JP6817656B2 - 液体炭化水素からアルカリ金属塩を含む粒子を分離するための方法 - Google Patents

液体炭化水素からアルカリ金属塩を含む粒子を分離するための方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2016年10月4日に出願された米国仮出願第62/404119号、2017年6月1日に出願された米国仮出願第62/513871号、および2017年3月1日に出願された米国出願第15/446299号の恩典および優先権を主張し、それらの出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
技術の分野
本技術は、例えば、アルカリ金属硫化物などのアルカリ金属塩を含む粒子を液体炭化水素から除去するためのプロセスに関する。さらに、炭素に富む固体を燃料に変換するためのプロセスに関する。
多くの石油供給原料を含む液体炭化水素は、有機硫黄化合物の形態の除去困難な硫黄、ならびに炭化水素の使用を妨げる金属および他のヘテロ原子含有化合物を含有することが多い。硫黄は、大気汚染を引き起こす可能性があり、石油処理に使用される触媒や自動車の排気ガスから炭化水素および窒素酸化物を除去するように設計された触媒に悪影響を与える可能性がある。ガソリン、ディーゼル、および船舶用バンカー燃料を含む燃料油などの炭化水素燃料中の硫黄の量を制限するという傾向が世界的に見られる。炭化水素流中に含有される金属はまた、水素が極端な条件下で反応して硫黄保有有機硫黄分子を分解する標準的なおよび改善された水素脱硫プロセスによる硫黄の除去に典型的に利用される触媒に悪影響を与えることもある。
ナトリウムは、石油系油留出物、原油、重油、ビチューメン、およびシェール油を含む高硫黄炭化水素の処理に潜在的に有効であると認識されている。ナトリウムは、硫化ナトリウム化合物(硫化物、多硫化物、および水硫化物)、ならびに他の副生成物を形成することによって、石油およびその汚染物質と反応して、硫黄、窒素、酸素、および金属の含有量を劇的に低減することができる。しかしながら、これらの副生成物を処理された供給原料から除去することは、困難であり得る。懸濁液および/または乳濁液である副生成物が形成され得、これは、標準的な分離技法を使用して完全に除去することができないことが多く、工業規模で効率的に行うことが困難であり得る。実際、ナトリウム金属または他のアルカリ金属を使用する大規模な脱硫は、この問題に部分的に起因して、通常の商業的使用はされない。
本技術は、アルカリ金属塩を含む粒子を液体炭化水素から分離するためのプロセスを提供する。そのような混合物は、そのようなヘテロ原子を含有する化合物で汚染された液体炭化水素(例えば、石油供給原料)から窒素、硫黄、酸素、および重金属を除去するためのアルカリ金属(それらの金属状態にある)の使用から生じる。本プロセスは、液体炭化水素中のアルカリ金属硫化物を含む粒子と元素硫黄との第1の混合物を少なくとも150℃の温度に加熱して、凝集粒子を含む硫黄処理された混合物を提供する。本プロセスは、硫黄処理された混合物から凝集粒子を分離して、脱硫された液体炭化水素および分離された固体を提供することをさらに含む。本技術は、脱硫された液体炭化水素から残留アルカリ金属を除去し、アルカリ金属の電気化学的再生のために分離された固体を調製するための方法をさらに提供する。生成された脱硫および脱金属された液体炭化水素は、典型的には、0.5重量%未満の硫黄および100ppm未満のアルカリ金属を有し、さらなる処理なしで、例えば、バンカー燃料の汚染物質限界を満たす。本プロセスは、炭素に富む固体を燃料に変換するためのプロセスにも適用可能である。
[本発明1001]
凝集粒子を含む硫黄処理された混合物を提供するために、液体炭化水素中のアルカリ金属硫化物を含む粒子と元素硫黄との第1の混合物を、少なくとも150℃の温度に加熱することと、
脱硫された液体炭化水素および分離された固体を提供するために、前記凝集粒子を前記硫黄処理された混合物から分離することと、
を含む、方法。
[本発明1002]
前記アルカリ金属硫化物が、硫化ナトリウムを含む、本発明1001の方法。
[本発明1003]
加熱中に前記第1の混合物を混合することをさらに含む、本発明1001または1002の方法。
[本発明1004]
前記第1の混合物が、約150℃〜約450℃の温度に加熱される、本発明1001〜1003のいずれかの方法。
[本発明1005]
前記第1の混合物が、約300℃〜約400℃の温度に加熱される、本発明1001〜1004のいずれかの方法。
[本発明1006]
圧力が、約15psi〜約1500psiである、本発明1001〜1005のいずれかの方法。
[本発明1007]
圧力が、約100psi〜約400psiである、本発明1001〜1006のいずれかの方法。
[本発明1008]
前記第1の混合物が、少なくとも15分の間加熱される、本発明1001〜1007のいずれかの方法。
[本発明1009]
前記第1の混合物が、15分〜約2時間の間加熱される、本発明1001〜1008のいずれかの方法。
[本発明1010]
前記粒子を含む液体炭化水素と元素硫黄を組み合わせることによって、前記第1の混合物を形成することをさらに含む、本発明1001〜1009のいずれかの方法。
[本発明1011]
前記第1の混合物が、アルカリ金属をその金属状態でさらに含む、本発明1001〜1010のいずれかの方法。
[本発明1012]
前記第1の混合物が、前記アルカリ金属硫化物中のアルカリ金属の重量に関して、1〜100重量%のアルカリ金属をその金属状態で含む、本発明1011の方法。
[本発明1013]
前記第1の混合物が、アルカリ金属酸化物、および/またはアルカリ金属以外の金属をさらに含む、本発明1001〜1012のいずれかの方法。
[本発明1014]
前記凝集粒子が、アルカリ金属硫化物および/またはアルカリ金属水硫化物を含む、本発明1001〜1013のいずれかの方法。
[本発明1015]
前記凝集粒子が、硫化ナトリウムおよび/または水硫化ナトリウムを含む、本発明1014の方法。
[本発明1016]
前記凝集粒子を前記硫黄処理された混合物から分離することが、前記硫黄処理された混合物を濾過、沈降、または遠心分離することを含む、本発明1001〜1015のいずれかの方法。
[本発明1017]
前記凝集粒子を前記硫黄処理された混合物から分離することが、前記硫黄処理された混合物を15℃〜150℃で遠心分離することを含む、本発明1001〜1016のいずれかの方法。
[本発明1018]
前記遠心分離が、120℃〜140℃で行われる、本発明1017の方法。
[本発明1019]
前記脱硫された液体炭化水素が、0.5重量%以下の硫黄を含有する、本発明1001〜1018のいずれかの方法。
[本発明1020]
前記脱硫された液体炭化水素が、残留アルカリ金属を含む、本発明1001〜1019のいずれかの方法。
[本発明1021]
前記残留アルカリ金属が、400ppm〜2000ppmで存在する、本発明1020の方法。
[本発明1022]
第2の混合物を形成するために、前記脱硫された液体炭化水素に塩形成物質を添加することをさらに含み、前記塩形成物質が、前記残留アルカリ金属をアルカリ金属塩に変換する、本発明1020または1021の方法。
[本発明1023]
前記物質が、元素硫黄、硫化水素、ギ酸、酢酸、プロパン酸、および水からなる群から選択される、本発明1022の方法。
[本発明1024]
添加される塩形成物質の量が、残留アルカリ金属のモル量の約1〜約4倍に等しい、本発明1022または1023の方法。
[本発明1025]
前記塩形成物質の添加が、少なくとも150℃の温度で行われる、本発明1022〜1024のいずれかの方法。
[本発明1026]
前記塩形成物質の添加が、約150℃〜約450℃の温度で行われる、本発明1022〜1025のいずれかの方法。
[本発明1027]
前記塩形成物質の添加が、少なくとも15psiの圧力で行われる、本発明1022〜1026のいずれかの方法。
[本発明1028]
前記塩形成物質の添加が、約50psi〜約2,500psiの圧力で行われる、本発明1022〜1027のいずれかの方法。
[本発明1029]
脱硫および脱金属された液体炭化水素を提供するために、前記アルカリ金属塩を前記第2の混合物から分離することをさらに含む、本発明1020〜1028のいずれかの方法。
[本発明1030]
前記アルカリ金属塩を除去し、前記脱硫および脱金属された液体炭化水素を提供するために、前記アルカリ金属塩を前記第2の混合物から分離することが、前記第2の混合物を濾過、沈降、または遠心分離することを含む、本発明1029の方法。
[本発明1031]
洗浄済み固体を提供するために、前記分離された固体を有機液体と混合することと、前記分離された固体を前記有機液体から分離することと、をさらに含む、本発明1001〜1030のいずれかの方法。
[本発明1032]
前記有機液体が、トルエン、キシレン、ヘキサン、およびディーゼルから選択される、本発明1031の方法。
[本発明1033]
前記洗浄済み固体を乾燥することをさらに含む、本発明1031または1032の方法。
[本発明1034]
前記アルカリ金属硫化物を含む粒子と液体炭化水素との混合物を提供するために、硫黄化合物を含む液体炭化水素を、金属状態の溶融アルカリ金属およびキャッピング剤と接触させることをさらに含む、本発明1001〜1033のいずれかの方法。
[本発明1035]
前記アルカリ金属が、ナトリウムである、本発明1034の方法。
[本発明1036]
前記キャッピング剤が、水素またはC1〜C6非環式炭化水素、硫化水素、アンモニア、またはそれらのうちの任意の2つ以上の混合物である、本発明1034または1035の方法。
[本発明1037]
前記接触が、250℃〜400℃の温度で起こる、本発明1034〜1036のいずれかの方法。
[本発明1038]
前記接触が、400〜1500psiの圧力で起こる、本発明1034〜1037のいずれかの方法。
[本発明1039]
前記アルカリ金属硫化物を含む粒子と液体炭化水素との前記混合物が、反応容器中で生成され、前記第1の混合物および硫黄処理された混合物が、別個の容器中で生成される、本発明1034〜1038のいずれかの方法。
[本発明1040]
前記アルカリ金属をその金属状態で電気化学的に生成することをさらに含む、本発明1034〜1039のいずれかの方法。
[本発明1041]
前記液体炭化水素、燃料、およびアルカリ金属硫化物を含む粒子の混合物を提供するために、石油コークスの少なくとも一部を液体燃料に変換するように、液体炭化水素中の、硫黄化合物を含む石油コークスのスラリーまたは浮遊物を、高温および高圧で、金属状態の溶融アルカリ金属およびキャッピング剤と接触させることをさらに含む、本発明1001〜1033のいずれかの方法。
[本発明1042]
前記石油コークスの前記スラリーまたは浮遊物が、前記石油コークスおよび液体炭化水素の総質量に基づいて、1重量%〜20重量%の石油コークスを含む、本発明1041の方法。
[本発明1043]
前記石油コークスの前記スラリーまたは浮遊物が、前記石油コークスおよび液体炭化水素の総質量に基づいて、3重量%〜15重量%の石油コークスを含む、本発明1041の方法。
[本発明1044]
前記液体炭化水素が、バージン原油、ビチューメン、精製中間体、または残留燃料油を含む、本発明1041〜1043のいずれかの方法。
[本発明1045]
前記アルカリ金属が、リチウム、ナトリウム、またはそれらの合金である、本発明1041〜1044のいずれかの方法。
[本発明1046]
前記アルカリ金属がナトリウムである、本発明1041〜1045のいずれかの方法。
[本発明1047]
前記前記キャッピング剤が、水素、C1〜C6の非環式炭化水素、硫化水素、アンモニア、およびそれらのうちの任意の2つ以上の混合物である、本発明1041〜1046のいずれかの方法。
[本発明1048]
前記高圧が、400psig〜1500psigである、本発明1041〜1047のいずれかの方法。
[本発明1049]
前記高温が、250℃〜400℃である、本発明1041〜1048のいずれかの方法。
[本発明1050]
液体燃料および無機固体に変換される前記石油コークスの部分が、少なくとも20重量%である、本発明1041〜1049のいずれかの方法。
[本発明1051]
前記液体燃料が、残留燃料油または精製供給原料である、本発明1041〜1050のいずれかの方法。
以上は本開示の概要であり、したがって、必然的に簡略化、一般化、および詳細の省略を含む。結果として、当業者は、その概要が例示的なものにすぎず、決して限定的であることを意図するものではないことを理解するであろう。特許請求の範囲によって定義されるように、本明細書に記載されるプロセスの他の態様、特徴、および利点が本明細書に記載され、添付の図面と併せて解釈される詳細な説明において明らかになるであろう。
本技術の上記および他の特徴および利点が得られる様式が容易に理解されるようにするために、簡単に上述される本技術のより具体的な説明は、添付の図面で例示されるその特定の実施形態を参照して説明される。これらの図面が本技術の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、その範囲を限定すると見なされるべきではないことを理解した上で、添付の図面を使用して追加の具体性および詳細ととともに本技術が記載および説明される。
アルカリ金属硫化物を含む粒子を液体炭化水素から分離するためのプロセス、および残留アルカリ金属を生成物炭化水素から除去し、アルカリ金属の再生のための分離された固体を調製するための任意の追加のプロセス、ならびに粒子と液体炭化水素との混合物を生成するアルカリ金属を使用して、不純物を石油から除去するためのプロセスの例示的な実施形態のプロセスフロー図を示す。 コークスを液体燃料に変換しながら、同時に硫黄、金属、および他のヘテロ原子を低減または除去するための本技術の例示的な実施形態のプロセスフロー図を示す。
技術の詳細な説明
次の用語は、以下に定義されるように全体を通して使用される。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、「a」および「an」および「the」などの単数形冠詞、ならびにこの要素を説明する文脈における(特に後続の特許請求の範囲の文脈における)類似の指示物は、本明細書において別段の記載がない限り、または文脈によって明確に矛盾することがない限り、単数形および複数形の両方を網羅するよう解釈される。本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書において別段の記載がない限り、この範囲内に収まる各個別の値に対して個別に参照する簡略表記法として機能するようにのみ意図されており、各個別の値は、本明細書で個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される方法はすべて、本明細書において別段の記載がない限り、または文脈によって明確に矛盾することがない限り、任意の好適な順序で実行することができる。本明細書で提供される任意のおよびすべての例、または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、実施形態をより良好に明らかにするようにのみ意図されており、別段の記載がない限り、特許請求の範囲に限定を与えるものではない。本明細書におけるいかなる言葉も、請求されていないあらゆる要素を不可欠なものとして示していると解釈されるべきではない。
本明細書で使用される場合、「約(about)」は、当業者に理解され、使用される文脈に応じてある程度変化する。当業者に明確でない用語の使用がある場合、それが使用される文脈を考慮すると、「約(about)」は、その特定の用語の最大でプラスまたはマイナス10%を意味する。
本技術は、アルカリ金属硫化物を含むアルカリ金属塩を含む粒子を液体炭化水素から分離するためのプロセスを提供する。分離プロセスは、バンカー油、ならびに石油系油留出物、原油、重油、ビチューメン、シェール油、および精製中間体流(例えば、溶媒脱アスファルトタール、スチームクラッキングタール、常圧または真空残渣、FCCスラリー、ビスブレーカータール、水素化処理装置、水素化分解装置または水素化転化ボトムス、コークスおよびアスファルト)を含むがこれらに限定されない液体炭化水素、ならびに液体炭化水素中の炭素に富む固体から、金属および他のヘテロ原子汚染物質を脱硫する、およびそうではない場合はそれらを除去するための一連のプロセスの一部として用いられ得る。
硫黄化合物(複数可)、ならびに任意に1つ以上の窒素化合物、酸素化合物、および重金属で汚染された液体炭化水素は、炭化水素を(金属状態の)溶融アルカリ金属、例えば、ナトリウム、カリウム、またはリチウム(または、それらの混合物および合金)と接触させてヘテロ原子を除去することによって脱硫および除染され、アルカリ金属硫化物を含む粒子と液体炭化水素との混合物を提供することができる。キャッピング剤は、典型的には、硫黄および他のヘテロ原子がアルカリ金属によって引き抜かれたときに形成されるラジカルをキャッピングするために使用される。キャッピング剤は、水素、C1〜6非環式アルカン、C2〜6非環式アルケン、硫化水素、アンモニア、またはそれらのうちの任意の2つ以上の混合物であり得る。接触ステップは、約250℃〜約400℃、例えば、約250℃、約300℃、約350℃、約400℃、または前述の温度のうちの任意の2つの温度間およびそれらを含む範囲の温度で行われ得る。いくつかの実施形態では、接触は、約300℃〜約400℃(例えば、350℃)で起こる。接触は、約400〜約1500psi、例えば、約400psi、約500psi、約600psi、約750psi、約1000psi、約1250psi、約1500psi、または前述の値のうちの任意の2つの値間およびそれらを含む範囲の圧力で起こり得る。
接触ステップで使用される金属状態のアルカリ金属の量は、液体炭化水素のヘテロ原子汚染物質のレベル、使用される温度、および他の条件によって変化するであろう。例えば、硫黄、窒素、または酸素1モル当たり1〜3モル当量の金属アルカリ金属および1〜1.5モルのキャッピング剤(例えば、水素)が必要とされ得る。加えて、過剰な金属アルカリ金属が完了に向けて反応を促進させるために使用され得、例えば、モル当量に基づいて10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%以上の過剰な金属アルカリ金属が使用され得る。いくつかの実施形態では、使用される溶融アルカリ金属は、ナトリウム金属である。例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれる、US8,088,270の電気化学的に生成されたナトリウムを含むがこれらに限定されない、任意の好適な溶融アルカリ金属源が使用され得る。
液体炭化水素中での金属アルカリ金属とヘテロ原子汚染物質との反応は比較的速く、数秒ではないとしても数分以内に完了する。液体炭化水素と金属アルカリ金属との組み合わせを混合することは反応をさらに速め、これは、工業的規模でのこの反応に一般的に使用される。したがって、いくつかの実施形態では、接触ステップは、1分から約5、約6、約7、約9、約10、約15分間、もしくは約20分間行われるか、または前述の値のうちの任意の2つの値間およびそれらを含む範囲の時間の間で実行される。
前述の脱硫反応は、アルカリ金属硫化物を含む粒子と液体炭化水素とを含む混合物を生成する。粒子は非常に微細であり(例えば、<10μm)、特に、液体炭化水素が高い粘度を有する、例えばボトムスおよび燃料油の場合、現在のところ、標準的な分離技法(例えば、濾過または遠心分離)では、完全に除去することができない。さらに、未反応の金属アルカリ金属が、そのような混合物中に存在し得る。粒子を分離し、脱硫された液体炭化水素を提供するためには、以下に記載されるようなさらなる処理が必要である。液体炭化水素が特に高粘度であるいくつかの場合では、炭化水素供給物は、任意選択で、アルカリ金属との反応前に、例えば、300〜450°Cで30〜60分間、熱前処理される。そのような熱処理は、液体炭化水素のヘテロ原子含有量を低減し、必要とされるアルカリ金属の量を低減し、かつ後続の分離ステップを単純化することができる。
驚くべきことに、液体炭化水素中のアルカリ金属硫化物(例えば、硫化ナトリウム)を含む粒子と元素硫黄との第1の混合物を少なくとも150℃の温度に加熱することを含む分離プロセスが、現在分離可能である凝集粒子を含む硫黄処理された混合物を提供することが分かった。したがって、分離プロセスは、硫黄処理された混合物から凝集粒子を分離して、脱硫された液体炭化水素および分離された固体を提供することをさらに含む。
分離プロセスは、加熱中に第1の混合物を混合することを含み得る。条件(例えば、混合が使用されるかどうか、および温度がどの程度高いかなど)に応じて、第1の混合物は、より長いかまたはより短い時間の間加熱され得る。いくつかの実施形態では、時間は、少なくとも15分である。他の実施形態では、第1の混合物は、約15分〜約2時間、例えば、約15分、約30分、約45分、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間、約2時間、または前述の値のうちの任意の2つの値間およびそれらを含む範囲の間加熱される。
分離プロセスのいくつかの実施形態では、第1の混合物は、約150℃〜約450℃、例えば、約150℃、約200℃、約250℃、約300℃、約350℃、約400℃、約450℃、または前述の値のうちの任意の2つの値間およびそれらを含む範囲の温度に加熱される。いくつかの実施形態では、第1の混合物は、約300℃〜約400℃の温度に加熱される。
分離プロセスが行われる圧力は重要ではなく、大気圧を含む広範囲の圧力で行われ得る。いくつかの実施形態では、圧力は、約15psi〜約1500psi、例えば、約15psi、約25psi、約50psi、約100psi、約200psi、約300psi、約400psi、約500psi、約750psi、約1000psi、約1250psi、約1500psi、または前述の値のうちの任意の2つの値間およびそれらを含む範囲であり得る。より一般的には、圧力は、約100psi〜約400psiであり得る。分離プロセスが行われる容器内の加圧ガスは、(主に)水素を含むが、CO、CO2、S、ならびにC1−6アルカンおよびアルケン(例えば、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロペン、ブタンなど)のうちの1つ以上も含み得る。
アルカリ金属硫化物に加えて、第1の混合物は、本明細書で「残留アルカリ金属」とも称されるアルカリ金属をその金属状態で含み得る。これは、液体炭化水素とアルカリ金属硫化物の粒子との混合物を生成するためにモル過剰の金属アルカリ金属が使用された場合に特に当てはまる。分離プロセスのいくつかの実施形態では、第1の混合物は、アルカリ金属硫化物中のアルカリ金属の重量に関して、1〜100重量%のアルカリ金属をその金属状態で含む。第1の混合物は、アルカリ金属酸化物、および/またはアルカリ金属以外の金属も含み得る。
添加される元素硫黄の量は、存在する遊離ナトリウム原子2当量あたり約0.5当量から約2またはさらには約3当量の硫黄原子の範囲(すなわち、イオン状態ではなく金属状態にある量)であり得る。いくつかの実施形態では、添加される元素硫黄の量は、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.5、1.75、2、2.5、3.0当量、または前述の値のうちの任意の2つの値間およびそれらを含む範囲である。いくつかの実施形態では、0.8〜1.2当量の元素硫黄が添加される。元素硫黄の添加量に応じて、凝集粒子は、アルカリ金属硫化物および/またはアルカリ金属水硫化物(例えば、硫化ナトリウム(NaS)または水硫化ナトリウム(NaHS))を含み得る。驚くべきことに、化学量論量を超える元素硫黄が添加されたとき(すなわち、ナトリウム原子2当量あたり1当量を超える硫黄原子)、予想されていた多硫化ナトリウムよりもむしろ水硫化ナトリウムが形成され始めたことが発見された。したがって、いくつかの実施形態では、アルカリ金属水硫化物が優勢であり得る。
分離プロセスのいくつかの実施形態では、硫黄処理された混合物から凝集粒子を分離することは、硫黄処理された混合物を濾過、沈降、または遠心分離して、分離された固体を提供することを含む。硫黄処理された混合物から凝集粒子を分離することは、硫黄処理された混合物を、例えば、約15℃〜約150℃で遠心分離することによって簡便に実行され得る。いくつかの実施形態では、遠心分離は、約120℃〜約140℃で行われる。
いくつかの実施形態では、分離プロセスは、分離された固体を、(分離された固体上のあらゆる液体炭化水素を溶解するのに好適な)有機液体と混合し、分離された固体を有機液体から分離して、洗浄済み固体を提供することをさらに含む。トルエン、キシレン、ヘキサン、ディーゼル(例えば、コーカーディーゼル)、および/または凝縮液(例えば、BTX凝縮液)を含むがこれらに限定されない任意の好適な有機液体が使用され得る。残存の脱硫された液体炭化水素を含有する洗浄液体は、再使用のために有機液体を回収するための回収プロセス(例えば、蒸留)に送られ得るか、または生成油として脱硫された液体炭化水素と混合され得る。洗浄済み固体は、必要に応じて標準的な手段を使用して乾燥され、米国特許第8,088,270号に記載されているように電解され、再使用のために金属アルカリ金属(例えば、ナトリウム)を回収することができる。
分離プロセスから得られた脱硫された液体炭化水素は、典型的に、0.5重量%以下の硫黄を含有する。いくつかの実施形態では、脱硫された液体炭化水素は、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、0.1重量%、さらには0.05重量%以下の硫黄を含有する。ある特定の実施形態、特に、より低い硫黄含有量の炭化水素とブレンドすることを意図された実施形態では、脱硫された液体炭化水素は、0.5重量%をわずかに超える、例えば、0.6重量%の硫黄を含有する。したがって、いくつかの実施形態では、脱硫された液体炭化水素は、約0.05重量%〜約0.6重量%を含有する。アルカリ金属硫化物および金属が液体炭化水素から分離されると、硫黄および金属が実質的に除去され、かつ窒素が適度に除去され、また、粘度と密度の両方が低減する(APIの重力が増加する)。
脱硫された液体炭化水素の性質に応じて、少なからぬ含有量の、例えば、最大1重量%、時にはそれを超える含有量のアルカリ金属が残る場合がある。いくつかの実施形態では、そのような残留アルカリ金属は、約400ppm〜約10,000ppm、例えば、約400、約600、約800、約1,000、約1,200、約1,400、約1,600、約2,000、約2,500、約3,000、約4,000、約5,000、約7,500、さらには約10,000ppm、または前述の値のうちの任意の2つの値間およびそれらを含む範囲のレベルで存在する。アルカリ金属含有量の一部は、重金属が元々位置を保持していた部位でイオン的に会合しているか、またはナフテン酸とイオン的に会合しているか、または金属状態で微細に分散しているか、石油の有機分子に依然として結合している硫黄、酸素、もしくは窒素とイオン的に会合している可能性がある。
アルカリ金属含有量は大部分の製品用途では許容されず、大部分の下流精製プロセスもまたアルカリ金属の存在に敏感であるため、石油からの残留アルカリ金属の除去が必要とされる。また、相当量のアルカリ金属をシステムから分離すべき場合、処理を維持するために大量の補給が必要となるであろう。
したがって、別の態様では、本技術は、脱硫された液体炭化水素に塩形成物質を添加して、第2の混合物を形成することを含む脱金属プロセスを提供し、ここで、塩形成物質は、残留アルカリ金属をアルカリ金属塩に変換する。得られる塩が液体炭化水素から容易に除去される限り、任意の好適な塩形成物質が使用され得る。いくつかの実施形態では、塩形成物質は、元素硫黄、硫化水素、ギ酸、酢酸、プロパン酸、および水からなる群から選択され得る。いくつかの実施形態では、酢酸ナトリウム塩を形成するために酢酸が使用され得、これは、それらの固体形態で除去するのが比較的容易である。典型的には、添加される塩形成性物質の量は、残留アルカリ金属のモル量の約1〜約4倍、例えば、1、1.25、1.5、2、2.5、3、3.5モル当量、または前述の値の任意の2つの値間およびそれらを含む範囲に等しい。例えば、いくつかの実施形態では、その量は、約1〜約2モル当量に等しい。
いくつかの実施形態では、塩形成物質の添加は、少なくとも150℃の温度、例えば、約150℃、約200℃、約250℃、約300℃、約350℃、約400℃、約450℃、または前述の値のうちの任意の2つの値間およびそれらを含む範囲内の温度で行われ得る。いくつかの実施形態では、塩形成物質の添加は、約150℃〜約450℃の温度で行われ得る。
ある特定の実施形態では、塩形成物質の添加は、少なくとも約15psiの圧力で行われる。いくつかの実施形態では、塩形成物質の添加は、約15psiの圧力、約25psi、約50psi、約100psi、約150psi、約200psi、約250psi、約300psi、約400psi、約500psi、約1,000psi、約1,500psi、約2,000psi、約2,500psi、または前述の値のうちの任意の2つの値間およびそれらを含む範囲の圧力で行われる。例えば、いくつかの実施形態では、添加は、約50psi〜約2,500psiで行われる。
脱金属プロセスは、アルカリ金属塩を第2の混合物から分離して、脱硫および脱金属された液体炭化水素を提供することを含み得る。例えば、アルカリ金属塩を第2の混合物から分離することは、第2の混合物を濾過、沈降、または遠心分離して、アルカリ金属塩を除去し、脱硫および脱金属された液体炭化水素を提供することを含み得る。
本技術の本実施形態は、図面を参照することによって理解することができ、図面全体を通して、同様の部分は同様の番号で示される。本技術の構成要素は、本明細書の図に概ね記載および例示されているように、多種多様な異なる構成で配置および設計され得ることが容易に理解されるであろう。したがって、図1に表されるような本技術の方法およびシステムの実施形態の以下のより詳細な説明は、特許請求の範囲に記載の技術の範囲を限定することを意図するものではなく、本技術の本実施形態の表示にすぎない。特に、本技術はアルカリ金属硫化物の任意の混合物を液体炭化水素から分離するのに用いられ得るが、図1は、混合物がアルカリ金属と、有機硫黄化合物で汚染された液体炭化水素との反応によって生成される実施態様を示す。脱硫された炭化水素から残留アルカリ金属を除去するため、およびさらなる処理のために分離されたアルカリ金属硫化物を調製するための任意選択のプロセスも記載される。
図1に示すように、石油供給原料10は、反応器202に入る前に約150℃〜約350℃に予熱するために任意の熱交換器101を通して供給され得る。溶融状態のアルカリ金属12も、水素および/またはメタン、エタン、天然ガスなどの炭化水素であり得るラジカルキャッピング剤14ととともに反応器に供給される。アルカリ金属は、典型的には、ナトリウム金属であるが、リチウム金属、カリウム金属、またはこれらの金属の任意の2つ以上を含有する合金もしくは混合物でもあり得る。反応器は、アルカリ金属の溶融温度を超える温度範囲、典型的には150〜400℃であるが、より好ましくは300〜360℃でバッチ式または連続的に操作されて、より速い反応速度を提供し、熱割れを低減または回避し得る。反応は、典型的には500〜2000psiの圧力で行われる。これらの条件下で、アルカリ金属はしばしば、数分(例えば、1〜20分)で硫黄および他のヘテロ原子汚染物質と反応して、アルカリ金属硫化物を含むアルカリ金属塩の微粒子を形成する。例えば、米国特許第8,088,270号を参照されたい。
得られた液体炭化水素とアルカリ金属塩/硫化物粒子との混合物は、ライン15を通って反応器を出て、熟成容器204に供給される。そこで、それは、ライン16を介して好都合には(しかし、そうである必要はない)液体形態(例えば、130℃〜160℃)で元素硫黄と組み合わされ得、15〜120分の間、典型的には混合しながら、少なくとも約150℃の温度に加熱される。より典型的には、混合物は、約300℃〜約450℃、またはいくつかの実施形態では、約300℃〜約400℃に加熱される。反応器202および容器204内のプロセスは、好ましくは連続的に実行されるが、プロセスがバッチ式に実行される場合には、それらは同じ容器内で実行され得る。硫黄処理された混合物は凝集粒子を含み、ライン17を介して容器204を出て、任意の熱交換器103に流れ込み、ここで、熱が除去され、任意選択で熱交換器101を介して液体炭化水素供給物に戻され得る。冷却された硫黄処理された混合物(例えば、約60〜180℃、またはさらに約100〜140℃)は、典型的には遠心分離機を含むが濾過装置も含み得る固体/液体分離装置206にライン18を介して供給される。分離された固体30は、さらなる処理のために分離装置を出る。得られた脱硫された液体炭化水素は、固体を含まないか、または実質的に含まないが、約400〜約4,000ppm以上の残留アルカリ金属をその金属形態で含有し得る。
脱硫された液体炭化水素は、ポンプ105を使用してライン19を通って分離装置206からポンプ送達され、脱硫された液体炭化水素を約250℃〜約350℃に加熱する任意の熱交換器107が存在する場合は、ライン20を通って送られる。そこから、脱硫された液体炭化水素は、ライン21を通って流れ、上述されるようにライン24からの酢酸などの塩形成物質と組み合わされる。酢酸または他の塩形成物質と残留アルカリ金属との組み合わせは、アルカリ金属塩を含む追加の固体を形成する。これらの固体は、第2の分離装置208(例えば、遠心分離機)によって除去されて、脱硫および脱金属された液体炭化水素生成物26およびアルカリ金属塩固体28が得られる。
装置206から分離された固体30は、シュートまたは他の好適な手段を介して洗浄タンク210に輸送され、ここで、それらは、トルエン、キシレン、ヘキサン、ディーゼル、凝縮液、もしくはそれらのうちの任意の2つ以上の組み合わせ、または洗浄に好適な他の有機液体などの有機液体32(上記で定義)と混合される。ここで、洗浄済み固体は、ポンプ109を使用してライン33を通って洗浄タンクにポンプ送達され、ライン34を通って別の固体−液体分離装置212にポンプ送達され、ここで、大部分の有機液体35が回収される。回収された有機液体が、例えば、ディーゼルである場合、それは、後で製品として販売するために他の脱硫された液体炭化水素ととともに貯蔵される。回収された有機液体が燃料生成物ではない場合、それは、洗浄液として再使用される。洗浄済み固体は、乾燥機に輸送され、ここで、一切の残留有機洗浄液体が乾燥機214内で除去される。乾燥ステップでは、洗浄済み固体が、非酸化性雰囲気中で、例えば、150〜350°Cの温度に加熱されて、洗浄タンク210中の洗浄液体としてプロセスに戻され得る洗浄液体38を、回収する。乾燥機は、パドル乾燥機、スプレー乾燥機、または間接燃焼窯を含む任意の市販のプロセスであり得る。乾燥洗浄済み固体は、例えば、米国特許第8,088,270号または同第8,747,660号に記載されているように、例えば、アルカリ金属をその金属状態で回収するための電気化学的処理によるリサイクルができる状態になっている。
別の態様では、本技術はまた、炭素に富む固体を燃料に変換するためのプロセスを提供する。炭素に富む固体(室温)は、少なくとも75重量%の炭素を含有する固体である。例としては、石油コークス、アスファルテン、および石炭が挙げられる。そのような炭素に富む固体は、一般的に、本プロセスによる処理の前に少なくとも0.5重量%の硫黄を有する。したがって、一態様では、本技術は、上記のように溶融アルカリ金属およびキャッピング剤(水素、C1〜6非環式アルカン、C2〜6非環式アルケン、硫化水素、アンモニア、またはそれらのうちの任意の2つ以上の混合物)を用いて、液体炭化水素中で少なくとも0.5重量%の硫黄を有する炭素に富む固体のスラリーおよび浮遊物を処理することを含むプロセスを提供する。このプロセスは、高温および高圧で行われる。本プロセスは、炭素に富む固体の少なくとも一部を液体燃料(例えば、残留燃料または精製供給原料)、およびアルカリ金属硫化物を含む粒子に変換する。液体燃料は、出発固体と比較して、硫黄、金属、およびヘテロ原子の含有量が低減され、例えば、硫黄が0.2重量%以下、さらには0.1重量%以下である。本技術の液体燃料は、液体状態で使用され、かつ燃料として燃焼され得る任意の炭化水素または炭化水素混合物を含む。したがって、液体燃料としては、ガソリン、灯油、およびディーゼルだけでなく、燃料油、残留燃料などが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、高温および高圧で、溶融アルカリ金属および1つ以上のキャッピング剤を用いて、液体炭化水素中の、石油コークスのスラリーまたは浮遊物を処理して、石油コークスの少なくとも一部を液体燃料、および液体炭化水素と混合した無機固体に変換することを含む。
炭素に富む固体、例えば、石油コークスは、液体炭化水素に可溶でなく、したがって、スラリーまたは浮遊物として存在する。固体および液体炭化水素の総質量に基づいて、スラリーまたは浮遊物は、例えば、1重量%〜20重量%を含み得る。スラリー/浮遊物は、この範囲内、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20重量%など、あるいは1〜15重量%、3〜15重量%、または4もしくは5重量%〜10もしくは11重量%などの前述の値のうちの任意の2つの値間およびそれらを含む範囲内の任意の好適な割合の、炭素に富む固体を含み得ることが理解されるであろう。
スラリーまたは浮遊物における、使用される液体炭化水素は、良好なスラリーまたは浮遊物の両方を提供し、生成された液体燃料を溶解するように選択される。したがって、例えば、室温で800〜1100kg/mの密度を有する炭化水素を含む、石油コークスまたは他の炭素に富む固体を流動化するのに十分な密度を有する重質炭化水素が使用され得る。好適な密度は、800、900、1000、および1100kg/m、または前述の値のうちの任意の2つの値間およびそれらを含む範囲を含む。好適な液体炭化水素は、流動接触分解スラリー、水素化分解ボトムもしくは真空残留、シェール油、または残留燃料油などのバージン原油、ビチューメン、精油中間体を含み、本プロセスによって生成されている液体燃料と同一でも異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、液体炭化水素自体は、それが硫黄、ならびに任意に、窒素、酸素、および金属(例えば、バナジウム)などの他のヘテロ原子を含むため、脱硫を必要とする組成物の一部であり得る。
液体炭化水素に懸濁する前に、石油コークスまたは他の炭素に富む固体は、粉末または粉塵に圧砕および粉砕して、粒径を低減し、溶融アルカリ金属との反応を促進する。例えば、固体は、大部分の粒子が1mm以下の直径を有するように粉砕され得る。いくつかの実施形態では、大部分の粒子は、1μm〜1mmのサイズの範囲である。
本発明のプロセスでは、溶融アルカリ金属(すなわち、その金属状態)は、コークス(または、他の炭素に富む固体)と反応し、燃料として使用され得る液体炭化水素を形成すると考えられる。いくつかの実施形態では、アルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、またはそれらの合金であり得る。理論に縛られることを望まないが、本発明のプロセスのあいだ、アルカリ金属、例えば、ナトリウムは、次の反応に従ってコークスおよび水素と反応すると考えられる。
R−S−R’+2Na→R・+R’・+NaS(式1)
R・+R’・+H→R−H+R’−H(式2)
これらの化学式では、RおよびR’は、コークス中に見られる炭素に富む有機成分を表し、各々は、硫黄原子に共有結合している。ナトリウムは酸化して、炭素に富む有機成分RおよびR’に電子を放出して、反応性ラジカルを形成すると考えられる。これらのラジカルは、水素(すなわち、H)などのキャッピング剤と反応して、炭素に富む炭化水素分子R−HおよびR’−Hを形成し得る。新しい分子R−HおよびR’−Hは、元の分子R−S−R’よりも短く、より低い比重を有し、炭化水素液体への溶解に好適であるため、得られる液相の質量および体積が増加する。固相は、硫化ナトリウムを含む無機成分と、溶液に入らない任意のコークスとを含むが、金属、アルカリ酸化物および水酸化物、ならびに窒化物などの他の無機成分も含む。固体は、遠心分離、濾過、または重量沈降を含む多くの方法のうちの1つによって液体から分離され得る。
石油コークスなどの炭素に富む固体の燃料への変換のための反応条件は、液体炭化水素単独の脱硫のためと同じ範囲内であり、上述される通りである。例えば、ラジカルキャッピング剤は、水素、メタン、または液体炭化水素の脱硫のための上述されるような他の薬剤であり得る。同様に、変換反応は、上述される脱硫反応と同じ範囲の高圧および高温で行われる。
本発明のプロセスを利用して、炭素に富む固体のかなりの部分がアルカリ金属硫化物を含む液体燃料および粒子に変換される。例えば、液体燃料に変換された石油コークスおよびアルカリ金属硫化物を含む粒子の部分は、少なくとも20重量%であり得る。いくつかの実施形態では、変換される部分は、少なくとも20、30、40、もしくは50重量%、または前述の値のうちの任意の2つの値間およびそれらを含む範囲、たとえば20〜50重量%である。
アルカリ金属およびキャッピング剤との反応後、アルカリ金属で処理されたスラリーは、炭素に富む固体の未反応粒子だけでなく、アルカリ金属塩を含む粒子を含有し得る。これらの粒子は、本明細書に記載のものと同じ元素硫黄プロセスを使用して液体炭化水素/燃料混合物から分離され得る。さらに、本明細書に記載される後続のプロセスのいずれも、硫黄処理された液体炭化水素および分離された固体を処理するためにも用いられ得る。あるいは、アルカリ金属硫化物含有固体を燃料スラリーから分離するのを助けるために、本明細書に記載されるのと同じ温度および圧力で混合しながら、硫黄の代わりに水または硫化水素が使用され得る。好ましい場合には、米国特許第9,688,920号(参照により本明細書中に組み込まれる)の分離プロセスが使用され得る。
本技術のプロセスは、アルカリ金属硫化物を含む粒子および一切の残留炭素に富む固体(例えば、石油コークス)を、液体炭化水素と液体燃料との混合物から分離することをさらに含み得る。液体炭化水素と粒子との第1の混合物に関して上述されるのと同じ技法がこの態様にも使用され得る。
当業者は、追加の加熱器および冷却器が種々の容器と反応器との間に配置されて、石油もしくはスラリーを適切な処理操作温度に加熱もしくは冷却するか、または処理中に発生する熱をより容易に回収することができることを理解するであろう。
図2は、本プロセスの例示的な実施形態を示す。細かく粉砕された(例えば、粒子の大部分が1μm〜1mm)石油コークス40は、液体炭化水素の流れ、例えば、石油供給原料10に添加される。得られたスラリーまたは浮遊物は、それが、アルカリ金属12(例えば、金属ナトリウム)、ならびにラジカルキャッピング剤14、例えば、水素ガス、メタンおよび/もしくは他の炭化水素、硫化水素、またはアンモニア(または、任意の2つ以上の混合物)と高温および高圧で組み合わされる反応器202に供給される。反応条件下で、アルカリ金属は、溶融状態にある。反応物は、ある時間の間(例えば、5〜60分)、混合機306によって反応器内で混合されて、コークスの液体燃料への変換を起こし、ヘテロ原子(例えば、硫黄および窒素)および他の重金属が液体炭化水素供給原料10およびコークス40から除去される。生成物、脱硫された供給原料の混合物、液体燃料、ならびにアルカリ金属硫化物、窒化物、重金属、および未反応コークスなどの無機固体は、熟成容器204に送られ、ここで、混合物は、図1に関して上述されるように元素硫黄16を用いて処理される。(任意選択で冷却された)硫黄処理された混合物は、典型的には遠心分離機を含むが濾過装置も含み得る固体/液体分離装置206に供給される。分離された固体30は、さらなる処理のために分離装置を出、石油コークスから生成された液体燃料を含有する改良された石油供給原料39は、図1に関して上述されるようにさらに処理され得る。固体30は、例えば、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属窒化物、重金属、および未反応の残留コークスを含み得る。固体110は、アルカリ金属を再生するために、図1に関して記載されるようにさらに処理され得る。
実施例1−ナトリウムを用いた脱硫、その後の硫黄処理、および固体分離
本質的に図1に示すような連続系を使用して、以下の条件下で、真空残油供給原料をパイロットプラント内でナトリウム金属を用いて処理して、処理された石油と硫化ナトリウムを含む微粒子との混合物を得た。
石油供給量:66kg/時間
ナトリウム供給量:2.1kg/時間
水素供給量:250g/時間
反応温度:352℃
反応圧力:1425psi
石油と微粒子との混合物のアリコートを、以下のバッチ条件下で元素硫黄と混合した(表1)。油中に残っている硫黄の量を測定した。
Figure 0006817656
実施例2−ナトリウムを用いた連続脱硫、その後の連続硫黄処理、および固体分離
本質的に図1に示すような連続系を使用して、以下の4つの試験条件下で、真空残油供給原料をパイロットプラント内でナトリウム金属を用いて処理して、処理された石油と硫化ナトリウムを含む微粒子との混合物を得た。
Figure 0006817656
試験2A〜2Dは、図1および下記の表3に示す試験3A〜3Dの条件に従って、本分離プロセスを使用して、パイロットプラントで連続様式で処理されたナトリウム反応石油供給原料と硫化ナトリウムを含む粒子との4つの混合物を提供した。脱硫された液体炭化水素中の硫黄の量を測定した。
Figure 0006817656
実施例3−脱硫された液体炭化水素からの残留ナトリウムの除去
実施例2の手順に従って脱硫および固体の分離を行った後、脱硫された液体炭化水素を図1のプロセスに従って、かつ下記の表4に示す条件下で酢酸と酢酸ナトリウムとの混合物を用いて処理した。
Figure 0006817656
示されている以外の連続条件
実施例4−石油コークスの脱硫
10グラムの石油コークスを90グラムの残留燃料油と混合し、80℃に加熱し、次いで、同じ温度で遠心分離した。残留燃料油から分離された石油コークス固体。石油コークスおよび残留燃料は、下記の表5に示す組成を有した。
Figure 0006817656
実施例5:
実施例4からの残余燃料油との石油コークスの5重量%混合物を調製した。700グラムをガス誘導インペラーおよび冷却ループを備えた1.8LのParr反応器に入れた。反応器を水素でパージした。パージした後、試料を358℃の操作温度に加熱し、1514psigの圧力にした。22.71グラムの溶融ナトリウムを電磁ポンプを使用して反応器にポンプ注入した。流れを測定しながら、水素をシステム内にポンプ注入することによって水素圧を維持した。実験の終わりに、反応器内容物を冷却させた。ガスをゆっくりと放出した。流量計を使用してガスの流速測定し、Agilent Technologiesガスクロマトグラフ、モデル7890Aを使用して分析した。反応器内容物を遠心分離して、固体を液体から分離し、次いで、トルエンを用いて固体をすすいで、付着した液体を除去した。回転蒸発装置を使用してトルエンのすすぎ液を蒸発させ、残った液体を遠心分離した液体に添加した。固体をペンタンで再度すすいだ。回転蒸発装置を使用してペンタンのすすぎ液を蒸発させ、残った液体を遠心分離機からの液体と合わせた。固体および液体を元の試料と同じ手法で特徴付け、液体収量を決定するために質量残余を計算した。最終液体は、下記の表6に示す組成を有した。
Figure 0006817656
水素消費量は、14.7標準リットルであった。液体収量は、94.8重量%であった。十分な量の硫黄、ならびに少量の窒素を除去した。ほぼ6%の硫黄を保有する35グラムの充填コークスのうち、約11.3グラムが生成物液体中に入り、ここで、生成物は、わずか0.26%の硫黄であった。したがって、コークスの硫黄部分を除いて、33グラムが充填された。したがって、固体コークスの約34重量%が液相燃料生成物に入った。初期の残留燃料が994kg/mの比重を有する一方で、コークスを追加した脱硫された生成物は、980kg/mであった。残留物と考えられる材料の割合は、表7に示す通りであった。
Figure 0006817656
実施例6:
5重量%の石油コークスではなく、10重量%のコークスを調製し、次いで、21.07グラムのナトリウムのみを添加し、操作圧力を1499psigとわずかに低くした以外は同じ様式で操作して、実施例5を繰り返した。最終液体は、表7に示す組成を有した。
Figure 0006817656
水素消費量は、17.1標準リットルであった。液体収量は、85.45重量%であった。十分な量の硫黄、ならびに少量の窒素を除去した。ほぼ6%の硫黄を保有する70グラムの充填コークスのうち、約19.4グラムが生成物液体中に入り、ここで、生成物は、わずか0.17%の硫黄であった。したがって、コークスの硫黄部分を除いて、65.9グラムが充填された。したがって、固体コークスの約29%が液相燃料生成物に入った。初期残留燃料が994kg/mの比重を有する一方で、コークスを追加した脱硫された生成物は、984kg/mであった。
脱硫された生成物中の比重に基づいて、最終燃料は依然として残留燃料であるが、今やそれは、非常に大きな需要がありかつ留出物と同様の価格に抑えるという硫黄規格を満たし、同時に出発原料、特にコークスの価格が、この生成物の価格を大幅に下回るものとされるであろう。
固体は、ナトリウムが再生されて本プロセスにリサイクルされ得るように、米国特許第8,088,270号のGordon et.al.の手順に従って処理され得る。
当然ながら、選択されたものではなく、炭素に富む有機分子を溶解することができる他の炭化水素液体を利用することができた。例えば、溶解液体が低い硫黄含有量を既に有する場合、より少ないナトリウムを反応に添加することができ、より少ない水素供与が必要とされ得る。5%のコークスが添加された場合、脱硫されたコークスの34%が液相に入り、一方で、10%のコークスが添加された場合は、脱硫されたコークスの29%のみが液相に入ったことが留意され得る。しかし、コークスの価値が非常に低く、生成物の価格が留出物と同様である場合は、液相に入る許容される割合がより低いほうが依然として望ましい場合がある。逆に、より少ない相対量のコークスを加えると、液相に入る割合がより高いことが予想される。また、他の液体も処理済みコークスの溶解度を増加させるのに役立つ場合がある。例えば、アスファルテンは、トルエンに可溶である。特定の炭化水素を添加することは、溶融ナトリウムで処理された石油コークスの溶解度を増加させるのに役立つ可能性があり、かつ本発明の範囲の一部である。
等価物
ある特定の実施形態が例示および記載されているが、当業者は、前述の明細書を読んだ後、本明細書に記載されるような本技術のプロセスおよびそれらの生成物に対する変更、等価物の置き換え、および他の種類の改変をもたらしてよい。上述される各態様および実施形態は、他の態様および実施形態のいずれかまたはすべてに関して開示されるそのような変形もしくは態様も含み得るか、またはそれらとともに組み込まれ得る。
本技術はまた、本明細書に記載される特定の態様の点で限定されず、このことは、本技術の個別の態様の単一の例示として意図されている。本技術の多くの変更および変形は、当業者に明らかであるように、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく行うことができる。本技術の範囲内の機能的に等価の方法は、本明細書において列挙されたものに加えて、前述の説明から当業者に明らかになるであろう。そのような変更および変形は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。本技術は、特定の方法、供給原料、組成物、または条件に限定されず、これらは当然ながら変化し得ることが理解される。本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明する目的のためだけにあるのであって、限定することを意図するものではないということも理解される。したがって、本明細書は、添付の特許請求の範囲、この範囲にある定義、およびそれらの任意の等価物によってのみ示される本技術の幅、範囲、および主旨を以って、例示的とみなされるべきであることが意図される。
本明細書で例示的に記載される実施形態は、本明細書に具体的には開示されていない、任意の要素(複数可)または限定(複数可)の不在下でも好適に実施され得る。したがって、例えば、「を含む(comprising)」、「を含む(including)」、「を含有する(containing)」などの用語は、広範にかつ限定されることなく読まれることとする。さらに、本明細書で用いられる用語および表現は、限定の用語としてではなく説明の用語として使用されており、そのような用語および表現の使用において、示され、かつ記載される特徴、またはその部分の任意の等価物も除外することを意図するものではなく、特許請求された技術の範囲内で種々の変更が可能であることが認識される。さらに、「〜から本質的になる(consisting essentially of)」という句は、具体的に列挙される要素、および特許請求される技術の基本的かつ新規の特徴に実質的に影響しない追加の要素を含むことが理解されるであろう。「〜からなる(consisting of)」という句は、指定されていない、いずれの要素も除外する。
さらに、本開示の特徴または態様がマーカッシュ(Markush)グループに関して記載されている場合、当業者は、本開示がまた、それによってマーカッシュ(Markush)グループのメンバーの任意の個別のメンバーまたはサブグループの観点から記載されることを認識するであろう。一般的な開示内に収まる狭めの種およびあまり一般的ではないグループ化の各々も、本発明の一部を形成する。このことは、この除外される材料が本明細書で具体的に列挙されているかどうかにかかわらず、この種類からいずれの対象物も除去する条件または負の限定を用いた、本発明の包括的な説明を含む。
当業者に理解されるように、任意のおよびすべての目的のために、特に書面による説明を提供する観点から、本明細書に開示されるすべての範囲は、任意のおよびすべての可能な部分範囲、ならびにその部分範囲の組み合わせも包含する。いずれの列挙された範囲も、少なくとも等しい半分、1/3、1/4、1/5、1/10などへと分解される同じ範囲を十分に説明および可能にするものとして容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で考察される各範囲は、下位の1/3、中間の1/3、および上位の1/3などへと容易に分解されることができる。また、当業者によって理解されるように、「最大」、「少なくとも」、「より大きな」、「より少ない」などの言語はすべて、列挙される数を含み、上記で考察される部分範囲へと後に分解することができる範囲を指す。最後に、当業者に理解されるように、範囲は各個別のメンバーを含む。
本明細書において言及される公開物、特許出願、発行済みの特許、および他の文書(例えば、雑誌、論文、および/または教科書)はすべて、各個別の公開物、特許出願、発行済みの特許、または他の文書がその全体が参照により組み込まれるよう具体的におよび個別に示されたかのように、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる本文に含まれる定義は、本開示における定義と矛盾する範囲で除外される。
他の実施形態は、以下の特許請求の範囲に与えられる等価物の完全な範囲ととともに、この特許請求の範囲の中に記載される。

Claims (34)

  1. 凝集粒子を含む硫黄処理された混合物を提供するために、液体炭化水素中のアルカリ金属硫化物を含む粒子と元素硫黄との第1の混合物を、少なくとも150℃の温度に加熱することと、
    脱硫された液体炭化水素および分離された固体を提供するために、前記凝集粒子を前記硫黄処理された混合物から分離することと、
    を含む、方法。
  2. 前記アルカリ金属硫化物が、硫化ナトリウムを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 加熱中に前記第1の混合物を混合することをさらに含む、請求項に記載の方法。
  4. 前記第1の混合物が150℃〜約450℃の温度に加熱される、請求項に記載の方法。
  5. 約15psi〜約1500psiの圧力で起こる、請求項に記載の方法。
  6. 前記第1の混合物が、15分〜約2時間の間加熱される、請求項に記載の方法。
  7. 前記粒子を含む液体炭化水素と元素硫黄を組み合わせることによって、前記第1の混合物を形成することをさらに含む、請求項に記載の方法。
  8. 前記第1の混合物が、アルカリ金属をその金属状態でさらに含む、請求項に記載の方法。
  9. 前記第1の混合物が、前記アルカリ金属硫化物中のアルカリ金属の重量に関して、1〜100重量%のアルカリ金属をその金属状態で含む、請求項に記載の方法。
  10. 前記第1の混合物が、アルカリ金属酸化物、および/またはアルカリ金属以外の金属をさらに含む、請求項に記載の方法。
  11. 前記凝集粒子が、アルカリ金属硫化物および/またはアルカリ金属水硫化物を含む、請求項に記載の方法。
  12. 前記凝集粒子が、硫化ナトリウムおよび/または水硫化ナトリウムを含む、請求項に記載の方法。
  13. 前記凝集粒子を前記硫黄処理された混合物から分離することが、前記硫黄処理された混合物を濾過、沈降、または遠心分離することを含む、請求項に記載の方法。
  14. 前記凝集粒子を前記硫黄処理された混合物から分離することが、前記硫黄処理された混合物を15℃〜150℃で遠心分離することを含む、請求項に記載の方法。
  15. 前記脱硫された液体炭化水素が、0.5重量%以下の硫黄を含有する、請求項に記載の方法。
  16. 前記脱硫された液体炭化水素が、残留アルカリ金属を含む、請求項に記載の方法。
  17. 前記残留アルカリ金属が、400ppm〜2000ppmで存在する、請求項16に記載の方法。
  18. 第2の混合物を形成するために、前記脱硫された液体炭化水素に塩形成物質を添加することをさらに含み、前記塩形成物質が、前記残留アルカリ金属をアルカリ金属塩に変換する、請求項16に記載の方法。
  19. 前記塩形成物質が、元素硫黄、硫化水素、ギ酸、酢酸、プロパン酸、および水からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 添加される塩形成物質の量が、残留アルカリ金属のモル量の約1〜約4倍に等しい、請求項18に記載の方法。
  21. 前記塩形成物質の添加が、約150℃〜約450℃の温度で行われる、請求項18に記載の方法。
  22. 前記塩形成物質の添加が、約50psi〜約2,500psiの圧力で行われる、請求項18に記載の方法。
  23. 脱硫および脱金属された液体炭化水素を提供するために、前記アルカリ金属塩を前記第2の混合物から分離することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  24. 前記アルカリ金属塩を除去し、前記脱硫および脱金属された液体炭化水素を提供するために、前記アルカリ金属塩を前記第2の混合物から分離することが、前記第2の混合物を濾過、沈降、または遠心分離することを含む、請求項23に記載の方法。
  25. 洗浄済み固体を提供するために、前記分離された固体を有機液体と混合することと、前記分離された固体を前記有機液体から分離することと、をさらに含む、請求項に記載の方法。
  26. 前記有機液体が、トルエン、キシレン、ヘキサン、およびディーゼルから選択される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記洗浄済み固体を乾燥することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
  28. 前記アルカリ金属硫化物を含む粒子と液体炭化水素との混合物を提供するために、硫黄化合物を含む液体炭化水素を、金属状態の溶融アルカリ金属およびキャッピング剤と接触させることをさらに含む、請求項に記載の方法。
  29. 前記アルカリ金属が、ナトリウムである、請求項28に記載の方法。
  30. 前記キャッピング剤が、水素またはC1〜C6非環式炭化水素、硫化水素、アンモニア、またはそれらのうちの任意の2つ以上の混合物である、請求項28に記載の方法。
  31. 前記接触が、250℃〜400℃の温度で起こる、請求項28に記載の方法。
  32. 前記接触が、400〜1500psiの圧力で起こる、請求項28に記載の方法。
  33. 前記アルカリ金属硫化物を含む粒子と液体炭化水素との前記混合物が、反応容器中で生成され、前記第1の混合物および硫黄処理された混合物が、別個の容器中で生成される、請求項28に記載の方法。
  34. 前記アルカリ金属をその金属状態で電気化学的に生成することをさらに含む、請求項28に記載の方法。
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