JP6822247B2 - ヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法 - Google Patents

ヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法に関する。
LEDやパワーモジュール等の半導体装置においては、導電材料からなる回路層の上に半導体素子が接合された構造とされている。
風力発電、電気自動車、ハイブリッド自動車等を制御するために用いられる大電力制御用のパワー半導体素子においては、発熱量が多いことから、これを搭載する基板としては、例えばAlN(窒化アルミニウム)、Al(アルミナ)、Si(窒化ケイ素)などのセラミックスからなる絶縁基板と、この絶縁基板の一方の面に導電性の優れた金属板を接合して形成した回路層と、を備えた絶縁回路基板が、従来から広く用いられている。なお、絶縁回路基板としては、セラミックス基板の他方の面に金属層を形成したものも提供されている。
また、回路層に搭載した半導体素子等から発生した熱を効率的に放散させるために、絶縁回路基板の金属層側にヒートシンクを接合したヒートシンク付絶縁回路基板が提供されている。ヒートシンクの材料としては、アルミニウム合金やAlSiCに代表される炭化ケイ素質部材中にアルミニウムもしくはアルミニウム合金が充填されたアルミニウム基複合材料などのアルミニウム系材料が広く利用されている。
絶縁回路基板とAlSiCとを接合する方法としては、ろう材を用いる方法と、AlSiCの被覆層(スキン層)の一部を溶融させる方法が知られている。
特許文献1には、主に炭化ケイ素からなる多孔体に、初晶温度が615℃以上であるアルミニウム合金を含浸して形成されたAlSiC系複合体と、絶縁回路基板とを、ろう材を用いて接合することが開示されている。なお、この特許文献1の実施例では、AlSiC系複合体と絶縁回路基板を、アルミニウム系ろう材を用いて590℃でろう付けしている。
特許文献2には、ヒートシンクとしてSiとMgとが所定の量で含有されたアルミニウム合金の被覆層が形成されているAlSiC系複合材料を用い、このAlSiC系複合材料の被覆層の一部を溶融させて、絶縁回路基板とAlSiC系複合材料とを接合することが開示されている。
特許文献3には、絶縁回路基板とヒートシンクとの接合を、Al−Si系ろう材にMgが含有されたろう材箔を用いて、590℃以上630℃以下の加熱温度で接合することが開示されている。
特開2003−306730号公報 特開2014−138124号公報 特開2013−214576号公報
ところで、最近では、パワー半導体素子等の高出力化が進められており、これを搭載するヒートシンク付絶縁回路基板では、パワー半導体素子等にて発生した熱を、ヒートシンクにて効率良く外部に放出できるように、絶縁回路基板とヒートシンクとを高い接合信頼性で接合することが要求される。しかしながら、特許文献1に開示されている絶縁回路基板とAlSiCとを、アルミニウム系ろう材を用いて接合する方法では、ろう付けの接合温度が高いため、AlSiCの母材が部分的に溶融して、AlSiCが歪んで変形し、絶縁回路基板とAlSiCとを高い接合信頼性で接合するのが難しくなることがある。また、特許文献2に記載されているAlSiC系複合材料の被覆層の一部を溶融させる方法においては、AlSiC系複合材料の被覆層の一部のみを溶融させることが難しく、AlSiCの母材が部分的に溶融することがある。
また、特許文献3に開示されているように、絶縁回路基板とAlSiCとを、Mg含有Al−Si系ろう材を用いて接合する方法では、ろう付けの接合温度が高いため、AlSiCの母材が部分的に溶融して、AlSiCが歪んで変形し、絶縁回路基板とAlSiCとを高い接合信頼性で接合するのが難しくなることがある。接合温度を下げるためには、Mg含有Al−Si系ろう材のMg含有量を多くし、ろう材の融点を下げることが考えられるが、Mg含有量を多くした場合、ろう材箔の延性が低下するために、ろう材箔を製造することが困難となる。
また、ヒートシンクとしてAlSiCを用いた場合に限らず、ヒートシンクにアルミニウム合金を用いた場合でもアルミニウム合金母材の部分的な溶融が起こるおそれがある。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、絶縁回路基板の金属層とAlSiCなどのアルミニウム合金を母材とするヒートシンクとをろう材を用いて、ヒートシンクの母材を溶融させずに、高い接合信頼性で接合できるヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法は、絶縁層と、この絶縁層の一方の面に形成された回路層と、前記絶縁層の他方の面に形成された金属層とを有する絶縁回路基板の前記金属層と、ヒートシンクとをろう材を用いて接合するヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法であって、前記金属層は、前記ヒートシンクとの接合面がAlまたはAl合金からなるAl部材で構成され、前記ヒートシンクは、AlまたはAl合金からなるAl部材、もしくは炭化ケイ素質部材中にAlまたはAl合金からなるAl部材が充填されたAl基複合材料で構成されており、前記ろう材は、AlまたはAl合金で構成されているAl部材層と、このAl部材層の表裏面の少なくとも一方の面に形成されたMg層とを有する積層ろう材であり、前記金属層の前記ヒートシンクとの接合面、前記ヒートシンクおよび前記Al層を構成するAl部材のうちの少なくとも一つは、Si含有量が0.1原子%以上であるAl−Si合金からなり、前記Al−Si合金と前記Mg層とが接触するように配置された前記積層ろう材を介して、前記金属層と前記ヒートシンクとを積層して、積層体を形成する積層工程と、前記積層体を550℃以上575℃以下の温度範囲で加熱して、前記金属層と、ヒートシンクとを接合する加熱工程とを備えていることを特徴としている。
この構成のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法によれば、ろう材として、Al部材層と、このAl部材層の表裏面の少なくとも一方の面に形成されたMg層とを有する積層ろう材を用い、金属層のヒートシンクとの接合面、ヒートシンクおよび積層ろう材のAl部材層のうちの少なくとも一つを、Si含有量が0.1原子%以上のAl−Si合金で構成し、このAl−Si合金とMg層とが接触するように積層ろう材を介して、金属層とヒートシンクとを積層して形成した積層体を加熱して、金属層とヒートシンクとを接合する。上記の積層体を加熱すると、積層ろう材のMg層のMgがAl−Si合金中に拡散することによって、Al−Si合金中のSiと拡散してきたMgとが反応することによって局所的に高濃度のMgSiが生成され、AlとMgSiとMgとが共存する領域やAlとMgSiとSiとが共存する領域が形成される。この領域は575℃以下で接合に十分な量の液相を生成することが可能である。従来のアルミニウムを主成分とするアルミニウム系ろう材、Mg含有Al−Si系ろう材、Mg含有ろう材を皮材としたクラッド材などのろう材は、575℃以下では、接合に十分な量の液相を生成することができない。そして、金属層とヒートシンクとはともにAl部材から構成されているので、この液相は、金属層とヒートシンクとに拡散し、両者が接合される。よって、上記の構成のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法によれば、従来のろう材を用いた場合と比較して低温での加熱によって、ヒートシンクの母材を溶融させずに、金属層とヒートシンクとが高い接合信頼性で接合したヒートシンク付絶縁回路基板を得ることができる。
また、上記の積層ろう材は、Al部材層とMg層とが分離した構造を有するので、Mg層のMg濃度を高くできる。従来のMg含有Al−Si系ろう材やMg含有ろう材を皮材としたクラッド材を用いて本件発明の効果を奏するためには、Mgの濃度を高くしなければならないが、この場合、圧延性が低下し、Mg含有Al−Si系ろう材を得ることができない。そのため、本件発明においては、上記の積層ろう材を用いている。上記の積層ろう材は、Al部材層とMg層とが分離した構造を有するので、Mg層のMg濃度を高くできる。Mg濃度が高いMg層を有しているので、Mg層に接触しているAl−Si合金にMgを確実に拡散することができる。
また、Mg層に接触しているAl−Si合金は、Si含有量が0.1原子%以上に設定されている。Si含有量が0.1原子%未満だと、AlとMgSiとMgとが共存する領域やAlとMgSiとSiとが共存する領域で生成する液相の量が少なくなり、金属層とヒートシンクとの接合性が低下する。
また、加熱温度が550℃未満の場合、液相の生成量が少なくなるため、接合性が低下する。575℃を超えた場合、ろうこぶやヒートシンク母材の溶融が生じる。
以上の理由により、上記のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法によれば、比較的低温での加熱によって、金属層とヒートシンクとが高い接合信頼性で接合したヒートシンク付絶縁回路基板を得ることができると考えられる。
ここで、本発明のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法においては、前記ヒートシンクを構成するAl部材が前記Al−Si合金であって、前記積層工程において、前記Mg層が前記ヒートシンクと接触するように、前記積層ろう材を配置してもよい。
この場合は、ヒートシンクを構成しているAl−Si合金中にMg層のMgが拡散することによって、AlとMgSiとMgとが共存する領域やAlとMgSiとSiとが共存する領域が形成される。よって、比較的低温での加熱により液相を生成して、金属層とヒートシンクとを接合することが可能となる。なお、絶縁回路基板の金属層のヒートシンクとの接合面および積層ろう材のAl部材層を構成しているAl部材としては、純AlもしくはSi含有量が0.1原子%未満のAl合金を用いることができる。
また、本発明のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法においては、前記ろう材の前記Al部材層を構成するAl部材が前記Al−Si合金であってもよい。
この場合は、積層ろう材のAl部材層を構成しているAl−Si合金中にMg層中のMgが拡散することによって、AlとMgSiとMgとが共存する領域やAlとMgSiとSiとが共存する領域が形成される。よって、比較的低温での加熱により液相を生成して、金属層とヒートシンクとを接合することが可能となる。なお、絶縁回路基板の金属層のヒートシンクとの接合面およびヒートシンクを構成しているAl部材としては、純AlもしくはSi含有量が0.1原子%未満のAl合金を用いることができる。
ここで、前記Mg層のMg量〔Mg〕と前記ろう材の前記Al部材層のSi量〔Si〕と原子比〔Mg〕/〔Si〕は2.0未満であることが好ましい。
この場合、MgとSiとが反応してMgSiが生成されるが、MgSiの生成に使われたSi以外の余剰のSiが金属層とヒートシンクとの間に存在することで、接合界面の組成がAl−MgSi−Siの擬3元系となり、固相線温度が低くなる。よって、比較的低温条件であっても、接合界面に液相を出現させることができ、絶縁回路基板の金属層とヒートシンクとを確実に接合することができる。
さらに、本発明のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法においては、前記金属層の前記ヒートシンクとの接合面を構成するAl部材が前記Al−Si合金であって、前記積層工程において、前記Mg層が前記金属層と接触するように、前記積層ろう材を配置してもよい。
この場合は、絶縁回路基板の金属層を構成しているAl−Si合金中にMg層中のMgが拡散することによって、AlとMgSiとMgとが共存する領域やAlとMgSiとSiとが共存する領域が形成される。よって、比較的低温での加熱により液相を生成して、金属層とヒートシンクとを接合することが可能となる。なお、積層ろう材のAl部材層およびヒートシンクを構成しているAl部材としては、純AlもしくはSi含有量が0.1原子%未満のAl合金を用いることができる。
さらにまた、本発明のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法においては、前記加熱工程にて、前記積層体を積層方向に0.1MPa以上3.5MPa以下の圧力を付与しながら加熱することが好ましい。
この場合、絶縁回路基板及びヒートシンクに亀裂や破損を生じさせずに、絶縁回路基板の金属層とヒートシンクとを高い接合信頼性で確実に接合することが可能となる。
本発明によれば、絶縁回路基板の金属層とAlSiCなどのアルミニウム合金を母材とするヒートシンクとをろう材を用いて、ヒートシンクの母材を溶融させずに、高い接合信頼性で接合できるヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法を提供することが可能となる。
本発明のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法によって得られるヒートシンク付絶縁回路基板の一例を示す概略断面図である。 図1における金属層とヒートシンクとの接合層の拡大断面図である。 本発明の第1実施形態に係るヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法を説明する概略断面図である。 図3に示すヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法において、接合界面の反応状態を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係るヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法を説明する概略断面図である。 本発明の第3実施形態に係るヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法を説明する概略断面図である。 本発明のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法によって得られるヒートシンク付絶縁回路基板の別の一例を示す概略断面図である。 本発明の第4実施形態に係るヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法を説明する概略断面図である。 実施例2において接合界面の断面を観察した結果を示す観察写真である。
以下、図面を参照して、本発明のヒートシンク付き絶縁回路基板、及び、ヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法の一実施形態について説明する。なお、以下に示す各実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
まず、本発明のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法によって得られるヒートシンク付絶縁回路基板の構成を、図1と図2を参照して説明する。
図1は、本発明のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法によって得られるヒートシンク付絶縁回路基板の一例を示す概略断面図である。図2は、図1における金属層とヒートシンクとの接合層の拡大断面図である。
図1において、ヒートシンク付絶縁回路基板10は、絶縁回路基板20と、絶縁回路基板20の金属層23に接合されたヒートシンク30と、を備えている。
絶縁回路基板20は、絶縁層となるセラミックス基板21と、このセラミックス基板21の一方の面(図1において上面)に形成された回路層22と、セラミックス基板21の他方の面(図1において下面)に形成された金属層23と、を備えている。
セラミックス基板(絶縁層)21は、絶縁性および放熱性に優れたSi(窒化ケイ素)、AlN(窒化アルミニウム)、Al(アルミナ)等のセラミックスで構成されている。本実施形態では、セラミックス基板21は、AlN(窒化アルミニウム)で構成されている。セラミックス基板21の厚さは、例えば、0.2mm以上1.5mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.635mmに設定されている。
回路層22は、セラミックス基板21の一方の面にAlまたはAl合金からなるAl部材が接合されることで形成されている。Al部材としては、純度が99質量%以上のAl(2Nアルミニウム)や純度が99.99質量%以上のAl(4Nアルミニウム)を用いることができる。本実施形態では、4Nアルミニウムの圧延板を用いている。回路層22の厚さは、0.1mm以上1.0mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では0.4mmに設定されている。回路層22とセラミックス基板21とは、例えば、Al−Si系ろう材によって接合されている。
回路層22の材料としては、Al部材以外に、CuまたはCu合金からなるCu部材を用いることができる。例えば、セラミックス基板21に無酸素銅の圧延板を接合して回路層22とすることができる。また、回路層22として、Al部材とCu部材とを接合した接合体を用いてもよい。例えば、セラミックス基板21にAl部材を接合し、さらにそのAl部材にCu部材を接合した接合体を回路層22とすることができる。Al部材とCu部材とを接合する場合は、Al部材とCu部材との間にTiからなるTi部材を介在させることが好ましい。Ti部材を介在させることによって、後述する製造方法において、加熱工程をAlとCuの共晶温度(540℃)以上の温度で行うことができる。
金属層23は、セラミックス基板21の他方の面にAlまたはAl合金からなるAl部材が接合されることで形成されている。金属層23の厚さは、0.1mm以上3.0mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では0.4mmに設定されている。金属層23とセラミックス基板21とは、例えば、Al−Si系ろう材によって接合されている。
ヒートシンク30は、絶縁回路基板20側の熱を放散するためのものである。ヒートシンク30は、Al合金からなるAl部材、もしくは炭化ケイ素質部材中にAlまたはAl合金からなるAl部材が充填されたAl基複合材料から構成されている。Al合金としては、純Al(例えば、A1050)、Al−Mn系合金(例えば、A3003)、Al−Si系合金(例えば、A4043)、Al−Mg−Si系合金(例えば、A6063)を用いることができる。Al基複合材料としては、AlSiCを用いることができる。AlSiCは、被覆層を有してもよいし、有していなくてもよい。
絶縁回路基板20の金属層23とヒートシンク30との間には、接合層40が形成されている。接合層40は、図2に示すように、MgSiからなるMgSi相41が分散された組織を有する。このMgSi相41が分散されている接合層40は、次に述べる製造方法によって、金属層23とヒートシンク30とを接合することによって形成される。
なお、図2に示すように、接合層40には、Si単体相42も分散している。さらに、MgSi相41は、金属層23とヒートシンク30の内部にも分散している。
なお、MgSi相41は、SiとMgとの包晶反応で形成されることから、MgSi相41の中心にSiが存在し、このSiの周囲にMgSiが形成されている場合もある。
ここで、接合層40の厚さtは、3μm以上50μm以下の範囲内とされている。なお、ヒートシンク30の接合面及び金属層23の接合面には、酸化アルミニウム膜とMgとが反応して形成されたMg酸化物(MgO、MgAl(スピネル)等)が存在しており、それぞれ酸素偏析層として観察されるため、これら酸素偏析層に挟まれた領域が接合層40となる。
次に、図1と図2に示す上記構成のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法を説明する。
(第1実施形態)
図3は、第1実施形態に係るヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法を説明する断面図である。
第1実施形態のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法では、先ず、図3(a)に示すように、絶縁回路基板20と、積層ろう材50Sと、ヒートシンク30とを用意する。
本実施形態において、絶縁回路基板20は、セラミックス基板21の一方の面及び他方の面に純度が99.99質量%以上のAl(4Nアルミニウム)の圧延板を接合することで製造されている。
積層ろう材50Sは、Si含有量が0.1原子%以上のAl−Si合金からなる箔状のAl部材で構成されているAl部材層51Sと、このAl部材層51Sの表裏面の一方の面(図3(a)において下面)に形成されたMg層52とからなる。なお、Al部材層51SのSi含有量は12.5原子%以下とすることが望ましい。Si含有量が12.5原子%を超えると、箔状のAl部材とすることが難しくなる。
また、Mg層52は、Al部材層51の表裏両面に形成してもよい。
Al部材層51Sの厚さは、3μm以上50μm以下の範囲内にあることが好ましい。
Mg層52は、Mg濃度が80原子%以上であることが好ましく、90原子%以上であることが特に好ましい。Mg層52のMg濃度が80原子%以上であると、後述する加熱工程においてMgSiが生成し易くなる。
Mg層52の厚さは、0.1μm以上10μm以下の範囲内にあることが好ましい。Mg層52の厚さが薄くなりすぎと、後述する加熱工程の際に生成するMgSiの量が少なくなり、金属層23とヒートシンク30とを接合するのが困難になるおそれがある。一方、Mg層52の厚さが厚くなりすぎると、後述する加熱工程の際に、Al−Mg合金の液相が過剰に生成して、金属層23とヒートシンク30との接合層にろうこぶが発生するおそれがある。また、接合層にボイドが生じ、熱抵抗となるおそれがある。なお、Mg層52をAl部材層51Sの表裏両面に形成した場合、Mg層52の厚さはその合計の厚さである。
積層ろう材50Sは、Al部材層51Sの表裏面にMg層52を形成することによって製造することができる。Mg層52を形成する方法としては、Mgターゲットを用いたスパッタ法あるいはMg粉末のペーストを塗布して乾燥する方法、蒸着法等を用いることができる。
ここで、本実施形態においては、Mg層52のMg量〔Mg〕と積層ろう材50SのAl部材層51SのSi量〔Si〕と原子比〔Mg〕/〔Si〕が2.0未満となるように、Mg層52のMg濃度及び厚さ、Al部材層51SのSi濃度及び厚さを調整している。
ヒートシンク30は、純Al又はSi含有量が0.1原子%以上のAl−Si合金からなるAl部材、もしくは炭化ケイ素質部材中にSi含有量が0.1原子%以上のAl−Si合金又は純AlからなるAl部材が充填されたAl基複合材料(AlSiC)で構成されている。
本実施形態では、AlSiCで構成されている。
次に、図3(b)に示すように、絶縁回路基板20と、積層ろう材50Sと、ヒートシンク30とを積層して積層体11aを形成する(積層工程)。図3(b)において、積層ろう材50Sは、Mg層52がヒートシンク30と接触するように配置されているが、本実施形態では積層ろう材50Sの配置の向きに特に制限はない。積層ろう材50SのMg層52が金属層23と接触するように配置されていてもよい。
次に、積層体11aを加熱して、金属層23とヒートシンク30とを接合する(加熱工程)。加熱工程において、積層体11aを加熱することによって、積層ろう材のMg層52のMgがヒートシンク30のAl−Si合金中に拡散し、Al−Si合金中のSiと拡散してきたMgとが反応することによって高濃度のMgSiが生成され、AlとMgSiとMgとが共存する領域やAlとMgSiとSiとが共存する領域が形成される。そして、金属層23とヒートシンク30とはともにAl部材から構成されているので、この液相は、金属層23とヒートシンク30とに拡散し、両者が接合される。
加熱工程において、積層体11aの加熱温度は、550℃以上575℃以下の温度範囲である。積層体11aの加熱温度が低くなりすぎると、液相の生成量が少なくなるため接合性が低下する。一方、積層体11aの加熱温度が高くなりすぎると、ろうこぶやヒートシンク30の母材の溶融が生じる。
本実施形態では、Mg層52のMg量〔Mg〕と積層ろう材50SのAl部材層51SのSi量〔Si〕と原子比〔Mg〕/〔Si〕が2.0未満となるように、Mg層52のMg濃度及び厚さ、Al部材層51SのSi濃度及び厚さを調整していることから、接合界面の組成がAl−MgSi−Siの擬3元系となり、固相線温度が低くなるため、積層体11aの加熱温度を低温条件とすることができる。
加熱工程において、積層体11aの加熱は、積層体11aを積層方向に0.1MPa以上3.5MPa以下の圧力を付与しながら行うことが好ましい。付与する圧力が低くなりすぎると、液相が絶縁回路基板20の金属層23とヒートシンク30とに拡散しにくくなるおそれがある。付与する圧力が高くなりすぎると、絶縁回路基板20及びヒートシンク30に亀裂や破損が生じるおそれがある。
加熱温度での保持時間は、10分以上180分以下の範囲内に設定されていることが好ましい。
加熱は、10−6Pa以上10−2Pa以下の真空又は、窒素雰囲気等の不活性雰囲気で行うことが好ましい。
上述のような条件で接合することにより、図2に示すように、MgSi相41が分散された接合層40が形成される。図4に示すように、昇温過程においてMg層52のMgが積層ろう材50SのAl部材層51Sの内部へと拡散し、MgSi相41が形成される。そして、加熱温度で保持している際に、液相が出現するとともに、金属層23の接合面及びヒートシンク30の接合面に形成された酸化アルミニウム膜23A、30AとMgSi相41とが以下のように反応式で反応し、酸化アルミニウム膜が除去され、Mg酸化物(MgO、MgAl(スピネル)等)が形成される。なお、余剰のSiがSi単体相42として残存する。
3MgSi+8Al → 6MgAl+3Si
3MgSi+2Al → 6MgO+3Si
そして、接合後には、接合層40の内部にMgSi相41及びSi単体相42が分散される。また、ヒートシンク30及び金属層23の内部にまでMgSi相41が分散されている。
また、Mg層52のMg量〔Mg〕と積層ろう材50SのAl部材層51SのSi量〔Si〕と原子比〔Mg〕/〔Si〕が2.0未満となるように、Mg層52のMg濃度及び厚さ、Al部材層51SのSi濃度及び厚さを調整しているので、接合界面の組成がAl−MgSi−Siの擬3元系となり、固相線温度が低くなる。よって、比較的低温条件であっても、接合界面に液相を出現させることができ、絶縁回路基板20の金属層23とヒートシンク30とを確実に接合することができる。
なお、Al−Si合金(Si濃度12.5mass%以下)からなるAl部材層51Sの厚さが50μmを超えた場合、あるいは、Mg層52の厚さが2.0μmを超える場合には、液相が増加し、ろうこぶが生じるおそれがあるため、Al部材層51Sの厚さは50μm以下、Mg層52の厚さは2.0μm以下とすることが好ましい。
(第2実施形態)
図5は、第1実施形態に係るヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法を説明する断面図である。
第2実施形態のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法では、先ず、図5(a)に示すように、絶縁回路基板20と、積層ろう材50と、ヒートシンク30Sとを用意する。
本実施形態において、絶縁回路基板20は、セラミックス基板21の一方の面及び他方の面に純度が99.99質量%以上のAl(4Nアルミニウム)の圧延板を接合することで製造されている。
積層ろう材50は、純AlまたはAl合金からなるAl部材で構成されているAl部材層51と、このAl部材層51の表裏面の一方の面(図5(a)において下面)に形成されたMg層52とからなる。なお、Mg層52は、Al部材層51の表裏両面に形成してもよい。
Al部材層51は、純度99.99質量%以上の純AlまたはSi含有量が0.1原子%未満であるAl合金で構成されていることが好ましい。Al部材層51の厚さは、3μm以上50μm以下の範囲内にあることが好ましい。
Mg層52は、Mg濃度が80原子%以上であることが好ましく、90原子%以上であることが特に好ましい。Mg層52のMg濃度が80原子%以上であると、後述する加熱工程においてSiが拡散し易くなり、MgSiが生成し易くなる。また、Mg層52の厚さは、0.1μm以上10μm以下の範囲内にあることが好ましい。Mg層52の厚さが薄くなりすぎと、後述する加熱工程の際に生成するMgSiの量が少なくなり、金属層23とヒートシンク30Sとを接合するのが困難になるおそれがある。一方、Mg層52の厚さが厚くなりすぎると、後述する加熱工程の際に、Al−Mg合金の液相が過剰に生成して、金属層23とヒートシンク30Sとの接合層にろうこぶが発生するおそれがある。
積層ろう材50は、Al部材層51の表裏面にMg層52を形成することによって製造することができる。Mg層52を形成する方法としては、Mgターゲットを用いたスパッタ法あるいはMg粉末のペーストを塗布して乾燥する方法や蒸着法を用いることができる。
ヒートシンク30Sは、Si含有量が0.1原子%以上のAl−Si合金からなるAl部材、もしくは炭化ケイ素質部材中にSi含有量が0.1原子%以上のAl−Si合金からなるAl部材が充填されたAl基複合材料で構成されている。
本実施形態では、ヒートシンク30Sは、炭化ケイ素中にSi含有量が0.1原子%以上のAl−Si合金からなるAl部材が充填されたAlSiCで構成されている。
次に、図5(b)に示すように、絶縁回路基板20と、積層ろう材50と、ヒートシンク30Sとを積層して積層体11bを形成する(積層工程)。本実施形態では、Mg層52がヒートシンク30Sと接触するように、積層ろう材50を配置する。
次に、積層体11bを加熱して、金属層23とヒートシンク30Sとを接合する(加熱工程)。加熱工程において、積層体11bを加熱することによって、積層ろう材のMg層52のMgがヒートシンク30SのAl−Si合金中に拡散し、Al−Si合金中のSiと拡散してきたMgとが反応することによって高濃度のMgSiが生成され、AlとMgSiとMgとが共存する領域やAlとMgSiとSiとが共存する領域が形成される。そして、金属層23とヒートシンク30SとはともにAl部材から構成されているので、この液相は、金属層23とヒートシンク30Sとに拡散し、両者が接合される。
加熱工程において、積層体11bの加熱温度は、550℃以上575℃以下の温度範囲にあることが好ましい。積層体11bの加熱温度が低くなりすぎると、液相の生成量が少なくなるため接合性が低下する。一方、積層体11bの加熱温度が高くなりすぎると、ろうこぶやヒートシンク30の母材の溶融が生じる。
加熱工程において、積層体11bの加熱は、積層体11bを積層方向に0.1MPa以上3.5MPa以下の圧力を付与しながら行うことが好ましい。付与する圧力が低くなりすぎると、液相が絶縁回路基板20の金属層23とヒートシンク30Sとに拡散しにくくなるおそれがある。付与する圧力が高くなりすぎると、絶縁回路基板20及びヒートシンク30Sに亀裂や破損が生じるおそれがある。
加熱工程において、積層体11bの加熱温度、積層方向に付与する圧力、加熱時間および加熱条件(加熱雰囲気)は、上記の第1実施形態の場合と同様とすることができる。
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態に係るヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法を説明する断面図である。なお、第3実施形態では第1実施形態および第2実施形態との相違点を中心に説明し、これらの実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付して再度の説明を省略する。
第3実施形態のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法では、先ず、図6(a)に示すように、絶縁回路基板20Sと、積層ろう材50と、ヒートシンク30とを用意する。
本実施形態においては、絶縁回路基板20Sは、セラミックス基板21の一方の面に純度が99.99質量%以上のAl(4Nアルミニウム)の圧延板が接合され回路層22を形成しており、他方の面にSi含有量が0.1原子%以上のAl−Si合金の圧延板が接合され金属層23Sを形成している。なお、Siの含有量は12.5原子%以下であることが好ましい。Siの含有量が12.5原子%を超えた場合、金属層23Sが塑性変形しにくくなり、セラミックス基板21との接合信頼性が低下するおそれがある。
積層ろう材50は、AlまたはAl合金からなるAl部材で構成されているAl部材層51と、このAl部材層51の表裏面の一方の面(図6(a)において上面)に形成されたMg層52とからなる。
ヒートシンク30は、Al合金からなるAl部材、もしくは炭化ケイ素質部材中にAlまたはAl合金からなるAl部材が充填されたAl基複合材料で構成されている。
次に、図6(b)に示すように、絶縁回路基板20Sと、積層ろう材50と、ヒートシンク30とを積層して積層体11cを形成する(積層工程)。本実施形態では、Mg層52が金属層23Sと接触するように、積層ろう材50を配置する。
次に、積層体11cを加熱して、金属層23Sとヒートシンク30とを接合する(加熱工程)。加熱工程において、積層体11cを加熱することによって、積層ろう材のMg層52のMgが金属層23Sに拡散し、金属層23S中のSiと拡散してきたMgとが反応することによって高濃度のMgSiが生成され、AlとMgSiとMgとが共存する領域やAlとMgSiとSiとが共存する領域が形成される。そして、金属層23Sとヒートシンク30とはともにAl部材から構成されているので、この液相は、金属層23Sとヒートシンク30とに拡散し、両者が接合される。
加熱工程において、積層体11cの加熱温度、積層方向に付与する圧力、加熱時間および加熱条件(真空加熱炉内の圧力)は、上記の第1実施形態の場合と同様とすることができる。
図1と図2に示す上記構成のヒートシンク付絶縁回路基板10では、絶縁回路基板20の金属層23がAl部材から構成されているが、金属層23はヒートシンク30との接合面がAl部材から構成されていればよい。すなわち、絶縁回路基板20の金属層23は、ヒートシンクとの接合面がAl部材から構成されていれば、二つの金属部材を接合した接合体としてもよい。
次に、絶縁回路基板の金属層が接合体とされているヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法について説明する。
図7は、本発明のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法によって得られるヒートシンク付絶縁回路基板の金属層が接合体とされている例を示す概略断面図である。なお、図7に示すヒートシンク付絶縁回路基板では、図1と図2に示すヒートシンク付絶縁回路基板と共通する構成要素については、同一の符号を付して再度の説明を省略する。
図7において、ヒートシンク付絶縁回路基板60は、絶縁回路基板70と、絶縁回路基板の金属層に接合されたヒートシンク30と、を備えている。
絶縁回路基板70は、絶縁層となるセラミックス基板71と、このセラミックス基板71の一方の面(図7において上面)に形成された回路層72と、セラミックス基板21の他方の面(図7において下面)に形成された金属層73と、を備えている。
セラミックス基板(絶縁層)71は、絶縁性および放熱性に優れたSi(窒化ケイ素)、AlN(窒化アルミニウム)、Al(アルミナ)等のセラミックスで構成されている。本実施形態では、セラミックス基板71は、AlN(窒化アルミニウム)で構成されている。セラミックス基板21の厚さは、例えば、0.2mm以上1.5mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では0.635mmに設定されている。
回路層72は、セラミックス基板71の一方の面にCuまたはCu合金からなるCu部材が接合されることで形成されている。Cu部材としては、無酸素銅を用いることができる。本実施形態では、無酸素銅の圧延板を用いている。回路層72の厚さは0.05mm以上1mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では0.3mmに設定されている。回路層72とセラミックス基板71とは、例えば、DBC法あるいは活性金属ろう付け法によって接合されている。
回路層72の材料としては、Cu部材以外にも、Al部材を用いることができる。また、回路層72として、Al部材とCu部材とを接合した接合体を用いてもよい。例えば、セラミックス基板71にAl部材を接合し、さらにそのAl部材にCu部材を接合して回路層72とすることができる。Al部材とCu部材とを接合する場合は、Al部材とCu部材との間にTi箔を介在させることが好ましい。
金属層73は、セラミックス基板71の他方の面に接合されているCu部材金属層74と、Cu部材金属層74のセラミックス基板71に接合されている面とは反対側の面に接合されているTi部材金属層75と、Ti部材金属層75のCu部材金属層74に接合されている面とは反対側の面に接合されているAl部材金属層76とから構成されている。
Cu部材金属層74は、セラミックス基板71の他方の面にCuまたはCu合金からなるCu部材が接合されることで形成されている。Cu部材としては、無酸素銅を用いることができる。本実施形態では、無酸素銅の圧延板を用いている。Cu部材金属層74の厚さは0.05mm以上1mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では0.3mmに設定されている。Cu部材金属層74とセラミックス基板71とは、例えば、DBC法あるいは活性金属ろう付け法によって接合されている。
Ti部材金属層75は、TiからなるTi部材から構成されている。Ti部材金属層75の厚さは0.003mm以上0.050mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では0.03mmに設定されている。Ti部材金属層75とCu部材金属層74とは、例えば、固相拡散接合によって接合されている。
Al部材金属層76は、AlまたはAl合金からなるAl部材から構成されている。Al部材金属層76の厚さは、0.1mm以上3.0mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では0.4mmに設定されている。Al部材金属層76とTi部材金属層75とは、例えば、固相拡散法によって接合されている。
Al部材金属層76とヒートシンク30は、積層ろう材を用いて接合されている。Al部材金属層76とヒートシンク30との接合層80は、MgSi相が形成されている。
次に、図7に示す上記構成のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法を説明する。
(第4実施形態)
図8は、第4実施形態に係るヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法を説明する断面図である。なお、第4実施形態では第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態との相違点を中心に説明し、これらの実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付して再度の説明を省略する。
先ず、図8(a)に示すように、絶縁回路基板70と、積層ろう材50と、ヒートシンク30とを用意する。
絶縁回路基板70は、セラミックス基板21の一方の面に回路層72となる板材が接合され、他方の面にCu部材金属層74となる板材とTi部材金属層75となる板材とAl部材金属層76となる板材が接合され、金属層73が形成されている。本実施形態では、Al部材金属層76は、純度が99.99質量%以上のAl(4Nアルミニウム)の圧延板が接合されることで形成されている。
積層ろう材50は、AlまたはAl合金からなるAl部材で構成されているAl部材層51と、このAl部材層51の表裏面の一方の面(図8(a)において下面)に形成されたMg層52とからなる。
ヒートシンク30Sは、Si含有量が0.1原子%以上のAl−Si合金からなるAl部材、もしくは炭化ケイ素質部材中にSi含有量が0.1原子%以上のAl−Si合金からなるAl部材が充填されたAl基複合材料で構成されている。
次に、図8(b)に示すように、絶縁回路基板70と、積層ろう材50と、ヒートシンク30Sとを積層して積層体を形成する(積層工程)。本実施形態では、Mg層52がヒートシンク30Sと接触するように、積層ろう材50を配置する。
次に、積層体61を加熱して、Al部材金属層76とヒートシンク30Sとを接合する(加熱工程)。加熱工程において、積層体を加熱することによって、積層ろう材のMg層52のMgがヒートシンク30SのAl−Si合金中に拡散し、Al−Si合金中のSiと拡散してきたMgとが反応することによって高濃度のMgSiが生成され、AlとMgSiとMgとが共存する領域やAlとMgSiとSiとが共存する領域が形成される。そして、Al部材金属層76とヒートシンク30SとはともにAl部材から構成されているので、この液相は、Al部材金属層76とヒートシンク30Sとに拡散し、両者が接合される。
加熱工程において、積層体の加熱温度、積層方向に付与する圧力、加熱時間および加熱条件(真空加熱炉内の圧力)は、上記の第1実施形態の場合と同様とすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、第1実施形態では、絶縁回路基板20の金属層23をAl−Si合金からなるAl部材で構成して、金属層23とヒートシンク30の両方のAl部材をAl−Si合金としてもよい。このとき、積層ろう材50は、Al部材層51の表裏両面にMg層52を形成して、金属層23とヒートシンク30の両者に、積層ろう材50のMg層52を接触させることが好ましい。この場合、金属層23とヒートシンク30の両者にMg層52のMgが拡散するので、MgSiが生成しやすくなる。
なお、絶縁回路基板は、金属層のヒートシンクとの接合面がAl部材から構成されていればよく、その他の構成に特に制限はない。絶縁回路基板の回路層および金属層は、積層体の加熱工程において溶融しないように構成されていれば、種々の材料の接合体とすることができる。
また、本実施形態では、絶縁回路基板の回路層にパワー半導体素子を搭載してパワーモジュールを構成するものとして説明したが、これに限定されることはない。例えば、絶縁回路基板にLED素子を搭載してLEDモジュールを構成してもよいし、絶縁回路基板の回路層に熱電素子を搭載して熱電モジュールを構成してもよい。
(実施例1)
上述した実施形態に記載した方法で表1記載の条件で各ヒートシンク付絶縁回路基板を作製した。
表1の実施形態は、各絶縁回路基板がどの実施形態に該当するかを示している。また、加熱雰囲気は真空雰囲気とした。
従来例のヒートシンク付絶縁回路基板は、積層ろう材の代わりに、Mg含有ろう材(組成:Al:Si:Mg=89.1:8.8:1.1(at%))を、絶縁回路基板の金属層とヒートシンクとの間を配置した。
得られた絶縁回路基板に対し、ろうこぶの有無及び接合層の接合率を評価した。
(ろうこぶの有無)
ろうこぶの有無は、ヒートシンク付絶縁回路基板を目視で観察し、ろうこぶが生じていたものを「×」、生じていなかったものを「○」と評価した。
(接合層の接合率)
ヒートシンクと絶縁回路基板との接合層の超音波探傷像を、超音波探傷装置(株式会社日立パワーソリューションズ製FineSAT200)を用いて測定し、以下の式から接合率を算出した。
ここで、初期接合面積とは、接合前における接合すべき面積、すなわち絶縁回路基板の金属層の面積とした。
(接合率)={(初期接合面積)−(剥離面積)}/(初期接合面積)
超音波探傷像を二値化処理した画像において剥離は接合層内の白色部で示されることから、この白色部の面積を剥離面積とした。
結果を表1に示す。
Si含有量が0.1原子%未満とされた比較例1、加熱温度が550℃未満であった比較例2、Al−Si合金とMg層の接触が無かった比較例4、Mg含有ろう材を用いた従来例は、接合層の接合率が低かった。加熱温度が575℃を超えた比較例3では、ろうこぶが生じていた。
一方、本発明例のヒートシンク付絶縁回路基板では、ろうこぶが生じることもなく、接合層の接合率が高いことが確認された。
(実施例2)
AlNからなるセラミックス板(40mm×40mm×0.635mmt)の一方の面及び他方の面に純度99.99質量%のアルミニウム板(37mm×37mm×0.6mmt)を接合し、絶縁回路基板を作成した。
この絶縁回路基板とAlSiCヒートシンク(50mm×60mm×5mmt、含侵されているアルミニウムはADC12)とを、表2記載の積層ろう材を介して積層し、表2記載の加熱条件で接合した。接合雰囲気は1×10−5Paの真空雰囲気とした。
得られたヒートシンク付絶縁回路基板について、実施例1と同様に、ろうこぶ、及び、接合層の接合率(初期接合率)を評価した。冷熱サイクル後における接合層の接合率(冷熱サイクル後接合率)について評価した。冷熱サイクルの条件は、−40℃←→150℃のサイクルを2000回行った後の接合率を実施例1と同様の方法で評価した。
また、本発明例1のヒートシンク付絶縁回路基板において、金属層とヒートシンクの接合界面をEPMA(日本電子株式会社製JEOL JXA−8530F)で観察し、BEI像及びO、Mg、Siのマッピング像を取得した(図9)。
本発明例31〜45のヒートシンク付絶縁回路基板においても、ろうこぶが生じることがなく、接合層の接合率が高いことが確認された。
特に、前記Mg層のMg量〔Mg〕と前記ろう材の前記Al部材層のSi量〔Si〕と原子比〔Mg〕/〔Si〕が2.0未満とされた本発明例31〜33,36,37,44,45においては、他の本発明例に比べて冷熱サイクル後の接合率が高くなっていることが確認された。
10、60 ヒートシンク付絶縁回路基板
11a、11b、11c 積層体
20、20S、70 絶縁回路基板
21、71 セラミックス基板
22、72 回路層
23、23S、73 金属層
30、30S ヒートシンク
74 Cu部材金属層
75 Ti部材金属層
76 Al部材金属層
40、80 接合層
41 MgSi相
50、50S 積層ろう材
51、51S Al部材層
52 Mg層

Claims (6)

  1. 絶縁層と、この絶縁層の一方の面に形成された回路層と、前記絶縁層の他方の面に形成された金属層とを有する絶縁回路基板の前記金属層と、ヒートシンクとをろう材を用いて接合するヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法であって、
    前記金属層は、前記ヒートシンクとの接合面がAlまたはAl合金からなるAl部材で構成され、
    前記ヒートシンクは、AlまたはAl合金からなるAl部材、もしくは炭化ケイ素質部材中にAlまたはAl合金からなるAl部材が充填されたAl基複合材料で構成されており、
    前記ろう材は、AlまたはAl合金で構成されているAl部材層と、このAl部材層の表裏面の少なくとも一方の面に形成されたMg層とを有する積層ろう材であり、
    前記金属層の前記ヒートシンクとの接合面、前記ヒートシンクおよび前記Al部材層を構成するAl部材のうちの少なくとも一つは、Si含有量が0.1原子%以上であるAl−Si合金からなり、
    前記Al−Si合金と前記Mg層とが接触するように配置された前記積層ろう材を介して、前記金属層と前記ヒートシンクとを積層して、積層体を形成する積層工程と、
    前記積層体を550℃以上575℃以下の温度範囲で加熱して、前記金属層と、ヒートシンクとを接合する加熱工程と、
    を備えていることを特徴とするヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法。
  2. 前記ヒートシンクを構成するAl部材が前記Al−Si合金であって、
    前記積層工程において、前記Mg層が前記ヒートシンクと接触するように、前記積層ろう材を配置することを特徴とする請求項1に記載のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法。
  3. 前記ろう材の前記Al部材層を構成するAl部材が前記Al−Si合金であることを特徴とする請求項1に記載のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法。
  4. 前記Mg層のMg量〔Mg〕と前記ろう材の前記Al部材層のSi量〔Si〕と原子比〔Mg〕/〔Si〕が2.0未満であることを特徴とする請求項3に記載のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法。
  5. 前記金属層の前記ヒートシンクとの接合面を構成するAl部材が前記Al−Si合金であって、
    前記積層工程において、前記Mg層が前記金属層と接触するように、前記積層ろう材を配置することを特徴とする請求項1に記載のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法。
  6. 前記加熱工程にて、前記積層体を、積層方向に0.1MPa以上3.5MPa以下の圧力を付与しながら加熱することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法。
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