JP6819330B2 - 光偏向器、光走査装置、画像形成装置及び画像投影装置 - Google Patents
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Description
マイクロマシン技術やマイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)技術を用いて製作した光偏向器、この光偏向器を搭載した光走査装置は、ポリゴンミラーや従来型のガルバノミラーに較べて省電力化、小型化や高速化の可能性があり、駆動部分の形成もシリコンウェハを素材として、半導体微細加工技術を用いて大量で安価に形成できる可能性があるため実用化が期待されている。
上記特許文献1には、反射面を二軸周りに揺動するときの回転角を減少させることなく、反射面の二軸周りの揺動を精度良く検知できる光偏向器を提供する目的で、請求項1に係る発明が開示されている。即ち、上記請求項1に係る発明の要部構成は、第2支持部には、当該光偏向器の外部と電気的に接続するための接続部を備え、第2圧電アクチュエータには、第1圧電アクチュエータと接続部とを電気的に接続する第1駆動配線と、第2圧電アクチュエータと接続部とを電気的に接続する第2駆動配線と、検知用圧電素子と接続部とを電気的に接続する検知配線と、基準電位点に接続された接地線とが並行に配置され、前記接地線は、前記第1駆動配線及び前記第2駆動配線と前記検知配線との間に配置されるというものである。
図1を参照して、光偏向器のパッケージングについて説明する。図1は、パッケージングされた光偏向器の一例の概略図である。
図1に示すように、光偏向器1には、レーザ光などの光束Lが反射する反射面5が設けられている。光偏向器1は、筐体状のパッケージ部材2の内側に配置される取付部材3に取り付けられ、パッケージ部材2の一部を透過部材4で覆われて、密閉されることでパッケージングされる。
さらに、光偏向器1が密閉されたパッケージ内には、窒素ガス等の不活性ガスが密封されている。これにより、光偏向器1の酸化による劣化が抑制され、さらに温度等の環境の変化に対する耐久性が向上する。
図2〜図4を参照して、本発明を適用する光偏向器について詳細に説明する。図2は、主走査方向としてのY方向と、副走査方向としてのX方向との2軸方向に光偏向可能な両持ちタイプの光偏向器の斜視図である。図3は、図2の光偏向器の比較例に係る構成を示す拡大平面図である。図4は、図3のY1−Y2線断面図である。
図2、図3に示すように、光偏向器1は、ミラー部7と、ミラー部7が搭載された可動部8と、2対の内側圧電アクチュエータ10a〜10dと、1対の外側圧電アクチュエータ11、12と、支持基体14とを備えている。
ミラー部7は、ミラー部基体6の直径方向の両端から外側へ向かって延設された一対のトーションバー9a、9bを介して、可動部8に連結されている。一方のトーションバー9aは、その先端部がミラー部基体6に連結され、その基端部を挟んで対向した1対の内側圧電アクチュエータ10a、10cの各先端部に連結されている。他方のトーションバー9bは、その先端部がミラー部基体6に連結され、その基端部を挟んで対向した1対の内側圧電アクチュエータ10b、10dの各先端部に連結されている。
各内側圧電アクチュエータ10a〜10dは、ミラー部7を囲むように空隙を隔てて配置されている。2つの内側圧電アクチュエータ10a、10cの各端部は、一方のトーションバー9aを挟んで対向して配置されている。また、2つの内側圧電アクチュエータ10b、10dの各端部は、他方のトーションバー9bを挟んで対向して配置されている。
外側圧電アクチュエータ11、12は、それらの先端部が可動部8のトーションバー9a、9bと直交する方向の一対の両側にそれぞれ連結されている。尚、第2軸O2は、第1軸O1に直交する軸であるが、第1軸O1と第2軸O2とが正確に直交している必要はなく、交差していてもよい。
一方の外側圧電アクチュエータ11は、4つの第2の圧電カンチレバー、具体的には、外側圧電アクチュエータ11の図3における左側の支持基体14に連結されているものから数えて奇数番目(奇数段目)の2つの圧電カンチレバー11m、11mと、偶数番目(偶数段目)の2つの圧電カンチレバー11e、11eとから構成されている。
従って、外側圧電アクチュエータ11の圧電カンチレバー11m、11e及び外側圧電アクチュエータ12の圧電カンチレバー12m、12eは、共に第2軸O2と直交する方向を振幅方向として蛇行するようにして設けられている。
尚、上記の各構成部の形成は、SOI基板の成形後に行ってもよいし、SOI基板の成形中に行ってもよい。
尚、外側圧電アクチュエータ11の圧電カンチレバー11m、11e及び外側圧電アクチュエータ12の圧電カンチレバー12e、2mのそれぞれ隣り合う圧電カンチレバーの連結部や支持基体14に連結される連結部は、上記した支持体24を一体に連結した部分となっている。これらの連結部には、下部電極25、圧電体26及び上部電極27の層は設けられていない。
リード線141、142の材料は、例えば、白金(Pt)、金(Au)又はアルミニウム(Al)等で形成されている。
電極パッド30bは、リード線141、142及びコンタクト部33uを介して、偶数番目の圧電カンチレバー11eの上部電極27に接続され、更にリード線142及びコンタクト部33uを介して、偶数番目の圧電カンチレバー11eの上部電極27に接続されている。
電極パッド30fは、リード線141及びコンタクト部33dを介して、奇数番目の圧電カンチレバー11mの下部電極25に接続され、更にリード線142及びコンタクト部33dを介して、次段の奇数番目の圧電カンチレバー11mの下部電極25に接続されている。
図3〜図5を参照して、比較例(従来例)に係る構成について説明する。図5(a)は図3に破線で示した対象領域Aの比較例に係る構成の拡大平面図、図5(b)は初段圧電カンチレバー11m部位の等価回路をイメージ的に示す図である。この等価回路は、あくまでも理解しやすくするためのものであり、厳密なものではない(後述する図6(b)、図7(b)、図8(b)でも同じ)。
図5(a)を始めとして、後述する本発明の実施例を示す図6(a)、図7(a)、図8(a)において、各図中にそれぞれ破線の楕円で囲んで示す領域m、m1、m2、m3は奇数番目の圧電カンチレバー11mの上部電極エリアであることを、e、e1、e2、e3は偶数番目の圧電カンチレバー11eの上部電極エリアであることを表している。
図5(a)の左側に示すように、圧電カンチレバー11mにおける奇数段信号線の領域m(奇数段上部電極エリア)では、電極パッド30eから電位供給されたリード線141から、コンタクト部33u〜上部電極27〜コンタクト部33uを介して、リード線142(奇数1段目の圧電カンチレバー11m上部通過)を経て、次段の奇数2段目の圧電カンチレバー11mのコンタクト部33uへと繰り返し接続される。
尚、圧電カンチレバー11mへの電流供給方向(圧電カンチレバーの長手方向)の両端2箇所以上(比較例では2箇所)に設けられ、上部電極27へ電位を供給するリード線141、142に接合されるコンタクト部33uは、後述する図6に示す実施例1の第1の接合部に相当する。
図6を参照して、本発明の実施例1に係る構成について説明する。図6(a)は図3に破線で示した対象領域Aについての実施例1に係る構成の拡大平面図、図6(b)は初段圧電カンチレバー11m部位の等価回路をイメージ的に示す図である。
実施例1は、図6(a)に示すように、図5(a)の比較例と比較して、圧電カンチレバー11mへの電流供給方向の上部電極27の両端2箇所以上(実施例1では両端2箇所)に設けられ、リード線141、142とは別のリード配線143に接合される第2の接合部としてのコンタクト部33u’を有する点が主に相違する。
換言すれば、実施例1は、図5(a)に示した比較例の配線構成に加えて、リード線141のコンタクト部33uと、リード線142のコンタクト部33uとの間に、コンタクト部33u’、33u’を介して、リード配線143を配置してバイパス回路を構成したものである。
図7を参照して、本発明の実施例2に係る構成について説明する。図7(a)は図3に破線で示した対象領域Aについての実施例2に係る構成の拡大平面図、図7(b)は初段圧電カンチレバー11m部位の等価回路をイメージ的に示す図である。
実施例2は、図7(a)に示すように、図5(a)の比較例と比較して、上部電極27は、該上部電極27を介すること無く、電位を供給するリード配線としてのリード線141に接合される接合部としてのコンタクト部33uを有する点が主に相違する。
従って、実施例2によれば、実施例1と同様の効果を、実施例1よりも更にコスト的に有利に奏する。
図8を参照して、本発明の実施例3に係る構成について説明する。図8(a)は図3に破線で示した対象領域Aについての実施例3に係る構成の拡大平面図、図8(b)は初段圧電カンチレバー11m部位の等価回路をイメージ的に示す図である。
実施例3は、図8(a)に示すように、図5(a)の比較例と比較して、上部電極27は、リード配線としてのリード線141に接合される接合部としてのコンタクト部を圧電カンチレバー11mへの電流供給方向の両端2箇所以上(実施例3では両端各2箇所のコンタクト部33u、33u’)有する点が主に相違する。
また、各段の上部電極27に対し、上部電極27、リード線141の冗長回路が形成されるので、万一、上部電極27等が故障したような場合でも光偏向器の駆動を補償することが可能となり、最下段までの信号伝播の信頼性がより一層向上する。
画像形成装置100は、トナー画像を形成するための像担持体としての感光体102と、感光体102上に形成された画像をシートたる用紙P上に転写するための転写手段たる転写部106と、用紙Pを転写部106へ搬送する搬送手段107と、を有している。
画像形成装置100は、転写部106よりも感光体102の回転方向Aの下流側にあって残留トナーを除去するクリーニング部109と、用紙P上に形成されたトナー像を熱と圧力により定着する定着手段108と、を有している。
帯電した感光体102の表面を光走査装置101によって走査するとともに、感光体102が回転することで、感光体102の表面には静電潜像が形成される。このとき感光体102の表面は、光走査装置101によってレーザ光Lが所定の速度で走査される走査面である。
また、ミラー部7が第2軸O2を中心に揺動することで、入射したレーザ光Lが光走査装置101における副走査方向である感光体102の周方向に沿って偏向される。
転写部106は、感光体102との間でニップ部Nを形成し、用紙Pがニップ部Nを通過することで、用紙Pにトナー像が転写される。
定着手段108は、定着ニップN2を形成し、用紙Pが定着ニップN2を通過するときに、トナーに熱と圧力とを加えて溶融させることで用紙P上のトナー像を画像として定着させる。
ニップ部Nを通過した感光体102の表面部分は、クリーニング部109において残留トナーを除去される。
また、画像形成装置100は、トナー像を感光体から用紙P以外の転写ベルトなどの転写媒体に一次転写し、転写媒体から用紙Pへと二次転写する構成としてもよい。
また、本実施形態ではモノクロの画像形成装置100について述べたが、画像形成装置100は、カラー方式の画像形成装置であってもよい。
光走査装置101は、図10に示すように、光偏向器1の反射面たるミラー部7にレーザ光Lを結像させる結像光学系1021と、ミラー部7に反射されたレーザ光Lを感光体102の表面に結像させる手段である走査光学系1023とを有している。
図12に示すように、画像投影装置2000は、赤(R)、緑(G)、青(B)の異なる3波長のレーザ光源2001と、各レーザ光源2001からの出射光たるレーザ光Lを平行にする集光光学系としてのレンズ2002と、を有している。
また、画像投影装置2000は、画像投影装置2000の筐体に対して固定されたミラー2003と、ハーフミラー2004と、合成プリズム2005と、を有している。
また、画像投影装置2000は、第1の実施形態において既に述べた光偏向器1と、光偏向器1を備えた光走査装置101と、を有している。
レーザ光源200lから射出されたレーザ光Lは、ミラー2003とハーフミラー2004とによって偏向されて合成プリズム2005へと入射する。合成プリズム2005は、入射した3つの波長のレーザ光Lを合成して、単一のレーザ光束L’として光走査装置101へと入射する。
レーザ光束L’は、光偏向器1の反射面5によって反射され、スクリーン2007上へと投射される。
また、上記の実施形態では、何れも反射面が2軸について揺動自在に支持された2軸揺動可能な光偏向器についてのみ述べたが、1軸のみについて揺動可能な光偏向器としてもよい。また、画像形成装置は、シート状の用紙を記録媒体として用いるものの他、フィルム、記録紙、布、プリント基板などを記録媒体としてもよい。
5 反射面
7 ミラー部
8 可動部(第1の支持部)
9a、9b トーションバー
10a〜10d 内側圧電アクチュエータ(圧電アクチュエータの一例)
11、12 外側圧電アクチュエータ(圧電アクチュエータの一例)
11e、11m 圧電カンチレバー(圧電カンチレバーの一例)
12e、12m 圧電カンチレバー(圧電カンチレバーの一例)
14 支持基体(第2の支持部)
24 支持体
25 下部電極
26 圧電体
27 上部電極
30 圧電パッド群
30a〜30f 圧電パッド(電極接続部)
33 コンタクト部(接合部の一例)
33d 下部電極用のコンタクト部(第1の接合部の一例)
33u 上部電極用のコンタクト部(第1の接合部の一例)
33d’ 下部電極用のコンタクト部(第2の接合部の一例)
33u’ 上部電極用のコンタクト部(第2の接合部の一例)
100 画像形成装置
101 光走査装置
141,142 リード線
143 リード配線
2000 画像投影装置
Claims (7)
- 光を反射する反射面を有するミラー部と、該ミラー部を駆動する少なくとも1つの圧電アクチュエータとを備えて構成される光偏向器であって、
前記圧電アクチュエータは、
単一の支持体及び該支持体上に形成された圧電体を有し、圧電駆動により屈曲変形を行う圧電カンチレバーを含み、該圧電カンチレバーの前記圧電体に駆動電圧を印加するための電極と、
前記圧電カンチレバーへの電流供給方向の両端2箇所以上に設けられ、前記電極へ電位を供給するリード線に接合される第1の接合部と、
前記圧電カンチレバーへの電流供給方向の両端2箇所以上に設けられ、前記リード線とは別のリード配線に接合される第2の接合部と、を有する光偏向器。 - 光を反射する反射面を有するミラー部と、該ミラー部を駆動する少なくとも1つの圧電アクチュエータとを備えて構成される光偏向器であって、
前記圧電アクチュエータは、単一の支持体及び該支持体上に形成された圧電体を有し、圧電駆動により屈曲変形を行う圧電カンチレバーを含み、該圧電カンチレバーの前記圧電体に駆動電圧を印加するための電極を有し、
前記電極は、該電極を介すること無く電位を供給するリード配線に接合される接合部を有することを特徴とする光偏向器。 - 請求項2記載の光偏向器において、
前記電極は、前記リード配線との前記接合部を前記圧電カンチレバーへの電流供給方向の両端2箇所以上に有することを特徴とする光偏向器。 - 請求項1〜3の何れか1つに記載の光偏向器において、
前記圧電カンチレバーを複数有し、
前記複数の圧電カンチレバーのうち、複数の同一信号を供給する同一信号供給電極は、前記第2の接合部又は前記接合部を介して、同一の前記リード配線で接続することを特徴とする光偏向器。 - 請求項1〜4の何れか1つに記載の光偏向器を有し、
前記光偏向器を用いて入射した前記光を所定の速度で走査面上に投射することを特徴とする光走査装置。 - 請求項5記載の光走査装置を有することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項5記載の光走査装置を有することを特徴とする画像投影装置。
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