以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。
<<実施形態の概略>>
まずは、図1乃至図7を用いて、本実施形態の概略について説明する。
まず、図1を用いて、撮影装置1の外観を説明する。撮影装置1は、全天球画像の元になる撮影画像を得るためのデジタルカメラである。なお、図1(a)は特殊撮影装置の右側面図であり、図1(b)は特殊撮影装置の背面図であり、図1(c)は特殊撮影装置の平面図であり、図1(d)は特殊撮影装置の底面図である。
図1(a),図1(b),図1(c),図(d)に示されているように、特殊撮影装置1aの上部には、正面側(前側)に魚眼型のレンズ102a及び背面側(後側)に魚眼型のレンズ102bが設けられている。特殊撮影装置1aの内部には、後述の撮像素子(画像センサ)103a,103bが設けられており、それぞれレンズ102a、102bを介して被写体や風景を撮影することで、半球画像(画角180°以上)を得ることができる。特殊撮影装置1aの正面側と反対側の面には、シャッターボタン115aが設けられている。また、特殊撮影装置1aの側面には、電源ボタン115b、WiFi(Wireless Fidelity)ボタン115c、及び撮影モード切替ボタン115dが設けられている。電源ボタン115b、及びWiFiボタン115cは、いずれも押下される度に、オンとオフが切り替えられる。また、撮影モード切替ボタン115dは、押下される度に、静止画の撮影モードと動画の撮影モードが切り替えられる。なお、シャッターボタン115a、電源ボタン115b、WiFiボタン115c、及び撮影モード切替ボタン115dは、操作部115の一種であり、操作部115は、これらのボタンに限られない。
また、特殊撮影装置1aの底部150の中央には、カメラ用三脚又は一般撮影装置3aに特殊撮影装置1aを取り付けるための三脚ねじ穴151が設けられている。また、底部150の左端側には、Micro USB(Universal Serial Bus)端子152が設けられている。底部150の右端側には、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子が設けられている。なお、HDMIは登録商標である。
次に、図2を用いて、特殊撮影装置1aの使用状況を説明する。なお、図2は、特殊撮影装置の使用イメージ図である。特殊撮影装置1aは、図2に示されているように、例えば、利用者(撮影者)が手に持って利用者の周りの被写体を撮影するために用いられる。この場合、図1に示されている撮像素子103a及び撮像素子103bによって、それぞれ利用者の周りの被写体が撮像されることで、2つの半球画像を得ることができる。
次に、図3及び図4を用いて、特殊撮影装置1aで撮影された画像から正距円筒射影画像EC及び全天球画像CEが作成されるまでの処理の概略を説明する。なお、図3(a)は特殊撮影装置1aで撮影された半球画像(前側)、図3(b)は特殊撮影装置で撮影された半球画像(後側)、図3(c)は正距円筒図法により表された画像(以下、「正距円筒射影画像」という)を示した図である。図4(a)は正距円筒射影画像で球を被う状態を示した概念図、図4(b)は全天球画像を示した図である。
図3(a)に示されているように、撮像素子103aによって得られた画像は、後述の魚眼レンズ102aによって湾曲した半球画像(前側)となる。また、図3(b)に示されているように、撮像素子103bによって得られた画像は、後述の魚眼レンズ102bによって湾曲した半球画像(後側)となる。そして、半球画像(前側)と、180度反転された半球画像(後側)とは、特殊撮影装置1aによって合成され、図3(c)に示されているように、正距円筒射影画像ECが作成される。
そして、OpenGL ES(Open Graphics Library for Embedded Systems)等が利用されることで、図4(a)に示されているように、正距円筒射影画像が球面を覆うように貼り付けられ、図4(b)に示されているような全天球画像CEが作成される。このように、全天球画像CEは、正距円筒射影画像ECが球の中心を向いた画像として表される。なお、OpenGL ESは、2D(2-Dimensions)および3D(3-Dimensions)のデータを視覚化するために使用するグラフィックスライブラリである。なお、全天球画像CEは、静止画であっても動画であってもよい。
以上のように、全天球画像CEは、球面を覆うように貼り付けられた画像であるため、人間が見ると違和感を持ってしまう。そこで、全天球画像CEの一部の所定領域(以下、「所定領域画像」という)を湾曲の少ない平面画像として表示することで、人間に違和感を与えない表示をすることができる。これに関して、図5及び図6を用いて説明する。
なお、図5は、全天球画像を三次元の立体球とした場合の仮想カメラ及び所定領域の位置を示した図である。仮想カメラICは、三次元の立体球として表示されている全天球画像CEに対して、その画像を見るユーザの視点の位置に相当するものである。また、図6(a)は図5の立体斜視図、図6(b)はディスプレイに表示された場合の所定領域画像を表す図である。また、図6(a)では、図4に示されている全天球画像が、三次元の立体球CSで表わされている。このように生成された全天球画像CEが、立体球CSであるとすると、図5に示されているように、仮想カメラICが全天球画像CEの内部に位置している。全天球画像CEにおける所定領域Tは、仮想カメラICの撮影領域である。所定領域Tのズームは、画角αの範囲(円弧)を広げたり縮めたりすることで表現することができる。また、所定領域Tのズームは、仮想カメラICを全天球画像CEに近づいたり、遠ざけたりすることで表現することもできる。所定領域画像Qは、全天球画像CEにおける所定領域Tの画像である。したがって、所定領域Tは画角αと、仮想カメラICから全天球画像CEまでの距離fにより特定できる(図7参照)。
そして、図6(a)に示されている所定領域画像Qは、図6(b)に示されているように、所定のディスプレイに、仮想カメラICの撮影領域の画像として表示される。図6(b)に示されている画像は、初期設定(デフォルト)された所定領域情報によって表された所定領域画像である。なお、所定領域Tは、画角αと距離fではなく、所定領域Tである仮想カメラICの撮影領域(X,Y,Z)によって示してもよい。
次に、図7を用いて、所定領域情報と所定領域Tの画像の関係について説明する。なお、図7は、所定領域情報と所定領域Tの画像の関係との関係を示した図である。図7に示されているように、仮想カメラICの画角αによって表される所定領域Tの対角画角をαとした場合の中心点CPが、所定領域情報の(x,y)パラメータとなる。fは仮想カメラICから中心点CPまでの距離である。Lは所定領域Tの任意の頂点と中心点CPとの距離である(2Lは対角線)。そして、図7では、一般的に以下の(式1)で示される三角関数が成り立つ。
L/f=tan(α/2)・・・(式1)
以下、本発明の実施形態の詳細内容について説明する。
<<実施形態の詳細>>
<ハードウェア構成>
続いて、図8を用いて、本実施形態に係る撮影装置1内の画像処理装置10のハードウェア構成図について説明する。図8は、本実施形態に係る撮影装置内の画像処理装置のハードウェア構成図である。
図8に示されているように、撮影装置1は、2つの撮像素子103a,103b、画像処理装置20、及び外部メモリ29を有している。更に、画像処理装置10は、画像処理部21、補正量作成部22、画像補正部23、射影変換部24、画像出力部25、CPU26、及び外部メモリI/Fを含み、各々がバスに接続されている。なお、撮像装置1は、複数の撮像素子で重複する画像領域(重複領域)を撮影し、撮影した複数の画像を、その重複領域で繋ぎ合わせることができる撮像機器であってもよい。また、撮影して得られたた複数の画像を、その重複領域で繋ぎ合わせる処理は、画像処理ICやソフトウェアを用いて実行することができる。
撮像素子103a,103bは、A/D変換器により変換した半球画像A,Bのデジタルータを画像処理部21へ出力する。
CPU26は、画像処理装置10全体の制御を行う。ROM27は、撮像装置1を起動させるプログラムや変換テーブル等を記憶する。
画像処理部21は、CPU26等とともに所定の画像処理を実行する。画像処理部21としては、特定用途向けの集積回路であるASIC(Application Specific Integrated Circuit)を用いることができる。画像処理部21は、CPU26等とともに、所定の画像処理として画像を繋ぎ合わせて全天球画像を生成する処理を行い、生成した全天球画像のデータを、外部メモリI/F28を介して外部メモリ29に格納する。また、画像処理部21は、撮像素子103a,103bから入力された画像を外部メモリ29に格納するとともに補正量作成部22へ引き渡す。
補正量作成部22は、撮像素子103a,103bからの画像に基づき、補正量を作成する。補正量の作成にあたっては、補正対象画像の判定処理を実行し、該判定処理において、前のフレームの画像の評価値を参照する。補正量は、画像が外部メモリ29に格納される前に作成される。
画像補正部23は、補正量作成部22による補正量の作成処理が終了した後、外部メモリ29に格納されている画像を読み込み、作成された補正量に基づき画像の補正を実施することで、図3(c)に示されているような正距円筒射影画像(Equi画像)を作成する。
射影変換部24は、図4に示されているように、正距円筒射影画像を全天球画像に射影変換する。すなわち、射影変換部24への入力前に補正処理が実施される。
画像出力部25は、射影変換部24によって射影変換された画像を出力する。
<機能構成>
続いて、図9を用いて、画像処理装置10の機能構成につい説明する。図9は、本実施形態に係る撮影装置1内の画像処理装置10の機能ブロック図である。ここでは、本実施形態で特に詳細に説明する補正作成部22の機能構成について説明する。
図9に示されているように、補正量作成部22は、補正対象判断部31、補正量算出部32、補正マップ作成部33及び埋込部34の各機構を実現することができる。
補正対象判断部31は、複数の画像のそれぞれの画素の画素値に基づいて、複数の画像の中から補正対象画像を判断する。補正量算出部32は、各画像の画素値に基づき、補正対象画像を補正するための補正量を算出する。補正マップ作成部33は、補正対象画像を補正するための補正マップ(M4)を作成する。埋込部34は、複数の画像のいずれかのケラレ領域に、補正マップ(M4)のデータ等の補正量に関する情報を埋め込む。各部31〜34に関しては、後ほど詳細に説明する。
<<実施形態の処理>>
続いて、図10乃至図31を用いて、本実施形態の処理について説明する。
まず、図10乃至図17を用いて、全天球画像を作成するための基本的な処理を説明する。図10は、全天球画像を作成するための基本的な処理を示すフローチャートである。図10に示されているように、画像処理部21は、2つの撮像素子103a,103bから取得した半球画像A,Bの歪み補正を行うことで、各半球画像(円形画像)を各平面画像(矩形画像)に変換する(ステップS11)。この処理について、図11乃至図13を用いて説明する。
図11は、全天球撮影用のデジタルカメラの単一の撮像素子で撮像された画像データの概念図である。
図11に示されているように、撮像素子103aで得られた半球画像データは、図11のように示すことができる。撮影装置1のレンズ102aは魚眼レンズであるため、撮像素子103a全体に対して白抜きされた円形画像が撮像素子103aの撮像面に形成される。尚、黒色部分は光が当たっていない箇所を示している。
図12は、全天球撮影用のデジタルカメラの2つの撮像素子で撮像された画像データの概念図である。2つの撮像素子103a,103bによって得られた2枚の画像から全天球画像を形成する際、2つの画像に重複する領域がある必要がある。撮影装置1では画角180度を越える魚眼レンズを用いている。そのため、半球画像A(図12(a)参照)及び半球画像(図12(b)参照)のように、各撮像面で重複する領域(図中車線部分)が発生する。この重複領域を用いて2枚の画像データの繋ぎ合わせを行なう。しかし、像点が画像の中心から離れるほど歪みや収差が発生しやすい。また、魚眼レンズの外枠などが移りこむ可能性がある。そのため、半球画像(魚眼画像)の外枠(斜線領域と黒領域の境目付近)を使用することは望ましくない。したがって、半球画像A(図12(c)参照)及び半球画像(図12(d)参照)のように、重複領域30は、各内側の所定幅を有する斜線で示された領域に限定する。
図13は、半球画像である円形画像を矩形画像に変換する処理を示した概念図である。図13に示されているように、撮像面に形成された円形画像は変換テーブルを用いた歪み補正によって矩形の画像データへと変換される。これにより、ステップS11の処理が終了する。
次に、画像処理部21は、2つの半球画像A,Bから変換された矩形画像a、bの繋ぎ部分を探索する(ステップS12)。そして、画像処理部21は、矩形画像a、bの重複領域を重複して、ブレンド処理(合成処理)を行なうことで、図3に示されているような、1つの正距円筒射影画像を作成する(ステップS13)。
図14は、各矩形画像の重複領域について説明する図である。ステップS13によって、2つの矩形画像a,bを重畳すると、図14に示されているような1つの正距1つの正距円筒射影画像が作成される。この際、画像処理部21は、テンプレートマッチングなどの処理で、重複領域30における矩形画像aと矩形画像bとの類似箇所を検出する。テンプレートマッチングを行う単位は、任意の分割画像サイズ単位で良い。但し、画像処理部21は、テンプレートマッチング後に、2つの矩形画像a,bを合成する。
続いて、次の処理を説明する前に、図15乃至図17を用いて、撮像素子から出力される画像データにおけるケラレ領域(黒領域)について説明する。
図15は、撮像素子から出力される画像データの概念図である。上述したように、撮像素子から出力される画像データは、魚眼レンズを用いているため、図11に示されているような概念図となる。図11において、中白色部分は画像が形成されている領域で、黒部分は画像が形成されてない黒領域(ケラレ領域)である。そこで、無駄な領域を減らすために、本実施形態の撮像素子103a,bは、図15のように左右の黒領域を削除した画像データを出力する。図15中の破線内は、削除された黒領域を示す。但し、画像データにはまだ無駄な黒領域が残ったままである。
図16は、黒レベル補正に使用されるケラレ領域(黒領域)を示した概念図である。この残っている黒領域は、画像処理部21内のISP(Image Signal Processing)部で、画像データの黒レベル補正に使用される。尚、図16では、黒レベル補正に使用される領域は、四つ角の領域であるが、位置はこれに限定されない。但し、画像データには、まだ無駄な黒領域が残っている。
図17は、黒レベル補正に使用されるケラレ領域(黒領域)を示した概念図である。黒レベル補正後、即ち、ISP部通過後は、この無駄な黒領域(ケラレ領域)は一切各種画像処理に使用されない。しかし、画像データは、この無駄な黒領域を含め、一度外部メモリ29へと格納される。即ち、無駄なデータが外部メモリ29へ格納されるのである。本実施形態は、以降に示すように、ISP通過後のこの無駄な黒領域(ケラレ領域)に、「付加情報」を埋め込むことで、外部メモリ29のアクセス効率を向上させる。この付加情報は、例えば、2つの半球画像A,Bのうち、太陽や照明等を撮像することで一方の半球画像にフレア発生している場合に、このフレアが発生した画像(フレア画像)を他方の半球画像の輝度に合わせるための補正量の情報である。
続いて、付加情報を埋め込むにあたり、まずは、図18乃図20を用いて、半球画像A,Bのうち、補正対象画像としてのフレア画像を判断する処理について説明する。図18は、フレア画像の判断処理を示したフローチャートである。図18の処理は、全て、図9の補正対象判断部31が行なう。
まず、補正対象判断部31は、重複領域30の輝度値に関して、平均値を算出する(ステップS21)。これに関して、図19及び図20を用いて、補足説明する。
図19は、画像内の全ての分割エリアを示した概念図である。上述したように、半球画像において、画像外枠付近は重複領域30となっている。補正対象判断部31は、重複領域30の画素値(輝度値)を測定し、平均値(又は分散値)を算出する。
次に、補正対象判断部31は、半球画像A,Bの相対的なエリア間で平均値の絶対値を比較する(ステップS22)。そして、補正対象判断部31は、比較した差分が閾値より大きいか否かを判断する(ステップS23)。
ステップS23において、大きい場合には、補正対象判断部31は、閾値を超える方の半球画像を補正対象画像(ここでは、フレア画像)と判断する(ステップS24)。また、ステップS23において、大きくない場合には、補正対象判断部31は、補正対象画像(ここでは、フレア画像)がないと判断する(ステップ25)。
尚、画像データフォーマットはRGBであっても、YCbCrであっても構わない。また、この場合、平均値算出した結果は算出したエリアが画像データのどこに位置するかで異なる。これに関して、図20を用いて説明する。図20は、重複領域及び重複領域付近の分割エリアを示した概念図である。図20のように、重複領域付近の場合は2つの半球画像データのうち、どちらが補正対象であるかを判定するのに用いる。具体的には上記の平均値や分散値を2つの半球画像の相対エリア間で差分の絶対値を取り、その値が閾値を超える画像を補正対象画像と判断し、その画像がある場合に補正対象画像(フレア画像)があると判断する。全天球撮像用のカメラの場合は、一方が補正対象画像であれば、他方の画像を補正基準画像として決定することができる。基本的に同時露光により撮像した場合、重複領域30は同じ被写体の画像が同じ明るさで撮影されるはずであるが、一方の半球画像にフレアが発生している際は重複領域30の平均値が大きくなるため、上述のように閾値を設け、その閾値より大きいときにフレア画像であると判断される。
続いて、補正対象判断部31によって、フレア画像があると判断された場合、補正量算出部32は、補正マップの作成を行なう。ここで、補正マップの作成について詳細に説明する。
まずは、図21乃至図25を用いて、補正マップの作成に使用するための補正除外マップ及び仮補正マップを作成する処理を説明する。図21は、補正除外マップ及び仮補正マップを作成する処理を示したシーケンス図である。図21の処理は、全て、補正量算出部32が行う。
フレア画像に対して補正を行う際、フレア画像全体を補正するため、画像が全体的に暗くなる。すると、2つの半球画像A,Bを重畳結合した場合に、目で見て不自然な画像になることがある。そこで、フレア補正をする必要がない箇所(光源など)を区別するために補正除外マップM2の作成を行なう。
補正除外マップM2は上述した重複領域30以外の半球画像内のエリアにおける輝度値の最大値で求めることができる。補正除外領域の条件は(条件1)で示される「高輝度かつ無彩色」または(条件2)で示される「高輝度かつ輝度の最大値が閾値以上」とすることが出来る。高輝度であるかの閾値はレジスタ等で設定出来るとしても良い。
補正除外条件としては(条件1)及び(条件2)の両方で判断することが望ましい。1つの評価領域全体が均一な輝度や色を有している場合は(条件1)のみで判断することができる。しかし、1つの評価領域内に光源などの高輝度の被写体と木などの低輝度の被写体が存在する場合、(条件1)による演算に適合しなくなるため、光源の画像が補正され、光源が暗く不自然な画像になってしまうからである。(条件2)を含めることで光源と木などを含む画像も補正除外領域として適切に抽出ができるようになる。
図22は、フレア画像を複数エリアに分割した概念図である。図23は、フレア画像の各分割エリアに除外フラグが格納された状態を示した概念図である。補正除外マップM2は補正対象画像(ここでは、フレア画像)を複数の評価領域に分割した際と同様の形態を持つ。補正量算出部32は、補正除外対象があるか否かを判断する(ステップS31)。そして、補正除外対象がある場合には(YES)、補正量算出部32は、図22の複数の分割エリアに対して、図23に示されているように、補正除外するブロックには「1」を格納する(ステップS32)。一方、補正除外対象がない場合には(NO)、補正量算出部32は、図22の複数の分割エリアに対して、図23に示されているように、補正除外しないブロックには「1」をマッピングする。またこのとき、補正量算出部32は、除外するか否かを示すフラグ「1」、「0」だけでなく、ブロックごとの評価値(例えば、画素値(輝度値)の平均値又は分散値)も格納する(ステップS34)。そして、補正量算出部32は、全ての分割エリアに対して、ステップS31〜34の処理を繰り返して行なう(ステップS35,NO)。全ての分割エリアでの処理が終了すると、補正量算出部32は、補正除外マップM2を作成が終了する(ステップS36)。
続いて、補正量算出部32は、補正量の算出を行い(ステップS37)、仮補正マップM1を作成する(ステップ38)。ここで、図24及び図25を用いて、補正量の算出及び仮補正マップM1の作成について詳細に説明する。図24において、(a)はフレア画像における重複領域及び重複領域付近の分割エリアを示した概念図、(b)は(a)の一部の分割エリアのみを示した拡大図、(c)は基準画像における重複領域及び重複領域付近の分割エリアを示した概念図、(b)は(c)の一部の分割エリアのみを示した拡大図である。
補正量の算出は、フレア画像と基準画像の重複領域を比較して行われる。Ch0(図24(a)参照)とCh1(図24(c)参照)の重複領域30で繋ぎ合わせる領域を破線枠で示しており、この右側にそれぞれの拡大図(図24(b)、(d)参照)を示している。全天球撮像用のデジタルカメラは表裏同時に撮影する。そのため、重複領域30内の同じ画像は、図3(a),(b)に示されているように、180度回転した位置となっている。つなぎ合わせる際、エリアAで示された評価領域の値は、一方はフレアが発生しているため高い値で、もう一方がそれより低い値を示す。本実施形態では、これを同じ値にするような補正を行う。補正に用いる値は以下の(式2)又は(式3)のいずれかを用いる。
補正量=(基準画像の評価値/フレア画像の評価値)・・・(式2)
補正量= 基準画像の評価値−フレア画像の評価値・・・(式3)
算出された補正量の値はフレア画像のエリアAに格納される。この処理を重複領域30の全てに対して実施する。
図25は、フレア画像の補正量を定めるための概念図である。算出された重複領域30の補正量を用いて、重複領域30の内側の補正量を算出する。具体的には重複領域30から、図25のように、半球画像内の中心へ向けて補正量を補間し、重複領域内側の各領域の補正量を決定する。
続いて、図26乃至図28を用いて、補正マップM4の作成及びこの補正マップM4を補正対象画像(半球画像)のケラレ領域に埋め込む処理について説明する。図26のステップS41,S42の処理は、補正マップ作成部33が行なう。図26のステップS43の処理は、埋込部34が行なう。
図26に示されているように、補正マップ作成部33は、仮補正マップM1に補正除外マップM2を適用する(ステップS41)。この処理に関して、図27を用いて詳細に説明する。
図27は、フレア画像の補正量を定めるための概念図である。補正マップ作成部33は、仮補正マップM1と補正除外マップ(高輝度マップ)M2を用いて、補正マップM3を作成する。具体的な手法は、例えば、特開2015−226144号公報に記載されているため、ここでは簡単に説明する。図27(a)に示す仮補正マップM1の各分割エリアにおいて、図27(b)の補正除外マップM2の対応する分割エリアの除外フラグが「1」であれば、図27(c)の補正マップの値を「1.0」に置き換える。一方、除外フラグ「0」であれば、仮補正マップM1で得られた値をそのまま用いる。この処理を全ての分割エリアに対して実施し、補正マップM3を作成する。
なお、補正除外マップM2適用後の補正マップM3は、分割エリア間で値が大きく変動している場合がある。そのため、算出された補正マップM1に対してガウシアンフィルタなどの平滑化フィルタをかけてもよい。
次に、補正マップ作成部33は、補正マップM3を変倍する(ステップS42)。この処理に関して、図28を用いて詳細に説明する。
図28は、補正マップの分割エリアを補正対象画像の解像度に合わせて変倍した場合の概念図である。補正マップM3は任意のブロックサイズの解像度になっている。これを補正対象画像全域に適用するために、図28(a)に示す補正マップM3を変倍し、図28(b)に示すように補正対象画像の解像度へと変換した補正マップM4を作成する。変倍方法としてはニアレストネイバー、バイリニア、バイキュービックなどの変倍方法を用いる。変倍後の補正マップM4を補正対象画像全体に適用し、補正後の画像を得る。
補正量を算出する場合に、(式2)を使用したのであれば、補正画像に対して補正量の乗算を行う。一方、(式3)使用したのであれば、補正画像に対して補正量の加算を行なう。尚、以上の補正演算に関して特開2015−226144号公報に開示されているように、算出値が極端に小さい又は大きくなりすぎないように、上限又は下限を設けて算出される算出値の量を制限してもよい。
最後に、埋込部34は、補正マップM4を補正対象画像(半球画像)のケラレ領域に埋め込む(ステップS43)。この処理に関して、図29乃至図31を用いて詳細に説明する。
図29は、補正マップを埋め込む前の半球画像の各ライン分のデータと、半球画像におけるケラレ領域を示す概念図である。半球画像はケラレ領域を含めて全て外部メモリ29へと転送される。しかし、上述のように、ISP通過後の半球画像におけるケラレ領域は、後段の処理では不要であるため、無駄な領域となっている。この場合、同じ1ラインの転送であっても、図29に示されているように、半球画像の中心部分の画像データの1ライン分(L1)と、半球画像の端部の画像データの1ライン分(L2)とでは、同じ1ライン分の転送であっても、ケラレ領域が占める割合が異なる。更に、ケラレ領域は後段の画像補正部23、」射影変換部24等では使用されない。したがって、このケラレ領域にデータを埋め込むことが可能である。
図30は、補正マップを埋め込んだ後の半球画像の各ライン分のデータと、半球画像におけるケラレ領域を示す概念図である。埋込部34は、半球画像の下部のようにケラレ領域に補正マップM4を埋め込むことで、半球画像とは別に補正マップMを外部メモリ29へと転送する必要がなくなる。これにより、図31に示されているように、1フレームあたりのメモリ帯域は、半球画像(魚眼画像)が2つ分で済む。即ち、半球画像A(例えば、補正対象画像ではない)と、補正マップM4を埋め込んだ状態の半球画像B(例えば、補正対象画像)との2つの画像の転送で済むことができる。なお、図31は、1フレームあたりの転送データを示した概念図である。なお、図31では、補正対象画像の場合の半球画像B側に補正マップM4を埋め込んだ例を示したが、補正対象画像でない場合の半球画像A側に埋め込んでもよい。
<<実施形態の効果>>
以上説明したように、本実施形態によれば、半球画像のケラレ領域に補正マップM4の出データ等の補正に関する情報を埋め込むことで、外部メモリ29へのアクセス効率が向上するという効果を奏する。
〔変形例〕
図32は、撮像素子から出力される画像データの変形例の概念図である。撮像素子103a,bの撮像面が白抜きされた円形画像で示されており、この変形画像が左側に寄っている。このような場合、各分割エリアの最終ライン(右側)のケラレ領域に埋め込んでもよい。本実施形態としてはケラレ領域に補正マップM4を埋め込み、メモリ帯域を減らすことを目的としているため、ケラレ領域における埋め込む位置は問わない。
また、埋め込むデータは上述した補正マップM4に限られない。例えば、図8において、画像補正部23が、外部メモリ29に画像データが任意のライン数書き込まれたときに動作する場合、埋め込まれた補正マップM4の末尾に画像補正部23を起動させるためのトリガ情報を埋め込むことも可能である。外部メモリI/F28が、そのトリガ情報を検出した際、起動トリガを画像補正部23に対して出力し、動作させることが可能である。また、書き込んだライン数を数える必要がなくなるため、回路規模を削減するという効果も奏する。