JP6823359B2 - インドール誘導体の塩及びその結晶 - Google Patents

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Description

本発明は、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有し、血清尿酸値異常に起因する疾患の予防又は治療薬として有用な、式:
Figure 0006823359
で表される化合物(化学名:4−(3−シアノインドール−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸・ナトリウム塩;以下、化合物(A)と称する)またはその水和物およびその製造方法に関するものである。
キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有し、血清尿酸値異常に起因する疾患の予防又は治療薬として有用な、式:
Figure 0006823359
で表される化合物(以下、化合物(B)と称する)が特許文献1に開示されている。しかし、そのナトリウム塩については、一般的な塩として記載されているのみであり、化合物(A)またはその水和物の特性については何ら報告されていない。
国際公開第2008/126898号パンフレット
医薬品原体としては一般的に結晶が望まれている。しかしながら、本発明者が鋭意検討した結果、特許文献1記載の化合物(B)の結晶は、下記の試験例1(溶解度試験)にて記載の通り、水への溶解性に問題があることが判明した。しかしながら、水への溶解性が悪い場合、その薬物吸収性が問題となることが多い。また、医薬品として用いるには製剤の工夫が必要となることもある。それゆえ、化合物(B)を医薬品原体として使用するには溶解性の改良が求められる。
本発明は、高い溶解性を有し、医薬品原体としての使用に適する前記化合物(B)の別異な形態を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、4−(3−シアノインドール−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸・ナトリウム塩またはその水和物が、極めて優れた溶解性を備え、しかも極めて良好な結晶性及び保存安定性を有していることから、医薬品原体として好適な化合物であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、前記課題を解決する為の手段は下記の通りである。
(1)式
Figure 0006823359
で表される化合物またはその水和物。
(2)結晶性である、前記(1)記載の化合物。
(3)13C固体NMRスペクトルチャートにおいて、化学シフト値(δ(ppm))として120.0±0.2、116.9±0.2及び109.4±0.2にピークを有するA形結晶である、前記(2)記載の化合物。
(4)以下の(a1)〜(a3)からなる群から選択される1〜3つの物理的特性によって特徴付けられるA形結晶である、前記(2)または(3)記載の化合物:
(a1)6.8±0.2、13.2±0.2及び16.2±0.2の回折角(2θ(°))におけるピークを含む粉末X線回折パターン;
(a2)2228±1、1535±1および1516±1の波数(cm−1)におけるピークを含むFT-ラマンスペクトル;および
(a3)316℃付近に吸熱ピークのオンセット温度を有する示差熱分析スペクトル。
(5)13C固体NMRスペクトルチャートにおいて、化学シフト値(δ(ppm))として162.4±0.2、135.2±0.2及び116.2±0.2にピークを有するB形結晶である、前記(2)記載化合物。
(6)以下の(b1)〜(b3)からなる群から選択される1〜3つの物理的特性によって特徴付けられるB形結晶である、前記(2)または(5)記載の化合物:
(b1)6.2±0.2及び12.4±0.2の回折角(2θ(°))におけるピークを含む粉末X線回折パターン;
(b2)2238±1、1601±1、1540±1および1516±1の波数(cm−1)におけるピークを含むFT-ラマンスペクトル;および
(b3)60℃及び284℃付近に吸熱ピークのオンセット温度を有する示差熱分析スペクトル。
(7)13C固体NMRスペクトルチャートにおいて、化学シフト値(δ(ppm))として140.1±0.2、134.3±0.2および122.0±0.2にピークを有するC形結晶である、前記(2)記載の化合物。
(8)以下の(c1)〜(c3)からなる群から選択される1〜3つの物理的特性によって特徴付けられるC形結晶である、前記(7)記載の化合物:
(c1)5.4±0.2、11.9±0.2および14.2±0.2の回折角(2θ(°))におけるピークを含む粉末X線回折パターン;
(c2)2235±1、1535±1および1509±1の波数(cm−1)におけるピークを含むFT-ラマンスペクトル;および
(c3)285℃付近に吸熱ピークのオンセット温度を有する示差熱分析スペクトル。
(9)13C固体NMRスペクトルチャートにおいて、化学シフト値(δ(ppm))として127.3±0.2、118.0±0.2および112.3±0.2にピークを有するD形結晶である、前記(2)記載の化合物。
(10)以下の(d1)〜(d3)からなる群から選択される1〜3つの物理的特性によって特徴付けられるD形結晶である、前記(9)記載の化合物:
(d1)5.5±0.2、13.7±0.2及び14.2±0.2の回折角(2θ(°))におけるピークを含む粉末X線回折パターン;
(d2)2230±1、1532±1および1508±1の波数(cm−1)におけるピークを含むFT-ラマンスペクトル;および
(d3)279℃付近に吸熱ピークのオンセット温度を有する示差熱分析スペクトル。
(11)13C固体NMRスペクトルチャートにおいて、化学シフト値(δ(ppm))として176.4±0.2、163.3±0.2、141.2±0.2、136.5±0.2、132.4±0.2、126.8±0.2、123.5±0.2、120.0±0.2、116.9±0.2、111.4±0.2、109.4±0.2及び85.5±0.2にピークを有するA形結晶である、前記(2)記載の化合物。
(12)13C固体NMRスペクトルチャートにおいて、化学シフト値(δ(ppm))として176.6±0.2、174.4±0.2、163.6±0.2、162.4±0.2、141.0±0.2、135.2±0.2、132.5±0.2、128.6±0.2、126.5±0.2、123.6±0.2、121.5±0.2、118.6±0.2、116.2±0.2、109.7±0.2及び86.7±0.2にピークを有するB形結晶である、前記(2)記載の化合物。
(13)13C固体NMRスペクトルチャートにおいて、化学シフト値(δ(ppm))として176.5±0.2、163.4±0.2、139.4±0.2、133.0±0.2、127.3±0.2、123.1±0.2、121.4±0.2、118.0±0.2、112.3±0.2、109.9±0.2及び88.9±0.2にピークを有するD形結晶である、前記(2)記載の化合物。
(14)薬剤として使用のための、前記(1)〜(13)記載の化合物。
(15)血清尿酸値異常に起因する疾患の予防又は治療に使用のための、前記(1)〜(13)記載の化合物。
(16)前記(1)〜(13)のいずれかに記載の化合物の有効量を投与することを特徴とする、血清尿酸値異常に起因する疾患の予防又は治療方法。
(17)前記(1)〜(15)のいずれかに記載の化合物および薬理学的に許容される医薬品添加物を含有する医薬組成物。
本発明は、別の態様として、以下の(18)〜(27)等に関する。
(18)粉末X線回折図において、回折角(2θ(°))として6.8、13.2、16.2、26.2及び27.8に特徴的なピークを有することを特徴とする、前記(2)記載の化合物。
(19)13C固体NMRスペクトルチャートにおいて、化学シフト値(δ(ppm))として176.37、163.32、141.18、136.46、132.42、126.81、123.47、119.95、116.88、111.44、109.43及び85.54に特徴的なピークを有することを特徴とする、前記(2)記載の化合物。
(20)示差熱分析チャートにおいて、314℃付近に吸熱ピークを有することを特徴とする、前記(2)記載の化合物。
(21)粉末X線回折図において、回折角(2θ(°))として6.2、12.4、14.4、19.1及び28.9に特徴的なピークを有することを特徴とする、前記(2)記載の化合物。
(22)13C固体NMRスペクトルチャートにおいて、化学シフト値(δ(ppm))として176.59、174.36、163.61、162.42、140.98、135.24、132.47、128.64、126.54、123.55、121.53、118.55、116.21、109.73及び86.73に特徴的なピークを有することを特徴とする、前記(2)記載の化合物。
(23)示差熱分析チャートにおいて、78℃及び292℃℃付近に吸熱ピークを有することを特徴とする、前記(2)記載の化合物。
(24)粉末X線回折図において、回折角(2θ(°))として13.7、24.1、27.0、27.5及び28.9に特徴的なピークを有することを特徴とする、前記(2)記載の化合物。
(25)13C固体NMRスペクトルチャートにおいて、化学シフト値(δ(ppm))として176.54、163.42、139.43、133.02、127.27、123.11、121.41、118.03、112.30、109.86及び88.90に特徴的なピークを有することを特徴とする、前記(2)記載の化合物。(26)示差熱分析チャートにおいて、290℃付近に吸熱ピークを有することを特徴とする、前記(2)記載の化合物。
(27)前記(18)〜(26)のいずれかに記載の化合物を有効成分として含有する医薬組成物。
本発明の化合物(A)またはその水和物は、極めて良好な溶解性、結晶性および保存安定性を有する。また、化合物(A)の結晶は流動性に優れており、例えば、製剤化において取扱い易い結晶である。
本発明の化合物(A)またはその水和物は、例えば、以下の方法により製造することができる。
例えば、特許文献1に記載の方法又はそれに準拠した方法に従い製造できる遊離体である化合物(B)と、等量(1.0当量)又は小過剰量の塩基とを有機溶媒/水の混合溶媒中で混合および加熱し、冷却後に析出した固体をろ取する。得られた固体を必要に応じ実験室雰囲気下(約25℃/50%相対湿度)で風乾、加熱又は(および)減圧により乾燥、並びに乾燥後、必要に応じ加湿条件下で保存することにより、化合物(A)またはその水和物を製造することができる。塩基としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられ、水酸化ナトリウムが好ましい。有機溶媒としてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。有機溶媒と水の混合溶媒においては、A形結晶を得る場合には有機溶媒の比率を大きくするのが好ましく、B形結晶を得る場合には水の比率を大きくすることが好ましい。結晶の乾燥条件としては、B形結晶を得る場合には実験室雰囲気下(約25℃/50%相対湿度)で風乾、又は乾燥後に加湿条件下で保存することが好ましい。また、D形結晶は、例えば、上記に記載の方法又はそれに準拠した方法に従い製造できる化合物(A)またはその水和物に水と1,4−ジオキサンの混液を加え加熱溶解し、熱時ろ過して得られた溶液を凍結乾燥した後、得られた固体にアセトニトリルを加え混合し、混合物から固体を取り出し、乾燥することにより製造することもできる。
本発明の化合物(A)またはその水和物は、尿酸生成抑制作用を有する、血清尿酸値異常に起因する疾患の予防又は治療薬として有用である。
本発明の化合物(A)またはその水和物と慣用されている製剤担体とを混合することにより固形医薬組成物を調製することができる。
これらの医薬組成物は、通常の調剤学的手法に従い、その剤形に応じ適当な賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤などの医薬品添加物を適宜混合し、常法に従い調剤することにより製造することができる。
例えば、散剤は、有効成分に必要に応じ、適当な賦形剤、滑沢剤などを加え、よく混和して散剤とする。例えば、錠剤は、有効成分に、適当な賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤などを加え、常法に従い打錠して錠剤とし、さらに必要に応じ、適宜コーティングを施し、フィルムコート錠、糖衣錠、腸溶性皮錠などにする。例えば、カプセル剤は、有効成分に、適当な賦形剤、滑沢剤などを加え、よく混和した後、又は常法に従い顆粒又は細粒とした後、適当なカプセルに充填してカプセル剤とする。さらに、このような経口投与製剤の場合は予防又は治療方法に応じて、速放性もしくは徐放性製剤とすることもできる。
本発明の医薬組成物を実際の予防又は治療に用いる場合、その有効成分である(化合物(A)またはその水和物の投与量は、患者の年齢、性別、体重、疾患及び治療の程度等により適宜決定されるが、例えば、経口投与の場合成人1日当たり概ね1〜2000mgの範囲で、一回又は数回に分けて投与することができる。
本発明の内容を以下の実施例及び試験例を用いて、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
(実施例1)
A形結晶
化合物(B)(1168.9mg)とエタノール(17.5mL)と水(1.6mL)を混合し80℃で加熱した。混合物に1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(4.2mL)を加え、同温下にて約1時間、室温で3日間攪拌した。混合物から固体を取り出し,エタノールと水の混液(エタノール3容量と水1容量を混合した液)(500μL)で洗浄した。得られた固体を70℃にて3時間減圧乾燥し、A形結晶を得た(収量1179mg)。
H−NMR(DMSO−d)(δ(ppm)):6.79−6.85(2H,m)、7.33−7.41(2H,m)、7.65−7.67(1H,m)、7.72−7.74(1H,m)、7.82−7.86(1H,m)、8.57(1H,s)
(実施例2)
B形結晶
化合物(B)(2035mg)と1mol/L水酸化ナトリウム水溶液7.31mLとエタノールと水の混液(エタノール1容量と水1容量を混合した液)(120mL)を混合し70℃にて加熱し溶解した。溶液を熱時ろ過し,得られた溶液を室温で約2時間攪拌した。析出した固体をろ取し,エタノールと水の混液(エタノール1容量と水1容量を混合した液)(1mL)で2回洗浄した。得られた固体を実験室雰囲気下(約25℃/50%相対湿度)で約3時間風乾し、B形結晶を得た(収量1.85g)。
H−NMR(DMSO−d)(δ(ppm)):6.80−6.85(2H,m)、7.34−7.41(2H,m)、7.65−7.67(1H,m)、7.72−7.74(1H,m)、7.83−7.87(1H,m)、8.57(1H,s)
(実施例3)
D形結晶
化合物(A)(2000mg)と水と1,4−ジオキサン混液(体積比1:1)100mLを混合し、70℃で加熱し溶解した。得られた溶液を水と1,4−ジオキサン混液(体積比1:1)20mLにて洗い込みながらグラスフィルターでろ過した。得られたろ液をドライアイス−アセトンバスにて急激に冷却し固体とした。その後、得られた固体を取り出し,その固体を約1日間減圧乾燥した(収量1956mg)。得られた固体の一部(1100mg)を取り出し、室温下でアセトニトリル20mLを加え、すぐに70℃の湯浴で1分加温し、室温下で10分間撹拌した。混合物から固体を取り出し、アセトニトリル1mLで洗い込み、約1時間室温下にて減圧乾燥し、D形結晶を得た(収量923mg)。
H−NMR(DMSO−d)(δ(ppm)):6.81−6.83(2H,m)、7.34−7.41(2H,m)、7.65−7.67(1H,m)、7.73−7.75(1H,m)、7.84−7.86(1H,m)、8.57(1H,s)
得られたA、BおよびD形結晶について、粉末X線回折、熱分析、13C固体NMRス
ペクトルを以下の条件で測定し、各データを得た。
粉末X線回折については、結晶を軽く乳鉢粉砕して粗大な粒子を粉砕した後、粉末X線回折装置X’Pert Pro MPD(スペクトリス株式会社パナリティカル事業部)を用いて反射法で測定した。
測定条件
放射線源:CuKα線
管電圧:45kV
管電流:40mA
得られたA、BおよびD形結晶の回折図を図1〜3に示し、代表的な回折ピークの回折角(2θ(°))及び回折ピークの相対強度(%)を表1〜3に示す。
Figure 0006823359
A形結晶の同定は、例えば、以下のピークセットを使用することができる。一つのピークセットとしては、6.8±0.2、13.2±0.2及び16.2±0.2である。別のピークセットとしては、6.8±0.2、13.2±0.2、16.2±0.2、26.2±0.2及び27.8±0.2である。さらに別のピークセットとしては、6.8±0.2、13.2±0.2、16.2±0.2、17.2±0.2、23.7±0.2、24.4±0.2、25.0±0.2、26.2±0.2、27.6±0.2、27.8±0.2及び28.4±0.2である。
Figure 0006823359
B形結晶の同定は、例えば、以下のピークセットを使用することができる。一つのピークセットとしては、6.2±0.2及び12.4±0.2である。別のピークセットとしては、6.2±0.2、12.4±0.2、14.4±0.2、19.1±0.2及び28.9±0.2である。さらに別のピークセットとしては、6.2±0.2、12.4±0.2、14.4±0.2、14.8±0.2、19.1±0.2、20.2±0.2、27.7±0.2及び28.9±0.2である。
Figure 0006823359
D形結晶の同定は、例えば、以下のピークセットを使用することができる。一つのピークセットとしては、5.5±0.2、13.7±0.2及び14.2±0.2である。別のピークセットとしては、5.5±0.2、13.7±0.2、14.2±0.2、24.1±0.2、27.0±0.2、27.5±0.2及び28.9±0.2である。さらに別のピークセットとしては、5.5±0.2、13.7±0.2、14.2±0.2、16.9±0.2、24.1±0.2、25.0±0.2、25.3±0.2、26.4±0.2、27.0±0.2、27.5±0.2及び28.9±0.2である。さらに別のピークセットとしては、4.3±0.2、5.5±0.2、13.0±0.2、13.7±0.2、14.2±0.2、16.9±0.2、17.3±0.2、18.9±0.2、20.2±0.2、22.2±0.2、24.1±0.2、25.0±0.2、25.3±0.2、26.4±0.2、27.0±0.2、27.5±0.2、28.1±0.2、28.9±0.2、29.3±0.2、30.0±0.2、30.5±0.2、30.9±0.2及び32.5±0.2である。さらに別のピークセットとしては、13.7±0.2、24.1±0.2、27.0±0.2、27.5±0.2及び28.9±0.2である。
粉末X線回折はデータの性質上、結晶の同一性を認定する際には、2θ値及び全体的な回折パターンが重要である。X線回折パターンにおける相対強度が、試料条件や測定条件によって変動しうることは、一般に公知である。なお、粉末X線回折による回折パターンの2θ値は、試料条件や測定条件によって僅かに変動することがある。典型的な2θ値の変動は、約±0.2(°)である。
熱分析については、差動型示差熱天秤TG-DTA TG8120(株式会社リガク)を用いて窒素ガス雰囲気下にて測定した。
測定条件
昇温速度:10℃/分
基準物質:酸化アルミニウム
得られたA、BおよびD形結晶のチャートを図4〜6にそれぞれ示す。
A形結晶の吸熱ピーク:314℃付近(ピークトップの温度)
:316℃付近(オンセットの温度)
B形結晶の吸熱ピーク:78℃付近及び292℃付近(ピークトップの温度)
:60℃付近及び284℃付近(オンセットの温度)
B形結晶の重量減少(約50〜100℃付近):約9%
D形結晶の吸熱ピーク:290℃付近(ピークトップの温度)
:279℃付近(オンセットの温度)
なお、熱分析における重量変化および吸熱変化は、試料条件や測定条件によって変動することがある。
13C固体NMRスペクトルについては、検体を4 mmのジルコニア製のローターに充填し、Bruker社製 Avance DRX500を用いて、CP/MAS法により測定した。また、外部標準として、グリシンのカルボニル炭素を176.42ppmに合わせた。
測定条件
回転速度:10kHz
コンタクトタイム(P15):3.0m秒
繰り返し時間(d1):5.0秒
得られたA、BおよびD形結晶のスペクトルチャートを図7〜9にそれぞれ示し、代表的なピークの小数点以下第1位までの化学シフト値(δ(ppm))(小数点以下第2位までの化学シフト値(δ(ppm)))を表4〜6に示す。
Figure 0006823359
A形結晶の同定は、例えば、以下のピークセットを使用することができる。一つのピークセットとしては、120.0±0.2、116.9±0.2及び109.4±0.2である。別のピークセットとしては、163.3±0.2、141.2±0.2、136.5±0.2、132.4±0.2、126.8±0.2、123.5±0.2、120.0±0.2、116.9±0.2、111.4±0.2及び109.4±0.2である。さらに別のピークセットとしては、176.4±0.2、163.3±0.2、141.2±0.2、136.5±0.2、132.4±0.2、126.8±0.2、123.5±0.2、120.0±0.2、116.9±0.2、111.4±0.2、109.4±0.2及び85.5±0.2である。
Figure 0006823359
B形結晶の同定は、例えば、以下のピークセットを使用することができる。一つのピークセットとしては、162.4±0.2、135.2±0.2及び116.2±0.2である。別のピークセットとしては、163.6±0.2、162.4±0.2、141.0±0.2、135.2±0.2、132.5±0.2、128.6±0.2、126.5±0.2、123.6±0.2、121.5±0.2、118.6±0.2、116.2±0.2及び109.7±0.2である。さらに別のピークセットとしては、176.6±0.2、174.4±0.2、163.6±0.2、162.4±0.2、141.0±0.2、135.2±0.2、132.5±0.2、128.6±0.2、126.5±0.2、123.6±0.2、121.5±0.2、118.6±0.2、116.2±0.2、109.7±0.2及び86.7±0.2である。
Figure 0006823359
D形結晶の同定は、例えば、以下のピークセットを使用することができる。一つのピークセットとしては、127.3±0.2、118.0±0.2および112.3±0.2である。別のピークセットとしては、163.4±0.2、139.4±0.2、133.0±0.2、127.3±0.2、123.1±0.2、121.4±0.2、118.0±0.2、112.3±0.2及び109.9±0.2である。さらに別のピークセットとしては、176.5±0.2、163.4±0.2、139.4±0.2、133.0±0.2、127.3±0.2、123.1±0.2、121.4±0.2、118.0±0.2、112.3±0.2、109.9±0.2及び88.9±0.2である。
なお、13C固体NMRスペクトルによる化学シフト値は、試料条件や測定条件によって僅かに変動することがある。典型的な化学シフト値の変動は、約±0.2(δ(ppm))である。
(実施例4)
C形結晶
実施例2で得たB形結晶の一部(1.006g)を80℃にて終夜減圧乾燥し、C形結晶を得た(収量:0.8936g)。
得られたC形結晶について、A、BおよびD形結晶と同様の方法で、粉末X線回折、熱分析、13C固体NMRスペクトルを測定し、各データを得た。
得られたデータを下記に示し、各図を図10〜12に示す。

C形結晶の吸熱ピーク:295℃付近(ピークトップの温度)
:285℃付近(オンセットの温度)
Figure 0006823359
C形結晶の同定は、例えば、以下のピークセットを使用することができる。一つのピークセットとしては、5.4±0.2、11.9±0.2及び14.2±0.2である。別のピークセットとしては、5.4±0.2、11.9±0.2、12.7±0.2、13.4±0.2、13.7±0.2、14.2±0.2、16.6±0.2、18.2±0.2、19.6±0.2、20.1±0.2、27.0±0.2及び27.5±0.2である。さらに別のピークセットとしては、5.4±0.2、11.9±0.2、12.7±0.2、13.4±0.2、13.7±0.2、14.2±0.2、16.5±0.2、16.6±0.2、17.2±0.2、18.2±0.2、19.6±0.2、20.1±0.2、27.0±0.2、27.5±0.2、28.1±0.2及び31.5±0.2である。
Figure 0006823359
C形結晶の同定は、例えば、以下のピークセットを使用することができる。一つのピークセットとしては、140.1±0.2、134.3±0.2および122.0±0.2である。別のピークセットとしては、163.3±0.2、140.1±0.2、134.3±0.2、132.8±0.2、127.2±0.2、124.8±0.2、122.0±0.2、118.7±0.2及び110.1±0.2である。さらに別のピークセットとしては、176.6±0.2、175.4±0.2、163.3±0.2、140.1±0.2、134.3±0.2、132.8±0.2、127.2±0.2、124.8±0.2、122.0±0.2、118.7±0.2、110.1±0.2、89.0±0.2及び87.2±0.2である。
フーリエ変換−ラマン分光の測定
A、B、CおよびD形結晶について、RAM II FT−ラマンモジュール付Vertex 70 FT-IR分光器(Bruker社)を用い、サンプルローター(Ventacon、UK)を使用して、フーリエ変換−ラマン分光(FT−ラマン)を測定した。
測定条件
近赤外レーザー:1064 nm
検出器:液体窒素冷却型ゲルマニウム検出器
レーザー出力:200mW(A、BおよびC形結晶)
:100mW(D形結晶)
得られた代表的なピークを以下の表9に示し、スペクトルチャートを図13〜16に示す。
Figure 0006823359
なお、フーリエ変換−ラマン分光スペクトルによる波数は、試料条件や測定条件によって僅かに変動することがある。典型的な波数の変動は、約±1(cm−1)である。
例えば、錠剤中の各結晶形の13C固体NMRスペクトル、粉末X線回折及びFT-ラマンスペクトルは、錠剤をわずかな圧力により粉砕した後、上述の方法と同様の方法で測定することができる。
(比較例1)
化合物(B)の結晶
特許文献1の実施例188に記載の方法で得られた化合物(B)の結晶について、粉末X線回折をA、B、CおよびD形結晶と同様に測定した。得られた回折図を図17に示す。
(比較例2)
化合物(B)のベンザチン塩の結晶(以下、ベンザチン塩の結晶と称する)
化合物(B)100mgとN,N’−ジベンジルエチレンジアミン43.2mgとエタノール/水の混合溶媒(体積比1/1)2mLを混合し、80℃に加温し、1時間撹拌した。混合物を室温下で放冷し、終夜撹拌した。混合物から固体を取り出し、エタノール/水の混合溶媒(体積比1/1)100μLで2回洗浄した。得られた固体を30分間風乾した後、70℃で3時間減圧乾燥し、ベンザチン塩の結晶を得た(収量109.0mg)

H−NMR(DMSO−d)(δ(ppm)):3.04(2H,s)、4.05(2H,s)、6.95−6.98(2H,m)、7.35−7.46(7H,m)、7.67−7.75(2H,m)、7.88−7.90(1H,m)、8.61(1H,s)
比較例2で得られたベンザチン塩の結晶について、粉末X線回折をA、B、CおよびD形結晶と同様に測定した。得られた回折図を図18に示す。
本発明において、化合物(A)のA形結晶は、粉末X線回折、13C固体NMRスペクトル及びFT−ラマン分光の上記ピークを組み合わせて、同定することもできる。
化合物(A)のA形結晶を同定する態様として、例えば、以下の(A−1)〜(A−3)態様が挙げられる。
(A−1)120.0±0.2、116.9±0.2及び109.4±0.2の化学シフト値(δ(ppm))におけるピークを含む13C固体NMRスペクトル;及び
2228±1、1535±1および1516±1の波数(cm−1)におけるピークを含むFT-ラマンスペクトル。
(A−2)120.0±0.2、116.9±0.2及び109.4±0.2の化学シフト値(δ(ppm))におけるピークを含む13C固体NMRスペクトル;及び
6.8±0.2、13.2±0.2及び16.2±0.2の回折角(2θ(°))におけるピークを含む粉末X線回折パターン。
(A−3)6.8±0.2、13.2±0.2及び16.2±0.2の回折角(2θ(°))におけるピークを含む粉末X線回折パターン;
120.0±0.2、116.9±0.2及び109.4±0.2の化学シフト値(δ(ppm))におけるピークを含む13C固体NMRスペクトル;及び
2228±1、1535±1および1516±1の波数(cm−1)におけるピークを含むFT-ラマンスペクトル。
化合物(A)のB形結晶を同定する態様として、例えば、以下の(B−1)〜(B−3)態様が挙げられる。
(B−1)162.4±0.2、135.2±0.2及び116.2±0.2の化学シフト値(δ(ppm))におけるピークを含む13C固体NMRスペクトル;及び
2238±1、1601±1、1540±1および1516±1の波数(cm−1)におけるピークを含むFT-ラマンスペクトル。
(B−2)162.4±0.2、135.2±0.2及び116.2±0.2の化学シフト値(δ(ppm))におけるピークを含む13C固体NMRスペクトル;及び
6.2±0.2及び12.4±0.2の回折角(2θ(°))におけるピークを含む粉末X線回折パターン。
(B−3)6.2±0.2及び12.4±0.2の回折角(2θ(°))におけるピークを含む粉末X線回折パターン;
162.4±0.2、135.2±0.2及び116.2±0.2の化学シフト値(δ(ppm))におけるピークを含む13C固体NMRスペクトル;及び
2238±1、1601±1、1540±1および1516±1の波数(cm−1)におけるピークを含むFT-ラマンスペクトル。
化合物(A)のC形結晶を同定する態様として、例えば、以下の(C−1)〜(C−3)態様が挙げられる。
(C−1)140.1±0.2、134.2±0.2および122.0±0.2の化学シフト値(δ(ppm))におけるピークを含む13C固体NMRスペクトル;及び
2235±1、1535±1および1509±1の波数(cm−1)におけるピークを含むFT-ラマンスペクトル。
(C−2)140.1±0.2、134.2±0.2および122.0±0.2の化学シフト値(δ(ppm))におけるピークを含む13C固体NMRスペクトル;及び
5.4±0.2、11.9±0.2および14.2±0.2の回折角(2θ(°))におけるピークを含む粉末X線回折パターン。
(C−3)5.4±0.2、11.9±0.2および14.2±0.2の回折角(2θ(°))におけるピークを含む粉末X線回折パターン;
140.1±0.2、134.2±0.2および122.0±0.2の化学シフト値(δ(ppm))におけるピークを含む13C固体NMRスペクトル;及び
2235±1、1535±1および1509±1の波数(cm−1)におけるピークを含むFT-ラマンスペクトル。
化合物(A)のD形結晶を同定する態様として、例えば、以下の(D−1)〜(D−3)態様が挙げられる。
(D−1)127.3±0.2、118.0±0.2および112.3±0.2の化学シフト値(δ(ppm))におけるピークを含む13C固体NMRスペクトル;及び
2230±1、1532±1および1508±1の波数(cm−1)におけるピークを含むFT-ラマンスペクトル。
(D−2)127.3±0.2、118.0±0.2および112.3±0.2の化学シフト値(δ(ppm))におけるピークを含む13C固体NMRスペクトル;及び
5.5±0.2、13.7±0.2及び14.2±0.2の回折角(2θ(°))におけるピークを含む粉末X線回折パターン。
(D−4)5.5±0.2、13.7±0.2及び14.2±0.2の回折角(2θ(°))におけるピークを含む粉末X線回折パターン;
127.3±0.2、118.0±0.2および112.3±0.2の化学シフト値(δ(ppm))におけるピークを含む13C固体NMRスペクトル;及び
2230±1、1532±1および1508±1の波数(cm−1)におけるピークを含むFT-ラマンスペクトル。
(試験例1)
溶解度試験
A、B、CおよびD形結晶、化合物(B)およびベンザチン塩の結晶を、それぞれ、水に懸濁させ37℃で振とうした。このとき、各結晶20mgに対して、水2mLまたは各結晶30mgに対して水6mLを加え懸濁液を調製した。各懸濁液の一部をろ過し、得られたろ液をHPLCにより測定した。別途、調製した既知濃度の標準溶液を同様の条件でHPLCにより測定し、得られた面積値から検量線を作成した。得られた検量線よりそれぞれの結晶の溶解度を計算し比較した。HPLCによる測定条件は下記の通りである。
ベンザチン塩の結晶以外の測定条件については溶解度試験HPLC条件(1)、ベンザチン塩の結晶の測定条件については溶解度試験HPLC条件(2)を用いた。

溶解度試験HPLC条件(1)
検出器:紫外可視吸光光度計/波長:225nm
カラム:L−column2 ODS、3μm、4.6×150mm(一般財団法人化学物質評価研究機構製)
カラム温度:40℃付近一定温度
流量:1.0mL/分
移動相A:10mmolのリン酸二水素カリウム、10mmolのリン酸水素二カリウムおよび水1000mLを混合した溶液
移動相B:アセトニトリル
移動相比率
0〜7.5分:移動相A/移動相B=60/40

溶解度試験HPLC条件(2)
検出器:紫外可視吸光光度計/波長:225nm
カラム:L−column2 ODS、3μm、4.6×150mm(一般財団法人化学物質評価研究機構製)
カラム温度:40℃付近一定温度
流量:1.0mL/分
移動相A:10mmolのリン酸二水素カリウム、10mmolのリン酸水素二カリウムおよび水1000mLを混合した溶液
移動相B:アセトニトリル
移動相比率
0〜17分:移動相A/移動相B=70/30
水におけるA、B、CおよびD形結晶、化合物(B)及びベンザチン塩の結晶の溶解度値を表10に示す。試験開始2時間後の各結晶の溶解度を比較した。化合物(B)の結晶に対して、ベンザチン塩の結晶が約4倍の溶解度であるのに対し、A、B、CおよびD形結晶は、化合物(B)の結晶に対してそれぞれ約400倍、約100倍、約135倍、約434倍の溶解度が認められた。上記のことから、A、B、CおよびD形結晶では、化合物(B)に対して顕著な溶解性の向上が認められた。
Figure 0006823359
(試験例2)
安定性試験1
A、BおよびD形結晶を40℃75%相対湿度で開放下において保存し、それぞれの結晶形の物理的安定性および化学的安定性を調べた。検体の開始時と2箇月後の試料につき、粉末X線回折を実施例1と同様に測定して結晶形の物理的安定性を確認し、類縁物質の量を下記のHPLC測定条件を用いて測定して化学的安定性を確認した。結果を表11に示す。40℃75%相対湿度開放保存下において、いずれの結晶も結晶形の変化は認められなかった。また、A、BおよびD形結晶は、いずれも、化学的に安定であった。
HPLC条件
検出器:紫外可視吸光光度計/波長:225nm
カラム:L−column2 ODS、3μm、4.6×150mm(一般財団法人化学物質評価研究機構製)
カラム温度:40℃付近一定温度
流量:1.0mL/分
移動相A:20mmol/Lリン酸二水素カリウム溶液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液を加えpHを6.0に調整した液
移動相B:アセトニトリル
移動相比率
0〜10分:移動相A/移動相B=70/30
10〜20分:移動相A/移動相B=70/30〜25/75(グラジエント)
20〜30分:移動相A/移動相B=25/75
注入量:5μL
試料溶液:検体に移動相Aと移動相Bの混液を加え、約0.5mg/mLに調製した液。ブランクに由来するピークを除き、各々のピーク面積を自動積分法により測定し、面積百分率法によりそれらの値を求めた。
Figure 0006823359
(試験例3)
安定性試験2
A、B、CおよびD形結晶を40℃で保存し、それぞれの結晶形の物理的安定性および化学的安定性を調べた。試験例2と同様の方法で確認した。結果を表12に示す。40℃保存下において、いずれの結晶も結晶形の変化は認められなかった。また、いずれの結晶も化学的に安定であった。
Figure 0006823359
(試験例4)
水分吸脱着試験
化合物(A)のA形結晶および化合物(B)について、水分吸脱着の測定を以下の条件で行った。結果を表13に示し、水分吸脱着等温線を図19〜20に示す。
(使用機器)
水分吸脱着測定装置IGAsorp(Hiden Isochema社)
(操作)
<測定に使用した検体及び量>
化合物(B)の結晶:約5mg
A形結晶:約17mg
<前処理:乾燥>
各検体を水分吸脱着測定装置内におき,温湿度を60℃/0%RHに設定し,60分以上乾燥した。乾燥後,温湿度を25℃/0%RHに設定し,30分以上質量を安定化させた。
<測定>
乾燥した上記検体につき,吸着については相対湿度を10%RH〜90%RHまで10%RH毎,脱着については90%RH〜0%RHまで10%RH毎,相対湿度を制御しながら検体質量を連続的に測定した。水分吸脱着測定装置の測定条件設定は,以下のとおりとした。

<測定条件>
Initial Conditions:begin with Adsorption scan
First Humidity:10%RH
Flowrate:250mL/min
Mode:F1
Min Time:30 Minutes
Timeout:60 Minutes
Wait Until:99 %
Figure 0006823359
なお、重量%は、乾燥試料を基準とし、吸着(又は脱着)前後における質量変化を質量百分率で表した。
上記条件において、化合物(A)のA形結晶は、化合物(B)の結晶と比較し、1/3の水分変動であった。
以上の通り、本発明の化合物(A)またはその水和物は極めて優れた溶解性及び安定性を示した。更にA形結晶は水分変動も少なく医薬品原体としてより好ましい。
本発明に係る化合物(A)またはその水和物は、優れた溶解性やその他物性を有しており、医薬品原体として有用である上、医薬品の工業的生産に適している。
図1は、実施例1で得られたA形結晶の粉末X線回折図である。縦軸はX線の回折強度を示し、横軸は回折角(2θ(°))を示す。 図2は、実施例2で得られたB形結晶の粉末X線回折図である。縦軸はX線の回折強度を示し、横軸は回折角(2θ(°))を示す。 図3は、実施例3で得られたD形結晶の粉末X線回折図である。縦軸はX線の回折強度を示し、横軸は回折角(2θ(°))を示す。 図4は、実施例1で得られたA形結晶のTG−DTA測定図である。縦軸(左)は熱重量(TG)曲線における重量(%)を示し、縦軸(右)は示差熱分析(DTA)曲線における熱流束(μV)を示し、横軸は温度(℃)を示す。 図5は、実施例2で得られたB形結晶のTG−DTA測定図である。縦軸(左)は熱重量(TG)曲線における重量(%)を示し、縦軸(右)は示差熱分析(DTA)曲線における熱流束(μV)を示し、横軸は温度(℃)を示す。 図6は、実施例3で得られたD形結晶のTG−DTA測定図である。縦軸(左)は熱重量(TG)曲線における重量(%)を示し、縦軸(右)は示差熱分析(DTA)曲線における熱流束(μV)を示し、横軸は温度(℃)を示す。 図7は、実施例1で得られたA形結晶の13C固体NMRスペクトルチャートである。縦軸は強度を示し、横軸は化学シフト値(δ(ppm))を示す。 図8は、実施例2で得られたB形結晶の13C固体NMRスペクトルチャートである。縦軸は強度を示し、横軸は化学シフト値(δ(ppm))を示す。 図9は、実施例3で得られたD形結晶の13C固体NMRスペクトルチャートである。縦軸は強度を示し、横軸は化学シフト値(δ(ppm))を示す。 図10は、実施例4で得られたC形結晶の粉末X線回折図である。縦軸はX線の回折強度を示し、横軸は回折角(2θ(°))を示す。 図11は、実施例4で得られたC形結晶のTG−DTA測定図である。縦軸(左)は熱重量(TG)曲線における重量(%)を示し、縦軸(右)は示差熱分析(DTA)曲線における熱流束(μV)を示し、横軸は温度(℃)を示す。 図12は、実施例4で得られたC形結晶の13C固体NMRスペクトルチャートである。縦軸は強度を示し、横軸は化学シフト値(δ(ppm))を示す。 図13は、実施例1で得られたA形結晶のFT-ラマンスペクトルチャートである。縦軸は強度を示し、横軸は波数(cm−1)を示す。 図14は、実施例2で得られたB形結晶のFT-ラマンスペクトルチャートである。縦軸は強度を示し、横軸は波数(cm−1)を示す。 図15は、実施例で得られたC形結晶のFT-ラマンスペクトルチャートである。縦軸は強度を示し、横軸は波数(cm−1)を示す。 図16は、実施例で得られたD形結晶のFT-ラマンスペクトルチャートである。縦軸は強度を示し、横軸は波数(cm−1)を示す。 図17は、比較例1で得られた化合物(B)の結晶の粉末X線回折図である。縦軸はX線の回折強度を示し、横軸は回折角(2θ(°))を示す。 図18は、比較例2で得られたベンザチン塩の結晶の粉末X線回折図である。縦軸はX線の回折強度を示し、横軸は回折角(2θ(°))を示す。 図19は、試験例4で得られたA形結晶の水分吸脱着等温線である。実線は吸着等温線を示し、破線は脱着等温線を示す。縦軸は質量変化(%)を示し、横軸は相対湿度(%RH)を示す。 図20は、試験例4で得られた化合物(B)の結晶の水分吸脱着等温線である。実線は吸着等温線を示し、破線は脱着等温線を示す。縦軸は質量変化(%)示し、横軸は相対湿度(%RH)を示す。

Claims (14)

  1. 13C固体NMRスペクトルチャートにおいて、化学シフト値(δ(ppm))として120.0±0.2、116.9±0.2及び109.4±0.2にピークを有するA形結晶である、4−(3−シアノインドール−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸のナトリウム塩の結晶。
  2. 以下の(a1)〜(a3)からなる群から選択される1〜3つの物理的特性によって特徴付けられるA形結晶であって、少なくとも(a1)の物理的特性を有することを特徴とする、4−(3−シアノインドール−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸のナトリウム塩の結晶:
    (a1)6.8±0.2、13.2±0.2及び16.2±0.2の回折角(2θ(°))におけるピークを含む粉末X線回折パターン;
    (a2)2228±1、1535±1および1516±1の波数(cm−1)におけるピークを含むFT-ラマンスペクトル;および
    (a3)316℃に吸熱ピークのオンセット温度を有する示差熱分析スペクトル。
  3. 13C固体NMRスペクトルチャートにおいて、化学シフト値(δ(ppm))として162.4±0.2、135.2±0.2及び116.2±0.2にピークを有するB形結晶である、4−(3−シアノインドール−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸のナトリウム塩の結晶。
  4. 以下の(b1)〜(b3)からなる群から選択される1〜3つの物理的特性によって特徴付けられるB形結晶であって、少なくとも(b1)の物理的特性を有することを特徴とする、4−(3−シアノインドール−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸のナトリウム塩の結晶:
    (b1)6.2±0.2及び12.4±0.2の回折角(2θ(°))におけるピークを含む粉末X線回折パターン;
    (b2)2238±1、1601±1、1540±1および1516±1の波数(cm−1)におけるピークを含むFT-ラマンスペクトル;および
    (b3)60℃及び284℃に吸熱ピークのオンセット温度を有する示差熱分析スペクトル。
  5. 13C固体NMRスペクトルチャートにおいて、化学シフト値(δ(ppm))として140.1±0.2、134.3±0.2および122.0±0.2にピークを有するC形結晶である、4−(3−シアノインドール−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸のナトリウム塩の結晶。
  6. 以下の(c1)〜(c3)からなる群から選択される1〜3つの物理的特性によって特徴付けられるC形結晶である、請求項5記載の結晶:
    (c1)5.4±0.2、11.9±0.2および14.2±0.2の回折角(2θ(°))におけるピークを含む粉末X線回折パターン;
    (c2)2235±1、1535±1および1509±1の波数(cm−1)におけるピークを含むFT-ラマンスペクトル;および
    (c3)285℃に吸熱ピークのオンセット温度を有する示差熱分析スペクトル。
  7. 13C固体NMRスペクトルチャートにおいて、化学シフト値(δ(ppm))として127.3±0.2、118.0±0.2および112.3±0.2にピークを有するD形結晶である、4−(3−シアノインドール−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸のナトリウム塩の結晶。
  8. 以下の(d1)〜(d3)からなる群から選択される1〜3つの物理的特性によって特徴付けられるD形結晶である、請求項7記載の結晶:
    (d1)5.5±0.2、13.7±0.2及び14.2±0.2の回折角(2θ(°))におけるピークを含む粉末X線回折パターン;
    (d2)2230±1、1532±1および1508±1の波数(cm−1)におけるピークを含むFT-ラマンスペクトル;および
    (d3)279℃に吸熱ピークのオンセット温度を有する示差熱分析スペクトル。
  9. 13C固体NMRスペクトルチャートにおいて、化学シフト値(δ(ppm))として176.4±0.2、163.3±0.2、141.2±0.2、136.5±0.2、132.4±0.2、126.8±0.2、123.5±0.2、120.0±0.2、116.9±0.2、111.4±0.2、109.4±0.2及び85.5±0.2にピークを有するA形結晶である、4−(3−シアノインドール−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸のナトリウム塩の結晶。
  10. 13C固体NMRスペクトルチャートにおいて、化学シフト値(δ(ppm))として176.6±0.2、174.4±0.2、163.6±0.2、162.4±0.2、141.0±0.2、135.2±0.2、132.5±0.2、128.6±0.2、126.5±0.2、123.6±0.2、121.5±0.2、118.6±0.2、116.2±0.2、109.7±0.2及び86.7±0.2にピークを有するB形結晶である、4−(3−シアノインドール−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸のナトリウム塩の結晶。
  11. 13C固体NMRスペクトルチャートにおいて、化学シフト値(δ(ppm))として176.5±0.2、163.4±0.2、139.4±0.2、133.0±0.2、127.3±0.2、123.1±0.2、121.4±0.2、118.0±0.2、112.3±0.2、109.9±0.2及び88.9±0.2にピークを有するD形結晶である、4−(3−シアノインドール−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸のナトリウム塩の結晶。
  12. 薬剤として使用のための、請求項1〜11のいずれかに記載の結晶。
  13. 血清尿酸値異常に起因する疾患の予防又は治療に使用のための、請求項1〜11のいずれかに記載の結晶。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の結晶および薬理学的に許容される医薬品添加物を含有する医薬組成物。
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