JP6818836B1 - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6818836B1
JP6818836B1 JP2019181837A JP2019181837A JP6818836B1 JP 6818836 B1 JP6818836 B1 JP 6818836B1 JP 2019181837 A JP2019181837 A JP 2019181837A JP 2019181837 A JP2019181837 A JP 2019181837A JP 6818836 B1 JP6818836 B1 JP 6818836B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
capacitance
isolation transformer
capacity
conversion device
ground
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019181837A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021058060A (ja
Inventor
哲郎 藤原
哲郎 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2019181837A priority Critical patent/JP6818836B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6818836B1 publication Critical patent/JP6818836B1/ja
Publication of JP2021058060A publication Critical patent/JP2021058060A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)

Abstract

【課題】絶縁トランスを有する電力変換装置において、絶縁トランスの一次側回路と二次側回路及びノイズフィルタの大型化またはコストの増加をさせずに、効果的にコモンモードノイズを抑制する。【解決手段】絶縁トランス105の一次側端子にスイッチング回路104が、二次側端子に整流回路110が接続されるとともに、絶縁トランス105の一次側端子とグランドとの間に第1、第2の容量106、107が個別に接続され、絶縁トランス105の二次側端子とグランドとの間に第3、第4の容量108、109が個別に接続されており、第1、第3の容量106、108に流れる充放電電流に対して、第2、第4の容量107、109に流れる充放電電流が逆位相になっている。【選択図】図1

Description

本願は、電力変換装置に関するものである。
絶縁トランスの一次側にスイッチング回路が、二次側に整流回路が設けられている電力変換装置では、一般的には20kHz以上とされている高周波のスイッチング周波数にてスイッチング制御を行うため、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、あるいはMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)などのスイッチング素子のオン操作またはオフ操作に起因した高いスイッチングノイズを発生することから、ノイズ発生源として他の電子機器の誤動作または機能停止などといった弊害を招くおそれがある。
実際、こういったノイズに関して、特に各国の規格に一定の整合性を持たせる必要があることから、国際規格IEC(International Electrotechnical Commission)が各分野の電子機器または自動車機器のEMC(Electromagnetic Compatibility)規格を制定・発行している。このようなスイッチングノイズを抑制するため、一般的にはノイズ対策部品を備えることが考えられるが、コストアップおよび装置の大型化は避けられないものとなる。
そこで、従来技術では、スイッチング素子のスイッチングに起因して、グランドを基準とした電位が相補的に変動する複数のノードと、グランドとの間に容量を備えることで、一方の容量が放電した電荷を他方の容量が充電し、一方から他方へグランドを介して電流が流れるようにして、外部に漏れ出すコモンモード電流を有効的に低減させる手法が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
特許第6316484号公報
このように、従来技術では、コモンモード電流を抑制するために、グランドを基準とした電位が相補的に変動する複数のノードと、グランドとの間に容量を設けてその値を調整している。特に、上記の特許文献1では、スイッチング素子および整流素子の冷却面の端子、およびグランドと同一電位の放熱板を一対の電極として、容量を形成し、例えば、冷却面積の大きい素子を使うなどして、容量を調整している。
一方、絶縁トランスを備えた電力変換装置は、トランスの一次側にスイッチング回路を、二次側に整流回路を備えることが一般的である。このため、トランスの一次側、二次側にそれぞれ接続される素子数が多い。一方、そのような素子の設置には、スペースに限りがあるので、一次側、二次側のそれぞれで容量を調整する場合、冷却面積の大きい冷却面を有する素子を使うと、一次側、二次側のそれぞれの回路が大きくなり、結果的に装置として小型化できないといった課題があった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、装置が大型化することなく、効果的にコモンモード電流を抑制することができる電力変換装置を提供することを目的とする。
本願に開示される電力変換装置は、絶縁トランスを備え、前記絶縁トランスの一次側端子にスイッチング回路が、二次側端子に整流回路がそれぞれ接続され、前記絶縁トランスの2つの一次側端子の内、一方の一次側端子とグランドとの間に第1の容量が、他方の一次側端子とグランドとの間に第2の容量がそれぞれ接続され、かつ、前記絶縁トランスの2つの二次側端子の内、一方の二次側端子とグランドとの間に第3の容量が、他方の二次側端子とグランドとの間に第4の容量がそれぞれ接続されており、前記第1の容量および前記第3の容量に流れる第1の充放電電流に対して、前記第2の容量および前記第4の容量に流れる第2の充放電電流は逆位相になっていることを特徴としている。
本願に開示される電力変換装置によれば、絶縁トランスの一次側、二次側の各端子とグランドとの間にそれぞれ容量を備え、一次側、二次側の各々の容量に流れる充放電電流の合計を調整することで、外部に漏れ出すコモンモード電流を低減することができる。これにより、一次側、二次側のそれぞれで個別に容量を調整する必要がないため、一次側と二次側のそれぞれの回路が大型化することなく、またコモンモードチョークを設けるなどの対策部品を削減することができる。その結果、装置全体を小型化でき、かつ低コスト化を実現できる。
本願の実施の形態1による電力変換装置の全体構成を示す回路図である。 本願の実施の形態1による電力変換装置を構成する各スイッチング素子のスイッチングによる各ノードの電位の推移の概略を示すタイミングチャートである。 本願の実施の形態1による素子の部品配置を示す図である。 図3のA−A線に沿う断面図である。
実施の形態1.
図1は、本願の実施の形態1による電力変換装置の全体構成を示す回路図である。
図1に示すように、本願の実施の形態1の電力変換装置は、直流電源101から負荷114まで間の要素で構成されている。直流電源101はCISPR(Comite International Special des Perturbations Radioelectriques)等に規定されるLISN(Line Impedance Stabilizing Network)102を介して、入力コンデンサ103に接続されている。入力コンデンサ103の後段には、スイッチング回路としての単相インバータ104を介して絶縁トランス105の一次側が接続されている。この場合、単相インバータ104は、4つのスイッチング素子104a〜104dをフルブリッジ構成して、直流電源101と入力コンデンサ103の直流電圧Vdcを交流電圧に変換する。
絶縁トランス105の二次側には、4つの整流素子(ここではダイオード)110a〜110dをフルブリッジ構成した整流回路110が接続されている。整流回路110の出力側の一対のラインには、インダクタンス値が同一である平滑用のリアクトル111a、111bがそれぞれ個別に接続され、また、各ラインに並列に出力コンデンサ112が接続されるとともに、LISN113を介して負荷114が接続されている。
上記の単相インバータ104を構成する各々のスイッチング素子104a〜104dは、例えば、MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)で構成される。なお、各々のスイッチング素子104a〜104dは、ダイオードが逆並列接続されたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの自己消弧型半導体スイッチング素子、SiC(Silicon Carbide)あるいはGaN(Gallium Nitride)などのワイドバンドギャップ半導体を適用することが可能である。
また、整流回路110を構成する各々の整流素子110a〜110dは、ここではダイオードとしているが、これに限るものではなく、IGBT、MOSFETなどのスイッチング素子、あるいはSiC、GaNなどのワイドバンドギャップ半導体を用いて構成されるものであってもよい。このように整流素子110a〜110dとして、スイッチング素子(ワイドバンドギャップ半導体含む)を用いると、導通損失を低減できて、効率上昇の効果がある。
なお、この実施の形態1では、スイッチング素子104a〜104dとしてMOSFETを、整流素子としてダイオード110a〜110dをそれぞれ用いた場合について説明を進めるものとする。
さらに、この実施の形態1の特徴として、コモンモード電流を効果的に抑制するために、上下一対のスイッチング素子104a、104bの互いの接続点と絶縁トランス105の一方の一次側端子とを結ぶ接続ライン121と、グランドとの間に第1の容量106が接続され、また、上下一対の他のスイッチング素子104c、104dの互いの接続点と絶縁トランス105の他方の一次側端子とを結ぶ接続ライン122と、グランドとの間に第2の容量107が接続されている。
さらに、上下一対のダイオード110a、110bの互いの接続点と絶縁トランス105の一方の二次側端子とを結ぶ接続ライン131と、グランドとの間に第3の容量108が接続され、また、上下一対の他のダイオード110c、110dの互いの接続点と絶縁トランス105の他方の二次側端子とを結ぶ接続ライン132と、グランドとの間に第4の容量109が接続されている。
次に、この実施の形態1の構成における電力変換装置の動作、特に、コモンモード電流を効果的に抑制できることについて、図1〜図3を参照しながら説明する。
単相インバータ104を構成する4つのスイッチング素子104a〜104dの内、対角状に配置された一対のスイッチング素子104aおよび104d、並びにスイッチング素子104bおよび104cを交互にオンオフさせるハードスイッチング方式により、直流電源101からLISN102および入力コンデンサ103を介して入力される直流電力を高周波の交流電力に変換する。これに応じて、絶縁トランス105の二次側の端子間に電圧が発生するので、整流回路110を構成するダイオード110a〜110dで整流する。
この場合、絶縁トランス105の二次側へ電圧が生じたとき、各々のリアクトル111a、111bにエネルギーが蓄積され、それ以外の期間において、各々のリアクトル111a、111bに発生する逆起電力によって蓄積されたエネルギーが負荷114に伝達される。その際、単相インバータ104を構成する各スイッチング素子104a〜104dのオンオフのパルス幅を制御することにより、出力電流を制御することができる。
次に、図2に示すタイミングチャートを用いて、直流電源101の電圧をVdc、絶縁トランスの一次巻き数をN1、二次巻き数をN2、巻き数比をN=N2/N1としたとき、各々のスイッチング素子104a〜104dのスイッチングに伴う各ノードの電位の推移を説明する。
ここに、図2(a)は、スイッチング素子104a、104dのスイッチングの推移を示す。図2(b)は、スイッチング素子104b、104cのスイッチングの推移を示す。図2(c)は、スイッチング素子104a、104dの両端電圧V104a、V104dの推移を示す。図2(d)は、スイッチング素子104b、104cの両端電圧V104b、V104cの推移を示す。図2(e)は、絶縁トランス105の一次側両端電圧Vtr1の推移を、また図2(f)は絶縁トランス105の二次側両端電圧Vtr2の推移を示す。図2(g)は、グランドを基準とした一対のスイッチング素子104a、104bの接続点と絶縁トランス105の一方の一次側端子とを結ぶ接続ライン121の電位(第1の容量106の両端の電位)Vao1の推移を示す。図2(h)は、グランドを基準とした一対のスイッチング素子104c、104dの接続点と絶縁トランス105の他方の一次側端子とを結ぶ接続ライン122の電位(第2の容量107の両端の電位)Vbo1の推移を示す。図2(i)は、グランドを基準とした一対のダイオード110a、110bの接続点と絶縁トランス105の一方の二次側端子とを結ぶ接続ライン131の電位(第3の容量108の両端の電位)Vao2の推移を示す。また、図2(j)は、グランドを基準とした一対のダイオード110c、110dの接続点と絶縁トランス105の他方の二次側端子とを結ぶ接続ライン132の電位(第4の容量109の両端の電位)Vbo2の推移を示す。
なお、図2では簡略化のため、ダイオードの順方向電圧の影響は考慮していない。
図2(g)、図2(h)に示すように、絶縁トランス105の一次側に接続される第1の容量106の両端の電位Vao1と、第2の容量107の両端の電位Vbo1とは、グランドを基準として互いに相補的に変化する。
このように、両電位Vao1、電位Vbo1が相補的に変化するのは、ハードスイッチング方式により、フルブリッジを構成するスイッチング素子104a〜104dの内、対角状に配置された一対のスイッチング素子104aおよび104d、並びにスイッチング素子104bおよび104cが互いに同期してスイッチングする場合であり、対角状に配置された一対の素子が非同期でスイッチングする場合は、この効果が得られない。
また、図2(i)、図2(j)に示すように、絶縁トランス105の二次側に接続される第3の容量108の両端の電位Vao2と、第4の容量109の両端の電位Vbo2とは、同様にグランドを基準として互いに相補的に変化する。
このように、両電位Vao2、電位Vbo2が相補的に変化するのは、インダクタンス値が同一であるリアクトル111a、111bが一対のラインに個別に配置されることで、インピーダンスが平衡化している場合であり、リアクトルが片側のみに配置されている場合は、インピーダンスが不平衡となり、この効果が得られない。
なお、平滑用の各々のリアクトル111a、111bのインダクタンス値を同一にするには、それぞれの巻き数および巻線の材質を同一にする等、同一仕様の部品を選定することで実現できる。さらに、各々のリアクトル111a、111bを構成するための双方のコアを共有化し、同一のコアに対称に巻くことでも実現できる。コアを共有化することで、コイルの巻き方向より、各々のリアクトル111a、111bに発生する磁束が加わり合い、トータルでインダクタンス値を増やすことができるため、リアクトル全体を小型化できる。
いま、第1の容量106の電位変動によるコモンモード電流をIcom106、第2の容量107の電位変動によるコモンモード電流をIcom107、第3の容量108の電位変動によるコモンモード電流をIcom108、第4の容量109の電位変動によるコモンモード電流をIcom109(いずれも電流の方向は図1参照)とし、また、第1の容量106の値をC106、第2の容量107の値をC107、第3の容量108の値をC108、第4の容量109の値をC109と定義する。
ここで、第1の容量106の値C106と第2の容量107の値C107を同一の値に設定すれば、前述のようにそれらの両端の各電位Vao1、電位Vbo1がグランドを基準として互いにレベル反転した状態で相補的に変化することから、第1、第2の容量106、107の内の一方から他方へとグランドを介して電流が流れ、このため、外部に流れるコモンモード電流を低減することができる。
すなわち、例えば、図2(a)に示すように、一対のスイッチング素子104a、104dがオフからオンになる時(遷移時間をdt)、図2(g)に示すように、第1の容量106両端の電位Vao1はVdc/2変動し、また、図2(h)に示すように、第2の容量107両端の電位Vbo1は−Vdc/2変動する。よって、第1の容量106および第2の容量107の電位変動により、外部に流れるコモンモード電流(=Icom106+Icom107)は、次の(1)式となる。
Figure 0006818836
上記(1)式において、第1の容量106の値C106と第2の容量107の値C107を同一の値、すなわちC106=C107に設定すれば、コモンモード電流Icom106、Icom107は打消し合い、第1、第2の容量106、107の内の一方から他方へとグランドを介して電流が流れるため、外部にコモンモード電流は流れない。
同様に、第3の容量108の値C108と第4の容量109の値C109を同一の値に設定すれば、前述のようにそれらの両端の各電位Vao2、電位Vbo2はグランドを基準として互いにレベル反転した状態で相補的に変化することから、第3、第4の容量108、109のうち一方から他方へとグランドを介して電流が流れ、このため、外部に流れるコモンモード電流を低減することができる。
すなわち、第3の容量108の値C108と第4の容量109の値C109を同一の値、すなわちC108=C109に設定すれば、コモンモード電流Icom108、Icom109は互いに打消し合い、第3、第4の容量108、109の内の一方から他方へとグランドを介して電流が流れるため、外部にコモンモード電流は流れない。
一方、図2(g)〜(j)に示すように、第1の容量106および第3の容量108の電位Vao1、Vao2に対して、第2の容量107および第4の容量109の電位Vbo1、Vbo2は逆位相で変動する。すなわち、例えば、図2(a)に示すように、一対のスイッチング素子104a、104dがオフからオンになる時(遷移時間をdt)、図2(g)に示すように、第1の容量106両端の電位Vao1はVdc/2変動し、かつ図2(i)に示すように、第3の容量108両端の電位Vao2はN・Vdc/2変動するのに対して、図2(h)に示すように、第2の容量107両端の電位Vbo1は−Vdc/2変動し、また図2(j)に示すように、第4の容量109両端の電位Vbo1は−N・Vdc/2変動する。
よって、絶縁トランス105の一次側、二次側の第1〜第4の容量106〜109の電位変動により、外部に流れる合計のコモンモード電流(=Icom106+Icom107+Icom108+Icom109)は、次の(2)式となる。
Figure 0006818836
(2)式において、外部に流れる合計のコモンモード電流(=Icom106+Icom107+Icom108+Icom109)を“0”にするためには、次の(3)式のようにして、第1〜第4の容量106〜109の各値C106〜C109を設定すればよい。
Figure 0006818836
この(3)式の関係が成立するように、絶縁トランス105の一次側、二次側の第1〜第4の容量106〜109の内、第1〜第4のいずれかの容量の値C106〜C109を調整することで、合計のコモンモード電流(=Icom106+Icom107+Icom108+Icom109)を抑制できる。
このようにすれば、絶縁トランス105の一次側、二次側の回路の内、一方の配置スペースが小さく、かつ容量調整が難しい場合でも、他方で容量調整が可能なので、装置を大型化することなく、コモンモード電流を抑制することができる。
上記では、第1〜第4の容量106〜109の各々の値C106〜C109が(3)式の条件を満たす場合について説明したが、第1、第3の容量106、108の各々の値C106、C108に対して第2、第4の容量107、109の各々の値C107、C109が、次の(4)式の条件を満たすように設定してもよい。
Figure 0006818836
この(4)式の条件を満たすように、第1、第3の容量106、108の各々の値C106、C108に対して第2、第4の容量107、109の各々の値C107、C109を規制することにより、それらの値C107、C109を何ら規制しない場合に比べて、外部に流れるコモンモード電流を低減することができる。
その理由は、次の通りである。
例えば、図2(a)に示すように、一対のスイッチング素子104a、104dがオフからオンになる時(遷移時間をdt)に、図2(g)に示すように、第1の容量106の両端の電位Vao1はVdc/2変動し、また、図2(i)に示すように、第3の容量108の両端の電位Vao2はN・Vdc/2変動する。このとき、第1、第3の容量106、108の電位変動によって外部に流れるコモンモード電流Icom106+Icom108は、次の(5)式となる。
Figure 0006818836
ここで、第2、第4の容量107、109の各々の値C107、C109を何ら規制していない場合において、前述の(4)式の両辺が等号となる場合を考えると、外部に流れる合計のコモンモード電流の絶対値(=|Icom106+Icom107+Icom108+Icom109|)は、次の(6)式となる。
Figure 0006818836
つまり、(4)式の両辺が等号となる場合には、(6)式の値は(5)式の値と同じとなり、第2、第4の容量107、109の各々の値C107、C109を何ら規制していない場合と同等のコモンモード電流が外部に流れ、コモンモード電流が増加する。
これに対して、(4)式の条件を満たすように第2、第4の容量107、109の各々の値C107、C109を設定すれば、第2、第4の容量107、109の各々の値C107、C109が何ら規制されていない場合に比べて、外部に流れるコモンモード電流を低減することができる。
上記と同様の理由により、第2、第4の容量107、109の各々の値C107、C109に対して第1、第3の容量106、108の各々の値C106、C108が、次の(7)式の条件を満たすように設定することで、第1、第3の容量106、108の各々の値C106、C108が何ら規制されていない場合に比べて、外部に流れるコモンモード電流を低減することができる。
Figure 0006818836
前述の(3)式、(4)式、あるいは(7)式を満たすように、第1〜第4の容量106〜109の各々の値C106〜C109を調整する方法の一例を、図3、図4を参照しながら説明する。
図3は単相インバータ104を構成するスイッチング素子104a〜104dは、表面実装型のものであり、一般的に使用されているD2PAKまたはD3PAKの実装例を示す平面図、図4は図3のA−A線に沿う断面図である。
単相インバータ104を構成するスイッチング素子104a〜104dは、金属基板203上に表面実装されており、グランドと同一の電位である筐体(放熱板)204を介して冷却されている。この場合の金属基板203は、筐体(放熱板)204に搭載された金属の基材203b上に絶縁層203aが配置されて構成されている。
一対のスイッチング素子104a、104bは、回路パターン201により配線され、図1中の絶縁トランス105の一方の一次側端子に接続されている。また、一対のスイッチング素子104c、104dは、回路パターン202により配線され、図1中の絶縁トランス105の他方の一次側端子に接続されている。
なお、図3では、スイッチング素子104a、104cのドレイン、スイッチング素子104b、104dのソース等のその他回路パターンは説明に用いないため、省略している。
第1の容量106は、回路パターン201と筐体(放熱板)204を一対の電極とする容量として形成され、第2の容量107は回路パターン202と筐体(放熱板)204を一対の電極とする容量として形成されている。
ここで、一例として、第1の容量106に着目すると、真空の誘電率をε0として、絶縁層203aの比誘電率をεr、絶縁層203aの厚みをd、回路パターン201の面積をSとすると、第1の容量106の値C106は、次の(8)式となる。
Figure 0006818836
そして、(8)式のように、回路パターン201の面積を調整することで、第1の容量106の値C106を調整することができる。他の第2〜第4の容量107〜109の各々の値C107〜C109についても同様にして調整可能である。すなわち、第1〜第4の容量106〜109を、回路パターンと筐体(放熱板)204を一対の電極として形成すれば、配置スペースに余裕がある回路パターンの面積で容量の値C106〜C109を調整できるため、(3)式、(4)式、(7)式の関係を実現し易い。
上記では、回路パターンは金属基板203上に形成されているとしたが、ガラスエポキシ基板など、他の基板であってもよい。また、ここでは第1〜第4の容量106〜109を金属基板203上に形成された回路パターンと筐体(放熱板)204を一対の電極として形成する場合を例にとって説明したが、積層型セラミックコンデンサなどで形成してもよい。
また、この実施の形態1では、スイッチング素子104a〜104dをMOSFET、整流素子をダイオード110a〜110dとして説明したが、高周波駆動が可能で、スイッチング速度(dv/dt、di/dt)が速く、損失を小さくできるSiC、あるいはGaNなどのワイドバンドギャップ半導体を用いて構成してもよい。スイッチング速度(dv/dt)が速いと、第1〜第4の容量106〜109に流れる充放電電流量も多くなる。すなわち、ワイドギャップ半導体を用いて、本願を構成すれば、コモンモード電流となり得る容量の充放電電流を抑制でき、より電力変換装置の小型化、高効率化を実現できる。
本願は、例示的な実施の形態が記載されているが、実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
101 直流電源、104 単相インバータ(スイッチング回路)、
104a スイッチング素子、104b スイッチング素子、
104c スイッチング素子、104d スイッチング素子、
105 絶縁トランス(巻き数比N)、106 第1の容量、107 第2の容量、
108 第3の容量、109 第4の容量、110 整流回路、110a ダイオード、110b ダイオード、110c ダイオード、110d ダイオード、
111a リアクトル、111b リアクトル、114 負荷。

Claims (9)

  1. 絶縁トランスを備え、前記絶縁トランスの一次側端子にスイッチング回路が、二次側端子に整流回路がそれぞれ接続され、
    前記絶縁トランスの2つの一次側端子の内、一方の一次側端子とグランドとの間に第1の容量が、他方の一次側端子とグランドとの間に第2の容量がそれぞれ接続され、かつ、前記絶縁トランスの2つの二次側端子の内、一方の二次側端子とグランドとの間に第3の容量が、他方の二次側端子とグランドとの間に第4の容量がそれぞれ接続されており、
    前記第1の容量および前記第3の容量に流れる第1の充放電電流に対して、前記第2の容量および前記第4の容量に流れる第2の充放電電流は逆位相になっている電力変換装置。
  2. 前記絶縁トランスの一次側の巻き数に対する二次側の巻き数の比をN、前記第1の容量の値をC1[F]、前記第2の容量の値をC2[F]、前記第3の容量の値をC3[F]、前記第4の容量の値をC4[F]としたとき、
    C1+N×C3<2×(C2+N×C4)、および、C2+N×C4<2×(C1+N×C3)
    のうちいずれか一方の関係を満たすように、前記C1、C2、C3、C4が設定されている請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記スイッチング回路は、4つのスイッチング素子がフルブリッジ型に接続されている請求項1または請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記スイッチング回路は、対角状に配置された一対のスイッチング素子同士を交互にオンオフさせるハードスイッチング方式でスイッチングする請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 前記整流回路は、4つの整流素子がフルブリッジ型に接続されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記整流回路の出力に接続された一対のラインにそれぞれリアクトルが個別に設けられている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 一対の前記リアクトルは、互いにコアを共有する結合型リアクトルである請求項6に記載の電力変換装置。
  8. 前記スイッチング回路、および前記整流回路を構成する素子が表面実装されるとともに、回路パターンが印刷された回路基板、および前記回路基板が載置される前記グランドと同一の電位の筐体を備え、前記第1から第4の各容量は、前記回路基板の上記回路パターンと前記筐体とを一対の電極とする容量によって形成されている請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  9. 前記スイッチング回路を構成する各々のスイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体によって構成されている請求項1から請求項8いずれか1項に記載の電力変換装置。
JP2019181837A 2019-10-02 2019-10-02 電力変換装置 Active JP6818836B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019181837A JP6818836B1 (ja) 2019-10-02 2019-10-02 電力変換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019181837A JP6818836B1 (ja) 2019-10-02 2019-10-02 電力変換装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6818836B1 true JP6818836B1 (ja) 2021-01-20
JP2021058060A JP2021058060A (ja) 2021-04-08

Family

ID=74164728

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019181837A Active JP6818836B1 (ja) 2019-10-02 2019-10-02 電力変換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6818836B1 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021058060A (ja) 2021-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1760867B1 (en) Switching power supply unit
RU2534027C2 (ru) Устройство для преобразования электрического параметра, имеющее реактор с нулевой точкой
US9054599B2 (en) Power converter and integrated DC choke therefor
US7142440B2 (en) Ripple-current reduction for transformers
US10811958B2 (en) Water-cooling power supply module
US20180175741A1 (en) A galvanically isolated resonant power converter assembly
US10312801B2 (en) High power density inverter (II)
US10404186B2 (en) Power module systems and methods having reduced common mode capacitive currents and reduced electromagnetic interference
CN107148737A (zh) 功率转换装置以及功率用半导体模块
JP5423589B2 (ja) 半導体装置
CN110739859B (zh) 一种对称半桥谐振开环直流比例变换器
Kostov et al. Conducted EMI from SiC BJT boost converter and its dependence on the output voltage, current, and heatsink connection
CN113950727A (zh) 堆叠矩阵变压器
JP2014522231A (ja) 結合インダクタンスを備えるインバータ
JP6818836B1 (ja) 電力変換装置
CN114514683A (zh) Dc/dc转换器的功率半导体中的电流平衡
US11374485B2 (en) Filter unit and frequency inverter
CN111213310B (zh) 谐振直流-直流转换器
JP6045664B1 (ja) 電力変換装置
JP3324151B2 (ja) 直流電圧安定化電源装置
JP6316484B1 (ja) 電力変換器
JP2011147212A (ja) 電力変換装置のスナバ回路
Obara et al. Systematization of a Multilevel-Topology-Based Linear Amplifier Family for Noiseless DC–AC Power Conversion
JP7509078B2 (ja) 半導体モジュール
JP2018182880A (ja) 電力変換装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201228

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6818836

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250