JP6819948B2 - 冷間サイジング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、冷間サイジング装置、及び冷間サイジング方法に関する。
焼結体の寸法精度の向上や表面の緻密化などを目的として、焼結体を金型で圧縮してサイジングを行うことが知られている(特許文献1〜4を参照)。例えば特許文献3、4には、焼結体に冷間でサイジングを施す冷間サイジングを行うことが記載されている。
特開2010−229433号公報 特開2011−89178号公報 特開2010−77475号公報 特開2015−68185号公報
焼結体を冷間サイジングした場合、焼結体を金型で圧縮した際や焼結体を金型から抜き出す際に、焼結体と金型のダイとが摺接してその摩擦によりダイが発熱することがある。複数の焼結体を金型のダイに配置して連続的に冷間サイジングを行うと、徐々にダイの温度が上昇して高温になり、焼結体の焼付きが発生し易くなり、互いに接触する焼結体の外周面やダイの内周面にムシレが発生する場合がある。焼結体やダイにムシレなどの欠陥や損傷が発生すると、製品品質の低下や生産性の低下を招くため、好ましくない。
したがって、連続的に冷間サイジングを行った場合であっても、焼結体とダイとの焼付きを抑制して、焼結体及びダイにムシレなどの欠陥や損傷が発生することを抑制できる冷間サイジング装置及び冷間サイジング方法の開発が望まれている。
そこで、本開示は、焼結体及びダイに欠陥や損傷が発生することを抑制でき、製品品質の向上並びに生産性の向上を図ることが可能な冷間サイジング装置及び冷間サイジング方法を提供することを目的の1つとする。
本開示に係る冷間サイジング装置は、
焼結体を圧縮する金型を備える冷間サイジング装置であって、
前記金型は、前記焼結体が配置されるダイを有し、
前記ダイを冷却する冷却機構を備える。
本開示に係る冷間サイジング方法は、
焼結体を金型で圧縮して冷間でサイジングを行う冷間サイジング方法であって、
前記焼結体に潤滑油剤を含浸させる含浸工程と、
前記潤滑油剤を含浸させた前記焼結体を前記金型に備えるダイに配置し、前記ダイを冷却しながら前記焼結体を冷間サイジングするサイジング工程と、を備える。
上記冷間サイジング装置及び冷間サイジング方法は、焼結体及びダイに欠陥や損傷が発生することを抑制でき、製品品質の向上並びに生産性の向上を図ることが可能である。
実施形態1に係る冷間サイジング装置に備える金型の構成を示す概略縦断面図である。 ダイの概略平面図である。 図2のIII−III線で切断したダイの概略縦断面図である。 焼結体の一例を示す概略斜視図である。 コアロッドの変形例を示す概略縦断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
一般に、金型を用いて焼結体を冷間サイジングする際には、焼結体とダイとの焼付きを回避するため、潤滑性を向上する目的でサイジング前に焼結体に潤滑油剤を含浸させることが行われている。これにより、ダイとの摩擦抵抗を軽減して摩擦によるダイの発熱を抑制し、焼結体とダイとの焼付きを抑制している。通常、この潤滑油剤には、焼結体が有する気孔に含浸させ易いように、低粘度の潤滑油剤(例えば40℃での動粘度が7.5mm/s程度以下)が使用されている。
しかしながら、焼結体に潤滑油剤を含浸させたとしても、複数の焼結体を金型のダイに配置して連続的に冷間サイジングを行った場合はダイの温度上昇が避けられず、冷間サイジングする焼結体の数量が多くなると(例えば数百個以上)、ダイが過熱して高温になる。ダイの温度が高温になると、ダイに配置された焼結体も高温状態になり、焼結体に含浸させた潤滑油剤の温度が上昇して粘度が低下する。潤滑油剤の粘度が下がり過ぎると、潤滑油剤が焼結体の気孔から流出して油剤切れ(潤滑不良)を起こし、サイジングの際に潤滑機能が十分に得られない。特に、冷間サイジングによる焼結体のサイジング代(圧縮による塑性変形量)が大きい場合や、焼結体の高さ寸法が長くてダイとの接触長さ(ストローク量)が大きい場合は、サイジングする際の摩擦抵抗が大きくなり、発生する摩擦熱が増大することから、ダイの温度上昇が激しい。そのため、この場合は特に、潤滑油剤の温度上昇に伴う粘度低下が起こり易く、油剤切れが発生し易いため、焼結体とダイとの焼付きを抑制できずに焼結体及びダイにムシレなどの欠陥や損傷が発生する場合がある。
そこで、潤滑油剤の温度上昇に伴う粘度低下を補うため、低粘度の潤滑油剤に高粘度の潤滑油剤を混合して、潤滑油剤の粘度を調整することが考えられる。これにより、高温状態でも潤滑油剤が焼結体の気孔に保持され易くなるため、油剤切れによる焼結体とダイとの焼付きを抑制でき、焼結体やダイにムシレなどの欠陥や損傷が発生することを抑制できる。通常、高粘度の潤滑油剤には、極圧添加剤(摩耗防止剤も含む)を含有しており、リン酸成分などを含んでいる。このような極圧添加剤を含有する潤滑油剤を使用した場合、これに含まれるリン酸成分などが温度上昇により焼結体の鉄と反応して、焼結体の表面に化合物皮膜(例えばリン酸鉄皮膜)を形成することがあり、その厚さによって焼結体表面の色合いが変わる。焼結体表面の変色は、外観上好ましくない場合がある。また、場合によっては(必要に応じて)、サイジング後に焼結体を水蒸気処理(ST処理)することがある。極圧添加剤を含有する潤滑油剤を使用した場合は、水蒸気処理時に油剤が浮き上がり焼結体表面が変色するため、水蒸気処理前に脱油処理する必要がある。また、極圧添加剤を含有する高粘度の潤滑油剤は、極圧添加剤を含有しない低粘度の潤滑油剤に比較して一般的に高価であるため、使用した場合は製造コストが高くなる。よって、高粘度の潤滑油剤を使用したくない事情もある。
本発明者は上記知見に基づいて、本発明を完成するに至った。最初に、本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の実施形態に係る冷間サイジング装置は、
焼結体を圧縮する金型を備える冷間サイジング装置であって、
前記金型は、前記焼結体が配置されるダイを有し、
前記ダイを冷却する冷却機構を備える。
上記冷間サイジング装置は、焼結体を金型で再圧縮して冷間でサイジング(コイニングを含む)を行うものであり、圧縮により焼結体の表面部の気孔をつぶして塑性変形させ、焼結体を寸法矯正したり、焼結体の表面を緻密化したりする(後述する冷間サイジング方法も同じ)。ここでいう「冷間サイジング」とは、焼結体及び金型を加熱せずに、常温状態の焼結体をサイジングすることをいう。
上記冷間サイジング装置では、金型のダイを冷却する冷却機構を備えることで、冷却機構によりダイを冷却してダイの温度上昇を抑制でき、ダイに配置された焼結体を常温(周囲環境温度)に近い温度に維持できる。よって、ダイを温度制御することが可能であるため、複数の焼結体に対して連続的に冷間サイジングを行う場合であっても、ダイが高温になることを回避できる。また、ダイに配置された焼結体が高温状態になり難く、焼結体に含浸させた潤滑油剤の粘度低下を抑制できるため、サイジングの際に油剤切れが発生し難くなる。したがって、上記冷間サイジング装置によれば、焼結体とダイとの焼付きを抑制できるので、焼結体及びダイにムシレなどの欠陥や損傷が発生することを抑制でき、製品品質の向上並びに生産性の向上を図ることが可能である。特に、冷間サイジングによる焼結体のサイジング代が大きい場合や、焼結体の高さ寸法が大きい場合であっても、焼結体とダイとの焼付きを抑制して、焼結体及びダイにムシレなどの欠陥や損傷が発生することを十分に抑制できる。
上記冷間サイジング装置によれば、ダイの温度上昇を抑制できるため、潤滑油剤の温度上昇に伴う粘度低下が起こり難く、潤滑油剤が焼結体に保持され易い。そのため、サイジング前に焼結体に含浸させる潤滑油剤に低粘度の潤滑油剤のみを使用しても、サイジングの際に潤滑機能を発揮することが可能である。安価な低粘度の潤滑油剤のみを使用することが可能であり、比較的高価な高粘度の潤滑油剤を使用しなくてもよいため、製造コストを低減できる。また、極圧添加剤を含有しない低粘度の潤滑油剤を使用することで、極圧添加剤に含まれるリン酸成分などによって焼結体の表面に化合物皮膜(例えばリン酸鉄皮膜)が形成されることがないため、焼結体表面の変色を防止できる。よって、サイジング後に焼結体を水蒸気処理する場合は、水蒸気処理前に脱油処理を省略することが可能であり、生産性の向上や製造コストの低減を図ることが可能である。
(2)上記冷間サイジング装置の一態様として、前記焼結体の高さが20mm以上であることが挙げられる。
焼結体の高さ寸法が大きい場合、サイジングする際の摩擦抵抗が大きくなるため、焼結体とダイとの焼付きが発生し易く、焼結体及びダイにムシレなどの欠陥や損傷が生じ易い。上記冷間サイジング装置によれば、ダイを冷却してダイの温度上昇を抑制することで、焼結体の高さが20mm以上であっても、焼結体とダイとの焼付きを抑制して、焼結体及びダイにムシレなどの欠陥や損傷が発生することを抑制できる。更に、焼結体の外径(最大外径)Doに対する高さHの比(H/Do)が1/2以上である場合でも、焼付きによるムシレの発生を抑制できる。焼結体の外径Doは、焼結体を高さ方向に平面視したときの外周輪郭に最小で外接する円の直径である。焼結体の高さは更に25mm以上であってもよく、上限については特に限定されないが、例えば製造上の観点から40mm以下である。
(3)上記冷間サイジング装置の一態様として、前記ダイの内部に冷媒が流通する冷媒流路が設けられており、前記冷却機構は、前記ダイの前記冷媒流路に前記冷媒を流通させることが挙げられる。
ダイの内部に冷媒が流通する冷媒流路が設けられ、冷却機構によりダイの冷媒流路に冷媒を流通させる構成とすることで、簡易な構成でダイを冷却することができる。この場合、ダイの冷媒流路に冷媒を流通させることでダイを冷却し、冷媒流路に供給する冷媒の温度によってダイの温度を制御する。冷媒流路に供給される冷媒の温度は例えば10℃以上20℃以下であり、サイジングする際のダイの温度を冷媒温度に近い温度範囲(例えば10℃以上30℃以下)に制御することが挙げられる。
(4)本発明の実施形態に係る冷間サイジング方法は、
焼結体を金型で圧縮して冷間でサイジングを行う冷間サイジング方法であって、
前記焼結体に潤滑油剤を含浸させる含浸工程と、
前記潤滑油剤を含浸させた前記焼結体を前記金型に備えるダイに配置し、前記ダイを冷却しながら前記焼結体を冷間サイジングするサイジング工程と、を備える。
上記冷間サイジング方法では、金型のダイを冷却しながら焼結体を冷間サイジングすることで、ダイの温度上昇を抑制できるため、ダイに配置された焼結体を常温(周囲環境温度)に近い温度に維持できる。よって、ダイを温度制御することが可能であり、複数の焼結体に対して連続的に冷間サイジングを行う場合であっても、ダイが高温になることを回避でき、焼結体に含浸させた潤滑油剤の粘度低下による油剤切れが発生し難くなるため、焼結体とダイとの焼付きを抑制できる。したがって、上記冷間サイジング方法によれば、焼結体及びダイにムシレなどの欠陥や損傷が発生することを抑制でき、製品品質の向上並びに生産性の向上を図ることが可能である。特に、冷間サイジングによる焼結体のサイジング代が大きい場合や、焼結体の高さ寸法が大きい場合であっても、焼結体とダイとの焼付きを抑制して、焼結体及びダイにムシレなどの欠陥や損傷が発生することを十分に抑制できる。
上記冷間サイジング方法によれば、ダイの温度上昇を抑制できるため、潤滑油剤の温度上昇に伴う粘度低下が起こり難く、潤滑油剤が焼結体に保持され易い。そのため、潤滑油剤として、安価な低粘度の潤滑油剤のみを使用することが可能であり、比較的高価な高粘度の潤滑油剤を使用しなくて済み、製造コストを低減できる。
(5)上記冷間サイジング方法の一態様として、前記ダイを10℃以上30℃以下の温度範囲に冷却することが挙げられる。
ダイを10℃以上30℃以下の温度範囲に冷却することで、ダイの温度を周囲環境温度に近い温度範囲に制御して、焼結体とダイとの焼付きを効果的に抑制できる。したがって、焼結体及びダイの欠陥や損傷の発生をより抑制できる。
(6)上記冷間サイジング方法の一態様として、前記潤滑油剤は極圧添加剤を含有しないものであることが挙げられる。
極圧添加剤を含有しない潤滑油剤を使用することで、極圧添加剤に含まれるリン酸成分などによって焼結体の表面に化合物皮膜(例えばリン酸鉄皮膜)が形成されることがないため、焼結体表面の変色を防止できる。よって、サイジング後に焼結体を水蒸気処理する場合は、水蒸気処理前に脱油処理を省略することが可能であり、生産性の向上や製造コストの低減を図ることが可能である。また、極圧添加剤を含有しない低粘度の潤滑油剤は、極圧添加剤を含有する高粘度の潤滑油剤に比較して安価であるため、製造コストを低減できる。
(7)上記冷間サイジング方法の一態様として、前記潤滑油剤の40℃での動粘度が7.5mm/s以下であることが挙げられる。
40℃での動粘度が7.5mm/s以下である低粘度の潤滑油剤を使用することで、サイジングの際に潤滑機能を十分に発揮できる。動粘度(40℃)が7.5mm/s以下であることで、焼結体の気孔に含浸させ易く、また、サイジングする際に焼結体とダイとの摺接面に入り込んで油膜を作り、焼結体とダイとの摩擦抵抗を十分に軽減できる。動粘度(40℃)の下限は例えば3mm/s以上であることが好ましく、動粘度(40℃)が3mm/s以上であることで、焼結体の気孔に保持され易い。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る冷間サイジング装置及び冷間サイジング方法の具体例を、図面を参照しつつ以下に説明する。図中の同一符号は同一又は相当部分を示す。本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[実施形態1]
<冷間サイジング装置>
図1〜図4を参照して、実施形態1に係る冷間サイジング装置Aについて説明する。図1に示す冷間サイジング装置Aは、常温状態の焼結体Sを金型1で圧縮して冷間サイジングを行うものである。実施形態1の冷間サイジング装置Aの特徴の1つは、図1に示すように、ダイ10を有する金型1と、ダイ10を冷却する冷却機構4とを備える点にある。以下の説明では、便宜上、図面における紙面の上側を「上」とし、紙面の下側を「下」として説明し、「縦断面」とは、上下方向(縦方向)に切断した断面のことである。
(金型)
金型1は、焼結体Sを圧縮するものであり、図1に示すように、焼結体Sが配置されるダイ10を有する。この例では、焼結体Sの形状が環状(筒状)であり、図1に例示する金型1は、ダイ10と、ダイ10内に配置されるコアロッド20と、ダイ10とコアロッド20との間に挿通される上下一対の上パンチ30及び下パンチ31とを有する。ダイ10及びコアロッド20の形状は、焼結体Sに対応した形状であり、焼結体Sの外側にダイ10が配置され、焼結体Sの内側にコアロッド20が挿入された状態で配置される。焼結体Sを金型1で圧縮するときは、上パンチ30で焼結体Sの上面を押圧して、上方向から圧縮する。このとき、焼結体Sの外周面がダイ10の内周面に接し、焼結体Sの内周面がコアロッド20の外周面に接して、焼結体Sの外周面がダイ10に押し当てられると共に、焼結体Sの内周面がコアロッド20に押し当てられることで、金型1によって焼結体Sをサイジングする。焼結体Sのサイジング代は、外側及び内側の寸法・形状に応じて適宜設定され、例えば0.01mm以上0.10mm以下である。
(焼結体)
焼結体Sは、金属粉を所定形状に成形して焼結したものである。この例では、鉄系粉末(鉄粉、鉄基合金を含む)を主成分とする鉄系焼結体であり、鉄粉に銅粉、黒鉛粉などを混合した鉄系原料粉を金型で所定形状に加圧成形した後、その圧粉体を焼結して得られたものである。焼結体Sは、例えば、自動車用オイルポンプのアウターロータやインナーロータなどの部品である。この例では、焼結体Sがインナーロータ(図4を参照)であり、図1〜図3では、インナーロータ用の金型1(ダイ10)を例示している。
焼結体Sは、図4に示すようなインナーロータであり、高さHが例えば20mm以上、更に25mm以上である。図4に例示する焼結体Sは、従来の一般的なインナーロータに比較して高さ寸法が大きく、外径が小さくなっており、外径Doに対する高さHの比(H/Do)が1/2以上である形状を有する。
(潤滑油剤)
焼結体Sは、多数の気孔を有し、気孔に潤滑油剤を含浸されている。潤滑油剤は、サイジングの際に潤滑機能を発揮できるものであれば特に限定されないが、例えば40℃での動粘度が7.5mm/s以下の低粘度の潤滑油剤であることが好ましい。40℃での動粘度の下限は、例えば3mm/s以上が挙げられる。また、潤滑油剤は、極圧添加剤(リン酸成分など)を含有しないものであることが好ましい。潤滑油剤の40℃での動粘度は、好ましくは5mm/s以上である。
(ダイ)
図1に例示するダイ10は、その内部に冷媒が流通する冷媒流路15が設けられている。ダイ10は、図2、図3に示すように、外環部11と、この外環部11に嵌め込まれる内環部12とを有し、外環部11と内環部12との間に冷媒流路15が形成されている。冷媒流路15には、冷媒が供給される供給口15i及び冷媒が排出される排出口15oが設けられる。この例では、図3に示すように、外環部11の内周面に螺旋状に溝14が形成されている。外環部11に内環部12が嵌め込まれることで、外環部11の内周面と内環部12の外周面とが密着して、溝14により外環部11と内環部12との間に螺旋状の冷媒流路15が形成されている。また、外環部11には、冷媒流路15の一端側に連通する供給口15iと、冷媒流路15の他端側に連通する排出口15oとが設けられている。図1に示すように、供給口15iには後述する冷却機構4の供給ホース41aが接続され、排出口15oには排出ホース41bが接続される。この場合、供給口15iから供給された低温の冷媒が冷媒流路15を通って排出口15oから排出される。外環部11と内環部12とは、例えば焼嵌めなどにより接合することが挙げられる。
図3に示す例では、外環部11の内周面に形成された溝14(冷媒流路15)と下面に設けられた供給口15i及び排出口15oとをそれぞれ連通するため、外環部11の外周面から径方向に連通孔16i、16oがそれぞれ形成されている。連通孔16i、16oの外周面側の開口はそれぞれ、止めねじ17で密封され、冷媒漏れを防止している。また、この例では、外環部11の内周面に螺旋状の溝14を形成して冷媒流路15を構成しているが、内環部12の外周面に螺旋状の溝14を形成することによって、外環部11と内環部12との間に螺旋状の冷媒流路15を形成することも可能である。
外環部11及び内環部12は、例えば、炭素鋼、工具鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼などの鋼材や超硬合金で形成されている。外環部11と内環部12とは、同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。この例では、外環部11がニッケルクロムモリブデン鋼で形成され、内環部12が超硬合金で形成されている。
コアロッド20、並びに上パンチ30及び下パンチ31は、ダイ10と同様に、例えば、炭素鋼、工具鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼などの鋼材や超硬合金で形成されている。この例では、コアロッド20が超硬合金で形成され、上パンチ30及び下パンチ31が高速度鋼(溶製ハイス鋼)で形成されている。
(冷却機構)
冷却機構4は、ダイ10を冷却するものであり、この例では、ダイ10の冷媒流路15に冷媒を流通させる。冷却機構4は、図1に示すように、供給ホース41aと、排出ホース41bと、冷媒を貯留する冷媒タンク43とを備える。供給ホース41aは、ダイ10の冷媒流路15の供給口15iに接続され、冷媒タンク43から冷媒流路15に冷媒を供給する。排出ホース41bは、ダイ10の冷媒流路15の排出口15oに接続され、冷媒流路15から排出された冷媒を冷媒タンク43に戻す。この冷媒循環路の途中には、冷媒タンク43から冷媒を供給ホース41aに圧送するポンプ(図示せず)が設けられており、これにより、ダイ10の冷媒流路15に冷媒を循環させることができる。冷媒タンク43には、冷却器(図示せず)が設けられており、冷媒を所定の温度に冷却する。冷媒流路15に供給される冷媒の温度は、例えば10℃以上20℃以下とすることが挙げられる。冷媒の温度を10℃以上とすることで、冷却に要するコストを低減できる。冷媒の温度を20℃以下とすることで、ダイ10の温度上昇を十分に抑制して、ダイ10に配置された焼結体Sを常温(周囲環境温度)に近い温度に維持し易い。冷媒には、適宜なものを採用すればよく、例えば水が利用できる。
(冷間サイジング装置の動作)
以下、主に図1を参照して、上述した冷間サイジング装置Aの動作について説明する。冷間サイジング装置Aは、焼結体Sを冷間サイジングする際に冷却機構4によりダイ10を冷却して温度制御する。具体的には、冷却機構4によりダイ10の冷媒流路15に冷媒を流通させることでダイ10を冷却し、冷媒流路15に供給する冷媒の温度によってダイ10の温度を制御する。冷間サイジング装置Aでは、ダイ10の温度を冷媒温度に近い温度範囲、例えば10℃以上30℃以下に制御する。ダイ10の温度を上記温度範囲に制御することにより、ダイ10に配置された焼結体Sが高温状態(例えば60℃以上)になることを回避でき、焼結体Sに含浸させた潤滑油剤の粘度低下による油剤切れを効果的に抑制できる。そのため、焼結体Sとダイ10との焼付きを効果的に抑制できる。好ましくは、ダイ10の温度を20℃以下に制御する。
冷間サイジング装置Aの動作中、常に冷却機構4が作動して、冷却機構4によりダイ10を冷却してもよい。或いは、ダイ10の温度が所定温度未満の場合は、冷却機構4が停止し、ダイ10の温度が所定温度を超えた場合に、冷却機構4が作動してダイ10を冷却するようにしてもよい。
ダイ10の温度は、例えば、ダイ10(内環部12)に温度センサ(図示せず)を取り付けて測定した温度とすることが挙げられる。具体的には、ダイ10の内環部12の上面に温度センサを取り付けて、ダイ10の表面温度を測定することが挙げられる。その他、冷媒流路15から排出された冷媒の温度をダイ10の温度として間接的に測定してもよい。この場合、冷媒流路15の排出口15o付近に温度センサ(図示せず)を設けることが挙げられる。
<冷間サイジング方法>
実施形態1に係る冷間サイジング方法について説明する。ここでは、実施形態1の冷間サイジング装置A(図1を参照)を用いて冷間サイジングを行う場合を例に挙げて説明する。
実施形態1の冷間サイジング方法は、含浸工程とサイジング工程とを備え、その特徴の1つは、金型1のダイ10を冷却しながら焼結体Sを冷間サイジングする点にある。以下、主に図1を参照しつつ、各工程について詳しく説明する。
(含浸工程)
含浸工程は、焼結体Sに潤滑油剤を含浸させる工程である。焼結体Sに潤滑油剤を含浸させることで、焼結体Sの気孔から潤滑油剤が浸透して焼結体S内に含浸する。潤滑油剤の含浸方法としては、例えば、焼結体Sを潤滑油剤に浸漬する浸漬法、焼結体Sに潤滑油剤を塗布する塗布法などが挙げられる。
潤滑油剤には、例えば40℃での動粘度が7.5mm/s以下である低粘度の潤滑油剤を使用することが挙げられる、このような低粘度の潤滑油剤を使用することで、後工程のサイジング工程においてサイジングする際に潤滑機能を十分に発揮できる。動粘度(40℃)が7.5mm/s以下であることで、焼結体Sの気孔に含浸させ易い。動粘度(40℃)が7.5mm/s以下の場合、サイジングの際に焼結体Sとダイ10との摺接面に入り込んで油膜を作り、焼結体Sとダイ10との摩擦抵抗を十分に軽減できる。40℃での動粘度の下限は、例えば3mm/s以上が好ましく、動粘度(40℃)が3mm/s以上の場合、焼結体の気孔に保持され易い。好ましくは、動粘度(40℃)が5mm/s以上である。また、使用する潤滑油剤は、極圧添加剤(リン酸成分など)を含有しないものであることが好ましい。この場合、極圧添加剤に含まれるリン酸成分などによって焼結体Sの表面に化合物皮膜(例えばリン酸鉄皮膜)が形成されることがないため、焼結体表面の変色を防止できる。
(サイジング工程)
サイジング工程は、潤滑油剤を含浸させた焼結体Sを金型1に備えるダイ10に配置し、ダイ10を冷却しながら焼結体Sを冷間サイジングする。この例では、冷却機構4によりダイ10の冷媒流路15に冷媒を流通させることでダイ10を冷却し、冷媒流路15に供給する冷媒の温度によってダイ10の温度を制御する。サイジング工程では、例えばダイを10℃以上30℃以下の温度範囲に冷却することが挙げられる。これにより、ダイ10の温度を冷媒温度に近い温度範囲に制御して、焼結体Sとダイ10との焼付きを効果的に抑制できる。ダイ10の温度を10℃以上とすることで、焼結体Sに含浸させた潤滑油剤の粘度上昇による潤滑性の低下を抑制でき、また、冷却に要するコストを低減できる。ダイ10の温度を30℃以下とすることで、ダイ10の温度上昇を十分に抑制して、ダイ10に配置した焼結体Sを常温(周囲環境温度)に近い温度に維持し易い。そのため、焼結体Sが高温状態(例えば60℃以上)になることを回避でき、焼結体Sに含浸させた潤滑油剤の粘度低下による油剤切れを効果的に抑制できる。
焼結体Sのサイジング代は、目的に応じて適宜設定すればよく、例えば0.01mm以上0.10mm以下とすることが挙げられる。
更に、サイジング工程の後、必要に応じて、サイジングした焼結体Sを水蒸気処理する水蒸気処理工程を備えてもよい。極圧添加剤を含有しない低粘度の潤滑油剤を使用する場合は、水蒸気処理前に脱油処理を省略してもよく、サイジング後に焼結体Sをそのまま水蒸気処理することが可能である。
{作用効果}
上述した実施形態1に係る冷間サイジング装置A、及び冷間サイジング方法は、次の効果を奏する。
金型1のダイ10を冷却することで、焼結体Sを冷間サイジングする際にダイ10の温度上昇を抑制でき、ダイ10に配置された焼結体Sを常温に近い温度に維持できる。ダイ10を冷却しながら冷間サイジングを行うことにより、連続的に冷間サイジングを行う場合であっても、ダイ10が高温になることを回避できる。そのため、焼結体Sが高温状態になり難く、焼結体Sに含浸させた潤滑油剤の粘度低下による油剤切れを抑制できるので、焼結体Sとダイ10との焼付きを抑制できる。したがって、焼結体S及びダイ10にムシレなどの欠陥や損傷が発生することを抑制でき、製品品質の向上並びに生産性の向上を図ることが可能である。特に、焼結体Sのサイジング代が大きい(例えば、外周面のサイジング代が0.03mm以上、更に0.05mm以上)場合や、焼結体Sの高さ寸法が長い(例えば、高さが20mm以上、更に25mm以上)場合であっても、焼結体Sとダイ10との焼付きを抑制して、焼結体S及びダイ10にムシレなどの欠陥や損傷が発生することを十分に抑制できる。
ダイ10の温度上昇を抑制できるため、潤滑油剤の温度上昇に伴う粘度低下が起こり難く、潤滑油剤が焼結体Sに保持され易い。そのため、潤滑油剤として、安価な低粘度の潤滑油剤のみを使用することが可能であり、比較的高価な高粘度の潤滑油剤を使用しなくてもよいため、製造コストを低減できる。また、極圧添加剤を含有しない低粘度の潤滑油剤を使用することで、焼結体表面の変色を防止できる。よって、サイジング後に焼結体Sを水蒸気処理する場合は、水蒸気処理前に脱油処理を省略することが可能であり、生産性の向上や製造コストの低減を図ることが可能である。
その他、ダイ10と上下のパンチ30、31との材質が異なる場合、ダイ10の温度上昇を抑制することにより、ダイ10とパンチ30、31との熱膨張差に起因するカジリの発生を抑制できる。また、潤滑油剤の温度上昇を抑制できるため、潤滑油剤の劣化を抑制できる。
[試験例1]
実施形態1の冷間サイジング装置A(図1を参照)を用いて焼結体に冷間サイジングを行い、得られた焼結体について評価を行った。試験例1では、192個の焼結体に潤滑油剤を含浸させた後、これら焼結体を常温環境(25℃)で金型のダイに配置して連続的に冷間サイジングを行い、寸法矯正した。用意した焼結体は、インナーロータ(図4を参照)である。焼結体の寸法は、高さHが27mm、外径Doが56mm、内径Diが29mmで、高さHと外径Doとの比(H/Do)が約1/2である。
潤滑油剤には、40℃での動粘度が7.2mm/sであり、極圧添加剤を含有しない市販の潤滑油剤Xを使用した。潤滑油剤の含浸は、焼結体を油に2〜3秒間浸漬することにより行った。
冷間サイジングを行う間、ダイの冷媒流路に冷媒を流通させることにより、ダイを冷却し、ダイの温度を制御した。冷媒には、水を使用した。ダイの冷却条件は、冷媒流路に供給する水の温度を15℃とし、ダイの最高温度が20℃となるように設定した。ダイの温度は、ダイの内周側上面(図1に示す内環部12の上面)に温度センサを取り付けて測定したダイの表面温度とした。
焼結体のサイジング代は、ダイによる外周面のサイジング代を0.03mmとし、コアロッドによる内周面のサイジング代を0.03mmとした。
以上の条件で冷間サイジングを行った場合を試験例1aとする。
ダイを冷却しない以外は試験例1aと同様にして冷間サイジングを行った。この場合を試験例1bとする。
上記潤滑油剤Xに極圧添加剤を含有する市販の潤滑油剤Yを混合した潤滑油剤を使用し、ダイを冷却しない以外は試験例1aと同様にして冷間サイジングを行った。この場合を試験例1cとする。潤滑油剤Yは、リン酸系極圧添加剤を含有し、40℃での動粘度が潤滑油剤Xより高い高粘度(7.5mm/s超)の潤滑油剤であり、潤滑油剤Xと潤滑油剤Yとの混合比率(潤滑油剤X:潤滑油剤Y)は、体積比で80:20とした。
各試験例1a〜1cで得られたサイジング済み焼結体の全数(192個)について、表面状態を目視で観察して、ムシレの有無、並びに、変色の有無を調べて。その結果を表1に示す。表1では、全数でムシレがなかった場合を「A」、1個でもムシレがあった場合を「B」とした。また、全数で変色がなかった場合を「A」、1個でも変色があった場合を「B」とした。
Figure 0006819948
ダイを冷却して冷間サイジングを行った試験例1aでは、全数でムシレ及び変色が認められず、品質、生産性共に良好であった。これに対し、ダイを冷却せず冷間サイジングを行った試験例1bでは、ムシレが発生し、品質、生産性の点で問題があった。極圧添加剤を含有する潤滑油剤を混合して使用した試験例1cでは、変色が発生したため、外観上好ましくなく、品質が低下した。
試験例1a、1bにおいて、最後にサイジングされた焼結体の表面温度を測定した。温度測定は、サイジング直後に行い、焼結体の外周面、内周面、及び上下両端面のそれぞれの温度を接触式温度計により測定した。その結果、試験例1bのものは表面温度が60℃〜70℃の範囲であったのに対し、試験例1aのものは表面温度が40℃〜50℃の範囲であり、試験例1aの場合は、試験例1bに比較して表面温度が20℃程度低かった。
また、試験例1aで得られたサイジング済み焼結体を、脱油処理を行わずに水蒸気処理したところ、問題なく処理することが可能であった。
[変形例1]
図1を参照して説明した実施形態1では、ダイ10を冷却する構成を説明したが、ダイ10に加えて、コアロッド20を冷却する構成とすることも可能である。変形例1では、コアロッド20を冷却する構成の一例として、図5を参照して、コアロッド20の内部に冷媒が流通する冷媒流路25が設けられている場合を説明する。
図5に例示するコアロッド20は、外筒部21と、この外筒部21に嵌め込まれる内筒部22とを有し、その内部に冷媒流路25が設けられている。冷媒流路25は、内筒部22の内部に形成される第1流路251と、内筒部22と外筒部21との間に形成される第2流路252とを含む。第1流路251と第2流路252とは、コアロッド20の先端側(上側)でつながっている。第1流路251及び第2流路252はそれぞれ、コアロッド20の軸方向に冷媒が流通するように形成されている。
外筒部21の内部には、図5に示すように、軸方向に沿って貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に内筒部22を嵌め込むことで、内筒部22が収納されている。外筒部21の先端側は、蓋23が嵌め込まれ、密閉されている。内筒部22の内部には、先端側が開口し、先端側から根元側(下側)に向かって軸方向に延びる第1流路251が形成されている。また、内筒部22の外周面には、先端側から根元側に向かって螺旋状に溝24が形成されている。外筒部21に内筒部22が嵌め込まれることで、内筒部22の外周面と外筒部21の内周面とが密着して、溝24により内筒部22と外筒部21との間に形成された空間が第2流路252となる。螺旋状の溝24を形成した場合、第2流路252が螺旋状に形成されることになる。外筒部21と内筒部22とは、例えば、外筒部21と内筒部22との間にクリアランスを設けて嵌め合わせ、そのクリアランスにOリング(図示せず)を入れたり、焼嵌めなどにより接合することが挙げられる。
図5に示す例では、内筒部22の外周面に螺旋状の溝24を形成しているが、外筒部21の内周面に螺旋状の溝24を形成して、内筒部22と外筒部21との間に螺旋状の第2流路252を形成することも可能である。また、この例では、螺旋状の溝24を形成しているが、これに限定されるものではなく、例えば、周方向に間隔をあけて軸方向に延びる複数の溝を形成してもよい。この場合、内筒部22と外筒部21との間に軸方向に延びる複数の第2流路252が形成されることになる。
冷媒流路25において、第1流路251及び第2流路252のうち、一方の流路が往路、他方の流路が復路となり、冷媒流路25には、冷媒が供給される供給口25i及び冷媒が排出される排出口25oが設けられる。この例では、第1流路251を往路とし、第2流路252を復路としており、図5に示すように、コアロッド20の根元側には第1流路251に連通する供給口25iと、第2流路252に連通する排出口25oとが設けられている。図1に示すダイ10と同様に、上供給口25iには、述した冷却機構4(図1を参照)の供給ホースが接続され、排出口25oには、排出ホースが接続される。第1流路251を往路とし、第2流路252を復路とした場合、供給口25iから供給された低温の冷媒が第1流路251を通ってコアロッド20の先端側に送られる。そして、第1流路251の先端側の開口から冷媒が第2流路252を通って根元側に戻り、排出口25oから排出される。
外筒部21及び内筒部22は、例えば、炭素鋼、工具鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼などの鋼材や超硬合金で形成されている。外筒部21と内筒部22とは、同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。例えば、外筒部21を工具鋼で形成し、内筒部22をニッケルクロムモリブデン鋼で形成することが挙げられる。
図5に示すコアロッド20を用いて、図1に示す実施形態1の冷間サイジング装置Aの金型1を構成する場合は、冷却機構4によりダイ10及びコアロッド20の各々の冷媒流路15、25に冷媒を流通させる。これにより、ダイ10及びコアロッド20のそれぞれを冷却することができる。この場合、焼結体Sを冷間サイジングする際にダイ10及びコアロッド20の温度上昇を抑制でき、ダイ10及びコアロッド20が高温になることを回避できる。よって、焼結体Sが高温状態になることをより抑制することが可能であり、焼結体Sに含浸させた潤滑油剤の粘度低下による油剤切れをより抑制できるため、焼結体Sの焼付きがより発生し難くなる。
{用途}
本発明の実施形態に係る冷間サイジング装置及び冷間サイジング方法は、焼結体のサイジングに好適に利用できる。
A 冷間サイジング装置
S 焼結体
1 金型
10 ダイ
11 外環部
12 内環部
14 溝
15 冷媒流路
15i 供給口
15o 排出口
16i、16o 連通孔
17 止めねじ
20 コアロッド
21 外筒部
22 内筒部
23 蓋
24 溝
25 冷媒流路
251 第1流路
252 第2流路
25i 供給口
25o 排出口
30 上パンチ
31 下パンチ
4 冷却機構
41a 供給ホース
41b 排出ホース
43 冷媒タンク

Claims (3)

  1. 焼結体を金型で圧縮して冷間でサイジングを行う冷間サイジング方法であって、
    前記焼結体に潤滑油剤を含浸させる含浸工程と、
    前記潤滑油剤を含浸させた前記焼結体を前記金型に備えるダイに配置し、前記ダイを冷却しながら前記焼結体を冷間サイジングするサイジング工程と、を備え
    前記サイジング工程において、前記ダイを10℃以上30℃以下の温度範囲に冷却する、
    冷間サイジング方法。
  2. 前記潤滑油剤は極圧添加剤を含有しないものである請求項に記載の冷間サイジング方法。
  3. 前記潤滑油剤の40℃での動粘度が7.5mm2/s以下である請求項1又は請求項に記載の冷間サイジング方法。
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