JP6823948B2 - 結像系、空間フィルタ及びそのような空間フィルタを含む結像系の設計方法 - Google Patents

結像系、空間フィルタ及びそのような空間フィルタを含む結像系の設計方法 Download PDF

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Description

本発明は、一般に光学結像系の分野に関する。さらに具体的には、デジタル画像後処理あり又はなしで結像系の被写界深度及び/又は焦点深度を修正するように適合された空間フィルタを含む、結像系に関する。
特に、位相マスクタイプの空間フィルタを含む結像系の設計方法に関する。本発明はまた、そのような空間フィルタを含む結像系に関する。
図1は、光学結像系を模式的に示す。最低限に簡素化すると、この結像系は、光学系10と画像センサ30とを含む。図示した例において、光学系10は、光軸12の周りに回転対称性を有する単一のレンズから成る。光学系10は、いくつかのレンズ又はその他の光学部品の組立体を含むことができる。瞳11は、光学系10の開口の境界を定める。一般に、瞳11の中心Oは、光軸12上に配置される。画像センサ30は、少なくとも1つの要素センサ31、32、33を含む。要素センサは、本明細書において、少なくとも1つの空間方向に解像要素(resolving element)を有するセンサとして理解される。画像センサ30は、一般に光軸12を横切る、検知面40内に配置される。光源(図示せず)は、物体空間200内に置かれた物体を照射する。光学系10は、この物体の像を像空間400内に形成する。より正確には、光学系10は、検知面40を物体面20に光学的に共役させる。結像系の焦点深度PMは、所与の画像検知系30が、検知された像内にぼけを検知しない又は僅かなぼけしか検知しない、像空間400の長軸方向間隔として定義される。物体空間200内で、撮像系の被写界深度PDCは、焦点深度PMに基づいて、光学共役の通常の関係を適用して定義される。焦点深度PMは、光学系の仕様(焦点、物体と像の光学的共役、開口数)、光ビームの波長λ、及び画像センサ30の解像要素の空間的広がりに依存する。
模式的に、図1には、例えば、所定サイズの、要素センサ31、32、33、すなわち画素(CCD若しくはCMOS)の平面マトリクス、画素のストリップ、又は単一センサ(光ダイオード)で形成された、検知系30が示されている。画素31は、検知面40内に、光軸12との交点に配置されている。画素31は、光軸12と焦点面20との交点に位置する点Aの像A’を検知する。光学系10は、物体空間の焦点面20を像空間の検知面40と光学的に共役させる。したがって、検知面40は、光軸12を横切る平面であり、かつ物体面20と光学的に共役する。同様に、それぞれ物体面21、22内に位置する点Ap、Arは、それぞれ像面41、42内に位置する点A’p、A’rと光学的に共役する。定義により、点A’r及びA’pは、焦点深度PMの幾何学的に計算された軸方向領域の両端に対応し、点A’r及びA’pにおいて像を形成する光ビームの横方向サイズは、検知面40内で画素31のサイズと等しいサイズを有する。したがって、検知系は、物体面20、21及び22の間では画質の劣化を検知しない。被写界深度PDCは、光学系10を通過した像が検知系30の1つの画素33の横方向サイズを有することになる、物体面21と物体面22との間の光軸12に沿った距離に幾何学的に対応する。
単純な幾何学的解析は、焦点深度PMが、特に、光学系の開口数、要素センサの特性サイズ及び光学系の倍率などのパラメータに依存することを示す。
光学結像系の被写界深度を大きくするための様々な技術が存在する。光学系瞳面内に配置されるアポダイザ・タイプ(apodizer−type)のフィルタが知られている。アポダイザ・フィルタは一般に、1つの像点において光学系によって生成される回折パターンの二次リングを抑制することを可能にする振幅分布を有する、伝達空間フィルタである。
図2に示されているのは、所与の瞳関数15を有する光学系の焦点面付近の像界内のインパルス応答の振幅を求めるために用いられる、幾何学的基準系である。
点Aの像を像点A’にて形成する焦点距離Fの光学系を含む、結像系を考える。この結像系は、空間フィルタ又は光学マスクをさらに含む。この光学マスクは、光学系瞳面の近傍、又は光学系瞳面と光学的に共役する平面内に配置される。光学マスクは、結像系のインパルス応答を振幅及び位相において修正しやすい複素瞳関数15を生成する。この複素瞳関数15は、D(ξ,η)で表され、ここでξ、ηは、瞳11の面13内のデカルト座標である。
フォーカス不良(focusing defect)は、本明細書において、共役点A’の波面に対する、瞳のエッジ13における光波の対応する位相ずれΨ(z,Z)により定義される。瞳は、光軸12を中心とする円形を有し、最小半径はRである。定義により、
であり、ここでw20は、フォーカス不良による瞳のエッジにおける基準球体に対する正規間隔(normal spacing)を波長の数で表現したものを表す。
フレネル近似において、像空間における電磁気界の複素振幅の表現は、式(2)で与えられる。
これを探索して、結像系の焦点深度、又は等価的に被写界深度を拡張するための位相マスクタイプの空間フィルタを決定する。数学的に表現すると、この問題は、所与の物点に対して、共役像点近傍の光学場が光軸に沿って不変性の性質を有するように、瞳面内で位相プロファイルD(ζ,η)を定義することに帰着する。
一般に、式(3)は、解析的解をもたない。
上記の問題は、回転対称性を有する光学系の場合、その光学系の場の中に位置する物点Aに対して、より単純に公式化することができる。円柱座標系を導入し、瞳面内で換算半径をρで表し、これは
で定義され、Rは瞳の最大半径である。
したがって、式(2)は、以下のように再公式化される。
正規化された強度は、
で表され、ここでIは、無限遠焦点共役において空間フィルタなしの結像系の検知面内での、回折により制限される、軸上の強度を表す。
中心に配置されていない光学系、又はフレネル近似が適用されないような開口数を有する光学系の場合、強度I(Z,x,y,z)の分布の他のモデルが存在し、それらは当業者には公知である(例えば、拡張ニーボア・ゼルニケ(Extended Nijboer−Zernik)(ENZ)理論を参照のこと)。
非特許文献1は、瞳の振幅を修正してインパルス応答を修正する、アポダイザタイプの空間フィルタを記載する。より正確には、非特許文献1は、|Ψ|≦6.28に対応する1λの次数のフォーカス不良について、応答の安定化を可能にする種々のアポダイザ・フィルタの性能を比較する。これらの振幅アポダイザ・フィルタは、結像系の光度の減衰を誘導するので、したがって結像系の測光効率を著しく低下させるという、主たる欠点を有する。
別の文献は、Ψに従う点拡がり関数(PSF)を安定化することを可能にする、多項プロファイルの位相マスクを記載する。非特許文献2は、意図される近似のフレームワーク内で、20ラジアンより高い振幅の欠陥を導入する、瞳面内に三次の位相の多項空間分布を有する位相マスク、すなわち立方位相マスクを提案し、これは|Ψ|≦30と評価されるデフォーカシング範囲、すなわち10倍のデフォーカシング利得を得ることを可能にする。それにもかかわらず、このような立方位相マスクは、得られた点拡がり関数(PSF)による、検知像のデコンボリューションを必要とする。これらの結果は、引き続き、類似の性能を有する対数プロファイルに拡張される。
このタイプの位相マスクは、別の欠点を有する。インパルス応答は、形状はほぼ不変であるが、インパルス応答の共通重心の位置が長軸に沿ってオフセットする。このオフセットは、デジタル的に修正することができない有意な像の歪曲を生じさせ、なぜなら、これは各物点の三次元位置に依存するからである。最後に、これらのマスクは一般に、製造に高い費用がかかり、それは一般にダイヤモンド加工により行われるためである。
非特許文献3は、0とπとの間の二項位相ずれを有する3つの同心リングから成る位相マスクを提案する。この位相マスクは、製造が簡単であり、像の歪曲を生じさせない。回折理論の適用により、2つの内部リングの正規化半径a及びbの異なる値に対して、光学系の長手方向の光軸に沿った強度分布の計算が可能になる。試行錯誤法により、a及びbの最適値を決定することで、軸方向の強度分布I(z,x=0,y=0)を一様にすること及び被写界深度を大きくすることが可能になる。しかしながら、この方法は、全像界内の強度分布を求めることは可能にしないので、空間分解能に関して最適性能を保証しない。このタイプの位相マスクは、点ごとに像が形成される、共焦点ビーム走査型顕微鏡での用途がある。画像の後処理と組み合わせると、このようなマスクは、フォーカス不良を|Ψ|≦7.6、すなわち2倍のデフォーカシング利得まで大きくすることを可能にする。
このようなリング位相マスクの使用は、2つの限界を有する。一方で、被写界深度及び/又は焦点深度の拡張に関しての性能が限られており、他方で、結像に際して、全像界にわたって画質を得るには強度の不変性の基準が十分ではない。最後に、デコンボリューションのステップは、一連の画像処理において付加的なステップを必要とする。
さらに、結像系の空間分解能又はコントラストを高めることを可能にするデジタル画像処理方法も存在する。しかしながら、これらの方法は一般にデジタル後処理を伴い、これは結像系の直接使用(デコンボリューションなし)とは両立しない。これらの方法は、性能が限られている。
J.Ojeda−Castaneda他、「Ambiguity Function as a Design Tool for high focal depth」、Appl.Opt.、1988年、第27巻、第4号 Cathey,E.Dowski、New Paradigm for lmaging System、Appl.Opt.、2002年、第41巻 H.Wang他、「High Focal Depth with a Pure−Phase Apodizer」、Appl.Optics、2001年、第40巻、第31号
したがって、結像系の被写界深度及び/又は焦点深度を修正(拡張又は縮小)することを可能する一方で、この修正された被写界深度及び/又は修正された焦点深度にわたる画質の不変性を保証する、空間フィルタの設計方法が必要とされている。結像系は、修正された被写界深度及び/又は修正された焦点深度の領域上の像を、画像の後処理なしで得ることを可能にすることが好ましい。
特に、既存の結像系に対して許容されるフォーカス不良の範囲を拡張して、その結果、この結像系の製造及び合焦設定を容易にすること、並びに、この結像系の被写界深度及び/又は焦点深度を歪曲又は画質の劣化を導入することなく拡張することが望ましい。
より正確には、結像系の被写界深度を画像の後処理なしで拡張して、後処理を必要とする従来の系と少なくとも同じぐらい大きい被写界深度拡張を得ることが望ましい。さらに、空間フィルタと後処理とを組み合わせた結像系の被写界深度を、従来技術の系で得られる結果と比べて有意に拡張することが望ましい。
結像系と組み合わせることが意図された空間フィルタであって、製造が容易であり、光学系の長手方向光軸に沿った画質を劣化させることなく結像系の被写界深度及び/又は焦点深度を修正することを可能にする空間フィルタもまた必要とされている。
本発明の目的
従来技術の上記欠点を改善するために、本発明は、長手光軸を有する光学系と、画像センサと、空間フィルタとを含む結像系を設計する方法を提案し、該結像系は、焦点面の像を画像センサ上に形成するように構成されており、該方法は、
a)焦点面の長軸方向位置及び画像センサの長軸方向位置を初期化するステップであって、光学系が、焦点面の長軸方向位置と画像センサ(30)の長軸方向位置とを長手光軸上で光学的に共役させる、ステップと、
b)光学系の瞳面内の空間フィルタの瞳位相関数を初期化するステップと、
c)空間フィルタと組み合わされた光学系の光学的伝達関数を、一方で空間周波数の、他方でフォーカス不良の関数として計算するステップと、
d)コントラストマップ及び位相マップを決定するステップであって、コントラストマップは、一方で空間周波数の、他方でフォーカス不良の関数として光学的伝達関数のモジュールに等しく、位相マップは、一方で空間周波数の、他方でフォーカス不良の関数として光学的伝達関数の引数に等しい、ステップと、
e)ステップd)で得られたコントラストマップ及び/又は位相マップから、空間周波数有効範囲内の結像系の焦点深度ドメインを決定し、焦点深度ドメインの長軸方向の範囲(longitudinal extention)の値を計算するステップと、
f)空間フィルタの瞳位相関数のメリット関数を、空間周波数有効範囲内で結像系の焦点深度ドメインの長軸方向の範囲の値の関数として評価するステップと、
g)空間フィルタの別の瞳位相関数に対してステップb)からステップf)までを繰り返すステップと、
h)空間フィルタの複数の瞳位相関数にそれぞれ対応するメリット関数の複数の評価から、結像系が空間周波数有効範囲内で焦点深度ドメインの長軸方向の範囲の決定された値を有することを可能にする、決定された瞳位相関数を選択するステップと、
を含む。
より具体的には、ステップd)は、
i)コントラスト閾値、位相ずれ閾値及びコントラスト平均変動閾値を初期化するステップと、
j)ステップd)で計算されたコントラストマップから、空間周波数有効範囲内でコントラスト値がコントラスト閾値以上になる、第1の焦点深度ドメインを決定するステップと、
k)ステップd)で計算された位相マップから、空間周波数有効範囲内で位相が位相ずれ閾値以下になる、第2の焦点深度ドメインを決定するステップと、
l)空間周波数有効範囲内で平均したコントラストの平均変動がコントラスト平均変動閾値以下になる、第3の合焦深度ドメインを決定するステップと、
を含み、
ステップe)は、
m)第1の焦点深度ドメインと、第2の焦点深度ドメインと、第3の焦点深度ドメインとの交わりをとることにより、焦点深度ドメインを決定するステップ
を含み、
ステップf)は、
n)フォーカス不良の関数として、空間周波数有効範囲内で平均した結像系の平均コントラストをステップm)で決定した焦点深度ドメインに対して計算するステップと、
o)空間フィルタの瞳位相関数を表現するメリット関数を評価するステップであって、メリット関数が、一方でステップm)で決定された結像系の焦点深度ドメインの長軸方向の範囲の値の、他方でステップn)で計算された空間周波数有効範囲内の平均コントラストの関数である、ステップと、
を含む。
独立して又は全ての技術的に可能な組合せに従って採用される、本発明による空間フィルタを含む結像系の設計方法の他の非限定的かつ有利な特徴は、以下の通りである。
−瞳は、光軸を中心とする円形であり、空間フィルタの瞳位相関数は、光軸の周りに回転対称性又は部分的回転対称性を有し、空間フィルタの瞳位相関数は、角度を有する扇形に分解される。
−空間フィルタの瞳位相関数は、一連の離散的な位相値を含む。
−空間フィルタの瞳位相関数は、二項位相値を含む。
−空間フィルタの瞳位相関数は、瞳の中心に対する半径方向距離の多項関数である。
−光学系の瞳は、光軸に関して非対称であり、コントラストマップは、実マップ及び虚マップを含む。
−メリット関数を評価するステップg)は、焦点深度ドメインの長軸方向の範囲の値と、デジタルべき指数(digital power coefficient)が作用した前記平均コントラストとの積を計算するステップを含み、このデジタルべき指数は、実数である。
−前記方法は、被写界深度ドメインの長軸方向の範囲の値を、焦点深度ドメインの前記長軸方向の範囲の値の関数として決定するステップを含む。
本発明はまた、画像センサと、瞳面を有する光学系とを含む結像系のための、空間フィルタを提案し、該空間フィルタは、瞳面内又は瞳面と光学的に共役する面内に配置されることが意図されており、空間フィルタは、結像系のコントラストマップ及び/又は位相マップを焦点深度ドメインにわたって及び空間周波数有効範囲にわたって修正するように適合された位相マスクを瞳面内に形成し、コントラストマップは、一方で空間周波数の、他方でフォーカス不良の関数として、空間フィルタと組み合わされた光学系の光学的伝達関数のモジュールに等しく、位相マップは、一方で空間周波数の、他方でフォーカス不良の関数として、空間フィルタと組み合わされた光学系の光学的伝達関数の位相に等しく、空間フィルタなしの結像系の幾何学的に計算された焦点深度より、少なくとも2に等しい係数、好ましくは、少なくとも10に等しい係数を掛けた分だけ高い、少なくとも2に等しい係数、好ましくは、少なくとも10に等しい係数で割った分だけ低い、上記ステップe)で計算された焦点深度ドメインの長軸方向の範囲の値を有する。
本発明はまた、光学系と、画像センサと、光学系の瞳面の近傍又は光学系の瞳面と光学的に共役する面内に配置された空間フィルタと、を含み、焦点面の像を画像センサ上に形成するように構成された、結像系を提案する。
より具体的には、本発明によれば、空間フィルタは、瞳面内に、瞳位相関数を有する位相マスクを形成し、瞳位相関数は、本発明の方法に従って決定され、空間フィルタと組み合わされた光学系が、空間フィルタなしの結像系の幾何学的に計算された焦点深度より、少なくとも2に等しい係数、好ましくは、少なくとも10に等しい係数を掛けた分だけ高い、少なくとも2に等しい係数、好ましくは、少なくとも10に等しい係数で割った分だけ低い、上記ステップe)で計算された長軸方向の範囲の値を有する、周波数有効範囲にわたって決定された焦点深度ドメインを有するようになっている。
具体的かつ有利な態様によれば、結像系は、画像センサにより検知されたデジタル画像を取得するように適合された画像取得系と、画像取得系により取得されたデジタル画像にデジタル後処理を適用するように構成された画像処理系とをさらに含み、デジタル後処理は、焦点深度ドメインの長軸方向の範囲の値及び平均コントラストと関連付けられた空間フィルタの関数である。
具体的かつ有利な実施形態によれば、結像系は、空間位相変調器を含み、該空間位相変調器は、空間フィルタを形成するように構成され、空間位相変調器は、動的に変調することが可能である。
添付の図面に関連した以下の説明は、非限定的な例を与えるためのものであり、本発明及びそれをどのように実施することができるかの良好な理解を可能にする。
位相マスクなしの従来技術の結像系の長軸方向断面図を示し、この結像系は、焦点深度及び被写界深度を定める。 瞳関数を有する結像系におけるインパルス応答を評価するために用いられる幾何学的基準系を模式的に示す。 光軸に対する半径方向距離の関数として、及び焦点面付近のフォーカス不良の関数として、強度の長軸方向分布の例を示す。 位相マスクなしの結像系に対して、空間周波数及びフォーカス不良の関数としてコントラストマップの例を示す。 位相マスクなしの同じ結像系に対応する像面内での位相マップの例を示す。 図5A−図5Rは、そのコントラストマップが図4Aに示され、位相マップが図4Bに示される位相マスクなしの結像系により取得されたジーメンス・テストチャート画像を示す。 本発明の実施形態による位相マスクの第1の例の写真を示す。 図6の位相マスクの半径方向位相プロファイルを模式的に示す。 図6及び図7に示す位相マスクを含む結像系に対して、空間周波数及びフォーカス不良の関数としてコントラストマップを示す。 空間周波数有効範囲内で平均したコントラストの長軸方向プロファイルの曲線をフォーカス不良の関数として示す。 図9A−図9Rは、図6及び図7に示す位相マスクを含む結像系により取得されたジーメンス・テストチャート画像を示し、これらの画像は後処理なしで得られたものである。 図10A−図10Rは、図6及び図7に示す位相マスクを含む結像系により実験的に取得されたジーメンス・テストチャート画像を示し、これらの画像はデジタル後処理により得られたものである。 本発明の実施形態の変種による、位相マスクの半径方向プロファイルの第2の例を模式的に示す。 図12A−図12Rは、その半径方向プロファイルが図11に示される位相マスクを含む結像系により取得されたジーメンス・テストチャート画像を示し、これらの画像はデジタル後処理により得られたものである。
方法
本発明は、光学結像系の被写界深度を修正することが可能であると同時に、この修正された被写界深度にわたる画質の不変性を保証する位相瞳マスクを含む、光学結像系の設計方法を提案する。本出願によれば、この方法は、光学結像系の被写界深度を延長する又は短縮するために実装することができる。
以下の本発明の開示において、光学系と、検知面に配置された結像センサと、場合により光学系瞳面内又は光学的共役面内に配置された位相マスクタイプの空間フィルタと、を含む、結像系を考える。結像系は、焦点面20の像を検知面40内にを形成するように構成される。
結像系(位相マスク有り又はなし)の性能は、コントラスト変動を、軸上のフォーカス不良の関数としてのみならず、空間周波数の関数としても示すコントラストマップにより評価される。それゆえ、位相マスクは、結像系のコントラストマップの演算子として示され、以後説明する方法は、これを計算するために用いられる。
場合により瞳位相マスクと組み合わされる光学系の光学的伝達関数(FTO)の展開は、フォーカス不良に従って推定される。FTOは、フォーカス不良の異なる値に対する瞳関数の自己相関によって評価することができる。回転対称性を有する光学系の場合、FTOは、例えば、軸上の強度分布I(Z,r,z)から次式
により直接推論することができ、ここでTFはフーリエ変換であり、TAはアーベル演算子:
である。
FTOは、一般に複素である。以下の本発明の開示において、光学的伝達関数(FTO)のモジュールは、コントラストマップと命名され、その引数は、位相マップと命名される。
例として、図1に示すような基準結像系を考え、これは焦点距離F=600mmのレンズ10を含み、直径R=25mmの円形瞳を有し、位相マスクを有さず、距離Z=5mmに位置する物体の像を位置z≒681.81mmに位置する検知面内に形成する。図4Aは、この基準結像系のコントラストマップを、空間周波数fの関数として、及び焦点面付近(z≒681.81mm)のフォーカス不良zの関数として示す。図4A及び図4Bにおいて、画像センサの空間分解能に対応する空間周波数(−fdet,fdet)及び使用周波数における光学系の回折の理論的限界に対応する空間遮断周波数(spatial cut frequencies)(−fcc,fcc)がそれぞれ示されている。検知面z=zが示されている。コントラストマップ(図4A)上で、コントラスト値は、焦点面から離れるとすぐに有効空間周波数に対して急激に低下することが観察される。
図4Bは、同じ基準結像系に対応する位相マップを、一方で空間周波数fの関数として、他方でフォーカス不良の関数として示す。水平線は、検知面z=zに対応する。この位相マップ上で、黒い領域は、ゼロ位相、すなわちポジティブコントラストに対応し、白い領域は、πに等しい位相、すなわちコントラストの反転に対応する。この位相マップ上で、FTOの位相は、検知面(z=z)の近傍では、空間周波数の関数として、特に空間周波数有効範囲(ここでは[−fdet,fdet])内で、一定(ゼロ位相)のままであることが観察される。ゼロ空間周波数に対しても、コントラスト位相は、示したフォーカス不良範囲内で光軸に沿って一定(ゼロ位相)のままである。しかしながら、図4Bのコントラスト位相は、空間周波数有効範囲内で、検知面から離れるとすぐに急激に変化する。この位相マップは、特定の空間周波数においてフォーカス不良の関数として生じるコントラスト反転を説明する。
コントラストマップ(図4A)及び位相マップ(図4B)は、位相マスクなしの結像系の画質が焦点面40から離れるとすぐに非常に急激に劣化することを上手く説明する。
この新たなアプローチは、結像系の性能をフォーカス不良の関数としてより良く評価することを可能にする。
図5は、異なる値のフォーカス不良に対して基準結像系を用いて行ったジーメンス・テストチャートの一連の実験的取得を示す。横軸及び縦軸は、ここでは約1100×1100画素から成る、画像センサの平面内の画素数を表す。
図5B、図5C、図5H、図5I、図5N、図5Qは、ジーメンス・テストチャートの完全な像を表し、全ての空間周波数を示す。図5A、図5B、図5Cは、フォーカス不良|Ψ|=0に対して、焦点面内に配置されたジーメンス・テストチャートの像を示す。図5D、図5E、図5Fは、同じジーメンス・テストチャートの像をフォーカス不良|Ψ|=±7.9に対して示す。図5G、図5H、図5Iは、同じジーメンス・テストチャートの像をフォーカス不良|Ψ|=±15.8に対して示す。図5J、図5K、図5Lは、同じジーメンス・テストチャートの像をフォーカス不良|Ψ|=±23.7に対して示す。図5M、図5N、図5Oは、同じジーメンス・テストチャートの像をフォーカス不良|Ψ|=±31.6に対して示す。図5P、図5Q、図5Rは、ジーメンス・テストチャートの像をフォーカス不良|Ψ|=±39.4に対して示す。
図5A、図5D、図5G、図5J、図5M、図5Pは、最低空間周波数に対応する、ジーメンス・テストチャートの像内の中心から外れた250×250画素の領域のズーム表示を表す。図5C、図5F、図5I、図5L、図5O、図5Rは、最高空間周波数に対応する、ジーメンス・テストチャートの像内の中心の250×250画素の領域のズーム表示を表す。
これらの像において、コントラストは、フォーカス不良の関数として像5A(|Ψ|=0)から像5P(|Ψ|±39.4)まで低下し、この低下は、テストチャートの中心、すなわち高空間周波数において、より強調される(像5R)ことを視覚的に観察することができる。これらの像において、コントラスト反転がフォーカス不良の関数として及び空間周波数の関数として生じることもまた、視覚的に観察することができる。
結像系の被写界深度又は焦点深度を瞳面内又は結像系の瞳に光学的に共役する面内に配置された位相マスクによって修正することの技術的課題は、場合により位相マップと組み合わされるこのコントラストマップにより、再公式化することができる。結像系の焦点深度の延長は、線z=zの両側で長軸(z)に沿った、及び結像系の空間周波数有効範囲内で、コントラストマップ及び位相マップを不変にすることに帰着する。検討対象の結像系の空間周波数有効範囲[−fc;fc]は、必要に応じて固定された入力パラメータであり、具体的には、画像センサの空間遮断周波数fdetの関数として決定することができる。好ましくは、被写界深度にわたって(又は焦点深度にわたって)及び空間周波数の有効ドメインにわたって、位相反転を避けることが望ましい。
一般に、結像系のための位相マスクの設計を達成するには、光学結像系に対して求める性質を定めることを可能にするために入力の大きさを定め、メリット関数に従って得られた結果を評価するために出力の大きさを定めることが賢明である。
特に光学結像系の被写界深度又は焦点深度に対して作用するために、これらの大きさは、以下のように定められる。
1)入力の大きさ
光学的伝達関数(FTO)の意味で異なる瞳位相マスクの性能を評価するために、基準を表す入力パラメータが導入される。
・コントラストの下限(C)に対する第1の条件
決定された空間周波数有効範囲[−fc;fc]に対するFTOのコントラストマップの任意の点において所望される最小コントラスト閾値Cの値が定義される。
・FTOの最大位相ずれ値(Φ)に対する第2の条件
空間周波数有効範囲[−fc;fc]内のFTOの位相マップ上で許容される位相ずれを限定する位相ずれ閾値Φの値が定義される。
例えば、Φが0ラジアンに等しいものとして固定された場合、決定された空間周波数有効範囲[−fc;fc]内でFTO上の位相ずれは許容されない。Φが2*πラジアンに等しいものとして固定された場合、決定された空間周波数有効範囲[−fc;fc]内で、FTO上で任意の位相ずれ、具体的にはコントラスト反転が許容される。
・コントラストの平均変動(S)に対する第3の条件
空間周波数有効範囲[−fc;fc]内で平均されたコントラストの長軸方向変動を限定する閾値Sの値が定義される。
例えば、Sが35%に等しいものとして固定された場合、コントラストマップの平均コントラストは、決定された空間周波数有効範囲[−fc;fc]内で35%を超えて変動してはならない。
2)出力の大きさ
結像系における異なる瞳位相マスクの性能を比較することを可能にするために、決定された空間周波数有効範囲[−fc;fc]の関数として、及び選択された閾値(C、Φ、S)の関数として、2つの基準が定義される。
・焦点深度ドメインの長軸方向の範囲の値(|P|)
焦点深度ドメインPは、ここでは、それ自体がC、Φ及びSにより固定された条件に基づいて定義されるいくつかのドメインの交わりとして定義される。より正確には、焦点深度ドメインPの長軸方向の範囲(|P|)は、焦点深度ドメインPの絶対値に等しく、したがって、
|P|=|Pc∩Ps∩Pφ|であり、Pc、Ps及びPφは以下のように定義される。
○ Pcは、空間周波数の全有効範囲[−fc;fc]において、Cで定義される第1の条件がコントラストマップ上で満たされる最大長軸方向領域として定義される。Pcは、限界Cに対する保持値に従って多少なりとも高い、最小分解能の長軸方向保持(longitudinal holding)の基準に基づく第1の焦点深度ドメインの測定値として解釈することができる。Cがゼロの場合、|P|=|Ps∩Pφ|である。
○ Pφは、Φで定義される第2の条件が位相マップ上で満たされる最大長軸方向領域として定義される。Pφは、位相マップの長軸方向領域にわたる、かつ空間周波数有効範囲[−fc;fc]内の、FTOの位相ずれの限定の随意的基準に基づく第2の焦点深度ドメインの測定値として解釈することができる。Φが2*πの場合、Pφは、無限又は非限定的であると考えられ、この場合には|P|=|Pc∩Ps|である。
○ Psは、コントラストマップ上で条件Sが満たされる最大長軸方向領域として定義される。不連続の場合、基準を満たす最大範囲が保持される。Psは、定義された閾値Sの値に従って多少なりとも厳格な、点拡がり関数(PSF)の形の長軸方向保持の基準に基づく第3の焦点深度の測定値として解釈することができる。Sがゼロの場合、コントラスト変動は許容されない。Sが100%に等しい場合、任意のコントラスト変動が許容され、Psは無限又は非限定的であると考えられ、この場合には|P|=|Pc∩Pφ|である。
・平均コントラスト
は、焦点距離ドメインPに対応するコントラストマップの領域にわたる結像系の平均コントラストをあらわす。
は、関連付けられた焦点深度ドメインP上での結像系の画質の指標として解釈することができる。
そのコントラストマップが図4Aに示される、位相マスクを有さない光学系から成る基準結像系を考える。
=1%、Φ=0ラジアン及びS=35%の値に対して、|P|=|Ps|=0.55mm及び
が、f=fdet=67(ライン対毎ミリメートル(pairs of lines per millimetre )、すなわちpl/mm)により決定される空間周波数有効範囲[−fc;fc]に対して得られる。
3)計算例
、Φ及びSは、設計者が所望の結像系の特性、変調伝達関数FTMの質及び/又は後者の不変性を選択することをそれぞれ可能にするパラメータである。
第1の適用例では、最小コントラスト閾値Cとして1%の値、0ラジアンに等しい(換言すれば、コントラスト反転が許容されない)Φの値、コントラスト変動閾値Sとして35%の値が選択される。
第2の適用例では、コントラスト変動閾値Sが、最小コントラスト閾値C=0%に基づく条件に比べて優遇される。これは、結果的に、焦点深度ドメインの長軸方向の範囲が高くなり得る結像系を優遇することになるが、空間分解能は潜在的に損なわれることになる。このような結像系(画質が比較的良くない)は、検知された像のデコンボリューションによる後処理を必要とする場合がある。
別の例において、高い、コントラストCの下限を選択することができる。この選択は、結果として、焦点深度ドメインの長軸方向の範囲に比べて空間分解能を優遇することになる。このような結像系は、検知された像のデコンボリューションを必要とせずに良好な画質を提供しやすい。
パラメータC、Φ及びSは、結像系の応答を定量する出力の大きさ
を、フォーカス不良の関数として、かつ空間周波数有効範囲[−fc;fc]の関数として決定することを可能にする。
設計者は、fcの値を固定し、次いでパラメータC、Φ及びSの入力値を選択する。しかしながら、所与の結像系に対して、同じ値の集合C、Φ及びSに対して課される条件を満たすことを可能にする位相マスクの解の特異性(unicity)はない。妥当な位相マスクの選択は、最適化プロセス、及び最適化プロセスに関連付けられるメリット関数の評価の結果である。
決定された光学的共役において、異なる瞳位相マスクを有する、同じ画像センサと同じ光学系との組合せに基づく異なる結像系をシミュレーションする。これらの異なる結像系は、最適化プロセス又は最小化プロセスにより、以下の2つのパラメータの関数として評価することができる。すなわち、その瞳位相マスクが設けられた結像系により得られる、一方で|P|に対応する焦点距離ドメインの長軸方向の範囲の測定値、他方で
に対応する平均画質の測定値である。
最適化アルゴリズムは、式2.1において瞳位相マスク(又は伝達)プロファイルD(ξ,η)を探索することを可能にし、焦点深度ドメインの長軸方向の範囲の値|P|及び/又は平均コントラスト
を修正すること、例えば大きくすることを可能にする。この計算は、従来の非線形最適化(例えば、ガウス・ニュートン法又はレーベンバーグ・マーカート(Levenberg−Marquardt)法)又は遺伝的アルゴリズム(NDS、Rang、トーナメント、偏りのあるルーレット・ホイール(biased roulette wheel)又はその他)を実装することができる。
最適化アルゴリズムの使用は、一般に、焦点深度ドメインの長軸方向の範囲の値|P|及び/又は平均コントラスト
の値に基づいたメリット関数の計算に基づく。
提案する方法は、例えば、光学系の空間分解能を保ちながら、非常に高いフォーカス不良に対する光学系の応答を安定化することを可能にすることができる。
後処理無しで大いに許容できる空間分解能を保持しながら、被写界深度又は焦点深度の高度の拡張を得ることもまた可能である。
同様に、本方法は、例えば長軸に沿って解像する顕微鏡用途において、結像系の被写界深度又は焦点深度ドメインの長軸方向の範囲の値を強く低減するために用いることもできる。
本方法は、任意の型式の位相マスクファミリー、すなわち、
−二項の若しくは定量化された位相ずれを含む半径方向プロファイル又は多項半径プロファイルを有する、回転対称性の位相マスク、
−そのプロファイルを可変寸法の角度を有する扇形に分解することができ、各扇形が二項の若しくは定量化された位相ずれを含む半径プロファイル又は多項半径プロファイルを有する、部分的回転対称性の位相マスク
の定義に適用することができる。
ひとたび設計対象の光学系に挿入されると、本方法で設計された瞳位相マスク(又は位相マスク)は、設計者が入力パラメータ(C,Φ,S)に課した値の関数として修正された被写界深度又は焦点深度を与える。
第1の適用例(図6−図9)において、上述の方法から誘導される瞳位相マスクの結合は、検知像の歪曲なしに、かつ空間周波数を保存して、フォーカス不良|Ψ|〜40ラジアンに達するまで結像系の被写界深度ドメインを拡張することを可能にし、その結果、利用できる画像を得るのに後処理は必須ではない。したがって、結像系の焦点深度は、この瞳位相マスクの挿入により即時に修正される。
別の適用例(図11−図12)において、別の瞳位相マスクは、像の歪曲なしに、フォーカス不良|Ψ|〜90ラジアンに達するまで被写界深度ドメインを著しく拡張することを可能にする。しかしながら、この場合、所望の分解能特性を有する画像を得るには、画像の後処理が望ましい。したがって、結像系の焦点深度は、この場合にもまた、この別の瞳位相マスクの挿入により即時に修正される。
瞳位相マスクは、光学系の瞳面近傍、又は別の光学系による該瞳面の共役面内に配置されるように設計することができる。
本方法は、任意の型式の光学系に適用することができる。この方法は、入力部において結像系に対する所望の基準を統合し、かつ、最適化すべき系のパラメータ、すなわち、開口数、焦点距離、集束距離、結像光ビームの波長又はスペクトル範囲を考慮に入れる。
第1の適用例では、像を取得した後の後処理を必須で要求することなく、結像系の焦点深度を大きくすることが探索される。
例証的かつ非限定的例として、
の形のメリット関数が計算され、ここで|P|は、各結像系に対して、焦点深度ドメインの長軸方向の範囲、すなわち不変性基準が遵守される長軸方向領域の、値を表す。実験的に、べき指数γ(power factor)は実数である。このメリット関数は、例えば遺伝的アルゴリズムとすることができる最適化アルゴリズム内に実装することができる。当業者に知られた、多基準最適化アルゴリズムなどの他の最適化アルゴリズムを用いることができる。
・第1の適用例
焦点距離600mmのダブレットで形成された光学系を含む結像系に関する第1の例示的な実施形態をここで説明する。この光学系には、開口F/12で動作することができる絞りが設けられ、瞳半径Rは25mmに等しい。像は、波長λ=532nmにて形成される。画像センサは、2048×2048画素のマトリクスであり、要素画素のサイズは、一辺が7.4ミクロンの正方形である。結像系は、5m−681.81mm共役であり、画像センサはダブレットの像面内に位置している。瞳位相マスクは、光学系のジオプトリの1つに対して、その瞳面の近傍に配置される。保持される遮断周波数は、fc=45pl/mm(ライン対毎mm)である。
結像系の空間周波数有効範囲[−fc;fc]にわたって以下のパラメータ値C=1%、Φ=0ラジアン及びS=35%が選択される。
メリット関数
に基づく遺伝的最適化アルゴリズムが選択される。
これは所定のプロファイルのバンクから開始され、各所定プロファイルに対して、関連付けられたメリット関数の値が決定される。
最適化アルゴリズムの実行中、|P|の増大は、結像系の焦点深度ドメインの長軸方向の範囲の値が増大することを意味し、及び/又は、平均コントラスト
の増大は、この焦点深度ドメイン内及び空間周波数有効範囲内で画質が向上することを意味する。
したがって、光学系の光軸の周りで回転対称性のプロファイルを有し、πと2πとの間の二項位相ずれを伴うリングを有する第1の位相マスク(図6)が決定される。用いられる位相マスクの位相プロファイルを図7の断面図で示す。この位相マスクは、25mmの最大半径Rを有し、約80個の位相リングを含む。
より正確には、以下の表は、二項位相リングの位相ずれを位相瞳マスク上の半径方向距離(u)の関数として示す。


図7は、上記表で定められる瞳位相マスクの第1の例の製造のために用いられる半径方向位相プロファイルを示す。
相補的位相プロファイルを有する、すなわち各リングに対して上記表と反対符号かつ同じモジュールの位相を有するマスクは、同じ結果を与えることが観察される。
さらに、明らかになった(unfolded)位相プロファイルを持つ位相マスク、例えば、中心から外側に向かって増大又は減少するように、各リングに対して、位相の値がモジュロ2πで上記表に示されている値と等しい位相マスクもまた、同一の結果を与える。
最後に、互いに同一の位相値、互いに相補的な位相値、及び/又は互いにモジュロ2πの位相値の組合せもまた、同一の結果を与える。
図8Aは、そのプロファイルが図7に示される位相マスクを含む結像系のコントラストマップを、空間周波数f及びフォーカス不良zの関数として表す。図4Aと比較すると、空間周波数有効範囲[−fc;fc]内でコントラストC(f,z)の増大が観察される。図8Aは、保持された基準C:|Pc|=8.36mm(|Ψ|〜40に対応)に関連付けられる焦点深度ドメインPcを決定することを可能にする。図8Bは、空間周波数有効範囲[−fc;fc]内の平均コントラストCfc(z)の長軸方向プロファイルの曲線をフォーカス不良の関数として表す。図8Bは、焦点深度ドメインPsを所定の閾値Sの関数として決定することを可能にし、ここでは|Ps|=7.88mmである。同様に、保持された基準Φに関連付けられる焦点深度ドメインPΦが決定され、ここで|PΦ|=8.26mmであることが見いだされる。
焦点深度ドメインPは、焦点深度ドメインPc、焦点深度ドメインPΦ、及び焦点深度ドメインPsの交わりから推論される。
焦点深度ドメインPc及び/又はPs及び/又はPφ及び/又はPは、一般に焦点面(Z=Z)に対して対称ではないことに留意されたい。
それゆえ、図7の半径方向プロファイルを有するマスクを付加することで、焦点深度ドメインの長軸方向の範囲の値、すなわち拡張の長軸方向間隔|P|=|Pc∩Ps|=7.88mmが現れることになる。同一入力の大きさC及びSで、マスクなしの系は、焦点深度ドメインの長軸方向の範囲の値|P|=|Pc∩Pφ∩Ps|=|Ps|=0.65を有する。したがって、後処理なしで10倍を超える焦点深度ドメインの長軸方向の範囲の増大が得られる。実際には、この焦点深度ドメインの長軸方向の範囲の増大は、像の歪曲を誘導せず、空間周波数を、利用できる画像を得るのに後処理が必須でない程度に保存する。したがってこの第1の例の位相マスクを結像系に付加することは、焦点深度ドメインを即時に修正すること(又は等価に、光学的共役の式を適用することにより、被写界深度ドメインを修正すること)を可能にし、かつ、結像系の光度に顕著な影響を与えない。
図9Aから図9Rは、図6及び図7に示す位相マスクの第1の例を含む結像系によって取得されたジーメンス・テストチャート像を示し、これらの像は、後処理なしで得たものである。図9Aから図9Rは、それぞれ図5Aから図5Rと同じフォーカス不良に対して得たものであり、図5と図9との間の唯一の違いは、図9では位相マスクが付加されていることである。
実験的に取得した像は、この結像系のシミュレーションと一致する。
図9Aでは、位相マスクを有する結像系の焦点面において、光学部品なしの同じ結像系の図5Aと比べてコントラストの低下が観察される。それにもかかわらず、図9P(|Ψ|〜40に対応)の高いフォーカス不良の場合、図5Pと比べて非常に顕著なコントラストの改善が観察される。位相マスク(図7に示す)を伴い、画像の後処理を伴わないこの結像系により、空間周波数の拡張された範囲にわたって像のコントラストの不変性が有効に得られる。
図7に関して説明したものと同じ位相マスク及び同じ光学結像系を用いて、検知されデジタル化された画像に対してデジタル後処理の付加的ステップが適用される。この後処理は、例えば、計算法及び最適化アルゴリズムの結果得られる位相マスクを設けた結像系の平均PSFによるウィーナー(Wiener)フィルタリング法の処理に基づくものである。代替法として、ルーシー・リチャードソン型のデコンボリューション又はブラインドデコンボリューション後処理を、場にわたる平均PSFに基づいて、選択された位相マスクに関する仮説なしに適用することができる。
この後処理の目的は、例えば、画像の分解能又は信号対雑音比を改善することにある。
図10Aから図10Rは、それぞれ、図9Aから図9Rに示す検知されデジタル化された画像に、図9Aから図9Rに示すのと同じフォーカス不良に対して適用されたこの画像後処理の結果を示し、図9と図10との唯一の違いは、図10では後処理の付加的ステップがあることである。
図10A−図10Rにおいて、ジーメンス・テストチャートは、|Ψ|〜40までのフォーカス不良範囲内で、テストチャートの中心部(図10C、図10F、図10I、図10D、図10O、図10R)も含めて、すなわち高い空間周波数に対して、ブレを示さずに完全に整っている。
・第2の適用例
第2の適用例では、コントラスト変動閾値Sが、コントラスト閾値Cに基づく条件に比べて優遇される。これは、結果的に、焦点深度ドメインの長軸方向の範囲の値|P|が高くなり得る結像系を優遇することになるが、空間分解能は潜在的に損なわれることになる。このような結像系(画質が比較的良くない)は、検知された像のデコンボリューションによる後処理を必要とする場合がある。
より正確には、この第2の適用例では、第1の適用例と同じ光学系及び同じ画像センサが選択される。瞳の半径は、50mm(開口数F/6)にされ、入力の大きさは、C=0%、Φ=0ラジアン及びS=65%に固定される。値C=0%は、最小コントラスト閾値にいかなる制約も課さない。値Φ=0ラジアンは、位相マップに対する制約を維持する(コントラスト反転なし)。閾値の値S=65%は、比較的高く、空間周波数有効範囲内の平均コントラストのより高い変動を許容する。このようにして見いだされた位相プロファイルは、図11に模式的に示す半径方向プロファイルを有する。位相マスクのこの第2の例は、最大半径50mmを有し、πと2πとの間の二項位相ずれを有する約60個の位相リングを含む。
図12Aから図12Rは、その半径方向位相プロファイルが図11に示される第2の例の位相マスクを含む結像系により取得されたジーメンス・テストチャートを示す。像12Aから12Rは、図10A−図10Rに適用したのと同じタイプの後処理により得られたものである。
像12A、12B、12Cは、フォーカス不良|Ψ|=±0.239ラジアンに対するジーメンス・テストチャートの像を示す。図12D、図12E、図12Fは、フォーカス不良|Ψ|=±18.7ラジアンに対する同じジーメンス・テストチャートの像を示す。図12G、図12H、図12Iは、フォーカス不良|Ψ|=±37.7ラジアンに対する同じジーメンス・テストチャートの像を示す。図12J、図12K、図12Lは、フォーカス不良|Ψ|=±56.7ラジアンに対する同じジーメンス・テストチャートの像を示す。図12M、図12N、図12Oは、フォーカス不良|Ψ|=±75.7ラジアンに対する同じジーメンス・テストチャートの像を示す。図12P、図12Q、図12Rは、フォーカス不良|Ψ|=±94.7ラジアンに対するジーメンス・テストチャートの像を示す。
この位相マスクの第2の例は、フォーカス不良|Ψ|〜97に対応する被写界深度の増大を可能にする。
・変形例及び他の適用例
変形例において、瞳位相マスクのプロファイルは、いくつかの波長において又は波長のスペクトル範囲にわたって最適化される。この変形例は、最終的に、広範なスペクトル範囲、例えば可視スペクトルにわたって用いられる光学系、又は分光装置における用途がある。
この変形例の用途は、眼用レンズの製造に関連し、この場合、眼用レンズの外部ジオプトリは、位相マスクを形成するように製造され、眼用レンズと眼の前方部分と水晶体とにより構成される結像系の被写界深度を修正するようになっており、画像センサは、ユーザの網膜である。眼用分野の別の用途において、位相マスクは生来の又は合成の水晶体に直接、例えばレーザ眼科的処置法により、彫り込まれる。したがって、被写界深度の増大は、特定の患者の非常に低下した遠近調節の余力を補償することを可能にすることが有利である。
別の用途において、光学結像系のための位相マスクのプロファイルは、上記方法に従って、別の目的、すなわち特定の空間周波数の選択的フィルタリングのために決定される。その目的のために、閾値よりコントラストが低くなる空間周波数が決定される。
別の用途において、結像系の被写界深度を低減することが望ましい場合がある。この事例は、例えば顕微鏡において、結像系の通常の被写界深度よりも低い分解能で深さ方向に解像される像を得ることが望まれる場合に存在する。位相マスクの結合は、この限定された領域内で空間分解能を低下させることなく被写界深度を修正することを可能にする。
本発明の方法は、Zemaxソフトウェアなど又は同等の光学系の計算ソフトウェアとインタフェースすることが有利である。したがって、結像系の設計者は、結像系内の光線追跡のシミュレーションと、画質と被写界深度(又は焦点深度)との間の妥協の最適化との両方の組合せを可能にするソフトウェアを有する。
装置
空間フィルタは、既存の結像系に挿入することを意図した位相マスクの形態であることが有利である。光学系の瞳にアクセス可能である場合、空間フィルタは、瞳面内又は瞳面近傍に配置されることが好ましい。光学系の瞳にアクセス可能である場合、空間フィルタが結像系の瞳面と光学的に共役するように別の光学系(レンズ、ミラー又はその他を伴う)が配置される。随意に、この別の光学系は、光学的倍率を生成することができる。したがって、瞳位相関数は、結合系との組合せで実行することができる。
位相マスクは、様々な製造技術、例えば、リソグラフィ又はイオンエッチング又は支持体のダイヤモンド切削により、容易に作製することができる。このような位相マスクは、低コストの連続製造のための成形によって容易に複製することができる。支持体の光学材料の屈折率の関数として、使用波長λにおける所望の位相ずれに対応する厚さが決定される。例示的な実施形態において、位相マスクの支持体は、平坦かつ平行な面を有するガラスブレードで構成される。代替的な特に有利な方式として、位相マスクは、光学系のジオプトリ上に直接製造することができる。
用途の一例において、上述の方法に従って得られる位相マスクは、眼用レンズの凸面上に直接作製される。この場合、画像センサは、人の眼であり、画像の後処理を必要としない位相マスク設計が好ましい。
例えば0とπの間の、二項位相ずれを有する位相リングから成るマスクの場合、伝達に0又はπの位相ずれDを導入するリングを製造することは容易であり、それほど費用はかからない。離散的な位相ずれπ/N(ここでNは2以上の整数)の位相リングから成るマスクの場合、製造方法は、一般に逐次的なステップで行われ、二項位相マスクと比べて実施にはより費用がかかる。
瞳マスクは、使用波長において屈折性の材料のブレード上に、公知のフォトリソグラフィ技術により、優れた横方向精度及び位相ずれで作製することができる。製造の許容差は、マイクロエレクトロニクス又はオプトエレクトロニクス用の部品の製造分野の当業者に対して特に難題を課すものではない。このマスクは、次に、成形によって複製され、非常に低い製造コストで多数の複製物にすることができる。
位相マスクは、例えば液晶マトリクス又は変形可能なミラーに基づいて、空間位相変調器などの能動部品上に動的に生成することもでき、ここでオンデマンドの局所的位相変数は、電子モジュールを介して制御することができる。この実施形態は、可変開口及び/又は可変焦点距離又は可変空間応答を有する結像系、例えば可変開口の絞りを設けたカメラ、ズーム又は可変倍率の顕微鏡又は分光計において特に興味深い。この場合、一連の開口値及び/又は焦点距離及び/又は倍率及び/又はスペクトル範囲に対して最適化された一連の位相マスクが前もって計算され、空間位相変調器は、所望の使用条件に対応する最適な位相マスクが生成されるように制御される。
10:光学系
12:光軸
11:瞳
13:瞳面
15:瞳位相関数
20:焦点面
21、22:物体面
30:画像センサ
31、32、33:要素センサ、画素
40:検知面
41、42:像面
50:空間フィルタ
200:物体空間
400:像空間
PM:焦点深度
PDC:被写界深度

Claims (13)

  1. 長手光軸(12)を有する光学系(10)と、画像センサ(30)と、空間フィルタ(50)とを含む結像系の設計方法であって、前記結像系は、焦点面(20)の像を前記画像センサ(30)上に形成するように構成されており、前記結像系の設計方法は、
    a)前記焦点面(20)の長軸方向位置(z)及び前記画像センサ(30)の長軸方向位置(z’)を初期化するステップであって、前記光学系(10)が、前記焦点面(20)の前記長軸方向位置(z)と前記画像センサ(30)の前記長軸方向位置(z’)とを前記長手光軸(12)上で光学的に共役させる、ステップと、
    b)前記光学系(10)の瞳面(13)内の前記空間フィルタ(50)の瞳位相関数(15)を初期化するステップと、
    c)前記空間フィルタ(50)と組み合わされた前記光学系(10)の光学的伝達関数(FTO)を、一方で空間周波数(f)の、他方でフォーカス不良(Ψ)の関数として計算するステップと、
    d)コントラストマップ及び位相マップを決定するステップであって、前記コントラストマップは、一方で空間周波数(f)の、他方でフォーカス不良(Ψ)の関数として前記光学的伝達関数(FTO)のモジュールに等しく、前記位相マップは、一方で空間周波数(f)の、他方でフォーカス不良(Ψ)の関数として前記光学的伝達関数(FTO)の引数に等しい、ステップと、
    e)ステップd)で得られた前記コントラストマップ及び/又は前記位相マップから、空間周波数有効範囲([−fc;fc])内の前記結像系の焦点深度ドメイン(P)を決定し、前記焦点深度ドメイン(P)の長軸方向の範囲の値(|P|)を計算するステップと、
    f)前記空間フィルタ(50)の前記瞳位相関数のメリット関数を、前記空間周波数有効範囲([−fc;fc])内で前記結像系の前記焦点深度ドメインの前記長軸方向の範囲の値(|P|)の関数として評価するステップと、
    g)前記空間フィルタ(50)の別の瞳位相関数(15)に対してステップb)からステップf)までを繰り返すステップと、
    h)前記空間フィルタ(50)の複数の瞳位相関数(15)にそれぞれ対応する前記メリット関数の複数の評価から、前記結像系が前記空間周波数有効範囲([−fc;fc])内で前記焦点深度ドメインの長軸方向の範囲の決定された値(|P|)を有することを可能にする、決定された瞳位相関数を選択するステップと、
    を含むことを特徴とする、結像系の設計方法。
  2. ステップd)は、
    i)コントラスト閾値(C)、位相ずれ閾値(Φ)及びコントラスト平均変動閾値(S)を初期化するステップと、
    j)ステップd)で計算されたコントラストマップから、前記空間周波数有効範囲([−fc;fc])内でコントラスト値が前記コントラスト閾値(|C|)以上になる、第1の焦点深度ドメイン(Pc)を決定するステップと、
    k)ステップd)で計算された位相マップから、前記空間周波数有効範囲([−fc;fc])内で位相が前記位相ずれ閾値(Φ)以下になる、第2の焦点深度ドメイン(Pφ)を決定するステップと、
    l)前記空間周波数有効範囲([−fc;fc])内で平均したコントラストの平均変動が前記コントラスト平均変動閾値(S)以下になる、第3の合焦深度ドメイン(Ps)を決定するステップと、
    を含み、
    ステップe)は、
    m)前記第1の焦点深度ドメイン(Pc)と、前記第2の焦点深度ドメイン(Pφ)と、前記第3の焦点深度ドメイン(Ps)との交わりをとることにより、前記焦点深度ドメイン(P)を決定するステップ
    を含み、
    ステップf)は、
    n)前記フォーカス不良(Ψ)の関数として、前記空間周波数有効範囲([−fc;fc])内で平均した前記結像系の前記平均コントラスト
    をステップm)で決定した前記焦点深度ドメイン(P)に対して計算するステップと、
    o)前記空間フィルタ(50)の前記瞳位相関数(15)を表現するメリット関数を評価するステップであって、前記メリット関数が、一方でステップm)で決定された前記結像系の前記焦点深度ドメイン(P)の長軸方向の範囲の値(|P|)の、他方でステップn)で計算された前記空間周波数有効範囲([−fc;fc])内の平均コントラスト
    の関数である、ステップと、
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の結像系の設計方法。
  3. 前記瞳は、前記光軸(12)を中心とする円形であり、前記空間フィルタ(50)の前記瞳位相関数(15)は、前記光軸(12)の周りに回転対称性又は部分的回転対称性を有し、前記空間フィルタ(50)の前記瞳位相関数は、角度を有する扇形に分解されることを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の結像系の設計方法。
  4. 前記空間フィルタの前記瞳位相関数(15)は、一連の離散的な位相値を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の結像系の設計方法。
  5. 前記空間フィルタの前記瞳位相関数(15)は、二項位相値を含むことを特徴とする、請求項4に記載の結像系の設計方法。
  6. 前記空間フィルタの前記瞳位相関数(15)は、前記瞳の中心に対する半径方向距離の多項関数であることを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の結像系の設計方法。
  7. 前記光学系の前記瞳は、前記光軸に関して非対称であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の結像系の設計方法。
  8. メリット関数を評価するステップg)は、前記焦点深度ドメイン(P)の前記長軸方向の範囲の値(|P|)と、デジタルべき指数(γ)が作用した前記平均コントラスト
    との積を計算するステップを含み、このデジタルべき指数(γ)は、実数であることを特徴とする、請求項に記載の結像系の設計方法。
  9. 被写界深度ドメインの長軸方向の範囲の値を、前記焦点深度ドメイン(P)の前記長軸方向の範囲の値(|P|)の関数として決定するステップを含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の結像系の設計方法。
  10. 画像センサと、瞳面(13)を有する光学系(10)とを含む結像系のための、空間フィルタ(50)であって、前記空間フィルタ(50)は、前記瞳面(13)内又は前記瞳面(13)と光学的に共役する面内に配置されることが意図されており、前記空間フィルタ(50)は、前記結像系のコントラストマップ及び/又は位相マップを、焦点深度ドメイン(P)にわたって及び空間周波数有効範囲([−fc;fc])にわたって修正するように適合された位相マスクを前記瞳面内に形成し、前記コントラストマップは、一方で焦点深度ドメイン(P)の空間周波数(f)の、他方でフォーカス不良(Ψ)の関数として、前記空間フィルタ(50)と組み合わされた前記光学系(10)の光学的伝達関数(FTO)のモジュールに等しく、また、前記位相マップは、一方で焦点深度ドメイン(P)の空間周波数(f)の、他方でフォーカス不良(Ψ)の関数として、前記空間フィルタ(50)と組み合わされた前記光学系(10)の光学的伝達関数(FTO)の位相に等しく、さらに前記空間フィルタ(50)なしの前記結像系の幾何学的に計算された焦点深度(PM)より、一方で、少なくとも2に等しい係数を掛けた分だけ高く、他方で、少なくとも2に等しい係数で割った分だけ低い、前記焦点深度ドメイン(P)の長軸方向の範囲の値(|P|)を有することを特徴とする、空間フィルタ(50)。
  11. −光学系(10)と、
    −画像センサ(30)と、
    −前記光学系(10)の瞳面(13)の近傍又は前記光学系(10)の前記瞳面(13)と光学的に共役する面内に配置された空間フィルタ(50)と、
    を含む、結像系であって、
    −前記結像系は、焦点面(20)の像を前記画像センサ(30)上に形成するように構成されており、
    前記空間フィルタ(50)は、前記瞳面(13)内に、瞳位相関数(15)を有する位相マスクを形成し、前記瞳位相関数(15)は、請求項1に記載の方法に従って決定され、前記空間フィルタ(50)と組み合わされた前記光学系(10)は、前記空間フィルタ(50)なしの前記結像系の幾何学的に計算された焦点深度(PM)より、少なくとも2に等しい係数を掛けた分だけ高く、少なくとも2に等しい係数で割った分だけ低い、前記焦点深度ドメイン(P)の長軸方向の範囲の値(|P|)を有する、空間周波数有効範囲([−fc;fc])にわたって決定された焦点深度ドメイン(P)を有するようになっていることを特徴とする、結像系。
  12. 前記画像センサ(30)により検知されたデジタル画像を取得するように適合された画像取得系と、前記画像取得系により取得された前記デジタル画像にデジタル後処理を適用するように構成された画像処理系とをさらに含み、前記デジタル後処理は、前記焦点深度ドメイン(P)の前記長軸方向の範囲の値(|P|)及び前記請求項2の方法により決定された平均コントラスト
    に関連付けられた前記空間フィルタ(50)の関数であることを特徴とする、請求項11に記載の結像系。
  13. 空間位相変調器を含み、前記空間位相変調器は、前記空間フィルタ(50)を形成するように構成され、前記空間位相変調器は、動的に変調されることが可能であることを特徴とする、請求項11に記載の結像系。



    以上
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