JP6808947B2 - 成型物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂フィルムを空気輸送、貯蔵、再使用に適する大きさ且つ形状に加工するための造粒機を用いた成型物の製造方法に関する。
シート状の熱可塑性樹脂フィルムを再利用するためには、空気による輸送に適した一定の大きさの成型物(例えば、高さ30mm以下の円筒形の成型物)に加工する必要がある。そのため、シート状熱可塑性樹脂フィルムを粉砕し、複数の貫通孔(ダイス孔)を有するダイスと、ダイスの周面と圧着して回転自在に設けられた転動ローラーを有する造粒機を用いて、円筒状成型物に成型する必要がある。
このような造粒機を用いた場合、粉砕物が造粒機のダイス孔を通過するときに発生する摩擦熱により、製造される円筒状成型物の表面温度は高温となる。その結果、ダイス温度が時間経過と共に上昇して円筒状成型物の表面が溶融し、互いに融着して大きな塊となることで、造粒機の運転負荷が上昇する。
そのため、このような造粒機で円筒状成型物を安定して製造するためには、通常、造粒機の運転負荷と造粒した円筒状成型物の温度を観察し、これらを適した範囲に制御する。造粒機の運転負荷を制御する方法としては、造粒機モーター電流値により造粒機の運転負荷を観察し、造粒機の運転負荷が一定となるように熱可塑性樹脂フィルム屑の供給速度を制御する方法が従来技術として知られている(例えば、特許文献1)。また、造粒した円筒状成型物の冷却方法としては、造粒機のダイスに冷却液を吹き付けたり、注水したりする方法や(例えば、特許文献2、3)、ダイス及び転動ローラーを覆うカバー内部への給気、及びカバー外部への排気による方法が従来技術として知られている(例えば、特許文献4)。
特開平10−128100号公報 特開2000−282073号公報 特開昭62−282855号公報 特開2010−194916号公報
しかしながら、特許文献1の供給速度を制御するだけでは、生産性が低いことが問題であった。また、特許文献2や3に記載の技術では、造粒機の金属材料内部に発生した錆が成型物に混入するという問題や、成型物中に含まれる水分が多くなるため、再使用時における乾燥時間が長くなり、生産性が低下するという問題があった。また、特許文献4に記載の技術では、成型物の融着を十分に防ぐことが出来ず、フィルム厚みの薄い物では融着が頻繁に発生するという問題や、融着を防ぐために給気風速及び排気風速を上げると、カバー内部での風速が強すぎて次工程へ成型物を送ることができないという問題があった。
本発明はかかる従来技術の欠点を改良し、熱可塑性樹脂フィルムから高品位かつ所定の大きさの成型物を効率良く得ることができる製造方法を提供することを、その課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の成型物の製造方法は以下の構成からなる。
(1) フィルムを粉砕して粉砕物とする工程1、粉砕物を造粒機に供給する工程2、及び粉砕物を造粒機で圧縮して押し固めることにより成型して成型物とする工程3をこの順に有する、熱可塑性樹脂からなる成型物の製造方法であって、前記フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであり、前記造粒機は、複数の貫通孔を有するダイスを有し、前記貫通孔の内部表面粗さRaが0.1μm以上5μm以下であり、前記熱可塑性樹脂がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする、成型物の製造方法。
(2) 前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚みが1μm以上300μm以下であることを特徴とする、(1)に記載の成型物の製造方法。
(3) 前記工程2における、粉砕物の供給速度が100kg/hr以上800kg/hr以下であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の成型物の製造方法。
本発明の製造方法により、ダイスの温度上昇によるポリエチレンテレフタレートフィルムの溶融、融着を防止し、ポリエチレンテレフタレートフィルムから高品位かつ所定の大きさの成型物を効率良く得ることが可能となる。また、特に厚みの薄いフィルムや機能層のあるフィルム、また、低融点フィルムでの融着問題が顕著であるため、これらのフィルムへの適用が有用である。
粉砕物から成型物を製造する工程の1例。 造粒機の内部構造の1例。 給気口、排気口がなく、カバーへの改良がされていない造粒機の内部構造の1例。
本発明の成型物の製造方法は、フィルムを粉砕して粉砕物とする工程1、粉砕物を造粒機に供給する工程2、及び粉砕物を造粒機で圧縮して押し固めることにより成型して成型物とする工程3をこの順に有する、熱可塑性樹脂からなる成型物の製造方法であって、前記フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであり、前記造粒機は、複数の貫通孔を有するダイスを有し、前記貫通孔の内部表面粗さRaが0.1μm以上5μm以下であり、前記熱可塑性樹脂がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする。
本発明において、フィルムとは、ポリエチレンテレフタレートフィルムを指す
本発明において、粉砕物とは、シート状のフィルムを粉々に粉砕して得られたものを指し、成型物とは、造粒機により粉砕物を圧縮して押し固めることで得られるものを指す。なお、造粒機の詳細については後述する。
本発明の成型物の製造方法で使用する造粒機においては、複数の貫通孔を有するダイスを有し、前記貫通孔の内部表面粗さRaが0.1μm以上5μm以下であることが重要である。ここで、貫通孔とは、ダイスの壁を貫通するように空けられた孔を指し、貫通孔の内部表面粗さRaとは、貫通孔の内部表面の粗さの程度を表す指標である。貫通孔の内部表面粗さRaを測定する方法としては、貫通孔の内部のレプリカを製作し、その表面を顕微鏡で測定する方法を用いることができる。また、前記貫通孔の内部表面粗さRaが0.1μm以上5μm以下であるとは、内部表面粗さRaが0.1μm以上5μm以下である貫通孔を少なくとも一つ有する状態を指すが、ダイス温度の上昇を抑えて成型物の生産量を増やす観点から、複数の貫通孔のRaが0.1μm以上5μm以下であることがより好ましく、全ての貫通孔のRaが0.1μm以上5μm以下であることが最も好ましい。
本発明において、貫通孔の内部表面粗さRaは、ダイス温度の上昇を抑えて成型物の生産量を増やす観点から、0.5μm以上4μm以下がより好ましく、0.5μm以上3μm以下が特に好ましい。
また、貫通孔の内部表面粗さRaを0.1μm以上5μm以下とするための方法は、特に限定されないが、マシニングセンタ(自動加工機)を用いて、エンドミル、ドリル、リーマ等の工具でダイスを加工することにより、貫通孔の形成及びその内部の切削をする方法が挙げられる。通常、マシニングセンタを用いてリーマによる加工を施すことで、貫通孔の内部表面粗さRaを5μm以下とすることが可能であるが、その後にハンドリーマを用いて時間をかけて貫通孔の内部を加工することや、Brush Research Manufacturing社の“フレックスホーン”(登録商標)などの内面研磨用砥石で貫通孔の内部を加工することにより、Raを0.1μmまで下げることが可能である。
本発明の工程3における粉砕物の溶融や融着は、工程1で粉砕されるフィルムの厚みが薄いほど生じ易い。そのため、工程1で粉砕されるフィルムの厚みが薄いほど本発明の融着抑制効果が発揮される。このような観点から、本発明の工程1に用いられるフィルムの厚みは特に限定されないが、1μm以上300μm以下であることが好ましく、1μm以上200μm以下であることがより好ましく、1μm以上50μm以下であることが特に好ましい。フィルムの厚みが300μm以下であると、工程1にて得られる粉砕物の嵩密度は小さく、体積は大きくなるため、工程3での負荷が上昇する。それに伴い、粉砕物の溶融や融着が発生しやすい状況になるため、本発明の融着抑制効果がより発揮されやすい。逆に、フィルムの厚みが300μmを超えると、300μm以下の場合と比べて粉砕物の溶融や融着そのものが発生しにくいため、本発明の融着抑制効果が発揮されにくくなる可能性がある。また、フィルムの厚みの下限は特に限定されないが、本発明の効果を得るためには1μmで十分である。
また、フィルムの両面または片面に、易接着性や反射防止性等の機能を付与するための機能層を有するフィルムや低融点のフィルムは、粉砕物の溶融や融着が発生しやすいため、本発明の融着抑制効果がより発揮されやすい。機能層としては、例えば、易接着層、反射防止層、ハードコート層、及び光拡散のためのマット層などが挙げられる。
機能層を形成する方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば、共押出法、コーティング法、ドライラミネート法、及び溶融ラミネート法等を用いることができる。中でも、手順が簡便であることから、コーティング法を用いることが好ましい。
コーティング法により機能層を形成する場合、塗材としては、ポリエステル、アクリルポリマー、ポリアミドおよびポリウレタンなどの水溶液または水分散液の塗材が好ましく用いられる。塗材の塗布方法としては、ロールコーター、グラビアコーターおよびバーコーターなどの方法を用いることができる。塗布の工程は、ポリエチレンテレフタレートフィルムの延伸の前、延伸工程の途中、あるいは延伸・熱処理を行った後など、適宜選択することができる。
本発明の工程2においては、生産性の向上や融着の発生を抑える観点から、粉砕物の供給速度が100kg/hr以上800kg/hrであることが好ましく、300kg/hr以上600kg/hr以下であることがより好ましい。粉砕物の供給速度を100kg/hr以上800kg/hrとすることにより、造粒機の負荷を一定水準に保つことができ、その結果、成型物の大きさをより均一にすることが可能となる。
以下に本発明の成型物の製造方法について、図を用いて具体的に説明するが、本発明の成型物の製造方法はこれに限定されるものではない。
本発明の成型物の製造方法は、フィルムを粉砕して粉砕物とする工程(工程1)、粉砕物を造粒機に供給する工程(工程2)、及び粉砕物を造粒機で圧縮して押し固めることにより成型して成型物とする工程(工程3)をこの順に有する。図1は、粉砕物から成型物を製造する工程の1例を表した図である。
工程1は、シート状のフィルムをクラッシャーと呼ばれる粉砕機にて引き取り粉砕する工程のことをいう。
工程1で得られた粉砕物1は、図1に示すように、造粒ホッパ2、及びフィーダー3を通して造粒機の本体内に連続的に供給される。この工程が工程2である。工程2においては、フィーダー3の回転速度はインバーター4又は変速機構を有する装置にて、モーター5を介して可変速駆動される。なお、フィーダー3の回転速度を調整することで、造粒機への粉砕物の供給速度を調整することができる。
工程2で造粒機に供給された粉砕物1は、造粒機で圧縮して押し固めることにより成型され成型物となる。この工程が工程3である。工程3における造粒機の内部構造、及び造粒機で粉砕物が成型される過程について、図を用いて詳細に説明する。
先ず、造粒機の内部構造の1例を表す図2を用いて、造粒機の内部構造について説明する。造粒機内部には、環状のダイス6が取り付けられており、ダイス6には、その壁を貫通した貫通孔7が、放射状に複数設けられている。貫通孔7の形状および大きさは、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、例えば、孔径(直径)6mmの円形とすることができる。ダイス6の内部には、その内周面と圧着して転動ローラー8が設けられている。ダイス6の外側には、押し出された成型物9−1を切断して切断後の成型物9−2を得るためのカッター10が設けられており、その内部には、押し出された成型物9−1の温度を測定するための測温体11が内蔵されている。また、ダイス6の外側には、造粒機カバー12が設けられており、その上部左右45°の位置には冷却空気供給口13と冷却空気排気口14が設けられている。造粒機カバー12の構造は二重管となっており、内部に冷却媒体を供給する冷却媒体供給口17と、冷却媒体を排出する冷却媒体排出口18とを有する。
ここで、押し出された成型物9−1とは、ダイス6より外に押し出された成型物であって、切断が完了するまでのものをいい、切断後の成型物9−2とは、カッター10による切断が完了して得られた成型物をいう。以後、これらの成型物を、それぞれ単に成型物9−1、成型物9−2という。また、測温体11は温度測定が可能なものであれば特に限定はされないが、例えば、カッター10の刃の先端に取り付けられた熱電対を用いることができる。
なお、粉砕物1や成型物9−1、成型物9−2と接触する部品の材質については、成型物9−2をフィルム製品の製造に再利用する観点から、耐食性のあるステンレスなどや、表面にメッキ処理を施したもの使用することが好ましい。但し、製作加工上の問題でこれらを用いることが困難である部品については、強度が必要であれば合金鋼、炭素鋼などを用いることができ、強度が必要でなければ一般構造用圧延鋼などを用いることができる。
次いで、図1および図2を用いて、造粒機で粉砕物が成型される過程について説明する。先ず、ダイス6を矢印A方向に回転させ、粉砕物1をダイス6の内部に供給し、転動ローラー8により粉砕物1を圧縮して貫通孔7内に押し込んで成型する。その後、貫通孔7よりダイス6外に押し出された成型物9−1を、カッター10によって所望の長さに切断して成型物9−2を得る。このとき、カッター10に内蔵された測温体11により、成型物9−1の温度を測定する。カッター10により所定の長さに切断して得られた成型物9−2は、自重落下によりロータリーバルブ19に入り、一定量毎に輸送配管20に送られ、輸送ブロア21により空気輸送される。
なお、成型物9−1及び成型物9−2を冷却する目的で、クーラー15を介して、冷却された空気を造粒機カバー12の冷却空気供給口13から給気し、排気ブロア16にて冷却空気排気口14から造粒機カバー12内の空気を強制排気する。また、冷却媒体供給口17から、造粒機カバー12の二重管内に冷却媒体を供給し、冷却媒体排出口18よりこれを排出することにより造粒機カバー12を冷却し、造粒機カバー12内の雰囲気温度を低下させる。
本発明の製造方法では、フィルムの融点以下の温度範囲で成型物9−2を製造することができる。結果、成型物9−2が溶融せず、成型物9−2が互いに融着しないため、成型物9−2は、不純物や水分の少ない、再利用に適した高品位品となる。なお、ここでいう融点とは、フィルムが融解する温度のことであり、熱分析(例えば、示差走査熱量測定、DSC)により求まる値である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。但し、実施例7は参考例とする。
[測定方法]
実施例中に示す測定や評価は次に示すような条件で行った。
(1)貫通孔の内部表面粗さRa(μm)
丸本ストルアス社製のレプリセットを用いて、任意に選択した一つの貫通孔の内部のレプリカを製作し、表面計測機能を有する顕微鏡(キーエンス社製VK−X100)にて、対物レンズ倍率10倍でレプリカの表面部を観察して表面粗さを計測した。なお、計測結果表示はJIS B0601:1994に準ずるパラメーターを使用し、カットオフ値は0.20mmとした。測定は、レプリカ上で任意に選択した3箇所について行い、その平均値を貫通孔の内部表面粗さRa(μm)とした。
(2)フィルムの厚み(μm)
シックネスゲージ(ミツトヨ社製 型番KK547−401)を用いて、任意の5点における厚みを測定し、その平均値をフィルム厚みとした。
(3)成型物の温度(℃)
造粒機の運転開始から運転終了まで、成型物を切断するカッター刃先端の熱電対にて検出する温度をデータロガー(オムロン社製 型番ZR−RX45)にて、サンプリング周期1分で記録した。なお、運転が正常に終了した場合は、運転開始後温度が安定したときの温度を成型物の温度とし、運転が異常停止したときは、停止時の温度を成型物の温度とした。
(4)成型物の平均嵩密度(g/cm
体積1Lの容器に成型物を投入して全体の質量を測定し、そこから容器の質量を引いて成型物1Lの質量を算出した。成型物1Lの質量より成型物1cmの質量を算出し、これを成型物の嵩密度とした。なお、成型物の嵩密度の測定を3回行い、その平均値を成型物の平均嵩密度とした。
(5)造粒機運転停止直後のダイス表面温度(℃)
造粒機運転停止直後に、ダイス表面温度をサーモグラフィで測定した。
(6)ダイス外径側における成型物の融着した痕跡の有無
運転終了後又は異常停止後に、造粒機のカバーを開き、ダイス貫通孔より押し出された切断前の成型物が2つ以上固着していることが確認されれば、溶融した痕跡有とし、2つ以上の固着がなければ溶融した痕跡無とした。
[貫通孔の内部の加工]
本実施例及び比較例においては、ドリルでダイスにφ6mmの貫通孔を形成し、貫通孔の内部表面粗さRaが所望の値となるように、リーマで貫通孔の内部を切削した。なお、ドリル、リーマによる加工は、全てマシニングセンタ(自動加工機)を用いて自動で行った。研磨終了後、前述の方法により、貫通孔の内部表面粗さRaを測定し、貫通孔の内部表面粗さRaが所望の値となったことを確認した。
(実施例1)
二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略すことがある)フィルム製造工程から発生した厚み23μmのPETフィルム屑を、粉砕機により粉砕し、粉砕物を造粒ホッパに投入した。その後、供給速度が400kg/hrとなるようにフィーダーの回転速度を設定して、孔径がφ6mm、ダイス貫通孔の内部表面粗さRaが3μmであるダイスを有し、かつ成型物のカット長さが30mmとなる位置にカッターが設置され、造粒機カバーを有する造粒機(新田ゼラチン製ペレットミルを改良したもの)に、粉砕物を投入し、運転した。なお、造粒機カバーは二重構造であり、φ150mmの給気口、排気口を各1箇所有し、空間内に冷却媒体を供給できる構造のものを使用した。また、成型物の温度を測定する熱電対の上限温度は、145℃に設定した。運転中は、給気用として制御室に設置されたダイキン製63kwパッケージエアコンからダクトを枝取りした20℃の空気を、給気口より風量10m/minで給気し、排気用に接続した0.75kwのシロッコファンをダンパーにより調整し、造粒機カバー内の空気を、排気口より風量12m/minで排気した。また、冷却媒体供給口から、冷却媒体として水温18℃の冷却水を、流速5L/minにて供給した。
この条件にて造粒機を連続8時間運転し、約3200kgの成型物を得た。運転中、成型物の温度は100℃で安定しており、得られた成型物の平均嵩密度は0.52g/cmであった。造粒機運転停止直後のダイス表面温度は、104℃であった。また、ダイス外径側に成型物の溶融した痕跡は見られなかった。
(実施例2)
フィルム厚みを188μm、供給速度を500kg/hrとした以外、実施例1と同様にして造粒機を連続8時間運転し、約4000kgの成型物を得た。運転中、成型物の温度は103℃で安定しており、製造した成型物の平均嵩密度は0.55g/cmであった。造粒機運転停止直後にダイス表面温度をサーモグラフィで測定したところ、107℃であった。また、ダイス外径側に成型物の溶融した痕跡は見られなかった。
(実施例3)
ダイス貫通孔の内部表面粗さRaを0.5μm、供給速度を500kg/hrとした以外、実施例1と同様にして造粒機を連続8時間運転し、約4000kgの成型物を得た。運転中、成型物の温度は102℃で安定しており、製造した成型物の平均嵩密度は0.51g/cmであった。造粒機運転停止直後にダイス表面温度をサーモグラフィで測定したところ、106℃であった。また、ダイス外径側に成型物の溶融した痕跡は見られなかった。
(実施例4)
ダイス貫通孔の内部表面粗さRaを4.7μm、供給速度を500kg/hrとした以外、実施例1と同様にして造粒機を連続8時間運転し、約4000kgの成型物を得た。運転中、成型物の温度は111℃で安定しており、製造した成型物の平均嵩密度は0.51g/cmであった。造粒機運転停止直後にダイス表面温度をサーモグラフィで測定したところ、114℃であった。また、ダイス外径側に成型物の溶融した痕跡は見られなかった。
(実施例5)
フィルム製造工程にて両面に下記の組成からなる塗液を一軸延伸後に塗布して易接着層を有するフィルムとしたこと以外は実施例1と同様にして造粒機を8時間運転し、約3200kgの成型物を得た。運転中、成型物の温度は101℃で安定しており、製造した成型物の平均嵩密度は0.51g/cmであった。造粒機運転停止直後にダイス表面温度をサーモグラフィで測定したところ、105℃であった。また、ダイス外径側に成型物の溶融した痕跡は見られなかった。
[塗液]
下記のポリエステル樹脂エマルジョン100質量部に対し、下記のメラミン系架橋剤液を55質量部と、平均粒径が0.1μmのコロイダルシリカ粒子を1質量部添加したものを塗液の原液とした。これを水で希釈し、5質量%濃度の水溶液としたものを塗液とした。
〔ポリエステル樹脂エマルジョン〕
下記組成の酸成分とジオール成分を共重合して得られたポリエステル共重合体のエマルジョン。
<酸成分>
・テレフタル酸:50モル%
・イソフタル酸:40モル%
・5−ナトリウムスルホイソフタル酸:10モル%
<ジオール成分>
・エチレングリコール:96モル%
・ネオペンチルグリコール:3モル%
・ジエチレングリコール:1モル%
〔メラミン系架橋剤液〕
イミノ基型メチル化メラミンを、イソプロピルアルコールと水との混合溶媒(イソプロピルアルコール:水=10:90(質量比))で希釈した液。
(実施例6)
フィルム製造工程にて両面に実施例5に記載の塗液を一軸延伸後に塗布して易接着層を有するフィルムとしたこと、フィルム厚みを188μm、供給速度を500kg/hrとした以外は実施例1と同様にして造粒機を8時間運転し、約4000kgの成型物を得た。運転中、成型物の温度は105℃で安定しており、製造した成型物の平均嵩密度は0.54g/cmであった。造粒機運転停止直後にダイス表面温度をサーモグラフィで測定したところ、108℃であった。また、ダイス外径側に成型物の溶融した痕跡は見られなかった。
(実施例7)
フィルムをポリエチレンイソフタレート(以下PET−Iと略すことがある。)フィルムとしたこと以外は実施例1と同様にして造粒機を8時間運転し、約3200kgの成型物を得た。運転中、成型物の温度は99℃で安定しており、製造した成型物の平均嵩密度は0.53g/cmであった。造粒機運転停止直後にダイス表面温度をサーモグラフィで測定したところ、103℃であった。また、ダイス外径側に成型物の溶融した痕跡は見られなかった。
(比較例1)
ダイス貫通孔の内部表面粗さRaを10μmとし、図3に示すような給気口、排気口がなく、カバーへの改良がされていない造粒機(新田ゼラチン製ペレットミル)を使用した以外、実施例1と同様にして造粒機を運転した。運転開始後30分で成型物の温度が上限に達し、造粒機の運転が異常停止した。造粒機運転停止後に造粒機カバーを開放し、内部を点検したところ、ダイス外径側に成型物の融着した痕跡が確認された。
(比較例2)
フィルム厚みを188μm、ダイス貫通孔の内部表面粗さRaを10μmとし、図3に示すような給気口、排気口がなく、カバーへの改良がされていない造粒機(新田ゼラチン製ペレットミル)を使用した以外、実施例1と同様にして造粒機を運転した。運転開始後1時間10分で成型物の温度が上限に達し、造粒機の運転が異常停止した。造粒機運転停止後に造粒機カバーを開放し、内部を点検したところ、ダイス外径側に成型物の融着した痕跡が確認された。
(比較例3)
ダイス貫通孔の内部表面粗さRaを10μmとした以外、実施例1と同様にして造粒機を運転した。運転開始後45分で成型物の温度が上限に達し、造粒機の運転が異常停止した。造粒機運転停止後に造粒機カバーを開放し、内部を点検したところ、ダイス外径側に成型物の融着した痕跡が確認された。
(比較例4)
フィルム厚みを188μm、ダイス貫通孔の内部表面粗さRaを18μmとし、図3に示すような給気口、排気口がなく、カバーへの改良がされていない造粒機(新田ゼラチン製ペレットミル)を使用した以外、実施例1と同様にして造粒機を運転した。運転開始後1時間で成型物の温度が上限に達し、造粒機の運転が異常停止した。造粒機運転停止後に造粒機カバーを開放し、内部を点検したところ、ダイス外径側に成型物の融着した痕跡が確認された。
(比較例5)
フィルム製造工程にて両面に実施例5に記載の塗液を一軸延伸後に塗布して易接着層を有するフィルムとしたこと、ダイス貫通孔の内部表面粗さRaを10μmとした以外は実施例1と同様にして造粒機を運転した。運転開始後30分で成型物の温度が上限に達し、造粒機の運転が異常停止した。造粒機運転停止後に造粒機カバーを開放し、内部を点検したところ、ダイス外径側に成型物の融着した痕跡が確認された。
実施例1〜7及び比較例1〜5における造粒機の運転条件、評価結果等を表1に示す。
Figure 0006808947
成型物採取量(kg)、運転中成型物温度(℃)、平均嵩密度(g/cm)、及び停止直後ダイス表面温度(℃)については、造粒機の運転が異常停止した場合は測定していない。
本発明の製造方法により、加工工程におけるダイスの温度上昇によるポリエチレンテレフタレートフィルムの溶融、融着を防止し、連続的に造粒機を運転することが可能となり、ポリエチレンテレフタレートからなる成型物の生産量を増やし、品質を向上させることが可能となる。また、特に厚みの薄いフィルムでの融着問題が顕著であるため、薄物フィルムへの適用が有用である。
1 粉砕物
2 造粒ホッパ
3 フィーダー
4 インバーター
5 モーター
6 ダイス
7 貫通孔
8 転動ローラー
9−1 押し出された成型物
9−2 切断後の成型物
10 カッター
11 測温体
12 造粒機カバー
13 冷却空気供給口
14 冷却空気排気口
15 クーラー
16 排気ブロア
17 冷却媒体供給口
18 冷却媒体排出口
19 ロータリーバルブ
20 輸送配管
21 輸送ブロア

Claims (3)

  1. フィルムを粉砕して粉砕物とする工程1、粉砕物を造粒機に供給する工程2、及び粉砕物を造粒機で圧縮して押し固めることにより成型して成型物とする工程3をこの順に有する、熱可塑性樹脂からなる成型物の製造方法であって、
    前記フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであり、
    前記造粒機は、複数の貫通孔を有するダイスを有し、
    前記貫通孔の内部表面粗さRaが0.1μm以上5μm以下であり、
    前記熱可塑性樹脂がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする、成型物の製造方法。
  2. 前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚みが1μm以上300μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の成型物の製造方法。
  3. 前記工程2における、粉砕物の供給速度が100kg/hr以上800kg/hr以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の成型物の製造方法。
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