JP6821720B2 - ナックルガード - Google Patents
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Description
請求項2に記載した発明は、前記連結部材(50)は、車両前方に対して上面視で車幅方向内側後方へ傾斜した取付面(54)を有し、前記凸部保持孔(62)および前記凸部離脱孔(63)は、前記取付面(54)に設けられ、前記弾性凸部(61)は、前記取付面(54)の前方から前記凸部保持孔(62)に保持されていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記凸部保持孔(62)と前記凸部離脱孔(63)とは、連続した形状を有し、前記凸部離脱孔(63)は、前記凸部保持孔(62)よりも大きく、前記凸部保持孔(62)は、前記凸部保持孔(62)よりも小さい狭搾部(64)を介して前記凸部離脱孔(63)に連なっていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記離脱構造(60)は、前記弾性凸部(61)を弾性変形させることによって前記ガード部材(39)と前記連結部材(50)とを締結する締結部材(65)を更に備えることを特徴とする。
請求項2に記載した発明によれば、連結部材は、車両前方に対して上面視で車幅方向内側後方へ傾斜した取付面を有し、凸部保持孔および凸部離脱孔は、取付面に設けられ、弾性凸部は、取付面の前方から凸部保持孔に保持されていることで、以下の効果を奏する。ガード部材に後方から設置値を超える荷重が作用したときに、後方からの荷重が取付面の傾斜によってガード部材が外れて抜ける方向に変化するため、ガード部材が外れる。加えて、取付面の傾斜角を調整することによって、ガード部材が外れる荷重を設定することができる。
請求項3に記載した発明によれば、凸部保持孔と凸部離脱孔とは、連続した形状を有し、凸部離脱孔は、凸部保持孔よりも大きく、凸部保持孔は、凸部保持孔よりも小さい狭搾部を介して凸部離脱孔に連なっていることで、以下の効果を奏する。狭搾部の幅を設定することで、ガード部材の抜け荷重の設定を行うことができる。
請求項4に記載した発明によれば、離脱構造は、弾性凸部を弾性変形させることによってガード部材と連結部材とを締結する締結部材を更に備えることで、以下の効果を奏する。弾性凸部の弾性変形によりガード部材と連結部材とを締結することができ、かつ、一定方向に荷重がかかった場合にガード部材が連結部材から外れるようにすることができる。したがって、設定荷重(ガード部材の抜け荷重)を調整することができる。
図1は、鞍乗型車両の一例として、自動二輪車1を示す。図1を参照し、自動二輪車1は、車体前後方向略中央にエンジン2を搭載する。以下、自動二輪車を単に「車両」ということがある。
図5に示すように、左ナックルガード30L(以下単に「ナックルガード30」ともいう。)は、グリップ17とハンドル15とに跨るように、グリップ17の前方に配置されている。例えば、ナックルガード30は樹脂製である。ナックルガード30は、乗員がグリップ17を把持した際に乗員の手の前方を覆う。上面視で、ナックルガード30は、後方に開放するU字状を有する。
上面視で、第一保護部材31は、後方に開放するU字状を有する(図9参照)。図4に示すように、第一保護部材31は、グリップ17の前方に配置されたガード部材39と、ガード部材39とレバーホルダ20とを連結する連結部材50と、を備える。
第一延在部41の車幅方向外側部(第二延在部42との隣接部分)には、連結部材50の前壁部53の凹部53aに係合可能な係合凸部47が設けられている(図9参照)。係合凸部47は、第一延在部41の車幅方向外側部の後面から後方に突出している(図7参照)。
下壁部52は、クラッチレバー19の下方に配置されている。下壁部52は、前後方向に延在する板状を有する。前後方向において、下壁部52は上壁部51よりも長い(図13参照)。
前壁部53は、クラッチレバー19の前方に配置されている。前壁部53は、上壁部51の前端と下壁部52の前端とを連結する。上面視で、前壁部53は、前方保護部40の第一延在部41に沿うように、前壁部53の車幅方向内端が後方に位置し、かつ、前壁部53の車幅方向外端が前方に位置するように傾斜している(図9参照)。前壁部53は、車両前方に対して上面視で車幅方向内側後方へ傾斜した取付面54を有する(図12参照)。前壁部53には、車幅方向外方に開放する凹部53aが設けられている。
なお、角度A1は離脱作用が可能な範囲であれば制限されないが、本実施形態では、角度A1は、70度程度に設定されている。
図2に示すように、第二保護部材32は、第一保護部材31の前方保護部40よりも大きい外形を有する。第二保護部材32は、前方保護部40に沿うように車幅方向に延在している。第二保護部材32の上端は、第一保護部材31の上端よりも上方に位置する。第二保護部材32の上縁は、上方に凸の湾曲形状を有する。第二保護部材32の下端は、前方保護部40の下端よりも上方に位置する。第二保護部材32の下縁は、前方保護部40の前縁に沿う外形を有する。断面視で、第二保護部材32の前面は、第二保護部材32の上端が後方に位置し、かつ、第二保護部材32の下端が前方に位置するように傾斜している(図6参照)。
第二保護部材32の車幅方向内側部は、ボルト等の締結部材29により第一保護部材31の第一延在部41に取り付けられている。第二保護部材32は、第一保護部材31と共に、連結部材50から離脱可能に連結部材50に取り付けられている。
図7に示すように、第一保護部材31と第二保護部材32とは、保護部材同士が重なる積層部37を形成する。連通孔36は、積層部37を上下方向に開放している。積層部37は、前面視で第一保護部材31における前方保護部40と第二保護部材32の下部とが重なる部分である(図2参照)。連通孔36は、前方保護部40の前面と第二保護部材32の下部後面との間の隙間である。断面視で、連通孔36は、開口上端が後方に位置し、かつ、開口下端が前方に位置するように傾斜している。
以下、右ナックルガード30Rについて説明する。右ナックルガード30Rにおいて、左ナックルガード30Lと同様の構成には同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
図18に示すように、右ナックルガード30Rは、右側のグリップ17とハンドル15とに跨るように、右側のグリップ17の前方に配置されている。上面視で、右ナックルガード30Rは、後方に開放するU字状を有する。
下壁部152は、ブレーキレバー121の下方に配置されている。前後方向において、下壁部152は上壁部151よりも短い。
前壁部153は、ブレーキレバー121の前方に配置されている。前壁部153は、上壁部151の前端と下壁部152の前端とを連結する。前壁部153は、車両前方に対して上面視で車幅方向内側後方へ傾斜した取付面154を有する(図19参照)。前壁部153には、車幅方向外方に開放する凹部153aが設けられている。
図21を参照し、実施形態に係るナックルガード30の作用を比較例とともに説明する。
比較例は、実施形態に係る連通孔36を有しない。または、比較例は、連通孔36の開口下端が閉塞されている。図中矢印Wxは比較例の走行風の流れ、矢印W1,W2は実施形態の走行風の流れをそれぞれ示す。
図22、図23を参照し、実施形態に係る第二保護部材32の作用について説明する。
第二保護部材32は、第一保護部材31における取付孔44aに沿って車幅方向内側へ撓むことにより、連通孔36を拡大することが可能である。
図24を参照し、実施形態に係る離脱構造60の作用について説明する。図24においては、第二保護部材32の図示を省略する。
離脱構造60は、ガード部材39に後方から設定値を超える荷重が作用したときに、ガード部材39を連結部材50から前方へ離脱させる。
ガード部材39に後方から設定値を超える荷重が作用すると、弾性凸部61は、狭搾部64を乗り越え、凸部保持孔62から凸部離脱孔63に向けて移動する。弾性凸部61が凸部離脱孔63に移動すると、凸部離脱孔63から前方へ抜ける。これにより、ガード部材39に後方から設定値を超える荷重が作用したときに、ガード部材39を連結部材50から前方へ離脱させることができる。
本実施形態によれば、離脱構造60がガード部材39の車幅方向内側部に設けられていることで、車両前方および側方からの荷重ではガード部材39が連結部材50から外れにくいため、車両前方および側方からの衝撃に耐えることができる。加えて、ガード部材39に後方から設置値を超える荷重が作用したときに、ガード部材39が連結部材50から前方へ離脱するため、ライダーの身体がグリップ17とナックルガード30とに拘束されにくい。したがって、ライダーのナックル部の更なる保護性を向上させることができる。
この構成によれば、ガード部材39と連結部材50とを一定の締結力で取付け、ガード部材39に後方から設置値を超える荷重が作用したときに、弾性凸部61が凸部保持孔62から凸部離脱孔63へ移動し、ガード部材39が連結部材50から外れる。したがって、部品が破損する可能性は低く、再組付けが可能となる。
この構成によれば、ガード部材39に後方から設置値を超える荷重が作用したときに、後方からの荷重が取付面54の傾斜によってガード部材39が外れて抜ける方向に変化するため、ガード部材39が外れる。加えて、取付面54の傾斜角を調整することによって、ガード部材39が外れる荷重を設定することができる。
この構成によれば、狭搾部64の幅を設定することで、ガード部材39の抜け荷重の設定を行うことができる。
この構成によれば、弾性凸部61の弾性変形によりガード部材39と連結部材50とを締結することができ、かつ、一定方向に荷重がかかった場合にガード部材39が連結部材50から外れるようにすることができる。したがって、設定荷重(ガード部材39の抜け荷重)を調整することができる。
この構成によれば、導風部35が前面視で連通孔36を覆うことで、車両前方に向けた開口を有しない。そのため、導風部35により、走行中の風、水、泥、砂、木枝などからライダーのナックル部、腕部を保護することができる。したがって、走行中の防風・防泥・防砂利・防木枝効果が損なわれることを抑制することができる。加えて、車両のハンドル15のグリップ17の前方に配置され、上下方向に開口する連通孔36を有する導風部35を備えることで、連通孔36により、ナックルガード30の後方の負圧を補正することができる。そのため、より小さい前面投影面積でより大きい防風効果を得ることができる。加えて、連通孔36は前面視で見えないため、ナックルガード30の一体感を創出し、意匠性に優れる。
この構成によれば、ナックルガード30を分割構造とし、分割部品(第一保護部材31および第二保護部材32)の積層部37で連通孔36を形成するため、ナックルガード30が複雑な構造となることを抑制し、かつ、ナックルガード30の成形が容易となる。
この構成によれば、第二保護部材32を車幅方向内側へ撓ませ、第一保護部材31の取付孔44aの車幅方向内側で固定することにより、積層部37の連通孔36(隙間)を拡大することで、ナックルガード30の後方へ向かう風量(ナックルガード30の後方の負圧を補正するための風量)を調整することができる。そのため、走行速度、気温(手元雰囲気温度を含む。)等の走行条件等を加味して、ライダーの好みに応じて、ナックルガード30の後方の負圧を調整しやすい。
この構成によれば、第一保護部材31と第二保護部材32との相対位置を規定することができる。
この構成によれば、第二保護部材32の初期状態および湾曲状態のそれぞれにおいて、第一保護部材31と第二保護部材32との相対位置を規定することができる。
この構成によれば、第二保護部材32を第一保護部材31から取り外すことにより、第一保護部材31のみで使用することができる。例えば、長距離走行時、オフロード走行時には、第二保護部材32を第一保護部材31に取り付けて走行する。例えば、低速走行時、市街地などのオンロード走行時には、第一保護部材31のみで走行する。例えば、気温の高低で、気温が低いときには、第二保護部材32を第一保護部材31に取り付けて走行する。例えば、気温が高いときには、第一保護部材31のみで走行する。このように条件に応じて、ナックルガード30の仕様を変更可能なので、仕様変更の自由度が向上する。加えて、ナックルガード30の全部を別部品に交換することなく、一部のみ部品を追加することで仕様変更が可能なので、部品コストが低減する。加えて、第一保護部材31が第二保護部材32を取り付けるための取付孔44aを有する場合、取付孔44aを導風孔として機能させることができる。
上記実施形態では、連通孔36は、前面視で第一保護部材31と第二保護部材32とが重なる積層部37の全部を上下方向に開放している例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、連通孔36は、積層部37の一部を上下方向に開放していてもよい。連通孔36は、積層部37の少なくとも一部を上下方向に開放していてもよい。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
15 ハンドル
17 グリップ
30 ナックルガード
30L 左ナックルガード(ナックルガード)
30R 右ナックルガード(ナックルガード)
39 ガード部材
50,150 連結部材
54,154 取付面
60 離脱構造
61 弾性凸部
62 凸部保持孔
63 凸部離脱孔
64 狭搾部
65 締結部材
Claims (4)
- 鞍乗型車両(1)のハンドル(15)のグリップ(17)の前方に配置されたナックルガード(30)において、
前記グリップ(17)の前方に配置されたガード部材(39)と、
前記ガード部材(39)に連結された連結部材(50)と、
前記ガード部材(39)と前記連結部材(50)との取付部に設けられ、前記ガード部材(39)に後方から設定値を超える荷重が作用したときに、前記ガード部材(39)を前記連結部材(50)から前方へ離脱させる離脱構造(60)と、を備え、
前記離脱構造(60)は、前記ガード部材(39)の車幅方向内側部に設けられ、
前記離脱構造(60)は、
前記ガード部材(39)から後方に突出し、弾性変形可能な弾性凸部(61)と、
前記連結部材(50)に設けられ、前記弾性凸部(61)を取り付けるための凸部保持孔(62)と、
前記凸部保持孔(62)に連なり、前記弾性凸部(61)を離脱させるための凸部離脱孔(63)と、を有し、
前記凸部保持孔(62)は、前記凸部離脱孔(63)の後方に設けられていることを特徴とするナックルガード。 - 前記連結部材(50)は、車両前方に対して上面視で車幅方向内側後方へ傾斜した取付面(54)を有し、
前記凸部保持孔(62)および前記凸部離脱孔(63)は、前記取付面(54)に設けられ、
前記弾性凸部(61)は、前記取付面(54)の前方から前記凸部保持孔(62)に保持されていることを特徴とする請求項1に記載のナックルガード。 - 前記凸部保持孔(62)と前記凸部離脱孔(63)とは、連続した形状を有し、
前記凸部離脱孔(63)は、前記凸部保持孔(62)よりも大きく、
前記凸部保持孔(62)は、前記凸部保持孔(62)よりも小さい狭搾部(64)を介して前記凸部離脱孔(63)に連なっていることを特徴とする請求項1または2に記載のナックルガード。 - 前記離脱構造(60)は、前記弾性凸部(61)を弾性変形させることによって前記ガード部材(39)と前記連結部材(50)とを締結する締結部材(65)を更に備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のナックルガード。
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