(本開示の基礎となった知見)
スイッチ装置として、例えば、特許文献1に示すように、多方向に入力が可能なスイッチ装置が知られている。
このような多方向に入力が可能なスイッチ装置においては、複数のスイッチが基板上に取り付けられている構成が採用されている。このような構成においては、ユーザが操作部材を操作することによって、基板上に取り付けられたスイッチを押圧し、スイッチのオン及びオフを切り替えている。
このため、操作部材の操作による負荷が、スイッチを介して基板にかかるため、基板が損傷する場合がある。
そこで、本発明者らは、耐久性を向上させるべく、基板とは別個の部材で形成されるベースにスイッチと操作部材とを取り付け、操作部材の回動及びベースの回動によって、スイッチのオンオフの切替が可能なスイッチ装置の構成を見出し、以下の発明に至った。
本発明の第1態様のスイッチ装置は、
ベースと、
第1方向に第1スイッチ面を有し、且つ前記ベースに取り付けられる第1スイッチと、
前記第1方向に前記第1スイッチ面と対向する第2スイッチ面を有し、且つ前記ベースに取り付けられる第2スイッチと、
前記第1方向と異なる第2方向に第3スイッチ面を有し、且つ前記ベースに取り付けられる第3スイッチと、
前記第1スイッチと前記第2スイッチとの間に配置され、且つ前記ベースに前記第1方向に回動可能に保持される操作部材と、
前記ベースを前記第2方向に回動可能に保持する取付部と、
を備え、
前記操作部材は、前記第1方向に回動し、前記第1及び第2スイッチ面をそれぞれ押圧することによって前記第1及び第2スイッチをオンにし、
前記ベースは、前記取付部に対して前記第2方向に相対的に回動し、前記第3スイッチ面を前記取付部に押圧することによって前記第3スイッチをオンにする。
本発明の第2態様のスイッチ装置においては、前記ベースの両側端には、前記操作部材が保持される側に延びるベース側壁が形成されており、
前記取付部は、前記ベース側に延びるリブを有し、
前記操作部材の回動は、前記ベース側壁によって制限され、
前記ベースの回動は、前記取付部の前記リブによって制限されてもよい。
本発明の第3態様のスイッチ装置においては、前記ベース及び前記操作部材に係合する第1の弾性体と、
前記取付部に配置され、且つ前記ベースに対して付勢する第2の弾性体と、
を備え、
前記操作部材が操作されていない状態において、
前記第1の弾性体は、前記第1及び第2スイッチ面から離れた位置に前記操作部材を保持し、
前記第2の弾性体は、前記ベースに対して付勢し、前記ベースを前記取付部に対して前記第2方向に相対的に回動させることによって、前記第3スイッチ面を前記取付部に押圧してもよい。
本発明の第4態様のスイッチ装置においては、前記操作部材の幅は、前記操作部材と前記ベースとが重なる方向から見て、操作可能な前記操作部材の一端に向かって小さくなっていてもよい。
本発明の第5態様のスイッチ装置においては、操作可能な前記操作部材の一端に着脱可能なカバーを備えていてもよい。
本発明の第6態様のスイッチ装置においては、前記第1スイッチ、前記第2スイッチ及び前記第3スイッチのうち少なくともいずれか一つは、前記ベースから取り外し可能であってもよい。
本発明の第7態様の誘導加熱調理器においては、
加熱プレートと、前記加熱プレートを加熱する本体と、を備える誘導加熱調理器であって、
前記本体は、前記誘導加熱調理器を操作する1つ又は複数のスイッチ装置を有し、
前記1つ又は複数のスイッチ装置は、
ベースと、
第1方向に第1スイッチ面を有し、且つ前記ベースに取り付けられる第1スイッチと、
前記第1方向に前記第1スイッチ面と対向する第2スイッチ面を有し、且つ前記ベースに取り付けられる第2スイッチと、
前記第1方向と異なる第2方向に第3スイッチ面を有し、且つ前記ベースに取り付けられる第3スイッチと、
前記第1スイッチと前記第2スイッチとの間に配置され、且つ前記ベースに前記第1方向に回動可能に保持される操作部材と、
前記ベースを前記第2方向に回動可能に保持する取付部と、
を備え、
前記操作部材は、前記第1方向に回動し、前記第1及び第2スイッチ面をそれぞれ押圧することによって前記第1及び第2スイッチをオンにし、
前記ベースは、前記取付部に対して前記第2方向に相対的に回動し、前記第3スイッチ面を前記取付部に押圧することによって前記第3スイッチをオンにし、
前記操作部材の一端は、前記本体に設けられた孔から前記本体の外側に露出している。
本発明の第8態様の誘導加熱調理器においては、前記1つ又は複数のスイッチ装置は、前記本体の前記孔の縁部と前記操作部材との間を封止する封止部材を有していてもよい。
本発明の第9態様の誘導加熱調理器においては、前記本体は、前記1つ又は複数のスイッチ装置の操作により入力された情報を制御する操作基板を有し、
前記1つ又は複数のスイッチ装置は、前記操作基板に設けられた切り欠きに配置されてもよい。
本発明の第10態様の誘導加熱調理器においては、前記1つ又は複数のスイッチ装置は、前記操作部材の前記一端に着脱可能なカバーを有していてもよい。
以下、本開示の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。また、各図においては、説明を容易なものとするため、各要素を誇張して示している。
(実施の形態1)
[全体構成]
本発明の実施の形態1に係るスイッチ装置の一例について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係るスイッチ装置1の一例の斜視図である。図2は、図1のスイッチ装置1の分解斜視図である。なお、図中において、X,Y及びZ方向は、それぞれ、スイッチ装置1の幅方向、長さ方向及び高さ方向を意味する。
図1及び図2に示すように、スイッチ装置1は、ベース11、複数のスイッチ12a、12b、12c、操作部材13、第1軸部14、取付部15、第2軸部16、及び弾性体17を備える。
[ベース]
ベース11は、複数のスイッチ12a、12b、12cと操作部材13とが取り付けられる板状の部材である。ベース11の上面側に、複数のスイッチ12a、12b、12c及び操作部材13が配置されている。
ベース11は、一端側の第1ベース部11aと、他端側の第2ベース部11bと、を有する。第2ベース部11bは、第1ベース部11aより幅が長い。
第1ベース部11aは、ベース11の厚み方向(Z方向)に貫通する孔が設けられている。第1ベース部11aの孔には、第1軸部14が挿入される。第1ベース部11aの両側端には、上面側、即ち操作部材13が配置される側に延びるベース側壁11cが形成されている。第2ベース部11bには、上面側に延びるベース後壁11dが形成されている。
[複数のスイッチ]
複数のスイッチ12a、12b、12cは、スイッチ面が押圧されることによってオンになるスイッチである。スイッチ面とは、スイッチのオンオフが操作される機構が設けられた面を意味する、複数のスイッチ12a、12b、12cとしては、例えば、スイッチ面にヒンジ及びボタンを備えたヒンジスイッチであってもよい。ヒンジスイッチは、ヒンジが押圧されることによって、ボタンが押され、スイッチをオンにする。
なお、本明細書において、スイッチのオンとは、機械的な接点どうしの接触を意味しており、制御におけるオンとは異なる。例えば、スイッチの接点が接触すること、即ち、スイッチをオンにすることによって、制御においてオフとなるように設計してもよい。
第1スイッチ12aは、第1方向(X方向)に第1スイッチ面を有し、且つベース11に取り付けられる。第2スイッチ12bは、第1方向(X方向)に第1スイッチ面と対向する第2スイッチ面を有し、且つベース11に取り付けられる。具体的には、第1スイッチ12a及び第2スイッチ12bは、ベース11の上面側において、第1方向に互いに間隔を有して配置されている。また、第1スイッチ面と第2スイッチ面は向き合っている。
第3スイッチ12cは、第1方向(X方向)と異なる第2方向(Z方向)に第3スイッチ面を有して、ベース11に取り付けられている。具体的には、第3スイッチ12cは、ベース11のベース後壁11dに取り付けられている。また、第3スイッチ12cの第3スイッチ面は、鉛直方向下向き、即ちベース11の底面側に向いている。
複数のスイッチ12a、12b、12cは、それぞれ、ケーブルを介して操作基板(図示なし)に接続される。なお、操作基板とは、複数のスイッチ12a、12b、12cの操作により入力された情報を制御する基板である。
[操作部材]
操作部材13は、第1スイッチ12aと第2スイッチ12bとの間に配置され、且つベース11に第1方向(X方向)に回動可能に保持される。具体的には、操作部材13は、ベース11の上面側において、第1スイッチ12aと第2スイッチ12bとの間で第1方向(X方向)に回動可能に保持されている。操作部材13は、ユーザなどによって操作されることによって、複数のスイッチ12a、12b、12cのオンオフを切り替える。
操作部材13の一端13aは、ユーザなどによって操作可能である。操作部材13の一端13aは、ベース11の第1ベース部11aから露出している。第1ベース部11aから露出した部分では、操作部材13は、屈曲して形成されている。実施の形態1では、操作部材13は、第1ベース部11aからベース11の底面側(Z方向)に向かって屈曲し、更にベース11の延びる方向(Y方向)に屈曲している。このように、操作部材13の一端13a側には、屈曲部が形成されている。
操作部材13の他端13bは、ベース11の第2ベース部11b上に配置されている。また、操作部材13の他端13bは、第1スイッチ12aと第2スイッチ12bとの間に配置されている。
操作部材13の幅は、操作部材13とベース11とが重なる方向(Z方向)から見て、操作部材13の一端13aに向かって小さくなっている。即ち、操作部材13のX方向の長さは、一端13aに向かって小さくなっている。
操作部材13の一端13aには、着脱可能なカバー18が取り付けられている。
実施の形態1では、操作部材13は、第1軸部14によってベース11の上面側で保持され、第1軸部14を中心として第1方向(X方向)に回動可能になっている。
例えば、ユーザなどが操作部材13の一端13aを第1方向、即ち左右方向に操作すると、操作部材13の他端13bが、第1軸部14を中心として、第1方向、即ち左右方向に回動する。操作部材13の一端13aを第1方向において右向きに操作した場合、操作部材13の他端13bは、第1軸部14を中心として、第1方向において左向きに回動する。操作部材13の一端13aを第1方向において左向きに操作した場合、操作部材13の他端13bは、第1軸部14を中心として、第1方向において右向きに回動する。
操作部材13が第1軸部14を中心として、左右方向に回動することによって、操作部材13の他端13bが第1スイッチ12a及び第2スイッチ12bのそれぞれのスイッチ面を押圧する。これにより、第1スイッチ12a及び第2スイッチ12bをオンにすることができる。
このように、操作部材13の第1方向(X方向)、即ち左右方向への回動によって、第1スイッチ12a及び第2スイッチ12bのオンオフを操作することができる。
操作部材13の回動は、ベース11のベース側壁11cによって制限される。
実施の形態1では、操作部材13の一端13aが操作されていない状態において、操作部材13は、弾性体19によって、操作部材13の他端13bを第1スイッチ12aの第1スイッチ面及び第2スイッチ12bの第2スイッチ面から離れた位置に保持されている。即ち、操作部材13の一端13aが操作されていない状態において、弾性体19は、第1スイッチ12a及び第2スイッチ12bをオフ状態に保持している。
なお、本明細書では、弾性体19を第1の弾性体19と称し、弾性体17を第2の弾性体17と称する。
第1の弾性体19は、ベース11及び操作部材13に係合している。
第1の弾性体19は、例えば、ねじりばねで構成されている。具体的には、第1の弾性体19は、線形の鋼材をコイル状に巻いたコイル部分と、V字状に延びる延長部分と、を有する。また、第1の弾性体19の先端部分は、屈曲している。
第1の弾性体19のコイル部分は、第1軸部14によって、位置決めされている。第1の弾性体19の延長部分は、操作部材13に係合している。また、第1の弾性体19の延長部分は、ベース11のベース側壁11cに設けられた凹部にも係合している。これにより、第1の弾性体19は、操作部材13が操作されていない状態において、操作部材13を第1スイッチ12aの第1スイッチ面及び第2スイッチ12bの第2スイッチ面から離れた位置に保持することができる。
[第1軸部]
第1軸部14は、操作部材13の回動中心軸として機能する。即ち、第1軸部14は、ベース11上に配置された操作部材13が第1方向(X方向)に回動する中心として機能する。実施の形態1では、第1軸部14は、ベース11及び操作部材13を貫通し、操作部材13を第1方向(X方向)に回動可能に保持している。
第1軸部14は、ベース11と操作部材13とが重なる方向(Z方向)に延び、第1ベース部11aと操作部材13とを貫通している。第1軸部14は、例えば、第1ベース部11aに設けられた孔及び操作部材13に設けられた孔に挿入される円柱状の軸部材である。
[取付部]
取付部15は、ベース11を第2方向(Z方向)に回動可能に保持する。取付部15は、ベース11の底面側に配置される。取付部15は、例えば、板状の部材である。実施の形態1では、取付部15は、第2軸部16によって、ベース11を第2方向(Z方向)に相対的に回動可能に保持している。つまり、ベース11は、第2軸部16を中心として、取付部15に対して第2方向に相対的に回動可能となっている。
取付部15は、両側端からベース11側に延びる取付側壁15aを有する。取付部15は、取付側壁15aとベース側壁11cとを貫通する第2軸部16によって、ベース11と接続されている。
取付部15は、上面側、即ちベース11側に延びるリブ15bを有する。リブ15bは、取付部15の上面から取付部15の厚み方向(Z方向)に延び、且つ取付部15の延びる方向(Y方向)に屈曲している。
取付部15は、取付部15の上面側に第3スイッチ12cを押圧する凸部15cを有する。凸部15cは、第3スイッチ12cのスイッチ面を押圧する。
[第2軸部]
第2軸部16は、ベース11の回動中心として機能する。即ち、第2軸部16は、取付部15で保持されたベース11が第2方向(Z方向)に回動する中心として機能する。実施の形態1では、第2軸部16は、ベース11及び取付部15を貫通し、ベース11を取付部15に対して第2方向(Z方向)に相対的に回動可能に保持している。
第2軸部16は、ベース11及び取付部15の幅方向(X方向)に延び、ベース側壁11cと取付側壁15aとを貫通している。第2軸部16は、例えば、ベース側壁11cに設けられた孔及び取付側壁15aに設けられた孔に挿入される円柱状の軸部材である。
例えば、操作部材13を第2方向(Z方向)において下向きに操作した場合、操作部材13と共にベース11が第2軸部16を中心にして第2方向において上向きに回動する。
[第2の弾性体]
第2の弾性体17は、取付部15に配置され、且つベース11に対して付勢する部材である。第2の弾性体17は、取付部15の一端側において、第1軸部14の軸線上に配置されている。実施の形態1では、第2の弾性体17は、金属製のコイルばねで形成されている。
第2の弾性体17は、ベース11の第1ベース部11aの底面を持ち上げるように付勢する。実施の形態1では、ベース11の他端が第2軸部16を中心として上方向に回動することによって、第3スイッチ12cの第3スイッチ面を取付部15の凸部15cに押圧している。即ち、第2の弾性体17は、操作部材13を操作していない状態において、第3スイッチ12cの第3スイッチ面を取付部15の凸部15cに押圧し、第3スイッチ12cをオンの状態に保持している。
スイッチ装置1は、誘導加熱調理器の本体に設けられた孔に取り付けられる。このため、スイッチ装置1は、誘導加熱料理器の本体の孔の縁部と操作部材13との間を封止する封止部材20を有していてもよい。封止部材20としては、例えば、ゴム材料などから成るパッキンが挙げられる。
[動作]
スイッチ装置1の動作について説明する。
<第1方向に配置されたスイッチのオンオフ操作>
第1方向(X方向)に配置された第1スイッチ12aのオンオフ操作の一例について、図3及び図4を用いて説明する。
図3は、第1スイッチ12aをオフにした状態のスイッチ装置1の一例を示す平面図である。図4は、第1スイッチ12aをオンにした状態のスイッチ装置1の一例を示す平面図である。
図3に示すように、操作部材13を操作していない状態において、操作部材13は、第1の弾性体19の付勢力によって、ベース11の中央に保持される。この状態において、操作部材13の他端13bは、第1スイッチ12aの第1スイッチ面と第2スイッチ12bの第2スイッチ面とから離れた位置に保持される。即ち、操作部材13を操作していない状態において、操作部材13は、第1の弾性体19の付勢力によって、第1スイッチ12aと第2スイッチ12bとの間に保持される。
このように、操作部材13を操作していない状態においては、第1スイッチ12a及び第2スイッチ12bは、オフの状態に保持される。
実施の形態1では、図3に示すように、第1スイッチ12aのスイッチ面には、ボタン12aaと、ヒンジ12abとが設けられている。なお、第2スイッチ12b及び第3スイッチ12cにおいても、第1スイッチ12aと同様の構成を有するため、説明を省略する。
実施の形態1では、操作部材13の両側面には、幅方向(X方向)に突設した突設部13cが設けられている。突設部13cは、例えば、半円球状の形状を有する。突設部13cは、操作部材13が第1方向に回動したときに、ベース側壁11cと接触する。これにより、操作部材13の第1方向の回動を制限することができる。
第1スイッチ12aをオンにする操作の一例について説明する。操作部材13の一端13aを第1方向(X方向)に操作する。この操作により、操作部材13が、第1軸部14を中心として第1方向に回動する。
例えば、図4に示すように、ユーザが操作部材13の一端13aを第1方向(X方向)において左向きD1に回動させると、操作部材13の他端13bは、第1軸部14を中心として、第1方向(X方向)において右向きD2に回動する。これにより、操作部材13の他端13bは、第1スイッチ12aの第1スイッチ面のヒンジ12abを押圧する。その結果、第1スイッチ12aのボタン12aaが押され、第1スイッチ12aをオンにする。
また、操作部材13の他端13bが右向きD2へ回動すると、操作部材13の突設部13cがベース側壁11cに接触する。突設部13cがベース側壁11cに接触することによって、操作部材13の回動を制限することができる。このため、ユーザなどの操作により操作部材13に加えられた負荷は、突設部13cを介してベース側壁11cで受けることができる。その結果、操作部材13に加えられた負荷が第1スイッチ12aに直接かからないようになっている。
操作部材13の一端13aの操作を終了して、操作部材13に負荷を加えない状態にすると、操作部材13の他端13bは、第1の弾性体19の付勢力によって、第1スイッチ12aから離れる。操作部材13の他端13bが第1スイッチ12aの第1スイッチ面から離れると、ヒンジ12abがボタン12aaから離れて、第1スイッチ12aをオフにする。
第2スイッチ12bのオンオフ操作については、操作部材13の回動の向きが反対であることを除いて、第1スイッチ12aと同様であるため説明を省略する。
<第2方向に配置されたスイッチのオンオフ操作>
第2方向(Z方向)に配置された第3スイッチ12cのオンオフ操作の一例について、図5A〜5C及び図6A〜6Cを用いて説明する。
図5Aは、第3スイッチ12cをオンにした状態のスイッチ装置1の一例を示す側面図である。図5Bは、第3スイッチ12cをオンにした状態のスイッチ装置1の一例を示す概略側面断面図である。図5Cは、第3スイッチ12cをオンにした状態のスイッチ装置1の一例を示す背面図である。図6Aは、第3スイッチ12cをオフにした状態のスイッチ装置1の一例を示す側面図である。図6Bは、第3スイッチ12cをオフにした状態のスイッチ装置1の一例を示す概略側面断面図である。図6Cは、第3スイッチ12cをオフにした状態のスイッチ装置1の一例を示す背面図である。
図5A〜図5Cに示すように、操作部材13を操作していない状態において、ベース11の一端は、第2の弾性体17の付勢力によって、第2方向(Z方向)において上向きD3に持ち上げられている。具体的には、第2の弾性体17は、ベース11の一端側の第1ベース部11aの底面に対して、鉛直方向(Z方向)において上向きD3に押圧する。これにより、ベース11の他端側の第2ベース部11bが、第2軸部16を中心として、取付部15に対して第2方向において下向きD4に相対的に回動する。その結果、ベース11のベース後壁11dに取り付けられている第3スイッチ12cの第3スイッチ面は、取付部15の凸部15cに押圧され、オンの状態となる。
また、ベース11の回動は、取付部15のリブ15bとベース11とが接触することによって制限される。具体的には、ベース11の第2ベース部11bが、取付部15のリブ15bと接触する。これにより、第2方向(Z方向)において下向きD4に向かう第2ベース部11bの回動を制限することができる。このため、第2の弾性体17の付勢力によって加えられる負荷は、第2ベース部11bを介してリブ15bで受けることができる。その結果、第2の弾性体17の付勢力によって加えられる負荷が第3スイッチ12cに直接かからないようになっている。
第3スイッチ12cをオフにする操作の一例について説明する。ユーザなどは、操作部材13の一端13aを第2方向(Z方向)に操作する。この操作により、ベース11は、第2軸部16を中心として、取付部15に対して、操作部材13と共に第2方向に相対的に回動する。
例えば、図6A〜6Cに示すように、ユーザなどは、操作部材13の一端13aを第2方向(Z方向)において下向きD5に操作する。このとき、ベース11の第1ベース部11aは、第2軸部16を中心として、取付部15に対して第2方向において下向きD5に相対的に回動する。また、ベース11の第2ベース部11bは、第2軸部16を中心として、取付部15に対して第2方向において上向きD6に相対的に回動する。これにより、第3スイッチ12cの第3スイッチ面が取付部15の凸部15cから上向きD6に離れることにより、第3スイッチ面のボタン12caを押圧していたヒンジ12cbがボタン12caから離れる。その結果、第3スイッチ12cがオフになる。
また、ベース11の第1ベース部11aが取付部15に対して下向きD5へ相対的に回動すると、操作部材13が取付部15の一端に接触する。操作部材13が取付部15の一端に接触することによって、第1ベース部11aの第2方向(Z方向)における下向きの回動を制限することができる。実施の形態1では、操作部材13の一端13a側に設けられた屈曲部に、取付部15の一端が接触する。
[効果]
実施の形態1に係るスイッチ装置1によれば、以下の効果を奏することができる。
スイッチ装置1によれば、複数のスイッチ12a、12b、12cを制御する操作基板とは別個の部材で形成されるベース11に、複数のスイッチ12a、12b、12cと操作部材13とを取り付けている。スイッチ装置1は、操作部材13の回動及びベース11の回動によって、複数のスイッチ12a、12b、12cのオンオフを切り替えている。具体的には、スイッチ装置1では、操作部材13を第1方向(X方向)に回動させることによって、第1方向に配置された第1スイッチ12a及び第2スイッチ12bのオンオフを切り替えている。また、ベース11を第2方向(Z方向)に回動させることによって、第2方向に配置された第3スイッチ12cのオンオフを切り替えている。
このような構成により、スイッチ装置1では、複数のスイッチ12a、12b、12cを操作基板に実装せずに、複数のスイッチ12a、12b、12cのオンオフ操作を行うことができる。このため、操作部材13に加えられる負荷が、操作基板に直接かからない。その結果、スイッチ装置1では、スイッチを操作基板に実装する構成に比べて、耐久性を向上させることができる。
ベース11の両側端には、操作部材13が保持される側に延びるベース側壁11cが形成されている。操作部材13の回動は、ベース側壁11cによって制限される。このような構成により、ユーザなどの操作により操作部材13に加えられた負荷はベース側壁11cで受けることができる。その結果、第1スイッチ12aにかかる負荷を抑制し、スイッチ装置1の耐久性を更に向上させることができる。
取付部15は、ベース11側に延びるリブ15bを有している。ベース11の回動は、取付部15のリブ15bによって制限される。このような構成により、第2の弾性体17の付勢力によって加えられる負荷は、第2ベース部11bを介してリブ15bで受けることができる。その結果、第3スイッチ12cにかかる負荷を抑制し、スイッチ装置1の耐久性を更に向上させることができる。
スイッチ装置1は、ベース11及び操作部材13に係合する第1の弾性体19と、取付部15に配置され、且つベース11に対して付勢する第2の弾性体17と、を備える。操作部材13が操作されていない状態において、第1の弾性体19は、第1スイッチ12aの第1スイッチ面及び第2スイッチ12bの第2スイッチ面から離れた位置に操作部材13を保持している。第2の弾性体17は、ベース11を付勢し、ベース11を取り付け部115に対して第2方向(Z方向)に相対的に回動することによって、第3スイッチ12cの第3スイッチ面を取付部15に押圧している。
このような構成により、操作部材13が操作されていない状態においては、第1スイッチ12a及び第2スイッチ12bをオフの状態に保持し、第3スイッチ12cをオンの状態に保持することができる。また、操作部材13に負荷がかかっていない状態において、第3スイッチ12cをオンの状態に保持することによって、スイッチ装置1の高さを低くすることができる。
操作部材13の幅は、操作部材13とベース11とが重なる方向(Z方向)から見て、操作可能な操作部材13の一端13aに向かって小さくなっている。このような構成により、ユーザが操作部材13を掴みやすくなり、操作部材13の操作性を向上させることができる。即ち、ユーザが操作部材13を操作しやすくなる。
操作可能な操作部材13の一端13aには、着脱可能なカバー18が取り付けられている。このような構成により、カバー18を取り替えることができ、デザインを変更することができる。
なお、実施の形態1では、複数のスイッチについて、3つのスイッチ12a、12b、12cを例として説明したが、スイッチの数は3つに限定されない。例えば、複数のスイッチは、3つ以上あってもよい。
第1スイッチ12a、第2スイッチ12b及び第3スイッチ12cのうち少なくともいずれか一つは、ベース11から取り外し可能であってもよい。第1〜第3スイッチ12a〜12cの少なくとも一つを取り外し可能にすることにより、多方向(例えば、1方向〜3方向)のスイッチの構成の大部分を共通にできる。
例えば、第3スイッチ12cをベース11から取り外す場合は、第2の弾性体17に代えて、スペーサを配置してもよい。スペーサを配置することにより、ベース11は第1方向を軸中心として第2方向に回動しなくなる。
例えば、第1スイッチ12aをベース11から取り外す場合は、第1スイッチ12aが配置されていた場所と操作部材13との間にスペーサを配置してもよい。これにより、第2スイッチ12bの第2スイッチ面を押圧する方向と反対方向への操作部材13の回動を阻止することができる。
実施の形態1では、操作部材13は、屈曲して形成される例について説明したが、これに限定されない。例えば、操作部材13は、屈曲していなくてもよい。
実施の形態1では、操作部材13が回動する第1方向を左右方向とし、ベース11が回動する第2方向を鉛直方向として説明したが、これに限定されない。第1方向及び第2方向は、左右方向、鉛直方向、及び斜め方向などのいずれの方向であってもよい。
実施の形態1では、操作部材13が、第1軸部14によって、ベース11に第1方向に回動可能に保持される例を説明したが、これに限定されない。また、ベース11は、第2軸部16によって、取付部15に対して第2方向に相対的に回動可能に保持される例について説明したが、これに限定されない。第1軸部14及び第2軸部16は、必須の構成ではない。スイッチ装置1は、第1軸部14及び第2軸部16を備えていなくてもよい。スイッチ装置1は、操作部材13を、ベース11に第1方向に回動可能に保持する機構を有していればよい。また、スイッチ装置1は、ベース11を、取付部15に対して第2方向に相対的に回動可能に保持する機構を有していればよい。例えば、操作部材13は、ベース11に設けられた第1凸部と係合し、第1凸部を中心として、第1方向に回動してもよい。また、ベース11は、ベース11に設けられた第2凸部を取付部に係合し、第2凸部を中心にして取付部15に対して第2方向に相対的に回動してもよい。
実施の形態1では、取付部15は、リブ15b及び凸部15cを有する例について説明したが、これに限定されない。スイッチ装置1において、リブ15b及び凸部15cは必須の構成ではない。
実施の形態1では、第2の弾性体17は、金属製のコイルばねである例について説明したが、これに限定されない。第2の弾性体17は、例えば、皿ばね、板ばね、円錐ばね等などの各種ばねであってもよい。また、第2の弾性体17は、例えば、ゴム又は樹脂などで形成されていてもよい。
実施の形態1では、第2の弾性体17は、必須の構成ではない。スイッチ装置1は、第2の弾性体17を備えていなくてもよい。
実施の形態1では、スイッチ装置1は、カバー18、第1の弾性体19、及び封止部材20を備える例について説明したが、これに限定されない。カバー18、第1の弾性体19、及び封止部材20は、必須の構成ではない。スイッチ装置1は、カバー18、第1の弾性体19、及び封止部材20を備えていなくてもよい。
実施の形態1では、第1の弾性体19は、ねじりばねである例について説明したが、これに限定されない。第1の弾性体19は、操作部材13の他端13bを第1スイッチ12aの第1スイッチ面及び第2スイッチ12bの第2スイッチ面から離れた位置に保持する弾性体であればよい。例えば、第1の弾性体19は、コイルばね、皿ばね、板ばね、円錐ばね、又はゴムなどであってもよい。また、第1の弾性体19は、操作部材13の側壁とベース側壁11cとの間に配置されてもよい。
実施の形態1では、操作部材13を操作していない状態において、第1スイッチ12a及び第2スイッチ12bをオフの状態に保持し、第3スイッチ12cをオンの状態に保持する例について説明したが、これに限定されない。例えば、操作部材13を操作していない状態において、第1スイッチ12a及び第2スイッチ12bをオンの状態に保持してもよい。あるいは、操作部材13を操作していない状態において、第3スイッチ12cをオフの状態に保持してもよい。
実施の形態1では、第3スイッチ12cのオンオフの切替は、操作部材13の一端13aを鉛直方向において下向きに操作することによって行う例について説明したが、これに限定されない。例えば、第3スイッチ12cのオンオフの切替は、操作部材13の一端13aを鉛直方向において上向きに操作することによって行ってもよい。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る誘導加熱調理器について説明する。なお、実施の形態2では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
実施の形態2では、実施の形態1のスイッチ装置1を備える誘導加熱調理器50の例について説明する。
図7は、本発明の実施の形態2に係る誘導加熱調理器50の一例の斜視図を示す。図8は、誘導加熱調理器50の本体52の内部構成の一例を示す。図9は、図8の誘導加熱調理器50のZ1部分の拡大図を示す。
図7に示すように、誘導加熱調理器50は、加熱プレート51と、加熱プレート51を加熱する本体52と、を備える。
[加熱プレート]
加熱プレート51は、上面に調理物を載せて加熱するプレートである。図7に示すように、加熱プレート51は、薄板状の平面プレートである。加熱プレート51は、例えば、厚さ方向、即ちZ方向から見て、長方形形状に形成されている。加熱プレート10は、それぞれ個別に加熱可能な複数の加熱領域を有する。
[本体]
本体52は、上面に加熱プレート51を載置して、加熱プレート51を誘導加熱する。図7に示すように、本体52は、本体52の外観を構成する筐体53の上面にトッププレートを載置している。また、筐体53の正面には、表示部54と、複数のスイッチ装置1a、1b、1cとが配置されている。また、図8に示すように、本体52は、複数の加熱コイル55a、55bと、制御基板56と、操作基板57とを収容している。
以下、本体52の詳細な構成について説明する。
<表示部>
表示部54は、誘導加熱調理器50の機能及び設定等を表示する。表示部54は、例えば、電源のオンオフ、設定された加熱温度、設定されたタイマー、選択されているコース、及び/又は異常を検知した場合の警告などの情報を表示する。
<複数のスイッチ装置>
複数のスイッチ装置1a、1b、1cは、それぞれ、実施の形態1に係るスイッチ装置1と同じ構成を有する。
複数のスイッチ装置1a、1b、1cは、例えば、誘導加熱調理器50の電源のオンオフ、加熱温度、タイマー、及びコースの設定を入力する。
<複数の加熱コイル>
複数の加熱コイル55a、55bは、加熱プレート10を加熱する。具体的には、複数の加熱コイル55a、55bは、それぞれ、加熱プレート10の複数の加熱領域を加熱する。
<制御基板>
制御基板56は、誘導加熱調理器50の制御を行う回路が搭載された基板である。制御基板56は、制御部と、複数のインバータと、を有する。また、制御基板56は、表示部54と、操作基板57とに接続されている。
なお、制御基板56を構成する要素は、例えば、これらの要素を機能させるプログラムを記憶したメモリ(図示せず)と、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサに対応する処理回路(図示せず)を備え、プロセッサがプログラムを実行することでこれらの要素として機能してもよい。
制御部は、複数の加熱コイル55a、55bに高周波電流を供給する複数のインバータのそれぞれの出力を制御する。例えば、制御部41は、複数のスイッチ装置1a、1b、1cを操作して設定された加熱温度の情報を受信し、受信した加熱温度の情報に基づいて、複数のインバータのそれぞれの出力を制御する。
複数のインバータは、それぞれ、複数の加熱コイル55a、55bに高周波電力を供給する。複数のインバータのそれぞれの出力は、制御部によって制御される。
制御部は、操作基板57から複数のスイッチ装置1a、1b、1cの操作により入力された情報を受信する。制御部は、複数のスイッチ装置1a、1b、1cで入力されたスイッチのオンオフ情報に基づいて、誘導加熱調理器50の機能及び設定などを決定する。機能及び設定としては、例えば、電源のオンオフ、加熱温度、タイマー、及びコースなどである。
<操作基板>
操作基板57は、複数のスイッチ装置1a、1b、1cと接続されており、複数のスイッチ装置1a、1b、1cの操作により入力された情報を制御する。具体的には、操作基板57は、複数のスイッチ装置1a、1b、1cの入力を受け付け、入力された情報を制御基板56の制御部に送信する。複数のスイッチ装置1a、1b、1cにより入力された情報とは、複数のスイッチ装置1a、1b、1cのそれぞれの複数のスイッチ12a、12b、12cのオンオフ情報を意味する。
図8に示すように、誘導加熱調理器50において、複数のスイッチ装置1a、1b、1cの操作部材13の一端13aは、それぞれ、本体52の側面に設けられた孔58a、58b、58cから本体52の外側に露出している。
また、複数のスイッチ装置1a、1b、1cは、それぞれ、操作基板57に設けられた複数の切り欠き59a、59b、59cに配置されている。
図9を用いて、本体52の孔58cに取り付けられているスイッチ装置1cを説明する。図9に示すように、スイッチ装置1cの操作部材13の一端13aは、本体52の孔58cから本体52の外側に露出している。
実施の形態2では、スイッチ装置1cの操作部材13の一端13aには、着脱可能なカバー18が取り付けられている。
本体52の孔58cにおいては、孔58cの縁部と操作部材13との間を封止する封止部材20が配置されている。封止部材20は、例えば、樹脂製のパッキンである。
スイッチ装置1cは、操作基板57に設けられた切り欠き59cに配置されている。切り欠き59cは、例えば、操作基板57の一部を凹状に切り取ることによって形成される。
[複数のスイッチ装置の操作]
複数のスイッチ装置1a、1b、1cの操作の一例について説明する。以降では、複数のスイッチ装置1a、1b、1cを、順に第1スイッチ装置1a、第2スイッチ装置1b、第3スイッチ装置1cと称する。
<第1スイッチ装置>
第1スイッチ装置1aの操作の例について説明する。第1スイッチ装置1aは、第1加熱コイル55aの加熱を操作する。例えば、第1スイッチ装置1aは、第1加熱コイル55aの加熱のオンオフの切替及び加熱温度を制御する。
第1スイッチ装置1aの操作部材13の一端13aは、第1方向(X方向)に操作可能である。例えば、第1スイッチ装置1aの操作部材13の一端13aを、第1方向、即ち左右方向において左向きに操作すると加熱温度を上げ、右向きに操作すると加熱温度を下げるように加熱温度を設定する。
具体的には、操作部材13の一端13aを左向きに操作すると、操作部材13の他端13bが第1スイッチ12aの第1スイッチ面を押圧し、第1スイッチ12aをオンにする。操作基板57は、第1スイッチ12aがオンになった情報を制御基板56の制御部に送信する。
一方、操作部材13の一端13aを右向きに操作すると、操作部材13の他端13bが第2スイッチ12bの第2スイッチ面を押圧し、第2スイッチ12bをオンにする。操作基板57は、第2スイッチ12bがオンになった情報を制御基板56の制御部に送信する。
制御部は、操作基板57から受信した第1スイッチ12a及び第2スイッチ12bのオン情報に基づいて加熱温度の増減を決定し、決定した加熱温度の増減情報に基づいてインバータの出力を制御する。
第1スイッチ装置1aの操作部材13の一端13aは、第2方向(Z方向)に操作可能である。例えば、第1スイッチ装置1aの操作部材13の一端13aを第2方向、即ち鉛直方向において下向きに操作すると、第1加熱コイル55aの加熱のオンオフを切り替えることができる。
具体的には、操作部材13の一端13aを下向きに操作すると、第3スイッチ12cの第3スイッチ面を押圧している取付部15の凸部15cが第3スイッチ面から離れ、第3スイッチ12cがオンからオフになる。
操作基板57は、第3スイッチ12cがオフになった情報を制御基板56の制御部に送信する。制御部は、操作基板57から受信した第3スイッチ12cのオフ情報に基づいて第1加熱コイル55aの加熱のオンオフを決定し、インバータの出力を制御する。
<第2スイッチ装置>
第2スイッチ装置1bの操作の例について説明する。第2スイッチ装置1bは、加熱モードを設定する。加熱モードとしては、例えば、全面加熱モード、及び個別加熱モードが挙げられる。全面加熱モードとは、加熱プレート10の全面で同じ加熱温度で加熱するモードを意味する。個別加熱モードとは、加熱プレート10の複数の加熱領域を、複数の加熱コイル55a、55bでそれぞれ別々に加熱するモードを意味する。
第2スイッチ装置1bの操作部材13の一端13aは、第1方向(X方向)に操作可能である。例えば、第2スイッチ装置1bの操作部材13の一端13aを第1方向、即ち左右方向において左向きに操作すると、操作部材13の他端13bが第1スイッチ12aの第1スイッチ面を押圧し、第1スイッチ12aをオンにする。これにより、制御部は、個別加熱モードを設定する。一方、第2スイッチ装置1bの操作部材13の一端13aを、左右方向において右向きに操作すると、操作部材13の他端13bが第2スイッチ12bの第2スイッチ面を押圧し、第2スイッチ12bをオンにする。これにより、制御部は、全面加熱モードを設定する。
より具体的には、操作基板57が、第2スイッチ装置1bの第1スイッチ12a及び第2スイッチ12bのオン情報を取得し、制御部にオン情報を送信する。制御部は、オン情報に基づいて、個別加熱モード、又は全面加熱モードを設定する。
なお、全面加熱モード、個別加熱モードの名称は一例であり、他の名称であってもよい。さらに、制御部は、加熱プレート10の全面ではないが、複数の加熱領域にまたがって、単一の操作で温度制御できる加熱モードを有していてもよい。
<第3スイッチ装置>
第3スイッチ装置1cの操作の例について説明する。第3スイッチ装置1cは、第2加熱コイル55bの加熱を操作する。例えば、第3スイッチ装置1cは、第2加熱コイル55bの加熱のオンオフの切替及び加熱温度を制御する。第3スイッチ装置1cの操作は、第1スイッチ装置1aと同じであるため、説明を省略する。
[待機動作]
次に、誘導加熱調理器50の待機動作の例について説明する。実施の形態2では、誘導加熱調理器50の電源をオンにした後、所定の時間ユーザによる操作が行われない場合に、加熱禁止モードに移行して待機する。
図10は、誘導加熱調理器50の待機動作の制御の一例を示すフローチャートである。図10に示すように、ステップST1では、誘導加熱調理器50の電源をオンにする。電源をオンにするとは、たとえば誘導加熱調理器50に接続されたプラグをコンセントに差し込む動作を指す。または、コンセントに接続されたプラグを、誘導加熱調理器50に接続する動作を指す。
ステップST2では、制御部は、所定時間内に複数のスイッチ装置1a、1b、1cののうち少なくともいずれか1つが操作されたか否かを決定する。即ち、ステップST2では、制御部は、所定時間内に、複数のスイッチ装置1a、1b、1cのうち少なくともいずれか1つの操作がされたことを検出する。なお、「所定時間」とは、例えば、誘導加熱調理器50の電源をオンにしてから1分を意味する。実施の形態2では、ステップST2の操作とは、スイッチ装置1a、1b、1cを介するあらゆる操作を含む。具体的には、操作は、加熱のON/OFF操作、モード選択、またはコース選択等である。
制御部が所定時間内に複数のスイッチ装置1a、1b、1cの操作があったと決定した場合、フローは終了する。フローが終了すると、制御部は、複数のスイッチ装置1a、1b、1cの操作により入力された情報に基づいて、誘導加熱調理器50の加熱を制御することができる。
ステップST2において、制御部が所定時間内に複数のスイッチ装置1a、1b、1cの操作がなかったと決定した場合、フローは、ステップST3に進む。ステップST3では、制御部は、誘導加熱調理器50の加熱を禁止する加熱禁止モードに移行する。
「加熱禁止モード」とは、誘導加熱調理器50の加熱を禁止するモードである。加熱禁止モードにおいては、所定の操作が行われない限り、加熱がオンにならないように設定される。例えば、加熱禁止モードにおいて、複数のスイッチ装置1a、1b、1cのそれぞれの操作部材13の一端13aが第2方向(Z方向)に操作されても、複数の加熱コイル55a、55bの加熱がオンにならないように設定される。
なお、加熱禁止モードの名称は一例であり、他の名称であってもよい。
「所定の操作」とは、例えば、複数のスイッチ装置1a、1b、1cのうちいずれかの操作部材13の一端13aが第1方向(X方向)に操作されて、第1スイッチ12a又は第2スイッチ12bのいずれかがオンになる操作である。
ステップST3において、誘導加熱調理器50は、加熱禁止モードに移行する際に、例えば、報知音を鳴らしてもよい。これにより、ユーザは、誘導加熱調理器50が加熱禁止モードに移行したことを知ることができる。
ステップST4においては、制御部は、加熱禁止モードにおいて、所定の操作を検出する。即ち、制御部は、複数のスイッチ装置1a、1b、1cのうちいずれかにおいて、第1方向に配置された第1スイッチ12a又は第2スイッチ12bのいずれかがオンに操作されたことを検出する。
ステップST4において、制御部が所定の操作を検出した場合、フローはステップST5に進む。制御部が所定の操作を検出しない場合、制御部はステップST3の加熱禁止モードを維持する。
ステップST5において、制御部は、誘導加熱調理器50の加熱禁止モードを解除し、加熱許可モードに移行する。
なお、ステップST5の後、フローは、再度、ステップST2に戻ってもよい。この場合、ステップST2の所定時間は、例えば、加熱禁止モードを解除してから1分間に設定される。
[効果]
実施の形態2に係る誘導加熱調理器50によれば、以下の効果を奏することができる。
誘導加熱調理器50によれば、実施の形態1に係る複数のスイッチ装置1a、1b、1cを備えている。このため、実施の形態1の効果と同様の効果を得ることができる。即ち、誘導加熱調理器50の複数のスイッチ装置1a、1b、1cの耐久性を向上させることができる。
複数のスイッチ装置1a、1b、1cの操作部材13の一端13aは、誘導加熱調理器50の本体52に設けられた孔58a、58b、58cから本体52の外側に露出している。また、複数のスイッチ装置1a、1b、1cの操作部材13の一端13aは、第1方向(X方向)及び第2方向(Z方向)への操作が可能である。具体的には、ユーザは、本体52の外側に露出した複数のスイッチ装置1a、1b、1cの操作部材13の一端13aを、左右方向及び鉛直方向下向きに操作可能である。
このような構成により、ユーザが複数のスイッチ装置1a、1b、1cの操作を行う際、加熱プレート51に接触することを抑制することができる。例えば、プッシュ式のスイッチ装置の場合、加熱プレート51に近づく方向にユーザが操作部材を操作するため、加熱プレート51を触ってしまう可能性がある。誘導加熱調理器50によれば、複数のスイッチ装置1a、1b、1cは、左右方向又は鉛直方向下向きの操作によって、スイッチのオンオフを操作することができる、これにより、安全性を向上させることができる。また、複数のスイッチ装置1a、1cにおいて、操作部材13の一端13aを鉛直方向下向きに操作する場合、加熱プレート51から離れる方向に操作部材13の一端13aを操作することになる。その結果、より安全性が向上する。
誘導加熱調理器50の電源をオン(図10のステップST1)にした後、所定の時間内に複数のスイッチ装置1a、1b、1cの操作がなかった場合(図10のステップST2でNO)に、加熱禁止モードに移行して待機する。このような構成により、誘導加熱調理器50が待機状態で動作しているとき、複数のスイッチ装置1a、1b、1cが誤って操作された場合に加熱が行われることを防止することができる。
なお、実施の形態2では、図10のステップST1の「電源オン」とは、いわゆるプラグインを指す。これにより、たとえば誘導加熱調理器50を食卓などに常設するためにプラグインし、プラグイン後すぐに調理を調理しない場合、誘導加熱調理器50は、加熱禁止モードに移行する。したがって、誘導加熱調理器50の安全性が向上する。ただし、「電源オン」はプラグインに限定されず、電源ボタンの押下動作と置き換えられてもよく、プラグインと電源ボタンの押下動作との組み合わせでもよい。
また、図10のステップST2の「操作」とは、実施の形態2では、加熱のON操作、モード選択、またはコース選択等の全ての操作を含む。しかし、ステップST2の「操作」は一部の操作でもよく、たとえば加熱のON操作のみであってもよい。すなわち、たとえば図10のステップST2で、加熱のON操作があった場合のみ、制御部はステップST2でYESと判断してもよい。つまり、コースの選択操作が実行された場合、制御部は、ステップST2でNOと判断してもよい。
または、制御部は、ステップST2で、加熱のON操作が実行された場合と、その他の操作が実行された場合と、何ら操作がされなかった場合とを判断できてもよい。たとえばステップST2で、その他の操作(たとえばコースの選択操作)が実行されたと判断された場合、ステップST2の次に、制御部は、さらに、所定の時間が経過したか否かを判断してもよい。この判断ステップを、たとえばステップST2A(図示せず)とする。そしてステップST2AでNOの場合は、所定の時間が経過するまで、つまりステップST2AでYESとなるまで、ステップST2Aを繰り返してもよい。そして、ステップST2AでYESと判断された場合、ステップST2へ戻ってもよい。
また、実施の形態2では、ステップST4の「所定の操作」を、複数のスイッチ装置1a、1b、1cのうちいずれかの操作部材13の一端13aが第1方向(X方向)に移動する操作としている。所定の操作はこの操作に限定されないが、第1方向(X方向)の操作は、第2方向(Z方向)の操作と比べて、ユーザが自身の操作を意識し易い。したがって、ステップST4の「所定の操作」を第1方向(X方向)の操作とすることにより、ユーザの意図に反して加熱禁止モードが解除されることを抑制できる。
なお、実施の形態2では、誘導加熱調理器50は、複数のスイッチ装置1a、1b、1cを備える例について説明したが、これに限定されない。誘導加熱調理器50は、1つ又は複数のスイッチ装置を備えていればよい。
実施の形態2では、複数のスイッチ装置1a、1b、1cにおいて、左右方向及び鉛直方向下向きの操作の例を説明したが、これに限定されない。複数のスイッチ装置1a、1b、1cは、例えば、操作したい機能及び/又は設定に応じて、操作する方向を変更してもよいし、増減してもよい。
実施の形態2では、加熱プレート51は、薄板状のフラットなプレートを例として説明したが、これに限定されない。例えば、加熱プレート51は、半球状に窪んだ複数の凹部を有するプレート、所謂たこ焼きプレート、長方形状に窪んだ複数の凹部を有するプレート、あるいは、これらのプレートを組み合わせたプレートであってもよい。組み合わせたプレートは、例えば、一端側がフラットなプレートであり、他端側がたこ焼きプレートであってもよい。また、厚み方向から見たときの加熱プレート51の形状は、長方形形状に限定されない。例えば、厚み方向から見たときの加熱プレート51の形状は、正方形、円形、又は楕円形などであってもよい。
実施の形態2では、誘導加熱調理器50は、複数の加熱コイル55a、55b及び複数のインバータを備える例について説明したが、これに限定されない。誘導加熱調理器50は、1つ以上の加熱コイル及び1つ以上のインバータを備えていればよい。
実施の形態2では、誘導加熱調理器50は、待機動作として、加熱禁止モードを有する例について説明したが、これに限定されない。加熱禁止モードは必須の構成ではない。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。