以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る遊技機としてぱちんこ遊技機PMを図1〜図3に示しており、まず、この図を参照してぱちんこ遊技機PMの全体構成について説明する。なお、本実施形態のぱちんこ遊技機PMは、従来の第1種ぱちんこ遊技機に相当する機能を二つ混在した機種であり、第1の遊技(第1特別図柄遊技)と第2の遊技(第2特別図柄遊技)との両立を実現している。本実施形態において、図2の各矢印で示す方向をそれぞれ、上下方向、前後方向、左右方向として説明する。
[ぱちんこ遊技機の全体構成]
始めに、ぱちんこ遊技機PMの前面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1と、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2とを主体に構成される。前枠2は、外枠1および前枠2の左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3a,3bにより、外枠1の前側開口部に対して横開き開閉および着脱が可能に取り付けられる。また、前枠2は、右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して、常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2の前面側には、図2に示すように、この前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス枠5が上下のヒンジ機構3a,3bを利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられる。ガラス枠5は、上述の施錠装置4を利用して、常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。図1に示すように、前枠2の上側に設けられた収容枠2aに遊技盤50が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5の複層ガラス5aを通して、遊技盤50の前面に設けられた遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。なお、図1において遊技領域PAの詳細な記載を省略している。
図2に示すように、ガラス枠5の左下部前面側には、遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿6aおよび下球皿6b)が設けられる。ガラス枠5の中央下部前面側には、遊技者によって押圧操作される演出ボタン10が設けられる。ガラス枠5の上部前面側には、遊技の展開状況に応じて発光する枠ランプ7や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生させるスピーカ8が設けられる。
図1に示すように、前枠2の右下部には、遊技球の発射操作を行う発射ハンドル9が設けられる。前枠2の下部におけるガラス枠5の後側の領域(以降、遊技補助盤20と称する)には、上球皿6aに貯留された遊技球を1球ずつ送り出す球送り機構21、球送り機構21から送り出された遊技球を遊技領域PAに向けて打ち出す発射機構22等が設けられる。
続いて、ぱちんこ遊技機PMの後面側の基本構造を説明する。図3に示すように、前枠2の後面側には、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された裏機構盤30が取り付けられている。裏機構盤30の各部には、遊技施設側から供給される遊技球を貯留するタンク部材33、タンク部材33から供給される遊技球を流下させる樋部材34、樋部材34を流下する遊技球を払い出す賞球払出ユニット35、賞球払出ユニット35から払い出された遊技球を上球皿6aもしくは下球皿6bに流下させる裏側通路部材36等が設けられている。また、裏機構盤30には、遊技盤100の後側を全体的に覆う遊技盤カバー39が取り付けられる。
遊技盤50の後側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御する主制御基板(主制御基板ユニット)100や、演出全般の制御を行う演出制御基板(演出制御基板ユニット)200、遊技展開に応じた画像表示、効果音の制御を行う画像制御基板(画像制御基板ユニット)300等が取り付けられている。これに対して、裏機構盤30の後側には、遊技球の発射及び払い出しに関する制御を行う払出制御基板(払出制御基板ユニット)400や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板(電源基板ユニット)450等が取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造および封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で、遊技盤50の後側もしくは裏機構盤30の後側にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島(設置枠台)に固定設置され、前枠2、ガラス枠5等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、上球皿6aに遊技球を貯留させて発射ハンドル9を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル9が回動操作されると、上球皿6aに貯留された遊技球が、球送り機構21によって1球ずつ発射機構22に送り出され、発射機構22により遊技領域PAに打ち出されて、以降パチンコゲームが展開される。
[遊技盤の構成]
次に、本実施形態に係る遊技盤50の概要構成について、図4を参照して説明する。本実施形態に係る遊技盤50は、図4に示すように、板状のベース部材51と、ベース部材51の前面側に取り付けられた内レール部材56および外レール部材57とを有し、ベース部材51の前面に、左側の領域が内レール部材56に囲まれるとともに、上側および右側の領域が外レール部材57に囲まれた遊技領域PAが形成される。なお、内レール部材56と外レール部材57との間に、発射機構22が設けられる側から遊技領域PAの上部へと繋がる発射通路59が形成される。
遊技領域PAには、風車や多数本の遊技釘とともに、第1始動口60、第2始動口65、作動ゲート70、大入賞口75等の各種入賞口の他、第1特別図柄表示装置81(図70を参照)、第2特別図柄表示装置82(図70を参照)、第1特図保留ランプ83、第2特図保留ランプ84、普通図柄表示装置85(図70を参照)、普図保留ランプ86(図70を参照)等の各種表示装置が設けられている。遊技領域PAの略中央にはセンター飾り90が配設されており、このセンター飾り90の中央開口を通して演出表示装置95の画面95aが視認可能に設けられている。遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに転動流下した遊技球を遊技盤50の裏側へ排出するアウト口99が設けられている。以下、遊技盤50に設けられた各構成要素を順番に説明する。
第1始動口60は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動口スイッチ61を備えている。第1始動口60への遊技球の入球は、第1特別図柄抽選の契機となる。
第2始動口65は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチ66を備えている。第2始動口65への遊技球の入球は、第2特別図柄抽選の契機となる。また、第2始動口65は、いわゆるベロ型チャッカーとも称される普通電動役物67と、この普通電動役物67を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイド68(図70を参照)とを備える。普通電動役物67は、第2始動口65へ遊技球が入球し難い閉鎖状態と該状態よりも遊技球が入球し易い開放状態とに可変する。
作動ゲート70は、普通図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の通過を検出するための作動ゲートスイッチ71を備えている。なお、作動ゲート70への遊技球の通過は、第2始動口65の普通電動役物67を拡開させるか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。
大入賞口75は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選で大当り又は小当りとなった場合に開放状態となる、横長方形状を有して遊技領域PAの下方に配置された入賞口である。大入賞口75は、遊技球の入球を検出するための大入賞口スイッチ76を備えるとともに、いわゆるアタッカー装置と称される特別電動役物77と、この特別電動役物77を開閉駆動させるための大入賞口ソレノイド78(図70を参照)とを備えている。特別電動役物77は、大入賞口75に遊技球が入球不能又は入球困難な通常状態と、大入賞口75に遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態とに可変する。
第1特別図柄表示装置81(図70を参照)は、遊技球が第1始動口に入球したことを契機として、第1特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第1特別図柄表示装置81は、図4において詳細な図示を省略するが、例えば8個のLEDランプから構成され、第1特別図柄の変動表示は当該ランプの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第1特別図柄が確定表示される。
第2特別図柄表示装置82(図70を参照)は、遊技球が第2始動口に入球したことを契機として、第2特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第2特別図柄表示装置82は、図4において詳細な図示を省略するが、例えば8個のLEDランプから構成され、第2特別図柄の変動表示は当該ランプの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第2特別図柄が確定表示される。
第1特図保留ランプ83および第2特図保留ランプ84は、例えば4個のLEDランプからそれぞれ構成され、当該ランプの点灯・点滅表示によって第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数(最大4個)を表現する。第1特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第1始動口へ入球した遊技球の個数であり、図柄変動の実行許可が一旦保留された数を示している。第2特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第2始動口へ入球した遊技球の個数であり、図柄変動の実行許可が一旦保留された数を示している。
図4において詳細な図示を省略するが、普通図柄表示装置85(図70を参照)は、例えば2個のLEDランプから構成され、普通図柄の変動表示及び確定表示を行う。普図保留ランプ86(図70を参照)は、例えば4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が普通図柄変動の保留数(まだ実行されていない普通図柄変動の数)に相当する。なお、普通図柄表示装置85の近傍には、特別遊技におけるラウンド遊技の回数(ラウンド数:特別電動役物77が連続して作動する回数)を表示するラウンド表示器(図示せず)が設けられる。
演出表示装置95は、主として、第1特別図柄又は第2特別図柄と連動して変動表示・停止する装飾図柄や予告演出を含む演出画像を表示するとともに、第1特別図柄および第2特別図柄の保留表示を行う。具体的には、演出表示装置95の画面95a上に、装飾図柄の変動表示や予告演出表示などが実行される装飾図柄表示部96と、第1特図保留ランプ83と同期して第1特別図柄の保留表示が実行される第1特図保留表示部97と、第2特図保留ランプ84と同期して第2特別図柄の保留表示が実行される第2特図保留表示部98とが設けられている。本実施形態では、演出表示装置95として、液晶表示装置を採用している。装飾図柄表示部96には、所定の有効ライン(不図示)上に、装飾図柄の変動表示領域となる三列の表示領域(左表示領域Z1、中表示領域Z2、右表示領域Z3)が設けられており、左表示領域Z1に対応して装飾図柄の右図柄、中表示領域Z2に対応して装飾図柄の中図柄、右表示領域Z3に対応して装飾図柄の右図柄がそれぞれ停止表示されるようになっている。特図保留表示部97,98には、通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生起されると白丸印の保留画像が表示される一方、当該作動保留球が消化されると対応する保留画像が消失される。この保留画像は、特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示され、各保留表示部97,98に最大で4個ずつ表示が可能である。
センター飾り90は、演出表示装置95の周囲に設置され、遊技球の流路、演出表示装置95の画面95aの保護、装飾等の機能を有する。センター飾り90には、遊技の展開状況に応じた演出動作を実行する複数の演出装置(上側演出装置500、左下側演出装置600、左上側演出装置700、右側演出装置800、および下側演出装置900)が設けられている。各演出装置は、駆動源として電動の駆動モータ(ステッピングモータ)を備えて構成されている。なお、演出装置の駆動源として、例えばソレノイド等の他の駆動源を用いてもよい。また、センター飾り90には、遊技の展開状況に応じて発光する盤ランプ(LEDランプ)91が設けられている。以下の説明では、便宜上、各演出装置が備える駆動モータを総称して「モータM」とも称する。枠ランプ7および盤ランプ91等の演出用ランプを総称して「演出ランプLP」とも称する。演出表示装置95および後述の副表示装置561を総称して「画像表示装置DS」とも称する。なお、本実施形態では、演出ランプLPとして、LEDランプを用いているが、ランプ演出効果を発揮できるものであれば、LEDランプ以外の他の発光手段であってもよい。
遊技領域PAを転動流下する遊技球が、第1始動口60、第2始動口65、作動ゲート70、大入賞口75のいずれかに入球すると、その入賞口の種別に応じた賞球が賞球払出ユニット35により上球皿6a又は下球皿6bに払い出される。遊技球が第1始動口60(第2始動口65)に入球すると、第1特別図柄表示装置81(第2特別図柄表示装置82)において第1特別図柄(第2特別図柄)が変動表示されるとともに、これと同期して演出表示装置95の装飾図柄表示部96において装飾図柄が変動表示される。第1特別図柄、第2特別図柄、装飾図柄の変動表示は、先だって抽選によって決定された変動時間の経過後に停止(確定表示)される。
第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口75の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施形態では、特別遊技として、ラウンド遊技が2回(2ラウンド)に設定された2R特別遊技と、ラウンド遊技が12回(12ラウンド)に設定された12R特別遊技と、ラウンド遊技が16回(16ラウンド)に設定された16R特別遊技と、が設けられている。
本実施形態では、2R特別遊技、12R特別遊技および16R特別遊技のいずれに移行されたとしても、特別遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能(以下「確変」ともいう)が作動する場合がある。特別図柄の確率変動機能が作動した場合には、通常の確率状態よりも特別図柄の大当り確率が高い抽選が行われるため、比較的早期に新たな特別遊技が発生するようになる。
一方、特別遊技が終了した後は、確率変動機能に付随して、一律に特別図柄の変動時間短縮機能(以下「時短」ともいう)が作動する。特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、特別図柄及び装飾図柄の平均的な変動時間が通常状態よりも短縮される傾向となり、通常状態よりも単位時間当たりの当否抽選回数が向上する(単位時間当たりの大当りの獲得容易性を高めることができる)。なお、本例における、時短状態の継続期間は、その特別遊技の終了から特別図柄の所定変動回数(例えば50回)の期間に設定される。一方、特別図柄の確率変動機能に付随した変動時間短縮機能であれば、その特別遊技の終了後から次の大当りが発生するまでの期間に設定される。
特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、いわゆる電チューサポート機能が作動し、電チューサポート状態(入球容易状態)に移行する。入球容易状態は、普通図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通電動役物の開放時間延長機能、が作動することにより、第2始動口65への入球容易性が高められる状態である。この入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口65への入球容易性も高まるため、第2始動口65への入球数が増加する可能性も向上する。したがって、特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能の作動により、その期間中は第2始動口65への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち球をほとんど減らさずに遊技を継続することが可能となる。
[上側演出装置の構成]
次に、図5〜図20を追加参照して、上側演出装置500について説明する。上側演出装置500は、図6に示すように、センター飾り90の上部前側に設けられる。上側演出装置500は、図5および図10に示すように、上側ベース部501と、第1上側支持部521と、第2上側支持部531と、支持カバー部541と、カバー発光部551と、副表示装置561と、第1上側演出部材571と、第2上側演出部材581とを有して構成される。
上側ベース部501は、図11および図12に示すように、樹脂材料を用いて左右に延びる板状に形成される。上側ベース部501は、上側ベース部501の後側を覆うベースカバー504とともに、センター飾り90の上部前側に取り付け固定される。上側ベース部501の左側に、長穴状の左ガイド穴502が形成される。上側ベース部501の右側に、長穴状の右ガイド穴503が形成される。左ガイド穴502の上部は、鉛直に対し右斜めに傾斜する方向に延びるように形成され、左ガイド穴502の下部は、左ガイド穴502の上部に対しさらに右斜めに傾斜する方向に延びるように形成される。右ガイド穴503は、左ガイド穴502の上部と略平行に延びるように形成される。右ガイド穴503に、第1上側支持部521の右ガイドピン523がスライド移動可能に係合する。これにより、上側ベース部501は、上側ベース部501の前側において、(演出表示装置95の画面95aの前方に重ならない)相対的に上方の初期位置(以降、他の初期位置と区別するために上側初期位置と称する)と、上側初期位置の左下方に位置して演出表示装置95の画面95aの前方に重なる演出位置(以降、他の演出位置と区別するために上側可動位置と称する)との間で、第1上側支持部521を斜め方向に上下移動可能に支持する。なお、左ガイド穴502に、第1上側演出部材571の左ガイドピン577がスライド移動可能に係合する。上側ベース部501の左部前側に、第1上側支持部521と結合される第2上側支持部531の左縁部をスライド移動可能にガイドする左側ガイド部519が形成される。
上側ベース部501の右端部前側に、第1上側支持部521を動かすための上側支持部駆動モータ505が取り付けられる。上側ベース部501の右部後側に、上側支持部駆動モータ505の回転駆動力を利用して第1上側支持部521を動かす上側支持部駆動機構506が設けられる。上側支持部駆動機構506は、上側支持部駆動モータ505により回転駆動される揺動歯車507を含む歯車機構と、駆動アーム511とを有して構成される。揺動歯車507の側部に、駆動アーム511の第2係合穴513と係合する歯車係合ピン508が設けられる。駆動アーム511は、樹脂材料を用いて細長く延びる板状に形成される。駆動アーム511の基端部が上側ベース部501の右下部後側に枢結されて、駆動アーム511が上側ベース部501の右部後側に上下方向に揺動可能に取り付けられる。駆動アーム511の先端部に、右ガイド穴503に挿通された第1上側支持部521の右ガイドピン523の先端部が係合する長穴状の第1係合穴512が形成される。駆動アーム511の中間部に、揺動歯車507の歯車係合ピン508がスライド移動可能に係合する長穴状の第2係合穴513が形成される。
これにより、駆動アーム511は、図12および図13に示すように、揺動歯車507の回転により上下方向に揺動し、右ガイド穴503に沿って第1上側支持部521を斜め方向に上下移動させる。第2係合穴513は、駆動アーム511の延伸方向に沿って直線的に延びるように形成されるが、第2係合穴513の基端部は、第1上側支持部521が上側初期位置に達する際の歯車係合ピン508の移動軌跡と位置整合するように湾曲している。これにより、揺動歯車507を含む歯車機構のバックラッシに基づいて発生する第1上側支持部521の下方への位置ズレを防止することができる。
上側ベース部501の右部前側に、第1上側支持部521が上側初期位置に移動したことを検出する上側初期位置センサ516aが取り付けられる。上側ベース部501の右部前側における上側初期位置センサ516aの下方に、第1上側支持部521が上側初期位置と上側可動位置との間の中間位置(以降、他の中間位置と区別するため上側中間位置と称する)に移動したことを検出する上側中間位置センサ516bが取り付けられる。上側ベース部501の右部後側に、第1上側支持部521が上側可動位置に移動したことを検出する上側可動位置センサ516cが取り付けられる。なお、駆動アーム511の中間部前側に、駆動アーム511が第1上側支持部521を上側可動位置まで移動させると上側可動位置センサ516cにより検出されるセンサ検出部(図示せず)が形成される。
第1上側支持部521は、図14に示すように、樹脂材料を用いて左右に延びる板状に形成される。第1上側支持部521は、第2上側支持部531の後側を覆うように第2上側支持部531と結合する。これにより、第1上側支持部521および第2上側支持部531が、上側ベース部501に対して上側初期位置と上側可動位置との間で斜め方向に上下移動可能に支持される。第1上側支持部521右部後側に、上側ベース部501の右ガイド穴503と、駆動アーム511の第1係合穴512とに係合する右ガイドピン523が設けられる。なお、第1上側支持部521の右部後側に、第1上側支持部521が上側初期位置に移動すると上側初期位置センサ516aにより検出され、第1上側支持部521が上側中間位置に移動すると上側中間位置センサ516bにより検出されるセンサ検出部524が形成される。第1上側支持部521の左上部に、左右に延びる長穴状のガイドピン挿通穴525が形成される。ガイドピン挿通穴525に、第1上側演出部材571の左ガイドピン577が挿通される。
第2上側支持部531は、図15に示すように、樹脂材料を用いて左右に延びる板状に形成される。第2上側支持部531の中央部に、副表示装置561の回転結合部563と結合する表示装置結合部532が形成される。副表示装置561の回転結合部563と表示装置結合部532とが結合した状態で、第2上側支持部531は、画面561aが前方を向くように副表示装置561を支持する。副表示装置561は、回転結合部563に対して相対回転可能に構成される。これにより、副表示装置561の回転結合部563と表示装置結合部532とが結合した状態で、第2上側支持部531は、副表示装置561が左右方向に延びる初期位置(以降、他の初期位置と区別するために回転初期位置と称する)と、回転初期位置から270度だけ(前方から見て)反時計回りに回転した演出位置(以降、他の演出位置と区別するために回転可動位置と称する)との間で、画面561aを含む平面に沿って副表示装置561を回転移動可能に支持する。
第2上側支持部531の中央部前側に、副表示装置561を回動させるための表示装置駆動モータ534が取り付けられる。第2上側支持部531の中央部後側に、表示装置駆動モータ534の回転駆動力を利用して副表示装置561を回動させる回転駆動機構535が設けられる。回転駆動機構535は、表示装置駆動モータ534により回転駆動される歯車機構を用いて構成され、副表示装置561の回転歯車564と噛合するようになっている。第2上側支持部531の前側における表示装置結合部532の上方に、副表示装置561が回転初期位置に回転移動したことを検出する回転初期位置センサ533aが取り付けられる。第2上側支持部531の前側における表示装置結合部532の左方に、副表示装置561が回転初期位置と回転可動位置との間の中間位置(以降、他の中間位置と区別するため回転中間位置と称する)に回転移動したことを検出する回転中間位置センサ533bが取り付けられる。回転中間位置は、副表示装置561が回転初期位置から90度だけ(前方から見て)反時計回りに回転した位置に設定される。
第2上側支持部531の左側に、第1上側演出部材571の後側固定部576が左右方向に変位可能に係合する長穴状の第1演出部材係合部536が形成される。第1上側演出部材571の後側固定部576と第1演出部材係合部536とが係合して、後側固定部576の前側が後述の支持カバー部541(左側部分)に覆われた状態で、第2上側支持部531は第1上側演出部材571を支持する。第1上側演出部材571の後側固定部576に形成された左ガイドピン577は、第1上側支持部521のガイドピン挿通穴525に挿通されて、上側ベース部501の左ガイド穴502にスライド移動可能に係合する。これにより、第1上側支持部521および第2上側支持部531が上側初期位置と上側中間位置との間で上下移動する間は、第1上側演出部材571の左ガイドピン577が右ガイド穴503と略平行な左ガイド穴502の上部をスライド移動するため、第1上側演出部材571が第1上側支持部521および第2上側支持部531と一体的に上下移動する。第1上側支持部521および第2上側支持部531が上側中間位置を超えて上側可動位置まで移動すると、左ガイドピン577が左ガイド穴502の上部よりもさらに右方に傾斜する左ガイド穴502の下部をスライド移動するため、第1上側演出部材571が第1上側支持部521および第2上側支持部531に対して少しだけ左方に変位する。
第2上側支持部531の右側に、第2上側演出部材581の後側可動部586を上下方向にスライド移動可能に受容する第2演出部材受容部537が設けられる。第2上側演出部材581の後側可動部586が第2演出部材受容部537に受容されて、第2演出部材受容部537の前側が後述のカバー発光部551に覆われた状態で、第2上側支持部531は第2上側演出部材581の駆動伝達機構(上側演出部駆動ギヤ539等)を隠しつつ第2上側演出部材581を斜め方向に上下移動可能に支持する。第2上側支持部531の右下部後側に、第2上側演出部材581を動かすための上側演出部駆動モータ538が取り付けられる。第2上側支持部531の右下部前側に、上側演出部駆動モータ538の回転駆動力を利用して第2上側演出部材581を移動させる上側演出部駆動ギヤ539が取り付けられる。上側演出部駆動ギヤ539は、第2上側演出部材581のラックギヤ部588と噛合するようになっている。
第2上側支持部531の前側に、支持カバー部541およびカバー発光部551が取り付けられる。支持カバー部541は、図16および図17に示すように、透光性を有する樹脂材料を用いて板状に形成され、第2上側支持部531と副表示装置561との間に配置されて第2上側支持部531の前側を覆うようになっている。支持カバー部541の右側に、カバー発光部551のランプ基板552に配設された発光素子554からの光を透過させて発光可能な透光部546が形成される。
支持カバー部541の中央部に、副表示装置561の回転結合部563が挿通される表示装置挿通穴542が形成される。支持カバー部541の中央部における表示装置挿通穴542の上方に、第2上側支持部531の回転初期位置センサ533aが挿通される初期位置センサ挿通穴543aが形成される。支持カバー部541の中央部における表示装置挿通穴542の左方に、第2上側支持部531の回転中間位置センサ533bが挿通される中間位置センサ挿通穴543bが形成される。支持カバー部541の中央部における表示装置挿通穴542の右方に、カバー発光部551の回転可動位置センサ553cが挿通される可動位置センサ挿通穴543cが形成される。支持カバー部541の中央部における初期位置センサ挿通穴543aの近傍に、回転初期位置を超えた副表示装置561の(時計回りの)回転を規制する初期位置ストッパ部544が形成される。支持カバー部541の中央部における可動位置センサ挿通穴543cの近傍に、回転可動位置を超えた副表示装置561の(反時計回りの)回転を規制する可動位置ストッパ部545が形成される。
カバー発光部551は、図16および図17に示すように、樹脂材料を用いて板状に形成され、支持カバー部541の右側に形成された透光部546の後側に重ねて結合される。カバー発光部551の前部に、支持カバー部541の透光部546と対向してランプ基板552が取り付けられる。ランプ基板552の実装面に、支持カバー部541の透光部546を発光させる複数の発光素子554が配設される。ランプ基板552の実装面の左側に、副表示装置561が回転可動位置に回転移動したことを検出する回転可動位置センサ553cが配設される。
支持カバー部541の透光部546の後側に重ねて結合されたカバー発光部551は、第2上側演出部材581の駆動伝達機構を受容する第2演出部材受容部537の前側を覆うようになっている。カバー発光部551の下部後側に、第2上側演出部材581のガイド穴587とスライド移動可能に係合する上ガイドピン556および下ガイドピン557が形成される。上ガイドピン556および下ガイドピン557は、鉛直に対し左斜めに傾斜する方向に上下に並んで配置される。これにより、第2上側演出部材581の第2演出部材受容部537およびカバー発光部551は、第2上側演出部材581(第2発光演出部582)が第1上側演出部材571(第1発光演出部572)の右方に近接する初期位置(以降、他の初期位置と区別するために近接初期位置と称する)と、第2上側演出部材581が第1上側演出部材571から右下方に離れる演出位置(以降、他の演出位置と区別するために分離可動位置と称する)との間で、第2上側演出部材581を斜め方向に上下移動可能に支持する。カバー発光部551の上部後側に、第2上側演出部材581が近接初期位置に移動したことを検出する近接初期位置センサ558aが取り付けられる。カバー発光部551の下部後側に、第2上側演出部材581が分離可動位置に移動したことを検出する分離可動位置センサ558cが取り付けられる。
副表示装置561は、図18(A)に示すように、所定の演出画像を表示可能な画面561aを前側に有して構成される。副表示装置561は、演出画像として、第1上側演出部材571の第1発光演出部572または第2上側演出部材581の第2発光演出部582を介して遊技者に視認される画像(例えば、第1発光演出部572または第2発光演出部582を彩色するための画像)や、遊技者に直接視認される画像を、画面561aに表示する。本実施形態では、副表示装置561として、液晶表示装置を採用している。図18(b)に示すように、副表示装置561の中央部後側に、第2上側支持部531の表示装置結合部532と結合する回転結合部563が取り付けられる。副表示装置561は、副表示装置561の後側に連結された回転歯車564とともに、回転結合部563(すなわち、第2上側支持部531の表示装置結合部532)に対して相対移動可能に構成される。なお、副表示装置561の上部後側に、副表示装置561が回転初期位置に回転移動すると回転初期位置センサ533aにより検出され、副表示装置561が回転中間位置に回転移動すると回転中間位置センサ533bにより検出され、副表示装置561が回転可動位置に回転移動すると回転可動位置センサ553cにより検出されるセンサ検出部565が取り付けられる。
第1上側演出部材571は、図19に示すように、透光性を有する樹脂材料を用いて、上方から見て「コ」の字形に屈曲した板状に形成され、所定の装飾が施された第1発光演出部572と、第2上側支持部531の第1演出部材係合部536と左右方向に変位可能に係合する後側固定部576とを有している。後側固定部576が第1演出部材係合部536と係合して第2上側支持部531に支持された状態で、第1発光演出部572が副表示装置561の画面561aの左前方に配置されるようになっている。すなわち、第1上側演出部材571における前側部分(第1発光演出部572)と後側部分(後側固定部576)との間に、副表示装置561の左側部分が配置される。後側固定部576の後部に、後側固定部576の後方に突出する左ガイドピン577が形成される。左ガイドピン577は、前述したように、第1上側支持部521のガイドピン挿通穴525に挿通されて、上側ベース部501の左ガイド穴502にスライド移動可能に係合する。第1上側演出部材571の後側部分における後側固定部576の左下方に、左右方向に延びる長穴状のガイド穴部578が形成される。ガイド穴部578は、支持カバー部541の左部後側に形成されたガイド支持部547と係合して左右に変位可能に支持される。
第2上側演出部材581は、図20に示すように、透光性を有する樹脂材料を用いて、上方から見て「コ」の字形に屈曲した板状に形成され、所定の装飾が施された第2発光演出部582と、第2上側支持部531の第2演出部材受容部537に受容される後側可動部586とを有している。後側可動部586が第2演出部材受容部537に受容されて第2上側支持部531(およびカバー発光部551)に上下移動可能に支持された状態で、第2発光演出部582が副表示装置561の画面561aの右前方に配置されるようになっている。すなわち、第2上側演出部材581における前側部分(第2発光演出部582)と後側部分(後側可動部586)との間に、副表示装置561の右側部分が配置される。なお、第2発光演出部582は、第1発光演出部572を通る副表示装置561の画面561aと平行な面(以降、配置面と称する場合がある)に配置される。
第2上側演出部材581が近接初期位置に移動すると、第1上側演出部材571の第1発光演出部572と第2上側演出部材581の第2発光演出部582とが左右に並んで一体化し、前方から視認した場合に第1発光演出部572と第2発光演出部582とにより副表示装置561の画面561aの前方が覆われた状態となる。この状態で、副表示装置561が画面561aに演出画像を表示すると、画面561aから射出され光が第1発光演出部572もしくは第2発光演出部582を透過するようになっている。また、第1上側演出部材571の第1発光演出部572と第2上側演出部材581の第2発光演出部582とが左右に並んで一体化すると、一体的な装飾形状(例えば、所定の文字列)を形成するようになっている。
後側可動部586の中央に、長穴状のガイド穴587が形成される。ガイド穴587は、鉛直に対し左斜めに傾斜する方向に延びるように形成される。ガイド穴587に、カバー発光部551の上ガイドピン556および下ガイドピン557がスライド移動可能に係合する。後側可動部586の左側部に、第2上側支持部531の上側演出部駆動ギヤ539と噛合するラックギヤ部588が形成される。後側可動部586の前部左側に、第2上側演出部材581が近接初期位置に移動すると近接初期位置センサ558aにより検出され、第2上側演出部材581が分離可動位置に移動すると分離可動位置センサ558cにより検出されるセンサ検出部589が形成される。
以上のように構成される上側演出装置500において、通常の遊技状態(演出待機中)のとき、図5および図6に示すように、第1上側支持部521および第2上側支持部531が上側初期位置に移動し、副表示装置561が回転初期位置に回転移動し、第2上側演出部材581が近接初期位置に移動する。このとき、第1上側演出部材571の第1発光演出部572と第2上側演出部材581の第2発光演出部582とが左右に並んで一体化し、前方から視認した場合に第1発光演出部572と第2発光演出部582とにより副表示装置561の画面561aの前方が覆われた状態となる。またこのとき、一体化した第1発光演出部572および第2発光演出部582は、第1上側支持部521および第2上側支持部531とともに、演出表示装置95の画面95aの前方に重ならないセンター飾り90の上部に位置する。この状態で、副表示装置561が画面561aに演出画像を表示すると、画面561aから射出される光が第1発光演出部572もしくは第2発光演出部582を透過する。これにより、第1発光演出部572および第2発光演出部582は、副表示装置561の画面561aに表示される演出画像に応じて彩色されるように発光する。
所定の遊技状態(演出動作時)のとき、図7に示すように、第1上側支持部521および第2上側支持部531が上側支持部駆動モータ505等により上側初期位置から左下方の上側可動位置に移動する。このとき、一体化した第1発光演出部572および第2発光演出部582は、第1上側支持部521および第2上側支持部531とともに左下方に移動し、演出表示装置95の画面95aの前方に重なる。またこのとき、第1上側演出部材571の左ガイドピン577が上側ベース部501における左ガイド穴502の上部から下部までスライド移動するため、第1上側演出部材571が第1上側支持部521および第2上側支持部531に対して少しだけ左方に変位する。そのため、第1上側演出部材571の第1発光演出部572と第2上側演出部材581の第2発光演出部582との間に隙間が生じた状態となる。また、第1上側演出部材571が左方に変位することで、副表示装置561が回転移動する際に第1上側演出部材571に当接することが防止される。なお、第1上側支持部521および第2上側支持部531(一体化した第1発光演出部572および第2発光演出部582)は、上側支持部駆動モータ505等により上側初期位置と上側中間位置(もしくは、上側中間位置の近傍)との間で繰り返し往復移動する演出動作を行うことも可能である。
第1上側支持部521および第2上側支持部531が上側可動位置に移動した状態で、第2上側演出部材581が上側演出部駆動モータ538等により近接初期位置から右下方の分離可動位置に移動する。このとき、図7および図8に示すように、第2上側演出部材581の第2発光演出部582が第1上側演出部材571の第1発光演出部572から右下方に離れ、第1発光演出部572と第2発光演出部582との隙間を介して前方から副表示装置561の画面561aの一部を視認可能な状態となる。また、第2上側演出部材581が右下方に移動することで、副表示装置561が回転移動する際に第2上側演出部材581に当接することが防止される。
第2上側演出部材581が分離可動位置に移動した状態で、副表示装置561が表示装置駆動モータ534等により回転初期位置から回転可動位置(もしくは、回転中間位置)に回転移動する。このとき、図9に示すように、副表示装置561の画面561aが上下方向に長く延びる状態となり、第1発光演出部572と第2発光演出部582との隙間を介して前方から副表示装置561の画面561aのほぼ全体を視認可能な状態となる。この状態で、副表示装置561が画面561aに演出画像を表示すると、副表示装置561の画面561aに表示される演出画像が(第1発光演出部572もしくは第2発光演出部582を介さずに)直接視認されることになる。またこのとき、支持カバー部541の透光部546が前方から視認可能になるので、この透光部546の発光演出に合わせた演出画像の表示を行うことも可能である。このようにして、本実施形態によれば、意外性のある多様な演出を行うことが可能になる。演出画像として例えば、演出表示装置95の画面95aに表示される画像と一体化した演出画像が副表示装置561の画面561aに表示される。また、遊技待機デモ中や所定の演出実行時に、演出表示装置95の画面95aに表示される画像とは独立した演出画像が副表示装置561の画面561aに表示されてもよい。また、遊技待機デモ中や所定の演出実行時に、第1発光演出部572および第2発光演出部582を彩色するための演出画像が副表示装置561の画面561aに表示されてもよい。
[左下側演出装置および左上側演出装置の構成]
次に、図21〜図42を追加参照して、左下側演出装置600および左上側演出装置700について説明する。左下側演出装置600は、図6に示すように、ベース部材51の後側におけるセンター飾り90の左下側に設けられ、透明なベース部材51を介して前方から視認可能に構成される。なお、図6は、遊技盤50からベース部材51を除いた状態の図である。左下側演出装置600は、図25および図26に示すように、左下裏側ベース部601と、左下裏側可動部材611と、左下裏側演出部材621と、左下表側ベース部631と、左下表側可動部材651と、左下表側演出部材661とを有して構成される。
左下裏側ベース部601は、図27に示すように、樹脂材料を用いて上下に延びる板状に形成される。左下裏側ベース部601の中間部に、長穴状のガイド穴602が形成される。ガイド穴602は、水平に対し右上方に傾斜して延びるように形成される。ガイド穴602に、左下裏側可動部材611のスライドガイド部616がスライド移動可能に係合する。これにより、左下裏側ベース部601は、左下裏側ベース部601と左下表側ベース部631との間において、(演出表示装置95の画面95aの前方に重ならない)相対的に左方の初期位置(以降、他の初期位置と区別するために左下裏側初期位置と称する)と、左下裏側初期位置の右上方に位置して演出表示装置95の画面95aの前方に重なる演出位置(以降、他の演出位置と区別するために左下裏側可動位置と称する)との間で、左下裏側可動部材611を左右に移動可能に支持する。
左下裏側ベース部601の下端部前側に、左下裏側可動部材611を動かすための左下裏側駆動モータ603が取り付けられる。左下裏側ベース部601の下部前側に、左下裏側駆動モータ603の回転駆動力を利用して左下裏側可動部材611を移動させる左下裏側駆動ギヤ604が設けられる。左下裏側駆動ギヤ604は、左下裏側可動部材611のラックギヤ部617と噛合するようになっている。左下裏側ベース部601の前面中間部左側に、左下裏側可動部材611が左下裏側初期位置に移動したことを検出する左下裏側初期位置センサ605aが取り付けられる。左下裏側ベース部601の前面中間部右側に、左下裏側可動部材611が左下裏側可動位置に移動したことを検出する左下裏側可動位置センサ605cが設けられる。左下裏側ベース部601の上部前側に、左下裏側可動部材611の後側上縁部をスライド移動可能にガイドする上側ガイド部606が形成される。
左下裏側可動部材611は、図28および図29に示すように、樹脂材料を用いて上下に延びる板状に形成される。左下裏側可動部材611は、左下裏側演出部材621の後側を覆うように左下裏側演出部材621と結合する。これにより、左下裏側演出部材621および左下裏側可動部材611が、左下裏側ベース部601に対して左下裏側初期位置と左下裏側可動位置との間で左右に移動可能に支持される。左下裏側可動部材611の前部に、左下裏側演出部材621の透光部623と対向してランプ基板612が取り付けられる。ランプ基板612の実装面に、左下裏側演出部材621の透光部623を発光させる複数の発光素子613が配設される。左下裏側可動部材611の下部後側に、左下裏側ベース部601のガイド穴602に係合する板状のスライドガイド部616が取り付けられる。左下裏側可動部材611の下縁部に、左下裏側ベース部601の左下裏側駆動ギヤ604と噛合するラックギヤ部617が形成される。左下裏側可動部材611の中間部後側に、左下裏側可動部材611が左下裏側初期位置に移動すると左下裏側初期位置センサ605aにより検出され、左下裏側可動部材611が左下裏側可動位置に移動すると左下裏側可動位置センサ605cにより検出されるセンサ検出部618が形成される。
左下裏側演出部材621は、図28および図29に示すように、透光性を有する樹脂材料を用いて板状に形成される。所定の装飾が施された左下裏側演出部材621の前側に、上下に並ぶ複数の透光部623が形成される。透光部623は、左下裏側可動部材611のランプ基板612に配設された発光素子613からの光を透過させて発光可能に構成される。
左下表側ベース部631は、図30および図31に示すように、樹脂材料を用いて上下に延びる板状に形成される。左下表側ベース部631は、左下表側ベース部631の上部後側に形成された上側ボス部632aと、下部後側に形成されたに形成された下側ボス部632bを用いて、左下裏側ベース部601の前方に結合される。これにより、左下表側ベース部631と左下裏側ベース部601との間隙部に、左下裏側演出部材621および左下裏側可動部材611が配置される。
左下表側ベース部631の中央部に、左下表側可動部材651と連結された傾倒支持部材641を回転可能に支持する傾倒支持部634が形成される。左下表側ベース部631の上側に、長穴状のガイド穴635が形成される。ガイド穴635は、上側が凸となるように湾曲した円弧状に延びて形成される。ガイド穴635に、左下表側可動部材651のガイドピン657がスライド移動可能に係合する。これにより、左下表側ベース部631は、左下表側ベース部631の前側において、(演出表示装置95の画面95aの前方に重ならない)上下方向に延びる初期位置(以降、他の初期位置と区別するために左側立設初期位置と称する)と、左側立設初期位置から右方に傾いて演出表示装置95の画面95aの前方に重なる演出位置(以降、他の演出位置と区別するために左側傾倒可動位置と称する)との間で、左下表側可動部材651を揺動変位可能に支持する。
左下表側ベース部631の後側における傾倒支持部634の左上方に、左下表側可動部材651が左側立設初期位置に変位したことを検出する左側立設初期位置センサ636aが取り付けられる。左下表側ベース部631の後側における傾倒支持部634の真上の方に、左下表側可動部材651が左側傾倒可動位置に変位したことを検出する左側傾倒可動位置センサ636cが取り付けられる。左下表側ベース部631の下部後側に、左下表側可動部材651を動かすための左下表側駆動モータ637が取り付けられる。左下表側ベース部631の下部後側に、左下表側駆動モータ637の回転駆動力を利用して左下表側可動部材651を揺動変位させる左下表側駆動機構638が設けられる。
左下表側駆動機構638は、左下表側駆動モータ637により回転駆動される歯車機構639と、傾倒支持部材641とを有して構成される。傾倒支持部材641は、樹脂材料を用いて円盤状に形成され、左下表側ベース部631の傾倒支持部634に回転可能に支持される。傾倒支持部材641の前部は、左下表側可動部材651の連結軸部656と連結される。傾倒支持部材641の側部に、傾倒支持部材641の側方(下方)に突出する長穴状の係合穴部642が形成される。係合穴部642に、歯車機構639の歯車に設けられた係合ピン639aがスライド移動可能に係合する。これにより、傾倒支持部材641は、歯車機構639の歯車の回転に応じて回動し、傾倒支持部材641と連結された左下表側可動部材651を揺動変位させる。傾倒支持部材641の側部に、傾倒支持部材641が左下表側可動部材651を左側立設初期位置まで揺動変位させると左側立設初期位置センサ636aにより検出され、傾倒支持部材641が左下表側可動部材651を左側傾倒可動位置まで揺動変位させると左側傾倒可動位置センサ636cにより検出されるセンサ検出部643が形成される。
左下表側可動部材651は、図32および図33に示すように、樹脂材料を用いて上下に延びる板状に形成される。左下表側可動部材651は、左下表側演出部材661の後側を覆うように左下表側演出部材661と結合する。これにより、左下表側演出部材661および左下表側可動部材651が、左下表側ベース部631に対して左側立設初期位置と左側傾倒可動位置との間で揺動変位可能に支持される。左下表側可動部材651の前部に、左下表側演出部材661の透光部663と対向してランプ基板652が取り付けられる。ランプ基板652の実装面に、左下表側演出部材661の透光部663を発光させる複数の発光素子653が配設される。左下表側可動部材651の下部後側に、左下表側ベース部631の傾倒支持部材641と連結される連結軸部656が形成される。左下表側可動部材651の中間部後側に、左下表側ベース部631のガイド穴635に係合するガイドピン657が形成される。
左下表側演出部材661は、図32および図33に示すように、透光性を有する樹脂材料を用いて板状に形成される。所定の装飾が施された左下表側演出部材661の前側に、文字の形状を有した透光部663が形成される。透光部663は、左下表側可動部材651のランプ基板652に配設された発光素子653からの光を透過させて発光可能に構成される。
左上側演出装置700は、図6に示すように、ベース部材51の後側におけるセンター飾り90の左上側に設けられ、透明なベース部材51を介して前方から視認可能に構成される。すなわち、左上側演出装置700は、左下側演出装置600の上方に並んで配置される。左上側演出装置700は、図34および図35に示すように、左上裏側ベース部701と、左上裏側可動部材711と、左上裏側演出部材721と、左上表側ベース部731と、左上表側可動部材751と、左上表側演出部材761とを有して構成される。
左上裏側ベース部701は、図36に示すように、樹脂材料を用いて上下に延びる板状に形成される。左上裏側ベース部701の上部に、長穴状のガイド穴702が形成される。ガイド穴702は、水平に対し右下方に傾斜して延びるように形成される。ガイド穴702に、左上裏側可動部材711のスライドガイド部716がスライド移動可能に係合する。これにより、左上裏側ベース部701は、左上裏側ベース部701と左上表側ベース部731との間において、(演出表示装置95の画面95aの前方に重ならない)相対的に左方の初期位置(以降、他の初期位置と区別するために左上裏側初期位置と称する)と、左上裏側初期位置の右下方に位置して演出表示装置95の画面95aの前方に重なる演出位置(以降、他の演出位置と区別するために左上裏側可動位置と称する)との間で、左上裏側可動部材711を左右に移動可能に支持する。
左上裏側ベース部701の上端部前側に、左上裏側可動部材711を動かすための左上裏側駆動モータ703が取り付けられる。左上裏側ベース部701の上部前側に、左上裏側駆動モータ703の回転駆動力を利用して左上裏側可動部材711を移動させる左上裏側駆動ギヤ(図示せず)が設けられる。左上裏側駆動ギヤは、左上裏側可動部材711のラックギヤ部717と噛合するようになっている。左上裏側ベース部701の前面中間部左側に、左上裏側可動部材711が左上裏側初期位置に移動したことを検出する左上裏側初期位置センサ705aが取り付けられる。左上裏側ベース部701の前面中間部右側に、左上裏側可動部材711が左上裏側可動位置に移動したことを検出する左上裏側可動位置センサ705cが取り付けられる。左上裏側ベース部701の下部前側に、左上裏側可動部材711の後側下縁部をスライド移動可能にガイドする下側ガイド部706が形成される。
左上裏側可動部材711は、図37および図38に示すように、樹脂材料を用いて上下に延びる板状に形成される。左上裏側可動部材711は、左上裏側演出部材721の後側を覆うように左上裏側演出部材721と結合する。これにより、左上裏側演出部材721および左上裏側可動部材711が、左上裏側ベース部701に対して左上裏側初期位置と左上裏側可動位置との間で左右に移動可能に支持される。左上裏側可動部材711の前部に、左上裏側演出部材721の透光部723と対向してランプ基板712が取り付けられる。ランプ基板712の実装面に、左上裏側演出部材721の透光部723を発光させる複数の発光素子713が配設される。左上裏側可動部材711の上部後側に、左上裏側ベース部701のガイド穴702に係合する板状のスライドガイド部716が取り付けられる。左上裏側可動部材711の上縁部に、左上裏側ベース部701の左上裏側駆動ギヤ(図示せず)と噛合するラックギヤ部717が形成される。左上裏側可動部材711の中間部後側に、左上裏側可動部材711が左上裏側初期位置に移動すると左上裏側初期位置センサ705aにより検出され、左上裏側可動部材711が左上裏側可動位置に移動すると左上裏側可動位置センサ705cにより検出されるセンサ検出部718が形成される。
左上裏側演出部材721は、図37および図38に示すように、透光性を有する樹脂材料を用いて板状に形成される。所定の装飾が施された左上裏側演出部材721の前側に、上下に並ぶ複数の透光部723が形成される。透光部723は、左上裏側可動部材711のランプ基板712に配設された発光素子713からの光を透過させて発光可能に構成される。
左上表側ベース部731は、図39および図40に示すように、樹脂材料を用いて上下に延びる板状に形成される。左上表側ベース部731は、左上表側ベース部731の上部後側に形成された上側ボス部732aと、中間部後側に形成された中間ボス部732bと、下部後側に形成された下側ボス部732cを用いて、左上裏側ベース部701の前方に結合される。これにより、左上表側ベース部731と左上裏側ベース部701との間隙部に、左上裏側演出部材721および左上裏側可動部材711が配置される。
左上表側ベース部731の右部後側に、支持連結部材756を介して左上表側可動部材751と連結された上下動支持部材741を斜め方向に上下移動可能に支持する上下動支持部733が形成される。左上表側ベース部731における上下動支持部733の左側近傍に、長穴状の右ガイド穴735が形成される。上下動支持部733および右ガイド穴735は、鉛直に対し右斜めに傾斜した方向に延びて形成される。右ガイド穴735に、支持連結部材756の右ガイドピン757および補助ガイドピン758がスライド移動可能に挿通される。左上表側ベース部731の左部後側に、長穴状の左ガイド穴734が形成される。左ガイド穴734は、鉛直方向に延びて形成される。左ガイド穴734に、左上表側可動部材751の左ガイドピン759がスライド移動可能に係合する。これにより、左上表側ベース部731は、左上表側ベース部731の前側において、左側立設初期位置の左下表側可動部材651(左下表側演出部材661)の上方近傍に位置して上下方向に延びる初期位置(以降、他の初期位置と区別するために上方初期位置と称する)と、上方初期位置の下方において左側傾倒可動位置の左下表側可動部材651(左下表側演出部材661)の上方近傍に位置する演出位置(以降、他の演出位置と区別するために下方可動位置と称する)との間で、左上表側可動部材751を上下移動可能に支持する。
左上表側ベース部731の後側における右ガイド穴735の左方上側に、左上表側可動部材751が上方初期位置に移動したことを検出する上方初期位置センサ(図示せず)が取り付けられる。左上表側ベース部731の後側における右ガイド穴735の左方下側に、左上表側可動部材751が下方可動位置に移動したことを検出する下方可動位置センサ736cが取り付けられる。左上表側ベース部731の上部後側に、左上表側可動部材751を動かすための左上表側駆動モータ737が取り付けられる。左上表側ベース部731の中間部後側に、左上表側駆動モータ737の回転駆動力を利用して左上表側可動部材751を上下移動させる左上表側駆動機構738が設けられる。
左上表側駆動機構738は、左上表側駆動モータ737により回転駆動される歯車機構739と、上下動支持部材741とを有して構成される。上下動支持部材741は、樹脂材料を用いて上下方向に延びる板状に形成され、左上表側ベース部731の上下動支持部733に斜め方向に上下移動可能に支持される。上下動支持部材741の前部は、支持連結部材756を介して左上表側可動部材751と連結される。上下動支持部材741の左側部上側に、歯車機構739の歯車と噛合するラックギヤ部742が形成される。これにより、上下動支持部材741は、歯車機構739の歯車の回転に応じて斜め方向に上下移動し、支持連結部材756を介して上下動支持部材741と連結された左上表側可動部材751を上下移動させる。上下動支持部材741の左側部下側に、上下動支持部材741が左上表側可動部材751を上方初期位置まで移動させると上方初期位置センサ(図示せず)により検出され、上下動支持部材741が左上表側可動部材751を下方可動位置まで移動させると下方可動位置センサ736cにより検出されるセンサ検出部743が形成される。上下動支持部材741の左部後側に、歯車機構739の歯車に設けられた突起部739aが当接可能なストッパ部744が形成される。ストッパ部744は、左上表側可動部材751の上方初期位置を超えた(上方への)移動を規制し、左上表側可動部材751の下方可動位置を超えた(下方への)移動を規制する。
なお、左上表側ベース部731の右ガイド穴735は、左ガイド穴734との間隔が下方に向かうにつれて狭くなるように右斜めに傾斜している。一方、支持連結部材756の右ガイドピン757および補助ガイドピン758と、左上表側可動部材751の左ガイドピン759との間隔は一定である。これにより、上下動支持部材741が下方に移動する際、右ガイドピン757および補助ガイドピン758の直下方への移動量は、左ガイドピン759の直下方への移動量よりも小さくなる。そして、左上表側可動部材751は、支持連結部材756に対して相対回転可能に構成されるため、上下動支持部材741および支持連結部材756とともに下方に移動するにつれて左側に傾斜する姿勢となる。このように、上下動支持部材741により駆動される左上表側可動部材751は、上下方向に延びる状態から左方に傾斜しつつ上方初期位置から下方可動位置に移動する。
左上表側可動部材751は、図41および図42に示すように、樹脂材料を用いて上下に延びる板状に形成される。左上表側可動部材751は、左上表側演出部材761の後側を覆うように左上表側演出部材761と結合する。これにより、左上表側演出部材761および左上表側可動部材751が、左上表側ベース部731に対して上方初期位置と下方可動位置との間で上下移動可能に支持される。左上表側可動部材751の前部に、左上表側演出部材761の透光部763と対向してランプ基板752が取り付けられる。ランプ基板752の実装面に、左上表側演出部材761の透光部763を発光させる複数の発光素子753が配設される。左上表側可動部材751の右部後側に、左上表側ベース部731の上下動支持部材741と連結される支持連結部材756が取り付けられる。左上表側可動部材751の左部後側に、左上表側ベース部731の左ガイド穴734に係合する左ガイドピン759が形成される。
支持連結部材756は、樹脂材料を用いて板状に形成され、左上表側可動部材751の右部後側に重なるように、左上表側可動部材751に対して相対回転可能に取り付けられる。支持連結部材756の後側上下に、後方に突出して延びる右ガイドピン757が形成される。上下の右ガイドピン757は、左上表側ベース部731の右ガイド穴735に挿通されて、連結ネジにより上下動支持部材741と連結される。支持連結部材756の後側中間部に、後方に突出して延びる補助ガイドピン758が形成される。補助ガイドピン758は、左上表側ベース部731の右ガイド穴735に挿通されて上下動支持部材741と結合する。
左上表側演出部材761は、図41および図42に示すように、透光性を有する樹脂材料を用いて板状に形成される。所定の装飾が施された左上表側演出部材761の前側に、文字の形状を有した透光部763が形成される。透光部763は、左上表側可動部材751のランプ基板752に配設された発光素子753からの光を透過させて発光可能に構成される。
以上のように構成される左下側演出装置600および左上側演出装置700において、通常の遊技状態(演出待機中)のとき、図21に示すように、左下側演出装置600の左下表側演出部材661が左側立設初期位置に変位し、左下裏側演出部材621が左下裏側初期位置に移動する。また、左上側演出装置700の左上表側演出部材761が上方初期位置に移動し、左上裏側演出部材721が左上裏側初期位置に移動する。このとき、左上表側演出部材761と左下表側演出部材661とが上下に並んで一体化し、上下方向(鉛直方向)に延びる柱状の一体的な(所定の文字列を有する)演出部材が形成された状態となる。またこのとき、左上裏側演出部材721が左上表側演出部材761の後方に隠れ、左下裏側演出部材621が左下表側演出部材661の後方に隠れた状態となる。
所定の遊技状態(演出動作時)のとき、左下表側演出部材661(および左下表側可動部材651)が左下表側駆動モータ637等により左側立設初期位置から右下方の左側傾倒可動位置に揺動変位する。このとき、図22に示すように、左下表側演出部材661は、上下方向(鉛直方向)に延びる状態から右方に傾いて、演出表示装置95の画面95aの前方に重なる。
左下表側演出部材661(および左下表側可動部材651)が左側傾倒可動位置に揺動変位した状態で、左上表側演出部材761(および左上表側可動部材751)が左上表側駆動モータ737等により上方初期位置から下方の下方可動位置に移動する。このとき、図23に示すように、左上表側演出部材761は、上下方向(鉛直方向)に延びる状態から左方に傾斜しつつ上方初期位置から下方可動位置に移動し、左側傾倒可動位置に揺動変位した左下表側演出部材661の上方近傍に位置する。これにより、左上表側演出部材761と左下表側演出部材661とを含む一体的な演出部材が倒壊するような演出を行うことができる。
なお、図24に示すように、左下裏側演出部材621(および左下裏側可動部材611)は、左下裏側駆動モータ603等により左下裏側初期位置から左下裏側可動位置に移動すると、演出表示装置95の画面95aの前方に出現する。また、左上裏側演出部材721(および左上裏側可動部材711)は、左上裏側駆動モータ703等により左上裏側初期位置から左上裏側可動位置に移動すると、演出表示装置95の画面95aの前方に出現する。左下表側演出部材661が左右に揺動変位し、もしくは左上表側演出部材761が上下に移動するのに応じて、左下裏側演出部材621または左上裏側演出部材721が左右に移動するようにすれば、奥行きのある立体感に富んだ演出動作を行うことが可能である。
このようにして、本実施形態によれば、意外性のある多様な演出を行うことが可能になる。また、左上表側駆動モータ737等は、左側傾倒可動位置センサ636cにより左下表側演出部材661(および左下表側可動部材651)が左側傾倒可動位置に揺動変位したことが検出されることを条件として、左上表側演出部材761(および左上表側可動部材751)を上方初期位置と下方可動位置との間で移動させることができるようになっている。一方、左上表側演出部材761が上方初期位置に戻り、左下表側演出部材661が左側立設初期位置に戻る際、左下表側駆動モータ637等は、上方初期位置センサ(図示せず)により左上表側演出部材761が上方初期位置に移動したことが検出されることを条件として、左下表側演出部材661を左側傾倒可動位置から左側立設初期位置に揺動変位させることができるようになっている。これにより、左上表側演出部材761と左下表側演出部材661とが当接するのを防止することができ、左下側演出装置600および左上側演出装置700が故障するのを防止することができる。
[右側演出装置の構成]
次に、図43〜図57を追加参照して、右側演出装置800について説明する。右側演出装置800は、図6に示すように、ベース部材51の後側におけるセンター飾り90の右側に設けられ、透明なベース部材51を介して前方から視認可能に構成される。なお、ベース部材51の後側におけるセンター飾り90の右上側に、所定の装飾が施された右上表側演出部材898が固設される。右上表側演出部材898は、右側演出装置800(右下表側演出部材891)の上方に並んで配置され、透明なベース部材51を介して前方から視認可能に構成される。右側演出装置800は、図46および図47に示すように、右裏側ベース部801と、右下裏側可動部材821と、右下裏側演出部材831と、右上裏側可動部材841と、右上裏側演出部材851と、右表側ベース部861と、右下表側可動部材881と、右下表側演出部材891とを有して構成される。
右裏側ベース部801は、図48および図49に示すように、樹脂材料を用いて上下に延びる板状に形成される。右裏側ベース部801の中間部下側に、長穴状のガイド穴802が形成される。ガイド穴802は、水平に対し左上方に傾斜して延びるように形成される。ガイド穴802に、右下裏側可動部材821のスライドガイド部826がスライド移動可能に係合する。これにより、右裏側ベース部801は、右裏側ベース部801の下側部分と右表側ベース部861の下側部分との間において、(演出表示装置95の画面95aの前方に重ならない)相対的に右方の初期位置(以降、他の初期位置と区別するために右下裏側初期位置と称する)と、右下裏側初期位置の左上方に位置して演出表示装置95の画面95aの前方に重なる演出位置(以降、他の演出位置と区別するために右下裏側可動位置と称する)との間で、右下裏側可動部材821を左右に移動可能に支持する。
右裏側ベース部801の下部後側に、右下裏側可動部材821を動かすための右下裏側駆動モータ803が取り付けられる。右裏側ベース部801の下部前側に、右下裏側駆動モータ803の回転駆動力を利用して右下裏側可動部材821を移動させる右下裏側駆動機構804が設けられる。右下裏側駆動機構804は、複数の歯車を有して構成され、右下裏側可動部材821のラックギヤ部827と噛合するようになっている。右裏側ベース部801の前面中間部右側に、右下裏側可動部材821が右下裏側初期位置に移動したことを検出する右下裏側初期位置センサ805aが取り付けられる。右裏側ベース部801の前面中間部左側に、右下裏側可動部材821が右下裏側可動位置に移動したことを検出する右下裏側可動位置センサ805cが取り付けられる。右裏側ベース部801の中間部前側に、右下裏側可動部材821の後側上縁部をスライド移動可能にガイドする上側ガイド部819が形成される。なお、右裏側ベース部801の下部前側に、右下裏側駆動機構804の前側を覆うギヤカバー836(図50および図51を参照)が取り付けられる。
右裏側ベース部801の上部前側に、複数のボスからなるリンク取付部807が形成される。リンク取付部807に、リンクベース部材811(図53を参照)が取り付けられるとともに、左右のリンクアーム部材816a,816b(図53を参照)が揺動可能に取り付けられる。左側リンクアーム部材816aの先端部(上端部)が右上裏側可動部材841の左側リンク連結部846aに連結され、右側リンクアーム部材816bの先端部(上端部)が右上裏側可動部材841の右側リンク連結部846bに連結されることで、左右のリンクアーム部材816a,816bが平行リンク機構を構成する。これにより、右裏側ベース部801は、右裏側ベース部801の上側部分と右表側ベース部861の上側部分との間において、(演出表示装置95の画面95aの前方に重ならない)相対的に右方の初期位置(以降、他の初期位置と区別するために右上裏側初期位置と称する)と、右上裏側初期位置の左下方に位置して演出表示装置95の画面95aの前方に重なる演出位置(以降、他の演出位置と区別するために右上裏側可動位置と称する)との間で、右上裏側可動部材841を左右に移動可能に支持する。
右裏側ベース部801の上部後側に、右上裏側可動部材841を動かすための右上裏側駆動モータ808が取り付けられる。右裏側ベース部801の上部前側に、右上裏側駆動モータ808の回転駆動力を利用して、左右のリンクアーム部材816a,816bを揺動させて右上裏側可動部材841を移動させる右上裏側駆動ギヤ809が取り付けられる。右上裏側駆動ギヤ809は、左側リンクアーム部材816aのラックギヤ部817aと噛合するようになっている。右裏側ベース部801の前面上部右側に、右上裏側可動部材841が右上裏側初期位置に移動したことを検出する右上裏側初期位置センサ810aが取り付けられる。右裏側ベース部801の前面上部左側に、右上裏側可動部材841が右上裏側可動位置に移動したことを検出する右上裏側可動位置センサ810cが取り付けられる。
図52および図53に示すように、リンクベース部材811は、樹脂材料を用いて左右に延びる板状に形成される。リンクベース部材811の左側に、左側リンクアーム部材816aの基端部(下端部)が連結される左側リンクアーム連結部812aが形成される。リンクベース部材811の右側に、右側リンクアーム部材816bの基端部(下端部)が連結される右側リンクアーム連結部812bが形成される。左側リンクアーム部材816aは、樹脂材料を用いて上下に延びる板状に形成される。左側リンクアーム部材816aの基端部(下端部)に、右裏側ベース部801の右上裏側駆動ギヤ809と噛合するラックギヤ部817aが形成される。右側リンクアーム部材816bは、樹脂材料を用いて上下に延びる板状に形成される。右側リンクアーム部材816bの中間部後側に、右上裏側可動部材841が右上裏側初期位置に移動すると右上裏側初期位置センサ810aにより検出され、右上裏側可動部材841が右上裏側可動位置に移動すると右上裏側可動位置センサ810cにより検出されるセンサ検出部818bが形成される。
右下裏側可動部材821は、図50および図51に示すように、樹脂材料を用いて上下に延びる板状に形成される。右下裏側可動部材821は、右下裏側演出部材831の後側を覆うように右下裏側演出部材831と結合する。右下裏側演出部材831および右下裏側可動部材821が、右裏側ベース部801に対して右下裏側初期位置と右下裏側可動位置との間で左右に移動可能に支持される。右下裏側可動部材821の前部に、右下裏側演出部材831の透光部833と対向してランプ基板822が取り付けられる。ランプ基板822の実装面に、右下裏側演出部材831の透光部833を発光させる複数の発光素子823が配設される。右下裏側可動部材821の中間部後側に、右裏側ベース部801のガイド穴802に係合する板状のスライドガイド部826が取り付けられる。右下裏側可動部材821の下縁部に、右裏側ベース部801の右下裏側駆動機構804の歯車と噛合するラックギヤ部827が形成される。右下裏側可動部材821の中間部後側に、右下裏側可動部材821が右下裏側初期位置に移動すると右下裏側初期位置センサ805aにより検出され、右下裏側可動部材821が右下裏側可動位置に移動すると右下裏側可動位置センサ805cにより検出されるセンサ検出部828が形成される。
右下裏側演出部材831は、図50および図51に示すように、透光性を有する樹脂材料を用いて板状に形成される。所定の装飾が施された右下裏側演出部材831の前側に、上下に並ぶ複数の透光部833が形成される。透光部833は、右下裏側可動部材821のランプ基板822に配設された発光素子823からの光を透過させて発光可能に構成される。
右上裏側可動部材841は、図52および図53に示すように、樹脂材料を用いて上下に延びる板状に形成される。右上裏側可動部材841は、右上裏側演出部材851の後側を覆うように右上裏側演出部材851と結合する。これにより、右上裏側演出部材851および右上裏側可動部材841が、右裏側ベース部801に対して右上裏側初期位置と右上裏側可動位置との間で左右に移動可能に支持される。右上裏側可動部材841の前部に、右上裏側演出部材851の透光部853と対向してランプ基板842が取り付けられる。ランプ基板842の実装面に、右上裏側演出部材851の透光部853を発光させる複数の発光素子843が配設される。右上裏側可動部材841の左上部後側に、左側リンクアーム部材816aの先端部(上端部)が連結される左側リンク連結部846aが形成される。右上裏側可動部材841の右上部後側に、右側リンクアーム部材816bの先端部(上端部)が連結される右側リンク連結部846bが形成される。
右上裏側演出部材851は、図52および図53に示すように、透光性を有する樹脂材料を用いて板状に形成される。所定の装飾が施された右上裏側演出部材851の前側に、上下に並ぶ複数の透光部853が形成される。透光部853は、右上裏側可動部材841のランプ基板842に配設された発光素子843からの光を透過させて発光可能に構成される。
右表側ベース部861は、図54および図55に示すように、樹脂材料を用いて上下に延びる板状に形成される。右表側ベース部861は、右表側ベース部861の上部後側に形成された上側ボス部862aと、中間部後側に形成された中間ボス部862bを用いて、右裏側ベース部801の前方に結合される。これにより、右表側ベース部861の下側部分と右裏側ベース部801の下側部分との間隙部に、右下裏側演出部材831および右下裏側可動部材821が配置される。また、右表側ベース部861の上側部分と右裏側ベース部801の上側部分との間隙部に、右上裏側演出部材851および右上裏側可動部材841が配置される。
右表側ベース部861の下側中間部に、右下表側可動部材881と連結された傾倒支持部材871を回転可能に支持する傾倒支持部864が形成される。右表側ベース部861の中間部前側に、板状のガイド壁部865が取り付けられる。ガイド壁部865の上面は、上側が凸となるように湾曲した曲面状に延びて形成される。ガイド壁部865の上面に、右下表側可動部材881のガイド片部887が摺接可能に近接配置される。これにより、右表側ベース部861は、右表側ベース部861の前側において、(演出表示装置95の画面95aの前方に重ならない)上下方向に延びる初期位置(以降、他の初期位置と区別するために右側立設初期位置と称する)と、右側立設初期位置から左方に傾いて演出表示装置95の画面95aの前方に重なる演出位置(以降、他の演出位置と区別するために右側傾倒可動位置と称する)との間で、右下表側可動部材881を揺動変位可能に支持する。
右表側ベース部861の後側における傾倒支持部864の真上の方に、右下表側可動部材881が右側立設初期位置に変位したことを検出する右側立設初期位置センサ866aが取り付けられる。右表側ベース部861の後側における傾倒支持部864の左上方に、右下表側可動部材881が右側傾倒可動位置に変位したことを検出する右側傾倒可動位置センサ866cが取り付けられる。右表側ベース部861の下部後側に、右下表側可動部材881を動かすための右下表側駆動モータ867が取り付けられる。右表側ベース部861の下部後側に、右下表側駆動モータ867の回転駆動力を利用して右下表側可動部材881を揺動変位させる右下表側駆動機構868が設けられる。なお、右表側ベース部861の下部前側に、右下表側演出部材891および右下表側可動部材881の基端部(下端部)を覆うように装飾部材896が取り付けられる(図46および図47を参照)。
右下表側駆動機構868は、右下表側駆動モータ867により回転駆動される歯車機構869と、傾倒支持部材871とを有して構成される。傾倒支持部材871は、樹脂材料を用いて円盤状に形成され、右表側ベース部861の傾倒支持部864に回転可能に支持される。傾倒支持部材871の前部は、右下表側可動部材881の連結軸部886と連結される。傾倒支持部材871の側部に、傾倒支持部材871の側方(下方)に突出する長穴状の係合穴部872が形成される。係合穴部872に、歯車機構869の歯車に設けられた係合ピン869aがスライド移動可能に係合する。これにより、傾倒支持部材871は、歯車機構869の歯車の回転に応じて回動し、傾倒支持部材871と連結された右下表側可動部材881を揺動変位させる。傾倒支持部材871の側部に、傾倒支持部材871が右下表側可動部材881を右側立設初期位置まで揺動変位させると右側立設初期位置センサ866aにより検出され、傾倒支持部材871が右下表側可動部材881を右側傾倒可動位置まで揺動変位させると右側傾倒可動位置センサ866cにより検出されるセンサ検出部873が形成される。
右下表側可動部材881は、図56および図57に示すように、樹脂材料を用いて上下に延びる板状に形成される。右下表側可動部材881は、右下表側演出部材891の後側を覆うように右下表側演出部材891と結合する。これにより、右下表側演出部材891および右下表側可動部材881が、右表側ベース部861に対して右側立設初期位置と右側傾倒可動位置との間で揺動変位可能に支持される。右下表側可動部材881の上部前側に、右下表側演出部材891の透光部893と対向してランプ基板882が取り付けられる。ランプ基板882の実装面に、右下表側演出部材891の透光部893を発光させる複数の発光素子883が配設される。右下表側可動部材881の下部後側に、右表側ベース部861の傾倒支持部材871と連結される連結軸部886が形成される。右下表側可動部材881の中間部後側に、右表側ベース部861のガイド壁部865の上面に摺接可能なガイド片部887が形成される。
右下表側演出部材891は、図56および図57に示すように、透光性を有する樹脂材料を用いて板状に形成される。所定の装飾が施された右下表側演出部材891の上部前側に、文字の形状を有した透光部893が形成される。透光部893は、右下表側可動部材881のランプ基板882に配設された発光素子883からの光を透過させて発光可能に構成される。
以上のように構成される右側演出装置800において、通常の遊技状態(演出待機中)のとき、図43に示すように、右下表側演出部材891が右側立設初期位置に変位する。また、右下裏側演出部材831が右下裏側初期位置に移動し、右上裏側演出部材851が右上裏側初期位置に移動する。このとき、右上表側演出部材898(図6を参照)と右下表側演出部材891とが上下に並んで一体化し、上下方向(鉛直方向)に延びる柱状の一体的な(所定の文字列を有する)演出部材が形成された状態となる。またこのとき、右下表側演出部材891および右上裏側演出部材851が右下表側演出部材891の後方に隠れた状態となる。
所定の遊技状態(演出動作時)のとき、右下表側演出部材891(および右下表側可動部材881)が右下表側駆動モータ867等により右側立設初期位置から左下方の右側傾倒可動位置に揺動変位する。このとき、図44に示すように、右下表側演出部材891は、上下方向(鉛直方向)に延びる状態から左方に傾いて、演出表示装置95の画面95aの前方に重なる。これにより、右上表側演出部材898と右下表側演出部材891とを含む一体的な演出部材が倒壊するような演出を行うことができる。
なお、図45に示すように、右下裏側演出部材831(および右下裏側可動部材821)は、右下裏側駆動モータ803等により右下裏側初期位置から右下裏側可動位置に移動すると、演出表示装置95の画面95aの前方に出現する。また、右上裏側演出部材851(および右上裏側可動部材841)は、右上裏側駆動モータ808等により右上裏側初期位置から右上裏側可動位置に移動すると、演出表示装置95の画面95aの前方に出現する。右下表側演出部材891が左右に揺動変位するのに応じて、右下裏側演出部材831または右上裏側演出部材851が左右に移動するようにすれば、奥行きのある立体感に富んだ演出動作を行うことが可能である。このようにして、本実施形態によれば、意外性のある多様な演出を行うことが可能になる。
[下側演出装置の構成]
次に、図58〜図69を追加参照して、下側演出装置900について説明する。下側演出装置900は、図4に示すように、ベース部材51の後側におけるセンター飾り90の下側に設けられる。下側演出装置900は、図62および図63に示すように、下側ベース部901と、第1裏側可動支持部921と、第2裏側可動支持部931と、第1裏側演出部材941と、第2裏側演出部材946と、第1表側可動支持部951と、第2表側可動支持部961と、第1表側演出部材971と、第2表側演出部材981とを有して構成される。
下側ベース部901は、図64に示すように、樹脂材料を用いて左右に延びる板状に形成される。下側ベース部901の中間部前側に、上下方向に延びるレール状のガイドレール部902が形成される。ガイドレール部902は、第1裏側可動支持部921のガイド溝部922とスライド移動可能に係合する。これにより、下側ベース部901は、下側ベース部901の前側において、(演出表示装置95の画面95aの前方に重ならない)相対的に下方の初期位置(以降、他の初期位置と区別するために下側初期位置と称する)と、下側初期位置の上方に位置して演出表示装置95の画面95aの前方に重なる演出位置(以降、他の演出位置と区別するために下側可動位置と称する)との間で、第1裏側可動支持部921を上下方向に移動可能に支持する。下側ベース部901の中央上部前側に、矩形突起状のストッパ部903が形成される。
下側ベース部901の左端部後側に、第1裏側可動支持部921を動かすための可動支持部駆動モータ904が取り付けられる。下側ベース部901の左部後側に、可動支持部駆動モータ904の回転駆動力を利用して第1裏側可動支持部921を移動させる可動支持部駆動機構905が設けられる。可動支持部駆動機構905は、ピニオンギヤ906を含む複数の歯車(ギヤ)を有して構成される。可動支持部駆動機構905のピニオンギヤ906は、第1裏側可動支持部921のラックギヤ部924と噛合し、下側ベース部901と第1裏側可動支持部921とに跨って設けられるラックアンドピニオン機構を構成する。下側ベース部901の右上部前側に、第1裏側可動支持部921が下側可動位置に移動すると下側可動位置センサ908cにより検出される可動位置センサ検出部907が形成される。下側ベース部901の左下部前側に、第1裏側可動支持部921が下側初期位置に移動したことを検出する下側初期位置センサ908aが取り付けられる。
下側ベース部901の左端部前側に、左アーム部材911が上下方向に揺動可能に取り付けられる。左アーム部材911は、樹脂材料を用いて板状に形成される。左アーム部材911の先端側に、左アーム部材911の延伸方向に沿って延びる長穴状の左係合穴912が形成される。左係合穴912に、第1裏側可動支持部921の左係合ピン926がスライド移動可能に係合する。これにより、左アーム部材911の先端側が第1裏側可動支持部921の左下部後側に連結される。なお、左アーム部材911は、左付勢バネ913とともに下側ベース部901の左端部前側に取り付けられる。左付勢バネ913は、ねじりコイルバネを用いて構成され、左アーム部材911が上方へ揺動する方向に付勢力を加える。
下側ベース部901の右端部前側に、右アーム部材916が上下方向に揺動可能に取り付けられる。右アーム部材916は、樹脂材料を用いて左アーム部材911と左右対称に形成される。右アーム部材916の先端側に、右アーム部材916の延伸方向に沿って延びる長穴状の右係合穴917が形成される。右係合穴917に、第1裏側可動支持部921の右係合ピン927がスライド移動可能に係合する。これにより、右アーム部材916の先端側が第1裏側可動支持部921の右下部後側に連結される。なお、右アーム部材916は、右付勢バネ918とともに下側ベース部901の右端部前側に取り付けられる。右付勢バネ918は、ねじりコイルバネを用いて構成され、右アーム部材916が上方へ揺動する方向に付勢力を加える。左アーム部材911および右アーム部材916は、下側ベース部901の中心側に向けて延びるように左右対称に配置され、第1裏側可動支持部921が下側ベース部901に対して上下方向に移動するのに伴って上下方向に揺動するように構成される。
第1裏側可動支持部921は、図65に示すように、樹脂材料を用いて左右に延びる板状に形成される。第1裏側可動支持部921は、第2裏側可動支持部931の後側を覆うように第2裏側可動支持部931と結合する。これにより、第1裏側可動支持部921および第2裏側可動支持部931が、下側ベース部901に対して下側初期位置と下側可動位置との間で上下方向に移動可能に支持される。第1裏側可動支持部921の中間部後側に、上下方向に延びる溝状のガイド溝部922が形成される。ガイド溝部922は、下側ベース部901のガイドレール部902とスライド移動可能に係合する。第1裏側可動支持部921の中央部後側に、上下方向に延びる溝状のストッパ溝部923が形成される。ストッパ溝部923は、下側ベース部901のストッパ部903を受容するようになっている。これにより、ストッパ部903は、第1裏側可動支持部921の下側初期位置を超えた(下方への)移動を規制し、第1裏側可動支持部921の下側可動位置を超えた(上方への)移動を規制する。そのため、下側ベース部901から第1裏側可動支持部921等が抜け出すのを防止することができ、下側演出装置900が故障するのを防止することができる。
第1裏側可動支持部921の左部後側に、歯の部分が左方を向いて上下方向に延びるラックギヤ部924が形成される。ラックギヤ部924は、ラックギヤ部924の左方に配置された下側ベース部901の可動支持部駆動機構905のピニオンギヤ906と噛合する。第1裏側可動支持部921の左下部後側に、第1裏側可動支持部921が下側初期位置に移動すると下側初期位置センサ908aにより検出される初期位置センサ検出部925が形成される。第1裏側可動支持部921の左下部後側に、左アーム部材911の左係合穴912にスライド移動可能に係合する左係合ピン926が形成される。第1裏側可動支持部921の右下部後側に、右アーム部材916の右係合穴917にスライド移動可能に係合する右係合ピン927が形成される。
第2裏側可動支持部931は、図66に示すように、樹脂材料を用いて左右に延びる板状に形成される。第2裏側可動支持部931の左上部前側に、第1裏側回転支持部932が形成される。第1裏側回転支持部932は、第2裏側可動支持部931と第1表側可動支持部951との間隙部において、第1裏側演出部材941が第1表側演出部材971の後方に隠れる初期位置(以降、他の初期位置と区別するために第1裏側初期位置と称する)と、第1裏側初期位置から(前方から見て)時計回りに回転して前方から視認可能な演出位置(以降、他の演出位置と区別するために第1裏側可動位置と称する)との間で、第1裏側演出部材941を回転移動可能に支持する。第2裏側可動支持部931の右下部前側に、第2裏側回転支持部933が形成される。第2裏側回転支持部933は、第2裏側可動支持部931と第1表側可動支持部951との間隙部において、第2裏側演出部材946が第2表側演出部材981の後方に隠れる初期位置(以降、他の初期位置と区別するために第2裏側初期位置と称する)と、第2裏側初期位置から(前方から見て)時計回りに回転して前方から視認可能な演出位置(以降、他の演出位置と区別するために第2裏側可動位置と称する)との間で、第2裏側演出部材946を回転移動可能に支持する。
第2裏側可動支持部931の右上部前側に、第1裏側演出部材941および第2裏側演出部材946を動かすための裏側回転駆動モータ934が取り付けられる。第2裏側可動支持部931の上部後側に、裏側回転駆動モータ934の回転駆動力を利用して第1裏側演出部材941および第2裏側演出部材946を回動させる裏側回転駆動機構935が設けられる。裏側回転駆動機構935は、複数の歯車を有して構成され、第1裏側演出部材941を第1裏側初期位置と第1裏側可動位置との間で回動させると同時に、第2裏側演出部材946を第2裏側初期位置と第2裏側可動位置との間で回動させる。
第2裏側可動支持部931の左部前側に、第1裏側演出部材941が第1裏側初期位置に回転移動したことを検出する第1裏側初期位置センサ936aが取り付けられる。第2裏側可動支持部931の上部前側に、第1裏側演出部材941が第1裏側可動位置に回転移動したことを検出する第1裏側可動位置センサ936cが取り付けられる。第2裏側可動支持部931の右下部後側に、第1裏側可動支持部921が下側可動位置に移動したことを検出する下側可動位置センサ908cが取り付けられる。なお、下側可動位置センサ908cは、第1裏側可動支持部921の右下部に形成された開口(図示せず)を通じて後方に露出するようになっている。
図66(A)に示すように、第1裏側演出部材941は、樹脂材料を用いて、星形の装飾が施された板状に形成される。第1裏側演出部材941の基端部に、第1裏側演出部材941が第1裏側初期位置に回転移動すると第1裏側初期位置センサ936aにより検出される第1センサ検出部942が形成される。第1裏側演出部材941の中間部に、第1裏側演出部材941が第1裏側可動位置に回転移動すると第1裏側可動位置センサ936cにより検出される第2センサ検出部943が形成される。第2裏側演出部材946は、樹脂材料を用いて、第1裏側演出部材941と同様に星形の装飾が施された板状に形成される。
第1表側可動支持部951は、図67に示すように、樹脂材料を用いて左右に延びる板状に形成される。第1表側可動支持部951は、第1表側可動支持部951の上部後側に形成された上側ボス部952と、中間部後側に形成された中間ボス部953と、下部後側に形成された下側ボス部954を用いて、第2裏側可動支持部931の前方に結合される。これにより、第1表側可動支持部951と第2裏側可動支持部931との間隙部に、第1裏側演出部材941および第2裏側演出部材946が配置される。第1表側可動支持部951は、第2表側可動支持部961の後側を覆うように第2表側可動支持部961と結合する。これにより、第1表側可動支持部951および第2表側可動支持部961と、第1裏側可動支持部921および第2裏側可動支持部931が、下側ベース部901に対して下側初期位置と下側可動位置との間で上下方向に移動可能に支持される。
第1表側可動支持部951の下部前面側に、左右に延びるガイドレール部956が形成される。ガイドレール部956は、第1表側演出部材971のスライドガイド部976を左右方向にスライド移動可能に支持する。これにより、第1表側可動支持部951および第2表側可動支持部961は、第2表側可動支持部961の前側において、第1表側演出部材971が第2表側演出部材981と当接する初期位置(以降、他の初期位置と区別するために第1表側初期位置と称する)と、第1表側初期位置から左方に離れる演出位置(以降、他の演出位置と区別するために第1表側可動位置と称する)との間で、第1表側演出部材971を左右方向に移動可能に支持する。
第2表側可動支持部961は、図68に示すように、樹脂材料を用いて左右に延びる板状に形成される。第2表側可動支持部961の中間部前側に、第1裏側演出部材941および第2裏側演出部材946と同様に星形の装飾が施された裏側装飾部962が形成される。第2表側可動支持部961の右上部に、左右方向に延びる長穴状のガイド穴966が形成される。ガイド穴966に、第2表側演出部材981の上側第2連結ピン984がスライド移動可能に挿通される。これにより、第1表側可動支持部951および第2表側可動支持部961は、第2表側可動支持部961の前側において、第2表側演出部材981が第1表側演出部材971と当接する初期位置(以降、他の初期位置と区別するために第2表側初期位置と称する)と、第2表側初期位置から右方に離れる演出位置(以降、他の演出位置と区別するために第2表側可動位置と称する)との間で、第2表側演出部材981を左右方向に移動可能に支持する。
第2表側可動支持部961の中央部後側に、第1表側演出部材971および第2表側演出部材981を動かすための表側駆動モータ967が取り付けられる。第2表側可動支持部961の中央部後側に、表側駆動モータ967の回転駆動力を利用して第1表側演出部材971および第2表側演出部材981を移動させる表側駆動機構968が設けられる。表側駆動機構968は、複数の歯車を有して構成され、第1表側可動支持部951の第1ラックギヤ部978と噛合するとともに、第2表側演出部材981の第2ラックギヤ部988と噛合するようになっている。表側駆動機構968は、第1表側演出部材971を第1表側初期位置と第1表側可動位置との間で左右方向に移動させると同時に、第2表側演出部材981を第2表側初期位置と第2表側可動位置との間で左右方向に移動させる。
第2表側可動支持部961の下部後側の右方に、第1表側演出部材971が第1表側初期位置に移動したことを検出する第1表側初期位置センサ969aが取り付けられる。第2表側可動支持部961の下部後側の左方に、第1表側演出部材971が第1表側可動位置に移動したことを検出する第1表側可動位置センサ969cが取り付けられる。第2表側可動支持部961の左上部後側に、表側付勢バネ965が取り付けられる。表側付勢バネ965は、引張コイルバネを用いて構成され、第2表側演出部材981が第2表側初期位置に(左方に)移動する方向に付勢力を加える。
第1表側演出部材971は、図69に示すように、樹脂材料を用いて所定の装飾が施された板状に形成される。第1表側演出部材971の後側に、上下の第1連結ピン974,975を介して第1ガイド部材973が連結される。第1ガイド部材973は、樹脂材料を用いて左右方向に細長く延びる板状に形成され、上下の第1連結ピン974,975により第1表側可動支持部951と第2表側可動支持部961との間隙部に配置される。第1ガイド部材973の下縁部に、第1表側可動支持部951のガイドレール部956にスライド移動可能に支持されるスライドガイド部976が形成される。第1ガイド部材973の上縁部に、第2表側可動支持部961の表側駆動機構968の歯車と噛合する第1ラックギヤ部978が形成される。第1ガイド部材973の前側に、第1表側演出部材971が第1表側初期位置に移動すると第1表側初期位置センサ969aにより検出され、第1表側演出部材971が第1表側可動位置に移動すると第1表側可動位置センサ969cにより検出されるセンサ検出部979が形成される。
第2表側演出部材981は、図69に示すように、樹脂材料を用いて所定の装飾が施された板状に形成される。第1表側演出部材971が第1表側初期位置に移動し、第2表側演出部材981が第2表側初期位置に移動すると、第1表側演出部材971と第2表側演出部材981とが当接して一体化し、一体的な装飾形状(例えば、動物を模した形状)を形成するようになっている。第2表側演出部材981の後側に、上下の第2連結ピン984,985を介して第2ガイド部材983が連結される。第2ガイド部材983は、樹脂材料を用いて左右方向に細長く延びる板状に形成され、上下の第2連結ピン984,985により第1表側可動支持部951と第2表側可動支持部961との間隙部に配置される。上側第2連結ピン984は、第2表側可動支持部961のガイド穴966にスライド移動可能に挿通される。第2ガイド部材983の下縁部に、第2表側可動支持部961の表側駆動機構968の歯車と噛合する第2ラックギヤ部988が形成される。
以上のように構成される下側演出装置900において、通常の遊技状態(演出待機中)のとき、図58に示すように、第1表側可動支持部951および第2表側可動支持部961と、第1裏側可動支持部921および第2裏側可動支持部931が下側初期位置に移動し、第1裏側演出部材941および第2裏側演出部材946が第1裏側初期位置および第2裏側初期位置に回転移動し、第1表側演出部材971および第2表側演出部材981が第1表側初期位置および第2表側初期位置に移動する。このとき、第1表側演出部材971と第2表側演出部材981とが当接して一体化し、前方から視認した場合に第1表側演出部材971と第2表側演出部材981とにより第2表側可動支持部961の裏側装飾部962の前方が覆われた状態となる。またこのとき、第1裏側演出部材941および第2裏側演出部材946は、第1表側演出部材971および第2表側演出部材981の後方に隠れた状態となる。またこのとき、図59にも示すように、左アーム部材911および右アーム部材916は、第1裏側可動支持部921が相対的に下方の下側初期位置に移動するのに伴って、左付勢バネ913および右付勢バネ918の付勢力に抗して下方に揺動した状態となる。
所定の遊技状態(演出動作時)のとき、図60に示すように、第1表側可動支持部951および第2表側可動支持部961と、第1裏側可動支持部921および第2裏側可動支持部931が可動支持部駆動モータ904等により下側初期位置から上方の下側可動位置に移動する。このとき、左アーム部材911および右アーム部材916は、第1裏側可動支持部921が相対的に上方の下側可動位置に移動するのに伴って、上方に揺動した状態となる。またこのとき、左アーム部材911および右アーム部材916は、左付勢バネ913および右付勢バネ918の付勢力を利用して、第1裏側可動支持部921に対して上方に移動させる力を加える。
第1表側可動支持部951および第2表側可動支持部961と、第1裏側可動支持部921および第2裏側可動支持部931が下側可動位置に移動した状態で、表側駆動モータ967等により、第1表側演出部材971が第1表側初期位置から左方の第1表側可動位置に移動し、第2表側演出部材981が第2表側初期位置から右方の第2表側可動位置に移動する。このとき、図61に示すように、第1表側演出部材971と第2表側演出部材981とが左右に離れ、第1表側演出部材971と第2表側演出部材981との隙間を介して前方から第2表側可動支持部961の裏側装飾部962を視認可能な状態となる。
第1表側演出部材971および第2表側演出部材981が第1表側初期位置および第2表側初期位置に移動した状態で、裏側回転駆動モータ934等により、第1裏側演出部材941が第1裏側初期位置から第1裏側可動位置に回転移動し、第2裏側演出部材946が第2裏側初期位置から第2裏側可動位置に回転移動する。このとき、図62に示すように、第1裏側演出部材941が第2表側可動支持部961の上方に出現して前方から視認可能な状態となる。またこのとき、第2裏側演出部材946が第2表側可動支持部961の下方に出現して前方から視認可能な状態となる。この状態で、第1裏側演出部材941および第2裏側演出部材946と、第2表側可動支持部961の裏側装飾部962とが一体化して、複数の星が並んだ一体的な装飾形状が形成される。
第1裏側演出部材941と第2裏側演出部材946とは、互いに異なる形状を有している。そのため、第1表側可動支持部951および第2表側可動支持部961と、第1裏側可動支持部921および第2裏側可動支持部931が下側可動位置に移動した状態で、第1裏側演出部材941および第2裏側演出部材946が回転移動する際、第1裏側可動支持部921等の重心が動いて左右方向に変位し易くなる。これにより、第1裏側可動支持部921のラックギヤ部924が左右方向に変位して、下側ベース部901の可動支持部駆動機構905のピニオンギヤ906から外れる可能性がある。本実施形態では、第1裏側可動支持部921の左右に連結された左アーム部材911および右アーム部材916により、第1裏側演出部材941および第2裏側演出部材946が回転移動しても、第1裏側可動支持部921等の左右方向への変位が抑制される。そのため、第1裏側可動支持部921のラックギヤ部924が左右方向に変位して、下側ベース部901の可動支持部駆動機構905のピニオンギヤ906から外れることが防止される。このようにして、本実施形態によれば、下側演出装置900の故障を防止することが可能になる。
なお、第1裏側可動支持部921等が下側可動位置に移動すると、第1裏側可動支持部921の左係合ピン926が左アーム部材911における左係合穴912の先端側の端部に当接し、右係合ピン927が右アーム部材916における右係合穴917の先端側の端部に当接する。そうすると、左係合ピン926および右係合ピン927がより動き難くなるため、第1裏側可動支持部921等が下側可動位置に移動した状態で、第1裏側演出部材941および第2裏側演出部材946が回転移動しても、第1裏側可動支持部921等の左右方向への変位が効果的に抑制される。このとき、第1裏側可動支持部921等を変位させようとする力が左アーム部材911および右アーム部材916に対して伝わり易くなるが、左付勢バネ913および右付勢バネ918の付勢力によって、左アーム部材911および右アーム部材916の左右方向への変位が抑制されることで、第1裏側可動支持部921等の左右方向への変位が効果的に抑制される。また、第1裏側可動支持部921等が下側可動位置を超えて上方に移動し、下側ベース部901から外れることが防止される。そのため、下側演出装置900の故障をより確実に防止することが可能になる。
[ぱちんこ遊技機の制御構成]
次に、図70を追加参照して、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMに搭載された各制御基板について説明する。図70は、ぱちんこ遊技機PMの制御構成を示す制御ブロック図である。
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うメインCPU101と、制御プログラムや各種データ等を記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路104と、メインCPU101によるプログラム処理(ソフトウェア乱数)とは別系統として動作して所定の乱数(内蔵乱数)を生成する乱数生成回路105とを備えて構成された主制御マイコン(ワンチップマイコン)110を搭載しており、メインCPU101がROM102に記憶された制御プログラムに従って遊技進行に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、主制御基板100には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、メインCPU101が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とするCTC回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
メインCPU101は、各スイッチからの検出情報などに基づき、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。RAM103は、電源基板450において生成されるバックアップ電源(VBB)によってバックアップされる不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。RAM103のバックアップ領域は、電源断が生じた場合、当該電源断時に保持していたスタックポインタや各レジスタ等のデータを記憶しておくためのエリアとなっており、電源投入時(電源断復帰時)には当該バックアップ領域の情報に基づいて遊技機の状態が電源断前の状態に復帰されるようになっている。
乱数生成回路105は、クロック回路からのクロック信号(1クロック)に基づき1回更新することで(1クロック1乱数発生方式)、所定範囲の乱数(内蔵乱数)を一定の規則に従って生成する。内蔵乱数の初期値は、主制御マイコン110のID番号(マイクロコンピュータごとに付与された固有の識別情報)を基にして所定の演算によって算出された数値であり、システムリセットごとに変更される。この内蔵乱数は、後述する特別図柄の当否抽選に用いられる特別図柄当り乱数の一部をなす。
また、主制御基板100は、第1始動口スイッチ61、第2始動口スイッチ66、作動ゲートスイッチ71および大入賞口スイッチ76などと電気的に接続されており、I/Oポート回路104を介して、各種スイッチからの検出信号をメインCPU101に入力する。また、主制御基板100は、第1特別図柄表示装置81、第2特別図柄表示装置82、第1特図保留ランプ83、第2特図保留ランプ84、普通図柄表示装置85および普図保留ランプ86に電気的に接続され、さらに、普通電動役物ソレノイド68および特別電動役物ソレノイド78、に電気的に接続されており、I/Oポート回路104を介して、メインCPU101からの制御信号を各種表示手段および各種ソレノイドに送信する。
主制御基板100と演出制御基板200との間では、主制御基板100から演出制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続されており、主制御基板100から演出制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。演出制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできない。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うサブメインCPU201、演出制御プログラムや各種データ等を記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路204と、シリアルデータを入出力するためのシリアル通信回路205とを備えて構成された演出制御マイコン(ワンチップマイコン)210を搭載しており、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、演出制御基板200には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、サブメインCPU201が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、システムクロックに基づき各種信号を出力するTPU回路、TPU回路からの信号などに基づきタイマ割込み等の各種割込みを起動させる割込みコントローラ、などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、画像制御基板300へ画像および音響を指示する画像制御コマンド、ランプ接続基板291を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)、モータドライバ292を制御するための駆動制御信号(駆動データ)などを生成する。演出制御基板200は、画像制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、画像および音響に関する画像制御コマンドが演出制御基板200から画像制御基板300へ送信する一方、その応答として、この画像制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が画像制御基板300から演出制御基板200へ送信される。
また、演出制御基板200は、ランプ接続基板291と電気接続されており、シリアル通信回路を介して、ランプ制御信号(ランプデータ)を送信する。なお、本例では、演出制御基板200とランプ接続基板291とは、クロック同期式のシリアル伝送が採用されており、ランプデータ伝送用のデータ線とは別の信号線(クロック線)で送信されるクロック信号に同期して、ランプ制御信号が当該データ線を介して1ビットずつ送信される。ランプ接続基板291は、演出制御基板200から送信されるLED駆動用のランプ制御信号を受けて機能するLEDドライバ(図示せず)を内蔵しており、このランプ制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、演出ランプLPに対して駆動電流を供給又は遮断して、演出ランプLPを点灯又は消灯させる制御を行う。
さらに、演出制御基板200は、モータドライバ292と電気接続されており、I/Oポート回路204を介して、駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ292へ送信する。モータドライバ292は、演出制御基板200から送信される役物駆動用の駆動制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、各演出装置(上側演出装置500、左下側演出装置600、左上側演出装置700、右側演出装置800、および下側演出装置900)のモータMに対して駆動電流を供給又は遮断して、各演出装置を動作させる制御を行う。
画像制御基板300は、演出制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うサブサブCPU301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したプログラムROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、サブサブCPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDP304と、サブサブCPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った音響データを生成する音源IC305とを搭載している。VDP304は、いわゆる画像プロセッサであり、サブサブCPUからの指示に応じて画像ROM306に記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した映像信号(画像データ)を画像表示装置DS(演出表示装置95および副表示装置561)に送信する。このVPD304には、画像ROM306から読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAM307が接続されている。音源IC305は、サブサブCPU301からの指示に応じて音声ROM308に記憶された音響データを読み込み、これを合成処理して生成した音響データを不図示の増幅器(デジタルアンプ)を介してスピーカ8に出力する。
払出制御基板400は、払出CPU401、ROM402およびRAM403を主体として構成されている。払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニット35を駆動させて賞球を払い出すための制御を実行するとともに、発射ハンドル12の操作量に基づき球送り機構21と発射機構22とを同期的に駆動させて遊技球の発射の制御を実行する。
電源基板450は、詳細図示を省略するが、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、各制御基板で使用される通常時の電源を生成するための通常電源回路と、バックアップ電源(VBB)を生成するためのバックアップ電源回路と、電圧低下による電源断を監視するための電源断監視回路と、を具備して構成され、各制御基板や遊技用機器等の電子・電気部品に必要な電源を供給する。電源基板450には、電源回路を起動させるための電源スイッチが接続されており、遊技島の電源装置から1次電源が供給されていることを前提として、該電源スイッチがオンになると、電源基板450の通常電源回路から各制御基板などに所定の電源が供給される。電源基板450は、遊技島の電源装置からの電源供給が遮断されたことを検出可能に構成されており、電源断の検出時にはその旨を報知する電源断信号(NMI信号)を主制御基板100、演出制御基板200、払出制御基板400に送信する。なお、バックアップ電源回路は、遊技島の電源装置からぱちんこ遊技機PMに電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。また、電源基板450には、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に、主制御基板100のRAM103の一時記憶内容を一旦消去して初期値を設定するためのRAMクリアスイッチ(図示せず)が接続されている。なお、RAMクリアスイッチは、電源基板450ではなく、例えば主制御基板100に接続される構成であってもよい。
なお、本実施形態において、ぱちんこ遊技機の演出制御の構成として、演出制御基板200と画像制御基板300とが設けられる構成を例示したが、これに限られるものではない。例えば、一つの(演出)制御基板に、遊技演出に関する各種の演算処理を行うサブメインCPU、画像演出に関する各種の演算処理を行うサブサブCPU、演出内容に沿った画像データを生成するVDP等が搭載される構成であってもよい。また例えば、演出制御基板200と画像制御基板300、もしくは3つ以上の複数の制御基板が設けられる場合、演出内容に沿った音響データを生成する音源ICが演出制御基板200に搭載される構成であってもよく、(3つ以上の場合には)音源ICが第3の制御基板に搭載される構成であってもよく、ぱちんこ遊技機の演出制御の構成を適宜変更することが可能である。
[ぱちんこ遊技機の主要な機能構成]
次に、図71の機能ブロック図を追加参照しながら、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PM(主として、主制御基板100/演出制御基板200)の各種機能について説明する。
《主制御基板》
主制御基板100は、図71に示すように、入球判定手段110、遊技抽選乱数発生手段120、保留制御手段130、事前判定手段135、特別図柄抽選処理手段140、普通図柄抽選処理手段145、デモ演出設定手段150、図柄表示制御手段155、電動役物制御手段160、遊技状態制御手段165、エラー監視制御手段170、メイン情報記憶手段180、コマンド送受信手段190、を含む。なお、主制御基板100における上述の各手段は、主制御基板100上に設けられたメインCPU101、ROM102、RAM103、電子回路等のハードウェア及びROM102等に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
入球判定手段110は、第1始動口スイッチ61、第2始動口スイッチ66、作動ゲートスイッチ71、大入賞口スイッチ76、からの検出信号に基づき、各入賞口への遊技球の入球を判定する。
遊技抽選乱数発生手段120は、乱数生成回路105で生成した内蔵乱数をソフトウェアで取り込み、これに後述の特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄の当否抽選に使用される特別図柄当り乱数を生成する。また、遊技抽選乱数発生手段120は、メインCPU101のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、前述の内蔵乱数に加算されて特別図柄当り乱数をなす特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト乱数の初期値および終了値を決定するための特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄の停止図柄として当り図柄(条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ)の決定に使用する特別図柄当り図柄乱数、特別図柄当り図柄乱数の初期値および終了値を決定するための特別図柄当り図柄初期値乱数、特別図柄の変動パターンの選択に使用するための特別図柄変動パターン乱数、普通図柄の当否抽選に使用するための普通図柄当り乱数、普通図柄当り乱数の初期値および終了値を決定するための普通図柄当り初期値乱数、普通図柄の変動パターンの選択に使用するための普通図柄変動パターン乱数などが含まれる。これらのソフトウェア乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新し、また、初期値乱数についてはタイマ割込み処理を実行していない間(ループ処理中)も割込み周期の残余時間を利用して更新する。
保留制御手段130は、特別図柄保留制御手段131、普通図柄保留制御手段132、を含む。
特別図柄保留制御手段131は、第1始動口60又は第2始動口65への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報として管理する。特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時記憶する。
第1特別図柄保留格納領域および第2特別図柄保留格納領域には、各始動口60,65への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)、がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、特別図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄変動パターン乱数を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2特別図柄保留球数カウンタ、を有している。特別図柄保留制御手段131は、特別図柄の作動保留球数の更新処理として、特別図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数を更新したとき、当該保留球数の更新情報を含む演出制御コマンド(「図柄記憶数コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。この1コマンドには、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数との両方の情報が含まれている。なお、原則として、各特別図柄の作動保留球は入球した順番に消化されることになるが、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用するため、第2特別図柄遊技に係る作動保留球が存在する間は、第1特別図柄遊技に係る作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄遊技に係る作動保留球を優先的に消化するように構成されている。
普通図柄保留制御手段132は、作動ゲート70への遊技球の入球を契機として、普通図柄遊技に係る抽選乱数値である、普通図柄当り乱数値、普通図柄当り図柄乱数値、普通図柄変動パターン乱数値、を取得して、当該乱数値を普通図柄の作動保留球情報として管理する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球情報を所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の普通図柄保留格納領域に一時記憶する。また、普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球数をカウントするための普通図柄保留球数カウンタを有している。普通図柄保留制御手段132は、作動普通図柄の保留球数の更新処理として、普通図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
事前判定手段135は、所定の事前判定タイミングで特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球を対象として先読み予告演出の事前判定を実行する。ここで、先読み予告演出とは、特別図柄の変動表示が保留中となっている未消化の作動保留球に対して当否抽選等の事前判定を行い、その判定結果を遊技者に対して予告的に報知する演出である。事前判定タイミングの一例としては、(1)当り待ち中、且つ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄の作動保留球を取得した場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、のうちのいずれかの条件を満足するときである。具体的には、事前判定手段135は、今回取得した作動保留球に対応する乱数値をメイン情報記憶手段180の特別図柄保留格納領域から読み出して、先読み的な当否抽選の事前判定(当否事前判定)、先読み的な図柄抽選の事前判定(図柄事前判定)、先読み的な変動パターン抽選の事前判定(変動パターン事前判定)、を順次実行する。事前判定手段135は、当否事前判定の結果の情報を含む演出制御コマンドを順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄当否判定手段141、特別図柄停止図柄判定手段412、特別図柄変動パターン判定手段143、を含む。特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄の変動開始条件が成立したとき、特別図柄保留格納領域における最先の記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、特別図柄の変動開始条件が成立するとは、その一例として、(1)大当り又は小当り中ではないこと、(2)第1特別図柄および第2特別図柄のいずれも変動待機中であること、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足したときであり、その結果として、特別図柄が変動開始可能な状態であると判断される。
特別図柄当否判定手段141は、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、大当り、小当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否抽選の結果は、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに一時記憶され(例えば、大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)、以降の処理で使用された後、特別図柄の変動停止時にクリアされる。特別図柄当否判定手段141は、この当否判定の際に参照される特別図柄当否抽選テーブルを保持する。
ここで、図72は、特別図柄当否抽選テーブルを模式的に示す図であり、(A)は通常状態(低確率状態)で参照されるテーブル、(B)は確変状態(高確率状態)で参照されるテーブルである。この特別図柄当否抽選テーブルには、特別図柄当り乱数値と、大当り、小当り、はずれの判定結果と、が対応付けられており、対応付けられた範囲設定に応じて大当りおよび小当りの当否確率が定まる。図72からも分かるように、特別図柄遊技の当否抽選において、通常状態(低確率状態)では乱数値が0〜163の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変状態(高確率状態)では大当りの範囲が拡大され、乱数値が前記0〜163の範囲に該当する場合だけでなく、164〜1639の範囲に該当する場合にも大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの抽選確率が低確率状態(164/65536)から高確率状態(1640/65536)に変動する。このように大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否抽選と第2特別図柄の当否抽選とで大当りに当選する確率は等しい。ここで、特別図柄当り乱数値が大当りの範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本例では、第2特別図柄の当否抽選よりも第1特別図柄の当否抽選のほうが高い確率で小当りとなる。なお、例えば、第2特別図柄の当否抽選においては、小当りが存在しないように構成してもよい。
特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄、および当該停止図柄の属する図柄群を決定する。特別図柄停止図柄判定手段142は、当否抽選の結果が大当りの場合に、第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄および図柄群を決定する際に参照される第1特別図柄当り図柄テーブルおよび第2特別図柄当り図柄テーブルを有している。
図73(A)は第1特別図柄当り図柄テーブルの一例を模式的に示す図である。この第1特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、大入賞口64の作動パターン)がそれぞれ対応付けられている。このテーブルでは、第1特別図柄の停止図柄「2」〜「11」が、大当りの種別に応じて、3種類の図柄群A〜Cに分類されている。
具体的には、図柄「2」,「3」,「4」,「5」には、図柄群A(12R特定時短有図柄1)が、図柄「6」,「7」,「8」,「9」には、図柄群B(2R特定時短有図柄)が、図柄「10」,「11」には、図柄群C(12R通常時短有図柄)が、それぞれ対応付けられている。「特定図柄」とは特別遊技の終了後に確率変動機能を作動させることとなる図柄であり、「通常図柄」とは特別遊技の終了後に確率変動機能を作動させることのない図柄である(後述する第2特別図柄の図柄群についても同様である)。
図柄群Aは、特別遊技終了後の遊技状態を特別図柄の確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「確変当り」を示す特定図柄であり、次回の大当り発生まで特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与される。特別遊技の規定ラウンド数は12ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。
図柄群Bは、上記の「確変当り」と比較して大入賞口64の開放回数および開放時間が異なるものの、特別遊技終了後の遊技状態を特別図柄の確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「突然確変当り」を示す特定図柄であり、次回の大当り発生まで特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与される。特別遊技の規定ラウンド数は2ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約0.05秒である。
図柄群Cは、特別遊技終了後の遊技状態を通常状態(低確率状態)に移行させる、いわゆる「通常当り」を示す通常図柄であり、特別遊技終了後の所定回数(本例では50回)のみに限定して、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が付与される。特別遊技の規定ラウンド数は12ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。
一方、当否抽選の結果が小当りである場合には、上記特別図柄当り乱数による図柄判定を省略して、停止図柄として図柄「12」が一義的に割り当てられる。この図柄「12」には、図柄群G(特電作動図柄)が対応付けられている。なお、小当りの場合には、遊技状態(確率変動機能、変動時間短縮機能、電チューサポート機能)の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当該遊技状態が維持される。また、当否抽選の結果がはずれの場合には、停止図柄として図柄「1」が一義的に割り当てられる。
続いて、図73(B)は第2特別図柄当り図柄テーブルの一例を模式的に示す図である。この第2特別図柄当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、大入賞口64の作動パターン)がそれぞれ対応付けられている。このテーブルでは、第2特別図柄の停止図柄「13」〜「22」が、大当りの種別に応じて、3種類の図柄群D〜Fに分類されている。具体的には、図柄「13」,「14」,「15」,「16」には、図柄群D(16R特定時短有図柄)が、図柄「17」,「18」には、図柄群E(2R特定時短有図柄)が、図柄「19」,「20」,「21」,「22」には、図柄群F(2R通常時短有図柄)が、それぞれ対応付けられている。
図柄群Dは、特別遊技終了後の遊技状態を特別図柄の確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「確変当り」を示す特定図柄であり、次回の大当り発生まで特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与される。特別遊技の規定ラウンド数は16ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。
図柄群Eは、上記の「確変当り」と比較して大入賞口64の開放回数および開放時間が異なるものの、特別遊技終了後の遊技状態を特別図柄の確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「突然確変当り」を示す特定図柄であり、次回の大当り発生まで特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与される。特別遊技の規定ラウンド数は2ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約0.05秒である。
図柄群Fは、特別遊技終了後の遊技状態を通常状態(低確率状態)に移行させる、いわゆる「通常当り」を示す通常図柄であり、特別遊技終了後の所定回数(本例では50回)のみに限定して、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が付与される。特別遊技の規定ラウンド数は2ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約0.05秒である。
一方、当否抽選の結果が小当りである場合には、上記特別図柄当り乱数による図柄判定を省略して、停止図柄として図柄「23」が一義的に割り当てられる。この図柄「23」には、図柄群H(特電作動図柄)が対応付けられている。なお、小当りの場合には、遊技状態(確率変動機能、変動時間短縮機能、電チューサポート機能)の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当該遊技状態が維持される(各機能の作動終了となる変動であるときに小当りに当選した場合を除く)。また、当否抽選の結果がはずれの場合には、停止図柄として図柄「1」が一義的に割り当てられる。
ここで、遊技状態制御手段165は、当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りに係る図柄群の種類に基づき、特別遊技後の遊技状態を決定するとともに、特別遊技後の遊技状態を切り替える。この遊技状態として、特別図柄の時短状態及び電チューサポート状態は、特別図柄の変動回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、例えば50回に達するまで継続される。ただし、同時に特別図柄の確変状態へ移行した場合は当該確変状態が継続する限り特別図柄の時短状態及び電チューサポート状態も継続される。すなわち、次の大当りまで特別図柄の確変状態が継続される。このとき、特別図柄の確変状態では、大当りの抽選確率を通常の低確率から高確率に変動させて、通常の遊技状態よりも有利な高確率状態となる。特別図柄の時短状態では、特別図柄の平均的な変動時間が短縮される状態となる。電チューサポート状態(入球容易状態)は、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物の開放時間延長機能、が作動することにより、第2始動口65への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の確率変動機能が作動すると、普通図柄の当選確率を通常状態よりも高まる状態となる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、普通図柄の変動時間が短縮される状態となる。普通電動役物67の開放時間延長機能が作動すると、普通電動役物67の開放時間が通常状態よりも延長された状態となる。
また、遊技状態制御手段165は、当否抽選の結果が大当り又は小当りである場合に、図柄群A〜G(図柄群Gは不図示の小当りに係る図柄群)の種類に基づき、特別遊技後の変動パターン選択状態を決定するとともに、特別遊技後の変動パターン選択状態を切り替える。変動パターン選択状態は、後述する変動パターンテーブルを選択する際に参照される条件の一つである。変動パターン選択状態の切り替え時期は、特別遊技の終了時又は変動パターン選択状態の終期回数を満了したときである。本実施形態では、変動パターン選択状態として、通常変動パターン選択状態、確変変動パターン選択状態態、時短変動パターン選択状態などが存在する。ここで、通常変動パターン選択状態とは、遊技状態が通常状態のときに選択される通常変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。確変変動パターン選択状態とは、遊技状態が特別図柄の確変状態のときに選択される確変変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。時短変動パターン選択状態とは、遊技状態が特別図柄の時短状態のときに選択される時短変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。なお、遊技状態制御手段165は、現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(「遊技状態指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄の変動パターンを選択する際に参照される複数種の変動パターンテーブルを保持している。特別図柄変動パターン判定手段143は、現在の変動パターン選択状態と当否抽選の結果とに基づき、複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。
図74は、特別図柄の変動パターンテーブルの一例を模式的に示す図である。ここで、図中の(A1),(A2)は通常変動パターンテーブル、図中の(B1),(B2)は確変変動パターンテーブル、図中の(C1),(C2)は時短変動パターンテーブルである。各変動パターンテーブルには、複数種の変動パターンが規定されている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には特別図柄変動パターン乱数値に応じて、変動パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定されるようになっている。各種の変動パターンは、その図柄変動の終了条件として当該変動パターンごとに変動時間が定められており、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。具体的には、変動パターンP1,P2は、それぞれ5秒、10秒の変動時間を有しており、図柄の変動過程として非リーチの変動態様を取り得る。変動パターンP3,P4は、それぞれ20秒、40秒の変動時間を有しており、図柄の変動過程としてノーマルリーチ(Nリーチ)の変動態様を取り得る。変動パターンP5,P6は、それぞれ60秒、90秒の変動時間を有しており、図柄の変動過程としてリーチ付きの変動態様を取り得り、最終的にはスーパーリーチ(SPリーチ)に発展する。ここで、いずれの変動パターンテーブルにおいても、当否抽選の結果が大当りの場合には、非リーチの変動パターンP1,P2が選択されることはなく、リーチ付きの変動パターンP3〜P6のみが選択される。他方、当否抽選の結果がはずれである場合には、非リーチの変動パターンP1,P2の選択率が相対的に高くなっている。ここで、はずれ用の通常変動パターンテーブルと比較して、はずれ用の確変変動パターンテーブルおよびはずれ用の時短変動パターンテーブルでは、非リーチの変動パターンP1(変動時間:5秒)の選択率が相対的に高くなっている点で、平均的な変動時間が短縮化される傾向である。なお、本例では、説明の便宜上、複数種の変動パターンのみを例に挙げて説明するが、実際には100種類以上の変動パターンが存在する。
また、前述の説明では、いずれの場合にもはずれ用の変動パターンテーブルを単一のテーブルで表現しているが、当否抽選の結果がはずれとなったときは、特別図柄の作動保留球数(0〜4)に応じて異なる変動パターンテーブルか選択される場合もある。つまり、特別図柄の作動保留球数に応じた変動パターンテーブルを用いることで、作動保留球数が多いほど相対的に短い変動時間が選択される割合を高くして、逆に作動保留数が少ないほど相対的に長い変動時間が選択される割合を高くすることができる。一方で、当否抽選の結果が大当りである場合には、当該大当りに係る図柄又は図柄群に応じた変動パターンテーブルを用いることで、大当りの種類に応じて、演出的に大当りの期待感を高める変動時間が選択される割合を異ならせることができるようにしてもよい。
また、特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄の変動パターンを選択した後、演出制御基板200に対して装飾図柄の変動開始を指示するため、演出制御基板200との通信が正常に行われているか否かを確認するための演出制御コマンド(「通信検査コマンド」と称する)、変動付加図柄情報(変動時間を加減算するための情報)を含む演出制御コマンド(「変動付加図柄情報指定コマンド」と称する)、変動パターン情報を含む演出制御コマンド(「変動パターン指定コマンド」と称する)、キャラクタ演出番号の情報(図柄群および遊技状態の情報)を含む「キャラクタ演出番号指定コマンド」等を生成して(以降、これらのコマンドを纏めて「変動開始コマンド」と称する)、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄当否判定手段146と、普通図柄停止図柄判定手段147と、普通図柄変動パターン判定手段148と、を有する。普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄の変動開始条件が充足したとき、普通図柄保留格納領域における最先の記憶領域に格納された普通図柄当り乱数値、普通図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域、普通図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。
普通図柄当否判定手段146は、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域から普通図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否抽選の結果は、メイン情報記憶手段180の普通図柄判定フラグに一時記憶され、以降の処理で使用された後、普通図柄の変動停止時にクリアされる。普通図柄当否判定手段146は、この当否抽選の際に参照される普通図柄当否抽選テーブルを保持しており、通常状態(低確率状態)においては例えば「160/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照し、普通図柄の確変状態(高確率状態)においては、例えば「282/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照して、普通図柄の当否抽選を実行する。
普通図柄停止図柄判定手段147は、図柄抽選テーブルを参照して、当否抽選の結果が当りである場合には所定の当り図柄を割り当てる一方、はずれである場合には所定のはずれ図柄を割り当てるようになっている。
普通図柄変動パターン判定手段148は、メイン情報記憶手段180の普通図柄変動パターン判定領域から普通図柄変動パターン乱数値を読み出すとともに、普通図柄変動パターンテーブルを参照して、通常状態における普通図柄の変動表示においては、相対的に長い変動時間を選択する(例えば「4秒・5秒・6秒・7秒・8秒・9秒・10秒」の7種類をそれぞれ均一的に選択する)。一方、普通図柄の時短状態(入球容易状態)では相対的に短い変動時間(例えば「0.5秒」)を選択する。
デモ演出設定手段150は、当否抽選の結果が大当りである場合、前記決定された図柄群の種類に応じて、特別遊技中に演出表示装置95等に表示される大当り開始デモ演出および大当り終了デモ演出に係るデモ演出時間を決定する。また、デモ演出設定手段150は、特別遊技のデモ設定処理として、大当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り開始デモコマンド」)と、大当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り終了デモコマンド」)を生成する。
また、デモ演出時間設定手段150は、当否抽選の結果が小当りの場合、小当り遊技中に演出表示装置95等に表示される小当り開始デモ演出および小当り終了デモ演出に係るデモ演出時間を決定する。また、デモ演出設定手段150は、小当り遊技のデモ設定処理として、小当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り開始デモコマンド」)と、小当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り終了デモコマンド」)を生成する。
図柄表示制御手段155は、特別図柄表示制御手段156、普通図柄表示制御手段157、を含む。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置81に変動表示させるとともに、該変動表示後に第1特別図柄を確定表示させる。また、特別図柄表示制御手段156は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置82に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄および第2特別図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマを有している。第1特別図柄表示装置81および第2特別図柄表示装置82の動作状態は、メイン情報記憶手段180の特別図柄遊技ステイタスに基づき監視される。特別図柄表示制御手段156は、特別図柄の変動停止の際に(すなわち、特別図柄遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(「変動停止コマンド」と称する)を生成する。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の変動パターン(変動時間)に従って、普通図柄を普通図柄表示装置85に変動表示させるとともに、該変動表示後に普通図柄を確定表示させる。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための普通図柄遊技タイマを有している。普通図柄表示装置85の動作状態は、メイン情報記憶手段180の普通図柄遊技ステイタスに基づき監視される。
電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、特別遊技処理として、特別電動役物ソレノイド78に制御信号を出力し、特別電動役物77を所定の作動パターンに従って開放させる。特別遊技は、特別電動役物77の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、2R,12R,16R)だけ連続して実行するものである。ここで、大当り種別がいわゆる12R大当り(図柄群A,C)又は16R大当り(図柄群D)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口を最大で約30秒間開放させる。他方、大当り種別がいわゆる2R大当り(図柄群B,E,F)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口を最大で約0.05秒間開放させる。
また、電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が小当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、小当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイド78に制御信号を出力し、特別電動役物77を短期間だけ開放させる。小当り遊技は1回のラウンド遊技で構成される点で、複数回のラウンド遊技で構成される特別遊技とは区別される。ここで、前述した2R特別遊技と小当り遊技とを比較すると、内部的には相違するものの、1回の開閉時間(0.05秒)が同じ点及び開閉回数が同一である点(前者が1ラウンド当たり1開閉を2ラウンドの2回、後者が1ラウンド当たり2開閉を1ラウンドの2回)で共通するので、見た目上は近似した開放時間・開放パターンの遊技が繰り広げられる。
また、電動役物制御手段160は、普通図柄の当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド68に制御信号を出力して、所定の開放時間だけ普通電動役物67を開放させる。ここで、電動役物制御手段160は、通常状態では普通電動役物67を極短時間(例えば0.2秒間)だけ開放させるのに対し、入球容易状態(電チューサポート状態)では普通電動役物67を通常状態と比較して相対的に長い時間(例えば4秒間)に亘り開放させる。
エラー監視制御手段170は、I/Oポート回路104の入力情報を監視し、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー状態演出を指示すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を要求する。なお、図70では記載を省略しているが、扉開放スイッチはガラス枠5が開放されているか否かの検出手段であり、枠開放スイッチは前枠2が開放されているか否かの検出手段であり、裏セット開放スイッチは裏機構盤30が開放されているか否かの検出手段である。また、磁気センサおよび電波センサはいわゆるゴト行為を発見するための検出手段である。
メイン情報記憶手段180は、取得した乱数値情報、特別図柄遊技および普通図柄遊技に関する遊技状態(確変状態、時短状態、入球容易状態)の情報、変動パターン選択状態に関する情報、当否抽選の結果情報(当り、小当り、はずれ)、特別図柄や普通図柄に係る停止図柄および変動パターンの情報、特別遊技に関する情報(ラウンド数、開放時間、開放態様(1ラウンド遊技あたりの開放回数)など)、特別図柄表示装置71,72の動作状態を示すステイタス情報、特別電動役物77の動作状態を示すステイタス情報、演出制御コマンドデータの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。
コマンド送受信手段190は、コマンド送信要求があった場合に、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納された各種の演出制御コマンドデータをパラレル伝送方式にて演出制御基板200に送信するように構成されている。なお、各演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含んだ2バイト構成となっており、MODEとEVENTを区別するために、MODデータのBit7は「1」、EVENTデータのBit7は「0」としている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、MODEおよびEVENTの各々に対してストローブ信号が出力される。各処理で発生した演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域にセットされた順番に従って割込み周期毎に1コマンド送信される。
《演出制御基板》
演出制御基板200は、図71に示すように、演出抽選乱数発生手段210、演出統括手段220、ランプ制御手段230、役物制御手段240、エラー演出制御手段250、サブメイン情報記憶手段260、コマンド送受信手段270、を含む。なお、演出制御基板200における上述の各手段は、演出制御基板200上に配されたサブメインCPU201、ROM202、RAM203、電子回路等のハードウェア及びROM202に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
演出抽選乱数発生手段210は、サブメインCPU201のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数(演出抽選乱数)を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、先読み予告演出の抽選に使用するための先読み予告抽選乱数、先読み予告パターンの選択に使用する先読み予告パターン乱数、装飾図柄の停止図柄の選択に使用する装飾図柄乱数、装飾図柄の変動演出パターンの選択に使用する変動演出パターン乱数、予告演出パターンの選択に使用する予告演出パターン乱数、などが含まれる。これらの乱数の更新時期としては、後述の演出制御側メイン処理内でコマンド解析が行われなかった場合の残余時間を利用して更新する。
演出統括手段220は、演出モード制御手段221、保留情報表示制御手段222、先読み予告制御手段223、装飾図柄決定手段224、変動演出決定手段225、予告演出決定手段226、大当り演出決定手段227、を含む。
演出モード制御手段221は、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドに基づき、主制御基板100側で管理された遊技状態および変動パターン選択状態との整合性をとるかたちで、演出モードの移行制御を実行する。本実施形態では、3種類の演出モードとして、通常演出モード、確変演出モード、時短演出モード、が含まれる。演出表示装置95には、現在滞在中の演出モードに対応した演出モード報知画像(本例では、装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示され、この背景画像は演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像の種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。
保留情報表示制御手段222は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2保留球数カウンタ、を有している。保留情報表示制御手段222は、主制御基板100からの図柄記憶数コマンドを受信すると、この図柄記憶数コマンドに含まれる作動保留球数の情報に基づき、第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの値を更新する。また、保留情報表示制御手段222は、第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの値に基づいて、演出表示装置95の保留表示部701,702に、第1特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像と、第2特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像とを表示する制御を行う。通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生起されると白色表示の保留画像が表示される一方、次述する保留変化先読み予告演出が実行された場合には、先読み予告の対象となった保留画像が通常の表示態様(白色)から特殊な表示態様(大当り期待度に応じて青色→緑色→紫色→赤色など)に変化される。
先読み予告制御手段223は、主制御基板100から事前判定コマンドを受信したことを契機として、先読み予告演出の実行可否を抽選にて決定する。先読み予告制御手段223は、事前判定コマンドに含まれる事前判定結果の情報(先読み情報)を作動保留球の入球順序と結合したかたちでサブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域に一時記憶する。先読み予告演出は、装飾図柄の連続的な複数回の変動表示に亘って大当り当選又はリーチ演出発生の可能性を予告するいわゆる連続予告演出の一態様として発生される。先読み予告演出(連続予告演出)を実行可と判定した場合は、主制御基板100からの事前判定コマンドの情報(事前判定の結果)および図柄記憶数コマンドの情報(現存する作動保留球数)を解析して、今回の先読み予告演出の発生契機となる作動保留球(「トリガ保留」と称する)を対象として連続的な複数回の変動表示に亘る先読み予告演出パターンが抽選で決定される。なお、先読み予告演出には、保留変化先読み予告演出、チャンス目先読み予告演出、背景変化先読み予告演出などの各種のバリエーションが存在する。
装飾図柄決定手段224は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報、キャラクタ演出番号情報)に基づき、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・左図柄)を抽選により決定する。本例では、複数種類の装飾図柄を含む3つの図柄列が構成される。この装飾図柄は、例えば、数字又は文字からなる識別要素により形成されている。本例では、識別要素として、「1」〜「9」の数字、「A」、「B」、「C」の文字などの全12種類が設定されている。各装飾図柄は図柄列の配列に従って「1」→「2」→「3」→・・・→「9」→「A」→「B」→「C」の順序で各表示領域Z1,Z2,Z3にて巡回表示させる。本例では、装飾図柄の停止図柄の組合せ(左図柄・中図柄・右図柄)として、偶数の装飾図柄を通常大当り発生となる非確変図柄として取り扱う一方、奇数および文字の装飾図柄を確変大当り発生となる確変図柄として取り扱う。
また、装飾図柄決定手段224は、装飾図柄の停止図柄の組合せ(「停止図柄パターン」ともいう)を抽選で決定する際に参照される複数種の停止図柄パターンテーブルを保持している。この複数種のテーブルとしては、大当り用の停止図柄パターンテーブル、小当り用の停止図柄パターンテーブル、リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブル、非リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブルなどがある。装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成され、例えば当否抽選の結果が大当りに該当する場合には特定の組み合わせ、例えば「7・7・7」や「1・1・1」のように3つの図柄が揃った組み合わせが選択される。抽選結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組み合わせ、例えば「3・5・7」のような所定の組み合わせが選択される。すなわち、2R大当りや小当りの特定の組み合わせは必ずしも3つの図柄が揃った組み合わせでなくてもよい。抽選結果がリーチはずれである場合は、例えば「3・4・3」や「7・5・7」のように、左図柄と右図柄とが一致している状態で中図柄のみが前後に数コマずれた組合せが選択される。なお、小当りや2R大当りである場合に、上記のリーチはずれの態様としてもよい。他方、抽選結果が非リーチはずれである場合は、「3・1・2」や「9・4・6」のように3つの図柄が揃っていない組み合わせ(いわゆるバラケ目)が選択される。また、抽選結果が非リーチはずれである場合には、いわゆる「チャンス目」と称される特定の出目が選択されることがある。更には、上記のような最終的な停止図柄を確定表示する前に仮停止させる演出を行う場合には、その仮停止図柄が選択される。
変動演出決定手段225は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報)に基づき、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程(演出過程)を規定した変動演出パターンを決定する。変動演出決定手段225は、変動演出パターンを選択する際に参照される複数種の変動演出パターンテーブルを保持しており、これら複数種の変動演出パターンテーブルの中から特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応した変動演出パターンテーブルを選択するようになっている。変動演出パターンテーブルでは、特別図柄の変動パターン抽選の結果(すなわち、リーチ種別)に応じて、変動演出パターン乱数値と変動演出パターンとが対応付けられている。ここで、主制御基板100側では変動パターンとして図柄変動の基本パターン(例えば、「NリーチA」、「SPリーチA」など)が定まるのに対して、演出制御基板200側では変動演出パターンとして当該基本パターンを基に演出表示過程のシナリオを詳細に規定した図柄変動の詳細パターン(例えば、「NリーチA1,A2,A3」、「SPリーチA1,A2,A3,A4」など)が定まる。このように装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のシナリオが定義されており、当該表示過程中の各段階において予告演出を発生させるタイミングなどもタイムスケジュールとして規定されている。なお、装飾図柄を停止させるための停止順序は、変動演出パターン毎に予め定められており、本実施形態では原則として、左図柄→右図柄→中図柄の順に停止させる。但し、変動時間の短い変動演出パターンである場合には、左図柄・中図柄・右図柄をほぼ同時に停止させ、特定の変動演出パターンである場合には、左図柄→中図柄→右図柄の順に停止させることもできる。このとき、上記原則の停止順序(左図柄→右図柄→中図柄)でない場合は、大当り期待度が相対的に高くなる傾向となる。
予告演出決定手段226は、上述した変動演出パターンのシナリオに沿って装飾図柄の変動過程の各段階で実行される予告演出の内容を規定した予告演出パターンを決定する。予告演出パターンには、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーションなどを一時的又は段階的に画像表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターン、演出装置を動作させる演出パターン等が含まれる。予告演出は、装飾図柄の変動表示と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する大当り信頼度が高いことを予告的に示唆するものである。予告演出には、装飾図柄の変動過程においてリーチ状態が発生する前(リーチ発生時を含む)に実行される予告演出と、リーチ状態が発生した後に実行される予告演出とがある。予告演出はそれぞれ大当り信頼度が異なるものとなっており、基本的には、リーチ発生前に表示される予告演出よりもリーチ発生後に表示される予告演出の方が相対的に大当り信頼度は高くなっている。予告演出決定手段226は、予告演出パターンを選択する際に参照される予告演出パターンテーブルを予告演出の種類別に保持しており、変動演出パターンのシナリオに沿って発生する予告演出の種類に応じた予告演出パターンテーブルを選択するようになっている。予告演出決定手段226は、上記で選択された予告演出パターンテーブルを参照して、演出抽選乱数発生手段210から取得した予告演出パターン乱数値に基づき、抽選によって、複数種の予告演出パターンの中からいずれかを選択する。なお、具体的な予告演出パターンの種類としては、コメント予告演出パターン、背景予告演出パターン、SU(ステップアップ)予告演出パターン、群予告演出パターン、カットイン予告演出パターン、役物可動予告演出パターン、などが用意されている。この予告演出は、基本的には、演出表示装置95での装飾図柄の変動表示に、1又は複数の予告演出の表示を合成することによって行われる。そのため、同一の変動演出パターンによる装飾図柄の変動表示であっても、1又は複数の予告演出との組み合わせによって多彩な演出態様を発生させることが可能となる。
大当り演出決定手段227は、主制御基板100からの大当り演出のデモ時間情報に基づき、特別遊技の実行に先立って、その特別遊技中に表示させる大当り開始デモ及び大当り終了デモを含む特別遊技演出(大当り遊技演出)の内容を決定する。また、大当り演出決定手段227は、主制御基板100から当り開始デモ演出コマンド又は当り終了デモ演出コマンドを受信した場合、決定された特別遊技演出の内容に従って、演出表示装置95における当り開始デモ演出および当り終了デモ演出の演出処理を制御する。
以上、演出統括手段220は、前記決定された演出内容(変動演出パターン、予告演出パターン、停止図柄パターンなど)に基づき画像および音響に関する画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する。
ランプ演出制御手段230は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って演出ランプの点灯や発光色等を制御する。ランプ演出制御手段230は、演出ランプLP(枠ランプ10、盤ランプ25)を点灯制御するための複数種のランプデータ(ランプパターンデータ)を保持しており、前記決定した演出パターンに応じたランプデータを読み出して、このランプ制御信号(ランプデータ)をランプ接続基板291へ送信する。
役物演出制御手段240は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って各演出装置の駆動を制御する。役物演出制御手段240は、演出装置を駆動制御するための複数種の駆動データを保持しており、前記決定した演出パターンに応じた駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ292へ送信する。
エラー演出制御手段250は、主制御基板100からエラー演出指定コマンドを受信した場合にエラー演出パターンを決定し、遊技機にエラー状態が発生したことを当該エラー演出パターンに従って報知するように構成されている。
サブメイン情報記憶手段260は、装飾図柄の情報、変動演出パターンの情報、予告演出パターンの情報、制御コマンドの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。例えば、コマンド格納領域には、主制御基板100からの演出制御コマンドを格納するための演出制御コマンドバッファ、画像制御基板300への画像制御コマンドを格納するための画像制御コマンドバッファ、画像制御基板300からのACKコマンドを格納するためのACKコマンドバッファを含む。各コマンドバッファはそれぞれリングバッファから構成されており、所定数の演出制御コマンド、画像制御コマンド、ACKコマンドをそれぞれ格納可能である。
コマンド送受信手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、この演出制御コマンドを演出制御コマンドバッファに格納するように構成されている。コマンド送受信手段270は、主制御基板100からの前述のストローブ信号の入力に基づき割込みを発生させて演出制御コマンドの受信割込み処理(詳細後述)を実行し、この割込み処理において各種の演出制御コマンドを取得するようになっている。なお、コマンド送受信手段270は、ストローブ信号を受信した場合には、この演出制御コマンドの受信割込み処理を他の割込み処理(後述する優先レベル7未満の割込み処理)よりも優先的に行うようになっている。
また、コマンド送受信手段270は、演出統括手段220にて設定された演出内容(変動演出パターン情報、予告演出パターン情報、装飾図柄情報など)の実行を指示すべく、サブメイン情報記憶手段260に格納された画像制御コマンドをシリアル通信方式にて画像制御基板300へ送信する。画像制御コマンドは、原則として、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にセットされた順番に従って所定の周期(本例では500μs)毎に送信される。これにより、画像制御基板300は、演出制御基板200から送信された各種の画像制御コマンドを解析し、変動演出パターンのシナリオに沿って演出表示装置95に装飾図柄を含む演出画像を変動表示させるとともに、変動表示過程の各段階で図柄変動の演出に重畳させたかたちで予告演出を表示させる。さらに、コマンド送受信手段270は、画像制御基板300から送信されたACKコマンドを受信し、このACKコマンドをACKコマンドバッファに格納するようになっている。
[主制御基板側の処理]
次に、図75〜図89のフローチャートを参照しながら、主制御基板100における動作処理の手順について説明する。主制御基板100側の処理は、主制御側メイン処理と、主制御側タイマ割込み処理と、を含んで構成される。
《主制御側メイン処理》
図75〜図76は主制御基板100の主制御側メイン処理を示すフローチャートである。この主制御側メイン処理では、電源投入時のリセットによりメインCPU101のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S1以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定するとともに(S1)、RAM103のアクセス許可を行う(S2)。続いて、タイマ割込みが発生した場合に処理するプログラムの先頭アドレスが格納されたベクタテーブルを設定し(S3)、メインCPU101の内蔵レジスタに初期値を設定する(S4)。
続いて、RAMクリアスイッチがオンされているか否かを判定する(S5)。RAMクリアスイッチがオンされている場合(S5:YES)には、後述するS9でRAM103の全領域がゼロクリアされる。他方、RAMクリアスイッチがオンされていない場合(S5:NO)には、電源断情報フラグの値を読み込んで、電源断正常の情報が保存されているか否かを判定する(S6)。
ここで、電源断正常の情報が保存されている場合(S6:YES)には、RAM103の所定領域を対象としてチェックサムを算出する(S7)。そして、このチェックサムが0であるか否か、すなわち、チェックサムが正常であるか否かを判定する(S8)。なお、ここで算出される電源投入時のチェックサムには、後述の電源断時処理で算出されるチェックサムの補数が含まれているため、正常にバックアップされていれば、電源投入時のチェックサムは「0」となる。このように、電源断前にRAM103に記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断する。このとき、チェックサムが正常である場合(S8:YES)には、電源断前の状態に復帰すべく、後述するS12に移行する。他方、チェックサムが異常である場合に(S8:NO)には、RAM103の全領域をゼロクリアする(S9)。次に、RAM103に電源投入時の初期化データを設定する(S10)。続いて、演出表示装置95の初期化、演出ランプLPの初期化などを行うため、演出制御基板200への演出制御コマンド(「演出初期コマンド」)を要求する(S11)。
次に、電源断復帰設定処理において、RAM103における、電源投入正常情報の設定、各種エラーの初期設定、払出制御基板400との通信初期設定を順に行う(S12)。ここで、電源投入正常情報の設定としては、電源投入が正しく行われたことを保存するため、電源断情報フラグに電源投入正常データを格納するとともに、電源断発生の情報を初期化するため、電源断確認フラグをオフにする。次に、データ転送元アドレス、データ転送先アドレス、転送バイト数、をセットして、転送バイト数分のデータを転送する(S13)。そして、電源断時における特別図柄遊技ステイタスの値を読み込んで、特別図柄遊技に係る電源断復帰処理を行う(S14)。
続いて、主制御基板100と演出制御基板200との電源断復帰時の演出制御コマンド(「電源断復帰コマンド」)の送信要求を行う(S15)。この電源断復帰コマンドには、通信線の検査、特別図柄の作動状態、確率変動回数、時短回数、入球容易状態回数、変動パターン選択状態、エラー状態に関する情報が含まれている。なお、電源断前の未送信分のコマンド要求はクリアされる。次に、図柄記憶数コマンド要求処理において、電源断時の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を読み込み、この作動保留球数の情報を含む演出制御コマンドを要求する(S16)。
続いて、普通電動役物67を電源断前の状態(例えば、第2始動口65を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S17)。さらに、特別電動役物77を電源断前の状態(例えば、大入賞口64を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S18)。続いて、特別図柄モードフラグの値を読み込み、電源断時における特別図柄の確率変動機能の作動状態を設定する(S19)。なお、特別図柄モードフラグとは、特別図柄遊技の作動確率(高確率又は低確率)を設定するためのフラグである。次いで、タイマ割込みを起動させるため、主制御マイコン110のCTC回路の初期設定として、所定のカウント値を設定して、タイマ割込みを4ms毎に発生させる(S20)。続いて、タイマ割込み処理の発生を禁止すべく割込み禁止を設定する(S21)。そして、ウォッチドッグタイマのリスタート準備として、クリアワード1(「55H」)を設定する(S22)。
次に、電源断の発生を判定するため、電源断確認フラグの値を読み込み、電源断が発生しているか否かを判定する(S23)。電源断が発生していない場合には、初期値乱数更新処理を実行する(S24)。この初期値乱数更新処理では、この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ割込み処理の発生を許可すべく割込み許可を設定して(S25)、上述の割込みを禁止する処理(S21)に戻り、S21〜S25のループ処理を繰り返し実行する。ここで、タイマ割込み処理は所定の周期ごとに定期的に実行されるが、前回の割込み処理が完了してから次回の割込み処理が発生するまでの間の残余時間を利用して、S21〜S25までの処理を繰り返す。そして、割込み禁止状態において割込み要求があった場合には、S25で割込み許可となったときにタイマ割込み処理が起動することとなる。他方、S23で電源断確認フラグがオンとなっている場合、すなわち、電源断が発生している場合には、S26に移行して、次述する電源断時処理を実行する。
次に、電源断時処理(S26〜S32)として、まず、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S26)。次に、電源断情報フラグの内容が電源投入正常データであるか否かを判定する(S27)。電源投入正常情報である場合(S27:Yes)には、電源断情報フラグに電源断正常データを設定する(S28)。他方、電源投入正常情報でない場合(S27:No)には、電源断情報フラグに電源断異常データを設定して(S29)、S32に移行する。
次に、RAM103の所定領域(チェックサム領域を除く)に対してチェックサムを算出する(S30)。そして、チェックサムデータに対する補数を算出し、この補数の結果値をRAM103のチェックサム領域に設定する(S31)。続いて、RAM103のアクセス禁止設定をして(S32)、電源が落ちるまで処理をループする。
《主制御側タイマ割込み処理》
次に、主制御基板100の主制御側タイマ割込み処理を説明する。図77は、主制御基板100のタイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、遊技制御マイコン110のCTC回路からの一定時間(例えば4ms)毎のクロックパルスにより起動され、上述の主制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。なお、以下で使用する用語として、「条件装置」および「役物連続作動装置」という用語は概念上の制御機器を意味しており、「条件装置」とは、特別図柄遊技で大当りが発生した場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」とは、特別電動役物77を連続して複数回作動させることができるものである。
まず、このタイマ割込みが発生すると、メインCPU101内のレジスタの内容をRAM103のスタック領域に退避させた後、割込み動作条件を設定する(S51)。
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S52)。このとき、予め設定されたタイムアウト時間内に、CPU101のWDTクリアレジスタに、クリアワード1、クリアワード2が順に書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。すなわち、メインCPU101がプログラムを正常に実行しているときは、定期的にクリアワード1,2が設定されることにより、ウォッチドッグタイマがタイムアウトする前にクリアおよびリスタートされることとなる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
次に、入力処理を実行する(S53)。この入力処理では、主制御基板100に接続されている各種スイッチとして、RAMクリアスイッチ以外のスイッチの情報が読み込まれる。すなわち、第1始動口スイッチ61、第2始動口スイッチ66、作動ゲートスイッチ71、大入賞口スイッチ76、扉開放スイッチ、枠開放スイッチ、裏セット開放スイッチ、磁気センサ、電波センサ、などの入力情報を読み込み、それらの状態判定を行ったうえで、これらの検出情報を格納する。
次に、各種乱数更新処理を実行する(S54)。この各種乱数更新処理では、普通図柄変動パターン乱数および特別図柄変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数については、乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。他方、特別図柄変動パターン乱数については、前回の乱数から所定値(例えば3511)を減算する。なお、減算した結果が0未満の場合には、減算した結果に所定値(例えば50000)を加算する。
次に、初期値更新型乱数更新処理を実行する(S55)。この初期値更新型乱数更新処理では、普通図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数および特別図柄当り図柄乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。また、カウンタの数値が1周した場合には、対応する初期値乱数の値を初期値として設定する。
次に、初期値乱数更新処理を実行する(S56)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ減算処理を実行する(S57)。このタイマ減算処理では、ぱちんこ遊技機PMの遊技動作制御に用いる各種タイマの値を減算更新する。例えば、各種タイマの値を割込み周期(本例では4ms)ずつ減算する。なお、各種タイマには、特別図柄表示装置71,72に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマ、などが含まれる。
次に、第2始動口有効期間設定処理を実行する(S58)。この第2始動口有効期間設定処理では、第2始動口65の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として、第2始動口65の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、入賞監視処理を実行する(S59)。この入賞監視処理では、前記入力処理(S53)での第1始動口スイッチ61、第2始動口スイッチ66、作動ゲートスイッチ71、大入賞口スイッチ76の検出情報に基づき、遊技球のスイッチ通過検査を行い、その結果、遊技球が各スイッチを通過したと判断した場合、賞球回数を記憶するとともに、払出制御コマンドの送信要求、などを行う。
次に、賞球制御処理を実行する(S60)。この賞球制御処理では、入賞の種別に対応する賞球個数の指示をすべく払出制御コマンドを払出制御基板400へ送信するとともに、払出制御基板400からの受信データを監視して払出制御基板400との通信検査を行う。
次に、普通図柄作動ゲート監視処理を実行する(S61)。この普通図柄作動ゲート監視処理では、遊技球の作動ゲート70への通過を監視し、作動ゲート70を通過していると判断した場合、普通図柄抽選に係る乱数を作動保留球情報として取得して、最大4個を限度として作動保留球数の更新を行うとともに、普通図柄抽選に係る乱数の記憶を行う。
次に、普通図柄制御処理を実行する(S62)。この普通図柄制御処理では、普通図柄表示装置85又は普通電動役物67に係る一連の処理を行うため、普通図柄遊技ステイタスの値に応じて、普通図柄変動中処理、普通図柄停止図柄表示中処理、普通電動役物作動中処理、普通電動役物作動終了デモ中処理、などを実行する。なお、普通図柄変動中処理では、普通図柄を変動表示又は確定表示させるべく、普通図柄の表示パターン番号データを作成(更新)する。
次に、普通図柄変動開始監視処理を実行する(S63)。この普通図柄変動開始監視処理では、普通図柄の作動状態を監視して、普通図柄の変動開始条件を充足していると判断したとき、普通図柄作動保留球数を1個消化して、普通図柄の当否判定、図柄の判定、変動パターンの判定、変動時間の設定、などを順に行う。
次に、始動口監視制御処理を実行する(S64)。この始動口監視制御処理では、遊技球の第1始動口60および第2始動口65への入賞を監視して、遊技球の入賞があった場合、保留球数の更新、特別図柄抽選に係る乱数記憶、先読み予告演出判定、図柄記憶数のコマンド要求、などを順に行う。
次に、特別図柄制御処理を実行する(S65)。この特別図柄制御処理では、特別図柄表示装置71,72に係る一連の処理として、特別図柄遊技ステイタスの値に応じて、詳細後述する特別図柄変動開始処理(S420)、特別図柄変動中処理(S430)、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)、などを実行する。
次に、特別電動役物制御処理を実行する(S66)。この処理では、特別図柄の抽選結果が「大当り」又は「小当り」となった場合に、特別電動役物77に係る動作処理として、特別電動役物77の作動開始および作動終了の設定、大入賞口64の開放時間および開放回数の更新、確率変動機能の作動開始設定、変動時間短縮機能の作動開始設定、変動パターン選択状態の設定、デモ演出のコマンド要求、などを順に実行する。
次に、大入賞口有効期間設定処理を実行する(S67)。この大入賞口有効期間設定処理では、大入賞口64の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として大入賞口64の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、特別図柄変動開始監視制御処理を実行する(S68)。この特別図柄変動開始監視制御処理では、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、保留球数を1個消化して、図柄記憶数のコマンド要求、特別図柄の当否判定、特別図柄の図柄判定、確率変動機能の判定、時間短縮機能の判定、特別電動役物の作動パターンの設定、デモ演出時間の設定、などを順に行う。
次に、異常検知処理を実行する(S69)。この異常検知処理では、前記入力処理(S53)での入力情報に基づき、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを順に検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー表示を要求すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を生成する。
次に、入球通過時間異常検出処理を実行する(S70)。この入球通過時間異常検出処理では、入賞検出スイッチのオン信号が連続して所定時間以上検出された場合に、入球通過時間異常を設定して、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)の要求を行うとともに、外部端子へ出力するためのセキュリティ信号の出力要求を行う。
次に、遊技状態表示処理を実行する(S71)。この遊技状態表示処理では、特別電動役物77が連続して作動する回数(規定ラウンド数)、普通図柄および特別図柄の作動保留球数、などの表示データを作成する。また、前記の異常検知処理で検出したエラー状態の情報を主制御基板100の状態表示灯に表示させるための表示データを作成する。
次に、ハンドル状態信号検査処理を実行する(S72)。このハンドル状態信号検査処理では、発射ハンドル12のタッチセンサからの検出情報に基づき、発射ハンドル12のタッチ状態を監視して、この監視の結果に基づき、演出制御コマンド(ハンドル状態演出のコマンド)を生成する。
次に、LED出力処理を実行する(S73)。このLED出力処理では、特別図柄および普通図柄の表示、保留球数の表示、特別電動役物が連続して作動する回数、エラーの表示などを行うべく、前記の特別図柄制御処理(S65)、異常検知処理(S69)、遊技状態表示処理(S71)等で作成された表示データを、各特別図柄表示装置71,72、普通図柄表示装置85、各特図保留ランプ73,74、普図保留ランプ86、主制御基板100の状態表示灯などに出力するとともに、これら各種表示装置における表示の初期化を行う。
次に、発射制御信号出力処理を実行する(S74)。この発射制御信号出力処理では、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合に、払出制御基板400に対して発射許可の信号を出力し、遊技球の発射を許可する。他方、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されている場合には、払出制御基板400に対して発射禁止の信号を出力し、遊技球の発射を禁止する。
次に、試験信号出力処理を実行する(S75)。この試験信号出力処理では、適正な遊技機であるか否かを判定する性能確認試験において、遊技機の動作状態を示す各種の試験信号を作成して、外部の試験装置に出力する。
次に、ソレノイド出力処理を実行する(S76)このソレノイド出力処理では、各電動役物622,642を作動させるべく、前記の普通図柄制御処理(S62)および特別電動役物制御処理(S66)において取得した制御データに基づき、各電動役物ソレノイド623,643に対して励磁信号を出力する。
次に、演出制御コマンド送信処理を実行する(S77)。この演出制御コマンド送信処理では、前記の処理でメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域(リングバッファ)に格納された演出制御コマンドの中から、ポインタで指定された演出制御コマンドを読み出して、この演出制御コマンドを演出制御基板200に対して送信する。
次に、外部情報出力処理を実行する(S78)。この外部情報出力処理では、外部端子板を介して、遊技機の動作状態情報を外部情報としてホールコンピュータ等の外部装置に出力する。
次に、退避していたレジスタの内容を復帰させて、メインCPU101を割込み許可状態に設定する(S79)。これにより、主制御側タイマ割込み処理を終了して上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を実行する。
なお、主制御側メイン処理中又は割込み処理中に、主制御基板100が電源断(所定の閾値に基づき供給電圧の低下)を検出すると、ノンマスカブル割込みを発生させて、電源断確認フラグをオンにする。そして、元の処理に戻ったうえで、前述の電源断時処理(S26〜S32)を実行することとなる。
≪特別図柄遊技処理≫
次に、主制御側タイマ割込み処理内の特別図柄遊技に係る一連の処理について説明する。特別図柄遊技に係る処理には、前述の始動口監視制御処理(S64)、特別図柄制御処理(S65)、特別電動役物制御処理(S66)、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)、などが該当する。
(始動口監視制御処理)
始めに、始動口監視制御処理(S64)について説明する。図78は、始動口監視制御処理(S64)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口60への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S201)。第1始動口60への入賞を検出した場合(S201:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S202)。
第1特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S202:YES)には、第1特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S203)。そして、第1特別図柄の作動保留球数の更新として、第1特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S204)、第1始動口60の入賞チェックを終了する。
続いて、第2始動口65への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S205)。第2始動口65への入賞を検出した場合(S205:YES)には、第2特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S206)。第2特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S206:YES)には、第2特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第2特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S207)。そして、第2特別図柄の作動保留球数の更新として、第2特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S208)、第2始動口65の入賞チェックを終了する。
続いて、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数の更新があったか否か、すなわち、S204又はS208にて第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が加算されたか否かを判定する(S209)。作動保留球数の更新があった場合(S209:YES)には、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S210)。
次いで、遊技機の状態を確認し、先読み予告演出の事前判定タイミングであるか否かを判定する(S211)。前述したように、事前判定タイミングとは、(1)当り待ち中、且つ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄の作動保留球を取得した場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、のうちのいずれかを満足するときである。事前判定タイミングである場合(S211:YES)には、保留n記憶領域の当り乱数バッファから特別図柄当り乱数値を読み出して、当否事前判定を行う(S212)。そして、この判定結果の情報(予告番号)を含む当否事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S213)。
また、保留n記憶領域の当り図柄乱数バッファから特別図柄当り図柄乱数値を読み出して、図柄事前判定を行う(S214)。そして、この判定結果の情報(予告番号)を含む図柄事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S215)。さらに、保留n記憶領域の変動パターン乱数バッファから特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、変動パターン事前判定を行う(S216)。そして、この判定結果の情報(予告番号)を含む変動パターン事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S217)。
(特別図柄変動開始監視制御処理)
次に、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)について説明する。図79は特別図柄変動開始監視制御処理(S68)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動開始監視制御処理(S68)では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、変動開始条件を充足している方の特別図柄側に対して、後述の特別図柄変動開始監視処理(S310)を実行する。なお、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動開始条件を充足している場合には、前述したように、第2特別図柄側の処理が優先的に実行される。
まず、大当り中又は小当り中であるか否かを判定する(S301)。続いて、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動待機中であるか、すなわち、第1特別図柄遊技ステイタスおよび第2特別図柄遊技ステイタスが共に「00H(変動待機中)」であるか否かを判定する(S302)。
続いて、第2特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定して(S303)、当該保留球数が「0」でない場合(S303:NO)には、第2特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第2特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S304)、第2特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。すなわち、本実施形態では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合には、第1特別図柄の作動保留球の存在の有無に拘わらず、第2特別図柄の作動保留球が優先的に消化されるようになっている。
他方、第2特別図柄の作動保留球数が「0」である場合(S303:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定する(S305)。ここで、当該保留球数が「0」でない場合(S305:NO)には、第1特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第1特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S306)、第1特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。
なお、第1特別図柄および第2特別図柄の変動開始条件が共に成立していない場合(S301:YES,S302:NO,S305:YES)には、特別図柄変動開始監視処理(S310)をスキップする。
(特別図柄変動開始監視処理)
次に、特別図柄変動開始監視処理(S310)について説明する。図80は、特別図柄変動開始監視処理(S310)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動開始監視処理(S310)では、上述のS304又はS306で設定された第1特別図柄変動開始監視テーブル又は第2特別図柄変動開始監視テーブルを参照して、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。
まず、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の作動保留球数を1減算する(S311)。そして、減算後の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S312)。続いて、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の特別図柄保留格納領域にアクセスして、最先の保留記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を順に読み出し、これらの乱数値を、後述の特別図柄当否判定処理(S320)、図柄判定処理(S330)、変動パターン選択処理(S423)に使用するため、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域に転送する(S313)。また、保留記憶領域の更新として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の保留記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(S314)。
続いて、特別図柄当否判定処理を実行する(S320)。特別図柄当否判定処理(S320)では、まず、特別図柄当否抽選テーブルを取得する。このとき、遊技状態が特別図柄確変状態である場合は高確率の当否抽選テーブルを取得し、遊技状態が通常状態である場合は低確率の当否抽選テーブルを取得する。次いで、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出す。そして、特別図柄当否抽選テーブルを参照して、特別図柄当り乱数値に基づき、特別図柄の当否判定を実行する。また、この当否判定結果に対応した値(大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)をメイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納する。
続いて、図柄判定処理を実行する(S330)。図柄判定処理(S330)では、当否判定の結果に応じて、特別図柄の停止図柄、図柄群の種類、キャラクタ演出番号(変動付加図柄情報)を決定する。そして、今回決定した特別図柄の停止図柄、図柄群の種類、キャラクタ演出番号をメイン情報記憶手段180の図柄格納領域に格納する。なお、キャラクタ演出番号は、決定された図柄群の種類(図柄群A〜Lの8パターン)と、特別図柄および普通図柄の確率変動機能の作動状態(特別図柄の確変オン/特別図柄の確変オフ/普通図柄の確変オン/普通図柄の確変オフの4パターン)との組み合わせに基づき、計32パターンなかのいずれかが決定される。なお、当否判定の結果がはずれの場合には、キャラクタ演出番号「0」が決定される。
続いて、当否判定の結果が小当りに該当するか否かを判定するとともに(S341)、当否判定の結果が大当りに該当するか否かを判定する(S342)。当否判定の結果が小当りである場合(S341:YES)は、S347に移行し、当否判定の結果がはずれである場合(S341:NO,S342:NO)は、S349に移行する。
他方、当否判定の結果が大当りである場合(S341:NO,S342:YES)には、S333で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、特別図柄の確率変動機能を作動させるか否かを判定する(S343)。すなわち、図柄群の種類(大当り種別)が、特定図柄を示すものである場合には確率変動機能を付与することを決定し、図柄群の種類が通常図柄を示すものである場合には確率変動機能を付与しないことを決定する。この判定結果は、メイン情報記憶手段180の確率変動判定フラグに記憶される。
また、S333で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、変動時間短縮機能の作動回数を決定するとともに(S344)、電チューサポート機能の作動回数を決定する(S345)。この判定結果(変動時間短縮機能の作動回数情報、電チューサポート機能の作動回数情報)は、メイン情報記憶手段180の時短回数格納領域および入球容易状態回数格納領域に記憶される。
続いて、S333で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別電動役物77の作動パターンを設定する(S346)。具体的には、特別電動役物77の作動パターンとして、ラウンド遊技の規定ラウンド数(本例では、16ラウンド、12ラウンド、2ラウンド)、大入賞口64の最大開放時間(本例では、30秒、0.05秒)などを設定する。
次いで、S333で決定された図柄群の種類と現在の遊技状態とに基づき、特別遊技終了後又は小当り遊技後の変動パターン選択状態を設定する(S347)。続いて、S333で決定された図柄群の種類に基づき、特別遊技又は小当り遊技のデモ演出時間(当り開始デモ時間および当り終了デモ時間)を設定する(S348)。次いで、前述の特別図柄当否判定処理(S320)および図柄判定処理(S330)で使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域および特別図柄図柄判定領域をクリアする(S349)。そして、今回の変動対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(S350)。
(特別図柄制御処理)
次に、特別図柄制御処理(S65)について説明する。図81は、特別図柄制御処理(S65)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物77が未作動中であるか否か、すなわち、特別電動役物遊技ステイタスが「00H(当り待ち状態)」であるか否かを判定する(S401)。続いて、特別電動役物77が未作動中である場合(S401:YES)には、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でないか否かを判定する(S402)。
第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でない場合(S402:YES)には、第2特別図柄に係る処理を実行するため、第2特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S403)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。他方、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」である場合(S402:NO)には、第1特別図柄に係る処理を実行するため、第1特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S404)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。
なお、次述する特別図柄制御汎用処理(S410)では、上述のS403又はS404で設定された第1特別図柄制御テーブル又は第2特別図柄制御テーブルを使用して、今回の変動の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。
(特別図柄制御汎用処理)
続いて、特別図柄制御汎用処理を実行する(S410)。ここで、図82は、特別図柄制御汎用処理(S410)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄制御汎用処理(S410)では、特別図柄遊技ステイタスの値(「01H」,「02H」,「03H」)に応じた処理に移行するための分岐処理(S411〜S414)を実行する。まず、今回の変動の対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスが0でないか否かを判定する(S411)。特別図柄遊技ステイタスが「00H」でない場合(S411:YES)には、特別図柄遊技ステイタスが「01H(変動開始)」であるか否かを判定する(S412)。特別図柄遊技ステイタスが「01H」である場合(S412:YES)には、特別図柄変動開始処理(S420)に移行する。S412でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「02H(変動中)」であるか否かを判定する(S413)。特別図柄遊技ステイタスが「02H」である場合(S413:YES)には、特別図柄変動中処理(S430)に移行する。S413でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「03H(停止図柄表示中)」であるか否かを判定する(S414)。特別図柄遊技ステイタスが「03H」である場合(S414:YES)には、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)に移行する。
(特別図柄変動開始処理)
次に、特別図柄変動開始処理(S420)について説明する。図83は、特別図柄変動開始処理(S420)の詳細を示すフローチャートである。
まず、当否抽選の結果および変動パターン選択状態等に基づき、特別図柄変動パターンテーブルを取得する(S421)。続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域から特別図柄変動パターン乱数値を読み出す(S422)。そして、特別図柄変動パターンテーブルを参照して、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、複数種の変動パターンの中からいずれかを選択する(S423)。
次いで、今回選択された変動パターンに対応する変動時間を設定する(S424)。そして、特別図柄の変動開始の設定として、図柄表示制御手段165の特別図柄遊技タイマに変動時間を格納するとともに(S425)、演出制御基板200への変動開始コマンドを生成する(S426)。変動開始コマンドとしては、主制御基板100と演出制御基板200との通信線の検査および演出表示を開始させるため、通信検査コマンド、変動付加図柄情報指定コマンド、変動パターン指定コマンド、キャラクタ演出番号指定コマンドを順に作成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に記憶する。
続いて、変動パターンの決定に使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域の内容をクリアする(S427)。そして、特別図柄遊技ステイタスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(S428)。
(特別図柄変動中処理)
次に、特別図柄変動中処理(S430)について説明する。図84は、特別図柄変動中処理(S430)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄の変動表示を行うため、特別図柄の表示パターン番号切替処理を実行する(S431)。この表示パターン番号切替処理(S431)では、所定の切替時間毎に、特別図柄の表示パターン番号データを生成する。この表示パターン番号データは、特別図柄を変動表示又は確定表示させるべく、LED出力処理(S73)において、第1特別図柄表示装置81又は第2特別図柄表示装置82に出力される。
次いで、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄の変動時間が終了したか否かを判定する(S432)。特別図柄の変動時間が終了した場合(S432:YES)には、第1特別図柄表示装置81又は第2特別図柄表示装置82に確定表示すべき特別図柄の停止図柄を設定する(S433)。続いて、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を指示するための変動停止コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S434)。
次いで、特別図柄遊技タイマに確定表示時間として「500(ms)」を格納する(S435)。なお、「確定表示時間」とは、特別図柄の変動停止の際に、停止図柄を確定的に停止表示させる時間である。そして、特別図柄遊技ステイタスを「02H(変動中)」から「03H(停止図柄表示中)」に遷移する(S436)。
(特別図柄停止図柄表示中処理)
次に、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)について説明する。図85〜図86は、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄(停止図柄)の確定表示時間が終了したか否かを判定する(S441)。ここで、特別図柄の確定表示時間が終了した場合(S441:YES)には、特別図柄遊技ステイタスを「03H(停止図柄表示中)」から「00H(待機中)」に遷移する(S442)。
続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納された当否判定データが大当りデータ「55H」であるか否かを判定する(S443)。当否判定データが大当りデータである場合(S443:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動停止(S444)、特別図柄の変動時間短縮機能の作動停止(S445)、電チューサポート機能の作動停止(S446)、を順に行う。具体的には、特別図柄モードフラグに「00H(未作動)」を設定するとともに、時短回数カウンタおよび入球容易状態回数カウンタに「00H」を設定してゼロクリアする。
次いで、特別遊技の当り開始デモ設定処理として、当り開始デモ表示時間を設定するとともに、当り開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(当り開始デモコマンド)を生成する(S447)。続いて、変動パターン選択状態の実行回数(変動パターン選択状態回数カウンタ)をゼロクリアする(S448)。また、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「01H(特別遊技)」に遷移する(S449)。そして、当否判定フラグの内容をクリアするため、「00H」を設定する(S450)。
他方、当否判定データが大当りデータでない場合(S443:NO)には、特別図柄の確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(S451)。特別図柄の確率変動機能が作動中である場合(S451:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタを1減算する(ステップS452)。続いて、確率変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS453)。確率変動回数カウンタがゼロである場合(S453:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動を停止する(S454)。減算後の確率変動回数カウンタがゼロでない場合(S453:NO)には、S454をスキップして、S455に移行する。
次いで、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S455)。特別図柄の変動時間短縮機能が作動中である場合(S455:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の時短回数カウンタを1減算する(ステップS456)。続いて、時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS457)。時短回数カウンタがゼロである場合(S457:YES)には、特別図柄時短状態の終了回数に到達したとして、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を停止する(S458)。減算後の時短回数カウンタがゼロでない場合(S457:NO)には、S458をスキップして、S459に移行する。
次いで、電チューサポート機能が作動中であるか否かを判定する(S459)。電チューサポート機能が作動中である場合(S459:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の入球容易状態回数カウンタを1減算する(ステップS460)。続いて、入球容易状態回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS461)。入球容易状態回数カウンタがゼロである場合(S461:YES)には、入球容易状態の終了回数に到達したとして、電チューサポート機能の作動を停止する(S462)。減算後の入球容易状態回数カウンタがゼロでない場合(S461:NO)には、S462をスキップして、S463に移行する。
次いで、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを1減算する(S463)。そして、変動パターン選択状態を更新する(S464)。具体的には、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを参照し、現在の変動パターン選択状態の実行回数が予め設定された終了回数に達したか否かを判定し、終了回数に達している場合には、次に規定された変動パターン選択状態に切り替える。他方、終了回数に達していない場合には、現在の変動パターン選択状態を維持する。
次いで、前述のS451〜S464にて更新された現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S465)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、演出モードの設定および更新を実行する。
続いて、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されているか否かを判定する(S466)。小当りデータが格納されている場合(S466:YES)には、小当り遊技の当り開始デモ設定処理として、当り開始デモ表示時間を設定するとともに、当り開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンドを生成する(S467)。続いて、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「02H(小当り遊技)」に遷移する(S468)。そして、当否判定フラグの内容をクリアするため「00H」を設定する(S469)。
他方、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されていない場合(S466:NO)、すなわち、特別図柄判定フラグにはずれデータ「00H」が格納されている場合には、S467〜S469をスキップする。なお、特別図柄判定フラグがはずれデータである場合に、当該フラグの内容をクリアする処理をしなかったのは、もともとはずれデータとして「00H」が格納されているからである。
(特別電動役物制御処理)
次に、特別電動役物制御処理(S66)について説明する。図87〜図89は、電動役物制御処理(S66)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」であるか否かを判定する(S501)。特別電動役物遊技ステイタスが「01H」である場合(S501:YES)には、以降の処理において特別遊技処理を実行する。この特別遊技処理において、まず、特別電動役物77が作動中であるか否かを判定する(S502)。特別電動役物77が作動していない場合(S502:NO)には、特別電動役物77の作動開始時間であるか否かを判定する(S503)。特別電動役物77の作動開始時間とは、各ラウンド遊技おいて特別電動役物77の作動を開始するタイミングである。
特別電動役物77の作動開始時間である場合(S503:YES)には、特別電動役物77の作動を開始して(S504)、特別電動役物77の作動中の処理として、S505〜S509の処理を実行する。
特別電動役物77の作動中の処理として、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入賞したか否かを判定するとともに(S505)、特別電動役物77の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S506)。このとき、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入賞した場合(S505:YES)又は特別電動役物77の作動時間が経過した場合(S506:YES)には、特別電動役物77の作動を停止させる(S507)。そして、特別電動役物77の連続作動回数が予め定められた規定ラウンド数に達したか否かを判定する(S508)。連続作動回数が規定ラウンド数に達していない場合(S508:NO)には、特別電動役物77の連続作動回数を1インクリメントする(S509)。
他方、特別電動役物77の連続作動回数が規定ラウンド数に達している場合(S508:YES)には、S510に移行して、特別遊技の当り終了デモ設定処理として、当り終了デモ表示時間を設定するとともに、当り終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(当り終了デモコマンド)を生成する(S510)。
続いて、時短回数カウンタに、上記S344で設定した変動時間短縮回数情報を格納する(S511)。また、入球容易状態回数カウンタに、上記S345で設定した入球容易状態回数情報を格納する(S512)。
続いて、上記S343で設定された確率変動判定フラグの内容を参照して、条件装置の作動が特定図柄(いわゆる確変図柄)による作動であるか否かを判定する(S513)。特定図柄による条件装置の作動である場合(S513:YES)には、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタに作動時データ「7FH」を格納して、特別図柄の確率変動機能の作動を開始する(S514)。他方、特定図柄による条件装置の作動でない場合(S513:NO)には、確率変動回数カウンタに未作動時データ「00H」を格納して、S514をスキップする。
続いて、時短回数カウンタに記憶された変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S515)。変動時間短縮機能作動データである場合(S515:YES)には、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を開始する(S516)。他方、変動時間短縮機能作動データでない場合(S515:NO)には、S516をスキップする。
続いて、入球容易状態回数カウンタに記憶された入球容易状態回数情報が電チューサポート機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S517)。電チューサポート機能作動データである場合(S517:YES)には、電チューサポート機能の作動を開始させる(S518〜S520)。すなわち、普通図柄の確率変動機能の作動開始(S518)、普通図柄の変動時間短縮機能の作動開始(S519)、普通電動役物67の開放延長機能の作動開始(S520)、を順に実行する。他方、電チューサポート機能作動データでない場合には、S518〜S520をスキップする。
次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S521)。続いて、前述のS511〜S521にて設定された特別遊技後の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S522)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、特別遊技後の演出モードを設定する。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S523)。
他方、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」でない場合(S501:NO)には、S530に移行して、特別電動役物遊技ステイタスが「02H(小当り遊技)」であるか否かを判定する(S530)。特別電動役物遊技ステイタスが「02H」である場合(S530:YES)には、以降の処理で小当り遊技処理を実行する。
小当り遊技処理において、まず、特別電動役物77が作動中であるか否かを判定する(S531)。特別電動役物77が作動していない場合(S531:NO)には、特別電動役物77の作動を開始する(S532)。他方、特別電動役物77が作動中である場合(S531:YES)には、S532をスキップする。
続いて、特別電動役物77の作動中の処理として、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入賞したか否かを判定するとともに(S533)、特別電動役物77の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S534)。このとき、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入賞した場合(S533:YES)又は特別電動役物77の作動時間が経過した場合(S534:YES)には、特別電動役物77の作動を停止する(S535)。
続いて、小当り遊技の当り終了デモ設定処理として、当り終了デモ表示時間を設定するとともに、当り終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(当り終了デモコマンド)を生成する(S536)。次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S537)。続いて、上記S537にて設定された特別遊技後の変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S538)。この遊技状態指定コマンドは、演出制御基板200側で、演出モードの移行契機の判定、移行先の演出モードの特定などに用いられる。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S538)。
[演出制御基板側の処理]
次に、図90〜図98のフローチャートを参照しながら、演出制御基板200における動作処理の手順について説明する。演出制御基板200側の処理は、電源投入後などサブメインCPU201がリセットされると実行されるリセット開始処理(演出制御側メイン処理を含む)と、一定周期毎に起動される演出制御側タイマ割込み処理と、主制御基板100からのストローブ信号に起因して起動される演出制御コマンドの受信割込み処理と、変動演出パターンのタイムスケジュールに規定された所定の発生時期の到来を契機として起動されるランプ演出割込み処理と、一定周期毎に起動される画像制御コマンドの送信割込み処理と、ACKコマンドの受信を契機として起動されるACKコマンドの受信割込み処理と、を含んで構成される。本実施形態では、上記の複数種の割込み処理を例示しているが、実際にはその他の割込み処理も存在する。
各割込み処理(例外処理)には、複数の割込み処理が発生したときの優先度を示す優先レベルが設定されている。図99は、割込み処理の優先レベルを説明するための模式図である。本例では、「電源リセットによるリセット開始処理(図90):最優先」、「各種異常時によるリセット開始処理(図90):最優先」→「演出制御コマンドの受信割込み処理(図97):レベル7」→「WDT(暴走検知時)によるリセット開始処理(図90):レベル3」→「画像制御コマンドの送信割込み処理:レベル2」、「ACKコマンドの受信割込み処理:レベル2」→「演出制御側タイマ割込み処理(図98):レベル1」、「ランプ演出割込み処理(図95):レベル1」などの順に、優先レベルの順位付けがされている。なお、「各種異常時によるリセット開始処理」は、例えば、CPU201が不正な命令を実行したとき、CPU201が不正な領域又は不正な方法にてアクセスしようとしたとき、DMA(Direct Memory Access)転送中のエラーが発生したときなどに起動する。本実施形態では、上記の複数種の割込み処理を例示しているが、実際にはその他の割込み処理も存在する。
演出制御側メイン処理内では、基本的には、全割込み禁止又は演出制御コマンド受信割込み以外の割込み禁止のいずれかの状態に設定したうえで処理が進められる。その上で、演出制御側メイン処理が割込み許可状態となった場合に、当該メイン処理を中断させるかたちで各割込み処理が起動される。各割込み処理では、当該割込み処理の実行中に他の割込み処理の要求があった(多重割込みが発生した)ときは、実行中の割込み処理よりも優先レベルの高い割込み処理であれば、原則的には当該割込み要求が許可される一方、実行中の割込み処理よりも優先レベルの低い又は優先レベルの同じ割込み処理である場合には当該割込み要求が禁止される。すなわち、各割込み処理は、優先レベルの同じ又は優先レベルの低い他の割込みを禁止した状態で処理が進められる。そして、各割込み処理から演出制御側メイン処理へは、全割込み許可の状態で戻ってくる。なお、このような割込み要因の優先順位(優先レベル)は、演出制御マイコン210(割込みコントローラ)のレジスタ設定によって規定される。
《リセット開始処理》
まず、演出制御基板200のリセット開始処理について説明する。図90は演出制御基板200のリセット開始処理を示すフローチャートである。このリセット開始処理では、電源投入時のリセット、各種異常時を起因としたリセット、WDT(暴走検知時)を起因としたリセットのいずれかにより起動し、サブメインCPU201のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S601以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定する(S601)。そして、各種初期設定が完了するまで全ての割込み処理を禁止する(S602)。
続いて、ハードウェアに関する基本的な設定として、サブメインCPU201内に設けられている内蔵レジスタに初期値を設定するとともに、I/Oポート回路204を初期化する(S603)。さらに、演出制御マイコン210のRAM203内のメモリ領域を初期化する(S604)。ここでは、初期値付きの変数には初期値を設定し、初期値なしの変数には0クリアによる初期化を行う。また、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムをRAM203に適宜展開する。
続いて、演出制御コマンドの受信割込み処理以外の割込みを禁止する(S605)。次いで、予め各機種共通で設定された各種のエラーのうち、当該機種で有効とすべきエラーの種別を設定する処理を行う(S606)。さらに、演出ランプLPを全消灯状態とするため消灯リクエストを行う(S607)。そして、サブメインCPU201の暴走を監視するためウォッチドッグタイマを起動する(S608)。
続いて、遊技演出の主たる処理として演出制御側メイン処理を実行する(S609)。この演出制御側メイン処理(S609)の詳細は図91を用いて後述する。なお、前記S609で演出制御側メイン処理へ移行すると、メイン処理から当該リセット開始処理へ復帰することは通常はあり得ないが、プログラムのバグ等の発生によって、万が一この処理へ復帰してきた場合には、消費電力が通常作動時よりも低減された小消費電力モード(スリープモード)へ遷移する(S610)。
《演出制御側メイン処理》
次に、演出制御基板200の演出制御側メイン処理(S609)について説明する。図91は演出制御側メイン処理(S609)を示すフローチャートである。
まず、演出制御側メイン処理内で制御プログラムがRAM203で正確に展開されているか否かのチェックを開始するためのアドレス(プログラムが展開された先頭アドレス)を取得する(S611)。続いて、全ての割込みを許可(各種の割込み処理の起動を許可)する(S612)。
次いで、デバイスの初期化動作を実行する(S613)。この初期化動作は、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時(リセット開始時)に1度だけ実行される動作態様のことであり、モータ、ソレノイド等のデバイスによって各演出装置の動作を制御するために必要となる位置情報を確認することを目的として実行される。なお、初期化動作の終了時には、各演出装置は予め設定された初期位置(基準位置)に復帰する。また、各演出装置(可動役物)の他に、画像表示装置等の表示をリセットするため画像制御手段(サブサブCPU)に対してリセット信号(電気信号)の出力ないしリセットコマンド(指令情報)を送信する。なお、装飾図柄の変動表示中に電源断が発生した後での電源投入時の場合には、リセット信号(またはリセットコマンド)の出力後に装飾図柄を変動表示させるのみの画像制御コマンドを出力し、装飾図柄の変動表示に付加して行う演出は実行されない態様となっている。このようにすることで、各制御基板が電源断からの立ち上げに係る処理を完了するまでの時間差により、演出表示の時間的なズレ等が生じないようにすることができる。
続いて、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、ウォッチドッグタイマをクリアする(S614)。このとき、サブメインCPU201がプログラムを正常に実行しているときは、予め設定されたタイムアウト時間内に、サブメインCPU201のWDTクリアレジスタに、所定のクリアワードが書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
続いて、はずれ図柄更新処理を実行する(S615)。このはずれ図柄更新処理では、RAM203に設定されたはずれ図柄カウンタを更新する。はずれ図柄カウンタは、装飾図柄のはずれ図柄組合せを決定するためのループカウンタであり、例えば「111」〜「999」までの間を1ずつインクリメントして循環動作する。なお、本例では、全ての装飾図柄の組合せ(大当り図柄、小当り図柄、リーチはずれ図柄、非リーチはずれ図柄など)を乱数抽選によって決定するため、この処理は実際には行われない。
続いて、入力ポートチェック処理を実行する(S616)。この入力ポートチェック処理では、後述のタイマ割込み処理におけるポート入出力処理S712でのI/Oポート回路204(入力ポート)の読み込みを割込み発生毎に監視して、複数回(例えば4回)の監視において入力ポートの状態が全て「1」の場合は信号レベルを「1(Hレベル)」、全て「0」の場合は信号レベルを「0(Lレベル)」、それ以外の場合は信号レベルを変化させない(これにより入力信号が確定される)。I/Oポート回路204は、各演出装置の位置検出センサの検出信号や、異常監視信号等の入力情報を監視したり、各演出装置に対して駆動信号(後述する駆動データ)の出力または動作制御コマンドの送信を行ったりする機能を有している。
続いて、エラー演出管理処理を実行する(S617)。このエラー演出管理処理では、後続のコマンド解析処理(S621)で設定されるエラー演出パターンに基づき、各種デバイスによるエラー演出を開始させる。ここで、エラー演出の一態様であるエラー報知ランプ演出を行うべく、コマンド解析処理(S621)でランプ演出番号が設定された場合(ランプリクエストがある場合)は、このランプ演出番号に対応したランプパターンデータを特定して、エラー報知ランプ演出を開始させる。ランプパターンデータには、1フレーム時間(画像フレームを1回更新するのに要する時間:16ms)毎に対応付けられたランプデータがスケジュールデータとして格納されている。また、このランプパターンデータには、ランプ演出の種別に応じてレイヤ(詳細後述)が設定されている。さらに、エラー演出管理処理では、エラー管理タイマに初期値(エラー演出時間)を設定して、エラー演出の進行を管理する。このエラー管理タイマは、演出制御側タイマ割込み処理のエラー管理タイマ更新処理(S720)にて16ms周期で減算更新される。そして、エラー管理タイマがタイムアウトした場合は、演出ランプLPを消灯させて、エラー演出を終了させる。
続いて、演出ボタン監視制御処理を実行する(S618)。この演出ボタン監視制御処理では、図柄変動中にボタン予告演出を組み込んでいる場合に、操作有効時間内における演出ボタン10の入力状態を監視して、当該ボタン予告演出に応じて予め設定された複数種の演出内容の中から、演出ボタン10の入力状態に応じた演出の内容を決定する。
続いて、予告抽選管理処理を実行する(S619)。この予告抽選管理処理では、後続のコマンド解析処理(S621)で選択される変動演出パターンのシナリオに沿って、装飾図柄の変動過程の各段階で発生する予告演出の内容を定めた予告演出パターン(予告演出番号)を抽選で決定する。ここで決定された予告演出番号は、サブメイン情報記憶手段260の予告演出番号格納領域に一時記憶される。また、この予告演出番号を画像制御基板300側へ指定するための画像制御コマンドを生成する。このとき、予告演出パターンとして、役物予告演出パターン(役物予告演出番号)が選択された場合には、役物リクエストが発生し、後続のデバイス管理処理(S620)にて、演出装置の駆動パターンが特定される。なお、本例では、装飾図柄の一変動内で発生する複数種の予告演出(予告演出パターン)の全てを、1回のメインループ処理内で抽選するのではなく、当該メインループ処理効率を向上させるため、予告演出の発生時期(例えば、変動開始段階、リーチ発生段階、変動停止段階)毎に分けて、複数回のメインループ処理に跨って抽選する構成となっている。その際、装飾図柄の変動開始段階で発生する予告演出については、装飾図柄の変動開始と同期をとる(画像制御コマンドを早急に送信する)必要があるので、先発のメインループ処理内で抽選を行うようになっている。また、この予告抽選管理処理で予告演出パターンが選択されると、当該予告演出番号を指示するための画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファに設定する。具体的には、割込み外用のコマンドセット関数「関数名:CmdSet」を呼び出して、画像制御コマンドを画像制御コマンドバッファに設定する処理(コマンドセット処理)を行う。
次に、デバイス管理処理を実行する(S620)。このデバイス管理処理では、各種デバイスの動作要求(ランプリクエスト、役物リクエスト)があった場合、ROM203に記憶された複数種のパターンデータ(ランプパターン、駆動パターン)の中から、演出番号(ランプ演出番号、役物予告演出番号)に対応したパターンデータを特定して、対象デバイスの制御を開始する。演出ランプLPのランプパターンデータには、1フレーム時間(画像フレームを1回更新するのに要する時間:16ms)毎に対応付けられたランプデータがスケジュールデータとして格納されている。このランプパターンデータには、ランプ演出の種別に応じてレイヤ(詳細後述)が設定されている。なお、本例において、1フレーム時間は、演出表示装置95において毎秒約60フレーム(=約60fps)で描画等する場合の1フレームの描画処理に要する時間と対応するものになっている。同様に、演出装置の駆動パターンデータには、割込み周期(1ms)毎に対応付けられた駆動データがスケジュールデータとして格納されている。これにより、後述する演出制御側タイマ割込み処理にて、各制御データ(ランプデータ、駆動データ等)が対象デバイスに対して一定周期毎に出力され、対象デバイスの動作が開始されることになる。一方、後述の演出制御側タイマ割込み処理において、一連の制御データ(ランプデータ、駆動データ)の出力が全て完了した場合は、演出ランプLPを消灯させ、又は、演出装置の動作を停止させ、対象デバイスの制御を終了する。
なお、本例では、ランプ演出の種別として、通常ランプ演出(本処理で管理)、プレミアランプ演出(本処理で管理)、エラー報知ランプ演出(上記エラー演出管理処理で管理)が用意されており、各ランプ演出の種別に応じてレイヤ(レイヤ番号)が設定されている。レイヤ番号は、ランプ演出の種別に応じた優先順位を示しており、優先順位の高い順に、エラー報知ランプ演出(レイヤ番号3)>プレミアランプ演出(レイヤ番号2)>通常ランプ演出(レイヤ番号1)となっている。なお、このデバイス管理処理では、二以上のランプリクエストが同時又は異なるタイミングであった場合、そのレイヤ番号に関わらず、対応するランプパターンをそれぞれ特定して、内部的には全てのランプパターンに基づく制御を実行するようになっている。なお、通常ランプ演出、プレミアランプ演出、エラー報知ランプ演出は、互いに演出ランプLPの点灯態様が異なる。また、詳細な説明を省略するが、このデバイス管理処理(S620)では、スピーカ8に対するサウンドデータの出力制御に関しても、ランプパターンデータと同様に1フレーム時間ごとに対応付けられたサウンドパターンデータに従って、スピーカ8の制御を開始して終了するようになっている。
続いて、コマンド解析処理(S621)を実行する。このコマンド解析処理では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。このコマンド解析処理(S621)の詳細は図92を用いて後述する。なお、このコマンド解析処理(S621)は、1回のメインループで複数の演出制御コマンドの解析を実行可能であり、1フレーム時間(16ms)内で処理可能な場合において、コマンド格納領域の演出制御コマンドを順次解析する。コマンド格納領域に演出制御コマンドが無い場合、処理を待機するか、後述する演出抽選乱数更新処理(S623)を実行する。
そして、今回のループ処理中で、コマンド解析(演出制御コマンドの解析)を実行したか否かを判定する(S622)。コマンド解析直後の場合(S622:YES)は、S614に戻り、次のループ処理へ移行する。一方、コマンド解析を実行しなかった場合(S622:NO)には、演出抽選乱数更新処理を実行する(S623)。この演出抽選乱数更新処理では、先読み予告抽選乱数、装飾図柄乱数、変動演出パターン乱数、予告演出パターン乱数などの演出抽選乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値に戻す。
(コマンド解析処理)
次に、コマンド解析処理(S621)について説明する。図92は、コマンド解析処理(S621)の詳細を示すフローチャートである。このコマンド解析処理では、主制御基板100からの演出制御コマンドがサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納されているか否かを監視して、格納された演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。
まず、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に遊技状態指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S631)。遊技状態指定コマンドが格納されている場合(ステップS631:YES)には、演出状態移行処理(S632)へ移行する。この演出状態移行処理(S632)では、遊技状態指定コマンドに含まれる遊技状態情報および変動パターン選択状態情報に基づき、演出モードを遷移する処理を実行する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に保留関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S633)。ここで、保留関連コマンドには、図柄記憶数コマンド、事前判定コマンドが含まれる。この図柄記憶数コマンドが格納されている場合(S633:YES)には、保留情報管理処理(S634)へ移行する。この保留情報管理処理(S634)では、サブメイン情報記憶手段260から図柄記憶数コマンド又は事前判定コマンドを読み出して、演出表示装置95の保留表示部701,702に表示される保留画像の表示態様(表示個数)を更新するための処理を行う。
次いで、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に図柄変動関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S635)。ここで、図柄変動関連コマンドには、変動開始コマンド、変動停止コマンドが含まれる。図柄変動関連コマンドが格納されている場合(ステップS635:YES)には、演出内容決定処理(S636)へ移行する。この演出内容決定処理(S636)では、受信した図柄変動関連コマンドが変動開始コマンドである場合には図柄変動演出を開始させるための処理を実行し、受信した図柄変動関連コマンドが変動停止コマンドである場合には実行中の図柄変動演出を終了させるための処理を実行する。この演出内容決定処理(S636)の詳細は図93を用いて後述する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S637)。ここで、当り演出関連コマンドには、当り開始デモ演出コマンド、当り終了デモ演出コマンドを含む。当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS637:YES)には、大当り演出および小当り演出の当り演出表示設定処理(S638)へ移行する。この当り演出表示設定処理(S638)では、大当り開始デモ演出(小当り開始デモ演出)又は大当り終了デモ演出(小当り終了デモ演出)を実行するための処理を行う。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にエラー演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S639)。このエラー演出指定コマンドが格納されている場合(S639:YES)には、エラー演出内容決定処理(S640)へ移行する。このエラー演出内容決定処理(S640)では、サブメイン情報記憶手段260からエラー演出指定コマンドを読み出して、演出表示装置95の画像表示によってエラー状態を報知するためのエラー演出パターンを決定する。このエラー演出内容決定処理(S640)の詳細は図94を用いて後述する。
なお、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されていない場合(S631:NO、S633:NO、S635:NO、S637:NO、S639:NO)は、何もせずコマンド解析処理を終了し、或る一つの演出制御コマンドの解析が終了した場合であっても、コマンド格納領域に他の演出制御コマンドが残存する場合は、所定の処理可能限界タイミングを迎えるまで、繰り返し他の残りの演出制御コマンドに対する解析を実行する。
(演出内容決定処理)
次に、演出内容決定処理(S636)について説明する。図93は、演出内容決定処理(S636)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260に変動開始コマンドが格納されているか否かを判定する(S641)。変動開始コマンドが格納されている場合(S641:YES)には、この変動開始コマンド(変動パターン指定コマンド、変動付加図柄情報指定コマンド、キャラクタ演出番号指定コマンド)の内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる当否抽選の結果、図柄群、変動パターン(変動時間)、遊技状態などを示す情報を取得する(S642)。なお、この取得情報は、サブメイン情報記憶手段260の変動演出内容判定領域に格納される。また、変動開始コマンドとして、特別図柄遊技の当否抽選の結果を示す情報を含む特別図柄当否指定コマンド、特別図柄遊技の図柄抽選の結果を示す情報を含む特別図柄停止図柄群指定コマンドをメインCPUから受信し、このコマンドの内容に含まれる情報を取得するようにしてもよい。
続いて、変動演出パターン選択処理を実行する(S643)。この変動演出パターン選択処理では、上記S642で取得した変動パターン情報に基づき、変動演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から変動演出パターン乱数値を取得して、複数種の変動演出パターンの中から、いずれかの変動演出パターンを抽選で決定する。変動演出パターンは、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の種類・発生時期、予告演出の種類・発生時期、ランプ演出の割込みタイミング(ランプ演出割込み処理の起動タイミング)、音声演出(BGMやサウンドエフェクト)の出力タイミング、可動型の演出部材の動作タイミングなどが規定された演出表示過程のシナリオを構成している。ここで決定された変動演出パターン番号は、サブメイン情報記憶手段260の変動演出パターン格納領域に一時記憶される。
次いで、割込み外用のランプリクエスト関数「関数名:RampReq」を呼び出して、ランプリクエスト処理を実行する(S644)。ここで、図96(A)は割込み外用のランプリクエスト処理(S644)の詳細を示すフローチャートである。なお、本実施形態において、「関数」とは、1又は複数の処理をモジュール化したもので、呼び出し命令等によって実行されるサブルーチンをいう。
このランプリクエスト処理では、まず、主制御基板100からの演出制御コマンド受信以外の割込み処理を禁止する(S661)。続いて、変動演出パターン記憶領域から変動演出パターン番号を読み出す(S662)。そして、変動演出パターン番号に対応したランプ演出番号をリクエストする(S663)。この処理で選択されるランプ演出には、通常の頻度で選択される通常ランプ演出と、通常ランプ演出と比較して相対的に低い頻度で選択されるプレミアランプ演出とが含まれる。このプレミアランプ演出は、例えば大当り当選確定などを示唆する特別演出である。次いで、前記S663でリクエストされたランプ演出番号をサブメイン情報記憶手段260のランプリクエスト記憶領域に設定する(S664)。そのため、以降の処理では、ランプリクエスト記憶領域に0以外の数値が設定されている場合、演出ランプLPの動作要求(ランプリクエスト)があると判断されたうえで処理が進められる。なお、本例では、複数のランプリクエスト記憶領域が用意されており、複数のランプ演出番号を設定することができるようになっている。複数のランプ演出番号が設定された場合(複数のランプリクエストがあった場合)は、レイヤ処理にて、優先順位の高いランプ演出のみが遊技者に視認できる態様で実行され、優先順位の低いランプ演出については内部的に処理が進められるだけに留まる(詳細後述)。そして、全ての割込みを許可して(S665)、当該ランプリクエスト処理を終了し、メイン処理内の元の処理へ戻る。
次いで、図93に戻って、装飾図柄停止図柄選択処理を実行する(S645)。この装飾図柄停止図柄選択処理では、上記S642で取得した図柄群情報と変動パターン情報に基づき、最終的に停止させる装飾図柄の停止図柄の組合せ(左図柄、中図柄、右図柄)をそれぞれ抽選で決定する。ここで決定された装飾図柄組合せ番号は、サブメイン情報記憶手段260の装飾図柄格納領域に一時記憶される。
そして、装飾図柄の変動開始に要する画像制御コマンド(変動演出開始コマンド)を生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S646)。具体的には、割込み外用のコマンドセット関数「関数名:CmdSet」を呼び出して、画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファに設定する処理(コマンドセット処理)を行う。
一方、変動開始コマンドが格納されていない場合(S641:NO)には、サブメイン情報記憶手段260に変動停止コマンドが格納されているか否かを判定する(S647)。変動停止コマンドが格納されている場合(S647:YES)には、変動停止コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる図柄停止情報を取得する(S648)。そして、装飾図柄の変動停止に要する画像制御コマンド(変動演出停止コマンド)を生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S649)。具体的には、割込み外用のコマンドセット関数「関数名:CmdSet」を呼び出して、画像制御コマンドを画像制御コマンドバッファに設定する処理(コマンドセット処理)を行う。
(エラー演出内容決定処理)
次に、エラー演出内容決定処理(S640)について説明する。図94は、エラー演出内容決定処理(S640)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260にエラー演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S651)。エラー演出指定コマンドが格納されている場合(S651:YES)には、このエラー演出指定コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれるエラー状態を示す情報を取得する(S652)。なお、この取得情報は、サブメイン情報記憶手段260のエラー状態判定領域に格納される。
続いて、エラー演出パターン選択処理を実行する(S653)。このエラー演出パターン選択処理では、上記S652で取得したエラー状態情報に基づき、エラー演出パターンを決定する。エラー演出パターンには、エラー報知画像(例えばエラーが発生した旨のメッセージ)やスピーカによる警告音、演出ランプによるエラー報知用点灯パターンなどの情報が規定されている。ここで決定されたエラー演出パターンデータは、サブメイン情報記憶手段260のエラー演出パターン格納領域に一時記憶される。なお、エラー演出パターンが設定されると、前記のエラー演出管理処理(S617)にてエラー管理タイマに初期値(エラー演出時間)がセットされ、エラー演出の管理が開始される。なお、エラー管理タイマの更新は、後述のエラー管理タイマ更新処理(S720)にて更新される。
次いで、割込み外用のランプリクエスト関数「関数名:RampReq」を呼び出して、ランプリクエスト処理を実行する(S654)。図96(A)は割込み外用のランプリクエスト処理(S654)の詳細を示すフローチャートである。この処理で呼び出されるランプリクエスト関数「RampReq」は、前述の演出内容決定処理(S636)でのランプリクエスト処理(S644)で呼び出されるランプリクエスト関数「RampReq」と共通のものである。すなわち、図96(A)に示すランプリクエスト処理は、演出内容決定処理(S636)とエラー演出内容決定処理(S640)との共通のサブルーチンとなっている。従って、メイン処理内では、一つの共通モジュールでランプリクエスト処理(S644,S654)が行われることになる。なお、このランプリクエスト関数「RampReq」において、処理の開始時に全割込み(演出制御コマンド受信割込み処理以外)を禁止、処理の終了時に全割込みを許可、とするのは、ランプリクエスト処理中に他の割込み処理(後述のランプ演出割込み処理)が起動して、同時に複数のランプリクエストが発生することによる障害(例えば、ステイタスの管理が煩雑となる障害など)を防止するためである。
このランプリクエスト処理では、まず、主制御基板100からの演出制御コマンド受信以外の割込み処理を禁止する(S661)。続いて、エラー演出パターン記憶領域からエラー演出パターン番号を読み出す(S662)。そして、エラー演出パターン番号に対応したランプ演出番号をリクエストする(S663)。この処理では、遊技機のエラー状態を報知するためのエラー報知ランプ演出のみがリクエストされる。次いで、前記S663で選択されたランプ演出番号をサブメイン情報記憶手段260のランプリクエスト記憶領域に設定する(S664)。そして、全ての割込みを許可して(S665)、当該ランプリクエスト処理を終了し、メイン処理内の元の処理へ戻る。
続いて、図94に戻って、エラー演出に要する画像制御コマンド(エラー演出開始コマンド)を生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S655)。具体的には、割込み外用のコマンドセット関数「関数名:CmdSet」を呼び出して、画像制御コマンドを画像制御コマンドバッファに設定する処理(コマンドセット処理)を行う。
なお、本実施形態では、前述したメイン処理内(コマンド解析処理内)で全てのランプリクエストを行うのではなく、所定の契機でランプ演出割込み処理を起動させてランプリクエストを行う場合がある。すなわち、前記S643で選択される変動演出パターンのタイムスケジュールには、装飾図柄の変動演出過程の各段階で発生する予告演出との関係で、ランプ演出割込み処理の発生契機(割込みタイミング)が規定されている。この割込みタイミングが到来すると、ランプ演出割込み処理を起動させて、ランプ演出番号をリクエストする処理が実行される。なお、ランプ演出割込み処理の発生時期は、特定の予告演出(例えば、予告演出内容と関連した色のランプ点灯を行う場合など)の発生時期と同期している。
《ランプ演出割込み処理》
次に、ランプ演出割込み処理を説明する。図95は、ランプ演出割込み処理を示すフローチャートである。このランプ演出割込み処理は、変動演出パターンに規定された割込みタイミングが到来した場合に、ソフトウェア割込みにより発生する。
まず、このランプ演出割込み処理内では、主制御基板100からの演出制御コマンド受信割込み、ウォッチドッグタイマ割込み等、優先レベル2以上の割込みを許可する(S671)。続いて、割込み内用のランプリクエスト関数「関数名:RampReq_InINT」を呼び出して、ランプリクエスト処理を実行する(S672)。図96(B)は、割込み内用のランプリクエスト処理(S672)を示すフローチャートである。なお、このランプリクエスト関数(RampReq_InINT)では、処理の最初と最後に割込み禁止/許可命令を設定していない点で、前述のメイン処理内で呼び出されるランプリクエスト関数「RampReq」とは異なる。これは、前述したように、各割込み処理内では、優先レベルの同一又は優先レベルの低い他の割込みの発生を禁止しているため、このランプリクエスト処理中に他のランプリクエストが重複発生することはないからである。
このランプリクエスト処理では、サブメイン情報記憶手段260の予告演出パターン記憶領域を参照して、予告演出パターンを読み出す(S681)。そして、この予告演出パターンに対応したランプ演出番号をリクエストする(S682)。例えば、予告演出が背景予告である場合に、予告抽選管理処理にて青色の背景を表示する予告演出パターンが選択されていれば、演出ランプLPを青色に点灯するためのランプ演出(ランプ演出番号)がリクエストされる。続いて、ランプ演出番号をサブメイン情報記憶手段260のランプリクエスト記憶領域に設定する(S683)。そのため、以降の処理では、ランプリクエスト記憶領域に0以外の数値が設定されている場合、演出ランプLPの動作要求(ランプリクエスト)があると判断されたうえで処理が進められる。そして、ランプ演出割込み処理を終了して、割込み発生前の元の処理へ戻る。
《演出制御コマンドの受信割込み処理》
次に、演出制御コマンドの受信割込み処理を説明する。図97は、演出制御コマンドの受信割込み処理を示すフローチャートである。この演出制御コマンドの受信割込み処理では、前述したように、主制御基板100からのストローブ信号の入力に基づいて割込みが発生することで開始され、この割込み処理において各種の演出制御コマンドが取得されるようになっている。なお、演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含む構成となっており、主制御基板100から演出制御基板200へ、MODEデータ、EVENTデータの順に送信される。以下では、説明の便宜上、MODEデータを「第1コマンド」、EVENTデータを「第2コマンド」とも称する。
まず、主制御基板100からのストローブ信号に基づく割込みが発生すると、演出制御コマンドの入力値が確定したか否かを判定する(S701)。具体的には、コマンドデータを最高5回まで読み込み、2回連続で同じ値が読み込まれた時点で入力値が確定となる。これはノイズ等により演出制御コマンドの読み取りが失敗するおそれがあるためであり、2回連続で同じ値が読み込まれるまでは入力値を確定とはしない。
続いて、今回受信したコマンドが第1コマンド(MODE)であるか否か、換言すれば、第1コマンド(MODE)であるか第2コマンド(EVENT)であるかを判定する(S702)。今回受信したコマンドが第1コマンドである場合(S702:YES)は、当該第1コマンドをテンポラリ領域に一時的に記憶する(S703)。そして、演出抽選乱数発生手段210から演出抽選乱数を取得して、この乱数情報をサブメイン情報記憶手段260の演出抽選乱数格納領域に一時記憶する(S704)。なお、演出抽選乱数の取得時期を、演出制御コマンドの受信時としているのは、演出制御コマンドは遊技球の始動入賞時や特別図柄の変動開始時など物理的に不規則なタイミングで送信されるため、それを契機とすることで取得時期に周期性を出さないようにするためである。このように演出抽選乱数の取得時期を不規則とすることで、各種の演出抽選においても、同一の演出が不自然に繰り返し選択されてしまう等の不都合が発生し難くなる。
一方、今回受信したコマンドが第2コマンドである場合(S702:NO)には、すでに第1コマンドを受信済であるか否かを判定する(S705)。すなわち、演出制御コマンドを第1コマンド(MODE)→第2コマンド(EVENT)の順に受信したか否か判定して、演出制御コマンドの組合せに矛盾がないかを確認する。演出制御コマンドの組合せに矛盾がない場合(S705:YES)は、ライトポインタ(書き込み用のポインタ)の示すアドレスを取得する(S706)。続いて、第1コマンドと第2コマンドとを、ライトポインタの指示するアドレスに従って、サブメイン情報記憶手段260の演出制御コマンドバッファ(リングバッファ)に保存する(S707)。保存されたコマンドデータは、メイン処理における前記のコマンド解析処理(S621)で読み出され、演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理が実行される。次いで、ライトポインタの示すアドレスを更新する(S708)。さらに、前記S708で一時記憶したコマンドデータ(第1コマンド)をクリアする(S709)。
《演出制御側タイマ割込み処理》
次に、演出制御側タイマ割込み処理を説明する。図98は、演出制御側タイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、一定時間毎のクロックパルスにより起動され、上述の演出制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。
タイマ割込みが発生すると、サブメインCPU201内のレジスタの内容をRAM203のスタック領域に退避させた後、S711以降の処理を順次実行する。このタイマ割込み処理内では、主制御基板100からの演出制御コマンド受信割込み、ウォッチドッグタイマ割込み等、優先レベル2以上の割込みを許可する(S711)。
続いて、ポート入出力処理を実行する(S712)。このポート入出力処理では、I/Oポート回路204におけるポートデータの入力処理、出力処理を行う。入力処理では、I/Oポート回路204(入力ポート)に入力されている各種信号を読み取り、これを入力情報として記憶する。出力処理では、サブメイン情報記憶手段260に一時記憶されている各種制御信号(モータ制御信号)を読み出して、I/Oポート回路204(出力ポート)から出力する。なお、I/Oポート回路204内には、電源基板450からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される入力ポートが用意されている。電源断信号が入力された場合は、電源断時処理として、電源断発生時における各種データをRAM203のバックアップ領域に保存するための処理が行われる。それ以降は、電源基板450のバックアップ電源回路からバックアップ電源が供給されるため、RAM203の記憶内容は電源断後も消失することなく保持される。また、その他の電源断時処理として、各演出装置(上側演出装置500、左下側演出装置600、左上側演出装置700、右側演出装置800、および下側演出装置900)の駆動源であるモータMの励磁をオフ(非通電状態)にして、電源断発生という不安定な状態での各演出装置の動作を早期に中断させ、電源断復帰後に何ら異常なく初期動作を行えるようにする。なお、各演出装置の停止位置は非通電時のディテントトルクで保持される。
続いて、デバイス制御データ出力処理を実行する(S713)。このデバイス制御データ出力処理では、前記のデバイス管理処理(S620)で特定した駆動パターンデータから所定時間分の駆動データを読み出してサブメイン情報記憶手段260の駆動データ記憶領域に設定する。この処理で設定される駆動データは、割込み周期に対応した1ms間の制御を示すデータである。この処理で駆動データが設定されると、次回のタイマ割込み処理にて、当該駆動データがI/Oポート回路204(出力ポート)からモータドライバ92へ出力される。従って、このデバイス制御データ出力処理では、駆動パターンデータに従って駆動データが割込み周期(1ms)毎に切り替えることが可能である。このデバイス制御データ出力処理(S713)の詳細は図100を用いて後述する。
次いで、演出用タイマ更新処理を実行する(S714)。この演出タイマ更新処理では、演出動作制御に用いる各種の演出用タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)ずつ減算更新する。演出用タイマには、装飾図柄の変動時間を管理するためのタイマ、予告演出の発生タイミングを管理するためのタイマなどが含まれる。この演出用タイマによって、変動演出パターンにおけるタイムスケジュールが管理され、その時間軸上で各演出装置のモータMの駆動タイミングや演出ランプLPの点灯タイミング等の時間管理がされている。なお、演出用タイマは、この演出制御用タイマ割込み処理内のデバイス制御データ出力処理(S713)やランプデータ更新処理(S717)などにおいても利用される。
続いて、ボタン制御タイマ更新処理を実行する(S715)。演出ボタン10の操作有効時間を管理するための有効時間管理タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)減算更新する。なお、操作有効時間とは、演出ボタン10の操作入力が有効となる時間である。
次いで、画像制御コマンド設定処理を実行する(S716)。この画像制御コマンド設定処理では、前記の演出用タイマ更新処理(S714)の演出用タイマにおいて予告演出の発生タイミングが到来したときに、前記の予告抽選管理処理(S619)で選択された1又は複数の予告演出パターンのうちに特定の予告演出パターンが含まれる場合に、当該特定の予告演出番号を指示するための画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファに設定する。具体的には、割込み内用のコマンドセット関数「関数名:CmdSet_InINT」を呼び出して、画像制御コマンドを画像制御コマンドバッファに設定する処理(コマンドセット処理)を行う。ここで、特定の予告演出パターンには、例えば、演出ボタン10を押下操作したタイミングで演出表示装置95にエフェクト画像を表示する演出パターンや、各演出装置の動作に合わせてエフェクト画像を表示する演出パターンなどが含まれる。
続いて、タスク制御カウンタ更新処理を実行する(S717)。このタスク制御カウンタ更新処理では、タイマ割込み毎にタスクカウンタの値(「0」〜「15」)を更新する。具体的には、タスクカウンタの値が「0」〜「14」であれば1インクリメントし、タスクカウンタの値が「15」となった場合には「0」に戻す。すなわち、このタスクカウンタは16msの循環周期を取り得る。そして、今回更新されたタスクカウンタの値に対応して各種のタスク(タスク処理)が割り当てられており、当該タスクカウンタの値に応じて、ランプ制御タスク(S718のランプデータ更新処理)、暴走監視タスク(S719の画像CPU暴走監視処理)、エラー管理タスク(S720のエラー管理タイマ更新処理)などの各処理を実行する。本例では、タスクカウンタの値(「0」〜「15」)のうち、或る1つの値がランプ制御タスクに割り当てられ、他の2つの値(互いに8ms間隔となる値)が暴走監視用タスクに割り当てられ、他の1つの値がエラー管理タスクに割り当てられている(その他のタスクの説明は省略する)。なお、前述のように、タスクカウンタの循環周期を16msに設定しているのは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)と一致させるためである。そして、この演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)は画像フレームの1フレーム時間と対応し、画像演出とランプ演出との同期を実現している。
続いて、ランプデータ更新処理を実行する(S718)。このランプデータ更新処理では、前記のデバイス管理処理(S620)又はエラー演出管理処理(S617)で特定したランプパターンデータから所定時間分のランプデータを読み出して設定する。この処理で設定されるランプデータは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位となる16ms間の点灯制御を示すデータである。ランプデータが設定されると、当該ランプデータが出力ポート(シリアルポート)からシリアル転送にてランプ接続基板291へ自動的に出力される。このランプデータの出力処理は、シリアル通信割込み処理として構成されており、シリアル通信回路205の送信バッファにランプデータを順次書き込むことで実現される。シリアル通信回路205は、送信バッファのランプデータを1バイト単位でシリアル変換して、シリアルクロックと同期したかたちで、1ビット毎にランプ接続基板291に対して出力する。この処理では、送信バッファが空になるまで繰り返され、これにより送信バッファに格納された全てのランプデータ(全バイト)が出力されるようになっている。従って、このランプデータ更新処理では、ランプパターンに従ってランプデータが1フレーム時間(16ms)毎に切り替えられるとともに、このランプデータがランプ接続基板291に対してシリアル転送にて出力される。なお、このランプデータ更新処理は、前記のタスク制御カウンタ更新処理(S717)でタスクカウンタの値が所定値(ランプ制御タスクを示す値)となった場合に実行される処理(つまり16ms周期で実行される処理)となっている。
ここで、前述のとおり、本実施形態では、各ランプ演出の種別(通常ランプ演出、プレミアランプ演出、エラー報知ランプ演出)に応じたレイヤが設定されており、互いに種別の異なる複数のランプリクエストがあった場合は、上位のレイヤ(優先順位の高いレイヤ)に設定されたランプデータのみを出力する一方、下位のレイヤ(優先順位の低いレイヤ)に設定されたランプデータは出力が禁止される。但し、ランプデータの切り替え処理(16ms毎の切り換え処理)自体は停止しているわけではないので、上位のレイヤの処理が終了すれば、当該レイヤでの処理と連続性を維持するかたちで、下位のレイヤに設定されたランプデータが出力される(下位のレイヤに係るランプ演出が発生される)。なお、ランプデータ更新処理(S718)で、上位(最優先)のレイヤに係るランプデータのみを出力するには、複数のレイヤに係るランプデータを重畳させると、概して規則性のない違和感のある点灯パターンとなるおそれがあるからである。また、プレミアランプ演出を通常ランプ演出とレイヤ構造にて区別して優先順位を異ならしめているのは、概してプレミアランプ演出は通常ランプ演出と比べて出現率が低いのであるが、その出現タイミングは規則性がなくランダムなタイミングで発生するため、先発的に選択された通常ランプ演出の存在によって後発的に選択されたプレミアランプ演出の出現が留保されてしまうのでは、プレミアランプ演出発生に対する遊技者の期待感が減退されるからである。
続いて、画像CPU暴走監視処理を実行する(S719)。この画像CPU暴走監視処理では、画像制御基板300から入力されるトグル信号を監視して、当該トグル信号が1600ms(50〜100フレーム程度)の間、連続して変化しない場合に、画像制御基板300のサブサブCPU301が暴走していると判定し、演出制御基板200から画像制御基板300に対してリセット信号を送信する。これにより、画像制御基板300側はサブサブCPU301のリセット状態の発生によって、所定のリセット処理を実行する。なお、トグル信号とは、1フレーム時間毎にHレベル/Lレベルが交互に繰り返される波形の信号のことである。
次いで、エラー管理タイマ更新処理を実行する(S720)。このエラー管理タイマ更新処理では、前記のエラー演出管理処理(S617)でセットされたエラー演出時間を管理するためのエラー演出タイマの値を減算更新する。なお、このエラー管理タイマ更新処理は、前記のタスク制御カウンタ更新処理(S717)でタスクカウンタの値が所定値(エラー管理タスクを示す値)となった場合に実行される処理となっている。そのため、エラー演出時間が長時間となった場合でも、16ms周期のタイマにて時間を計数することになるため、タイマ割込み周期(1ms)毎に時間を計数する場合と比較して、データ量を軽減することができる。そして、全ての割込みを許可した状態にするとともに、退避していたレジスタの内容を復帰させた後、演出制御側タイマ割込み処理を終了して、割込み発生前の元の処理に戻る。
(デバイス制御データ出力処理)
次に、デバイス制御データ出力処理(S713)を説明する。図100は、デバイス制御データ出力処理(S713)の詳細を示すフローチャートである。
まず、センサ入力チェック処理を実行する(S731)。このセンサ入力チェック処理では、タイマ割込み周期(1ms)毎に、前記のポート入出力処理(S712)において記憶された位置検出センサの入力情報に基づいて、各演出装置(上側演出装置500、左下側演出装置600、左上側演出装置700、右側演出装置800、および下側演出装置900)における全ての位置検出センサ(初期位置センサ、中間位置センサ、および可動位置センサ)の状態を確認する。このとき、各演出装置に設けられる可動型の演出部材(駆動モータ)ごとに、各位置検出センサによる検出状態を番号で保持する。
例えば、上側演出装置500の第1および第2上側支持部521,531(第1上側演出部材571)が上側初期位置センサ516aにより検出される状態に対応する番号として「0」が設定される。第1および第2上側支持部521,531が上側中間位置センサ516bにより検出される状態に対応する番号として「1」が設定される。第1および第2上側支持部521,531が上側可動位置センサ516cにより検出される状態に対応する番号として「2」が設定される。すなわち、演出部材が初期位置センサにより検出される状態に対応する番号として「0」が設定される。演出部材が中間位置センサにより検出される状態に対応する番号として「1」が設定される。演出部材が可動位置センサにより検出される状態に対応する番号として「2」が設定される。なお、各演出装置における全ての位置検出センサについて、位置検出センサが非検出状態である場合の番号として「0」が設定され、位置検出センサが検出状態である場合の番号として「1」が設定されたデータに基づいて、可動型の演出部材の動作制御を行うようにしてもよい。
このセンサ入力チェック処理(S731)では、位置検出センサが非検出状態から検出状態に切り替わったことを確認すると、非検出状態から検出状態に切り替わった位置検出センサに対応する演出部材について、当該演出部材を動かす駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)が再設定される。具体的には、演出装置に設けられたセンサ検出部が位置検出センサの受光部を遮光したとき、かつ、実行中の動作パターン(駆動モータの駆動パターンデータ)が動作パルスのカウンタ値について位置検出センサに基づく補正を実行する監視対象パターンデータに該当する場合に、動作パルスのカウンタ値が再設定される。監視対象パターンデータとそれ以外のデータで分ける理由は、不必要に動作パルスのカウンタ値の設定が変わることを防止することができるためである。監視対象パターンデータの一例として、演出部材を繰り返し往復移動させる場合の駆動パターンデータを挙げることができる。位置検出センサによる監視対象パターンデータではないのに、位置検出センサの検出により動作パルスのカウンタ値が再設定されるのを防止する制御を採用することで、演出装置の動作を安定させることが可能になる。
なお、本実施形態の各位置検出センサは、詳細な図示を省略するが、発光部と受光部を有する光学式センサであり、各演出装置に設けられたセンサ検出部が受光部の遮光を開始したときに(いわゆる立ち上がりエッジ検出の場合に)、演出部材(センサ検出部)が位置検出センサにより検出されたと判定される。また、駆動モータの動作パルスのカウンタ値は、動作パターンが実行されている可動型の演出部材の駆動量を示すものであり、ソフト的に演出部材の現在位置を把握するためのデータである。駆動モータの動作パルスのカウンタ値は、演出部材の現在位置を把握するための位置情報としてサブメイン情報記憶手段260の位置情報記憶領域に記憶される。実際の演出部材の動作の際には、駆動モータの脱調等、不定な要素に基づいて、演出制御のためのCPUによりソフト的に管理している演出部材の位置情報とズレが生じる場合がある。そのため、物理的に演出部材の位置が特定できるタイミング、すなわち各位置検出センサで検出したタイミングで、ソフト的に管理している演出部材の位置情報の補正を行う。これにより、可動型の演出装置の正確な動作制御を実行することが可能になり、他の演出部材との接触などによる故障などの不具合を防止することが可能になる。駆動モータの動作パルスのカウンタ値は、駆動モータの回転方向により、動作パルスの出力がなされる割込み処理において、加算する場合と減算する場合がある。例えば、駆動モータの正転時は「+1」をカウント(加算)し、逆転時は「−1」をカウント(減算)する処理となる。また例えば、駆動モータの励磁方式(1相励磁、1−2相励磁、2相励磁)によって、「+1」(もしくは「−1」)、「+2」(もしくは「−2」)と加算量(減算量)が異なるようにしてもよい。このようにすれば、2相励磁の場合と、1−2相励磁や1相励磁などの2相励磁の半分の動作量となる場合とのステップの切り替えを含む、駆動モータの駆動パターンデータで動作することのある可動型の演出装置に関して、演出部材の位置情報を動作パルスのカウンタ値によって把握することが可能になる。
ここで、駆動モータの動作パルスのカウンタ値の第1の設定例について説明する。図106に、初期位置センサ、中間位置センサ、および可動位置センサが設けられる場合の動作パルスのカウンタ値の関係を模式的に示す。本実施形態において、上側初期位置センサ516a、上側中間位置センサ516b、および上側可動位置センサ516cが設けられる上側演出装置500の上側支持部駆動モータ505と、回転初期位置センサ533a、回転中間位置センサ533b、および回転可動位置センサ553cが設けられる上側演出装置500の表示装置駆動モータ534に対して、この設定例を適用することができる。なお、以降の説明において、演出部材を初期位置から可動位置の方に動かす駆動モータの回転方向を正転方向とする。
図106において、SP1は、初期位置からメカストッパ部による(初期位置を超える方向への)制限位置までの変位量に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)である。SP2は、駆動モータの逆転時にセンサ検出部が初期位置センサの受光部の遮光を開始してから(演出部材が)初期位置に達するまでの変位量に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)である。SP3は、駆動モータの正転時にセンサ検出部が初期位置センサの受光部の遮光を終了してから中間位置センサの受光部の遮光を開始するまでの変位量に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)である。SP4は、駆動モータの正転時にセンサ検出部が中間位置センサの受光部の遮光を開始してから(演出部材が)中間位置に達するまでの変位量に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)である。SP5は、駆動モータの逆転時にセンサ検出部が中間位置センサの受光部の遮光を開始してから(演出部材が)中間位置に達するまでの変位量に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)である。SP6は、駆動モータの正転時にセンサ検出部が中間位置センサの受光部の遮光を終了してから可動位置センサの受光部の遮光を開始するまでの変位量に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)である。SP7は、駆動モータの正転時にセンサ検出部が可動位置センサの受光部の遮光を開始してから(演出部材が)可動位置に達するまでの変位量に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)である。SP8は、可動位置からメカストッパ部による(可動位置を超える方向への)制限位置までの変位量に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)である。
初期位置、中間位置、および可動位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)は、演出部材が初期位置に位置する場合を初期値として、駆動モータの正転時と逆転時で異なる値に設定される。各位置検出センサの検出開始時(センサの遮光開始時)に演出部材の位置情報を補正する場合の動作パルスのカウンタ値も、駆動モータの正転時と逆転時で異なる値に設定される。例えば、駆動モータの正転時において、初期位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)は、所定の初期値(例えば、零の値やダミーデータ)が設定される。駆動モータの正転時において、中間位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)は、SP2+SP3となるカウンタ値が設定される。駆動モータの正転時において、可動位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)は、SP2+SP3+SP4+SP5+SP6となるカウンタ値が設定される。駆動モータの逆転時において、初期位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)は、SP2となるカウンタ値が設定される。駆動モータの逆転時において、中間位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)は、SP2+SP3+SP4+SP5となるカウンタ値が設定される。駆動モータの逆転時において、可動位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)は、所定の設定値(例えば、SP2+SP3+SP4+SP5+SP6+SP7となるカウンタ値やダミーデータ)が設定される。
このように、駆動モータの正転時と逆転時で、同一の位置検出センサの検出開始時に異なる(動作パルスのカウンタ値の)補正値が設定される理由には、演出部材の位置情報の補正タイミングとして、位置検出センサが非検出状態から検出状態に切り替わるタイミング(センサ検出部の端部が位置検出センサの受光部の遮光を開始するタイミング)を入力情報として取得容易であり、センサ検出部が物理的な幅を持った部材であることが挙げられる。なお、位置検出センサが検出状態から非検出状態に切り替わるタイミングで、演出部材の位置情報の補正を行うようにしても、処理としては同等である。但し、演出部材が、初期位置(もしくは、中間位置、可動位置)に到達した後、位置検出センサの受光部が遮光されない状態になるまで動く態様となるので、その後のタイミングで初期位置(もしくは、中間位置、可動位置)に位置するか否かの判別が困難になる可能性がある。そのため、位置検出センサが非検出状態から検出状態に切り替わるタイミングで、演出部材の位置情報の補正を行う本実施形態の方がより好ましいといえる。また、本実施形態では、位置検出センサにより演出部材が初期位置もしくは可動位置まで移動したことを検出した後、物理的に演出部材が初期位置もしくは可動位置まで動くことに対応するため、駆動モータの動作パルスのカウンタ値として、センサ検出部が初期位置センサおよび可動位置センサの受光部の遮光を開始してから(演出部材が)初期位置および可動位置に達するまでの動作パルスのカウンタ値SP2,SP7に加え、演出部材がメカストッパ部に当接するまでの動作パルスのカウンタ値SP1,SP8を設定している。これにより、演出部材の位置制御を安定させることができ、より好ましい実施形態ではあるが、演出部材がメカストッパ部に当接するまでの動作パルスのカウンタ値SP1,SP8を設定しないようにすることも可能である。
次に、駆動モータの動作パルスのカウンタ値の第2の設定例について説明する。図107に、初期位置センサおよび可動位置センサが設けられる場合の動作パルスのカウンタ値の関係を模式的に示す。本実施形態において、近接初期位置センサ558aおよび分離可動位置センサ558cが設けられる上側演出装置500の上側演出部駆動モータ538に対して、この設定例を適用することができる。左下裏側初期位置センサ605aおよび左下裏側可動位置センサ605cが設けられる左下側演出装置600の左下裏側駆動モータ603と、左側立設初期位置センサ636aおよび左側傾倒可動位置センサ636cが設けられる左下側演出装置600の左下表側駆動モータ637に対して、この設定例を適用することができる。左上裏側初期位置センサ705aおよび左上裏側可動位置センサ705cが設けられる左上側演出装置700の左上裏側駆動モータ703と、上方初期位置センサ(図示せず)および下方可動位置センサ736cが設けられる左上側演出装置700の左上表側駆動モータ737に対して、この設定例を適用することができる。
右下裏側初期位置センサ805aおよび右下裏側可動位置センサ805cが設けられる右側演出装置800の右下裏側駆動モータ803と、右上裏側初期位置センサ810aおよび右上裏側可動位置センサ810cが設けられる右側演出装置800の右上裏側駆動モータ808と、右側立設初期位置センサ866aおよび右側傾倒可動位置センサ866cが設けられる右側演出装置800の右下表側駆動モータ867に対して、この設定例を適用することができる。下側初期位置センサ908aおよび下側可動位置センサ908cが設けられる下側演出装置900の可動支持部駆動モータ904と、第1裏側初期位置センサ936aおよび第1裏側可動位置センサ936cが設けられる下側演出装置900の裏側回転駆動モータ934と、第1表側初期位置センサ969aおよび第1表側可動位置センサ969cが設けられる下側演出装置900の表側駆動モータ967に対して、この設定例を適用することができる。
図107において、SP11は、初期位置からメカストッパ部による(初期位置を超える方向への)制限位置までの変位量に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)である。SP12は、駆動モータの逆転時にセンサ検出部が初期位置センサの受光部の遮光を開始してから(演出部材が)初期位置に達するまでの変位量に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)である。SP13は、駆動モータの正転時にセンサ検出部が初期位置センサの受光部の遮光を終了してから可動位置センサの受光部の遮光を開始するまでの変位量に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)である。SP14は、駆動モータの正転時にセンサ検出部が可動位置センサの受光部の遮光を開始してから(演出部材が)可動位置に達するまでの変位量に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)である。SP15は、可動位置からメカストッパ部による(可動位置を超える方向への)制限位置までの変位量に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)である。
初期位置および可動位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)は、演出部材が初期位置に位置する場合を初期値として、駆動モータの正転時と逆転時で異なる値に設定される。各位置検出センサの検出開始時(センサの遮光開始時)に演出部材の位置情報を補正する場合の動作パルスのカウンタ値も、駆動モータの正転時と逆転時で異なる値に設定される。例えば、駆動モータの正転時において、初期位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)は、所定の初期値(例えば、零の値やダミーデータ)が設定される。駆動モータの正転時において、可動位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)は、SP12+SP13となるカウンタ値が設定される。駆動モータの逆転時において、初期位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)は、SP12となるカウンタ値が設定される。駆動モータの逆転時において、可動位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)は、所定の設定値(例えば、SP12+SP13+SP14となるカウンタ値やダミーデータ)が設定される。
図100に戻って、センサ入力チェック処理(S731)を実行した後、第1役物制御処理を実行する(S732)。この第1役物制御処理(S732)では、上側演出装置500の第1および第2上側支持部521,531(第1上側演出部材571)の動作をリクエストする場合に、上側支持部駆動モータ505の駆動データを更新する処理を行う。上側支持部駆動モータ505の駆動パターンデータは、例えば、図110(A)〜(D)に示す4種類の動作テーブルに応じた動作を実行可能に構成されている。なお、図110(A)〜(D)に示す4種類の動作テーブルは、第1および第2上側支持部521,531に対する動作リクエストの内容に応じて選択される。図110(A)〜(D)に示す動作テーブルにおいて、「動作」項目の(+)は、駆動モータの回転方向を正転方向であることを示し、「動作」項目の(−)は、駆動モータの回転方向を逆転方向であることを示す。
図110(A)に示す動作テーブルは、上側演出装置500の第1および第2上側支持部521,531を上側初期位置から上側可動位置に移動させる動作テーブル(以下便宜上、上側可動位置向け動作テーブルと称することがある)であり、第1〜第8の処理テーブルTA1〜TA8から構成されている。第1〜第8の処理テーブルTA1〜TA8により、上側支持部駆動モータ505は、第1および第2上側支持部521,531を上側初期位置から上側可動位置に向け加速させて定速状態(第1〜第3の処理テーブルTA1〜TA3に相当)にし、第1上側支持部521のセンサ検出部524が上側可動位置センサ516cにより検出されると、第1および第2上側支持部521,531を減速させて励磁保持し、上側可動位置で停止(第4〜第8の処理テーブルTA4〜TA8に相当)させる動作を行うように制御される。
上側可動位置向け動作テーブルにおける、第1〜第2の処理テーブルTA1〜TA2および第4〜第6の処理テーブルTA4〜TA6では、各テーブルの「周波数」に応じたX回の割込みに1回、上側支持部駆動モータ505の駆動データを更新し、各テーブルの「ステップ数」の回数だけ駆動データを更新(動作パルスを出力)すると、次の処理テーブルに移行する処理を行う。なお、X回の割込みに1回とは、例えば、第1の処理テーブルTA1の場合、「周波数」が250[pps(pulse per second)]であり、演出制御側タイマ割込み処理の割込み周期が1[ms](1秒間に1000回の割込み)であるため、4回の割込みに1回の動作パルスの出力(1ステップの更新、1回の励磁相更新)となる。上側可動位置向け動作テーブルにおける、第3の処理テーブルTA3では、「周波数(500[pps])」に応じたX回(2回)の割込みに1回、上側支持部駆動モータ505の駆動データを更新し、上側可動位置センサ516cが非検出状態から検出状態に切り替わると、次の処理テーブルに移行する処理を行う。なお、第3の処理テーブルTA3の「ステップ数(N)」は、不定のステップ数であることを示している。
このように、上側可動位置向け動作テーブルは、上側支持部駆動モータ505に所定のステップ数だけ動作パルスが送信されると処理が終了する処理テーブルと、第1および第2上側支持部521,531が上側可動位置センサ516cの検出位置まで動くと処理が終了する処理テーブルとを含んでいる。なお、各テーブルの「ステップ数」に応じて駆動データを更新する回数は、対応する駆動モータ(上側支持部駆動モータ505)の動作パルスのカウンタ値(step数)としてカウントされる。
図110(B)に示す動作テーブルは、上側演出装置500の第1および第2上側支持部521,531を上側初期位置から上側中間位置に移動させる動作テーブル(以下便宜上、上側中間位置向け動作テーブルと称することがある)であり、第1〜第7の処理テーブルTB1〜TB7から構成されている。第1〜第7の処理テーブルTB1〜TB7により、上側支持部駆動モータ505は、第1および第2上側支持部521,531を上側初期位置から上側中間位置に向け加速させて定速状態(第1〜第3の処理テーブルTB1〜TB3に相当)にし、第1上側支持部521のセンサ検出部524が上側中間位置センサ516bにより検出されると、第1および第2上側支持部521,531を減速させて励磁保持し、上側中間位置で停止(第4〜第7の処理テーブルTB4〜TB7に相当)させる動作を行うように制御される。
上側中間位置向け動作テーブルにおける、第1〜第2の処理テーブルTB1〜TB2および第4〜第5の処理テーブルTB4〜TB5では、各テーブルの「周波数」に応じたX回の割込みに1回、上側支持部駆動モータ505の駆動データを更新し、各テーブルの「ステップ数」の回数だけ駆動データを更新すると、次の処理テーブルに移行する処理を行う。上側中間位置向け動作テーブルにおける、第3の処理テーブルTB3では、「周波数(500[pps])」に応じたX回(2回)の割込みに1回、上側支持部駆動モータ505の駆動データを更新し、上側中間位置センサ516bが非検出状態から検出状態に切り替わると、次の処理テーブルに移行する処理を行う。このように、上側中間位置向け動作テーブルは、上側支持部駆動モータ505に所定のステップ数だけ動作パルスが送信されると処理が終了する処理テーブルと、第1および第2上側支持部521,531が上側中間位置センサ516bの検出位置まで動くと処理が終了する処理テーブルとを含んでいる。
なお、第6の処理テーブルTB6では、他の処理テーブル(例えば、上側可動位置向け動作テーブルにおける第7の処理テーブルTA7)のように、慣性力による第1および第2上側支持部521,531の動作を完全に停止させるため、上側支持部駆動モータ505が100[ms]の励磁保持動作を行う駆動パターンとは異なり、励磁保持を維持する時間を最大10[s]として、上側支持部駆動モータ505が励磁保持動作を行う。これは、第1および第2上側支持部521,531が上側中間位置に位置する場合、メカストッパ部等による保持力を受けることがなく、重力に反して第1および第2上側支持部521,531を保持するためである。励磁保持を維持する時間を最大10[s]とするのは、変動演出パターンに応じて維持すべき時間が異なるためである。
図110(C)に示す動作テーブルは、上側演出装置500の第1および第2上側支持部521,531を上側初期位置に戻す動作テーブル(以下便宜上、上側初期位置向け動作テーブルと称することがある)であり、第1〜第8の処理テーブルTC1〜TC8から構成されている。第1〜第8の処理テーブルTC1〜TC8により、上側支持部駆動モータ505は、第1および第2上側支持部521,531を上側可動位置(もしくは上側中間位置)から上側初期位置に向け加速させて定速状態(第1〜第3の処理テーブルTC1〜TC3に相当)にし、第1上側支持部521のセンサ検出部524が上側初期位置センサ516aにより検出されると、第1および第2上側支持部521,531を減速させて励磁保持し、上側初期位置で停止(第4〜第8の処理テーブルTC4〜TC8に相当)させる動作を行うように制御される。
上側初期位置向け動作テーブルにおける、第1〜第2の処理テーブルTC1〜TC2および第4〜第6の処理テーブルTC4〜TC6では、各テーブルの「周波数」に応じたX回の割込みに1回、上側支持部駆動モータ505の駆動データを更新し、各テーブルの「ステップ数」の回数だけ駆動データを更新すると、次の処理テーブルに移行する処理を行う。上側初期位置向け動作テーブルにおける、第3の処理テーブルTC3では、「周波数(250[pps])」に応じたX回(4回)の割込みに1回、上側支持部駆動モータ505の駆動データを更新し、上側初期位置センサ516aが非検出状態から検出状態に切り替わると、次の処理テーブルに移行する処理を行う。このように、上側初期位置向け動作テーブルは、上側支持部駆動モータ505に所定のステップ数だけ動作パルスが送信されると処理が終了する処理テーブルと、第1および第2上側支持部521,531が上側初期位置センサ516aの検出位置まで動くと処理が終了する処理テーブルとを含んでいる。
図110(D)に示す動作テーブルは、上側演出装置500の第1および第2上側支持部521,531を上側初期位置と上側中間位置の近傍との間で往復移動させる動作テーブル(以下便宜上、往復動作用動作テーブルと称することがある)であり、第1〜第22の処理テーブルTD1〜TD22から構成されている。第1〜第6の処理テーブルTD1〜TD6により、上側支持部駆動モータ505は、第1および第2上側支持部521,531を上側初期位置から上側可動位置に向け加速させて定速状態(第1〜第3の処理テーブルTD1〜TD3に相当)にし、第1上側支持部521のセンサ検出部524が上側初期位置センサ516aにより検出されて当該上側初期位置センサ516aを通過すると、第1および第2上側支持部521,531を減速させて励磁保持(第4〜第6の処理テーブルTD4〜TD6に相当)する動作を行うように制御される。
続いて、第7〜第14の処理テーブルTD7〜TD14により、上側支持部駆動モータ505は、第1および第2上側支持部521,531を上側初期位置に向け加速させて定速状態にし、第1および第2上側支持部521,531を減速させて励磁保持(第7〜第10の処理テーブルTD7〜TD10に相当)する動作と、第1および第2上側支持部521,531を上側可動位置に向け加速させて定速状態にし、第1および第2上側支持部521,531を減速させて励磁保持(第11〜第14の処理テーブルTD11〜TD14に相当)する動作とを、設定された回数だけ繰り返し行うように制御される。そして、第15〜第22の処理テーブルTC15〜TC22により、上側支持部駆動モータ505は、第1および第2上側支持部521,531を上側初期位置に向け加速させて定速状態(第15〜第17の処理テーブルTD15〜TD17に相当)にし、第1上側支持部521のセンサ検出部524が上側初期位置センサ516aにより検出されると、第1および第2上側支持部521,531を減速させて励磁保持し、上側初期位置で停止(第18〜第22の処理テーブルTD18〜TD22に相当)させる動作を行うように制御される。
往復動作用動作テーブルにおける、第1〜第2の処理テーブルTD1〜TD2、第4〜第5の処理テーブルTD4〜TD5、第7〜第9の処理テーブルTD7〜TD9、第11〜第13の処理テーブルTD11〜TD13、第15〜第16の処理テーブルTD15〜TD16、および第18〜第20の処理テーブルTD18〜TD20では、各テーブルの「周波数」に応じたX回の割込みに1回、上側支持部駆動モータ505の駆動データを更新し、各テーブルの「ステップ数」の回数だけ駆動データを更新すると、次の処理テーブルに移行する処理を行う。往復動作用動作テーブルにおける、第3の処理テーブルTD3では、「周波数(333[pps])」に応じたX回(3回)の割込みに1回、上側支持部駆動モータ505の駆動データを更新し、上側初期位置センサ516aが検出状態から非検出状態に切り替わると、次の処理テーブルに移行する処理を行う。往復動作の開始時には上側初期位置センサ516aが検出状態になるため、上側初期位置センサ516aが非検出状態に切り替わるタイミングで、不定のステップ数で制御を行う処理テーブル(TD3)を終了し、定数のステップ数で制御を行う処理テーブル(TD4)に移行することで、演出動作位置までの動作量を安定させることができる。往復動作用動作テーブルにおける、第17の処理テーブルTD17では、「周波数(250[pps])」に応じたX回(4回)の割込みに1回、上側支持部駆動モータ505の駆動データを更新し、上側初期位置センサ516aが非検出状態から検出状態に切り替わると、次の処理テーブルに移行する処理を行う。このように、往復動作用動作テーブルは、上側支持部駆動モータ505に所定のステップ数だけ動作パルスが送信されると処理が終了する処理テーブルと、第1および第2上側支持部521,531が上側初期位置センサ516aの検出位置(もしくは非検出位置)まで動くと処理が終了する処理テーブルとを含んでいる。
なお、往復動作用動作テーブルの第7〜第14の処理テーブルTD7〜TD14において、上側支持部駆動モータ505は、第1および第2上側支持部521,531を上側初期位置に向け加速させて定速状態にし、第1および第2上側支持部521,531を減速させて励磁保持する動作と、第1および第2上側支持部521,531を上側可動位置に向け加速させて定速状態にし、第1および第2上側支持部521,531を減速させて励磁保持する動作とを、次に述べるような変更を加えて、設定された回数だけ繰り返し行う(第7〜第14の処理テーブルTD7〜TD14を設定回数ループする)ように制御されてもよい。ここで、第8の処理テーブルTD8を不定のステップ数で制御を行う処理テーブルとし、上側初期位置センサ516aが非検出状態から検出状態に切り替わると、次の処理テーブル(TD9)に移行する処理を行うように変更する。これにより、往復動作において第1および第2上側支持部521,531が確実に上側初期位置に戻るため、繰り返しの往復動作であっても、重力の作用により第1および第2上側支持部521,531が下がりすぎて、第1および第2上側支持部521,531の往復動作の中心位置がずれる等の違和感を生じさせることを防止することができる。また、往復動作を設定回数だけ繰り返し行うと往復動作を終了する制御に限られるものではなく、演出ボタン10の操作時に往復動作の繰り返しフラグをオフにすることで、演出ボタン10の操作により往復動作を終了する制御を行うようにしてもよい。
次いで、第2役物制御処理を実行する(S733)。この第2役物制御処理(S733)では、上側演出装置500の第2上側演出部材581の動作をリクエストする場合に、上側演出部駆動モータ538の駆動データを更新する処理を行う。上側演出部駆動モータ538の駆動パターンデータは、例えば、図111(A)〜(B)に示す2種類の動作テーブルに応じた動作を実行可能に構成されている。なお、図111(A)〜(B)に示す2種類の動作テーブルは、第2上側演出部材581に対する動作リクエストの内容に応じて選択される。図111(A)〜(B)に示す動作テーブルにおいて、「動作」項目の(+)は、駆動モータの回転方向を正転方向であることを示し、「動作」項目の(−)は、駆動モータの回転方向を逆転方向であることを示す。
図111(A)に示す動作テーブルは、上側演出装置500の第2上側演出部材581を近接初期位置から分離可動位置に移動させる動作テーブル(以下便宜上、分離可動位置向け動作テーブルと称することがある)であり、第1〜第7の処理テーブルTE1〜TE7から構成されている。第1〜第7の処理テーブルTE1〜TE7により、上側演出部駆動モータ538は、第2上側演出部材581を近接初期位置から分離可動位置に向け加速させて定速状態(第1〜第3の処理テーブルTE1〜TE3に相当)にし、第2上側演出部材581のセンサ検出部589が分離可動位置センサ558cにより検出されると、第2上側演出部材581を減速させて励磁保持し、分離可動位置で停止(第4〜第7の処理テーブルTE4〜TE7に相当)させる動作を行うように制御される。
分離可動位置向け動作テーブルにおける、第1〜第2の処理テーブルTE1〜TE2および第4〜第5の処理テーブルTE4〜TE5では、各テーブルの「周波数」に応じたX回の割込みに1回、上側演出部駆動モータ538の駆動データを更新し、各テーブルの「ステップ数」の回数だけ駆動データを更新すると、次の処理テーブルに移行する処理を行う。分離可動位置向け動作テーブルにおける、第3の処理テーブルTE3では、「周波数(500[pps])」に応じたX回(2回)の割込みに1回、上側演出部駆動モータ538の駆動データを更新し、分離可動位置センサ558cが非検出状態から検出状態に切り替わると、次の処理テーブルに移行する処理を行う。このように、分離可動位置向け動作テーブルは、上側演出部駆動モータ538に所定のステップ数だけ動作パルスが送信されると処理が終了する処理テーブルと、第2上側演出部材581が分離可動位置センサ558cの検出位置まで動くと処理が終了する処理テーブルとを含んでいる。
図111(B)に示す動作テーブルは、上側演出装置500の第2上側演出部材581を近接初期位置に戻す動作テーブル(以下便宜上、近接初期位置向け動作テーブルと称することがある)であり、第1〜第8の処理テーブルTF1〜TF8から構成されている。第1〜第8の処理テーブルTF1〜TF8により、上側演出部駆動モータ538は、第2上側演出部材581を分離可動位置から近接初期位置に向け加速させて定速状態(第1〜第3の処理テーブルTF1〜TF3に相当)にし、第2上側演出部材581のセンサ検出部589が近接初期位置センサ558aにより検出されると、第2上側演出部材581を減速させて励磁保持し、近接初期位置で停止(第4〜第8の処理テーブルTF4〜TF8に相当)させる動作を行うように制御される。
近接初期位置向け動作テーブルにおける、第1〜第2の処理テーブルTF1〜TF2および第4〜第6の処理テーブルTF4〜TF6では、各テーブルの「周波数」に応じたX回の割込みに1回、上側演出部駆動モータ538の駆動データを更新し、各テーブルの「ステップ数」の回数だけ駆動データを更新すると、次の処理テーブルに移行する処理を行う。近接初期位置向け動作テーブルにおける、第3の処理テーブルTF3では、「周波数(333[pps])」に応じたX回(3回)の割込みに1回、上側演出部駆動モータ538の駆動データを更新し、近接初期位置センサ558aが非検出状態から検出状態に切り替わると、次の処理テーブルに移行する処理を行う。このように、近接初期位置向け動作テーブルは、上側演出部駆動モータ538に所定のステップ数だけ動作パルスが送信されると処理が終了する処理テーブルと、第2上側演出部材581が近接初期位置センサ558aの検出位置まで動くと処理が終了する処理テーブルとを含んでいる。
なお、第2役物制御処理(S733)では、第2上側演出部材581の動作をリクエストする場合でも、上側演出装置500の第1および第2上側支持部521,531が上側可動位置に移動していない場合、処理をスキップする。そして、第1および第2上側支持部521,531が上側可動位置に移動すると、上側演出部駆動モータ538の駆動データを更新する処理を開始する。例えば、図111(A)〜(B)に示す動作テーブルにおいて、上側可動位置センサ516cが非検出状態から検出状態に切り替わると、分離可動位置向け動作テーブルにおける第1の処理テーブルTE1の処理を開始する。
前述したように、図110(A)に示す上側可動位置向け動作テーブルにおいて、上側演出装置500の上側支持部駆動モータ505は、第1上側支持部521のセンサ検出部524が上側可動位置センサ516cにより検出されると、第1および第2上側支持部521,531を減速させて励磁保持し、上側可動位置で停止させる動作を行うように制御される。このように、上側可動位置センサ516cが非検出状態から検出状態に切り替わって、上側演出部駆動モータ538が動作を開始した後でも、一定期間、上側支持部駆動モータ505が動作する状態となる。本実施形態では、図111(A)に示す分離可動位置向け動作テーブルにおいて、第1〜第2の処理テーブルTE1〜TE2の「周波数」が、比較的小さい値に設定される。これにより、動作開始直後の上側演出部駆動モータ538の回転速度が低くなって消費電流が抑えられるため、後述の電気的制限判定処理(S745)において、上側支持部駆動モータ505および上側演出部駆動モータ538を含む駆動モータの消費電流の合計値が、所定の規制電流値を超える可能性を低くすることができる。このように、上側可動位置センサ516cが非検出状態から検出状態に切り替わることを契機として、上側演出部駆動モータ538が動作を開始する場合であっても、上側演出部駆動モータ538を円滑に動作させることが可能である。
次いで、第3役物制御処理を実行する(S734)。この第3役物制御処理(S734)では、上側演出装置500の副表示装置561の動作をリクエストする場合に、表示装置駆動モータ534の駆動データを更新する処理を行う。表示装置駆動モータ534の駆動パターンデータは、例えば、図110(A)〜(D)に示す動作テーブルと同様の動作を実行可能に構成され、第1役物制御処理(S732)の場合と同様の処理を行うことができる。なお、第3役物制御処理(S734)では、副表示装置561の動作をリクエストする場合でも、上側演出装置500の第2上側演出部材581が分離可動位置に移動していない場合、処理をスキップする。そして、第2上側演出部材581が分離可動位置に移動すると、表示装置駆動モータ534の駆動データを更新する処理を開始する。第2上側演出部材581が分離可動位置に移動していない状態で、表示装置駆動モータ534により副表示装置561を回動させると、副表示装置561の端縁の回動軌跡上に第2上側演出部材581が位置して干渉するためである。上側演出装置500の第1および第2上側支持部521,531、第2上側演出部材581、および表示装置駆動モータ534に対する動作リクエストは、変動演出パターンに応じて一括送信され、第1〜第3役物制御処理(S732〜S734)において、上側演出装置500の(制御対象の演出部材とは異なる他の演出部材の)位置検出センサの検出情報やエラー情報などに基づいて、各駆動モータの駆動タイミングが制御される。
次いで、第4役物制御処理を実行する(S735)。この第4役物制御処理(S735)では、左上側演出装置700の左上表側演出部材761の動作をリクエストする場合に、左上表側駆動モータ737の駆動データを更新する処理を行う。左上表側駆動モータ737の駆動パターンデータは、例えば、図111(A)〜(B)に示す動作テーブルと同様の動作を実行可能に構成され、第2役物制御処理(S733)の場合と同様の処理を行うことができる。なお、第4役物制御処理(S735)では、左上表側演出部材761の下方可動位置に向けた動作をリクエストする場合でも、左下側演出装置600の左下表側演出部材661が左側傾倒可動位置に移動していない場合、左上表側演出部材761が左下表側演出部材661に対して干渉するのを避けるため、処理をスキップする。そして、左下表側演出部材661が左側傾倒可動位置に移動すると、左上表側駆動モータ737の駆動データを更新する処理を開始する。これにより、左上表側演出部材761が左下表側演出部材661に当接することを防止することができる。
次いで、第5役物制御処理を実行する(S736)。この第5役物制御処理(S736)では、左上側演出装置700の左上裏側演出部材721の動作をリクエストする場合に、左上裏側駆動モータ703の駆動データを更新する処理を行う。左上裏側駆動モータ703の駆動パターンデータは、例えば、図111(A)〜(B)に示す動作テーブルと同様の動作を実行可能に構成され、第2役物制御処理(S733)の場合と同様の処理を行うことができる。なお、左上裏側演出部材721は、左上裏側可動位置もしくは左上裏側初期位置に向けた動作のときに、他の演出部材に対して干渉しないため、他の演出部材の位置情報に基づく干渉回避のための処理のスキップは実施されない。但し、演出動作の見栄えを良くするための処理のスキップは適宜実施される。
次いで、第6役物制御処理を実行する(S737)。この第6役物制御処理(S737)では、左下側演出装置600の左下表側演出部材661の動作をリクエストする場合に、左下表側駆動モータ637の駆動データを更新する処理を行う。左下表側駆動モータ637の駆動パターンデータは、例えば、図111(A)〜(B)に示す動作テーブルと同様の動作を実行可能に構成され、第2役物制御処理(S733)の場合と同様の処理を行うことができる。なお、第6役物制御処理(S737)では、左下表側演出部材661の左側立設初期位置に向けた動作をリクエストする場合でも、左上側演出装置700の左上表側演出部材761が上方初期位置に移動していない場合、左下表側演出部材661が左上表側演出部材761に対して干渉するのを避けるため、処理をスキップする。そして、左上表側演出部材761が上方初期位置に移動すると、左下表側駆動モータ637の駆動データを更新する処理を開始する。これにより、左下表側演出部材661が左上表側演出部材761に当接することを防止することができる。
次いで、第7役物制御処理を実行する(S738)。この第7役物制御処理(S738)では、左下側演出装置600の左下裏側演出部材621の動作をリクエストする場合に、左下裏側駆動モータ603の駆動データを更新する処理を行う。左下裏側駆動モータ603の駆動パターンデータは、例えば、図111(A)〜(B)に示す動作テーブルと同様の動作を実行可能に構成され、第2役物制御処理(S733)の場合と同様の処理を行うことができる。なお、左下裏側演出部材621は、左下裏側可動位置もしくは左下裏側初期位置に向けた動作のときに、他の演出部材に対して干渉しないため、他の演出部材の位置情報に基づく干渉回避のための処理のスキップは実施されない。但し、演出動作の見栄えを良くするための処理のスキップは適宜実施される。
次いで、第8役物制御処理を実行する(S739)。この第8役物制御処理(S739)では、右側演出装置800の右上裏側演出部材851の動作をリクエストする場合に、右上裏側駆動モータ808の駆動データを更新する処理を行う。右上裏側駆動モータ808の駆動パターンデータは、例えば、図111(A)〜(B)に示す動作テーブルと同様の動作を実行可能に構成され、第2役物制御処理(S733)の場合と同様の処理を行うことができる。なお、右上裏側演出部材851は、右上裏側可動位置もしくは右上裏側初期位置に向けた動作のときに、他の演出部材に対して干渉しないため、他の演出部材の位置情報に基づく干渉回避のための処理のスキップは実施されない。但し、演出動作の見栄えを良くするための処理のスキップは適宜実施される。
次いで、第9役物制御処理を実行する(S740)。この第9役物制御処理(S740)では、右側演出装置800の右下裏側演出部材831の動作をリクエストする場合に、右下裏側駆動モータ803の駆動データを更新する処理を行う。右下裏側駆動モータ803の駆動パターンデータは、例えば、図111(A)〜(B)に示す動作テーブルと同様の動作を実行可能に構成され、第2役物制御処理(S733)の場合と同様の処理を行うことができる。なお、右下裏側演出部材831は、右下裏側可動位置もしくは右下裏側初期位置に向けた動作のときに、他の演出部材に対して干渉しないため、他の演出部材の位置情報に基づく干渉回避のための処理のスキップは実施されない。但し、演出動作の見栄えを良くするための処理のスキップは適宜実施される。
次いで、第10役物制御処理を実行する(S741)。この第10役物制御処理(S741)では、右側演出装置800の右下表側演出部材891の動作をリクエストする場合に、右下表側駆動モータ867の駆動データを更新する処理を行う。右下表側駆動モータ867の駆動パターンデータは、例えば、図111(A)〜(B)に示す動作テーブルと同様の動作を実行可能に構成され、第2役物制御処理(S733)の場合と同様の処理を行うことができる。なお、右下表側演出部材891は、右側傾倒可動位置もしくは右側立設初期位置に向けた動作のときに、他の演出部材に対して干渉しないため、他の演出部材の位置情報に基づく干渉回避のための処理のスキップは実施されない。但し、演出動作の見栄えを良くするための処理のスキップは適宜実施される。
次いで、第11役物制御処理を実行する(S742)。この第11役物制御処理(S742)では、下側演出装置900の第1および第2表側可動支持部951,961と、第1および第2裏側可動支持部921,931の動作をリクエストする場合に、可動支持部駆動モータ904の駆動データを更新する処理を行う。可動支持部駆動モータ904の駆動パターンデータは、例えば、図111(A)〜(B)に示す動作テーブルと同様の動作を実行可能に構成され、第2役物制御処理(S733)の場合と同様の処理を行うことができる。なお、第1および第2表側可動支持部951,961と、第1および第2裏側可動支持部921,931は、下側可動位置もしくは下側初期位置に向けた動作のときに、他の演出部材に対して干渉しないため、他の演出部材の位置情報に基づく干渉回避のための処理のスキップは実施されない。但し、演出動作の見栄えを良くするための処理のスキップは適宜実施される。
次いで、第12役物制御処理を実行する(S743)。この第12役物制御処理(S743)では、下側演出装置900の第1および第2表側演出部材971,981の動作をリクエストする場合に、表側駆動モータ967の駆動データを更新する処理を行う。表側駆動モータ967の駆動パターンデータは、例えば、図111(A)〜(B)に示す動作テーブルと同様の動作を実行可能に構成され、第2役物制御処理(S733)の場合と同様の処理を行うことができる。なお、第1および第2表側演出部材971,981は、第1および第2表側可動位置もしくは第1および第2表側初期位置に向けた動作のときに、他の演出部材に対して干渉しないため、他の演出部材の位置情報に基づく干渉回避のための処理のスキップは実施されない。但し、演出動作の見栄えを良くするための処理のスキップは適宜実施される。
次いで、第13役物制御処理を実行する(S744)。この第13役物制御処理(S744)では、下側演出装置900の第1および第2裏側演出部材941,946の動作をリクエストする場合に、裏側回転駆動モータ934の駆動データを更新する処理を行う。裏側回転駆動モータ934の駆動パターンデータは、例えば、図111(A)〜(B)に示す動作テーブルと同様の動作を実行可能に構成され、第2役物制御処理(S733)の場合と同様の処理を行うことができる。なお、第1および第2裏側演出部材941,946は、第1および第2裏側可動位置もしくは第1および第2裏側初期位置に向けた動作のときに、他の演出部材に対して干渉しないため、他の演出部材の位置情報に基づく干渉回避のための処理のスキップは実施されない。但し、演出動作の見栄えを良くするための処理のスキップは適宜実施される。
また、第11〜第13役物制御処理(S742〜S744)では、他の演出部材の位置情報に基づいて処理をスキップすることも可能である。例えば、図58および図60〜図62に示すように下側演出装置900が演出動作を行う場合、第11役物制御処理(S742)では、第1および第2表側可動支持部951,961と、第1および第2裏側可動支持部921,931の下側可動位置に向けた動作をリクエストする場合でも、干渉する可能性がある他の演出部材が初期位置に移動していない場合、当該演出部材に対して干渉するのを避けるため、処理をスキップすることが可能である。第12役物制御処理(S743)では、第1および第2表側演出部材971,981の第1および第2表側可動位置に向けた動作をリクエストする場合でも、第1および第2表側可動支持部951,961と、第1および第2裏側可動支持部921,931が下側可動位置に移動していない場合、演出動作の見栄えを良くするため、処理をスキップすることが可能である。第13役物制御処理(S744)では、第1および第2裏側演出部材941,946の第1および第2裏側可動位置に向けた動作をリクエストする場合でも、第1および第2表側演出部材971,981が第1および第2表側可動位置に移動していない場合、演出動作の見栄えを良くするため、処理をスキップすることが可能である。
また例えば、下側演出装置900が上述の演出動作とは逆の初期位置復帰動作を行う場合、第12役物制御処理(S743)では、第1および第2表側演出部材971,981の第1および第2表側初期位置に向けた動作をリクエストする場合でも、第1および第2裏側演出部材941,946が第1および第2裏側初期位置に移動していない場合、初期位置復帰動作の見栄えを良くするため、処理をスキップすることが可能である。第11役物制御処理(S742)では、第1および第2表側可動支持部951,961と、第1および第2裏側可動支持部921,931の下側初期位置に向けた動作をリクエストする場合でも、第1および第2表側演出部材971,981が第1および第2表側初期位置に移動していない場合、初期位置復帰動作の見栄えを良くするため、処理をスキップすることが可能である。
次いで、電気的制限判定処理を実行する(S745)。この電気的制限判定処理(S745)では、上述の第1〜第13役物制御処理(S732)〜(S734)において、今回の割込み処理で動作パルスの出力が設定される駆動モータの消費電流の合計値が、所定の規制電流値を超えるか否かを判定する。本実施形態では、各演出装置の複数の演出部材のうち、一部の演出部材を複数同時に動かす駆動パターンがある。
図113の表に、各演出装置の複数の駆動モータが対応する演出部材を同時に動かすことが可能な同時駆動パターンの例を示す。図113の表に示す例では、第1〜第13の同時駆動パターンがある。図113の表における丸印は、第1〜第13の同時駆動パターンにおいて動作する駆動モータを示す。例えば、第1の同時駆動パターンは、左上側演出装置700の左上裏側駆動モータ703と、左下側演出装置600の左下裏側駆動モータ603と、右側演出装置800の右上裏側駆動モータ808および右下裏側駆動モータ803が動作する同時駆動パターンを示し、第2の同時駆動パターンは、上側演出装置500の上側支持部駆動モータ505および上側演出部駆動モータ538と、左上側演出装置700の左上裏側駆動モータ703と、左下側演出装置600の左下裏側駆動モータ603が動作する同時駆動パターンを示す。また例えば、第12の同時駆動パターンは、上側演出装置500の上側支持部駆動モータ505および上側演出部駆動モータ538と、下側演出装置900の可動支持部駆動モータ904、表側駆動モータ967、および裏側回転駆動モータ934が動作する同時駆動パターンを示す。
図112の表に、各演出装置における駆動モータの消費電流値と規制電流値との関係を示す。図112の表に示す電源は、各駆動モータの電源を示す。上側演出装置500の上側支持部駆動モータ505、上側演出部駆動モータ538、および表示装置駆動モータ534は、電源基板450に設けられた第1の12V電源G1から供給される電力を使用して作動する。左上側演出装置700の左上表側駆動モータ737および左上裏側駆動モータ703も、第1の12V電源G1から供給される電力を使用して作動する。左下側演出装置600の左下表側駆動モータ637および左下裏側駆動モータ603も、第1の12V電源G1から供給される電力を使用して作動する。右側演出装置800の右上裏側駆動モータ808、右下裏側駆動モータ803、および右下表側駆動モータ867も、第1の12V電源G1から供給される電力を使用して作動する。下側演出装置900の可動支持部駆動モータ904、表側駆動モータ967、および裏側回転駆動モータ934は、電源基板450に設けられた第2の12V電源G2から供給される電力を使用して作動する。
図112の表に示す優先順位は、各駆動モータを作動させる際の優先順位を示す。この優先順位は、例えば図112の表に示すように、上述の第1〜第13役物制御処理(S732)〜(S734)に対応する駆動モータの順(上側支持部駆動モータ505、上側演出部駆動モータ538、表示装置駆動モータ534、左上表側駆動モータ737、左上裏側駆動モータ703、左下表側駆動モータ637、左下裏側駆動モータ603、右上裏側駆動モータ808、右下裏側駆動モータ803、右下表側駆動モータ867、可動支持部駆動モータ904、表側駆動モータ967、および裏側回転駆動モータ934の順)に設定することができる。
図112の表において、上側演出装置500の上側支持部駆動モータ505の消費電流値をH1とし、上側演出部駆動モータ538の消費電流値をH2とし、表示装置駆動モータ534の消費電流値をH3とする。左上側演出装置700の左上表側駆動モータ737の消費電流値をH4とし、左上裏側駆動モータ703の消費電流値をH5とする。左下側演出装置600の左下表側駆動モータ637の消費電流値をH6とし、左下裏側駆動モータ603の消費電流値をH7とする。右側演出装置800の右上裏側駆動モータ808の消費電流値をH8とし、右下裏側駆動モータ803の消費電流値をH9とし、右下表側駆動モータ867の消費電流値をH10とする。下側演出装置900の可動支持部駆動モータ904の消費電流値をH11とし、表側駆動モータ967の消費電流値をH12とし、裏側回転駆動モータ934の消費電流値をH13とする。各駆動モータの消費電流値H1〜H13は、0.4[A]〜1.8[A]程度である。
規制電流値は、各駆動モータの電源ごとに設定される。図112の表に示す例では、第1の12V電源G1を電源とする駆動モータ(上側支持部駆動モータ505、上側演出部駆動モータ538、表示装置駆動モータ534、左上表側駆動モータ737、左上裏側駆動モータ703、左下表側駆動モータ637、左下裏側駆動モータ603、右上裏側駆動モータ808、右下裏側駆動モータ803、および右下表側駆動モータ867)についての第1規制電流値HL1と、第2の12V電源G2を電源とする駆動モータ(可動支持部駆動モータ904、表側駆動モータ967、および裏側回転駆動モータ934)についての第2規制電流値HL2が設定される。本実施形態では、この第1規制電流値HL1および第2規制電流値HL2に加えて、全ての駆動モータについての総規制電流値HLAが設定される。第1規制電流値HL1および第2規制電流値HL2は、例えば5.0[A]に設定される。総規制電流値HLAは、例えば6.0[A]に設定される。なお、第1規制電流値HL1および第2規制電流値HL2は、異なる電流値に設定されてもよい。また、総規制電流値HLAは、第1規制電流値HL1および第2規制電流値HL2よりも大きく、第1規制電流値HL1と第2規制電流値HL2とを加えた電流値よりも小さい値に設定されてもよい。
図112および図113の表に示す例において、例えば、第12の同時駆動パターンのように、上側演出装置500の上側支持部駆動モータ505および上側演出部駆動モータ538と、下側演出装置900の可動支持部駆動モータ904、表側駆動モータ967、および裏側回転駆動モータ934が同時に駆動する場合の処理について説明する。この場合、今回の割込み処理で動作パルスの出力が設定される上側支持部駆動モータ505および上側演出部駆動モータ538の消費電流の合計値が、第1規制電流値HL1を超えるか否かを判定する。この消費電流の合計値が第1規制電流値HL1を超える場合、第1規制電流値HL1を超えない範囲で、上側支持部駆動モータ505および上側演出部駆動モータ538のうち優先順位の高い駆動モータの動作パルスの出力を設定する。そして、他の優先順位の低い駆動モータの動作パルスの出力情報を退避用バッファに記憶させ、次回の割込み処理において当該退避用バッファから読み出して優先的に設定する処理を行う。
また、今回の割込み処理で動作パルスの出力が設定される可動支持部駆動モータ904、表側駆動モータ967、および裏側回転駆動モータ934の消費電流の合計値が、第2規制電流値HL2を超えるか否かを判定する。この消費電流の合計値が第2規制電流値HL2を超える場合、第2規制電流値HL2を超えない範囲で、可動支持部駆動モータ904、表側駆動モータ967、および裏側回転駆動モータ934のうち優先順位の高い駆動モータの動作パルスの出力を設定する。そして、他の優先順位の低い駆動モータの動作パルスの出力情報を退避用バッファに記憶させ、次回の割込み処理において当該退避用バッファから読み出して優先的に設定する処理を行う。
さらに、今回の割込み処理で動作パルスの出力が設定される上側支持部駆動モータ505、上側演出部駆動モータ538、可動支持部駆動モータ904、表側駆動モータ967、および裏側回転駆動モータ934の消費電流の合計値が、総規制電流値HLAを超えるか否かを判定する。この消費電流の合計値が総規制電流値HLAを超える場合、総規制電流値HLAを超えない範囲で、上側支持部駆動モータ505、上側演出部駆動モータ538、可動支持部駆動モータ904、表側駆動モータ967、および裏側回転駆動モータ934のうち優先順位の高い駆動モータの動作パルスの出力を設定する。そして、他の優先順位の低い駆動モータの動作パルスの出力情報を退避用バッファに記憶させ、次回の割込み処理において当該退避用バッファから読み出して優先的に設定する処理を行う。
これにより、駆動モータの消費電流の合計値が大きくなりすぎて、駆動モータの動作が不安定になるのを防止することができるため、演出装置の動作を安定させることが可能になる。なお、第1〜第13の同時駆動パターンのうち、他の同時駆動パターンの場合においても、第1規制電流値HL1、第2規制電流値HL2、および総規制電流値HLAについて判定を行い、同様の処理を行うことが可能である。また、優先順位の低い駆動モータの動作パルスの出力情報が退避用バッファに記憶されている場合、次回の割込み処理において優先的に設定する処理を行うことで、優先順位の低い演出装置の動作が連続する割込み処理で実行されず、遊技者に感知されてしまう程度に演出装置の動作が不規則となることを防止することができる。
そして、電気的制限判定処理(S745)の次に、エラー判定処理を実行する(S746)。このエラー判定処理(S746)では、step数オーバーエラーの判定処理と、ポジションチェックエラーの判定処理と、時間監視チェックエラーの判定処理を行う。step数オーバーエラーの判定処理では、位置検出センサにより、各演出装置の演出部材が初期位置、可動位置、もしくは中間位置に位置することが検出されずに、駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)がエラー判定値を超えたか否かを判定する。この駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)がエラー判定値を超えた場合、step数オーバーエラーと判定する。前述したように、初期位置、中間位置、および可動位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)は、演出部材が初期位置に位置する場合を初期値(例えば、零の値)として、駆動モータの正転時と逆転時で異なる値に再設定される。これにより、駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)をカウントする際の基準位置が初期位置で統一化されるため、step数オーバーエラーのエラー判定値を正確に求めることができる。そのため、step数オーバーエラーの判定を正確に行うことができ、演出装置の動作を安定させることが可能になる。図110および図111に示す各動作テーブルは、位置検出センサが検出状態に切り替わるまで不定のステップ数とする処理テーブルを含むため、位置検出センサで検出されないような状況(駆動モータの脱調や、メカ的トラブル)により演出部材が動作しなくなった場合、不定のステップ数とする処理テーブルから切り替わることなく、駆動モータの動作パルスのカウンタ値を更新することになる。そのため、駆動モータの動作パルスのカウンタ値を異常動作の判定値として使用することができ、別途タイムアウトの判定のための時間を計時するカウンタを設ける必要がない。不定のステップ数とする処理テーブルを含まない動作テーブルを使用する可能性がある場合には、異常な状態が発生しても演出部材の動作は終了してしまうため、別途、各位置検出センサのオンオフを監視するタイマ(計時カウンタ)を設けるようにすることが好ましい。
駆動モータの動作パルスのカウンタ値の第1の設定例の場合、図108に示すように、6つのエラー判定区間K1〜K6について、step数オーバーエラーのエラー判定値を設定することができる。第1のエラー判定区間K1は、駆動モータの正転時における中間位置からセンサ検出部が可動位置センサの受光部の遮光を開始するまでの区間である。第2のエラー判定区間K2は、駆動モータの正転時における初期位置からセンサ検出部が中間位置センサの受光部の遮光を開始するまでの区間である。第3のエラー判定区間K3は、駆動モータの正転時における初期位置からセンサ検出部が可動位置センサの受光部の遮光を開始するまでの区間である。第4のエラー判定区間K4は、駆動モータの逆転時における中間位置からセンサ検出部が初期位置センサの受光部の遮光を開始するまでの区間である。第5のエラー判定区間K5は、駆動モータの逆転時における可動位置からセンサ検出部が中間位置センサの受光部の遮光を開始するまでの区間である。第6のエラー判定区間K6は、駆動モータの逆転時における可動位置からセンサ検出部が初期位置センサの受光部の遮光を開始するまでの区間である。
第1〜第6のエラー判定区間K1〜K6に対応するエラー判定値ES1〜ES6は、次式(1)〜(6)で表される。なお、次式(1)〜(6)における係数αは、各演出装置の組み立て誤差等に応じた数値(例えば、1.2)に設定される。
ES1=SP2+SP3+SP4+(SP5+SP6)×α …(1)
ES2=(SP2+SP3)×α …(2)
ES3=(SP2+SP3+SP4+SP5+SP6)×α …(3)
ES4=SP2+SP3+SP4−(SP3+SP4)×α …(4)
ES5=SP2+SP3+SP4+SP5+SP6+SP7
−(SP6+SP7)×α …(5)
ES6=SP2+SP3+SP4+SP5+SP6+SP7
−(SP3+SP4+SP5+SP6+SP7)×α …(6)
駆動モータの動作パルスのカウンタ値の第2の設定例の場合、図109に示すように、2つのエラー判定区間K11〜K12について、step数オーバーエラーのエラー判定値を設定することができる。第7のエラー判定区間K11は、駆動モータの正転時における初期位置からセンサ検出部が可動位置センサの受光部の遮光を開始するまでの区間である。第8のエラー判定区間K12は、駆動モータの逆転時における可動位置からセンサ検出部が初期位置センサの受光部の遮光を開始するまでの区間である。
第7〜第8のエラー判定区間K11〜K12に対応するエラー判定値ES12〜ES12は、次式(7)〜(8)で表される。なお、次式(7)〜(8)における係数α1は、各演出装置の組み立て誤差等に応じた数値(例えば、1.2)に設定される。
ES11=(SP12+SP13)×α1 …(7)
ES12=SP12+SP13+SP14
−(SP13+SP14)×α1 …(8)
なお、式(1)〜(6)における係数αと、式(7)〜(8)における係数α1は、駆動モータが動かす演出部材の構成に応じて、適宜異なる数値に設定されてもよい。また、式(1)〜(6)における係数αと、式(7)〜(8)における係数α1は、例えば演出部材が上下方向に動く場合、重力による駆動モータの負荷の違いに応じて、駆動モータの回転方向により異なる数値に設定されてもよい。
ポジションチェックエラーの判定処理では、遊技の節目のタイミングにおいて、各演出装置の演出部材が初期位置に位置するか否かを判定する。なお、遊技の節目のタイミングとは、客待ちデモのタイミング、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選で大当りとなったタイミング、装飾図柄の変動開始のタイミング、装飾図柄の変動終了のタイミングのことである。遊技の節目のタイミングにおいて、各演出装置の演出部材が初期位置に位置しない場合、ポジションチェックエラーと判定する。時間監視チェックエラーの判定処理では、演出部材が制御上、初期位置に位置する場合(動作リクエストがなされていない場合)に、当該演出部材に対応する位置検出センサの状態が所定の監視時間(例えば、5秒)以上非検出状態であるか否かを判定する。この位置検出センサの状態が所定の監視時間以上非検出状態である場合、時間監視チェックエラーと判定する。
[エラー復帰処理等]
上述のエラー判定処理(S746)において、step数オーバーエラー、ポジションチェックエラー、もしくは時間監視チェックエラーと判定されると、各エラーに対応したエラー復帰処理を実行する。本実施形態では、演出装置に関する電源立ち上げ時の初期化動作処理について、エラー復帰処理と処理の共通化を図っている。そこで、演出装置に関する電源立ち上げ時の初期化動作処理と、各エラーに対応したエラー復帰処理について説明する。
《電源立ち上げ時の初期化動作処理》
まず、演出装置に関する電源立ち上げ時の初期化動作処理について簡単に説明する。図101(A)は、電源立ち上げ時の初期化動作処理の概要を示すフローチャートである。ぱちんこ遊技機PMの電源が立ち上がると、初期位置復帰処理を実行する(S751)。この初期位置復帰処理では、各演出装置(上側演出装置500、左下側演出装置600、左上側演出装置700、右側演出装置800、および下側演出装置900)の演出部材を初期位置に戻す制御を行う。この初期位置復帰処理(S751)の詳細は図102〜図104を用いて後述する。
そして、初期位置復帰処理(S751)を実行した後、役物初期化処理を実行する(S752)。この役物初期化処理では、各演出装置の演出部材を最大可動範囲(初期位置と可動位置との間の範囲)で動かす制御を行う。この役物初期化処理(S752)の詳細は図105を用いて後述する。なお、電源立ち上げ時の初期化動作処理を10回失敗した場合、モータエラーと判定し、各演出装置における全ての駆動モータを停止させ、動作パターンのリクエストを受け付けない状態へ移行させる処理を行うとともに、演出表示装置95による画像表示やスピーカ8による音声報知、演出ランプLPの点灯により演出装置の異常である旨の外部報知を行う。
《step数オーバーエラー時のエラー復帰処理》
次に、step数オーバーエラー時のエラー復帰処理について簡単に説明する。図101(B)は、step数オーバーエラー時のエラー復帰処理の概要を示すフローチャートである。上述のエラー判定処理(S746)において、step数オーバーエラーと判定されると、初期位置復帰処理を実行する(S756)。この初期位置復帰処理は、電源立ち上げ時の初期化動作処理において実行される初期位置復帰処理(S751)と同様の処理である。
そして、初期位置復帰処理(S756)を実行した後、役物初期化処理を実行する(S757)。この役物初期化処理は、step数オーバーエラーと判定された演出装置の演出部材を最大可動範囲(初期位置と可動位置との間の範囲)で動かす制御を行う他は、電源立ち上げ時の初期化動作処理において実行される役物初期化処理(S752)と同様の処理である。なお、step数オーバーエラー時のエラー復帰処理を複数回(例えば、3回)連続して失敗した場合、モータエラーと判定し、各演出装置における全ての駆動モータを停止させ、動作パターンのリクエストを受け付けない状態へ移行させる処理を行う。但し、リクエストを受け付けない状態とする前に、位置検出センサの検出状態に拘わらず(step数オーバーエラーと判定された)演出部材を初期位置に向けて動かすように駆動モータを制御する。例えば、演出表示装置95の画面95aの前方に重なる面積が小さくなる位置に向けて演出部材を動かし、演出部材が演出表示装置95の画面95aの前方に重なって視認性を妨げないように、駆動モータに対して(位置検出センサを利用した動作ではない)固定ステップ動作の動作リクエストを行う。これにより、step数オーバーエラーが生じた場合に、演出部材により演出表示装置95の視認性が妨げられるのを防止することができる。
なお、駆動モータに対する固定ステップ動作の動作リクエストとして、演出部材の初期位置に向けた動作、演出部材の可動位置に向けた動作、もしくは演出部材の中間位置に向けた動作のうち、演出表示装置95の視認性を最も妨げない位置に向けた動作リクエストを行うようにしてもよい。このような固定ステップ動作の動作リクエストは、エラー復帰処理を繰り返しても完遂しない演出部材について動作リクエストを行う態様や、複数の演出部材が異常な状況にある場合に、複数の演出部材のうち一の演出部材に対するエラー復帰処理を完遂するために、他の演出部材について動作リクエストを行う態様が考えられる。また、step数オーバーエラーは、遊技中の異常である可能性があるため、電源立ち上げ時の初期化動作処理の際に行われる異常報知よりも、外部への異常報知を控えめなものにして、変動演出の視認性等を確保することが望ましい。
《ポジションチェックエラー時のエラー復帰処理》
次に、ポジションチェックエラー時のエラー復帰処理について簡単に説明する。図101(C)は、ポジションチェックエラー時のエラー復帰処理の概要を示すフローチャートである。上述のエラー判定処理(S746)において、ポジションチェックエラーと判定されると、初期位置復帰処理を実行する(S761)。この初期位置復帰処理は、電源立ち上げ時の初期化動作処理において実行される初期位置復帰処理(S751)と同様の処理である。なお、ポジションチェックエラー時のエラー復帰処理を10回失敗した場合、モータエラーと判定し、各演出装置における全ての駆動モータを停止させ、動作パターンのリクエストを受け付けない状態へ移行させる処理を行うとともに、演出表示装置95による画像表示やスピーカ8による音声報知、演出ランプLPの点灯により演出装置の異常である旨の外部報知を行う。
《時間監視チェックエラー時のエラー復帰処理》
次に、時間監視チェックエラー時のエラー復帰処理について簡単に説明する。図101(D)は、時間監視チェックエラー時のエラー復帰処理の概要を示すフローチャートである。上述のエラー判定処理(S746)において、時間監視チェックエラーと判定されると、初期位置復帰処理を実行する(S766)。この初期位置復帰処理は、電源立ち上げ時の初期化動作処理において実行される初期位置復帰処理(S751)と同様の処理である。なお、時間監視チェックエラー時のエラー復帰処理を10回失敗した場合、モータエラーと判定し、各演出装置における全ての駆動モータを停止させ、動作パターンのリクエストを受け付けない状態へ移行させる処理を行うとともに、演出表示装置95による画像表示やスピーカ8による音声報知、演出ランプLPの点灯により演出装置の異常である旨の外部報知を行う。
(初期位置復帰処理)
次に、初期位置復帰処理(S751)について説明する。図102〜図104は、初期位置復帰処理(S751)の詳細を示すフローチャートである。
まず、全役物停止処理を実行する(S771)。この全役物停止処理(S771)では、各演出装置における全ての演出部材を一旦停止させる制御、すなわち全役物動作に係る駆動モータに対し停止リクエストを行う。
次いで、左上表側演出部材帰還処理を実行する(S772)。この左上表側演出部材帰還処理(S772)では、左上側演出装置700の左上表側演出部材761を上方初期位置に戻す制御を行う。左上表側演出部材761が既に上方初期位置に位置する場合、この処理をスキップする。
次いで、左下表側演出部材帰還処理を実行する(S773)。この左下表側演出部材帰還処理(S773)では、左下側演出装置600の左下表側演出部材661を左側立設初期位置に戻す制御を行う。左下表側演出部材661が既に左側立設初期位置に位置する場合、この処理をスキップする。
次いで、表・裏側演出部材帰還処理を実行する(S774)。この表・裏側演出部材帰還処理(S774)では、下側演出装置900の第1および第2表側演出部材971,981を第1および第2表側初期位置に戻す制御を行う。第1および第2表側演出部材971,981が既に第1および第2表側初期位置に位置する場合、この処理をスキップする。また、下側演出装置900の第1および第2裏側演出部材941,946を第1および第2裏側初期位置に戻す制御を行う。第1および第2裏側演出部材941,946が既に第1および第2裏側初期位置に位置する場合、この処理をスキップする。
次いで、可動支持部帰還処理を実行する(S775)。この可動支持部帰還処理(S775)では、下側演出装置900の第1および第2裏側可動支持部921,931等を下側初期位置に戻す制御を行う。第1および第2裏側可動支持部921,931等が既に下側初期位置に位置する場合、この処理をスキップする。
次いで、右側演出装置800の右下表側演出部材891が右側立設初期位置に位置するか否かを判定する(S776)。この第1判定処理(S776)において、右下表側演出部材891が右側立設初期位置に位置しない場合(S776:NO)には、上側演出装置500の第1および第2上側支持部521,531が上側初期位置に位置し、かつ第2上側演出部材581が近接初期位置に位置し、かつ副表示装置561が回転初期位置に位置するか否かを判定する(S777)。この第2判定処理(S777)において、第1および第2上側支持部521,531が上側初期位置に位置し、かつ第2上側演出部材581が近接初期位置に位置し、かつ副表示装置561が回転初期位置に位置する場合(S777:YES)には、右下表側演出部材帰還処理(S781)に移行する。
一方、第1および第2上側支持部521,531と、第2上側演出部材581と、副表示装置561のうち、少なくとも一つが初期位置に位置しない場合(S777:NO)には、副表示装置動作処理(S778)に移行する。この副表示装置動作処理(S778)では、副表示装置561を固定ステップ動作により回転初期位置に向けて回動させる制御を行う。
次いで、第2上側演出部材帰還処理を実行する(S779)。この第2上側演出部材帰還処理(S779)では、上側演出装置500の第2上側演出部材581を近接初期位置に戻す制御を行う。第2上側演出部材581が既に近接初期位置に位置する場合、この処理をスキップする。
次いで、上側支持部帰還処理を実行し(S780)、右下表側演出部材帰還処理(S781)に移行する。この上側支持部帰還処理(S780)では、上側演出装置500の第1および第2上側支持部521,531を上側初期位置に戻す制御を行う。第1および第2上側支持部521,531が既に上側初期位置に位置する場合、この処理をスキップする。
右下表側演出部材帰還処理(S781)では、右側演出装置800の右下表側演出部材891を右側立設初期位置に戻す制御を行う。右下表側演出部材891が既に右側立設初期位置に位置する場合、この処理をスキップする。
次いで、上側演出装置500の第1および第2上側支持部521,531が上側初期位置に位置し、かつ副表示装置561が回転初期位置に位置するか否かを判定する(S782)。なお、先の第1判定処理(S776)において、右下表側演出部材891が右側立設初期位置に位置する場合(S776:YES)には、上述した第2判定処理(S777)、副表示装置動作処理(S778)、第2上側演出部材帰還処理(S779)、上側支持部帰還処理(S780)、および右下表側演出部材帰還処理(S781)をスキップして、この第3判定処理(S782)に移行する。この第3判定処理(S782)において、第1および第2上側支持部521,531が上側初期位置に位置し、かつ副表示装置561が回転初期位置に位置する場合(S782:YES)には、(第2の)第2上側演出部材帰還処理(S789)に移行する。
一方、第1および第2上側支持部521,531と、副表示装置561のうち、少なくとも一つが初期位置に位置しない場合(S782:NO)には、第2上側演出部材可動処理(S783)に移行する。この第2上側演出部材可動処理(S783)では、上側演出装置500の第2上側演出部材581を分離可動位置に移動させる制御を行う。第2上側演出部材581が既に分離可動位置に位置する場合、この処理をスキップする。
次いで、第2上側演出部材保持処理を実行する(S784)。この第2上側演出部材保持処理(S784)では、上側演出装置500の第2上側演出部材581が分離可動位置に位置する場合に、第2上側演出部材581の(上側演出部駆動モータ538による)励磁保持動作を行わせる制御を行う。
次いで、上側支持部動作処理を実行する(S785)。この上側支持部動作処理(S785)では、上側演出装置500の第1および第2上側支持部521,531が上側可動位置に位置する場合に、第1および第2上側支持部521,531の(上側可動位置を超える方向への)押し込み動作を行わせる制御を行う。第1および第2上側支持部521,531が上側可動位置に位置しない場合、この処理をスキップする。
次いで、上側支持部可動処理を実行する(S786)。この上側支持部可動処理(S786)では、上側演出装置500の第1および第2上側支持部521,531を上側可動位置に移動させる制御を行う。第1および第2上側支持部521,531が既に上側可動位置に位置する場合、この処理をスキップする。
次いで、副表示装置可動処理を実行する(S787)。この副表示装置可動処理(S787)では、上側演出装置500の副表示装置561を回転可動位置に回転移動させる制御を行う。副表示装置561が既に回転可動位置に位置する場合、この処理をスキップする。
次いで、副表示装置帰還処理を実行し(S788)、(第2の)第2上側演出部材帰還処理(S789)に移行する。この副表示装置帰還処理(S788)では、上側演出装置500の副表示装置561を回転初期位置に戻す制御を行う。副表示装置561が既に回転初期位置に位置する場合、この処理をスキップする。
(第2の)第2上側演出部材帰還処理(S789)では、上側演出装置500の第2上側演出部材581を近接初期位置に戻す制御を行う。第2上側演出部材581が既に近接初期位置に位置する場合、この処理をスキップする。
次いで、(第2の)第2上側演出部材保持処理を実行する(S790)。この(第2の)第2上側演出部材保持処理(S790)では、上側演出装置500の第2上側演出部材581が分離可動位置に位置する場合に、第2上側演出部材581の(上側演出部駆動モータ538による)励磁保持動作を行わせる制御を行う。
次いで、(第2の)上側支持部帰還処理を実行する(S791)。この(第2の)上側支持部帰還処理(S791)では、上側演出装置500の第1および第2上側支持部521,531を上側初期位置に戻す制御を行う。第1および第2上側支持部521,531が既に上側初期位置に位置する場合、この処理をスキップする。
そして、裏側演出部材帰還処理を実行する(S792)。この裏側演出部材帰還処理(S792)では、左上側演出装置700の左上裏側演出部材721を左上裏側初期位置に戻す制御を行う。左上裏側演出部材721が既に左上裏側初期位置に位置する場合、この処理をスキップする。また、左下側演出装置600の左下裏側演出部材621を左下裏側初期位置に戻す制御を行う。左下裏側演出部材621が既に左下裏側初期位置に位置する場合、この処理をスキップする。また、右側演出装置800の右上裏側可動部材841を右上裏側初期位置に戻す制御を行う。右上裏側可動部材841が既に右上裏側初期位置に位置する場合、この処理をスキップする。また、右側演出装置800の右下裏側演出部材831を右下裏側初期位置に戻す制御を行う。右下裏側演出部材831が既に右下裏側初期位置に位置する場合、この処理をスキップする。
(役物初期化処理)
次に、役物初期化処理(S752)について説明する。図105は、役物初期化処理(S752)の詳細を示すフローチャートである。
まず、裏側演出部材初期化動作処理を実行する(S801)。この裏側演出部材初期化動作処理(S801)では、左上側演出装置700の左上裏側演出部材721を最大可動範囲(左上裏側初期位置と左上裏側可動位置との間の範囲)で動かす制御を行う。また、左下側演出装置600の左下裏側演出部材621を最大可動範囲(左下裏側初期位置と左下裏側可動位置との間の範囲)で動かす制御を行う。また、右側演出装置800の右上裏側可動部材841を最大可動範囲(右上裏側初期位置と右上裏側可動位置との間の範囲)で動かす制御を行う。また、右側演出装置800の右下裏側演出部材831を最大可動範囲(右下裏側初期位置と右下裏側可動位置との間の範囲)で動かす制御を行う。
次いで、右下表側演出部材初期化動作処理を実行する(S802)。この右下表側演出部材初期化動作処理(S802)では、右側演出装置800の右下表側演出部材891を最大可動範囲(右側立設初期位置と右側傾倒可動位置との間の範囲)で動かす制御を行う。
次いで、左上表側演出部材初期化動作処理を実行する(S803)。この左上表側演出部材初期化動作処理(S803)では、確認動作の際に、左上側演出装置700の左上表側演出部材761が左下側演出装置600の左下表側演出部材661に対して干渉する可能性があるため、まず、左下表側演出部材661を左側傾倒可動位置に揺動変位させ、その後、左上表側演出部材761を最大可動範囲(上方初期位置と下方可動位置との間の範囲)で動かす制御を行う。
次いで、左下表側演出部材帰還処理を実行する(S804)。この左下表側演出部材帰還処理(S804)では、左下側演出装置600の左下表側演出部材661を左側傾倒可動位置から左側立設初期位置に戻す制御を行う。左下表側演出部材661は、先の左上表側演出部材初期化動作処理(S803)において左側傾倒可動位置まで揺動変位しているので、最大可動範囲(左側立設初期位置と左側傾倒可動位置との間の範囲)での動作のうち左側立設初期位置に戻す動作のみを行う。左上表側演出部材初期化動作処理(S803)および左下表側演出部材帰還処理(S804)を実行することで、左下表側演出部材661の初期化動作処理に代わる処理となる。
次いで、上側演出部材可動処理を実行する(S805)。この上側演出部材可動処理(S805)では、上側演出装置500の第1および第2上側支持部521,531を上側可動位置に移動させる制御を行う。また、上側演出装置500の第2上側演出部材581を分離可動位置に移動させる制御を行う。
次いで、副表示装置初期化動作処理を実行する(S806)。この副表示装置初期化動作処理(S806)では、上側演出装置500の第2上側演出部材581の励磁保持動作を行わせる制御を行う。また、上側演出装置500の副表示装置561を回転初期位置と回転可動位置との間で回動させ、回転初期位置に戻す制御を行う。
次いで、上側演出部材帰還処理を実行する(S807)。この上側演出部材帰還処理(S807)では、上側演出装置500の第2上側演出部材581を分離可動位置から近接初期位置に戻す制御を行う。また、上側演出装置500の第1および第2上側支持部521,531を上側可動位置から上側初期位置に戻す制御を行う。
次いで、可動支持部可動処理を実行する(S808)。この可動支持部可動処理(S808)では、下側演出装置900の第1および第2裏側可動支持部921,931等を下側可動位置に移動させる制御を行う。
次いで、表・裏側演出部材初期化動作処理を実行する(S809)。この表・裏側演出部材初期化動作処理(S809)では、下側可動位置に移動した第1および第2裏側可動支持部921,931等の(可動支持部駆動モータ904による)励磁保持動作を行わせる制御を行う。また、下側演出装置900の第1および第2表側演出部材971,981を最大可動範囲(第1および第2表側初期位置と第1および第2表側可動位置との間の範囲)で動かす制御を行う。また、下側演出装置900の第1および第2裏側演出部材941,946を最大可動範囲(第1および第2裏側初期位置と第1および第2裏側可動位置との間の範囲)で動かす制御を行う。
そして、可動支持部帰還処理を実行する(S810)。この可動支持部帰還処理(S810)では、下側演出装置900の第1および第2裏側可動支持部921,931等を下側可動位置から下側初期位置に戻す制御を行う。第1および第2裏側可動支持部921,931等は、先の可動支持部可動処理(S808)において下側可動位置まで移動しているので、最大可動範囲(下側初期位置と下側可動位置との間の範囲)での動作のうち下側初期位置に戻す動作のみを行う。可動支持部可動処理(S808)および可動支持部帰還処理(S810)を実行することで、第1および第2裏側可動支持部921,931等の初期化動作処理に代わる処理となる。
[本実施形態における特徴構成]
[上側演出装置の特徴構成]
本実施形態において、上側演出装置500の上側演出部駆動モータ538等により第2上側演出部材581が近接初期位置に移動すると、前方から視認した場合に第1上側演出部材571と第2上側演出部材581とにより副表示装置561の画面561aの前方が覆われた状態となり、上側演出部駆動モータ538等により第2上側演出部材581が分離可動位置に移動すると、第1上側演出部材571と第2上側演出部材581との隙間を介して前方から副表示装置561の画面561aを視認可能な状態となる。これにより、第1上側演出部材571および第2上側演出部材581の後方から副表示装置561を出現させて、副表示装置561の画面561aに所定の演出画像を表示させる等、意外性のある多様な演出を行うことが可能になる。
また、第2上側支持部531に、上側演出部駆動モータ538等により第2上側演出部材581が分離可動位置に移動した状態で、画面561aを含む平面に沿って副表示装置561を回動させる表示装置駆動モータ534等が設けられる。これにより、第1上側演出部材571および第2上側演出部材581の後方から副表示装置561を出現させて、表示装置駆動モータ534等により副表示装置561を回動させることで、意外性のある多様な演出を行うことが可能になる。
また、第2上側演出部材581が上側演出部駆動モータ538等により近接初期位置に移動する上側初期位置と、第2上側演出部材581が上側演出部駆動モータ538等により近接初期位置と分離可動位置とに移動する上側演出位置との間で、第1および第2上側支持部521,531を移動可能に支持する上側ベース部501が設けられる。そして、第1および第2上側支持部521,531が上側ベース部501に対して相対移動するのに伴って、第1上側演出部材571が第2上側演出部材581から離れる方向に変位可能である。これにより、第1および第2上側支持部521,531に支持された第1上側演出部材571および第2上側演出部材581を、上側初期位置から上側中間位置までの間において互いに近接した状態で一体的に移動させたり、上側中間位置から上側演出位置までの間において互いに離間させたりすることができ、多様な演出を行うことが可能になる。
[左下側演出装置および左上側演出装置の特徴構成]
本実施形態において、左下側演出装置600に、左下表側演出部材661が上下方向に延びる左側立設初期位置と、左下表側演出部材661が左側立設初期位置から左方に傾く左側傾倒可動位置とに、左下表側演出部材661を変位させる左下表側駆動モータ637等が設けられ、左上側演出装置700に、左上表側演出部材761が左側立設初期位置の左下表側演出部材661の上方近傍に位置して上下方向に延びる上方初期位置と、上方初期位置よりも下方の下方可動位置とに、左上表側演出部材761を移動させる左上表側駆動モータ737等が設けられる。そして、左上表側駆動モータ737等は、左下表側演出部材661が左下表側駆動モータ637等により左側傾倒可動位置に変位した状態で、左上表側演出部材761を上方初期位置と下方可動位置とに移動させることが可能であり、左上表側演出部材761が左上表側駆動モータ737等により下方可動位置に移動すると、左側傾倒可動位置に変位した左下表側演出部材661の上方近傍に位置するように構成される。
これにより、左上表側演出部材761が上方初期位置から下方可動位置に移動すると、左側立設初期位置から左側傾倒可動位置に変位した左下表側演出部材661の上方近傍に位置する。そのため、上方初期位置の左上表側演出部材761と、左側立設初期位置の左下表側演出部材661とにより、上下方向に延びる一体的な演出部材が形成されるようにすれば、左上表側演出部材761と左下表側演出部材661とを含む一体的な演出部材が倒壊するような演出を行うことができ、意外性のある多様な演出を行うことが可能になる。また、左上表側駆動モータ737等は、左下表側演出部材661が左下表側駆動モータ637等により左側傾倒可動位置に変位した状態で、左上表側演出部材761を上方初期位置と下方可動位置とに移動させることが可能である。そのため、左上表側演出部材761が左下表側演出部材661に当接するのを防止することができ、左下側演出装置600および左上側演出装置700が故障するのを防止することができる。
また、左上表側駆動モータ737等は、上下方向に延びる左上表側演出部材761を左方に傾斜させつつ、上方初期位置から下方可動位置に移動させるように構成される。このように、左上表側演出部材761の動きを複雑にすることで、多様な演出を行うことが可能になる。
[下側演出装置の特徴構成]
本実施形態において、下側演出装置900の左アーム部材911および右アーム部材916は、第1裏側可動支持部921の左右側に設けられた左係合ピン926および右係合ピン927と係合する長穴状の左係合穴912および右係合穴917を有し、可動支持部駆動モータ904等により第1裏側可動支持部921等が下側ベース部901に対して上下方向に移動するのに伴って上下方向に揺動するように構成され、下側ベース部901の左右側に、左アーム部材911および右アーム部材916が上方へ揺動する方向に付勢力を加える左付勢バネ913および右付勢バネ918が設けられる。このようにすれば、第1裏側可動支持部921の左右に連結された左アーム部材911および右アーム部材916により、第1裏側演出部材941および第2裏側演出部材946が回転移動しても、振動等による第1裏側可動支持部921等の左右方向への変位が抑制される。そのため、第1裏側可動支持部921のラックギヤ部924が左右方向に変位して、下側ベース部901の可動支持部駆動機構905のピニオンギヤ906から外れることが防止される。このようにして、本実施形態によれば、下側演出装置900の故障を防止することが可能になる。
また、第1裏側可動支持部921等が下側可動位置に移動すると、第1裏側可動支持部921の左係合ピン926が左アーム部材911における左係合穴912の先端側の端部に当接し、右係合ピン927が右アーム部材916における右係合穴917の先端側の端部に当接する。そうすると、左係合ピン926および右係合ピン927がより動き難くなるため、第1裏側可動支持部921等が下側可動位置に移動した状態で、第1裏側演出部材941および第2裏側演出部材946が回転移動しても、第1裏側可動支持部921等の左右方向への変位が効果的に抑制される。また、第1裏側可動支持部921等が下側可動位置を超えて上方に移動し、下側ベース部901から外れることが防止される。そのため、下側演出装置900の故障をより確実に防止することが可能になる。
[電気的制限判定処理の特徴構成]
本実施形態では、各演出装置の複数の駆動モータ(駆動源)のうち2つ以上の駆動モータが、対応する演出装置に演出動作を行わせる演出態様において、当該2つ以上の駆動モータの消費電流の合計値が所定の規制電流値を超える場合に、消費電流の合計値が前記規制電流値以下となるように、当該2つ以上の駆動モータの動作タイミングを制御する。これにより、駆動モータの消費電流の合計値が大きくなりすぎて、駆動モータの動作が不安定になるのを防止することができるため、演出装置の動作を安定させることが可能になる。
[エラー判定処理の特徴構成]
本実施形態では、駆動モータ(ステッピングモータ)により演出部材が位置検出センサの検出位置(初期位置、中間位置、および可動位置での検出位置)に動いたとき、演出部材が初期位置に位置する場合を初期値として、当該検出位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)を(サブメイン情報記憶手段260の位置情報記憶領域に記憶される)演出部材の位置情報として設定するように構成される。これにより、駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)をカウントする際の基準位置が初期位置で統一化されるため、step数オーバーエラーのエラー判定値を正確に求めることができる。そのため、step数オーバーエラーの判定を正確に行うことができ、演出装置の動作を安定させることが可能になる。
[エラー復帰処理の特徴構成]
本実施形態では、前述のエラー判定処理(S746)において、step数オーバーエラーと判定されると、step数オーバーエラー時のエラー復帰処理を実行し、当該エラー復帰処理を複数回(例えば、3回)連続して失敗すると、演出部材を初期位置に向けて動かすように駆動モータ(駆動手段)を制御する。例えば、演出表示装置95の画面95aの前方に重なる面積が小さくなる位置に向けて演出部材を動かし、演出部材が演出表示装置95の画面95aの前方に重なって視認性を妨げないように、駆動モータに対して(位置検出センサを利用した動作ではない)固定ステップ動作の動作リクエストを行う。これにより、step数オーバーエラーが生じた場合に、演出部材により演出表示装置95の視認性が妨げられるのを防止することができる。
[動作テーブルの特徴構成]
本実施形態では、複数の処理テーブルからなる動作テーブルに基づいて、駆動モータ(ステッピングモータ)の制御が行われ、当該複数の処理テーブルは、駆動モータに所定回数だけ動作パルスが送信されると処理が終了する処理テーブルと、演出部材が位置検出センサの検出位置(例えば、可動位置センサの検出位置)まで動くと処理が終了する処理テーブルとを含んでいる。演出部材が位置検出センサの検出位置まで動くと処理を終了する処理テーブルによって、演出部材を可動位置等に確実に移動させることができるため、複数の演出部材を当接等することなく円滑に動かすことが可能になり、演出装置の動作を安定させることが可能になる。
例えば、複数の処理テーブルからなる第1動作テーブルに基づいて、第1演出部材を動かす第1駆動モータ(ステッピングモータ)の制御が行われ、当該複数の処理テーブルは、第1駆動モータに所定回数だけ動作パルスが送信されると処理が終了する処理テーブルと、第1演出部材が位置検出センサの検出位置(例えば、可動位置センサの検出位置)まで動くと処理が終了する処理テーブルとを含み、第1演出部材が位置検出センサの検出位置まで動くと、複数の処理テーブルからなる第2動作テーブルに基づいて、第2演出部材を動かす第2駆動モータ(ステッピングモータ)の制御が開始される。これにより、第1演出部材を可動位置等に確実に移動させることができるため、第1および第2演出部材を当接等することなく円滑に動かすことが可能になり、演出装置の動作を安定させることが可能になる。
[変形例]
上述の実施形態において、第1上側演出部材571における第1発光演出部572の後面側と、第2上側演出部材581における第2発光演出部582の後面側に、液晶シャッタもしくは導光板が設けられるようにしてもよい。液晶シャッタもしくは導光板を一時的に作動させて、第1発光演出部572および第2発光演出部582の後方への(副表示装置561の画面561aに対する)視認性を妨げるようにすることで、この間に、遊技者に視認されることなく、副表示装置561の画面561aに表示する演出画像を変更することができる。そして、液晶シャッタもしくは導光板の作動を停止するようにすれば、第1発光演出部572および第2発光演出部582の発光色等を突然変化させる演出を行うことができる。
上述の実施形態において、step数オーバーエラー等により副表示装置561の演出動作ができない状況であると、副表示装置561の画面561aに表示する予定であった情報を、演出表示装置95の画面95aに表示するようにしてもよい。
上述の実施形態において、右上表側演出部材898は、右側演出装置800の右下表側演出部材891の上方に並んで固設されているが、これに限られるものではない。例えば、右側演出装置800に、右上表側演出部材898が右側立設初期位置の右下表側演出部材891の上方近傍に位置して上下方向に延びる上方初期位置と、上方初期位置よりも下方の下方可動位置とに、右上表側演出部材898を上下方向に移動させる右上表側駆動モータ等が設けられてもよい。なおこの場合、右上表側駆動モータ等は、右下表側演出部材891が右下表側駆動モータ867等により右側傾倒可動位置に変位した状態で、右上表側演出部材898を上方初期位置と下方可動位置とに移動させることが可能であり、右上表側演出部材898が右上表側駆動モータ等により下方可動位置に移動すると、右側傾倒可動位置に変位した右下表側演出部材891の上方近傍に位置するように構成される。またこの場合、右上表側駆動モータ等は、上下方向に延びる右上表側演出部材898を右方(もしくは左方)に傾斜させつつ、上方初期位置から下方可動位置に移動させるように構成される。これにより、左下側演出装置600および左上側演出装置700の場合と同様の効果を得ることができる。
上述の実施形態において、左上側演出装置700の左上表側駆動モータ737等は、上下方向に延びる左上表側演出部材761を左方に傾斜させつつ、上方初期位置から下方可動位置に移動させるように構成されているが、これに限られるものではなく、上下方向に延びる左上表側演出部材761を右方に傾斜させつつ、上方初期位置から下方可動位置に移動させるように構成されてもよく、左上表側ベース部731の右ガイド穴735を波形状にして、左上表側演出部材761を揺れ動きながら移動させるように構成されてもよい。
上述の実施形態において、駆動モータの動作パルスのカウンタ値の設定例について説明したが、これに限られるものではない。そこで、駆動モータの動作パルスのカウンタ値の第3の設定例について説明する。図114に、演出部材が往復移動を行う場合で、初期位置センサのみが設けられる場合(例えば、メカストッパ部に当接するまで自由落下する演出部材等)の動作パルスのカウンタ値の関係を模式的に示す。図114において、SP21は、初期位置からメカストッパ部による(初期位置を超える方向への)制限位置までの変位量に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)である。SP22は、駆動モータの逆転時にセンサ検出部が初期位置センサの受光部の遮光を開始してから(演出部材が)初期位置に達するまでの変位量に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)である。SP23は、駆動モータの正転時にセンサ検出部が初期位置センサの受光部の遮光を終了してから(演出部材が)可動位置に達するまでの変位量に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)である。SP24は、可動位置からメカストッパ部による(可動位置を超える方向への)制限位置までの変位量に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)である。
初期位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)は、演出部材が初期位置に位置する場合を初期値(例えば、零の値)として、駆動モータの正転時と逆転時で異なる値に設定される。例えば、駆動モータの正転時において、初期位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)は、所定の初期値が設定される。駆動モータの逆転時において、初期位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)は、SP22となるカウンタ値が設定される。なお、可動位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)は、可動位置センサが設けられないため設定されない。
駆動モータの動作パルスのカウンタ値の第3の設定例の場合、第9のエラー判定区間について、step数オーバーエラーのエラー判定値を設定することができる。第9のエラー判定区間は、駆動モータの逆転時における可動位置からセンサ検出部が初期位置センサの受光部の遮光を開始するまでの区間である。第9のエラー判定区間に対応するエラー判定値ES21は、次式(9)で表される。なお、次式(9)における係数α2は、各演出装置の組み立て誤差等に応じた数値(例えば、1.2)に設定される。
ES21=SP22+SP23−(SP23)×α2 …(9)
次に、駆動モータの動作パルスのカウンタ値の第4の設定例について説明する。図115に、演出部材が(例えば、回転リールのような)連続した回転移動を行う場合で、初期位置センサのみが設けられる場合の動作パルスのカウンタ値の関係を模式的に示す。図115において、SP31は、駆動モータの逆転時にセンサ検出部が初期位置センサの受光部の遮光を開始してから(演出部材が)初期位置に達するまでの変位量に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)である。SP32は、駆動モータの正転時にセンサ検出部が初期位置センサの受光部の遮光を開始してから(演出部材が)初期位置に達するまでの変位量に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)である。SP33は、駆動モータの正転時にセンサ検出部が初期位置センサの受光部の遮光を終了してから(1回転により)再び初期位置センサの受光部の遮光を開始するまでの変位量に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)である。
初期位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)は、演出部材が初期位置に位置する場合を初期値(例えば、零の値)として、駆動モータの正転時と逆転時で異なる値に設定される。例えば、駆動モータの正転時において、初期位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)は、(−SP32)となるカウンタ値が設定される。駆動モータの逆転時において、初期位置に対応する駆動モータの動作パルスのカウンタ値(step数)は、(+SP31)となるカウンタ値が設定される。
駆動モータの動作パルスのカウンタ値の第4の設定例の場合、第10〜第11のエラー判定区間について、step数オーバーエラーのエラー判定値を設定することができる。第10のエラー判定区間は、駆動モータの正転時における初期位置からセンサ検出部が(1回転により)再び初期位置センサの受光部の遮光を開始するまでの区間である。第11のエラー判定区間は、駆動モータの逆転時における初期位置からセンサ検出部が(1回転により)再び初期位置センサの受光部の遮光を開始するまでの区間である。第10〜第11のエラー判定区間に対応するエラー判定値ES31〜ES32は、次式(10)〜(11)で表される。なお、次式(10)〜(11)における係数α3は、各演出装置の組み立て誤差等に応じた数値(例えば、1.2)に設定される。
ES31=(SP31+SP33)×α3 …(10)
ES32=−(SP32+SP33)×α3 …(11)
上述の実施形態において、本発明が適用される遊技機の一例として、ぱちんこ遊技機を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、アレンジボール、雀球遊技機、回胴式遊技機(スロットマシン)などについても同様に適用し、同様の効果を得ることができる。