JP6810904B2 - 電源装置および照明システム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、電源装置、照明装置および照明システムに関する。
照明システムは、省エネや居住快適性向上、演出性向上等のために、照明器具の調光制御や消灯制御等を行う。照明システムにはいくつかの方式があり、用途や施工時の制約等に応じて適切な方式が選択される。照明システムの方式のうち、電源線と調光信号線とを独立させた4線式調光方式は、汎用性が高く、多くの施設で採用されている。4線式調光方式は、電源線と調光信号線とを別々に配線する必要があるため、施工時の作業が煩雑になる傾向がある。2線式調光方式ですでに施工されている既設の照明システムを更新する場合、あるいは新規で施工する場合に、工事規模が大きくなる等の問題がある。
2線式調光方式は、位相制御を用いて交流電圧の実効値を制御して調光制御を行うため、簡素に照明システムを構築できるとの特徴を有する。位相制御は、電圧の実効値によって調光制御することができる白熱電球の調光制御には向いているが、半導体発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)や有機ELダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)等のような電流制御形の発光デバイスを調光制御するのには向いていない。
調光信号の伝送を無線で行うことによって、4線式調光方式を2線化する方法も実用化されつつあるが、照明システムの構成を大幅に変更する必要がある。
特開2005−267999号公報
実施形態は、LEDやOLED等の調光制御を簡素な2線式で行うことができる電源装置、照明装置および照明システムを提供する。
実施形態に係る電源装置は、交流電源に接続され前記交流電源から入力された交流電圧を直流電圧に変換するとともに、前記直流電圧を調光装置から受信した調光信号に応じた電圧値に設定し入力電圧として端子に供給するAC−DCコンバータと接続され、前記端子に接続される配線を介して前記AC−DCコンバータから供給される前記入力電圧に含まれる直流電圧の最小値から最大値の間の真の電圧データに応じて、照明負荷の光量を設定する。この電源装置は、前記入力電圧を測定する電圧測定部と、前記電圧測定部によって測定された前記入力電圧の電圧データから電圧変動分を除去する電圧変動除去部と、前記電圧変動除去部から出力された前記真の電圧データに応じて出力電流を設定することによって前記光量を設定する出力電流設定部と、を備える。前記電圧変動除去部は、前記電圧測定部によって測定された、異なる時間に取得された複数の電圧データにもとづいて平均化処理を行う平均化処理部を含む。
本実施形態では、電圧測定部によって測定された電圧データから電圧変動分を除去する電圧変動除去部と、電圧変動除去部から出力された真の電圧データに応じて出力電流を設定する出力電流設定部とを備えているので、入力電圧の電圧値に正確に対応した出力電流を得ることができる。そのため、LEDやOLED等の調光制御を簡素な2線式で行うことができる。
実施形態に係る照明システムを例示するブロック図である。 実施形態の照明システムのAC−DCコンバータを例示するブロック図である。 実施形態の照明システムの照明装置を例示するブロック図である。 AC−DCコンバータの入出力特性例および照明装置の調光の特性例を模式的に表したグラフである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
図1は、本実施形態に係る照明システムを例示するブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の照明システム100は、AC−DCコンバータ10と、照明装置20と、を備える。照明システム100は、交流入力端子11a,11bを介して、交流電源1に接続される。交流電源1は、たとえば商用電源である。交流電源1は、実効値が100Vまたは200Vの交流電圧を、50Hzまたは60Hzで照明システム100に供給する。
照明システム100は、調光信号入力端子11eを介して調光装置2に接続される。照明システム100は、調光信号入力端子11eを介して、調光装置2から出力される調光信号Sdを受信する。
調光信号Sdは、照明システム100によって点灯される照明ユニット50の光量を示す調光度Dを設定する信号である。たとえば、調光信号Sdが最小の調光度Dminを示す場合には、照明ユニット50の光量は最小となる。このときには、照明ユニット50に流れる出力電流IFは最小値に設定され、照明ユニット50は消灯状態となる。調光信号Sdが最大の調光度Dmaxを示す場合には、照明ユニット50の光量は最大となる。このときには、照明ユニット50に流れる出力電流IFは最大値に設定され、照明ユニット50は全点灯状態となる。
調光装置2は、入力された調光度Dの設定値等にしたがって、調光信号Sdを生成し、出力する。生成される調光信号Sdは、アナログ値であってもよく、ディジタル値であってもよい。調光信号Sdは、たとえば照明ユニット50の光量に応じて増大する電圧値を有するアナログ信号であり、あるいはDALI(Digital Addressable Lighting Interface)等にもとづくデータを含む信号等である。
この例では、調光装置2は、照明システム100の外部に設けられているが、調光装置2の機能は、照明システム100に含まれていてもよい。たとえば、調光装置2の機能は、AC−DCコンバータ10に含まれていてもよい。AC−DCコンバータ10は、調光装置2から供給されるDALI等にもとづく調光信号のデータを受信して、受信したデータを、光量に応じて増大する電圧値を有するアナログまたはディジタルの信号に変換するコンバータ等を含むようにしてもよい。
AC−DCコンバータ10は、交流入力端子11a,11bと、直流出力端子11c,11dと、調光信号入力端子11eと、を含む。交流入力端子11a,11bから入力された交流電圧は、直流電圧に変換されて出力端子11c,11dから出力される。この例では、AC−DCコンバータ10は、出力端子11dから出力端子11cに向かって正の電圧値を有する直流電圧VDCを出力する。出力端子11c,11dから出力される直流電圧VDCの値は、調光信号Sdに応じて設定される。たとえば、調光信号Sdが最小の調光度Dminを示す場合には、AC−DCコンバータ10は、最小直流電圧Vaを出力する。調光信号Sdが最大の調光度Dmaxを示す場合には、AC−DCコンバータ10は、最大直流電圧Vbを出力する。
照明装置20は、電力変換部30と、照明ユニット50と、を含む。電力変換部30は、入力端子31a,31bと、出力端子31c,31dと、を含む。電力変換部30は、入力端子31a,31bを介して、AC−DCコンバータ10の直流出力端子11c,11dに接続されている。
電力変換部30の出力端子31c,31dには、照明ユニット50が接続されている。電力変換部30は、AC−DCコンバータ10から直流電圧VDCの供給を受けて、入力端子31a,31bに入力された直流電圧VDCの電圧値に応じた出力電流IFを照明ユニット50に供給する。そのため、照明ユニット50は、調光信号Sdが示す調光度Dに応じた光量で点灯し、あるいは消灯する。
たとえば、照明装置20は、AC−DCコンバータ10から直流電圧VDCの最小値である最小直流電圧Vaを供給された場合には、照明ユニット50の光量が最小値になるように出力電流IFを設定する。照明装置20は、AC−DCコンバータ10から直流電圧VDCの最大値である最大直流電圧Vbを供給された場合には、照明ユニット50の光量が最大値になるように出力電流IFを設定する。
このように、本実施形態の照明システム100では、調光信号Sdを受信したAC−DCコンバータ10が、調光信号Sdに応じた電圧値を有する直流電圧VDCを照明装置20に供給する。照明装置20は、供給された直流電圧VDCの電圧値に応じた光量で照明ユニット50を点灯させる。
この例では、照明装置20は、AC−DCコンバータ10の出力に1つ接続されているが、配線4a,4bによって、複数台の照明装置20が並列に接続されていてもよい。照明装置20がAC−DCコンバータ10の出力に並列に接続された場合には、AC−DCコンバータ10が出力する直流電圧VDCに応じて、すべての照明装置20は同一の光量で点灯する。
照明装置20は、AC−DCコンバータ10から直流電圧VDCの供給を受けて、動作する。照明装置20は、AC−DCコンバータ10が供給する直流電圧VDCの電圧値に応じた出力電流IFを照明ユニット50に供給する。照明装置20に入力される直流電圧VDCは、調光度Dを表す調光信号Sdに応じて設定されている。したがって、直流電圧VDCが時間的に変動した場合には、調光信号Sdの設定どおりの光度で照明ユニット50を点灯させることができない場合がある。そこで、本実施形態の照明装置20では、AC−DCコンバータ10から供給される直流電圧VDCのリプル、ノイズ等や、配線4a,4bを介して並列に接続された他の照明装置20から伝導するノイズ等の時間的な電圧の変動を除去して、真の直流電圧VDC1の値を取得する。照明装置20は、真の直流電圧VDC1にもとづいて、調光信号Sdによって設定された光量で照明ユニット50を点灯させる。
以下では、本実施形態の照明システム100の各部の構成について詳述する。
(AC−DCコンバータの構成および動作)
図2は、本実施形態の照明システムのAC−DCコンバータを例示するブロック図である。
図2に示すように、AC−DCコンバータ10は、整流回路12と、力率改善回路13と、平滑回路14と、電力変換部15と、を含む。
整流回路12は、交流入力端子11a,11bを介して交流電源1に接続される。整流回路12は、交流電圧を整流して、脈流の交流電圧に変換する。整流回路12は、たとえば全波整流回路であり、ダイオードブリッジにより構成されている。
力率改善回路(Power Factor Correction、以下、PFC回路ともいう。)13は、整流回路12の出力に接続されている。PFC回路13は、整流回路12から出力される脈流の交流電圧を入力して、直流電圧に変換して出力する。PFC回路13は、たとえば昇圧電源回路である。この例では、PFC回路13は、コイル131と、スイッチング素子132と、ダイオード133と、制御回路134と、を含む。スイッチング素子132は、制御端子(たとえばMOSFETのゲート端子)を介して制御回路134によって駆動される。スイッチング素子132は、制御回路134によって設定されるオン時間またはオフ時間でスイッチングする。
PFC回路13は、入力される脈流の電圧が低いときには、スイッチング素子132がオンする期間が長く、脈流の電圧が高いときにはスイッチング素子132がオンする期間が短くなるように動作する。そのため、平滑回路14に入力される電流波形の歪が低減され、高調波が抑制される。
PFC回路13は、昇圧電源回路に限らず、昇降圧電源回路や降圧電源回路であってもよい。また、PFC回路13は、AC−DCコンバータ10の出力電力容量が大きい場合、たとえば25Wを超える場合に用いられる。AC−DCコンバータ10の出力電力容量が、たとえば25W以下の場合には、PFC回路13を用いずに、整流回路12の出力をそのまま平滑回路14に接続するようにしてもよい。
平滑回路14は、たとえば平滑コンデンサである。入力される電流の変動を吸収して、安定した直流電圧を後段の電力変換部15に供給する。平滑回路14は、たとえば電解コンデンサを含む。電解コンデンサに並列にフィルムコンデンサやセラミックコンデンサ等の高周波ノイズを吸収することができるコンデンサを接続するようにしてもよい。
電力変換部15は、制御回路152と、スイッチング素子153と、トランス154と、ダイオード155と、出力コンデンサ156と、を含む。電力変換部15は、オペアンプ158と、可変電源回路159と、抵抗器160a,160bと、をさらに含む。
電力変換部15は、平滑回路14を介して供給される直流電圧を他の電圧値を有する直流電圧VDCに変換する。変換する直流電圧VDCの電圧値は、調光装置2から供給される調光信号Sdによって設定される。
制御回路152は、スイッチング素子153の制御端子(たとえばMOSFETのゲート端子)に接続されており、制御端子を介してスイッチング素子153のオンオフを制御する。制御回路152は、フォトカプラの受光部151に接続されている。制御回路152は、フォトカプラの受光部151から出力される電圧または電流によって、スイッチング素子153のオン時間またはオフ時間を設定する。
スイッチング素子153は、主端子(たとえばMOSFETのドレイン端子)を介してトランス154の一次巻線に直列に接続されている。スイッチング素子153の他方の主端子(たとえばMOSFETのソース端子)は、平滑回路14の低電位側の端子に接続されている。スイッチング素子153は、制御回路152から出力される駆動パルスに応じてトランス154の一次巻線を駆動する。
トランス154は、一次巻線と二次巻線とを含んでおり、一次巻線は、上述のとおり、スイッチング素子153によって駆動される。二次巻線の一方の端子は、ダイオード155を介して出力コンデンサ156の高電位側に接続されており、他方の端子は、出力コンデンサ156の低電位側に接続されている。ダイオード155のアノードは、トランス154に接続され、カソードは出力コンデンサ156に接続されている。そのため、二次巻線から出力される交流電圧は、ダイオード155によって整流されて、出力コンデンサ156を充電して直流電圧に変換される。
トランス154は、この例ではフライバック巻きされている。トランス154は、一次巻線に電流が流れたときに、エネルギを蓄積し、一次巻線の電流が遮断されたときに、蓄積されたエネルギが二次巻線から放出される。
電力変換部15の構成は上述に限らず、入出力の電圧の範囲や出力電力容量等によって適切の他の回路構成を用いることができる。たとえば、電力変換部15は、フォワード形式やハーフブリッジ形式等であってもよい。
オペアンプ158の一方の入力には、可変電源回路159の出力が接続されている。オペアンプ158の他方の入力には、直列に接続された抵抗器160a,160bの接続ノードが接続されている。抵抗器160a,160bは、直列に接続され、直列接続体の両端は、直流出力端子11c,11dに接続されている。
オペアンプ158の出力には、フォトカプラの発光部157が接続されている。電力変換部15は、AC−DCコンバータ10の直流出力端子11c,11dから出力される電圧を検出して、可変電源回路159が出力する電圧に一致するようにオペアンプ158の出力電圧または出力電流を制御する。フォトカプラの発光部157は、受光部151を駆動する。
可変電源回路159は、調光信号Sdに応じた基準電圧Vref1を出力する。たとえば、照明ユニット50の光量を最小に設定する調光信号Sdaが入力された場合には、可変電源回路159は、最小基準電圧Vref1aを出力する。照明ユニット50の光量を最大にする調光信号Sdbが入力された場合には、可変電源回路159は、最大基準電圧Vref1bを出力する。
抵抗器160a,160bの抵抗値をそれぞれRa,Rbとすると、AC−DCコンバータ10が出力する直流電圧VDCは、以下の式(1)のように表される。
VDC=(1+Ra/Rb)×Vref1 (1)
したがって、AC−DCコンバータ10は、調光信号Sdに応じて基準電圧Vref1を設定することによって、調光信号Sdに応じた直流電圧VDCを出力することができる。
(照明装置の構成)
図3は、本実施形態の照明システムの照明装置を例示するブロック図である。
図3に示すように、照明装置20は、電力変換部30と、照明ユニット50と、を含む。照明ユニット50は、電力変換部30の出力に接続されており、電力変換部30から直流電力の供給を受けて点灯する。
照明ユニット50は、発光素子52を含む。発光素子52は、複数含まれてもよく、その場合には、発光素子52は、直列に接続され、もしくは並列に接続され、または、直列接続されたものが並列に接続されていてもよい。
電力変換部30は、入力端子31a,31bと、出力端子31c,31dと、を含む。入力端子31a,31bには、配線4a,4bを介して、AC−DCコンバータ10の直流出力端子11c,11dが接続される。出力端子31c,31dには、照明ユニット50が接続されている。
電力変換部30は、入力端子31a,31bに入力される直流電圧VDCに応じた出力電流IFを照明ユニット50に供給する。照明装置20は、入力された直流電圧VDCの時間的な変動を除去する電圧制御部40を含んでいる。電圧制御部40は、入力される直流電圧VDCから電圧変動成分を除去して、真の直流電圧VDC1を得て、出力電流IFを設定する。
電力変換部30は、この例では、降圧電源回路である。電力変換部30は、入力コンデンサ32と、スイッチング素子33と、ダイオード34と、制御回路35と、コイル36と、出力コンデンサ37と、抵抗器38と、電圧制御部40と、を含む。
入力コンデンサ32の両端は、入力端子31a,31bに接続されている。入力コンデンサ32の両端は、スイッチング素子33およびダイオード34の直列回路に接続されている。スイッチング素子33とダイオード34との接続ノードには、コイル36の一端が接続されている。出力コンデンサ37の両端には、コイル36の他端およびダイオードのアノードが接続されている。
上述の電力変換部30の回路形式は、入力電圧の範囲や出力電圧の範囲、出力する電力容量等によって適切に選定される。たとえば、電力変換部30の回路形式として、昇圧電源回路や、昇降圧電源回路等を用いてもよい。
抵抗器38は、この例では、低電位の出力端子31dと出力コンデンサ37の低電位側の端子との間に接続されている。抵抗器38は、電力変換部30の出力電流IFを検出して、検出電圧Vsに変換する。抵抗器38は、出力電流IFを検出することができれば、他の箇所に接続されていてもよい。たとえば、高電位側の出力端子31cと出力コンデンサ37の高電位側の端子との間に接続されてもよい。
制御回路35は、スイッチング素子33の制御端子(たとえばMOSFETのゲート端子)に接続されている。制御回路35は、電圧制御部40の出力に接続されている。電圧制御部40は、後述するように、電力変換部30に入力された直流電圧VDCを測定し、抵抗器38によって出力電流IFに比例した電圧を、直流電圧VDCに応じた値の制御信号に変換する。電圧制御部40から出力された制御信号は、制御回路35によってスイッチング素子33を適切なオン時間またはオフ時間でスイッチングして、所望の出力電流IFを得る。
電圧制御部40は、アナログ−ディジタル変換器(以下、AD変換器ともいう。)41と、演算部42と、記憶部43と、ディジタル−アナログ変換器(以下、DA変換器ともいう。)44と、オペアンプ45と、を含む。
この例では、電圧制御部40が動作するための電力を供給するために入力端子31aに接続された電圧レギュレータ46が設けられている。電圧レギュレータ46は、直流電圧VDCを電圧制御部40の電源電圧Vddに変換して電圧制御部40に供給する。
AD変換器41は、入力端子31aに接続されている。AD変換器41は、入力端子31aから直流電圧VDCを入力して、直流電圧VDCに対応するアナログ値をディジタル値に変換する。この例のように、AD変換器41の入力と入力端子31aとの間にスイッチングノイズ等を除去するためのフィルタ回路39を接続してもよい。
演算部42は、AD変換器41に接続されている。演算部42は、AD変換器41に対して直流電圧VDCを取り込むタイミングや周期等を設定する。演算部42は、AD変換器41が取得した直流電圧VDCのディジタル値を記憶部43の所定のアドレスに格納する。演算部42は、記憶部43に格納された、取得時間の異なる複数の直流電圧VDCの電圧値のデータを読み出して、平均化処理して結果を記憶部43に格納する。
DA変換器44は、演算部42によって平均化処理された直流電圧VDCのデータを真の直流電圧データVDC1として入力し、アナログ値の基準電圧Vref2として出力する。
オペアンプ45は、一方の入力にはDA変換器44が出力する基準電圧Vref2を入力する。オペアンプ45は、他方の入力には、出力電流IFに比例する検出電圧Vsを入力する。オペアンプ45は、基準電圧Vref2と検出電圧Vsとの誤差を増幅して出力する。出力された制御信号は、制御回路35によって、たとえばパルス幅変調されてスイッチング素子33を駆動する。
本実施形態の照明システムおよび照明装置の動作について説明する。
図4は、AC−DCコンバータの入出力特性例および照明装置の調光の特性例を模式的に表したグラフである。
照明システム100のAC−DCコンバータ10は、調光度Dを表す調光信号Sdに応じた直流電圧VDCを出力する。図4の特性曲線Aに示すように、AC−DCコンバータ10は、最小の調光度Dmin(=0%)を有する調光信号Sdを受信したときに、最小直流電圧Vaを出力する。AC−DCコンバータ10は、最大の調光度Dmax(=100%)を有する調光信号Sdを受信したときに、最大直流電圧Vbを出力する。
照明装置20は、実線の特性曲線Aに示すように、直流電圧VDCに応じて出力電流IFを出力する。出力電流IFは、直流電圧VDCに対して単調に増加するように設定されている。出力電流IFは、調光度Dに対応している。たとえば、照明装置20は、最小直流電圧Vaを入力したときには、最小出力電流Iaを出力する。最小出力電流Iaは、最小の調光度Dminに対応している。照明装置20は、最大直流電圧Vbを入力したときには、最大出力電流Ibを出力する。最大出力電流Ibは、最大の調光度Dmaxに対応している。
なお、照明装置20の調光の特性については、図4の特性Bのように、出力電流IFは、最大出力電流Ibで直流電圧VDCに対して一定となるようにしてもよい。このように設定することによって、照明ユニット50に過大な電圧が印加された場合であっても、過大な電流を流すことを防止し、照明ユニット50の破損等を防止することができる。
電力変換部30に入力される直流電圧VDCが最大直流電圧Vbよりも高い電圧Vc以上の場合には、出力することができる出力電流IFを低減するようにしてもよい。Vcよりも高い電圧Vdに達した場合には、過電圧入力であるとして、出力を遮断するようにしてもよい。
また、照明ユニット50がLED等の半導体発光素子を用いている場合には、低電流領域において、半導体発光素子は、電流変化に対する光量の変化が小さくなる。一方で、半導体発光素子は、印加電圧による光量の変化が大きくなる。そのため、最小直流電圧Vaよりも低い電圧Veを設定し、VeとVaとの間で電圧制御を行うことによって照明ユニット50の光量の制御を行うようにしてもよい。
電圧Va〜Veは、点灯する照明ユニット50に印加すべき電圧や、照明負荷に供給する電力等にもとづいて適切な値に任意に設定することができる。電圧Va〜Veを任意に設定することによって、電力変換部30の回路形式を適切に選定することができる。
照明装置20に入力される直流電圧VDCの電圧値がリプルやノイズ等によって時間的に変動している場合には、変動する直流電圧VDCを取得した時点の出力電流IFを設定することになる。図4の特性曲線Aのように、高電圧側で傾きが急になるような下に凸の特性を示す場合には、取得した直流電圧VDCの電圧値が、高電圧側に変動している場合には、出力電流IFの設定値は、非常に大きな値となることがある。そのため、照明装置20に入力される直流電圧VDCでは、時間的な変動を抑制する必要がある。
照明装置20のAD変換器41は、所定のサンプリング周期で直流電圧VDCの値を取り込んでディジタル値に変換する。変換されたデータは、演算部42の指令によって、記憶部43に格納される。
たとえば、AD変換器41は、直流電圧VDCのデータをサンプリング周期ごとに所定の個数取得して、記憶部43にそれぞれを格納する。
演算部42は、記憶部43から、取得時間の異なる複数の直流電圧VDCの電圧値のデータを読み出して、周知のアルゴリズムを用いて平均化処理を行う。演算部42は、平均化処理を行った結果を真の直流電圧データVDC1として記憶部43に格納する。
上述の所定のサンプリング周期はあらかじめ適切な値に設定される。平均化処理に用いるデータの個数または平均化周期は、あらかじめ適切な値に設定される。これらの値は、たとえば記憶部43に格納される。これらの値は、平均化処理の結果に応じて、より適切な値に置き換えられてもよい。
照明装置20に入力される直流電圧VDCは、平均化処理されて、真の直流電圧データVDC1として記憶部43に格納され、DA変換器44は、真の直流電圧データVDC1を入力する。DA変換器44は、真の直流電圧データVDC1に対応する基準電圧Vref2を出力する。
このようにして、照明装置20は、真の直流電圧データVDC1にもとづいて設定される出力電流IFを出力する。
照明装置20に入力される直流電圧VDCの時間的な変動を抑制するために用いられる平均化処理は、上述のようなソフトウェア的な手法に限られない。たとえば、あらかじめ設定された個数のサンプリングデータを取得し、ハードウェアロジックを用いて、その平均化処理を行うハードウェア的手法等を用いて真の直流電圧データVDC1を求めるようにしてもよい。
本実施形態の照明システムおよび照明装置の作用および効果について説明する。
本実施形態の照明システムでは、AC−DCコンバータ10が調光度Dを設定する調光信号Sdにしたがって直流電圧VDCを出力する。照明装置20は、入力された直流電圧VDCに応じた出力電流IFを設定する。照明装置20に入力された直流電圧VDCには、電圧制御部40によって、異なる時間で複数個取得された電圧データの平均化処理の結果を用いる。そのため、照明装置20は、時間的な電圧変動が除去されて、真の直流電圧VDC1にもとづく出力電流IFを設定することができる。したがって、調光信号による指令に対して少ない誤差の光量で照明ユニット50を点灯させることができる。
以上説明した実施形態によれば、LEDやOLED等の調光制御を簡素な2線式で行うことができる電源装置、照明装置および照明システムを実現することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 交流電源、2 調光装置、4a,4b 配線、10 AC−DCコンバータ、12 整流回路、13 PFC回路、14 平滑回路、15 電力変換回路、152 制御回路、153 スイッチング素子、154 トランス、155 ダイオード、156 出力コンデンサ、158 オペアンプ、159 可変電源回路、160a,160b 抵抗器、20 照明装置、30 電力変換部、32 入力コンデンサ、33 スイッチング素子、34 ダイオード、35 制御回路、36 コイル、37 出力コンデンサ、38 抵抗器、39 フィルタ、40 電圧制御部、41 アナログ−ディジタル変換器(AD変換器)、42 演算部、43 記憶部、44 ディジタル−アナログ変換器(DA変換器)、45 オペアンプ、46 電圧レギュレータ、50 照明ユニット、52 発光素子

Claims (4)

  1. 交流電源に接続され前記交流電源から入力された交流電圧を直流電圧に変換するとともに、前記直流電圧を調光装置から受信した調光信号に応じた電圧値に設定し入力電圧として端子に供給するAC−DCコンバータと接続され、前記端子に接続される配線を介して前記AC−DCコンバータから供給される前記入力電圧に含まれる直流電圧の最小値から最大値の間の真の電圧データに応じて、照明負荷の光量を設定する電源装置であって、
    前記入力電圧を測定する電圧測定部と、
    前記電圧測定部によって測定された前記入力電圧の電圧データから電圧変動分を除去する電圧変動除去部と、
    前記電圧変動除去部から出力された前記真の電圧データに応じて出力電流を設定することによって前記光量を設定する出力電流設定部と、
    を備え、
    前記電圧変動除去部は、前記電圧測定部によって測定された、異なる時間に取得された複数の電圧データにもとづいて平均化処理を行う平均化処理部を含む電源装置。
  2. 前記電圧変動除去部は、前記入力電圧からノイズを除去するフィルタ回路を含む請求項1記載の電源装置。
  3. 前記出力電流は、前記真の電圧データに対して単調に増加するように設定され、
    前記真の電圧データが最小値の場合には、前記出力電流は、最小値に設定され、
    前記真の電圧データが最大値の場合には、前記出力電流は、最大値に設定される請求項1または2に記載の電源装置。
  4. 請求項1に記載された電源装置と、
    記AC−DCコンバータと、
    を備えた照明システム。
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