JP6822181B2 - 非水電解質蓄電素子及びその製造方法 - Google Patents

非水電解質蓄電素子及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解質蓄電素子及びその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、エネルギー密度の高さから、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車等に多用されている。上記非水電解質二次電池は、一般的には、セパレータで電気的に隔離された一対の電極と、この電極間に介在する非水電解質とを有し、両電極間でイオンの受け渡しを行うことで充放電するよう構成される。また、非水電解質二次電池以外の非水電解質蓄電素子として、リチウムイオンキャパシタや電気二重層キャパシタ等のキャパシタも広く普及している。
従来、非水電解質蓄電素子用の正極活物質として、α−NaFeO型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物が検討され、LiCoOを用いた非水電解質二次電池が広く実用化されていた。しかし、LiCoOの放電容量は120〜130mAh/g程度であり、また、地球資源として豊富なMnを遷移金属元素として用いることが望まれてきた。
そこで、遷移金属(Me)に占めるMnのモル比(Mn/Me)が0.5以下であり、遷移金属(Me)に対するLiのモル比(Li/Me)がほぼ1であるLiMeO型活物質が種々提案され、一部実用化されている。例えば、LiNi1/2Mn1/2やLiNi1/3Co1/3Mn1/3を含有する正極活物質は150〜180mAh/gの放電容量を有する。
一方、上記LiMeO型活物質に対し、Meに占めるMnのモル比(Mn/Me)が0.5より大きく、遷移金属(Me)の比率に対するリチウム(Li)のモル比(Li/Me)が1より大きいリチウム遷移金属複合酸化物である、いわゆるリチウム過剰型活物質も提案されている(特許文献1参照)。リチウム過剰型活物質が用いられた非水電解質蓄電素子は、製造工程において、正極電位を例えば4.5V(vs.Li/Li)以上とする高電位での初期充電を行うことで、高容量が得られるという特徴を有する。
特開2010−086690号公報
このように、リチウム過剰型活物質が用いられた非水電解質蓄電素子は、大きい放電容量を有する。しかし、このような非水電解質蓄電素子においては、充放電サイクルにおける容量維持率が十分ではなく、より容量維持率の高い非水電解質蓄電素子が求められている。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、リチウム過剰型活物質が用いられ、容量維持率が高い非水電解質蓄電素子、及びこのような非水電解質蓄電素子の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、リチウム遷移金属複合酸化物とリン原子とを含む正極合材を有する正極を備え、上記リチウム遷移金属複合酸化物がα−NaFeO型の結晶構造を有し、リチウム(Li)と遷移金属(Me)とのモル比(Li/Me)が1より大きく、上記遷移金属がマンガン(Mn)を含み、上記遷移金属に占める上記マンガンのモル比(Mn/Me)が0.5より大きく、X線光電子分光法による上記正極合材のスペクトルにおいて、Mn2p3/2とP2pとのピーク高さ比(Mn2p3/2/P2p)が2以下である非水電解質蓄電素子である。
本発明の他の一態様は、初期充電により、正極を備える非水電解質蓄電素子を製造することを備え、上記初期充電前の正極は、リンのオキソ酸及びリチウム遷移金属複合酸化物を含む正極合材ペーストを用いて形成され、上記リチウム遷移金属複合酸化物がα−NaFeO型の結晶構造を有し、リチウム(Li)と遷移金属(Me)とのモル比(Li/Me)が1より大きく、上記遷移金属がマンガン(Mn)を含み、上記遷移金属に占める上記マンガンのモル比(Mn/Me)が0.5より大きい非水電解質蓄電素子の製造方法である。
本発明によれば、リチウム過剰型活物質が用いられ、容量維持率が高い非水電解質蓄電素子、及びこのような非水電解質蓄電素子の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子を示す外観斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子を複数個集合して構成した蓄電装置を示す概略図である。
本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子は、リチウム遷移金属複合酸化物とリン原子とを含む正極合材を有する正極を備え、上記リチウム遷移金属複合酸化物がα−NaFeO型の結晶構造を有し、リチウム(Li)と遷移金属(Me)とのモル比(Li/Me)が1より大きく、上記遷移金属がマンガン(Mn)を含み、上記遷移金属に占める上記マンガンのモル比(Mn/Me)が0.5より大きく、X線光電子分光法による上記正極合材のスペクトルにおいて、Mn2p3/2とP2pとのピーク高さ比(Mn2p3/2/P2p)が2以下である非水電解質蓄電素子(以下、単に「蓄電素子」ともいう。)である。
当該蓄電素子は、いわゆるリチウム過剰型活物質が用いられた蓄電素子であって、高い容量維持率を有する。この理由は定かでは無いが、以下の理由が推測される。充放電サイクルに伴う放電容量の低下の原因の一つに、正極合材と非水電解質との界面で生じる副反応が挙げられる。これに対し、本発明者らは、リチウム過剰型活物質と共にリン原子を含む成分を含有させた正極合材ペーストを用いて正極合材を作製することにより、得られる蓄電素子の容量維持率が高まることを知見した。これは、このような正極合材ペーストを用いることで、正極合材表面でリン原子を含む被膜が形成され、この被膜により上記副反応が抑制されるためと推測される。また、X線光電子分光法による正極合材のスペクトルにおいて、Mn2p3/2とP2pとのピーク高さ比(Mn2p3/2/P2p)が2以下であるということは、マンガンを含むリチウム遷移金属複合酸化物(リチウム過剰型活物質)に対して、副反応の抑制に十分なリン原子を含む被膜が形成されていることを意味する。従って、当該蓄電素子は、リチウム過剰型活物質が用いられた蓄電素子であって、高い容量維持率を有する。
なお、X線光電子分光法(XPS)による正極合材のスペクトルの測定に用いる試料は、次の方法により準備する。非水電解質蓄電素子を、0.1Cの電流で、通常使用時の放電終止電圧まで放電し、放電末状態とする。ここで、「通常使用時」とは、当該蓄電素子において推奨され、又は指定される放電条件を採用して当該蓄電素子を使用する場合をいう。放電末状態の蓄電素子を解体して正極を取り出し、ジメチルカーボネートを用いて電極を充分に洗浄した後、室温にて減圧乾燥を行う。乾燥後の正極を、所定サイズ(例えば2×2cm)に切り出し、XPSスペクトル測定における試料とする。蓄電素子の解体からXPS測定までの作業は、露点−60℃以下のアルゴン雰囲気中で行う。正極合材のXPSスペクトルにおける使用装置及び測定条件は以下のとおりである。
装置:KRATOS ANALYTICAL社の「AXIS NOVA」
X線源:単色化AlKα
加速電圧:15kV
分析面積:700μm×300μm
測定範囲:P2p=142〜125eV、Mn2p3/2=660〜634.8eV、C1s=300〜272eV
測定間隔:0.1eV
測定時間:P2p=72.3秒/回、測定時間Mn2p3/2=60.2秒/回、C1s=70.0秒/回
積算回数:P2p=15回、Mn2p3/2=15回、C1s=8回
相対感度係数:P2p=1.19 Mn2p3/2=13.9 C1s=1
また、上記スペクトルにおけるピーク高さ及びピーク位置は、CasaXPS(Casa Software社製)を用いて、次のようにして求められる値とする。まず、C1sにおけるsp2炭素のピークを284.8eVとし、得られたすべてのスペクトルを補正する。次に、それぞれのスペクトルに対して、直線法を用いてバックグラウンドを除去することにより、水平化処理を行う。水平化処理後のスペクトルにおいて、上記の相対感度係数を用いて、各元素のスペクトルを補正し、ピーク強度が最も高い値をピーク高さとする。このピーク高さを示す結合エネルギーをピーク位置とする。
上記ピーク高さ比(Mn2p3/2/P2p)が1以下であることが好ましい。このピーク高さ比(Mn2p3/2/P2p)が小さいことは、形成される被膜中のリン原子の含有量が多いことを意味する。このピーク高さ比を1以下とすることで、容量維持率が高いことに加え、初期の放電容量自体を大きくし、かつ高率放電性能を向上させることができる。この理由は定かでは無いが、正極合材表面に形成されるリン原子を含む被膜がより十分に形成され、非水電解質との副反応がより抑制されることによるものと推測される。すなわち、副反応が抑制されることで、抵抗上昇が低減され、放電容量や高率放電性能が改善されるものと推測される。
上記X線光電子分光法による上記正極合材のスペクトルにおいて、P2pのピーク位置が135eV以下であることが好ましい。この135eV以下の範囲に現れるP2pのピークは、ホスホン酸(HPO)等のリンのオキソ酸に由来するリン原子のピークである。すなわち、リチウム過剰型活物質と共に、リン原子を含む成分としてリンのオキソ酸を含有させた正極合材ペーストを用いて正極合材を作製することにより、得られる蓄電素子の容量維持率をより高めることなどができる。
本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子の製造方法は、初期充電により、正極を備える非水電解質蓄電素子を製造することを備える。上記正極は、リンのオキソ酸及びリチウム遷移金属複合酸化物を含む正極合材ペーストを用いて形成される。上記リチウム遷移金属複合酸化物は、α−NaFeO型の結晶構造を有し、リチウム(Li)と遷移金属(Me)とのモル比(Li/Me)が1より大きく、上記遷移金属がマンガン(Mn)を含み、上記遷移金属に占める上記マンガンのモル比(Mn/Me)が0.5より大きい。
当該製造方法によれば、リチウム過剰型活物質が用いられた、容量維持率が高い蓄電素子を得ることができる。これは、上述のように、リンのオキソ酸を含む正極合材ペーストを用いて正極合材を形成することで、非水電解質との副反応を抑制可能な被膜を形成することができるためと推測される。
ここで「初期充電」とは、蓄電素子を組み立てた後、正極電位が4.5V(vs.Li/Li)以上に至る最初の充電を行う処理をいう。初期充電は、複数回に分けて行ってもよい。
上記初期充電を35℃以上の温度環境下で行うことが好ましい。このように比較的高温で初期充電を行うことで、容量維持率が高いことに加え、放電容量が大きく、かつ高率放電性能も改善された蓄電素子を得ることができる。これは、比較的高温で初期充電を行うことで、リン原子を含む被膜がより十分に形成されるためと推測される。すなわち、比較的高い温度環境下で初期充電を行うことで、上記ピーク高さ比(Mn2p3/2/P2p)をより小さくすることができる。
また、通常、リチウム過剰型活物質に対する初期充電にともなう反応は、反応速度が遅い。これに対し、初期充電の際の温度を上げる(35℃以上とする)ことで、反応速度を速くすることができる。しかしこの場合、従来の蓄電素子においては、正極合材と非水電解質との界面での副反応が生じやすく、得られる蓄電素子の放電容量、容量維持率及び高率放電性能の低下を招く。そこで、リンのオキソ酸を含む正極合材ペーストを用いて初期充電前の正極を作製し、かつ35℃以上の温度環境下で初期充電を行うことで、初期充電の際の非水電解質の分解等を抑制しつつ十分に活性化処理をおこなうことができ、放電容量、容量維持率及び高率放電性能が良好な蓄電素子を得ることができる。
当該製造方法は、上記正極合材ペーストを用いて初期充電前の正極を製造することをさらに備えることが好ましい。このように、正極合材ペーストを用いて初期充電前の正極を製造する工程をさらに備えることで、例えばリンのオキソ酸の含有量や種類を好適に調整することができ、より容量維持率の高い蓄電素子を得ることなどができる。
以下、本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子、及び非水電解質蓄電素子の製造方法について詳説する。
<非水電解質蓄電素子>
本発明の一実施形態に係る蓄電素子は、正極、負極及び非水電解質を有する。以下、蓄電素子の一例として、非水電解質二次電池について説明する。上記正極及び負極は、通常、セパレータを介して積層又は巻回により交互に重畳された電極体を形成する。この電極体はケースに収納され、このケース内に非水電解質が充填される。上記非水電解質は、正極と負極との間に介在する。また、上記ケースとしては、非水電解質二次電池のケースとして通常用いられる公知のアルミニウムケース、樹脂ケース等を用いることができる。
(正極)
上記正極は、正極基材、及びこの正極基材に直接又は中間層を介して配される正極合材層を有する。
上記正極基材は、導電性を有する。基材の材質としては、アルミニウム、チタン、タンタル、ステンレス鋼等の金属又はそれらの合金が用いられる。これらの中でも、耐電位性、導電性の高さ及びコストのバランスからアルミニウム及びアルミニウム合金が好ましい。また、正極基材の形成形態としては、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの面から箔が好ましい。つまり、正極基材としてはアルミニウム箔が好ましい。なお、アルミニウム又はアルミニウム合金としては、JIS−H−4000(2014年)に規定されるA1085P、A3003P等が例示できる。
上記中間層は、正極基材の表面の被覆層であり、炭素粒子等の導電性粒子を含むことで正極基材と正極合材層との接触抵抗を低減する。中間層の構成は特に限定されず、例えば樹脂バインダー及び導電性粒子を含有する組成物により形成できる。なお、「導電性」を有するとは、JIS−H−0505(1975年)に準拠して測定される体積抵抗率が10Ω・cm以下であることを意味し、「非導電性」とは、上記体積抵抗率が10Ω・cm超であることを意味する。
上記正極合材層は、正極活物質を含むいわゆる正極合材から形成される層である。この正極合材は、リチウム遷移金属複合酸化物と、リン原子とを含有する。上記リチウム遷移金属複合酸化物が正極活物質である。この正極合材は、その他必要に応じて、上記リチウム遷移金属複合酸化物以外の正極活物質、導電剤、バインダー(結着剤)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。また、上記リン原子は、正極活物質を被覆する被膜中に存在すると推測される。
上記リチウム遷移金属複合酸化物は、α−NaFeO型の結晶構造を有し、リチウム(Li)と遷移金属(Me)とのモル比(Li/Me)が1より大きい。また、上記遷移金属がマンガン(Mn)を含み、上記遷移金属に占める上記マンガンのモル比(Mn/Me)が0.5より大きい。このように、上記リチウム遷移金属複合酸化物は、いわゆるリチウム過剰型活物質である。上記リチウム遷移金属複合酸化物は、さらにニッケル(Ni)を含むことが好ましく、コバルト(Co)を含むことがより好ましい。上記リチウム遷移金属複合酸化物は、本発明の作用効果を阻害しない範囲で、さらにその他の元素を含有していてもよい。
上記リチウム遷移金属複合酸化物におけるリチウム(Li)と遷移金属(Me)とのモル比(Li/Me)の下限は、1.1が好ましく、1.2がより好ましい。一方、このモル比(Li/Me)の上限は、例えば2であり、1.6が好ましく、1.5がより好ましい。
上記リチウム遷移金属複合酸化物において、遷移金属に占めるマンガンのモル比(Mn/Me)の下限は、0.51が好ましく、0.55がより好ましい。一方、このモル比(Mn/Me)の上限は、0.72が好ましく、0.70がより好ましい。
上記リチウム遷移金属複合酸化物は、Li1+αMe1−α(MeはMnを含む遷移金属元素である。0<α<1である。)で表される化合物であることが好ましい。
上記式(Li1+αMe1−α)中の(1+α)/(1−α)の値は、上記リチウム遷移金属複合酸化物におけるリチウム(Li)と遷移金属(Me)とのモル比(Li/Me)に相当する。
上記式中のMeは、Mn以外に、Ni又はCoを含むことが好ましく、Ni及びCoを含むことがより好ましい。また、Meは、実質的にMn、Ni及びCoの三元素から構成されるものであってよい。但し、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の遷移金属元素が含有されていてもよい。
上記式中、Meに占めるMnのモル比(Mn/Me)は、0.5超であり、0.51以上が好ましく、0.55以上がより好ましい。一方、このモル比(Mn/Me)の上限としては、0.75が好ましく、0.70がより好ましい。Mn/Meを上記範囲とすることによりエネルギー密度が向上する。
上記式中、Meに占めるNiのモル比(Ni/Me)の下限としては、0.05が好ましく、0.1がより好ましい。一方、このモル比(Ni/Me)の上限としては、0.5が好ましく、0.45がより好ましい。なお、このモル比(Ni/Me)は0であってもよい。Ni/Meを上記範囲とすることによりエネルギー密度が向上する。
上記式中、Meに占めるCoのモル比(Co/Me)の上限としては、0.3が好ましく、0.25がより好ましい。なお、このモル比(Co/Me)は0であってもよい。
上記リチウム遷移金属複合酸化物は、固相法、ゾルゲル法、水熱法、共沈法等の種々の方法で合成することができる。これらの中でも、遷移金属の分布の均一性が高いことなどから、共沈法により合成された複合酸化物を用いることが好ましい。遷移金属の分布の均一性が高くなることで、放電容量のばらつきを低減することができる。共沈法は、水溶液中で沈殿(共沈)させることにより、Mn、Ni、Co等の遷移金属を含む前駆体を作製し、この前駆体とリチウム化合物との混合物を焼成してリチウム遷移金属複合酸化物を合成する方法である。上記共沈により得られる前駆体としては、炭酸塩や水酸化物を採用することができる。
水酸化物前駆体を用いた場合、比表面積を適度に小さくできるため、密度の高いリチウム遷移金属複合酸化物を得ることができる。一方、炭酸塩前駆体を採用することにより、真球度の高いリチウム遷移金属複合酸化物を得ることができる。したがって、このリチウム遷移金属複合酸化物を活物質として用いると、均一で平滑度の高い正極合材層を備えた正極を製造することができる。
上記リチウム遷移金属複合酸化物のメジアン径(D50)としては、1μm以上20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましい。特に、炭酸塩前駆体から形成されたリチウム遷移金属複合酸化物の場合、そのメジアン径の下限としては5μmがより好ましい。また、水酸化物前駆体から形成されたリチウム遷移金属複合酸化物の場合、そのメジアン径の上限としては、8μmがより好ましい。メジアン径が上記範囲のリチウム遷移金属複合酸化物を用いることで、放電容量をより高めることができる。
なお、リチウム遷移金属複合酸化物の「メジアン径」とは、JIS−Z−8819−2(2001年)に準拠し計算される体積基準積算分布が50%となる値(D50)を意味する。具体的には以下の方法による測定値とすることができる。測定装置としてレーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所社の「SALD−2200」)、測定制御ソフトとしてWing SALD−2200を用いて測定する。散乱式の測定モードを採用し、測定試料が分散溶媒中に分散する分散液が循環する湿式セルにレーザー光を照射し、測定試料から散乱光分布を得る。そして、散乱光分布を対数正規分布により近似し、累積度50%にあたる粒子径をメジアン径(D50)とする。なお、上記測定に基づくメジアン径は、SEM画像から、極端に大きい粒子及び極端に小さい粒子を避けて100個の粒子を抽出して測定するメジアン径とほぼ一致することが確認されている。なお、このSEM画像からの測定における各粒子の径はフェレー径とし、各粒子の体積はフェレー径を直径とする球として算出する。
上記リチウム遷移金属複合酸化物は、以下の微分細孔容積を有することが好ましい。炭酸塩前駆体から形成されたリチウム遷移金属複合酸化物の場合、窒素ガス吸着法を用いた吸着等温線からBJH法で求めた微分細孔容積が最大値を示す細孔径が30nm以上40nm以下の範囲であり、30nm以上50nm以下の細孔領域におけるピーク微分細孔容積が0.85mm/(g・nm)以上1.76mm/(g・nm)以下であることが好ましい。一方、水酸化物前駆体から形成されたリチウム遷移金属複合酸化物の場合、窒素ガス吸着法を用いた吸着等温線からBJH法で求めた微分細孔容積が最大値を示す細孔径が55nm以上65nm以下の範囲であり、30nm以上50nm以下の細孔領域におけるピーク微分細孔容積が0.50mm/(g・nm)以下が好ましく、0.2mm/(g・nm)以下がより好ましく、0.18mm/(g・nm)以下がさらに好ましく、0.12mm/(g・nm)以下が特に好ましい。このような高密度のリチウム遷移金属複合酸化物は、高密度な水酸化物前駆体とリチウム化合物を焼成することによって得ることができる。また、全細孔容積の上限としては、0.05cm/gが好ましく、0.04cm/gがより好ましい。全細孔容積を上記上限以下とすることにより、体積当たりの放電容量を高くすることができる。
上記リチウム遷移金属複合酸化物粒子の全細孔容積及び微分細孔容積は、以下の方法により測定する。測定試料の粉体1.00gを測定用のサンプル管に入れ、120℃にて12時間真空乾燥することで、測定試料中の水分を十分に除去する。次に、液体窒素を用いた窒素ガス吸着法により、相対圧力P/P0(P0=約770mmHg)が0から1の範囲内で吸着側及び脱離側の等温線を測定する。そして、脱離側の等温線を用いてBJH法により計算することにより細孔分布を評価し、微分細孔容積及び全細孔容積を求める。
上記リチウム遷移金属複合酸化物のタップ密度の下限は、1.2g/cmが好ましく、1.6g/cmがより好ましく、1.7g/cmがさらに好ましい。リチウム遷移金属複合酸化物のタップ密度を上記下限以上とすることで、体積当たりの放電容量、充放電サイクル性能、高率放電性能等を高めることができる。一方、このタップ密度の上限としては、例えば3g/cmとすることができる。
リチウム遷移金属複合酸化物のタップ密度は、10−2dmのメスシリンダーに測定試料の粉体を2g±0.2g投入し、REI ELECTRIC CO.LTD.社製のタッピング装置を用いて、300回カウント後の測定試料の体積を投入した質量で除した値を採用する。
上記Li1+αMe1−αで表されるリチウム遷移金属複合酸化物は、α−NaFeO型の結晶構造を有する。上記リチウム遷移金属複合酸化物におけるX線回折ピークの半値幅は以下の範囲であることが好ましい。
すなわち、炭酸塩前駆体から形成されたリチウム遷移金属複合酸化物の場合、六方晶の空間群R3−mに帰属され、CuKα管球を用いたX線回折図上、2θ=18.6°±1°の回折ピークの半値幅(FWHM(003))が0.20°〜0.27°又は/及び2θ=44.1°±1°の回折ピークの半値幅(FWHM(104))が0.26°〜0.39°であることが好ましい。上記回折ピークの半値幅を上記範囲とすることにより、放電容量を大きくすることができる。なお、FWHM(104)は、全方位からの結晶化度の指標であり、小さいほど結晶化が進んでいることを意味する。
一方、水酸化物前駆体から形成されたリチウム遷移金属複合酸化物の場合、FWHM(104)の下限が0.40°であることが好ましい。FWHM(104)が上記下限以上であると、結晶化が進みすぎておらず、結晶子が大きくなっていないため、Liイオンの拡散が十分に行われ、初期効率が向上する。一方、このFWHM(104)の上限は特に限定されないが、Liイオンの輸送効率の面からは、1.00°とすることが好ましく、0.96°とすることがより好ましく、0.65°とすることが特に好ましい。
上記リチウム遷移金属複合酸化物の半値幅は、X線回折装置(Rigaku社製、型名:MiniFlex II)を用いて測定を行う。具体的には、次の条件及び手順に沿って行う。線源はCuKα、加速電圧及び電流はそれぞれ30kV及び15mAとする。サンプリング幅は0.01deg、走査時間は14分(スキャンスピードは5.0)、発散スリット幅は0.625deg、受光スリット幅は開放、散乱スリットは8.0mmとする。得られたX線回折データについて、上記X線回折装置の付属ソフトである「PDXL」を用いて、空間群R3−mでは(003)面に指数付けされ、X線回折図上2θ=18.6±1°に存在する回折ピークについての半値幅FWHM(003)、及び(104)面に指数付けされ、X線回折図上2θ=44±1°に存在する回折ピークについての半値幅FWHM(104)を決定する。なお、X線回折データを解析する際に、Kα2に由来するピークは除去しない。
上記半値幅の測定に供する試料は、正極作製前の活物質粉末であれば、そのまま測定に供する。蓄電素子を解体して取り出した正極から試料を採取する場合には、蓄電素子を解体する前に、次の手順によって蓄電素子を放電状態とする。まず、0.1Cの電流で、正極の電位が4.3V(vs.Li/Li)となる電圧まで定電流充電を行い、同じ電圧にて、電流値が0.01Cに減少するまで定電圧充電を行い、充電末状態とする。30分の休止後、0.1Cの電流で、正極の電位が2.0V(vs.Li/Li)となる電圧に至るまで定電流放電を行い、放電末状態とする。金属リチウム電極を負極に用いた蓄電素子であれば、当該蓄電素子を放電末状態又は充電末状態とした後に蓄電素子を解体して正極を取り出せばよい。一方、金属リチウム電極を負極に用いた蓄電素子でない場合は、正極電位を正確に制御するため、蓄電素子を解体して正極を取り出した後に、金属リチウム電極を対極とした蓄電素子を組立ててから、上記の手順に沿って、放電末状態に調整する。
蓄電素子の解体から測定までの作業は露点−60℃以下のアルゴン雰囲気中で行う。取り出した正極は、ジメチルカーボネートを用いて正極に付着した非水電解質を十分に洗浄し室温にて一昼夜の乾燥後、正極合材を採取する。この正極合材を、小型電気炉を用いて600℃で4時間焼成することで、導電剤やバインダー等を除去し、リチウム遷移金属複合酸化物粒子を取り出す。
X線光電子分光法による正極合材層(正極合材)のスペクトルにおいて、Mn2p3/2とP2pとのピーク高さ比(Mn2p3/2/P2p)の上限は、2であり、1.5が好ましく、1.2がより好ましく、1がさらに好ましく、0.98が特に好ましい。このピーク高さ比(Mn2p3/2/P2p)を上記上限以下とすることで、リン原子を含む十分な被膜が形成され、容量維持率を高めることができ、さらには初期の放電容量自体を大きくし、かつ高率放電性能を向上させることもできる。一方、このピーク高さ比(Mn2p3/2/P2p)の下限としては、例えば0.5であり、0.7が好ましく、0.85がより好ましい。
X線光電子分光法による正極合材層(正極合材)のスペクトルにおいて、P2pのピーク位置は135eV以下が好ましく、134.5eV以下がより好ましく、134.3eV以下がさらに好ましい。また、このピーク位置は130eV以上が好ましく、132eV以上がより好ましく、133eV以上がさらに好ましく、133.5eV以上がよりさらに好ましい。
上記範囲に現れるP2pのピークは、リンのオキソ酸に由来するリン原子のピークである。このようなリン原子は、通常、粒子状のリチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在する。このようなリン原子により、正極表面における副反応等を抑え、容量維持率を高めることなどができる。なお、このリン原子は、POアニオン、POアニオン、POアニオン又はPOアニオンの酸素原子の一部がフッ素原子に置換したPOアニオンを含む化合物としてリチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在することが好ましい。X線光電子分光法によるスペクトルにおいて、このような化合物のリン原子(P2p)のピークは133eV以上135eV以下の範囲に現れる。また、上記スペクトルにおいて、上記範囲外のピークが存在してもよい。135eVよりも結合エネルギーが高い範囲に表れるP2pのピークは、例えばリンのフッ化物に由来するリン原子のピークである。
上記正極活物質として、上記リチウム遷移金属複合酸化物以外の公知の正極活物質が含まれていてもよい。全正極活物質に占める上記リチウム遷移金属複合酸化物の含有割合の下限としては、50質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、90質量%がさらに好ましく、99質量%がよりさらに好ましい。上記正極活物質層における上記正極活物質の含有割合は、例えば30質量%以上95質量%以下とすることができる。
上記導電剤としては、蓄電素子性能に悪影響を与えない導電性材料であれば特に限定されない。このような導電剤としては、天然又は人造の黒鉛、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、金属、導電性セラミックス等が挙げられ、アセチレンブラックが好ましい。導電剤の形状としては、粉状、繊維状等が挙げられる。
上記バインダー(結着剤)としては、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等の熱可塑性樹脂;エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のエラストマー;多糖類高分子等が挙げられる。
上記増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース等の多糖類高分子が挙げられる。また、増粘剤がリチウムと反応する官能基を有する場合、予めメチル化等によりこの官能基を失活させておくことが好ましい。
上記フィラーとしては、電池性能に悪影響を与えないものであれば特に限定されない。フィラーの主成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス等が挙げられる。
(負極)
上記負極は、負極基材、及びこの負極基材に直接又は中間層を介して配される負極合材層を有する。上記中間層は正極の中間層と同様の構成とすることができる。
上記負極基材は、正極基材と同様の構成とすることができるが、材質としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属又はそれらの合金が用いられ、銅又は銅合金が好ましい。つまり、負極基材としては銅箔が好ましい。銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が例示される。
上記負極合材層は、負極活物質を含むいわゆる負極合材から形成される。また、負極合材層を形成する負極合材は、必要に応じて導電剤、バインダー(結着剤)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。導電剤、結着剤、増粘剤、フィラー等の任意成分は、正極合材層と同様のものを用いることができる。
上記負極活物質としては、通常、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる材質が用いられる。具体的な負極活物質としては、例えばSi、Sn等の金属又は半金属;Si酸化物、Sn酸化物等の金属酸化物又は半金属酸化物;ポリリン酸化合物;黒鉛(グラファイト)、非晶質炭素(易黒鉛化性炭素又は難黒鉛化性炭素)等の炭素材料等が挙げられる。
さらに、負極合材(負極合材層)は、B、N、P、F、Cl、Br、I等の典型非金属元素、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ga、Ge等の典型金属元素、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Zr、Ta、Hf、Nb、W等の遷移金属元素を含有してもよい。
(セパレータ)
上記セパレータの材質としては、例えば織布、不織布、多孔質樹脂フィルム等が用いられる。これらの中でも、強度の観点から多孔質樹脂フィルムが好ましく、非水電解質の保液性の観点から不織布が好ましい。上記セパレータの主成分としては、強度の観点から例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましく、耐酸化分解性の観点から例えばポリイミドやアラミド等が好ましい。また、これらの樹脂を複合してもよい。
なお、セパレータと電極(通常、正極)との間に、無機層が配設されていても良い。この無機層は、耐熱層等とも呼ばれる多孔質の層である。また、多孔質樹脂フィルムの一方の面に無機層が形成されたセパレータを用いることもできる。上記無機層は、通常、無機粒子及びバインダーとで構成され、その他の成分が含有されていてもよい。
(非水電解質)
上記非水電解質としては、一般的な非水電解質蓄電素子に通常用いられる公知の非水電解質が使用できる。上記非水電解質は、非水溶媒と、この非水溶媒に溶解されている電解質塩を含む。
上記非水溶媒としては、一般的な蓄電素子用非水電解質の非水溶媒として通常用いられる公知の非水溶媒を用いることができる。上記非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状カーボネート、エステル、エーテル、アミド、スルホン、ラクトン、ニトリル等を挙げることができる。これらの中でも、環状カーボネート又は鎖状カーボネートを少なくとも用いることが好ましく、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを併用することがより好ましい。
上記環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、クロロエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、スチレンカーボネート、カテコールカーボネート、1−フェニルビニレンカーボネート、1,2−ジフェニルビニレンカーボネート等を挙げることができ、これらの中でもECが好ましい。
上記鎖状カーボネートとしては、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジフェニルカーボネート等を挙げることができ、これらの中でもEMCが好ましい。
電解質塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、オニウム塩等を挙げることができるが、リチウム塩が好ましい。上記リチウム塩としては、LiPF、LiPO、LiBF、LiPF(C、LiClO、LiN(SOF)等の無機リチウム塩、LiSOCF、LiN(SOCF、LiN(SO、LiN(SOCF)(SO)、LiC(SOCF、LiC(SO等のフッ化炭化水素基を有するリチウム塩などを挙げることができる。
上記非水電解質には、その他の添加剤が添加されていてもよい。また、上記非水電解質として、常温溶融塩、イオン液体、ポリマー固体電解質などを用いることもできる。
<非水電解質蓄電素子の製造方法>
当該蓄電素子は、公知の製造方法を組み合わせて製造することができるが、以下の方法により製造することが好ましい。すなわち、本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子の製造方法は、
(1)正極合材ペーストを用いて初期充電前の正極を製造すること、及び
(2)上記正極合材ペーストを用いて形成された初期充電前の正極を備える初期充電前の非水電解質蓄電素子を初期充電すること
を備える。
上記(1)工程で用いられる正極合材ペーストは、リチウム遷移金属複合酸化物及びリンのオキソ酸を含む。上記リチウム遷移金属複合酸化物は、α−NaFeO型の結晶構造を有し、リチウム(Li)と遷移金属(Me)とのモル比(Li/Me)が1より大きく、上記遷移金属がマンガン(Mn)を含み、上記遷移金属に占める上記マンガンのモル比(Mn/Me)が0.5より大きい。このリチウム遷移金属複合酸化物の詳細は上述したとおりである。
上記リンのオキソ酸とは、リン原子に水酸基(−OH)とオキシ基(=O)とが結合した構造を有する化合物を指す。上記リンのオキソ酸としては、リン酸(HPO)、ホスホン酸(HPO)、ホスフィン酸(HPO)、ピロリン酸(H)、ポリリン酸等が挙げられる。リンのオキソ酸としては、リン原子に結合した水酸基(−OH)の水素が有機基に置換されたエステル化合物であってもよい。有機基としては、メチル基、エチル基等の炭化水素基等が挙げられる。これらの中でも、リン酸及びホスホン酸が好ましく、ホスホン酸がより好ましい。このリンのオキソ酸により、正極合材(正極活物質)に、リン原子を含む被膜を形成することができる。また、上記スペクトルにおけるこのリンのオキソ酸に由来するリン原子(P2p)のピーク位置は、135eV以下に現れる。
上記正極合材ペーストにおけるリンのオキソ酸の混合量の下限としては、上記リチウム遷移金属複合酸化物100質量部に対して、0.05質量部が好ましく、0.2質量部がより好ましく、0.3質量部がさらに好ましい。一方、この混合量の上限としては、5質量部が好ましく、2質量部がより好ましい。リンのオキソ酸の混合量を上記下限以上とすることで、リチウム遷移金属複合酸化物に対する十分なリンを含有する被膜を形成することなどができる。一方、リンのオキソ酸の混合量を上記上限以下とすることで、厚すぎる被膜が形成されることによる放電容量の低下を抑制することができる。
上記リチウム遷移金属複合酸化物とリンのオキソ酸との混合により、正極合材ペーストが得られる。この正極合材ペーストを正極基材表面に塗布し、乾燥させることにより、初期充電前の正極が得られる。正極合材ペーストには、これらの他、上述した正極合材に含まれていてもよい各任意成分を含有させることができる。
上記正極合材ペーストには、通常、分散媒として、有機溶媒が用いられる。この有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、アセトン、エタノール等の極性溶媒や、キシレン、トルエン、シクロヘキサン等の無極性溶媒を挙げることができ、極性溶媒が好ましく、NMPがより好ましい。
上記正極合材ペーストの塗布方法としては特に限定されず、ローラーコーティング、スクリーンコーティング、スピンコーティング等の公知の方法により行うことができる。
上記(2)工程においては、上記(1)工程で形成された初期充電前の正極を備える初期充電前の非水電解質蓄電素子を初期充電する。すなわち、初期充電により、正極を備えた非水電解質蓄電素子を製造する。この初期充電前の非水電解質蓄電素子は、初期充電前の正極の他、負極及び非水電解質等を含む。すなわち、非水電解質蓄電素子は、上記(1)工程及び(2)工程の他、例えば、負極を作製する工程、非水電解質を調製する工程、初期充電前の正極及び負極を、セパレータを介して積層又は巻回することにより交互に重畳された電極体を形成する工程、初期充電前の正極及び負極(電極体)を電池容器(ケース)に収容する工程、並びに上記電池容器に上記非水電解質を注入する工程を経て得ることができる。
上記初期充電は、電極体の初期充電前の正極と負極との間に電圧を印加する、すなわち充電することにより行うことができる。この初期充電を経て、本実施形態の非水電解質蓄電素子を得ることができる。なお、初期充電において印加する上記電圧は、黒鉛を負極活物質としている場合、例えば4.4V以上5V以下とすることができる。すなわち、この初期充電の際の正極の電位としては、例えば4.5V(vs.Li/Li)以上5.1V(vs.Li/Li)以下とすることができる。なお、初期充電において、充電状態をしばらく保持する処理(エイジング)を行ってもよい。
上記初期充電は、常温下で行ってもよいが、35℃以上の温度環境下で行うことが好ましい。これにより、上記ピーク高さ比(Mn2p3/2/P2p)をより小さくすることができ、放電容量、容量維持率及び高率放電性能が良好な蓄電素子を得ることができる。なお、この初期充電の際の温度の上限としては、例えば80℃とすることができ、60℃が好ましい。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、上記正極又は負極において、中間層を設けなくてもよい。また、当該非水電解質蓄電素子の正極又は負極において、正極合材又は負極合材は明確な層を形成していなくてもよい。例えば上記正極又は負極は、メッシュ状の基材に正極合材又は負極合材が担持された構造などであってもよい。
また、上記実施の形態においては、非水電解質蓄電素子が非水電解質二次電池である形態を中心に説明したが、その他の非水電解質蓄電素子であってもよい。その他の非水電解質蓄電素子としては、キャパシタ(電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ)等が挙げられる。
さらに、当該非水電解質蓄電素子は、上記実施の形態に記載の製造方法以外の方法によっても製造することができる。例えば、リンのオキソ酸以外のリン原子を含む成分を含む正極合材ペーストを用いても、当該非水電解質蓄電素子は得ることができる。
図1に、本発明に係る非水電解質蓄電素子の一実施形態である矩形状の非水電解質蓄電素子1(非水電解質二次電池)の概略図を示す。なお、同図は、容器内部を透視した図としている。図1に示す非水電解質蓄電素子1は、電極体2が電池容器3(ケース)に収納されている。電極体2は、正極活物質を含む正極合材を備える正極と、負極活物質を備える負極とが、セパレータを介して捲回されることにより形成されている。正極は、正極リード4’を介して正極端子4と電気的に接続され、負極は、負極リード5’を介して負極端子5と電気的に接続されている。上記正極合材の詳細は、上述したとおりである。また、電池容器3には、非水電解質が注入されている。
本発明に係る非水電解質蓄電素子の構成については特に限定されるものではなく、円筒型電池、角型電池(矩形状の電池)、扁平型電池等が一例として挙げられる。本発明は、上記の非水電解質蓄電素子を複数備える蓄電装置としても実現することができる。蓄電装置の一実施形態を図2に示す。図2において、蓄電装置30は、複数の蓄電ユニット20を備えている。それぞれの蓄電ユニット20は、複数の非水電解質蓄電素子1を備えている。上記蓄電装置30は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源として搭載することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(初期充電前の正極の作製)
正極活物質として、組成式Li1.18Ni0.10Co0.17Mn0.55で表される、炭酸塩前駆体由来のリチウム遷移金属複合酸化物を用いた。この正極活物質のBET比表面積は7.1m/g、タップ密度は2.0g/cm、JIS−Z−8819−2(2001年)に準拠し計算される体積基準積算分布が10%となる値(D10)は10μm、D50は12μm、及び上記体積基準積算分布が90%となる値(D90)は16μmであった。分散媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を用い、正極活物質としてのリチウム遷移金属複合酸化物、導電剤としてのアセチレンブラック(AB)、及びバインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)を固形分換算で94:4.5:1.5の質量比で混合した。この混合物に、添加剤として、正極活物質の質量に対して1質量%のホスホン酸(HPO)を添加し、正極合材ペーストを得た。この正極合材ペーストを、正極基材であるアルミニウム箔の片面に塗布し、100℃で乾燥することにより、正極基材上に正極合材を形成した。正極合材ペーストの塗布量は、固形分で13.5mg/cmとした。このようにして、初期充電前の正極を得た。
(負極の作製)
負極活物質としてグラファイト、バインダーとしてスチレン−ブタジエン・ゴム、及び分散媒として水を用い、負極合材ペーストを作製した。なお、負極活物質とバインダーとの質量比率は97:3とした。この負極合材ペーストを負極基材である銅箔の片面に塗布し、100℃で乾燥した。負極合材の塗布量は、固形分で11.5mg/cmとした。このようにして、負極を得た。
(非水電解質の調製)
ECとEMCとを体積比3:7の割合で混合した混合溶媒に、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を1.0mol/lの濃度で溶解させ、非水電解質を調製した。
(初期充放電前の非水電解質蓄電素子の作製)
セパレータとして、ポリエチレン及びポリプロピレンを含むポリオレフィン製微多孔膜の片面に無機層が形成されたセパレータを用いた。このセパレータを介して、上記初期充電前の正極と上記負極とを積層することにより電極体を作製した。この電極体を金属樹脂複合フィルム製のケースに収納し、内部に上記非水電解質を注入した後、熱溶着により封口し、小型ラミネートセルである初期充放電前の非水電解質蓄電素子を組み立てた。
(初期充放電)
組立後の初期充放電前の非水電解質蓄電素子について、以下の条件にて初期充放電を行った。25℃で4.50Vまで0.1Cの定電流充電したのちに、4.50Vで定電圧充電した。充電の終了条件は、充電電流が0.02Cになるまでとした。このときの正極電位は、4.60V(vs.Li/Li)であった。充電後に10分間の休止を設けた後に、25℃で2.00Vまで0.1Cの定電流で放電した。この初期充放電工程を経て、実施例1の非水電解質蓄電素子(二次電池)を完成させた。なお、上記初期充放電は、25℃の恒温槽内で行った。
[実施例2〜4]
初期充放電の際の温度を表1に示すとおりとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4の非水電解質蓄電素子を得た。
[比較例1〜4]
正極合材ペーストの作製においてホスホン酸を添加せず、初期充放電の際の温度を表1に示すとおりとしたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1〜4の非水電解質蓄電素子を得た。
[比較例5]
正極合材ペーストの作製においてホスホン酸を添加せず、非水電解質に1質量%の濃度でトリス(トリメチルシリル)ホスフェート)(TMSP)を添加し、初期充放電の際の温度を表1に示すとおりとしたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例5の非水電解質蓄電素子を得た。
[評価]
(放電容量確認試験)
上記手順を経て完成した各非水電解質蓄電素子について、以下の条件にて初期容量確認試験を行った。25℃で4.35Vまで0.1Cの定電流充電したのちに、4.35Vで定電圧充電した。充電の終了条件は、充電電流が0.02Cになるまでとした。充電終止時の正極電位は、4.45V(vs.Li/Li)であった。充電後に10分間の休止を設けたのちに、25℃で2.00Vまで1Cで定電流放電した。これにより、初期の放電容量を測定した。正極活物質質量あたりの1Cにおける放電容量を表1に示す。
(XPS測定)
初期容量確認試験後の放電末状態の各非水電解質蓄電素子を露点−60℃以下のアルゴン雰囲気中にて解体して正極を取り出し、ジメチルカーボネートで洗浄したのち、常温で減圧乾燥した。得られた正極をアルゴン雰囲気中にてトランスファーベッセルに封入し、上記した条件にて正極の正極合材表面のXPS測定を行った。得られたスペクトルから、上記した方法により、P2pのピーク位置及びピーク高さ、並びにMn2p3/2のピーク高さを求めた。また、両ピーク高さから、Mn2p3/2とP2pとのピーク高さ比(Mn2p3/2/P2p)を求めた。得られたP2pのピーク位置及びピーク高さ比(Mn2p3/2/P2p)を表1に示す。
(高率放電性能試験:放電容量比)
各非水電解質蓄電素子について、0.1Cで定電流放電したこと以外は、上記放電容量確認試験と同様にして、0.1Cにおける放電容量を測定した。この測定値と、上記放電容量確認試験の1Cにおける放電容量の測定値から、高率放電性能を示す指標として、これらの放電容量比((1Cにおける放電容量/0.1Cにおける放電容量)×100(%))を求めた。この値を表1に示す。
(充放電サイクル試験:容量維持率)
各非水電解質蓄電素子を、45℃の恒温槽内に2時間保管した後、4.35Vまで1Cの定電流充電したのちに、4.35Vで定電圧充電した。充電の終了条件は、充電電流が0.02Cになるまでとした。充電後に10分間の休止を設けた後に、2.00Vまで1Cで定電流放電した。これら充電及び放電の工程を1サイクルとして、このサイクルを40サイクル繰り返した。充電、放電及び休止ともに、45℃の恒温槽内で行った。
充放電サイクル試験後の各非水電解質蓄電素子について、充放電サイクル試験における40サイクル後の放電容量と1サイクル後の放電容量の比を容量維持率(%)として表1に示す。なお、表1中の「−」は、測定していないことを表わす。
Figure 0006822181
上記表1に示されるように、ホスホン酸を添加した正極合材ペーストを用いた実施例1、3及び4の各非水電解質蓄電素子は、容量維持率が90%を超え、高い容量維持率を有することが分かる。これらの各非水電解質蓄電素子においては、XPSスペクトルにおいて、Mn2p3/2とP2pとのピーク高さ比(Mn2p3/2/P2p)が2以下となっている。ホスホン酸を添加した正極合材ペーストを用いることで、このようなXPSスペクトルが得られることが分かる。なお、実施例2は、容量維持率を測定していないが、製造条件及びXPSスペクトルから他の実施例と同様の高い容量維持率を有することは明らかといえる。さらに、実施例2〜4のように、初期充電を35℃以上の環境下で行うことで、容量維持率が高いことに加え、放電容量が大きくなり、高率放電性能も高まることが分かる。また、初期充電を35℃以上の環境下で行うことで、上記ピーク高さ比(Mn2p3/2/P2p)が1以下となっている。
一方、正極合材ペーストにホスホン酸を添加していない比較例1及び3、並びに正極合材ペーストにホスホン酸を添加せず、非水電解質にリン原子を含むTMSPを添加した比較例5においては、容量維持率が低いことが分かる。また、これらのXPSスペクトルにおいては、Mn2p3/2とP2pとのピーク高さ比(Mn2p3/2/P2p)が2以下となっていない。すなわち、正極ペーストにホスホン酸等のリンのオキソ酸又はその他のリンを含む成分を添加していない場合、上記ピーク高さ比を満たすXPSスペクトルは得られず、容量維持率を高めることができる被膜が形成されないと考えられる。また、比較例5の結果から、非水電解質にリン原子を含む成分を添加しても、容量維持率を十分に高めることが可能な被膜が形成されないことが推測される。また、正極合材ペーストにホスホン酸を添加していない比較例1〜4は、高率放電性能が低いことが分かる。
本発明は、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車等の電源として使用される非水電解質蓄電素子等に適用できる。
1 非水電解質蓄電素子
2 電極体
3 電池容器
4 正極端子
4’ 正極リード
5 負極端子
5’ 負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置

Claims (4)

  1. リチウム遷移金属複合酸化物とリン原子とを含む正極合材を有する正極を備え、
    上記リチウム遷移金属複合酸化物がα−NaFeO型の結晶構造を有し、リチウム(Li)と遷移金属(Me)とのモル比(Li/Me)が1より大きく、上記遷移金属がマンガン(Mn)を含み、上記遷移金属に占める上記マンガンのモル比(Mn/Me)が0.5より大きく、
    X線光電子分光法による上記正極合材のスペクトルにおいて、Mn2p3/2とP2pとのピーク高さ比(Mn2p3/2/P2p)が以下である非水電解質蓄電素子。
  2. 上記X線光電子分光法による上記正極合材のスペクトルにおいて、P2pのピーク位置が135eV以下である請求項1の非水電解質蓄電素子。
  3. 35℃以上の温度環境下で行う初期充電により、正極を備える非水電解質蓄電素子を製造することを備え、
    上記初期充電前の正極は、リンのオキソ酸及びリチウム遷移金属複合酸化物を含む正極合材ペーストを用いて形成され、
    上記リチウム遷移金属複合酸化物がα−NaFeO 型の結晶構造を有し、リチウム(Li)と遷移金属(Me)とのモル比(Li/Me)が1より大きく、上記遷移金属がマンガン(Mn)を含み、上記遷移金属に占める上記マンガンのモル比(Mn/Me)が0.5より大きい非水電解質蓄電素子の製造方法。
  4. 上記正極合材ペーストを用いて上記初期充電前の正極を製造することをさらに備える請求項3の非水電解質蓄電素子の製造方法。
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