JP6820598B2 - 溶射装置搭載車両 - Google Patents

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Description

本発明は、溶射材を加熱して基材に吹き付けることができる溶射装置搭載車両に関する。
プラズマ発生装置を搭載した車両としては、特許文献1に開示されたものが提案されている。特許文献1では、トラックの荷台に水プラズマ発生装置を設置し、また、水プラズマ発生装置の駆動に必要な発電ユニットや冷却機構、廃棄物を投入する投入装置等もトラックの荷台に設置している。
特許第4432086号公報
しかしながら、特許文献1の水プラズマ発生装置は、運転席側に向かってプラズマを放出する構成となっている。このため、かかるプラズマを利用して溶射を実施する場合でも、運転席側を保護するためにウォーターブースを設けることが不可欠となって構造が複雑化する、という問題がある。また、ウォーターブースと水プラズマ発生装置との間に溶射対象となる基材を配置するので、基材の配置スペースが狭くなる制約を受ける、という問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、構造の簡略化を図ることができ、基材の配置スペースの制約を少なくすることができる溶射装置搭載車両を提供することを目的とする。
本発明の溶射装置搭載車両は、荷台を有するトラックと、前記荷台上に搭載されたプラズマ発生装置と、前記プラズマ発生装置によって発生されるプラズマに溶射材を供給する供給装置とを有する溶射装置とを備え、プラズマによって加熱した溶射材を基材に吹き付ける溶射装置搭載車両であって、前記荷台上であって前記プラズマ発生装置がプラズマを発生する方向に溶射が行われる溶射領域が形成され、該溶射領域に前記基材を支持する支持部を設け、前記プラズマ発生装置は、車両後方から側方の範囲における何れかの方向に向かってプラズマを発生することを特徴とする。
この構成によれば、プラズマ発生装置が車両の後方や側方に向かってプラズマを発するので、トラックの運転席側にプラズマを発しなくなる。これにより、運転席を保護するブース等を省略して構造の簡略化を図ることができ、且つ、基材を設置する溶射領域を車両の後方や側方に向かって広く確保し易くなる。従って、長尺物や大型となる基材であっても、荷台上において支持部に支持させて容易に溶射を行うことができる。
前記溶射装置搭載車両において、プラズマ発生装置は、陰極と陽極との間で発生するアーク放電により噴射口から水プラズマを噴射する水プラズマ発生装置であるとよい。この構成では、装置内に供給された水を解離、電離して高エネルギーとなる水プラズマのジェット気流を熱源として溶射を行うことができる。
前記溶射装置搭載車両において、溶射領域は、車両後方、側方及び上方が外部に対して開放した空間であるとよい。この構成では、それらの方向に溶射領域からはみ出るようなサイズの基材を溶射することができ、基材の配置スペースの制約を大幅に緩和することができる。
前記溶射装置搭載車両において、荷台上には、前記基材の溶射面を粗面化する前処理装置が搭載され、前記支持部は、前記前処理装置から前記プラズマ発生装置のプラズマ発生方向側に亘って設けられるとよい。この構成では、前処理装置からプラズマの発生する位置に亘って支持部が設けられるので、支持部を介して前処理からプラズマによる溶射材の吹き付けを一連の工程で迅速且つ容易に実施することができる。
前記溶射装置搭載車両において、前記プラズマ発生装置は、前記荷台上の収納室内に設けられ、前記収納室は、前記プラズマ発生装置のプラズマ発生側となる一部が通過可能な開口と、該開口を開閉する開閉体とを備えているとよい。この構成では、溶射を行わない場合は閉塞した収納室内でプラズマ発生装置を保管でき、溶射を行う場合には開閉体によって開口を開放してプラズマ発生装置による溶射領域での溶射材の吹き付けを行うことができる。
本発明によれば、構造の簡略化を図ることができ、基材の配置スペースの制約を少なくすることができる。
実施の形態に係る溶射装置搭載車両の荷台の内部を透視した側面図である。 荷台の内部を透視した車両の平面図である。 収納室の内部を上下方向中央位置で透視した車両の平面図である。 本実施の形態の溶射装置を一部側断面した説明図である。 ノズルの内部構造を示す断面図である。 チャンバの側断面図である。 チャンバの平面断面図である。 チャンバの縦断面図である。 チャンバの一部と渦水流発生器の分解縦断面図である。 渦水流発生器の分解縦断面図である。 渦水流発生器の一部の分解斜視図である。 図6を一部拡大した渦水流を説明するための図である。 アーク放電及び水プラズマの発生状態の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態に係る各構成は、以下に示す構成に限定されず、適宜変更が可能である。また、以下の図においては、説明の便宜上、一部の構成を省略することがある。
図1は、実施の形態に係る溶射装置搭載車両の荷台の内部を透視した側面図である。なお、特許請求の範囲及び本明細書において、特に明示しない限り、「左」、「右」、「前」、「後」は、車体に対する向きであり、各図において矢印で示した方向を基準として用いる。但し、以下の実施の形態での各構成の向きは、一例にすぎず、任意の向きに変更することができる。
図1に示すように、溶射装置搭載車両(以下、「車両」と称する)10はトラックを基本構造としており、車両前方にキャビン11が設けられ、キャビン11の後方に前後方向に延在する荷台12が設けられている。キャビン11の下部には前輪14及び後輪15を駆動するためのエンジン13が設置されている。荷台12には、前後方向に3つの区画が形成され、前方から後方に向かって順に、発電エリア12Aと、装置収納エリア12Bと、溶射エリア(溶射領域)12Cとを備えている。
続いて、発電エリア12Aの各構成について説明する。図2は、荷台の内部を透視した車両の平面図である。図2に示すように、車両10は、発電エリア12Aにおいて、左右に並んで配置された直流発電機17及び交流発電機18を備えている。発電エリア12Aでは、直流発電機17及び交流発電機18の前後及び左右方向が周壁20によって囲われている。また、発電エリア12Aでは、周壁20の上方には頂壁21(図1参照)が設けられ、頂壁21と周壁20とによって発電エリア12Aを閉塞した空間を形成する。左右両側の周壁20は、ウィングボディとして開閉され、発電エリア12A内を外部に開放し、各発電機17、18を外部に露出可能となっている。交流発電機18は、図1に示すエンジン13とは別のエンジンを搭載し、このエンジンの出力を利用して交流電力を発電するものである。
図1に戻り、直流発電機17は、エンジン13の出力を利用して発電するものである。具体的には、エンジン13の駆動によってプロペラシャフト22が回転され、この回転がギヤボックス23を介して直流発電機17の入力軸を回転させて直流電力が発電される。このように、交流及び直流電力を発電可能とすることで、電源設備のない保管場所においても、後述する水プラズマ発生装置等の各機器を作動させることができる。
次いで、装置収納エリア12Bの各構成について説明する。図1及び図2に示すように、車両10は、装置収納エリア12Bにおいて、閉塞した空間となる収納室25を備えている。また、車両10は、収納室25内に配置された水プラズマ発生装置(プラズマ発生装置)27を更に備えている。水プラズマ発生装置27は、直流発電機17(図4では不図示)から直流電力が供給されて直流アークを発生(アーク放電)させる。この直流アークの発生によって、水プラズマ発生装置27内に供給された水が解離、電離されて高エネルギーとなる水プラズマのジェット気流が噴射される。水プラズマ発生装置27の詳細な構成は後述する。
水プラズマ発生装置27から噴射される水プラズマのジェット気流には、後述するように供給装置を介して溶射材が投入される。水プラズマのジェット気流は、極めて高温で超高速な流体となり、この流体内に投入された溶射材は、瞬時に分解されてプラズマ化してからガスになる。
図3は、収納室の内部を上下方向中央位置で透視した車両の平面図である。図1〜図3に示すように、収納室25内の前方寄りの位置には、供給ポンプ31(図3では不図示)と真空ポンプ32(図2では不図示)とが上下に並設されている。上段の供給ポンプ31は、水プラズマ発生装置27に冷却水及びプラズマ用水を供給するものであり、プラズマ用水は、更に高圧ポンプ33(図3では不図示)によって高圧水として圧送される。真空ポンプ32は、水プラズマ発生装置27から冷却水及びプラズマ用水を排出するために吸引する。真空ポンプ32では水と空気とが混合された状態で吸引するため、混合された水と空気とが気液分離器35(図2では不図示)に送出されて分離される。各ポンプ31〜33及び気液分離器35は、交流発電機18から供給された交流電力によって駆動する。
各ポンプ31〜33と水プラズマ発生装置27とを接続する配管(不図示)の経路においては、サージタンク37(図3では不図示)が設けられている。かかるサージタンク37を介して各ポンプ31〜33による水圧の変化(脈動)が抑制され、安定した水圧によって水プラズマ発生装置27への冷却水及びプラズマ用水の供給及び排出が行えるようになる。
水プラズマ発生装置27の冷却水及びプラズマ用水は、図1及び図3に示す水槽40に貯留され、各ポンプ31〜33によって循環されて利用される。なお、冷却水及びプラズマ用水は、水プラズマ発生装置27に供給する際の水圧が異なるだけで同じ水が利用される。真空ポンプ32で吸引し気液分離器35によって分離された水(冷却水及びプラズマ用水)は水槽40内に流れ込む。水槽40は、収納室25の床部分を二重床構造とし、かかる二重床によって形成される空間内に設置される。水槽40は、前後に2列、左右に4列の合計8体設けられ、図3の矢印で示すように、各水槽40によって蛇行して水が流れる。それぞれの水槽40がパイプ等で接続される。そして、全ての水槽40を流れた水は、荷台12の下方であって後輪15の前方に配置されたラジエータ41を介してタンク42内に流れ込む。かかる水の流れにおいて、水プラズマ発生装置27で加熱された水が冷却され、供給ポンプ31を介して再度水プラズマ発生装置27に供給される。
なお、水プラズマ発生装置27は、図1に示すように、水槽40の上方に設置されているので、水プラズマ発生装置27から発せられる音が水槽40内の水によって減衰するよう防音効果が得られる。また、水槽40の上方にて、水プラズマ発生装置27は、進退機構44を介して前後方向に移動可能に支持されている。進退機構44は、水プラズマ発生装置27を前後に移動できる構成であれば、種々の構成を採用でき、例えば、水槽40上の床面に前後に延びるレール44aを設置し、このレール44aに沿って移動するスライダ44bを設けた構成としてもよい。この場合、スライダ44bをレール44aの延出方向における所定位置で移動規制するストッパ(不図示)が設けられる。進退機構44によって、図1のように水プラズマ発生装置27の後端側が収納室25からはみ出る位置と、水プラズマ発生装置27の全体が収納室25内に収まる位置との間で移動可能となる。
収納室25の後側には、水プラズマ発生装置27の後部が通過可能な開口25aが形成され、この開口25aには開閉体25bが設けられている。開閉体25bとしては、シャッター等が例示でき、閉じたときに収納室25を閉塞した状態に保つ一方、開いたときに開口25aを通じて作業者が、収納室25内と収納室25後方の溶射エリア12Cにおける荷台12上のスペースとで出入り可能となっている。また、溶射を行わない場合は閉塞した収納室25内で水プラズマ発生装置27を保管でき、溶射を行う場合には開閉体25bによって開口25aを開放して水プラズマ発生装置27によって溶射エリア12Cで溶射を行えるようになる。なお、開閉体25bは、シャッター以外の扉等としてもよい。
溶射エリア12Cは、荷台12上にて車両後方、左右両側の側方及び上方が車両10の外部に解放した空間となっている。溶射エリア12Cにおいては、溶射材の供給装置50、溶射対象となる基材Bに前処理を施す前処理装置58、基材Bを支持する支持部59が設けられているが、これらについては後述する。
溶射エリア12Cにおいて、荷台12の左右両側には側あおり板56がそれぞれ設けられる。側あおり板56は、荷台12の左右両端側にヒンジ連結され、図1及び図2に示す水平位置と起立位置(不図示)との間で回転可能となっている。水平位置とした側あおり板56は、荷台12と同一面上に位置するようになり、溶射エリア12Cにおいて荷台12と共に床面として溶射のための作業スペースを形成する。各側あおり板56の前端部には、はしご部57の後端部が連結されている。はしご部57の前端部は接地可能となっており、作業者がはしご部57を介して荷台12と地面との間を容易に昇降できるようになる。はしご部57と側あおり板56とはヒンジ連結され、車両10の走行時等で側あおり板56を起立位置としたときに、起立する側あおり板56の内面に沿ってはしご部57が回転配置される。
ここで、図4に示すように、上述した水プラズマ発生装置27、供給装置50、前処理装置58、支持部59を含んで溶射材を基材に吹き付ける溶射装置60が構成される。以下、本実施の形態の溶射装置60の各構成について説明する。図4は、本実施の形態の溶射装置を一部側断面した説明図である。
水プラズマ発生装置27は、進退機構44及びスタンド70を介して所定の高さ位置に支持されている。水プラズマ発生装置27は、前後に延びる陰極71と、陰極71の後端側が挿入されるチャンバ72と、チャンバ72の斜め下後方に設けられる鉄製円板状の陽極73と、陽極73を支持する陽極支持部75とを備えて構成されている。
陰極71は、炭素からなる丸棒によって形成され、送りねじ軸機構76を介して前後方向に変位してチャンバ72への挿入量を調整可能となっている。チャンバ72は、陽極支持部75の上方に支持板78を介して支持されている。陽極支持部75の前端には、前後に延びる延長筒体79が連結され、延長筒体79の後端にはモータ80が設けられている。モータ80の駆動力は、延長筒体79及び陽極支持部75を通じて陽極73に伝達され、陽極73が回転可能に設けられている。
チャンバ72には、供給ポンプ31を介して冷却水が供給され、また、高圧ポンプ33を介してプラズマ用水が供給される。プラズマ用水の一部は、チャンバ72の後端側から水プラズマとして噴射される。チャンバ72に供給された冷却水と、噴射されなかったプラズマ用水とは、真空ポンプ32を介して吸引される。陽極支持部75においても、陽極73の内部を流す冷却水が供給ポンプ31を介して供給され、陽極73にて吸熱を行った冷却水が真空ポンプ32を介して吸引される。
水プラズマ発生装置27は、チャンバ72の後端側から水プラズマのジェット気流Jを後方に向かって噴射する。そして、荷台12上においては、プラズマ発生装置27のプラズマ発生側つまり後側に、後述のように溶射が行われる溶射エリア12Cが形成される。また、水プラズマ発生装置27は、首振り機構等の不図示の駆動機構を介し、水プラズマのジェット気流Jを噴射する方向や位置を上下及び左右方向に駆動可能に設けられている。
供給装置50は、水プラズマ発生装置27の後方に隣接する位置に配置されたじょうご型のホッパー106を備えている。ホッパー106は、水プラズマ発生装置27と共に上下及び左右方向に駆動するように水プラズマ発生装置27に不図示の支持構造を介して支持又は接続されている。ホッパー106は、下方に向かうに従って縮径する円錐型となる溶射材の収容部108と、収容部108の下端から下方に延びるノズル110とを備えている。収容部108には、粉状又は液状の溶射材が上方から投入され、かかる投入は、溶射前の作業者による手作業や、配管による送出等によって実施される。
ノズル110の先端は、水プラズマ発生装置27から噴射される水プラズマのジェット気流Jの内部に配置されることが好ましく、後述する噴射口145の開口を中心軸線位置C1(図12参照)に沿って延出した空間に配置されることがより好ましい。
続いて、ノズル110の内部構造について図5を参照して説明する。図5は、供給装置のノズルの内部構造を示す断面図である。図5に示すように、ノズル110は、三重管構造となる冷却構造120を備えており、内側から外側に向かって順に第1通路121、第2通路122及び第3通路123を形成している。ノズル110の基端部(図5中上端)は収容部108に接続され、収容部108は第1通路121に連通している。従って、第1通路121は、収容部108に収容される溶射材Mが通過されてノズル110の先端から溶射材Mを投入可能となる。
第2通路122及び第3通路123は、ノズル110の先端側で相互に連通して冷却水が流れる単一の空間となり、この空間には冷却水用の供給路125と排出路126とが連通している。ノズル110の基端側において、供給路125は第2通路122に連通し、排出路126は第3通路123に連通している。具体的には、ノズル110では、図示しないポンプを介して供給路125から冷却水が供給され、第2通路122内に導入される。そして、第2通路122内で冷却水がノズル110の基端側から先端側に向かって通過してから、当該先端で折り返されるように流れて第3通路123内に導入される。第3通路123では冷却水がノズル110の先端側から基端側に向かって通過して排出路126より排出される。このような冷却水の流れによって、水プラズマによって発生した熱が吸収され、ノズル110の長さ方向全体に亘って冷却作用が得られる。
図2に戻り、前処理装置58は、溶射エリア12Cの右半部に設置され、荷台12上で水プラズマ発生装置27と前後に対向しない位置に設置されている。前処理装置58の具体的な構成の説明は省略するが、基材Bに対する溶射材Mの密着性を高めるためにブラスト処理を行い、基材Bの溶射面Baを粗面化する公知の構成が採用される。前処理装置58の前処理は、基材Bの材質、硬さ、溶射材、溶射材による皮膜の厚さ等に応じ、溶射面Baにて適切な表面粗さが得られるブラスト条件を選定してから実施される。ここで、溶射材Mとしては、金属、セラミックス、プラスチック、サーメットやそれらの複合材料等を例示することができる。また、基材Bとしては、金属、セラミックス、プラスチック、木等を例示することができる。
支持部59は、左右方向に延在しており、前処理装置58から水プラズマ発生装置27の後側に亘って設けられている。具体的には、右側が前処理装置58を通過している一方、左側が水プラズマ発生装置27の後方に配置されて水プラズマ発生装置27と前後に対向するよう荷台12上に設けられている。支持部59は、前処理装置58で前処理が完了した基材Bを水プラズマ発生装置27によって溶射できるように所定の高さ位置に支持する。また、支持部59の上面には、ローラ59a等を有する送り機構59b(図4参照)が設けられ、送り機構59bは、前処理装置58から水プラズマ発生装置27の後方まで基材Bを搬送するために用いられる。送り機構59bでは、ローラ59aを回転駆動して基材Bを左方向に移送する他、ローラ59aを従動回転可能として当該ローラ59a上の基材Bの移動を案内するようにしてもよい。このような構成では、支持部59を介して前処理から水プラズマ発生装置27による溶射を一連の工程で簡単且つ短時間で行うことができる。
支持部59の内部には、冷却用の水が通過する配管やラジエータ等を含む冷却手段59cが設けられている。冷却手段59cには、水槽40に流れ込む水が分岐して流れ込み、冷却手段59cで吸熱を行った水がラジエータ41やタンク42等に流れるよう排出される。従って、基材Bが溶射によって加熱されても、その熱がローラ59a等を介して冷却手段59cに伝わり、冷却用の水で吸熱して基材Bを冷却することができる。
次いで、チャンバ72の内部構造について図6ないし図8を参照して説明する。図6は、チャンバの側断面図、図7は、チャンバの平面断面図、図8は、チャンバの縦断面図である。
図6及び図7に示すように、水プラズマ発生装置27を構成するチャンバ72は、前後方向に延びる円筒内周面を形成するチャンバ本体140と、チャンバ本体140の後方には装着された後壁部141とを備え、それらの内側に水プラズマを発生させるための内部空間142を形成している。後壁部141には内部空間142に連通する開口が形成され、この開口を後方から塞ぐように噴射口形成板144が取り付けられている。噴射口形成板144には水プラズマを噴射する噴射口145が形成されている。
チャンバ本体140の内部には、後方寄りの位置に周方向に延びるリブ140aが形成され、このリブ140aより後側にプラズマ用水供給路147が形成されている。また、後壁部141には、その開口内に流れ込むプラズマ用水を排出するプラズマ用水排出路148が形成されている。プラズマ用水供給路147には、高圧ポンプ33から高圧なプラズマ用水が供給され、プラズマ用水排出路148からは真空ポンプ32の負圧によってプラズマ用水が吸引される。
チャンバ本体140のリブ140aより前側には冷却水供給路150及び冷却水排出路151(図7では不図示)が形成されている。冷却水供給路150には、供給ポンプ31から冷却水が供給され、冷却水排出路151からは真空ポンプ32の負圧によって冷却水が吸引される。プラズマ用水供給路147、冷却水供給路150及び冷却水排出路151は、円筒内周面となる丸穴状に形成されている。
図8に示すように、プラズマ用水供給路147は、縦断面視で円形となる内部空間142の下部で連通して左右方向に延出している。具体的には、内部空間142の下部接線方向にプラズマ用水供給路147が延在し、より具体的には、プラズマ用水供給路147の下端が内部空間142の下端から延びる接線上に位置している。これにより、プラズマ用水供給路147から流れ込むプラズマ用水が内部空間142の周方向に沿って滑らかに流れる。
なお、プラズマ用水供給路147の内径d1は、内部空間142を形成するチャンバ本体140の内周面と後述する筒状部162との間の幅h1と同一又は概略同一に設定されている。冷却水供給路150を縦断面視した形状は、プラズマ用水供給路147と同じとなり、プラズマ用水と同様に冷却水も内部空間142に流れ込ませることができる。また、冷却水排出路151は、縦断面視で内部空間142の上部に連通して左右方向に延出している。
水プラズマ発生装置27は、チャンバ72内に収容される概略筒状の渦水流発生器160を備えている。渦水流発生器160は、内部空間142と中心軸線位置C1が一致するように配置されている。なお、この中心軸線位置C1は、後述する噴射口145の中心軸線位置C1(図12参照)と一致する。従って、縦断面視で内部空間142は、その内周面と渦水流発生器160の外周面との間で円状の空間を形成し、上述のように内部空間142に流れ込んだプラズマ用水は、円状の空間を旋回するように流れる。
図9は、チャンバの一部と渦水流発生器の分解縦断面図である。図9に示すように、渦水流発生器160は、円筒状をなす筒状部162と、筒状部162の内周から突出するように形成された第1中間仕切部163及び第2中間仕切部164と、筒状部162の一端側(前端側)に形成される前側仕切部(一端側仕切部)165と、筒状部162の他端側(後端側)に形成される後側仕切部(他端側仕切部)166とを備えた形状に形成されている。第1中間仕切部163は第2中間仕切部164より前方に配置されている。前側仕切部165は、前方の陰極71(図6参照)に対向して配置される。渦水流発生器160の後端部は、後壁部141の開口に嵌め込まれる。
図10は、渦水流発生器の分解縦断面図である。図10に示すように、筒状部162は、軸方向(前後方向)に複数に分割可能な構造となっており、噴射口145側(後側)に位置する後端部170と、後端部170と反対側(前側)に位置する前端部171と、それらの間に位置する第1中間部173、第2中間部174、3体の水流形成リング176及び6体のスペーサリング177とによって形成される。3体の水流形成リング176の前後両側にスペーサリング177がそれぞれ設けられ、スペーサリング177の内周が前方又は後方に突出して水流形成リング176の内周に嵌り込む。第1中間部173及び第2中間部174は、スペーサリング177を介在させた状態で前後両側から水流形成リング176によって挟まれるように配置される。そして、前後に3体並ぶ水流形成リング176のうち、最後の水流形成リング176の後方にスペーサリング177を介在させて後端部170が設けられ、最前の水流形成リング176の前方にスペーサリング177を介在させて前端部171が設けられている。
図11は、渦水流発生器の一部の分解斜視図である。図10及び図11に示すように、後端部170は、後側仕切部166の外周にフランジ状に連なって形成され、前端部171は、前側仕切部165の外周にフランジ状に連なって形成されている。従って、後端部170と後側仕切部166とによって一部品となるヘッド部160Aが形成され、前端部171と前側仕切部165とによって一部品となるエンド部160Bが形成される。また、第1中間部173は、第1中間仕切部163の外側にフランジ状に連なって形成され、第2中間部174は、第2中間仕切部164の外側にフランジ状に連なって形成される。従って、第1中間部173と第1中間仕切部163とによって一部品となる穴有り円板部160Cが形成され、第2中間部174と第2中間仕切部164とによって一部品となる穴有り円板部160Dが形成される。
各仕切部163〜166は、筒状部162の中心軸線位置C1を含むように円形の開口部163a〜166aを備えている。本実施の形態では、開口部163a〜166aの中心位置は、中心軸線位置C1に一致している。各開口部163a〜166aの開口形状は、異なる大きさに形成されている。具体的には、前側仕切部165の開口部165aの開口径D1が最も大きく、第1中間仕切部163の開口部163aの開口径D2が最も小さく形成されている。また、第2中間仕切部164の開口部164aの開口径D3、後側仕切部166の開口部166aの開口径D4とすると、D4>D3>D2となる大小関係となっている。これにより、第1中間仕切部163の開口部163aから後方に向かう(陰極71(図6参照)から離れる)に従って開口径(開口形状)が大きくなり、錘状となる空間が形成される。
各仕切部163〜166の前面は、各開口部163a〜166aの中心位置に近付くに従って後方に向かう(陰極71(図6参照)から離れる)テーパ面163b〜166bによって形成されている。第1中間仕切部163、第2中間仕切部164、後側仕切部166のテーパ面163b、164b、166bは、椀状面に沿って凹むように湾曲している。具体的には、テーパ面163b、164b、166bの断面視で、開口部163a、164a、166aの近傍領域が中心軸線位置C1に直交する面上に位置し、かかる領域から外側に行くほど傾斜が急になる湾曲面となっている。各仕切部163〜166の後面は、中心軸線位置C1に直交する面上に位置するように形成される。
第1中間仕切部163、第2中間仕切部164、後側仕切部166では、開口部163a、164a、166aとテーパ面163b、164b、166bとの間に円弧状の面取り部163c、164c、166cが形成されている。面取り部163c、164c、166cの曲率は、テーパ面163b、164b、166bの曲率より大きく設定されている。
ここで、図8及び図10に示すように、3体の水流形成リング176それぞれには、複数の通路180が形成されている。本実施の形態では、1体の水流形成リング176に3つの通路180が形成され、図8では、2つの通路180が不図示となっている。このように通路180が形成されることで、中心軸線位置C1の延出方向では、水流形成リング176が配置される3箇所位置で通路180が3つずつ形成され、当該3つの通路180の前後方向での位置が同じとなる。また、通路180は、前後に隣り合う仕切部163〜166の間それぞれに、3つずつ形成されることとなる。各通路180は、円筒内周面となる丸穴状に形成されている。
図8に示すように、通路180は、水流形成リング176の周方向に等角度毎(本実施の形態では120°毎)に形成されている。各通路180は、水流形成リング176の内外で連通するように貫通しており、厚さ方向に対して傾斜する方向に延出している。具体的には、各通路180は、連通位置における水流形成リング176の内周接線方向に延在し、より具体的には、水流形成リング176の内周接線位置に通路180の内周面が線状に重なるように形成されている。従って、通路180の最も内側の端縁と水流形成リング176の内周との間で隆起した部分がないように形成される。また、通路180の外部から内部にプラズマ用水が流れる方向と、水流形成リング176の外部でプラズマ用水が旋回して流れる方向とでなす角度θは鋭角となっている。
上記のように通路180を形成したので、筒状部162の外部でチャンバ本体140の内周面に沿って流れるプラズマ用水は、通路180を通過して筒状部162の内部に流れ込む。そして、プラズマ用水が筒状部162の内周面に沿って滑らかに流れるようになり、縦断面視で中心軸線位置C1に空洞を形成するように円状に旋回する渦水流が形成される。
水プラズマ発生装置27は、チャンバ72内において、渦水流発生器160の前方に更に種々の構成を備えている。以下、かかる構成について、後方の構成から前方に向かって順に説明する。
図6に示すように、チャンバ本体140のリブ140a前面には、円筒状のストッパ201が接触して設けられている。ストッパ201の開口部には、渦水流発生器160における前側仕切部165及び前端部171が嵌り込み、渦水流発生器160が前方に移動しないように位置決めしている。
ストッパ201の前面には、段付き円筒状のケース202が接触して設けられ、このケース202の前面には、円筒状の水流形成筒体203が嵌め込まれて設けられている。図7にも示すように、水流形成筒体203は、上述した通路180と同様の形状をなす複数の通路203aが形成されている。これら通路203aによって冷却水供給路150から内部空間142に供給される冷却水が水流形成筒体203内に流れ込み、陰極71と接触して冷却する。冷却を行った冷却水は冷却水排出路151(図7では不図示)から排出される。
なお、冷却水供給路150から供給される冷却水は、ストッパ201等を通じて後方の渦水流発生器160に流れ込み、プラズマ用水としても利用される。また、プラズマ用水がストッパ201等を通じて陰極71を冷却することを妨げるものでない。要するに、プラズマ用水及び冷却水は、供給位置及び供給圧力の違いによって主として利用される用途を意味するものであり、それぞれ互いの用途を兼ね備えて利用される。
水流形成筒体203の左側にはセンサ用穴203bが形成され、このセンサ用穴203bに対向する位置にはセンサ204(図6では不図示)が設けられている。センサ204は、チャンバ本体140に形成されたセンサ取付孔140b(図6では不図示)内に装着されている。センサ204は、センサ用穴203bを通じて当該センサ用穴203bの前後位置での陰極71の有無を検出する。センサ204によって陰極71がないことを検出すると、その検出データが制御手段(不図示)に出力されて送りねじ軸機構76(図4参照)を駆動し、陰極71を所定量後退させる。これにより、陰極71の後端位置をセンサ用穴203bから後方への所定範囲内に維持することができる。
水流形成筒体203の前方には、内部に段差が形成された段付き円筒状のケース206が設けられている。ケース206の後端部は、水流形成筒体203の前端側に嵌め込まれている。ケース206の内部には、陰極71に接触して保持する接触体207が設けられている。接触体207は、図示省略したが周方向所定角度毎に分割して形成され、その内径寸法が可変となっている。また、接触体207の外周にはリング状の弾性体208が設けられ、この弾性体208の弾性力によって接触体207を介して陰極71を締め付けて陰極71と接触体207との接触状態が保たれる。
接触体207の前端面には、リング状のシール保持体209が接触しており、シール保持体209の内部にはシール210が設けられている。シール210は、陰極71との間での液密性を維持し、冷却水がシール210より前方に漏出することが規制される。
シール保持体209の前端面には、リング状のコネクタ211が接触しており、コネクタ211には、アダプタ等(不図示)を介して配線213が接続されている。配線213には、配電盤等を介して直流発電機17(図2参照)からの直流電力が供給される。コネクタ211、シール保持体209及び接触体207は導電体によって構成され、これらを通じて陰極71と配線213との電気的な導通が行われる。これにより、陰極71にアーク放電を発生させるための直流電力が供給される。
コネクタ211の前端面には、リング状のスペーサ214が接触しており、スペーサ214の前端面には、陰極71が貫通される止めねじ215が接触している。チャンバ本体140の前方における内周面には、止めねじ215にねじ結合可能な雌ねじ(不図示)が形成され、止めねじ215をねじ込んで後方移動させることで、上述した渦水流発生器160前方の各構成における前後方向の位置決めが行われる。
なお、チャンバ72内において、符号221〜225を付した構成は、Oリング等からなるシール部材であり、それらの接触面での液密性を維持するものである。
次に、渦水流発生器160における渦水流について説明する。図8に示すように、プラズマ用水供給路147から高圧となるプラズマ用水を供給すると、内部空間142を形成するチャンバ本体140の内周面と渦水流発生器160の外周面との間で筒状に形成される空間で旋回するようにプラズマ用水が流れる。この旋回するプラズマ用水の流れによって、プラズマ用水が通路180を通過して筒状部162の内部に流れ込む。このとき、通路180の内周面が水流形成リング176の内周接線位置に線状に重なるので、プラズマ用水が筒状部162の内周面に沿って滑らかに流れるようになる。
図12は、図6を一部拡大した渦水流を説明するための図である。図12に示すように、通路180から筒状部162の内側に流れ込んだプラズマ用水は、前後方向で隣り合う仕切部163〜165の間で旋回するように流れる。ここで、旋回して流れるプラズマ用水は、後壁部141に形成されたプラズマ用水排出路148から吸引される。このため、プラズマ用水は、開口部163a、164a、166aを通じて後方に流れ、後側仕切部166の後端と噴射口形成板144との間の隙間を通過してプラズマ用水排出路148から排出される。このとき、中心軸線位置C1に空洞Hを形成するように旋回する渦水流Wが形成される。ここで、図9及び図11に示すように、開口部163a、164a、166aの開口径D2〜D4がD4>D3>D2となる大小関係となるときに、最も安定して渦水流Wの空洞Hが形成することができる。また、テーパ面163b、164b、166bが椀状面に沿って凹むように湾曲したり、円弧状の面取り部163c、164c、166cを形成したりしたので、渦水流Wの形成を阻害するような乱流が発生し難くなって空洞Hの安定形成に寄与することができる。なお、プラズマ用水は、旋回する流れによって渦水流発生器160やチャンバ本体140を冷却する効果も奏する。
空洞Hを備えた渦水流Wが形成された状態で、図13に示すように、陽極73及び陰極71に直流電力が供給されると、それらの間にアーク放電ARが発生される。このとき、渦水流Wの空洞Hを通過するようにアーク放電ARが発生される。このアーク放電ARの発生によって、渦水流Wを形成するプラズマ用水が解離、電離されて高エネルギーとなる水プラズマのジェット気流Jが噴射口145から噴射される。
次いで、基材Bに対する溶射方法について図4を参照して説明する。溶射の前の準備として、溶射エリア12Cにおける水プラズマ発生装置27の後方に前処理装置58で前処理された基材Bを配置する。基材Bは、支持部59を介して前処理装置58から水プラズマ発生装置27の後方に移動され、水プラズマのジェット気流Jの噴射位置に応じた所定高さで支持される。
溶射においては、水プラズマ発生装置27の噴射口145(図12参照)から後方に向かって極めて高温で超高速な流体となるジェット気流Jを噴射する。そのジェット気流Jの中に供給装置50のノズル110を通じて溶射材Mを投入し、溶射材Mを加熱、加速することで溶融またはそれに近い状態にして基材Bに吹き付ける。この吹き付けによって、基材Bの溶射面Baに対し、溶射材Mが凝固し密着することで溶射皮膜が形成される。
溶射中の供給装置50のノズル110、特にその先端は水プラズマのジェット気流J中に位置するために多大なエネルギーを受けて加熱されるが、図5を用いて上述した冷却構造120によって加熱による損傷を抑制することができる。
上記実施の形態によれば、水プラズマ発生装置27から後方に向かって水プラズマを噴射し、車両10の荷台12上の後方領域となる溶射エリア12Cで溶射することができる。これにより、前方に向かってプラズマを発生する場合に比べ、キャビン11を保護する装置をなくして荷台12上の構造の簡略化、軽量化を図ることができる。また、溶射が行われる溶射エリア12Cは、後方、左右両側方、上方が開放しているので、溶射対象となる基材Bの大型化、長尺化に対応できるスペースを容易に確保することができる。例えば、図2に示すように、基材Bが荷台12の左右幅より大きい長尺物であっても、その端部が荷台12からはみ出た状態として溶射を行うことができ、溶射対象を拡大することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状、方向などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、水プラズマ発生装置27にてプラズマを噴射して発生される向きは、上記のように後方に限定されるものでなく、後方から左右の側方の範囲における何れかの方向に変更してもよい。これによっても、キャビン11を保護する構造をなくすことができ、且つ、溶射領域となる基材Bの配置スペースを荷台12の後方や左右の側方等に拡大して該配置スペースが狭くなる制約を緩和することができる。
また、上記実施の形態では、プラズマ発生装置として水プラズマ発生装置27を用いた場合を説明したが、これに限られるものでない。例えば、電極の間に不活性ガスを流して放電することで電離して高温、高速のプラズマを発生するガスプラズマ発生装置や、その他のプラズマ発生装置を用いてもよい。
また、溶射において、荷台12を含む車両10の外部に溶射対象となる基材Bをセットし、水プラズマ発生装置27から発生するプラズマによって溶射材Mを吹き付けてもよい。
また、供給装置50のノズル110の向きは、上向きとして圧縮エアー等を介して溶射材Mを圧送、供給するようにしてもよい。更に、ノズル110の本数は、複数本としてもよい。
本発明は、構造の簡略化を図ることができ、基材の配置スペースの制約を少なくすることができる、という効果を得る。
10 車両(溶射装置搭載車両)
12 荷台
12C 溶射エリア(溶射領域)
25 収納室
25a 開口
25b 閉塞体
27 水プラズマ発生装置(プラズマ発生装置)
50 供給装置
58 前処理装置
59 支持部
60 溶射装置
71 陰極
73 陽極
145 噴射口
AR アーク放電
B 基材
J ジェット気流
M 溶射材

Claims (5)

  1. 荷台を有するトラックと、
    前記荷台上に搭載されたプラズマ発生装置と、前記プラズマ発生装置によって発生されるプラズマに溶射材を供給する供給装置とを有する溶射装置とを備え、プラズマによって加熱した溶射材を基材に吹き付ける溶射装置搭載車両であって、
    前記荷台上であって前記プラズマ発生装置がプラズマを発生する方向に溶射が行われる溶射領域が形成され、該溶射領域に前記基材を支持する支持部を設け、
    前記プラズマ発生装置は、車両後方から側方の範囲における何れかの方向に向かってプラズマを発生することを特徴とする溶射装置搭載車両。
  2. 前記プラズマ発生装置は、陰極と陽極との間で発生するアーク放電により噴射口から水プラズマを噴射する水プラズマ発生装置であることを特徴とする請求項1に記載の溶射装置搭載車両。
  3. 前記溶射領域は、車両後方、側方及び上方が外部に対して開放した空間であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶射装置搭載車両。
  4. 前記荷台上には、前記基材の溶射面を粗面化する前処理装置が搭載され、
    前記支持部は、前記前処理装置から前記プラズマ発生装置のプラズマ発生方向側に亘って設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の溶射装置搭載車両。
  5. 前記プラズマ発生装置は、前記荷台上の収納室内に設けられ、
    前記収納室は、前記プラズマ発生装置のプラズマ発生側となる一部が通過可能な開口と、該開口を開閉する開閉体とを備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の溶射装置搭載車両。
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