JP6816493B2 - ゴルフボール - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフボールに関する。詳細には、本発明は、コア、中間層及びカバーを備えたゴルフボールに関する。
ゴルフボールに対するゴルフプレーヤーの最大の関心事は、飛行性能である。プレーヤーは、特に、ドライバーショットでの飛距離を重視する。ドライバーショットでの飛距離は、ゴルフボールの反発性能と相関する。高反発のコアが採用されたゴルフボールが打撃されると、早い速度で飛行し、大きな飛距離が達成される。
ドライバーショット時の大きな飛距離を得るために、外剛内柔構造のコアが採用される場合がある。外剛内柔構造のコアを備えたゴルフボールでは、ドライバーで打撃されたときのスピン速度が抑制され、かつ打ち出し角度が大きくなる。小さなスピン速度と大きな打ち出し角度とによって、大きな飛距離が達成される。
飛行性能の改良に関する種々の提案がなされている。例えば、特開2011−217857公報に開示されたゴルフボールは、コアの中心点からの距離が5mmである点のJIS−C硬度H(5.0)と中心点におけるJIS−C硬度Hoとの差が、6.0以上であり、中心点からの距離が12.5mmである点のJIS−C硬度H(12.5)と硬度H(5.0)との差が、4.0以下であり、コア表面のJIS−C硬度HSと硬度H(12.5)と差が、10.0以上であり、硬度HSと硬度Hoとの差が22.0以上であり、コアの中心点から表面に向かって硬度が低下するゾーンが存在しないコアを備えている。
特開2013−230365公報には、コアの表面から中心に向かって14mm内側の位置のJIS−C硬度(H−14)、8mm内側の位置のJIS−C硬度(H−8)、6mm内側の位置のJIS−C硬度(H−6)及び4mm内側の位置のJIS−C硬度(H−4)が、(1)H−14<70、(2)H−8<72、(3)H−6<75及び(4)H−4−H−8>8の関係式を満たすゴルフボールが開示されている。
特開2015−77405公報には、コアの半径をR(mm)、コア中心のJIS−C硬度をA、コア中心からR/3mm離れた位置のJIS−C硬度をB、コア中心からR/1.8mm離れた位置のJIS−C硬度をC、コア中心からR/1.3mm離れた位置のJIS−C硬度をD、コア表面のJIS−C硬度をEとする場合に、(1)D−C≧7、(2)C−B≦7、(3)(D−C)−(C−B)≧7及び(4)E−A≧16の関係式を満たすゴルフボールが開示されている。
特開2011−217857公報 特開2013−230365公報 特開2015−77405公報
ゴルフプレーヤーは、また、ゴルフボールのコントロール性も重視する。プレーヤーは、特に、アプローチショットでのコントロール性(アプローチ性能)に対する関心が高い。コントロール性は、ゴルフボールのスピン速度と相関する。バックスピンの速度が大きいと、ランが小さい。バックスピンの速度が大きなゴルフボールを使用することにより、プレーヤーは、このゴルフボールを目標地点に静止させることができる。サイドスピンの速度が大きいと、ゴルフボールは曲がりやすい。サイドスピンの速度が大きなゴルフボールを使用することにより、プレーヤーは、このゴルフボールを意図的に曲げることができる。
大きな飛距離を得るために、ドライバーで打撃されたときのスピン速度が抑制されたゴルフボールでは、アプローチショット時のスピン速度も小さくなり、コントロール性が低下する場合がある。コントロール性に関するゴルフプレーヤーの要望を満足しつつ、ドライバーショット時の飛距離のさらなる向上が求められている。
本発明の目的は、飛行性能及びアプローチ性能に優れたゴルフボールの提供にある。
本発明に係るゴルフボールは、球状のコアと、このコアの外側に位置する中間層と、この中間層の外側に位置するカバーとを備えている。コアの中心点からの距離がこのコアの半径の75%である点の硬度H75は、このコアの中心点の硬度H0より大きい。この硬度H75と硬度H0との差D1=(H75−H0)は、ショアC硬度で10.0以上27.0以下である。このコアの表面の硬度Hsは、硬度H75より大きい。この硬度Hsと硬度H75との差D2=(Hs−H75)は、ショアC硬度で0以上6.5以下である。この硬度H75は、中間層のショアC硬度HmCより小さい。この中間層のショアD硬度HmDは、カバーのショアD硬度Hcより大きい。
好ましくは、この差D1に対する差D2の比(D2/D1)は、ショアC硬度で0.30以下である。
好ましくは、このコアの中心点からの距離がこのコアの半径の25%である点の硬度H25は、硬度H0より大きい。この硬度H25と硬度H0との差D3=(H25−H0)は、ショアC硬度で7.0以上である。
好ましくは、このコアの中心点からの距離がこのコアの半径の50%である点の硬度H50と硬度H25との差D4=(H50−H25)は、ショアC硬度で−3.0以上3.0以下である。
好ましくは、この硬度H75は硬度H50より大きい。この硬度H75と硬度H50との差D5=(H75−H50)は、ショアC硬度で6.0以上である。
好ましくは、この硬度HmCと硬度H75との差D6=(HmC−H75)は、ショアC硬度で7.0以上である。
好ましくは、この硬度HmCは硬度Hsより大きい。この硬度HmCと硬度Hsとの差D7=(HmC−Hs)は、ショアC硬度で4.0以上である。
好ましくは、この硬度HmDと硬度Hcとの差D8=(HmD−Hc)は、ショアD硬度で20.0以上である。
好ましくは、このコアはゴム組成物から形成されている。このコアのゴム組成物は、(a)基材ゴム、(b)その炭素数が3以上8以下であるα,β−不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩である共架橋剤、(c)架橋開始剤、並びに(d)不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(その炭素数が3以上8以下であるα,β−不飽和カルボン酸及びその金属塩を除く)を含んでいる。
好ましくは、この不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(d)の、脂肪酸成分の炭素数は、4以上33以下である。好ましくは、この不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(d)は、1又は2の炭素−炭素二重結合を有している。
本発明に係るゴルフボールは、コア内部の硬度分布及びゴルフボール全体の硬度分布が適正である。適正な硬度分布により、ゴルフボールの反発性能が向上する。このゴルフボールが打撃されたときの飛行速度は、大きい。大きな飛行速度により、大きな飛距離が得られる。このゴルフボールが打撃されたとき、スピン速度の過剰な低下が抑制される。このゴルフボールでは、アプローチショット時のコントロール性が大幅には阻害されない。このゴルフボールは、飛行性能及びアプローチ性能に優れている。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボールが示された一部切り欠き断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示されたゴルフボール2は、球状のコア4と、このコア4の外側に位置する中間層6と、この中間層6の外側に位置するカバー8とを備えている。このゴルフボール2は、その表面に複数のディンプル10を有している。ゴルフボール2の表面のうちディンプル10以外の部分は、ランド12である。このゴルフボール2は、カバー8の外側にペイント層及びマーク層を備えているが、これらの層の図示は省略されている。ゴルフボール2が、コア4と中間層6との間に、他の層を備えてもよい。ゴルフボール2が、中間層6とカバー8との間に、他の層を備えてもよい。
このゴルフボール2の直径は、40mm以上45mm以下が好ましい。米国ゴルフ協会(USGA)の規格が満たされるとの観点から、直径は42.67mm以上が特に好ましい。空気抵抗抑制の観点から、直径は44mm以下がより好ましく、42.80mm以下が特に好ましい。また、ゴルフボール2の質量は、40g以上50g以下が好ましい。大きな慣性が得られるとの観点から、質量は44g以上がより好ましく、45.00g以上が特に好ましい。USGAの規格が満たされるとの観点から、質量は45.93g以下が特に好ましい。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、球状のコア4の直径は34.8mm以上が好ましく、36.8mm以上がより好ましく、38.8mm以上が特に好ましい。中間層6及びカバー8が十分な厚みを有しうるとの観点から、この直径は41.0mm以下が好ましく、40.5mm以下がより好ましく、40.0mm以下が特に好ましい。このコア4の半径としては、17.4mm以上が好ましく、18.4mm以上がより好ましく、19.4mm以上が特に好ましい。コア4の半径は20.5mm以下が好ましく、20.25mm以下がより好ましく、20.0mm以下が特に好ましい。コア4の質量は、10g以上40g以下が好ましい。
このゴルフボール2では、コア4が切断されて得られる半球の切断面において、コア4の中心点における硬度H0、この中心点からの距離がコア4の半径の25%である点の硬度H25、この中心点からの距離がコア4の半径の50%である点の硬度H50、この中心点からの距離がコア4の半径の75%である点の硬度H75及びコア4の表面の硬度Hsが測定される。各硬度の測定には、自動硬度計(H.バーレイス社の商品名「デジテストII」)に取り付けられたショアC型硬度計が用いられる。この硬度計が、コア4の切断面に押しつけられることにより、硬度H0、硬度H25、硬度H50及び硬度H75が測定される。この硬度計が、コア4の表面に押しつけられることにより、硬度Hsが測定される。測定は、全て、23℃の環境下でなされる。
本発明において、硬度H75は硬度H0より大きく、かつ硬度Hsは硬度H75より大きい。このコア4には、全体として外剛内柔の硬度分布が形成されている。外剛内柔構造のコア4を備えたゴルフボール2がドライバーで打撃されるとき、スピン速度が抑制され、かつ大きな打ち出し角度が得られる。さらに、このコア4では、硬度H75と硬度H0との差(H75−H0)がD1とされ、硬度Hsと硬度H75との差(Hs−H75)がD2とされるとき、この差D1及び差D2は適正である。差D1が適正なコア4により、スピン速度の過剰な低下が回避され、アプローチ性能が維持されうる。差D2が適正なコア4により、ゴルフボール2の反発性能が向上し、大きな飛行速度が得られる。このゴルフボール2では、差D1及び差D2の相乗効果により、スピン速度の過剰な低下を回避しつつ、飛行速度の増加によって大きな飛距離が達成される。
本発明において、差D1は、ショアC硬度で10.0以上27.0以下である。コア4の外剛内柔構造の形成に寄与して、スピン速度を抑制するとの観点から、差D1は、12.0以上が好ましく、14.0以上がより好ましい。スピン速度の過剰な低下を回避するとの観点から、差D1は26.0以下が好ましく、25.0以下がより好ましい。
本発明において、差D2は、ショアC硬度で0以上6.5以下である。この差D2は、小さい。このコア4の表面近傍における硬度勾配は、コア4全体の硬度勾配と比較して、略平坦である。その表面近傍に略平坦な硬度勾配を有するコア4の反発係数は、高い。反発性能の観点から、差D2は、6.0以下が好ましく、5.5以下がより好ましい。スピン抑制の観点から、差D2は、0.5以上が好ましく、1.0以上がより好ましい。
飛行性能及びアプローチ性能の両立の観点から、差D1に対する差D2の比(D2/D1)は、0.30以下が好ましく、0.25以下がより好ましい。同様の観点から、比(D2/D1)は、0以上が好ましく、0.05以上がより好ましい。
外剛内柔構造の観点から、硬度H25が硬度H0より大きいゴルフボール2が好ましい。硬度H25と硬度H0との硬度差(H25−H0)がD3とされるとき、スピン抑制の観点から、差D3は、ショアC硬度で7.0以上が好ましく、7.5以上がより好ましく、8.0以上がさらに好ましい。アプローチ性能の観点から、差D3は、15.0以下が好ましく、14.0以下がより好ましく、13.0以下がさらに好ましい。
硬度H50と硬度H25との硬度差(H50−H25)がD4とされるとき、スピン抑制の観点から、差D4は、ショアC硬度で−3.0以上が好ましく、−2.0以上がより好ましく、−1.0以上がさらに好ましい。アプローチ性能の観点から、差D4は、3.0以下が好ましく、2.5以下たより好ましく、2.0以下がさらに好ましい。
外剛内柔構造の観点から、硬度H75が硬度H50より大きいゴルフボール2が好ましい。硬度H75と硬度H50との硬度差(H75−H50)がD5とされるとき、スピン抑制の観点から、差D5は、ショアC硬度で6.0以上が好ましく、7.0以上がより好ましく、8.0以上がさらに好ましい。アプローチ性能の観点から、差D5は、13.0以下が好ましく、12.0以下がより好ましく、11.0以下がさらに好ましい。
外剛内柔構造の観点から、硬度Hsが硬度H0より大きいゴルフボール2が好ましい。スピン抑制の観点から、硬度Hsと硬度H0との硬度差(Hs−H0)は、ショアC硬度で19.0以上が好ましく、21.0以上がより好ましく、22.0以上がさらに好ましい。アプローチ性能の観点から、硬度差(Hs−H0)は、30.0以下が好ましく、28.0以下がより好ましい。
図示される通り、この実施形態に係るゴルフボール2が有する中間層6及びカバー8は、いずれも単一層である。このゴルフボール2では、中間層6及びカバー8のスラブ硬度が測定される。本発明の他の実施形態に係るゴルフボールにおいて、中間層6が複数の層から形成されてもよく、カバー8が複数の層から形成されてもよい。複数の層からなる中間層6を備えたゴルフボールでは、この中間層6をなす複数の層のうち、コア4に隣接する層のスラブ硬度が測定される。複数の層からなるカバー8を備えたゴルフボールでは、このカバー8をなす複数の層のうち、最外層に位置する層のスラブ硬度が測定される。
中間層6及びカバー8のスラブ硬度は、「ASTM−D 2240−68」の規定に準拠して、測定される。測定には、熱プレスで成形された、中間層6又はカバー8の材料と同一の材料からなる、厚みが約2mmであるシートが用いられる。測定に先立ち、シートは23℃の温度下に2週間保管される。測定時には、3枚のシートが重ね合わされる。ショアC型硬度計が装着された自動硬度計(前述の「デジテストII」)により、中間層6のショアC硬度HmCと、カバー8のショアC硬度Hcとが得られる。ショアD型硬度計が装着された自動硬度計(前述の「デジテストII」)により、中間層6のショアD硬度HmDが得られる。
本発明において、硬度H75は硬度HmCより小さい。このゴルフボール2では、コア4と中間層6とからなる球体に、外剛内柔構造が形成されうる。硬度HmCと硬度H75との硬度差(HmC−H75)がD6とされるとき、スピン抑制の観点から、差D6は、ショアC硬度で7.0以上が好ましく、8.0以上がより好ましく、9.0以上がさらに好ましい。アプローチ性能の観点から、差D6は25.0以下が好ましく、22.0以下がより好ましい。
外剛内柔構造の観点から、硬度HmCが硬度Hsより大きいゴルフボール2が好ましい。硬度HmCと硬度Hsとの硬度差(HmC−Hs)がD7とされるとき、スピン抑制の観点から、差D7はショアC硬度で4.0以上が好ましく、6.0以上がより好ましく、7.0以上がさらに好ましい。アプローチ性能の観点から、差D7は22.0以下が好ましく、20.0以下がより好ましい。
本発明において、硬度HmDは硬度Hcより大きい。このゴルフボール2は、アプローチショットでのスピン速度の過剰な低下が抑制される。硬度HmDと硬度Hcとの硬度差(HmD−Hc)がD8とされるとき、アプローチ性能の観点から、差D8は、ショアD硬度で20.0以上が好ましく、22.0以上がより好ましく、24.0以上がさらに好ましい。スピン性能及び耐久性の観点から、差D8は45.0以下が好ましく、42.0以下がより好ましい。
本発明において、このコア4の中心点の硬度H0、この中心点からの距離がコア4の半径の25%である点の硬度H25、この中心点からの距離がコア4の半径の50%である点の硬度H50、この中心点からの距離がコア4の半径の75%である点の硬度H75及びコア4の表面の硬度Hsは、特に限定されない。前述した硬度H75と硬度H0との差D1及び硬度Hsと硬度H75との差D2並びに中間層6の硬度HmCとの大小関係を満たす範囲内で、適宜設定される。
アプローチ性能の観点から、コア4の圧縮変形量Dcは1.90mm以上が好ましく、2.00mm以上がより好ましく、2.10mm以上がさらに好ましい。反発性能の観点から、コア4の圧縮変形量Dcは5.00mm以下が好ましく、4.80mm以下がより好ましい。コア4の圧縮変形量Dcの測定方法については、後述する。
本発明において、中間層6の硬度は特に限定されず、前述した硬度H75及び硬度Hcに対する大小関係を満たす範囲内で適宜設定される。スピン抑制の観点から、中間層6のショアC硬度HmCとしては、65以上が好ましく、68以上がより好ましく、70以上が特に好ましい。アプローチ性能の観点から、硬度HmCは100以下が好ましく、99以下がより好ましく、98以下が特に好ましい。中間層6のショアD硬度HmDとしては、40以上が好ましく、42以上がより好ましく、44以上が特に好ましい。硬度HmDは76以下が好ましく、74以下がより好ましく、72以下が特に好ましい。
スピン抑制の観点から、中間層6の厚みTmは、0.5mm以上が好ましく、0.8mm以上がより好ましく、1.0mm以上がさらに好ましい。コアの反発性能が発揮されうるとの観点から、厚みTmは、4.0mm以下が好ましく、3.5mm以下がより好ましく、3.0mm以下がさらに好ましい。中間層6が複数の層から形成される場合、各層の厚みの総和が、厚みTmとされる。厚みTmは、ランド12の直下において測定される。
本発明において、カバー8のショアD硬度Hcは特に限定されず、前述した硬度HmDとの大小関係を満たす範囲内で適宜設定される。アプローチ性能及び打球感の観点から、硬度Hcは、50以下が好ましく、48以下がより好ましく、46以下がさらに好ましい。スピン抑制の観点から、硬度Hcは、20以上が好ましく、23以上がより好ましく、25以上がさらに好ましい。
スピン抑制の観点から、カバー8の厚みTcは、3.0mm以下が好ましく、2.5mm以下がより好ましく、2.0mm以下が特に好ましい。アプローチ性能及び耐久性の観点から、厚みTcは、0.3mm以上が好ましく、0.4mm以上がより好ましく、0.5mm以上がさらに好ましい。
アプローチ性能及び打球感の観点から、ゴルフボール2の圧縮変形量Dbは、1.8mm以上が好ましく、2.0mm以上がより好ましい。反発性能の観点から、この球体の圧縮変形量Dbは6.0mm以下が好ましく、5.0mm以下がより好ましい。
圧縮変形量の測定では、コア4、ゴルフボール2等の球体が金属製の剛板の上に置かれる。この球体に向かって金属製の円柱が徐々に降下する。この円柱の底面と剛板との間に挟まれた球体は、変形する。球体に98Nの初荷重がかかった状態から1274Nの終荷重がかかった状態までの円柱の移動距離が、圧縮変形量として測定される。
以下、この実施形態におけるコア4、中間層6及びカバー8の好ましい構成材料について、順次説明するが、本発明の目的が達成される範囲内で、ゴルフボール2が、他の構成材料からなる層をさらに備えてもよい。
このゴルフボール2が備えているコア4は、ゴム組成物が架橋されることで形成されている。好ましくは、コア4のゴム組成物は、(a)基材ゴム、(b)その炭素数が3以上8以下であるα,β−不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩である共架橋剤、(c)架橋開始剤、並びに(d)不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩を含んでいる。なお、本発明において、不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(d)には、共架橋剤(b)である炭素数3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩は含まれない。換言すれば、コア4のゴム組成物は、炭素数3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩とは異なる不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(d)を含んでいる。
好ましい基材ゴム(a)は、天然ゴム及び/又は合成ゴムである。例えば、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、天然ゴム等が挙げられる。これらのうち、二種以上を併用してもよい。ポリブタジエンゴムが好ましい。
ポリブタジエンゴムは、シス−1,4結合及び1,2−ビニル結合を含む。反発性能の観点から、シス−1,4結合の含有量が高く、かつ1,2−ビニル結合の含有量が低いハイシスポリブタジエンがより好ましい。ハイシスポリブタジエン中のシス−1,4−結合の含有量は、40質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。1,2−ビニル結合の含有量は、2.0質量%以下が好ましく、1.7質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下がさらに好ましい。
希土類元素系触媒を用いて得られるポリブタジエンゴムが好ましい。希土類元素系触媒の使用により、シス−1,4結合の含有量が高く、かつ1,2−ビニル結合の含有量が低いハイシスポリブタジエンゴムが、優れた重合活性で合成される。この観点から、ランタン系列希土類元素化合物であるネオジムを含む触媒を用いて合成されたポリブタジエンゴムがより好ましい。
ハイシスポリブタジエンのムーニー粘度(ML1+4(100℃))は、30以上が好ましく、32以上がより好ましく、35以上がさらに好ましい。このムーニー粘度(ML1+4(100℃))は、140以下が好ましく、120以下がより好ましく、100以下がさらに好ましく、80以下が特に好ましい。なお、本発明におけるムーニー粘度(ML1+4(100℃))とは、JIS K6300に準じて、Lローターを使用し、予備加熱時間1分間、ローターの回転時間4分間、100℃の条件下にて測定した値を意味する。
作業性の観点から、ハイシスポリブタジエンの分子量分布Mw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)は、2.0以上が好ましく、2.2以上がより好ましく、2.4以上がさらに好ましく、2.6以上が特に好ましい。反発性能の観点から、この分子量分布Mw/Mnは、6.0以下が好ましく、5.0以下がより好ましく、4.0以下がさらに好ましく、3.4以下が特に好ましい。なお、この分子量分布Mw/Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(東ソー社製、「HLC−8120GPC」)を使用し、検知器を示差屈折計として、カラムをGMHHXL(東ソー社製)とし、カラム温度を40℃とし、移動相をテトラヒドロフランとする条件で測定し、標準ポリスチレン換算値として算出した値である。
共架橋剤(b)として配合される炭素数3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩は、基材ゴム(a)の分子鎖にグラフト重合することによって、ゴム分子を架橋する作用を有する。コア4のゴム組成物が、共架橋剤(b)として炭素数3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸のみを含有する場合、このゴム組成物は、必須成分として、後述する金属化合物(f)をさらに含有する。金属化合物(f)は、炭素数3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸を中和する。中和された炭素数3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸は、実質的に、炭素数3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸の金属塩と同様に作用する。なお、共架橋剤(b)として、炭素数3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸とその金属塩とを併用する場合、任意成分として金属化合物(f)を用いてもよい。
炭素数3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸の具体例として、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げられる。ゴム分子との反応性に優れたアクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。
炭素数3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸の金属塩を構成する金属として、ナトリウム、カリウム、リチウム等の一価の金属イオン;マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウム等の二価の金属イオン;アルミニウム等の三価の金属イオン及び錫、ジルコニウム等のその他のイオンが例示される。これらの金属成分は、単独で使用してもよく、二種以上の混合物として使用することもできる。これらの中でも、より好ましい金属成分は、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウムなどの二価の金属である。炭素数3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸の二価の金属塩を用いることにより、ゴム分子間に金属架橋が生じやすくなる。高反発のコア4が得られるとの観点から、特に好ましい二価の金属塩は、アクリル酸亜鉛である。なお、炭素数3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩は、単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
共架橋剤(b)として配合される炭素数3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩の量は、100質量部の基材ゴム(a)に対して、15質量部以上が好ましい。共架橋剤(b)を15質量部以上配合したゴム組成物では、後述する架橋開始剤(c)の量を増加することなく、適正な硬度のコア4を形成することができる。このコアコア4を備えるゴルフボール2は反発性能に優れる。この観点から、共架橋剤(b)の量は、20質量部以上がより好ましく、25質量部以上がさらに好ましい。打球感の観点から、共架橋剤(b)の量は、50質量部以下が好ましく、45質量部以下がより好ましく、35質量部以下がさらに好ましい。
架橋開始剤(c)は、基材ゴム(a)のゴム分子を架橋するために配合される。好ましい架橋開始剤(c)は、有機過酸化物である。有機過酸化物の具体例として、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。これらの有機過酸化物は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。ジクミルパーオキサイドが好ましい。
架橋開始剤(c)の量は、100質量部の基材ゴム(a)に対して、0.2質量部以上が好ましい。架橋開始剤(c)を0.2質量部以上含むゴム組成物により、適正な硬度のコア4が形成される。このコア4を備えるゴルフボール2は反発性能に優れる。この観点から、架橋開始剤(c)の量は、0.5質量部以上がより好ましく、0.7質量部以上がさらに好ましい。共架橋剤(b)の量を減少することなく、適正な硬度のコア4を形成することができるとの観点から、架橋開始剤(c)の量は、5.0質量部以下が好ましい。架橋開始剤(c)の量がこの数値範囲を満たす場合、得られるゴルフボール2の耐久性及び反発性能が向上する。この観点から、架橋開始剤(c)の量は、2.5質量部以下がより好ましく、2.0質量部以下がさらに好ましい。
本願明細書において、不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(d)とは、炭化水素鎖に不飽和結合を少なくとも一つ有する脂肪族モノカルボン酸及び/又はその金属塩である。この炭化水素鎖に含まれる1又は2以上の水素原子が、置換基により置換されたものであってもよい。前述した通り、この不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(d)には、共架橋剤(b)として配合される炭素数3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩は含まれない。
炭化水素鎖に不飽和結合を有する不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(d)は、共架橋剤(b)と付加反応することができる。共架橋剤(b)との付加反応が生じやすく、高反発のコア4が得られるとの観点から、不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(d)の、脂肪酸成分の炭素数は、33以下が好ましく、30以下がより好ましく、26以下が特に好ましい。同様の観点から、この脂肪酸成分の炭素数は、4以上が好ましく、5以上がより好ましく、8以上がさらに好ましく、12以上が特に好ましい。
不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(d)が、炭素数5以上の不飽和脂肪酸又はその金属塩である場合、カルボキシル基側から数えて1つ目以降の炭素に最初の炭素−炭素二重結合を有することが好ましく、2つ目以降の炭素に最初の炭素−炭素二重結合を有することがより好ましく、3つ目以降の炭素に最初の炭素−炭素二重結合を有することがさらに好ましく、4つ目以降の炭素に最初の炭素−炭素二重結合を有することが特に好ましい。この不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(d)を含むゴム組成物では、共架橋剤(b)との付加反応が促進され、高反発のコア4が得られる。
好ましくは、不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(d)は、下記式(1)で表される。
Figure 0006816493

(式(1)中、R1は、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアルキル基を表す。R2は、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアルキレン基を表す。R3は、置換基を有していてもよい炭素数2〜25のアルキレン基を表す。mは、0〜5の自然数を表す。mが2〜5の場合、複数あるR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
上記式(1)においてR1がアルキル基の場合、このアルキル基R1は、直鎖状であってもよく、分岐構造又は環状構造を有してもよい。直鎖状のアルキル基R1が好ましい。このアルキル基R1の炭素数は、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、5以上が特に好ましい。このアルキル基R1の炭素数は、25以下が好ましく、23以下がより好ましく、21以下が特に好ましい。アルキル基R1が有する官能基として、ヒドロキシ基、アルデヒド基、ケトン基等が例示される。
上記式(1)中、R2で示されるアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐構造又は環状構造を有してもよい。直鎖状のアルキレン基R2が好ましい。このアルキレン基R2の炭素数は、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、5以上が特に好ましい。このアルキレン基R2の炭素数は、25以下が好ましく、23以下がより好ましく、21以下が特異好ましい。アルキレン基R2が有する官能基として、ヒドロキシ基、アルデヒド基、ケトン基等が例示される。
上記式(1)中、R3で示されるアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐構造又は環状構造を有してもよい。直鎖状のアルキレン基R3が好ましい。このアルキレン基R3の炭素数は、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上が特に好ましい。このアルキレン基R3の炭素数は、25以下が好ましく、23以下がより好ましく、21以下が特異好ましい。アルキレン基R3が有する官能基として、ヒドロキシ基、アルデヒド基、ケトン基等が例示される。
上記式(1)中のmとしては、3以下が好ましく、2以下がより好ましく、1以下がさらに好ましく、0が特に好ましい。
上記式(1)で表される化合物の中でも、下記式(2)又は(3)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0006816493

(式(2)中、R11は、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアルキル基を表す。R12は、置換基を有していてもよい炭素数2〜25のアルキレン基を表す。)
上記式(2)においてR11がアルキル基の場合、このアルキル基R11は、直鎖状であってもよく、分岐構造又は環状構造を有してもよい。直鎖状のアルキル基R11が好ましい。このアルキル基R11が有する官能基として、ヒドロキシ基、アルデヒド基、ケトン基等が例示される。
上記式(2)中、R12で示されるアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐構造又は環状構造を有してもよい。直鎖状のアルキレン基R12が好ましい。このアルキレン基R12が有する官能基として、ヒドロキシ基、アルデヒド基、ケトン基等が例示される。
上記式(2)においてR11がアルキル基の場合、アルキル基R11の炭素数とアルキレン基R12の炭素数との比(R11/R12)は、0.1以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.8以上が特に好ましい。この比(R11/R12)は、10.0以下が好ましく、5.0以下がより好ましく、1.3以下が特に好ましい。比(R11/R12)が上記範囲内であれば、高反発のコア4が得られる。
Figure 0006816493

(式(3)中、R21は、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアルキル基を表す。R22は、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアルキレン基を表す。R23は、置換基を有していてもよい炭素数2〜25のアルキレン基を表す。)
上記式(3)においてR21がアルキル基の場合、このアルキル基R21は、直鎖状であってもよく、分岐構造又は環状構造を有してもよい。直鎖状のアルキル基R21が好ましい。このアルキル基R21が有する官能基として、ヒドロキシ基、アルデヒド基、ケトン基等が例示される。
上記式(3)中、R22で示されるアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐構造又は環状構造を有してもよい。直鎖状のアルキレン基R22が好ましい。このアルキレン基R22が有する官能基として、ヒドロキシ基、アルデヒド基、ケトン基等が例示される。このアルキレン基R22の炭素数は、25以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下が特に好ましい。アルキレン基R22の好ましい具体例は、メチレン基及びエチレン基であり、メチレン基がより好ましい。
上記式(3)中、R23で示されるアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐構造又は環状構造を有してもよい。直鎖状のアルキレン基R23が好ましい。このアルキレン基R23が有する官能基として、ヒドロキシ基、アルデヒド基、ケトン基等が例示される。
上記式(3)においてR21がアルキル基の場合、このアルキル基R21の炭素数とアルキレン基R23の炭素数との比(R21/R23)は、0.1以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.8以上が特に好ましい。この比(R21/R23)は、10.0以下が好ましく、5.0以下がより好ましく、1.3以下が特に好ましい。比(R21/R23)が上記範囲内であれば、共架橋剤(b)との付加反応が効率的に生じるため、高反発のコア4が得られる。
直鎖状の不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(d)が好ましい。この直鎖状の不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(d)として、例えば、炭化水素鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有する不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩、トランス型配置の炭素−炭素二重結合を少なくとも一つ有する不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩、シス型配置の炭素−炭素二重結合を少なくとも一つ有する不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩が挙げられる。共架橋剤(b)との反応性が高く、高反発のコア4が得られるとの観点から、シス型配置の炭素−炭素二重結合を少なくとも一つ有する不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩が、より好ましい。
不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(d)を構成する不飽和脂肪酸の具体例としては、4−ペンテン酸(C5、モノ不飽和脂肪酸、(4))、5−ヘキセン酸(C6、モノ不飽和脂肪酸、(5))、6−ヘプテン酸(C7、モノ不飽和脂肪酸、(6))、7−オクテン酸(C8、モノ不飽和脂肪酸、(7))、8−ノネン酸(C9、モノ不飽和脂肪酸、(8))、9−デセン酸(C10、モノ不飽和脂肪酸、(9))、10−ウンデシレン酸(C11、モノ不飽和脂肪酸、(10))等の末端に二重結合を有する不飽和脂肪酸;ミリストレイン酸(C14、cis-9-モノ不飽和脂肪酸、(9))、パルミトレイン酸(C16、cis-9-モノ不飽和脂肪酸、(9))、ステアリドン酸(C18、6,9,12,15-テトラ不飽和脂肪酸、(6))、バクセン酸(C18、cis-11-モノ不飽和脂肪酸、(11))、オレイン酸(C18、cis-9-モノ不飽和脂肪酸、(9))、リシノール酸(C18,12−ヒドロキシ−cis-9-モノ不飽和脂肪酸)、エライジン酸(C18、trans-9-モノ不飽和脂肪酸、(9))、リノール酸(C18、cis-9-cis-12-ジ不飽和脂肪酸、(9))、α−リノレン酸(C18、9,12,15-トリ不飽和脂肪酸、(9))、γ−リノレン酸(C18、6,9,12-トリ不飽和脂肪酸、(6))、ガドレイン酸(C20、cis-9-モノ不飽和脂肪酸、(9))、エイコセン酸(C20、cis-11-モノ不飽和脂肪酸、(11))、エイコサジエン酸(C20、cis-11-cis-14-ジ不飽和脂肪酸、(11))、アラキドン酸(C20、5,8,11,14-テトラ不飽和脂肪酸、(5))、エイコサペンタエン酸(C20、5,8,11,14,17-ペンタ不飽和脂肪酸、(5))、エルカ酸(C22、cis-13-モノ不飽和脂肪酸、(13))、ドコサヘキサエン酸(C22、4,7,10,13,16,19-ヘキサ不飽和脂肪酸、(4))、ネルボン酸(C24、cis-15-モノ不飽和脂肪酸、(15))等の末端以外に二重結合を有する不飽和脂肪酸が挙げられる。なお、各化合物名に付記した括弧内の(10)等は、不飽和脂肪酸のカルボキシ基側から数えて最初の炭素−炭素二重結合を有する炭素の位置を示している。これらの中でも、10−ウンデシレン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、エイコセン酸、エルカ酸及びネルボン酸がより好ましい。
不飽和脂肪酸金属塩(d)を構成する金属成分の例として、ナトリウム、カリウム、リチウム等一価の金属イオン;マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウム等二価の金属イオン;アルミニウム等三価の金属イオン;スズ、ジルコニウム等その他のイオンが挙げられる。不飽和脂肪酸金属塩(d)が、二種以上の金属成分を含んでもよい。共架橋剤(b)との反応性の観点から、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウム等二価の金属イオンが好ましく、亜鉛がより好ましい。
高反発のコア4が得られるとの観点から、不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(d)の配合量は、100質量部の基材ゴム(a)に対して、1.0質量部以上が好ましく、2.0質量部以上がより好ましく、3.0質量部以上が特に好ましい。コア4が柔らかくなりすぎず、ゴルフボール2の耐久性及び反発性能が損なわれないとの観点から、この配合量は、35質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、25質量部以下がさらに好ましく、20質量部以下が特に好ましく、17質量部以下が最も好ましい。
共架橋剤(b)が有するカルボキシル基(−COOH)及びカルボキシレート基(−COO−)の総モル数に対する、不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(d)が有するカルボキシル基及びカルボキシレート基の総モル数の比[(d)/(b)]としては、0.01以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.03以上がさらに好ましい。この比[(d)/(b)]は、0.25以下が好ましく、0.20以下がより好ましく、0.18以下がさらに好ましい。
ゴム組成物には、必要に応じて、飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(e)が配合されうる。飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(e)により、ゴム組成物中における各成分の分散性が改良される。この飽和脂肪酸及び/又はその金属塩を構成する脂肪酸成分としては、特に限定されず、直鎖飽和脂肪酸、分岐鎖を有する飽和脂肪酸のいずれであってもよい。二種以上の飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(e)を併用してもよい。
飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(e)を構成する脂肪酸成分の炭素数は、4以上が好ましく、12以上がより好ましく、16以上が特に好ましい。この脂肪酸成分の炭素数は、30以下が好ましく、28以下がより好ましく、26以下が特に好ましい。
飽和脂肪酸の具体例として、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、ヘンイコサン酸、ドコサン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸、ヘプタコサン酸、オクタコサン酸、ノナコサン酸、トリアコンタン酸等が挙げられる。ゴム組成物に、二種以上の飽和脂肪酸が配合されてもよい。
飽和脂肪酸金属塩を構成する金属成分の例として、ナトリウム、カリウム、リチウム、銀等一価の金属イオン;マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウム、銅、コバルト、ニッケル、マンガン等二価の金属イオン;アルミニウム、鉄等三価の金属イオン;スズ、ジルコニウム、チタン等その他のイオンが挙げられる。飽和脂肪酸金属塩は、二種以上の金属成分を含みうる。
各成分の分散性向上の観点から、飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(e)の配合量は、100質量部の基材ゴム(a)に対して、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上が特に好ましい。ゴム組成物の物性値の変化が抑制されるとの観点から、飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(e)の配合量は、5.0質量部以下が好ましく、4.5質量部以下がより好ましく、3.5質量部以下が特に好ましい。
炭素数3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸とともに配合される金属化合物(f)として、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化銅等の金属水酸化物;酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化銅等の金属酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム等の金属炭酸化物が例示される。炭素数3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸を反応して、金属架橋を形成することができる二価の金属を含む化合物が好ましい。コア4の反発性向上の観点から、より好ましい金属化合物(f)は、亜鉛化合物である。必要に応じて、二種以上の金属化合物(f)を併用してもよい。
金属化合物(f)の配合量は、ゴム組成物中のカルボキシル基の中和度Nに応じて、適宜調整される。コアの圧縮変形量を変化させず、ゴルフボール2の耐久性が維持されるとの観点から、好ましくは、この中和度Nが100モル%以上、より好ましくは105モル%以上、さらに好ましくは108モル%以上、特に好ましくは110モル%以上となるように、金属化合物(f)の配合量が調整される。また、得られるコアが柔らかくなりすぎず、ゴルフボール2の反発性能が損なわれないとの観点から、好ましくは、この中和度Nが300モル%以下、より好ましくは270モル%以下、さらに好ましくは250モル%以下、特に好ましくは200モル%以下となるように金属化合物(f)の配合量が調整される。
本願明細書において、ゴム組成物中のカルボキシル基とは、炭素数3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸(b)及び不飽和脂肪酸(d)に由来するカルボキシル基であり、このゴム組成物が飽和脂肪酸(e)を含む場合、この飽和脂肪酸(e)に由来するカルボキシル基を含む概念である。このゴム組成物中のカルボキシル基の中和度Nは、下記式により定義される。
N(モル%)=[Σ(Mc×Vc)/Σ(Ma×Va)]×100
(式中、Mcは陽イオン成分のモル数であり、Vcは陽イオン成分の価数であり、Σ(Mc×Vc)は、(b)成分の金属イオンのモル数と金属イオンの価数との積、(d)成分の金属イオンのモル数と金属イオンの価数との積及び(f)成分の金属イオンのモル数と金属イオンの価数との積の合計である。なお、ゴム組成物が(e)成分を含有する場合、この(e)成分の金属イオンのモル数と金属イオンの価数との積が加算される。
Maは陰イオン成分のモル数であり、Vaは陰イオン成分の価数であり、Σ(Ma×Va)は、(b)成分のカルボキシル基のモル数及び(d)成分のカルボキシル基のモル数の合計である。なお、ゴム組成物が(e)成分を含有する場合、この(e)成分のカルボキシル基のモル数が加算される。)
好ましくは、コア4のゴム組成物は、有機硫黄化合物(g)を含む。有機硫黄化合物(g)はコア4の反発性向上に寄与する。分子内に硫黄原子を有する有機化合物であれば、有機硫黄化合物(g)の種類は特に限定されない。例えば、チオール基(−SH)又は硫黄数が2〜4のポリスルフィド結合(−S−S−、−S−S−S−、−S−S−S−S−)を有する有機化合物及びこれらの金属塩(−SM、−S−M−S−、−S−M−S−S−、−S−S−M−S−S−、−S−M−S−S−S−等、Mは金属原子)を挙げることができる。金属塩としては、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、銅(I)、銀(I)のような1価の金属塩;亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン(II)、マンガン(II)、鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、ジルコニウム(II)、スズ(II)のような2価の金属塩等が挙げられる。有機硫黄化合物(g)は、脂肪族化合物(脂肪族チオール、脂肪族チオカルボン酸、脂肪族ジチオカルボン酸、脂肪族ポリスルフィド等)、複素環式化合物、脂環式化合物(脂環式チオール、脂環式チオカルボン酸、脂環式ジチオカルボン酸、脂環式ポリスルフィド等)及び芳香族化合物のいずれであってもよい。
好適な有機硫黄化合物(g)として、チオール類、ポリスルフィド類、チウラム類、チオカルボン酸類、ジチオカルボン酸類、スルフェンアミド類、ジチオカルバミン酸塩類、チアゾール類等が例示される。二種以上が併用されてもよい。
チオール類の例として、チオフェノール類及びチオナフトール類が挙げられる。チオフェノール類としては、例えば、チオフェノール;4−フルオロチオフェノール、2,4−ジフルオロチオフェノール、2,5−ジフルオロチオフェノール、2,6−ジフルオロチオフェノール、2,4,5−トリフルオロチオフェノール、2,4,5,6−テトラフルオロチオフェノール、ペンタフルオロチオフェノール等フルオロ基で置換されたチオフェノール類;2−クロロチオフェノール、4−クロロチオフェノール、2,4−ジクロロチオフェノール、2,5−ジクロロチオフェノール、2,6−ジクロロチオフェノール、2,4,5−トリクロロチオフェノール、2,4,5,6−テトラクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノール等クロロ基で置換されたチオフェノール類;4−ブロモチオフェノール、2,4−ジブロモチオフェノール、2,5−ジブロモチオフェノール、2,6−ジブロモチオフェノール、2,4,5−トリブロモチオフェノール、2,4,5,6−テトラブロモチオフェノール、ペンタブロモチオフェノール等ブロモ基で置換されたチオフェノール類;4−ヨードチオフェノール、2,4−ジヨードチオフェノール、2,5−ジヨードチオフェノール、2,6−ジヨードチオフェノール、2,4,5−トリヨードチオフェノール、2,4,5,6−テトラヨードチオフェノール、ペンタヨードチオフェノール等ヨード基で置換されたチオフェノール類及びこれらの金属塩が挙げられる。金属塩としては、亜鉛塩が好ましい。
チオナフトール類(ナフタレンチオール類とも称される)の例としては、2−チオナフトール、1−チオナフトール、1−クロロ−2−チオナフトール、2−クロロ−1−チオナフトール、1−ブロモ−2−チオナフトール、2−ブロモ−1−チオナフトール、1−フルオロ−2−チオナフトール、2−フルオロ−1−チオナフトール、1−シアノ−2−チオナフトール、2−シアノ−1−チオナフトール、1−アセチル−2−チオナフトール、2−アセチル−1−チオナフトール及びこれらの金属塩が挙げられる。2−チオナフトール、1−チオナフトール及びこれらの金属塩が好ましい。金属塩として、好ましくは2価の金属塩であり、より好ましくは亜鉛塩である。チオナフトール類の金属塩の具体例としては、1−チオナフトールの亜鉛塩、2−チオナフトールの亜鉛塩が挙げられる。
ポリスルフィド類とは、ポリスルフィド結合を有する有機硫黄化合物であり、例えば、ジスルフィド類、トリスルフィド類、テトラスルフィド類等が挙げられる。ジフェニルポリスルフィド類が好ましい。
ジフェニルポリスルフィド類の例として、ジフェニルジスルフィド;ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジフルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジフルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5−トリフルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5,6−テトラフルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(ペンタフルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5−トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5,6−テトラクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(ペンタクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5−トリブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5,6−テトラブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヨードフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジヨードフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジヨードフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5−トリヨードフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5,6−テトラヨードフェニル)ジスルフィド、ビス(ペンタヨードフェニル)ジスルフィド等ハロゲン基で置換されたジフェニルジスルフィド類;ビス(4−メチルフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5−トリメチルフェニル)ジスルフィド、ビス(ペンタメチルフェニル)ジスルフィド、ビス(4−t−ブチルフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5−トリ−t−ブチルフェニル)ジスルフィド、ビス(ペンタ−t−ブチルフェニル)ジスルフィド等アルキル基で置換されたジフェニルジスルフィド類等が挙げられる。
チウラム類の例として、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラムモノスルフィド類、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラムテトラスルフィド類が挙げられる。チオカルボン酸類としては、例えば、ナフタレンチオカルボン酸が挙げられる。ジチオカルボン酸類としては、例えば、ナフタレンジチオカルボン酸が挙げられる。スルフェンアミド類としては、例えば、N−シクロへキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等が挙げられる。
好ましい有機硫黄化合物(g)は、チオフェノール類及び/又はその金属塩、チオナフトール類及び/又はその金属塩、ジフェニルジスルフィド類、チウラムジスルフィド類である。2,4−ジクロロチオフェノール、2,6−ジフルオロチオフェノール、2,6−ジクロロチオフェノール、2,6−ジブロモチオフェノール、2,6−ジヨードチオフェノール、2,4,5−トリクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノール、1−チオナフトール、2−チオナフトール、ジフェニルジスルフィド、ビス(2,6−ジフルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジヨードフェニル)ジスルフィド及びビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィドがより好ましい。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、有機硫黄化合物(g)の量は、100質量部の基材ゴム(a)に対して0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.2質量部以上が特に好ましい。この量は5.0質量部以下が好ましく、3.0質量部以下がより好ましく、2.0質量部以下が特に好ましい。二種以上の有機硫黄化合物(g)を併用する場合、その合計量が有機硫黄化合物(g)の量とされる。
本発明の目的が達成される範囲内で、コア4のゴム組成物に、充填剤、着色剤、老化防止剤、しゃく解剤、軟化剤、架橋ゴム粉末、合成樹脂粉末を適量配合することも可能である。充填剤は、主として、コア4の比重調整のために添加される。好適な充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タングステン粉末、モリブデン粉末等が例示される。
好適な着色剤の例としては、白色顔料、青色顔料、紫色顔料等が挙げられる。代表的な白色顔料は、二酸化チタンであり、隠蔽性の高いルチル型が好ましい。白色顔料として二酸化チタンを使用する場合、その配合量は、100質量部の基材ゴム(a)に対して、0.5質量部以上8.0質量部以下が好ましい。白色顔料とともに、青色顔料が併用されることにより、より鮮やかな白色が得られる。青色顔料として、例えば、群青、コバルト青、フタロシアニンブルー等が挙げられる。100質量部の基材ゴム(a)に対する青色顔料の好ましい配合量は、0.001質量部以上0.2質量部以下である。紫色顔料の例としては、アントラキノンバイオレット、ジオキサジンバイオレット、メチルバイオレット等が挙げられる。
好ましくは、100質量部の基材ゴム(a)に対する老化防止剤の配合量は、0.1質量部以上1.0質量部以下である。好ましくは、100質量部の基材ゴム(a)に対するしゃく解剤の配合量は、0.1質量部以上5.0質量部以下である。
各成分を配合してなるゴム組成物を金型内で加熱及び加圧することにより、球状のコア4が得られる。コア4に適正な硬度分布が形成されるとの観点から、加熱温度は、150℃±10℃以上が好ましく、150℃±5℃がより好ましい。好ましい加熱時間は、10分以上60分以下である。好ましくは、2.9MPa以上11.8MPa以下の加圧下で、ゴム組成物が加熱される。
好ましくは、球状のコア4は、下記式(4)で表される構造の化合物を含む。この化合物を含んでなるコア4は、高反発である。下記式(4)に含まれるカルボキシル基が、金属イオンによって中和されていてもよい。このカルボキシル基が、他の化合物と金属架橋を形成するものであってもよい。
Figure 0006816493

(式(4)中、R31は、水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜25のアルキル基を表す。R32は、置換されていてもよい炭素数2〜25のアルキレン基を表す。R33は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。R34は、水素原子、カルボキシル基又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。*は、基材ゴム(a)中の炭素原子に結合する位置を表す。nは、1以上の自然数を表す。nが2以上の場合、複数あるR33及びR34は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
上記式(4)においてR31がアルキル基の場合、このアルキル基R31は、直鎖状であってもよく、分岐構造又は環状構造を有してもよい。直鎖状のアルキル基R31が好ましい。このアルキル基R31が有する官能基として、ヒドロキシ基、アルデヒド基、ケトン基等が例示される。このアルキル基R31の炭素数は、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、5以上が特に好ましい。アルキル基R31の炭素数は、25以下が好ましく、23以下がより好ましく、21以下が特に好ましい。
上記式(4)中、R32で表されるアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐構造又は環状構造を有してもよい。直鎖状のアルキル基R32が好ましい。このアルキレン基R32が有する官能基として、ヒドロキシ基、アルデヒド基、ケトン基等が例示される。アルキレン基R32の炭素数は、2以上が好ましく、4以上がより好ましく、5以上が特に好ましい。アルキレン基R32の炭素数は、25以下が好ましく、23以下がより好ましく、21以下が特に好ましい。
上記式(4)においてR33がアルキル基の場合、このアルキル基R33は、直鎖状であってもよく、分岐構造又は環状構造を有してもよい。直鎖状のアルキル基R33が好ましい。このアルキル基R33の炭素数は、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上が特に好ましい。アルキル基R33の炭素数は、5以下が好ましく、4以下がより好ましい。
上記式(4)においてR34がアルキル基の場合、このアルキル基R34は、直鎖状であってもよく、分岐構造又は環状構造を有してもよい。直鎖状のアルキル基R34が好ましい。このアルキル基R34の炭素数は、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上が特に好ましい。アルキル基R34の炭素数は、5以下が好ましく、4以下がより好ましい。
上記式(4)においてR33及びR34がともにアルキル基の場合、アルキル基R33の炭素数とアルキル基R34の炭素数との合計は、5以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下が特に好ましい。
上記式(4)においてR31がアルキル基の場合、アルキル基R31の炭素数とアルキレン基R32の炭素数との合計は、8以上が好ましく、10以上がより好ましく、12以上が特に好ましい。この合計は、28以下が好ましく、26以下がより好ましく、24以下が特に好ましい。アルキル基R31の炭素数とアルキレン基R32の炭素数との合計が上記範囲内であれば、高反発のコア4が得られる。
上記式(4)においてR31がアルキル基の場合、アルキル基R31の炭素数とアルキレン基R32の炭素数との比(R31/R32)は、0.1以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.8以上が特に好ましい。この比(R31/R32)は、10.0以下が好ましく、5.0以下がより好ましく、1.3以下が特に好ましい。この比(R31/R32)が上記範囲内であれば、高反発のコア4が得られる。
中間層6は、熱可塑性樹脂組成物から成形されている。この樹脂組成物の基材樹脂として、アイオノマー樹脂、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー及び熱可塑性ポリスチレンエラストマーが例示される。より好ましい基材樹脂は、アイオノマー樹脂である。アイオノマー樹脂は、高弾性である。アイオノマー樹脂を含む樹脂組成物からなる中間層6は、ゴルフボール2の反発性能に寄与する。この中間層6を備えたゴルフボール2がドライバーで打撃されたときの飛距離は、大きい。
アイオノマー樹脂と他の樹脂とが併用されてもよい。併用される場合は、反発性能の観点から、アイオノマー樹脂が基材樹脂の主成分とされる。全基材樹脂に対するアイオノマー樹脂の比率は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、85%以上が特に好ましい。
好ましいアイオノマー樹脂として、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体が挙げられる。好ましい二元共重合体は、80質量%以上90質量%以下のα−オレフィンと、10質量%以上20質量%以下のα,β−不飽和カルボン酸とを含む。この二元共重合体は、反発性能に優れる。好ましい他のアイオノマー樹脂として、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸と炭素数が2以上22以下のα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体が挙げられる。好ましい三元共重合体は、70質量%以上85質量%以下のα−オレフィンと、5質量%以上30質量%以下のα,β−不飽和カルボン酸と、1質量%以上25質量%以下のα,β−不飽和カルボン酸エステルとを含む。この三元共重合体は、反発性能に優れる。二元共重合体と三元共重合体とを混合して用いてもよい。
これら二元共重合体及び三元共重合体中のα−オレフィンとしては、炭素数が2以上8以下のオレフィンが好ましく、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等が挙げられる。エチレン及びプロピレンが好ましい。炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸等が例示される。アクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。炭素数が2以上22以下のα,β−不飽和カルボン酸エステルの例としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチルエステル等が挙げられる。アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルが好ましい。
二元共重合体及び三元共重合体中に含まれるカルボキシル基の少なくとも一部は、金属イオンで中和されている。中和のための金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及びネオジムイオンが例示される。中和が、二種以上の金属イオンでなされてもよい。ゴルフボール2の反発性能及び耐久性の観点から特に好適な金属イオンは、ナトリウムイオン、亜鉛イオン、リチウムイオン及びマグネシウムイオンである。
反発性能の観点から、特に好ましいアイオノマー樹脂は、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属イオン中和物、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属イオン中和物又はこれらの混合物である。
アイオノマー樹脂の具体例として、三井・デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1555」、「ハイミラン1557」、「ハイミラン1605」、「ハイミラン1706」、「ハイミラン1707」、「ハイミラン1856」、「ハイミラン1855」、「ハイミランAM7311」、「ハイミランAM7315」、「ハイミランAM7317」、「ハイミランAM7329」及び「ハイミランAM7337」;デュポン社の商品名「サーリン6120」、「サーリン6910」、「サーリン7930」、「サーリン7940」、「サーリン8140」、「サーリン8150」、「サーリン8940」、「サーリン8945」、「サーリン9120」、「サーリン9150」、「サーリン9910」、「サーリン9945」、「サーリンAD8546」、「HPF1000」及び「HPF2000」;並びにエクソンモービル化学社の商品名「IOTEK7010」、「IOTEK7030」、「IOTEK7510」、「IOTEK7520」、「IOTEK8000」及び「IOTEK8030」が挙げられる。二種以上のアイオノマー樹脂が併用されてもよい。
中間層6の樹脂組成物が、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーを含んでもよい。スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしてのポリスチレンブロックと、ソフトセグメントとを備えている。典型的なソフトセグメントは、ジエンブロックである。ジエンブロックの化合物として、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンが例示される。ブタジエン及びイソプレンが好ましい。2以上の化合物が併用されてもよい。
スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーには、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、SBSの水添物、SISの水添物及びSIBSの水添物が含まれる。SBSの水添物として、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)が挙げられる。SISの水添物として、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)が挙げられる。SIBSの水添物として、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)が挙げられる。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーにおけるスチレン成分の含有率は10質量%以上が好ましく、12質量%以上がより好ましく、15質量%以上が特に好ましい。ドライバーショットでの打球感の観点から、この含有率は50質量%以下が好ましく、47質量%以下がより好ましく、45質量%以下が特に好ましい。
本発明において、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーには、SBS、SIS、SIBS、SEBS、SEPS及びSEEPSからなる群から選択された1種又は二種以上と、オレフィンとのアロイが含まれる。このアロイ中のオレフィン成分は、他の基材樹脂との相溶性向上に寄与すると推測される。このアロイは、ゴルフボール2の反発性能に寄与しうる。炭素数が2以上10以下のオレフィンが好ましい。好適なオレフィンとして、エチレン、プロピレン、ブテン及びペンテンが例示される。エチレン及びプロピレンが特に好ましい。
ポリマーアロイの具体例として、三菱化学社の商品名「ラバロンT3221C」、「ラバロンT3339C」、「ラバロンSJ4400N」、「ラバロンSJ5400N」、「ラバロンSJ6400N」、「ラバロンSJ7400N」、「ラバロンSJ8400N」、「ラバロンSJ9400N」及び「ラバロンSR04」が挙げられる。スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーの他の具体例として、ダイセル化学工業社の商品名「エポフレンドA1010」及びクラレ社の商品名「セプトンHG−252」が挙げられる。
ドライバーショットでの打球感の観点から、全基材樹脂に対するスチレンブロック含有熱可塑性エラストマーの比率は、3質量%以上が好ましく、5質量%以上が特に好ましい。ドライバーショットでのスピン抑制の観点から、この比率は30質量%以下が好ましく、27質量%以下がより好ましく、25質量%以下が特に好ましい。
中間層6の樹脂組成物が、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の充填剤を含んでもよい。この樹脂組成物が、充填剤として、タングステン、モリブデン等の高比重金属からなる粉末を含んでもよい。充填剤の量は、中間層6の意図した比重が達成されるように適宜決定される。この樹脂組成物が、さらに、二酸化チタン等の着色剤、架橋ゴム粉末又は合成樹脂粉末を含んでもよい。
中間層6の形成には、射出成形法、圧縮成形法等の既知の手法が採用されうる。
カバー8には、樹脂組成物が好適に用いられる。カバー8の樹脂組成物の基材樹脂としては、ウレタン樹脂又はウレア樹脂が好ましく、ウレタン樹脂がより好ましい。ウレタン樹脂の主成分はポリウレタンである。ポリウレタンは、軟質である。ポリウレタンを含む樹脂組成物からなるカバー8は、アプローチショット時のコントロール性に寄与する。このカバー8を備えたゴルフボール2がショートアイアンで打撃されたとき、大きなスピン速度が得られる。ポリウレタンは、カバー8の耐擦傷性能にも寄与する。ポリウレタンは、パター又はショートアイアンで打撃されたときの優れた打球感にも寄与しうる。
カバー8の樹脂組成物のより好ましい基材樹脂は、熱可塑性ポリウレタンエラストマーである。熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、ハードセグメントとしてのポリウレタン成分と、ソフトセグメントとしてのポリエステル成分又はポリエーテル成分とを含む。ポリウレタン成分のためのイソシアネートとしては、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート及び脂肪族ジイソシアネートが例示される。二種以上のジイソシアネートが併用されてもよい。
脂環式ジイソシアネートとしては、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びトランス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)が例示される。汎用性及び加工性の観点から、H12MDIが好ましい。
芳香族ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びトルエンジイソシアネート(TDI)が例示される。脂肪族ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が例示される。
特に、脂環式ジイソシアネートが好ましい。脂環式ジイソシアネートは主鎖に二重結合を有さないので、カバー8の黄変が抑制される。しかも、脂環式ジイソシアネートは強度に優れるので、カバー8の損傷が抑制される。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーの具体例としては、BASFジャパン社の商品名「エラストランNY80A」、「エラストランNY82A」、「エラストランNY84A」、「エラストランNY85A」、「エラストランNY88A」、「エラストランNY90A」、「エラストランNY97A」、「エラストランNY585」、「エラストランXKP016N」、「エラストラン1195ATR」、「エラストランET890A」及び「エラストランET88050」;並びに大日精化工業社の商品名「レザミンP4585LS」及び「レザミンPS62490」が挙げられる。カバー8の小さな硬度が達成されうるとの観点から、「エラストランNY80A」、「エラストランNY82A」、「エラストランNY84A」、「エラストランNY85A」、「エラストランNY90A」及び「エラストランNY97A」が特に好ましい。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーと他の樹脂とが併用されてもよい。併用されうる樹脂としては、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマー及びアイオノマー樹脂が挙げられる。熱可塑性ポリウレタンエラストマーと他の樹脂とが併用される場合、スピン性能及び耐擦傷性能の観点から、熱可塑性ポリウレタンエラストマーが基材樹脂の主成分とされる。全基材樹脂に占める熱可塑性ポリウレタンエラストマーの比率は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、85質量%以上が特に好ましい。
カバー8には、必要に応じ、白色顔料(例えば、二酸化チタン)、青色顔料、赤色顔料等の顔料成分、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の重量調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等が、適量配合されうる。
カバー8の形成には、射出成形法、圧縮成形法等の既知の手法が採用されうる。カバー8の成形時に、成形型のキャビティ面に形成されたピンプルにより、ディンプル12が形成される。
ゴルフボール2が、中間層6とカバー8との間に、補強層を備えてもよい。補強層は、中間層6と堅固に密着し、カバー8とも堅固に密着する。補強層は、中間層6からのカバー8の剥離を抑制する。補強層は、樹脂組成物から形成されている。この樹脂組成物の好ましい基材樹脂として、二液硬化型エポキシ樹脂及び二液硬化型ウレタン樹脂が例示される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
100質量部のハイシスポリブタジエン(JSR社の商品名「BR−730」)、33質量部のアクリル酸亜鉛(日触テクノファインケミカル社製の商品名「ZN−DA90S」)、5.4質量部の酸化亜鉛(東邦亜鉛社製の商品名「銀嶺R」)、0.30質量部のビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィド(川口化学工業社製)、0.8質量部のジクミルパーオキサイド(東京化成工業社製)、適量の硫酸バリウム(堺化学社製)及び3.0質量部のオレイン酸(東京化成工業社製)を混練して、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に投入し、150℃で20分間加熱して、直径が39.7mmであるコアS2を得た。所定の質量のゴルフボールが得られるように、硫酸バリウムの量を調整した。このコアS2の硬度分布が、表1に示されている。
47質量部のアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1605」)、50質量部の他のアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミランAM7329」)、3質量部のスチレンブロック含有熱可塑性エラストマー(三菱化学社の商品名「ラバロンT3221C」)及び3質量部の二酸化チタンを二軸混練押出機で混練し、中間層用の樹脂組成物M1を得た。押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm及びスクリューL/D=35とし、混練物を、押出機のダイの位置で160−230℃に加熱した。得られた樹脂組成物M1を射出成形法にてコアS2の周りに被覆し、厚さ1.0mmの中間層を形成した。この中間層のショアD硬度及びショアC硬度が、表5に示されている。
二液硬化型エポキシ樹脂を基材樹脂とする塗料組成物(神東塗料社の商品名「ポリン750LE)を調製した。この塗料組成物の主剤液は、30質量部のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、70質量部の溶剤とを含む。この塗料組成物の硬化剤液は、40質量部の変性ポリアミドアミンと、55質量部の溶剤と、5質量部の二酸化チタンとを含む。主剤液と硬化剤液との質量比は、1/1である。この塗料組成物を中間層の表面にスプレーガンで塗布し、23℃の雰囲気下で12時間保持して、厚み10μmの補強層を形成した。
100質量部の熱可塑性ポリウレタンエラストマー(BASFジャパン社製の「エラストランNY80A」)、0.2質量部のヒンダードアミン系光安定剤(チバジャパン社の商品名「チヌビン770」)、4質量部の二酸化チタン及び0.04質量部のウルトラマリンブルーを二軸混練押出機で前述の押出条件にて混練し、カバー用の樹脂組成物C1を得た。それぞれが半球状キャビティを備え、キャビティ面に多数のピンプルを備えた上型及び下型からなるファイナル金型に、コア、中間層及び補強層からなる球体を投入した。樹脂組成物C1を射出成形法にて補強層の周りに被覆して、厚み0.5mmのカバーを形成した。カバーには、ピンプルの形状が反転した形状を有するディンプルが形成された。このカバーの周りに二液硬化型ポリウレタンを基材とするクリアー塗料を塗装し、直径が約42.7mmであり質量が約45.6gである実施例1のゴルフボールを得た。カバーのショアD硬度が、表6に示されている。実施例1のゴルフボールについて算出された各硬度差が、表7に示されている。
[実施例2−17及び比較例1−7]
コア、中間層及びカバーの仕様を下記の表7−12に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−17及び比較例1−7のゴルフボールを得た。コアの組成及び硬度の詳細が、下記表1−4に示されている。中間層の組成と硬度が下記表5に示されている。カバーの組成と硬度が、下記表6に示されている。
[飛行性能:ドライバー(W#1)による打撃]
ゴルフラボラトリー社製のスイングロボットM/Cに、メタルヘッド製ドライバー(ダンロップスポーツ社の商品名「SRIXON Z−TX」、シャフト硬度:X、ロフト角:8.5°)を装着し、ヘッドスピード50m/秒でゴルフボールを打撃した。発射地点から静止地点までの飛距離(yard)、打撃直後のボール速度(m/秒)及びスピン速度(rpm)を測定した。各ゴルフボールについて12回ずつ測定して得られたデータの平均値をそのゴルフボールの測定値とした。このようにして得られたボール速度、スピン速度及び飛距離が下記表7−12に示されている。
[アプローチ性能:サンドウエッジ(SW)による打撃]
ゴルフラボラトリー社製のスイングロボットM/Cに、サンドウエッジ(ダンロップスポーツ社の商品名「XXIO」、シャフト硬度:R、ロフト角:56°)を取り付け、ヘッドスピード21m/秒でゴルフボールを打撃して、打撃直後のスピン速度(rpm)を測定した。各ゴルフボールについて12回ずつ測定して得られたデータの平均値が、下記表7−12に示されている。
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表1−4に記載された化合物の詳細は、以下の通りである。
BR730:JSR社製ハイシスポリブタジエンゴム(シス−1,4−結合含有量=96質量%、1,2−ビニル結合含有量=1.3質量%、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))=55、分子量分布(Mw/Mn)=3)
ZN−DA90S:日触テクノファインケミカル社製アクリル酸亜鉛(ステアリン酸亜鉛を10質量%含有)
酸化亜鉛:東邦亜鉛社製、「銀嶺R」
PBDS:川口化学工業社製ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィド
ジクミルパーオキサイド:東京化成工業社製
硫酸バリウム:堺化学社製、「硫酸バリウムBD」
オレイン酸:東京化成工業社製(不飽和脂肪酸、C18、(9)、式(2)中、R11の炭素数8、R12の炭素数7、比(R11/R12)=1.1)
オレイン酸亜鉛:三津和化学薬品社製(不飽和脂肪酸金属塩、C18、(9)、式(2)中、R11の炭素数8、R12の炭素数7、炭素数の比(R11/R12)=1.1)
エルカ酸:東京化成工業社製(不飽和脂肪酸、C22、(13)、式(2)中、R11の炭素数8、R12の炭素数11、炭素数の比(R11/R12)=0.7)
ミリストレイン酸:東京化成工業社製(不飽和脂肪酸、C14、(9)、式(2)中、R11の炭素数4、R12の炭素数7、炭素数の比(R11/R12)=0.6)
10−ウンデシレン酸:日東化成社製(不飽和脂肪酸、C11、(10)、式(2)中、R11の炭素数0、R12の炭素数8、炭素数の比(R11/R12)=0)
リシノール酸亜鉛:日東化成社製(不飽和脂肪酸金属塩、C18、(9)、式(2)中R11の炭素数8(OHがCから3つ目に1個)、R12の炭素数7、炭素数の比(R11/R12)=1.1)
ステアリン酸:東京化成工業社製(飽和脂肪酸)
ステアリン酸亜鉛:日本蒸溜社製(飽和脂肪酸金属塩)
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表7−12に示されるように、実施例に係るゴルフボールは、諸性能に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るゴルフボールは、ゴルフ場でのプレーや、ドライビングレンジにおけるプラクティスに用いられうる。
2・・・ゴルフボール
4・・・コア
6・・・中間層
8・・・カバー
10・・・ディンプル
12・・・ランド

Claims (13)

  1. 球状のコアと、このコアの外側に位置する中間層と、この中間層の外側に位置するカバーとを備えており、
    上記コアの中心点からの距離がこのコアの半径の75%である点の硬度H75が、このコアの中心点の硬度H0より大きく、この硬度H75と硬度H0との差D1=(H75−H0)が、ショアC硬度で10.0以上27.0以下であり、
    上記コアの表面の硬度Hsが上記硬度H75より大きく、この硬度Hsと硬度H75との差D2=(Hs−H75)が、ショアC硬度で0以上6.5以下であり、
    上記差D1に対する上記差D2の比(D2/D1)が、ショアC硬度で0.30以下であり、
    上記硬度H75が、上記中間層のショアC硬度HmCより小さく、
    上記中間層のショアD硬度HmDが、上記カバーのショアD硬度Hcより大きいゴルフボール。
  2. 上記差D1に対する上記差D2の比(D2/D1)が、ショアC硬度で0.25以下である請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 上記コアの中心点からの距離がこのコアの半径の25%である点の硬度H25が、上記硬度H0より大きく、この硬度H25と硬度H0との差D3=(H25−H0)が、ショアC硬度で7.0以上である請求項1又は2に記載のゴルフボール。
  4. 上記コアの中心点からの距離がこのコアの半径の50%である点の硬度H50と、上記硬度H25との差D4=(H50−H25)がショアC硬度で−3.0以上3.0以下である請求項1から3のいずれかに記載のゴルフボール。
  5. 上記硬度H75が上記硬度H50より大きく、この硬度H75と硬度H50との差D5=(H75−H50)が、ショアC硬度で6.0以上である請求項1から4のいずれかに記載のゴルフボール。
  6. 上記硬度HmCと上記硬度H75との差D6=(HmC−H75)が、ショアC硬度で7.0以上である請求項1から5のいずれかに記載のゴルフボール。
  7. 上記硬度HmCが上記硬度Hsより大きく、この硬度HmCと硬度Hsとの差D7=(HmC−Hs)が、ショアC硬度で4.0以上である請求項1から6のいずれかに記載のゴルフボール。
  8. 上記硬度HmDと上記硬度Hcとの差D8=(HmD−Hc)が、ショアD硬度で20.0以上である請求項1から7のいずれかに記載のゴルフボール。
  9. 上記コアがゴム組成物から形成されたものであり、このコアのゴム組成物が、(a)基材ゴム、(b)その炭素数が3以上8以下であるα,β−不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩である共架橋剤、(c)架橋開始剤、並びに(d)不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(その炭素数が3以上8以下であるα,β−不飽和カルボン酸及びその金属塩を除く)を含んでいる請求項1から8のいずれかに記載のゴルフボール。
  10. 上記不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(d)の、脂肪酸成分の炭素数が、4以上33以下である請求項9に記載のゴルフボール。
  11. 上記不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(d)が、1又は2の炭素−炭素二重結合を有している請求項9又は10に記載のゴルフボール。
  12. 上記共架橋剤(b)が有するカルボキシル基及びカルボキシレート基の総モル数に対する、上記不飽和脂肪酸及び/又はその金属塩(d)が有するカルボキシル基及びカルボキシレート基の総モル数の比[(d)/(b)]が0.01以上0.25以下である、請求項9から11のいずれかに記載のゴルフボール。
  13. 上記ゴム組成物中のカルボキシル基の中和度Nが100モル%以上300モル%以下である、請求項9から12のいずれかに記載のゴルフボール。
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