WO2018234917A1 - 有機化合物、発光素子、発光装置、電子機器、および照明装置 - Google Patents

有機化合物、発光素子、発光装置、電子機器、および照明装置 Download PDF

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Abstract

新規な有機化合物を提供する。 特に、 発光素子の素子特性を向上させることができる新規な有機化合 物を提供する。また、発光効率、駆動電圧および信頼性の良い新規な発光素子を提供する。 ベンゾフロ[2,3-b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3-b]ピリジン骨格を有し、ベ ンゾフロ[2,3-b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3-b]ピリジン骨格が有する、ピ リジン環側とベンゼン環側双方に少なくとも一つ置換基を有する有機化合物である。 また、 当該有機 化合物を含む発光素子を提供する。当該有機化合物は特に青燐光素子に好適である。

Description

有機化合物、発光素子、発光装置、電子機器、および照明装置
本発明の一態様は、新規な有機化合物に関する。また、ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格を有する有機化合物に関する。また、該有機化合物を含む発光素子、発光装置、電子機器、および照明装置に関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本発明の一態様は物、方法、または、製造方法に関する。または、本発明は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。特に、本発明の一態様は、半導体装置、発光装置、表示装置、照明装置、発光素子、それらの製造方法に関する。また、本発明の一態様は、ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格を有する新規な有機化合物の合成方法に関する。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様としては、該有機化合物を含む発光素子、発光装置、電子機器、及び照明装置の製造方法、を一例として挙げることができる。
 有機化合物を用いたエレクトロルミネッセンス(EL:Electroluminescence)を利用する発光素子(有機EL素子)の実用化が進んでいる。これら発光素子の基本的な構成は、一対の電極間に発光材料を含む有機化合物層(EL層)を挟んだものである。この素子に電圧を印加して、キャリアを注入し、当該キャリアの再結合エネルギーを利用することにより、発光材料からの発光を得ることができる。
 このような発光素子は自発光型であるため、ディスプレイの画素として用いると、視認性が高く、バックライトが不要である等の利点があり、フラットパネルディスプレイ素子として好適である。また、このような発光素子を用いたディスプレイは、薄型軽量に作製できることも大きな利点である。さらに非常に応答速度が速いことも特徴の一つである。
 また、これらの発光素子は発光層を二次元に連続して形成することが可能であるため、面状に発光を得ることができる。これは、白熱電球やLEDに代表される点光源、あるいは蛍光灯に代表される線光源では得難い特色である。また、有機化合物からの発光は材料を選択することにより紫外光を含まない発光にできることから、照明等に応用できる面光源としての利用価値も高い。
 このように有機EL素子を用いたディスプレイや照明装置はさまざまな電子機器に好適であるため、より良好な効率、素子寿命を有する発光素子を求めて研究開発が進められている。特に、EL層には、主として有機化合物が用いられており、発光素子の素子特性に大きな影響を与えることから、様々な新規の有機化合物の開発が行われている。
有機化合物を用いた発光素子の場合、その素子寿命や特性に影響を及ぼす要素には様々なものが挙げられるが、特に、発光層に用いる材料によって、発光素子の素子寿命及び特性に大きな違いが生じる。発光層に用いられる材料は主にホスト材料とゲスト材料がある。
ホスト材料には様々な骨格を有する有機化合物が提案されているが、これら有機化合物を用いた発光素子の特性及び信頼性は、向上が見られるものの、効率や耐久性をはじめ、あらゆる特性に対する高度な要求に対応するには未だ不十分と言える(例えば特許文献1)。
特開2011−84531号公報
発光素子には様々な特性が求められるが、特に信頼性が良好な発光素子の開発が望まれている。発光素子の信頼性にはホスト材料の特性が影響を及ぼすため、信頼性が良好なホスト材料の開発が盛んに行われている。特に青燐光素子に適用できる信頼性が良好なホスト材料の開発が急務である。
 そこで、本発明の一態様では、新規な有機化合物を提供することを課題とする。特に発光素子に適用できる有機化合物を提供することを課題とする。または、本発明の一態様は、新規電子輸送性材料を提供することを課題とする。または、本発明の一態様では、信頼性の良好な発光素子を提供することを課題とする。または、本発明の一態様では、発光効率の良好な発光素子を提供することを課題とする。または、本発明の一態様では、駆動電圧が低い発光素子を提供することを課題とする。
または、本発明の他の一態様では、信頼性の高い発光素子、発光装置及び電子機器を各々提供することを課題とする。または、本発明の他の一態様では、消費電力の小さい発光素子、発光装置及び電子機器を各々提供することを課題とする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。本発明の一態様は、必ずしも、これらの課題の全てを解決する必要はない。これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、下記一般式(G0)で表される有機化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
一般式(G0)において、Xは酸素または硫黄を表し、Arは、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基を表し、R乃至Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、Aは、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至30の複素芳香族炭化水素基を表し、nは1乃至4の整数を表し、Htは、置換もしくは無置換の縮合複素芳香環を表し、該縮合複素芳香環は、カルバゾール骨格、ジベンゾフラン骨格、及びジベンゾチオフェン骨格の中から選ばれるいずれか一または複数を含み、該縮合複素芳香環の炭素数が12乃至30である。
上記構成において、Aが炭素数6乃至30の芳香族炭化水素基であり、該炭素数6乃至30の芳香族炭化水素基が縮合環を少なくとも一つ有すると好ましい。該構成とすることによって、電気化学的に安定な有機化合物を得ることができる。
本発明の別の一態様は、下記一般式(G1)で表される有機化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
一般式(G1)において、Xは酸素または硫黄を表し、Ar及びArはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基を表し、R乃至Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、nは1乃至4の整数を表し、lは0乃至4の整数を表し、Ht及びHtはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の縮合複素芳香環を表し、該縮合複素芳香環は、カルバゾール骨格、ジベンゾフラン骨格、及びジベンゾチオフェン骨格の中から選ばれるいずれか一または複数を含み、該縮合複素芳香環の炭素数が12乃至30である。
本発明の別の一態様は、下記一般式(G2)で表される有機化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
一般式(G2)において、Xは酸素または硫黄を表し、Ar及びArはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基を表し、R乃至Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、nは1乃至4の整数を表し、lは0乃至4の整数を表し、Ht及びHtはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の縮合複素芳香環を表し、該縮合複素芳香環は、カルバゾール骨格、ジベンゾフラン骨格、及びジベンゾチオフェン骨格の中から選ばれるいずれか一または複数を含み、該縮合複素芳香環の炭素数が12乃至30である。
また、本発明の別の一態様は、下記一般式(G3)で表される有機化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
一般式(G3)において、Xは酸素または硫黄を表し、Ar及びArはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基を表し、R乃至Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、nは1乃至4の整数を表し、lは0乃至4の整数を表し、Ht及びHtはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の縮合複素芳香環を表し、該縮合複素芳香環は、カルバゾール骨格、ジベンゾフラン骨格、及びジベンゾチオフェン骨格の中から選ばれるいずれか一または複数を含み、該縮合複素芳香環の炭素数が12乃至30である。
本発明の別の一態様は、下記一般式(G4)で表される有機化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
一般式(G4)において、Xは酸素または硫黄を表し、R乃至Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、nは1乃至4の整数を表し、lは0乃至4の整数を表し、Ht及びHtはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の縮合複素芳香環を表し、該縮合複素芳香環は、カルバゾール骨格、ジベンゾフラン骨格、及びジベンゾチオフェン骨格の中から選ばれるいずれか一または複数を含み、該縮合複素芳香環の炭素数が12乃至30である。
本発明の別の一態様は、下記一般式(G5)で表される有機化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
上記構成において、Ht及びHtがそれぞれ独立に、下記一般式(Ht−1)乃至(Ht−4)で表される基のいずれかであると好ましい。該構成とすることで、電子輸送性及び正孔輸送性に優れた有機化合物を得ることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
一般式(Ht−1)乃至(Ht−4)中、R乃至R14はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基のいずれか一を表す。また、R乃至Rは互いに結合し、飽和環若しくは不飽和環を形成しても良い。
また、本発明の別の一態様は、下記一般式(G6)で表される有機化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
一般式(G6)において、X、Z及びZはそれぞれ独立に、酸素または硫黄を表す。
本発明の別の一態様は、下記一般式(100)で表される有機化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
本発明の別の一態様は、上記いずれかの構成に記載の有機化合物を含む発光素子である。
なお、上記各構成における発光素子は、陽極と、陰極と、の間にEL層を有する。また、EL層は、少なくとも発光層を有すると好ましい。さらにEL層は、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層や他の機能層を含んでいても良い。
 また、本発明の他の一態様は、上記構成の発光素子と、カラーフィルタまたはトランジスタの少なくとも一方と、を有する表示装置である。また、本発明の他の一態様は、該表示装置と、筐体またはタッチセンサの少なくとも一方と、を有する電子機器である。また、本発明の他の一態様は、上記各構成の発光素子と、筐体またはタッチセンサの少なくとも一方と、を有する照明装置である。また、本発明の一態様は、発光素子を有する発光装置だけでなく、発光装置を有する電子機器も範疇に含める。従って、本明細書中における発光装置とは、画像表示デバイス、もしくは光源(照明装置含む)を指す。また、発光素子にコネクター、例えばFPC(Flexible Printed Circuit)、TCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも本発明の一態様である。
 本発明の一態様によって、新規な有機化合物を提供することができる。特に発光素子に適用できる有機化合物を提供することができる。または、本発明の一態様によって、新規電子輸送性材料を提供することができる。または、本発明の一態様によって、信頼性の良好な発光素子を提供することができる。または、本発明の一態様によって、発光効率の良好な発光素子を提供することができる。または、本発明の一態様によって、駆動電圧が低い発光素子を提供することができる。
または、本発明の他の一態様によって、信頼性の高い発光素子、発光装置及び電子機器を各々提供することができる。または、本発明の他の一態様によって、消費電力の小さい発光素子、発光装置及び電子機器を各々提供することができる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
本発明の一態様に係る、発光素子の概略図、及び発光層に係るエネルギー準位の相関を説明する図。 本発明の一態様に係る、発光素子の概略図。 本発明の一態様に係る、アクティブマトリクス型発光装置の概念図。 本発明の一態様に係る、アクティブマトリクス型発光装置の概念図。 本発明の一態様に係る、アクティブマトリクス型発光装置の概念図。 本発明の一態様に係る、電子機器を表す図。 本発明の一態様に係る、電子機器を表す図。 本発明の一態様に係る、電子機器を表す図。 本発明の一態様に係る、電子機器を表す図。 本発明の一態様に係る、電子機器及び照明装置を表す図。 本発明の一態様に係る、照明装置を表す図。 実施例に係る、化合物のNMRチャートを説明する図。 実施例に係る、化合物の吸収スペクトル、及び発光スペクトルを説明する図。 実施例に係る、化合物の吸収スペクトル、及び発光スペクトルを説明する図。 実施例に係る、発光素子の電流効率−輝度特性を説明する図。 実施例に係る、発光素子の電流密度−電圧特性を説明する図。 実施例に係る、発光素子の外部量子効率−輝度特性を説明する図。 実施例に係る、発光素子の発光スペクトルを説明する図。 実施例に係る、発光素子の電流効率−輝度特性を説明する図。 実施例に係る、発光素子の電流密度−電圧特性を説明する図。 実施例に係る、発光素子の外部量子効率−輝度特性を説明する図。 実施例に係る、発光素子の電界発光スペクトルを説明する図。 実施例に係る、発光素子の信頼性試験結果を説明する図。
以下、本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、本明細書で説明する各図において、陽極、EL層、中間層、陰極などの大きさや厚さは、個々に説明の明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしも各構成要素はその大きさに限定されず、また各構成要素間での相対的な大きさに限定されない。
また、本明細書等において、第1、第2、第3などとして付される序数詞は、便宜上用いるものであって工程の順番や上下の位置関係などを示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
また、本明細書等で説明する本発明の構成において、同一部分又は同様の機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を有する部分を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である、例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の有機化合物について、以下説明する。
本発明の一態様の有機化合物は発光素子に適用することができ、下記一般式(G0)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
一般式(G0)において、Xは酸素または硫黄を表し、Arは、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基を表し、R乃至Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、Aは、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至30の複素芳香族炭化水素基を表し、nは1乃至4の整数を表し、Htは、置換もしくは無置換の縮合複素芳香環を表し、該縮合複素芳香環は、カルバゾール骨格、ジベンゾフラン骨格、及びジベンゾチオフェン骨格の中から選ばれるいずれか一または複数を含み、該縮合複素芳香環の炭素数が12乃至30である。
本発明の一態様に係る有機化合物は、ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格を有し、ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格が有する、ピリジン環側(2乃至4位)とベンゼン環側(5乃至8位)双方に、少なくとも一つの置換基を有する有機化合物である。該構成の本発明の一態様の有機化合物を発光素子に適用すると、発光素子の信頼性、特に青燐光素子の信頼性を向上させることができることを本発明者らは見出した。本発明の一態様の有機化合物は、例えば、ピリジン環側のみに置換基を有する有機化合物と比較し、発光素子の信頼性を向上させることができる。本効果はベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格が有するピリジン環側とベンゼン環側双方に少なくとも一つの置換基を有することで、膜質が向上するためと考えられる。
また、本発明者らはベンゾフロピリジン骨格またはベンゾチエノピリジン骨格として、ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格を用いることで、他の縮合位置で縮合したベンゾフロピリジン骨格またはベンゾチエノピリジン骨格を有する有機化合物と比較し、Lowest Unoccupied Molecular Orbital(LUMO)準位が高く、さらにT1準位も高い有機化合物が得られることを見出した。そのため、本発明の一態様の有機化合物をホスト材料として用いることによって、後述するExciplex Triplet Energy Transfer(ExTET)を効率良く利用することができる。そのため、発光効率が良好であり、駆動電圧が低く、信頼性が良好な発光素子を得ることができる。
また、本発明の一態様の有機化合物は電子輸送性が良好なベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格を有するため、電子輸送性に優れるが、上述のように高いLUMO準位を有する。そのため、発光層に本発明の一態様の有機化合物を用い、電子輸送層に本発明の一態様の有機化合物よりLUMO準位が低い材料を選択することが容易になる。該構成とすることによって、発光層と電子輸送層の間に電子注入障壁をつくることができ、EL層でのキャリアバランスを調整することができる。そのため、発光効率が良好な発光素子を得ることができる。なお、本発明の一態様の有機化合物は電子輸送性に優れるため、電子注入障壁が存在しても、低い駆動電圧で発光素子を駆動させることができる。
また、上述のように本発明の一態様の有機化合物は高いT1準位を有しているため、燐光発光素子に好適に用いることができる。特に青燐光発光素子に好適に用いることができ、発光効率及び信頼性が良好な発光素子を得ることができる。なお、本発明の一態様の有機化合物は蛍光発光素子や熱活性化遅延蛍光材料をゲスト材料として用いた発光素子にも用いることができる。
一般式(G0)中、Aが炭素数6乃至30の芳香族炭化水素基であり、さらに縮合環を少なくとも一つ有すると好ましい。縮合環を有することによってπ共役系が分子全体に広がった構造とすることができ、信頼性が良好で駆動電圧が低い発光素子とすることができる。また、電気化学的な安定性向上および膜質の改善にも効果があるため、発光素子の信頼性を向上させることができる。また、昇華性を低下させることなく、分子量を増大することができるため、耐熱性に優れた材料とすることができる。すなわち、一般式(G0)中、Aが縮合環を少なくとも一つ有する芳香族炭化水素基であることが本発明の一態様における特に好ましい形態の一つである。
上記縮合環としては、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、トリフェニレン環のような縮合芳香環や、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、またはジベンゾチオフェン環を含む縮合複素芳香環(例えば、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ベンゾナフトフラン環、ベンゾナフトチオフェン環、インドロカルバゾール環、ベンゾフロカルバゾール環、ベンゾチエノカルバゾール環、インデノカルバゾール環、ジベンゾカルバゾール環など)が挙げられる。特に、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、またはジベンゾチオフェン環を含む縮合複素芳香環であると好ましい。該縮合複素芳香環を有することで、正孔輸送性に優れた有機化合物を得ることができる。また、該縮合複素芳香環をベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格に導入することによって、酸化特性及び還元特性の双方に優れた構造とすることができるため、信頼性の高い発光素子を得ることができる。
一般式(G0)中、Aで表される、置換若しくは無置換の炭素数6乃至25の芳香族炭化水素基としては例えば、置換または無置換のフェニル基、ナフタレニル基、フェナントレニル基、ビフェニル基、トリフェニル基、フルオレニル基及びスピロフルオレニル基等があげられる。また、置換または無置換のカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基等の、ピロール環、ピリジン環、ジアジン環、トリアジン環、チオフェン環、またはフラン環を有する複素芳香族炭化水素基もあげることができる。
一般式(G0)中、Htは正孔輸送性の骨格を有すると好ましい。正孔輸送性の骨格をベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格に導入することによって、酸化特性及び還元特性双方に優れた構造とすることができ、信頼性の高い発光素子を提供することができる。また、キャリア(電子および正孔)輸送性が向上するため、駆動電圧が低い発光素子を提供することができる。中でも、Htはカルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環のいずれか一を含む、置換もしくは無置換の炭素数12乃至30の複素芳香族炭化水素基であると好ましい。このような構造を用いることで、耐熱性に優れ、励起状態が安定であり、T1準位が高い有機化合物とすることができる。
正孔輸送性の骨格としては、ピロール骨格、フラン骨格、チオフェン骨格等のπ電子過剰型複素芳香環骨格や、芳香族アミン骨格が挙げられる。これらの骨格を有する置換基は電気化学的に安定で信頼性が良好であり好ましい。また、当該骨格を有する化合物は、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
一般式(G0)中、Htは少なくとも一つ以上のアリーレン基を介してベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格と結合すると好ましい。該構成とすることで、Htがベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格と直接結合している有機化合物と比較し、高いT1準位を有する有機化合物とすることができる。
また、本発明の一態様は、一般式(G1)で表される有機化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000021
一般式(G1)において、Xは酸素または硫黄を表し、Ar及びArはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基を表し、R乃至Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、nは1乃至4の整数を表し、lは0乃至4の整数を表し、Ht及びHtはそれぞれ独立に、カルバゾール骨格、ジベンゾフラン骨格、ジベンゾチオフェン骨格のいずれか一を含む、炭素数12乃至30の縮合複素芳香環を表す。該縮合複素芳香環は置換基を有していてもよい。
また、一般式(G1)中、Htは一つ以上のアリーレン基を介してベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格と結合すると好ましい。該構成とすることで、Htがベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格と直接結合している有機化合物と比較し、高いT1準位を有する有機化合物とすることができる。なお、Htはアリーレン基を介さずにベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格と結合しても構わない。
また、一般式(G1)中、Ht及びHtは、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環のいずれか一を含む、置換もしくは無置換の縮合複素芳香環であると好ましい。このような構造を用いることで、耐熱性に優れ、励起状態が安定であり、T1準位が高い構造とすることができる。
本発明の一態様は、一般式(G2)で表される有機化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000022
一般式(G2)において、Xは酸素または硫黄を表し、Ar及びArはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基を表し、R乃至Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、nは1乃至4の整数を表し、lは0乃至4の整数を表し、Ht及びHtはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の縮合複素芳香環を表し、該縮合複素芳香環は、カルバゾール骨格、ジベンゾフラン骨格、及びジベンゾチオフェン骨格の中から選ばれるいずれか一または複数を含み、該縮合複素芳香環の炭素数が12乃至30である。
本発明の一態様の有機化合物では、Htがアリーレン基を介して、ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格の3位で結合していることが好ましい。該構成とすることによって、T1準位が高い有機化合物とすることができる。
本発明の一態様は、一般式(G3)で表される有機化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000023
一般式(G3)において、Xは酸素または硫黄を表し、Ar及びArはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基を表し、R乃至Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、nは1乃至4の整数を表し、lは0乃至4の整数を表し、Ht及びHtはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の縮合複素芳香環を表し、該縮合複素芳香環は、カルバゾール骨格、ジベンゾフラン骨格、及びジベンゾチオフェン骨格の中から選ばれるいずれか一または複数を含み、該縮合複素芳香環の炭素数が12乃至30である。
本発明の一態様の有機化合物では、Htがベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格の6位で結合していることが好ましい。該構成とすることによって、T1準位が高い有機化合物とすることができる。
本発明の一態様は、一般式(G4)で表される有機化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000024
一般式(G4)において、Xは酸素または硫黄を表し、R乃至Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、nは1乃至4の整数を表し、lは0乃至4の整数を表し、Ht及びHtはそれぞれ独立に、該縮合複素芳香環は、カルバゾール骨格、ジベンゾフラン骨格、及びジベンゾチオフェン骨格の中から選ばれるいずれか一または複数を含み、該縮合複素芳香環の炭素数が12乃至30である。
本発明の一態様は、一般式(G5)で表される有機化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000025
一般式(G4)において、Xは酸素または硫黄を表し、R乃至Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、nは1乃至4の整数を表し、lは0乃至4の整数を表し、Ht及びHtはそれぞれ独立に、該縮合複素芳香環は、カルバゾール骨格、ジベンゾフラン骨格、及びジベンゾチオフェン骨格の中から選ばれるいずれか一または複数を含み、該縮合複素芳香環の炭素数が12乃至30である。
本発明の一態様の有機化合物では、ピリジン側の置換基であるHtがアリーレン基を介して、ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格の3位で結合していることが好ましく、該アリーレン基がフェニル基であるとより好ましい。さらに、ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格とHtはフェニル基を介してメタ位で結合していると好ましい。該構成とすることで、T1準位が高い有機化合物を得ることができる。
また、本発明の一態様の有機化合物では、ベンゼン環側の置換基であるHtがアリーレン基を介して、ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格と結合する場合、その結合位置は6位であることが好ましく、該アリーレン基がフェニル基であるとより好ましい。さらに、ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格とHtはフェニル基を介してメタ位で結合していると好ましい。該構成とすることで、T1準位が高い有機化合物を得ることができる。
また、上記一般式(G0)乃至(G5)におけるHt及びHtがそれぞれ独立に、下記一般式(Ht−1)乃至(Ht−4)で表されると好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000026
一般式(Ht−1)乃至(Ht−4)中、R乃至R14はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基のいずれか一を表す。R乃至R及び/またはR10乃至R13は、それぞれ互いに結合し、飽和環若しくは不飽和環を形成しても良い。R乃至R及び/またはR10乃至R13は、それぞれ互いに結合し、環を形成する場合、該環は不飽和環であることが好ましく、芳香環であるとより好ましく、ベンゼン環であるとさらに好ましい。該構成とすることで、耐熱性に優れた有機化合物とすることができる。
本発明の一態様は、一般式(G6)で表される有機化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000027
一般式(G6)において、X、Z及びZはそれぞれ独立に、酸素または硫黄を表す。
本発明の一態様は、構造式(100)で表される有機化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000028
<置換基の例>
一般式(G0)乃至(G3)において、Ar及びArで表される置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニル基、フルオレニル基、ビフェニルジイル基、スピロフルオレニル基などが挙げられる。具体的には、下記構造式(Ar−1)乃至(Ar−27)で表される基を適用することができる。なお、Ar及びArで表される基はこれらに限定されず、置換基を有していても良い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000029
また、一般式(G0)乃至(G5)におけるR乃至R及び一般式(Ht−1)乃至(Ht−4)におけるR乃至R14は、例えば、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基のいずれか一を表す。該アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができ、該シクロアルキル基としては例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができ、該アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基などを具体例として挙げることができる。より具体的には例えば、下記構造式(R−1)乃至(R−32)で表される基が挙げられる。なお、R乃至R及びR乃至R14で表される基はこれらに限定されない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000030
なお、上述の一般式(G0)乃至(G5)及び一般式(Ht−1)乃至(Ht−4)において、A、Ar、Ar、Ht、Ht、R乃至R及びR乃至R14が置換基を有する場合、該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基をあげることができる。該アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができ、該シクロアルキル基としては例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができ、該アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
<化合物の具体例>
一般式(G0)乃至(G5)として表される化合物の具体的な構造としては、下記構造式(100)乃至(141)及び構造式(200)乃至(241)で表される有機化合物等を挙げることができる。なお、一般式(G0)乃至(G5)として表される有機化合物は、下記例示に限られない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000031
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000032
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000033
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000034
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000035
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000036
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000037
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000038
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000039
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000040
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000041
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000042
また、本発明の一態様の有機化合物は、一分子内に電子輸送性を有するベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格と、正孔輸送性を有する置換基の両方を含むため、バイポーラ材料と見なすことができる。このような材料は良好なキャリア輸送性を有するため、発光素子のホスト材料として用いることによって、駆動電圧が低い発光素子を提供できる。
 また、本発明の一態様の有機化合物は、π電子過剰型複素芳香環(例えば、ジベンゾフラン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、カルバゾール骨格)とπ電子不足型複素芳香環(ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンソチエノ[2,3−b]ピリジン骨格)とを有する。そのため、分子内でドナー−アクセプター型の励起状態を形成しやすい。さらに、π電子過剰型複素芳香環とπ電子不足型複素芳香環とが、直接またはアリーレン基を介して結合する構造とすることで、ドナー性とアクセプター性とを共に強くすることができる。分子内でのドナー性とアクセプター性を共に強くすることで、化合物におけるHighest Occupied Molecular Orbital(HOMO)の分子軌道が分布する領域と、LUMOの分子軌道が分布する領域との重なりを小さくすることができ、化合物の一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位とのエネルギー差を小さくすることができる。また、化合物の三重項励起エネルギー準位を高いエネルギーに保つことができる。
 一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位とのエネルギー差が小さい場合、100℃以下、好ましくは室温程度のわずかな熱エネルギーによって、三重項励起エネルギーを一重項励起エネルギーへアップコンバージョン(逆項間交差)することが可能となる。すなわち、本発明の一態様の化合物は、三重項励起エネルギーを一重項励起エネルギーに変換する機能を有する有機化合物である。効率よく逆項間交差が生じるためには、一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位とのエネルギー差が、好ましくは0eVより大きく0.3eV以下、より好ましくは0eVより大きく0.2eV以下、さらに好ましくは0eVより大きく0.1eV以下であればよい。
 なお、HOMOの分子軌道が分布する領域と、LUMOの分子軌道が分布する領域と、が重なりを有し、HOMO準位とLUMO準位との間の遷移双極子モーメントが0より大きい場合、HOMO準位とLUMO準位とが係わる励起状態(例えば最低一重項励起状態)から発光を得ることが可能となる。以上のことから、本発明の一態様の化合物は、三重項励起エネルギーを一重項励起エネルギーに変換する機能を有する発光材料として好適であり、すなわち、熱活性化遅延蛍光材料として好ましい。
なお、本実施の形態における有機化合物は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷法等の方法を用いて成膜することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様である一般式(G0)で表されるベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格を有する有機化合物の合成方法の一例について説明する。該有機化合物の合成方法としては、種々の反応を適用することができる。
まず、一般式(G0)の出発原料である(B1)で表されるベンゾフロピリジン誘導体、またはベンゾチエノピリジン誘導体は、下記合成スキーム(S−1)より合成できる。メチルオキシ基またはメチルチオ基で置換されたアリールボロン酸(a’1)とアミノ基とハロゲンで置換されたピリジン誘導体(a’2)をカップリングして得られる中間体(a’3)を、亜硝酸tert−ブチル(tBuONO)と反応させることで環化し、ベンゾフロピリジン誘導体、またはベンゾチエノピリジン誘導体である(a1)を得ることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000043
合成スキーム(S−1)において、Xは酸素または硫黄を表し、Y乃至Yはそれぞれハロゲンを表す。R乃至Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基のいずれか一を表す。Bはボロン酸またはボロン酸エステルまたは環状トリオールボレート塩等を表す。環状トリオールボレート塩はリチウム塩の他に、カリウム塩、ナトリウム塩を用いても良い。
次に、下記合成スキーム(S−2)及び(S−3)で示す通り、一般式(G0)中、Aで表される骨格を有するボロン酸化合物(b1)とアリールボロン酸(b2)それぞれを2段階に分けて反応させることにより、ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格におけるピリジン側(2乃至4位)とベンゼン側(5乃至8位)に異なる置換基を導入した、本発明の一態様である一般式(G0)で表される有機化合物を合成することが出来る。なお、下記合成スキーム(S−2)及び(S−3)では便宜上、ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格におけるベンゼン側(5乃至8位)から置換基を導入する合成例を示したが、ピリジン側(2乃至4位)から置換基を導入しても構わない。また、上記ピリジン側の置換基とベンゼン側の置換基は同じであっても構わない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000044
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000045
合成スキーム(S−2)及び(S−3)中、YおよびYはそれぞれハロゲンを表し、Arは、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基を表し、R乃至Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、Aは、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至30の複素芳香族炭化水素基を表し、nは1乃至4の整数を表し、Htは、カルバゾール骨格、ジベンゾフラン骨格、ジベンゾチオフェン骨格のいずれか一を含む、置換もしくは無置換の炭素数12乃至30の縮合複素芳香環を表す。また、BおよびBはボロン酸、ボロン酸エステル、環状トリオールボレート塩またはトリフラート基等を表す。環状トリオールボレート塩はリチウム塩の他に、カリウム塩、ナトリウム塩を用いても良い。
合成スキーム(S−2)及び(S−3)において、パラジウム触媒を用いた鈴木・宮浦カップリング反応を行う場合、Y及びYが表すハロゲンとしては、ヨウ素、臭素又は塩素が好ましい。当該反応では、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等のパラジウム化合物と、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリ(n−ヘキシル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、トリ(オルトートリル)ホスフィン等の配位子を用いる事ができる。当該反応では、ナトリウム tert−ブトキシド等の有機塩基や、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基等を用いることができる。当該反応では、溶媒として、トルエン、キシレン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エタノール、メタノール、水等を用いることができる。当該反応で用いることができる試薬類は、前記試薬類に限られるものではない。また、当該反応を用いる場合、Y及びYがボロン酸またはボロン酸エステル、環状トリオールボレート塩またはトリフラート基等であり、BおよびBがハロゲンであっても構わない。
合成スキーム(S−2)及び(S−3)において行う反応は、鈴木・宮浦カップリング反応に限られるものではなく、有機錫化合物を用いた右田・小杉・スティルカップリング反応、グリニヤール試薬を用いた熊田・玉夫・コリューカップリング反応、有機亜鉛化合物を用いた根岸カップリング反応、銅又は銅化合物を用いた反応等を用いることが出来る。右田・小杉・スティルカップリング反応を用いる場合、Y及びB、Y及びBのうち、それぞれどちらか一方が有機錫基を表し、もう一方が、ハロゲン基を表す。すなわち、合成スキーム(S−2)中、(a1)及び(b1)のうちどちらか一方が有機錫化合物であり、もう一方の化合物がハロゲン化物である。また、合成スキーム(S−3)中、(a2)及び(b2)のうちどちらか一方が有機錫化合物であり、もう一方の化合物がハロゲン化物である。熊田・玉夫・コリューカップリンク反応を用いる場合、Y及びB、Y及びBのうちそれぞれどちらか一方がハロゲン化マグネシウム基を表し、もう一方が、ハロゲン基を表す。すなわち、合成スキーム(S−2)中、(a1)及び(b1)のうちどちらか一方がグリニヤール試薬であり、もう一方がハロゲン化物である。また、合成スキーム(S−3)中、(a2)及び(b2)のうちどちらか一方がグリニヤール試薬であり、もう一方がハロゲン化物である。根岸カップリング反応を用いる場合、Y及びB、Y及びBのうちそれぞれどちらか一方が有機亜鉛基を表し、もう一方が、ハロゲン基を表す。すなわち、合成スキーム(S−2)中、(a1)及び(b1)のうちどちらか一方が有機亜鉛化合物であり、もう一方がハロゲン化物である。また、合成スキーム(S−3)中、(a2)及び(b2)のうちどちらか一方が有機亜鉛化合物であり、もう一方がハロゲン化物である。
本発明の一態様の有機化合物の、異なる合成方法を下記合成スキーム(S−4)を用いて説明する。ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格またはベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン骨格におけるピリジン側(2乃至4位)とベンゼン側(5乃至8位)に同一の置換基を導入する場合、a1と2当量のアリールボロン酸化合物(b3)をカップリングさせることで、本発明の一態様の有機化合物である(G0−1)を得ることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000046
合成スキーム(S−4)中、YおよびYはそれぞれハロゲンを表し、Arは、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基を表し、R乃至Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、Aは、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至30の複素芳香族炭化水素基を表し、nは1乃至4の整数を表し、Htは、カルバゾール骨格、ジベンゾフラン骨格、ジベンゾチオフェン骨格のいずれか一を含む、置換もしくは無置換の炭素数12乃至30の縮合複素芳香環を表す。また、Bはボロン酸またはボロン酸エステル、環状トリオールボレート塩またはトリフラート基等を表す。また、環状トリオールボレート塩はリチウム塩の他に、カリウム塩、ナトリウム塩を用いても良い。
合成スキーム(S−4)では上述の鈴木・宮浦カップリング反応、右田・小杉・スティルカップリング反応、熊田・玉夫・コリューカップリンク反応、根岸カップリング反応、銅又は銅化合物を用いた反応等を用いることが出来る。
[0000]
上述の化合物(a’1)、(a’2)、(b1)および(b2)は、様々な種類が市販されているか、あるいは合成可能であるため、一般式(G1)で表されるベンゾフロピリジン誘導体、またはベンゾチエノピリジン誘導体は数多くの種類を合成することができる。したがって、本発明の一態様の化合物は、バリエーションが豊富であるという特徴がある。
本発明の一態様の有機化合物の合成において、合成方法は上述の合成スキーム(S−1)乃至(S−4)に限られない。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様である有機化合物を有する発光素子について、図1を用いて以下に説明する。
<発光素子の構成例1>
 まず、本発明の一態様の発光素子の構成について、図1(A)(B)(C)を用いて、以下説明する。
 図1(A)は、本発明の一態様の発光素子150の断面模式図である。
 発光素子150は、一対の電極(電極101及び電極102)を有し、該一対の電極間に設けられたEL層100を有する。EL層100は、少なくとも発光層140を有する。
 また、図1(A)に示すEL層100は、発光層140の他に、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層118、及び電子注入層119等の機能層を有する。
 なお、本実施の形態においては、一対の電極のうち、電極101を陽極として、電極102を陰極として説明するが、発光素子150の構成としては、その限りではない。つまり、電極101を陰極とし、電極102を陽極とし、当該電極間の各層の積層を、逆の順番にしてもよい。すなわち、陽極側から、正孔注入層111と、正孔輸送層112と、発光層140と、電子輸送層118と、電子注入層119と、が積層する順番とすればよい。
 なお、EL層100の構成は、図1(A)に示す構成に限定されず、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層118、及び電子注入層119の中から選ばれた少なくとも一つを有する構成とすればよい。あるいは、EL層100は、正孔または電子の注入障壁を低減する、正孔または電子の輸送性を向上する、正孔または電子の輸送性を阻害する、または電極による消光現象を抑制する、ことができる等の機能を有する機能層を有する構成としてもよい。なお、機能層はそれぞれ単層であっても、複数の層が積層された構成であってもよい。
発光素子150はEL層100のいずれかの層に本発明の一態様に係る有機化合物が含まれていればよい。なお、該有機化合物が含まれる層として好ましくは電子輸送層118であり、さらに好ましくは発光層140である。また、上述した通り、発光層140のホスト材料141として本発明の一態様に係る有機化合物を用い、ゲスト材料142として三重項励起エネルギーを発光に変換できる発光物質(特に燐光性化合物)を用いることが好ましい。
 図1(B)は、図1(A)に示す発光層140の一例を示す断面模式図である。図1(B)に示す発光層140は、ホスト材料141と、ゲスト材料142と、を有する。また、ホスト材料141は、単独の有機化合物で構成されていても良いが、有機化合物141_1と、有機化合物141_2と、を有するco−host系でもよい。本発明の一態様の有機化合物は、ホスト材料141や、あるいは有機化合物141_1として用いることができる。
 また、ゲスト材料142としては、発光性の有機材料を用いればよく、該発光性の有機材料としては、蛍光を発することができる材料(以下、蛍光材料という)や、燐光を発することができる材料(以下、燐光材料ともいう)があげられる。以下の説明においては、ゲスト材料142として、燐光材料を用いる構成について説明する。なお、ゲスト材料142を燐光材料として読み替えてもよい。
 図1(B)に示すような、発光層に有機化合物141_1及び有機化合物141_2のように2種のホスト材料を用いる場合(co−host系)、一般的には、2種のホスト材料には、電子輸送性の材料と正孔輸送性の材料が1種類ずつ用いられる。このような構成は、正孔輸送層112と発光層140の間の正孔注入障壁と、電子輸送層118と発光層140の間の電子注入障壁が小さくなるため、駆動電圧を低減することができるため好ましい構成である。
<発光素子の発光機構>
 次に、発光層140の発光機構について、以下説明を行う。
 発光層140におけるホスト材料141が有する有機化合物141_1および有機化合物141_2は、励起錯体(エキサイプレックス、エキシプレックスまたはExciplexともいう)を形成しても構わない。以下、有機化合物141_1および有機化合物141_2が、励起錯体を形成する場合について説明する。
 発光層140における有機化合物141_1と、有機化合物141_2と、ゲスト材料142とのエネルギー準位の相関を図1(C)に示す。なお、図1(C)における表記及び符号は、以下の通りである。なお、以下では、有機化合物141_1を電子輸送性の材料、有機化合物141_2を正孔輸送性の材料として説明する。
・Host(141_1):有機化合物141_1(ホスト材料)
・Host(141_2):有機化合物141_2(ホスト材料)
・Guest(142):ゲスト材料142(燐光性化合物)
・SPH1:有機化合物141_1(ホスト材料)のS1準位
・TPH1:有機化合物141_1(ホスト材料)のT1準位
・SPH2:有機化合物141_2(ホスト材料)のS1準位
・TPH2:有機化合物141_2(ホスト材料)のT1準位
・SPG:ゲスト材料142(燐光性化合物)のS1準位
・TPG:ゲスト材料142(燐光性化合物)のT1準位
・SPE:励起錯体のS1準位
・TPE:励起錯体のT1準位
 有機化合物141_1と有機化合物141_2とは励起錯体を形成し、該励起錯体のS1準位(SPE)とT1準位(TPE)は互いに隣接するエネルギー準位となる(図2(C) ルートE参照)。
 有機化合物141_1が電子を、有機化合物141_2がホールを受け取ることで速やかに励起錯体を形成する。あるいは、一方が励起状態となると、速やかに他方と相互作用することで励起錯体を形成する。したがって、発光層140における励起子のほとんどが励起錯体として存在する。励起錯体の励起エネルギー準位(SPEまたはTPE)は、励起錯体を形成するホスト材料(有機化合物141_1及び有機化合物141_2)のS1準位(SPH1及びSPH2)より低くなるため、より低い励起エネルギーでホスト材料141の励起状態を形成することが可能となる。これによって、発光素子の駆動電圧を下げることができる。なお、有機化合物141_1がホールを、有機化合物141_2は、が電子を受け取ることで励起錯体を形成しても構わない。
 そして、励起錯体の(SPE)と(TPE)の双方のエネルギーを、ゲスト材料142(燐光性化合物)のT1準位へ移動させて発光が得られる(図1(C) ルートE、E参照)。
 なお、励起錯体のT1準位(TPE)は、ゲスト材料142のT1準位(TPG)より大きいことが好ましい。そうすることで、生成した励起錯体の一重項励起エネルギーおよび三重項励起エネルギーを、励起錯体のS1準位(SPE)およびT1準位(TPE)からゲスト材料142のT1準位(TPG)へエネルギー移動することができる。
 また、励起錯体からゲスト材料142へ効率よく励起エネルギーを移動させるためには、励起錯体のT1準位(TPE)が、励起錯体を形成する各有機化合物(有機化合物141_1および有機化合物141_2)のT1準位(TPH1およびTPH2)と同等か、より小さいことが好ましい。これにより、各有機化合物(有機化合物141_1及び有機化合物141_2)による励起錯体の三重項励起エネルギーのクエンチが生じにくくなり、効率よく励起錯体からゲスト材料142へエネルギー移動が発生する。
 また、有機化合物141_1と有機化合物141_2との組み合わせが、正孔輸送性を有する化合物と電子輸送性を有する化合物との組み合わせである場合、その混合比によってキャリアバランスを容易に制御することが可能となる。具体的には、正孔輸送性を有する化合物:電子輸送性を有する化合物=1:9から9:1(重量比)の範囲が好ましい。また、該構成を有することで、容易にキャリアバランスを制御することができることから、キャリア再結合領域の制御も簡便に行うことができる。
 なお、上記に示すルートE、Eの過程を、本明細書等においてExTET(Exciplex−Triplet Energy Transfer)と呼称する場合がある。別言すると、発光層140は、励起錯体からゲスト材料142への励起エネルギーの供与がある。なお、この場合は必ずしもTPEからSPEへの逆項間交差効率が高い必要はなく、SPEからの発光量子収率が高い必要もないため、材料を幅広く選択することが可能となる。また、ExTETを利用することで、発光効率が良好で、駆動電圧が低減された、信頼性が良好な発光素子を得ることができる。
 有機化合物141_1と有機化合物141_2との組み合わせは、励起錯体を形成することが可能な組み合わせであればよいが、一方が他方のHOMO準位より低いHOMO準位を有し、且つ、他方のLUMO準位より低いLUMO準位を有することが好ましい。
上記構成において、ゲスト材料142のHOMO準位が高い場合(有機化合物141_1のHOMO準位及び有機化合物141_2のHOMO準位と同等以上)、ゲスト材料142がホールを受け取る場合がある。このとき、ゲスト材料142と電子輸送性材料である有機化合物141_1とで励起錯体を形成する場合がある。ゲスト材料142が励起錯体を形成すると、発光素子の発光効率が低下してしまう場合がある。また、上述のExTETを効率良く利用できない場合がある。
なお、ゲスト材料142のHOMO準位と、有機化合物141_1のLUMO準位の差が小さい場合、ゲスト材料142と、有機化合物141_1は励起錯体を形成しやすい。
ここで、先の実施の形態で述べたように、本発明の一態様の有機化合物は高いLUMO準位を有している。そのため、本発明の一態様の有機化合物を有機化合物141_1として用いることによって、ゲスト材料142のHOMO準位と、有機化合物141_1のLUMO準位との差を大きくすることができる。よって、ゲスト材料142と有機化合物141_1との励起錯体の形成を抑制することができる。すなわち、HOMO準位が高いゲスト材料142を用いた場合でも、発光効率が良好な発光素子を得ることができる。また、効率良くExTETを利用することができるため、発光効率が良好で、駆動電圧が低減された、信頼性が良好な発光素子を得ることができる。
<材料>
 次に、本発明の一態様に係る発光素子の構成要素の詳細について、以下説明を行う。
≪発光層≫
 発光層140中では、ホスト材料141が重量比で最も多く存在し、ゲスト材料142は、ホスト材料141中に分散される。ゲスト材料142が蛍光性化合物の場合、発光層140のホスト材料141(有機化合物141_1及び有機化合物141_2)のS1準位は、発光層140のゲスト材料(ゲスト材料142)のS1準位よりも高いことが好ましい。また、ゲスト材料142が燐光性化合物の場合、発光層140のホスト材料141(有機化合物141_1及び有機化合物141_2)のT1準位は、発光層140のゲスト材料(ゲスト材料142)のT1準位よりも高いことが好ましい。
 有機化合物141_1としては、含窒素六員複素芳香族骨格を有する化合物であると好ましい。特に本発明の一態様に係る有機化合物はピリジン骨格を有するため、好適に用いることができる。他の具体例としては、ジアジン骨格(ピラジン骨格、ピリミジン骨格、及びピリダジン骨格)、及びトリアジン骨格を有する化合物が挙げられる。これらの塩基性を有する含窒素複素芳香族骨格を有する化合物としては、例えば、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、プリン誘導体などの化合物が挙げられる。また、有機化合物141_1としては、正孔よりも電子の輸送性の高い材料(電子輸送性材料)を用いることができ、1×10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する材料であることが好ましい。
 具体的には、例えば、バソフェナントロリン(略称:Bphen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などのピリジン骨格を有する複素環化合物や、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II)、2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)、2−[3’−(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzBPDBq)、2−[4−(3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq−III)、7−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7mDBTPDBq−II)、及び、6−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6mDBTPDBq−II)、(2−[3−(3,9’−ビ−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン)(略称:2mCzCzPDBq)、4,6−ビス[3−(フェナントレン−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mPnP2Pm)、4,6−ビス[3−(4−ジベンゾチエニル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mDBTP2Pm−II)、4,6−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mCzP2Pm)などのジアジン骨格を有する複素環化合物や、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)などのトリアジン骨格を有する複素環化合物や、3,5−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリジン(略称:35DCzPPy)、1,3,5−トリ[3−(3−ピリジル)フェニル]ベンゼン(略称:TmPyPB)などのピリジン骨格を有する複素環化合物も用いることができる。上述した複素環化合物の中でも、トリアジン骨格、ジアジン(ピリミジン、ピラジン、ピリダジン)骨格、またはピリジン骨格を有する複素環化合物は、安定で信頼性が良好であり好ましい。また、当該骨格を有する複素環化合物は、電子輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。また、ポリ(2,5−ピリジンジイル)(略称:PPy)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)のような高分子化合物を用いることもできる。ここに述べた物質は、主に1×10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を用いても構わない。
 有機化合物141_2としては、含窒素五員複素環骨格または3級アミン骨格を有する化合物が好ましい。具体的には、ピロール骨格または芳香族アミン骨格を有する化合物が挙げられる。例えば、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体などが挙げられる。また、含窒素五員複素環骨格としては、イミダゾール骨格、トリアゾール骨格、及びテトラゾール骨格が挙げられる。また、有機化合物141_2としては、電子よりも正孔の輸送性の高い材料(正孔輸送性材料)を用いることができ、1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する材料であることが好ましい。また、該正孔輸送性材料は高分子化合物であっても良い。
 これら正孔輸送性の高い材料として、具体的には、芳香族アミン化合物としては、N,N’−ジ(p−トリル)−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス{4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等を挙げることができる。
 また、カルバゾール誘導体としては、具体的には、3−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA1)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA2)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−(1−ナフチル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzTPN2)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等を挙げることができる。
 また、カルバゾール誘導体としては、他に、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等を用いることができる。
 また、N,N−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:CzA1PA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、N,9−ジフェニル−N−{4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]フェニル}−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPBA)、N,9−ジフェニル−N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、9−フェニル−3−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:PCzPA)、3,6−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:DPCzPA)、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:DBC1)等を用いることができる。
 また、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)等の高分子化合物を用いることもできる。
 さらに、正孔輸送性の高い材料としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’−トリス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:1’−TNATA)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4−フェニル−3’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−N−{9,9−ジメチル−2−[N’−フェニル−N’−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)アミノ]−9H−フルオレン−7−イル}フェニルアミン(略称:DFLADFL)、N−(9,9−ジメチル−2−ジフェニルアミノ−9H−フルオレン−7−イル)ジフェニルアミン(略称:DPNF)、2−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPASF)、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’−ジフェニル−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4−(1−ナフチル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、4−フェニルジフェニル−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)アミン(略称:PCA1BP)、N,N’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N,N’−ジフェニルベンゼン−1,3−ジアミン(略称:PCA2B)、N,N’N’’−トリフェニル−N,N’,N’’−トリス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)ベンゼン−1,3,5−トリアミン(略称:PCA3B)、N−(4−ビフェニル)−N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCBiF)、N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−アミン(略称:PCBBiF)、9,9−ジメチル−N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]フルオレン−2−アミン(略称:PCBAF)、N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−アミン(略称:PCBASF)、2−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:PCASF)、2,7−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPA2SF)、N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−(4−フェニル)フェニルアニリン(略称:YGA1BP)、N,N’−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニル−9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジアミン(略称:YGA2F)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。また、3−[4−(1−ナフチル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPN)、3−[4−(9−フェナントリル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPPn)、3,3’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)(略称:PCCP)、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、3,6−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)−9−フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、3,6−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PhCzGI)、2,8−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)−ジベンゾチオフェン(略称:Cz2DBT)等のアミン化合物、カルバゾール化合物等を用いることができる。上述した化合物の中でも、ピロール骨格、芳香族アミン骨格を有する化合物は、安定で信頼性が良好であり好ましい。また、当該骨格を有する化合物は、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
 また、有機化合物141_2としては、イミダゾール骨格、トリアゾール骨格、及びテトラゾール骨格等の含窒素五員複素環骨格を有する化合物を用いることができる。具体的には、例えば、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、9−[4−(4,5−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzTAZ1)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm−II)等を用いることができる。
 また、発光層140において、ゲスト材料142としては、特に限定はないが、蛍光性化合物としては、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、スチルベン誘導体、アクリドン誘導体、クマリン誘導体、フェノキサジン誘導体、フェノチアジン誘導体などが好ましく、例えば以下の物質を用いることができる。
 具体的には、5,6−ビス[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAP2BPy)、5,6−ビス[4’−(10−フェニル−9−アントリル)ビフェニル−4−イル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAPP2BPy)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6FLPAPrn)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6mMemFLPAPrn)、N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−N,N’−ビス(4−tert−ブチルフェニル)ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6tBu−FLPAPrn)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−3,8−ジシクロヘキシルピレン−1,6−ジアミン(略称:ch−1,6FLPAPrn)、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン(略称:TBP)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、N−N’’−(2−tert−ブチルアントラセン−9,10−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPPA)、N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:DBC1)、クマリン30、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)、クマリン6、クマリン545T、N,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)、ルブレン、2,8−ジ−tert−ブチル−5,11−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6,12−ジフェニルテトラセン(略称:TBRb)、ナイルレッド、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、2−(2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2−{2−メチル−6−[2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)、2−{2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTI)、2−{2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、2−(2,6−ビス{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:BisDCM)、2−{2,6−ビス[2−(8−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:BisDCJTM)、5,10,15,20−テトラフェニルビスベンゾ[5,6]インデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン、などが挙げられる。
 ゲスト材料142(燐光性化合物)としては、イリジウム、ロジウム、または白金系の有機金属錯体、あるいは金属錯体が挙げられ、中でも有機イリジウム錯体、例えばイリジウム系オルトメタル錯体が好ましい。オルトメタル化する配位子としては4H−トリアゾール配位子、1H−トリアゾール配位子、イミダゾール配位子、ピリジン配位子、ピリミジン配位子、ピラジン配位子、あるいはイソキノリン配位子などが挙げられる。金属錯体としては、ポルフィリン配位子を有する白金錯体などが挙げられる。
 青色または緑色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(mpptz−dmp))、トリス(5−メチル−3,4−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz))、トリス[4−(3−ビフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrptz−3b))、トリス[3−(5−ビフェニル)−5−イソプロピル−4−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPr5btz))、のような4H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス[3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz1−mp))、トリス(1−メチル−5−フェニル−3−プロピル−1H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Prptz1−Me))のような1H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、fac−トリス[1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−フェニル−1H−イミダゾール]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrpmi))、トリス[3−(2,6−ジメチルフェニル)−7−メチルイミダゾ[1,2−f]フェナントリジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(dmpimpt−Me))のようなイミダゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス{2−[3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CFppy)(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))のような電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属イリジウム錯体が挙げられる。上述した中でも、4H−トリアゾール骨格、1H−トリアゾール骨格およびイミダゾール骨格のような含窒素五員複素環骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、高い三重項励起エネルギーを有し、信頼性や発光効率にも優れるため、特に好ましい。
 また、緑色または黄色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス(4−メチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm))、トリス(4−t−ブチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm))、(アセチルアセトナト)ビス(6−メチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[4−(2−ノルボルニル)−6−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(nbppm)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[5−メチル−6−(2−メチルフェニル)−4−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(mpmppm)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス{4,6−ジメチル−2−[6−(2,6−ジメチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(dmppm−dmp)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(dppm)(acac))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(3,5−ジメチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−Me)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(5−イソプロピル−3−メチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−iPr)(acac))のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy))、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)(acac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)(acac))、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:Ir(bzq))、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(pq))、ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pq)(acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス(2,4−ジフェニル−1,3−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(dpo)(acac))、ビス{2−[4’−(パーフルオロフェニル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(p−PF−ph)(acac))、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)(acac))など有機金属イリジウム錯体の他、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。
 また、黄色または赤色に発光ピークを有する物質としては、例えば、(ジイソブチリルメタナト)ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)(dibm))、ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)(dpm))、ビス[4,6−ジ(ナフタレン−1−イル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(d1npm)(dpm))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)(acac))、ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)(dpm))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)(acac))のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(piq))、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)(acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体の他、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)のような白金錯体や、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。また、ピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、色度の良い赤色発光が得られる。
 ベンゾフロピリジン骨格またはベンゾチエノピリジン骨格を有する有機化合物は高いT1準位を有するため、三重項励起エネルギーを発光に変換できる物質を発光材料とする発光層のホスト材料として好適に用いることができる。したがって、発光層140に含まれる発光材料としては、三重項励起エネルギーを発光に変換できる材料であれば好ましい。該三重項励起エネルギーを発光に変換できる材料としては、上述の燐光性化合物の他に、熱活性化遅延蛍光(Thermally activated delayed fluorescence:TADF)材料が挙げられる。したがって、燐光性化合物と記載した部分に関しては、熱活性化遅延蛍光材料と読み替えても構わない。なお、熱活性化遅延蛍光材料とは、三重項励起エネルギー準位と一重項励起エネルギー準位との差が小さく、逆項間交差によって三重項励起状態から一重項励起状態へエネルギーを変換する機能を有する材料である。そのため、三重項励起状態をわずかな熱エネルギーによって一重項励起状態にアップコンバート(逆項間交差)が可能で、一重項励起状態からの発光(蛍光)を効率よく呈することができる。また、熱活性化遅延蛍光が効率良く得られる条件としては、三重項励起エネルギー準位と一重項励起エネルギー準位のエネルギー差が好ましくは0eVより大きく0.2eV以下、さらに好ましくは0eVより大きく0.1eV以下であることが挙げられる。熱活性化遅延蛍光材料として、実施の形態1で示した化合物も好適に用いることができる。
 熱活性化遅延蛍光材料が、一種類の材料から構成される場合、例えば以下の材料を用いることができる。
 まず、フラーレンやその誘導体、プロフラビン等のアクリジン誘導体、エオシン等が挙げられる。また、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、白金(Pt)、インジウム(In)、もしくはパラジウム(Pd)等を含む金属含有ポルフィリンが挙げられる。該金属含有ポルフィリンとしては、例えば、プロトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF(Proto IX))、メソポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF(Meso IX))、ヘマトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF(Hemato IX))、コプロポルフィリンテトラメチルエステル−フッ化スズ錯体(SnF(Copro III−4Me))、オクタエチルポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF(OEP))、エチオポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF(Etio I))、オクタエチルポルフィリン−塩化白金錯体(PtClOEP)等が挙げられる。
 また、一種の材料から構成される熱活性化遅延蛍光材料としては、π電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有する複素環化合物も用いることができる。具体的には、2−(ビフェニル−4−イル)−4,6−ビス(12−フェニルインドロ[2,3−a]カルバゾール−11−イル)−1,3,5−トリアジン(略称:PIC−TRZ)、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)、2−[4−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PXZ−TRZ)、3−[4−(5−フェニル−5,10−ジヒドロフェナジン−10−イル)フェニル]−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール(略称:PPZ−3TPT)、3−(9,9−ジメチル−9H−アクリジン−10−イル)−9H−キサンテン−9−オン(略称:ACRXTN)、ビス[4−(9,9−ジメチル−9,10−ジヒドロアクリジン)フェニル]スルホン(略称:DMAC−DPS)、10−フェニル−10H,10’H−スピロ[アクリジン−9,9’−アントラセン]−10’−オン(略称:ACRSA)等が挙げられる。該複素環化合物は、π電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有するため、電子輸送性及び正孔輸送性が高く、好ましい。中でも、π電子不足型複素芳香環を有する骨格のうち、ジアジン骨格(ピリミジン骨格、ピラジン骨格、ピリダジン骨格)、またはトリアジン骨格は、安定で信頼性が良好なため、好ましい。また、π電子過剰型複素芳香環を有する骨格の中でも、アクリジン骨格、フェノキサジン骨格、チオフェン骨格、フラン骨格、及びピロール骨格は、安定で信頼性が良好なため、当該骨格の中から選ばれるいずれか一つまたは複数を有することが、好ましい。なお、ピロール骨格としては、インドール骨格、カルバゾール骨格、及び3−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール骨格、が特に好ましい。なお、π電子過剰型複素芳香環とπ電子不足型複素芳香環とが直接結合した物質は、π電子過剰型複素芳香環のドナー性とπ電子不足型複素芳香環のアクセプター性が共に強く、一重項励起状態のエネルギー準位と三重項励起状態のエネルギー準位との差が小さくなるため、特に好ましい。
 また、発光層140において、ホスト材料141およびゲスト材料142以外の材料を有していても良い。
 発光層140に用いることが可能な材料としては、特に限定はないが、例えば、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体等の縮合多環芳香族化合物が挙げられ、具体的には、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、6,12−ジメトキシ−5,11−ジフェニルクリセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル(略称:BANT)、9,9’−(スチルベン−3,3’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’−(スチルベン−4,4’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、1,3,5−トリ(1−ピレニル)ベンゼン(略称:TPB3)などを挙げることができる。また、これら及び公知の物質の中から、上記ゲスト材料142の励起エネルギー準位より高い一重項励起エネルギー準位または三重項励起エネルギー準位を有する物質を、一種もしくは複数種選択して用いればよい。
 また、例えば、オキサジアゾール誘導体等の複素芳香族骨格を有する化合物を発光層140に用いることができる。具体的には、例えば、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素環化合物が挙げられる。
 また、複素環を有する金属錯体(例えば亜鉛及びアルミニウム系金属錯体)などを発光層140に用いることができる。例えば、キノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキサゾール配位子、あるいはチアゾール配位子を有する金属錯体が挙げられる。具体的には、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等が挙げられる。また、この他ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などのオキサゾール系、またはチアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。
 なお、発光層140は2層以上の複数層でもって構成することもできる。例えば、第1の発光層と第2の発光層を正孔輸送層側から順に積層して発光層140とする場合、第1の発光層のホスト材料として正孔輸送性を有する物質を用い、第2の発光層のホスト材料として電子輸送性を有する物質を用いる構成などがある。また、第1の発光層と第2の発光層とが有する発光材料は、同じ材料であっても異なる材料であってもよく、同じ色の発光を呈する機能を有する材料であっても、異なる色の発光を呈する機能を有する材料であってもよい。2層の発光層に、互いに異なる色の発光を呈する機能を有する発光材料をそれぞれ用いることで、複数の発光を同時に得ることができる。特に、2層の発光層が呈する発光により、白色になるよう、各発光層に用いる発光材料を選択すると好ましい。
 なお、発光層140は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷等の方法で形成することができる。また、上述した材料の他、量子ドットなどの無機化合物または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を有してもよい。
≪正孔注入層≫
 正孔注入層111は、一対の電極の一方(電極101または電極102)からのホール注入障壁を低減することでホール注入を促進する機能を有し、例えば遷移金属酸化物、フタロシアニン誘導体、あるいは芳香族アミンなどによって形成される。遷移金属酸化物としては、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物などが挙げられる。フタロシアニン誘導体としては、フタロシアニンや金属フタロシアニンなどが挙げられる。芳香族アミンとしてはベンジジン誘導体やフェニレンジアミン誘導体などが挙げられる。ポリチオフェンやポリアニリンなどの高分子化合物を用いることもでき、例えば自己ドープされたポリチオフェンであるポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)などがその代表例である。
 正孔注入層111として、正孔輸送性材料と、これに対して電子受容性を示す材料の複合材料を有する層を用いることもできる。あるいは、電子受容性を示す材料を含む層と正孔輸送性材料を含む層の積層を用いても良い。これらの材料間では定常状態、あるいは電界存在下において電荷の授受が可能である。電子受容性を示す材料としては、キノジメタン誘導体やクロラニル誘導体、ヘキサアザトリフェニレン誘導体などの有機アクセプターを挙げることができる。具体的には、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F−TCNQ)、クロラニル、2,3,6,7,10,11−ヘキサシアノ−1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレン(略称:HAT−CN)等の電子吸引基(ハロゲン基やシアノ基)を有する化合物である。また、遷移金属酸化物、例えば第4族から第8族金属の酸化物を用いることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムなどである。中でも酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
 正孔輸送性材料としては、電子よりも正孔の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する材料であることが好ましい。具体的には、発光層140に用いることができる正孔輸送性材料として挙げた芳香族アミン、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、スチルベン誘導体などを用いることができる。また、該正孔輸送性材料は高分子化合物であっても良い。
 また、正孔輸送性材料として他には芳香族炭化水素が挙げられ、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有し、炭素数14乃至42である芳香族炭化水素を用いることがより好ましい。
 なお、芳香族炭化水素は、ビニル骨格を有していてもよい。ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。
 また、4−{3−[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi−II)、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P−II)、1,3,5−トリ(ジベンゾチオフェン−4−イル)ベンゼン(略称:DBT3P−II)、2,8−ジフェニル−4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−III)、4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−6−フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−IV)、4−[3−(トリフェニレン−2−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:mDBTPTp−II)等のチオフェン化合物、フラン化合物、フルオレン化合物、トリフェニレン化合物、フェナントレン化合物等を用いることができる。上述した化合物の中でも、ピロール骨格、フラン骨格、チオフェン骨格、芳香族アミン骨格を有する化合物は、安定で信頼性が良好であり好ましい。また、当該骨格を有する化合物は、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
≪正孔輸送層≫
 正孔輸送層112は正孔輸送性材料を含む層であり、正孔注入層111の材料として例示した正孔輸送性材料を使用することができる。正孔輸送層112は正孔注入層111に注入された正孔を発光層140へ輸送する機能を有するため、正孔注入層111のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital、最高被占軌道ともいう)準位と同じ、あるいは近いHOMO準位を有することが好ましい。
 また、1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外の物質を用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層してもよい。
≪電子輸送層≫
 電子輸送層118は、電子注入層119を経て一対の電極の他方(電極101または電極102)から注入された電子を発光層140へ輸送する機能を有する。電子輸送性材料としては、正孔よりも電子の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する材料であることが好ましい。電子を受け取りやすい化合物(電子輸送性を有する材料)としては、含窒素複素芳香族化合物のようなπ電子不足型複素芳香族化合物や金属錯体などを用いることができ、本発明の一態様に係る有機化合物はピリジン骨格を有するため、好適に用いることができる。他の具体例としては、発光層140に用いることができる電子輸送性材料として挙げたピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体などが挙げられる。また、1×10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質であることが好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。また、電子輸送層118は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層してもよい。
 また、複素環を有する金属錯体が挙げられ、例えば、キノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキサゾール配位子、あるいはチアゾール配位子を有する金属錯体が挙げられる。具体的には、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等が挙げられる。また、この他ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などのオキサゾール系、またはチアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。
 また、電子輸送層118と発光層140との間に電子キャリアの移動を制御する層を設けても良い。これは上述したような電子輸送性の高い材料に、電子トラップ性の高い物質を少量添加した層であって、電子キャリアの移動を抑制することによって、キャリアバランスを調節することが可能となる。このような構成は、電子輸送性材料の電子輸送性が正孔輸送性材料の正孔輸送性と比べて著しく高い場合に発生する問題(例えば素子寿命の低下)の抑制に大きな効果を発揮する。
≪電子注入層≫
 電子注入層119と電極102の界面における電子注入障壁を低減することで電子注入を促進する機能を有し、例えば第1族金属、第2族金属、あるいはこれらの酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩などを用いることができる。また、先に示す電子輸送性材料と、これに対して電子供与性を示す材料の複合材料を用いることもできる。電子供与性を示す材料としては、第1族金属、第2族金属、あるいはこれらの酸化物などを挙げることができる。具体的には、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)、リチウム酸化物(LiO)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウム(ErF)のような希土類金属化合物を用いることができる。また、電子注入層119にエレクトライドを用いてもよい。該エレクトライドとしては、例えば、カルシウムとアルミニウムの混合酸化物に電子を高濃度添加した物質等が挙げられる。また、電子注入層119に、電子輸送層118で用いることが出来る物質を用いても良い。
 また、電子注入層119に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層118を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、ナトリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
 なお、上述した、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷等の方法で形成することができる。また、上述した、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層には、上述した材料の他、量子ドットなどの無機化合物や、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いてもよい。
≪量子ドット≫
 量子ドットは、数nmから数十nmサイズの半導体ナノ結晶であり、1×10個から1×10個程度の原子から構成されている。量子ドットはサイズに依存してエネルギーシフトするため、同じ物質から構成される量子ドットであっても、サイズによって発光波長が異なる。そのため、用いる量子ドットのサイズを変更することによって、容易に発光波長を変更することができる。
 また、量子ドットは、発光スペクトルのピーク幅が狭いため、色純度のよい発光を得ることができる。さらに、量子ドットの理論的な内部量子効率はほぼ100%であると言われており、蛍光発光を呈する有機化合物の25%を大きく上回り、燐光発光を呈する有機化合物と同等となっている。このことから、量子ドットを発光材料として用いることによって発光効率の高い発光素子を得ることができる。その上、無機材料である量子ドットは、その本質的な安定性にも優れているため、寿命の観点からも好ましい発光素子を得ることができる。
 量子ドットを構成する材料としては、第14族元素、第15族元素、第16族元素、複数の第14族元素からなる化合物、第4族から第14族に属する元素と第16族元素との化合物、第2族元素と第16族元素との化合物、第13族元素と第15族元素との化合物、第13族元素と第17族元素との化合物、第14族元素と第15族元素との化合物、第11族元素と第17族元素との化合物、酸化鉄類、酸化チタン類、カルコゲナイドスピネル類、半導体クラスターなどを挙げることができる。
 具体的には、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、セレン化亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、テルル化亜鉛、硫化水銀、セレン化水銀、テルル化水銀、砒化インジウム、リン化インジウム、砒化ガリウム、リン化ガリウム、窒化インジウム、窒化ガリウム、アンチモン化インジウム、アンチモン化ガリウム、リン化アルミニウム、砒化アルミニウム、アンチモン化アルミニウム、セレン化鉛、テルル化鉛、硫化鉛、セレン化インジウム、テルル化インジウム、硫化インジウム、セレン化ガリウム、硫化砒素、セレン化砒素、テルル化砒素、硫化アンチモン、セレン化アンチモン、テルル化アンチモン、硫化ビスマス、セレン化ビスマス、テルル化ビスマス、ケイ素、炭化ケイ素、ゲルマニウム、錫、セレン、テルル、ホウ素、炭素、リン、窒化ホウ素、リン化ホウ素、砒化ホウ素、窒化アルミニウム、硫化アルミニウム、硫化バリウム、セレン化バリウム、テルル化バリウム、硫化カルシウム、セレン化カルシウム、テルル化カルシウム、硫化ベリリウム、セレン化ベリリウム、テルル化ベリリウム、硫化マグネシウム、セレン化マグネシウム、硫化ゲルマニウム、セレン化ゲルマニウム、テルル化ゲルマニウム、硫化錫、セレン化錫、テルル化錫、酸化鉛、フッ化銅、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、酸化銅、セレン化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、硫化コバルト、酸化鉄、硫化鉄、酸化マンガン、硫化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化チタン、酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、窒化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、セレンと亜鉛とカドミウムの化合物、インジウムと砒素とリンの化合物、カドミウムとセレンと硫黄の化合物、カドミウムとセレンとテルルの化合物、インジウムとガリウムと砒素の化合物、インジウムとガリウムとセレンの化合物、インジウムとセレンと硫黄の化合物、銅とインジウムと硫黄の化合物、およびこれらの組合せなどを挙げることができるが、これらに限定されない。また、組成が任意の比率で表される、いわゆる合金型量子ドットを用いても良い。例えば、カドミウムとセレンと硫黄の合金型量子ドットは、元素の含有比率を変化させることで発光波長を変えることができるため、青色発光を得るには有効な手段の一つである。
 量子ドットの構造としては、コア型、コア−シェル型、コア−マルチシェル型などがあり、そのいずれを用いても良いが、コアを覆ってより広いバンドギャップを持つ別の無機材料でシェルを形成することによって、ナノ結晶表面に存在する欠陥やダングリングボンドの影響を低減することができる。これにより、発光の量子効率が大きく改善するためコア−シェル型やコア−マルチシェル型の量子ドットを用いることが好ましい。シェルの材料の例としては、硫化亜鉛や酸化亜鉛が挙げられる。
 また、量子ドットは、表面原子の割合が高いことから、反応性が高く、凝集が起こりやすい。そのため、量子ドットの表面には保護剤が付着している又は保護基が設けられていることが好ましい。当該保護剤が付着している又は保護基が設けられていることによって、凝集を防ぎ、溶媒への溶解性を高めることができる。また、反応性を低減させ、電気的安定性を向上させることも可能である。保護剤(又は保護基)としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、トリ(n−ヘキシル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン、トリ(n−デシル)アミン等の第3級アミン類、トリプロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリヘキシルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド、トリデシルホスフィンオキシド等の有機リン化合物、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類、また、ピリジン、ルチジン、コリジン、キノリン類等の含窒素芳香族化合物等の有機窒素化合物、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等のアミノアルカン類、ジブチルスルフィド等のジアルキルスルフィド類、ジメチルスルホキシドやジブチルスルホキシド等のジアルキルスルホキシド類、チオフェン等の含硫黄芳香族化合物等の有機硫黄化合物、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸、アルコール類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類等が挙げられる。
 量子ドットは、サイズが小さくなるに従いバンドギャップが大きくなるため、所望の波長の光が得られるように、そのサイズを適宜調整する。結晶のサイズが小さくなるにつれて、量子ドットの発光は青色側へ、つまり、高エネルギー側へシフトするため、量子ドットのサイズを変更させることにより、紫外領域、可視領域、赤外領域のスペクトルの波長領域にわたって、その発光波長を調整することができる。量子ドットのサイズ(直径)は、0.5nm乃至20nm、好ましくは1nm乃至10nmの範囲のものが通常良く用いられる。なお、量子ドットはそのサイズ分布が狭いほど、より発光スペクトルが狭線化し、色純度の良好な発光を得ることができる。また、量子ドットの形状は特に限定されず、球状、棒状、円盤状、その他の形状であってもよい。なお、棒状の量子ドットである量子ロッドは、指向性を有する光を呈する機能を有するため、量子ロッドを発光材料として用いることにより、より外部量子効率が良好な発光素子を得ることができる。
 ところで、有機EL素子では多くの場合、発光材料をホスト材料に分散し、発光材料の濃度消光を抑制することによって発光効率を高めている。ホスト材料は発光材料以上の一重項励起エネルギー準位または三重項励起エネルギー準位を有する材料であることが必要である。特に、青色燐光材料を発光材料に用いる場合、それ以上の三重項励起エネルギー準位を有し、且つ、寿命の観点で優れたホスト材料が必要であり、その開発は困難を極めている。ここで、量子ドットは、ホスト材料を用いずに量子ドットのみで発光層を構成しても発光効率を保つことができるため、この点でも寿命という観点から好ましい発光素子を得ることができる。量子ドットのみで発光層を形成する場合には、量子ドットはコア−シェル構造(コア−マルチシェル構造を含む)であることが好ましい。
 発光層の発光材料に量子ドットを用いる場合、当該発光層の膜厚は3nm乃至100nm、好ましくは10nm乃至100nmとし、発光層中の量子ドットの含有率は1乃至100体積%とする。ただし、量子ドットのみで発光層を形成することが好ましい。なお、当該量子ドットを発光材料としてホストに分散した発光層を形成する場合は、ホスト材料に量子ドットを分散させる、またはホスト材料と量子ドットとを適当な液媒体に溶解または分散させてウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、ダイコート法、ブレードコート法、ロールコート法、インクジェット法、印刷法、スプレーコート法、カーテンコート法、ラングミュア・ブロジェット法など)により形成すればよい。燐光性の発光材料を用いた発光層については、上記ウェットプロセスの他、真空蒸着法も好適に利用することができる。
 ウェットプロセスに用いる液媒体としては、たとえば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の有機溶媒を用いることができる。
≪一対の電極≫
 電極101及び電極102は、発光素子の陽極または陰極としての機能を有する。電極101及び電極102は、金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物や積層体などを用いて形成することができる。
 電極101または電極102の一方は、光を反射する機能を有する導電性材料により形成されると好ましい。該導電性材料としては、アルミニウム(Al)またはAlを含む合金等が挙げられる。Alを含む合金としては、AlとL(Lは、チタン(Ti)、ネオジム(Nd)、ニッケル(Ni)、及びランタン(La)の一つまたは複数を表す)とを含む合金等が挙げられ、例えばAlとTi、またはAlとNiとLaを含む合金等である。アルミニウムは、抵抗値が低く、光の反射率が高い。また、アルミニウムは、地殻における存在量が多く、安価であるため、アルミニウムを用いることによる発光素子の作製コストを低減することができる。また、銀(Ag)、またはAgとN(Nは、イットリウム(Y)、Nd、マグネシウム(Mg)、イッテルビウム(Yb)、Al、Ti、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、スズ(Sn)、鉄(Fe)、Ni、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、または金(Au)の一つまたは複数を表す)とを含む合金等を用いても良い。銀を含む合金としては、例えば、銀とパラジウムと銅を含む合金、銀と銅を含む合金、銀とマグネシウムを含む合金、銀とニッケルを含む合金、銀と金を含む合金、銀とイッテルビウムを含む合金等が挙げられる。その他、タングステン、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、銅、チタンなどの遷移金属を用いることができる。
 また、発光層から得られる発光は、電極101及び電極102の一方または双方を通して取り出される。したがって、電極101または電極102の少なくとも一方は、光を透過する機能を有する導電性材料により形成されると好ましい。該導電性材料としては、可視光の透過率が40%以上100%以下、好ましくは60%以上100%以下であり、かつその抵抗率が1×10−2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。
 また、電極101及び電極102は、光を透過する機能と、光を反射する機能と、を有する導電性材料により形成されても良い。該導電性材料としては、可視光の反射率が20%以上80%以下、好ましくは40%以上70%以下であり、かつその抵抗率が1×10−2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。例えば、導電性を有する金属、合金、導電性化合物などを1種又は複数種用いて形成することができる。具体的には、例えば、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITO)、珪素または酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(略称:ITSO)、酸化インジウム−酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide)、チタンを含有した酸化インジウム−錫酸化物、インジウム−チタン酸化物、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウムなどの金属酸化物を用いることができる。また、光を透過する程度(好ましくは、1nm以上30nm以下の厚さ)の金属薄膜を用いることができる。金属としては、例えば、Ag、またはAgとAl、AgとMg、AgとAu、AgとYbなどの合金等を用いることができる。
 なお、本明細書等において、光を透過する機能を有する材料は、可視光を透過する機能を有し、且つ導電性を有する材料であればよく、例えば上記のようなITOに代表される酸化物導電体に加えて、酸化物半導体、または有機物を含む有機導電体を含む。有機物を含む有機導電体としては、例えば、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料、有機化合物と電子受容体(アクセプター)とを混合してなる複合材料等が挙げられる。また、グラフェンなどの無機炭素系材料を用いても良い。また、当該材料の抵抗率としては、好ましくは1×10Ω・cm以下、さらに好ましくは1×10Ω・cm以下である。
 また、上記の材料の複数を積層することによって電極101及び電極102の一方または双方を形成してもよい。
 また、光取り出し効率を向上させるため、光を透過する機能を有する電極と接して、該電極より屈折率の高い材料を形成してもよい。このような材料としては、可視光を透過する機能を有する材料であればよく、導電性を有する材料であっても有さない材料であってもよい。例えば、上記のような酸化物導電体に加えて、酸化物半導体、有機物が挙げられる。有機物としては、例えば、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、または電子注入層に例示した材料が挙げられる。また、無機炭素系材料や光が透過する程度の金属薄膜も用いることができ、数nm乃至数十nmの層を複数積層させてもよい。
 電極101または電極102が陰極としての機能を有する場合には、仕事関数が小さい(3.8eV以下)材料を有することが好ましい。例えば、元素周期表の第1族又は第2族に属する元素(リチウム、ナトリウム、セシウム等のアルカリ金属、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、マグネシウム等)、これら元素を含む合金(例えば、AgとMg、AlとLi)、ユーロピウム(Eu)、Yb等の希土類金属、これら希土類金属を含む合金、アルミニウム、または銀を含む合金等を用いることができる。
 また、電極101または電極102を陽極として用いる場合、仕事関数の大きい(4.0eV以上)材料を用いることが好ましい。
 また、電極101及び電極102は、光を反射する機能を有する導電性材料と、光を透過する機能を有する導電性材料との積層としてもよい。その場合、電極101及び電極102は、各発光層からの所望の波長の光を共振させ、所望の波長の光を強めることができるように、光学距離を調整する機能を有することができるため好ましい。
 電極101及び電極102の成膜方法は、スパッタリング法、蒸着法、印刷法、塗布法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を適宜用いることができる。
≪基板≫
 また、本発明の一態様に係る発光素子は、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に作製すればよい。基板上に作製する順番としては、電極101側から順に積層しても、電極102側から順に積層しても良い。
 なお、本発明の一態様に係る発光素子を形成できる基板としては、例えばガラス、石英、又はプラスチックなどを用いることができる。また可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、からなるプラスチック基板等が挙げられる。また、フィルム、無機蒸着フィルムなどを用いることもできる。なお、発光素子、及び光学素子の作製工程において支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。あるいは、発光素子、及び光学素子を保護する機能を有するものであればよい。
 例えば、本明細書等においては、様々な基板を用いて発光素子を形成することが出来る。基板の種類は、特に限定されない。その基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、以下が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるプラスチックがある。または、一例としては、アクリル等の樹脂などがある。または、一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。または、一例としては、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。
 また、基板として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、発光素子を形成してもよい。または、基板と発光素子との間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に発光素子を一部あるいは全部完成させた後、基板より分離し、他の基板に転載するために用いることができる。その際、耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも発光素子を転載できる。なお、上述の剥離層には、例えば、タングステン膜と酸化シリコン膜との無機膜の積層構造の構成や、基板上にポリイミド等の樹脂膜が形成された構成等を用いることができる。
 つまり、ある基板を用いて発光素子を形成し、その後、別の基板に発光素子を転置し、別の基板上に発光素子を配置してもよい。発光素子が転置される基板の一例としては、上述した基板に加え、セロファン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、壊れにくい発光素子、耐熱性の高い発光素子、軽量化された発光素子、または薄型化された発光素子とすることができる。
 また、上述した基板上に、例えば電界効果トランジスタ(FET)を形成し、FETと電気的に接続された電極上に発光素子150を作製してもよい。これにより、FETによって発光素子150の駆動を制御するアクティブマトリクス型の表示装置を作製できる。
 以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
 本実施の形態においては、実施の形態3に示す発光素子の構成と異なる構成の発光素子、について、図2を用いて、以下説明を行う。なお、図2において、図1(A)に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
<発光素子の構成例2>
 図2は、発光素子250の断面模式図である。
 図2に示す発光素子250は、一対の電極(電極101及び電極102)の間に、複数の発光ユニット(発光ユニット106及び発光ユニット108)を有する。複数の発光ユニットのうちいずれか一つの発光ユニットは、図1(A)に示した、EL層100と同様な構成を有すると好ましい。つまり、図1(A)で示した発光素子150は、1つの発光ユニットを有し、発光素子250は、複数の発光ユニットを有すると好ましい。なお、発光素子250において、電極101が陽極として機能し、電極102が陰極として機能するとして、以下説明するが、発光素子250の構成としては、逆であっても構わない。
 また、図2に示す発光素子250において、発光ユニット106と発光ユニット108とが積層されており、発光ユニット106と発光ユニット108との間には電荷発生層115が設けられる。なお、発光ユニット106と発光ユニット108は、同じ構成でも異なる構成でもよい。例えば、発光ユニット108に、EL層100と同様な構成を用いると好ましい。
 また、発光素子250は、発光層120と、発光層170と、を有する。また、発光ユニット106は、発光層170の他に、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層113、及び電子注入層114を有する。また、発光ユニット108は、発光層120の他に、正孔注入層116、正孔輸送層117、電子輸送層118、及び電子注入層119を有する。
発光素子250は発光ユニット106及び発光ユニット108が有するいずれかの層に本発明の一態様に係る有機化合物が含まれていればよい。なお、該有機化合物が含まれる層として好ましくは電子輸送層113または電子輸送層118であり、さらに好ましくは発光層120または発光層170である。
 電荷発生層115は、正孔輸送性材料に電子受容体であるアクセプター性物質が添加された構成であっても、電子輸送性材料に電子供与体であるドナー性物質が添加された構成であってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていても良い。
 電荷発生層115に、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料が含まれる場合、該複合材料には実施の形態3に示す正孔注入層111に用いることができる複合材料を用いればよい。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール化合物、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物としては、正孔移動度が1×10−6cm/Vs以上であるものを適用することが好ましい。ただし、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。有機化合物とアクセプター性物質の複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。なお、発光ユニットの陽極側の面が電荷発生層115に接している場合は、電荷発生層115が該発光ユニットの正孔注入層または正孔輸送層の役割も担うことができるため、該発光ユニットには正孔注入層または正孔輸送層を設けない構成であっても良い。あるいは、発光ユニットの陰極側の面が電荷発生層115に接している場合は、電荷発生層115が該発光ユニットの電子注入層または電子輸送層の役割も担うことができるため、該発光ユニットには電子注入層または電子輸送層を設けない構成であっても良い。
 なお、電荷発生層115は、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と他の材料により構成される層を組み合わせた積層構造として形成してもよい。例えば、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と、電子供与性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わせて形成してもよい。また、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と、透明導電膜を含む層とを組み合わせて形成してもよい。
 なお、発光ユニット106と発光ユニット108とに挟まれる電荷発生層115は、電極101と電極102とに電圧を印加したときに、一方の発光ユニットに電子を注入し、他方の発光ユニットに正孔を注入するものであれば良い。例えば、図3(A)において、電極101の電位の方が電極102の電位よりも高くなるように電圧を印加した場合、電荷発生層115は、発光ユニット106に電子を注入し、発光ユニット108に正孔を注入する。
 なお、電荷発生層115は、光取出し効率の点から、可視光に対して透光性(具体的には、電荷発生層115に対する可視光の透過率が40%以上)を有することが好ましい。また、電荷発生層115は、一対の電極(電極101及び電極102)よりも低い導電率であっても機能する。
 上述した材料を用いて電荷発生層115を形成することにより、発光層が積層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
 また、図2においては、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。発光素子250に示すように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度発光を可能とし、さらに長寿命な発光素子を実現できる。また、消費電力が低い発光素子を実現することができる。
 なお、上記各構成において、発光ユニット106及び発光ユニット108、に用いるゲスト材料が呈する発光色としては、互いに同じであっても異なっていてもよい。発光ユニット106及び発光ユニット108、で互いに同じ色の発光を呈する機能を有するゲスト材料を有する場合、発光素子250は少ない電流値で高い発光輝度を呈する発光素子となり好ましい。また、発光ユニット106及び発光ユニット108、で互いに異なる色の発光を呈する機能を有するゲスト材料を有する場合、発光素子250は多色発光を呈する発光素子となり好ましい。この場合、発光層120及び発光層170のいずれか一方もしくは双方、に発光波長の異なる複数の発光材料を用いることによって、発光素子250が呈する発光スペクトルは異なる発光ピークを有する発光が合成された光となるため、少なくとも二つの極大値を有する発光スペクトルとなる。
 上記の構成は白色発光を得るためにも好適である。発光層120及び発光層170、の光を互いに補色の関係とすることによって、白色発光を得ることができる。特に、演色性の高い白色発光、あるいは少なくとも赤色と緑色と青色とを有する発光、になるようゲスト材料を選択することが好適である。
また、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子の場合、それぞれの発光ユニットに用いるゲスト材料が呈する発光色は、互いに同じであっても異なっていてもよい。同色の発光を呈する発光ユニットを複数有する場合、この複数の発光ユニットが呈する発光色は、その他の色と比較して、少ない電流値で高い発光輝度を得ることができる。このような構成は、発光色の調整に好適に用いることができる。特に、発光効率が異なり且つ、異なる発光色を呈するゲスト材料を用いる場合に好適である。例えば、3層の発光ユニットを有する場合、同色の蛍光材料を有する発光ユニットを2層、該蛍光材料とは異なる発光色を呈する燐光材料を有する発光ユニットを1層とすることで、蛍光発光と燐光発光の発光強度を調整することができる。すなわち、発光ユニットの数によって発光色の強度を調整可能である。
このような蛍光発光ユニットを2層、燐光発光ユニットを1層有する発光素子の場合、青色蛍光材料を含む発光ユニットを2層及び黄色燐光材料を含む発光ユニットを1層含有する発光素子、青色蛍光材料を含む発光ユニットを2層及び、赤燐光材料及び緑燐光材料を含む発光層ユニットを1層有する発光素子または、青色蛍光材料を含む発光ユニットを2層及び赤燐光材料、黄色燐光材料及び緑燐光材料を含む発光層ユニットを1層有する発光素子、であると効率良く白色発光が得られるため好ましい。
 また、発光層120または発光層170の少なくとも一つを層状にさらに分割し、当該分割した層ごとに異なる発光材料を含有させるようにしても良い。すなわち、発光層120、または発光層170の少なくとも一つが2層以上の複数層でもって構成することもできる。例えば、第1の発光層と第2の発光層を正孔輸送層側から順に積層して発光層とする場合、第1の発光層のホスト材料として正孔輸送性を有する材料を用い、第2の発光層のホスト材料として電子輸送性を有する材料を用いる構成などがある。この場合、第1の発光層と第2の発光層とが有する発光材料は、同じ材料あっても異なる材料であってもよく、同じ色の発光を呈する機能を有する材料であっても、異なる色の発光を呈する機能を有する材料であってもよい。互いに異なる色の発光を呈する機能を有する複数の発光材料を有する構成により、三原色や、4色以上の発光色からなる演色性の高い白色発光を得ることもできる。
 また、発光ユニット108の発光層が燐光性化合物を有すると好適である。なお、複数のユニットのうち、少なくとも一つのユニットに、本発明の一態様に係る有機化合物を適用することによって、耐熱性、発光効率が良好な発光素子を提供することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では実施の形態3及び実施の形態4で説明した発光素子を用いた発光装置について、図3(A)及び図3(B)を用いて説明する。
図3(A)は、発光装置を示す上面図、図3(B)は図3(A)をA−BおよびC−Dで切断した断面図である。この発光装置は、発光素子の発光を制御するものとして、点線で示された駆動回路部(ソース側駆動回路)601、画素部602、駆動回路部(ゲート側駆動回路)603を含んでいる。また、604は封止基板、625は乾燥材、605はシール材であり、シール材605で囲まれた内側は、空間607になっている。
なお、引き回し配線608はソース側駆動回路601及びゲート側駆動回路603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB:Printed Wiring Board)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態を含むものとする。
次に、上記発光装置の断面構造について図3(B)を用いて説明する。素子基板610上に駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路601と画素部602中の一つの画素が示されている。
なお、ソース側駆動回路601はnチャネル型TFT623とpチャネル型TFT624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路は種々のCMOS回路、PMOS回路、NMOS回路で形成しても良い。また本実施の形態では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を基板上ではなく、外部に形成することもできる。
また、画素部602はスイッチング用TFT611と電流制御用TFT612とそのドレインに電気的に接続された第1の電極613とを含む画素により形成される。なお、第1の電極613の端部を覆うように絶縁物614が形成されている。絶縁物614は、ポジ型の感光性樹脂膜を用いることにより形成することができる。
また、絶縁物614上に形成される膜の被覆性を良好なものとするため、絶縁物614の上端部または下端部に曲率を有する面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の材料として感光性アクリルを用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲面をもたせることが好ましい。該曲面の曲率半径は0.2μm以上0.3μm以下が好ましい。また、絶縁物614として、ネガ型、ポジ型、いずれの感光材料も使用することができる。
第1の電極613上には、EL層616、および第2の電極617がそれぞれ形成されている。ここで、陽極として機能する第1の電極613に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO膜、またはケイ素を含有したインジウム錫酸化物膜、2wt%以上20wt%以下の酸化亜鉛を含む酸化インジウム膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
また、EL層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法、スピンコート法等の種々の方法によって形成される。EL層616を構成する材料としては、低分子化合物、または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマーを含む)であっても良い。
さらに、EL層616上に形成され、陰極として機能する第2の電極617に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Mg、Li、Ca、またはこれらの合金や化合物、MgAg、MgIn、AlLi等)を用いることが好ましい。なお、EL層616で生じた光が第2の電極617を透過させる場合には、第2の電極617として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO、2wt%以上20wt%以下の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、ケイ素を含有したインジウム錫酸化物、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いるのが良い。
なお、第1の電極613、EL層616、第2の電極617により、発光素子618が形成されている。発光素子618は実施の形態3及び実施の形態4の構成を有する発光素子であると好ましい。なお、画素部は複数の発光素子が形成されてなっているが、本実施の形態における発光装置では、実施の形態3及び実施の形態4で説明した構成を有する発光素子と、それ以外の構成を有する発光素子の両方が含まれていても良い。
さらにシール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた空間607に発光素子618が備えられた構造になっている。なお、空間607には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、樹脂若しくは乾燥材又はその両方で充填される場合もある。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂やガラスフリットを用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiber Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、実施の形態3及び実施の形態4で説明した発光素子を用いた発光装置を得ることができる。
<発光装置の構成例1>
図4には発光装置の一例として、白色発光を呈する発光素子を形成し、着色層(カラーフィルタ)を形成した発光装置の例を示す。
図4(A)には基板1001、下地絶縁膜1002、ゲート絶縁膜1003、ゲート電極1006、1007、1008、第1の層間絶縁膜1020、第2の層間絶縁膜1021、周辺部1042、画素部1040、駆動回路部1041、発光素子の第1の電極1024W、1024R、1024G、1024B、隔壁1026、EL層1028、発光素子の第2の電極1029、封止基板1031、シール材1032などが図示されている。
また、図4(A)には着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)を透明な基材1033に設けている。また、黒色層(ブラックマトリックス)1035をさらに設けても良い。着色層及び黒色層が設けられた透明な基材1033は、位置合わせし、基板1001に固定する。なお、着色層、及び黒色層は、オーバーコート層1036で覆われている。また、図4(A)においては、EL層1028から得られる発光は着色層を透過せずに外部へと出る光と、各色の着色層を透過して外部に出る光とがあり、着色層を透過しない光は白、着色層を透過する光は赤、青、緑となることから、4色の画素で映像を表現することができる。
図4(B)では赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034Bをゲート絶縁膜1003と第1の層間絶縁膜1020との間に形成する例を示した。図4(B)に示すように着色層は基板1001と封止基板1031の間に設けられても良い。
また、以上に説明した発光装置では、TFTが形成されている基板1001側に光を取り出す構造(ボトムエミッション型)の発光装置としたが、封止基板1031側に発光を取り出す構造(トップエミッション型)の発光装置としても良い。
<発光装置の構成例2>
トップエミッション型の発光装置の断面図を図6に示す。この場合、基板1001は光を通さない基板を用いることができる。TFTと発光素子の陽極とを接続する接続電極を作製するまでは、ボトムエミッション型の発光装置と同様に形成する。その後、第3の層間絶縁膜1037を電極1022を覆って形成する。この絶縁膜は平坦化の役割を担っていても良い。第3の層間絶縁膜1037は第2の層間絶縁膜1021と同様の材料の他、他の様々な材料を用いて形成することができる。
発光素子の下部電極1025W、下部電極1025R、下部電極1025G、下部電極1025Bはここでは陽極とするが、陰極であっても構わない。また、図5のようなトップエミッション型の発光装置である場合、下部電極1025W、下部電極1025R、下部電極1025G、下部電極1025Bは反射電極とすることが好ましい。なお、第2の電極1029は光を反射する機能と、光を透過する機能を有すると好ましい。また、第2の電極1029と下部電極1025W、下部電極1025R、下部電極1025G、下部電極1025Bとの間でマイクロキャビティ構造を適用し特定波長の光を増幅する機能を有すると好ましい。EL層1028の構成は、実施の形態3及び実施の形態4で説明したような構成とし、白色の発光が得られる素子構造とする。
図4(A)、図4(B)、図5において、白色の発光が得られるEL層の構成としては、発光層を複数層用いること、複数の発光ユニットを用いることなどにより実現すればよい。なお、白色発光を得る構成はこれらに限られない。
図5のようなトップエミッション構造では着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)を設けた封止基板1031で封止を行うことができる。封止基板1031には画素と画素との間に位置するように黒色層(ブラックマトリックス)を設けても良い。着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)や黒色層(ブラックマトリックス)はオーバーコート層によって覆われていても良い。なお封止基板1031は透光性を有する基板を用いる。
また、ここでは赤、緑、青、白の4色でフルカラー表示を行う例を示したが特に限定されず、赤、緑、青の3色でフルカラー表示を行ってもよい。また、赤、緑、青、黄の4色でフルカラー表示を行ってもよい。
以上のようにして、実施の形態3及び実施の形態4で説明した発光素子を用いた発光装置を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について説明する。
本発明の一態様は有機ELを用いた発光素子であるため、平面を有し、発光効率が良好な、信頼性の高い電子機器を作製できる。また、本発明の一態様により、曲面を有し、発光効率が良好な、信頼性の高い電子機器を作製できる。また、該電子機器に本発明の一態様の有機化合物を用いることで、発光効率が良好な、信頼性の高い電子機器を作製できる。
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
図6(A)、(B)に示す携帯情報端末900は、筐体901、筐体902、表示部903、及びヒンジ部905等を有する。
筐体901と筐体902は、ヒンジ部905で連結されている。携帯情報端末900は、折り畳んだ状態(図6(A))から、図6(B)に示すように展開させることができる。これにより、持ち運ぶ際には可搬性に優れ、使用するときには大きな表示領域により、視認性に優れる。
携帯情報端末900には、ヒンジ部905により連結された筐体901と筐体902に亘って、フレキシブルな表示部903が設けられている。
本発明の一態様を用いて作製された発光装置を、表示部903に用いることができる。これにより、高信頼性を有する携帯情報端末を作製することができる。
表示部903は、文書情報、静止画像、及び動画像等のうち少なくとも一つを表示することができる。表示部に文書情報を表示させる場合、携帯情報端末900を電子書籍端末として用いることができる。
携帯情報端末900を展開すると、表示部903が大きく湾曲した形態で保持される。例えば、曲率半径1mm以上50mm以下、好ましくは5mm以上30mm以下に湾曲した部分を含んで、表示部903が保持される。表示部903の一部は、筐体901から筐体902にかけて、連続的に画素が配置され、曲面状の表示を行うことができる。
表示部903は、タッチパネルとして機能し、指やスタイラスなどにより操作することができる。
表示部903は、一つのフレキシブルディスプレイで構成されていることが好ましい。これにより、筐体901と筐体902の間で途切れることのない連続した表示を行うことができる。なお、筐体901と筐体902のそれぞれに、ディスプレイが設けられる構成としてもよい。
ヒンジ部905は、携帯情報端末900を展開したときに、筐体901と筐体902との角度が所定の角度よりも大きい角度にならないように、ロック機構を有することが好ましい。例えば、ロックがかかる(それ以上に開かない)角度は、90度以上180度未満であることが好ましく、代表的には、90度、120度、135度、150度、または175度などとすることができる。これにより、携帯情報端末900の利便性、安全性、及び信頼性を高めることができる。
ヒンジ部905がロック機構を有すると、表示部903に無理な力がかかることなく、表示部903が破損することを防ぐことができる。そのため、信頼性の高い携帯情報端末を実現できる。
筐体901及び筐体902は、電源ボタン、操作ボタン、外部接続ポート、スピーカ、マイク等を有していてもよい。
筐体901または筐体902のいずれか一方には、無線通信モジュールが設けられ、インターネットやLAN(Local Area Network)、Wi−Fi(登録商標)などのコンピュータネットワークを介して、データを送受信することが可能である。
図6(C)に示す携帯情報端末910は、筐体911、表示部912、操作ボタン913、外部接続ポート914、スピーカ915、マイク916、カメラ917等を有する。
本発明の一態様を用いて作製された発光装置を、表示部912に用いることができる。これにより、高い歩留まりで携帯情報端末を作製することができる。
携帯情報端末910は、表示部912にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部912に触れることで行うことができる。
また、操作ボタン913の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部912に表示される画像の種類の切り替えを行うことができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
また、携帯情報端末910の内部に、ジャイロセンサまたは加速度センサ等の検出装置を設けることで、携帯情報端末910の向き(縦か横か)を判断して、表示部912の画面表示の向きを自動的に切り替えることができる。また、画面表示の向きの切り替えは、表示部912に触れること、操作ボタン913の操作、またはマイク916を用いた音声入力等により行うこともできる。
携帯情報端末910は、例えば、電話機、手帳または情報閲覧装置等から選ばれた一つまたは複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。携帯情報端末910は、例えば、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、動画再生、インターネット通信、ゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
図6(D)に示すカメラ920は、筐体921、表示部922、操作ボタン923、シャッターボタン924等を有する。またカメラ920には、着脱可能なレンズ926が取り付けられている。
本発明の一態様を用いて作製された発光装置を、表示部922に用いることができる。これにより、高信頼性を有するカメラを作製することができる。
ここではカメラ920を、レンズ926を筐体921から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ926と筐体921とが一体となっていてもよい。
カメラ920は、シャッターボタン924を押すことにより、静止画または動画を撮像することができる。また、表示部922はタッチパネルとしての機能を有し、表示部922をタッチすることにより撮像することも可能である。
なお、カメラ920は、ストロボ装置や、ビューファインダーなどを別途装着することができる。または、これらが筐体921に組み込まれていてもよい。
図7(A)は腕時計型の携帯情報端末9200を、図7(B)は腕時計型の携帯情報端末9201を、それぞれ示す斜視図である。
図7(A)に示す携帯情報端末9200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006を有し、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また接続端子9006を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は接続端子9006を介さずに無線給電により行ってもよい。
図7(B)に示す携帯情報端末9201は、図7(A)に示す携帯情報端末と異なり、表示部9001の表示面が湾曲していない。また、携帯情報端末9201の表示部の外形が非矩形状(図7(B)においては円形状)である。
図7(C)から(E)は、折り畳み可能な携帯情報端末9202を示す斜視図である。なお、図7(C)が携帯情報端末9202を展開した状態の斜視図であり、図7(D)が携帯情報端末9202を展開した状態または折り畳んだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の斜視図であり、図7(E)が携帯情報端末9202を折り畳んだ状態の斜視図である。
携帯情報端末9202は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9202が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。ヒンジ9055を介して2つの筐体9000間を屈曲させることにより、携帯情報端末9202を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。例えば、携帯情報端末9202は、曲率半径1mm以上150mm以下で曲げることができる。
図8(A)は、掃除ロボットの一例を示す模式図である。
掃除ロボット5100は、上面に配置されたディスプレイ5101、側面に配置された複数のカメラ5102、ブラシ5103、操作ボタン5104を有する。また図示されていないが、掃除ロボット5100の下面には、タイヤ、吸い込み口等が備えられている。掃除ロボット5100は、その他に赤外線センサ、超音波センサ、加速度センサ、ピエゾセンサ、光センサ、ジャイロセンサなどの各種センサを備えている。また、掃除ロボット5100は、無線による通信手段を備えている。
掃除ロボット5100は自走し、ゴミ5120を検知し、下面に設けられた吸い込み口からゴミを吸引することができる。
また、掃除ロボット5100はカメラ5102が撮影した画像を解析し、壁、家具または段差などの障害物の有無を判断することができる。また、画像解析により、配線などブラシ5103に絡まりそうな物体を検知した場合は、ブラシ5103の回転を止めることができる。
ディスプレイ5101には、バッテリーの残量や、吸引したゴミの量などを表示することができる。掃除ロボット5100が走行した経路をディスプレイ5101に表示させてもよい。また、ディスプレイ5101をタッチパネルとし、操作ボタン5104をディスプレイ5101に設けてもよい。
掃除ロボット5100は、スマートフォンなどの携帯電子機器5140と通信することができる。カメラ5102が撮影した画像は、携帯電子機器5140に表示させることができる。そのため、掃除ロボット5100の持ち主は、外出先からでも、部屋の様子を知ることができる。また、ディスプレイ5101の表示をスマートフォンなどの携帯電子機器5140で確認することもできる。
本発明の一態様の発光装置はディスプレイ5101に用いることができる。
図8(B)に示すロボット2100は、演算装置2110、照度センサ2101、マイクロフォン2102、上部カメラ2103、スピーカ2104、ディスプレイ2105、下部カメラ2106、障害物センサ2107、および移動機構2108を備える。
マイクロフォン2102は、使用者の話し声及び環境音等を検知する機能を有する。また、スピーカ2104は、音声を発する機能を有する。ロボット2100は、マイクロフォン2102およびスピーカ2104を用いて、使用者とコミュニケーションをとることが可能である。
ディスプレイ2105は、種々の情報の表示を行う機能を有する。ロボット2100は、使用者の望みの情報をディスプレイ2105に表示することが可能である。ディスプレイ2105は、タッチパネルを搭載していてもよい。また、ディスプレイ2105は取り外しのできる情報端末であっても良く、ロボット2100の定位置に設置することで、充電およびデータの受け渡しを可能とする。
上部カメラ2103および下部カメラ2106は、ロボット2100の周囲を撮像する機能を有する。また、障害物センサ2107は、移動機構2108を用いてロボット2100が前進する際の進行方向における障害物の有無を察知することができる。ロボット2100は、上部カメラ2103、下部カメラ2106および障害物センサ2107を用いて、周囲の環境を認識し、安全に移動することが可能である。
本発明の一態様の発光装置はディスプレイ2105に用いることができる。
図8(C)はゴーグル型ディスプレイの一例を表す図である。
ゴーグル型ディスプレイは、例えば、筐体5000、表示部5001、スピーカ5003、LEDランプ5004、操作キー5005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子5006、センサ5007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい、又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン5008、第2の表示部5002、支持部5012、イヤホン5013等を有する。
本発明の一態様の発光装置は表示部5001および第2の表示部5002に用いることができる。
また、図9(A)、(B)に、折りたたみ可能な携帯情報端末5150を示す。折りたたみ可能な携帯情報端末5150は筐体5151、表示領域5152および屈曲部5153を有している。図9(A)に展開した状態の携帯情報端末5150を示す。図9(B)に折りたたんだ状態の携帯情報端末5150を示す。携帯情報端末5150は、大きな表示領域5152を有するにも関わらず、折りたためばコンパクトで可搬性に優れる。
表示領域5152は屈曲部5153により半分に折りたたむことができる。屈曲部5153は伸縮可能な部材と複数の支持部材とで構成されており、折りたたむ場合は、伸縮可能な部材が伸びて、屈曲部5153は2mm以上、好ましくは5mm以上の曲率半径を有して折りたたまれる。
なお、表示領域5152は、タッチセンサ(入力装置)を搭載したタッチパネル(入出力装置)であってもよい。本発明の一態様の発光装置を表示領域5152に用いることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態7)
 本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を様々な照明装置に適用する一例について、図10及び図11を用いて説明する。本発明の一態様である発光素子を用いることで、発光効率が良好な、信頼性の高い照明装置を作製できる。
 本発明の一態様の発光素子を、可撓性を有する基板上に作製することで、曲面を有する発光領域を有する電子機器、照明装置を実現することができる。
 また、本発明の一態様の発光素子を適用した発光装置は、自動車の照明にも適用することができ、例えば、フロントガラス、天井等に照明を設置することもできる。
 図10(A)は、多機能端末3500の一方の面の斜視図を示し、図10(B)は、多機能端末3500の他方の面の斜視図を示している。多機能端末3500は、筐体3502に表示部3504、カメラ3506、照明3508等が組み込まれている。本発明の一態様の発光装置を照明3508に用いることができる。
 照明3508は、本発明の一態様の発光装置を用いることで、面光源として機能する。したがって、LEDに代表される点光源と異なり、指向性が少ない発光が得られる。例えば、照明3508とカメラ3506とを組み合わせて用いる場合、照明3508を点灯または点滅させて、カメラ3506により撮像することができる。照明3508としては、面光源としての機能を有するため、自然光の下で撮影したような写真を撮影することができる。
 なお、図10(A)、(B)に示す多機能端末3500は、図7(A)から図7(C)に示す電子機器と同様に、様々な機能を有することができる。
 また、筐体3502の内部に、スピーカ、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン等を有することができる。また、多機能端末3500の内部に、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサを有する検出装置を設けることで、多機能端末3500の向き(縦か横か)を判断して、表示部3504の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
 表示部3504は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部3504に掌や指で触れ、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部3504に近赤外光を発光するバックライト又は近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。なお、表示部3504に本発明の一態様の発光装置を適用してもよい。
 図10(C)は、防犯用のライト3600の斜視図を示している。ライト3600は、筐体3602の外側に照明3608を有し、筐体3602には、スピーカ3610等が組み込まれている。本発明の一態様の発光素子を照明3608に用いることができる。
 ライト3600としては、例えば、照明3608を握持する、掴持する、または保持することで発光することができる。また、筐体3602の内部には、ライト3600からの発光方法を制御できる電子回路を備えていてもよい。該電子回路としては、例えば、1回または間欠的に複数回、発光が可能なような回路としてもよいし、発光の電流値を制御することで発光の光量が調整可能なような回路としてもよい。また、照明3608の発光と同時に、スピーカ3610から大音量の警報音が出力されるような回路を組み込んでもよい。
 ライト3600としては、あらゆる方向に発光することが可能なため、例えば、暴漢等に向けて光、または光と音で威嚇することができる。また、ライト3600にデジタルスチルカメラ等のカメラ、撮影機能を有する機能を備えてもよい。
 図11は、発光素子を室内の照明装置8501として用いた例である。なお、発光素子は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置を形成することもできる。その他、曲面を有する筐体を用いることで、発光領域が曲面を有する照明装置8502を形成することもできる。本実施の形態で示す発光素子は薄膜状であり、筐体のデザインの自由度が高い。したがって、様々な意匠を凝らした照明装置を形成することができる。さらに、室内の壁面に大型の照明装置8503を備えても良い。また、照明装置8501、8502、8503に、タッチセンサを設けて、電源のオンまたはオフを行ってもよい。
 また、発光素子をテーブルの表面側に用いることによりテーブルとしての機能を備えた照明装置8504とすることができる。なお、その他の家具の一部に発光素子を用いることにより、家具としての機能を備えた照明装置とすることができる。
 以上のようにして、本発明の一態様の発光素子を適用して照明装置及び電子機器を得ることができる。なお、適用できる照明装置及び電子機器は、本実施の形態に示したものに限らず、あらゆる分野の照明装置及び電子機器に適用することが可能である。
 また、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、本発明の一態様に係る有機化合物の一つである3,6−ビス[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン(略称:3,6mDBtP2Bfpy(III))(構造式(100))の合成方法と該化合物の物性について説明する。
<合成例1>
<ステップ1: 5−クロロ−3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)ピリジン−2−アミンの合成>
5−クロロ−3−ヨードピリジン−2−アミン6.04gと5−クロロ−2−メトキシフェニルボロン酸4.5g、炭酸カリウム6.6g、エチレングリコールジメチルエーテル(略称:DME)110mL、水72mLを、還流管を付けた三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換した。フラスコ内を減圧下で撹拌することで脱気した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(略称:Pd(PPh)0.84gを加え、90℃で15時間撹拌することで反応させた。所定時間経過後、トルエンによる抽出を行った。その後、ヘキサン:酢酸エチル=2:1を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、目的物の白色固体を4.7g、収率74%で得た。ステップ1の合成スキームを下式(A−1)に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000047
<ステップ2:3,6−ジクロロベンゾフロ[2,3−b]ピリジンの合成>
上記ステップ1で得た5−クロロ−3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)ピリジン−2−アミン2.4gと脱水テトラヒドロフラン48mL、氷酢酸96mLを三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換した。三口フラスコを−10℃に冷却した後、亜硝酸tert−ブチル3.2mLを滴下し、−10℃で1時間、0℃で17時間半攪拌した。所定時間経過後、得られた懸濁液に水300mLを加え、吸引ろ過することにより、目的物の白色固体を1.5g、収率71%で得た。ステップ2の合成スキームを下式(A−2)に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000048
<ステップ3:3,6mDBtP2Bfpy(III)の合成>
上記ステップ2で得た、3,6−ジクロロベンゾフロ[2,3−b]ピリジン0.9g、3−(4−ジベンゾチオフェン)フェニルボロン酸2.6g、リン酸三カリウム4.9g、ジグリム30mL、tert−ブタノール2.2mLを三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換した。フラスコ内を減圧下で撹拌することで脱気した後、酢酸パラジウム(II)(略称:Pd(OAc))34mg、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン(略称:CataCXiumA)0.11gを加え、140℃で18時間半撹拌し、反応させた。所定時間経過後、得られた懸濁液を吸引ろ過し、水、エタノールで洗浄した。得られた固体を、トルエンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、トルエンとヘキサンの混合溶媒にて再結晶することにより、目的物の白色固体を1.9g、収率77%で得た。ステップ3の合成スキームを下式(A−3)に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000049
得られた白色固体1.9gを、トレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製条件は、圧力2.6Pa、アルゴンガスを流量10mL/minで流しながら、355℃行った。昇華精製後、目的物の白色固体を収量0.79g、収率41%で得た。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(H NMR)による分析データを以下に示す。
H−NMR.δ(CDCl):7.47−7.53(m,4H),7.61−7.63(m,3H),7.66−7.73(m,2H),7.77−7.84(m,6H),7.87−7.88(m,2H),7.93(dd,1H),8.11(s,2H),8.22−8.25(m,4H),8.37(d,1H),8.65(d,1H),8.79(d,1H).
また、得られた固体のH NMRチャートを図12(A)(B)に示す。なお、図12(B)は図12(A)におけ7.0ppmから9.0ppmの範囲の拡大図である。測定結果から目的物である3,6mDBtP2Bfpy(III)が得られたことが分かった。
<3,6mDBtP2Bfpy(III)の特性>
次に、3,6mDBtP2Bfpy(III)のトルエン溶液の吸収スペクトルと発光スペクトルを図20に示す。また、3,6mDBtP2Bfpy(III)の薄膜の吸収スペクトルと発光スペクトルを図21に示す。固体薄膜は石英基板上に真空蒸着法にて作成した。トルエン溶液の吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用いた。トルエンのみを石英セルに入れて測定したトルエンの吸収スペクトルを、3,6mDBtP2Bfpy(III)のトルエン溶液の吸収スペクトルから差し引くことで、図13に示す3,6mDBtP2Bfpy(III)溶液の吸収スペクトルを得た。また、薄膜の吸収スペクトルの測定には、分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ製 分光光度計U4100)を用いた。発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用いた。
図13より、トルエン溶液中の3,6mDBtP2Bfpy(III)は283nm及び309nm付近に吸収ピークが見られ、同様に図13より、発光波長のピークは350nm(励起波長312nm)であった。また、図14より、3,6mDBtP2Bfpy(III)の薄膜は319nm及び336nm付近に吸収ピークが見られ、同様に図14より、発光波長のピークは376nm付近(励起波長330nm)に見られた。3,6mDBtP2Bfpy(III)は青色に発光することを確認した。本発明の一態様の化合物は発光物質や可視域の発光物質のホストとしても利用可能である。
また、3,6mDBtP2Bfpy(III)の薄膜は、大気下においても凝集しにくく、形態の変化が小さい良好な膜質であることがわかった。
3,6mDBtP2Bfpy(III)のHOMO準位およびLUMO準位をサイクリックボルタンメトリ(CV)測定を元に算出した。算出方法を以下に示す。
測定装置としては電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600Aまたは600C)を用いた。CV測定における溶液は、溶媒として脱水ジメチルホルムアミド(DMF)((株)アルドリッチ製、99.8%、カタログ番号;22705−6)を用い、支持電解質である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−BuNClO)((株)東京化成製、カタログ番号;T0836)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させ、さらに測定対象を2mmol/Lの濃度となるように溶解させて調製した。また、作用電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC−3用Ptカウンター電極(5cm))を、参照電極としてはAg/Ag電極(ビー・エー・エス(株)製、RE7非水溶媒系参照電極)をそれぞれ用いた。なお、測定は室温(20以上25℃以下)で行った。また、CV測定時のスキャン速度は、0.1V/secに統一し、参照電極に対する酸化電位Ea[V]および還元電位Ec[V]を測定した。Eaは酸化−還元波の中間電位とし、Ecは還元−酸化波の中間電位とした。ここで、本実施例で用いる参照電極の真空準位に対するポテンシャルエネルギーは、−4.94[eV]であることが分かっているため、HOMO準位[eV]=−4.94−Ea、LUMO準位[eV]=−4.94−Ecという式から、HOMO準位およびLUMO準位をそれぞれ求めることができる。
この結果、3,6mDBtP2Bfpy(III)の酸化電位Ea[V]の測定において、HOMO準位は−6.20eVであることがわかった。一方、LUMO準位は−2.52eVであることがわかった。
また、3,6mDBtP2Bfpy(III)の示差走査熱量測定(DSC測定)を、パーキンエルマー社製、Pyris1DSCを用いて測定した。測定は、−10℃から400℃まで速度30℃/minで昇温後、400℃で1分間保持し、その後400℃から−10℃まで速度30℃/minで降温して、1サイクルとした。
本測定では、3サイクル測定し、2サイクル目の昇温時の結果からガラス転移温度:Tgは121℃であることが明らかとなった。この事から、3,6mDBtP2Bfpy(III)は耐熱性に優れる材料であることがわかった。
本実施例では、本発明の一態様に係る有機化合物を含む発光素子の作製例と、当該発光素子の特性について説明する。本実施例で作製した発光素子の積層構造を図1(A)に示す。また、素子構造の詳細を表1に示す。また、本実施例で用いる有機化合物を以下に示す。なお、他の有機化合物については実施の形態または他の実施例を参照すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000050
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000051
≪発光素子1の作製≫
 ガラス基板上に電極101として、ITSO膜をスパッタリング法にて厚さが70nmになるように形成した。なお、電極101の電極面積は、4mm(2mm×2mm)とした。次に基板上に発光素子を形成するための前処理として、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間乾燥させた後、UVオゾン処理を370秒行った。その後、1×10−4Pa程度の真空度に保たれた真空蒸着装置に基板を入れ、170℃で30分間のベークを行った。その後、基板を30分程度放冷した。
 次に、電極101上に正孔注入層111として、DBT3P−IIと、酸化モリブデン(MoO)と、を重量比(DBT3P−II:MoO)が1:0.5になるように、且つ厚さが45nmになるように共蒸着した。
 次に、正孔注入層111上に正孔輸送層112として、PCCPを厚さが20nmになるように蒸着した。
次に、発光層140(1)として、正孔輸送層112上に、3,6mDBtP2Bfpy(III)とPCCPと、Ir(ppy)とを、重量比(3,6mDBtP2Bfpy(III):PCCP:Ir(ppy))が0.5:0.5:0.1になるように、且つ厚さが20nmになるように共蒸着し、続いて発光層140(2)として、重量比(3,6mDBtP2Bfpy(III):PCCP:Ir(ppy))が0.8:0.2:0.1になるように、且つ厚さが20nmになるように共蒸着した。なお、発光層140において、Ir(ppy)は、燐光発光を呈するゲスト材料である。
次に、発光層140上に、電子輸送層118(1)として、3,6mDBtP2Bfpy(III)を厚さが15nmになるよう蒸着した。
 次に、電子輸送層118(1)上に、電子輸送層118(2)として、Bphenを厚さが10nmになるように蒸着した。次に、電子輸送層118上に、電子注入層119として、LiFを厚さが1nmになるように蒸着した。
 次に、電子注入層119上に、電極102として、アルミニウム(Al)を厚さが200nmになるように形成した。
 次に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、封止材を用いて封止するために、発光素子を形成した基板とは別の基板(対向基板)を、発光素子を形成した基板に固定することで、比較発光素子1を封止した。具体的には、対向基板に乾燥剤を貼り、さらに発光素子を形成した範囲周辺に封止材を塗布した対向基板と、発光素子を形成したガラス基板とを貼り合わせ、波長が365nmの紫外光を6J/cm照射し、80℃にて1時間熱処理した。以上の工程により発光素子1を得た。
<発光素子の特性>
 次に、上記作製した発光素子1の特性を測定した。輝度およびCIE色度の測定には色彩輝度計(トプコン社製、BM−5A)を用い、電界発光スペクトルの測定にはマルチチャンネル分光器(浜松ホトニクス社製、PMA−11)を用いた。
 発光素子1の電流効率−輝度特性を図15に示す。また、電流密度−電圧特性を図16に示す。また、外部量子効率−輝度特性を図17に示す。なお、各発光素子の測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。
 また、1000cd/m付近における、発光素子1の素子特性を表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000052
 また、発光素子1に2.5mA/cmの電流密度で電流を流した際の発光スペクトルを図18示す。
 図15、図17及び表2で示すように、発光素子1は、高い電流効率及び外部量子効率を示した。発光素子1の外部量子効率の最大値はおよそ20%であり、燐光発光素子として優れた値を示した。
また、図18より発光素子1の発光スペクトルは519nm付近にピークを有し、半値全幅は70nm程度であったため、発光素子1はIr(ppy)に由来する良好な緑色の発光を示した。
 以上、本発明の一態様の化合物を発光層に用いることで、高い発光効率を示す発光素子を作製することができる。また、本発明の一態様の化合物は緑色燐光発光素子に好適に利用できる。
本実施例では、本発明の一態様に係る有機化合物を含む、実施例1とは異なる発光素子の作製例と、当該発光素子の特性について説明する。本実施例で作製した素子構造は実施例1と同様であるため、作製方法の説明は省略する。本実施例で作製した発光素子の素子構造の詳細を表3に示す。また、使用した化合物の構造と略称を以下に示す。なお、他の有機化合物については先の実施例を参照すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000053
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000054
<発光素子の発光層140及び電子輸送層118(1)>
比較発光素子2において、発光層140中のホスト材料としてPCCP及び3,5−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリジン(略称:35DCzPPy)を用い、ゲスト材料としてトリス{2−[4−(4−シアノ−2,6−ジイソブチルフェニル)−5−(2−メチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(mpptz−diBuCNp))を用いた。また、比較発光素子2の電子輸送層118(1)として35DCzPPyを用いた。
比較発光素子3において、発光層140中のホスト材料としてPCCP及び4,4’−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−2,2’−ビピリジン(略称:4,4’mCzP2BPy)を用い、ゲスト材料として、Ir(mpptz−diBuCNp)を用いた。また、比較発光素子3の電子輸送層118(1)として4,4’mCzP2BPyを用いた。
発光素子4において、発光層140中のホスト材料としてPCCP及び本発明の一態様の有機化合物である、3,6mDBtP2Bfpy(III)を用い、ゲスト材料として、Ir(mpptz−diBuCNp)を用いた。また、発光素子4の電子輸送層118(1)として3,6mDBtP2Bfpy(III)を用いた。
<発光素子の特性>
 次に、上記作製した比較発光素子2、比較発光素子3及び発光素子4の特性を測定した。測定方法は実施例1と同様に行った。
 比較発光素子2、比較発光素子3及び発光素子4の電流効率−輝度特性を図19に示す。また、電流密度−電圧特性を図20に示す。また、外部量子効率−輝度特性を図21に示す。
 また、1000cd/m付近における、比較発光素子2、比較発光素子3及び発光素子4の素子特性を表4に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000055
 また、比較発光素子2、比較発光素子3及び発光素子4に2.5mA/cmの電流密度で電流を流した際の電界発光スペクトルを図22示す。
 図19、図21及び表4で示すように、比較発光素子2、比較発光素子3及び発光素子4はそれぞれ、高い電流効率及び外部量子効率を示した。比較発光素子2、比較発光素子3及び発光素子4の外部量子効率の最大値はそれぞれ25%以上であり、燐光発光素子として非常に優れた値を示した。また、本発明の一態様に係る有機化合物を用いた発光素子4は単環のピリジン環を有する有機化合物を用いた比較発光素子2及び比較発光素子3と同等の高い効率を示した。
 図20及び表4で示すように、比較発光素子2、比較発光素子3及び発光素子4はそれぞれ、良好な駆動電圧を有することが分かった。本発明の一態様に係る有機化合物を用いた発光素子4は単環のピリジン骨格を有する有機化合物を用いた比較発光素子2及び比較発光素子3と同等の電流密度−電圧特性を有することが分かった。
また、図22より比較発光素子2、比較発光素子3及び発光素子4の電界発光スペクトルはそれぞれ、488nm付近にピークを有し、半値全幅はそれぞれ63nm程度であったため、比較発光素子2、比較発光素子3及び発光素子4はそれぞれIr(mpptz−diBuCNp)に由来する青色の発光を示した。
<発光素子の信頼性>
次に、比較発光素子2、比較発光素子3及び発光素子4の0.1mAにおける定電流駆動試験を行った。その結果を図23に示す。図23より、発光素子4は比較発光素子2及び比較発光素子3よりも良好な信頼性を有していることが分かった。よって、ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン骨格中のベンゼン側及びピリジン側両方に置換基を有する有機化合物は単環のピリジン環を有する有機化合物よりも良好な信頼性を有することが分かった。
 以上、本発明の一態様の化合物を発光層に用いることで、高い発光効率を示す発光素子を作製することができる。また、駆動電圧が低く、信頼性の高い発光素子を作製することができる。また、本発明の一態様の化合物は青色燐光発光素子に好適に利用できる。
100:EL層、101:電極、102:電極、106:発光ユニット、108:発光ユニット、111:正孔注入層、112:正孔輸送層、113:電子輸送層、114:電子注入層、115:電荷発生層、116:正孔注入層、117:正孔輸送層、118:電子輸送層、119:電子注入層、120:発光層、140:発光層、141:ホスト材料、141_1:有機化合物、141_2:有機化合物、142:ゲスト材料、150:発光素子、170:発光層、250:発光素子、601:ソース側駆動回路、602:画素部、603:ゲート側駆動回路、604:封止基板、605:シール材、607:空間、608:配線、610:素子基板、611:スイッチング用TFT、612:電流制御用、613:電極、614:絶縁物、616:EL層、617:電極、618:発光素子、623:nチャネル型TFT、624:pチャネル型TFT、900:携帯情報端末、901:筐体、902:筐体、903:表示部、905:ヒンジ部、910:携帯情報端末、911:筐体、912:表示部、913:操作ボタン、914:外部接続ポート、915:スピーカ、916:マイク、917:カメラ、920:カメラ、921:筐体、922:表示部、923:操作ボタン、924:シャッターボタン、926:レンズ、1001:基板、1002:下地絶縁膜、1003:ゲート絶縁膜、1006:ゲート電極、1007:ゲート電極、1008:ゲート電極、1020:層間絶縁膜、1021:層間絶縁膜、1022:電極、1024B:電極、1024G:電極、1024R:電極、1024W:電極、1025B:下部電極、1025G:下部電極、1025R:下部電極、1025W:下部電極、1026:隔壁、1028:EL層、1029:電極、1031:封止基板、1032:シール材、1033:基材、1034B:着色層、1034G:着色層、1034R:着色層、1036:オーバーコート層、1037:層間絶縁膜、1040:画素部、1041:駆動回路部、1042:周辺部、2100:ロボット、2101:照度センサ、2102:マイクロフォン、2103:上部カメラ、2104:スピーカ、2105:ディスプレイ、2106:下部カメラ、2107:障害物センサ、2108:移動機構、2110:演算装置、3500:多機能端末、3502:筐体、3504:表示部、3506:カメラ、3508:照明、3600:ライト、3602:筐体、3608:照明、3610:スピーカ、5000:筐体、5001:表示部、5002:表示部、5003:スピーカ、5004:LEDランプ、5005:操作キー、5006:接続端子、5007:センサ、5008:マイクロフォン、5012:支持部、5013:イヤホン、5100:掃除ロボット、5101:ディスプレイ、5102:カメラ、5103:ブラシ、5104:操作ボタン、5120:ゴミ、5140:携帯電子機器、5150:携帯情報端末、5151:筐体、5152:表示領域、5153:屈曲部、8501:照明装置、8502:照明装置、8503:照明装置、8504:照明装置、9000:筐体、9001:表示部、9006:接続端子、9055:ヒンジ、9200:携帯情報端末、9201:携帯情報端末、9202:携帯情報端末

Claims (15)

  1. 下記一般式(G0)で表される有機化合物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-I000001
    (一般式(G0)において、Xは酸素または硫黄を表し、Arは、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基を表し、R乃至Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、Aは、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至30の複素芳香族炭化水素基を表し、nは1乃至4の整数を表し、Htは、置換もしくは無置換の縮合複素芳香環を表し、
     前記縮合複素芳香環は、カルバゾール骨格、ジベンゾフラン骨格、及びジベンゾチオフェン骨格の中から選ばれるいずれか一または複数を含み、
     前記縮合複素芳香環の炭素数が12以上30以下である。)
  2. 請求項1において、
    前記Aは置換若しくは無置換の炭素数6乃至30の芳香族炭化水素基を表し、
    前記炭素数6乃至30の芳香族炭化水素基は縮合環を少なくとも一つ有する、有機化合物。
  3. 請求項1において、
    前記Htは、下記一般式(Ht−1)乃至(Ht−4)で表される基のいずれかである有機化合物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-I000002
    (一般式(Ht−1)乃至(Ht−4)中、R乃至R14はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基のいずれか一を表す。R乃至R及び/またはR10乃至R13は、それぞれ互いに結合し、飽和環若しくは不飽和環を形成しても良い。)
  4. 下記一般式(G1)で表される有機化合物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-I000003
    (一般式(G1)において、Xは酸素または硫黄を表し、Ar及びArはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基を表し、R乃至Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、nは1乃至4の整数を表し、lは0乃至4の整数を表し、Ht及びHtはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の縮合複素芳香環を表し、
     前記縮合複素芳香環は、カルバゾール骨格、ジベンゾフラン骨格、及びジベンゾチオフェン骨格の中から選ばれるいずれか一または複数を含み、
     前記縮合複素芳香環の炭素数が12乃至30である。)
  5. 請求項4において、
    下記一般式(G2)で表される有機化合物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-I000004
  6. 請求項4において、
    下記一般式(G3)で表される有機化合物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-I000005
  7. 請求項4において、
    下記一般式(G4)で表される有機化合物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-I000006
  8. 請求項4において、
    下記一般式(G5)で表される有機化合物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-I000007
  9. 請求項4において、
    前記Ht及び前記Htがそれぞれ独立に、下記一般式(Ht−1)乃至(Ht−4)で表される基のいずれかである有機化合物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-I000008
    (一般式(Ht−1)乃至(Ht−4)中、R乃至R14はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基のいずれか一を表す。R乃至R及び/またはR10乃至R13は、それぞれ互いに結合し、飽和環若しくは不飽和環を形成しても良い。)
  10. 下記一般式(G6)で表される有機化合物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-I000009
    (一般式(G6)において、X、Z及びZはそれぞれ独立に、酸素または硫黄を表す。)
  11. 請求項10において、
    下記構造式(100)で表される有機化合物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-I000010
  12. 請求項4に記載の有機化合物を用いた発光素子。
  13. 請求項12に記載の発光素子と、
    カラーフィルタおよびトランジスタの少なくとも一と、
    を有する表示装置。
  14. 請求項13に記載の表示装置と、
    筐体およびタッチセンサの少なくとも一と、
    を有する電子機器。
  15. 請求項12に記載の発光素子と、
    筐体およびタッチセンサの少なくとも一と、
    を有する照明装置。
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