以下、本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、本明細書で説明する各図において、陽極、EL層、中間層、陰極などの大きさや厚さは、個々に説明の明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしも各構成要素はその大きさに限定されず、また各構成要素間での相対的な大きさに限定されない。
また、本明細書等において、第1、第2、第3などとして付される序数詞は、便宜上用いるものであって工程の順番や上下の位置関係などを示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
また、本明細書等で説明する本発明の構成において、同一部分又は同様の機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を有する部分を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
また、本明細書において色とは、色相(単色光の波長に相当)、彩度(あざやかさ即ち白みを帯びていない度合)および明度(明るさ即ち光の強弱)の三要素によって規定されたものである。また、本明細書において色とは、上述の三要素のうちのいずれか一つの要素のみ、または任意で選んだ2つの要素のみを示してもよい。また、本明細書において、2つの光の色が異なるとは、上述の三要素のうちいずれか少なくとも一つが異なることをいい、さらに、2つの光のスペクトルの形状若しくは各ピークの相対強度比の分布が異なることをも含む。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る複素環化合物について説明する。
本発明の一態様は、一般式(G1)で表される複素環化合物である。
式中、Aは、置換又は無置換のジベンゾチオフェニル基、置換又は無置換のジベンゾフラニル基、置換又は無置換のカルバゾリル基のいずれかを表し、DBqは置換又は無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を表す。また、nは、0叉は1を表し、Ar1乃至Ar4は、それぞれ独立に炭素数6乃至10の置換または無置換のアリーレン基を表し、Ar1乃至Ar4は隣接するアリーレン基同士が互いに結合して環を形成してもよく、Ar1乃至Ar4の隣接するアリーレン基同士が互いにフルオレン骨格を形成する場合、前記フルオレン骨格は置換基を有していてもよい。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G2−1)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、合成の簡便さ、及び合成コストの観点から有用である。
式中、R18乃至R20のいずれか一つは、一般式(G2−2)で表される置換基を表し、R18乃至R20の他の2つ、及び、R11乃至R17は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
式中、Aは、置換又は無置換のジベンゾチオフェニル基、置換又は無置換のジベンゾフラニル基、置換又は無置換のカルバゾリル基のいずれかを表し、nは、0叉は1を表し、Ar1乃至Ar4は、それぞれ独立に炭素数6乃至10の置換または無置換のアリーレン基を表し、Ar1乃至Ar4は隣接するアリーレン基同士が互いに結合して環を形成してもよく、Ar1乃至Ar4の隣接するアリーレン基同士が互いにフルオレン骨格を形成する場合、前記フルオレン骨格は置換基を有していてもよい。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G3−1)で表される複素環化合物である。
式中、R27またはR28のいずれか一方は、一般式(G3−2)で表される置換基を表し、R27またはR28の他方、及び、R21乃至R26は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、Zは酸素又は硫黄又は窒素を表し、Zが窒素の場合Z位に置換基を有していても有さなくても良い。
式中、DBqは置換又は無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を表し、nは、0叉は1を表し、Ar1乃至Ar4は、それぞれ独立に炭素数6乃至10の置換または無置換のアリーレン基を表し、Ar1乃至Ar4は隣接するアリーレン基同士が互いに結合して環を形成してもよく、Ar1乃至Ar4の隣接するアリーレン基同士が互いにフルオレン骨格を形成する場合、前記フルオレン骨格は置換基を有していてもよい。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G4−1)で表される複素環化合物である。
式中、R31、R33またはR34のいずれか一は、一般式(G4−2)で表される置換基を表し、R31、R33またはR34の一般式(G4−2)で表される置換基が結合しない他の二つ、及び、R32、R35乃至R39は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
式中、DBqは置換又は無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を表し、nは、0叉は1を表し、Ar1乃至Ar4は、それぞれ独立に炭素数6乃至10の置換または無置換のアリーレン基を表し、Ar1乃至Ar4は隣接するアリーレン基同士が互いに結合して環を形成してもよく、Ar1乃至Ar4の隣接するアリーレン基同士が互いにフルオレン骨格を形成する場合、前記フルオレン骨格は置換基を有していてもよい。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G5−1)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、合成の簡便さ、及び合成コストの観点から有用である。
式中、R27またはR28のいずれか一方は、一般式(G5−2)で表される置換基を表し、R27またはR28の他方、及び、R21乃至R26は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、Zは酸素又は硫黄又は窒素を表し、Zが窒素の場合Z位に置換基を有していても有さなくても良い。
式中、R11乃至R19は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、nは、0叉は1を表し、Ar1乃至Ar4は、それぞれ独立に炭素数6乃至10の置換または無置換のアリーレン基を表し、Ar1乃至Ar4は隣接するアリーレン基同士が互いに結合して環を形成してもよく、Ar1乃至Ar4の隣接するアリーレン基同士が互いにフルオレン骨格を形成する場合、前記フルオレン骨格は置換基を有していてもよい。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G6−1)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いキャリア輸送性及び信頼性の観点から有用である。
式中、DBqは置換又は無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を表す。Zは、酸素又は硫黄を表し、R21乃至R27、R41乃至R44、R51乃至R54及びR61乃至R64は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G6−1)において、DBqの置換位置がメタ位である複素環化合物である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G6−1)において、DBqの置換位置がメタ位であり、且つ、ジベンゾチオフェニル基又はジベンゾフラニル基の置換位置がパラ位である複素環化合物である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G6−2)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いキャリア輸送性及び信頼性の観点から有用である。
式中、DBqは置換又は無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を表す。Zは、酸素又は硫黄を表し、R21乃至R27、R41乃至R44、R51乃至R54及びR61乃至R64は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G6−3)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いキャリア輸送性及び信頼性の観点から有用である。
式中、DBqは置換又は無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を表す。R32乃至R39、R41乃至R44、R51乃至R54及びR61乃至R64は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G6−3)において、DBqの置換位置がメタ位である複素環化合物である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G6−3)において、DBqの置換位置がメタ位であり、且つ、カルバゾリル基の置換位置がパラ位である複素環化合物である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G6−4)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いキャリア輸送性及び信頼性の観点から有用である。
式中、DBqは置換又は無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を表す。R32乃至R39、R41乃至R44、R51乃至R54及びR61乃至R64は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G6−5)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いキャリア輸送性及び信頼性の観点から有用である。
式中、DBqは置換又は無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を表す。R31は炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、R32乃至R36、R38、R39、R41乃至R44、R51乃至R54及びR61乃至R64は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G6−5)において、DBqの置換位置がメタ位である複素環化合物である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G6−5)において、DBqの置換位置がメタ位であり、且つ、カルバゾリル基の置換位置がパラ位である複素環化合物である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G6−6)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いキャリア輸送性及び信頼性の観点から有用である。
式中、DBqは置換又は無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を表す。R31は炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、R32乃至R36、R38、R39、R41乃至R44、R51乃至R54及びR61乃至R64は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G6−7)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いキャリア輸送性及び信頼性の観点から有用である。
式中、DBqは置換又は無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を表す。R31は炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、R32乃至R37、R39、R41乃至R44、R51乃至R54及びR61乃至R64は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G6−7)において、DBqの置換位置がメタ位である複素環化合物である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G6−7)において、DBqの置換位置がメタ位であり、且つ、カルバゾリル基の置換位置がパラ位である複素環化合物である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G6−8)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いキャリア輸送性及び信頼性の観点から有用である。
式中、DBqは置換又は無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を表す。R31は炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、R32乃至R37、R39、R41乃至R44、R51乃至R54及びR61乃至R64は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G7−1)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いキャリア輸送性及び信頼性の観点から有用である。
式中、Aは、置換又は無置換のジベンゾチオフェニル基、置換又は無置換のジベンゾフラニル基、置換又は無置換のカルバゾリル基のいずれかを表す。R11乃至R19、R41乃至R44、R51乃至R54及びR61乃至R64は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G7−1)において、DBqの置換位置がメタ位である複素環化合物である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G7−1)において、DBqの置換位置がメタ位であり、且つ、Aの置換位置がパラ位である複素環化合物である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G7−2)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いキャリア輸送性及び信頼性の観点から有用である。
式中、Aは、置換又は無置換のジベンゾチオフェニル基、置換又は無置換のジベンゾフラニル基、置換又は無置換のカルバゾリル基のいずれかを表す。R11乃至R19、R41乃至R44、R51乃至R54及びR61乃至R64は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G8−1)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いキャリア輸送性及び信頼性の観点から有用である。
式中、Zは、酸素又は硫黄を表し、R11乃至R19、R21乃至R27、R41乃至R44、R51乃至R54及びR61乃至R64は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G8−1)において、DBqの置換位置がメタ位である複素環化合物である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G8−1)において、DBqの置換位置がメタ位であり、且つ、ジベンゾチオフェニル基又はジベンゾフラニル基の置換位置がパラ位である複素環化合物である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G8−2)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いキャリア輸送性及び信頼性の観点から有用である。
式中、Zは、酸素又は硫黄を表し、R11乃至R19、R21乃至R27、R41乃至R44、R51乃至R54及びR61乃至R64は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G8−3)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いキャリア輸送性及び信頼性の観点から有用である。
式中、R11乃至R19、R32乃至R39、R41乃至R44、R51乃至R54及びR61乃至R64は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G8−3)において、DBqの置換位置がメタ位である複素環化合物である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G8−3)において、DBqの置換位置がメタ位であり、且つ、カルバゾリル基の置換位置がパラ位である複素環化合物である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G8−4)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いキャリア輸送性及び信頼性の観点から有用である。
式中、R11乃至R19、R32乃至R39、R41乃至R44、R51乃至R54及びR61乃至R64は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G8−5)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いキャリア輸送性及び信頼性の観点から有用である。
式中、R11乃至R19、R32乃至R36、R38、R39、R41乃至R44、R51乃至R54及びR61乃至R64は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、R31は炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G8−5)において、DBqの置換位置がメタ位である複素環化合物である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G8−5)において、DBqの置換位置がメタ位であり、且つ、カルバゾリル基の置換位置がパラ位である複素環化合物である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G8−6)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いキャリア輸送性及び信頼性の観点から有用である。
式中、R11乃至R19、R32乃至R36、R38、R39、R41乃至R44、R51乃至R54及びR61乃至R64は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、R31は炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G8−7)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いキャリア輸送性及び信頼性の観点から有用である。
式中、R11乃至R19、R32乃至R37、R39、R41乃至R44、R51乃至R54及びR61乃至R64は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、R31は炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G8−7)において、DBqの置換位置がメタ位である複素環化合物である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G8−7)において、DBqの置換位置がメタ位であり、且つ、カルバゾリル基の置換位置がパラ位である複素環化合物である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G8−8)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いキャリア輸送性及び信頼性の観点から有用である。
式中、R11乃至R19、R32乃至R37、R39、R41乃至R44、R51乃至R54及びR61乃至R64は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、R31は炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G9−1)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いT1準位、キャリア輸送性、より高い耐熱性、及び信頼性の観点から有用である。
式中、Zは、酸素又は硫黄を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G9−2)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いT1準位、キャリア輸送性、より高い耐熱性、及び信頼性の観点から有用である。
式中、Zは、酸素又は硫黄を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G9−3)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いT1準位、キャリア輸送性、より高い耐熱性、及び信頼性の観点から有用である。
式中、Zは、酸素又は硫黄を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G9−4)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いT1準位、キャリア輸送性、より高い耐熱性、及び信頼性の観点から有用である。
式中、Zは、酸素又は硫黄を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G9−5)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いT1準位、キャリア輸送性、より高い耐熱性、及び信頼性の観点から有用である。
式中、Zは、酸素又は硫黄を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G10−1)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いT1準位、キャリア輸送性、より高い耐熱性、及び信頼性の観点から有用である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G10−2)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いT1準位、キャリア輸送性、より高い耐熱性、及び信頼性の観点から有用である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G10−3)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いT1準位、キャリア輸送性、より高い耐熱性、及び信頼性の観点から有用である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G10−4)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、キャリア輸送性、より高い耐熱性、及び信頼性の観点から有用である。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G10−5)で表される複素環化合物である。該複素環化合物は、高いT1準位、キャリア輸送性、より高い耐熱性、及び信頼性の観点から有用である。
本発明の一態様に係る複素環化合物が有する置換基の例を以下に示す。例えば、下記式(S01)乃至式(S25)は、R11乃至R19、R21乃至R27、R32乃至R39、R41乃至R44、R51乃至R54及びR61乃至R64の具体例であり、また、下記式(S02)乃至式(S25)は、R31の具体例である。また、下記式(S31)乃至式(S46)にAr1乃至Ar4の例を示す。ただし、本発明の一態様は下記に限定されない。
本発明の一態様に係る複素環化合物の具体的な構造を下記に示す。ただし、本発明の一態様に係る複素環化合物は下記に限定されない。
本発明の一態様に係る複素環化合物は、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有する。本発明の一態様に係る複素環化合物は、EL層を構成する発光層中のホスト材料として用いることができる。
発光層中のホスト材料には様々な性能・機能が求められるが、重要な性質の一つとして耐熱性が高いことが挙げられる。材料のガラス転移点(Tg)を材料の耐熱性を示す指標と考えると、ホスト材料のガラス転移点(Tg)が高い程耐熱性が高いと言える。そして、材料のガラス転移点(Tg)は概ね分子量に比例する。そのため、材料の耐熱性を高めたい場合、分子量を大きくすることが考えられる。
有機材料においても一般的に材料の分子量が大きくなるとガラス転移点(Tg)が大きくなる傾向にあるが、しかし、耐熱性の向上に伴い精製工程で行う昇華精製又は蒸留においては、昇華温度又は沸点もあわせて高くなる傾向にある。一般的な低分子有機化合物は、400℃以上になると分解するものが多いため、単に分子量を大きくしても昇華温度や沸点も上昇するため、蒸着などの成膜工程や、昇華精製、蒸留等の精製工程においてより高い温度が必要となり、分解を伴う可能性が懸念される。
つまり、ホスト材料の熱物性を高めるために単純に分子量を大きくすると、精製工程や成膜工程において分解を生じる可能性が高まり、高純度化した有機化合物を素子に用いることが容易ではない場合がある。
ところが、本発明の一態様に係る複素環化合物は、熱物性を高めるために分子量を大きくしたものであるが、分解温度が高く、且つ、ベンゼン環を少なくとも一つ加えるだけの変更で耐熱性向上へ非常に大きく寄与するため、精製工程や蒸着工程において分解を生じにくく、純度が高いままの446材料を素子に用いることができる。すなわち、耐熱性が高く、且つ特性のよい素子を提供することが出来る。
ところで、有機材料においては一般的に材料の分子量が大きくなると屈折率も大きくなる傾向にある。そのため、発光層に用いるホスト材料の分子量を大きくした場合、ガラス転移点(Tg)も高くなるが、発光層の屈折率もあわせて大きくなる傾向にある。
発光層で発生した光は、EL層、透明電極を通過し、ガラス基板や樹脂膜等を透過して空気中に進むが、これらの各部材の境界を通過する際、屈折率が異なることに起因して様々な光学的現象が生じる。すなわち、境界に入射する角度や、光が透過する各部材間の屈折率の大小関係とその差の大きさ次第では、EL層から発せられた光がEL層方向に戻る全反射や、想定外の方向に向けた屈折等が生じ、発光素子の外部に到達する光の強度が低下し、発光素子の光取り出し効率や外部量子効率が低下することとなる。
つまり、ホスト材料の熱物性を高めるために単純に分子量を大きくすると、屈折率も大きくなるため、該ホスト材料を用いた発光層を有する発光素子の光取り出し効率や外部量子効率が低下するため問題となる。
ところが、本発明の一態様に係る複素環化合物は、熱物性を高めるために分子量を大きくしたものであるが、発光素子の発光層のホスト材料に用いても、発光素子の光取り出し効率や外部量子効率を下げない材料である。
本発明の一態様に係る複素環化合物は、3以上連結されたアリーレン基を長軸とした分子構造を有しており、発光層のホスト材料として成膜すると、それぞれの分子の長軸が基板に対して概ね平行な方向に傾いた配向状態を有する膜となる傾向にある。長軸を有する分子は屈折率の異方性を有することがあり、本発明の一態様に係る複素環化合物も屈折率の異方性を有する傾向にある。
そのため、分子量を大きくするにあたりアリーレン基を3以上としたときに、長軸方向に分子が大きくなり、長軸方向の屈折率は大きくなると考えられるが、短軸方向においては分子の大きさは大きくは変わらないため、短軸方向の屈折率は変化が小さい。本発明の一態様に係る複素環化合物を発光層に用いた場合、その短軸を光取り出し方向に向けて成膜される傾向にあることから、アリーレン基の数が少ない構造の複素環化合物を用いた発光層と比べて、実効的な屈折率はほぼ変わらない。一方で、長軸方向に分子が大きくなり、分子量が大きくなることから熱物性は改善される。
例えば、2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)はホスト材料として優秀な性質を有しているが、本発明の一態様に係る複素環化合物はそのアリーレン基の数を3以上とすることにより熱物性を改善しつつも、実効的な屈折率は維持され発光素子の光取り出し効率や外部量子効率を下げることがない。
さらに、本発明の一態様に係る複素環化合物が発光層において配向されていると、ドーパント分子(ゲスト材料ともいう)も配向される傾向にある。ある種のドーパント分子は、特定の方向に配向していると、発光素子外部に向かう光の発光強度が高まり、発光素子の外部量子効率が向上する。これは、ドーパント分子が発する光も屈折率と同様に異方性を有しているからである。すなわち、発光素子のホスト材料としては、ドーパントの配向性を高めることが好ましい。つまり、本発明の一態様に係る複素環化合物は、ドーパント分子の配向をも制御し、発光素子の外部量子効率をさらに高めることができる。
したがって、本発明の一態様に係る複素環化合物は、ホスト材料として極めて有用な性質を有する。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、一般式(G1)で表される有機化合物の合成方法について説明する。
一般式(G1)で表される有機化合物の合成方法としては種々の反応を適用することができる。例えば、以下に示す合成反応を行うことによって、一般式(G1)で表される有機化合物を合成することができる。なお、本発明の一態様である一般式(G1)で表される有機化合物の合成方法は、以下の合成方法に限定されない。
<一般式(G1)で表される有機化合物の合成方法>
本発明の一般式(G1)で表される有機化合物は、下記合成スキーム(a−1)のように合成することができる。すなわち、ジベンゾ[f,h]キノキサリン化合物(化合物1)と、ジベンゾチオフェン化合物又はジベンゾフラン化合物(化合物2)と、をカップリングすることにより、一般式(G1)で表される化合物を得ることが出来る。
合成スキーム(a−1)において、DBqは、置換又は無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を表し、nは、0又は1を表し、Aは置換又は無置換のジベンゾチオフェニル基、置換又は無置換のジベンゾフラニル基、のいずれかを表し、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4は、それぞれ独立に炭素数6乃至10のアリーレン基を表し、前記アリーレン基は置換基を有してもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよく、Ar1乃至Ar4は隣接するアリーレン基同士がメチレン基により連結してフルオレン骨格を有する構造を形成していてもよい。
合成スキーム(a−1)において、パラジウム触媒を用いた鈴木・宮浦カップリング反応を行う場合、X1およびX2はハロゲン、ボロン酸基、有機ホウ素基、又はトリフラート基を表し、ハロゲンとしては、ヨウ素、臭素又は塩素が好ましい。当該反応では、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等のパラジウム化合物と、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリ(n−ヘキシル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、トリ(オルト−トリル)ホスフィン等の配位子を用いる事ができる。当該反応では、ナトリウムtert−ブトキシド等の有機塩基や、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基等を用いることができる。当該反応では、溶媒として、トルエン、キシレン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エタノール、メタノール、水等を用いることができる。当該反応で用いることができる試薬類は、前記試薬類に限られるものではない。
合成スキーム(a−1)において行う反応は、鈴木・宮浦カップリング反応に限られるものではなく、有機錫化合物を用いた右田・小杉・スティルカップリング反応、グリニヤール試薬を用いた熊田・玉尾・コリューカップリング反応、有機亜鉛化合物を用いた根岸カップリング反応、銅又は銅化合物を用いた反応等を用いることが出来る。右田・小杉・スティルカップリング反応を用いる場合、X1およびX2はどちらか一方が有機錫基を表し、もう一方が、ハロゲンを表す。すなわち、化合物1及び化合物2のうちどちらか一方が有機錫化合物を表す。熊田・玉尾・コリューカップリング反応を用いる場合、X1およびX2はどちらか一方がハロゲン化マグネシウム基を表し、もう一方が、ハロゲンを表す。すなわち、化合物1及び化合物2のうちどちらか一方がグリニヤール試薬を表す。根岸カップリング反応を用いる場合、X1およびX2はどちらか一方が有機亜鉛基を表し、もう一方が、ハロゲンを表す。すなわち、化合物1及び化合物2のうちどちらか一方が有機亜鉛化合物を表す。
また、本発明の有機化合物(G1)の合成において、合成方法は合成スキーム(a−1)に限られるものではない。例えば、下記合成スキーム(a−2)乃至(a−4)のようにも合成することができる。すなわち、ジベンゾ[f,h]キノキサリン化合物(化合物3、5又は7)と、ジベンゾチオフェン化合物又はジベンゾフラン化合物(化合物4、6又は8)と、をカップリングすることにより、一般式(G1)で表される化合物を得ることが出来る。
合成スキーム(a−2)乃至(a−4)において、DBqは、置換又は無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を表し、nは、0又は1を表し、Aは置換又は無置換のジベンゾチオフェニル基、置換又は無置換のジベンゾフラニル基、のいずれかを表し、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4は、それぞれ独立に炭素数6乃至10のアリーレン基を表し、前記アリーレン基は置換基を有してもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよく、Ar1乃至Ar4は隣接するアリーレン基同士がメチレン基により連結してフルオレン骨格を有する構造を形成していてもよい。
合成スキーム(a−2)乃至(a−4)において、パラジウム触媒を用いた鈴木・宮浦カップリング反応を行う場合、X3乃至X8はハロゲン、ボロン酸基、有機ホウ素基、又はトリフラート基を表し、ハロゲンとしては、ヨウ素又は臭素又は塩素が好ましい。用いることが出来る試薬は合成スキーム(a−1)と同様であり、また、これらに限られるものではない。
合成スキーム(a−2)乃至(a−4)において行う反応は、鈴木・宮浦カップリング反応に限られるものではなく、有機錫化合物を用いた右田・小杉・スティルカップリング反応、グリニヤール試薬を用いた熊田・玉尾・コリューカップリング反応、有機亜鉛化合物を用いた根岸カップリング反応、銅又は銅化合物を用いた反応等を用いることが出来る。
これらの反応を用いる場合のX3乃至X8は、合成スキーム(a−1)のX1およびX2と同様である。すなわち、右田・小杉・スティルカップリング反応を用いる場合、それぞれの反応においてどちらか一方のXが有機錫基を表し、もう一方のXが、ハロゲンを表す。すなわち、化合物3と化合物4の一方、化合物5と化合物6の一方、化合物7と化合物8の一方は、それぞれの反応において有機錫化合物を表す。熊田・玉尾・コリューカップリング反応を用いる場合、X3乃至X8は、それぞれの反応においてどちらか一方のXがハロゲン化マグネシウム基を表し、もう一方のXが、ハロゲンを表す。すなわち、化合物3と化合物4の一方、化合物5と化合物6の一方、化合物7と化合物8の一方は、それぞれの反応においてグリニヤール試薬を表し、それぞれもう一方がハロゲンを表す。根岸カップリング反応を用いる場合、X3乃至X8はそれぞれの反応においてどちらか一方のXが有機亜鉛基を表し、もう一方のXが、ハロゲンを表す。すなわち、化合物3と化合物4の一方、化合物5と化合物6の一方、化合物7と化合物8の一方は、それぞれの反応において有機亜鉛化合物を表す。
ジベンゾ[f,h]キノキサリン化合物と、ジベンゾチオフェン化合物又はジベンゾフラン化合物とのカップリング反応を行う場合、DBq、Ar1乃至Ar4、Aのどの位置でカップリングを行っても良い。なお、本発明の一態様に係る複素環化合物の合成法は、これに限られるものではない。
以上、本発明の一態様である化合物の合成方法の一例について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、他のどのような合成方法によって合成されても良い。
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。または、他の実施の形態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。例えば、本発明の一態様として、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有する場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様は、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造以外の骨格を有していてもよい。例えば、場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様は、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有していなくてもよい。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る複素環化合物を有する発光素子の一態様について図1(A)を用いて以下に説明する。
本実施の形態における発光素子は、一対の電極間に複数の層を有する。本実施の形態において、発光素子は、第1の電極101と、第2の電極102と、第1の電極101と第2の電極102との間に設けられたEL層103とから構成されている。なお、図1(A)では第1の電極101は陽極として機能し、第2の電極102は陰極として機能するものとして、図示する。つまり、第1の電極101の方が第2の電極102よりも電位が高くなるように、第1の電極101と第2の電極102に電圧を印加したときに、発光が得られる構成となっている。もちろん、第1の電極が陰極として機能し、第2の電極が陽極として機能してもかまわない。その場合、EL層の積層順は、上記と逆となる。なお、本実施の形態における発光素子は、EL層103のいずれかの層に、本発明の一態様に係る複素環化合物が含まれていればよい。なお、該複素環化合物が含まれる層としては、発光層や電子輸送層が該複素環化合物の特性をより生かすことができ、良好な特性を有する発光素子を得ることができるため好ましい。
陽極として機能する電極としては、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)、金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、例えば、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、ケイ素若しくは酸化ケイ素を含有したインジウム錫酸化物、酸化インジウム−酸化亜鉛、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)等が挙げられる。これらの導電性金属酸化物膜は、通常スパッタリング法により成膜されるが、ゾル−ゲル法などを応用して作製しても構わない。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛は、酸化インジウムに対し1wt%以上20wt%以下の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。また、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)は、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5wt%以上5wt%以下、酸化亜鉛を0.1wt%以上1wt%以下含有したターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。また、グラフェンを用いても良い。
EL層103の積層構造については特に限定されず、電子輸送性の高い物質を含む層または正孔輸送性の高い物質を含む層、電子注入性の高い物質を含む層、正孔注入性の高い物質を含む層、バイポーラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質を含む層、キャリアブロック性を有する層等を適宜組み合わせて構成すればよい。本実施の形態では、EL層103は、陽極として機能する電極側から「正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115」の順に積層した構成を有するものとして説明する。各層を構成する材料について以下に具体的に示す。
正孔注入層111は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、例えば、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を用いることができる。この他、フタロシアニン(略称:H2Pc)や銅フタロシアニン(CuPc)等のフタロシアニン系の化合物、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス{4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)等の芳香族アミン化合物、或いはポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等の高分子化合物等によっても正孔注入層111を形成することができる。
また、正孔注入層111として、正孔輸送性を有する物質に当該物質に対して電子受容性を示す物質(以下単に電子受容性物質と称する)を含有させた複合材料を用いることもできる。本明細書中において、複合材料とは、単に2つの材料を混合させた材料のことを指すのではなく、複数の材料を混合することによって材料間での電荷の授受が行われ得る状態になることを言う。この電荷の授受は、電界がかかっている場合にのみ実現される場合も含むこととする。
なお、正孔輸送性を有する物質に電子受容性物質を含有させた複合材料を用いることにより、材料の仕事関数に依らず電極を形成する材料を選ぶことができるようになる。つまり、陽極として機能する電極として仕事関数の大きい材料だけでなく、仕事関数の小さい材料も用いることができるようになる。電子受容性物質としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル等を挙げることができる。また、遷移金属酸化物も使用することができる。特に元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を好適に用いることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため電子受容性物質として好適に用いることができる。
複合材料に用いる正孔輸送性を有する物質としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール化合物、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の有機化合物を用いることができる。なお、複合材料に用いる有機化合物としては、正孔輸送性の高い有機化合物であることが好ましい。具体的には、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。ただし、正孔輸送性を有する物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。以下では、複合材料における正孔輸送性を有する物質として用いることのできる有機化合物を具体的に列挙する。
例えば、芳香族アミン化合物としては、N,N’−ジ(p−トリル)−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス{4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等を挙げることができる。
複合材料に用いることのできるカルバゾール化合物としては、具体的には、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等を挙げることができる。
また、複合材料に用いることのできるカルバゾール化合物としては、他に、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等を用いることができる。
また、複合材料に用いることのできる芳香族炭化水素としては、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有し、炭素数14以上42以下である芳香族炭化水素を用いることがより好ましい。
なお、複合材料に用いることのできる芳香族炭化水素は、ビニル骨格を有していてもよい。ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。
また、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)等の高分子化合物を用いることもできる。
なお、実施の形態1で説明したジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有する化合物を複合材料に含んでいても良い。
正孔輸送層112は、正孔輸送性を有する物質を含む層である。正孔輸送性を有する物質としては、上述の複合材料として用いることができる正孔輸送性を有する物質として挙げたものを同様に用いることができる。なお、繰り返しとなるため詳しい説明は省略する。複合材料の記載を参照されたい。なお、実施の形態1で説明したジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有する化合物を正孔輸送層に含んでいても良い。
発光層113は、発光性の物質を含む層である。発光層113は、発光物質単独の膜で構成されていても、ホスト材料中に発光中心物質を分散された膜で構成されていても良い。
発光層113において、発光物質、若しくは発光中心物質として用いることが可能な材料としては特に限定は無く、これら材料が発する光は蛍光であっても燐光であっても良い。上記発光物質又は発光中心物質としては例えば、以下のようなものが挙げられる。蛍光発光性の物質としては、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6FLPAPrn)、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン(略称:TBP)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、N,N’’−(2−tert−ブチルアントラセン−9,10−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPPA)、N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:DBC1)、クマリン30、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)、クマリン545T、N,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、2−(2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2−{2−メチル−6−[2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)、2−{2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTI)、2−{2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、2−(2,6−ビス{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:BisDCM)、2−{2,6−ビス[2−(8−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:BisDCJTM)などが挙げられる。青色燐光発光性の物質としては、トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(mpptz−dmp)3)、トリス(5−メチル−3,4−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz)3)、トリス[4−(3−ビフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrptz−3b)3)のような4H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス[3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz1−mp)3)、トリス(1−メチル−5−フェニル−3−プロピル−1H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Prptz1−Me)3)のような1H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、fac−トリス[1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−フェニル−1H−イミダゾール]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrpmi)3)、トリス[3−(2,6−ジメチルフェニル)−7−メチルイミダゾ[1,2−f]フェナントリジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(dmpimpt−Me)3)のようなイミダゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス{2−[3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CF3ppy)2(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))のような電子吸引基を有するフェニルピリジン化合物を配位子とする有機金属イリジウム錯体が挙げられる。なお、4H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも優れるため、特に好ましい。また、緑色発光の燐光発光物質の例としてはトリス(4−メチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm)3)、トリス(4−t−ブチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)3)、(アセチルアセトナト)ビス(6−メチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[6−(2−ノルボルニル)−4−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(nbppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[5−メチル−6−(2−メチルフェニル)−4−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(mpmppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(dppm)2(acac))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(3,5−ジメチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−Me)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(5−イソプロピル−3−メチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−iPr)2(acac))のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)2(acac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)2(acac))、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:Ir(bzq)3)、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(pq)3)、ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pq)2(acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体の他、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)3(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。なお、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。赤色発光の燐光発光物質の例としては、(ジイソブチリルメタナト)ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)2(dibm))、ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)2(dpm))、ビス[4,6−ジ(ナフタレン−1−イル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(d1npm)2(dpm))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(acac))、ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(dpm))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)2(acac))のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(piq)3)、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)2(acac
))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体の他、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)のような白金錯体や、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)3(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)3(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。なお、ピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。また、ピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、色度の良い赤色発光が得られるため、白色発光素子に適用することで演色性を高めることができる。なお、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有する本発明の一態様に係る化合物も、発光を呈することから、発光中心材料としての使用も可能である。
また、以上で述べた物質の他、様々な物質の中から選択してもよい。
上記発光中心物質を分散するホスト材料としては、本発明の一態様に係る複素環化合物を用いることが好適である。
該複素環化合物は、バンドギャップが広く、高い三重項励起準位を有するため、可視域の蛍光を発する発光中心物質を分散するホスト材料はもちろん、可視域の燐光を発する発光中心物質など、エネルギーの高い発光を呈する発光中心物質を分散するホスト材料として特に好適に用いることができる。特に青燐光発光中心物質を分散するホスト材料に好適である。もちろん、青色より長波長の蛍光を発する発光中心物質や緑色よりも長波長の燐光を発する発光中心物質などを分散するホスト材料としても用いることが可能である。また、当該化合物はキャリア輸送性(特に電子輸送性)が高いため、駆動電圧の低い発光素子を実現可能である。
また、該複素環化合物をホスト材料に用いた場合、高い配向性によりゲスト材料を配向させることができる。すると光の取り出し効率が高まり、外部量子効率が高くなる。さらに該複素環化合物は、分子量が比較的大きいため熱的安定性に優れており、発光素子の長寿命化に寄与する。
また、発光層に隣接するキャリア輸送層(好ましくは電子輸送層)を構成する材料として用いても有効である。当該化合物が大きなバンドギャップ若しくは高い三重項励起準位を有することで、発光中心材料が青色の蛍光や緑色から青色の燐光など、エネルギーの高い発光を呈する材料であったとしても、ホスト材料上で再結合したキャリアのエネルギーを、発光中心物質へ有効に移動させることが可能となり、発光効率の高い発光素子を作製することが可能となる。なお、上記化合物をホスト材料又はキャリア輸送層を構成する材料として用いる場合、発光中心材料としては、当該化合物よりもHOMO準位‐LUMO準位間のバンドギャップが狭い若しくは一重項励起準位や三重項励起準位が低い物質を選択することが好ましいが、これに限られることはない。
上記ホスト材料として、該複素環化合物を使用しない場合、用いることが可能な材料を以下に例示する。
電子輸送性を有する材料としては、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体や、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm−II)などのポリアゾール骨格を有する複素環化合物や、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II)、2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)、2−[3’−(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzBPDBq)、4,6−ビス[3−(フェナントレン−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mPnP2Pm)、4,6−ビス[3−(4−ジベンゾチエニル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mDBTP2Pm−II)などのジアジン骨格を有する複素環化合物や、3,5−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリジン(略称:35DCzPPy)、1,3,5−トリ[3−(3−ピリジル)フェニル]ベンゼン(略称:TmPyPB)などのピリジン骨格を有する複素環化合物が挙げられる。上述した中でも、ジアジン骨格を有する複素環化合物やピリジン骨格を有する複素環化合物は、信頼性が良好であり好ましい。特に、ジアジン(ピリミジンやピラジン)骨格を有する複素環化合物は、電子輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。なお、上述のベンゾチエノピリミジン骨格を有する化合物は、電子輸送性が比較的大きく、電子輸送性を有する材料に分類される。
また、正孔輸送性を有する材料としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4−フェニル−3’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’−ジフェニル−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4−(1−ナフチル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、9,9−ジメチル−N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]フルオレン−2−アミン(略称:PCBAF)、N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−アミン(略称:PCBASF)などの芳香族アミン骨格を有する化合物や、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、3,6−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)−9−フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、3,3’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)(略称:PCCP)などのカルバゾール骨格を有する化合物や、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:DBT3P−II)、2,8−ジフェニル−4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−III)、4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−6−フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−IV)などのチオフェン骨格を有する化合物や、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P−II)、4−{3−[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi−II)などのフラン骨格を有する化合物が挙げられる。上述した中でも、芳香族アミン骨格を有する化合物やカルバゾール骨格を有する化合物は、信頼性が良好であり、また、電子輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与するため好ましい。
なお、ホスト材料としては、発光中心物質が燐光発光物質の場合は当該燐光発光物質三重項励起準位よりも大きい三重項励起準位を有する物質を選択し、蛍光発光物質の場合は当該蛍光発光物質よりもバンドギャップが大きい物質を選択することが好ましい。また、発光層には、ホスト材料と燐光物質の他に、第3の物質が含まれていても良い。なお、この記載は、発光層にホスト材料、燐光物質及び第3の物質以外の成分が含まれていることを排除するものではない。
ここで、燐光発光物質を用いた場合に、より発光効率の高い発光素子を得るための、ホスト材料と、燐光物質とのエネルギー移動について考える。キャリアの再結合は、ホスト材料と燐光物質との両方で行われるため、発光効率の向上のためには、ホスト材料から燐光物質へのエネルギー移動を効率化することが好ましい。
本実施の形態では、ゲスト材料として燐光性化合物を用いる。燐光性化合物の吸収スペクトルにおいて、最も発光に強く寄与すると考えられている吸収帯は、基底状態から三重項励起状態への直接遷移に相当する吸収波長近傍にあり、それは最も長波長側に現れる吸収帯である。このことから、ホスト材料の発光スペクトル(蛍光スペクトル及び燐光スペクトル)は、燐光性化合物の吸収スペクトルの最も長波長側の吸収帯と重なることが好ましいと考えられる。
例えば、有機金属錯体、特に発光性のイリジウム錯体において、最も長波長側の吸収帯として、500nm付近から600nm付近にブロードな吸収帯が現れる場合が多い。この吸収帯は、主として、三重項MLCT(Metal to Ligand Charge Transfer)遷移に由来する。ただし、該吸収帯には三重項π−π*遷移や一重項MLCT遷移に由来する吸収も一部含まれ、これらが重なって、吸収スペクトルの最も長波長側にブロードな吸収帯を形成していると考えられる。したがって、ゲスト材料に、有機金属錯体(特にイリジウム錯体)を用いるときは、このように最も長波長側に存在するブロードな吸収帯と、ホスト材料の発光スペクトルが大きく重なる状態が好ましい。
ここでまず、ホスト材料の三重項励起状態からのエネルギー移動を考えてみる。上述の議論から、三重項励起状態からのエネルギー移動においては、ホスト材料の燐光スペクトルとゲスト材料の最も長波長側の吸収帯との重なりが大きくなればよい。
しかしながら、このとき問題となるのは、ホスト分子の一重項励起状態からのエネルギー移動である。三重項励起状態からのエネルギー移動に加え、一重項励起状態からのエネルギー移動も効率よく行おうとすると、ホスト材料の燐光スペクトルだけでなく、蛍光スペクトルをもゲスト材料の最も長波長側の吸収帯と重ねるように設計するのが好ましい。換言すれば、ホスト材料の蛍光スペクトルが、燐光スペクトルと同じような位置に来るようにホスト材料を設計すれば、ホスト材料の一重項励起状態及び三重項励起状態の双方からのエネルギー移動を効率よく行うことができる。
ところが、一般に、S1準位とT1準位は大きく異なる(S1準位>T1準位)ため、蛍光の発光波長と燐光の発光波長も大きく異なる(蛍光の発光波長<燐光の発光波長)。例えば、燐光性化合物を用いた発光素子において良く用いられる4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)は、500nm付近に燐光スペクトルを有するが、一方で蛍光スペクトルは400nm付近であり、100nmもの隔たりがある。この例から考えてみても、ホスト材料の蛍光スペクトルが燐光スペクトルと同じような位置に来るようにホスト材料を設計することは、極めて困難である。
また、蛍光発光は、燐光発光より高いエネルギー準位からの発光であるため、蛍光スペクトルがゲスト材料の最も長波長側の吸収スペクトルに近接するような波長にあるホスト材料のT1準位は、ゲスト材料のT1準位を下回ってしまう。
そこで、燐光発光物質を発光中心物質として用いる場合、発光層に、ホスト材料、発光中心物質の他に第3の物質を含み、ホスト材料および第3の物質は、励起錯体(エキサイプレックスとも言う)を形成する組み合わせであることが好ましい。
この場合、発光層におけるキャリア(電子及びホール)の再結合の際にホスト材料と第3の物質は、励起錯体を形成する。励起錯体の蛍光スペクトルは、ホスト材料単体、及び第3の物質単体の蛍光スペクトルより長波長側にスペクトルを有する発光となるため、ホスト材料及び第3の物質のT1準位をゲスト材料のT1準位より高く保ったまま、一重項励起状態からのエネルギー移動を最大限に高めることができる。また、励起錯体はT1準位とS1準位が近接している状態であるため、蛍光スペクトルと燐光スペクトルがほぼ同じ位置に存在する。このことから、ゲスト分子の一重項基底状態から三重項励起状態への遷移に相当する吸収(ゲスト分子の吸収スペクトルにおける最も長波長側に存在するブロードな吸収帯)に励起錯体の蛍光スペクトル及び燐光スペクトルの両方を大きく重ねることが可能となるため、エネルギー移動効率が高い発光素子を得ることができる。
第3の物質としては、上記ホスト材料や添加物として用いることが可能な材料として挙げた材料を用いることができる。また、ホスト材料及び第3の物質は、励起錯体を生じる組み合わせであればよいが、電子を受け取りやすい化合物(電子輸送性を有する化合物)と、ホールを受け取りやすい化合物(正孔輸送性を有する化合物)とを組み合わせることが好ましい。
電子輸送性を有する化合物とホール輸送性を有する化合物でホスト材料と第3の物質を構成する場合、その混合比によってキャリアバランスを制御することもできる。具体的には、ホスト材料:第3の物質(又は添加物)=1:9から9:1の範囲が好ましい。なお、この際、一種類の発光中心物質が分散した発光層を2層に分割し、ホスト材料と第3の物質の混合割合を異ならせる構成としても良い。これにより、発光素子のキャリアバランスを最適化することができ、寿命を向上させることが可能となる。また、一方の発光層を正孔輸送性の層とし、他方の発光層を電子輸送性の層としても良い。
以上のような構成を有する発光層は、複数の材料で構成されている場合、真空蒸着法での共蒸着や、混合溶液としてインクジェット法やスピンコート法やディップコート法などを用いて作製することができる。
電子輸送層114は、電子輸送性を有する物質を含む層である。例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる層である。また、この他ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)なども用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。
また、該複素環化合物を電子輸送層114を構成する材料として用いても良い。該複素環化合物は、バンドギャップが広く、T1準位の高い物質であるため、発光層における励起エネルギーが電子輸送層114に移動することを有効に防ぎ、それを原因とする発光効率の低下を抑制し、発光効率の高い発光素子を得ることが可能となる。また、本発明の一態様に係る化合物は、キャリア輸送性に優れるため、駆動電圧の低い発光素子を提供することが可能となる。
また、電子輸送層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
また、電子輸送層と発光層との間に電子キャリアの移動を制御する層を設けても良い。これは上述したような電子輸送性の高い材料に、電子トラップ性の高い物質を少量添加した層であって、電子キャリアの移動を抑制することによって、キャリアバランスを調節することが可能となる。このような構成は、発光層を電子が突き抜けてしまうことにより発生する問題(例えば素子寿命の低下)の抑制に大きな効果を発揮する。
また、発光層のホスト材料と、電子輸送層を構成する材料には、共通する骨格が存在することが好ましい。これによって、キャリアの移動がよりスムーズになり、駆動電圧を低減させることができる。さらに、上記ホスト材料と、電子輸送層を構成する材料を同じ物質で構成すると効果が高い。
また、電子輸送層114と第2の電極102との間に、第2の電極102に接して電子注入層115を設けてもよい。電子注入層115としては、リチウム、カルシウム、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)等を用いることができる。また、電子輸送性を有する物質と、当該物質に対する電子供与性を有する物質(以下単に電子供与性物質と称する)との複合材料を用いることもできる。電子供与性物質としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物、また、エレクトライドを用いることも出来る。エレクトライドとしては、例えば、カルシウムとアルミニウムの混合酸化物に電子を高濃度添加したエレクトライドが挙げられる。なお、電子注入層115として、このような複合材料を用いることにより、第2の電極102からの電子注入が効率良く行われるためより好ましい構成となる。この構成とすることにより、陰極として、仕事関数の小さい材料だけでなく、その他の導電材料を用いることも可能となる。
陰極として機能する電極を形成する物質としては、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等及びこれらを含む合金(MgAg、AlLi)やユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。しかしながら、第2の電極102と電子輸送層との間に、電子注入層を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、ケイ素若しくは酸化ケイ素を含有したインジウム錫酸化物等様々な導電性材料を第2の電極102として用いることができる。これら導電性材料は、スパッタリング法やインクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することが可能である。
また、EL層103の形成方法としては、乾式法、湿式法を問わず、種々の方法を用いることができる。例えば、真空蒸着法、インクジェット法またはスピンコート法など用いても構わない。また各電極または各層ごとに異なる成膜方法を用いて形成しても構わない。
電極についても、ゾル−ゲル法や、金属材料のペーストを用いて湿式法で形成してもよい。また、スパッタリング法や真空蒸着法などの乾式法を用いて形成しても良い。
なお、第1の電極101と第2の電極102との間に設けられるEL層の構成は、上記のものには限定されない。しかし、発光領域と電極やキャリア注入層に用いられる金属とが近接することによって生じる消光が抑制されるように、第1の電極101および第2の電極102から離れた部位に正孔と電子とが再結合する発光領域を設ける構成が好ましい。
また、直接発光層に接する正孔輸送層や電子輸送層、特に発光層113における発光領域に近い方に接するキャリア輸送層は、発光層で生成した励起子からのエネルギー移動を抑制するため、そのエネルギーギャップが発光層を構成する発光物質もしくは、発光層に含まれる発光中心物質が有するエネルギーギャップより大きいエネルギーギャップを有する物質で構成することが好ましい。
以上のような構成を有する発光素子は、第1の電極101と第2の電極102との間に与えられた電位差により電流が流れ、発光性の高い物質を含む層である発光層113において正孔と電子とが再結合し、発光するものである。つまり発光層113に発光領域が形成されるような構成となっている。
発光は、第1の電極101または第2の電極102のいずれか一方または両方を通って外部に取り出される。従って、第1の電極101または第2の電極102のいずれか一方または両方は、透光性を有する電極で成る。第1の電極101のみが透光性を有する電極である場合、発光は第1の電極101を通って基板側から取り出される。また、第2の電極102のみが透光性を有する電極である場合、発光は第2の電極102を通って基板と逆側から取り出される。第1の電極101および第2の電極102がいずれも透光性を有する電極である場合、発光は第1の電極101および第2の電極102を通って、基板側および基板と逆側の両方から取り出される。
本実施の形態における発光素子は、本発明の一態様に係る化合物が用いられていることから、外部量子効率の高い良好な発光素子となる。また、本発明の一態様に係る複素環化合物は、高い耐熱性を有しているため、良好な熱物性を有する発光素子となる。
このような発光素子はガラス、プラスチックなどからなる基板を支持体として作製すればよい。一基板上にこのような発光素子を複数作製することで、パッシブマトリクス型の発光装置を作製することができる。また、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に、トランジスタを形成し、トランジスタと電気的に接続された電極上に当該発光素子を作製してもよい。これにより、トランジスタによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の発光装置を作製できる。なお、トランジスタの構造は、特に限定されない。スタガ型のTFTでもよいし逆スタガ型のTFTでもよい。また、TFTに用いる半導体の結晶性についても特に限定されない。また、TFT基板に形成される駆動用回路についても、N型およびP型のTFTからなるものでもよいし、若しくはN型のTFTまたはP型のTFTのいずれか一方からのみなるものであってもよい。TFTを構成する半導体層の材料としては、シリコン(Si)及びゲルマニウム(Ge)等の元素周期表における第14族元素、ガリウムヒ素及びインジウムリン等の化合物、並びに酸化亜鉛及び酸化スズ等の酸化物など、半導体特性を示す物質であればどのような材料を用いてもよい。半導体特性を示す酸化物(酸化物半導体)としては、インジウム、ガリウム、アルミニウム、亜鉛及びスズから選んだ元素の複合酸化物を用いることができる。例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化亜鉛を含む酸化インジウム(Indium Zinc Oxide)、並びに酸化インジウム、酸化ガリウム、及び酸化亜鉛からなる酸化物(IGZO:Indium Gallium Zinc Oxide)をその例に挙げることができる。また、有機半導体を用いても良い。当該半導体層は、結晶質構造、非晶質構造のどちらの構造であってもよい。また、結晶質構造の半導体層の具体例としては、単結晶半導体、多結晶半導体、若しくは微結晶半導体が挙げられる。
本発明の一態様に係る複素環化合物は、上述の通り発光素子に用いることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態は、複数の発光ユニットを積層した構成の発光素子(以下、積層型素子ともいう)の態様について、図1(B)を参照して説明する。この発光素子は、第1の電極と第2の電極との間に、複数の発光ユニットを有する発光素子である。一つの発光ユニットは、実施の形態2で示したEL層103と同様な構成を有する。つまり、実施の形態2で示した発光素子は、1つの発光ユニットを有する発光素子であり、本実施の形態では、複数の発光ユニットを有する発光素子ということができる。
図1(B)において、第1の電極501と第2の電極502との間には、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512が積層されており、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512との間には電荷発生層513が設けられている。第1の電極501と第2の電極502はそれぞれ実施の形態2における第1の電極101と第2の電極102に相当し、実施の形態2で説明したものと同様なものを適用することができる。また、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512は同じ構成であっても異なる構成であってもよい。
電荷発生層513には、有機化合物と金属酸化物の複合材料が含まれている。この有機化合物と金属酸化物の複合材料は、実施の形態2で示した正孔注入層に用いることができる複合材料を用いることができる。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール化合物、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物としては、正孔移動度が1×10−6cm2/Vs以上であるものを適用することが好ましい。ただし、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。有機化合物と金属酸化物の複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。なお、陽極側の界面が電荷発生層に接している発光ユニットは、電荷発生層が正孔輸送層の役割も担うことができるため、正孔輸送層を設けなくとも良い。
なお、電荷発生層513は、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と他の材料により構成される層を組み合わせた積層構造として形成してもよい。例えば、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、電子供与性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わせて形成してもよい。また、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、透明導電膜とを組み合わせて形成してもよい。
いずれにしても、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512に挟まれる電荷発生層513は、第1の電極501と第2の電極502に電圧を印加したときに、一方の発光ユニットに電子を注入し、他方の発光ユニットに正孔を注入するものであれば良い。例えば、図1(B)において、第1の電極の電位の方が第2の電極の電位よりも高くなるように電圧を印加した場合、電荷発生層513は、第1の発光ユニット511に電子を注入し、第2の発光ユニット512に正孔を注入するものであればよい。
本実施の形態では、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。本実施の形態に係る発光素子のように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度発光を可能とし、さらに長寿命な素子を実現できる。また、低電圧駆動が可能で消費電力が低い発光装置を実現することができる。
また、それぞれの発光ユニットの発光色を異なるものにすることで、発光素子全体として、所望の色の発光を得ることができる。例えば、2つの発光ユニットを有する発光素子において、第1の発光ユニットの発光色と第2の発光ユニットの発光色を補色の関係になるようにすることで、発光素子全体として白色発光する発光素子を得ることも可能である。なお、補色とは、混合すると無彩色になる色同士の関係をいう。つまり、補色の関係にある色を発光する物質から得られた光を混合すると、白色発光を得ることができる。また、3つの発光ユニットを有する発光素子の場合でも同様であり、例えば、第1の発光ユニットの発光色が赤色であり、第2の発光ユニットの発光色が緑色であり、第3の発光ユニットの発光色が青色である場合、発光素子全体としては、白色発光を得ることができる。また、一方の発光ユニットでは燐光発光を示す発光中心物質を用いた発光層を、他方の発光ユニットでは蛍光発光を示す発光中心物質を用いた発光層を適用することで、一つの発光素子において蛍光発光、燐光発光の両方を効率よく発光させることができる。例えば、一方の発光ユニットでは、赤色と緑色の燐光発光を得、他方の発光ユニットでは青色の蛍光発光を得ることで、発光効率の良好な白色発光を得ることができる。
本実施の形態の発光素子はジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有する化合物を含むことから、発光効率の良好な発光素子とすることができる。また、駆動電圧の低い発光素子とすることができる。又、当該複素環化合物が含まれる発光ユニットは発光中心物質由来の光を色純度良く得られるため、発光素子全体としての色の調整が容易となる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有する化合物を含む発光素子を用いた発光装置について説明する。
本実施の形態では、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有する化合物を含む発光素子を用いて作製された発光装置の一例について図2を用いて説明する。なお、図2(A)は、発光装置を示す上面図、図2(B)は図2(A)をA−BおよびC−Dで切断した断面図である。この発光装置は、発光素子の発光を制御するものとして、点線で示された駆動回路部(ソース側駆動回路)601、画素部602、駆動回路部(ゲート側駆動回路)603を含んでいる。また、604は封止基板、625は乾燥材、605はシール材であり、シール材605で囲まれた内側は、空間607になっている。
なお、引き回し配線608はソース側駆動回路601及びゲート側駆動回路603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図2(B)を用いて説明する。素子基板610上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路601と、画素部602中の一つの画素が示されている。
なお、ソース側駆動回路601はnチャネル型TFT623とpチャネル型TFT624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路は、種々のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施の形態では、基板上に駆動回路を形成したドライバ一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部602はスイッチング用TFT611と、電流制御用TFT612とそのドレインに電気的に接続された第1の電極613とを含む複数の画素により形成される。なお、第1の電極613の端部を覆って絶縁物614が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性樹脂膜を用いることにより形成することができる。
また、上に形成される膜のカバレッジを良好なものとするため、絶縁物614の上端部または下端部に曲率を有する面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲率半径(0.2μm以上3μm以下)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物614として、ネガ型の感光材料、或いはポジ型の感光材料のいずれも使用することができる。
第1の電極613上には、EL層616、および第2の電極617がそれぞれ形成されている。ここで、陽極として機能する第1の電極613に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO膜、またはケイ素を含有したインジウム錫酸化物膜、2wt%以上20wt%以下の酸化亜鉛を含む酸化インジウム膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
また、EL層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法、スピンコート法等の種々の方法によって形成される。EL層616は、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有する化合物を含んでいる。また、EL層616を構成する他の材料としては、低分子化合物、または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマーを含む)であっても良い。
さらに、EL層616上に形成され、陰極として機能する第2の電極617に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Mg、Li、Ca、またはこれらの合金や化合物、MgAg、MgIn、AlLi等)を用いることが好ましい。なお、EL層616で生じた光が第2の電極617を透過させる場合には、第2の電極617として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO、2wt%以上20wt%以下の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、ケイ素を含有したインジウム錫酸化物、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いるのが良い。
なお、第1の電極613、EL層616、第2の電極617から、発光素子が形成されている。当該発光素子は実施の形態3の構成を有する発光素子である。なお、画素部は複数の発光素子が形成されてなっているが、本実施の形態における発光装置では、実施の形態3で説明した構成を有する発光素子と、それ以外の構成を有する発光素子の両方が含まれていても良い。
さらにシール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた空間607に発光素子618が備えられた構造になっている。なお、空間607には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、樹脂若しくは乾燥材又はその両方で充填される場合もある。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂やガラスフリットを用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiber Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有する化合物を含む発光素子を用いて作製された発光装置を得ることができる。
図3には白色発光を呈する発光素子を形成し、着色層(カラーフィルタ)等を設けることによってフルカラー化した発光装置の例を示す。図3(A)には基板1001、下地絶縁膜1002、ゲート絶縁膜1003、ゲート電極1006、1007、1008、第1の層間絶縁膜1020、第2の層間絶縁膜1021、周辺部1042、画素部1040、駆動回路部1041、発光素子の第1の電極1024W、1024R、1024G、1024B、隔壁1025、EL層1028、発光素子の第2の電極1029、封止基板1031、シール材1032などが図示されている。
また、図3(A)では着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)は透明な基材1033に設けている。また、黒色層(ブラックマトリックス)1035をさらに設けても良い。着色層及び黒色層が設けられた透明な基材1033は、位置合わせし、基板1001に固定する。なお、着色層、及び黒色層は、オーバーコート層1036で覆われている。また、図3(A)においては、光が着色層を透過せずに外部へと出る発光層と、各色の着色層を透過して外部に光が出る発光層とがあり、着色層を透過しない光は白、着色層を透過する光は赤、青、緑となることから、4色の画素で映像を表現することができる。
図3(B)では着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)をゲート絶縁膜1003と第1の層間絶縁膜1020との間に形成する例を示した。このように、着色層は基板1001と封止基板1031の間に設けられていても良い。
また、以上に説明した発光装置では、TFTが形成されている基板1001側に光を取り出す構造(ボトムエミッション型)の発光装置としたが、封止基板1031側に発光を取り出す構造(トップエミッション型)の発光装置としても良い。トップエミッション型の発光装置の断面図を図4に示す。この場合、基板1001は光を通さない基板を用いることができる。TFTと発光素子の陽極とを接続する接続電極を作製するまでは、ボトムエミッション型の発光装置と同様に形成する。その後、第3の層間絶縁膜1037を電極1022を覆って形成する。この絶縁膜は平坦化の役割を担っていても良い。第3の層間絶縁膜1037は第2の層間絶縁膜と同様の材料の他、他の様々な材料を用いて形成することができる。
発光素子の第1の電極1024W、1024R、1024G、1024Bはここでは陽極とするが、陰極であっても構わない。また、図4のようなトップエミッション型の発光装置である場合、第1の電極を反射電極とすることが好ましい。EL層1028の構成は、実施の形態2で説明したような構成とし、白色の発光が得られるような素子構造とする。
図3、図4において、白色の発光が得られるEL層の構成としては、発光層を複数層用いること、複数の発光ユニットを用いることなどにより実現すればよい。なお、白色発光を得る構成はこれらに限らないことはもちろんである。
図4のようなトップエミッションの構造では着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)を設けた封止基板1031で封止を行うことができる。封止基板1031には画素と画素との間に位置するように黒色層(ブラックマトリックス)1030を設けても良い。着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)や黒色層(ブラックマトリックス)はオーバーコート層によって覆われていても良い。なお封止基板1031は透光性を有する基板を用いることとする。
また、ここでは赤、緑、青、白の4色でフルカラー表示を行う例を示したが特に限定されず、赤、緑、青の3色でフルカラー表示を行ってもよい。また、赤、緑、青、黄の4色でフルカラー表示を行ってもよい。
本実施の形態における発光装置は、実施の形態3に記載の発光素子(ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有する化合物を含む発光素子)を用いているため、良好な特性を備えた発光装置を得ることができる。具体的には、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有する化合物は大きなエネルギーギャップや高い三重項励起準位を有し、発光物質からのエネルギーの移動を抑制することが可能であることから、幅広い発光色において発光効率の良好な発光素子を提供することができるため、消費電力の低減された、演色性の良好な発光装置とすることができる。また、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有する化合物キャリア輸送性が高いことから駆動電圧の低い発光素子を得ることができ、駆動電圧の低い発光装置を得ることができる。また、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有する化合物は、熱物性が良好であることから、高い耐熱性を有する発光装置とすることができる。
ここまでは、アクティブマトリクス型の発光装置について説明したが、以下からはパッシブマトリクス型の発光装置について説明する。図5には本発明の一態様を適用して作製したパッシブマトリクス型の発光装置を示す。なお、図5(A)は、発光装置を示す斜視図、図5(B)は図5(A)をX−Yで切断した断面図である。図5において、基板951上には、電極952と電極956との間にはEL層955が設けられている。電極952の端部は絶縁層953で覆われている。そして、絶縁層953上には隔壁層954が設けられている。隔壁層954の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなっていくような傾斜を有する。つまり、隔壁層954の短辺方向の断面は、台形状であり、底辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接する辺)の方が上辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接しない辺)よりも短い。このように、隔壁層954を設けることで、静電気等に起因した発光素子の不良を防ぐことが出来る。また、パッシブマトリクス型の発光装置においても、低駆動電圧で動作する実施の形態3に記載の発光素子(ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有する化合物を含む発光素子)を有することによって、低消費電力で駆動させることができる。また、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有する化合物を含む発光素子を用いるため、耐熱性及び発光効率の高い発光素子(実施の形態3に記載の発光素子)を含むことによって耐熱性及び発光効率の高い発光装置を提供することができる。
また、本明細書等において、様々な基板を用いて、トランジスタや発光素子を形成することが出来る。基板の種類は、特定のものに限定されることはない。その基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、以下のものがあげられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるプラスチックがある。または、一例としては、アクリル等の合成樹脂などがある。または、一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。または、一例としては、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。特に、半導体基板、単結晶基板、又はSOI基板などを用いてトランジスタを製造することによって、特性、サイズ、又は形状などのばらつきが少なく、電流能力が高く、サイズの小さいトランジスタを製造することができる。このようなトランジスタによって回路を構成すると、回路の低消費電力化、又は回路の高集積化を図ることができる。
また、基板として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、トランジスタや発光素子を形成してもよい。または、基板とトランジスタの間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に半導体装置を一部あるいは全部完成させた後、基板より分離し、他の基板に転載するために用いることができる。その際、トランジスタは耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも転載できる。なお、上述の剥離層には、例えば、タングステン膜と酸化シリコン膜との無機膜の積層構造の構成や、基板上にポリイミド等の有機樹脂膜が形成された構成等を用いることができる。
つまり、ある基板を用いてトランジスタや発光素子を形成し、その後、別の基板にトランジスタや発光素子を転置し、別の基板上にトランジスタや発光素子を配置してもよい。トランジスタや発光素子が転置される基板の一例としては、上述したトランジスタを形成することが可能な基板に加え、紙基板、セロファン基板、アラミドフィルム基板、ポリイミドフィルム基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、特性のよいトランジスタの形成、消費電力の小さいトランジスタの形成、壊れにくい装置の製造、耐熱性の付与、軽量化、又は薄型化を図ることができる。
以上、説明した発光装置は、マトリクス状に配置された多数の微小な発光素子をそれぞれ制御することが可能であるため、画像の表現を行う表示装置として好適に利用できる発光装置である。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態6)
本実施の形態では、実施の形態3に示す発光素子をその一部に含む電子機器について説明する。実施の形態3記載の発光素子は、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有する、本発明の一態様に係る化合物を含むことから、消費電力が低減された発光素子であり、その結果、本実施の形態に記載の電子機器は、消費電力が低減された表示部を有する電子機器とすることが可能である。また、実施の形態3に記載の発光素子は、駆動電圧の低い発光素子であるため、駆動電圧の低い電子機器とすることが可能である。また、実施の形態3に記載の発光素子は、熱物性が良好な発光素子であるため、耐熱性の高い電子機器とすることができる。
上記発光素子を適用した電子機器として、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。これらの電子機器の具体例を以下に示す。
図6(A)は、テレビジョン装置の一例を示している。テレビジョン装置は、筐体7101に表示部7103が組み込まれている。また、ここでは、スタンド7105により筐体7101を支持した構成を示している。表示部7103により、映像を表示することが可能であり、表示部7103は、実施の形態3で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有する化合物を含むため発光効率の良好な発光素子とすることが可能である。また、駆動電圧の低い発光素子とすることが可能である。そのため、当該発光素子で構成される表示部7103を有するテレビ装置は消費電力の低減されたテレビ装置とすることができる。また、駆動電圧の低いテレビ装置とすることが可能である。
テレビジョン装置の操作は、筐体7101が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機7110により行うことができる。リモコン操作機7110が備える操作キー7109により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部7103に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機7110に、当該リモコン操作機7110から出力する情報を表示する表示部7107を設ける構成としてもよい。
なお、テレビジョン装置は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
図6(B)はコンピュータであり、本体7201、筐体7202、表示部7203、キーボード7204、外部接続ポート7205、ポインティングデバイス7206等を含む。なお、このコンピュータは、実施の形態3で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して表示部7203に用いることにより作製される。当該発光素子は、本発明の一態様に係る化合物を含むため発光効率の良好な発光素子とすることが可能である。また、駆動電圧の低い発光素子とすることが可能である。そのため、当該発光素子で構成される表示部7203を有するコンピュータは消費電力の低減されたコンピュータとすることができる。また、駆動電圧の低いコンピュータとすることが可能である。
図6(C)は携帯型遊技機であり、筐体7301と筐体7302の2つの筐体で構成されており、連結部7303により、開閉可能に連結されている。筐体7301には、実施の形態3で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して作製された表示部7304が組み込まれ、筐体7302には表示部7305が組み込まれている。また、図6(C)に示す携帯型遊技機は、その他、スピーカ部7306、記録媒体挿入部7307、LEDランプ7308、入力手段(操作キー7309、接続端子7310、センサ7311(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン7312)等を備えている。もちろん、携帯型遊技機の構成は上述のものに限定されず、少なくとも表示部7304および表示部7305の両方、または一方に実施の形態3で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して作製された表示部を用いていればよく、その他付属設備が適宜設けられた構成とすることができる。図6(C)に示す携帯型遊技機は、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能や、他の携帯型遊技機と無線通信を行って情報を共有する機能を有する。なお、図6(C)に示す携帯型遊技機が有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。上述のような表示部7304を有する携帯型遊技機は、表示部7304に用いられている発光素子が、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有する、本発明の一態様に係る化合物を含むことによって、良好な発光効率を有することから、消費電力の低減された携帯型遊技機とすることができる。また、表示部7304に用いられている発光素子が本発明の一態様に係る化合物を含むことによって、低い駆動電圧で駆動させることができることから、駆動電圧の低い携帯型遊技機とすることができる。
図6(D)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機は、筐体7401に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、スピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機は、実施の形態3で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して作製された表示部7402を有している。当該発光素子は、本発明の一態様に係る化合物を含むため発光効率の良好な発光素子とすることが可能である。また、駆動電圧の低い発光素子とすることが可能である。そのため、当該発光素子で構成される表示部7402を有する携帯電話機は消費電力の低減された携帯電話機とすることができる。また、駆動電圧の低い携帯電話機とすることが可能である。
図6(D)に示す携帯電話機は、表示部7402を指などで触れることで、情報を入力することができる構成とすることもできる。この場合、電話を掛ける、或いはメールを作成するなどの操作は、表示部7402を指などで触れることにより行うことができる。
表示部7402の画面は主として3つのモードがある。第1は、画像の表示を主とする表示モードであり、第2は、文字等の情報の入力を主とする入力モードである。第3は表示モードと入力モードの2つのモードが混合した表示+入力モードである。
例えば、電話を掛ける、或いはメールを作成する場合は、表示部7402を文字の入力を主とする文字入力モードとし、画面に表示させた文字の入力操作を行えばよい。この場合、表示部7402の画面のほとんどにキーボードまたは番号ボタンを表示させることが好ましい。
また、携帯電話機内部に、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサを有する検出装置を設けることで、携帯電話機の向き(縦か横か)を判断して、表示部7402の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
また、画面モードの切り替えは、表示部7402を触れること、又は筐体7401の操作ボタン7403の操作により行われる。また、表示部7402に表示される画像の種類によって切り替えるようにすることもできる。例えば、表示部に表示する画像信号が動画のデータであれば表示モード、テキストデータであれば入力モードに切り替える。
また、入力モードにおいて、表示部7402の光センサで検出される信号を検知し、表示部7402のタッチ操作による入力が一定期間ない場合には、画面のモードを入力モードから表示モードに切り替えるように制御してもよい。
表示部7402は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部7402に掌や指で触れ、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部に近赤外光を発光するバックライトまたは近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。
なお、本実施の形態に示す構成は、実施の形態1乃至実施の形態4に示した構成を適宜組み合わせて用いることができる。
以上の様に、実施の形態3で説明したような、本発明の一態様に係る化合物を含む発光素子を備えた発光装置の適用範囲は極めて広く、この発光装置をあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。また消費電力の低減された電子機器を得ることができる。また、駆動電圧の低い電子機器を得ることができる。
また、本発明の一態様に係る化合物を含む発光素子は、光源装置に用いることもできる。一態様を、図7を用いて説明する。なお、光源装置とは、本発明の一態様に係る化合物を含む発光素子を光の照射手段として有し、且つ少なくとも当該発光素子へ電流を供給する入出力端子部を有するものとする。また、当該発光素子は、封止手段によって、外部雰囲気より遮断されていることが好ましい。
図7は、本発明の一態様に係る化合物を含む発光素子をバックライトに適用した液晶表示装置の一例である。図7に示した液晶表示装置は、筐体901、液晶層902、バックライト903、筐体904を有し、液晶層902は、ドライバIC905と接続されている。また、バックライト903には、上記化合物を含む発光素子が用いられおり、端子906により、電流が供給されている。
上記化合物を含む発光素子を液晶表示装置のバックライトに適用したことにより、消費電力の低減されたバックライトが得られる。また、上記化合物を含む発光素子を用いることで、面発光の照明装置が作製でき、また大面積化も可能である。これにより、バックライトの大面積化が可能であり、液晶表示装置の大面積化も可能になる。さらに、上記化合物を含む発光素子を適用したバックライトは発光装置を従来と比較し厚みを小さくできるため、表示装置の薄型化も可能となる。
図8は、本発明の一態様に係る化合物を含む発光素子を、照明装置である電気スタンドに用いた例である。図8に示す電気スタンドは、筐体2001と、光源2002を有し、光源2002として上記複素環化合物を含む発光素子が用いられている。
図9は、本発明の一態様に係る化合物を含む発光素子を、室内の照明装置3001に適用した例である。上記化合物を含む発光素子は消費電力の低減された発光素子であるため、消費電力の低減された照明装置とすることができる。また、上記化合物を含む発光素子は、大面積化が可能であるため、大面積の照明装置として用いることができる。また、上記化合物を含む発光素子は厚みが小さいため、薄型化した照明装置を作製することが可能となる。また、図9は、本発明の一態様に係る化合物を含む発光素子を、表示装置3002に適用した例である。
本発明の一態様に係る化合物を含む発光素子は、自動車のフロントガラスやダッシュボードにも搭載することができる。図10に上記複素環化合物を含む発光素子を自動車のフロントガラスやダッシュボードに用いる一態様を示す。表示領域5000乃至表示領域5005は上記複素環化合物を含む発光素子を用いて設けられた表示である。
表示領域5000と表示領域5001は自動車のフロントガラスに設けられた上記複素環化合物を含む発光素子を搭載した表示装置である。上記複素環化合物を含む発光素子は、第1の電極と第2の電極を透光性を有する電極で作製することによって、反対側が透けて見える、いわゆるシースルー状態の表示装置とすることができる。シースルー状態の表示であれば、自動車のフロントガラスに設置したとしても、視界の妨げになることなく設置することができる。なお、駆動のためのトランジスタなどを設ける場合には、有機半導体材料による有機トランジスタや、酸化物半導体を用いたトランジスタなど、透光性を有するトランジスタを用いると良い。
表示領域5002はピラー部分に設けられた上記複素環化合物を含む発光素子を搭載した表示装置である。表示領域5002には、車体に設けられた撮像手段からの映像を映し出すことによって、ピラーで遮られた視界を補完することができる。また、同様に、ダッシュボード部分に設けられた表示領域5003は車体によって遮られた視界を、自動車の外側に設けられた撮像手段からの映像を映し出すことによって、死角を補い、安全性を高めることができる。見えない部分を補完するように映像を映すことによって、より自然に違和感なく安全確認を行うことができる。
表示領域5004や表示領域5005はナビゲーション情報、スピードメーターやタコメーター、走行距離、給油量、ギア状態、エアコンの設定など、その他様々な情報を提供することができる。表示は使用者の好みに合わせて適宜その表示項目やレイアウトを変更することができる。なお、これら情報は表示領域5000乃至表示領域5003にも設けることができる。また、表示領域5000乃至表示領域5005は照明装置として用いることも可能である。
ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはカルバゾリル基と、ジベンゾ[f,h]キノキサリニル基を有し、両者が3以上のアリーレン基を介して結合している構造を有する化合物を含む発光素子は当該化合物を含むことによって、熱物性の良好な発光装置とすることができる。このことから、高温環境下にさらされる時間があっても、その後に使用することができることから上記化合物を含む発光素子を用いた発光装置または照明装置は、車載用の発光装置又は照明装置として好適に用いることができる。
本発明の一態様に係る化合物は、有機薄膜太陽電池など電子デバイスにも用いることができる。より具体的には、キャリア輸送性があるため、キャリア輸送層、キャリア注入層に用いることができる。また、光励起が生じるため、発電層として用いることもできる。
≪合成例1≫
本合成例では、実施の形態1及び2で説明した複素環化合物である2−[3’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:3’,1’’−テルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBtTPDBq−II)(構造式(2001))の合成方法について説明する。2mDBtTPDBq−IIの構造式を下に示す。
<2−[3’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:3’,1’’−テルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBtTPDBq−II)の合成>
100mL三口フラスコに、2−(3’−ブロモ−3,1’−ビフェニル−1−イル)ジベンゾ[f,h]キノキサリン1.5g(3.3mmol)と、3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニルボロン酸1.1g(3.5mmol)と、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン20mg(65μmol)と、トルエン20mLと、エタノール5mLと、炭酸カリウム水溶液(2mol/L)5mLを入れた後、フラスコ内のこの混合物を減圧脱気してから系内を窒素気流下とし、この混合物を80℃に加熱した。加熱後、酢酸パラジウム(II)7.0mg(30μmol)を加え、同温度で12時間撹拌した。撹拌後、析出した固体を吸引濾過により回収し、得られた固体を水とエタノールを用いて洗浄したところ、目的物の粉末を1.6g、収率78%で得た。本ステップの合成スキームを下記式(A−1)に示す。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析結果を下記に示す。
1H NMR(クロロホルム−d,500MHz):δ=7.38−7.45(m、2H)、7.59(d、J=4.5Hz、2H)、7.64−7.85(m、13H)、8.07(s、1H)、8.13(s、1H)、8.17−8.20(m、2H)、8.34(d、J=8.0Hz、1H)、8.64−8.67(m、3H)、9.24(d、J=8.0Hz、1H)、9.41(d、J=8.0Hz、1H)、9.47(s、1H)
また、1H NMRチャートを図11(A)(B)に示す。なお、図11(B)は、図11(A)における7.4ppmから9.6ppmの範囲を拡大して表したチャートである。測定結果から、目的物である2mDBtTPDBq−IIが得られたことを確認した。
得られた1.6gの固体をトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は圧力2.9Paで、アルゴンを流速15mL/minで流しながら、340℃で固体を15時間加熱して行い、1.1gの固体を回収率64%で得た。
≪2−[3’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:3’,1’’−テルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBtTPDBq−II)の物性≫
次に、2mDBtTPDBq−IIのトルエン溶液の吸収スペクトルを図12に、発光スペクトルを図13に示す。また、薄膜の吸収スペクトルを図14に、発光スペクトルを図15に示す。吸収スペクトルの測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。また、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計(浜松ホトニクス株式会社製、FS920)を用いた。トルエン溶液のスペクトルは、2mDBtTPDBq−IIのトルエン溶液を石英セルに入れて測定した。また、薄膜のスペクトルは、2mDBtTPDBq−IIを石英基板に蒸着してサンプルを作製した。なお、トルエン溶液の吸収スペクトルは石英セルにトルエンのみを入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図示し、薄膜の吸収スペクトルは石英基板の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図示した。
図12より、2mDBtTPDBq−IIのトルエン溶液は374nm、362nm、333nm、及び321nm付近に吸収ピークが見られ、図13より、発光波長のピークは384nm、及び403nm(励起波長378nm)であった。また、図14より、2mDBtTPDBq−IIの薄膜は252nm、294nm、323nm、338nm、368nm、及び384nm付近に吸収ピークが見られ、図15より、発光波長のピークは421nm付近(励起波長321nm)に見られた。2mDBtTPDBq−IIは青紫色に発光することを確認した。本発明の一態様の化合物は発光物質のホスト材料や可視域の蛍光発光物質のホスト材料としても利用可能である。
また、2mDBtTPDBq−IIのりん光発光測定を行った。測定には、顕微PL装置 LabRAM HR−PL ((株)堀場製作所)を用い、測定温度は10K、励起光としてHe−Cdレーザー(325nm)を用い、検出器にはCCD検出器を用いた。試料の薄膜は石英基板上に厚さ約50nmで成膜し、その石英基板に対し、窒素雰囲気中で、蒸着面側から別の石英基板を貼り付けた後、測定に用いた。得られたりん光スペクトルを図16に示す。この結果より、2mDBtTPDBq−IIのりん光スペクトルにおける最も短波長側のピークは514nmに存在し、大きなT1準位を有する物質であることが分かった。また、2mDBtTPDBq−IIの薄膜は、大気下においても凝集しにくく、形態の変化が小さく、膜質が良好であることがわかった。
さらに、酸化還元反応特性をサイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。測定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600Aまたは600C)を用いた。測定溶液は、溶媒として脱水ジメチルホルムアミド(DMF)を用い、支持電解質である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−Bu4NClO4)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させ、さらに測定対象を2mmol/Lの濃度となるように溶解させて調製した。作用電極は白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極は白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC−3用Ptカウンター電極(5cm))を、参照電極はAg/Ag+電極(ビー・エー・エス(株)製、RE7非水溶媒系参照電極)をそれぞれ用いた。スキャン速度は、0.1V/secに統一した。測定した結果、酸化電位は−6.19eV、還元電位は−2.94eVとなった。酸化電位をHOMO準位、還元電位をLUMO準位とすると、HOMO準位−LUMO準位間のギャップは3.25eVと見積もられ、広いバンドギャップを有する材料であることが示された。
≪合成例2≫
本合成例では、実施の形態1及び2で説明した複素環化合物である2−[3’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:4’,1’’−テルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2DBtTPDBq)(構造式(2002))の合成方法について説明する。2DBtTPDBqの構造式を下に示す。
<4−(4’−ブロモ−3,1’−ビフェニル−1−イル)ジベンゾチオフェンの合成>
3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニルボロン酸3.0g(9.8mmol)と、4−ブロモヨードベンゼン2.8g(2.8mmol)と、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン0.15g(0.49mmol)と、トルエン50mLと、エタノール5mLと、炭酸カリウム水溶液(2mol/L)15mLを200mL三口フラスコに入れた後、この混合物を減圧脱気し、系内を窒素気流下とした。この混合物を80℃に加熱した後、酢酸パラジウム(II)40mg(0.18mmol)を加え、同温度で10時間撹拌した。撹拌後、混合物の水層をトルエンで3回抽出し、抽出液と有機層を合わせて、飽和食塩水を用いて洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。得られた混合物を自然濾過し、ろ液を濃縮することにより褐色油状物を得た。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン)で精製し、更にクロロホルム/ヘキサンで再結晶したところ、目的物の白色粉末を2.5g、収率60%で得た。本ステップの合成スキームを下記式(B−1)に示す。
<3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−4,1’−ビフェニルボロン酸の合成>
上述の式(B−1)に示されるステップにより合成された4−(4’−ブロモ−3,1’−ビフェニル−1−イル)ジベンゾチオフェン2.8g(6.7mmol)を300mL三口フラスコに入れ、系内を窒素気流下としてから、脱水テトラヒドロフラン70mLを加えた。この溶液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.6mol/L)5mL(8.0mmol)を、シリンジを用いて滴下し、滴下後、同温度で1時間半撹拌した。撹拌後、同温度でホウ酸トリメチル1mL(8.9mmol)を加え、得られた溶液を室温で19時間撹拌した。撹拌後、塩酸(1mol/L)30mLを加えた後、この混合物の水層を酢酸エチルで抽出した。得られた抽出液と有機層は合わせて炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水を用いて洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。得られた混合物を自然濾過しろ液を濃縮したところ淡黄色固体を得た。得られた固体をクロロホルム/ヘキサンにより洗浄したところ目的物の粉末を1.9g、収率75%で得た。本ステップの合成スキームを下記式(B−2)に示す。
<2−[3’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:4’,1’’−テルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2DBtTPDBq)の合成法>
2−(3−クロロフェニル)ジベンゾ[f,h]キノキサリン1.7g(5.0mmol)と、上述の式(B−2)に示されるステップにより合成された3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−4,1’−ビフェニルボロン酸1.9g(5.0mmol)と、リン酸三カリウム3.2g(15mmol)と、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン0.10g(0.28mmol)と、t−ブチルアルコール2mLと、ジエチレングリコールジメチルエーテル25mLを100mL三口フラスコに入れた後、この混合物を減圧脱気してから系内を窒素気流下とした。この混合物を140℃に加熱してから、[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド30mg(40μmol)を加え、同温度で3時間半撹拌した。撹拌後、析出した固体を吸引ろ過で回収し、得られた固体をエタノールと水を用いて洗浄した。得られた固体をクロロホルムで熱ろ過し、ろ液を濃縮したところ目的物の固体を2.0g、収率63%で得た。本ステップの合成スキームを下記式(B−3)に示す。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析結果を下記に示す。
1H NMR(テトラクロロエタン−d2,500MHz):δ=7.53−7.55(m、2H)、7.65−7.66(m、2H)、7.69(t、J=8.0Hz、1H)、7.76(t、J=8.0Hz、1H)、7.80−7.93(m、12H)、8.14(s、1H)、8.23−8.27(m、2H)、8.38(d、J=8.0Hz、1H)、8.70−8.72(m、3H)、9.33(d、J=8.0Hz、1H)、9.49(d、J=8.0Hz、1H)、9.53(s、1H)
また、1H NMRチャートを図17(A)(B)に示す。なお、図17(B)は、図17(A)における7.4ppmから9.6ppmの範囲を拡大して表したチャートである。測定結果から、目的物である2DBtTPDBqが得られたことを確認した。
得られた固体2.0gをトレインサブリメーション法で昇華精製を行った。昇華精製は、圧力2.9Pa、アルゴンを流速15mL/minで流しながら、固体を340℃で14時間加熱して行った。精製後目的物の粉末を1.2g、回収率60%で得た。
≪2−[3’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:4’,1’’−テルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2DBtTPDBq)の物性≫
次に、2DBtTPDBqのトルエン溶液の吸収スペクトルを2mDBtTPDBq−IIと同様の測定方法にて測定した結果を図18に、発光スペクトルを図19に示す。また、2mDBtTPDBq−IIと同様の測定方法にて測定した2DBtTPDBqの薄膜の吸収スペクトルを図20に、発光スペクトルを図21に示す。
図18より、2DBtTPDBqのトルエン溶液は361nm、332nm、及び282nm付近に吸収ピークが見られ、図19より、発光波長のピークは385nm、及び405nm(励起波長357nm)であった。また、図20より、2DBtTPDBqの薄膜は210nm、249nm、269nm、293nm、319nm、339nm、368nm、及び384nm付近に吸収ピークが見られ、図21より、発光波長のピークは423nm付近(励起波長385nm)に見られた。2DBtTPDBqは青紫色に発光することを確認した。本発明の一態様の化合物は発光物質のホスト材料や可視域の蛍光発光物質のホスト材料としても利用可能である。
また、2DBtTPDBqのりん光発光測定を2mDBtTPDBq−IIと同様の測定方法にて行った。得られたりん光スペクトルを図22に示す。この結果より、2DBtTPDBqのりん光スペクトルにおける最も短波長側のピークは517nmに存在し、大きなT1準位を有する物質であることが分かった。また、2DBtTPDBqの薄膜は、大気下においても凝集しにくく、形態の変化が小さく、膜質が良好であることがわかった。
さらに、酸化還元反応特性をサイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。測定は2mDBtTPDBq−IIと同様の測定方法にて行った。測定した結果、酸化電位は観測されず、還元電位は−2.99eVとなった。
≪合成例3≫
本合成例では、実施の形態1及び2で説明した複素環化合物である2−[4’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:4’,1’’−テルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2DBtTPDBq−03)(構造式(2003))の合成方法について説明する。2DBtTPDBq−03の構造式を下に示す。
<4−(4−ブロモフェニル)ジベンゾチオフェンの合成>
ジベンゾチオフェン−4−イルボロン酸5.0g(22mmol)と、4−ブロモヨードベンゼン6.2g(22mmol)と、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン0.31g(1.0mmol)と、トルエン110mLと、エタノール10mLと、炭酸カリウム水溶液(2mol/L)30mLを300mL三口フラスコに入れ、この混合物を減圧脱気してから系内を窒素気流下とした。得られた混合物を80℃に加熱し、酢酸パラジウム(II)100mg(0.44mmol)を加え、11時間撹拌した。撹拌後、この混合物の水層を、トルエンを用いて抽出し、抽出液と有機層を合わせて飽和食塩水を用いて洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。この混合物を自然濾過して得られた溶液を濃縮することにより、褐色固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒はヘキサン)により精製した後、ヘキサン/クロロホルムにより再結晶したところ、目的物の白色固体を5.5g、収率74%で得た。本ステップの合成スキームを下記式(C−1)に示す。
<4−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニルボロン酸の合成>
上述の式(C−1)に示されるステップにより合成された4−(4−ブロモフェニル)ジベンゾチオフェン6.7g(20mmol)を300mL三口フラスコに入れ、系内を窒素気流下としてから、脱水テトラヒドロフラン200mLを加えた。この溶液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.6mol/L)15mL(24.0mmol)を、シリンジを用いて滴下し、滴下後、同温度で1時間半撹拌した。撹拌後、同温度でホウ酸トリメチル3mL(26.8mmol)を加え、得られた溶液を室温で20時間撹拌した。撹拌後、塩酸(1mol/L)90mLを加えた後、この混合物の水層を酢酸エチルで抽出した。得られた抽出液と有機層は合わせて炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水を用いて洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。得られた混合物を自然濾過しろ液を濃縮したところ淡黄色固体を得た。得られた固体をクロロホルム/ヘキサンにより洗浄したところ目的物の白色固体を4.0g、収率77%で得た。本ステップの合成スキームを下記式(C−2)に示す。
<4−(4’−ブロモ−4,1’−ビフェニル−1−イル)ジベンゾチオフェンの合成>
上述の式(C−2)に示されるステップにより合成された4−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニルボロン酸3.7g(12mmol)と、4−ブロモヨードベンゼン3.4g(12mmol)と、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン0.20g(0.65mmol)と、炭酸カリウム水溶液(2mol/L)20mLと、トルエン60mLと、エタノール6mLを200mL三口フラスコに入れ、この混合物を減圧脱気してから系内を窒素気流下とした。得られた混合物を80℃に加熱し、酢酸パラジウム(II)30mg(0.13mmol)を加え、同温度で7時間撹拌した。撹拌後、混合物の水層を、クロロホルムを用いて抽出し、抽出液と有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。得られた混合物を自然ろ過し、ろ液を濃縮して固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒クロロホルム)を用いて精製し、次いでクロロホルム/ヘキサンにより再結晶したところ目的物の固体を3.3g、収率66%で得た。本ステップの合成スキームを下記式(C−3)に示す。
<4’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−4,1’−ビフェニルボロン酸の合成>
上述の式(C−3)に示されるステップにより合成された4−(4’−ブロモ−4,1’−ビフェニル−1−イル)ジベンゾチオフェン3.3g(7.9mmol)を200mL三口フラスコに入れ、系内を窒素気流下としてから、脱水テトラヒドロフラン80mLを加えた。この溶液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.6mol/L)5.5mL(8.8mmol)を、シリンジを用いて滴下し、滴下後、同温度で1時間半撹拌した。撹拌後、同温度でホウ酸トリメチル1.1mL(9.8mmol)を加え、得られた溶液を室温で20時間撹拌した。撹拌後、塩酸(1mol/L)30mLを加えた後、この混合物の水層を酢酸エチルで抽出した。得られた抽出液と有機層は合わせて炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水を用いて洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。得られた混合物を自然濾過しろ液を濃縮したところ淡黄色固体を得た。得られた固体をクロロホルム/ヘキサンにより洗浄したところ目的物の白色固体を2.5g、収率83%で得た。本ステップの合成スキームを下記式(C−4)に示す。
<2−[4’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:4’,1’’−テルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2DBtTPDBq−03)の合成法>
2−(3−クロロフェニル)ジベンゾ[f,h]キノキサリン2.3g(6.7mmol)と、上述の式(C−4)に示されるステップにより合成された4’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−4,1’−ビフェニルボロン酸2.5g(6.5mmol)と、リン酸三カリウム4.1g(20mmol)と、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン0.12g(0.34mmol)と、t−ブチルアルコール2mLと、ジエチレングリコールジメチルエーテル30mLを200mL三口フラスコに入れこの混合物を減圧脱気してから、系内を窒素気流下とした。この混合物を140℃に加熱してから酢酸パラジウム(II)10mg(65μmol)を加え、同温度で5時間撹拌した。撹拌後、析出した固体を吸引ろ過により回収し、水とエタノールを用いて洗浄した。洗浄後、得られた固体をクロロホルムで熱ろ過し、ろ液を濃縮したところ、淡黒色固体2.0gを得た。本ステップの合成スキームを下記式(C−5)に示す。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析結果を下記に示す。
1H NMR(クロロホルム−d,500MHz):δ=7.49−7.51(m、2H)、7.57−7.63(m、2H)、7.73(t、J=8.0Hz、1H)、7.78−7.91(m、14H)、8.19−8.23(m、2H)、8.35(d、J=8.0Hz、1H)、8.67−8.69(m、3H)、9.27(d、J=8.0Hz、1H)、9.47(d、J=8.0Hz、1H)、9.49(s、1H)
また、1H NMRチャートを図23(A)(B)に示す。なお、図23(B)は、図23(A)における7.4ppmから9.6ppmの範囲を拡大して表したチャートである。測定結果から、目的物である2DBtTPDBq−03が得られたことを確認した。
得られた固体2.0gをトレインサブリメーション法により昇華精製を行った。昇華精製は、圧力3.4Pa、アルゴンを流速15mL/minで流しながら固体を365℃で14.5時間加熱して行った。精製後、目的物の粉末を1.4g、回収率71%で得た。
≪2−[4’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:4’,1’’−テルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2DBtTPDBq−03)の物性≫
次に、2DBtTPDBq−03のトルエン溶液の吸収スペクトルを2mDBtTPDBq−IIと同様の測定方法にて測定した結果を図24に、発光スペクトルを図25に示す。また、2mDBtTPDBq−IIと同様の測定方法にて測定した2DBtTPDBq−03の薄膜の吸収スペクトルを図26に、発光スペクトルを図27に示す。
図24より、2DBtTPDBq−03のトルエン溶液は294nm、304nm、361nm、及び374nm付近に吸収ピークが見られ、図25より、発光波長のピークは378nm、及び405nm(励起波長360nm)であった。また、図26より、2DBtTPDBq−03の薄膜は242nm、266nm、299nm、314nm、346nm、368nm、及び383nm付近に吸収ピークが見られ、図27より、発光波長のピークは436nm付近(励起波長383nm)に見られた。2DBtTPDBq−03は青紫色に発光することを確認した。本発明の一態様の化合物は発光物質のホスト材料や可視域の蛍光発光物質のホスト材料としても利用可能である。
また、2DBtTPDBq−03のりん光発光測定を2mDBtTPDBq−IIと同様の測定方法にて行った。得られたりん光スペクトルを図28に示す。この結果より、2DBtTPDBq−03のりん光スペクトルにおける最も短波長側のピークは545nmに存在し、大きなT1準位を有する物質であることが分かった。また、2DBtTPDBq−03の薄膜は、大気下においても凝集しにくく、形態の変化が小さく、膜質が良好であることがわかった。
さらに、酸化還元反応特性をサイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。測定は、2mDBtTPDBq−IIと同様の測定方法にて行った。測定した結果、酸化電位は−6.15eV、還元電位は−2.95eVとなった。酸化電位をHOMO準位、還元電位をLUMO準位とすると、HOMO準位−LUMO準位間のギャップは3.20eVと見積もられ、広いバンドギャップを有する材料であることが示された。
≪合成例4≫
本合成例では、実施の形態1及び2で説明した複素環化合物である2−[4’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−4,1’:3’,1’’−テルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2DBtTPDBq−02)(構造式(2004))の合成方法について説明する。2DBtTPDBq−02の構造式を下に示す。
<2−[4’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−4,1’:3’,1’’−テルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2DBtTPDBq−02)の合成法>
2−(4−クロロフェニル)ジベンゾ[f,h]キノキサリン1.2g(3.5mmol)と、先の実施例において合成法を説明した4’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−4,1’−ビフェニルボロン酸1.1g(3.4mmol)と、リン酸三カリウム2.1g(9.9mmol)と、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン80mg(0.22mmol)と、t−ブチルアルコール1mLと、ジエチレングリコールジメチルエーテル15mLを200mL三口フラスコに入れ、この混合物を減圧脱気してから、系内を窒素気流下とした。その後、この混合物を140℃に加熱し、酢酸パラジウム(II)20mg(80μmol)を加え7時間撹拌した。撹拌後、混合物を室温まで冷却してからジエチレングリコールジメチルエーテル10mLを加えた後、[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド30mg(40μmol)を加え、この混合物を140℃で5時間半撹拌した。撹拌後、析出した固体を吸引ろ過で回収し、水とエタノールで洗浄した。得られた固体を、クロロホルムを用いて熱ろ過し、ろ液を濃縮したところ目的物の固体を1.3g、収率58%で得た。本ステップの合成スキームを下記式(D−1)に示す。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析結果を下記に示す。
1H NMR(テトラクロロエタン−d2,500MHz):δ=7.50−7.54(m、2H)、7.61−7.68(m、3H)、7.77−7.93(m、11H)、7.99(d、J=8.0Hz、2H)、8.06(s、1H)、8.21−8.25(m、2H)、8.52(d、J=8.0Hz、2H)、8.70(d、J=8.0Hz、2H)、9.26(d、J=8.0Hz、1H)、9.47(d、J=8.0Hz、1H)、9.50(s、1H)
また、1H NMRチャートを図29(A)(B)に示す。なお、図29(B)は、図29(A)における7.4ppmから9.6ppmの範囲を拡大して表したチャートである。測定結果から、目的物である2DBtTPDBq−02が得られたことを確認した。
得られた固体1.3gを、トレインサブリメーション法により昇華精製を行った。昇華精製は、圧力2.9Pa、アルゴンの流速を15mL/minで流しながら、固体を350℃で14.5時間加熱して行った。精製後、目的物の固体を0.75g、回収率60%で得た。
≪2−[4’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−4,1’:3’,1’’−テルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2DBtTPDBq−02)の物性≫
次に、2DBtTPDBq−02のトルエン溶液の吸収スペクトルを2mDBtTPDBq−IIと同様の測定方法にて測定した結果を図30に、発光スペクトルを図31に示す。また、2mDBtTPDBq−IIと同様の測定方法にて測定した2DBtTPDBq−02の薄膜の吸収スペクトルを図32に、発光スペクトルを図33に示す。
図30より、2DBtTPDBq−02のトルエン溶液は281nm、311nm、368nm、及び378nm付近に吸収ピークが見られ、図31より、発光波長のピークは386nm、及び405nm(励起波長360nm)であった。また、図32より、2DBtTPDBq−02の薄膜は209nm、242nm、263nm、272nm、316nm、338nm、377nm、及び389nm付近に吸収ピークが見られ、図33より、発光波長のピークは450nm、及び439nm付近(励起波長439nm)に見られた。2DBtTPDBq−02は青色に発光することを確認した。本発明の一態様の化合物は発光物質のホスト材料や可視域の蛍光発光物質のホスト材料としても利用可能である。
また、2DBtTPDBq−02のりん光発光測定を2mDBtTPDBq−IIと同様の測定方法にて行った。得られたりん光スペクトルを図34に示す。この結果より、2DBtTPDBq−02のりん光スペクトルにおける最も短波長側のピークは545nmに存在し、大きなT1準位を有する物質であることが分かった。また、2DBtTPDBq−02の薄膜は、大気下においても凝集しにくく、形態の変化が小さく、膜質が良好であることがわかった。
さらに、酸化還元反応特性をサイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。測定は2mDBtTPDBq−IIと同様の測定方法にて行った。測定した結果、酸化電位は−6.15eV、還元電位は−2.94eVとなった。酸化電位をHOMO準位、還元電位をLUMO準位とすると、HOMO準位−LUMO準位間のギャップは3.19eVと見積もられ、広いバンドギャップを有する材料であることが示された。
≪合成例5≫
本合成例では、実施の形態1及び2で説明した複素環化合物である2−[4’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:3’,1’’−テルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2DBtTPDBq−04)(構造式(2005))の合成方法について説明する。2DBtTPDBq−04の構造式を下に示す。
<4−(3’−ブロモ−4,1’−ビフェニル−1−イル)ジベンゾチオフェンの合成>
先の実施例において合成法を説明した4−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニルボロン酸3.9g(13mmol)と、3−ブロモヨードベンゼン3.6g(13mmol)と、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン0.20g(0.65mmol)と、炭酸カリウム水溶液(2mol/L)20mLと、トルエン64mLと、エタノール6mLを200mL三口フラスコに入れ、この混合物を減圧脱気してから系内を窒素気流下とした。得られた混合物を80℃に加熱し、酢酸パラジウム(II)30mg(0.13mmol)を加え、同温度で6時間撹拌した。撹拌後、混合物の水層を、クロロホルムを用いて抽出し、抽出液と有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。得られた混合物を自然ろ過し、ろ液を濃縮して固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒クロロホルム)を用いて精製し、次いでクロロホルム/ヘキサンにより再結晶したところ目的物の固体を3.8g、収率71%で得た。本ステップの合成スキームを下記式(E−1)に示す。
<4’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’−ビフェニルボロン酸の合成>
上述の式(E−1)に示されるステップにより合成された4−(3’−ブロモ−4,1’−ビフェニル−1−イル)ジベンゾチオフェン3.7g(8.9mmol)を200mL三口フラスコに入れ、系内を窒素気流下としてから、脱水テトラヒドロフラン90mLを加えた。この溶液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.6mol/L)6.1mL(8.9mmol)を、シリンジを用いて滴下し、滴下後、同温度で1時間半撹拌した。撹拌後、同温度でホウ酸トリメチル1.2mL(11mmol)を加え、得られた溶液を室温で20時間撹拌した。撹拌後、塩酸(1mol/L)30mLを加えた後、この混合物の水層を酢酸エチルで抽出した。得られた抽出液と有機層は合わせて炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水を用いて洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。得られた混合物を自然濾過しろ液を濃縮したところ淡黄色固体を得た。得られた固体をクロロホルム/ヘキサンにより洗浄したところ目的物の白色固体を2.6g、収率78%で得た。本ステップの合成スキームを下記式(E−2)に示す。
<2−[4’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:3’,1’’−テルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2DBtTPDBq−04)の合成>
2−(3−クロロフェニル)ジベンゾ[f,h]キノキサリン1.2g(3.5mmol)と、上述の式(E−2)に示されるステップにより合成された4’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’−ビフェニルボロン酸1.1g(3.4mmol)と、リン酸三カリウム2.1g(9.9mmol)と、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン70mg(0.20mmol)と、t−ブチルアルコール1mL(11mmol)と、ジエチレングリコールジメチルエーテル15mLを200mL三口フラスコに入れ、この混合物を減圧脱気してから系内を窒素気流下とした。その後、この混合物に[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド30mg(40μmol)を加え、この混合物を140℃で4時間半撹拌した。撹拌後、析出した固体を吸引ろ過で回収し、水とエタノールを用いて洗浄し固体を得た。得られた固体をクロロホルムで熱ろ過し、ろ液を濃縮したところ、目的物の固体を1.3g、収率59%で得た。本ステップの合成スキームを下記式(E−3)に示す。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析結果を下記に示す。
1H NMR(クロロホルム−d,500MHz):δ=7.47−7.49(m、2H)、7.56−7.61(m、2H)、7.66(t、J=8.0Hz、1H)、7.72−7.88(m、13H)、8.05(s、1H)、8.18−8.22(m、2H)、8.37(d、J=8.0Hz、1H)、8.66−8.68(m、3H)、9.27(d、J=8.0Hz、1H)、9.46(d、J=8.0Hz、1H)、9.49(s、1H)
また、1H NMRチャートを図35(A)(B)に示す。なお、図35(B)は、図35(A)における7.4ppmから9.6ppmの範囲を拡大して表したチャートである。測定結果から、目的物である2DBtTPDBq−04が得られたことを確認した。
得られた固体1.3gを、トレインサブリメーション法により昇華精製を行った。昇華精製は、圧力2.9Pa、アルゴンの流速を15mL/minで流しながら、固体を335℃で14.5時間加熱して行った。精製後、目的物の固体を0.96g、回収率74%で得た。
≪2−[4’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:3’,1’’−テルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2DBtTPDBq−04)の物性≫
次に、2DBtTPDBq−04のトルエン溶液の吸収スペクトルを2mDBtTPDBq−IIと同様の測定方法にて測定した結果を図36に、発光スペクトルを図37に示す。また、2mDBtTPDBq−IIと同様の測定方法にて測定した2DBtTPDBq−04の薄膜の吸収スペクトルを図38に、発光スペクトルを図39に示す。
図36より、2DBtTPDBq−04のトルエン溶液は280nm、332nm、361nm、及び375nm付近に吸収ピークが見られ、図37より、発光波長のピークは385nm、及び404nm(励起波長360nm)であった。また、図38より、2DBtTPDBq−04の薄膜は210nm、262nm、296nm、315nm、341nm、368nm、及び384nm付近に吸収ピークが見られ、図39より、発光波長のピークは429nm、及び446nm付近(励起波長385nm)に見られた。2DBtTPDBq−04は青紫色に発光することを確認した。本発明の一態様の化合物は発光物質のホスト材料や可視域の蛍光発光物質のホスト材料としても利用可能である。
また、2DBtTPDBq−04のりん光発光測定を行った。測定は2mDBtTPDBq−IIと同様の測定方法にて行った。得られたりん光スペクトルを図40に示す。この結果より、2DBtTPDBq−04のりん光スペクトルにおける最も短波長側のピークは518nmに存在し、大きなT1準位を有する物質であることが分かった。また、2DBtTPDBq−04の薄膜は、大気下においても凝集しにくく、形態の変化が小さく、膜質が良好であることがわかった。
さらに、酸化還元反応特性をサイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。測定は2mDBtTPDBq−IIと同様の測定方法にて行った。測定した結果、酸化電位は−6.16eV、還元電位は−2.94eVとなった。酸化電位をHOMO準位、還元電位をLUMO準位とすると、HOMO準位−LUMO準位間のギャップは3.22eVと見積もられた。
≪合成例6≫
本合成例では、実施の形態1及び2で説明した複素環化合物である2−[3’’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−クアテルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBtQPDBq−II)(構造式(2006))の合成方法について説明する。2mDBtQPDBq−IIの構造式を下に示す。
<4−(3’−ブロモ−3,1’−ビフェニル−1−イル)ジベンゾチオフェンの合成>
3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニルボロン酸3.0g(9.8mmol)と、3−ブロモヨードベンゼン2.8g(9.9mmol)と、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン0.16g(0.53mmol)と、炭酸カリウム水溶液(2mol/L)15mLと、トルエン50mLと、エタノール5mLを200mL三口フラスコに入れた後、この混合物を減圧脱気し、系内を窒素気流下とした。この混合物を80℃に加熱し、酢酸パラジウム(II)40mg(0.18mmol)を加え、この混合物を同温度で9時間撹拌した。撹拌後、得られた混合物の水層を、トルエンを用いて抽出し、抽出液と有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。この混合物を自然ろ過し、ろ液を濃縮することにより褐色油状物5gを得た。得られた油状物を、高速液体クロマトグラフィー(展開溶媒クロロホルム)を用いて精製したところ、目的物の無色透明油状物を2.6g、収率64%で得た。本ステップの合成スキームを下記式(F−1)に示す。
<2−[3’’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−クアテルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBtQPDBq−II)の合成法>
4−(3’−ブロモ−3,1’−ビフェニル−1−イル)ジベンゾチオフェン2.6g(6.3mmol)と、2−[3’−(2−ジベンゾ[f,h]キノキサリニル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン3.2g(6.2mmol)と、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン0.10g(0.33mmol)と、トルエン30mLと、エタノール3mLと、炭酸カリウム水溶液(2mol/L)10mLを100mL三口フラスコに入れ、この混合物を減圧脱気してから系内を窒素気流下とした。その後、この混合物を80℃に加熱し、酢酸パラジウム(II)14mg(60μmol)を加え3時間撹拌した。撹拌後、析出した固体を吸引ろ過により回収し、水とエタノールを用いて洗浄してから、トルエンにより再結晶を行ったところ、目的物の固体を3.6g、収率80%で得た。本ステップの合成スキームを下記式(F−2)に示す。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析結果を下記に示す。
1H NMR(テトラクロロエタン−d2,500MHz):δ=7.46−7.51(m、2H)、7.59−7.69(m、5H)、7.73−7.91(m、13H)、8.11(d、J=8.0Hz、2H)、8.15(s、1H)、8.19(t、J=8.0Hz,2H)、8.38(d、J=8.0Hz、1H)、8.68−8.70(m、3H)、9.32(d、J=8.0Hz、1H)、9.46(d、J=8.0Hz、1H)、9.50(s、1H)
また、1H NMRチャートを図41(A)(B)に示す。なお、図41(B)は、図41(A)における7.4ppmから9.6ppmの範囲を拡大して表したチャートである。測定結果から、目的物である2mDBtQPDBq−IIが得られたことを確認した。
得られた3.6gの固体をトレインサブリメーション法により昇華精製を行った。昇華精製は、圧力3.6Pa、アルゴンを流速15mL/minで流しながら、固体を395℃で17時間加熱して行った。精製後目的物の黄色固体を2.6g、回収率74%で得た。
≪2−[3’’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−クアテルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBtQPDBq−II)の物性≫
次に、2mDBtQPDBq−IIの2mDBtTPDBq−IIと同様の測定方法にて測定した薄膜の吸収スペクトルを図42に、発光スペクトルを図43に示す。
図42より、2mDBtQPDBq−IIの薄膜は253nm、318nm、337nm、367nm、及び383nm付近に吸収ピークが見られ、図43より、発光波長のピークは423nm付近(励起波長383nm)に見られた。2mDBtQPDBq−IIは青紫色に発光することを確認した。本発明の一態様の化合物は発光物質のホスト材料や可視域の蛍光発光物質のホスト材料としても利用可能である。
また、2mDBtQPDBq−IIのりん光発光測定を行った。測定は、2mDBtTPDBq−IIと同様の測定方法にて行った。得られたりん光スペクトルを図44に示す。この結果より、2mDBtQPDBq−IIのりん光スペクトルにおける最も短波長側のピークは514nmに存在し、大きなT1準位を有する物質であることが分かった。また、2mDBtQPDBq−IIの薄膜は、大気下においても凝集しにくく、形態の変化が小さく、膜質が良好であることがわかった。
さらに、酸化還元反応特性をサイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。測定は2mDBtTPDBq−IIと同様の測定方法にて行った。測定した結果、酸化電位は−6.19eV、還元電位は−2.93eVとなった。酸化電位をHOMO準位、還元電位をLUMO準位とすると、HOMO準位−LUMO準位間のギャップは3.26eVと見積もられた。
≪合成例7≫
本合成例では、実施の形態1及び2で説明した複素環化合物である2−[4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−1,1’:3’,1’’−テルフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mmpPCTPDBq)(構造式(2007))の合成方法について説明する。2mmpPCTPDBqの構造式を下に示す。
<(ステップ1)3−(3’−クロロ−1,1’−ビフェニル−4−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾールの合成>
200mL三つ口フラスコへ4.0g(10mmol)の3−(4−ブロモフェニル)−9−フェニル−9H−カルバゾールと、1.6g(10mmol)の3−クロロフェニルボロン酸と、0.61g(2.0mmol)のトリ(オルト−トリル)ホスフィンと、40mLのトルエンと、10mLのエタノールと、15mLの炭酸カリウム水溶液(2.0mol/L)をいれ、この混合物を減圧脱気してから系内を窒素気流下とした。この混合物を60℃に加熱してから、87mg(0.40mmol)の酢酸パラジウム(II)を加え、この混合物を80℃で12時間撹拌した。撹拌後、得られた混合物の有機層を水で洗浄し、水層をトルエンで抽出した。得られた抽出液と有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄した後硫酸マグネシウムを加えた。この混合物を自然ろ過して得られたろ液を濃縮したところ、目的物の褐色油状物を3.6g、収率84%で得た。本ステップの合成スキームを下記式(H−1)に示す。
得られた油状物質の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析データを以下に示す。
1H NMR(クロロホルム−d,500MHz):δ=7.30−7.34(m、2H)、7.39(t、J=8.0Hz、1H)、7.43(d、J=3.5Hz、2H)、7.47−7.50(m、2H)、7.54(d、J=7.5Hz、1H)、7.58−7.70(m、8H)、7.80(d、J=8.5Hz、2H)、8.21(d、J=8.0Hz、1H)、8.40(d、J=2.0Hz、1H)
また、得られた油状物質の1H NMRチャートを図45(A)(B)に示す。なお45(B)は図45(A)における7.0ppmから8.5ppmの範囲の拡大図である。測定結果から目的物である3−(3’−クロロ−1,1’−ビフェニル−4−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾールが得られたことが分かった。
<(ステップ2)3−[3’−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]−9−フェニル−9H−カルバゾールの合成>
3.6g(8.4mmol)の3−(3’−クロロ−1,1’−ビフェニル−4−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾールと、2.2g(8.4mmol)のビス(ピナコラト)ジボロンと、2.5g(25mmol)の酢酸カリウムと、0.28g(0.50mmol)の2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−ビフェニル(tBuxphos)を200mL三口フラスコに入れた後、系内を窒素置換した。この混合物へ42mLのキシレンを加えた後、この混合物を減圧脱気してから系内を窒素気流下とした。この混合物を80℃に加熱してから、0.16g(0.2mmol)の[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドを加えてから、この混合物を150℃で27時間撹拌した。撹拌後、3−(3’−クロロ−1,1’−ビフェニル−4−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾールが消失したことを薄層クロマトグラフィーにて確認した後、得られた混合物を室温まで冷却し、そのまま次のステップ3を行った。本ステップの合成スキームを下記式(H−2)に示す。
<(ステップ3)2−[4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−1,1’:3’,1’’−テルフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mmpPCTPDBq)の合成>
ステップ2で得られた混合物へ、2.9g(8.4mmol)の2−(3−クロロフェニル)ジベンゾ[f,h]キノキサリンと、0.55g(1.5mmol)のジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィンと、4.3g(20mmol)のリン酸三カリウムと、33mLのジエチレングリコールジメチルエーテルを追加した後、この混合物を減圧脱気してから、系内を窒素気流下とした。得られた混合物を80℃に加熱した後、0.12g(0.50mmol)の酢酸パラジウム(II)を加え、この混合物を150℃で7時間撹拌した。撹拌後、析出した固体を吸引ろ過で回収し、トルエン、水、エタノールを用いて洗浄したところ、目的物の褐色粉末を2.5g得た。ステップ2及びステップ3通しての総収率は42%であった。本ステップの合成スキームを下記式(H−3)に示す。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析データを以下に示す。
1H NMR(クロロホルム−d,500MHz):δ=7.31−7.34(m、1H)、7.44(d、J=4.0Hz、1H)、7.50(d、J=15Hz、2H)、7.60−7.66(m、5H)、7.72−7.87(m、14H)、8.04(s、1H)、8.22(d、J=8.0Hz、1H)、8.36(d、J=8.0Hz、1H)、8.43(d、J=1.5Hz、1H)、8.65(s、1H)、8.67(d、J=7.5Hz、2H)、9.26(dd、J1=8.0Hz、J2=2.0Hz、1H)、9.46(dd、J1=8.0Hz、J2=2.0Hz、1H)、9.48(s、1H)
また、得られた固体の1H NMRチャートを図46(A)(B)に示す。なお、46(B)は図46(A)における7.0ppmから9.6ppmの範囲の拡大図である。測定結果から目的物である2−[4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−1,1’:3’,1’’−テルフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mmpPCTPDBq)が得られたことが分かった。
得られた2.5gの固体をトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は圧力3.6Paで、アルゴンを流速15mL/minで流しながら、375℃で固体を15時間加熱して行った。昇華精製後に目的物の淡黄色固体を2.2g、回収率87%で得た。
≪2−[4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−1,1’:3’,1’’−テルフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mmpPCTPDBq)の物性≫
2mmpPCTPDBqのトルエン溶液の吸収スペクトルを測定した結果を図47に、発光スペクトルを図48に示す。また、薄膜の吸収スペクトルを図49に、発光スペクトルを図50に示す。固体薄膜は石英基板上に真空蒸着法にて作成した。トルエン溶液の吸収スペクトルの測定は実施例1と同様に行った。また、薄膜の吸収スペクトルの測定には、分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ製 分光光度計U4100)を用いた。また、発光スペクトルの測定は実施例1と同様に行った。
図47より、2mmpPCTPDBqのトルエン溶液は374nm、354nm、302nm付近に吸収ピークが見られ、図48より、発光波長のピークは385nm、及び404nm(励起波長355nm)であった。また、図49より、2mmpPCTPDBqの薄膜は380nm、365nm、330nm、303nm、258nm付近に吸収ピークが見られ、図50より、発光波長のピークは459nm付近(励起波長325nm)に見られた。2mmpPCTPDBqは青紫色に発光することを確認した。本発明の一態様の化合物は発光物質のホスト材料や可視域の蛍光発光物質のホスト材料としても利用可能である。
また、2mmpPCTPDBqのりん光発光測定を行った。測定は実施例1と同様の測定方法にて行った。得られたりん光スペクトルを図51に示す。この結果より、2mmpPCTPDBqのりん光スペクトルにおける最も短波長側のピークは514nmに存在し、大きなT1準位を有する物質であることが分かった。また、2mmpPCTPDBqの薄膜は、大気下においても凝集しにくく、形態の変化が小さく、膜質が良好であることがわかった。
2mmpPCTPDBqのHOMO準位およびLUMO準位をサイクリックボルタンメトリ(CV)測定を元に算出した。測定方法及び、算出方法は、実施例1と同様である。
また、CV測定を100回繰り返し行い、100サイクル目の測定での酸化−還元波と、1サイクル目の酸化−還元波を比較して、化合物の電気的安定性を調べた。
この結果、2mmpPCTPDBqの酸化電位Ea[V]の測定において、HOMO準位は−5.80eVであることがわかった。一方LUMO準位は−2.94eVであることがわかった。また、酸化−還元波の繰り返し測定において1サイクル目と100サイクル後の波形と比較したところ、Ea測定においては78%、Ec測定においては90%のピーク強度を保っていたことから、2mmpPCTPDBqは酸化、及び還元に対する耐性が非常に良好であることが確認された。
≪合成例8≫
本合成例では、本発明の一態様である複素環化合物の比較物質として合成した、2−[3’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mPCBPDBq)(構造式(2008))の合成方法について説明する。2mPCBPDBqの構造式を下に示す。
<2−[3’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mPCBPDBq)の合成>
200mL三つ口フラスコへ4.2g(5mmol)の2−(3’−ブロモ−1,1’−ビフェニル−3−イル)ジベンゾ[f,h]キノキサリンと、1.5g(5mmol)の9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イルボロン酸と、0.16mg(0.50mmol)のトリ(オルト−トリル)ホスフィンと、25mLのトルエンと、5mLのエタノールと、7.5mLの炭酸カリウム水溶液(2.0mol/L)をいれ、この混合物を減圧脱気してから系内を窒素気流下とした。この混合物を60℃に加熱してから、52mg(0.23mmol)の酢酸パラジウム(II)を加え、この混合物を90℃で32時間撹拌した。撹拌後、析出した固体を吸引ろ過により回収し、水、トルエン、エタノールにより洗浄したところ、目的物の褐色固体を2.8g、収率89%で得た。本ステップの合成スキームを下記式(I−1)に示す。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析データを以下に示す。
1H NMR(クロロホルム−d,500MHz):δ=7.29−7.33(m、1H)、7.42−7.45(m、2H)、7.50(t、J=7.5Hz、1H)、7.52(d、J=9.0Hz、1H)、7.61−7.82(m、8H)、7.88(d、J=8.0Hz、1H)、8.08(s、1H)、8.23(d、J=7.5Hz、1H)、8.36(d、J=7.5Hz、1H)、8.47(s、1H)、8.67(d、J=8.5Hz、2H)、8.67(s、1H)、9.26(d、J=8.5Hz、1H)、9.46(d、J=8.0Hz、1H)、9.49(s、1H)
また、得られた固体の1H NMRチャートを図52(A)(B)に示す。なお、52(B)は図52(A)における7.0ppmから9.6ppmの範囲の拡大図である。測定結果から目的物である2−[3’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mPCBPDBq)が得られたことが分かった。
得られた2.1gの固体をトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は圧力3.6Paで、アルゴンを流速15mL/minで流しながら、330℃で固体を15時間加熱して行った。昇華精製後に目的物の淡黄色固体を1.9g、回収率90%で得た。
≪2−[3’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mPCBPDBq)の物性≫
2mPCBPDBqのりん光発光測定を行った。測定は実施例1と同様の測定方法にて行った。得られたりん光スペクトルは例示しないが、得られたりん光スペクトルにおける、2mPCBPDBqのりん光スペクトルにおける最も短波長側のピークは515nmに存在し、大きなT1準位を有する物質であることが分かった。また、2mPCBPDBqの薄膜は、大気下においても凝集しにくく、形態の変化が小さく、膜質が良好であることがわかった。
2mPCBPDBqのHOMO準位およびLUMO準位をサイクリックボルタンメトリ(CV)測定を元に算出した。測定方法及び、算出方法は、実施例1と同様である。
また、CV測定を100回繰り返し行い、100サイクル目の測定での酸化−還元波と、1サイクル目の酸化−還元波を比較して、化合物の電気的安定性を調べた。
この結果、2mPCBPDBqの酸化電位Ea[V]の測定において、HOMO準位は−5.84eVであることがわかった。一方LUMO準位は−2.94eVであることがわかった。また、酸化−還元波の繰り返し測定において1サイクル目と100サイクル後の波形と比較したところ、Ea測定においては78%、Ec測定においては80%のピーク強度を保っていたことから、2mPCBPDBqは酸化、及び還元に対する耐性が非常に良好であることが確認された。
また、2mPCBPDBqの熱物性を測定した。2mPCBPDBqの熱重量測定−示差熱分析(TG−DTA:Thermogravimetry−Differential Thermal Analysis)を行った。測定には高真空差動型示差熱天秤(ブルカー・エイエックスエス株式会社製、TG−DTA2410SA)を用いた。測定は、大気圧において、昇温速度10℃/min、窒素気流下(流速200mL/min)の条件で行った。また、示差走査熱量測定を、パーキンエルマー社製、Pyris1DSCを用いて測定した。示差走査熱量測定は、昇温速度40℃/minにて、300℃から350℃(化合物の分解が起こらない温度)まで昇温した後、同温度で1分間保持してから降温速度40℃/minにて−10℃まで冷却する操作を2回連続で行った。
熱重量測定−示差熱分析において、熱重量測定から求めた重量が測定開始時の−5%となる温度(分解温度)は500℃以上であることが示された。また、示差走査熱量測定の2回目の昇温操作において観測されたガラス転移点(Tg)は119℃であることが示された。
本実施例では、実施例1乃至5、7で得られた本発明の複素環化合物について熱重量測定−示差熱分析及び示差走査熱量測定を行った。測定方法は実施例8と同様である。
実施例1乃至5、7で得られた本発明の複素環化合物の、熱重量測定−示差熱分析において、熱重量測定から求めた重量が測定開始時の−5%となる温度(分解温度)と、示差走査熱量測定の2回目の昇温操作において観測されたガラス転移点(Tg)及び、結晶化温度(Tc)、及び融点(Tm)を表1にまとめる。
表1から、本発明の材料は100℃を超える高いガラス転移点を有しており、良好な熱物性を有することが明らかとなった。また、2mDBtTPDBq−IIはメタフェニレン基のみを有するが、2DBtTPDBq、2DBtTPDBq−02、2DBtTPDBq−03、2DBtTPDBq−04、2mmpPCTPDBqはどれもメタフェニレン基及びパラフェニレン基を有する。従って、同じ分子量の化合物であっても、メタフェニレン基及びパラフェニレン基を同時に骨格に有する事でより高い耐熱性を有することが明らかとなった。
本実施例では、本発明の一態様に係る複素環化合物の熱物性及び素子寿命評価について説明する。
熱物性及び素子寿命の評価対象は、実施例1乃至8で合成された本発明の一態様に係る複素環化合物及び、比較のための複素環化合物である。なお、比較のための複素環化合物は、本発明の一態様に係る複素環化合物と比べ、ジベンゾキノキサリン環とジベンゾチオフェニル基またはカルバゾリル基との間のフェニレン基の数が少なく、分子量の比較的小さい2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)及び2−[3’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mPCBPDBq)である。2mDBTBPDBq−II及び2mPCBPDBqの構造式を下記に示す。
<発光素子1乃至発光素子7及び比較発光素子8の作製>
熱物性及び素子寿命の評価のために、EL層にそれぞれ複素環化合物を含む発光素子を作製した。各発光素子の作製工程について説明する。各発光素子の積層構造は図1(A)に示す構造である。
まず、基板上に第1の電極101として、ITSO膜を、厚さが110nmになるように形成した。なお、第1の電極101の電極面積は、4mm2(2mm×2mm)とした。
次に、第1の電極101上にEL層103を形成した。正孔注入層111としては、1,3,5−トリ(ジベンゾチオフェン−4−イル)ベンゼン(略称:DBT3P−II)と酸化モリブデンとを重量比(DBT3P−II:酸化モリブデン)が2:1になるように、且つ厚さが20nmになるように共蒸着した。なお、共蒸着とは、異なる複数の物質をそれぞれ異なる蒸発源から同時に蒸発させる蒸着法である。次に、正孔輸送層112としては、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)を厚さが20nmになるように蒸着した。
次に、発光層113を作製した。まず、複素環化合物とN−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−9,9−ジメチル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9H−フルオレン−2−アミン(略称:PCBBiF)及び、(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)2(acac)])を重量比(複素環化合物:PCBBiF:[Ir(tBuppm)2(acac)])が0.7:0.3:0.05になるように、且つ厚さが20nmになるように共蒸着した。その上にさらに、重量比(複素環化合物:PCBBiF:[Ir(tBuppm)2(acac)])が0.8:0.2:0.05になるように、且つ厚さが20nmになるように共蒸着した。このようにして、膜厚が計40nmとなるよう発光層113を作製した。なお、発光層113において、上記複素環化合物およびPCBBiFがホスト材料であり、[Ir(tBuppm)2(acac)]がゲスト材料である。
次に、発光層113上に、電子輸送層114として、上記複素環化合物、及びBphenを厚さが20nm、及び10nmになるよう順に蒸着した。次に、電子注入層115として、フッ化リチウム(LiF)を厚さが1nmになるように蒸着した。
また、電極102としては、アルミニウム(Al)を厚さが200nmになるように形成した。
次に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、有機EL用封止材を用いて、EL層103を形成した基板に封止基板を固定することで、発光素子を封止した。具体的には、基板に形成したEL層103の周囲に封止材を塗布し、該基板と封止基板とを貼り合わせ、365nmの紫外光を6J/cm2照射し、80℃にて1時間熱処理した。以上の工程により発光素子を得た。
<発光素子9及び比較発光素子10の作製>
発光素子9及び比較発光素子10は、先に示す発光素子1乃至発光素子7及び比較発光素子8と、発光層113の形成工程のみ異なり、それ以外の部分は発光素子1乃至発光素子7及び比較発光素子8と同様の作製方法とした。
発光素子9及び比較発光素子10の発光層113としては、上記複素環化合物とPCBBiF及び、ビス[2−(6−フェニル−4−ピリミジニル−κN3)フェニル−κC](2,4−ペンタンジオナト−κ2O,O’)イリジウム(III)(略称:Ir(dppm)2(acac))とを重量比(複素環化合物:PCBBiF:[Ir(dppm)2(acac)])が0.7:0.3:0.05になるように、且つ厚さが20nmになるように共蒸着した。その上にさらに、重量比(複素環化合物:PCBBiF:[Ir(dppm)2(acac)])が0.8:0.2:0.05になるように、且つ厚さが20nmになるように共蒸着した。このようにして、膜厚が計40nmとなるよう発光層113を作製した。なお、発光層113において、上記複素環化合物およびPCBBiFがホスト材料であり、Ir(dppm)2(acac)がゲスト材料である。
発光素子のEL層に含まれる材料のうち本発明の一態様に係る複素環化合物以外の材料について、下記に構造を示す。
なお、発光層113及び電子輸送層114の複素環化合物として、実施例1で説明した2−[3’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:3’,1’’−テルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBtTPDBq−II)を用いた発光素子を発光素子1とする。
発光層113及び電子輸送層114の複素環化合物として、実施例2で説明した2−[3’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:4’,1’’−テルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2DBtTPDBq)を用いた発光素子を発光素子2とする。
発光層113及び電子輸送層114の複素環化合物として、実施例3で説明した2−[4’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:4’,1’’−テルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2DBtTPDBq−03)を用いた発光素子を発光素子3とする。
発光層113及び電子輸送層114の複素環化合物として、実施例4で説明した2−[4’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−4,1’:3’,1’’−テルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2DBtTPDBq−02)を用いた発光素子を発光素子4とする。
発光層113及び電子輸送層114の複素環化合物として、実施例5で説明した2−[4’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:3’,1’’−テルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2DBtTPDBq−04)を用いた発光素子を発光素子5とする。
発光層113及び電子輸送層114の複素環化合物として、実施例6で説明した2−[3’’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−クアテルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBtQPDBq−II)を用いた発光素子を発光素子6とする。
また、発光層113及び電子輸送層114の複素環化合物として、実施例7で説明した2−[4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−1,1’:3’,1’’−テルフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mmpPCTPDBq)を用いた発光素子を発光素子7及び9とする。
また、発光層113及び電子輸送層114の複素環化合物として、2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)を用いた発光素子を比較発光素子8とする。
発光層113及び電子輸送層114の複素環化合物として、実施例9で説明した2−[3’’’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−3,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−クアテルフェニル−1−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBtQPDBq−II)を用いた発光素子を比較発光素子10とする。
本実施例に記載の素子について、構造を表2及び表3にまとめる。
<発光素子1乃至発光素子7及び比較発光素子8の素子特性>
発光素子1乃至7及び、比較発光素子8の素子特性を表4に示す。表4から分かるように発光素子1乃至7及び比較発光素子8はいずれも良好な素子特性を示すことが明らかとなった。
発光素子1乃至6及び、比較発光素子8の初期輝度5000cd/m2における定電流駆動試験の結果を図53に示す。図53から分かるように発光素子1乃至6及び比較発光素子8はいずれも良好な信頼性を示すことが明らかとなった。しかし発光素子3、発光素子4はいずれも劣化曲線の傾きがやや急になっている。発光素子3のホスト材料として用いた2DBtTPDBq−03と、発光素子4のホスト材料として用いた2DBtTPDBq−02はいずれも分子構造のアリーレン基としてメタフェニレン基を1つ、パラフェニレン基を2つ有する構造である。一方、非常に高い信頼性を示した、発光素子1、発光素子2、および発光素子5については、それぞれ2mDBtTPDBq−II、2DBtTPDBq、2DBtTPDBq−04を発光層に用いている。これら3材料の分子構造にはパラフェニレン基の構造は1つ又は含まれていない。従って高い信頼性を実現し、且つ高い耐熱性を実現するには、パラフェニレン基の構造を1つかつメタフェニレン基の構造を2つ分子構造に含むことが好ましい。また、ジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格側からメタフェニレン基が2つ連続する構造のメタビフェニル−ジイル基の構造とすると、より高い信頼性を得ることが出来、比較発光素子8よりも高い信頼性の素子を提供できるため好ましい。また、ジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格側からメタフェニレン基が2つ連続する構造のメタビフェニル−ジイル基の構造を有する場合、ジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格側から3つ目のフェニレン基はパラ位とする事で高い耐熱性が実現でき、更に好ましい。
<発光素子9及び比較発光素子10の素子特性>
発光素子9及び、比較発光素子10の素子特性を表5に示す。表5から分かるように発光素子9及び、比較発光素子10はいずれも良好な素子特性を示すことが明らかとなった。
発光素子9及び、比較発光素子10の2mAにおける定電流駆動試験の結果を図54に示す。図54から、発光素子9及び比較発光素子10はLT50がいずれも1000時間を超える良好な信頼性を示すことが明らかになった。ここで、発光素子9は比較発光素子10と比較すると、劣化曲線の傾きがやや緩やかであり、その結果、発光素子9は比較発光素子10よりもさらに良好な信頼性を示している。従って、上述の通り、ジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格とカルバゾリル基を連結する2価の基としてはフェニレン基が2つ連続するビフェニル−ジイル基よりも、3つ連続する構造のテルフェニル−ジイル基とする分子構造の方が良好な信頼性を得るために好適であることが示された。
<耐熱性評価>
作製した各発光素子に対して、熱物性評価の試験を行った。まず、各発光素子を100℃の環境下で所定の時間保存し、該環境から各素子を取り出し室温に戻して外部量子効率を測定した。測定後、再び発光素子を100℃の環境下に置き、所定の時間保存したのちに取り出して測定し、と測定を繰り返した。
測定結果を図55に示す。なお、図の横軸は100℃の環境下においた積算保存時間(h)である。また、図の縦軸は、熱物性評価開始時における外部量子効率の最大を100%としたときの外部量子効率の維持率(%)を表している。なお、初期の外部量子効率はいずれの素子においても28%前後であり、ほぼ同様の値となった。
図55に示される通り、比較発光素子8は保存時間5時間までは初期の外部量子効率を保つことができたが、それ以降は急速に劣化し25時間後には0%まで落ち込んでいる。一方、発光素子1は、保存時間25時間までは初期の外部量子効率を保つことができており、比較発光素子8と比べて熱物性が改善されていることがわかる。さらに発光素子2及び5は、50時間が経過しても初期の外部量子効率をほぼ維持できており、良好な熱物性であると評価される。さらに発光素子3及び4は、1000時間が経過しても85%以上の維持率を有しており、非常に良好な熱物性であると評価される。発光素子3のホスト材料として用いた2DBtTPDBq−03と、発光素子4のホスト材料として用いた2DBtTPDBq−02はいずれも分子構造中にアリーレン基としてメタフェニレン基を2つ、パラフェニレン基を1つ有する構造である。このような構造を有する場合、耐熱性が良好な傾向にあると言える。これは、分子構造中にテルフェニレン構造(フェニレン基が3つ以上連続で結合している場合)を有する場合アリーレン基としてメタフェニレン基を2つ、パラフェニレン基を1つ有する構造である場合、分子全体の平面性が高くなると考えられ、Tgも高くなる傾向にある。すなわちより平面性が高い分子構造の方が耐熱性にとって好適であると考えられる。
本発明の一態様に係る複素環化合物は、中央のフェニレン基が3以上であり、比較発光素子8に用いられる複素環化合物よりも分子量が大きい。そのため、本発明の一態様に係る複素環化合物を用いた発光素子は、良好な熱物性となる。
また、一般的に分子量が大きい化合物を用いた発光層においては、屈折率の増大により外部量子効率が低下する傾向にある。しかし、発光素子1乃至5、及び、比較発光素子8の初期の外部量子効率はほぼ同様であった。従って、本発明の一態様に係る複素環化合物は、発光層に用いられた場合に、発光素子の外部量子効率を低下させることなく良好な熱物性を有する発光素子とすることができることが確かめられた。