダコードについて、「週1回」という指導頻度を取得する。
これにより、指導項目判定機能32は、「O002」のオーダコードについて、指導頻度は「週1回」であることから、本日は、患者に対し、指導不要と判定する。
上記の説明では、算定情報判定処理とオーダ情報判定処理について説明したが、カルテ記載判定処理と病名情報判定処理についても概ね同様に動作する。以下、カルテ記載判定処理と病名情報判定処理については、上述した算定情報判定処理またはオーダ情報判定処理と異なる点を中心に詳述することにする。
次に、カルテ記載判定処理について説明する。
(カルテ記載判定処理)
図23は、電子カルテオーダ入力装置3において、患者カルテ情報207に基づいて、本日の診療においてその患者に指導すべき指導項目があるか否かを判定するカルテ記載判定処理を示したフローチャートである。なお、図23において、Sに数字を付した符号は、フローチャートの各ステップを示している。
図23に示すように、電子カルテオーダ入力装置3は、ネットワークN2を介して、電子カルテオーダサーバ2のデータベース20の指導記載マスタ204から、指導項目コード、テンプレートコード、キーワードおよび指導頻度を、全て読み込む(ステップS303)。
次に、電子カルテオーダ入力装置3は、ネットワークN2を介して、電子カルテオーダサーバ2のデータベース20の患者カルテ情報207から、患者IDの指導履歴としてカルテにテンプレートを使用して記載した場合にはテンプレートコードを取得し、または、カルテに文字を記録した場合にはその記載内容を取得する(ステップS305)。
電子カルテオーダ入力装置3は、患者カルテ情報207に記載されているテンプレートコードまたはその記載内容と、指導記載マスタ204に記載されているテンプレートまたはキーワードの指導頻度により、本日の診療において、カルテの記載から患者に対し指導する日か否かを判定する(ステップS307)。
換言すれば、電子カルテオーダ入力装置3は、指導項目判定機能32によって、指導項目に関連付けられた、患者のカルテの作成を支援するための指導支援用テンプレートに割り当てられたテンプレートコードと、指導支援用テンプレートを使用してカルテに記載された指導実績を示す記載日とを取得すると共に、指導記載マスタ204の指導項目に設定された指導頻度を取得する。
これにより、電子カルテオーダ入力装置3は、指導項目判定機能32によって、取得した記載日と、指導項目に設定された指導頻度とに基づいて、本日の診療において、指導項目について、患者に対し指導する日か否かを判定することができる。
同様に、電子カルテオーダ入力装置3は、指導項目判定機能32によって、指導項目に関連付けられた、患者のカルテに記載された患者に対する指導に関する所定のキーワードと、所定のキーワードがカルテに記載された指導実績を示す記載日とを取得すると共に、指導記載マスタ204の指導項目に設定された指導頻度を取得する。
これにより、電子カルテオーダ入力装置3は、指導項目判定機能32によって、取得した記載日と、指導項目に設定された指導頻度とに基づいて、本日の診療において、指導項目について、患者に対し指導する日か否かを判定することができる。
電子カルテオーダ入力装置3は、本日が指導すべき日に該当する場合には(ステップS307のYES)、要指導の決定を行う(ステップS309)。一方、本日が指導すべき日に該当しない場合には(ステップS307のNO)、電子カルテオーダ入力装置3は、指導不要と判定し(ステップS311)、全てのカルテの記載日について判定するまで、この処理を繰り返す(ステップS313)。
図24は、カルテ記載判定処理において、要指導の日と判定するために用いるデータ間の関連を示したデータ関連図である。
図24に示すように、指導項目判定機能32は、例えば、患者カルテ情報207から、患者IDが「1001」の患者について、テンプレートコードが「T002」のテンプレートによってカルテに記載された前回の記載日の日付として、2016年2月15日を取得する。また、指導項目判定機能32は、指導記載マスタ204から、「T002」のテンプレートコードについて、「月1回」という指導頻度を取得する。
これにより、指導項目判定機能32は、テンプレートコードの「T002」の指導項目コードについて、指導頻度は「月1回」であることから、本日は、患者に対し、要指導の日と決定する。
次に、キーワードによって、カルテの記載内容について、要指導の日と判定する例について説明する。
図25は、カルテ記載判定処理において、キーワードを用いて、要指導の日と判定するために用いるデータ間の関連を示したデータ関連図である。
図25に示すように、指導項目判定機能32は、例えば、患者カルテ情報207から、患者IDが「1001」の患者について、カルテの記載内容が「荷重の測定と、患部の清拭方法の伝え」と、そのカルテにこの内容が記載された前回の記載日の日付として、2016年3月10日を取得する。また、指導項目判定機能32は、指導記載マスタ204から、「清拭and伝え」か、「荷重and計測」とカルテに記載されたキーワードについて、「毎回」という指導頻度を取得する。
これにより、指導項目判定機能32は、「清拭and伝え」について、指導頻度は「毎回」であることから、本日は、患者に対し、要指導の日と決定する。
次に、テンプレートコードによって、カルテの記載内容について、指導不要と判定する例について説明する。
図26は、カルテ記載判定処理において、テンプレートコードによって、指導不要と判定するために用いるデータ間の関連を示したデータ関連図である。
図26に示すように、指導項目判定機能32は、例えば、患者カルテ情報207から、テンプレートコードが「T003」のテンプレートによって、カルテに記載された前回の記載日の日付として、2016年4月12日を取得する。また、指導項目判定機能32は、指導記載マスタ204から、「T003」のテンプレートコードについて、「週1回」という指導頻度を取得する。
これにより、指導項目判定機能32は、テンプレートコードの「T003」の指導項目コードについて、指導頻度は「週1回」であることから、本日は、患者に対し、指導不要と決定する。
次に、病名情報判定処理について説明する。
(病名情報判定処理)
図27は、電子カルテオーダ入力装置3において、医師が患者を診察する際、患者病名情報208に基づいて、本日の診療においてその患者に指導すべき指導項目があるか否かを判定する病名情報判定処理を示したフローチャートである。なお、図27において、Sに数字を付した符号は、フローチャートの各ステップを示している。
図27に示すように、電子カルテオーダ入力装置3は、ネットワークN2を介して、電子カルテオーダサーバ2のデータベース20の指導病名マスタ205から、指導項目コード、病名コードおよび指導頻度を、全て読み込む(ステップS403)。
次に、電子カルテオーダ入力装置3は、ネットワークN2を介して、電子カルテオーダサーバ2のデータベース20の患者病名情報208から、本日において有効な病名コードを全て取得する(ステップS405)。
電子カルテオーダ入力装置3は、患者病名情報208の患者IDの病名コードと、指導病名マスタ205の病名コードの指導頻度により、本日の診療において、病名コードに対応する病名について、患者に対し指導する日か否かを判定する(ステップS407)。
換言すれば、電子カルテオーダ入力装置3は、指導項目判定機能32によって、患者が患った病名の履歴を示す患者病名情報208から、患者の病名に関連付けられた病名コードと、病名コードに関連づけられた指導項目によって指導した指導実績とを取得すると共に、指導病名マスタ205の病名コードに設定された指導頻度を取得する。
これにより、電子カルテオーダ入力装置3は、指導項目判定機能32によって、病名コードによって指導した指導実績と、病名コードに設定された指導頻度とに基づいて、本日の診療において、病名に対応する指導項目について、患者に対し指導する日か否かを判定することができる。
電子カルテオーダ入力装置3は、本日が指導すべき日に該当する場合には(ステップS407のYES)、その病名に対応する指導項目以外の病名コードについて、全ての病名コードについて判定したか判断する(ステップS413)。
一方、本日が指導すべき日に該当しない場合(ステップS407のNO)、電子カルテオーダ入力装置3は、さらに、オーダ情報判定処理の指導オーダの発行日かまたはカルテ記載判定処理の記載日の指導実績がある場合は、そのいずれかの日付の新しい日付を元に判定を行い、本日は指導すべき日か否かを判定する(ステップS409)。
また、指導項目判定機能32は、指導オーダの発行日およびカルテ記載日が無い場合も、本日は指導すべき日と判定することができ(ステップS409)、全ての病名コードについて判定したか判定する(ステップS413)。
すなわち、患者病名情報208において、病名コードでは指導すべき日に該当しない場合でも、指導オーダの発行日又はカルテの指導記載日に基づいて、本日は指導すべき日か否かを判定するようになっている。なお、以下では、患者病名情報208では、本日は、指導すべき日に該当しないことを前提に、患者カルテ情報207や患者オーダ情報206で判定する例を説明する。
図28は、病名情報判定処理において、患者病名情報208の代わりに患者カルテ情報207を用いて、要指導の日と判定するために用いるデータ間の関連を示したデータ関連図である。
図28に示すように、指導項目判定機能32は、例えば、患者病名情報208の代わりに、患者カルテ情報207から、骨折に関するカルテの前回の記載日として、2016年3月10日を取得する。また、指導項目判定機能32は、指導記載マスタ204から、骨折に関する指導頻度は、「毎回」とする情報を取得する。
これにより、指導項目判定機能32は、骨折に関する指導頻度は「毎回」であることから、本日は、患者に対し、要指導の日と判定する。
図29は、病名情報判定処理において、患者病名情報208の代わりに、患者カルテ情報207または患者オーダ情報206を用いて、指導不要と判定するために用いるデータ間の関連を示したデータ関連図である。
図29に示すように、指導項目判定機能32は、例えば、患者病名情報208の代わりに、患者カルテ情報207または患者オーダ情報206から、カルテの前回の記載日か、前回のオーダ日を取得する。例えば、指導項目判定機能32は、患者オーダ情報206から、呼吸器指導に関するオーダ発行日として、2016年4月12日を取得する。また、指導項目判定機能32は、図22で示したように、呼吸器指導に関し、「週1回」という指導頻度を取得する。
これにより、指導項目判定機能32は、呼吸器指導に関する指導頻度は「週1回」であることから、本日は、患者に対し、指導不要と判定する。
図15を参照すると、例えば、呼吸器指導に関し、病名F205の項目における気管支喘息は、指導オーダの発行日およびカルテの指導記載日が同一であるため、2016年4月12日で判定することができる。
一方、例えば、骨折に関しては、病名F205の項目における骨折では、カルテの指導記載日のみの日付が記載されており、骨折の指導頻度は「毎回」となっているため、骨折については、カルテの記載内容について指導するように強調表示することができる。なお、例えば、もし、カルテの指導記載日と指導オーダの発行日の両方の日付が無い場合は、強制的に要指導の日と決定して強調表示することもできる。
以上説明したように、病院情報システム500は、医師が患者を診療した記録を示す患者カルテ情報から、患者に対して指導した指導項目と、患者に対して指導した日時を示す指導実績とを取得すると共に、指導項目に設定された指導頻度を取得する。病院情報システム500は、取得した指導実績と、指導項目について設定された指導頻度とに基づいて、本日の診療において、指導項目について、患者に対し指導する日か否かを判定し、患者に対し指導する日か否かの判定結果を、操作者に対して表示することができる。
これにより、病院情報システム500は、診療や診察等に訪れた患者に指導や診療行為を行う医師に対し、その診療や診察時に必要な指導が欠落することを防止することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態に加え、さらに、指導オーダを医事会計システム4における算定用オーダとして、医事会計システム4に送信するようになっている。
例えば、病院情報システム500は、電子カルテオーダサーバ2のオーダ情報通知機能22と、電子カルテオーダ入力装置3の指導オーダ発生機能35とが連携し、患者に対して指導を行う指導オーダを、患者の医療費に算定するための算定用オーダとして外部に通知する、オーダ発生機能を備えることができる。
この場合、例えば、医師は、電子カルテオーダ入力装置3のディスプレイ340に表示された、指導項目表示機能33による表示画面例F2から、指導オーダに基づいて、容易に算定用オーダとして発行することができる。これにより、病院情報システム500は、医師が患者に指導した指導項目について、指導オーダを用いて算定用オーダとすることができるので、医事会計システム4においても診療報酬の請求の漏れを防止することができる。
図15を参照すると、表示画面例F2には、参照ボタンF22、DoボタンF23、定型ボタンF24、オーダボタンF25および閉じるボタンF26を備えている。
参照ボタンF22は、例えば、カルテに記載した前回の記載内容を表示させ、参照することのできる画面を呼び出すボタンである。
DoボタンF23は、前回医師によってカルテに記載された内容を初期値として、その前回の内容を医師に表示する、テンプレート画面F4を呼び出すボタンである。
図30は、ディスプレイ340に、DoボタンF23によってテンプレート画面F4を呼び出した時の表示画面を示した説明図である。
図30に示すように、ディスプレイ340は、テンプレート画面F4として、ヘッダエリアF41、入力エリアF42、指導オーダボタンF43、登録ボタンF44および閉じるボタンF45を備えている。
ヘッダエリアF41には、テンプレート名であるテンプレート名称と指導項目名とが、記載されている。入力エリアF42には、患者に対して指導するための項目が、チェックボックス形式で設けられている。この入力エリアF42には、医師に向けての注意文書や手順などを含めることができ、医師が患者に対して行う指導や、患者の家族の反応なども記録することができる。
指導オーダボタンF43は、算定用オーダとして、この指導オーダを医事会計システム4に送信するためのチェックボックスを構成している。指導オーダボタンF43は、このチェックボックスをオンにしたのち、登録ボタンF44を押下すると、入力エリアF42に記載された内容が指導オーダとして発行されるとともに、医事会計システム4にも算定するために算定用オーダとして発行される。なお、登録ボタンF44は、押下されると、テンプレート画面F4を閉じるものとする。
このように、医師は、電子カルテオーダ入力装置3のディスプレイ340に表示された、指導項目表示機能33による表示画面例F2から、指導オーダに基づいて、容易に算定用オーダとして発行することができるので、病院情報システム500は、医師が患者に指導した指導項目について、指導オーダを用いて算定用オーダとすることができ、医事会計システム4においても診療報酬の請求の漏れを防止することができる。
閉じるボタンF45は、指導オーダを発行しないでテンプレート画面F4を閉じる場合に使用するボタンとなっている。
図15の定型ボタンF24は、患者に対して指導するテンプレートを選択するボタンとなっている。定型ボタンF24は、医師に押下されると、電子カルテオーダ入力装置3がデータベース30に有する複数のテンプレートマスタ301を、医師に対して選択可能に表示する。
図15のオーダボタンF25は、医師の判断により、指導オーダをカルテに登録せず、医事会計システム4に算定用オーダとしてのみ発行する場合に使用するボタンである。
図15の閉じるボタンF26は、医師の判断により、ディスプレイ340に表示された表示画面例F2を終了する際に、使用するボタンである。
また、本実施形態では、図15に示した指導項目F201において、指導項目ごとに、情報を表示するようになっている。
図31は、ディスプレイ340に、指導項目マスタ201に登録されている指導項目名インスリン自己注射指導の情報を表示した情報表示画面例F30である。
図31に示すように、情報表示画面例F30は、項目名称エリアF31、指導項目マスタ201の情報を表示するための情報表示エリアF32および閉じるボタンF33を備えている。
医師は、例えば、図15の指導項目F201の項目名を選択することよって、指導算定マスタ202に登録されている情報の内容を、情報表示画面例F30として表示させることができる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、診療や診察等に訪れた患者に指導や診療行為を行う医師に対し、その診療や診察時に必要な指導が欠落することを防止することができる。
なお、電子カルテオーダサーバ2と電子カルテオーダ入力装置3は、例えば、情報処理装置で構成されているため、プログラムを実行することにより、各機能を実現することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。