JP6822892B2 - 二次電池負極用スラリー、二次電池電極、二次電池、二次電池電極の製法、及び水溶性バインダーの二次電池負極用スラリーとしての使用 - Google Patents

二次電池負極用スラリー、二次電池電極、二次電池、二次電池電極の製法、及び水溶性バインダーの二次電池負極用スラリーとしての使用 Download PDF

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Description

本発明は、二次電池負極用スラリー、それを含む二次電池電極及び二次電池、並びに当該二次電池負極用スラリーを用いて二次電池を製造する方法に関する。また、所定の水溶性バインダーを当該二次電池負極用スラリーとして使用する方法にも関する。
これまで、リチウムイオン二次電池などの電気化学的デバイスに用いられる電極を製造する方法としては、以下の方法が知られている。まず、活物質、バインダー樹脂組成物及び溶媒を混練してスラリーが調製される。次に、このスラリーを転写ロール等で集電体表面に塗布し、溶媒を乾燥することによって、当該集電体の上に電極層が形成される。その後、ロールプレス機等で圧縮成型する工程を経て電極が作製される。
上記スラリーの調製に用いる溶媒としては、環境負荷低減の観点から、水を用いることが好ましいと言われている。溶媒として水が用いられたスラリーには、バインダー樹脂が水中に分散したものと、バインダー樹脂が水中に溶解したものがある。
水中にバインダー樹脂組成物が分散したスラリーは、粘度が低く、活物質を安定に分散できないため、CMC(カルボキシメチルセルロース)等の増粘剤を併用する必要がある。
他方、特許文献1には、CMC等の増粘剤を用いなくても活物質と集電体の十分な密着性を達成することが可能なバインダー樹脂組成物について記載されている。
特許文献2には、充放電サイクル特性に優れた電池を形成できる水溶性バインダーについて記載されている。
特許第6020615号公報 特許第5970183号公報
しかしながら、特許文献1に記載の上記バインダー樹脂組成物では、電極との密着性の達成に多くのバインダーを使用しなければならない。
また、特許文献2に記載の上記水溶性バインダーは、集電体との接着力が十分に高いものでは無いうえ、電極スラリー中に使用するバインダーの使用量も多いため、内部抵抗が高く、充放電サイクル特性も未だ十分とは言えない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、CMCのような増粘剤を使用することなく負極活物質と集電体との十分な密着性が達成可能な二次電池電極を提供でき、しかも、低抵抗でサイクル特性にも優れる二次電池を作製することができる二次電池負極用スラリーを提供することを目的とする。更に、優れた分散性と粘性も達成可能で、環境負荷低減を図ることも可能な当該二次電池負極用スラリーを提供することを目的とする。
また、本発明は、上記二次電池負極用スラリーを用いて作製した二次電池電極及び二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、カルボン酸/(メタ)アクリル酸エステル/酢酸ビニルを含む共重合体である水溶性バインダーを含むスラリーが、二次電池負極用スラリーとして優れた特性を有していて、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
(1) 粒子状バインダー及び水溶性バインダーを含む二次電池負極用スラリーであり、
前記水溶性バインダーが、その水溶性バインダー100重量%に対して、
エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位を10重量%以上44重量%以下と、
(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を15重量%以上65重量%以下と、
酢酸ビニル単量体単位を15重量%以上65重量%以下と、
を含む共重合体である、二次電池負極用スラリー。
(2) 前記水溶性バインダーの重量平均分子量(Mw)が400以上60万以下である、(1)に記載の二次電池負極用スラリー。
(3) (1)又は(2)のいずれかに記載の二次電池負極用スラリーを含んでなる、二次電池電極。
(4) (1)から(2)のいずれかに記載の二次電池負極用スラリーを含んでなる、二次電池。
(5) (1)又は(2)のいずれかに記載の二次電池負極用スラリーを用いて二次電池電極を製造する方法。
(6) 水溶性バインダー100重量%に対して、10重量%以上44重量%以下のエチレン性不飽和カルボン酸単量体単位と、15重量%以上65重量%以下の(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と、15重量%以上65重量%以下の酢酸ビニル単量体単位とを含む共重合体である、前記水溶性バインダーを、二次電池負極用スラリーとして使用する方法。
本発明の二次電池負極用スラリーによれば、CMCのような増粘剤を使用することなく負極活物質と集電体との十分な密着性が達成可能な二次電池電極を提供できるうえ、低抵抗でサイクル特性にも優れる二次電池も提供できるという効果を有する。加えて、本発明の二次電池負極用スラリーによれば、優れた分散性と粘性も達成可能であるという効果も有する。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と略記する。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、本明細書における「(メタ)アクリル」とは「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。また、「エチレン性不飽和」とは、分子内にエチレン性不飽和結合を1つ以上有することを意味する。
<水溶性バインダー>
本発明の二次電池負極用スラリーで用いられる水溶性バインダーは、エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位と、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と、酢酸ビニル単量体単位を特定の構成比率で含む。本発明で用いられる水溶性バインダーを使用して調製したスラリーは、活物質の分散性、チキソ性に優れ、当該スラリーを用いて電極(具体的には、負極電極(本願では、単に「負極」とも称する。))を作製すると、負極活物質と負極集電体との十分な密着性を達成することが可能であり、また、当該電極を用いて作製した二次電池は、低抵抗でサイクル特性に優れる。
具体的には、本発明で用いられる水溶性バインダーは、当該水溶性バインダー100重量%に対して、エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位を10重量%以上44重量%以下、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を15重量%以上65重量%以下、そして、酢酸ビニル単量体単位を15重量%以上65重量%以下の特定の割合を有するこれら三成分を含む共重合体(共重合体ラテックス)を構成するように重合することにより、二次電池負極用スラリーに適した特有の分散性と粘性を発現する。本発明で用いられる水溶性バインダーは、負極活物質の表面に吸着し、スラリーに適度な粘性を付与する。このため、当該水溶性バインダーを用いた負極用スラリーにおいて、その水溶性バインダーは負極活物質の粒子表面を適度に覆い、負極活物質の分散性を高める。
また、本発明で用いられる水溶性バインダーでは、当該水溶性バインダー100重量%に対して、酢酸ビニル単量体単位を15重量%以上65重量%以下の割合で含有させ、これをスラリー化して負極電極を作製すると、負極活物質と集電体との十分な密着性が達成でき、更にそれを用いた二次電池を作製すると、好適な低抵抗が達成できる。Liイオン電導性が高い酢酸ビニル単量体単位を15重量%以上含有させることで、スラリー化した際に、低抵抗性が得られる。また、酢酸ビニル単量体単位を65重量%以下含有させることにより、スラリー化した際に、水溶性バインダーの粘性が保持され、これを用いることにより、負極電極に対する密着性が得られる。
本発明で用いられる水溶性バインダーの重量平均分子量(Mw)は、400以上60万以下であり、より好ましくは、2000以上60万以下であり、更に好ましくは、11万以上60万以下である。
また、本発明で言う「水溶性バインダー」とは、非架橋性の共重合体であって、アルカリ性の水(即ち、アルカリ性水溶液)中で完全に溶解するものである。この「アルカリ性水溶液中で完全に溶解する」とは、2重量%濃度の共重合体ラテックスに25重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを7以上にすると、波長470nmでの光透過率が40%以上になることをいう。従って、本発明の水溶性バインダーは、この条件下で、光透過率が40%以上を示す。
本発明で用いられる水溶性バインダー水溶液のpHは、7以上9以下の範囲にあることが好ましく、7.5以上9以下の範囲にあることがより好ましい。
また、室温下(約25℃)において、B型粘度計(東機産業社製)を用いて、ローター回転数60rpmで測定した際の本発明で用いられる水溶性バインダーの粘度としては、例えば、2%水溶液(pH=8)の場合、粘度300mPa・s以上10000mPa・s以下であることが好ましく、500mPa・s以上10000mPa・s以下であることがより好ましい。
[エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位]
本発明で用いられる水溶性バインダーにおいて使用されるエチレン性不飽和カルボン酸単量体単位としては、例えば、フマール酸、イタコン酸、アクリル酸、メタアクリル酸等を挙げることができ、そのうちの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、重合した水溶性バインダーの水溶性と粘性の観点からメタアクリル酸が望ましい。また、その含有量は、水溶性バインダー100重量%に対して10重量%以上44重量%以下が好ましい。10重量%以上とすることで、水溶性バインダーの十分な水溶性と粘性を得ることができる。また、44重量%以下とすることで、乳化重合時に多量の凝集物を発生させることなく安定な共重合体ラテックスを得ることができる。水溶性バインダーに使用されるエチレン性不飽和カルボン酸単量体単位の含有量は、より好ましくは、15重量%以上40重量%以下であり、更に好ましくは20重量%以上40重量%以下である。
[(メタ)アクリル酸エステル単量体単位]
本発明で用いられる水溶性バインダーにおいて使用される(メタ)アクリル酸エステル単量体単位としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、i−アミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、i−ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらのうち1種を単独で、又は2種以上を任意の比率で組み合わせて用いることができる。これらの中では、重合した水溶性バインダーの粘性と負極活物質の接着性の観点からエチル(メタ)アクリレートとn−ブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
また、当該(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有量は、水溶性バインダー100重量%に対して15重量%以上65重量%以下が好ましい。15重量%以上65重量%以下とすることにより、水溶性バインダーの適度な粘性と、負極活物質との好適な接着性が得られる。当該(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有量は、より好ましくは20重量%以上55重量%以下であり、更に好ましくは20重量%以上50重量%以下である。
[酢酸ビニル単量体単位]
本発明で用いられる水溶性バインダーにおいて使用される酢酸ビニル単量体単位の含有量は、重合した水溶性バインダーの粘性と負極活物質の接着性の観点から、水溶性バインダー100重量%に対して15重量%以上65重量%以下が好ましい。15重量%以上65重量%以下とすることにより、水溶性バインダーの適度な粘性と、電極との好適な接着性が得られる。当該酢酸ビニル単量体単位の含有量は、より好ましくは20重量%以上55重量%以下であり、更に好ましくは20重量%以上50重量%以下である。
<水溶性バインダーの製造>
本発明で用いられる水溶性バインダーは、当該水溶性バインダー100重量%に対して、エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位を10重量%以上44重量%以下、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を15重量%以上65重量%以下、そして、酢酸ビニル単量体単位を15重量%以上65重量%以下で含む、共重合体である。本発明の目的を達成できる範囲であれば、これら以外の単量体単位を含んでもよい。
当該共重合体を得るための重合方法としては、本発明の目的を達成できる限り特に制限は無いが、通常は、乳化重合法を使用する。重合する際、必要に応じて、本発明の目的を達成できる範囲内で、乳化剤、重合開始剤、連鎖移動剤、重合調整剤等の各種添加剤を加えてもよい。
乳化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(例えば、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム)、脂肪族セッケン、ロジン酸セッケン、ジアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸塩などのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、日本乳化剤製のニューコール(登録商標)2327)、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマーなどのノニオン性界面活性剤が挙げられる。この界面活性剤は通常、アニオン性界面活性剤単独、またはアニオン性とノニオン性の混合系(例えば、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムとニューコール(登録商標)2327の混合系)で用いられる。
乳化重合法としては、本発明の目的を達成できる限り特に制限は無いが、具体的には、例えば単量体混合物の一括仕込み法、または単量体混合物の一部を重合し、次いで残りの単量体混合物を断続的もしくは連続的に添加する方法が挙げられる。単量体混合物を重合の開始から連続的に添加する方法をとってもよい。また、乳化重合における、攪拌速度、重合温度、反応(重合)時間等の条件は、本発明の目的を達成できる限り、特に制限は無い。因みに、重合温度は、通常50℃以上100℃以下の範囲である。
重合開始剤は、熱または還元性物質によりラジカル分解して、単量体の付加重合を起こさせる作用を有するものであり、このようなものとしては、例えば水溶性または油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物など、具体的には過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、クメンヒドロペルオキシドなどが挙げられるが、これらの中で過硫酸塩、特に過硫酸ナトリウムが好ましい。
連鎖移動剤としては、例えばn−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドなどのジスルフィド類、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化誘導体、α−メチルスチレンダイマー、2−エチルヘキシルチオグリコレートなどを挙げることができる。
また、必要に応じて、各種重合調整剤、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムなどのpH調整剤やエチレンジアミン四ナトリウムなどの各種キレート剤などを添加してもよい。
本発明で用いられる水溶性バインダーにおいて使用される溶媒としては、水やアルコール等の水系溶媒が挙げられ、その中でも水が好ましい。
<粒子状バインダー>
本発明で用いる粒子状バインダーは、負極において負極活物質を集電体の表面に結着させる成分である。同時に、粒子状バインダーは負極活物質同士を結着し、負極活物質が脱離しないようになっている。また、粒子状バインダーは接着点が点であるために、Liイオンの動きを阻害せず、しかも、柔軟性が高い電極層を形成することができる。
粒子状バインダーとしては特に限定されるものではないが、スチレンブタジエン系共重合体ラテックスを用いるのが好ましい。スチレンブタジエン系共重合体ラテックスは、負極活物質層と集電体との十分な密着性と、電極の耐電解液膨潤性を得るという観点から優れている。具体的には、スチレンブタジエン系共重合体ラテックスは、負極活物質の膨張または収縮に追従して弾性変形できるので、充放電に伴う、接着点の破壊が起こりにくく、抵抗の増加を抑制できる。
また、本発明で用いる粒子状バインダーの分散媒の具体例としては、例えば、水、アルコール等の水系溶媒やN−メチルピロリドンなどの非水溶媒が挙げられ、中でも、環境負荷低減の観点から、水を用いることが好ましい。
本発明で用いる粒子状バインダーの粒子径(体積平均粒子径)は、10nm以上1000nm以下であることが、接着力や保存安定性の点で好ましく、50nm以上700nm以下がより好ましい。
<二次電池負極用スラリーの調製>
本発明の二次電池負極用スラリーは、負極活物質に加えて、上記水溶性バインダーと粒子状バインダーを含むことを特徴とするものであるが、分散安定化向上等の観点から、必要に応じて、分散剤等の添加剤を含んでもよい。また、スラリーが発砲し易い場合には、必要に応じて、消泡剤を添加剤として含んでもよい。消泡剤としては、ミネラルオイル系、シリコーン系、アクリル系、ポリエーテル系の各種消泡剤が挙げられる。
本発明の二次電池負極用スラリーでは、使用する負極活物質を固形分として100質量部(本願では、この質量部を「固形分質量部」とも称する。)とした場合に上記水溶性バインダーを固形分として1質量部以上5質量部以下、即ち、1固形分質量部以上5固形分質量部で混合するのが好ましく、1固形分質量部以上3固形分質量部以下で混合するのがより好ましい。
当該スラリーの調製に用いる溶媒としては、水やアルコール等の水系溶媒が挙げられ、その中でも水が好ましい。
本発明の二次電池負極用スラリーのpHは、7以上9以下の範囲にあることが好ましい。
また、室温下(約25℃)において、B型粘度計(東機産業社製)を用いて、ローター回転数60rpmで測定した際の本発明の二次電池負極用スラリーの粘度は、400mPa・s以上14000mPa・s以下であることが好ましく、1000mPa・s以上14000mPa・s以下であることがより好ましい。
[負極活物質]
ここで、負極活物質とは、負極用の電極活物質を意味し、二次電池がリチウムイオン二次電池の場合には、その負極においては通常、リチウムを吸蔵及び放出できる物質のことを意味する。負極活物質としては、公知のリチウムイオン二次電池用負極活物質を用いることができ、リチウムイオンを吸蔵・放出できる人造または天然グラファイト(黒鉛)、非晶質炭素等の炭素質材料、金属リチウム、リチウム合金等の金属、金属化合物が挙げられる。その中でも、負極活物質としては、炭素質材料が好ましい。また、炭素質材料としては、黒鉛、及び黒鉛の表面を当該黒鉛に比べて非晶質の炭素で被覆した炭素質材料が特に好ましい。また、これらの負極活物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<二次電池負極>
また、本発明の二次電池負極は、負極活物質を、本発明の二次電池負極用スラリーを用いて、導電性を有する基材である負極集電体の表面上に結着させることによって形成する。
また、当該二次電池負極は、通常、本発明の上記二次電池負極用スラリーを塗液として、コーターを用いて負極集電体上に連続的に塗布してから乾燥工程を経て溶媒を除去することにより製造される。この時、塗液中の固形分濃度を変化させ塗液の粘度をコントロールするとともにコーターの塗液の押し出し口のクリアランスを変化させることにより、負極集電体上に形成させる活物質層の厚みを調整することもできる。その形成方法としては、転写法や、塗布乾燥法等の塗布法が挙げられるが、連続生産性の面で塗布乾燥法により形成することが好ましい。
当該塗布方法としては、所望する膜厚や塗布面積が得られる方式であれば特に制限は無いが、例えば、グラビアコーター法、小径グラビアコーター法、リバースロールコーター法、トランスファロールコーター法、キスコーター法、ディップコーター法、ナイフコーター法、エアドクタコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、スクイズコーター法、キャストコーター法、ダイコーター法、スクリーン印刷法、スプレー塗布法及びカーテンコーター法が挙げられる。また、必要に応じて、スラリーを基材の片面だけに塗布してもよいし、両面に塗布してもよい。
乾燥温度、乾燥時間、及び乾燥方法は、本発明を達成できる範囲内で、特に制限は無い。また、負極集電体上への本発明の二次電池負極用スラリーの塗布量についても、本発明を達成できる範囲内で、特に制限は無い。
[負極集電体]
負極集電体材料としては、従来から公知の集電体を用いることができるが、通常は金属または合金が用いられる。負極の集電体としては、銅、ニッケル、ステンレス等が挙げられ、銅が好ましい。
<二次電池>
本発明の二次電池(以下、「本二次電池」とも称する。)とは、充電して繰り返し使える電池を意味し、正極(本願では、「二次電池正極」とも称する。)、負極(本願では、「二次電池負極」とも称する。)、電解液及びセパレータを備える。通常、非水系電解液二次電池のことであり、特にリチウムイオン二次電池のことを言う。
本発明の二次電池の形状は、用途に応じて選択すればよく、例えば、コイン型でも、円筒型でも、角型でも、ラミネート型でもよい。また、本発明の二次電池に用いる正極および負極の形状も、当該二次電池の形状に合わせて適宜選択することができる。
[二次電池正極]
本願における二次電池正極は、正極活物質、正極用バインダー、溶媒、必要に応じて導電材や増粘剤等のその他の成分を含む正極用スラリー組成物を正極集電体の表面に塗布し、乾燥させることにより形成する。
正極用スラリー組成物を集電体の表面に塗布する方法は特に限定されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、およびハケ塗り法などの方法が挙げられる。
また、電極の圧密化という観点から、集電体の表面に正極用スラリー組成物を塗布及び乾燥した後で、例えば金型プレスやロールプレスを用いて加圧処理を施すことが好ましい。
[正極活物質]
本願における正極活物質は、二次電池正極用の電極活物質を意味し、通常、リチウムイオンをドープ及び脱ドープ可能な活物質が用いられる。具体的には、放電電圧が高く、かつ電気化学的安定性が高い点から、LiCoO、LiNiO、LiMnO等のα−NaCrO構造を母体とするリチウム含有複合酸化物やLiMn等のスピネル型構造を母体とするリチウム含有複合酸化物が好ましい。
[正極用バインダー]
本願における正極用バインダーは、二次電池正極において正極活物質を正極集電体の表面に結着させる成分であるが、例えば、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリアクリル酸誘導体、ポリアクリロニトリル誘導体などの樹脂;アクリル系軟質重合体、ジエン系軟質重合体、オレフィン系軟質重合体、ビニル系軟質重合体等の軟質重合体等が挙げられる。なお、正極用バインダーは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
[正極集電体]
本願における二次電池に用いる正極集電体は、従来から公知の集電体を用いることができるが、通常は金属または合金が用いられる。正極の集電体としては、アルミニウム、チタン、タンタル等の金属またはその合金が挙げられ、アルミニウムまたはその合金が好ましく、アルミニウムが特に好ましい。
[溶媒]
本願における正極用スラリー組成物の溶媒としては、水や有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、具体的には、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン等の環状脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等のエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のアシロニトリル類;テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類:メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;などが挙げられるが、その中でもN−メチルピロリドン(NMP)が好ましい。当該溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、当該溶媒の量は、当該スラリーの粘度が塗布するのに好適な粘度になるように適宜調整すればよい。
[その他の成分]
本願における二次電池正極には、導電材や増粘剤等の成分も、必要に応じて使用してよい。
導電材としては、導電性を有する材料であれば特に限定されないが、例えば、銅またはニッケル等の金属材料、グラファイト又はカーボンブラック等の炭素質材料が挙げられる。これら導電材は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。グラファイトは鱗片状のものが好ましい。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、及びケッチェンブラック等の導電性カーボンブラックが挙げられる。
増粘剤としては、例えば、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、ガゼイン、ポリビニルピロリドンが挙げられる。これらの増粘剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
[電解液及びセパレータ]
本願における二次電池の正極と負極の間には、短絡を防止するために通常はセパレータ(本願において、「二次電池用セパレータ」とも称する。)として多孔膜を介在させる。この場合、電解液は当該多孔膜に含浸させて用いる。多孔膜の材質および形状は、当該電解液に対して安定であり、かつ保液性に優れるものから選択でき、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンとテトラフルオロエチレンのコポリマー等のフッ素樹脂、またはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする多孔性シートまたは不織布が好ましく、材質はポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましい。また、これらの多孔膜に当該電解液を含浸させてゲル化させたものをゲル電解質として用いてもよい。
当該電解液に使用される電池外装体の材質としては、ニッケルメッキを施した鉄、ステンレス、アルミニウム又はその合金、ニッケル、チタン、樹脂材料、フィルム材料等が挙げられる。
本願における二次電池に用いる電解液には特に制限は無いが、当該二次電池が非水系電解液二次電池の場合には、通常、電解質を非水溶媒に溶解した電解液を用いる。なお、電解液の劣化による電池性能低下を抑制するために、必要に応じて、ビニレンカーボネート(VC)などのカーボネート系;エチレンサルファイト(ES)などの含硫黄化合物;フルオロエチレンカーボネート(FEC)などのフッ素含有化合物を添加剤として加えてもよい。これら添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
当該電解液で用いられる非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。この非プロトン性極性溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート等の環状カーボネート;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン;スルホラン等の環状スルホン;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルトリフルオロエチルカーボネート等の鎖状カーボネート;アセトニトリル等のニトリル;ジメチルエーテル等の鎖状エーテル;プロピオン酸メチル等の鎖状カルボン酸エステル;ジメトキシエタン等の鎖状ジエーテル等が挙げられる。中でも、非プロトン性極性溶媒としては、環状カーボネート、鎖状カーボネート等のカーボネート系溶媒が好ましい。特に、環状カーボネートとしては、上記のものが挙げられ、特に、電解液のイオン伝導性をより向上させる観点から、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましく、また、鎖状カーボネートとしては、上記のものが挙げられ、特に、電解液のイオン伝導性をより向上させる観点から、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
また、上記カーボネート系溶媒としては、イオン伝導性をより優れたものとする観点から、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを組み合わせて併用したものが更に好ましい。非水溶媒としてカーボネート系溶媒を用いる場合、電解液には、リチウムイオン二次電池の電池物性をより改善する目的で、必要に応じて、上記カーボネート系溶媒に加えて、アセトニトリル、スルホラン等の別の非水溶媒が併用されてもよい。
また、非水溶媒に溶解させる上記電解質としては特に限定されないが、イオン伝導性の観点から、例えば、LiPF、LiClO、LiAsF、LiSiF、LiOSO2k+1(kは1〜8の整数)、LiN(SO2k+1(kは1〜8の整数)、LiPFn(C2k+16−n(nは1〜5の整数、kは1〜8の整数)、LiPF(C)、LiPF(C等が好ましく、より好ましくはLiPFである。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
本願における二次電池を製造する方法は、例えば以下の方法を例示することができるが、これに限定されるものではない。
二次電池用セパレータは、正極−セパレータ−負極−セパレータ、又は負極−セパレータ−正極−セパレータの順で積層し、円又は扁平な渦巻状に巻回して巻回体を得、当該巻回体を電池缶内に収納し、更に電解液を注入することにより、製造することができる。或いは、シート状のセパレータ及び電極からなる積層体、又は電極及びセパレータを折り畳んで巻回体としたものを、電池容器(例えばアルミニウム製のフィルム)に入れて、電解液を注液する方法によって製造してもよい。
この時、前記積層体又は巻回体に対して、プレスを行うことも好ましい。具体的には、二次電池用セパレータと、集電体(負極集電体及び正極集電体)及び当該集電体の少なくとも片面上に形成された活物質(負極活物質及び正極活物質)層を有する電極(負極及び正極)を、前者の蓄電デバイス用セパレータ上の多孔層と集電体上の活物質層とが対向するように重ね合わせてプレスを行うことができる。プレスは、ロールプレスや面プレス等の公知のプレス装置を適宜用いて行うことができる。
以下、実施例、参考例、及び比較例(製造例も含む)を示して、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例により何ら限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施し得る。
製造例、並びに実施例、参考例、及び比較例における物性評価は、以下の方法にしたがって行った。
<評価方法>
(1)固形分
水溶性バインダーの水溶液、粒子状バインダーの水分散物、及び二次電池負極用スラリーの固形分に関しては、これらを試料としてアルミ皿上に約1g取って、精秤した質量を(a)gとした。それを、130℃の熱風乾燥機1時間乾燥し、乾燥後に残った固形物の質量(乾燥質量)を(b)gとして、下記式により固形分を算出した。
固形分=(b)/(a)×100 [%]
(2)水溶性バインダー及び粒子状バインダーの粒子径(nm)の測定
水溶性バインダーの平均粒子径は、粒子径測定装置(日機装株式会社製、Microtrac UPA150)を使用して測定した。測定条件としては、ローディングインデックス=0.15〜0.3、測定時間300秒とし、得られたデータにおける50%粒子径の数値を粒子径とした。
また、粒子状バインダーの粒子径(体積平均粒子径)は、MICROTRACレーザー光散乱粒度分析計UPA150で測定した。
(3)ガラス転移温度(Tg:単位℃)の測定
水溶性バインダー及び粒子状バインダーのガラス転移温度は、pH7〜9に調整した共重合体ラテックスを130℃で30分乾燥し、乾燥物を得た。
示差走査熱量測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製;DSC6220)を使用し、ASTM法(D3418−97)に従い、温度−120℃から+160℃まで、20℃/minの速度で昇温し、上記乾燥物(共重合体ラテックス)の示差走査熱量曲線を得て、付属のソフトウエアでガラス転移温度を求めた。ガラス転移温度が1つあるいは2つ以上であるかないかはソフトウエアの判定によってピークを求めて決定した。
(4)重量平均分子量(Mw)
pH調製前の水溶性バインダーを130℃で1時間乾燥させ、試料とした。試料0.3gをテトラヒドロフラン(THF)50mLに溶解させた後、メンブランフィルターを用いて濾過し測定試料とした。これについてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー社製、「HLC−8120GPC」)にて重量平均分子量(Mw)を測定した。
(5)水溶性バインダーの溶解性(470nmにおける透過度)
実施例、参考例、及び比較例の水溶性バインダーを水で希釈して2重量%濃度の共重合体ラテックスとして調製し、これに25重量%の水酸化ナトリウム水溶液を滴下して、水溶液をpH8に調整した。これを測定溶液として脱泡し、透過率フォトエレクトリックスペクトロメーター(平間理化研究所社製、MODEL6B)を用いて、光路長10mmの石英セルの純水での測定をベースラインとし、同じセルに当該測定溶液を入れた時の470nmの透過率を測定した。そして、測定した透過率が40%以上を示した場合、水溶性バインダーであると評価した。
(6)チキソ性(チキソトロピー性)
製造例における水溶性バインダーの粘度は、室温下(約25℃)において、B型粘度計(東機産業社製)を用いて、ローター回転数60rpmでの粘度を測定した。
同様にして、実施例、参考例、及び比較例の二次電池負極用スラリーの粘度についても、プレミックス後のものとフィルミックス後のもの(換言すると、前者は薄膜旋回型高速ミキサー(PRIMIX社製、T.K.フィルミックス FM56−50型(製品名)」)による攪拌前のもので、後者はその攪拌後のもの)を測定した。
更に、実施例、参考例、及び比較例の二次電池負極用スラリーの粘度に関しては、チキソ性(正確には、「チキソトロピー性」と言い、攪拌等の機械的刺激によって粘度が変化する性質を意味する。)インデックス(TI値)を用いて評価した。具体的には、以下のようにして評価した。
室温下(約25℃)において、B型粘度計(東機産業社製)を用いて、ローター回転数6rpmでの粘度と、ローター回転数60rpmでの粘度とを測定した。このときの粘度比(TI値)を、(TI値)=(6rpmでの粘度)/(60rpmでの粘度)の計算にしたがって算出し、好適な分散性(即ち、当該スラリーの良好な分散安定性や塗工安定性)の観点から、以下の基準により評価した。

○(良好):TI値が1.5以上7.0未満
△(中程度):TI値が0.5以上1.5未満もしくは7.0以上8.0未満
×(不良):TI値が0.5未満もしくは8.0以上
(7)二次電池負極組成物の分散性
実施例、参考例、及び比較例の二次電池負極用スラリーを用いて二次電池負極を作製した後(なお、当該二次電池負極の具体的な製造方法については、以下に詳述する。)、負極活物質が均一に分散しているかを、当該負極上の塗膜外観を目視にて確認し、以下の3段階で評価した。

○(良好):均一できれいな塗膜(負極活物質が均一に分散)
△(中程度):塗膜に一部斑点が存在する(負極活物質が一部凝集している)
×(不良):塗膜に凝集物の凹凸が存在する(負極活物質が凝集して凹凸が発生している)
(8)ピール試験(密着性)
実施例、参考例、及び比較例の二次電池負極用スラリーを用いて作製した二次電池負極から巾1cm×長さ7cmの試験片を切り出し、この試験片の電極層側端部について、約1cm長さだけ電極層を剥離させ、その部位だけ折り返した。折り返し部分は両面テープ(ニチバン株式会社製 NW−15S)で樹脂フィルムに貼付し、残りの電極層は樹脂板に同様に両面テープ(同)で貼付して、樹脂フィルムを180°方向に100mm/minの速度でテープを剥離したときの強度を6回測定し、その平均値(N/m)をピール強度として算出した。
この値が大きいほど、集電体と電極層の接着強度が高く、集電体から電極層が剥離し難いことを示す。そのため、この値が大きいほど、負極集電体と負極活物質との密着性が高いと評価できる。ここで、ピール強度は、負極集電体と負極活物質との十分な密着性という観点から、30N/mを超えるものが良く、35N/m以上のものがより良い。
(9)サイクル特性
実施例、参考例、及び比較例の二次電池負極用スラリーを用いて得た二次電池負極を使って製造した二次電池(なお、当該二次電池の具体的な製造方法については、以下に詳述する。)に関して、45℃で4.2V−3Vの間1Cの定電流で充電を行ったのち、1Cの定電流で3Vまで放電を続けた。これを100回繰り返した後、サイクル試験前後の1/3Cにおける容量の変化率を百分率で表し、サイクル特性(本願では「サイクル維持率」とも称する。)を評価した。この値が大きい程サイクル特性が良いことを示す。ここで、本実施態様における二次電池のサイクル特性としては、優れたサイクル特性という観点から、80%以上であるものが良く、84%以上のものがより良い。
(10)入出力特性(Ω)測定
実施例、参考例、及び比較例の二次電池負極用スラリーを用いて得た二次電池負極を使って製造した二次電池に関して、当該二次電池の内部抵抗の目安として、入出力特性も評価した。具体的には、25℃環境下で電池を50%の充電率(SCO)まで充電したのち、−10℃の環境下において0.1Cで10秒のみ充電し、30分後0.1Cで10秒のみ放電し、この動作を0.2C〜0.5Cまで行い、各電流値で充放電した10秒後の電圧をその電流値に対してプロットした。これらのプロットを繋いだ直線の傾きが電池の内部抵抗値を示し、この値が小さいほど入出力特性が優れると評価できる。ここで、本実施態様における二次電池のサイクル特性としては、優れた低抵抗という観点から、79Ω以下であるものが良い。
製造例における水溶性バインダー、並びに、実施例、参考例、及び比較例における、二次電池負極用スラリーで用いた粒子状バインダー及び当該スラリー、当該スラリーを用いた二次電池負極、並びに当該二次電池負極を用いた二次電池は、以下のようにして作製された。
<水溶性バインダーの作製(製造例1〜14)>
[製造例1]
反応器に、初期水(成分:イオン交換水260重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.33重量部とニューコール(登録商標)2327(日本乳化剤製のポリオキシエチレンアルキルエーテル系乳化剤で、本願では、「NC2327」とも称する。)1.25重量部からなる乳化剤)を仕込み、撹拌しながら65℃に昇温して保持した。ここへ、三つの単量体(本願では、「モノマー」とも称する。)混合物(成分:メタクリル酸(本願では、「MAA」とも称する。)単量体40重量部、エチルアクリレート(本願では、「EA」とも称する。)単量体27重量部、酢酸ビニル(本願では、「VAc」とも称する。)単量体33重量部)と触媒水(成分:イオン交換水660重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム1重量部、過硫酸ナトリウム(本願では、「NPS」とも称する。)0.6重量部)を同時に滴下し、温度を65℃に保ちながら3時間で当該単量体混合物の滴下を終了し、さらに1時間後に当該触媒水の滴下を終了した後、1.5時間重合を継続させた。その後、温度を65℃から80℃へ昇温し、1.5時間保持して重合を完結させた。得られた水溶性バインダーは、重合率が98%、pHが3、固形分が9.8%であった。
また、この水溶性バインダーを水で2重量%濃度となるように希釈し、25重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pH8における光透過率を測定したところ90%であった。
得られた当該水溶性バインダーのその他の各種物性についても表1に示す。
[製造例2−14]
製造例2−14では、製造例1の原料となる各種単量体(モノマー)の一部を表1に示すとおりに一部変更した以外は製造例1と同様な方法で製造した。なお、製造例8では、エチルアクリレート単量体の代わりに、ブチルアクリレート単量体(本願では、「BA」とも称する。)単量体を使用した。得られた水溶性バインダーの各種物性と併せて表1に示す。
<二次電池負極用スラリーの作製>
実施例、参考例、及び比較例の二次電池負極用スラリーの作製に用いる粒子状バインダーは、以下のようにして作製された。
[粒子状バインダーの作製]
反応器に初期水(成分:イオン交換水75重量部、イタコン酸3.0重量部、シード(粒子径35nmのポリスチレンラテックス)、乳化剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)0.3重量部)を仕込み、攪拌しながら80℃に昇温して保持した。ここへコア部組成の配合単量体(成分:ブタジエン20重量部、スチレン24.5重量部、メチルメタアクリレート1.5重量部、アクリロニトリル1.5重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.5重量部、アクリル酸0.5重量部、α−メチルスチレンダイマー0.05重量部)を3時間かけて追添した。同時に触媒水(成分:イオン交換水12重量部、過硫酸ナトリウム0.6質量部、水酸化ナトリウム0.15重量部、乳化剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)0.075重量部)を追添した。コア部組成の追添終了後1時間反応させ、シェル部組成の単量体(成分:ブタジエン20重量部、スチレン24.5重量部、メチルメタアクリレート1.5重量部、アクリロニトリル1.5重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.5質量部、アクリル酸0.5重量部、α−メチルスチレンダイマー0.05重量部、t−ドデシルメルカプタン0.1重量部)を3.5時間で追添した。シェル部組成の追添時にも触媒水(成分:イオン交換水12重量部、過硫酸ナトリウム0.6重量部、水酸化ナトリウム0.15重量部、乳化剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)0.075重量部)を同時に追添した。追添終了後温度を95℃に昇温して1時間反応させ重合を完結させた。このようにして作製された共重合体ラテックスは、水蒸気蒸留され、未反応単量体が除去された。当該共重合体ラテックスを苛性カリウムでpH7.0±1.0に調整した時の体積平均粒子径は300nmであり、ゲル含有率は98.6%であった。
また、上記示差走査熱量測定装置で測定したガラス転移温度は0℃に1つ存在した。
[実施例1]
上記製造例1で作製した水溶性バインダー(2%重量水溶液)1固形分質量部に対して、上記のようにして作製した粒子状バインダー1.5固形分質量部と、さらに負極活物質として天然黒鉛100質量部を加え、そこへイオン交換水を添加し、メカニカルスターラーで攪拌して総固形分が60%になるように調製した。これをプレミックスとし、その後、薄膜旋回型高速ミキサー(PRIMIX社製、T.K.フィルミックス FM56−L型(製品名)」)を用いて周速20m/秒にて30秒分散して二次電池負極用スラリーを作製し、これを二次電池負極用の塗工液とした。作製された当該スラリーの各種物性については、表2に示す。
[実施例2〜6、参考例、実施例8]
実施例2〜6、参考例、実施例8では、上記製造例2〜8で作製した水溶性バインダーを表2に記載のとおりに使用して、実施例1と同様な方法で二次電池負極用スラリーを作製し、塗工液を得た。作製された当該スラリーの各種物性については、表2に示す。
[比較例1〜6]
比較例1〜6では、上記製造例9〜14で作製した水溶性バインダーを表2に記載のとおりに使用して、実施例1と同様な方法で二次電池負極用スラリーを作製し、塗工液を得た。作製された当該スラリーの各種物性については、表2に示す。
[比較例7]
比較例7では、実施例1で使用した水溶性バインダーの代わりにCMC(商品名「CMC1120」(ダイセルファインケム株式会社製))水溶液(2%重量水溶液)を使用した以外は、実施例1と同様な方法で二次電池負極用スラリーを作製し、塗工液を得た。作製された当該スラリーの各種物性については、表2に示す。
<二次電池負極の作製>
二次電池負極は、上記実施例1〜6、参考例、実施例8及び比較例1〜7の各塗工液(二次電池負極用スラリー)を用いて、以下のようにして作製された。
上記実施例1〜6、参考例、実施例8及び比較例1〜7の各塗工液を用いて、乾燥後の厚みが100μmになるように銅箔の片面にダイコーターで塗布した後、60℃で60分乾燥した。120℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形した。この時、各負極の負極活物質塗布量は106g/m、活物質嵩密度は1.35g/cmになるようにした。
<二次電池の作製>
二次電池は以下のようにして作製した。
二次電池正極及び負極を円形に打抜き、当該正極と負極との活物質面が対向するよう、正極、セパレータ及び負極の順に積層した後に、蓋付きステンレス金属製容器に収納した。この容器と蓋とは絶縁されており、容器は負極の銅箔と、蓋は正極のアルミニウム箔と、それぞれ接するように配置した。そして、この容器内に電解液を注入して密閉し、その状態で室温にて1日放置して二次電池を作製した。
ここで使用した上記電解液には、エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=1/2(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPFを濃度1.0mol/Lとなるように溶解させることにより調製したものを使用した。
また、上記セパレータには、ポリエチレン多孔膜製のものを使用した。
また、上記二次電池負極には、上記実施例1〜6、参考例、実施例8及び比較例1〜7の各塗工液(二次電池負極用スラリー)を用いて作製された各負極電極を使用した。
また、上記二次電池正極には、以下のようにして作製されたものを使用した。
正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)92.2質量%、導電材としてリン片状グラファイトとアセチレンブラックそれぞれ2.3質量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)3.2質量%を、N−メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面にダイコーターで塗布し、130℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形した。この時、正極の活物質塗布量は250g/m、活物質嵩密度は3.00g/cmになるようにした。このようにして得られた電極を二次電池正極として使用した。
表2の結果に示すとおり、製造例1〜8で作製した表1に示す組成を有する各水溶性バインダーを用いて実施例1〜6、参考例、実施例8の各二次電池負極用スラリーを調製し、当該各スラリーを使用して二次電池電極と二次電池を作製した場合、これら実施例のいずれのスラリーを使用しても、35N/mを超える密着性を有する二次電池電極を得ることができるうえ、84%以上のサイクル特性と79Ωを下回る78Ω以下の入出力特性を示す二次電池も得られることを確認した。
他方、同表の結果に示すとおり、製造例9〜14で作製した各水溶性バインダーを用いて比較例1〜6の各二次電池負極用スラリー及び製造例1の水溶性バインダーの代わりにCMCを使用して比較例7の二次電池負極用スラリーを調製し、当該各スラリー用いて二次電池電極と二次電池を作製した場合、これら比較例のスラリーの中には、35N/mを超える密着性を有する二次電池電極を得ることができるうえ、84%以上のサイクル特性と79Ωを下回る78Ω以下の入出力特性全てを示す二次電池も得られるものは無いことを確認した。
そのため、本発明の二次電池負極用スラリーによれば、CMCのような増粘剤を使用することなく負極活物質と集電体との十分な密着性が達成可能な二次電池電極を得ることができ、更に低抵抗でサイクル特性にも優れる二次電池も提供できることが確認された。
更に、表2の結果から、製造例1〜8で作製した表1に示す組成を有する各水溶性バインダーを用いて作製した本実施例1〜6、参考例、実施例8の二次電池負極用スラリーはいずれも、チキソ性と分散性が中程度(△)以上を示し、中でも実施例2、3及び8は、チキソ性と分散性が全て○(良好)で、優れた分散性と粘性が達成できることも確認した。
そのため、本発明の二次電池負極用スラリーによれば、CMCのような増粘剤を使用することなく負極活物質と集電体との十分な密着性が達成可能な二次電池電極を得ることができ、更に低抵抗でサイクル特性にも優れる二次電池も提供できることに加え、優れた分散性と粘性も達成可能であることが確認された。
本発明の二次電池負極用スラリーは、CMCのような増粘剤を使用することなく負極活物質と集電体との十分な密着性が達成可能な二次電池電極を提供でき、しかも、低抵抗でサイクル特性にも優れる二次電池を作製することができる。当該二次電池負極用スラリーでは、更に、優れた分散性と粘性も達成可能である。また、当該二次電池負極用スラリーでは、水溶性バインダーを使用するため、環境負荷の低減も可能である。そのため、本発明は、例えば、各種民生機器用電源や自動車用電源等の分野で、特に環境負荷の低減が所望される当該分野において、産業上の利用可能性がある。

Claims (6)

  1. 粒子状バインダー及び水溶性バインダーを含む二次電池負極用スラリーであり、
    前記水溶性バインダーが、その水溶性バインダー100重量%に対して、
    エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位を10重量%以上44重量%以下と、
    (メタ)アクリル酸エステル単量体単位を15重量%以上65重量%以下と、
    酢酸ビニル単量体単位を15重量%以上65重量%以下と、
    を含む共重合体である、二次電池負極用スラリー。
  2. 前記水溶性バインダーの重量平均分子量(Mw)が400以上60万以下である、請求項1に記載の二次電池負極用スラリー。
  3. 請求項1又は2のいずれか一項に記載の二次電池負極用スラリーを含んでなる、二次電池電極。
  4. 請求項1又は2のいずれか一項に記載の二次電池負極用スラリーを含んでなる、二次電池。
  5. 請求項1又は2のいずれか一項に記載の二次電池負極用スラリーを用いて二次電池電極を製造する方法。
  6. 水溶性バインダー100重量%に対して、10重量%以上44重量%以下のエチレン性不飽和カルボン酸単量体単位と、15重量%以上50重量%以下の(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と、15重量%以上65重量%以下の酢酸ビニル単量体単位とを含む共重合体である、前記水溶性バインダーを、二次電池負極用スラリーとして使用する方法。
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