JP6826057B2 - 加入者線端局装置及び信号転送方法 - Google Patents

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Description

本発明は、加入者線端局装置及び信号転送方法に関する。
PON(Passive optical network)システムによって1本の光ファイバに束ねられた複数の回線を基地局に収容する方法が、光アクセスリンクの低コスト化を図る目的で検討されている(非特許文献1参照)。
PONシステムが提供するサービスは、FTTH(Fiber to the home)等の多数(Mass)向けのサービスが中心であった。近年では、モバイルシステム等の低遅延サービスをPONシステムが提供することも検討されている(非特許文献2参照)。
ベースバンド処理を実行するBBU(Base Band Unit)と無線処理を実行するRRH(Remote Radio Head)とが分離されているモバイルシステムでは、光装置及び光ファイバを含む光リンクによって、BBU及びRRHが互いに結ばれている。この光リンクは、モバイルフロントホール(MFH: Mobile Front-Haul)と呼ばれている。
図7は、モバイルフロントホールの構成の例を示す図である。図7では、光装置及び光ファイバ200を含む光リンクによって、BBU及びRRHが互いに結ばれている。BBUは、加入者線端局装置(OLT: Optical Line Terminal)を備える。BBUは、加入者線端局装置よりも上位のネットワークに接続される上位装置を更に備えてもよい。加入者線端局装置は、基地局においてベースバンド処理を実行する。RRHは、基地局の外部において無線処理を実行する。RRHから送信された電波は、スモールセル210を形成する。以下、上位装置から加入者線終端装置(ONU: Optical network unit)に向かう方向を「下り」という。RRHは、下りの光信号に復調処理を施す光装置である加入者線終端装置に接続されている。
非特許文献2には、モバイルフロントホールの上り信号の低遅延性を担保する光通信システムが開示されている(非特許文献2参照)。以下、モバイルフロントホールのサービスではないサービスを「他サービス」という。以下では、他サービスの信号を「他サービス信号」という。特許文献1には、モバイルフロントホールのサービスと所定の他サービスとを提供するTDM(Time division multiplexed)−PONの光通信システムが開示されている(特許文献1参照)。
図8は、TDM−PONの光通信システムの構成の例を示す図である。図8では、光通信システムは、上位装置と、加入者線端局装置と、加入者線終端装置とを備える。加入者線端局装置は、モバイルフロントホールのサービスを加入者線終端装置に提供する。加入者線端局装置は、所定の他サービスを加入者線終端装置に提供する。
各サービスには、遅延に関する要求に応じて優先度(QoS: Quality of service)が定められている。以下、モバイルフロントホールのサービスの信号を「MFH信号」という。加入者線端局装置は、モバイルフロントホールのサービスに定められた高い優先度に基づいて、加入者線終端装置に転送する。加入者線端局装置は、他サービスに定められた低い優先度に基づいて、他サービス信号を加入者線終端装置に転送する。
モバイルフロントホールのサービスでは、MFH信号の遅延に関する要求が厳しい。非特許文献3では、MFH信号の遅延の最長時間は100μsである。他サービスの優先度と比較してモバイルフロントホールのサービスの優先度が高い場合には、加入者線端局装置は、MFH信号を低遅延で加入者線終端装置に転送することが可能である。
国際公開第2016/204226号
"NTT技術ジャーナル、技術基礎講座[GE-PON技術]、第一回 PONとは",[online],2005年,日本電信電話株式会社,[平成27年5月21日検索],インターネット <URL http://www.ntt.co.jp/journal/0508/files/jn200508071.pdf> T. Kobayashi, H. Ou, D. Hisano, T. Shimada, J. Terada, and A. Otaka, "Bandwidth Allocation scheme based on Simple Statistical Traffic Analysis for TDM-PON based Mobile Fronthaul," in Proc. of OFC2016, pp. W3C.7, Mar. 2016. eCPRI Specification V1.0, Aug. 2017.
しかしながら、加入者線端局装置は、他サービス信号を加入者線終端装置に転送している場合、転送中の他サービスの転送処理が完了するまでは、MFH信号を加入者線終端装置に転送することができない。TDM−PONのリンクレートが10Gbit/sであり、他サービス信号のフレーム長が1500byteである場合、MFH信号の転送待ち時間の最長時間は、1.2μs(=1500byte×8(bit/byte)/10G(bit/s))である。
他サービス信号にジャンボフレームが使用されている場合、ジャンボフレームは、MFH信号の転送待ち時間に大きな影響を及ぼす。例えば、ジャンボフレームのフレーム長が9000byteである場合、MFH信号の転送待ち時間の最長時間は、7.2μs(=9000byte×8(bit/byte)/10G(bit/s))である。実際にはヘッダが付与されることによるオーバヘッドが存在するので、MFH信号の転送待ち時間の最長時間は7.2μsよりも長い。
TDM−PONの光アクセスリンクにおける1kmあたりの伝搬遅延時間は、約5μs/kmである。よって、他サービス信号にジャンボフレームが使用されているTDM−PONの光信号の転送可能距離は、ジャンボフレームが使用されていない場合と比較して約1.5kmも短い。
しかしながら、従来の加入者線端局装置は、サービスに応じて異なる優先度の信号を転送する場合、高い優先度のサービスの信号の転送待ち時間を低減することができない場合があった。
上記事情に鑑み、本発明は、サービスに応じて異なる優先度の信号を転送する場合、高い優先度のサービスの信号の転送待ち時間を低減することが可能である加入者線端局装置及び信号転送方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、低い優先度のサービスの低優先信号と高い優先度のサービスの高優先信号とを到来順に取得する取得部と、前記低優先信号及び前記高優先信号を前記優先度ごとに格納するバッファと、前記低優先信号を記録媒体に複製する複製処理部と、前記低優先信号を前記バッファから転送中に前記高優先信号を前記バッファが格納したか否かを判定する制御部と、前記低優先信号を前記バッファから転送中に前記高優先信号を前記バッファが格納したと判定された場合、前記低優先信号の転送を停止してから前記高優先信号の転送を開始し、前記高優先信号の転送の完了後に、複製された未転送の前記低優先信号を前記バッファから転送する転送部とを備える加入者線端局装置である。
本発明の一態様は、上記の加入者線端局装置であって、前記低優先信号を前記バッファから転送中に前記高優先信号を前記バッファが格納したと判定された場合、前記低優先信号のフレームを分割する分割処理部を更に備え、前記転送部は、分割された前記フレームの区切りで、転送中の前記低優先信号の転送を停止する。
本発明の一態様は、上記の加入者線端局装置であって、前記分割処理部によって分割されたフレームの前記低優先信号を前記バッファから削除する削除処理部を更に備える。
本発明の一態様は、上記の加入者線端局装置であって、前記低優先信号を前記転送部が転送中に前記高優先信号を前記バッファが格納した場合前記、取得部に新たに取得された前記低優先信号のサービスの優先度が更に低くなるように、前記バッファにおける前記低優先信号の格納先のキューを変更する変更処理部を更に備える。
本発明の一態様は、加入者線端局装置が実行する信号転送方法であって、低い優先度のサービスの低優先信号と高い優先度のサービスの高優先信号とを到来順に取得するステップと、前記低優先信号及び前記高優先信号を前記優先度ごとに格納するステップと、前記低優先信号を記録媒体に複製するステップと、前記低優先信号を前記バッファから転送中に前記高優先信号を前記バッファが格納したか否かを判定するステップと、前記低優先信号を前記バッファから転送中に前記高優先信号を前記バッファが格納したと判定された場合、前記低優先信号の転送を停止してから前記高優先信号の転送を開始し、前記高優先信号の転送の完了後に、複製された未転送の前記低優先信号を前記バッファから転送するステップとを含む信号転送方法である。
本発明により、サービスに応じて異なる優先度の信号を転送する場合、高い優先度のサービスの信号の転送待ち時間を低減することが可能である。
第1実施形態における、光通信システムの構成の例を示す図である。 第1実施形態における、加入者線端局装置の動作の例を示すフローチャートである。 第2実施形態における、光通信システムの構成の例を示す図である。 第2実施形態における、加入者線端局装置の動作の例を示すフローチャートである。 第1実施形態及び第2実施形態における、他サービス信号のフレームの分割の例を示す図である。 第3実施形態における、光通信システムの構成の例を示す図である。 モバイルフロントホールの構成の例を示す図である。 TDM−PONの光通信システムの構成の例を示す図である。
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、光通信システム100aの構成の例を示す図である。光通信システム100aは、光信号を用いるTDM−PONの通信システムである。光通信システム100aは、上位装置1と、加入者線端局装置2aと、N(Nは1以上の整数)台の加入者線終端装置3とを備える。
下りの信号には、遅延に関する要求に応じて優先度(優先クラス)が定められている。MFH信号には、他サービス信号と比較して高い優先度が定められている。MFH信号には、最も高い優先度が定められてもよい。
上位装置1は、加入者線終端装置3よりも上位の装置である。上位装置1は、例えばコア網及びメトロ網を介して、加入者線終端装置3に接続される。上位装置1は、複数のサービスの信号を加入者線端局装置2aに送信する。例えば、上位装置1は、MFH信号を加入者線端局装置2aに送信する。上位装置1は、所定の他サービス信号を加入者線端局装置2aに送信する。
加入者線端局装置2aは、複数のサービスの信号を上位装置1から取得する。例えば、加入者線端局装置2aは、MFH信号を上位装置1から取得する。加入者線端局装置2aは、所定の他サービス信号を上位装置1から取得する。加入者線端局装置2aは、取得された他サービス信号を複製する。加入者線端局装置2aは、複製された他サービス信号を、加入者線終端装置3−n(nは、1からNまでの整数のいずれか)に転送する。加入者線端局装置2aは、加入者線終端装置3に転送された他サービス信号の複製を、加入者線端局装置2aから削除する。
加入者線端局装置2aは、転送中の他サービス信号に定められている優先度よりも高い優先度が定められているMFH信号を上位装置1から取得した場合、転送中の他サービス信号の転送を停止する。加入者線端局装置2aは、転送が停止された他サービス信号のフレームを分割する。フレームの分割サイズ及び分割数は、任意の値に予め定められる。
加入者線端局装置2aは、転送が停止された他サービス信号のフレームの分割が完了した場合、他サービス信号の転送を中断して、優先度の高いサービスのMFH信号を割り込みで転送する。加入者線端局装置2aは、優先度の高いサービスのMFH信号の転送が完了した場合、分割されたフレームの他サービス信号を加入者線終端装置3に転送する。
加入者線端局装置2aは、分割されたフレームの他サービス信号の転送が完了した場合、転送が停止された他サービス信号の転送を再開する。転送の再開処理では、加入者線端局装置2aは、複製された他サービス信号のフレームを加入者線終端装置3に転送する。
加入者線終端装置3は、MFH信号を加入者線端局装置2aから取得する。加入者線終端装置3は、複製された他サービス信号を加入者線端局装置2aから取得する。加入者線端局装置2aが他サービス信号の転送を中断してMFH信号を転送するので、加入者線終端装置3は、フレーム割り込み処理(Frame Preemption)に対応していなくてもよい。
加入者線端局装置2aは、取得部20と、振分処理部21と、制御部22と、複製処理部23と、分割処理部24と、バッファ25と、転送部26とを、下りリンクに関する構成として備える。
各機能部のうち一部又は全部は、例えば、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアを用いて実現される。各機能部のうち一部又は全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが、記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより実現されてもよい。記憶装置は、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記録媒体(非一時的な記録媒体)である。
取得部20は、複数のサービスの信号を、信号の到来順に上位装置1から取得する。例えば、取得部20は、MFH信号を上位装置1から取得する。取得部20は、他サービス信号を上位装置1から取得する。
振分処理部21は、上位装置1から取得された信号から抽出された情報に基づいて、取得された信号の送信先である加入者線終端装置3−nを検出する。振分処理部21は、送信先の検出結果に応じて、取得された信号をキュー群250のいずれかに振り分ける。振分処理部21は、信号から抽出されたLLID(Logical link ID)に応じて、キュー群250に信号を格納してもよい。振分処理部21は、信号から抽出されたVLAN(Virtual LAN)タグに応じて、キュー群250に信号を格納してもよい。
制御部22は、キュー群250に格納されている信号の転送タイミングを制御する。すなわち、制御部22は、下りの信号の転送のスケジューリングを実行する。制御部22は、取得部20又はバッファ25がMFH信号を取得した場合、バッファ25及び転送部26が他サービス信号を転送中であるか否かを判定する。
バッファ25及び転送部26が他サービス信号を転送中であると判定された場合、制御部22は、転送中の他サービス信号のフレームを分割するよう、分割処理部24に指示を出力する。制御部22は、分割されたフレームの区切りで他サービス信号の転送を停止するよう、バッファ25及び転送部26に指示を出力する。制御部22は、取得されたMFH信号を優先して転送するよう、バッファ25及び転送部26に指示を出力する。
制御部22は、MFH信号の転送をバッファ25及び転送部26が完了した場合、分割されたフレームの未転送の他サービス信号を転送するようバッファ25及び転送部26に指示を出力する。制御部22は、分割されたフレームの未転送の他サービス信号の転送をバッファ25及び転送部26が完了した場合、複製された未転送の他サービス信号を転送するようバッファ25及び転送部26に指示を出力する。制御部22は、転送された他サービス信号の複製を複製処理部23の記録媒体から削除するよう複製処理部23に指示を出力する。
複製処理部23は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の記録媒体を備える。複製処理部23は、例えばフラッシュメモリ、HDDなどの不揮発性の記録媒体(非一時的な記録媒体)を備えてもよい。複製処理部23は、取得部20によって取得された他サービス信号を、バッファ25から取得する。複製処理部23は、取得された他サービス信号を複製処理部23の記録媒体に複製する。複製処理部23は、転送部26によって転送された他サービス信号の複製を、複製処理部23の記録媒体から削除する。
分割処理部24は、転送中の他サービス信号のフレームを分割する指示を、制御部22から取得する。分割処理部24は、バッファ25から転送中の他サービス信号のフレームを、制御部22による制御に応じて分割する。
バッファ25は、キュー群250−nを備える。キュー群250−nは、例えば、RAMなどの揮発性の記録媒体である。キュー群250−nは、サービスに定められた優先度(優先クラス)ごとに、キュー251を備える。キュー群250−nは、M(Mは2以上の整数)個のキュー251−nを備える。キュー251−n−m(mは、1からMまでのいずれか)は、優先度がmと定められたサービスの信号を格納する。
図1では、キュー群250−nは、取得部20に取得された信号を加入者線終端装置3−nに送信する。これによって、加入者線端局装置2aは、信号の種別(フレーム種別)に応じて、信号の転送に関する優先制御を実行することができる。例えば、電話サービスの優先度は、ネットサーフィン等のブラウジングサービスの優先度と比較して高い優先度に予め定められる。バッファ25は、制御部22による優先制御によって決定された送信順に基づいて、信号を転送部26に出力する。バッファ25は、分割されたフレームの区切りで、転送中の他サービス信号の転送を停止する。
転送部26は、キュー群250−nに格納されている信号を、ベースバンド信号として取得する。転送部26は、キュー群250−nから取得されたベースバンド信号に光変調処理を施す光装置である。転送部26は、光変調処理の結果として得られた光信号を、下り光信号として加入者線終端装置3−nに転送する。加入者線終端装置3は、光ファイバを介して、転送部26から転送された下り光信号を取得する。加入者線終端装置3は、光信号に関して、加入者線端局装置2aによって分割されたフレームを再結合する。
次に、加入者線端局装置2aの動作の例を説明する。
図2は、加入者線端局装置2aの動作の例を示すフローチャートである。以下では説明を簡単にするため、MFH信号のサービスには、最も高い優先度が定められている。他サービス信号のサービスには、MFH信号のサービスに定められた優先度の次に高い優先度が定められている。
複製処理部23は、取得部20によって取得された他サービス信号を複製する(ステップS101)。転送部26は、複製処理部23によって複製された他サービス信号を、バッファ25から加入者線終端装置3に転送する(ステップS102)。制御部22は、バッファ25がMFH信号を格納したか否かを判定する(ステップS103)。
バッファ25がMFH信号を格納していない場合(ステップS103:No)、制御部22は、MFH信号をバッファ25が格納したか否かを所定周期で判定する。バッファ25がMFH信号を格納した場合(ステップS103:Yes)、制御部22は、バッファ25及び転送部26が他サービス信号を転送中であるか否かを判定する。すなわち、制御部22は、他サービス信号をバッファ25及び転送部26が転送中にMFH信号をバッファ25が格納したか否かを判定する(ステップS104)。バッファ25及び転送部26が他サービス信号を転送中である場合(ステップS104:Yes)、分割処理部24は、バッファ25から転送中の他サービス信号のフレームを分割する(ステップS105)。
バッファ25及び転送部26は、分割されたフレームの区切りで、転送中の他サービス信号の転送を停止する(ステップS106)。バッファ25及び転送部26は、MFH信号を優先して転送する(ステップS107)。制御部22は、MFH信号の転送が完了したか否かを判定する(ステップS108)。MFH信号の転送が完了していない場合(ステップS108:No)、バッファ25及び転送部26は、ステップS107に処理を戻し、MFH信号を優先して転送する。
MFH信号の転送が完了した場合(ステップS108:Yes)、バッファ25及び転送部26は、分割されたフレームの他サービス信号を転送する(ステップS109)。バッファ25及び転送部26は、複製処理部23によって複製された未転送の他サービス信号を、加入者線終端装置3に転送する(ステップS110)。
制御部22は、MFH信号をバッファ25が格納したか否かを判定する(ステップS111)。MFH信号をバッファ25が格納した場合(ステップS111:Yes)、バッファ25及び転送部26は、ステップS104に処理を戻し、他サービス信号をバッファ25及び転送部26が転送中であるか否かを判定する。
MFH信号をバッファ25が格納していない場合(ステップS111:No)、制御部22は、他サービス信号の転送が完了したか否かを判定する(ステップS112)。他サービス信号の転送が完了していない場合(ステップS112:No)、バッファ25及び転送部26は、ステップS110に処理を戻し、複製処理部23によって複製された他サービス信号を加入者線終端装置3に転送する。他サービス信号の転送が完了した場合(ステップS112:No)、複製処理部23は、転送された他サービス信号の複製を、複製処理部23の記録媒体から削除する(ステップS113)。
バッファ25及び転送部26が他サービス信号を転送中でない場合(ステップS104:No)、バッファ25及び転送部26は、MFH信号を優先して転送する(ステップS114)。
以上のように、第1実施形態の加入者線端局装置2aは、取得部20と、バッファ25と、複製処理部23と、制御部22と、転送部26とを備える。取得部20は、低い優先度のサービスの他サービス信号(低優先信号)と、高い優先度のサービスのMFH信号(高優先信号)とを、到来順に取得する。バッファ25は、他サービス信号及びMFH信号を優先度ごとに格納する。複製処理部23は、複製処理部23の記録媒体に他サービス信号を複製する。制御部22は、他サービス信号をバッファ25から転送中にMFH信号をバッファ25が格納したか否かを判定する。転送部26は、他サービス信号をバッファから転送中にMFH信号をバッファが格納したと判定された場合、他サービス信号の転送を停止する。転送部26は、他サービス信号の転送を停止してから、MFH信号の転送を開始する。転送部26は、MFH信号の転送の完了後に、複製された未転送の他サービス信号をバッファ25から転送する。
これによって、第1実施形態の加入者線端局装置2aは、サービスに応じて異なる優先度の信号を転送する場合、高い優先度のサービスの信号の転送待ち時間を低減することが可能である。
複製処理部23は、複製処理部23の記録媒体に他サービス信号を複製する。これによって、加入者線端局装置2aは、他サービス信号を予め複製しておくことによって、他サービス信号の転送を容易に再開することが可能である。
転送部26は、分割されたフレームの区切りで、転送中の他サービス信号の転送を停止する。加入者線端局装置2aは、他サービス信号の転送中に、MFH信号の転送を割り込み処理で実行する。これにより、加入者線端局装置2aは、MFH信号の転送待ち時間を低減することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、加入者線端局装置が削除処理部を更に備える点が、第1実施形態と相違する。第2実施形態では、第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
第1実施形態では、転送部26は、分割されたフレームの他サービス信号と複製された未転送の他サービス信号とを、MFH信号の転送が完了した後で転送する。このため、分割されたフレームを加入者線終端装置が再結合することができない場合には、PONの光通信システム100aにおける帯域利用の効率は低下してしまう。
図3は、光通信システム100bの構成の例を示す図である。光通信システム100bは、光信号を用いるTDM−PONの通信システムである。光通信システム100bは、上位装置1と、加入者線端局装置2bと、N台の加入者線終端装置3とを備える。
加入者線端局装置2bは、取得部20と、振分処理部21と、制御部22と、複製処理部23と、分割処理部24と、バッファ25と、転送部26と、削除処理部27とを、下りリンクに関する構成として備える。
削除処理部27は、他サービス信号の転送が停止された場合、分割処理部24によって分割されたフレームの他サービス信号をバッファ25から削除する。すなわち、削除処理部27は、MFH信号が取得された場合、分割処理部24によって分割されたフレームの他サービス信号を廃棄する。これによって、光通信システム100bは、分割されたフレームを加入者線終端装置3が再結合することができない場合でも、帯域利用の効率が低下しないようにすることができる。
次に、加入者線端局装置2bの動作の例を説明する。
図4は、加入者線端局装置2bの動作の例を示すフローチャートである。ステップS201からステップS206までは、図2に示されたフローチャートにおけるステップS101からステップS106までと同じである。
削除処理部27は、他サービス信号の転送が停止された場合、分割されたフレームの他サービス信号をバッファ25から削除する(ステップS207)。バッファ25及び転送部26は、MFH信号を優先して転送する(ステップS208)。制御部22は、MFH信号の転送が完了したか否かを判定する(ステップS209)。
MFH信号の転送が完了していない場合(ステップS209:No)、バッファ25及び転送部26は、ステップS208に処理を戻し、MFH信号を優先して転送する。MFH信号の転送が完了している場合(ステップS209:Yes)、バッファ25及び転送部26は、分割されたフレームの他サービス信号を転送する(ステップS210)。ステップS210からステップS214までは、図2に示されたフローチャートにおけるステップS110からステップS114までと同じである。
以上のように、第2実施形態の加入者線端局装置2bは、取得部20と、振分処理部21と、制御部22と、複製処理部23と、分割処理部24と、バッファ25と、転送部26と、削除処理部27とを、下りリンクに関する構成として備える。削除処理部27は、分割処理部24によって分割されたフレームの他サービス信号をバッファ25から削除する。これによって、第2実施形態の加入者線端局装置2bは、分割されたフレームを加入者線終端装置3が再結合することができない場合でも、帯域利用の効率が低下しないようにすることが可能である。第2実施形態の加入者線端局装置2bは、分割されたフレームの他サービス信号をバッファ25から削除するので、MFH信号の転送が完了した後で、複製された他サービス信号の転送を短時間で再開することが可能である。
(第3実施形態)
第3実施形態では、加入者線端局装置が変更処理部を更に備える点が、第2実施形態と相違する。第3実施形態では、第2実施形態との相違点についてのみ説明する。
図5は、第1実施形態及び第2実施形態における、他サービス信号のフレームの分割の例を示す図である。第1実施形態及び第2実施形態では、転送部26は、分割されたフレームの他サービス信号と複製された未転送の他サービス信号とを、MFH信号の転送が完了した後で転送する。複製された他サービス信号がバッファ25に新たに格納された場合、他サービス信号のフレームの転送順は、フレームの到来順と比較して、格納のタイミングに応じて入れ替わる可能性がある。
図5では、分割処理部24は、他サービス信号のフレーム4−1を、フレーム4−1−1とフレーム4−1−2とに分割する。転送部26は、フレーム4−1−1、フレーム4−2、フレーム4−3、フレーム4−4、フレーム4−1−2の順に、他サービス信号のフレーム4を加入者線終端装置3に転送する。このように、他サービス信号のフレームの転送順は、フレームの到来順と比較して、格納のタイミングに応じて入れ替わる可能性がある。
図6は、光通信システム100cの構成の例を示す図である。光通信システム100cは、光信号を用いるTDM−PONの通信システムである。光通信システム100cは、上位装置1と、加入者線端局装置2cと、N台の加入者線終端装置3とを備える。加入者線端局装置2cは、取得部20と、振分処理部21と、制御部22と、複製処理部23と、分割処理部24と、バッファ25と、転送部26と、削除処理部27と、変更処理部28とを、下りリンクに関する構成として備える。
変更処理部28は、取得部20に新たに取得された他サービス信号のサービスの優先度が更に低くなるように、他サービス信号の格納先のキュー251を変更する。すなわち、変更処理部28は、取得部20に新たに取得された他サービス信号のサービスの優先度が更に低くなるように、他サービス信号の振分を変更する。
変更処理部28は、他サービス信号を転送部26が転送中にMFH信号をバッファ25が格納した場合、バッファ25にMFH信号が格納された時刻以降にバッファ25に取得された他サービス信号の格納先のキュー251を、一つ下の優先クラスのキュー251に格納する。例えば、変更処理部28は、転送部26が他サービス信号を転送中にキュー群250−1がMFH信号を取得した場合、MFH信号が取得された時刻以降に取得された他サービス信号の格納先のキュー251−1−2を、一つ下の優先クラスのキュー251−1−3に格納する。これによって、変更処理部28は、他サービス信号のフレームの転送順が入れ替わることを防ぐことが可能となる。
以上のように、第3実施形態の加入者線端局装置2cは、取得部20と、振分処理部21と、制御部22と、複製処理部23と、分割処理部24と、バッファ25と、転送部26と、削除処理部27と、変更処理部28とを、下りリンクに関する構成として備える。変更処理部28は、取得部20に新たに取得された他サービス信号のサービスの優先度が更に低くなるように、他サービス信号の格納先のキュー251を変更する。これによって、第3実施形態の加入者線端局装置2cは、他サービス信号のフレームの転送順が入れ替わることを防ぐことが可能となる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
本発明は、光通信システムの加入者線端局装置に適用可能である。
1…上位装置、2a〜2c…加入者線端局装置、3…加入者線終端装置、4…フレーム、20…取得部、21…振分処理部、22…制御部、23…複製処理部、24…分割処理部、25…バッファ、26…転送部、27…削除処理部、28…変更処理部、100a〜100c…光通信システム、200…光ファイバ、210…スモールセル、250…キュー群、251…キュー

Claims (4)

  1. 低い優先度のサービスの低優先信号と高い優先度のサービスの高優先信号とを到来順に取得する取得部と、
    前記低優先信号及び前記高優先信号を前記優先度ごとに格納するバッファと、
    前記低優先信号を記録媒体に複製する複製処理部と、
    前記低優先信号を前記バッファから転送中に前記高優先信号を前記バッファが格納したか否かを判定する制御部と、
    前記低優先信号を前記バッファから転送中に前記高優先信号を前記バッファが格納したと判定された場合、前記低優先信号の転送を停止してから前記高優先信号の転送を開始し、前記高優先信号の転送の完了後に、複製された未転送の前記低優先信号を前記バッファから転送する転送部と
    を備え
    前記低優先信号を前記バッファから転送中に前記高優先信号を前記バッファが格納したと判定された場合、前記低優先信号のフレームを分割する分割処理部を更に備え、
    前記転送部は、分割された前記フレームの区切りで、転送中の前記低優先信号の転送を停止し、前記高優先信号の転送の完了後に、複製された未転送の前記低優先信号の転送を再開する、
    加入者線端局装置。
  2. 前記分割処理部によって分割されたフレームの前記低優先信号を前記バッファから削除する削除処理部を更に備える、請求項に記載の加入者線端局装置。
  3. 前記低優先信号を前記転送部が転送中に前記高優先信号を前記バッファが格納した場合、前記取得部に新たに取得された前記低優先信号のサービスの優先度が更に低くなるように、前記バッファにおける前記低優先信号の格納先のキューを変更する変更処理部を更に備える、請求項1又は請求項に記載の加入者線端局装置。
  4. 加入者線端局装置が実行する信号転送方法であって、
    低い優先度のサービスの低優先信号と高い優先度のサービスの高優先信号とを到来順に取得するステップと、
    前記低優先信号及び前記高優先信号を前記優先度ごとに格納するステップと、
    前記低優先信号を記録媒体に複製するステップと、
    前記低優先信号をバッファから転送中に前記高優先信号を前記バッファが格納したか否かを判定するステップと、
    前記低優先信号を前記バッファから転送中に前記高優先信号を前記バッファが格納したと判定された場合、前記低優先信号の転送を停止してから前記高優先信号の転送を開始し、前記高優先信号の転送の完了後に、複製された未転送の前記低優先信号を前記バッファから転送するステップと
    を含み
    前記低優先信号を前記バッファから転送中に前記高優先信号を前記バッファが格納したと判定された場合、前記低優先信号のフレームを分割するステップを更に含み、
    前記転送するステップでは、分割された前記フレームの区切りで、転送中の前記低優先信号の転送を停止し、前記高優先信号の転送の完了後に、複製された未転送の前記低優先信号の転送を再開する、
    信号転送方法。
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