JP6812609B2 - 走行練習用自転車 - Google Patents
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Description
一方、前記ペダルユニットの連結部には、前記スリットに嵌め込まれる円柱状の突起と、前記スリットと前記突起が係合した状態において、前記本体側の透孔と一致する位置にて前記ペダルユニットの連結部に形成されたペダルユニット側の透孔とを設けている。
そして、前記本体側の透孔と前記ペダルユニット側の透孔に挿通されるボルトによって前記筒状部に対して前記ペダルユニットの連結部を着脱可能に固定している。
前記特許文献2及び特許文献3に記載されている走行練習用自転車は、連結部と筒状部とを固定しているボルトに負荷が集中するため、ボルトが緩んだり、ボルトが損傷し易いという問題があった。また、多角筒状の連結部と多角筒状の筒状部を用いると、製造コストが上がるという問題がある。
さらに、特許文献3に記載されている走行練習用自転車は、複数本のボルトを締め付ける必要があり、ボルト挿通孔の位置合わせが難しいという問題や、ボルトを締め付ける作業に手間がかかり、作業性が悪いという問題があった。
よって、本発明の目的は、上記従来の走行練習用自転車における課題を解決し、ブラケットユニットと、車体の本体フレームとの正しい位置合わせが容易であり、それらの強固で安定した係合状態を簡単、迅速かつ確実に得ることができる走行練習用自転車を提供することにある。
本発明の他の目的は、ブラケットユニットを自転車の前後方向と一致する正しい方向にて本体フレームに容易に取り付けて固定することができる走行練習用自転車を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、大人がサドルを持って自転車を支え易い走行練習用自転車を提供することにある。
本発明の走行練習用自転車において、前記本体側の透孔と前記ブラケットユニット側の透孔の形成位置と、前記スリットの形成位置は、車体の前後方向と一致する位置であってもよい。
本発明の走行練習用自転車において、前記突条は、上下方向の断面が縦長の長方形状、その他の多角形状、上下方向の断面が縦長の楕円形状、又は、上下方向に延びる直線部分を含む略楕円形状であってもよい。
本発明の走行練習用自転車は、前記本体フレームに装着されているサドルが、その後端部に把手が形成されているものであってもよい。
即ち、本発明の走行練習用自転車においては、スリットと突条の係合が上方からの負荷や振動に対応できるのみならず、ペダルを踏んだ時にかかる左右方向の力に対する強度を高め、ブラケットユニットに形成した連結部と、車体の本体フレームの筒状部との係合状態にガタつきが生じたり、両者を固定するボルトに負荷が集中することを解決することができる。
さらに、本発明の走行練習用自転車においては、透孔に1本のボルトを挿通することで筒状部と連結部とを固定することができるため、車体側の筒状部とペダルクランクを軸支するブラケットユニットとを簡単かつ迅速に着脱することができる。
即ち、ボルトのネジ山がナットによって保護されるため、ネジ山が損傷してボルトの取り出しが出来なくなることを防ぐことができる。
また、ナットが筒状になっているため、ナット自体の強度を上げることができる。
さらに、通常のナットよりも雌ネジ部が長いため、ボルトとの噛み込み量が多くなり、外れ防止と強度を上げることができる。
なお、頭部の無い長ナットを用いる場合には、その長ナットの両端部に対して頭部を有するボルトを螺合すればよい。
本発明の走行練習用自転車において、前記縦長のスリットに代えて、前記ブラケットユニットの連結部に形成された突起と係合するスリットを採用し、当該スリットに嵌め込まれた突起と当該スリットの内側面全体とが接するようにした場合においても、上記と同様にペダルクランクを軸支するブラケットユニットと、車体の本体フレームとの連結部分の強度、安定性及び耐久性に優れた走行練習用自転車とすることができる。
本発明の一実施形態の走行練習用自転車1は、通常の自転車と同様に、その車体を構成する主要部品である本体フレーム2と、当該本体フレーム2に組み付けられる付属部品であるハンドルポスト3、ハンドル4、前輪5、後輪6、シートポスト7、サドル8、ペダルクランク9、ペダル9a、ギヤ10、チェーン11、ブレーキシステム12などを備えている。
前記本体フレーム2は、金属製のパイプから構成されており、当該本体フレーム2の前端部には、前記ハンドル4が固定されたハンドルポスト3が装着されている。
前記ハンドルポスト3の下部に形成されたフロントフォーク3aには、前記前輪5が軸支されている。
なお、本実施形態の走行練習用自転車1において、前記本体フレーム2(筒状部21)に装着されているサドル8は、その後端部の裏側に形成した凹所からなる把手8aが形成されている。
さらに、前記筒状部21の下端側には、前記ペダルクランク9を軸支するブラケットユニット30に突出形成した連結部31が前記筒状部21の内側に密着するように嵌め込まれ、当該ブラケットユニット30が前記筒状部21に対して着脱可能に固定されるようになっている(図2参照)。
前記筒状部21は、その下端部においてその長手方向に沿って延びるように切欠形成された縦長のスリット22と、当該スリット22の上方位置にて前記筒状部21に形成された本体側の透孔23とを備えている。
本実施形態の走行練習用自転車1において、前記筒状部21のスリット22は、走行練習用自転車1の前後方向と対応する位置に各1個、即ち、前記筒状部21の2箇所に形成されている。
さらに、前記本体側の透孔23の形成位置は、車体の前後方向と一致する位置において各1個、即ち、2箇所に形成されている。
本発明の走行練習用自転車1において、前記ブラケットユニット30は、その上面側に上方に向けて突出する円筒状の金属製パイプからなる連結部31が溶接にて固定されている。
さらに、前記スリット22と前記突条32が係合した状態において、前記本体側の透孔23と一致する位置にて前記ブラケットユニット30の連結部31には、ブラケットユニット側の透孔33が形成されている。
ここで、前記ブラケットユニット側の透孔33の形成位置は、車体の前後方向と一致する位置において各1個、即ち、2箇所に形成されている。
上記2)の構成を採用することで、ボルト40のネジ山が損傷することがなく、ボルト40の劣化によるガタつきの発生を防止することができる。また、ナット41を前記両透孔23,33に挿通する作業性も向上する。
また、ボルト40のネジ山がナット41によって保護されるため、ボルト40のネジ山が損傷してボルト40の取り出しが出来なくなることを防ぐことができる。
また、ナット41が筒状になっているため、ナット自体の強度を上げることができる。
さらに、通常のナットよりも雌ネジ部が長いため、ボルト40との噛み込み量が多くなり、外れ防止と強度を上げる効果を得ることができる。
なお、前記ボルト40及びナット41の頭部に、回転操作のための6角穴を形成したボルト40及びナット41を用いるとよい。
このため、連結部31に対する突条32の固定強度と耐久性を高めることができ、さらには突条32の固定位置の正確性と、固定作業の効率化を図ることができる。
まず、本発明の走行練習用自転車1を製造するには、シートポスト7を嵌め込む本体フレーム2の筒状部21の下端部にボトムブラケットを直接溶接する従来構造の自転車の製造方法に代えて、本体フレーム2の筒状部21の下端部を開放したままの状態とする。
そして、当該筒状部21の下端部にスリット22を長方形状に打ち抜き又は切削などの方法によって形成する。
また、そのスリット22の上方位置にて本体側の透孔23を円形に打ち抜き又は切削などの方法によって形成する。
そして、前記連結部31の下端部付近において、突条32を形成するための金属製の板材(板状の部材32a)を嵌め込むことができる長方形状の貫通孔32bを打ち抜き又は切削などの方法で形成する。
また、前記長方形状の貫通孔32bには、突条32を形成するための板状の部材32aを嵌め込んでから、スポット溶接にて当該板状の部材32aの両側を連結部31に固定する。
好適な実施形態において、前記板状の部材32aは鉄製であり、その大きさは、横方向の長さ30mm、高さ16mm、厚さ5mmである。そして、前記連結部31の外径は25.4mmであり、前記板状の部材32aが、前記長方形状の貫通孔32bから外部に露出して前記突条32を形成している長さは、2.3mmである。なお、これらの数値は参考値である。
さらに、前記スリット22と突条32の側面との寸法公差を0.5mm程度とすることで、スリット22と、突条32との間にガタつきが生じることを防ぐことができる。
本発明の一実施形態の走行練習用自転車1の他の構成部分については、従来の自転車の製造方法と同様の方法にて容易に製造することができる。
この実施形態の走行練習用自転車1においては、ブラケットユニット30及びチェーン11を外した状態(図2の上側に示す状態)にて自転車に乗ることができるようになるための練習を行うことができる。
即ち、通常の自転車におけるペダル、ペダルクランク及びボトムブラケットが無いため、ペダルを漕ぐ動作を習得する前のバランス感覚を習得するための練習に際してペダルなどが邪魔になることが無く、安全かつ効率的にバランス感覚及びハンドル操作などの方法を習得する練習を行うことができる。
上記形態の自転車にてバランス感覚及びハンドル操作などの方法を習得した後は、筒状部21に対してブラケットユニット30の連結部31を差し込んで固定し、チェーン11を装着することで、通常の自転車として使用することができるようになる。
従って、本発明においては、安価で取り扱い易い円筒状のパイプを筒状部21及び連結部31に用いた場合であっても、スリット22と突条32の係合が上方からの負荷・振動のみならず側方からの負荷・振動に対応できるため、ペダル9aを踏んだ時にかかる左右方向の力に対する強度を高め、ブラケットユニット30に形成した連結部31と、車体の本体フレーム2の筒状部21との係合状態にガタつきが生じたり、両者を固定するボルト40及びナット41に負荷が集中することを解決することができる。
図4(A)に示す突条32は、上下方向に延びる直線部分を含む略楕円形状であるが、この突条32を上下方向の断面が縦長の楕円形状とすることもできる。
さらに、図4(B)に示す突条32は、上下方向に延びる直線部分を含む多角形状である。
上下方向に長い突条32に代えて、上記のような突起34とする場合には、筒状部21と連結部31が正しい位置にて係合した状態で、スリット22の上側及び左右を含む内側面全体が突起34の側面及び上面と長く接するような形状及び位置に形成するとよい。
即ち、突起34の上端から下端(又は下端付近)までの両側面が、スリット22の内側面(上側及び左右を含む)と接するようにするとよい。
上記のように前記突起34とスリット22との接触部分を長くすることで、スリット22と突起34の係合が上方からの負荷や振動に対応できるのみならず、ペダル9aを踏んだ時にかかる左右方向の力に対する強度を高めることができる。
そして、筒状部21とブラケットユニット30の連結部31とは互いに正しい方向、正しい位置にてガタつくこと無く強固に係合する状態を維持することができる。
2 本体フレーム
3 ハンドルポスト
3a フロントフォーク
4 ハンドル
5 前輪
6 後輪
7 シートポスト
8 サドル
8a 把手
9 ペダルクランク
9a ペダル
10 ギヤ
11 チェーン
12 ブレーキシステム
21 筒状部
22 スリット
23 本体側の透孔
30 ブラケットユニット
31 連結部(ボトムブラケットアダプター)
32 突条
32a 板状の部材
32b 貫通孔
33 ブラケットユニット側の透孔
34 突起
40 ボルト
41 ナット
41a 雌ネジ穴
42 座金
Claims (6)
- ペダルクランクを軸支するブラケットユニットに突出形成した連結部を、車体の本体フレームから下方に向けて延びる筒状部に対して着脱可能とした走行練習用自転車であって、
前記筒状部の下端部においてその長手方向に沿って延びるように切欠形成された縦長のスリットと、
前記スリットの上方位置にて前記筒状部に形成された本体側の透孔と、
前記ブラケットユニットの連結部に形成され、前記スリットに嵌め込まれて当該スリットの内側面と上下方向において長く接するように係合する突条と、
前記スリットと前記突条が係合した状態において、前記本体側の透孔と一致する位置にて前記ブラケットユニットの連結部に形成されたブラケットユニット側の透孔と、
を備え、
前記本体側の透孔と前記ブラケットユニット側の透孔に挿通されるボルト、及びナットによって前記筒状部に対して前記ブラケットユニットの連結部を着脱可能に固定した走行練習用自転車であって、
前記本体側の透孔は、前記筒状部の向き合った両側部に各1個形成されており、前記ブラケットユニット側の透孔は、当該ブラケットユニットの連結部の向き合った両側部に各1個形成されており、それら全ての透孔を貫通する棒状のナット及び当該ナットと螺合するボルトによって前記筒状部に対して前記ブラケットユニットの連結部を着脱可能に固定したことを特徴とする走行練習用自転車。 - 前記筒状部のスリットは、2箇所形成されており、前記突条は、当該筒状部のスリットの両方に係合する板状の部材から構成されており、当該板状の部材が前記ブラケットユニットの連結部を貫通する状態で固定されることで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の走行練習用自転車。
- 前記本体側の透孔と前記ブラケットユニット側の透孔の形成位置と、前記スリットの形成位置は、車体の前後方向と一致する位置であることを特徴とする請求項1又は2に記載の走行練習用自転車。
- 前記突条は、上下方向の断面が縦長の長方形状、その他の多角形状、上下方向の断面が縦長の楕円形状、又は、上下方向に延びる直線部分を含む略楕円形状であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の走行練習用自転車。
- 前記本体フレームに装着されているサドルは、その後端部に把手が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の走行練習用自転車。
- ペダルクランクを軸支するブラケットユニットに突出形成した連結部を、車体の本体フレームから下方に向けて延びる筒状部に対して着脱可能とした走行練習用自転車であって、
前記筒状部の下端部に切欠形成されたスリットと、
前記スリットの上方位置にて前記筒状部に形成された本体側の透孔と、
前記ブラケットユニットの連結部に形成され、前記スリットに嵌め込まれて当該スリットの内側面全体と接するように係合する突起と、
前記スリットと前記突起が係合した状態において、前記本体側の透孔と一致する位置にて前記ブラケットユニットの連結部に形成されたブラケットユニット側の透孔と、
を備え、
前記本体側の透孔と前記ブラケットユニット側の透孔に挿通されるボルト、及びナットによって前記筒状部に対して前記ブラケットユニットの連結部を着脱可能に固定した走行練習用自転車であって、
前記本体側の透孔は、前記筒状部の向き合った両側部に各1個形成されており、前記ブラケットユニット側の透孔は、当該ブラケットユニットの連結部の向き合った両側部に各1個形成されており、それら全ての透孔を貫通する棒状のナット及び当該ナットと螺合するボルトによって前記筒状部に対して前記ブラケットユニットの連結部を着脱可能に固定したことを特徴とする走行練習用自転車。
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