JP6809941B2 - プレス曲げ成形解析モデル生成システム及びプログラム - Google Patents

プレス曲げ成形解析モデル生成システム及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、コンピュータを用いて、プレス曲げ成形における成形解析を行うプレス曲げ成形解析モデル生成システム及びそのプログラムに関する。
プレス曲げ成形では、アクチュエータによるカムドライバの下降に伴って、斜面を介して接したカムスライダが水平方向に移動し、カムスライダに取り付けられたプレス面により、ブランク材を押圧して、パンチ面との間にブランク材を挟み込んで所定の形状に成形する。
近年、プレス曲げ成形品をはじめとするプレス成形品の寸法精度の向上が求められている。このため、金型の変形も考慮した、プレス曲げ成形時におけるより高精度なシミュレーションが求められている。
これに対応するため、例えば、金型全体を変形可能な弾性体であるソリッド要素でモデル化し、成形途中の金型の変形を逐次計算しながら解析する方法等が利用されている(例えば、非特許文献2、3参照)。
高村正人著他5、「静的陽解法FEMによる金型弾性変形を考慮した板成形シミュレーション」、塑性と加工第47巻第540号、2006年1月25日発行、p.64−68 石渡亮伸著他3、「曲がりハット材の捩れスプリングバック予測に及ぼす金型・プレス機弾性体モデル化範囲の影響」、塑性と加工第56巻第651号、2015年発行、p.311−316
一般的に、シミュレーションを行うダイフェース設計時点では、金型の構造は詳細に確定していないので、金型全体をソリッド要素でモデル化する方法は、通常の設計ルーチンで実現するのは困難である。また、ソリッドモデルによる解析は、通常のシェルモデルによる解析と比較して、多大な設定工数及び計算時間を要する。
従って、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、詳細な金型構造が不明であっても金型のたわみ発生メカニズムを考慮でき、かつ成形途中のたわみ量を逐次計算でき、かつ工数の増加が小さいシミュレーションシステム及びプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の1つの実施態様に係るシステムは、
ガイド部材の垂直ガイド面に対向する垂直面と、前記垂直面と水平方向で反対側に設けられた第1の斜面とを有するカムドライバと、
前記第1の斜面と対向する第2の斜面と、前記第2の斜面と水平方向で反対側に設けられたプレス面と、前記ガイド部材の水平ガイド面に対向する水平面と、を有するカムスライダと、を備えたプレス曲げ成形金型を用いて、
前記カムドライバの下降に伴って、前記垂直ガイド面及び前記垂直面並びに前記第1の斜面及び前記第2の斜面が互いに摺動して、前記カムスライダが前記水平ガイド面に沿って水平方向に移動し、前記カムスライダに設けられた前記プレス面がブランク材の対向する被プレス面に接触して押圧することにより実施されるプレス曲げ成形を、有限要素法によって解析するための解析モデルを生成するプレス曲げ成形解析モデル生成システムであって、
前記垂直面から荷重を受ける弾性面とみなす前記垂直ガイド面の解析モデルを形成する垂直ガイド面解析モデル生成部と、
前記垂直ガイド面から荷重を受ける剛体面とみなす前記垂直面と、前記第2の斜面から荷重を受ける剛体面とみなす前記第1の斜面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可なカムドライバビームを用いて前記カムドライバの解析モデルを形成するカムドライバ解析モデル生成部と、
前記被プレス面から荷重を受ける剛体面または弾性面とみなす前記プレス面と、前記第1の斜面から荷重を受ける剛体面とみなす前記第2の斜面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可なカムスライダビームを用いて前記カムスライダの解析モデルを形成するカムスライダ解析モデル生成部と、
前記プレス面から荷重を受ける被プレス面を有する変形可能なシェル要素を用いて前記ブランク材の解析モデルを形成するブランク材解析モデル生成部と、
を備え、
前記カムドライバビーム及び前記カムスライダビームの少なくとも一方が弾性変形可能であるプレス曲げ成形解析モデル生成システムである。
本発明の1つの実施態様に係るプログラムは、
ガイド部材の垂直ガイド面に対向する垂直面と、前記垂直面と水平方向で反対側に設けられた第1の斜面とを有するカムドライバと、
前記第1の斜面と対向する第2の斜面と、前記第2の斜面と水平方向で反対側に設けられたプレス面と、前記ガイド部材の水平ガイド面に対向する水平面と、を有するカムスライダと、を備えたプレス曲げ成形金型を用いて、
前記カムドライバの下降に伴って、前記垂直ガイド面及び前記垂直面並びに前記第1の斜面及び前記第2の斜面が互いに摺動して、前記カムスライダが前記水平ガイド面に沿って水平方向に移動し、前記カムスライダに設けられた前記プレス面がブランク材の対向する被プレス面に接触して押圧することにより実施されるプレス曲げ成形を、有限要素法によって解析するための解析モデルを生成するプログラムであって、
コンピュータを、
前記垂直面から荷重を受ける弾性面とみなす前記垂直ガイド面の解析モデルを形成する垂直ガイド面解析モデル生成部と、
前記垂直ガイド面から荷重を受ける剛体面とみなす前記垂直面と、前記第2の斜面から荷重を受ける剛体面とみなす前記第1の斜面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可なカムドライバビームを用いて前記カムドライバの解析モデルを形成するカムドライバ解析モデル生成部と、
前記被プレス面から荷重を受ける剛体面または弾性面とみなす前記プレス面と、前記第1の斜面から荷重を受ける剛体面とみなす前記第2の斜面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可なカムスライダビームを用いて前記カムスライダの解析モデルを形成するカムスライダ解析モデル生成部と、
前記プレス面から荷重を受ける被プレス面を有する変形可能なシェル要素を用いて前記ブランク材の解析モデルを形成するブランク材解析モデル生成部と、
して機能させ、
前記カムドライバビーム及び前記カムスライダビームの少なくとも一方が弾性変形可能であるプレス曲げ成形解析モデル生成プログラムである。
上記の実施態様によれば、詳細な金型構造が不明であっても金型のたわみ発生メカニズムを考慮でき、かつ成形途中のたわみ量を逐次計算でき、かつ工数の増加が小さいシミュレーションシステム及びプログラムを提供することができる。
プレス曲げ成形における成形解析に適用する構成部材及びその配置の一例を模式的に示す斜視図である。 図1に示す配置例の側面形状を模式的に示す側面図であって、カムドライバが下降する前の初期状態を示す図である。 図1に示す配置例の側面形状を模式的に示す側面図であって、カムドライバが下降した成形時の状態を示す図である。 図3に示す成形時の状態において、カムドライバ及びカムスライダがそれぞれ1つのビームを有する本発明の第1の実施形態に係る解析モデルを示す図である。 図3に示す成形時の状態において、カムドライバ及びカムスライダがそれぞれ3つのビームを有する本発明の第2の実施形態に係る解析モデルを示す図である。 本発明の1つの実施形態に係るCAD装置のハードウエアの構成を示すブロックダイアグラムである。 本発明の1つの実施形態に係るプレス曲げ成形解析モデル生成システムの制御の基本構成を示すブロックダイアグラムである。 本発明の1つの実施形態に係るプレス曲げ成形解析モデル生成システムで実施される解析モデル生成メインルーチンを示すフローチャートである。 メインルーチンにおいてステップS10で示される制御処理であって、図4に示す第1の実施形態に係る解析モデルを用いたカムドライバ設定サブルーチンAの詳細を示すフローチャートである。 メインルーチンにおいてステップS20で示される制御処理であって、図4に示す第1の実施形態に係る解析モデルを用いたカムスライダ設定サブルーチンAの詳細を示すフローチャートである。 メインルーチンにおいてステップS10で示される制御処理であって、図5に示す第2の実施形態に係る解析モデルを用いたカムドライバ設定サブルーチンBの詳細を示すフローチャートである。 メインルーチンにおいてステップS20で示される制御処理であって、図5に示す第2の実施形態に係る解析モデルを用いたカムスライダ設定サブルーチンBの詳細を示すフローチャートである。 カムドライバ及びカムスライダの設定データを説明するための図であって、特に解析モデルを構成する剛体面及びビームを模式的示す模式図である。 カムドライバ設定サブルーチンにより設定するカムドライバ情報の一例を示すテーブルである。 カムドライバの規定する節点及びシェル要素の情報を示すテーブルである。 カムスライダ設定サブルーチンにより設定するカムスライダ情報の一例を示すテーブルである。 カムスライダの形状を規定する節点及びシェル要素の情報を示すテーブルである。 カムスライダのプレス面を弾性面とみなす場合に用いるテーブルであって、プレス面形状を規定する節点及びシェル要素、及び領域点の情報を示すテーブルである。 メインルーチンにおいてステップS30で示される制御処理であって、図4に示す第1の実施形態に係る解析モデルを用いたガイド面設定サブルーチンAの詳細を示すフローチャートである。 メインルーチンにおいてステップS30で示される制御処理であって、図5に示す第2の実施形態に係る解析モデルを用いたガイド面設定サブルーチンBの詳細を示すフローチャートである。 ガイド面設定サブルーチンで設定する垂直ガイド面に関する情報を示すテーブルである。 ガイド面設定サブルーチンで設定する水平ガイド面に関する情報を示すテーブルである。 メインルーチンにおいてステップS40で示されるブランク材設定サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。 ブランク材を規定する節点及びシェル要素、及び領域点の情報を示すテーブルである。 メインルーチンにおいてステップS50で示される工具設定サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。 パンチ面を含む工具を規定する節点及びシェル要素、及び領域点の情報を示すテーブルである。 メインルーチンにおいてステップS60で示される制御処理であって、図4に示す第1の実施形態に係る解析モデルを用いたカムドライバビーム結合・剛性計算サブルーチンAの詳細を示すフローチャートである。 メインルーチンにおいてステップS70で示される制御処理であって、図4に示す第1の実施形態に係る解析モデルを用いたカムスライダビーム結合・剛性計算サブルーチンAの詳細を示すフローチャートである。 メインルーチンにおいてステップS60で示される制御処理であって、図5に示す第2の実施形態に係る解析モデルを用いたカムドライバビーム結合・剛性計算サブルーチンBの詳細を示すフローチャートである。 メインルーチンにおいてステップS70で示される制御処理であって、図5に示す第2の実施形態に係る解析モデルを用いたカムスライダビーム結合・剛性計算サブルーチンBの詳細を示すフローチャートである。 カムドライバビーム結合・剛性計算またはカムスライダビーム結合・剛性計算を説明するための図であって、特に解析モデルを構成する剛体面及びビームを模式的示す図である。 カムスライダビーム結合・剛性計算を説明するための図であって、特にプレス面が弾性面の場合のビーム端部及び領域点の連結を模式的示す図である。 メインルーチンにおいてステップS80で示される接触・拘束条件設定サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。 垂直面及び斜面の接触情報を示すテーブルである。 水平面の接触情報を示すテーブルである。 平面ガイド面の拘束条件を示すテーブルである。 垂直ガイド面の拘束条件を示すテーブル及び斜視図である。 メインルーチンにおいてステップS90で示されるプレス成形解析サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。
発明の詳細な説明
上記の目的を達成するため、本発明の実施態様1に係るプレス曲げ成形解析モデル生成システムは、
ガイド部材の垂直ガイド面に対向する垂直面と、前記垂直面と水平方向で反対側に設けられた第1の斜面とを有するカムドライバと、
前記第1の斜面と対向する第2の斜面と、前記第2の斜面と水平方向で反対側に設けられたプレス面と、前記ガイド部材の水平ガイド面に対向する水平面と、を有するカムスライダと、を備えたプレス曲げ成形金型を用いて、
前記カムドライバの下降に伴って、前記垂直ガイド面及び前記垂直面並びに前記第1の斜面及び前記第2の斜面が互いに摺動して、前記カムスライダが前記水平ガイド面に沿って水平方向に移動し、前記カムスライダに設けられた前記プレス面がブランク材の対向する被プレス面に接触して押圧することにより実施されるプレス曲げ成形を、有限要素法によって解析するための解析モデルを生成するプレス曲げ成形解析モデル生成システムであって、
前記垂直面から荷重を受ける弾性面とみなす前記垂直ガイド面の解析モデルを形成する垂直ガイド面解析モデル生成部と、
前記垂直ガイド面から荷重を受ける剛体面とみなす前記垂直面と、前記第2の斜面から荷重を受ける剛体面とみなす前記第1の斜面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可なカムドライバビームを用いて前記カムドライバの解析モデルを形成するカムドライバ解析モデル生成部と、
前記被プレス面から荷重を受ける剛体面または弾性面とみなす前記プレス面と、前記第1の斜面から荷重を受ける剛体面とみなす前記第2の斜面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可なカムスライダビームを用いて前記カムスライダの解析モデルを形成するカムスライダ解析モデル生成部と、
前記プレス面から荷重を受ける被プレス面を有する変形可能なシェル要素を用いて前記ブランク材の解析モデルを形成するブランク材解析モデル生成部と、
を備え、
前記カムドライバビーム及び前記カムスライダビームの少なくとも一方が弾性変形可能である。
本実施態様では、プレス曲げ成形に用いる金型であるカムドライバ及びカムスライダについて、主要面をビームで繋ぐモデルを適用することにより、金型のたわみを考慮したプレス曲げ成形の解析を、金型全体をソリッド要素でモデル化する場合に比べて、より少ないデータを用いて、より短い演算時間で実現できる。また、詳細な金型構造が不明であったとしても、金型のたわみ発生メカニズムを考慮できる。更に、カムドライバを所定量下降させたきの解析を繰り返すことにより、プレス曲げ成形の途中経過における金型や披成形品のたわみ量を算出することができる。
以上のように、本実施態様では、詳細な金型構造が不明であっても金型のたわみ発生メカニズムを考慮でき、かつ成形途中のたわみ量を逐次計算でき、かつ工数の増加が小さいシミュレーションシステムを提供することができる
本発明の実施態様2に係るプレス曲げ成形解析モデル生成システムは、上記の実施態様1において、
前記カムドライバが、水平な荷重面を有し、
前記カムドライバビームとして、
前記垂直ガイド面から荷重を受ける前記垂直面と、前記第2の斜面から荷重を受ける前記第1の斜面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可な第1ドライバビームに加えて、
前記第2の斜面から荷重を受ける前記第1の斜面と、上方から荷重を受ける剛体面とみなす前記荷重面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可な第2ドライバビーム、及び
上方から荷重を受ける前記荷重面と、前記垂直ガイド面から荷重を受ける前記垂直面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可な第3ドライバビームを有する。
本実施態様では、垂直面と第1の斜面との間を繋ぐ第1ドライバビームに加えて、第1の斜面と荷重面との間を繋ぐ第2ドライバビーム、及び荷重面と垂直面との間を繋ぐ第3ドライバビームを有するので、ドライバビームのたわみを考慮したより精度の高いプレス曲げ成形の解析が可能となる。
本発明の実施態様3に係るプレス曲げ成形解析モデル生成システムは、上記の実施態様1または2において
前記水平面から荷重を受ける弾性面とみなす前記水平ガイド面の解析モデルを形成する水平ガイド面解析モデル生成部を更に備え、
前記カムスライダビームとして、
前記被プレス面から荷重を受ける剛体面または弾性面とみなす前記プレス面と、前記第1の斜面から荷重を受ける剛体面とみなす前記第2の斜面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可な第1スライダビームに加えて、
前記第1の斜面から荷重を受ける前記第2の斜面と、前記水平ガイド面から荷重を受ける前記水平面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可な第2スライダビーム、及び
前記水平ガイド面から荷重を受ける剛体面とみなす前記水平面と、前記被プレス面から荷重を受ける前記プレス面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可な第3スライダビームを有する。
本実施態様では、プレス面と第2の斜面との間を繋ぐ第1スライダビームに加えて、第2の斜面と水平面との間を繋ぐ第2スライダビーム、及び水平面とプレス面との間を繋ぐ第3スライダビームを有するので、スライダビームのたわみを考慮したより精度の高いたプレス曲げ成形の解析が可能となる。
本発明の実施態様4に係るプレス曲げ成形解析モデル生成システムは、上記の実施態様1から3の何れかにおいて
前記カムドライバビームまたは前記カムスライダビームにおいて、
剛体面の重心点及びビームの端部を繋ぐようになっている。
本実施態様では、カムドライバビームまたはカムスライダビームにおいて、剛体面の重心点及びビームの端部を繋ぐようになっているので、カムドライバビームまたはカムスライダビームの荷重によるたわみを精度高く再現することができる。
本発明の実施態様5に係るプレス曲げ成形解析モデル生成システムは、上記の実施態様1から4の何れかにおいて
前記カムスライダビームにおいて、弾性面とみなす面上の複数の領域点及びビームの端部を剛体とみなす直線で繋いでいる。
本実施態様では、カムスライダビームにおいて、弾性面とみなす面上の複数の領域点及びビームの端部を剛体とみなす直線で繋いでいるので、弾性面とビームの間を適切に接続することができる。
本発明の実施態様6に係るプレス曲げ成形解析モデル生成システムは、上記の実施態4または5において
前記重心点または前記領域点の位置が、面の形状情報に基づいて自動計算される。
本実施態様では、重心点または領域点の位置が、面の形状情報に基づいて自動計算されるので、設定された個々のカムドライバやカムスライダの形状に応じた最適な重心点または領域点の位置を適宜定めることができる。
本発明の実施態様7に係るプレス曲げ成形解析モデル生成システムは、上記の実施態様1から6の何れかにおいて
前記カムドライバに設定された面または重心点が所定のストロークだけ垂直下方に移動し、前記垂直ガイド面及び前記水平ガイド面の少なくとも一部の移動が拘束される条件で解析モデルを生成する。
本実施態様では、カムドライバ側を所定のストロークだけ垂直下方に移動させ、垂直ガイド面及び水平ガイド面側を拘束することにより、プレス曲げ成形を適切に再現することができる。
本発明の実施態様8に係るプレス曲げ成形解析モデル生成システムは、上記の実施態様1から7の何れかにおいて
前記第1の斜面及び前記第2の斜面で接する前記カムドライバ及び前記カムスライダの対が複数設定され、各カムスライダの前記プレス面が1つの弾性面を構成するように繋がっている
本実施態様では、カムドライバ及びカムスライダの対が複数設定され、各カムスライダのプレス面が1つの弾性面を構成するように構成されているので、実際のプレス曲げ成形に即した金型のモデルを実現でき、プレス曲げ成形解析の精度向上に貢献する。
本発明の実施態様7に係るプレス曲げ成形解析モデル生成プログラムは、
ガイド部材の垂直ガイド面に対向する垂直面と、前記垂直面と水平方向で反対側に設けられた第1の斜面とを有するカムドライバと、
前記第1の斜面と対向する第2の斜面と、前記第2の斜面と水平方向で反対側に設けられたプレス面と、前記ガイド部材の水平ガイド面に対向する水平面と、を有するカムスライダと、を備えたプレス曲げ成形金型を用いて、
前記カムドライバの下降に伴って、前記垂直ガイド面及び前記垂直面並びに前記第1の斜面及び前記第2の斜面が互いに摺動して、前記カムスライダが前記水平ガイド面に沿って水平方向に移動し、前記カムスライダに設けられた前記プレス面がブランク材の対向する被プレス面に接触して押圧することにより実施されるプレス曲げ成形を、有限要素法によって解析するための解析モデルを生成するプログラムであって、
コンピュータを、
前記垂直面から荷重を受ける弾性面とみなす前記垂直ガイド面の解析モデルを形成する垂直ガイド面解析モデル生成部と、
前記垂直ガイド面から荷重を受ける剛体面とみなす前記垂直面と、前記第2の斜面から荷重を受ける剛体面とみなす前記第1の斜面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可なカムドライバビームを用いて前記カムドライバの解析モデルを形成するカムドライバ解析モデル生成部と、
前記被プレス面から荷重を受ける剛体面または弾性面とみなす前記プレス面と、前記第1の斜面から荷重を受ける剛体面とみなす前記第2の斜面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可なカムスライダビームを用いて前記カムスライダの解析モデルを形成するカムスライダ解析モデル生成部と、
前記プレス面から荷重を受ける被プレス面を有する変形可能なシェル要素を用いて前記ブランク材の解析モデルを形成するブランク材解析モデル生成部と、
して機能させ、
前記カムドライバビーム及び前記カムスライダビームの少なくとも一方が弾性変形可能である。
本実施態様においても、上記の実施態様1と同様な作用効果を有する。
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。
(プレス曲げ成形解析に適用する構成部材及配置)
はじめに、図1を参照しながら、プレス曲げ成形における成形解析に適用する構成部材及びその配置の一例を説明する。図1は、プレス曲げ成形における成形解析に適用する構成部材及びその配置の一例を模式的に示す斜視図である。なお、全ての図面において、水平面上のブランク材を押し込む方向をX軸方向、それに直交するブランク材の幅方向をZ軸方向、水平面に直交する垂直方向をY軸方向として示す。
プレス曲げ成形のためのプレス機構として、2つのカムドライバ1000、1100、それぞれのカムドライバに対応するカムスライダ2000、2100、垂直ガイド面3001及びリブ3002から構成される垂直ガイド3000、及び水平ガイド面4001を備える。
カムドライバ1000、1100は、垂直ガイド3000の垂直ガイド面3001に対向する垂直面1001、1101と、垂直面1001、1101と水平方向で反対側に設けられた第1の斜面1002、1102とを有する。更に、カムドライバ1000、1100は、上側の水平面である荷重面(水平面)1003、1103を有する。
カムドライバ1000、1100は、上記の面が1000A、1100A等で繋がれて構成されている。
カムスライダ2000、2100は、第1の斜面1002、1102と対向する第2の斜面2002、2102と、第2の斜面2002、2102と水平方向で反対側に設けられたプレス面2001(全カムスライダで共通)と、水平ガイド部面4001に対向する水平面2003、2103とを有する。図1から明らかなように、プレス面2001は、各カムスライダ2000、2100に対して、共通の面として一体的に形成されている。
カムスライダ2000、2100は、上記の面がビーム2000A、2100A等で繋がれて構成されている。
垂直ガイド3000は、水平ガイド面4001に固定された垂直ガイド面3001及び垂直ガイド面3001を支持する2つのリブ3002を有する。垂直ガイド面3001も、各カムドライバ1000、1100に対して、共通の面として一体的に形成されている。
水平ガイド面4001は、各カムスライダ2000、2100に対して、共通の面として一体的に形成されている。
図1には、更に、プレス曲げ成形が行われるブランク材5000、及びプレス面2001がブランク材5000を押し付ける、プレス面2001に対応した形状を有する工具(パンチ)6000が示されている。
図1から明らかなように、プレス曲げ成形における成形解析に適用するカムドライバ1000、1100、カムスライダ2000、2100の形状は、主要な面とビームのみで規定されており、その他の詳細な形状情報を要さない。同様に、垂直ガイド面3001や水平ガイド面4001の形状も、主要な面のみで規定されている。よって、詳細な金型構造が不明であっても、プレス曲げ成形における成形解析を実現できる。
なお、図1では、それぞれ2つのカムドライバ及びカムスライダが備えられているが、これに限られるものではなく、その他の任意の数のカムドライバ、カムスライダを備えることができる。
(プレス曲げ成形時の動き)
次に、図2及び図3を参照しながら、プレス曲げ成形時の各部材の動きを説明する。図2は、図1に示す配置例の側面形状を模式的に示す側面図であって、カムドライバ1000(1100)が下降する前の初期状態を示す図である。図3は、図1に示す配置例の側面形状を模式的に示す側面図であって、カムドライバ1000(1100)が下降した成形時の状態を示す図である。
初期状態においては、カムドライバ1000(1100)は、カムスライダ2000(2100)と接触していない。また、垂直ガイド面3001との間には、僅かな隙間を有するように配置されている。この状態から、アクチュエータの駆動力によりカムドライバ1000(1100)を降下させると、カムドライバ1000(1100)の第1の斜面1002(1102)及びカムスライダ2000(2100)の第2斜面2002(2102)が当接する。
カムドライバ1000(1100)を更に降下させると、第1の斜面1002(1102)及び第2斜面2002(2102)が互いに摺動して、カムスライダ2000(2100)が水平ガイド面4001に沿って図面左側へ水平に移動する。これにより、カムスライダ2000(2100)に設けられたプレス面2001がブランク材5000の対向する被プレス面5001に接触して押圧する。このときのブランク材5000からの反力により、カムスライダ2000(2100)及びカムドライバ1000(1100)が僅かに図面右側へ水平に移動して、カムドライバ1000(1100)の垂直面1001(1101)が、垂直ガイド面3001と当接する。
カムドライバ1000(1100)を更に降下させると、カムスライダ2000(2100)のプレス面2001で被プレス面5001が押圧されたブランク材5000は、カムスライダ2000(2100)のプレス面2001と工具(パンチ)6000のパンチ面6001との間に挟まれてプレス曲げ成形される。この状態を図3に示す。
以上のように、所定のストロークまで、カムドライバ1000(1100)を降下させることにより、ブランク材5000は、互いに対応する形状を有するプレス面2001及びパンチ面6001の形状に沿った形状にプレス曲げ成形される。
所定のストロークに達するまで、一定のストローク差分だけカムドライバ1000(1100)を降下させ、各部材、例えば、カムドライバ1000(1100)、カムスライダ2000(2100)、ブランク材5000等のたわみ(変形)を繰り返し演算することができる。
(第1の実施形態に係る解析モデル)
次に、図4を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る解析モデルの説明を行う。ここで図4は、図3に示す成形時の状態において、カムドライバ1000(1100)及びカムスライダ2000(2100)がそれぞれ1つのビームを有する本発明の第1の実施形態に係る解析モデルを示す図である。
本実施形態のカムドライバ1000(1100)の解析モデルは、垂直ガイド面3001から荷重を受ける剛体面とみなす垂直面1001(1101)と、第2の斜面2002(2102)から荷重を受ける剛体面とみなす第1の斜面1002(1102)との間を繋ぐ、両端にかかる荷重により弾性変形可能または変形不可な(第1)ドライバビーム1000A(1100A)を有する。本実施形態のカムドライバ1000(1100)では、上記の荷重面(水平面)1003(1103)は有していない。(第1)ドライバビーム1100A(1100A)の両端から内側に伸びる矢印が、荷重を模式的に示している。以下の図面においても、ビームにかかる荷重を同様な矢印で模式的に表す。
本実施形態のカムスライダ2000(2100)の解析モデルは、被プレス面5001から荷重を受ける剛体面または弾性面とみなすプレス面2001と、第1の斜面1002(2002)から荷重を受ける剛体面とみなす第2の斜面2002(2102)との間を繋ぐ、両端にかかる荷重により弾性変形可能または変形不可な(第1)スライダビーム2000A(2100A)を有する。
ここで、(第1)ドライバビーム1000A(1100A)及び(第1)スライダビーム2000A(2100A)のうちの少なくとも一方が弾性変形可能になっている。
カムドライバ1000(1100)では、垂直面1001(1101)の重心点と、第1の斜面1002(1102)の重心点とを(第1)ドライバビーム1000A(1100A)で繋ぐようになっている。カムスライダ2000(2100)では、プレス面2001の重心点(剛体面または弾性面の場合)または領域点(弾性面の場合)と、第2の斜面2002(2102)との間を(第1)スライダビーム2000A(2100A)で繋ぐようになっている。
本実施形態の垂直ガイド3000の解析モデルは、所定の厚みを有する弾性板状板材である垂直ガイド面3001に所定の厚みを有する弾性板状板材である2つのリブ3002が取り付けられた構造を有し、剛体面である水平ガイド面4001に下側の基部が固定されている。
本実施形態では、水平ガイド面4001は剛体面とみなされ、カムドライバ1000(1100)が降下した場合には、カムスライダ2000(2100)は剛体面の水平ガイド面4001に沿って水平(X軸方向)に移動する。
ブランク材5000及び工具(パンチ)6000については、従来と同様な有限要素法で用いるシェル要素として取り扱うことができる。図4の矢印に示すように、カムドライバ1000(1100)を所定のストロークだけ下降させる、具体的には、カムドライバビーム1000A(1100A)の両端(つまり重心点)を所定のストロークだけ下降させることにより、プレス曲げ成形の解析を行う。よって、上記のような簡易化された解析モデルであるカムドライバ1000(1100)、カムスライダ2000(2100)、垂直ガイド3000を用いて、金型の変形を考慮したブランク材のプレス曲げ成形を少ない工数で解析することができる。
(第2の実施形態に係る解析モデル)
次に、図5を参照しながら、本発明の第2の実施形態に係る解析モデルの説明を行う。ここで図5は、図3に示す成形時の状態において、カムドライバ1000(1100)及びカムスライダ2000(2100)がそれぞれ3つのビームを有する本発明に係る第2の実施形態に係る解析モデルを示す図である。
本実施形態のカムドライバ1000(1100)では、水平面である荷重面(水平面)1003(1103)を有している。本実施形態のカムドライバ1000(1100)は、第1の実施形態と同様な、垂直ガイド面3001から荷重を受ける垂直面1001(1101)と、第2の斜面2002(2102)から荷重を受ける第1の斜面1002(1102)との間を繋ぐ、両端にかかる荷重により弾性変形可能または変形不可な第1ドライバビーム1000Aに加えて、第2の斜面2002(2102)から荷重を受ける第1の斜面1002(1102)と、上方から荷重を受ける剛体面とみなす荷重面(水平面)1003(1103)との間を繋ぐ、両端にかかる荷重により弾性変形可能または変形不可な第2ドライバビーム1000B(1100B)、及び上方から荷重を受ける荷重面(水平面)1003(1103)と、垂直ガイド面3001から荷重を受ける垂直面1001(1101)との間を繋ぐ、両端にかかる荷重により弾性変形可能または変形不可な第3ドライバビーム1000C(1100C)を有する。
ドライバビームが弾性変形可能な場合には、第1ドライバビーム1000A(1100A)、第2ドライバビーム1000B(1100B)、及び第3ドライバビーム1000C(1100C)の全てが弾性変形可能であり、ドライバビームが変形不可の場合には、第1ドライバビーム1000A(1100A)、第2ドライバビーム1000B(1100B)、及び第3ドライバビーム1000C(1100C)の全てが変形不可である。
本実施形態のカムスライダ2000(2100)では、水平ガイド面4001から荷重を受ける水平面2003(2103)を有している。本実施形態のカムスライダ2000(2100)は、第1の実施形態と同様な、被プレス面5001から荷重を受ける剛体面または弾性面とみなすプレス面2001(2101)と、第1の斜面1002(1102)から荷重を受ける剛体面とみなす第2の斜面2002(2102)との間を繋ぐ、両端にかかる荷重により弾性変形可能または変形不可な第1スライダビーム2000Aに加えて、第1の斜面1002(1102)から荷重を受ける第2の斜面2002(2102)と、水平ガイド面4001から荷重を受ける剛体面とみなす水平面2003(2103)との間を繋ぐ、両端にかかる荷重により弾性変形可能または変形不可な第2スライダビーム2000B(2100B)、及び水平ガイド面4001から荷重を受ける水平面2003(2103)と、被プレス面5001から荷重を受けるプレス面2001との間を繋ぐ、両端にかかる荷重により弾性変形可能または変形不可な第3スライダビーム200Bを有する。
スライダビームが弾性変形可能な場合には、第1スライダビーム2000A(2100A)、第2スライダビーム2000B(2100B)、及び第3スライダビーム2000C(2100C)の全てが弾性変形可能であり、スライダビームが変形不可の場合には、第1スライダビーム2000A(2100A)、第2スライダビーム2000B(2100B)、及び第3スライダビーム2000C(2100C)の全てが変形不可である。
ここで、第1ドライバビーム1000A(1100A)、第2ドライバビーム1000B(1100B)及び第3ドライバビーム1000C(1100C)で構成されるドライバコニホモナの群、並びに、第1スライダビーム2000A(2100A)、第2スライダビーム2000B(2100B)及び第3スライダビーム2000C(2100C)で構成される群のうちの少なくとも一方の群が弾性変形可能になっている。
カムスライダ2000(2100)では、プレス面2001(2101)の重心点(剛体面または弾性面の場合)または領域点(弾性面の場合)と、第2の斜面2002(2102)の重心点との間を第1スライダビーム2000Aで繋ぎ、第2の斜面2002(2102)の重心点と、水平面2003(2103)の重心点との間を第2スライダビーム2000B(2100B)で繋ぎ、水平面2003(2103)の重心点と、プレス面の重心点(剛体面または弾性面の場合)または領域点(弾性面の場合)との間を第3スライダビーム2000C(2100C)で繋ぐようになっている。
本実施形態の垂直ガイド面3001の解析モデル及び水平ガイド面4001の解析モデルは、弾性を有する一体部材としてモデル化されている。所定の厚みを有する弾性板状部材である垂直ガイド面3001、所定の厚みを有する弾性板状部材である2つのリブ3002、所定の厚みを有する弾性板状部材である水平ガイド面3001が互いに連結した弾性部材として解析が行われる。
ブランク材5000及びパンチ6000については、従来と同様な有限要素法で用いるシェル要素として取り扱うことができる。図5の矢印に示すように、カムドライバビーム1000A(1100A)の荷重面(水平面)1003(1103)、またはその重心点(つまり、第2ドライバビーム1000B及び第3ドライバビーム1000Cが接続された点)を所定のストロークだけ下降させることにより、プレス曲げ成形の解析を行う。ただし、これに変わって、荷重面(水平面)1003(1103)の重心点に所定の値の垂直荷重を加えてプレス曲げ成形の解析を行うこともできる。
本実施形態においても、上記のような簡易化された解析モデルであるカムドライバ1000(1100)、カムスライダ2000(2100)、垂直ガイド面3001、水平ガイド面4001を用いて、金型の変形を考慮したブランク材のプレス曲げ成形を少ない工数で解析することができる。
(システムの概要)
次に、図6及び図7を参照しながら、本発明の1つの実施形態に係るシステムの概要を説明する。図6は、本発明の1つの実施形態に係るCAD装置のハードウエアの構成を示すブロックダイアグラムである。図7は、本発明の1つの実施形態に係るプレス曲げ成形解析モデル生成システムの制御の基本構成を示すブロックダイアグラムである。
図6に示すように、本実施形態に係るCAD装置のハードウエア構成は、中央演算装置と、中央演算装置に電気的に接続された入力装置、表示装置、出力装置及び記憶装置を備える。図1の矢印は、信号の流れを示す。
図7に示すように、本実施形態に係るプレス曲げ成形解析モデル生成システムの制御部100は、弾性面とみなす垂直ガイド面3001の解析モデルを形成する垂直ガイド面解析モデル生成部100と、
垂直面1001(1101)と第1の斜面1002(1102)との間を繋ぐ第1ドライバビーム1000A、第1の斜面1002(1102)と荷重面(水平面)1003(1103)との間を繋ぐ第2ドライバビーム1000B(1100B)、及び荷重面(水平面)103(1103)と垂直面1001(1101)との間を繋ぐ第3ドライバビーム1000C(1100C)を用いてカムドライバ1000(1100)の解析モデルを形成するカムドライバ解析モデル生成部120と、
プレス面2001と第2の斜面2002(2102)との間を繋ぐ第1スライダビーム2000A(2100A)、第2の斜面2002(2102)と水平面2003(2103)との間を繋ぐ第2スライダビーム2000B(2100B)、及び水平面2003(2103)とプレス面2001との間を繋ぐ第3スライダビーム2000C(2100C)を用いてカムスライダ2000(2100)の解析モデルを形成するカムスライダ解析モデル生成部130と、
水平ガイド面4001の解析モデルを形成する水平ガイド面解析モデル生成部140と、
ブランク材5000の解析モデルを形成するブランク材解析モデル生成部150と
工具(パンチ)6000の解析モデルを形成する工具(パンチ)解析モデル生成部160と
を備える。
(解析モデル生成メインルーチン)
次に、図8を参照しながら、本発明の1つの実施形態に係るプレス曲げ成形解析モデル生成システムで実施される解析モデル生成メインルーチンの説明を行う。ここで図7は、本発明の1つの実施形態に係るプレス曲げ成形解析モデル生成システムで実施される解析モデル生成メインルーチンを示すフローチャートである。
図8において、まず、各カムドライバ1000、1100等について、カムドライバを構成する面の形状等の情報、材質に関する情報及びカムドライバの移動ストロークを設定するカムドライバ設定サブルーチン(ステップS10)を実施する。次に、各カムスライダ2000,2100等について、カムスライダを構成する面の形状等の情報、材質に関する情報を設定するカムスライダ設定サブルーチン(ステップS20)を実施する。次に、垂直ガイド面3001、リブ3002、水平ガイド面4001の形状や材質に関する情報を設定するガイド面設定サブルーチン(ステップS30)を実施する。
次に、ブランク材の形状、材質に関する情報を設定するブランク材設定サブルーチン(ステップS40)を実施する。次に、パンチ面等を含む工具(パンチ)の形状の情報、材質に関する情報を設定する工具設定サブルーチン(ステップS50)を実施する。
次に、カムドライバについて、ビーム結合の剛性計算を行うカムドライバ・ビーム結合剛性計算サブルーチン(ステップS60)を実施する。次に、カムスライダについて、ビーム結合の剛性計算を行うカムスライダ・ビーム結合剛性計算サブルーチン(ステップS70)を実施する。次に、接する面の間の接触条件や拘束条件を設定する接触・拘束条件設定サブルーチン(ステップS80)を実施する。そして、上記の各サブルーチンで設定したデータに基づいて、プレス曲げ成形の解析を行うプレス成形解析サブルーチン(ステップS90)を実施して、一連の制御処理を終了する。
次に、図9から図12に示すフローチャートを用いて、図8に示すメインルーチンのステップS10の制御処理であるカムドライバ設定サブルーチン、及びステップS20の制御処理であるカムスライダ設定サブルーチンの説明を行う。ここで、図9及び図10には、図4に示す第1の実施形態に係る解析モデルを用いた場合の制御処理を示し、図11及び図12には、図5に示す第2の実施形態に係る解析モデルを用いた場合の制御処理を示す。
(カムドライバ設定サブルーチンA)
はじめに、図9を参照しながら、カムドライバ設定サブルーチンAの説明を行う。図9は、メインルーチンにおいてステップS10で示される制御処理であって、図4に示す第1の実施形態に係る解析モデルを用いたカムドライバ設定サブルーチンAの詳細を示すフローチャートである。また、図14は、カムドライバ設定サブルーチンにより設定するカムドライバ情報の一例を示すテーブルであり、図15は、カムドライバの規定する節点及びシェル要素の情報を示すテーブルである。図14に示すカムドライバ情報は、図15に示すカムドライバの規定する節点及びシェル要素に基づいて作成することができる。この節点及びシェル要素の情報は、本実施形態による解析が実施可能な範囲のデータだけ準備すればよい。
また、図13は、カムドライバ及びカムスライダの設定データを説明するための図であって、特に解析モデルを構成する剛体面及びビームを模式的示す模式図である。ビームを用いた解析では、X軸、Y軸、Z軸による3次元の座標に加えて、図13(b)に示ように、ビームの軸方向であるA軸方向、A軸に直交する面上の互いに直交するB軸方向及びH方向による座標を用いることが有効である。図13(a)から明らかなように、B軸方向は、カムドライバまたはカムスライダを構成する面の幅方向を示し、H軸方向は、カムドライバまたはカムスライダを構成する面の高さ方向を示す。
図9において、まず、垂直面1001について、形状、位置に関する情報、及び重心点の位置に関する情報を設定する(ステップS12A)。なお、垂直面1001は剛体面とみなして解析を行う。図14を参照すれば、垂直面1001の形状データとして、A軸方向の寸法が250mmであり、垂直面1001の幅寸法B=250mm、高さ寸法H=300mmと設定される。図16に示すデータに基づき、X、Y、Z軸方向における垂直面1001の位置や向きは一意的に定まる。同様に、垂直面1001の重心点の位置も一意的に定まる。このとき、予め重心点の位置を図15(a)に示すようなテーブルに記憶させておくこともできるし、垂直面1001についての形状データがテーブルから読み出されたごとに、自動計算して重心点の位置を定めることもできる。
次に、第1の斜面1002について、形状、位置に関する情報、及び重心点の位置に関する情報を設定する(ステップS14A)。なお、第1の斜面1002も剛体面とみなして解析を行う。図14を参照すれば、第1の斜面1002の形状データとして、A軸方向の寸法が250mmで、第1の斜面1002の幅寸法B=300mm、高さ寸法H=350mmと設定される。図15に示すデータに基づき、X、Y、Z軸方向における第1の斜面1002の位置や向きは一意的に定まる。同様に、第1の斜面1002の重心点の位置も一意的に定まる。このとき、予め重心点の位置を図15(a)に示すようなテーブルに記憶させておくこともできるし、第1の斜面1002についての形状データがテーブルから読み出されたごとに、自動計算して重心点の位置を定めることもできる。
次に、カムドライバ1000の材質データを設定する(ステップS16A)。図14を参照すれば、ヤング率210,000N/mm2、ポアソン比=0.3が設定される。これに基づいて、弾性ビームとみなす第1ドライバビーム1000Aの強度を計算することができる。
次に、カムドライバ1000の移動ストロークとして、図14を参照すれば、250mmが設定される(ステップS18A)。
次に、データの設定がなされていない他のカムドライバが存在するか否か判断する(ステップS10A)。この判断で、もし、他のカムドライバが存在する(YES)と判別したときには、ステップS12Aへ戻り、図4に示す実施形態であれば、カムドライバ1100について、同様な制御処理を行う。
つまり、垂直面1101の形状データとして、A軸方向の寸法が300mmで垂直面1101の幅寸法B=350mm、高さ寸法500mmが設定され、重心点の位置も設定され(ステップS12A)、次に、第1の斜面1102の形状データとして、A軸方向の寸法が300mmで、第1の斜面1102の幅寸法B=350mm、高さ寸法H=400mmが設定され、重心点の位置も設定される。(ステップS14A)
次に、カムドライバ1100の材質データとして、ヤング率210,000N/mm2、ポアソン比=0.3が設定される(ステップS16A)。次に、カムドライバ1100の移動ストロークとして、250mmが設定される(ステップS18A)。
次に、データの設定がなされていない他のカムドライバが存在するか否か判断する(ステップS10A)。この判断で、もし、他のカムドライバが存在する(YES)と判別したときには、再びステップS12Aへ戻り、カムドライバ1200について、同様な制御処理を行う。
ステップS19Aの判断で、もし、他のカムドライバが存在しない(NO)と判別したときには、本サブルーチンを終了する。
(カムスライダ設定サブルーチンA)
次に、図10を参照しながら、カムスライダ設定サブルーチンAの説明を行う。図10は、メインルーチンにおいてステップS20で示される制御処理であって、図4に示す第1の実施形態に係る解析モデルを用いたカムスライダ設定サブルーチンAの詳細を示すフローチャートである。図16は、カムスライダ設定サブルーチンにより設定するカムスライダ情報の一例を示すテーブルであり、図17は、カムスライダの形状を規定する節点及びシェル要素の情報を示すテーブルである。図16に示すカムスライダ情報は、図17に示すカムスライダの規定する節点及びシェル要素に基づいて作成することができる。また、図18は、カムスライダのプレス面を弾性面とみなす場合に用いるテーブルであって、プレス面形状を規定する節点及びシェル要素、及び領域点の情報を示すテーブルである。これらの節点及びシェル要素の情報は、本実施形態による解析が実施可能な範囲のデータだけ準備すればよい。
図10において、プレス面2001を剛体面とみなす場合には、プレス面2001について、形状、位置に関する情報、及び重心点の位置に関する情報を設定する(ステップS22A)。図16を参照すれば、プレス面2001の形状データとして、A軸方向の寸法が250mmで、プレス面2001の幅寸法B=300mm、高さ寸法H=300mmと設定される。図17に示すデータに基づき、X、Y、Z軸方向におけるプレス面2001の位置や向きは一意的に定まる。同様に、プレス面2001の重心点の位置も一意的に定まる。このとき、予め重心点の位置を図17(a)に示すようなテーブルに記憶させておくこともできるし、プレス面1001についての形状データがテーブルから読み出されたごとに、自動計算して重心点の位置を定めることもできる。
プレス面2001は、各カムスライダで共通するので、繰り返し設定されるプレス面が互いに固定された一体的な面として設定される。
次に、プレス面2001を弾性面とみなす場合には、プレス面形状・位置情報として、図18(b)に示す接点座標情報及び(c)に示す要素構成接点情報を読み込んで、プレス面を構成するシェル要素を設定する。また、弾性変形計算のため、プレス面2001の厚み寸法を設定する。
更に、重心点または領域点の情報を設定する。重心点については、上記の剛体面とみなす場合と同様に設定できる。
プレス面を弾性面とみなす場合には、図32を参照しながら後述するように、プレス面上の複数の領域点とビームの端部を接続することにより、より精度の高い変形解析が実現できる。このため、図18(d)に示すような領域点情報を設定することもできる。領域点についても、予め各領域点の位置を図18(d)に示すようなテーブルに記憶させておくこともできるし、プレス面2001についての形状データから自動計算して、各領域点の位置を定めることもできる。
次に、第2の斜面2002について、形状、位置に関する情報、及び重心点の位置に関する情報を設定する(ステップS24A)。なお、第2の斜面2002については、剛体面とみなして計算する。図16を参照すれば、第2の斜面2002の形状データとして、A軸方向の寸法が250mmで、第2の斜面2002の幅寸法B=300mm、高さ寸法H=350mmと設定される。図17に示すデータに基づき、X、Y、Z軸方向における第2の斜面2002の位置や向きは一意的に定まる。同様に、第2の斜面2002の重心点の位置も一意的に定まる。このとき、予め重心点の位置を図17(a)に示すようなテーブルに記憶させておくこともできるし、第2の斜面2002についての形状データがテーブルから読み出されたごとに、自動計算して重心点の位置を定めることもできる。
次に、カムスライダ2000の材質データを設定する(ステップS26A)。図16を参照すれば、ヤング率210,000N/mm2、ポアソン比=0.3が設定される。これに基づいて、弾性ビームとみなす第1スライダビーム2000Aの強度を計算することができる。
また、プレス面2001を弾性面とみなす場合においても、材質データと、上記で設定したプレス面2001のシェル要素及び板厚寸法を用いて、プレス面2001の弾性変形の解析ができる。
次に、データの設定がなされていない他のカムスライダが存在するか否か判断する(ステップS28A)。この判断で、もし、他のカムスライダが存在する(YES)と判別したときには、ステップS22Aへ戻り、図4に示す実施形態であれば、カムドライバ2100について、同様な制御処理を行う。
ここで、各カムスライダ2000、2100・・・のプレス面は連続した共通面なので、プレス面の識別番号は、各カムスライダで共通の2001である。つまり、カムスライダ2100のプレス面2001の形状データとして、A軸方向の寸法が300mmで垂直面1101の幅寸法B=350mm、高さ寸法H=500mm、またはシェル要素及び厚み寸法の情報が設定され、重心点または領域点の位置も設定され(ステップS22A)、次に、第2の斜面2102の形状データとして、A軸方向の寸法が300mmで、第1の斜面1102の幅寸法B=350mm、高さ寸法400mmが設定され、重心点の位置も設定される。(ステップS24A)
次に、カムスライダ2100の材質データとして、ヤング率210,000N/mm2、ポアソン比=0.3が設定される(ステップS26A)。
次に、データの設定がなされていない他のカムスライダが存在するか否か判断する(ステップS28A)。この判断で、もし、他のカムスライダが存在する(YES)と判別したときには、再びステップS22Aへ戻り、カムドライバ2200について、同様な制御処理を行う。
ステップS28Aの判断で、もし、他のカムスライダが存在しない(NO)と判別したときには、本サブルーチンを終了する。
(カムドライバ設定サブルーチンB)
次に、図11を参照しながら、カムドライバ設定サブルーチンBの説明を行う。図11は、メインルーチンにおいてステップS10で示される制御処理であって、図5に示す第2の実施形態に係る解析モデルを用いたカムドライバ設定サブルーチンBの詳細を示すフローチャートである。
図9に示すカムドライバ設定サブルーチンAと比べると、本サブルーチンは、更に荷重面(水平面)の形状・位置情報及び重心点の位置情報の設定を行う(ステップS14B)点で異なる。カムドライバ設定サブルーチンAでは、カムドライバの移動ストロークとして、第1ドライバビーム1000両端を所定量下降させるモデルを設定したが、カムドライバ設定サブルーチンBでは、荷重面(水平面)の重心点、または荷重面(水平面)自体を所定量下降させるモデルを設定する。
次に、荷重面(水平面)1003を例にとって、形状、位置に関する情報、及び重心点の位置に関する情報を設定するステップS14Bの一例を説明する。なお、荷重面(水平面)1003は剛体面とみなして解析を行う。図14を参照すれば、荷重面(水平面)1003の形状データとして、A軸方向の寸法が250mmで、荷重面(水平面)1003の幅寸法B=3000mm、高さ寸法H=350mmと設定される。図15に示すデータに基づき、X、Y、Z軸方向における荷重面(水平面)1003の位置や向きは一意的に定まる。同様に、荷重面(水平面)1003の重心点の位置も一意的に定まる。このとき、予め重心点の位置を図15(a)に示すようなテーブルに記憶させておくこともできるし、荷重面(水平面)1003についての形状データがテーブルから読み出されたごとに、自動計算して重心点の位置を定めることもできる。
このような設定処理をカムドライバ1000の荷重面(水平面)1003、カムドライバ1100の荷重面(水平面)1103、カムドライバ1200の荷重面(水平面)1203・・・について繰り返して行う。
その他の点については、基本的に 図9に示すカムドライバ設定サブルーチンAと同様なので、更なる説明は省略する。カムドライバ設定サブルーチンBでは、垂直面、第1の斜面に加えて荷重面(水平面)の設定を行うので、図5に示すように、3つの面が互いに3つのスライダビームで連結されたモデルで変形の解析を行うことになる。
(カムスライダ設定サブルーチンB)
次に、図12を参照しながら、カムスライダ設定サブルーチンBの説明を行う。図12は、メインルーチンにおいてステップS20で示される制御処理であって、図5に示す第2の実施形態に係る解析モデルを用いたカムスライダ設定サブルーチンBの詳細を示すフローチャートである。
図12に示すカムスライダ設定サブルーチンAと比べると、本サブルーチンは、更に水平面の形状・位置情報及び重心点の位置情報の設定を行う(ステップS25B)で異なる。
次に、水平面2003を例にとって、形状、位置に関する情報、及び重心点の位置に関する情報を設定するステップS25Bの一例を説明する。なお、水平面2003は剛体面とみなして解析を行う。図16を参照すれば、水平面2003の形状データとして、A軸方向の寸法が250mmで、水平面2003の幅寸法B=300mm、高さ寸法H=350mmと設定される。図17に示すデータに基づき、X、Y、Z軸方向における水平面2003の位置や向きは一意的に定まる。同様に、水平面2003の重心点の位置も一意的に定まる。このとき、予め重心点の位置を図17(a)に示すようなテーブルに記憶させておくこともできるし、水平面2003についての形状データがテーブルから読み出されたごとに、自動計算して重心点の位置を定めることもできる。
このような設定処理をカムスライダ2000の水平面2003、カムスライダ2100の水平面2103、カムスライダ2200の水平面2203・・・について繰り返して行う。
その他の点については、基本的に 図10に示すカムスライダ設定サブルーチンAと同様なので、更なる説明は省略する。カムスライダ設定サブルーチンBでは、プレス面、第2の斜面に加えて水平面の設定を行うので、図5に示すように、3つの面が互いに3つのスライダビームで連結されたモデルで変形の解析を行うことになる。
以上のように、上記の実施形態では、カムドライバビームまたはカムスライダビームにおいて、剛体面の重心点及びビームの端部を繋ぐようになっているので、カムドライバビームまたはカムスライダビームの荷重によるたわみ(変形)を精度高く再現することができる。
更に、重心点や領域点の位置が、面の形状情報に基づいて自動計算される場合には、設定された個々のカムドライバやカムスライダの形状に応じた最適な重心点または領域点の位置を適宜定めることができる。
(ガイド面設定サブルーチンA)
次に、図19を参照しながら、ガイド面設定サブルーチンAの説明を行う。図19は、メインルーチンにおいてステップS30で示される制御処理であって、図4に示す第1の実施形態に係る解析モデルを用いたガイド面設定サブルーチンAの詳細を示すフローチャートである。図21は、ガイド面設定サブルーチンで設定する垂直ガイド面に関する情報を示すテーブルである。
本サブルーチンでは、下端部で拘束された弾性板とみなす垂直ガイド面3001及び垂直ガイド面3001に接合されたリブ3002の変形解析に必要な情報を設定する。水平ガイド面4001については、垂直ガイド3000及びリブ3002の下端部を固定する変形しない剛体面とみなすので、変形解析のために情報を設定する必要はない。図4に示す第1の実施形態では、カムスライダが水平ガイド面4001上を水平に移動するという条件で解析を行う。
図19において、まず、垂直ガイド3000の垂直ガイド面3001について、形状、位置に関する情報を設定する(ステップS32A)。図21に示すように、垂直ガイド面3001の板厚として250mmが設定される。更に、リブ3002について、形状、位置に関する情報を設定する(ステップS34A)。図21に示すように、リブ3002の板厚として120mmが設定される。
次に、垂直ガイド面3001及びリブ3002の材質データを設定する(ステップS36A)。図21を参照すれば、ヤング率210,000N/mm2、ポアソン比=0.3が設定される。これに基づいて、カムドライバ1000の垂直面1001から垂直ガイド面3001が受けた荷重により、下端支持の垂直ガイド3000及びリブ3002の構造体が弾性変形する場合の解析を行うことができる。
次に、データの設定がなされていない他の垂直ガイド面(垂直ガイド及びリブの構造体)が存在するか否か判断する(ステップS38A)。この判断で、もし、他の垂直ガイド面が存在する(YES)と判別したときには、ステップS32Aへ戻り、図4に示す実施形態であれば、垂直ガイド面3101について、同様な制御処理を行う。これらの制御処理を、各垂直ガイド面3001、3101、3201・・・について行う。
ステップS38Aの判断で、もし、他の垂直ガイド面が存在しない(NO)と判別したときには、本サブルーチンを終了する。
(ガイド面設定サブルーチンB)
次に、図20を参照しながら、ガイド面設定サブルーチンBの説明を行う。図20は、メインルーチンにおいてステップS30で示される制御処理であって、図5に示す第2の実施形態に係る解析モデルを用いたガイド面設定サブルーチンBの詳細を示すフローチャートである。
図22は、ガイド面設定サブルーチンで設定する水平ガイド面に関する情報を示すテーブルである。
本サブルーチンでは、弾性板とみなす垂直ガイド面3001及びリブ3002に加えて、水平ガイド面4001も弾性面とみなす場合の変形解析に必要な情報を設定する。つまり、水平ガイド面4001も弾性板とみなして解析する。よって、上記のような垂直ガイド面3001及びリブ3002の形状、位置に関する情報の設定に加えて、水平ガイド面4001の形状、位置に関する情報の設定を行う。なお、水平ガイド面4001は、各垂直ガイド面(つまり、垂直ガイド及びリブの構造体)について共通の1つの面として設定される。
具体的には、図20のステップS35Bにおいて、水平ガイド面4001について、形状、位置に関する情報を設定する(ステップS35B)。図22に示すように、水平ガイド面4001の板厚として200mmが設定される。また、ステップS36Bの材質データの設定においては、垂直ガイド面及びリブの材質データに加えて、水平ガイド面の材質データも設定される。具体的には、図22を参照すれば、ヤング率210,000N/mm2、ポアソン比=0.3が設定される。
図19に示すガイド面設定サブルーチンAと同様に、図20に示すガイド面設定サブルーチンBでも、各垂直ガイド面(つまり垂直ガイド及びリブの構造体)について、繰り返し情報の設定が行われるが、水平ガイド面については、同じ水平ガイド4001の情報が設定される。
その他の点については、基本的に図19に示すガイド面設定サブルーチンAと同様なので、更なる説明は省略する。ガイド面設定サブルーチンBでは、弾性面(つまり弾性板の上面)である水平ガイド面4001に、下端部が固定された各垂直ガイド面(つまり垂直ガイド及びリブの構造体)3001,3101,3201・・・から構成される構造体の弾性変形の解析を行うことなる。
(ブランク材設定サブルーチン)
次に、図23、24を参照しながら、ブランク材設定サブルーチンの説明を行う。図23は、メインルーチンにおいてステップS40で示されるブランク材設定サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。図24は、ブランク材を規定する節点及びシェル要素、及び領域点の情報を示すテーブルである。
本サブルーチンでは、プレス加工製品となるブランク材の弾塑性変形の解析を行うための情報を設定する。ブランク材については、有限要素法を用いた弾塑性変形解析を行うためのシェル要素を画定する情報を設定する。
図23において、まず、被プレス面、パンチ側面を含むブランク材の接点座標、シェル要素情報を設定する(ステップS42)。図24(b)に接点座標情報の一例を示し、図24(c)にシェル要素を構成する接点情報の一例を示す。次に、ブランク材の材質データを設定して(ステップS44)、本サブルーチンを終了する。
(工具設定サブルーチン)
次に、図25、26を参照しながら、工具設定サブルーチンの説明を行う。図25は、メインルーチンにおいてステップS50で示される工具設定サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。図26は、パンチ面を含む工具を規定する節点及びシェル要素、及び領域点の情報を示すテーブルである。
本サブルーチンでは、プレス面との間にブランク材を挟み込んでブランク材を弾塑性変形させる工具(パンチ)の情報を設定する。工具(パンチ)については、有限要素法を用いた弾塑性変形解析を行うためのシェル要素を画定する情報を設定する。
図25において、まず、パンチ面を含む工具の接点座標、シェル要素情報を設定する(ステップS52)。ここで、図26(b)に接点座標情報の一例を示し、図26(c)にシェル要素を構成する接点情報の一例を示す。次に、工具(パンチ)の材質データを設定して(ステップS54)、本サブルーチンを終了する。
(カムドライバビーム結合剛性計算サブルーチンA)
次に、図27を参照しながら、カムドライバビーム結合剛性計算サブルーチンAの説明を行う。図27は、メインルーチンにおいてステップS60で示される制御処理であって、図4に示す第1の実施形態に係る解析モデルを用いたカムドライバビーム結合剛性計算サブルーチンAの詳細を示すフローチャートである。
図27において、まず、図9のステップS12A、14Aで設定した垂直面及び第1の斜面の形状、位置情報を読み出す(ステップS62A)。次に、図9のステップS12A、14Aで設定した垂直面及び第1の斜面の重心点の情報を読み出す(ステップS64A)更に、図9のステップS16Aで設定したカムドライバの材質データを読み出す(ステップS66A)。そして、以上のようにして読み出したデータを用いて、第1ドライバビームの両端及両方の面の重心点を接続する処理を行い、本サブルーチンを終了する。つまりステップS66Aでは、第1ドライバビームの一端及び垂直面の重心点を繋ぎ、第1ドライバビームの他端及び第1の斜面の重心点を繋ぐモデルを構築する。
次に、図31を参照しながら、剛体面とみなす2つの面の間を弾性変形するビームで繋ぐ方法を説明する。図31は、カムドライバビーム結合・剛性計算またはカムスライダビーム結合・剛性計算を説明するための図であって、特に、解析モデルを構成する剛体面及びビームを模式的示す図である。
図31(a)には、カムドライバまたはカムスライダにおいて、剛体面とみなす垂直面の重心点及び剛体面とみなす第1の斜面の重心点を第1ドライバビームで繋ぐ場合、または剛体面または弾性面とみなすプレス面の重心点及び剛体面とみなす第2の斜面の重心点を第1スライダビームで繋ぐ場合を示す。ビームの長さをLとし、一方の面の面積をR1、幅寸法をB1、高さ寸法をH1とし、他方の面の面積をR2、幅寸法をB2、高さ寸法をH2とする。
図31には示されていないが、図5に示すような、更に、カムドライバに荷重面(水平面)が設定された場合、カムスライダに水平面が設定された場合も同様に取り扱うことができる。つまり、剛体面と第1の斜面の重心点及び剛体とみなす荷重面(水平面)の重心点を第2ドライバビームで繋ぐ場合や、剛体面とみなす荷重面(水平面)の重心点及び剛体とみなす垂直面の重心点を第3ドライバビームで繋ぐ場合も同様に適用できる。更に、剛体面とみなす第2の斜面の重心点及び剛体とみなす水平面の重心点を第2スライダビームで繋ぐ場合や、剛体面とみなす水平面の重心点及び剛体面または弾性面とみなすプレス面の重心点を第3スライダビームで繋ぐ場合も同様に適用できる。
図31(a)、(b)では、カムドライバまたはカムスライダをX軸、Y軸及びZ軸の3次元座標で示すが、ビームを用いた剛性計算では、図31(c)に示すような、ビームの軸方向であるA軸方向、それに直交する面上の互いに直交するB軸及びH軸による要素座標系を用いて計算するのが有効である。
(要素座標系の並進剛性)
はじめに、要素座標系を用いた場合の、並進剛性(並進変位における剛性)について検討する。
<A軸方向での力の釣り合い>
ビームの一方の端部1における荷重をF 、変位をu 、他方の端部2における荷重をF 、変位をu とし、ビームの剛性をKとすると、A軸方向での荷重、変位の釣り合いは、下記の数式1で表すことができる。
ここで、剛性Kは、下記の数式2のように表すことができる。
<B軸方向での力の釣り合い>
同様に、ビームの一方の端部1における荷重をF 、変位をu 、他方の端部2における荷重をF 、変位をu とし、ビームの剛性をKとすると、B軸方向で荷重及び変位の釣り合いは、下記の数式3のようなマトリックスで表すことができる。
ここで、剛性Kは、下記の数式4のように表すことができる。
<H軸方向での力の釣り合い>
同様に、ビームの一方の端部1における荷重をF 、変位をu 、他方の端部2における荷重をF 、変位をu とし、ビームの剛性をKとすると、H軸方向での荷重及び変位の釣り合いは、下記の数式5で表すことができる。
ここで、剛性Kは、下記の数式6のように表すことができる。
(要素座標系の回転剛性)
次に、要素座標系を用いた場合の、A軸を中心とした捻れ、B軸を中心とした回転、及びH軸を中心とした回転における剛性について検討する。
<A軸方向でのモーメントの釣り合い>
ビームの一方の端部1における荷重モーメントをM 、捻れ角をθ 、他方の端部2における荷重モーメントをM 、捻れ角をθ とし、ビームの捻れ剛性をJとすると、A軸方向での荷重モーメント及び捻れ角の釣り合いは、下記の数式7で表すことができる。
ここで、回転剛性Jは、下記の数式8のように表すことができる。
<B軸方向でのモーメントの釣り合い>
ビームの一方の端部1における荷重モーメントをM 、回転角をθ 、他方の端部2における荷重モーメントをM 、捻れ角をθ とし、ビームの捻れ剛性をJとすると、B軸方向での荷重モーメント及び回転角の釣り合いは、下記の数式9で表すことができる。
ここで、回転剛性Jは、下記の数式10のように表すことができる。
ここで、IBha,B軸廻りのカムドライバの回転2次モーメントを示す。
<H軸方向でのモーメントの釣り合い>
ビームの一方の端部1における荷重モーメントをM 、回転角をθ 、他方の端部2における荷重モーメントをM 、回転角をθ とし、ビームの捻れ剛性をJとすると、H軸方向での荷重モーメント及び回転角の釣り合いは、下記の数式11で表すことができる。
ここで、回転剛性Jは、下記の数式12のように表すことができる。
ここで、IBha,B軸廻りのカムドライバの回転2次モーメントを示す。
以上をまとめて、要素座標系の荷重ベクトルF、変位ベクトルu、剛性マトリックスをKとすると、それらの関係を下記の数式13のように表すことができる。
(要素座標系から絶対座標系への変換)
次に、数式13に示すような要素座標系の荷重ベクトルF、変位ベクトルuL及び剛性マトリックスKの関係を、絶対座標系に変換する必要がある。以下、それについて検討を行う。
要素座標系の変位をu、絶対座標系の変位をu、座標変換マトリックスをTとすると、以下の数式14のように表すことができる。
絶対座標系の荷重をF、剛性マトリックスをKとすると、以下の数式15のように書き換えていくことができる。
以上のような式の書き換えにより、絶対座標系の剛性マトリックスKと、絶要素座標系の剛性マトリックスKとは、以下の数式16で表すことができる。
以上のようにして、本実施形態では、設定されたデータに基づいて、カムドライバまたはカムスライダを構成する2つの面を弾性ビームで繋ぐモデルを要素座標系で表して、荷重による変形(たわみ)を演算し、それを絶対座標に変換することができる。このような解析計算により、少ないデータを用いて少ない演算時間で効率的に変形解析を行うことができる。
(カムスライダ・ビーム結合剛性計算サブルーチンA)
次に、図28を参照しながら、カムスライダ・ビーム結合剛性計算サブルーチンAの説明を行う。図28は、メインルーチンにおいてステップS70で示される制御処理であって、図4に示す第1の実施形態に係る解析モデルを用いたカムスライダ・ビーム結合剛性計算サブルーチンAの詳細を示すフローチャートである。
図28において、まず、図10のステップS22A、24Aで設定したプレス面及び第2の斜面の形状、位置情報を読み出す(ステップS71A)。次に、図10のステップS26Aで設定したカムスライダの材質データを読み出す(ステップS72A)。次に、プレス面が弾性面であるか否か判断する(ステップS73A)。この判断で、もし、プレス面が弾性面ではない(NO)、つまり剛体面であると判別したときには、次に、図10のステップS22A、24Aで設定したプレス面及び第2の斜面の重心点の情報を読み出す(ステップS74A)。そして、以上のようにして読み出したデータを用いて、第1ドライバビームの両端及び両方の面の重心点を接続する処理を行い(ステップS75A)、本サブルーチンを終了する。つまりステップS74Aでは、第1スライダビームの一端及びプレス面の重心点を繋ぎ、第1スライダビームの他端及び第2の斜面の重心点を繋ぐモデルを構築する。この処理では、上記の数式1〜16を用いて説明した方法が適用される。
一方、ステップS73Aの判断で、もし、プレス面が弾性面である(YES)と判別したときには、図10のステップS22Aで設定したプレス面の領域点及び板厚の情報、及びステップS24Aで設定した第2の斜面の重心点の情報を読み出す(ステップS76A)。次に、図10のステップS26Aで設定した材質のデータを読み出す(ステップS77A)。そして、以上のようにして読み出したデータを用いて、第1スライダビームの一端及びプレス面の領域点を繋ぎ、第1スライダビームの他端及び第2の斜面の重心点を繋ぐモデルを構築して(ステップS78A)、本サブルーチンを終了する。ここで、第1スライダビームの他端及び第2の斜面の重心点を繋ぐことについては、上記の数式1〜16を用いて説明した方法が適用される。なお、図28では、プレス面に領域点が設けられている場合を示しているが、弾性面であるプレス面の重心点と第1スライダビームを接続することもできる。
次に、第1スライダビームの一端及びプレス面の領域点を繋ぐ場合について、図32を参照しながら説明する。図32は、カムスライダ・ビーム結合剛性計算を説明するための図であって、特にプレス面が弾性面の場合のビーム端部及び領域点の連結を模式的示す図である。
領域点については、上記のように予め定めておくこともできるし、プレス面の形状、剛性等に基づく計算で定めることもできる。本実施形態では、第1スライダビームの端部を、弾性面とみなすプレス面上の複数の領域点と剛体とみなす直線で繋ぐようにしている。
つまり、プレス面は、設定された板厚、材質データに基づき、受けた荷重に応じて弾性変形するが、第1スライダビームの一端と各領域点とはリジッドに接続される。よって、領域点の数や分布範囲を広げるとプレス面の弾性が少なくなり、領域点の数や分布範囲を狭めると、プレス面における、第1スライダビームの接続領域近傍と、その他の領域との繋がりが不自然になる可能性がある。よって、プレス面を含む3次元のカムスライダの変形に即するように、領域点の数及び位置を適切に選択することが重要である。
以上のように、カムスライダビームにおいて、弾性面とみなす面上の複数の領域点及びビームの端部を剛体とみなす直線で繋ぐ場合には、弾性面とビームの間を適切に接続することができる。
なお、本実施形態では、第1スライダビームの一端及び領域点を繋いでいるが、これに限られるものではない。プレス面が弾性面の場合において、第1スライダビームの一端及びプレス面の重心点を繋ぐこともできる。この場合には、上記の数式1〜16を用いて説明した方法を適用することができる。カムスライダの変形の精度に関しては、第1スライダビームの一端及び領域点を繋いだ方が好ましいと言えるが、第1スライダビームの一端及びプレス面の重心点を繋ぐ場合には、より少ないデータを用いて、より少ない演算時間で変形の解析を行うことができる。
(カムドライバ・ビーム結合剛性計算サブルーチンB)
次に、図29を参照しながら、カムドライバ・ビーム結合剛性計算サブルーチンBの説明を行う。図29は、メインルーチンにおいてステップS60で示される制御処理であって、図5に示す第2の実施形態に係る解析モデルを用いたカムドライバ・ビーム結合剛性計算サブルーチンBの詳細を示すフローチャートである。
カムドライバ・ビーム結合剛性計算サブルーチンBでは、上記のカムドライバ・ビーム結合剛性計算サブルーチンAに比べて、
(1)垂直面、第1の斜面に加えて、荷重面(水平面)の形状、位置情報を読み出す点(ステップS61B参照)、
(2)垂直面、第1の斜面に加えて、荷重面(水平面)の重心点の情報を読み出す点(ステップS63B参照)、
(3)第1ドライバビームだけでなく、第2ドライバビームの一端及び第1の斜面の重心点を結び、第2ドライバビームの他端及び荷重面(水平面)の重心点を結ぶモデルを構築する点(ステップS65B参照)、及び、
(4)第3ドライバビームの一端端及び荷重面(水平面)の重心点を結び、第3ドライバビームの他端及び垂直面の重心点を結ぶモデルを構築する点(ステップS66B参照)
で異なる。
第1から第3ドライバビームの端部と各面の重心点とを接続する場合には、上記の数式1〜16を用いて説明した方法が適用される。
その他の点については、基本的に図27のカムドライバ・ビーム結合剛性計算サブルーチンAで行った説明と同様なので、更なる説明は省略する。
(カムスライダ・ビーム結合剛性計算サブルーチンB)
次に、図28を参照しながら、カムスライダ。ビーム結合剛性計算サブルーチンBの説明を行う。図30は、メインルーチンにおいてステップS70で示される制御処理であって、図5に示す第2の実施形態に係る解析モデルを用いたカムスライダ・ビーム結合剛性計算サブルーチンBの詳細を示すフローチャートである。
カムスライダ・ビーム結合剛性計算サブルーチンBでは、上記のカムスライダビーム結合・剛性計算サブルーチンAに比べて、
(1)プレス面、第2の斜面に加えて、水平面の形状、位置情報を読み出す点(ステップS71B参照)、
(2)プレス面、第2の斜面に加えて、水平面の重心点の情報を読み出す点(ステップS74B、76B参照)、
(3)第1スライダビームだけでなく、第2スライダビームの一端及び第2の斜面の重心点を結び、第2スライダビームの他端及び水平面の重心点を結ぶモデルを構築する点(ステップS75B、ステップS78B参照)、及び、
(4)第3スライダビームの一端及び水平面の重心点を結び、第3スライダビームの他端及びプレス面の重心点または領域点を結ぶモデルを構築する点(ステップS75B、79B参照)
で異なる。
第1から第3スライダビームの端部と各面の重心点とを接続する場合には、上記の数式1〜16を用いて説明した方法が適用される。第1スライダビームの一端と弾性面であるプレス面の領域点とを接続する場合には、上記の図32を参照して説明した方法が適用できる。
その他の点については、基本的に図28のカムスライダ・ビーム結合剛性計算サブルーチンAで行った説明と同様なので、更なる説明は省略する。
上記の実施形態では、カムドライバ及びカムスライダの両方が弾性変形するビームを有しているが、これに限られるものではない。カムドライバビーム及びカムスライダビームの少なくとも一方が弾性変形可能であればよい。プレス成形の解析の精度の観点からは、カムドライバ及びカムスライダの両方のビームが弾性変形する方が好ましいが、少なくとも一方のビームが弾性変形可能であれば、プレス成形部材の変形を考慮したプレス成形の解析をより少ないデータでより短い演算時間で実現できる。
(接触・拘束条件設定サブルーチン)
次に、図33から図35を参照しながら、接触・拘束条件設定サブルーチンの説明を行う。図33は、メインルーチンにおいてステップS80で示される接触・拘束条件設定サブルーチンAの詳細を示すフローチャートである。図34は、垂直面及び斜面の接触情報を示すテーブルである。図35は、水平面の接触情報を示すテーブルである。図36は、平面ガイド面の拘束条件を示すテーブルである。図37は、垂直ガイド面の拘束条件を示すテーブル及び斜視図である。
図33のフローチャートにおいて、まず、垂直面及び垂直ガイド面の間の接触条件を設定する(ステップS82)。図34(b)を参照すれば、互いに接する垂直面1001、1101・・・及び垂直ガイド面3001、3101・・・の間の摩擦係数は、何れも0.2に設定される。これにより、カムドライバの下降に伴って、カムスライダが前進してブランク材を押圧し、カブランク材の反力によって、カムドライバの垂直面及び垂直ガイド面が接触すると、カムドライバは、摩擦係数0.2の摩擦力に抗して垂直ガイド面に対して下降していく。
次に、第1の斜面及び第2の斜面の間の接触条件を設定する(ステップS84)。図34(c)を参照すれば、互いに接する第1の斜面1002、1102・・・及び第2の斜面2002、2102・・・の間の摩擦係数は、何れも0.1に設定される。これにより、カムドライバの下降に伴って、カムドライバの第1の斜面及びカムスライダの第2の斜面は、摩擦係数0.1の摩擦力に抗して互いに摺動する。
次に、カムスライダの水平面及び水平ガイド面の間の接触条件を設定する(ステップS86)。なお、この制御処理は、図5に示す第2の実施形態に係る解析モデルを用いた場合に必要な設定処理である。
図35を参照すれば、互いに接する水平面2003、2103・・・及び水平ガイド面4001、4101・・・の間の摩擦係数は、何れも0.2に設定される。これにより、カムスライダの下降に伴って、カムスライダの水平面は、摩擦係数0.2の摩擦力に抗して水平ガイド面の上を水平に移動する。
次に、水平ガイド面の拘束条件を設定する(ステップS88)。なお、この制御処理は、図5に示す第2の実施形態に係る解析モデルを用いた場合に必要な設定処理である。
図36を参照すれば、水平ガイド面は、X軸並進方向の拘束フラグ、Y軸並進方向の拘束フラグ、Z軸並進方向の拘束フラグ、X軸回転方向の拘束フラグ、Y軸回転方向の拘束フラグ、及びZ軸回転方向の拘束フラグのすべてがフラグオン(=1)の状態になっている。つまり、水平面は全く動かず、変形しない条件になっている。
このため、カムドライバを所定量だけ下降させる条件を入れると、固定された水平ガイド面との間で、各部材に下降量に応じた荷重及び変形が生じるようになる。また、図4に示す第1の実施形態では、水平ガイド面は設定されておらず、その代わりに、例えば、カムスライダの第2の斜面及びプレス面の下端部が水平に移動するように設定される。
水平ガイドを弾性板状部材とみなすときは、弾性板状部材の底面側の接点を拘束し、カムドライバの下降に伴う荷重で、水平ガイドが変形し、上面であるガイド面が変形するようにして解析することもできる。
次に、垂直ガイド面の拘束条件を設定して(ステップS89)、本サブルーチンを終了する。図37を参照すれば、接点が全方向で拘束された水平ガイド面と接する垂直面及びリブの接点6011、6012・・・が、全方向で拘束された条件になっている。よって、片持ち梁の支持態様の弾性板状の垂直ガイド面及びリブが接合された弾性構造体として、荷重に基づく変形計算が行われる。
以上のように、カムドライバ側を所定のストロークだけ垂直下方に移動させ、垂直ガイド面及び水平ガイド面側を拘束することにより、プレス曲げ成形を適切に再現することができる。
(プレス成形解析サブルーチン)
次に、図38を参照しながら、プレス成形解析サブルーチンの説明を行う。図38は、メインルーチンにおいてステップS90で示されるプレス成形解析サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。
カムドライバが下降すると、水平ガイド面は(多少弾性変形を伴ったとしても)基本的に位置が固定されているので、カムドライバの第1の斜面及びカムスライダの第2の摺動により、カムスライダが水平方向に前進して、ブランク材に当たる。更に、カムドライバを下降させると、ブランク材の反力で、カムスライダ及びカムドライバが若干水平方向に後退し、カムドライバの垂直面が垂直ガイド面に当たる。更に、カムドライバを下降させると、垂直ガイド面から反力に伴って、カムスライダがブランク材を押圧し、カムスライダのプレス面と、ブランク材の裏面側に位置する工具のパンチ面との間で,ブランク材を挟み込んで、ブランク材を、プレス面及びパンチ面の形状に対応した形状にプレス曲げ加工することができる。
プレス成形解析サブルーチンでは、カムドライバをΔYだけY軸方向下側に下降させた場合の、カムドライバ、カムスライダ、垂直ガイド面、水平ガイド面(弾性面とみなす場合)の変形(たわみ)を演算し、算出された各部材の変形(たわみ)に基づく、有限要素法によるブランク材の変形の解析を繰り返すことにより、成形途中のたわみ量を逐次計算しながら、プレス成形部材のたわみを考慮したブランク材の変形解析ができる。
図38において、カムドライバ(つまり、ドライバビームの両端(垂直面及び第1の斜面の重心点))またはカムドライバの荷重面(水平面)(つまり荷重面の重心点)をΔYだけ下降させる(ステップS100)。これに伴い、垂直ガイド面の変形解析(ステップS110)、カムドライバの変形解析(ステップS120),カムスライダの変形解析(ステップ130)、及び水平ガイドの変形解析(ステップS140:弾性面としてみなす場合)が行われる。
このとき、図4に示す第1の実施形態であれば、垂直面及び垂直ガイド面の間の荷重の伝達、第1ドライバビームによる垂直面及び第1の斜面の間の荷重の伝達、第1の斜面及び第2の斜面の間の荷重の伝達、第1スライダビームによる第2の斜面及びプレス面の間の荷重の伝達、及びプレス面及びブランク材の被プレス面の間の荷重の伝達に基づいて、弾性変形の演算が行われる。
図5に示す第2の実施形態であれば、第3ドライバビームによる荷重面(水平面)及び垂直面の間の荷重の伝達、垂直ガイド面及び垂直面の間の荷重の伝達、第1ドライバビームによる垂直面及び第1の斜面の間の荷重の伝達、第2ドライバビームによる第1の斜面及び荷重面(水平面)の間の荷重の伝達、第1の斜面及び第2の斜面の間の荷重の伝達、第1スライダビームによる第2の斜面及びプレス面の間の荷重の伝達、第3スライダビームによるプレス面及び水平面の間の荷重の伝達、第2スライダビームによる水平面及び第2の斜面の間の荷重の伝達、水平ガイド面及び水平面の間の荷重の伝達、及びプレス面及びブランク材の被プレス面の間の荷重の伝達に基づいて、弾性変形の演算が行われる。
なお、第1の実施形態場合であっても、第2の実施形態であっても、カムドライバビーム及びカムスライダビームのビームの少なくとも一方が弾性変形可能であれば、金型のたわみを考慮したプレス成形の解析が可能である。
ステップS110〜S140の解析に基づいて、プレス面により荷重が加えられたブランク材について、ブランク材のプレス成形解析が行われる(ステップS150)。ブランク材のプレス成形解析については、有限要素法を用いた既知の任意の解析手法を用いて実施することができる。
次に、各解析計算結果を記憶手段に記憶し(ステップS160)、継ぎに、下降量YにΔYを加える制御処理を行う(ステップS170)。次に、この値Yが設定されたストローク量に達したか否か判断する(ステップS180)。この判断で、もし、値Yが設定されたストローク量に達していない(NO)と判別した場合には、ステップS100に戻り、再び上記の制御処理を繰り返す。ステップS180の判断で、もし、値Yが設定されたストローク量に達した(YES)と判別したときには、最終解析結果を記憶手段に記憶して(ステップS190)、本サブルーチンを終了する。以上によって、一連のプレス成形解析のための制御処理が終了する。
プレス成形の解析の精度の観点からは、カムドライバ及びカムスライダの両方のビームが弾性変形する方が好ましいが、少なくとも一方のビームが弾性変形可能であれば、プレス成形部材の変形を考慮したプレス成形の解析をより少ないデータでより短い演算時間で実現できる。
以上のように、上記の実施形態に係るプレス曲げ成形解析モデル生成システムは、図1、4、5、7を参照すると、
ガイド部材3000の垂直ガイド面3001に対向する垂直面1001、1101と、垂直面1001、1101と水平方向で反対側に設けられた第1の斜面1002、1102とを有するカムドライバ1000、1100と、
第1の斜面1002、1102と対向する第2の斜面2002、2102と、第2の斜面2002、2102と水平方向で反対側に設けられたプレス面2001(各カムスライダで共通)と、ガイド部材の水平ガイド面4001に対向する水平面2003、2103と、を有するカムスライダ2000、2100と、を備えたプレス曲げ成形金型を用いて、
カムドライバ1000、1100の下降に伴って、垂直ガイド面3001及び垂直面1001、1101並びに第1の斜面1002、1102及び第2の斜面2002、2102が互いに摺動して、カムスライダ2000、2100が水平ガイド面4001に沿って水平方向に移動し、カムスライダ2000、2100に設けられたプレス面2001がブランク材5000の対向する被プレス面5001に接触して押圧することにより実施されるプレス曲げ成形を、有限要素法によって解析するための解析モデルを生成するプレス曲げ成形解析モデル生成システムであって、
垂直面1001、1101から荷重を受ける弾性面とみなす垂直ガイド面3001の解析モデルを形成する垂直ガイド面解析モデル生成部110と、
垂直ガイド面3001から荷重を受ける剛体面とみなす垂直面1001、1101と、第2の斜面2002、2102から荷重を受ける剛体面とみなす第1の斜面1002、1102との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可な(第1の)カムドライバビーム1000A、1100Aを用いてカムドライバ1000、1100の解析モデルを形成するカムドライバ解析モデル生成部120と、
被プレス面5001から荷重を受ける剛体面または弾性面とみなすプレス面2001と、第1の斜面1002、2102から荷重を受ける剛体面とみなす第2の斜面2002、2102との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可な(第1の)カムスライダビーム2000A、2100Aを用いてカムスライダ2000、2100の解析モデルを形成するカムスライダ解析モデル生成部130と、
プレス面2001から荷重を受ける被プレス面5001を有する変形可能なシェル要素を用いてブランク材5000の解析モデルを形成するブランク材解析モデル生成部150と、
を備え、
カムドライバビーム1000A、1100A及びカムスライダビーム2000A、2100Aの少なくとも一方が弾性変形可能である。
このように、プレス曲げ成形に用いる金型であるカムドライバ1000、1000及びカムスライダ2000、2100について、主要面をビームで繋ぐモデルを適用することにより、金型のたわみを考慮したプレス曲げ成形の解析を、金型全体をソリッド要素でモデル化する場合に比べて、より少ないデータを用いて、より短い演算時間で実現できる。また、詳細な金型構造が不明であったとしても、金型のたわみ発生メカニズムを考慮できる。更に、カムドライバ1000、1100を所定量下降させたきの解析を繰り返すことにより、プレス曲げ成形の途中経過における金型や披成形品のたわみ量を算出することができる。
以上のように、上記の実施形態に係るプレス曲げ成形解析モデル生成システムでは、詳細な金型構造が不明であっても金型のたわみ発生メカニズムを考慮でき、かつ成形途中のたわみ量を逐次計算でき、かつ工数の増加が小さいシミュレーションシステムを提供することができる。
また、コンピュータを上記の制御部のように機能させるためのプログラも本発明に含まれ、上記と同様な作用効果を奏する。
更に、図5に示す本発明の第2の実施形態に係る解析モデルのように、
カムドライバ1000、1100が、荷重面(水平面)1003、1103を有し、
カムドライバビームとして、
垂直ガイド面3001から荷重を受ける垂直面1001,1101と、第2の斜面2002、2102から荷重を受ける第1の斜面1002、1102との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可な第1ドライバビーム1000A、1100Aに加えて、
第2の斜面2002、2102から荷重を受ける第1の斜面1002、1102と、上方から荷重を受ける剛体面とみなす荷重面(水平面)1003、1103との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可な第2ドライバビーム1000B、1100B、及び
上方から荷重を受ける荷重面(水平面)1003、1103と、垂直ガイド面3001から荷重を受ける垂直面1001、1101との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可な第3ドライバビーム1000C、1100Cを有することもできる。
この場合には、垂直面1001、1101と第1の斜面1002、1102との間を繋ぐ第1ドライバビーム1000A、1100Aに加えて、第1の斜面1002、1102と荷重面(平行面)1003、1103との間を繋ぐ第2ドライバビーム1000B、1100B、及び荷重面(水平面)1003、103と垂直面1001、1101との間を繋ぐ第3ドライバビーム1000C、1100Cを有するので、ドライバビーム1000、1100のたわみを考慮したより精度の高いプレス曲げ成形の解析が可能となる。
図5に示す本発明の第2の実施形態に係る解析モデルでは、更に、
水平面2003、2103から荷重を受ける弾性面とみなす水平ガイド面4001の解析モデルを形成する水平ガイド面解析モデル生成部140を更に備え、
カムスライダビームとして、
被プレス面5001から荷重を受ける剛体面または弾性面とみなすプレス面2001と、第1の斜面1002、1102から荷重を受ける剛体面とみなす第2の斜面2002、2102との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可な第1スライダビーム2000A、2100Aに加えて、
第1の斜面1002、1102から荷重を受ける第2の斜面2002、2102と、水平ガイド面4001から荷重を受ける水平面2003、2103との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可な第2スライダビーム2000B、2100B、及び
水平ガイド面4001から荷重を受ける剛体面とみなす水平面2003、2103と、被プレス面5001から荷重を受けるプレス面2001との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可な第3スライダビーム2000C,2100Cを有する。
この場合には、プレス面2001と第2の斜面2002,2102との間を繋ぐ第1スライダビーム2000A,2100Aに加えて、第2の斜面2002、2102と水平面2003,2103との間を繋ぐ第2スライダビーム2000B、2100B、及び水平面2003,2103とプレス面2001との間を繋ぐ第3スライダビーム2000C、2100Cを有するので、スライダビーム2000,2100のたわみを考慮したより精度の高いたプレス曲げ成形の解析が可能となる。
更に、上記の実施形態ではカムドライバ1000、1100・・・及びカムスライダ2000、2100・・・の対が複数設定され、各カムスライダ2000、2100・・・のプレス面2001が1つの弾性面を構成するように構成されているので、実際のプレス曲げ成形に即した金型のモデルを実現でき、プレス曲げ成形解析の精度向上に貢献する。
本発明の実施の形態、実施の態様を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施の形態、実施の態様における要素の組合せや順序の変化等は請求された本発明の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
1000、1100 カムドライバ
1001、1101 垂直面
1002、1102 第1斜面
1003、1103 荷重面(水平面)
2000、2100 カムスライダ
2001 プレス面
2002、2102 第2の斜面
2003、2103 水平面
3000 垂直ガイド
3001 垂直ガイド面
3002 リブ
4001 水平ガイド面
5000 ブランク材
5001 被プレス面
6000 パンチ
6001 パンチ面

Claims (9)

  1. ガイド部材の垂直ガイド面に対向する垂直面と、前記垂直面と水平方向で反対側に設けられた第1の斜面とを有するカムドライバと、
    前記第1の斜面と対向する第2の斜面と、前記第2の斜面と水平方向で反対側に設けられたプレス面と、前記ガイド部材の水平ガイド面に対向する水平面と、を有するカムスライダと、を備えたプレス曲げ成形金型を用いて、
    前記カムドライバの下降に伴って、前記垂直ガイド面及び前記垂直面並びに前記第1の斜面及び前記第2の斜面が互いに摺動して、前記カムスライダが前記水平ガイド面に沿って水平方向に移動し、前記カムスライダに設けられた前記プレス面がブランク材の対向する被プレス面に接触して押圧することにより実施されるプレス曲げ成形を、有限要素法によって解析するための解析モデルを生成するプレス曲げ成形解析モデル生成システムであって、
    前記垂直面から荷重を受ける弾性面とみなす前記垂直ガイド面の解析モデルを形成する垂直ガイド面解析モデル生成部と、
    前記垂直ガイド面から荷重を受ける剛体面とみなす前記垂直面と、前記第2の斜面から荷重を受ける剛体面とみなす前記第1の斜面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可なカムドライバビームを用いて前記カムドライバの解析モデルを形成するカムドライバ解析モデル生成部と、
    前記被プレス面から荷重を受ける剛体面または弾性面とみなす前記プレス面と、前記第1の斜面から荷重を受ける剛体面とみなす前記第2の斜面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可なカムスライダビームを用いて前記カムスライダの解析モデルを形成するカムスライダ解析モデル生成部と、
    前記プレス面から荷重を受ける被プレス面を有する変形可能なシェル要素を用いて前記ブランク材の解析モデルを形成するブランク材解析モデル生成部と、
    を備え、
    前記カムドライバビーム及び前記カムスライダビームの少なくとも一方が弾性変形可能であることを特徴とするプレス曲げ成形解析モデル生成システム。
  2. 前記カムドライバが、水平な荷重面を有し、
    前記カムドライバビームとして、
    前記垂直ガイド面から荷重を受ける前記垂直面と、前記第2の斜面から荷重を受ける前記第1の斜面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可な第1ドライバビームに加えて、
    前記第2の斜面から荷重を受ける前記第1の斜面と、上方から荷重を受ける剛体面とみなす前記荷重面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可な第2ドライバビーム、及び
    上方から荷重を受ける前記荷重面と、前記垂直ガイド面から荷重を受ける前記垂直面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可な第3ドライバビームを有することを特徴とする請求項1に記載のプレス曲げ成形解析モデル生成システム。
  3. 前記水平面から荷重を受ける弾性面とみなす前記水平ガイド面の解析モデルを形成する水平ガイド面解析モデル生成部を更に備え、
    前記カムスライダビームとして、
    前記被プレス面から荷重を受ける剛体面または弾性面とみなす前記プレス面と、前記第1の斜面から荷重を受ける剛体面とみなす前記第2の斜面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可な第1スライダビームに加えて、
    前記第1の斜面から荷重を受ける前記第2の斜面と、前記水平ガイド面から荷重を受ける前記水平面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可な第2スライダビーム、及び
    前記水平ガイド面から荷重を受ける剛体面とみなす前記水平面と、前記被プレス面から荷重を受ける前記プレス面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可な第3スライダビームを有することを特徴とする請求項1または2に記載のプレス曲げ成形解析モデル生成システム。
  4. 前記カムドライバビームまたは前記カムスライダビームにおいて、
    剛体面の重心点及びビームの端部を繋ぐことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のプレス曲げ成形解析モデル生成システム。
  5. 前記カムスライダビームにおいて、
    弾性面とみなす面上の複数の領域点及びビームの端部を剛体とみなす直線で繋ぐことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のプレス曲げ成形解析モデル生成システム。
  6. 前記重心点または前記領域点の位置が、面の形状情報に基づいて自動計算されることを特徴とする請求項4または5に記載のプレス曲げ成形解析モデル生成システム。
  7. 前記カムドライバに設定された面または重心点が所定のストロークだけ垂直下方に移動し、前記垂直ガイド面及び前記水平ガイド面の少なくとも一部の移動が拘束される条件で解析モデルを生成することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のプレス曲げ成形解析モデル生成システム。
  8. 前記第1の斜面及び前記第2の斜面で接する前記カムドライバ及び前記カムスライダの対が複数設定され、各カムスライダの前記プレス面が1つの弾性面を構成するように繋がっていることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のプレス曲げ成形解析モデル生成システム。
  9. ガイド部材の垂直ガイド面に対向する垂直面と、前記垂直面と水平方向で反対側に設けられた第1の斜面とを有するカムドライバと、
    前記第1の斜面と対向する第2の斜面と、前記第2の斜面と水平方向で反対側に設けられたプレス面と、前記ガイド部材の水平ガイド面に対向する水平面と、を有するカムスライダと、を備えたプレス曲げ成形金型を用いて、
    前記カムドライバの下降に伴って、前記垂直ガイド面及び前記垂直面並びに前記第1の斜面及び前記第2の斜面が互いに摺動して、前記カムスライダが前記水平ガイド面に沿って水平方向に移動し、前記カムスライダに設けられた前記プレス面がブランク材の対向する被プレス面に接触して押圧することにより実施されるプレス曲げ成形を、有限要素法によって解析するための解析モデルを生成するプログラムであって、
    コンピュータを、
    前記垂直面から荷重を受ける弾性面とみなす前記垂直ガイド面の解析モデルを形成する垂直ガイド面解析モデル生成部と、
    前記垂直ガイド面から荷重を受ける剛体面とみなす前記垂直面と、前記第2の斜面から荷重を受ける剛体面とみなす前記第1の斜面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可なカムドライバビームを用いて前記カムドライバの解析モデルを形成するカムドライバ解析モデル生成部と、
    前記被プレス面から荷重を受ける剛体面または弾性面とみなす前記プレス面と、前記第1の斜面から荷重を受ける剛体面とみなす前記第2の斜面との間を繋ぐ、両端にかかる該荷重により弾性変形可能または変形不可なカムスライダビームを用いて前記カムスライダの解析モデルを形成するカムスライダ解析モデル生成部と、
    前記プレス面から荷重を受ける被プレス面を有する変形可能なシェル要素を用いて前記ブランク材の解析モデルを形成するブランク材解析モデル生成部と、
    して機能させ、
    前記カムドライバビーム及び前記カムスライダビームの少なくとも一方が弾性変形可能であることを特徴とするプレス曲げ成形解析モデル生成プログラム。
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