JP6821453B2 - 3次元表示システム、ヘッドアップディスプレイシステム、及び移動体 - Google Patents

3次元表示システム、ヘッドアップディスプレイシステム、及び移動体 Download PDF

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本開示は、3次元表示システム、ヘッドアップディスプレイシステム、及び移動体に関する。
従来、特殊なめがね等を必要とせずに立体視を提供するために、利用者の左右の目に対して異なる画像光を到達させるためのバリアを備える表示装置が知られている。例えば、利用者が表示装置に対して近づいたり遠ざかったりする場合、バリアを1/4ピッチ移動可能とすることによって、利用者に立体視を継続させうる構成が知られている(例えば、特許文献1等)。
特開2001−166259号公報
バリアを移動可能にする構成は、装置の複雑化、及び、コストアップにつながる。近づいたり遠ざかったりして観察距離を変化させる利用者に対して、画像処理によって、立体視が提供し続けられることが求められる。
本開示は、上述の点に鑑みてなされたものであり、利用者の観察距離の変化にかかわらず、画像処理によって立体視が提供し続けられうる3次元表示システム、ヘッドアップディスプレイシステム、及び移動体を提供することを目的とする。
本開示の一実施形態に係る3次元表示システムは、表示装置を備える。前記表示装置は、水平方向及び垂直方向に沿って格子状に配列されるサブピクセルを含む表示面を有する。前記表示装置は、前記サブピクセルの中で前記表示面上の表示境界によって分けられる第1サブピクセル及び第2サブピクセルにそれぞれ左眼画像及び右眼画像を表示する。前記3次元表示システムは、バリアを備える。前記バリアは、前記左眼画像及び右眼画像を遮る遮光領域を有する。前記バリアは、前記左眼画像の少なくとも一部を利用者の左眼に到達させ、前記右眼画像の少なくとも一部を利用者の右眼に到達させる透光領域を有する。前記3次元表示システムは、前記表示装置から前記左眼及び右眼の少なくとも一方までの観察距離を検出する検出装置を備える。前記3次元表示システムは、前記観察距離に応じて前記表示装置を前記水平方向に並ぶ複数の分割領域に分割するコントローラを備える。前記表示境界は、同一の前記分割領域の中で、前記水平方向に第1位相で周期的に位置する。前記表示境界は、隣接する前記分割領域の中で、前記水平方向に、前記第1位相と異なる第2位相で周期的に位置する。
本開示の一実施形態に係るヘッドアップディスプレイシステムは、表示装置を備える。前記表示装置は、水平方向及び垂直方向に沿って格子状に配列されるサブピクセルを含む表示面を有する。前記表示装置は、前記サブピクセルの中で前記表示面上の表示境界によって分けられる第1サブピクセル及び第2サブピクセルにそれぞれ左眼画像及び右眼画像を表示する。前記ヘッドアップディスプレイシステムは、バリアを備える。前記バリアは、前記左眼画像及び右眼画像を遮る遮光領域を有する。前記バリアは、前記左眼画像の少なくとも一部を利用者の左眼に到達させ、前記右眼画像の少なくとも一部を利用者の右眼に到達させる透光領域を有する。前記ヘッドアップディスプレイシステムは、前記表示装置から前記左眼及び右眼の少なくとも一方までの観察距離を検出する検出装置を備える。前記ヘッドアップディスプレイシステムは、前記観察距離に応じて前記表示装置を前記水平方向に並ぶ複数の分割領域に分割するコントローラを備える。前記ヘッドアップディスプレイシステムは、前記左眼画像及び右眼画像を、前記利用者に虚像として視認させる光学部材を備える。前記表示境界は、同一の前記分割領域の中で、前記水平方向に第1位相で周期的に位置する。前記表示境界は、隣接する前記分割領域の中で、前記水平方向に、前記第1位相と異なる第2位相で周期的に位置する。
本開示の一実施形態に係る移動体は、ヘッドアップディスプレイシステムを備える。前記ヘッドアップディスプレイシステムは、表示装置を備える。前記表示装置は、水平方向及び垂直方向に沿って格子状に配列されるサブピクセルを含む表示面を有する。前記表示装置は、前記サブピクセルの中で前記表示面上の表示境界によって分けられる第1サブピクセル及び第2サブピクセルにそれぞれ左眼画像及び右眼画像を表示する。前記ヘッドアップディスプレイシステムは、バリアを備える。前記バリアは、前記左眼画像及び右眼画像を遮る遮光領域を有する。前記バリアは、前記左眼画像の少なくとも一部を利用者の左眼に到達させ、前記右眼画像の少なくとも一部を利用者の右眼に到達させる透光領域を有する。前記ヘッドアップディスプレイシステムは、前記表示装置から前記左眼及び右眼の少なくとも一方までの観察距離を検出する検出装置を備える。前記ヘッドアップディスプレイシステムは、前記観察距離に応じて前記表示装置を前記水平方向に並ぶ複数の分割領域に分割するコントローラを備える。前記ヘッドアップディスプレイシステムは、前記左眼画像及び右眼画像を、前記利用者に虚像として視認させる光学部材を備える。前記表示境界は、同一の前記分割領域の中で、前記水平方向に第1位相で周期的に位置する。前記表示境界は、隣接する前記分割領域の中で、前記水平方向に、前記第1位相と異なる第2位相で周期的に位置する。
本開示の一実施形態に係る3次元表示システム、ヘッドアップディスプレイシステム、及び移動体によれば、利用者の観察距離の変化にかかわらず、画像処理によって立体視が提供し続けられうる。
一実施形態に係る3次元表示システムの例を示す機能ブロック図である。 一実施形態に係る3次元表示システムの構成例を示す図である。 表示装置の構成例を示す図である。 バリアの構成例を示す図である。 眼がバリアからの適視距離に位置する例を示す図である。 表示装置上に位置する可視領域及び遮光領域の例を示す図である。 表示装置上に位置する可視領域及び遮光領域の例を示す図である。 HT境界と表示境界との相関例を示す図である。 適視距離面におけるドット領域及び制御領域の例を示す図である。 観察距離が適視距離より近い場合の右眼表示同一領域の例を示す図である。 観察距離が適視距離より近い場合の右眼表示同一領域の幅を示す図である。 観察距離が適視距離より遠い場合の右眼表示同一領域の例を示す図である。 観察距離が適視距離より遠い場合の右眼表示同一領域の幅を示す図である。 観察距離が適視距離より近い場合の右眼表示同一境界の決定方法の一例を示す図である。 観察距離が適視距離より遠い場合の右眼表示同一境界の決定方法の一例を示す図である。 一実施形態に係る3次元表示システムのHUD搭載例を示す図である。
図1及び図2に示されるように、一実施形態に係る3次元表示システム1は、表示装置10と、バリア20と、コントローラ30と、検出装置40とを備える。3次元表示システム1は、表示装置10に画像を表示させ、バリア20に画像光の一部を遮光させることによって、利用者の左眼5Lと利用者の右眼5Rとにそれぞれ異なる画像を見せうる。利用者は、左眼5Lと右眼5Rとで両眼視差画像を見ることによって、画像を立体視できる。3次元表示システム1は、検出装置40によって利用者の頭の位置を検出し、頭の位置に応じて画像表示を制御するヘッドトラッキング制御を実行する。ヘッドトラッキングは、HT(Head Tracking)ともいう。以下、表示装置10において画像を表示する表示面10aの法線がZ軸方向に沿うものと仮定する。利用者は、表示装置10に対してZ軸の正の方向に位置すると仮定する。
表示装置10は、利用者の左眼5Lに向けて左眼画像を表示し、利用者の右眼5Rに向けて右眼画像を表示する。表示装置10は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の液晶デバイスであってよい。表示装置10は、有機EL(Electro-Luminescence)又は無機EL等の自発光デバイスであってよい。
バリア20は、利用者と表示装置10との間に位置する。バリア20は、表示装置10に表示される左眼画像が利用者の左眼5Lから見えて、利用者の右眼5Rから見えないようにする。バリア20は、表示装置10に表示される右眼画像が利用者の右眼5Rから見えて、利用者の左眼5Lから見えないようにする。バリア20は、表示装置10の表示面10aに一体に設けられてよい。バリア20は、表示装置10から所定距離をおいて設けられてよい。
コントローラ30は、3次元表示システム1の各構成部に接続され、各構成部を制御する。コントローラ30は、例えばプロセッサとして構成される。コントローラ30は、1以上のプロセッサを含んでよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、及び特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)を含んでよい。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。コントローラ30は、1つ又は複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、及びSiP(System In a Package)のいずれかであってよい。コントローラ30は、記憶部を備え、記憶部に各種情報、又は3次元表示システム1の各構成部を動作させるためのプログラム等を格納してよい。記憶部は、例えば半導体メモリ等で構成されてよい。記憶部は、コントローラ30のワークメモリとして機能してよい。
検出装置40は、利用者の左眼5L及び右眼5Rのいずれか一方の位置を検出し、コントローラ30に出力する。検出装置40は、例えば、カメラを備えてよい。検出装置40は、カメラによって利用者の顔を撮影してよい。検出装置40は、カメラの撮影画像から左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置を検出してよい。検出装置40は、1個のカメラの撮影画像から、左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置を3次元空間の座標として検出してよい。検出装置40は、2個以上のカメラの撮影画像から、左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置を3次元空間の座標として検出してよい。
検出装置40は、カメラを備えず、装置外のカメラに接続されていてよい。検出装置40は、装置外のカメラからの信号を入力する入力端子を備えてよい。装置外のカメラは、入力端子に直接的に接続されてよい。装置外のカメラは、共有のネットワークを介して入力端子に間接的に接続されてよい。カメラを備えない検出装置40は、カメラが映像信号を入力する入力端子を備えてよい。カメラを備えない検出装置40は、入力端子に入力された映像信号から左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置を検出してよい。
検出装置40は、例えば、センサを備えてよい。センサは、超音波センサ又は光センサ等であってよい。検出装置40は、センサによって利用者の頭部の位置を検出し、頭部の位置に基づいて左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置を検出してよい。検出装置40は、1個又は2個以上のセンサによって、左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置を3次元空間の座標として検出してよい。
検出装置40は、左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置の検出結果に基づいて、左眼5L及び右眼5Rと、表示装置10の表示面10a又はバリア20との間の距離を検出する。左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方と、表示装置10の表示面10a又はバリア20との間の距離は、観察距離ともいう。観察距離は、左眼5L及び右眼5RのZ軸方向の座標と、表示装置10の表示面10a又はバリア20のZ軸方向の座標との差として算出される。
3次元表示システム1は、検出装置40を備えなくてよい。3次元表示システム1が検出装置40を備えない場合、コントローラ30は、装置外の検出装置からの信号を入力する入力端子を備えてよい。装置外の検出装置は、入力端子に接続されてよい。装置外の検出装置は、入力端子に対する伝送信号として、電気信号及び光信号を用いてよい。装置外の検出装置は、共有のネットワークを介して入力端子に間接的に接続されてよい。コントローラ30は、装置外の検出装置から取得した左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置の検出結果に基づいて、左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の移動距離を算出してよい。コントローラ30は、Z軸方向に沿った、左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の移動距離を算出してよい。検出装置40は、移動距離を検出する起点と終点とをそれぞれ、所定点としてよい。移動距離を検出する起点は、例えばHT制御の実行によって表示装置10に表示される画像が変更されたときの左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置であってよい。移動距離を検出する終点は、移動距離を検出するときの左眼5L及び右眼5Rの少なくとも一方の位置であってよい。
表示装置10は、例えば図3に示されるように、複数のサブピクセル11を有する。サブピクセル11は、格子状に配列される。サブピクセル11の配列を表す格子軸は、X軸及びY軸であると仮定する。X軸及びY軸の原点は、表示面10aの中心点であるとされてよい。サブピクセル11は、X軸方向及びY軸方向それぞれに長さを有する。サブピクセル11のX軸方向及びY軸方向の長さは、それぞれHp及びVpと表される。以下、Vp>Hpが成立すると仮定する。X軸方向は、水平方向又は第1方向ともいう。Y軸方向は、垂直方向又は第2方向ともいう。
サブピクセル11は、ピクセル12を構成してよい。図3において、ピクセル12は、破線で囲まれる3個のサブピクセル11で構成される。ピクセル12は、例えば、RGBの各色を表示するサブピクセル11で構成されてよい。ピクセル12を構成するサブピクセル11の数は、3個に限られず、2個であってよいし、4個以上であってよい。表示装置10がLCD又は有機EL若しくは無機ELである場合、各画素は、サブピクセル11又はピクセル12に対応してよい。本実施形態において、ピクセル12は、水平方向に並ぶサブピクセル11で構成されると仮定する。言い換えれば、本実施形態において、水平方向は、ピクセル12を構成する複数のサブピクセル11が並ぶ方向であると仮定する。
図3に示されるように、表示装置10は、ピクセル12を構成するサブピクセル11が利用者から見て横に並ぶように使用されると仮定する。この場合、X軸方向及びY軸方向はそれぞれ、横及び縦に対応する。利用者から見たサブピクセル11の縦及び横の長さの比は、サブピクセル11の縦横比ともいう。この場合、縦横比は、Vp/Hpである。以下、Vp/Hpは、xとして表される(x>1)。
サブピクセル11の配列は、太線の階段形状で示される表示境界15によって分けられる。表示境界15によって分けられた一方の配列に含まれるサブピクセル11は、第1サブピクセル11Lともいう。表示境界15によって分けられた他方の配列に含まれるサブピクセル11は、第2サブピクセル11Rともいう。表示境界15は、図3に示される形状に限られず、他の形状であってよい。表示装置10は、第1サブピクセル11Lに左眼画像を表示させ、第2サブピクセル11Rに右眼画像を表示させる。表示境界15は、コントローラ30によって決定される。表示境界15は、第1サブピクセル11Lが配列する範囲を示す第1表示境界と、第2サブピクセル11Rが配列する範囲を示す第2表示境界とを含んでよい。このようにすることで、第1サブピクセル11L及び第2サブピクセル11Rのいずれでもないサブピクセル11が表されうる。
バリア20は、例えば図4に示されるように、透光領域21と、遮光領域22とを備える。図4に示されるX軸及びY軸は、図3に示されるX軸及びY軸の方向に対応する。
透光領域21は、バリア20に入射する光を透過させる部分である。透光領域21は、第1所定値以上の透過率で光を透過させてよい。第1所定値は、例えば100%であってよいし、100%に近い値であってよい。遮光領域22は、バリア20に入射する光を遮って透過させない部分である。言い換えれば、遮光領域22は、表示装置10に表示される画像を遮る。遮光領域22は、第2所定値以下の透過率で光を遮ってよい。第2所定値は、例えば0%であってよいし、0%に近い値であってよい。
図4において、透光領域21と遮光領域22とは、水平方向及び垂直方向に交互に並ぶ。透光領域21の端部を示す線は、垂直方向に対して所定角度θで傾斜する方向に延在する。透光領域21の端部を示す線は、透光領域21の端線ともいう。所定角度θは、バリア傾斜角ともいう。θは、0度より大きく90度より小さい角度であってよい。θは、例えば、tanθ=a×Hp/b×Vp(a、b:自然数)を満たすように決定されてよい。仮に、透光領域21の端線が図4におけるY軸方向に沿い、サブピクセル11の配列方向に一致する場合、サブピクセル11の配置又は透光領域21の寸法に含まれる誤差によって、表示画像においてモアレが認識されやすくなる。透光領域21の端線が図4におけるY軸方向に対して所定の角度を有する方向に延在する場合、サブピクセル11の配置又は透光領域21の寸法に含まれる誤差にかかわらず、表示画像においてモアレが認識されにくくなる。
バリア20は、第2所定値未満の透過率を有するフィルム又は板状部材で構成されてよい。この場合、遮光領域22は、当該フィルム又は板状部材で構成される。透光領域21は、フィルム又は板状部材に設けられた開口で構成される。フィルムは、樹脂で構成されてよいし、他の材料で構成されてよい。板状部材は、樹脂又は金属等で構成されてよいし、他の材料で構成されてよい。バリア20は、フィルム又は板状部材に限られず、他の種類の部材で構成されてよい。バリア20は、遮光性を有する基材で構成されてよい。バリア20は、遮光性を有する添加物を含有する基材で構成されてよい。
バリア20は、液晶シャッターで構成されてよい。液晶シャッターは、印加する電圧に応じて光の透過率を制御しうる。液晶シャッターは、複数の画素で構成され、各画素における光の透過率を制御してよい。液晶シャッターは、光の透過率が高い領域又は光の透過率が低い領域を任意の形状に形成しうる。バリア20が液晶シャッターで構成される場合、透光領域21は、第1所定値以上の透過率を有する領域としてよい。バリア20が液晶シャッターで構成される場合、遮光領域22は、第2所定値以下の透過率を有する領域としてよい。
図5に示されるように、利用者の左眼5Lと右眼5Rとは、バリア20から、dとして示される適視距離をおいて位置すると仮定する。適視距離は、OVD(Optical Viewing Distance)ともいう。左眼5Lと右眼5Rとは、バリア20を介して、表示装置10に表示される画像を見ることができる。バリア20は、白抜きで表される透光領域21と、斜線のハッチングで表される遮光領域22とを備える。透光領域21と遮光領域22とは、X軸方向に交互に繰り返して並ぶ。透光領域21と遮光領域22とが繰り返されるピッチは、Bpとして示される。左眼5Lと右眼5Rとの間の距離は、眼間距離ともいい、Eとして示される。バリア20から表示装置10までの距離は、gとして示される。
表示装置10は、利用者の左眼5L及び右眼5Rそれぞれから、透光領域21を介して視認可能な左眼可視領域13L及び右眼可視領域13Rを有する。表示装置10は、遮光領域22によって利用者の左眼5L及び右眼5Rそれぞれからの視認を妨げられる左眼遮光領域14L及び右眼遮光領域14Rを有する。左眼可視領域13L及び右眼可視領域13Rの端部を示す線は、透光領域21の端部を示す線に対応する。左眼遮光領域14L及び右眼遮光領域14Rの端部を示す線は、遮光領域22の端部を示す線に対応する。表示境界15は、左眼可視領域13L及び右眼可視領域13Rの端部を示す線に沿って位置しうる。つまり、表示境界15は、透光領域21の端線に沿って位置しうる。
図5に示される例において、以下の仮定がさらに与えられる。透光領域21及び遮光領域22はそれぞれ、X軸方向にBp/2で示される同じ幅を有する。ポートレートモードにおいて、透光領域21及び遮光領域22のX軸方向における幅に対する、透光領域21のX軸方向における幅の比は、開口率と言いうる。図5に示される例において、バリア20の開口率は、(Bp/2)/Bp、つまり、50%である。ランドスケープモードにおいて、透光領域21及び遮光領域22のX軸方向における幅に対する、透光領域21のX軸方向における幅の比は、開口率と言いうる。
左眼可視領域13Lと右眼可視領域13Rとが繰り返されるピッチは、kとして示される。左眼可視領域13Lと右眼可視領域13Rとはそれぞれ、X軸方向にk及びkで示される幅を有する。ポートレートモードにおいて、左眼可視領域13Lは、水平方向に沿って連続するm個のサブピクセルを含む。ポートレートモードにおいて、右眼可視領域13Rは、連続するm個のサブピクセルを含む。tanθ=a×Hp/b×Vpを満たすとき、kは、k=2mHp/bで示される式を満たす。ランドスケープモードにおいて、左眼可視領域13Lは、連続するj個のサブピクセルを含む。ポートレートモードにおいて、右眼可視領域13Rは、連続するj個のサブピクセルを含む。tanθ=(a×Hp)/(b×Vp)=(a×Vp)/(b×x×Hp)を満たすとき、kは、k=2×j×Vp/(b×x)で示される式を満たす。OVDにおいてk及びkは、共にk/2で示される。OVDにおいて左眼可視領域13Lと右眼可視領域13Rとは、間隔をあけずに交互に繰り返して並ぶ。OVDにおいて左眼可視領域13Lと右眼遮光領域14Rとは、互いに重複する。OVDにおいて右眼可視領域13Rと左眼遮光領域14Lとは、互いに重複する。
図5に示される、Eとkとdとgとの関係は、幾何学的に決定される。Eとk/2との比は、dとgとの比に等しい。等式で表せば、式(1)の関係が成り立つ。
E:k/2=d:g (1)
図5に示される、Bpとkとdとgとの関係は、幾何学的に決定される。Bpとkとの比は、dと(d+g)との比に等しい。等式で表せば、式(2)の関係が成り立つ。
Bp:k=d:(d+g) (2)
透光領域21と遮光領域22とが互いに異なる幅を有する場合、k及びkは、k/2とは異なる値になる。透光領域21が遮光領域22より狭い幅を有する場合、k及びkは、k/2より小さくなる。この場合、左眼可視領域13Lと右眼可視領域13Rとは、間隔を空けて並ぶ。左眼可視領域13Lと右眼可視領域13Rとが間隔を空けて並ぶことによって、左眼5Lに右眼画像が到達したり、右眼5Rに左眼画像が到達したりするクロストークが低減されうる。透光領域21が遮光領域22より広い幅を有する場合、k及びkは、k/2より大きくなる。この場合、左眼可視領域13Lと右眼可視領域13Rとは、一部で重複する。左眼可視領域13Lと右眼可視領域13Rとが一部で重複することによって、クロストークが発生する。kは、左眼可視領域13L又は右眼可視領域13Rが繰り返して位置するピッチを表すともいえる。以下、左眼可視領域13L又は右眼可視領域13Rが繰り返して位置するピッチは、可視領域ピッチともいう。
左眼5L及び右眼5Rとバリア20との距離が適視距離とは異なる場合、k及びkはそれぞれ、k/2で示されるとは限られない。例えば、左眼5L及び右眼5Rとバリア20との距離が適視距離より長い場合、k及びkはそれぞれ、k/2より小さい。この場合、左眼可視領域13Lと右眼可視領域13Rとは、間隔を空けて並びうる。例えば、左眼5L及び右眼5Rとバリア20との距離が適視距離より短い場合、k及びkはそれぞれ、k/2より大きい。この場合、左眼可視領域13Lと右眼可視領域13Rとは、一部で重複しうる。
図6に示されるように、左眼5Lから見た表示装置10には、左眼可視領域13Lと、左眼遮光領域14Lとが位置する。左眼5Lは、左眼可視領域13Lに表示される画像を視認できる。一方で、左眼5Lは、網掛けハッチングで示されるように遮光領域22によって遮られる左眼遮光領域14Lに表示される画像を視認できない。図6において、左眼5L、左眼可視領域13L及び左眼遮光領域14Lは、それぞれ右眼5R、右眼可視領域13R及び右眼遮光領域14Rに置き換えられうる。右眼5Rから見た表示装置10には、右眼可視領域13Rと、右眼遮光領域14Rとが位置する。右眼5Rは、右眼可視領域13Rに表示される画像を視認できる。一方で、右眼5Rは、網掛けハッチングで示されるように遮光領域22によって遮られる右眼遮光領域14Rに表示される画像を視認できない。
図7に示されるように、左眼5LがX軸の負の方向にdHTだけ移動した場合、表示装置10に位置する左眼可視領域13Lと左眼遮光領域14Lとは、X軸の正の方向にdだけ移動する。図7において、左眼5Lは右眼5Rに置き換えられうる。右眼5RがX軸の負の方向にdHTだけ移動した場合、表示装置10に位置する右眼可視領域13Rと右眼遮光領域14Rとは、X軸の正の方向にdだけ移動する。
コントローラ30は、図8に示されるように、所定の面内に、バリア20の透光領域21の形状に基づいて、X軸方向に並ぶヘッドトラッキング境界41を仮想的に設定する。所定の面は、バリア20が位置する面に対して平行であり、バリア20からOVDだけ離れて位置すると仮定する。ヘッドトラッキング境界41は、HT境界41ともいう。左眼5L又は右眼5Rは、HT境界41で区分される複数のヘッドトラッキング領域42のいずれかに位置する。ヘッドトラッキング領域42は、HT領域42ともいう。
左眼可視領域13Lに含まれる第1サブピクセル11Lは、左眼5Lが位置するHT領域42に応じて決定される。例えば、左眼5LがHT領域42aに位置する場合、実線の矢印で示される左眼可視領域13Lには、サブピクセル11a、11b及び11cが含まれる。つまり、サブピクセル11a、11b及び11cが第1サブピクセル11Lとなる。左眼5LがHT領域42bに位置する場合、破線の矢印で示される左眼可視領域13Lには、サブピクセル11b、11c及び11dが含まれる。つまり、サブピクセル11b、11c及び11dが第1サブピクセル11Lとなる。
HT境界41の間隔は、図3等に示されるHp、並びに、図7等に示されるd及びgを用いて、IHT=Hp×d/gと表される。図8において、左眼5Lは右眼5Rに置き換えられうる。HT境界41は、左眼5L及び右眼5Rそれぞれに対して仮定される。HT領域42は、左眼5L及び右眼5Rそれぞれに対して仮定される。
左眼5L及び右眼5Rの移動に応じて左眼可視領域13L及び右眼可視領域13Rが移動した場合、3次元表示システム1は、表示装置10に表示される画像を移動させて、利用者に対して立体視を提供し続ける。コントローラ30は、検出装置40から、左眼5L及び右眼5Rの位置を取得する。コントローラ30は、左眼5L及び右眼5Rの位置に基づいて、第1サブピクセル11L及び第2サブピクセル11Rそれぞれが左眼可視領域13L及び右眼可視領域13Rに位置するように、表示境界15を決定する。言い換えれば、コントローラ30は、左眼5L及び右眼5RがHT境界41を通過するときに、表示境界15をX軸方向にサブピクセル1個分移動させる。
コントローラ30は、左眼可視領域13L及び右眼可視領域13Rが左眼5L及び右眼5Rの移動に応じて移動した距離であるdがサブピクセル11の水平方向の長さであるHpに達した場合に、表示装置10に表示される左眼画像及び右眼画像をサブピクセル11の1個分移動させてよい。言い換えれば、コントローラ30は、左眼5L及び右眼5Rの移動距離が、表示境界15を移動させる条件を示す制御距離に達した場合に、表示境界15をサブピクセル11の1個分移動させてよい。この場合、コントローラ30は、移動距離として、HT境界41から左眼5L及び右眼5Rまでの距離を取得してよい。制御距離は、図5及び図7に示されるd及びgを用いて、DHT=(Hp×d)/(g×b)と表される。
図9に示されるように、表示装置10は、左眼画像が表示される第1サブピクセル11Lと、右眼画像が表示される第2サブピクセル11Rとを含む。第1サブピクセル11Lと第2サブピクセル11Rとは、表示境界15で分けられ、X軸方向にそれぞれ4個ずつ並ぶ。8個のサブピクセル11はそれぞれ、1番から8番までの番号を有する。各サブピクセル11が有する番号は、サブピクセル11の番号ともいう。第1サブピクセル11Lは、5番から8番までの番号を有する。第2サブピクセル11Rは、1番から4番までの番号を有する。左眼画像と右眼画像とは、8個のサブピクセル11を周期として繰り返し表示される。第1サブピクセル11Lの数と第2サブピクセル11Rの数とは、同じである。サブピクセル11の番号の周期は、第1サブピクセル11L又は第2サブピクセル11Rが並ぶ数の2倍であるともいえる。第1サブピクセル11Lと第2サブピクセル11Rが並ぶ数は、所定数とされてよい。所定数は、4個に限られず、3個以下であってよいし、5個以上であってよい。左眼画像と右眼画像とは、所定数の2倍の数のサブピクセル11を周期として繰り返し表示されてよい。
図9において、バリア20は、表示装置10の表示面10aに含まれると仮定する。表示装置10とバリア20との間隔を示すg(図5及び図7参照)は、左眼5L及び右眼5Rから表示装置10の表示面10aまでの距離を示すdに比べて十分小さく、無視されると仮定する。以下、この仮定に基づく説明がなされる。
図9において、観察距離は、適視距離を示すdと等しいと仮定する。左眼5L及び右眼5Rの位置には、表示装置10の表示面10aにおける第1サブピクセル11Lと第2サブピクセル11Rとに対応する領域が仮想的に設けられる。左眼5L及び右眼5Rの位置に仮想的に設けられる領域は、ドット領域51ともいう。ドット領域51は、眼間距離に合わせて設けられる。図9において、左眼画像と右眼画像とは、8個のサブピクセル11を周期として表示される。この場合、ドット領域51は、左眼5L及び右眼5Rそれぞれに4つずつ割り当てられる。左眼5Lと右眼5Rとの間に4つのドット領域51が位置することに基づいて、ドット領域51のX軸方向の幅は、眼間距離の1/4として算出される。左眼画像と右眼画像とが表示される周期は、8個に限られない。左眼5L及び右眼5Rそれぞれに割り当てられるドット領域51の数は、4つに限られない。ドット領域51のX軸方向の幅は、左眼5L及び右眼5Rそれぞれに割り当てられるドット領域51の数で眼間距離を除算することによって算出される。
ドット領域51は、各サブピクセル11の番号に対応する番号を有する。図9に示されるドット領域51は、1番から8番までの番号を有する。右眼5Rが2番及び3番のドット領域51の間に位置する場合、1番、2番、3番及び4番のサブピクセル11は、右眼画像を表示する第2サブピクセル11Rとなる。左眼5Lが6番及び7番のドット領域51の間に位置する場合、5番、6番、7番及び8番のサブピクセル11は、左眼画像を表示する第1サブピクセル11Lとなる。つまり、ドット領域51は、右眼可視領域13R及び左眼可視領域13Lに含まれるサブピクセル11の番号に対応する。右眼5Rが位置するドット領域51の番号に対応する番号を有するサブピクセル11は、右眼可視領域13Rに含まれる。左眼5Lが位置するドット領域51の番号に対応する番号を有するサブピクセル11は、左眼可視領域13Lに含まれる。
ドット領域51のX軸方向の中央には、×印で示される制御境界52が設定される。制御境界52によって区切られた領域は、制御領域53という。左眼5Lが同一の制御領域53の中にある間、第1サブピクセル11Lとなるサブピクセル11の番号は同じとされる。同様に、右眼5Rが同一の制御領域53の中にある間、第2サブピクセル11Rとなるサブピクセル11の番号は同じとされる。左眼5Lが異なる制御領域53に移動した場合、コントローラ30は、第1サブピクセル11Lとなるサブピクセル11の番号を変更する。同様に、右眼5Rが異なる制御領域53に移動した場合、コントローラ30は、第2サブピクセル11Rとなるサブピクセル11の番号を変更する。
例えば、右眼5Rが2番及び3番のドット領域51の間を含む制御領域53から3番及び4番のドット領域51の間を含む制御領域53まで移動すると仮定する。この場合、左眼5Lは、6番及び7番のドット領域51の間を含む制御領域53から7番及び8番のドット領域51の間を含む制御領域53まで移動する。コントローラ30は、左眼5L及び右眼5Rが制御境界52を通過したときに、表示境界15の位置を動かし、第1サブピクセル11L及び第2サブピクセル11Rとなるサブピクセル11の番号を変更する。表示境界15の移動後、2番、3番、4番及び5番のサブピクセル11が第2サブピクセル11Rとなる。6番、7番、8番及び1番のサブピクセル11が第1サブピクセル11Lとなる。
図9において、ドット領域51及び制御領域53は、X軸方向に延在する線分として示される。ドット領域51及び制御領域53は、紙面の手前側及び奥側にも延在する。つまり、ドット領域51及び制御領域53は、X軸及びY軸方向に広がる面である。図9において、制御境界52は、ドット領域51を示す線分の中点、又は、制御領域53を示す線分の端点として示される。制御境界52は、紙面の手前側及び奥側にも延在する。つまり、制御境界52は、Y軸方向の成分を有する線である。
左眼5L及び右眼5Rは、表示装置10の表示面10aから適視距離だけ離れ、Z軸方向に垂直な面の中で移動しうる。表示面10aから適視距離だけ離れ、Z軸方向に垂直な面は、適視距離面54(図14参照)ともいう。ドット領域51、制御境界52、及び制御領域53は、適視距離面54の上で、バリア20の透光領域21の端線が延在する方向と同じ方向に延在する。
左眼5Lが表示面10aから適視距離だけ離れて位置する場合、第1サブピクセル11Lとなるサブピクセル11の番号は、表示面10aの全てのサブピクセル11にわたって繰り返される。同様に、右眼5Rが表示面10aから適視距離だけ離れて位置する場合、第2サブピクセル11Rとなるサブピクセル11の番号は、表示面10aの全てのサブピクセル11にわたって繰り返される。
図10に示されるように、観察距離が適視距離より近い場合、表示装置10の表示面10a上に右眼画像同一領域17が設けられる。右眼画像同一領域17は、表示面10aを水平方向に分割した分割領域であるともいえる。言い換えれば、コントローラ30は、表示面10aを水平方向に並ぶ複数の分割領域に分割する。右眼画像同一領域17は、右眼画像同一境界16によって区切られる。右眼画像同一境界16は、各ドット領域51に含まれる制御境界52から右眼5Rを通って延長された線が表示装置10の表示面10aと交差する点として特定される。例えば、2番及び3番のドット領域51に含まれる制御境界52からの延長線で特定される右眼画像同一境界16で区切られる領域は、右眼画像同一領域17aとして示される。1番及び2番のドット領域51に含まれる制御境界52からの延長線で特定される右眼画像同一境界16で区切られる領域は、右眼画像同一領域17bとして示される。
図10の右眼5Rは、左眼5Lに置き換えられうる。図10の右眼5Rが左眼5Lに置き換えられた場合、右眼画像同一境界16及び右眼画像同一領域17はそれぞれ、左眼画像同一境界及び左眼画像同一領域に置き換えられる。右眼画像同一領域17と左眼画像同一領域とは、表示面10aの上で重複して存在しうる。水平方向に沿った右眼画像同一境界16の間隔、又は、左眼画像同一境界の間隔は、所定のピッチともいう。
右眼画像同一領域17aに位置する右眼可視領域13Rは、1番、2番、3番及び4番のサブピクセル11を含む。したがって、コントローラ30は、右眼画像同一領域17aにおいて、1番、2番、3番及び4番のサブピクセル11を第2サブピクセル11Rとする。右眼画像同一領域17bに位置する右眼可視領域13Rは、8番、1番、2番及び3番のサブピクセル11を含む。したがって、コントローラ30は、右眼画像同一領域17bにおいて、8番、1番、2番及び3番のサブピクセル11を第2サブピクセル11Rとする。つまり、右眼画像同一領域17a及び17bそれぞれにおいて、第2サブピクセル11Rとなるサブピクセル11の番号が異なる。
右眼5Rから表示面10aを見る場合に、表示面10aの上に右眼画像同一領域17が位置する。左眼5Lから表示面10aを見る場合、表示面10aの上に左眼画像同一領域が位置する。左眼画像同一領域は、右眼画像同一領域17と同様に、左眼5Lの位置に応じて特定される。左眼画像同一領域は、右眼画像同一領域17と同様に、分割領域であるともいえる。
右眼画像同一領域17a及び17bには、右眼可視領域13Rと左眼可視領域13Lとが位置する。右眼画像同一領域17a及び17bに位置する左眼可視領域13Lは、同時に左眼画像同一領域に位置する。左眼可視領域13Lに含まれるサブピクセル11の番号は、左眼画像同一領域に対応するドット領域51の番号に応じて決定される。
左眼可視領域13Lに含まれるサブピクセル11の番号は、右眼可視領域13Rに含まれるサブピクセル11の番号と重複しうる。つまり、コントローラ30は、1つのサブピクセル11に左眼画像を表示することと右眼画像を表示することとを同時に指示する状態になりうる。コントローラ30は、1つのサブピクセル11に左眼画像の表示と右眼画像の表示とを同時に指示する状態において、当該サブピクセル11を優先的に第1サブピクセル11Lとしてよいし、優先的に第2サブピクセル11Rとしてよい。コントローラ30は、1つのサブピクセル11に左眼画像の表示と右眼画像の表示とを同時に指示する状態において、当該サブピクセル11に左眼画像及び右眼画像のいずれも表示しなくてよい。
一方で、右眼可視領域13R及び左眼可視領域13Lのいずれにも含まれないサブピクセル11が存在しうる。コントローラ30は、右眼可視領域13R及び左眼可視領域13Lのいずれにも含まれないサブピクセル11に、右眼5R及び左眼5Lが適視距離に位置すると仮定した場合に表示される画像を表示してよい。コントローラ30は、右眼可視領域13R及び左眼可視領域13Lのいずれにも含まれないサブピクセル11に、右眼画像及び左眼画像のいずれも表示しなくてよい。
右眼画像同一領域17aにおいて、第2サブピクセル11Rの位置を示す第2表示境界は、8番と1番のサブピクセル11の間、及び、4番と5番のサブピクセル11の間に位置する。8番と1番のサブピクセル11の間に位置する第2表示境界は、8個のサブピクセル11を周期として、水平方向に周期的に位置する。4番と5番のサブピクセル11の間に位置する第2表示境界は、8個のサブピクセル11を周期として、水平方向に周期的に位置する。第2表示境界を含む表示境界15は、所定数の2倍の数を周期として位置するといえる。表示境界15の周期的な配置は、何番のサブピクセル11の間に位置するかを示す位相によって区別されうる。8番と1番のサブピクセル11の間に位置する表示境界15の位相は、1番であると仮定する。同様に、4番と5番のサブピクセル11の間に位置する表示境界15の位相は、5番であると仮定する。
右眼画像同一領域17bにおいて、第2サブピクセル11Rの位置を示す第2表示境界は、7番と8番のサブピクセル11の間、及び、3番と4番のサブピクセル11の間に位置する。つまり、右眼画像同一領域17bにおいて、第2表示境界を含む表示境界15の位相は、8番又は4番である。
右眼画像同一領域17bにおける表示境界15の位相は、右眼画像同一領域17aにおける表示境界15の位相に対して、X軸の負の方向にサブピクセル11の1個分だけ移動している。右眼画像同一領域17aにおける表示境界15の位相は、第1位相ともいう。右眼画像同一領域17aに隣接する右眼画像同一領域17bにおける表示境界15の位相は、第2位相ともいう。第2位相は、第1位相と異なるといえる。第2位相は、第1位相に対してサブピクセル11の1個分だけ移動しているといえる。
観察距離が適視距離より近い場合における右眼画像同一領域17のX軸方向の大きさは、図11に示されるように、観察距離と適視距離とによって表される。ドット領域51及び右眼画像同一領域17のX軸方向の大きさは、それぞれf及びsとして示される。観察距離及び適視距離はそれぞれ、h及びdとして示される。この場合、右眼画像同一領域17のX軸方向の大きさは、以下の式(3)で表される。
s=f×h/(d−h) (3)
図12に示されるように、観察距離が適視距離より遠い場合も、図10に示される例と同様に、表示装置10の表示面10a上に右眼画像同一領域17が設けられる。図12において、右眼画像同一境界16は、右眼5Rから各ドット領域51に含まれる制御境界52を通って延長された線が表示装置10の表示面10aと交差する点として特定される。例えば、右眼5Rから2番及び3番のドット領域51に含まれる制御境界52を通る延長線で特定される右眼画像同一境界16で区切られる領域は、右眼画像同一領域17aとして示される。右眼5Rから3番及び4番のドット領域51に含まれる制御境界52を通る延長線で特定される右眼画像同一境界16で区切られる領域は、右眼画像同一領域17cとして示される。
右眼画像同一領域17aの範囲内では、右眼5Rは、1番、2番、3番及び4番のサブピクセル11を視認しうる。したがって、コントローラ30は、右眼画像同一領域17aの範囲内において、1番、2番、3番及び4番のサブピクセル11を第2サブピクセル11Rとする。右眼画像同一領域17cの範囲内では、右眼5Rは、2番、3番、4番及び5番のサブピクセル11を視認しうる。したがって、コントローラ30は、右眼画像同一領域17aの範囲内において、2番、3番、4番及び5番のサブピクセル11を第2サブピクセル11Rとする。
右眼画像同一領域17cにおいて、第2サブピクセル11Rの位置を示す第2表示境界は、1番と2番のサブピクセル11の間、及び、5番と6番のサブピクセル11の間に位置する。つまり、右眼画像同一領域17bにおいて、第2表示境界を含む表示境界15の位相は、2番又は6番である。右眼画像同一領域17cにおける表示境界15の位相は、右眼画像同一領域17aにおける表示境界15の位相に対して、X軸の正の方向にサブピクセル11の1個分だけ移動している。右眼画像同一領域17aに隣接する右眼画像同一領域17cにおける表示境界15の位相が第2位相であるとされてもよい。観察距離が適視距離より近い場合と遠い場合とで、第2位相は、第1位相に対して互いに逆方向に移動する。
図10に示される右眼画像同一領域17bにおける第2サブピクセル11Rの番号は、右眼画像同一領域17aにおける第2サブピクセル11Rの番号に対して、1つ減少している。一方で、図12に示される右眼画像同一領域17cにおける第2サブピクセル11Rの番号は、右眼画像同一領域17aにおける第2サブピクセル11Rの番号に対して、1つ増加している。つまり、観察距離が適視距離より近い場合と遠い場合とにおいて、隣接する右眼画像同一領域17における第2サブピクセル11Rの番号の変化の向きが異なる。
観察距離が適視距離より遠い場合における右眼画像同一領域17のX軸方向の大きさは、図13に示されるように、観察距離と適視距離とによって表される。ドット領域51及び右眼画像同一領域17のX軸方向の大きさは、それぞれf及びsとして示される。観察距離及び適視距離はそれぞれ、h及びdとして示される。この場合、右眼画像同一領域17のX軸方向の大きさは、以下の式(4)で表される。
s=f×h/(h−d) (4)
式(3)において、(d−h)>0が成り立つ。式(4)において、(h−d)>0が成り立つ。式(3)及び(4)における(d−h)及び(h−d)を、|h−d|に置き換えることによって、観察距離が適視より近い場合及び遠い場合における右眼画像同一領域17のX軸方向の大きさは、以下の式(5)で共通に表される。
s=f×h/|h−d| (5)
本実施形態に係る3次元表示システム1は、観察距離が適視距離と異なる場合に、各分割領域で表示境界15を決定する。このようにすることで、観察距離が適視距離と異なる場合でも、バリア20を移動可能とすることなく、画像表示を制御するだけで、左眼画像及び右眼画像が、左眼5L及び右眼5Rそれぞれに到達するように表示されうる。結果として、利用者の眼の移動に対する追従(ヘッドトラッキング)が容易に、且つ、低コストで実現されうる。観察距離の変化にかかわらず立体視が提供されうることによって、利用者に対して2視点立体視を提供できる範囲が広げられうる。
表示装置10の表示面10aから適視距離だけ離れたX−Y平面上に基準ポイントが位置すると仮定する。基準ポイントが仮想的に設けられることによって、右眼画像同一領域17又は左眼画像同一領域の、表示装置10の表示面10a上における分布が決定されやすくなる。
基準ポイントは、利用者が表示装置10の表示面10aを観察するための最適な位置に応じて決定されてよい。利用者が表示装置10の表示面10aを観察するための最適な位置は、最適観察位置ともいう。
コントローラ30は、表示装置10に所定内容を表示し、利用者に所定内容を観察させる。所定内容は、例えば、右眼画像及び左眼画像として、それぞれ全白及び全黒となる画像であってよい。コントローラ30は、利用者自身が所定内容を観察するために最適と考える位置にいるときに検出装置40から左眼5L及び右眼5Rの位置を取得する。最適観察位置は、検出された左眼5L及び右眼5Rの位置に対応する。最適観察位置は、図9等に示される制御境界52と一致しうる。
基準ポイントは、左眼5L及び右眼5Rそれぞれに対応して決定されてよい。この場合、基準ポイントは、左眼5L及び右眼5Rそれぞれに対応する最適観察位置とされる。基準ポイントは、左眼5L及び右眼5Rに共通する1点とされてよい。この場合、基準ポイントは、例えば、左眼5Lに対応する最適観察位置と右眼5Rに対応する最適観察位置との間に位置する点、又は、中点等とされてよい。
観察距離が適視距離より近い場合、コントローラ30は、図14においてAで示される基準ポイントを用いて、右眼画像同一境界16を決定しうる。図14の下方には、X−Y平面に沿って広がる表示装置10の表示面10aが示される。図14の上方には、表示装置10の表示面10aからZ軸の正の方向に適視距離だけ離れ、X−Y平面に平行に広がる適視距離面54が示される。適視距離面54は、ドット領域51を含む。適視距離面54は、各ドット領域51を通り、Y軸に対してバリア傾斜角だけ傾く方向に延びる制御境界52を含む。ドット領域51は、適視距離面54の上で、制御境界52に沿う方向に延在する。右眼5Rは、Z軸方向において、表示面10aと適視距離面54との間に位置する。
図14において、コントローラ30は、基準ポイントから右眼5Rを通って延長される破線と表示面10aとの交点としてqを算出する。コントローラ30は、qからX軸方向の正の方向にs/2だけ離れた点としてq1を算出する。sは、上述の式(5)によって算出される。コントローラ30は、Y軸に対してバリア傾斜角だけ傾く方向にq1から延びる一点鎖線とX軸との交点としてrを算出する。コントローラ30は、q1とrとを通る直線を右眼画像同一境界16とする。コントローラ30は、rからX軸の正及び負の方向にsずつ離れた点として、r1、r2及びr3を算出する。コントローラ30は、r1、r2及びr3を通り、q1とrとを通る直線に平行な線を右眼画像同一境界16とする。右眼画像同一境界16は、バリア20の透光領域21の端線に沿って延在するともいえる。
観察距離が適視距離より遠い場合、コントローラ30は、図15においてAで示される基準ポイントを用いて、右眼画像同一境界16を決定しうる。図15の下方及び上方には、図14と同様に、表示装置10の表示面10a及び適視距離面54がそれぞれ示される。右眼5Rは、Z軸方向において、表示面10a及び適視距離面54よりも正の方向に位置する。
図15において、コントローラ30は、右眼5Rから基準ポイントを通って延長される破線と表示面10aとの交点としてqを算出する。コントローラ30は、qからX軸方向の正の方向にs/2だけ離れた点としてq1を算出する。sは、上述の式(5)によって算出される。コントローラ30は、Y軸に対してバリア傾斜角だけ傾く方向にq1から延びる一点鎖線とX軸との交点としてrを算出する。コントローラ30は、q1とrとを通る直線を右眼画像同一境界16とする。コントローラ30は、rからX軸の正及び負の方向にsずつ離れた点として、r1、r2及びr3を算出する。コントローラ30は、r1、r2及びr3を通り、q1とrとを通る直線に平行な線を右眼画像同一境界16とする。
図14及び15を参照して、基準ポイントを用いて右眼5Rに対応する右眼画像同一境界16を決定する方法が説明された。右眼画像同一境界16が決定されることによって、右眼画像同一領域17が決定される。コントローラ30は、右眼画像同一領域17の範囲内で右眼画像を表示する第2サブピクセル11Rとなるサブピクセル11の番号を決定する。基準ポイントが用いられることによって、利用者の観察距離が適視距離と異なる場合にも、第2サブピクセル11Rとなるサブピクセル11の番号が容易に決定されうる。結果として、利用者に対する立体視の提供が容易にされうる。左眼5Lについても同様に、左眼画像同一境界及び左眼画像同一領域が決定されうる。コントローラ30は、左眼画像同一領域の範囲内で左眼画像を表示する第1サブピクセル11Lとなるサブピクセル11の番号を決定する。
本実施形態に係る3次元表示システム1は、利用者が表示装置10に対して移動した場合でも、表示装置10に表示する画像を制御することによって、利用者に継続して立体視を提供しうる。
図16に示されるように、3次元表示システム1は、ヘッドアップディスプレイ100に搭載されうる。ヘッドアップディスプレイ100は、HUD(Head Up Display)100ともいう。HUD100は、ヘッドアップディスプレイシステムともいう。HUD100は、3次元表示システム1と、光学部材110と、被投影面130を有する被投影部材120とを備える。HUD100は、3次元表示システム1から射出される画像光を、光学部材110を介して被投影部材120に到達させる。HUD100は、被投影部材120で反射させた画像光を、利用者の左眼5L及び右眼5Rに到達させる。つまり、HUD100は、破線で示される光路140に沿って、3次元表示システム1から利用者の左眼5L及び右眼5Rまで画像光を進行させる。利用者は、光路140に沿って到達した画像光を、虚像150として視認しうる。3次元表示システム1は、検出装置40で検出した利用者の左眼5L及び右眼5Rの位置に応じて表示を制御することによって、利用者の動きに応じて立体視を提供しうる。
HUD100及び3次元表示システム1は、移動体に構築されてよい。HUD100及び3次元表示システム1は、構成の一部を、当該移動体が備える他の装置、部品と兼用してよい。例えば、移動体は、ウインドシールドをHUD100及び3次元表示システム1の一部として兼用してよい。構成の一部を当該移動体が備える他の装置、部品と兼用する場合、他の構成をHUDモジュールまたは3次元表示コンポーネントと呼びうる。3次元表示システム1及び表示装置10は、移動体に搭載されてよい。本開示における「移動体」には、車両、船舶、航空機を含む。本開示における「車両」には、自動車および産業車両を含むが、これに限られず、鉄道車両および生活車両、滑走路を走行する固定翼機を含めてよい。自動車は、乗用車、トラック、バス、二輪車、およびトロリーバス等を含むがこれに限られず、道路上を走行する他の車両を含んでよい。産業車両は、農業および建設向けの産業車両を含む。産業車両には、フォークリフト、およびゴルフカートを含むがこれに限られない。農業向けの産業車両には、トラクター、耕耘機、移植機、バインダー、コンバイン、および芝刈り機を含むが、これに限られない。建設向けの産業車両には、ブルドーザー、スクレーバー、ショベルカー、クレーン車、ダンプカー、およびロードローラを含むが、これに限られない。車両は、人力で走行するものを含む。なお、車両の分類は、上述に限られない。例えば、自動車には、道路を走行可能な産業車両を含んでよく、複数の分類に同じ車両が含まれてよい。本開示における船舶には、マリンジェット、ボート、タンカーを含む。本開示における航空機には、固定翼機、回転翼機を含む。
本開示に係る3次元表示システム1は、複数の利用者に対して同時に立体視を提供するものではなく、1人の利用者に対して立体視を提供するものであってよい。
本開示に係る構成は、以上説明してきた実施形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形又は変更が可能である。例えば、各構成部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
本開示に係る構成を説明する図は、模式的なものである。図面上の寸法比率等は、現実のものと必ずしも一致しない。
本開示において「第1」及び「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1方向は、第2方向と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
1 3次元表示システム
5L 左眼
5R 右眼
10 表示装置
10 表示面
11 サブピクセル
11L 第1サブピクセル
11R 第2サブピクセル
12 ピクセル
13L 左眼可視領域
13R 右眼可視領域
14L 左眼遮光領域
14R 右眼遮光領域
15 表示境界
16 右眼画像同一境界
17(17a、17b、17c) 右眼画像同一領域
20 バリア
21 透光領域
22 遮光領域
30 コントローラ
40 検出装置
41 ヘッドトラッキング境界
42(42a、42b) ヘッドトラッキング領域
51 ドット領域
52 制御境界
53 制御領域
54 適視距離面
100 HUD
110 光学部材
120 被投影部材
130 被投影面
140 光路
150 虚像

Claims (11)

  1. 水平方向及び垂直方向に沿って格子状に配列されるサブピクセルを含む表示面を有し、前記サブピクセルの中で前記表示面上の表示境界によって分けられる第1サブピクセル及び第2サブピクセルにそれぞれ左眼画像及び右眼画像を表示する表示装置と、
    前記左眼画像及び右眼画像を遮る遮光領域と、前記左眼画像の少なくとも一部を利用者の左眼に到達させ、前記右眼画像の少なくとも一部を利用者の右眼に到達させる透光領域とを有するバリアと、
    前記表示装置から前記左眼及び右眼の少なくとも一方までの観察距離を検出する検出装置と、
    前記観察距離に応じて前記表示面を前記水平方向に並ぶ複数の分割領域に分割するコントローラと
    を備え、
    前記表示境界は、同一の前記分割領域の中で、前記水平方向に第1位相で周期的に位置し、隣接する前記分割領域の中で、前記水平方向に、前記第1位相と異なる第2位相で周期的に位置する、
    3次元表示システム。
  2. 前記透光領域の端線は、前記垂直方向に対して所定角度で傾斜する方向に延在し、
    前記表示境界は、前記透光領域の端線に沿って位置する、請求項1に記載の3次元表示システム。
  3. 前記第1サブピクセル及び第2サブピクセルは、所定数ずつ前記水平方向に繰り返して並ぶ、請求項1又は2に記載の3次元表示システム。
  4. 前記所定数のサブピクセルは、水平方向に複数列、前記垂直方向に複数行で広がり、
    前記表示境界は、前記所定数を前記複数行で除した数を周期として位置する、請求項3に記載の3次元表示システム。
  5. 前記所定のピッチは、前記表示面に対する前記バリアの配置及び形状で決定される適視距離と、前記左眼と前記右眼との間の眼間距離と、前記所定数と、前記観察距離とに基づいて算出される、請求項3又は4に記載の3次元表示システム。
  6. 前記第1位相及び第2位相は、前記利用者の最適観察位置に応じて決定される基準ポイントに基づいて決定される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の3次元表示システム。
  7. 前記利用者の最適観察位置は、前記表示装置に表示させた所定内容を前記利用者が最適に観察するときの前記利用者の位置であり、
    前記所定内容は、右眼画像の色と左眼画像の色とが異なる、請求項6に記載の3次元表示システム。
  8. 前記第2位相は、前記第1位相に対してサブピクセル1個分だけ異なる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の3次元表示システム。
  9. 前記第2位相は、前記観察距離が前記適視距離より遠い場合と、前記観察距離が前記適視距離より近い場合とで、前記第1位相に対して前記水平方向に沿って逆方向に移動する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の3次元表示システム。
  10. 水平方向及び垂直方向に沿って格子状に配列されるサブピクセルを含む表示面を有し、前記サブピクセルの中で前記表示面上の表示境界によって分けられる第1サブピクセル及び第2サブピクセルにそれぞれ左眼画像及び右眼画像を表示する表示装置と、
    前記左眼画像及び右眼画像を遮る遮光領域と、前記左眼画像の少なくとも一部を利用者の左眼に到達させ、前記右眼画像の少なくとも一部を利用者の右眼に到達させる透光領域とを有するバリアと、
    前記表示装置から前記左眼及び右眼の少なくとも一方までの観察距離を検出する検出装置と、
    前記観察距離に応じて前記表示面を前記水平方向に並ぶ複数の分割領域に分割するコントローラと、
    前記表示装置から射出される画像光を、前記利用者に虚像として視認させる光学部材と
    を備え、
    前記表示境界は、同一の前記分割領域の中で、前記水平方向に第1位相で周期的に位置し、隣接する前記分割領域の中で、前記水平方向に、前記第1位相と異なる第2位相で周期的に位置する、
    ヘッドアップディスプレイシステム。
  11. 水平方向及び垂直方向に沿って格子状に配列されるサブピクセルを含む表示面を有し、前記サブピクセルの中で前記表示面上の表示境界によって分けられる第1サブピクセル及び第2サブピクセルにそれぞれ左眼画像及び右眼画像を表示する表示装置と、
    前記左眼画像及び右眼画像を遮る遮光領域と、前記左眼画像の少なくとも一部を利用者の左眼に到達させ、前記右眼画像の少なくとも一部を利用者の右眼に到達させる透光領域とを有するバリアと、
    前記表示装置から前記左眼及び右眼の少なくとも一方までの観察距離を検出する検出装置と、
    前記観察距離に応じて前記表示面を前記水平方向に並ぶ複数の分割領域に分割するコントローラと、
    前記表示装置から射出される画像光を、前記利用者に虚像として視認させる光学部材と
    を含み、
    前記表示境界は、同一の前記分割領域の中で、前記水平方向に第1位相で周期的に位置し、隣接する前記分割領域の中で、前記水平方向に、前記第1位相と異なる第2位相で周期的に位置する、ヘッドアップディスプレイシステムを備える、
    移動体。

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