JP3207702U - 表面処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面処理を行う処理温度の制御を簡単化しつつ処理精度のバラツキを抑えることができる表面処理装置を提供する。【解決手段】表面処理装置100は、処理槽110と伝熱槽130とを備えている。処理槽110は、表面処理剤SCおよび金属製被処理物WKを密閉状態で収容して表面処理剤SCを金属製被処理物WKの表面に含浸させるための容器である。この処理槽110には、コンプレッサ114を介して不活性ガスが供給される。伝熱槽130は、伝熱流体CFおよび処理槽110を密閉状態で収容する容器である。この伝熱槽130の内部には、ヒータ140が設けられている。ヒータ140は、伝熱流体CFを加熱する熱源である。表面処理剤SCは、金属製被処理物WKの耐摩耗性を向上させるための潤滑性を有する油を主成分として構成されている。伝熱流体CFは、表面処理剤SCよりも大きな比熱の流体である水で構成されている。【選択図】 図1

Description

本考案は、金属製の部品や加工工具からなる金属製被処理物の表面の耐摩耗性を向上させる表面処理装置に関する。
従来から、金属で構成された部品や加工工具の各表面における耐摩耗性を向上させるために種々の表面処理が行なわれている。例えば、下記特許文献1には、金属製の部品や加工工具などを金属製被処理物としてこの金属製被処理物の表面に鉱油を主成分とする表面処理剤を浸透させることにより、金属製被処理物の表面における耐摩耗性や耐腐食性を向上させる表面処理方法が提案されている。
特開平07−41959号公報
この場合、上記表面処理方法は、主として、金属製被処理物および表面処理剤を収容する処理タンクとこの処理タンクの側面に設けられたヒータとを備える表面処理装置によって行われる。すなわち、上記特許文献1に記載された表面処理装置は、処理タンクの側面に備えたヒータを作動させて処理タンク内を加熱することによって表面処理剤を金属製被処理物に浸透させている。
しかしながら、上記特許文献1に記載された表面処理装置においては、金属製被処理物に浸透させる表面処理剤が比熱の小さい油で構成されているため処理温度を一定の範囲内に保つ温度制御が複雑化するとともに処理精度にバラツキが生じ易いという問題があった。
本考案は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、表面処理を行う処理温度の制御を簡単化しつつ処理精度のバラツキを抑えることができる表面処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本考案の特徴は、金属製被処理物の表面の耐摩耗性を向上させる表面処理装置であって、油を主成分とする表面処理剤および金属製被処理物を大気圧以上の圧力環境下で収容できる処理槽と、表面処理剤よりも比熱が大きい流体からなる伝熱流体および処理槽を大気圧以上の圧力環境下で収容できる伝熱槽と、伝熱槽内の伝熱流体を加熱する加熱手段とを備えたことにある。
このように構成した本考案の特徴によれば、表面処理装置は、油を主成分とする表面処理剤および金属製被処理物を大気圧以上の圧力環境下で収容して表面処理を行う処理槽を表面処理剤よりも比熱が大きい流体である伝熱流体とともに大気圧以上の圧力環境下で収容する伝熱槽を備えるとともに、この伝熱流体を加熱する加熱手段を備えて構成されている。これにより、表面処理装置は、表面処理剤よりも温度変化し難い伝熱流体の温度制御を行うことによって表面処理剤の温度を制御するため、表面処理剤の温度制御を簡単化することができるとともに表面処理の処理温度を一定範囲内に保ち易くなることによって表面処理精度のバラツキを抑えて高精度な表面処理を行うことができる。
また、本考案の他の特徴は、前記表面処理装置において、伝熱流体は、表面処理剤よりも難燃性または不燃性の物質を主成分とすることにある。
このように構成した本考案の他の特徴によれば、表面処理装置は、伝熱流体は、表面処理剤よりも難燃性または不燃性の物質を主成分として構成されているため、表面処理剤を直接加熱する場合に比べてより安全に表面処理剤を加熱することができる。
また、本考案の他の特徴は、前記表面処理装置において、さらに、処理槽内を加圧する加圧手段を備えたことにある。この場合、加圧手段は、処理槽内に不活性流体(例えば、窒素、アルゴン)を供給することにより処理槽内を加圧するように構成するとよい。
このように構成した本考案の他の特徴によれば、表面処理装置は、処理槽内の圧力を加圧する加圧手段を備えているため、加圧手段を備えない場合に比べて処理槽内の温度を低くすることができ、温度制御をより行い易くすることができる。
また、本考案の他の特徴は、前記表面処理装置において、加熱手段は、伝熱槽内に設けられていることにある。
このように構成した本考案の他の特徴によれば、表面処理装置は、加熱手段が伝熱槽内に設けられているため、加熱手段を伝熱槽の外側に設けた場合に比べて効率的に伝熱媒体を加熱することができる。
また、本考案の他の特徴は、表面処理装置において、処理槽は、外周面が伝熱槽内の内周面に対して離隔した状態で配置されていることにある。
このように構成した本考案の他の特徴によれば、表面処理装置は、処理槽の外周面が伝熱槽内の内周面に対して離隔した状態で配置されているため、処理槽内の温度を短時間に精度良く均一にすることができる。
本考案の一実施形態に係る表面処理装置の装置構成の概略を模式的に示す断面図である。 本考案に係る表面処理装置を用いて表面処理を行った金属製被処理物であり切削工具の耐摩耗試験の試験結果を示すグラフである。
以下、本考案に係る表面処理装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本考案に係る表面処理装置の装置構成の概略を模式的に示す断面図である。なお、本明細書において参照する図は、本考案の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。この表面処理装置100は、金属材で構成される部品や加工工具の表面に潤滑性のある油を含浸させることによって主として耐摩耗性を向上させるための機械装置である。この場合、金属製の部品としては、例えば、歯車やベアリングなどの所謂機械要素の他、ガイドなどの機械的に摺動する摺動部を有する部品が相当する。また、金属製の加工工具としては、バイト、ドリル、エンドミル、パンチまたはダイスなど、切削加工や塑性加工に用いる刃物や工具が相当する。
(表面処理装置100の構成)
表面処理装置100は、処理槽110を備えている。処理槽110は、金属製の部品や加工具で構成される金属製被処理物WKおよび表面処理剤SCをそれぞれ収容して含浸処理を行うための金属製(例えば、ステンレス材)の容器である。ここで、表面処理剤SCは、金属製被処理物WKの表面に含浸することによって少なくとも潤滑剤として機能する油を主成分とする流体である。本実施形態においては、表面処理剤SCは、金属などの切削加工に用いる油性(不水溶性)の切削油を主成分として構成されている。
この処理槽110は、主として、槽本体111と蓋体112とで構成されている。槽本体111は、金属製被処理物WKを表面処理剤SCによって完全に浸漬した状態で収容する容器であり、有底円筒状に形成されている。すなわち、槽本体111は、金属製被処理物WKを表面処理剤SCによって完全に浸漬可能な大きさおよび深さに形成されている。蓋体112は、槽本体112において金属製被処理物WKを出し入れするために図示上方に向かって開口する開口部に対して液密的に嵌合して槽本体112内を閉塞する略円盤状の部材である。この蓋体112は、図示しないボルトによって槽本体112の開口部に対して着脱自在に取り付けられる。
これらの槽本体111および蓋体112によって構成された処理槽110は、金属製被処理物WKの処理雰囲気、本実施形態においては、少なくとも6気圧(0.6MPa)の圧力および150℃の温度に耐えられるように構成されている。なお、この処理槽110を構成する槽本体111には、処理槽110内から表面処理剤SCを完全に排出するための図示しないドレンが設けられている。そして、この処理槽110には、ガス供給管113および排出管116がそれぞれ接続されている。
ガス供給管113は、処理槽110内に不活性ガス(例えば、窒素ガス)を供給するための配管であり、一方の端部がコンプレッサ114を介して不活性ガスを貯留するガスボンベ115に接続されるとともに他方の端部が槽本体111を貫通した状態で接続されている。コンプレッサ114は、処理槽110内に不活性ガスを供給して処理槽110内の雰囲気を2気圧(0.2MPa)にするための機械装置である。一方、排出管116は、処理槽110内の圧力を一定値以下に保つために表面処理剤SCを処理槽110内から排出するための配管であり、一方の端部が蓋体112を貫通して接続されるとともに他方の端部が背圧弁117を介して排出槽118に延びている。背圧弁117は、処理槽110内における表面処理剤SCの圧力を6気圧(0.6MPa)以下に抑えるための弁である。
この処理槽110は、台座120を介して伝熱槽130内に収容されている。台座120は、伝熱槽130内において処理槽110の底部を伝熱槽130の底部から浮かした状態で支持するための脚としての部材であり、金属材(例えば、ステンレス材)をブロック状に形成して構成されている。本実施形態においては、台座120は、処理槽110の底部周縁部に均等に4つ配置されている。なお、処理槽110は、本実施形態においては、伝熱槽130内において固定的に設けられているが、伝熱槽130内に対して出し入れ自在に設けられるように構成してもよい。
伝熱槽130は、前記処理槽110および伝熱流体CFをそれぞれ収容して処理槽110を加熱するための金属製(例えば、ステンレス材)の容器である。ここで、伝熱流体CFは、処理槽110内に収容されている表面処理剤SCを加熱するための流体であり、表面処理剤SCよりも大きな比熱の流体によって構成されている。本実施形態においては、伝熱流体CFは、水で構成されている。
この伝熱槽130は、主として、槽本体131と蓋体132とで構成されている。槽本体131は、処理槽110を伝熱流体CFによって完全に浸漬した状態で収容する容器であり、有底円筒状に形成されている。すなわち、槽本体131は、処理槽110を伝熱流体CFによって完全に浸漬可能な大きさおよび深さに形成されている。蓋体132は、槽本体131において処理槽110を出し入れするために図示上方に向かって開口する開口部に対して液密的に嵌合して槽本体131内を閉塞する略円盤状の部材である。この蓋体132は、図示しないボルトによって槽本体131の開口部に対して着脱自在に取り付けられる。
これらの槽本体131および蓋体132によって構成された伝熱槽130は、処理槽110を加熱する雰囲気、本実施形態においては、少なくとも150℃の温度および5気圧(0.5MPa)の圧力に耐えられるように構成されている。また、この伝熱槽130は、前記ガス供給管113および前記排出管116が槽本体131をそれぞれ貫通して処理槽110に接続されている。なお、この伝熱槽130を構成する槽本体131には、伝熱槽130内から伝熱流体CFを完全に排出するための図示しないドレンが設けられている。
伝熱槽130の内部における内周面には、ヒータ140が設けられている。ヒータ140は、伝熱槽130内に収容される伝熱流体CFを加熱するための液中用の熱源である。本実施形態においては、ヒータ140は、電気エネルギを熱エネルギに変換する電熱線を備えた水中ヒータで構成されている。このヒータ140には、温度センサ141が伝熱層120内の底部および開口部直下にそれぞれ設けられており、図示しないコントローラによって伝熱流体CFの温度を一定に保つように構成されている。
(表面処理装置100の作動)
次に、上記のように構成した表面処理装置100の作動について説明する。まず、作業者は、金属製被処理物WKおよび浸漬籠150をそれぞれ用意する。この場合、浸漬籠150は、処理槽110内において金属製被処理物WKを処理槽110の底部から浮かした状態で支持するための容器であり、金網で形成された有底筒状体の底部に脚部が設けられて構成されている。また、この場合、金属製被処理物WKは、少なくとも1つ以上用意する。したがって、作業者は、用意した金属製被処理物WKを浸漬籠150内に収容する。
次に、作業者は、表面処理剤SCを用意した後、金属製被処理物WKを収容した浸漬籠150を処理槽110内にセットする。この場合、表面処理剤SCは、主成分となる切削油に各種添加剤を混合して構成されている。添加剤としては、例えば、金属製被処理物WKに対して油分の浸透性を向上させるための界面活性剤(例えば、オルフィン)の他、極圧剤、防錆剤、酸化防止剤または腐食防止剤がある。なお、表面処理剤SCは、添加剤を加えることなく切削油のみで構成してもよい。
作業者は、金属製被処理物WKを収容した浸漬籠150を処理槽110における槽本体111内の底部に配置した後、槽本体111内を表面処理剤SCで満たす。この場合、作業者は、槽本体111内において、金属製被処理物WKが完全に表面処理剤SCによって浸漬されるように金属製被処理物WKの配置および表面処理剤SCの量を調整する。そして、作業者は、槽本体111の開口部上に蓋体112を嵌合させて装着することにより槽本体111内を液密的かつ気密的に密閉する。
次に、作業者は、伝熱流体CFを用意した後、伝熱槽130における槽本体131内を出熱流体CFで満たす。この場合、作業者は、槽本体131内において、処理槽110が完全に伝熱流体CFによって浸漬されるように伝熱流体CFの量を調整する。そして、作業者は、槽本体131の開口部上に蓋体132を嵌合させて装着することにより槽本体131内を液密的かつ気密的に密閉する。
次に、作業者は、金属製被処理物WKの表面処理を実行する。具体的には、作業者は、ヒータ140およびコンプレッサ114の作動をそれぞれ開始させる。これにより、伝熱槽140内においては伝熱流体CFが加熱されるとともに、処理槽110内においては不活性ガスの供給によって圧力が上昇する。この場合、ヒータ130は、図示しないコントローラによって伝熱槽140内の伝熱流体CFの温度を140℃〜145℃の範囲の温度となるように制御される。なお、本実施形態においては、伝熱流体CFが水で構成されているが、伝熱槽130内の圧力が大気圧以上、具体的には、4〜5気圧となっているため伝熱流体CFが沸騰することはない。
これにより、処理槽110内における表面処理剤SCは、伝熱流体CFの温度が140℃〜145℃の範囲で維持されることによって表面処理に必要な温度に伝熱によって加熱されるとともに同加熱および不活性ガスの供給圧力によって表面処理に必要な温度に加圧される。本実施形態においては、表面処理剤SCは、140℃の温度に加熱されるとともに6気圧(0.6MPa)の圧力に加圧される。したがって、作業者は、処理槽110内における表面処理剤SCが140℃の温度および6気圧(0.6MPa)の圧力に達した時点を処理の開始時刻として50分〜90分の処理時間の間処理温度および処理圧力を維持する。これにより、処理槽110内においては、表面処理剤SCが金属製被処理物WKの表面に含浸する。この場合、表面処理装置100は、表面処理剤SCよりも比熱が大きい伝熱流体CFをヒータ130によって温度制御するため、表面処理剤SCの温度を精度良く140℃に維持することができる。
次に、作業者は、処理時間を経過した後、処理槽110を徐冷する。具体的には、作業者は、処理時間を経過した後、ヒータ140およびコンプレッサ114の作動をそれぞれ停止させ処理槽110内の温度が50℃以下になるまでの間放置する。そして、作業者は、処理槽110の徐冷後、伝熱槽130における蓋体132を開けて図示しないドレンを開くことにより伝熱槽130内から伝熱流体FCを排出するとともに処理槽110における蓋体112を開けて図示しないドレンを開くことにより表面処理剤SCを排出する。これにより、作業者は、処理槽110における槽本体111内から金属製被処理物WKを取り出すことができる。
ここで、本考案に係る表面処理装置100によって表面処理を行った切削工具における耐摩耗性試験の結果について説明する。図2は、本考案に係る表面処理装置100によって表面処理を施した超硬製切削工具(バイト)でステンレス材を切削した際におけるすくい面先端部の摩耗量を示したグラフである。図2において、縦軸は摩耗量(μm)であり、横軸は切削距離(m)である。なお、本試験での切削条件は、標準的な切削条件よりも厳しい条件としており、具体的には、切削速度が270(m/min)であり、送りが0.2(mm/rev)であり、切込量が0.7(mm)である。また、図2において、ひし形印が示す曲線は表面処理を行っていない未処理品の切削工具における試験結果であり、四角印が示す曲線は表面処理を行った切削工具における試験結果である。なお、表面処理を行っていない未処理品の切削工具においては、切削距離が4500mを超えた後に欠損したため、その後の試験の続行が不能となった。
この図2に示す試験結果によれば、本考案に係る表面処理装置100による表面処理を行うことによって未処理品の切削工具に対して切削工具の摩耗量を減らすことができるとともに切削距離を増加させることができることを確認することができる。具体的には、図2に示す試験結果によれば、表面処理を施した切削工具は、未処理品の切削工具に比べて摩耗量を約18%抑えることができるとともに切削距離を少なくとも約10%以上伸ばすことができることが確認できる。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、表面処理装置100は、油を主成分とする表面処理剤SCおよび金属製被処理物WKを大気圧以上の圧力環境下で収容して表面処理を行う処理槽110を表面処理剤SCよりも比熱が大きい流体である伝熱流体CFとともに大気圧以上の圧力環境下で収容する伝熱槽130を備えるとともに、この伝熱流体を加熱する加熱手段としてのヒータ140を備えて構成されている。これにより、表面処理装置100は、表面処理剤SCよりも温度変化し難い伝熱流体CFの温度制御を行うことによって表面処理剤SCの温度を制御するため、表面処理剤SCの温度制御を簡単化することができるとともに表面処理の処理温度を一定範囲内に保ち易くなることによって表面処理精度のバラツキを抑えて高精度な表面処理を行うことができる。
さらに、本考案の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本考案の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、処理槽110内における金属製被処理物WKの表面処理は、表面処理剤SCを140℃に加熱するとともに6気圧(0.6MPa)の圧力に加圧した環境で行った。しかし、表面処理における温度条件および圧力条件は、金属製被処理物WKに含浸させる表面処理剤SCの含浸量に応じて適宜設定されればよく、表面処理剤SCが少なくとも大気圧以上となるように加温量および加圧量を調整すればよい。この場合、処理槽110および伝熱槽130は、内部圧力が大気圧以上の圧力に耐えられるように構成されていればよい。なお、本考案者らの実験によれば、表面処理剤SCを少なくとも140℃に加熱するとともに6気圧(0.6MPa)の圧力に加圧した環境で行うことが好適である。
また、上記実施形態においては、表面処理装置100は、処理槽110内に不活性ガスを供給することにより処理槽110内の圧力を少なくとも2気圧とするように構成した。すなわち、ガス供給管113、コンプレッサ114およびガスボンベ115が、本考案に係る加圧手段に相当する。しかし、加圧手段は、処理槽110内の圧力を大気圧以上の圧力にできればよく、上記実施形態に限定されるものではない。したがって、加圧手段は、例えば、不活性ガスを供給することによって処理槽110内を2気圧以上に加圧するようにしてもよい。また、加圧手段は、処理槽110内の圧力を上昇させるためのものであるから、例えば、処理槽110を加熱することによって処理槽110内の圧力を上昇させることができれば省略することもできる。この場合、表面処理装置100は、表面処理剤SCの発火や着火を防止する目的で単に不活性ガスを処理槽110内に供給する不活性ガス供給手段を設けて構成することもできる。なお、加圧手段は、処理槽110内の安全性の観点から不活性ガスを用いることが好適である。
また、上記実施形態においては、表面処理装置100は、伝熱槽130内にヒータ140を設置して伝熱槽130内の伝熱流体CFを加熱するように構成した。すなわち、ヒータ140が、本考案に係る加熱手段に相当する。しかし、加熱手段は、伝熱槽130内の伝熱流体CFを加熱するように構成されていればよく、上記実施形態に限定されるものではない。したがって、加熱手段は、例えば、伝熱槽130の外周部にヒータ140を設置して構成することもできる。これによれば、加熱手段を液中用ヒータよりも安価で簡易に構成できる。
また、上記実施形態においては、表面処理剤SCは、主として切削油で構成した。しかし、表面処理剤SCは、少なくとも金属製被処理物WKの表面に含浸して潤滑機能を発揮する油を主成分として構成されていればよく、上記実施形態に限定されるものではない。したがって、表面処理剤SCは、切削油以外の鉱油や動植物油を単体で、またはこれらの合成油や混合油で構成することができる。なお、表面処理剤SCは、気体で構成することも可能であるが、液体で構成する方が好適である。
また、上記実施形態においては、伝熱流体CFは、水で構成した。しかし、伝熱流体CFは、表面処理剤SCの比熱よりも大きな比熱の流体で構成されていればよく、上記実施形態に限定されるものではない。したがって、伝熱流体CFは、水の他、水溶液(例えば、アンモニア水)や水以外の流体(例えば、アンモニアや油)で構成することもできる。なお、伝熱流体CFは、気体で構成することも可能であるが、液体で構成する方が好適である。また、表面処理剤SCは可燃性を有する物質で構成されることが多いため、伝熱流体CFを表面処理剤SCに比べて難燃性(発火、着火または炎の拡大が難い性質)(例えば、水グリコール系油やリン酸系油)または不燃性(例えば、水やフッ素系不燃液体)の物質で構成された流体を用いることによってより安全に表面処理剤SCを加熱することができる。この場合、表面処理の安全性のみを重視すれば、伝熱流体CFは、表面処理剤SCに比べて難燃性または不燃性の流体で構成されていればよく、必ずしも比熱が表面処理剤SCよりも大きい必要はない。
また、上記実施形態においては、処理槽110は、伝熱槽130内においてヒータ140の内側でかつ台座120に支持された状態で配置されている。すなわち、処理槽110は、伝熱槽130内において外周面が伝熱槽130の内周面に対して離隔した状態で配置されている。これにより、表面処理装置100は、処理槽110内の表面処理剤SCを短時間に精度良く均一に温度変化させることができる。しかし、表面処理装置100は、処理槽110を直接伝熱槽130の底部に配置して構成することも可能である。
また、上記実施形態においては、表面処理装置100は、浸漬籠150を介して処理槽110内に金属製被処理物WKを配置するように構成した。これにより、表面処理装置100は、金属製被処理物WKに対する伝熱や表面処理剤SCの接触ムラを防止して精度良く表面処理を行うことができる。しかし、表面処理装置100は、浸漬籠150を省略して金属製被処理物WKを直接処理槽110内に配置するように構成することもできる。
WK…金属製被処理物、SC…表面処理剤、CF…伝熱流体、
100…表面処理装置、
110…処理槽、111…槽本体、122…蓋体、113…ガス供給管、114…コンプレッサ、115…ガスボンベ、116…排出管、117…背圧弁、118…排出槽、
120…台座、
130…伝熱槽、131…槽本体、132…蓋体、
140…ヒータ、141…温度センサ、
150…浸漬籠。

Claims (5)

  1. 金属製被処理物の表面の耐摩耗性を向上させる表面処理装置であって、
    油を主成分とする表面処理剤および前記金属製被処理物を大気圧以上の圧力環境下で収容できる処理槽と、
    前記表面処理剤よりも比熱が大きい流体からなる伝熱流体および前記処理槽を大気圧以上の圧力環境下で収容できる伝熱槽と、
    前記伝熱槽内の前記伝熱流体を加熱する加熱手段とを備えたことを特徴とする表面処理装置。
  2. 請求項1に記載した表面処理装置において、
    前記伝熱流体は、前記表面処理剤よりも難燃性または不燃性の物質を主成分とすることを特徴とする表面処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載した表面処理装置において、さらに、
    前記処理槽内を加圧する加圧手段を備えたことを特徴とする表面処理装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載した表面処理装置において、
    前記加熱手段は、前記伝熱槽内に設けられていることを特徴とする表面処理装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載した表面処理装置において、
    前記処理槽は、外周面が前記伝熱槽内の内周面に対して離隔した状態で配置されていることを特徴とする表面処理装置。

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