JP6825551B2 - 除塵排ガス設備 - Google Patents

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Description

本発明は、コークス炉から発生した含塵排ガスを煙突から抜き出し、抜き出した含塵排ガスを集塵機で集塵してから煙突に戻し、煙突から排出させる除塵排ガス設備に関する。
コークス炉から排出される排ガスの黒煙放散対策として、排ガスに含まれる煤塵を集塵機で集塵した後に煙突から排出させている。特許文献1には、コークス炉から排出される含塵排ガスを煙道から抜き出して、抜き出した含塵排ガスを集塵機で除塵し、集塵された排ガスを煙突に戻すコークス炉の排ガス処理装置が記載されている。コークス炉の排ガス処理装置では、除塵した排ガスを煙突に戻す経路の端部において、煙突の開口幅方向に分散させる分散板が設けられている。
特開2015−3992号公報
煙道に抜き出しダクトを接続し、抜き出しダクトから含塵排ガスを抜き出して除塵し、除塵された排ガスを煙突に戻す構成においては、抜き出しダクトの下流側の煙道に遮断弁を設け、含塵排ガスを検知した場合に遮断弁を閉じ、含塵ガスが煙突から放散されないようにできる。このように、抜き出しダクトの下流側に遮断弁を設ける構成をクローズバイパス方式という。
これに対し、コークス炉、煙道および煙突付近のスペースの都合から、煙道に含塵排ガスを抜き出す抜き出しダクトが設けられない場合がある。この場合においても、煙突からの黒煙の放散を防止するため、除塵されていない含塵排ガスが煙突から放散されないようにする必要がある。煙道に抜出ダクトが設けられない場合、抜き出しダクトを煙突に接続し、抜き出しダクトから含塵排ガスを抜き出して集塵機で除塵し、除塵した排ガスを戻しダクトから煙突に戻す構成を用いる。このような構成の場合、煙突に遮断弁を設けることができないので、抜き出しダクトと戻しダクトの間に遮断弁がないオープンバイパス方式となる。
オープンバイパス方式の場合、遮断弁がないので含塵排ガスの煙突からの放散を防止するための手段が必要になる。その手段としては、戻しダクトから煙突に戻す除塵された排ガスで煙突内にエアカーテンを形成させることが考えられる。しかしながら、戻しダクトと煙突との接続箇所の面積を大きくすると、煙突強度が低下する。このため、煙突に大きな開口を設けることができず、戻しダクトの幅は煙突の内径よりも短くなる。このように、幅が短い戻しダクトから吹込まれる除塵された排ガスにより形成されるエアカーテンの幅は、戻しダクトの幅と同じ幅になるので、煙突断面に対して狭いエアカーテンとなり、煙突断面とエアカーテンとの間に隙間が生じる。この隙間を小さくするには特許文献1に記載された分散板を設けることが有効であるが、特許文献1には分散板をどのように傾斜させるかについては何ら記載されていない。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、その目的は、戻しダクトに設けられる分散板の傾斜角度を適切な範囲にすることで煙突内に適切なエアカーテンを形成させ、これにより、煙突から放散される煤塵の量を少なくできる除塵排ガス設備を提供することにある。
このような課題を解決できる本発明の特徴は、以下の通りである。
[1]コークス炉と煙突の下端とに接続され、前記コークス炉から排出される含塵排ガスの経路となる煙道と、前記煙突の第1高さ位置に接続され、前記含塵排ガスを抜き出す抜き出しダクトと、前記抜き出しダクトから抜き出された前記含塵排ガスを集塵して除塵排ガスとする集塵機と、前記第1高さ位置よりも高い第2高さ位置に接続され、前記除塵排ガスを煙突に戻す戻しダクトと、前記戻しダクトに設けられ、前記煙突に前記除塵排ガスを吹込むブロワと、煙突側の前記戻しダクトの幅方向に複数設けられ、前記除塵排ガスの流れを広げる矩形状の垂直ルーバと、を有する除塵排ガス設備であって、前記戻しダクトの幅は、前記戻しダクトが前記煙突に接続している接続箇所における前記煙突の内径よりも短く、前記垂直ルーバの最も外側に設けられた2つの垂直ルーバのなす角度θ(°)は、前記煙突の内径の両端および前記煙突と前記戻しダクトとの接続箇所における前記戻しダクトの幅方向の両端の近い点をそれぞれつないだ2つの直線がなす角度θ(°)で定められる下記(1)式の範囲内である、除塵排ガス設備。
θ≦θ≦θ+10°・・・(1)
[2]煙突側の前記戻しダクトには、さらに、前記除塵排ガスの流れ方向を上向きに変更する水平ルーバが設けられる、[1]に記載の除塵排ガス設備。
[3]前記水平ルーバは、水平面に対して煙突側が上向きになるように15°以上30°以下の角度で傾斜している、[2]に記載の除塵排ガス設備。
[4]煙突側の前記戻しダクトには、前記煙突側から前記垂直ルーバ、前記水平ルーバの順に設けられる、[2]または[3]に記載の除塵排ガス設備。
本発明の除塵排ガス設備では、戻しダクトに設けられる縦ルーバを煙突の内径と戻しダクトの幅とから定められる角度の範囲内に傾斜させる。これにより、煙突内に適切なエアカーテンを形成させることができ、煙突内に除塵排ガスが流れない隙間を小さくできる。これにより、煙突から放散される煤塵の量を少なくできる。
本実施形態に係る除塵排ガス設備10の断面模式図である。 戻しダクト22と煙突14との接続箇所の斜視図である。 戻しダクト22と煙突14との接続箇所の水平断面図である。 流体解析によって求められた除塵排ガスの流れ方向を示す図である。 流体解析によって求められた除塵排ガスの流れ方向を示す図である。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明する。図1は、本実施形態に係る除塵排ガス設備10の断面模式図である。除塵排ガス設備10は、コークス炉100から排出された煤塵を含む含塵排ガスを集塵処理し、煙突14から除塵排ガスを放散させる設備である。除塵排ガス設備10は、煙道12と、煙突14と、抜き出しダクト16と、集塵機18と、ブロワ20と、戻しダクト22とを有する。
煙道12は、コークス炉100と煙突14の下端とに接続される。煙道12は、コークス炉100から煙突14に通じる含塵排ガス経路を形成する。抜き出しダクト16は、煙突14と集塵機18とに接続される。抜き出しダクト16は、煙突14から集塵機18に通じる含塵排ガス経路を形成する。抜き出しダクト16は、煙突14に接続する煙道12の上端よりも抜き出しダクト16の上端が高くなる第1高さ位置30で煙突14に接続する。抜き出しダクト16には、外気導入口24が設けられており、外気導入口24から外気を導入して含塵排ガスを冷却する。これにより、高温の含塵排ガスによる集塵機18の濾布の損傷を抑制できる。
集塵機18は、抜き出しダクト16から抜き出された含塵排ガスに含まれる煤塵を集塵し、除塵排ガスにする装置である。集塵機18は、例えば、電気集塵機又はバグフィルタである。戻しダクト22は、煙突14と集塵機18とに接続される。戻しダクト22は、集塵機18から煙突14に通じる除塵排ガス経路を形成する。戻しダクト22は、第1高さ位置30よりも高い第2高さ位置32で煙突14に接続する。ブロワ20は、除塵排ガス経路に設けられ、集塵機18によって除塵された除塵排ガスに圧力を加え、除塵排ガスを煙突14に吹込む装置である。ブロワ20としては、例えば、両吸込ターボファンを用いることができる。
本実施形態では、図1に示す第1高さ位置30までの高さL1を6mとした。また、第1高さ位置30と第2高さ位置32との高さの差L2を20mとしたが、この寸法に限られず、L2は15m以上であればよい。L2を15m未満とすると、第2高さ位置32とブロワ20との距離が短くなり、ブロワ20の負圧の影響を受けてエアカーテンの形成が困難になるので好ましくない。一方、L2を長くしすぎると、戻しダクト22の高さが高くなり、戻しダクト22を支持する支持架構が大きくなって設備コストが上昇する。したがって、L2は、15m以上であれば、なるべく短い方が好ましい。
煙突14は、鉄筋コンクリート製の円筒状の建物であって、高さは、例えば150mである。地震等で倒壊しないように、煙突14の壁内には、鉛直方向に沿って複数の鉄筋が周方向に並べて配置されている。煙突14に抜き出しダクト16および戻しダクト22を接続するには、鉄筋を切断して煙突14の側面に開口を設ける必要がある。開口の幅を長くすればするほど切断する鉄筋の本数は多くなるので煙突14の強度は低下する。このため、抜き出しダクト16および戻しダクト22が接続する開口の幅は、煙突14の強度維持の観点から長くすることができず、このため、開口部の幅は煙突14の内径よりも短い。煙突14の開口は、抜き出しダクト16および戻しダクト22の断面と同じ形状になるので、抜き出しダクト16および戻しダクト22の幅も煙突14の内径よりも短くなる。
次に、コークス炉100から排出された含塵排ガスが除塵され、除塵排ガスとなって煙突14から排出される状況について説明する。コークス炉100で発生した煤塵を含む含塵排ガスは、煙道12を通って煙突14の下端に移動する。煙突14の下端に移動した含塵排ガスは、第1高さ位置30に接続した抜き出しダクト16を通って集塵機18に移動する。集塵機18では、含塵排ガスが除塵されて除塵排ガスにされる。除塵排ガスは、ブロワ20により圧送され、戻しダクト22を通って第2高さ位置32から煙突14に吹込まれる。煙突14に吹込まれた除塵排ガスは、煙突14の上端から外部へ放散される。
図2は、戻しダクト22と煙突14との接続箇所の斜視図である。図2を用いて、戻しダクト22の端部に設けられた6枚の垂直ルーバ40と、4枚の水平ルーバ42の構成を説明する。図2の説明において、図2の右上に示す左右の矢印方向を戻しダクト22の幅方向と定義し、上下の矢印方向を鉛直方向と定義する。戻しダクト22の煙突14側の端部には、煙突14側から6枚の垂直ルーバ40、4枚の水平ルーバ42の順に設けられている。
垂直ルーバは、矩形状の板であって、長辺が鉛直方向になるように矢印46に沿って設けられる。図2に示した例では、6枚の垂直ルーバ40が、戻しダクト22の幅方向に並んで設けられている。6枚の垂直ルーバ40は、戻しダクト22から吹込まれる除塵排ガスの流れを矢印46の方向に広げるようにそれぞれ傾斜している。
4枚の水平ルーバ42は、矩形状の板であって、長辺が戻しダクト22の幅方向になるように矢印46に沿って設けられる。図2に示した例では、4枚の水平ルーバ42が、戻しダクト22の鉛直方向に並んで設けられている。4枚の水平ルーバ42は、戻しダクト22から吹込まれる除塵排ガスの流れ方向を上向きにするように、水平面に対して煙突14側が上方になるように30°の角度で傾斜している。
図3は、戻しダクト22と煙突14との接続箇所の水平断面図である。図3(a)、(b)を用いて6枚の垂直ルーバ40の傾斜角度を説明する。本実施形態の除塵排ガス設備10では、戻しダクト22は、戻しダクト22の幅方向の中心線78が煙突14の軸心を通る位置で煙突14に接続している。6枚の垂直ルーバ40のうち、幅方向の外側に設けられた垂直ルーバ50と垂直ルーバ52とがなす角度θが、煙突14の内径の幅方向の両端の点60、点62と、接続箇所における戻しダクト22の幅方向の両端の点64、点66との近い点どうしをそれぞれつないだ直線68と、直線70とがなす角度θになるように傾斜させている。ここで、戻しダクト22の中心線78を基準にした角度で各垂直ルーバの角度で説明すると、垂直ルーバ50は、直線68と中心線78とがなす角度74(鋭角)と同じ角度で中心線78に対して傾斜させており、垂直ルーバ52は、直線70と中心線78とがなす角度76(鋭角)と同じ角度で中心線78に対して傾斜させている。
本実施形態において、戻しダクト22との接続箇所における煙突の内径は8.1mであり、戻しダクト22の幅は2.6mである。これから計算される角度θは70°であり、中心線78に対する角度はそれぞれ35°になる。このため、本実施形態に係る除塵排ガス設備10の垂直ルーバ50、52は、これらがなす角度θが70°になるように傾斜させており、中心線78に対してはそれぞれ35°になるように傾斜させている。また、2枚の垂直ルーバ54、56は、中心線78に近い側から段階的に傾斜角度が大きくなるように15°、25°の傾斜角度で傾斜させている。
垂直ルーバ50と垂直ルーバ52とがなす角度θは、煙突14の内径の両端および接続箇所における戻しダクト22の幅方向の両端の近い点をそれぞれつないだ2つの線がなす角度θから定められる下記(1)式の範囲内にする。これにより、戻しダクト22から吹込む除塵排ガスで煙突14内に適切なエアカーテンを形成させることができ、この結果、エアカーテンと煙突断面に生じる隙間は小さくなり煙突14から放散される煤塵の量を少なくできる。
θ≦θ≦θ+10°・・・(1)
本実施形態に係る除塵排ガス設備10では、2枚の垂直ルーバ54、56の傾斜角度を、0°から垂直ルーバ50、52の傾斜角度の範囲内であって、中心線78に近い側から段階的に傾斜角度を大きくした例を示したが、これに限られない。例えば、2枚の垂直ルーバ54、56の傾斜角度を、垂直ルーバ50、52の傾斜角度と同じにしてもよい。また、本実施形態では、除塵排ガス設備10が6枚の垂直ルーバ40を有する例を示したが、これに限られず、少なくとも上述した範囲内の角度で傾斜した2枚の垂直ルーバ50、52を有すればよい。
図4は、流体解析によって求めた除塵排ガスの流れ方向を示す図である。図4(a)(b)は、煙突14と戻しダクト22の接続箇所の水平断面を示しており、煙突14の断面内の線は、戻しダクト22から吹込まれる除塵排ガス流れを示す。図4(a)は、傾斜させていない6枚の垂直ルーバ80を設けた場合の除塵排ガス流れを示し、図4(b)は、本実施形態に係る6枚の垂直ルーバ40を設けた場合の除塵排ガス流れを示す。
図4(a)に示すように、傾斜させていない6枚の垂直ルーバ80を設けた場合には、除塵排ガスの流れが狭くなり、煙突14の断面内に除塵排ガスが流れない隙間82が生じる。この除塵排ガスの流れが煙突14の含塵排ガスの上昇を抑制するエアカーテンになるので、煙突14の断面内に除塵排ガスが流れない隙間82が存在すると、この隙間82を通って、集塵機18を経由せずに煤塵を含む含塵排ガスが煙突14から放散される。
一方、本実施形態に係る除塵排ガス設備10の6枚の垂直ルーバ40を設けた場合には、6枚の垂直ルーバ40によって除塵排ガスの流れが広げられ、図4(b)に示すように、煙突14の断面内に除塵排ガスが流れない隙間を無くすことができる。このように、煙突14の断面内の隙間を無くすことができるので、隙間を通って煤塵を含む含塵排ガスが煙突14から放散されることを抑制できる。
本実施形態では、戻しダクト22内に、煙突14側から6枚の垂直ルーバ40、4枚の水平ルーバ42の順に設けている。このように6枚の垂直ルーバ40を煙突14側に設けることで、6枚の垂直ルーバ40を煙突14に近づけることができ、除塵排ガスのガス流れを広げることができる。一方、煙突14から離れた位置に6枚の垂直ルーバ40を設けると、広げられた除塵排ガス流れが戻しダクト22の内壁面に衝突し、除塵排ガスの流れを広げる効果が減少するので好ましくない。
図5は、流体解析によって求めた除塵排ガスの流れ方向を示す図である。図5は、戻しダクト22と煙突14との接続箇所における水平面に垂直であって中心線78を通る断面で切断した断面図である。図5(a)は、傾斜させていない4枚の水平ルーバ90を設けた場合の除塵排ガスの流れを示している。図5(b)は、水平面に対して煙突14側が上方になるように30°の角度で傾斜させた4枚の水平ルーバ42を設けた場合の除塵排ガスの流れを示している。図5(c)は、水平面に対して煙突14側が上方になるように45°の角度で傾斜させた4枚の水平ルーバ92を設けた場合の除塵排ガスの流れを示している。
傾斜させていない4枚の水平ルーバ90を設けた場合には、図5(a)に示すように除塵排ガスの流れは水平方向になる。この場合に、戻しダクト22から煙突14に吹込まれる除塵排ガスは、対向する煙突14の内壁に衝突して除塵排ガス流れが乱れ、適切なエアカーテンが形成されない。これに対して、水平面に対して煙突14側が上方になるように30°の角度で傾斜させた4枚の水平ルーバ42を設けた場合には、図5(b)に示すように、戻しダクト22から吹込まれる除塵排ガスの流れは、対向する煙突内壁に沿って上昇する流れになり、適切なエアカーテンが形成される。
また、水平面に対して煙突14側が上方になるように45°の角度で傾斜させた4枚の水平ルーバ92を設けた場合には、図5(c)に示すように、戻しダクト22から吹込まれる除塵排ガスの流れは対向する煙突内壁に至る前に上昇し、戻しダクト22が接続した側と反対側に除塵排ガスが流れない隙間94が生じる。この隙間94を通じて、集塵機18を経由せずに煤塵を含む含塵排ガスが煙突14から放散される。
このように、傾斜させていない4枚の水平ルーバ90を設けることは好ましくなく、また、水平面に対して煙突14側が上方になるように水平ルーバを45°以上の角度で傾斜させるのも好ましくない。このため、水平ルーバは、水平面に対して煙突14側が上方になるように、15°以上30°以下の角度で傾斜させることが好ましい。これにより、対向する煙突内壁に沿って上昇する除塵排ガスの流れが形成され、適切なエアカーテンを形成できる。
次に、流体解析によって、垂直ルーバおよび水平ルーバの好適な傾斜角度を確認した解析結果を説明する。表1に解析条件および解析結果を示す。条件1〜10で使用した含塵排ガス設備における戻しダクトと煙突との接続箇所における煙突の内径は8.1mであり、戻しダクト22の幅は2.6mであり、この条件から定まるθは70°になる。このため、θと上記(1)式とから定まる垂直ルーバ50、52のなす角度θの範囲は、70°以上80°以下になる。また、条件11は、条件1〜10の含塵排ガス設備とは異なる含塵排ガス設備を用いた例である。条件11で用いた含塵排ガス設備の戻しダクトと煙突との接続箇所における煙突の内径は5.0mであり、戻しダクトの幅は2.5mであり、この条件から定まるθは60°になる。このため、θと上記(1)式から定まる垂直ルーバ50、52のなす角度θの範囲は、60°以上70°以下になる。
表1に示したQ2〜Q8の各風量は、Q1に示したコークス炉(稼働率133%)から排出される排ガス量を100%とした場合の各風量の割合(%)である。図1に示した除塵排ガス経路にブロワ20を設ける構成では、ブロワ負圧>煙突ドラフト圧となるので排ガスの一部は、煙突14から放散されず集塵機18と煙突14を循環する。表1に示した「循環風量」は、この煙突14から排出されずに集塵機18と煙突14を循環する排ガス風量の割合を示す。
Figure 0006825551
表1に示したように、垂直ルーバの傾斜角度を70°または80°にし、水平ルーバの傾斜角度を15°または30°にした条件7〜10では、煙突から放散される煙突放散排ガス含有煤塵量が許容含有煤塵量である20.0mg/Nm3以下になった。この結果から、オープンバイパス方式であっても、垂直ルーバの角度を70〜80°の範囲内にし、水平ルーバの角度を15°以上30°以下にすることで、煙突から放散される煙突放散排ガス含有煤塵量を許容含有煤塵量以下にできることが確認できた。
一方、垂直ルーバの傾斜角度を50°または60°にし、水平ルーバの傾斜角度を15°または30°にした条件1〜4および垂直ルーバの傾斜角度を85°にし、水平ルーバの傾斜角度を15°または30°にした条件5、6では、煙突から放散される煙突放散排ガス含有煤塵量が許容含有煤塵量である20.0mg/Nm3より多くなった。この結果から、戻しダクトの幅方向の外側に設けられた垂直ルーバの角度を70〜80°の範囲外にすると、煙突から放散される煙突放散排ガス含有煤塵量を許容含有煤塵量以下にできないことが確認された。
また、煙突の内径および戻しダクトの幅が異なり、θが60°である条件11では、垂直ルーバの角度θを60°にし、水平ルーバの角度を15°にすることで、煙突から放散される煙突放散排ガス含有煤塵量を許容含有煤塵量である20.0mg/Nm3以下にできた。このことから、戻しダクトの幅方向の外側に設けられた2つの垂直ルーバの角度θは、煙突の内径の両端および煙突と戻しダクトとの接続箇所における戻しダクトの幅方向の両端の近い点をそれぞれつないだ2つの直線がなす角度θと上記(1)式とから定まる範囲内にすることで、煙突から放散される煙突放散排ガス含有煤塵量を許容含有煤塵量以下にできることがわかる。
さらに、条件1〜10で使用した含塵排ガス設備であって、水平ルーバを設けない場合と、水平ルーバの傾斜角度を0°とした場合の煙突放散排ガス含有煤塵量を流体解析によって確認した結果を説明する。表2に解析条件および解析結果を示す。
Figure 0006825551
表2に示したように、垂直ルーバの傾斜角度を85°にし、水平ルーバを設けない、または、水平ルーバの傾斜角度を0°にした条件12、13では、煙突から放散される煙突放散排ガス含有煤塵量が許容含有煤塵量である20.0mg/Nm3より多くなった。一方、垂直ルーバの傾斜角度を70°にし、水平ルーバを設けない、または、水平ルーバの傾斜角度を0°にした条件14、15では、煙突から放散される煙突放散排ガス含有煤塵量が許容含有煤塵量である20.0mg/Nm3以下になった。この結果から、水平ルーバの傾斜角度が15°以上30°以下の範囲内でなくても、垂直ルーバの傾斜角度を70°以上80°以下の範囲内にすることで、煙突から放散される煙突放散排ガス含有煤塵量を許容含有煤塵量である20.0mg/Nm3以下にできることが確認された。
また、垂直ルーバの傾斜角度を70°にした条件7、8と、条件14、15とを比較すると、煙突放散排ガス含有煤塵量は、条件14、15よりも水平ルーバの傾斜角度を15°以上30°以下の範囲内とした条件7、8の方が少なくなった。これらの結果から、煙突放散排ガス含有煤塵量を少なくするには、水平ルーバの傾斜角度を15°以上30°以下の範囲内にすることが好ましいことがわかる。
10 除塵排ガス設備
12 煙道
14 煙突
16 抜き出しダクト
18 集塵機
20 ブロワ
22 戻しダクト
24 外気導入口
30 第1高さ位置
32 第2高さ位置
40 6枚の垂直ルーバ
42 4枚の水平ルーバ
46 矢印
50 垂直ルーバ
52 垂直ルーバ
54 2枚の垂直ルーバ
56 2枚の垂直ルーバ
60 点
62 点
64 点
66 点
68 直線
70 直線
74 角度
76 角度
78 中心線
80 6枚の垂直ルーバ(傾斜無し)
82 隙間
90 4枚の水平ルーバ(傾斜無し)
92 4枚の水平ルーバ(傾斜45°)
94 隙間
100 コークス炉

Claims (4)

  1. コークス炉と煙突の下端とに接続され、前記コークス炉から排出される含塵排ガスの経路となる煙道と、
    前記煙突の第1高さ位置に接続され、前記含塵排ガスを抜き出す抜き出しダクトと、
    前記抜き出しダクトから抜き出された前記含塵排ガスを集塵して除塵排ガスとする集塵機と、
    前記第1高さ位置よりも高い第2高さ位置に接続され、前記除塵排ガスを煙突に戻す戻しダクトと、
    前記戻しダクトに設けられ、前記煙突に前記除塵排ガスを吹込むブロワと、
    煙突側の前記戻しダクトの幅方向に複数設けられ、前記除塵排ガスの流れを広げる矩形状の垂直ルーバと、
    を有する除塵排ガス設備であって、
    前記戻しダクトは、前記戻しダクトの幅方向の中心線が前記煙突の軸心を通る位置で前記煙突に接続しており、
    前記戻しダクトの幅は、前記戻しダクトが前記煙突に接続している接続箇所における前記煙突の内径よりも短く、
    前記垂直ルーバの最も外側に設けられた2つの垂直ルーバのなす角度θ(°)は、前記煙突の内径の両端および前記煙突と前記戻しダクトとの接続箇所における前記戻しダクトの幅方向の両端の近い点をそれぞれつないだ2つの直線がなす角度θ(°)で定められる下記(1)式の範囲内である、除塵排ガス設備。
    θ≦θ≦θ+10°・・・(1)
  2. 煙突側の前記戻しダクトには、さらに、前記除塵排ガスの流れ方向を上向きに変更する水平ルーバが設けられる、請求項1に記載の除塵排ガス設備。
  3. 前記水平ルーバは、水平面に対して煙突側が上向きになるように15°以上30°以下の角度で傾斜している、請求項2に記載の除塵排ガス設備。
  4. 煙突側の前記戻しダクトには、前記煙突側から前記垂直ルーバ、前記水平ルーバの順に設けられる、請求項2または請求項3に記載の除塵排ガス設備。
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