JP6822912B2 - レンズユニット - Google Patents

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Description

本発明は、複数のレンズを組み合わせたレンズユニットに関する。
近年、監視カメラや車載カメラ等(以下、車載カメラ等という)が普及している。車載カメラ等は温度変化が大きい等の過酷な環境で使用する。このため、車載カメラ等に使用するレンズには、環境または環境の変化に対する耐久性が良いこと、温度変化等があっても光学的な性能を維持することが求められる。車載カメラ等に使用するレンズは、例えば、レンズ枠に圧入したガラスレンズを鏡胴に収めたレンズユニットとして提供する(特許文献1)。
特開2014−170123号公報
車載カメラ等のレンズユニットは、レンズユニットに含む複数のレンズの間隔等、相対的な位置関係を固定しておく場合がある。このように、レンズの相対的な位置関係を固定しておけば、環境の温度に依らずにほぼ一定の光学性能を維持することができるからである。
しかし、上記のようにレンズユニットの製造当初においてレンズの間隔等を固定していても、車載カメラ等の使用中において環境温度が繰り返し変化するうちに、レンズの相対的な位置関係等が変化してしまう場合がある。その結果、長期的にみると、光学性能が変化してしまう場合がある。
本発明は、車載カメラ等の使用中において温度環境が繰り返し変化する場合でも、光学性能の変化を抑え、従来よりも確実に光学性能を維持し得るレンズユニットを提供することを目的とする。
本発明のレンズユニットは、全系の光軸に対して所定方向に偏心した場合に結像位置が所定方向に変位する正の偏心感度を有する正変位レンズと、全系の光軸に対して所定方向に偏心した場合に結像位置が所定方向とは逆向きに変位する負の偏心感度を有する負変位レンズと、を含む複数のレンズと、樹脂製であり、かつ、複数のレンズのなかで隣接する正変位レンズと負変位レンズを保持し、正変位レンズと負変位レンズの全系の光軸に対する偏心の方向及び量を固定する樹脂環と、樹脂環より物体側に位置し、像側端に開口絞りを設けたスペーサを備える。樹脂環に保持される正変位レンズと負変位レンズのうち最も物体側に位置するレンズの一部は、樹脂環の物体側端より全系の光軸の方向に突出してスペーサと当接する。
樹脂環のレンズ保持部の内径は、保持する正変位レンズ及び負変位レンズの外径よりも小さいことが好ましい。
樹脂環は、内周側に突出する突出部を複数有することが好ましい。
樹脂環は、樹脂環が保持する正変位レンズまたは負変位レンズと、樹脂環が保持する正変位レンズまたは負変位レンズに隣接する他のレンズとの全系の光軸の方向に沿った間隔を保つスペーサであることが好ましい。
樹脂環は、1枚の正変位レンズと1枚の負変位レンズとを保持することが好ましい。
樹脂環が保持する正変位レンズは複数のレンズのなかで偏心感度が最大であり、かつ、樹脂環が保持する負変位レンズは複数のレンズの中で偏心感度が最小であることが好ましい。
樹脂環が保持する正変位レンズと負変位レンズは、複数のレンズのなかで最も直径が近いレンズの組み合わせであることが好ましい。
樹脂環が保持する正変位レンズと負変位レンズは、複数のレンズのなかで最も径が小さいレンズと2番目に径が小さいレンズの組み合わせ、または、複数のレンズのなかで最も径が小さい2つのレンズの組み合わせであることが好ましい。
複数のレンズのうち一のレンズを所定方向に所定量だけ偏心し、かつ、他のレンズを所定位置に配置する際に、一のレンズの偏心に起因した結像位置の変位量を比較する場合に、樹脂環が保持する正変位レンズと負変位レンズは、複数のレンズのなかで、最も変位量の絶対値が大きいレンズと、2番目に変位量の絶対値が大きいレンズの組み合わせであることが好ましい。
複数のレンズとして、物体側から順に、負のパワーを有する第1レンズと、正のパワーを有する第2レンズと、正のパワーを有する第3レンズと、負のパワーを有する第4レンズと、正のパワーを有する第5レンズと、正のパワーを有する第6レンズと、を備え、樹脂環は、第4レンズと第5レンズを保持することが好ましい。
本発明のレンズユニットは、車載カメラ等の使用中において温度環境が繰り返し変化する場合に、従来よりも確実に光学性能を維持することができる。
レンズユニットの断面図である。 第4レンズ、第5レンズ、及び、樹脂環の断面図である。 樹脂環の正面図である。 第4レンズの位置が変化した場合における光軸の変化を示す説明図である。 第4レンズの位置が変化した場合における光軸の変化を示す説明図である。 第5レンズの位置が変化した場合における光軸の変化を示す説明図である。 第5レンズの位置が変化した場合における光軸の変化を示す説明図である。 熱衝撃の回数と光軸の変化量の関係を示すグラフである。 500回の熱衝撃を与えた後の光軸の変化量の分布を示すグラフである。
図1に示すように、レンズユニット10は、金属(例えばアルミニウム(Al))製の鏡胴11と、鏡胴11に収めた複数のレンズと、を備える。レンズユニット10が含む複数のレンズは、例えば、物体側から順に、負のパワーを有する第1レンズL1と、正のパワーを有する第2レンズL2と、正のパワーを有する第3レンズL3と、負のパワーを有する第4レンズL4と、正のパワーを有する第5レンズL5と、正のパワーを有する第6レンズL6と、の6枚構成である。これら複数のレンズは、レンズユニット10の像面側に接続するイメージセンサ(図示しない)の撮像面に、被写体像を結像する。また、これらレンズL1〜L6は、全てガラス製である。
レンズユニット10は、上記第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5、及び第6レンズL6の6枚構成のレンズ以外にも、任意の枚数、かつ、任意のパワー構成からなる複数のレンズを搭載することができる。本実施形態においては、レンズユニット10は、上記第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5、及び、第6レンズL6の6枚のレンズからなるものとする。レンズユニット10の光軸Z1すなわち全系の光軸Z1は、少なくともレンズユニット10を組み立てた段階において、鏡胴11の中心軸とほぼ一致する。
レンズユニット10は、上記レンズL1〜L6の他、赤外線カットフィルタ12、押え環13、スペーサ14、スペーサ15、樹脂環16、押え環17、及び、押え環18を備える。赤外線カットフィルタ12は、上記複数のレンズが、被写体像を結像する際に、赤外線成分を除去または低減する。押え環13は、金属(例えばアルミニウム(Al))であり、鏡胴11に対して第1レンズL1の前面(物体側の面)を押える環状の押さえ部材である。押え環13を用いて第1レンズL1の前面を押えることにより、レンズユニット10はレンズL1〜L6を鏡胴11に収納する。
スペーサ14は金属(例えばアルミニウム(Al))であり、第2レンズL2と第3レンズL3との間に配置する。スペーサ14は、鏡胴11内において、第2レンズL2と第3レンズL3の間隔を保つ。また、スペーサ15は金属(例えばアルミニウム(Al))であり、鏡胴11内において第3レンズL3と第4レンズL4の間に配置する。スペーサ15は、第3レンズL3と第4レンズL4の間隔を保つ。
樹脂環16は樹脂製であり、隣接する第4レンズL4と第5レンズL5を保持するレンズ枠である。また、図2に示すように、樹脂環16のレンズ保持部21において、第4レンズL4及び第5レンズL5の側面と当接してこれらを保持する。また、レンズ保持部21の内径は、保持する第4レンズL4及び第5レンズL5の外径よりも小さい。すなわち、樹脂環16は、圧入した第4レンズL4及び第5レンズL5を保持するレンズ枠である。
より具体的には、図3に示すように、樹脂環16は、内周側に突出する突出部22を複数有する。そして、突出部22において測る樹脂環16の直径Daは、第4レンズL4の直径D4よりも小さい(Da<D4)。第4レンズL4の直径D4とは、光学面の径ではなく、フランジを有する場合にはフランジを含む直径である。同様に、突出部22において測る樹脂環16の直径Daは、第5レンズL5の直径D5よりも小さい(Da<D5)。第5レンズL5の直径D5とは、フランジを有する場合にはフランジを含む直径である。
樹脂環16は、樹脂環16が保持するレンズと、樹脂環16が保持するレンズに隣接する他のレンズとの全系の光軸Z1の方向に沿った間隔を保つスペーサとしても機能する。例えば、樹脂環16は、第6レンズL6側に突出しており、その先端付近において鏡胴11内にある位置決め用の凸部11aと当接して鏡胴11に対する位置が定まる。一方、第6レンズL6は、樹脂環16とは反対側から鏡胴11に挿入され、樹脂環16の位置決めをする位置決め用の凸部11aと当接して鏡胴11に対する位置が定まる。この結果、樹脂環16は、第5レンズL5と第6レンズL6の相対的な位置を定めるスペーサとして機能する。この他、樹脂環16の長さまたは形状等を変更することにより、樹脂環16を、第3レンズL3と第4レンズL4の相対的位置を定めるスペーサとすることもできる。
押え環17は金属(例えばアルミニウム(Al))であり、鏡胴11に対して第6レンズL6の後面(像側の面)を押える環状の押さえ部材である。押え環17を用いて第6レンズL6の後面を押えることにより、レンズユニット10はレンズL1〜L6を鏡胴11に収納する。また、押え環17は、赤外線カットフィルタ12を第6レンズL6から一定の位置に係止する。押え環18は金属製(例えばSUS製)であり、例えば押え環17にネジで固定することにより、押え環17及び鏡胴11に対して赤外線カットフィルタ12を押える環状の押さえ部材である。押え環18は、押え環17とともに赤外線カットフィルタ12を保持する。
上記のように、レンズユニット10は、レンズL1〜L6を鏡胴11内に固定する。そして、レンズユニット10においては、レンズL1〜L6は、樹脂に比べて温度変化による膨張または収縮が小さいガラスレンズである。また、レンズユニット10においては、樹脂環16を除き、鏡胴11、押え環13、スペーサ14、スペーサ15、押え環17、及び、押え環18が全て金属製である。したがって、温度変化に起因した光学性能の変化を抑えている。
樹脂環16を用いて第4レンズL4及び第5レンズL5の相対的な位置を固定しているのは以下の理由による。
まず、図4に示すように、レンズL1〜L6のうち、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第5レンズL5、及び、第6レンズL6は固定し、かつ、第4レンズL4が全系の光軸Z1に対して所定方向(図4においてはY方向正側)に偏心した場合、全系の光軸Z1はY方向負側に傾く。その結果、結像位置は、Y方向負側に変位する。また、図5に示すように、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第5レンズL5、及び、第6レンズL6は固定し、かつ、第4レンズL4が全系の光軸Z1に対してY方向負側に偏心した場合、全系の光軸Z1はY方向正側に傾く。その結果、結像位置は、Y方向正側に変位する。すなわち、レンズL1〜L6で構成するレンズユニット10においては、第4レンズL4は、全系の光軸Z1に対して所定方向に偏心した場合に結像位置がその所定方向(第4レンズL4が偏心した方向)とは逆向きに変位する「負の偏心感度」を有するレンズ(以下、「負変位レンズ」という)である。
次に、図6に示すように、レンズL1〜L6のうち、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、及び、第5レンズL5は固定し、かつ、第5レンズL5が全系の光軸Z1に対して所定方向(図6においてはY方向正側)に偏心した場合、全系の光軸Z1はY方向正側に傾く。その結果、結像位置はY方向正側に変位する。また、図7に示すように、レンズL1〜L6のうち、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、及び、第5レンズL5は固定し、かつ、第5レンズL5が全系の光軸Z1に対してY方向負側に偏心した場合、全系の光軸Z1はY方向負側に傾く。その結果、結像位置はY方向負側に変位する。すなわち、レンズL1〜L6で構成するレンズユニット10においては、第5レンズL5は、全系の光軸Z1に対して所定方向に偏心した場合に結像位置がその所定方向(第5レンズL5が偏心下方向)に変位する「正の偏心感度」を有するレンズ(以下、「正変位レンズ」という)である。
これらのことから、負変位レンズである第4レンズL4と、正変位レンズである第5レンズL5と、が同じ方向(例えば、Y方向正側またはY方向負側)に同量だけ偏心すれば、第4レンズL4及び第5レンズL5の偏心に起因した全系の光軸Z1の傾きは、少なくとも一部を相殺することができる。その結果、使用中の温度変化や振動に伴った外的な力が加わり、第4レンズL4及び第5レンズL5が偏心した場合でも、レンズユニット10の光学性能を維持することができる。したがって、レンズユニット10においては、樹脂環16が、負変位レンズである第4レンズL4と、正変位レンズである第5レンズL5と、を保持し、負変位レンズである第4レンズL4と正変位レンズである第5レンズL5の全系の光軸Z1に対する偏心の方向及び量を固定しているのである。
なお、一般的に言えば、樹脂は金属に比べて温度変化による膨張または収縮が大きいので、樹脂製のレンズ枠である樹脂環16を用いることは、温度変化に起因したレンズユニット10の光学性能の変化を抑制するには有利とはいえない。しかし、樹脂環16の代わりに、金属製のレンズ枠を用いて負変位レンズである第4レンズL4と正変位レンズである第5レンズL5を固定すると、樹脂環16を用いる場合よりも必然的にクリアランス(レンズ枠にレンズを挿入するためのクリアランス)を大きく取らなければならない。このため、金属製のレンズ枠を用いると、樹脂環16を用いる場合よりも、負変位レンズである第4レンズL4と正変位レンズである第5レンズL5の全系の光軸Z1に対する偏心の方向及び量に違いが生じやすくなる。そして、温度変化に対するレンズユニット10の光学性能を維持する効果が低減する。したがって、レンズユニット10においては、敢えて樹脂環16を用いて、負変位レンズである第4レンズL4と、正変位レンズである第5レンズL5と、を保持し、負変位レンズである第4レンズL4と正変位レンズである第5レンズL5の全系の光軸Z1に対する偏心の方向及び量を固定しているのである。負変位レンズである第4レンズL4と正変位レンズである第5レンズL5の固定に樹脂環16を用いると、金属製のレンズ枠を用いる場合よりも低コスト化できる利点もある。
上記レンズユニット10で示す通り、レンズユニットが、正変位レンズと負変位レンズとを含む複数のレンズを含む場合、樹脂環を用いて、複数のレンズのなかで隣接する正変位レンズと負変位レンズを保持し、正変位レンズと負変位レンズの全系の光軸に対する偏心の方向及び量を固定すれば、温度変化に対して光学性能を維持しやすい。特に、車載カメラ等に使用するレンズユニットに好適である。すなわち、車載カメラ等に使用するレンズユニットの場合、使用環境の温度変化が大きいので、レンズユニット10のようにレンズL1〜L6の相対的な位置をほぼ固定した状態にしたとしても、使用中の大きな温度変化が加わった場合には、レンズL1〜L6の位置関係が変化するのはほぼ避けられない。しかし、上記レンズユニット10のように、樹脂環を用いて、複数のレンズのなかで隣接する正変位レンズと負変位レンズを保持し、正変位レンズと負変位レンズの全系の光軸に対する偏心の方向及び量を固定すれば、車載カメラ等に使用するレンズユニットにおいても光学性能を良好に維持し得る。
比較のため、本発明のレンズユニット10と、樹脂環16を使用しない比較例のレンズユニットと、をそれぞれ製造し、車載レンズユニットが受ける大きな温度環境変化を想定した、熱衝撃テストを実施し、製造誤差に起因した光軸Z1の位置ずれを測定した。熱衝撃テストにおいては、本発明のレンズユニット10及び比較例のレンズユニットを、−40℃の環境に30分間さらす工程と、105℃の環境に30分間さらす工程と、を1組(ヒートサイクル)として、この1組の工程を1回の熱衝撃とした。また、加速度テストとして位置付けるべく、100回以上の熱衝撃をさらに加え、製造誤差を除いた後の光軸Z1を基準として、熱衝撃を加えるごとに全系の光軸Z1の変化量(傾き角度の大きさ)を測定した。すると、図8に示すように、本発明のレンズユニット10(実線)の光軸Z1の変化量は1.0分に満たないが、比較例のレンズユニットの光軸Z1の変化量は1.5分を上回った。この結果からも分かる通り、本発明のレンズユニット10は、比較例のレンズユニットよりも、熱衝撃またはヒートサイクルに対して安定性を有する。
また、本発明のレンズユニット10と、比較例のレンズユニットをそれぞれ30個ずつ作製し、500回の熱衝撃を加えた後、光軸Z1の変化量のばらつきを測定した。すると、図9に示すように、本発明のレンズユニット10と比較例のレンズユニットは、いずれも個体ごとに光軸Z1の変化量に違いが生じた。しかし、本発明のレンズユニット10は、光軸Z1の変化量の範囲が0.1〜0.9(分)であるのに対して、比較例のレンズユニットは、光軸Z1の変化量の範囲が0.1〜1.8(分)までばらついた。この結果からも、本発明のレンズユニット10が、比較例のレンズユニットよりも、熱衝撃またはヒートサイクルに対して安定性を有していることがわかる。
上記実施形態におけるレンズユニット10のレンズデータを、表1に示す。レンズユニット10を構成するレンズL1〜L6は全て球面レンズである。符号「i」は第1レンズL1の物体側の面から順に付した面番号「i」、各面の曲率半径Ri(単位mm)、面間隔Di、d線(波長587.6nm)に対する屈折率n、アッベ数νd(=(nd−1)/(n−n);nはF線(波長486.1nm)に対する屈折率、nはC線(波長656.3nm)に対する屈折率である)を示す。また、「開口絞り」は、スペーサ15が形成し、IRCFは赤外線カットフィルタ12である。CGは、イメージセンサ(図示しない)のカバーガラスである。
Figure 0006822912
上記実施形態のレンズユニット10は、第4レンズL4が負変位レンズであり、第5レンズL5が正変位レンズであるが、より具体的には、表2において、レンズL1〜L6のうち、特定の1つのレンズが所定方向(図4〜7におけるY方向)に10μm偏心した場合における結像位置の変位量(単位:μm)を示す。結像位置の変位量は、図4〜7におけるY方向正側を「+」とし、Y方向負側を「−」としている。また、表2に示す結像位置の変位量(大きさ)は、一定の偏心量に対する結像位置の変化量という点で「感度(偏心感度)」の大きさということができる。
Figure 0006822912
表2から分かる通り、レンズユニット10においては、第1レンズL1と第4レンズL4が負変位レンズであり、第2レンズL2、第3レンズL3、第5レンズL5、及び第6レンズL6が正変位レンズである。
上記実施形態においては樹脂環16を用いて第4レンズL4と第5レンズL5の偏心の向き及び量を固定しているが、表2から分かる通り、レンズユニット10においては、樹脂環16と同様の樹脂環を用いて、正変位レンズである第3レンズL3と負変位レンズである第4レンズL4の偏心の向き及び量を固定しても良い。同様に、レンズユニット10においては、樹脂環16と同様の樹脂環を用いて、負変位レンズである第1レンズL1と正変位レンズである第2レンズL2の偏心の向き及び量を固定しても良い。第1レンズL1と第2レンズL2、第3レンズL3と第4レンズL4、または、第4レンズL4と第5レンズL5のうちいずれかまたは複数の組み合わせにおいて、樹脂環16または樹脂環16と同様の樹脂感を用いて偏心の向き及び量を固定すれば、本発明の効果を得ることができる。
樹脂環16または樹脂環16と同様の樹脂環が保持する正変位レンズは、レンズユニット10が含む複数のレンズのなかで偏心感度が最大であり、かつ、樹脂環16または樹脂環16と同様の樹脂環が保持する負変位レンズは、レンズユニット10が含む複数のレンズの中で偏心感度が最小であることが特に好ましい。偏心感度が最大及び最小のレンズの組み合わせを、樹脂環16または樹脂環16と同様の樹脂環で保持し、偏心の方向及び量を固定すれば、その他の組み合わせの正変位レンズ及び負変位レンズの偏心の方向及び量を固定する場合よりも、温度変化または温度変化の繰り返しに起因した光学性能の変化を抑制する効果が高いからである。この観点から、上記実施形態においては、樹脂環16を用いて第4レンズL4と第5レンズL5の偏心の方向及び量を固定しているのである。なお、ここで説明する「最大」及び「最小」は、結像位置の変化量の絶対値(表2に示す値の絶対値)最大及び最小ではなく、移動方向(表2に示す値の正負)を含めた変位量の大きさに基づき判断する。
また、樹脂環16または樹脂環16と同様の樹脂環が保持する正変位レンズと負変位レンズは、レンズユニット10が含む複数のレンズのなかで最も直径が近いレンズの組み合わせであることが好ましい。樹脂環16または樹脂環16と同様の樹脂環に圧入しやすいからである。上記実施形態のレンズユニット10においては、隣接する正変位レンズと負変位レンズの組み合わせのなかで、第4レンズL4と第5レンズL5の組み合わせが、最も直径が近いレンズの組み合わせである。なお、「最も直径が近いレンズの組み合わせ」には、直径が等しい2つのレンズの組み合わせを含む。
また、樹脂環16または樹脂環16と同様の樹脂環が保持する正変位レンズと負変位レンズは、レンズユニット10が含む複数のレンズのなかで最も径が小さいレンズと2番目に径が小さいレンズの組み合わせ、または、レンズユニット10が含む複数のレンズのなかで最も径が小さい2つのレンズの組み合わせであることが好ましい。樹脂環16または樹脂環16と同様の樹脂環に圧入しやすいからである。上記実施形態のレンズユニット10においては、隣接する正変位レンズと負変位レンズの組み合わせのなかで、第4レンズL4と第5レンズL5の組み合わせが、最も径が小さい2つのレンズの組み合わせである。
また、レンズユニット10が含む複数のレンズのうち一のレンズを所定方向に所定量だけ偏心し、かつ、他のレンズを所定位置に配置する際に、上記一のレンズの偏心に起因した結像位置の変位量を比較する場合(表2参照)、樹脂環16または樹脂環16と同様の樹脂環が保持する正変位レンズと負変位レンズは、レンズユニット10が含む複数のレンズのなかで、最も変位量の絶対値が大きいレンズと、2番目に変位量の絶対値が大きいレンズの組み合わせであることが好ましい。変位量の絶対値が最大及び最小のレンズの組み合わせを、樹脂環16または樹脂環16と同様の樹脂環で保持し、偏心の方向及び量を固定すれば、その他の組み合わせの正変位レンズ及び負変位レンズの偏心の方向及び量を固定する場合よりも、温度変化または温度変化の繰り返しに起因した光学性能の変化を抑制する効果が高いからである。表2に示すとおり、上記実施形態においては、第4レンズL4と第5レンズL5の組み合わせが、最も変位量の絶対値が大きいレンズと、2番目に変位量の絶対値が大きいレンズの組み合わせである。
上記実施形態においては、樹脂環16は、1枚の正変位レンズと1枚の負変位レンズとを保持しているが、樹脂環16または樹脂環16と同様の樹脂環は、1以上の正変位レンズと1以上の負変位レンズを保持することができる。すなわち、樹脂環16は3以上のレンズを保持することができる。この場合、正変位レンズと負変位レンズを少なくとも1枚ずつ保持していれば、本発明の効果を得ることができる。
10 レンズユニット
11 鏡胴
12 赤外線カットフィルタ
13、17、18 押え環
14、15 スペーサ
16 樹脂環
21 レンズ保持部
22 突出部

Claims (10)

  1. 全系の光軸に対して所定方向に偏心した場合に結像位置が前記所定方向に変位する正の偏心感度を有する正変位レンズと、前記全系の光軸に対して前記所定方向に偏心した場合に前記結像位置が前記所定方向とは逆向きに変位する負の偏心感度を有する負変位レンズと、を含む複数のレンズと、
    樹脂製であり、かつ、前記複数のレンズのなかで隣接する前記正変位レンズと前記負変位レンズを保持し、前記正変位レンズと前記負変位レンズの前記全系の光軸に対する偏心の方向及び量を固定する樹脂環と、
    前記樹脂環より物体側に位置し、像側端に開口絞りを設けたスペーサと、
    を備え
    前記樹脂環に保持される前記正変位レンズと前記負変位レンズのうち最も物体側に位置するレンズの一部は、前記樹脂環の物体側端より前記全系の光軸の方向に突出して前記スペーサと当接するレンズユニット。
  2. 前記樹脂環のレンズ保持部の内径は、保持する前記正変位レンズ及び前記負変位レンズの外径よりも小さい請求項1に記載のレンズユニット。
  3. 前記樹脂環は、内周側に突出する突出部を複数有する請求項1または2に記載のレンズユニット。
  4. 前記樹脂環は、前記樹脂環が保持する前記正変位レンズまたは前記負変位レンズと、前記樹脂環が保持する前記正変位レンズまたは前記負変位レンズに隣接する他のレンズとの前記全系の光軸の方向に沿った間隔を保つスペーサである請求項1〜3のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  5. 前記樹脂環は、1枚の前記正変位レンズと1枚の前記負変位レンズとを保持する請求項1〜4のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  6. 前記樹脂環が保持する前記正変位レンズは前記複数のレンズのなかで前記偏心感度が最大であり、かつ、前記樹脂環が保持する前記負変位レンズは前記複数のレンズの中で前記偏心感度が最小である請求項1〜5のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  7. 前記樹脂環が保持する前記正変位レンズと前記負変位レンズは、前記複数のレンズのなかで最も直径が近いレンズの組み合わせである請求項1〜6のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  8. 前記樹脂環が保持する前記正変位レンズと前記負変位レンズは、前記複数のレンズのなかで最も径が小さいレンズと2番目に径が小さいレンズの組み合わせ、または、前記複数のレンズのなかで最も径が小さい2つのレンズの組み合わせである請求項1〜7のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  9. 前記複数のレンズのうち一のレンズを前記所定方向に所定量だけ偏心し、かつ、他のレンズを所定位置に配置する際に、前記一のレンズの偏心に起因した結像位置の変位量を比較する場合に、
    前記樹脂環が保持する前記正変位レンズと前記負変位レンズは、前記複数のレンズのなかで、最も前記変位量の絶対値が大きいレンズと、2番目に前記変位量の絶対値が大きいレンズの組み合わせである請求項1〜8のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  10. 前記複数のレンズとして、物体側から順に、負のパワーを有する第1レンズと、正のパワーを有する第2レンズと、正のパワーを有する第3レンズと、負のパワーを有する第4レンズと、正のパワーを有する第5レンズと、正のパワーを有する第6レンズと、を備え、
    前記樹脂環は、前記第4レンズと前記第5レンズを保持する請求項1〜9のいずれか1項に記載のレンズユニット。
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